(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】換気扇カバー係止具
(51)【国際特許分類】
F24F 7/013 20060101AFI20230725BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20230725BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
F24F7/013 101G
F24F7/06 101A
F24F13/28
(21)【出願番号】P 2019045422
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2018114805
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【氏名又は名称】山本 英明
(72)【発明者】
【氏名】足立 将司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 拓人
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3067561(JP,U)
【文献】実開平03-115337(JP,U)
【文献】実開平06-059734(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/013
F24F 7/06
F24F 13/28
B01D 46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、
曲げ加工された1本の線状体よりなり、
前記線状体の一端側部分に形成され、前記換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、
前記線状体の他端側部分に形成され、前記換気扇カバーに係止可能なフック部と、
前記クリップ部と前記フック部との間に形成されたコイル状の引っ張りバネ部と、
前記クリップ部と前記引っ張りバネ部との間に形成され、前記線状体を折曲してなる第1折曲部と、
前記フック部と前記引っ張りバネ部との間に形成され、前記線状体を折曲してなる第2折曲部とを備え
、
前記クリップ部は、前記換気扇枠の内側に面として接する面状に形成され、
前記フック部は、前記換気扇カバーの方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成された、換気扇カバー係止具。
【請求項2】
換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、
曲げ加工された1本の線状体よりなり、
前記線状体の一端側部分に形成され、前記換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、
前記線状体の他端側部分に形成され、前記換気扇カバーに係止可能なフック部と、
前記クリップ部と前記フック部との間に形成されたコイル状の引っ張りバネ部と、
前記クリップ部と前記引っ張りバネ部との間に形成され、前記線状体を折曲してなる第1折曲部と、
前記フック部と前記引っ張りバネ部との間に形成され、前記線状体を折曲してなる第2折曲部とを備え、
前記クリップ部は、面状に形成され、
前記フック部は、前記クリップ部が形成される面と直交する方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成された、換気扇カバー係止具。
【請求項3】
前記引っ張りバネ部と前記第2折曲部との間にて、前記引っ張りバネ部の巻き方向に対し略直交する方向に巻かれて形成された円形湾曲部を更に備える、請求項1
又は請求項2記載の換気扇カバー係止具。
【請求項4】
前記引っ張りバネ部の軸方向視において、前記第1折曲部に接続される前記引っ張りバネ部の第1端部と、前記第2折曲部に接続される前記引っ張りバネ部の第2端部とが、前記引っ張りバネ部の周方向において略同じ位置に配置され、前記クリップ部及び前記フック部が、前記第1端部及び前記第2端部を介して、前記引っ張りバネ部に対し反対側に配置された、請求項1
から請求項3のいずれかに記載の換気扇カバー係止具。
【請求項5】
換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、
曲げ加工された1本の線状体よりなり、
前記線状体の一端側部分に形成され、前記換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、
前記線状体の他端側部分に形成され、前記換気扇カバーに係止可能なフック部と、
前記クリップ部と前記フック部との間に形成された伸縮部と、
前記クリップ部と前記
伸縮部との間を接続する接続部と、
前記フック部と前記
伸縮部との間に形成され、前記線状体を折曲してなる折曲部とを備え
、
前記クリップ部は、前記換気扇枠の内側に面として接する面状に形成され、
前記フック部は、前記換気扇カバーの方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成された、換気扇カバー係止具。
【請求項6】
換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、
曲げ加工された1本の線状体よりなり、
前記線状体の一端側部分に形成され、前記換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、
前記線状体の他端側部分に形成され、前記換気扇カバーに係止可能なフック部と、
前記クリップ部と前記フック部との間に形成された伸縮部と、
前記クリップ部と前記伸縮部との間を接続する接続部と、
前記フック部と前記伸縮部との間に形成され、前記線状体を折曲してなる折曲部とを備え、
前記クリップ部は、面状に形成され、
前記フック部は、前記クリップ部が形成される面と直交する方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成された、換気扇カバー係止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は換気扇カバー係止具に関し、特に、換気扇枠に被せた換気扇カバーを換気扇枠に係止するために用いられる係止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図20は、従来の換気扇カバーの換気扇枠への取付構造を示す図であって、(a)は取付途中の状態を示す斜視図、(b)は係止具にて係止完了した状態を示す斜視図である。
【0003】
図を参照して、例えば家屋の室内に面する壁に換気扇8が設けられている。換気扇8は、壁に取り付けられた基枠80と、プロペラ81と、プロペラ81を覆う換気扇枠82とよりなる。換気扇枠82は、基枠80を取り付けた壁より突出するように設けられている。この突出方向を前方とすると、換気扇枠82の前端には、正面視四角形(通常は正方形)の平板部82aが形成されている。平板部82aには正面視円形状の吸気口83が開口されている。吸気口83はプロペラ81に対峙するようにプロペラ81の前方に配置されている。更に、換気扇枠82には、平板部82aの上下左右の縁端から後方に延びる四角筒状の筒板部82bが形成されている。平板部82aと筒板部82bとの間は四角状の外周コーナー部(折曲部)82cとなる。
