(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】コンタクト挿入および保持試験のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/20 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
H01R43/20 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019045713
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2022-02-18
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マーク・イー・ハルシャー
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-285886(JP,A)
【文献】実公昭53-018545(JP,Y2)
【文献】米国特許第05614820(US,A)
【文献】実開平05-011384(JP,U)
【文献】特開2002-008762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R43/027-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクター(2)内の導電性コンタクト(4a、4b)を挿入および保持試験するための方法であって、
(a)挿入先端(41)の下で試験プローブ(46)の上に電気コネクター(2)を配置するステップと、
(b)前記挿入先端にコンタクト(4a、4b)を結合するステップと、
(c)前記試験プローブの末端が開始位置になるまで前記電気コネクターに向かって前記試験プローブを移動させるステップと、
(d)前記挿入先端および試験プローブが同じ孔の中にあるという条件で、前記コンタクトの末端が前記開始位置において前記試験プローブの前記末端に接触し、その後前記試験プローブを前記開始位置から離れる方へ第1方向に変位させるのに十分な距離だけ、第2方向と反対の前記第1方向に前記コンタクトを移動させることによって、前記電気コネクター内の孔の中に前記コンタクトをさらに挿入するように第1リニアアクチュエーター(70)を作動させるステップと、
(e)ステップ(d)の終わりの前記試験プローブの前記末端の位置が前記開始位置から少なくとも第1距離だけ離れているか否かを検出するために位置センサー(78)を使用するステップと、
(f)ステップ(e)でステップ(d)の終わりの前記試験プローブの前記末端の前記位置が前記開始位置から少なくとも前記第1距離だけ離れていることを検出した場合に、最小コンタクト保持力
よりも小さい力を印加することによって、前記試験プローブを前記第2方向に前記開始位置に向かって移動させるために第2アクチュエーター(58)を作動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
(g)ステップ(f)の終わりの前記試験プローブの前記末端の前記位置が前記開始位置から第2距離未満だけ離れているか否かを検出するために前記位置センサーを使用するステップであって、前記第2距離は前記第1距離よりも
短い、ステップと、
(h)ステップ(g)でステップ(f)の終わりの前記試験プローブの前記末端の前記位置が前記開始位置から前記第2距離未満だけ離れていると検出した場合に、コンタクト保持試験の失敗を示すシンボル体系をヒューマンマシンインターフェース(74)上に表示するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電気コネクター(2)内の導電性コンタクト(4a、4b)を挿入および保持試験するための方法であって、
前記電気コネクター(2)の内部に形成された孔(1)に前記コンタクト(4a、4b)を手動で部分的に挿入するステップと、
軸線に揃えられて挿入中に前記軸線に沿って第1方向に変位する挿入先端(41)を使用して、前記軸線に沿って前記コンタクトを押すことによって、さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップと、
さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの後に、前記軸線に揃えられて試験中に前記第1方向と反対の第2方向に変位する試験プローブ(46)を使用して、前記軸線に沿って前記コンタクトを押すことによって、前記電気コネクターの内部の前記コンタクトの保持を試験するステップと、
を含
み、
前記方法は、さらに、前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの前に、前記試験プローブを前記軸線に沿って前記第2方向に変位させるステップを含み、さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの前の前記試験プローブの前記第2方向への前記変位は、手動で力を印加することによって駆動される、方法。
【請求項4】
さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの間、前記挿入先端は前記コンタクトの一端と接触しており、保持試験の間、前記試験プローブは前記コンタクトの他端と接触している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記手動で印加された力はレバー(80)を回転させ、前記レバーの回転を前記試験プローブの変位に機械的に変換するステップをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの間に前記試験プローブが前記軸線に沿って前記第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に電気信号を生成するステップをさらに含む、請求項
4または5に記載の方法。
【請求項7】
さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの間に前記試験プローブが前記軸線に沿って前記第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に前記挿入先端を振動させるステップをさらに含む、請求項
4または5に記載の方法。
【請求項8】
さらに前記孔の中に前記コンタクトを挿入するステップの後に、前記試験プローブを前記軸線に沿って前記第2方向に変位させる力を前記試験プローブに印加するステップをさらに含み、印加される前記力は指定のコンタクト保持力よりも小さい、請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
電気コネクター(2)内の導電性コンタクト(4a、4b)を挿入および保持試験するための装置であって、
電気コネクター(2)を保持するコネクターホルダー(18)と、
前記コンタクトによって終端する配線(6)のための隙間を提供しながら前記電気コネクター内の孔(1)に部分的に挿入されたコンタクト(4a、4b)の一端に接触する挿入先端(41)と、
前記電気コネクター内の前記孔に前記挿入先端をさらに挿入するために第1直線経路に沿って第1方向に前記挿入先端を変位させる挿入先端変位アセンブリ(38、68、75)と、
前記コンタクトがさらに前記孔の中に挿入された後に前記コンタクトの他端と接触する試験プローブ(46)と、