【0004】
換気扇カバー7は、カバー本体71と、不織布からなるフィルター70とからなる。カバー本体71には、平板部73が形成され、又、平板部73より前方に突出するように窓枠部72が形成されている。フィルター70は窓枠部72の内側面に貼付され、窓枠部72に形成される上下1対の吸気口72a、72bが、内側よりフィルター70で覆われる。窓枠部72の左右両側方におけるカバー本体71の平板部73の適宜箇所に係止孔77aを有する係止部77が形成されている。
【0005】
カバー本体71には、正面視四角形の四辺となる平板部73の右端、左端、上端より後方に延びる正面視逆U字状の側板部74が形成されている。平板部73と側板部74との間には外周コーナー部75が形成される。この外周コーナー部75を換気扇枠82の外周コーナー部82cに合わせ、換気扇カバー7の側板部74が換気扇枠82の筒板部82bの外面を覆い、平板部73が換気扇枠82の平板部82aを覆った状態を、換気扇カバー7を換気扇枠82に被せた状態としている。
【0006】
又、カバー本体71には、平板部73より下方に延びるように、換気扇枠82の下端部を覆うためのフラップ76が形成されている。平板部73とフラップ76との境界線が折れ線76aとなっていて、折れ線76aでの折れ角の調整によりフラップ76の換気扇枠82に対する角度を調整できる。
【0007】
換気扇カバー係止具9(以下、単に「係止具9」)は、クリップ91、バネ92、及びフック93を備える。クリップ91は、鋼板材をコの字に曲折してなる。バネ92はコイル状の引っ張りバネであり、その両端は輪状となっており、フック93の一端部にも輪状部93aが形成されている。バネ92の一端の輪状部がクリップ91に形成された係止爪部91aに掛止され、バネ92の他端の輪状部がフック93の輪状部93aに掛止されることで、クリップ91、バネ92及びフック93よりなる3つの部材が接続されている。
【0008】
係止具9による換気扇8の換気扇枠82への換気扇カバー7の係止に際しては、まず、換気扇枠82を換気扇8の基枠80より取り外す。これにより開放された換気扇枠82の開口後縁端部に係止具9のクリップ91を挟み付け、この状態で、プロペラ81を覆う元の位置に換気扇枠82を戻す。これにより、クリップ91が基枠80と換気扇枠82とに挟まれた状態となり、換気扇8には、係止具9が自由端としてのフック93を有する状態で備えられることとなる。尚、
図20では図示していないが、換気扇枠82の左右反対側の部分にも同様の係止具が備えられる。
【0009】
この状態から、
図20(a)を参照して、前述の如く位置合わせしつつ換気扇カバー7を換気扇8の換気扇枠82に被せる。更に、
図20(b)を参照して、換気扇枠82に取り付けられている係止具9のバネ92を手前に引っ張り、フック93を係止部77の係止孔77aに挿入する。係止具9とは左右反対側の図示されない係止具も同様にしてそのフックを換気扇カバー7の係止孔に挿入する。こうして、換気扇カバー7の左右両部が係止具9及び図示されない係止具を介して換気扇8の換気扇枠82の左右両部に係止された状態となり、換気扇カバー7の換気扇8への装着が完了する。
【0010】
尚、換気扇カバー7における窓枠部72の上方及び下方にも予備的な係止部78、79が設けられており、係止部77を含む左右の係止部では係止具9のフック93を掛けにくい場合等にこれらの係止部78、79が用いられる。
【0011】
以上のような係止具9と同じ構造の換気扇カバー係止具が、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
換気扇には、その大きさに関して複数の規格があり、その規格の違いによって換気扇枠も異なる大きさのものが使用される。ここで、異なる大きさ換気扇に対して同じ換気扇カバーを用いて同じ係止具にて取付できることは換気扇カバーの製造者にとっては商品の共通化ができるのでコストダウンにつながり、又、一般消費者にとっては大きさの違いを気にすることなく購入することができるのでそのような商品は既に市場に流通している。しかし、異なる大きさの換気扇に対応した換気扇カバーを提供しようとする場合、換気扇カバーの大きさを適用対象の換気扇のうち最も大きな換気扇に対応した大きさの換気扇カバーとする必要がある。しかし、この場合、ある大きさの換気扇枠に被せた場合と、それとは異なる大きさの換気扇枠に被せた場合とで、係止具の一端側部分における換気扇枠の挟持部分と、係止具の他端側部分における換気扇カバーへの係止部分との位置関係が大きく異なってしまうという問題が伴う。
【0014】
更に、従来の係止具9は前述のようにクリップ91、バネ92、フック93という別々の3つの部材を組み合わせてなるものであり、部品点数が多くなっており、これらの部材を組み合わせる工程を要する等、コスト高を招いていた。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、係止具の、換気扇枠に対しての取付位置と、換気扇カバーに対しての取付位置との間の関係(距離や方向)が変化しても、係止具の着脱負荷を高めたり換気扇カバーに変形等の不具合を生じさせたりしないままに、同じ係止具で換気扇カバーを換気扇枠に係止可能とするために構成された換気扇カバー係止具を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、曲げ加工された1本の線状体よりなり、線状体の一端側部分に形成され、換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、線状体の他端側部分に形成され、換気扇カバーに係止可能なフック部と、クリップ部とフック部との間に形成されたコイル状の引っ張りバネ部と、クリップ部と引っ張りバネ部との間に形成され、線状体を折曲してなる第1折曲部と、フック部と引っ張りバネ部との間に形成され、線状体を折曲してなる第2折曲部とを備え、クリップ部は、換気扇枠の内側に面として接する面状に形成され、フック部は、換気扇カバーの方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成されたものである。
【0017】
このように構成すると、例えば一つの仕様の換気扇カバーを大きさの異なるそれぞれの換気扇枠に被せる場合において、クリップ部で換気扇枠を挟持しつつ、フック部を換気扇カバーに係止する際に、換気扇カバーの外側部分の縁端部に対応して、係止具を構成する素材の特性の範囲で第1折曲部における角度が変化して、且つ、第2折曲部が換気扇カバーの外周コーナー部に対応する位置に配され、換気扇カバーの外側部分の外側方に配置される状態が、大小いずれの換気扇枠に換気扇カバーを被せる場合にも確保される。又、1本の線状体の曲げ加工により、種々の機能部分が形成されている。
請求項2記載の発明は、換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、曲げ加工された1本の線状体よりなり、線状体の一端側部分に形成され、換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、線状体の他端側部分に形成され、換気扇カバーに係止可能なフック部と、クリップ部とフック部との間に形成されたコイル状の引っ張りバネ部と、クリップ部と引っ張りバネ部との間に形成され、線状体を折曲してなる第1折曲部と、フック部と引っ張りバネ部との間に形成され、線状体を折曲してなる第2折曲部とを備え、クリップ部は、面状に形成され、フック部は、クリップ部が形成される面と直交する方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成されたものである。
このように構成すると、例えば一つの仕様の換気扇カバーを大きさの異なるそれぞれの換気扇枠に被せる場合において、クリップ部で換気扇枠を挟持しつつ、フック部を換気扇カバーに係止する際に、換気扇カバーの外側部分の縁端部に対応して、係止具を構成する素材の特性の範囲で第1折曲部における角度が変化して、且つ、第2折曲部が換気扇カバーの外周コーナー部に対応する位置に配され、換気扇カバーの外側部分の外側方に配置される状態が、大小いずれの換気扇枠に換気扇カバーを被せる場合にも確保される。又、1本の線状体の曲げ加工により、種々の機能部分が形成されている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、引っ張りバネ部と第2折曲部との間にて、引っ張りバネ部の巻き方向に対し略直交する方向に巻かれて形成された円形湾曲部を更に備えるものである。
【0019】
このように構成すると、フック部と引っ張りバネ部との間で、距離や相対方向における変化が生じる場合にも、円形湾曲部での弾性変形により対応し、第2折曲部での角度を無理に変化させる必要がない。又、円形湾曲部は、第2曲折部と引っ張りバネ部との間に配置されているので、引っ張りバネ部とともに換気扇カバーの外側部分の外側方に配置される。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、引っ張りバネ部の軸方向視において、第1折曲部に接続される引っ張りバネ部の第1端部と、第2折曲部に接続される引っ張りバネ部の第2端部とが、引っ張りバネ部の周方向において略同じ位置に配置され、クリップ部及びフック部が、第1端部及び第2端部を介して、引っ張りバネ部に対し反対側に配置されたものである。
【0021】
このように構成すると、クリップ部は換気扇枠を挟持するように配置され、フック部は換気扇カバーに係止されるように配置される状態においても、換気扇枠に被せた換気扇カバーの外側方に引っ張りバネ部を配置でき、引っ張りバネ部の伸縮動作と換気扇カバーとの無理な干渉のない状態を確保できる。
【0022】
請求項5記載の発明は、換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、曲げ加工された1本の線状体よりなり、線状体の一端側部分に形成され、換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、線状体の他端側部分に形成され、換気扇カバーに係止可能なフック部と、クリップ部とフック部との間に形成された伸縮部と、クリップ部と伸縮部との間を接続する接続部と、フック部と伸縮部との間に形成され、線状体を折曲してなる折曲部とを備え、クリップ部は、換気扇枠の内側に面として接する面状に形成され、フック部は、換気扇カバーの方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成されたものである。
【0023】
このように構成すると、クリップ部により換気扇枠を挟持すると共に、折曲部及びフック部により換気扇カバーを固定する取付構造となる。
請求項6記載の発明は、換気扇カバーを換気扇枠に係止するための換気扇カバー係止具であって、曲げ加工された1本の線状体よりなり、線状体の一端側部分に形成され、換気扇枠を挟持可能なクリップ部と、線状体の他端側部分に形成され、換気扇カバーに係止可能なフック部と、クリップ部とフック部との間に形成された伸縮部と、クリップ部と伸縮部との間を接続する接続部と、フック部と伸縮部との間に形成され、線状体を折曲してなる折曲部とを備え、クリップ部は、面状に形成され、フック部は、クリップ部が形成される面と直交する方向に延びる直線部を含む折り返し形状に形成されたものである。
このように構成すると、クリップ部により換気扇枠を挟持すると共に、折曲部及びフック部により換気扇カバーを固定する取付構造となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、例えば一つの仕様の換気扇カバーを大きさの異なるそれぞれの換気扇枠に被せる場合において、クリップ部で換気扇枠を挟持しつつ、フック部を換気扇カバーに係止する際に、換気扇カバーの外側部分の縁端部に対応して、係止具を構成する素材の特性の範囲で第1折曲部における角度が変化して、且つ、第2折曲部が換気扇カバーの外周コーナー部に対応する位置に配され、換気扇カバーの外側部分の外側方に配置される状態が、大小いずれの換気扇枠に換気扇カバーを被せる場合にも確保される。即ち、引っ張られた引っ張りバネ部に引っかかって換気扇カバーが変形してしまう等の不具合を生じることがない。従って、コスト低下を図ることができる。更に、本発明の換気扇カバー係止具は、1本の線状体よりなるものとしているので、一層のコスト低下が可能である。
請求項2記載の発明は、例えば一つの仕様の換気扇カバーを大きさの異なるそれぞれの換気扇枠に被せる場合において、クリップ部で換気扇枠を挟持しつつ、フック部を換気扇カバーに係止する際に、換気扇カバーの外側部分の縁端部に対応して、係止具を構成する素材の特性の範囲で第1折曲部における角度が変化して、且つ、第2折曲部が換気扇カバーの外周コーナー部に対応する位置に配され、換気扇カバーの外側部分の外側方に配置される状態が、大小いずれの換気扇枠に換気扇カバーを被せる場合にも確保される。即ち、引っ張られた引っ張りバネ部に引っかかって換気扇カバーが変形してしまう等の不具合を生じることがない。従って、コスト低下を図ることができる。更に、本発明の換気扇カバー係止具は、1本の線状体よりなるものとしているので、一層のコスト低下が可能である。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、フック部と引っ張りバネ部との間で、距離や相対方向における変化が生じる場合にも、円形湾曲部での弾性変形により対応し、第2折曲部での角度を無理に変化させる必要がない。従って、本発明の換気扇カバー係止具によるコスト低減効果をより確実なものとすることができる。又、円形湾曲部は、第2曲折部と引っ張りバネ部との間に配置されているので、引っ張りバネ部とともに換気扇カバーの外側部分の外側方に配置される。従って、換気扇カバーと円形湾曲部との干渉が回避される。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、クリップ部は換気扇枠を挟持するように配置され、フック部は換気扇カバーに係止されるように配置される状態においても、換気扇枠に被せた換気扇カバーの外側方に引っ張りバネ部を配置でき、引っ張りバネ部の伸縮動作と換気扇カバーとの無理な干渉のない状態を確保できる。従って、係止具の換気扇カバーへの着脱操作を容易なものにし、且つ、換気扇カバーの係止具による破損等の不具合も回避される。
【0027】
請求項5記載の発明は、クリップ部により換気扇枠を挟持すると共に、折曲部及びフック部により換気扇カバーを固定する取付構造となるので、種々の寸法・形状の換気扇カバー及び換気扇枠における取付状態が安定する。