第2直線経路に沿って第2方向に前記試験プローブを変位させる試験プローブ変位アセンブリ(48、50、52、54、56、80)と、
を備え、
前記第2方向は前記第1方向と反対であり、前記第1および第2直線経路は部分的に重複
し、
前記装置は、さらに、時間サイクルの第1部分の間に前記挿入先端変位アセンブリに前記挿入先端を前記第1直線経路に沿って前記第1方向に変位させ、後に前記時間サイクルの第2部分の間に前記試験プローブ変位アセンブリに前記試験プローブを前記第2直線経路に沿って前記第2方向に変位させるコントローラー(76)を備える、装置。
【請求項10】
前記試験プローブの位置を感知し、前記試験プローブの前記位置を表す信号を前記コントローラーに出力する、位置センサー(78)をさらに備える、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記挿入先端に対する固定位置関係を有する前記挿入先端変位アセンブリの構成要素の位置を感知し、前記挿入先端の前記位置を表す信号を前記コントローラーに出力する、直線変位トランスデューサ(71)をさらに備える、請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラーは、前記試験プローブが、前記第1直線経路に沿った前記第1方向への前記挿入先端の変位の間に前記第2直線経路に沿って前記第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合にエラー信号を生成するように、さらに構成されている、請求項
9に記載の装置。
【請求項13】
電気コネクター(2)内の孔(1)に導電性コンタクト(4a、4b)を挿入するための方法であって、
(a)挿入先端(41)の下で試験プローブ(46)の上に電気コネクター(2)を配置するステップと、
(b)前記挿入先端にコンタクト(4a、4b)を結合するステップと、
(c)前記試験プローブの末端(23)が開始位置になるまで前記電気コネクターに向かって前記試験プローブを移動させるステップと、
(d)前記コンタクトを前記電気コネクター内の前記孔にさらに挿入するために前記挿入先端を移動させるステップと、
(e)ステップ(c)の終わりの前記試験プローブの前記末端の前記位置が前記開始位置から少なくとも指定の距離だけ離れているか否かを検出するために位置センサー(78)を使用するステップと、
(f)ステップ(e)でステップ(d)の終わりの前記試験プローブの前記末端の前記位置が前記開始位置から少なくとも前記指定の距離だけ離れていないことを検出した場合に、前記コンタクトおよび前記試験プローブが同じ孔の中にないことを示すシンボル体系をヒューマンマシンインターフェース(74)上に表示するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法35条119(e)項の規定により、2018年5月11日に出願された米国仮出願第62/670,343号明細書の恩典を主張し、その開示の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は一般に、各配線がそれぞれの導電性コンタクトで終端する配線束を組み立てるためのシステムおよび方法に関する。具体的には、本開示は、このようなコンタクトを電気コネクターに挿入するためのシステムおよび方法に関する。
【0003】
コネクターは主に、光ファイバー、導電性配線などのような複数の導体の末端部分に実装されている。いくつかの実施例では、コネクターは、導体のそれぞれの束を接続するために、別のコネクターと嵌合する。代替実施例では、コネクターは、機器のレセプタクルなどに接続される。
【0004】
各コネクターは、二つのコネクターが動作可能な関係になったときに別のコネクターのシェルと機械的に接続される、対になるシェルを備えるのが普通である。各コネクターは、コンタクト受容インサートも含む。インサートは、典型的に誘電体材料で作られており、他のコネクターの対応するインサートに対面する内面と、内面と平行な反対側の外面と、を有する板の形態である。多数の孔がこの部材を貫通し、インサートの内面および外面の反対端でそれぞれ開口している。
【0005】
導体が配線である例では、導電性コアを露出するように配線の末端から電気的絶縁ジャケットを剥がし、導体にコンタクトを圧着することによって、コネクターへの取り付けのために配線を準備する。このコンタクトは、ピンまたはレセプタクル(以下、「ソケット」という)の形態である。コンタクトは、上述のインサートの孔に、その外面を介して、導入され、ピンの場合、インサートの内面を超えて突起する。全ての配線がそれぞれのコネクターに取り付けられ、コネクターが対になる関係になったとき、一方のインサートの孔に受容されたコンタクトは、他方のインサートの孔に受容されたコンタクトと物理的に係合する。このため、コネクターは典型的に、絶縁インサートの孔への導入の前に配線に物理的に取り付けられたもの以外には、ピンまたはレセプタクルを有していない。
【0006】
配線ハーネスなどからの導体の束またはブレイクアウトをコネクターに取り付けるとき、導体がインサートの適切な孔の中に位置することを保証する必要があるが、これはそうでなければコネクターが対になるコネクターに結合されたときに適切な回路が完成しないからである。
【0007】
さらなる問題は、コンタクトがインサートの孔に不完全に挿入されるか、そうでなければ不適切に着座する可能性があることである。コンタクトが不適切に着座した場合、ピンまたはソケットが取り付けられた配線が十分な力で引っ張られたとき、またはコネクターがたとえば振動によって揺れたときに、コネクターの内部の保持クリップによってかけられる保持力が、ピンまたはソケットを対応するソケットまたはピンと接触させたまま保持するのに不十分となる可能性がある。
【0008】
未着座のまたは不適切に着座したコンタクトの発生を制限するためのいくつかの試験方法および機構の存在にもかかわらず、コンタクトが触れるのがやっとであるがまだ導通試験に合格でき、しかしたとえば接続が揺れたら容易に切断されそうな場合を識別するのは、依然として困難である。現在の配線接続設置機構は主に手動式であり、コネクター内に配線を適切に挿入するために操作者によってかけられる力に依存している。したがって、一貫性は達成不可能であり、しばしばコネクターに損傷を与えるほど大きすぎる力がかけられるか、または非常に小さい力がかけられて弱い接続が切断される。
【0009】
同様に、未着座のまたは不適切に着座したコンタクトの試験は通常手動式である。技術者または検査者によって行われる手動動作中に、この人は、保持を試験するために配線を引っ張るかまたはコンタクトを押すことができる。一貫性のない結果に関する類似の問題は、手動保持試験中にも発生する。印加されている引張力または押力を操作者が測定する方法はないので、小さすぎる力でも試験の失敗をもたらす可能性があり、大きすぎる力はやはり配線またはコネクターを損傷させる可能性がある。
【0010】