請求項6記載の発明は、クリップ部により換気扇枠を挟持すると共に、折曲部及びフック部により換気扇カバーを固定する取付構造となるので、種々の寸法・形状の換気扇カバー及び換気扇枠における取付状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】この発明の第1の実施の形態による換気扇カバー係止具(以下、単に「係止具」)及び該係止具が適用される換気扇カバーの正面図である。
【
図4】
図1で示した換気扇カバーの拡大側面図である。
【
図5】
図1で示した換気扇カバーの拡大平面一部断面図である。
【
図6】
図1で示した換気扇カバーの拡大底面図である。
【
図9】大型換気扇より取り外した換気扇枠に係止具を取り付け、換気扇カバーを被せる途中の状態を示す拡大側面図である。
【
図10】係止具を取り付けた状態で大型換気扇に取り付けられた換気扇枠に換気扇カバーを被せる途中の状態を示す平面一部断面図である。
【
図11】係止具にて大型換気扇の換気扇枠に係止された状態の換気扇カバーの拡大側面図である。
【
図13】
図11で示した状態の換気扇カバーの平面一部断面図である。
【
図15】換気扇カバーにおける係止具を係止した部分を示す拡大正面図である。
【
図16】係止具にて小型換気扇の換気扇枠に係止された状態の換気扇カバーの拡大側面図である。
【
図18】
図16で示した状態の換気扇カバーの平面一部断面図である。
【
図20】従来の換気扇カバーの換気扇枠への取付構造を示す図であって、(a)は取付途中の状態を示す斜視図、(b)は係止具にて係止完了した状態を示す斜視図である。
【
図21】この発明の第2の実施の形態による換気扇カバー係止具の平面図であって、
図8に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、この発明の第1の実施の形態による換気扇カバー係止具(以下、単に「係止具」)及び該係止具が適用される換気扇カバーの正面図であり、
図2は、
図1で示したA部分の拡大図であり、
図3は、
図1で示した換気扇カバーの背面図であり、
図4は、
図1で示した換気扇カバーの拡大側面図であり、
図5は、
図1で示した換気扇カバーの拡大平面一部断面図であり、
図6は、
図1で示した換気扇カバーの拡大底面図である。
【0030】
これらの図に示される矢印Fは前方を表し、矢印Lは左方を表し、矢印Rは右方を表し、矢印Uは上方を表す。即ち、矢印Fに対し反対の向きが後方であり、矢印Uに対し反対の向きが下方である。
【0031】
これらの図を参照して、換気扇カバー1は、カバー本体2及びフィルター3を備え、一対の係止具4、5をカバー本体2に取付可能としているものである。
【0032】
カバー本体2は、例えば厚さ1mm程のポリ塩化ビニル製シートを真空成形してなるものである。又、例えば係止具4、5に押圧された場合に係止具4、5に沿って変形自在な柔軟性(可撓性)を有している。更には、表裏面が凹凸や皺のない滑面となっていて、換気扇枠に装着された場合に換気扇枠と隙間を低減し接した状態を確保できる。
【0033】
カバー本体2には正面視略矩形状の窓枠部21が形成されている。窓枠部21の上下中央部には、左右方向に延伸する前方突出状の中央リブ21aが形成されている。中央リブ21aは換気扇カバー1の最前端部となっており、窓枠部21は側面視で中央リブ21aを頂端とする五角形状に前方に突出している。
【0034】
換気扇カバー1のカバー本体2は前述の如く合成樹脂製の成形品であるところ、このような中央リブ21aを形成することにより、強度が確保されている。
【0035】
このように、窓枠部21において、中央リブ21aから窓枠部21の上端までの後上方に傾斜する上傾斜面部にて上吸気口22が開口しており、中央リブ21aから窓枠部21の下端までの後下方に傾斜する下傾斜面部に下吸気口22aが設けられている。
【0036】
図3で示すように、窓枠部21の裏面にフィルター3が貼設されており、フィルター3にて、両吸気口22、22aが覆われている。この構成により、吸気口22、22aを調理時に発生した油分を含む空気が通過することでフィルター3にて油分が取り除かれた後に換気扇内を通過する。尚、フィルター3は、このような空気中の油分を取り除くのに適した素材で構成されるものであり、例えば不織布よりなるものである。
【0037】
正面視(即ち、吸気口22、22aを外方より正対視した状態)で窓枠部21を囲むように内周カバー部23が形成されている。内周カバー部23は、平坦板状の平板部23aと、平板部23aの外周縁端より後方に延伸する略四角筒状の筒板部23bとを有する。窓枠部21の上端と内周カバー部23の上端とは面一になっており、平板部23aは、正面視で略Uの字状に形成されている。
【0038】
平板部23aと筒板部23bとの間、即ち、平板部23aの外周縁端であり筒板部23bの前縁端である部分は、四角形状の外周コーナー部23cとなっている。この外周コーナー部23cは、後記の小型換気扇12の換気扇枠13の外周コーナー部13cに対応して形成されている。
【0039】
更に、正面視(即ち、吸気口22、22aを正体視した状態)で内周カバー部23を囲むように外周カバー部24が形成されている。外周カバー部24は、平坦板状の平板部24aと、平板部24aの外周縁端より後方に延伸する略四角筒状の筒板部24bとを有する。
【0040】
平板部24aと筒板部24bとの間、即ち、平板部24aの外周縁端であり筒板部24bの前縁端である部分は、四角形状の外周コーナー部24cとなっている。この外周コーナー部24cは、後記の大型換気扇10の換気扇枠11の外周コーナー部11cに対応して形成されている。
【0041】
一方、筒板部24bの後端部には、鍔状のフランジ部24dが形成されている。尚、本実施の形態では、筒板部24bの前後途中部に外周方向の段差を形成し、この段差からフランジ部24dに至るまでの筒板部24bの後部は、それより前方の筒板部24bの前部よりも膨出させている。しかし、筒板部24bの形状はこのように限定されるものではなく、例えば、前後途中の段差はなくてもよく、又、筒板部24bの後端に鍔状のフランジ部24dを形成しなくてもよい。
【0042】
平板部24aは、内周カバー部23の外周縁端となる筒板部23bの後端より上下左右に延伸しており、正面視で略ロの字状に形成されている。フランジ部24dは、筒板部24bの後端部であるとともに、本体カバー2の後端且つ正面視での外周縁端となっている。
【0043】
このように、外周カバー部24の前端に平板部24aが形成されている。外周カバー部24の平板部24aの内周端より内周カバー部23の筒板部23bが前方(外方より吸気口22、22aを正対視した場合の手前側)に突出している。内周カバー部23の前端に平板部23aが形成されている。即ち、本体カバー2において、内周カバー部23と外周カバー部24とが段差状に接続されているように形成されており、外周カバー部24の内周側にて、内周カバー部23が外周カバー部24より前方に突出した構成となっている。
【0044】
外周カバー部24の平板部24aには、左右一対の換気扇カバー係止具(以下、単に「係止具」)4、5を係止するための左右一対の係止部25、26が形成されている。
【0045】
左係止部25は、正面視で左右方向に長い長円形状であり、平面視台形状のものであって、内周カバー部23の左方で、平板部24aの上下略中央位置(上下方向で中央リブ21aと略同じ位置)にて前方突出状に形成されている。左係止部25の前端の平坦板状部分には、左係止具4のフック部49(
図10参照)を挿入するための係止孔25aが設けられている。
【0046】
右係止部26は、内周カバー部23の右方で、平板部24aの上下略中央位置(上下方向で中央リブ21aと略同じ位置)にて前方突出状に形成されているものであって、左係止部25と同様に構成され、右係止具5のフック部59(
図10等参照)を挿入するための係止孔26aを有する。
【0047】
更に、外周カバー部24の平板部24aには、前方突出状の外周リブ群27が形成されている。外周リブ群27は、係止部25、26より上方に形成される外周リブ27a、27b、及び、係止部25、26より下方に形成される外周リブ27c、27d、27eよりなる。
【0048】
外周リブ27a、27bは平行に並列され、外周リブ27aの内周側に外周リブ27bが配置されている。外周リブ27a、27bは、正面視で略逆Uの字形状に形成され、前述の如く正面視略ロの字の平板部24aの上半分に延びている。即ち、外周リブ27a、27bは、内周カバー部23の上方にて、左右方向に延伸し、その左端部及び右端部が、内周カバー部23の左方及び右方にて、曲折して下方に延伸し、それぞれの下端部が左係止部25及び右係止部26の上端に近接するよう配置されている。
【0049】
外周リブ27c、27dは、左右係止部25、26を挟んで、外周リブ27a、27bに対し上下対称状に、即ち、正面視で略Uの字形状に形成され、正面視略ロの字の平板部24aの下半分に延びている。
【0050】
内周カバー部23の下方にて、平板部24aの外周リブ27dより下方に、平板部24aの外周リブ27cが配置され、外周リブ27cの下方にて、正面視で一直線状に左右方向に延伸する外周リブ27eが配置されている。
【0051】
即ち、外周カバー部24の平板部24aでは、内周カバー部23の上方にて上下2列の外周リブが、内周カバー部23の左方及び右方にてそれぞれ左右2列の外周リブが、内周カバー部23の下方にて上下3列の外周リブが形成されている。
【0052】
外周リブ群27によりカバー本体2の強度が高められる。
【0053】
図1に示す係止具4、5は、それぞれ、例えば針金等による1本の線状体に曲げ加工を施して構成されるものである。係止具4、5は同じ構成のものであり、これらを代表して、係止具5について説明する。
【0054】
図7は、この発明の係止具の側面図であり、
図8は、係止具の平面図である。
【0055】
係止具5は、その素材としての鉄などの金属から構成される針金等の1本の線状材に曲げ加工が施されて、その一端部にクリップ部50を、他端部にフック部59を形成し、クリップ部50とフック部59との間の部分にコイル状の引っ張りバネ部55(以下、単に「バネ部55」)を形成している。
【0056】
クリップ部50は、線状体をゼムクリップ形状に曲折して形成されたものであり、そのうちの外側延出部50aを換気扇枠の外側に配した状態で、その大部分を換気扇枠の内側に配することで、換気扇枠を挟持するものである。
【0057】
クリップ部50の外側延出部50aとバネ部55の第1端部55aとの間には、線状体を折曲してなる第1折曲部53が形成されている。第1折曲部53からクリップ部50側へと延出される第1直線部52がクリップ部50の端部51に接続され、クリップ部50の外側延出部50aから第1直線部52へと端部51にて折曲した状態となっている。一方、第1折曲部53からバネ部55側へと延出される第2直線部54がバネ部55の第1端部(後端部)55aに接続され、第2直線部54からバネ部55へと第1端部55aにて折曲した状態となっている。
【0058】
一方、バネ部55とフック部59との間には、線状体を折曲してなる第2折曲部57が形成されている。第2折曲部57からフック部59へは第5直線部58が延出され、フック部59は第5直線部58に向けて円弧状に折り返されている。フック部59は、係止孔26aを介して換気扇カバー1の内側に配された状態においては、その折り返し形状により抜け止めとなる。又、係止孔26aから延出する第5直線部58は、フック部59が回動支点となって回動自在であり、これにより、第5直線部58の係止孔26aからの前後方向における延出角度が調整可能である。更に、係止具5を係止孔26aまで移動させて挿入する際には人の手指で摘まれるツマミとなる。
【0059】
第2折曲部57は、平板部24aの外周端と筒板部24bの前端との接合部である外周カバー部24の折曲部に対応して曲折している。これにより、第5直線部58が、前述の如くフック部59を支点として回動してもカバー本体2と干渉せず、又、バネ部55が、筒板部24bの側方に沿うように配置される。
【0060】
第2折曲部57とバネ部55との間には、線状体を、バネ部55の巻き方向に対し略直交する方向に巻いて、円形湾曲部56が形成されている。
【0061】
円形湾曲部56からバネ部55の第2端部(前端部)55bまで第3直線部56aが延伸し、第3直線部56aからバネ部55にかけて第2端部55bにて折曲した状態となっている。
【0062】
一方、円形湾曲部56から第2折曲部57まで第4直線部56bが延伸している。第3直線部56aの前端部分と第4直線部56bの後端部分とは円形湾曲部56を介して重複配置されている。
【0063】
円形湾曲部56の弾性変形により、第3直線部56aと第4直線部56bの後端部分との重複域が変化することで、第2折曲部57とバネ部55との間の距離が調整され、又、第3直線部56aと第4直線部56bとの相対角度が変化することで、第5直線部58に対するバネ部55の角度が調整される。
【0064】
ここで、
図7、
図8に加えて、後述の
図10も参照して、バネ部55の軸方向に見ると、第1端部55a及び第2端部55bそれぞれのバネ部55の周方向における位置が略一致する。従って、第1端部55a及び第2端部55bを換気扇カバー1の外周カバー部24の筒板部24bの外側面に沿わせれば、バネ部55はそこから筒板部24bの外側方に広がるように、筒板部24bと干渉することなく配置される。
【0065】
又、第3直線部56a及び第4直線部56bは、第2端部55bからバネ部55の軸方向と略平行に延びており、前述の如く第2端部55bを筒板部24bの外側面に沿わせれば、第3直線部56a及び第4直線部56bも筒板部24bの外側面に沿うこととなる。
【0066】
一方、バネ部55の軸方向に見て、円形湾曲部56はバネ部56と重複する。即ち、バネ部55の軸方向視にて、第1端部55a、第2端部55bを介して、バネ部56と同一側(或いは近接する側)に円形湾曲部56が配置される。従って、第3直線部56a及び第4直線部56bが筒板部24bの外側面に沿っていれば、バネ部55とともに円形湾曲部56も筒板部24bより外側方へと広がるように配置され、筒板部24bと干渉することはない。
【0067】
これに対し、クリップ部50及びフック部59は、バネ部55の軸方向視において、第1端部55a、第2端部55bを介して、バネ部55とは反対側(或いは遠ざかる側)に配置される。クリップ部50は換気扇枠を挟持し、フック部59は換気扇カバー1の外周カバー部24の平板部24aに形成された係止部26に係止されるものなので、バネ部55の軸方向に見れば、バネ部55の第1端部55a、第2端部55bを沿わせた筒板部24bの部分よりも内側に配置されることとなる。
【0068】