未着座のコンタクトの発生を低減しながら配線を適切に挿入することは、複数の部門にわたる電機産業にとって必要である。配線の束を扱う特定のシナリオでは、束の両方の末端に解決策が必要である。配線束アセンブリにおける未着座のコンタクトの問題を解決するために、所定の一貫した品質の試験を可能にする解決策が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に開示される主題は、電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための装置および方法を対象とする。方法は、以下のステップを含む:電気コネクターの内部に形成された孔にコンタクトを手動で部分的に挿入するステップと;軸線に揃えられて挿入中に軸線に沿って第1方向に変位する挿入先端を使用して、軸線に沿ってコンタクトを押すことによって、さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップと;さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの後に、軸線に揃えられて保持試験中に第1方向と反対の第2方向に変位する試験プローブを使用して、軸線に沿ってコンタクトを押すことによって、電気コネクターの内部のコンタクトの保持を試験するステップ。コンタクトに対して試験プローブによってかけられる力は、指定のコンタクト保持力よりも小さい。方法は、試験プローブが保持試験中に軸線に沿って第2方向に指定の距離よりも変位した場合に警告信号を生成するステップを、さらに含む。
【0012】
電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための装置および方法の様々な実施形態が以下にある程度詳細に記載されるが、これらの実施形態のうちの1つ以上は、以下の態様のうちの1つ以上によって特徴付けられる。
【0013】
以下に詳細に開示される主題の一態様は、電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための方法であって:(a)挿入先端の下で試験プローブの上に電気コネクターを配置するステップと;(b)挿入先端にコンタクトを結合するステップと;(c)試験プローブの末端が開始位置になるまで電気コネクターに向かって試験プローブを移動させるステップと;(d)挿入先端および試験プローブが同じ孔の中にあるという条件で、コンタクトの末端が開始位置において試験プローブの末端に接触し、その後試験プローブを開始位置から離れる方へ第1方向に変位させるのに十分な距離だけ、第2方向と反対の第1方向にコンタクトを移動させることによって、電気コネクター内の孔の中にコンタクトをさらに挿入するように第1リニアアクチュエーターを作動させるステップと;(e)ステップ(d)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から少なくとも第1距離だけ離れているか否かを検出するために位置センサーを使用するステップと;(f)ステップ(e)でステップ(d)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から少なくとも第1距離だけ離れていることを検出した場合に、最小コンタクト保持力以上の力を印加することによって、試験プローブを第2方向に開始位置に向かって移動させるために第2アクチュエーターを作動させるステップと、を含む方法である。少なくともステップ(d)および(f)は、コンピューターによる制御下で行われる。
【0014】
以下に詳細に開示される主題の別の態様は、電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための方法であって:電気コネクターの内部に形成された孔にコンタクトを手動で部分的に挿入するステップと;軸線に揃えられて挿入中に軸線に沿って第1方向に変位する挿入先端を使用して、軸線に沿ってコンタクトを押すことによって、さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップと;さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの後に、軸線に揃えられて試験中に第1方向と反対の第2方向に変位する試験プローブを使用して、軸線に沿ってコンタクトを押すことによって、電気コネクターの内部のコンタクトの保持を試験するステップと、を含む方法である。さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの間、挿入先端はコンタクトの一端と接触しており、保持試験の間、試験プローブはコンタクトの他端と接触している。方法は、さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの前に、試験プローブを軸線に沿って第2方向に変位させるステップをさらに含み、さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの前の試験プローブの第2方向への変位は、手動で力を印加することによって駆動される。
【0015】
様々な実施形態によれば、上記の段落に記載された方法は、以下のステップのうちの1つ以上をさらに含む:さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの間に試験プローブが軸線に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に電気信号を生成するステップと;さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの間に試験プローブが軸線に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に挿入先端を振動させるステップと;さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの後に試験プローブを軸線に沿って第2方向に変位するよう強いる力を試験プローブに印加するステップであって、印加される力は指定のコンタクト保持力よりも小さい、ステップ。
【0016】
以下に詳細に開示される主題のさらなる態様は、電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための装置であって:電気コネクターを保持するコネクターホルダーと;コンタクトによって終端する配線のための隙間を提供しながら電気コネクター内の孔に部分的に挿入されたコンタクトの一端に接触する挿入先端と;電気コネクター内の孔に挿入先端をさらに挿入するために第1直線経路に沿って第1方向に挿入先端を変位させる挿入先端変位アセンブリと;コンタクトがさらに孔の中に挿入された後にコンタクトの他端と接触する試験プローブと;第2直線経路に沿って第2方向に試験プローブを変位させる試験プローブ変位アセンブリと、を備え、第2方向は第1方向と反対であり、第1および第2直線経路は部分的に重複する、装置である。装置は:時間サイクルの第1部分の間に挿入先端変位アセンブリに挿入先端を第1直線経路に沿って第1方向に変位させ、後に時間サイクルの第2部分の間に試験プローブ変位アセンブリに試験プローブを第2直線経路に沿って第2方向に変位させるコントローラーと;試験プローブの位置を感知し、試験プローブの位置を表す信号をコントローラーに出力する位置センサーと、をさらに備える。
【0017】