即ち、換気扇カバー1を換気扇枠に係止する上で、このようにクリップ部50及びフック部59を筒板部24bより内側の所定位置に配置した状態において、バネ部55は、両端部55a、55bを筒板部24bの外側面に沿わせた形で、筒板部24の外側方に配置され、円形湾曲部56も筒板部24bの外側方に配置され、バネ部55及び円形湾曲部56と筒板部24bとの干渉が回避される。又、バネ部55の伸縮方向が筒板部24の外側面に沿うものとなり、バネ部55の引っ張り負荷が軽減される。又、クリップ部50は、本実施形態ではゼムクリップ形状であるため、筒板部24bの内側に面状に接するので右係止具5の固定が安定する。
【0069】
このように、右係止具5は、その一端側部分に形成されるクリップ部50を換気扇枠の右部に挟み付け、その他端側部分に形成されるフック部59を換気扇カバー1のカバー本体2の右部に掛止した状態で、換気扇カバー1の右部を換気扇枠の右部に固定する。この状態において、クリップ部50及びフック部59は、これらの間に介装されたバネ部55により互いに引きつけられるように引っ張られる。このバネ部55の引っ張り力により、換気扇カバー1の右部と換気扇枠の右部とが固定される。
【0070】
同様に、左係止具4を用いて、換気扇カバー1の左部が換気扇枠の左部に固定される。
【0071】
図9は、大型換気扇より取り外した換気扇枠に係止具を取り付け、換気扇カバーを被せる途中の状態を示す拡大側面図であり、
図10は、係止具を取り付けた状態で大型換気扇に取り付けられた換気扇枠に換気扇カバーを被せる途中の状態を示す平面一部断面図であり、
図11は、係止具にて大型換気扇の換気扇枠に係止された状態の換気扇カバーの拡大側面図であり、
図12は、
図11で示したB部分の拡大図であり、
図13は、
図11で示した状態の換気扇カバーの平面一部断面図であり、
図14は、
図13で示したC部分の拡大断面図であり、
図15は、換気扇カバーにおける係止具を係止した部分を示す拡大正面図である。
【0072】
又、
図16は、係止具にて小型換気扇の換気扇枠に係止された状態の換気扇カバーの拡大側面図であり、
図17は、
図16で示したD部分の拡大図であり、
図18は、
図16で示した状態の換気扇カバーの平面一部断面図であり、
図19は、
図18で示したE部分の拡大断面図である。
【0073】
これらの図を参照して、換気扇カバー1は、大小2つの規格による換気扇10、12それぞれの換気扇枠11、13に装着可能に構成されている。尚、換気扇10、12の大きさに関する規格とは、通常、それぞれのプロペラ10a、12aの羽根の大きさに関する規格である。
【0074】
図9から
図15に示した大きい方の規格による換気扇10(以後、「大型換気扇10」とする)の換気扇枠11は、背景技術で説明したように、吸気口(図示せず)を有する平板部11aと四角筒状の筒板部11bとよりなる。平板部11aと筒板部11bとの間は四角形状の外周コーナー部11cとなっている。筒板部11bの、平板部11aとは反対側の端部は開口端となっている。ここでは、平板部11aが筒板部11bの前端にて鉛直板状に形成され、換気扇10のプロペラ10aの前方に配されているものとの前提で説明する。
【0075】
図9を参照して、換気扇カバー1を換気扇枠11に取り付ける際には、まず、換気扇枠11を換気扇10の基枠10bより取り外し、換気扇枠11の筒板部11bの左後端部に左係止具4のクリップ部40(
図10参照)を挟み付け、筒板部11bの右後端部に右係止具5のクリップ部50を挟み付ける。
【0076】
図10を参照して、その後、換気扇10の所定位置に換気扇枠11を戻し、換気扇枠11の筒板部11bの内側に配された係止具4、5のクリップ部40、50を、換気扇10の基枠10bと換気扇枠11の筒板部11bとで挟持した状態にする。
【0077】
このように係止具4、5を換気扇10に設けた状態で、換気扇カバー1の外周カバー部24の外周コーナー部24cを換気扇枠11の外周コーナー部11cに合わせることで、外周カバー部24を換気扇枠11に接した状態を確保する。この接した状態とは、外周カバー部24の平板部24aと換気扇枠11の平板部11aとが密接若しくは近接した状態、又は、外周カバー部24の筒板部24bと換気扇枠11の筒板部11bとが密接若しくは近接した状態であるか、それら両方の状態である。尚、必ずしも換気扇枠11の全周方向にわたって接していなくてもよく、当該全周方向のうちの一部分において、外周カバー部24と換気扇枠11とが接しているものとしてもよい。更に、前述の如く、換気扇カバー1のカバー本体2は、合成樹脂で構成されること等により、その表裏面が凸凹のない滑面となっていることで、外周カバー部24と換気扇枠11とが接した状態を確保できる。
【0078】
換気扇カバー1と換気扇枠11との間に隙間があると吸気口22、22aのフィルター3を経ずに、この隙間から油分を含む空気が直接換気扇10のプロペラ10aに吸入され、換気扇カバーを付けていたとしても換気扇が汚れてしまう。従って、前述のように換気扇カバー1と換気扇枠11との間で隙間を低減した状態とすることで、換気扇カバーの隙間からの油汚れを抑制できる。
【0079】
又、吸気口22、22aを通過した場合でも空気に含まれる油分がフィルター3により完全には取り除かれないことがあり、その場合は換気扇カバーの裏面側に空気が接触することで油分が裏面に付着し、プロペラ10aを通過する空気中の油分量が低減されることがある。換気扇カバー1においては、前述のように、正面視で内周カバー部23が外周カバー部24より手前側に突出した状態となるように内周カバー部23と外周カバー部24とが段差状に接続されていることで、外周カバー部24を換気扇枠11に被せた状態では、吸気口22、22aからプロペラ10aまでの間の吸気に接する換気扇カバー1の裏面の表面積が段差状にしない場合に比べて増大することとなる。その結果、油分を含む空気が吸気口22、22aを通過して換気扇10のプロペラ10aへ到達する間に吸気に混じる空気中の油分の付着量を増大させることができる。更に、このように吸気口22、22aがプロペラ10aから遠く離れることにより、フィルター3の汚れにつながるプロペラ10aへの吸引圧が、吸気口22、22aの中心部分に集中せず、吸気口22、22aの全体の広い範囲でまんべんなく油汚れを取ることができる。
【0080】
この状態から、左係止具4のフック部49を手で持って、換気扇カバー1の左係止部25まで移動し、係止孔25aを介して換気扇カバー1の内側へと挿入する。右係止具5も同様に、フック部59を手で持って、換気扇カバー1の右係止部26まで移動し、係止孔26aを介して換気扇カバー1の内側へと挿入する。これにより、左右係止具4、5を介しての換気扇カバー1の換気扇枠11への係止、即ち換気扇カバー1の換気扇10への装着が完了する。
【0081】
このように係止具4、5のフック部を換気扇カバー1の係止部25、26に係止する際における係止具4、5の各部の作用態様について説明する。ここでは、両係止具4、5を代表して右係止具5についてのみ説明するものとする。
【0082】
換気扇枠11にクリップ部50を挟み付けた状態の係止具5を手でつまんで、後述の係止具5の作用を利用してフック部59を係止部26の係止孔26aに挿入して係止する。
【0083】
ここで、大型換気扇10の換気扇枠11の筒板部11bは換気扇カバー1の外周カバー部24の筒板部24bに近接又は密接しているので、左右方向においては、筒板部11bを挟持する係止具5のクリップ部50と、フック部59が挿入される係止孔26aとは近接している。しかし、外周カバー部24が内周カバー部23よりも一段後方に形成されていることもあって、換気扇枠11の筒板部11bの後端部が、外周カバー部24の後端(即ち換気扇カバー1の後端)より大きく後方に突出している。即ち、クリップ部50の端部51と係止孔26aとの間には、前後方向においてかなりの距離がある。
【0084】
このような状態において、係止孔26aへと移動させるべくフック部59を手前側に引くにつれ、筒板部24bの外側方において、バネ部55が前方に引っ張られて伸長する。これにより、第2折曲部57が外周コーナー部24cに対応する位置に到達し、この状態から第5直線部58を平板部24aに沿うように配置して、フック部59を係止孔26aに届かせることができる。
【0085】
更に、この際、前述の如き円形湾曲部56の弾性変形により、バネ部55と第2折曲部57との間の距離や相対方向が調整され、第2折曲部57を外周コーナー部24cに対応した最適の位置に配置することができる。
【0086】
こうして、右係止部26の係止孔26aを介して換気扇カバー1の内側にフック部59を挿入することで、右係止具5による換気扇カバー1の右部を換気扇枠11の右部に係止する作業が完了する。
【0087】
一方、左係止具4についても、同様に、そのクリップ部49で換気扇枠11の筒板部11bの左後端部を挟持した状態で、フック部49を手前に引くと、バネ部45が引き伸ばされる。こうして移動させたフック部49を、左係止部25の係止孔25aを介して換気扇カバー1の内側に挿入することで、左係止具4による換気扇カバー1の左部を換気扇枠11の左部に係止する作業が完了する。
【0088】
こうして、左右の係止具4、5による換気扇カバー1の換気扇枠11への係止作業を終えることで、大型換気扇10への換気扇カバー1の装着が完了する。
【0089】
換気扇カバー1を換気扇枠11より取り外す際には、右係止具5についてはそのクリップ部50で換気扇枠11の筒板部11bを挟持した状態のまま、第5直線部58、第2折曲部57、又は第4直線部56b等を持ち、第5直線部58を前方に引くことで、フック部59は簡単に係止孔26aの前外方に引き抜かれる。左係止具4も同様にそのフック部が係止孔25aより引き抜かれる。こうして、係止具4、5を換気扇カバー1から取り外すことで、換気扇カバー1の換気扇枠11への係止は解除され、そのまま換気扇カバー1を手前に引くことで、換気扇カバー1より簡単に取り外すことができる。
【0090】
尚、換気扇カバー1を取り外した後には、係止具4、5がそれぞれのクリップ部40、50を換気扇枠11に挟み付けた状態で残り、換気扇10に備えられたままである。従って、これらは交換後の新たな換気扇カバー1の換気扇枠11への係止にも用いることができるのである。
【0091】
図16から
図19に示した小さい方の規格による換気扇12(以後、「小型換気扇12」とする)の換気扇枠13は、換気扇枠11と同様に、吸気口(図示せず)を有する平板部13aと四角筒状の筒板部13bとよりなる。平板部13aと筒板部13bとの間は四角形状の外周コーナー部13cとなっている。筒板部13bの、平板部13aとは反対側の端部は開口端となっている。ここでは、平板部13aが筒板部13bの前端にて鉛直板状に形成され、小型換気扇12のプロペラ12aの前方に配されているものとの前提で説明する。
【0092】
換気扇カバー1を小型換気扇12に装着するにあたり、まず、大型換気扇10の場合と同様に、クリップ部40、50を換気扇枠13の左右後端部に挟み付けた状態で左右の係止具4、5を小型換気扇12に備えておく。
【0093】
この状態から、換気扇カバー1を換気扇枠13に被せるものであるが、この場合、内周カバー部23の外周コーナー部23cと換気扇枠13の外周コーナー部13cとを合わせることで、内周カバー部23と換気扇枠13とが接した状態となる。
【0094】
ここで、内周カバー部23と換気扇枠13とが接した状態とは、平板部23aと平板部13aとが密接若しくは近接した状態、又は、筒板部23bと筒板部13bとが密接若しくは近接した状態であるか、それら両方の状態であるが、必ずしも内周カバー部23の全周にわたらなくても、その一部が換気扇枠13に接した状態であってもよい。このように内周カバー部23と換気扇枠13とが接することで、フィルター3を経ずに内周カバー部23と換気扇枠13との間の隙間から油分を含む空気が換気扇12のプロペラ12aへと吸入されることによる換気扇12の油汚れが抑制されること、又、内周カバー部23の表面が滑らかであることにより、接した状態を確保しやすいこと等は、外周カバー部24について説明したとおりである。
【0095】
このように、大型換気扇10の換気扇枠11に換気扇カバー1を被せる場合のみならず、小型換気扇12の換気扇枠13に換気扇カバー1を被せる場合にも、換気扇カバー1と換気扇枠との間の隙間が低減するので、いずれの場合においても、換気扇カバー1を被せることでのフィルター3による吸気からの油分の除去効果を十分に得られる。
【0096】
こうして換気扇カバー1を換気扇枠13に被せた状態から、右係止具5のフック部59を手で持って手前に引き、係止孔26aに挿入する。左係止具4のフック部49(
図10参照)も同様にして係止孔25aに挿入する。
【0097】
ここで、内周カバー部23を被せられた状態の換気扇枠13の筒板部13bは、内周カバー部23よりも外周側に配置される外周カバー部24の筒板部24bからはかなりの距離をおいて離れている。右係止具5については、換気扇枠13の筒板部13bの右部を挟持したクリップ部50より、バネ部55を右前方に引き伸ばしして、一旦、バネ部55を外周カバー部24の筒板部24bの右部の右外側方に配してから、外周コーナー部24cを跨いでフック部59を左方に移動させ、平板部24a上の右係止部26の係止孔26aまで引いてくる必要がある。
【0098】
つまり、前述の如く外周カバー部24を換気扇枠11に沿わせた状態においては、バネ部55の引き伸ばし方向が外周カバー部24の筒板部24bに沿っての前後方向だったので、バネ部55と筒板部24bとの干渉が殆どない状態であった。しかし、内周カバー部23を換気扇枠13に沿わせた状態においては、バネ部55の引っ張り方向が外周カバー部24の筒板部24bと交差する方向にあり、バネ部55と筒板部24bとの干渉が生じる場合がある。
【0099】
ここで、前述の第1折曲部53が形成されていることにより、外周カバー部24の筒板部24b及びフランジ部24dと右係止具5のバネ部55との干渉は緩和され、支障なくバネ部55を引っ張ることができる。こうして、バネ部55が引っ張られることで、第2折曲部57が外周コーナー部24cに対応する位置に配され、フック部59を係止孔26aに挿入することができる。
【0100】
尚、前述の如き係止具5のバネ部55と換気扇カバー1との干渉の問題は、小型の換気扇枠13に換気扇カバー1の内周カバー部23を被せる場合に生じるものである。換気扇カバー1においては、外周カバー部24がその外周端部に形成されているので、大型の換気扇枠11に対して換気扇カバー1の外周カバー部24を被せる場合にはこの問題は生じないか、生じても若干である。又、小型の換気扇枠13にサイズを合わせた外周端部を有する換気扇カバーを換気扇枠13に被せる場合にも、この問題は生じないか、生じても若干である。