上記の段落に記載されたシステムの一実施形態によれば、コントローラーは、第1直線経路に沿った第1方向への挿入先端の変位の間に試験プローブが第2直線経路に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合にエラー信号を生成するように、さらに構成されている。同じ実施形態または異なる実施形態によれば、装置は、挿入先端変位アセンブリに実装された振動子をさらに備え、その場合、コントローラーは、第1直線経路に沿った第1方向への挿入先端の変位の間に試験プローブが第2直線経路に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に振動子を作動させるように、さらに構成されている。同じ実施形態または異なる実施形態によれば、試験プローブ変位アセンブリは、指定のコンタクト保持力よりも小さい力を印加することによって、試験プローブを第2直線経路に沿って第2方向に変位するよう強いるように構成されており、コントローラーは、試験プローブ変位アセンブリによる力の印加に応答して、試験プローブが第2直線経路に沿って第2方向に指定の距離を超えて変位する場合に、エラー信号を生成するようにさらに構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、挿入先端変位アセンブリは:挿入シリンダーの作動に応答して挿入先端を第1直線経路に沿って第1方向に変位させる挿入シリンダーと;第1戻りシリンダーの作動に応答して挿入先端を第1直線経路に沿って第2方向に変位させる第1戻りシリンダーと、を備える。加えて、試験プローブ変位アセンブリは、試験シリンダーの作動に応答して試験プローブを第2直線経路に沿って第2方向に変位させる試験シリンダーと、第2戻りシリンダーの作動に応答して試験プローブを第2直線経路に沿って第1方向に変位させる第2戻りシリンダーと、を備える。
【0019】
提案された一実施例によれば、試験プローブ変位アセンブリは:回転可能なシャフトと;シャフトの一端に固定的に実装された、手動動作可能な作動レバーと;シャフトに固定的に実装されて多数の歯を備えるピニオンギアと;試験プローブが固定的に実装された試験プローブ支持棚と;試験プローブ支持棚に取り付けられて多数の歯を備えるラックであって、ラックの少なくとも1つの歯はピニオンギアの1対の歯と噛み合っている、ラックとをさらに備え、試験シリンダーおよび試験プローブ支持棚は、試験シリンダーが作動したときに試験プローブ支持棚が試験シリンダーのピストンロッドの一端と接触してこれによって第2方向と平行な方向に変位するが、試験シリンダーのピストンロッドの一端に取り付けられることがないように、配置されている。一実施例では、試験プローブ変位アセンブリは、シャフトに固定的に実装されており、試験シリンダーのピストンロッドの一端によって試験プローブ支持棚が変位した後に第2戻りシリンダーのピストンロッドの一端の経路内に設けられる、戻りブロックをさらに備える。試験プローブは、試験シリンダーが作動していない間に作動レバーの手動回転によって第2直線経路に沿って第2方向に変位可能である。
【0020】
以下に詳細に開示される主題のさらに別の態様は、電気コネクター内の孔に導電性コンタクトを挿入するための方法であって:(a)挿入先端の下で試験プローブの上に電気コネクターを配置するステップと;b)挿入先端にコンタクトを結合するステップと;(c)試験プローブの末端が開始位置になるまで電気コネクターに向かって試験プローブを移動させるステップと;(d)コンタクトを電気コネクター内の孔にさらに挿入するために挿入先端を移動させるステップと;(e)ステップ(c)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から少なくとも指定の距離だけ離れているか否かを検出するために位置センサーを使用するステップと;(f)ステップ(e)でステップ(d)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から指定の距離だけ離れていないことを検出した場合に、コンタクトおよび試験プローブが同じ孔の中にないことを示すシンボル体系をヒューマンマシンインターフェース上に表示する(もしくは可聴またはその他の知覚可能な信号を発信/生成する)ステップと、を含む方法である。
【0021】
電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための装置および方法のその他の態様は、以下に記載される。
【0022】
上記のセクションで論じられた形態、機能、および利点は、様々な実施形態において独立して実現されてもよく、またはさらに他の実施形態において組み合わせられてもよい。以下、上記およびその他の態様を説明する目的のための図面を参照して、様々な実施形態を記載する。このセクションで簡単に記載される図面はいずれも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】電気コンタクトの自動挿入および試験のための装置を示す図である。電気コネクターは、コンタクト挿入先端の下の位置に締結されている。
【
図2】
図1に示される装置を示す図であるが、配線の末端のコンタクトが締結された電気コネクター内の孔に手動で部分的に挿入されている点が異なっている。
【
図3】試験プローブ(大きい間隙によって上の挿入先端から分離している)および試験プローブを昇降させるための関連機構を見せるためにコネクターホルダーアセンブリを取り外した後の、
図1に示される装置の一部を示す図である。
【
図4】試験プローブ(小さい間隙によって上の挿入先端から分離している)および試験プローブの上方への変位に続いて試験プローブを昇降させるための関連機構を見せるためにコネクターホルダーアセンブリを取り外した後の、
図1に示される装置の一部を示す図である。
【
図5】
図1に示される装置のヒューマンマシンインターフェースを示す図である。
【
図6】
図1に示される装置に含まれるコネクターホルダーアセンブリを示す図である。
【
図7】左側のカバーが開いてコネクターホルダーアセンブリが取り外された状態の、
図1に示される装置の側面図を示す図である。
【
図8】試験プローブ(大きい間隙によって上の挿入先端から分離している)および試験プローブを昇降させるための関連機構を見せるためにコネクターホルダーアセンブリを取り外した後の、
図1に示される装置の一部を示す、別の図である。
【
図9】右側のカバーが開いてコネクターホルダーアセンブリが取り外された状態の、
図1に示される装置の一部の側面図を示す図である。
【
図10】挿入先端および試験プローブが大きい間隙によって分離された状態の、装置の一部を示す図である。
【
図11】電気コネクターにコンタクトを挿入し、次いでコンタクト保持を試験するための方法のステップを識別するフローチャートである。
【
図12】1試験サイクル中の試験プローブの様々な垂直位置を示す図である。
【
図13】
図1に示される装置のいくつかの構成要素を識別するブロック図である。
【
図14】代替実施形態による電気コンタクトの自動挿入および試験のための装置のいくつかの構成要素を示す図である。
【
図15】
図14に示される装置のいくつかの内部構成要素を示す破断図である。
【
図16】
図14に示される装置の構成要素と共に使用するのに適したコネクターホルダーアセンブリを示す図である。
【
図18】配線の末端のコンタクトが挿入先端の端面に当接している、
図17に示される挿入先端に形成された溝に押し込まれた配線の一部の側面図である。
【
図19】電気コネクターに挿入されたピンコンタクトの断面図である。
【
図19A】
図19において19Aで示される円の中のアセンブリの部分の拡大図である。
【
図20】電気コネクターに挿入されたソケットコンタクトの断面図である。
【
図21A】一実施形態によるピンタイプ試験プローブの側面図である。
【
図21B】一実施形態によるピンタイプ試験プローブの端面図である。
【
図22A】一実施形態によるソケットタイプ試験プローブの側面図である。
【
図22B】一実施形態によるソケットタイプ試験プローブの端面図である。
【
図23A】
図14に示される装置のヒューマンマシンインターフェース上に表示される例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図23B】