【0101】
このように、換気扇カバーの外周端部と、被覆対象の換気扇枠とで、サイズが合っているのであれば、クリップ部50とバネ部55との間の第1折曲部53を形成することによる干渉の緩和も不要である。従って、このような場合には、クリップ部と引っ張りバネ部との間の部分を、係止具5の第1折曲部53のような折曲部のない、直線状のものとした換気扇カバー係止具を用いることも可能である。
【0102】
又、本願に係る換気扇カバー係止具のクリップ部は、図示される係止具4、5のクリップ部40、50のようなゼムクリップ形状でなくてもよく、例えば、三角形状や四角形状等、換気扇枠を挟持するのに適していれば、どのような形状のものでもよい。
【0103】
以上のように、係止具4、5を代表して、係止具5は、換気扇カバー1を換気扇枠11又は換気扇枠13に係止するための換気扇カバー係止具であって、曲げ加工された1本の線状体よりなり、線状体の一端側部分に形成され、換気扇枠11又は換気扇枠13を挟持可能なクリップ部50と、線状体の他端側部分に形成され、換気扇カバー1に係止可能なフック部59と、クリップ部50とフック部59との間に形成されたコイル状の引っ張りバネ部であるバネ部55と、クリップ部50とバネ部55との間に形成され、線状体を折曲してなる第1折曲部53と、フック部50とバネ部55との間に形成され、線状体を折曲してなる第2折曲部57とを備えたものである。
【0104】
このように構成すると、例えば一つの仕様の換気扇カバー1を大きさの異なるそれぞれの換気扇枠11、13に被せる場合において、クリップ部50で換気扇枠11又は換気扇枠13を挟持しつつ、フック部59を換気扇カバー1に係止する際に、換気扇カバー1の外側部分(筒板部24b)の縁端部に対応して、第2折曲部57が換気扇カバー1の外周コーナー部24cに対応する位置に配され、バネ部55が無理に引っ張られることなく換気扇カバー1の外側部分(筒板部24b)の外側方に配置される状態が、大小いずれの換気扇枠11、13に換気扇カバー1を被せる場合にも確保される。従って、本発明の課題を解決することができる。更に、係止具5は、1本の線状体よりなるものとしているので、一層のコスト低下が可能である。
【0105】
又、係止具5は、バネ部55と第2折曲部57との間にて、バネ部55の巻き方向に対し略直交する方向に巻かれて形成された円形湾曲部56を更に備えるものである。
【0106】
このように構成すると、フック部59とバネ部55との間で、距離や相対方向における変化が生じる場合にも、円形湾曲部56での弾性変形により対応し、第2折曲部57での角度を無理に変化させる必要がない。従って、前述の如きバネ部55を無理に大きく引っ張ることで生じる不具合をより一層確実に回避することができ、係止具5によるコスト低減効果をより確実なものとすることができる。又、円形湾曲部56は、第2曲折部57とバネ部55との間に配置されているので、バネ部55とともに換気扇カバー1の外側部分(筒板部24b)の外側方に配置される。従って、換気扇カバー1と円形湾曲部56との干渉が回避される。
【0107】
又、係止具5は、バネ部55の軸方向視において、第1折曲部53に接続されるバネ部55の第1端部55aと、第2折曲部57に接続されるバネ部55の第2端部55bとが、バネ部55の周方向において略同じ位置に配置され、クリップ部50及びフック部59が、第1端部55a及び第2端部55bを介して、バネ部55に対し反対側に配置されたものである。
【0108】
このように構成すると、クリップ部50は換気扇枠11又は換気扇枠13を挟持するように配置され、フック部59は換気扇カバー1に係止されるように配置される状態においても、換気扇枠11又は換気扇枠13に被せた換気扇カバー1の外側方にバネ部55を配置でき、バネ部55の伸縮動作と換気扇カバー1との無理な干渉のない状態を確保できる。従って、係止具5の換気扇カバー1への着脱操作を容易なものにし、且つ、換気扇カバー1の係止具5による破損等の不具合も回避される。
【0109】
尚、以上の説明は、換気扇のプロペラ軸が前後方向に配され、換気扇カバーを換気扇枠の前方に取り付けるという状態を想定したものであるが、換気扇のプロペラ軸の方向は様々であり、例えば、換気扇が天井に設けられていて、プロペラ軸が鉛直方向であり、換気扇カバーを換気扇枠の下方に取り付けるということもあり得る。即ち、換気扇カバーは、どのように配置された換気扇枠にも対応可能となっている。
【0110】
又、換気扇カバーのカバー本体の素材は前述の如き合成樹脂に限られるものではなく、例えば、従来よく換気扇カバーとして用いられているアルミニウム箔製の成形品であってもよい。
【0111】
更に、係止具とともに用いられる換気扇カバーの形状は、換気扇枠へ係止具を用いて適切に取付できるもの形状であればよく、その形状は明細書に記載の特定の形状に限定されるものではない。
【0112】
更に、係止具は、鉄などの金属から構成される1本の線状材に限られるものではなく、換気扇カバーの取付に耐えうるものであればその素材は金属には限定されない。
【0113】
図21は、この発明の第2の実施の形態による換気扇カバー係止具の平面図であって、
図8に対応するものである。
【0114】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0115】
上述の通り、クリップ部と引っ張りバネ部との間の部分を、係止具5の第1折曲部53のような折曲部のない、直線状のものとした換気扇カバー係止具を用いることも可能である。
【0116】
従って、第2の実施の形態による換気扇カバー係止具では、クリップ部50とバネ部55との接続を直線的な線状体からなる接続部101に変更している。
【0117】
即ち、第1の実施の形態では、クリップ部50とバネ部55との接続は、線状体を折曲してなる第1折曲部53を含むものであったのに対して、第2の実施の形態では、クリップ部50の端部51からバネ部55の第1端部55aにかけての接続は、接続部101により直線的なものになっている。
【0118】
このような構成でも、クリップ部50により換気扇枠を挟持すると共に、第2折曲部(折曲部)57及びフック部59により換気扇カバーを固定する取付構造となるため、種々の寸法・形状の換気扇カバー及び換気扇枠における取付状態が安定する。又、クリップ部50とバネ部55との接続において線状体を折曲して製造しなくても済むため、折曲工程を削減でき製造面でコスト的に有利である。
【0119】
尚、上記の各実施の形態では、クリップ部とバネ部との接続が、線状体を折曲してなるもの又は直線的な線状体からなるものであったが、これに限られない。クリップ部とバネ部との接続は、線状体を曲線状に湾曲させてなるものであってもよい。
【0120】
又、上記の各実施の形態では、バネ部は、コイル状の引っ張りバネにより形成されていたが、これに限られず伸縮可能なものであれば伸縮部として任意のものを採用することができる。
【符号の説明】
【0121】
1…換気扇カバー
4、5…係止具
10…大型換気扇
11…換気扇枠
12…小型換気扇
13…換気扇枠
50…クリップ部
53…第1折曲部
55…バネ部(コイル状の引っ張りバネ部)
55a…第1端部
55b…第2端部
56…円形湾曲部
57…第2折曲部
59…フック部
101…接続部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。