図14に示される装置のヒューマンマシンインターフェース上に表示される例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図23C】
図14に示される装置のヒューマンマシンインターフェース上に表示される例示的なスクリーンショットを示す図である。
【
図23D】
図14に示される装置のヒューマンマシンインターフェース上に表示される例示的なスクリーンショットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照するが、異なる図面中の類似の要素は同じ参照番号を付されている。
【0025】
電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための装置および方法の説明的実施形態が、以下にある程度詳細に記載される。しかしながら、実際の実施例の全ての形態が本明細書に記載されるわけではない。このような実際の実施形態の開発では、実施例ごとに異なる、システム関連およびビジネス関連の制約の遵守など、開発者の特定の目的を達成するために、実施例に固有の多くの判断がなされなければならないことを、当業者は理解するだろう。また、このような開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それでもなお本開示の恩恵を有する当業者にとっては日常的な仕事であることも、理解されたい。
【0026】
以下にある程度詳細に開示される装置および方法は、コンタクト挿入中に電気コネクター内に適切に着座しないコンタクトの技術的問題に対する技術的解決策を提供する。一実施形態によれば、挿入されたコンタクトが電気コネクターの中の所定位置に係止されると見なされるのに十分な保持力で保持されていない例を検出するために、コンタクト挿入動作中に試験プローブの位置が監視される。機械は、コンタクトの一端を押すように構成された挿入先端を保持する挿入アームの下方ストローク中に、電気コネクターの多数の孔のうちの1つの孔の中に1つのコンタクト(このコンタクトは配線の一端に既に圧着されている)を下方に挿入する。この自動コンタクト挿入ステップに先立って、試験プローブは、その中心線軸線を挿入先端の軸線と平行にして配置された電気コネクターの底面の付近で下方に移動するコンタクトと交わるように計算された垂直位置まで移動する。(試験プローブの軸線は、挿入先端の軸線と同軸である。)コンタクトが正しい孔に挿入された場合には、下方に移動するコンタクトは、(正しい孔を覆うかまたはその中に部分的に挿入された)試験プローブに衝突し、試験プローブを下方に押す。試験プローブのこの下方移動は、コンタクトが正しい孔に挿入されたことを確認するために、位置センサーによって検出される。
【0027】
代替のシナリオでは、コンタクトが不適切に着座して十分なコンタクト保持力で保持されないように、コンタクトが正しい孔に部分的にしか挿入されない可能性がある。言い換えると、使用中のコンタクトが孔から引き出されるか、または振動がコンタクトを孔から徐々に出させる可能性がある。コンタクトが正しい孔に部分的にのみ挿入された場合には、下方に移動するコンタクトは、(正しい孔を覆うかまたはその中に部分的に挿入された)試験プローブに衝突し、試験プローブを下方に、ただし完全には挿入されない程度に、押す。自動コンタクト挿入中の試験プローブのこの短縮された下方移動は位置センサーによって再び検出され、位置センサーは、金属ロッドによって挿入先端に結合された振動子をコントローラーに作動させるセンサーデータを、コントローラーに送信する。振動子は、金属ロッドを伝播して挿入先端を振動させる振動を発生する。部分的に挿入されたコンタクトが電気コネクターの内部の硬い縁部からぶら下がっている場合、振動は、硬い縁部を超えてさらに孔の中に完全挿入位置まで移動するように、コンタクトを誘導してもよい。
【0028】
試験プローブの末端が(コンタクトが完全に挿入されたことを示す)「振動を作動」の上昇範囲の下限を下回る垂直位置まで下方に移動したことを位置センサーが検出した場合には、コントローラーは、自動コンタクト保持試験を開始するが、これも試験プローブに関与する。従来の手動コンタクト保持試験の間、試験技術者は、手動で配線を引っ張るかまたは工具を使用してコンタクトを押すことによって、電気コネクターによってコンタクトにかけられている保持力を試験する。本明細書に開示される自動コンタクト保持試験方法は、後者、すなわちコンタクトを押すことを実行する。
【0029】
試験装置の一実施形態によれば、試験方法は、挿入先端の軸線と同一線上にある直線経路に沿って上方向に、すなわち挿入ストローク中の挿入先端の移動方向と反対の方向に、試験プローブを変位させる力を試験プローブに印加することを伴う。現時点では、本明細書に開示される装置実施形態は、挿入先端および試験プローブの両方がほぼ垂直な線に沿って移動するように配置されているものの、本明細書に開示される方法論は、挿入先端および試験プローブの両方が、ほぼ水平な線または垂直と水平の間のいずれかの角度に沿って移動する装置に適合できることに、留意すべきである。提案された一実施例によれば、保持試験力は空気圧で印加される。空気圧で印加された力は、指定のコンタクト保持力よりも小さい。保持試験の開始時に、試験プローブは、空気圧シリンダーのピストンロッドが延伸した時点でコンタクトの遠位末端に当接し、試験プローブを上方に移動させるので、保持力が印加された力にもかかわらずコンタクトを所定位置に保持するのに十分でなければ、コンタクトおよび試験プローブも縦一列になって上方に移動することになる。印加された力に応答して試験プローブが指定の距離を超えて上方に変位したことを位置センサーが示した場合、コントローラーは電気信号を生成する。電気信号に応答して、エラーインジケーターまたはメッセージがヒューマンマシンインターフェース上に表示され、コンタクト挿入が失敗したという事実を操作者に警告することができる。他の実施形態では、エラーインジケーターは「音」、「ブザー音」、またはこれに接続された他の機械に送信される制御メッセージである。
【0030】
図1は、電気コンタクトの自動挿入および試験のための装置10を示す図である。電気コネクター2は、挿入先端41の下の位置に締結されているのが見られる。装置10は、以下の構成要素を含む:ベース12;ベース12に取り付けられたハウジング14;一端で片持ち梁のようにベース12に取り付けられた1対のリフト制限アーム16;および電気コネクター2を保持するコネクターホルダーアセンブリ18。コネクターホルダーアセンブリ18は、リフト制限アーム16によって垂直に上方移動しないように制限されているが、コンタクト挿入中は水平に摺動することができ、これにより電気コネクター2のコンタクト受容孔を移動させて挿入されているコンタクトと最終的に揃えられる。コネクターホルダーアセンブリ18(
図6および
図16を参照して後により詳細に説明される)は:リフト制限アーム16の下の1対のスロットに嵌め込まれ、挿入先端41にコネクター2の特定の孔を揃えるためにいずれの方向にも摺動可能な(挿入されているコンタクトに孔を揃えるための増分調整を含む)主板20と;主板20に形成された直線溝内で直線的に摺動し、電気コネクター2が締結されている、摺動板28と;主板20に対して摺動板28を所定位置に係止する係止ハンドル82と、を含む。
【0031】
図6は、コネクターホルダーアセンブリ18を示す図である。主板20に形成された直線溝内の摺動板28の摺動は、主板20に取り付けられ(たとえば、締結され)、その平行な縁部に沿って直線溝を部分的に覆うように構成され、これによって摺動板28が上方に持ち上がって溝から出るのを防止する、1対の摺動アーム24によって容易になる。
図6に見られるように、係止ハンドル82は、摺動板28に形成された直線スロット22を通り、主板20にネジ結合されたボルトに、回転可能に実装されている。摺動板28は直線溝内を摺動するので、直線スロット22はボルトの干渉を防ぐ。コネクターホルダーアセンブリ18は、主板20に固定的に結合された第1ジョー32と、摺動板28に固定的に結合された第2ジョー34から成る、クランプ30をさらに含む。
図6に見られるように、電気コネクター2(1つの孔に挿入されたコンタクトに接続された配線6を有する)は、ジョー32と34との間に締結されている。第2ジョー34の位置は、第2ジョー34が電気コネクター2のシェルに当接するまで電気コネクター2に向かって摺動板28を移動させることによって、調整可能である。次に、摺動板28は係止ハンドル82を回すことによって所定位置に係止され、これによって電気コネクター2のシェルをしっかりと締結し、主板20に対して固定位置にシェルを保持する。
【0032】
再び
図1を参照すると、装置10は、以下の構成要素をさらに含む:軸線と、コンタクトによって終端する配線に隙間を提供しながら電気コネクター2の孔に部分的に挿入されたコンタクトの一端と接触するように構成された遠位末端と、を有する挿入先端41;および挿入先端41の軸線と同一線上にある第1直線経路(この例では、垂直直線経路)に沿って挿入先端41を変位させるための関連機構(本明細書では「挿入先端変位アセンブリ」という)。挿入先端変位アセンブリは、ハウジング14に対して垂直に変位可能であって、ハウジング14内に形成された垂直スロットを通じて突起する、挿入アーム38を含む。挿入先端変位アセンブリは、挿入アーム38の末端の垂直穴を通るクイックリリースピン42と、挿入アーム38に取り付けられ、挿入アーム38に対して固定された垂直位置にクイックリリースピン42を保持する、クイックリリースボタン39と、をさらに含む。挿入先端変位アセンブリは、挿入アーム38の垂直変位中に挿入先端41の軸線が電気コネクター2のシェルの中心線と平行になるように挿入先端41を保持する、(たとえば、カラーの形態の)挿入先端ホルダー40をさらに含む。挿入アーム38の垂直変位を駆動するための構成要素(これらの構成要素は以下により詳細に記載される)は、ハウジング14の内部に設けられており、
図1では見えない。
図1に示される装置10は、クイックリリースピン42に振動的に結合された振動モジュール44をさらに含む。振動モジュール44は、クイックリリースピン42に振動を発生させるように構成されている。装置コントローラー(
図1には示さず)によって作動されると、振動モジュール44は、クイックリリースピン42を伝播して挿入先端41を振動させる振動を発生する。
図1に示されるこのアセンブリは、挿入先端41を迅速に着脱する方法を提供し、挿入を支援するために挿入先端41に起振力を印加する能力を提供し、挿入先端41内に配線6を操作するのを支援するために実装された後に挿入先端41をわずかに回転させる。
【0033】
図2は、
図1に示される装置10を示す図であるが、配線6の末端の電気コンタクトが締結された電気コネクター2内の孔に手動で部分的に挿入されている点が異なっている。振動モジュール44は、クイックリリースピン42上に締結されたクランプ44aと、クランプ44aに実装された振動モーター44bとを含む。挿入先端41は、挿入先端ホルダー40によってクイックリリースピン42の末端に固定的に結合されている。
【0034】
電気コネクターには、多くのサイズおよび構成がある。本開示は、配線束を作る多数の配線をそれぞれ終端させる多数のコンタクトを受け入れる、多孔電気コネクターに関する。電気コネクターアセンブリは一般にプラグおよびレセプタクルを含み、その各々は、インサートの穴の中に保持された電気コンタクトを有する誘電体インサートを含む。アセンブリの後部は封止グロメットを含み、コンタクトに接続された配線はこの中を通り、このグロメットはインサートに収容されたコンタクトを水分から封止する。封止グロメットは、コネクターを水分から封止するグロメットを通る前記コンタクトにつながる配線を有する誘電体インサートの中にコンタクトが保持されている、様々な電気コネクターアセンブリにおいて使用可能である。ピンタイプ(すなわち、オス)コンタクトでの使用のコネクターアセンブリの半分は、誘電体材料で形成されたコンタクト保持インサートと、インサートの軸孔内に固定された複数のピンタイプコンタクトと、界面シールと、前部保持リングと、コネクターシェルと、保持ナットと、後部保持ナットとを有し、封止グロメットは、環境からの水分によるコンタクトへのアクセスを防止するために設けられている。誘電体インサートは、封止グロメットに接触する面と、ピンタイプコンタクトの前面用の界面シールと対向する反対面と、を有する。配線はコンタクトから封止グロメットを通じて延びている。封止グロメットは典型的に、シリコーンゴムまたはネオプレンゴムなどのゴムタイプの材料で形成され、前面および後面を有し、そこを通る複数の軸方向通路は、誘電体インサートの軸孔と協働し、これと揃えられている。各コンタクトは、封止グロメット内に形成された単一の軸方向通路を占有する。
【0035】
図17は、典型的な挿入先端41の立体図である。挿入先端41は、挿入先端ホルダー40(
図17には示されないが
図2を参照のこと)によって保持された円形の円筒形部分41aを有する。挿入先端41は、C字型断面を有する溝付き部分41bも有する。溝付き部分41bの半径は、電気コネクター2(
図17には示されないが
図2を参照のこと)の孔に収まるように選択される。挿入先端41の溝付き部分41bは、電気コネクター2への挿入中に電気コンタクトの一部に当接する、C字型または半円形の端面45を有する。
【0036】
図18は、
図17に示される挿入先端41内に形成された溝43内に押し込まれた配線6の一部の側面図である。配線6の未被覆の末端部分には、ピンタイプコンタクト4a(金属製)が圧着されている。ピンタイプコンタクト4aは、コンタクトピン27と、(電気コネクター2の孔の中のリテーナー機構によって保持される)係止タブまたはショルダー25と、刻み目を有する圧着バレル26と、を含み、圧着バレル26は配線6の未被覆の末端部分に圧着されている。
図18に示される例では、挿入先端41の下方移動中に、端面45は圧着バレル26の対面する端面に当接し、電気コネクター2の孔にピンタイプコンタクト4aを押し込む。他の状況では、挿入先端41の端面45は、ピンタイプコンタクト4aの係止タブまたはショルダー25と係合するように構成されている。
【0037】
図19は、硬質の前部絶縁体8に形成された孔と電気コネクター2の封止グロメット7に形成された軸方向通路11とに挿入された典型的なピンタイプコンタクト4aの断面図である。封止グロメット7および硬質の前部絶縁体9はいずれも電気コネクター2のシェル3の内部に着座している。
図19に見られるように、ピンタイプコンタクト4aがその最終位置にあるとき、ピンタイプコンタクト4aは硬質の前部絶縁体8の孔1から突起している。いくつかの実施例では、ピンタイプコンタクト4aは、ピンタイプコンタクト4aの係止タブまたはショルダー25の後に係止された弾性指状部(
図19には示さず)によって所定位置に保持される。
【0038】
図19Aは、
図19において19Aで示される楕円の中のアセンブリの部分の拡大図である。アセンブリは、封止グロメット7と、硬質の前部絶縁体9と、その間に挟まれた弾性の前部絶縁体8と、を含む。封止グロメット7内の軸方向通路11は、前部絶縁体の孔1と揃えられている。各軸方向通路11の内面は、コンタクトのために有効な防湿シールを確保しながら、各々異なる配線規格用の特殊なグロメットを必要とせずに封止グロメット7が様々なコネクターアセンブリで使用可能となるように、一定範囲の配線規格の封止グロメット7の使用を可能にする弾性回旋部5を有する。
【0039】
図20は、電気コネクター2に挿入されたソケットタイプコンタクト4bの断面図である。いくつかの実施例では、ソケットタイプコンタクト4bを受容するための電気コネクターは、
図19に見られる構成要素と類似の構成要素を有する。しかしながら、
図20に見られるように、ソケットタイプコンタクト4bは、硬質の前部絶縁体9に形成された孔1から突起していない。
【0040】
図3は、試験プローブ46(大きい間隙によって上の挿入先端41から分離している)および挿入先端41の軸線と同一線上にあって第1直線経路に揃えられた第2直線経路に沿って試験プローブ46を垂直に変位させるための関連機構(本明細書では「試験プローブ変位アセンブリ」という)を見せるためにコネクターホルダーアセンブリ18を取り外した後の、
図1に示される装置10の一部を示す図である。試験プローブ46および挿入先端41の移動は、プログラム可能なコントローラー76(
図13参照)によって調整される。挿入先端41の遠位末端は、挿入先端41が第1方向(たとえば、下方)に変位するときに挿入先端41を導き、試験プローブ46の遠位末端は、試験プローブ46が第1方向と反対の第2方向(たとえば、上方)に変位するときに試験プローブ46を導く。試験プローブ46は、軸線と、コンタクト4aまたは4bが挿入先端41によって電気コネクター2の孔の中にさらに挿入された後にコンタクト4aまたは4bの他端と接触するように構成された遠位末端と、を有する。
【0041】
試験プローブ変位アセンブリは、以下の構成要素を含む:回転可能なシャフト52;シャフト52の両端に固定的に実装された1対の手動動作可能な作動レバー80;シャフト52に固定的に実装されて多数の歯を備えるピニオンギア54;直動軸受36に沿って垂直に移動可能であって試験プローブ46が固定的に実装された試験プローブ支持棚48;試験プローブ支持棚48に取り付けられて多数の歯を備えるラック50であって、ラック50上の少なくとも1つの歯はピニオンギア54上の1対の歯と噛み合っている、ラック50;およびシャフト52に固定的に実装された戻りブロック56。ラック50およびピニオンギア54は、シャフト52の回転を試験プローブ支持棚48の直線変位に変換する。シャフト52は、作動レバー80の手動回転中に回転する。このため、試験プローブ46は、作動レバー80の手動回転によって第2直線経路に沿って第2方向に変位可能である。以下に記載されるように、試験プローブ46はまた、1対の空気圧シリンダーによって垂直に上下に変位可能であり、これによってシャフト52を回転させる。
図4は、試験プローブ46が上方に変位した後の、
図3に示される装置の一部を示す図である。
図4は、小さい間隙によって上の挿入先端41から分離している試験プローブ46を示す。試験プローブ46および挿入先端41を分離する大きい間隙を有して下方位置にある試験プローブ46を示す
図3とは対照的である。
【0042】
図8に最もよく見られるように、装置10は、シャフト52の角度位置を検出するように構成および実装された角度位置センサー78(たとえば、回転ポテンショメーター)をさらに含む。試験プローブ46の垂直変位はシャフト52の回転度に正比例するので、角度位置センサー78は、ベース12の基準系に対する試験プローブ46の垂直位置を表す電気信号を出力する。角度位置センサー78は、試験プローブ46の位置を感知し、センサーデータを処理するために、試験プローブの位置を表す信号をコントローラー76(
図13参照)に出力する。
【0043】
コントローラー76は、時間サイクルの第1部分の間に挿入先端変位アセンブリに挿入先端41を第1直線経路に沿って第1方向に変位させ、後に時間サイクルの第2部分の間に試験プローブ変位アセンブリに試験プローブ46を第2直線経路に沿って第2方向に変位させるように、構成されている。装置はまた、角度位置センサー78から受信したシャフト角度位置データに基づいてエラー状態または保持成功を示す表示制御信号を、ヒューマンマシンインターフェース74に出力するように構成されている。コントローラー76からのこのような表示制御信号の受信に応答して、ヒューマンマシンインターフェース74は、エラー状態または保持成功を示すシンボル体系を操作者に表示する。
図5は、
図1に示される装置10のヒューマンマシンインターフェース74を示す図である。ヒューマンマシンインターフェース74のこの実施例は、タッチスクリーン液晶表示装置である。
【0044】
図13に示される提案された一実施例によれば、挿入先端変位アセンブリおよび試験プローブ変位アセンブリはいずれも、いずれかの方向へのそれぞれの変位を駆動するための空気圧シリンダー58、60、70、および72を含む。空気圧シリンダーは、空気圧弁66の状態を制御するための電気弁制御信号を送信するコントローラー76によって選択的に作動される、電気制御された空気圧弁66(たとえば、ソレノイド弁)に接続されている。いずれか1つの空気圧弁が開放されると、主空気供給源からの圧縮空気が関連する空気圧シリンダーに供給され、その空気圧シリンダーのピストンロッドを延伸させる。
【0045】
さらに
図13を参照すると、挿入先端変位アセンブリは、以下の追加構成要素を含む:挿入シリンダー70の作動に応答して第1直線経路に沿って(第1方向に)変位する挿入先端41と共に第1方向に挿入アーム38を変位させる挿入シリンダー70(ピストンロッド90に接続されたピストン88を有する)と、第1戻りシリンダー72の作動に応答して第1直線経路に沿って(第2方向に)変位する挿入先端41と共に第2方向に挿入アーム38を変位させる第1戻りシリンダー72(ピストンロッド94に接続されたピストン92を有する)。同様に、試験プローブ変位アセンブリは、以下の追加構成要素を含む:試験シリンダー58の作動に応答して第2直線経路に沿って(第2方向に)変位する試験プローブ46と共に第2方向に試験プローブ支持棚48を変位させる試験シリンダー58(ピストンロッド86に接続されたピストン84を有する)と、第2戻りシリンダー60の作動に応答して第2直線経路に沿って(第1方向に)変位する試験プローブ46と共に第1方向に試験プローブ支持棚48を変位させる第2戻りシリンダー60(ピストンロッド64に接続されたピストン62を有する)。このようにして、試験プローブ46の上下方向の移動と同様に、挿入先端41の上下方向の移動は切り離される。さらに、試験プローブ支持棚48が、試験シリンダー58が作動したときには試験シリンダー58のピストンロッド86の一端に接触し、これによって第2方向と平行な方向に変位するが、試験シリンダー58のピストンロッド86の一端に取り付けられることがないように、試験シリンダー58および試験プローブ支持棚48が配置されることに、留意すべきである。そして試験プローブ支持棚48の上方への垂直変位は、試験プローブ支持棚48に取り付けられた試験プローブ46を上昇させる。加えて、シャフト52に固定的に実装された戻りブロック56(
図3、
図4、および
図8に見られる)は、試験プローブ支持棚48が試験シリンダー58のピストンロッド86の一端によって上方に変位させられた後に、第2戻りシリンダー60のピストンロッド64の一端の経路内に設けられる。
【0046】
図7は、ハウジング14内の圧力調整器および計器を見せるために左側のカバーが開いた状態の、
図1に示される装置の側面図である。各空気圧シリンダーは、それぞれの空気圧弁およびそれぞれの可撓性ホース(図示せず)によって、圧力調整器66に動作可能に結合されている。圧力調整器66は、主空気供給源(図示せず)からの配管を介して供給されている圧縮空気の圧力を調整(すなわち、低減)する。
【0047】
コントローラー76はまた、振動モジュール44の作動も制御する(
図1および
図7参照)。コントローラー76は、挿入されているコンタクトが完全には挿入されていないことを示す角度位置センサー78からのデータに応答して振動モジュール44を作動する。より具体的には、コントローラー76は、試験プローブ46が、第1直線経路に沿った第1方向への挿入先端41の変位の間に第2直線経路に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に、振動モジュール44を作動させるように構成されている。たとえば、これは、コンタクトは正しい孔に挿入されているが、孔の中の保持機構(たとえば、スプリング指状部または保持クリップ)によって保持されることが可能な位置に到達しない場合に、行われる。
【0048】
他の場合には、コンタクト4aまたは4bは誤った孔に挿入され、試験プローブ46が正しい孔に挿入される。この場合、挿入先端41によって下方に押されているコンタクトは、隣の孔の中にある試験プローブ46に衝突しないので、挿入先端41が第1方向に移動するときに、試験プローブ46は第1方向に移動しない。コントローラー76は、試験プローブ46が、第1直線経路に沿った第1方向への挿入先端41の変位の間に第2直線経路に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合にエラー信号を生成するように、さらに構成されている。
【0049】
前述のように、コントローラー76は、挿入されたコンタクトの保持を試験する目的のため、時間サイクルの第2部分の間、試験プローブ変位アセンブリに試験プローブ46を第2直線経路に沿って第2方向に変位させるように構成されている。保持試験の間、試験プローブ変位アセンブリ(すなわち、試験シリンダー58)は、指定のコンタクト保持力よりも小さい力を印加することによって、試験プローブ46を第2直線経路に沿って第2方向に変位させる。コントローラー76は、試験プローブ46が、試験シリンダー58による力の印加に応答して第2直線経路に沿って第2方向に指定の距離を超えて変位した場合にエラー信号を生成するように、さらに構成されている。指定の距離を超える上方への変位は、(試験プローブ46の遠位末端に当接している)ピンまたはソケットタイプコンタクトが電気コネクター2の孔1の中に保持されていないことを示す。
【0050】
図21Aおよび
図21Bはそれぞれ、一実施形態による、(
図19に示されるタイプのピンタイプコンタクト4aを挿入するのに使用するための)ピンタイプ試験プローブ46aの側面図および端面図である。ピンタイプ試験プローブ46aは、シャンク98と、ピンタイプコンタクト4aの末端に当接してこれを押すように設計された平坦な端面23を有する遠位末端96と、を有する。
図21Bに見られるように、ピンタイプ試験プローブ46aの遠位末端96は、シャンク98の直径よりも小さい直径を有する。
【0051】
図22Aおよび
図22Bはそれぞれ、一実施形態による、(
図20に示されるタイプのソケットタイプコンタクト4bを挿入するのに使用するための)ソケットタイプ試験プローブ46bの側面図および端面図である。ソケットタイプ試験プローブ46bは、シャンク98と、ソケットタイプコンタクト4aの末端に部分的に挿入されてこれを押すように設計された平坦な端面を有する丸みを帯びた遠位末端95と、を有する。このため、平坦な端面は円形であり、その直径は、ソケットタイプコンタクト4aの開口部の直径よりも小さい。
【0052】
図9は、右側のカバーが開いてコネクターホルダーアセンブリ18が取り外された状態の、
図1に示される装置10の一部の側面図を示す図である。この図は、ハウジングの内部に設けられたリニアガイドレール68を示す。より具体的には、リニアガイドレール68は垂直に設けられており、挿入アーム38が固定されている挿入アーム変位板75の垂直変位を案内する。装置は、挿入シリンダー70および第1戻りシリンダー72のうちの1つの作動に応答して挿入アーム変位板75がガイドレール68に沿って滑らかに移動できるようにする直動軸受を、さらに含む。
【0053】
図9のリニアガイドレール68の右の小さいチャネルは、挿入アーム38の垂直位置(高さ)を直接測定する直線変位トランスデューサ71である。より具体的には、直線変位トランスデューサ71は、挿入先端41に対する固定位置関係を有する挿入先端変位アセンブリの構成要素(たとえば、挿入アーム変位板75)の位置を感知し、挿入先端41の位置を表す信号をコントローラー76に出力する。
【0054】
一実施例によれば、直線変位トランスデューサ71は、完全なサイクルの終わりに行われる挿入アーム38の「ホールドアップ」機能を解除するために使用される。挿入アーム38はサイクルの終わりに上昇し、限界位置を超えて手動で持ち上げられるまでそこに保持される。これにより、第1戻りシリンダー72にピストンロッド94を下降させるようにコントローラー76に指示する。これは操作者に、挿入先端41に妨害されることなくコンタクトを自由に装填して電気コネクター2を操作する能力を与える。
【0055】
直線変位トランスデューサ71は、他の目的にも有用である。たとえば、挿入時間に関連して工具がコンタクトを挿入する際の挿入アーム38の位置に注目することにより、提案された一実施例では、コントローラー76は、コンタクトが固着しているか否かを判断し、警告をトリガーして振動システムもオンにするためにその情報を使用するように、構成されている。他の潜在的な使用例は、ヒューマンマシンインターフェース74の画面上に表示され、問題挿入サイクルを説明するためのトラブルシューティングおよびフィードバック機構の両方として使用される、時間に対する移動の「挿入グラフ」を作成することである。加えて、直線変位トランスデューサ71によって提供された位置情報は、一貫した動作のために機械を較正し、保守問題を検出するのに役立てる目的のため、移動速度の計算を可能にする。
【0056】
図10は、挿入先端41および試験プローブ46が大きい間隙によって分離された状態の、電気コンタクトの自動挿入および試験のための装置10の一部を示す図である。この例では、試験プローブはソケットタイプ試験プローブ46bである。
図10は、第2戻りシリンダー60の作動に応答して試験プローブ支持棚48を下方に変位させる試験プローブ変位アセンブリの構成要素の、さらに有利な図を提供する。第2戻りシリンダー60が作動すると、ピストンロッド64が延伸する。ピストンロッド64が延伸すると、ピストンロッド64の末端は戻りブロック56を押し、これによってシャフト52を回転させる。同様に、シャフト52に固定的に実装されたピニオンギア54が回転し、これによってラック50を垂直下方に変位させる。試験プローブ支持棚48に取り付けられたラック50のこの下方移動は、ソケットタイプ試験プローブ46bを下降させる。
【0057】
図11は、電気コネクターにコンタクトを挿入し、次いでコンタクト保持を試験する方法100のステップを識別するフローチャートである。角度位置センサー78は、コンタクト挿入および保持試験動作中の任意の時点で試験プローブ46の位置を監視する。コントローラー76は、これらの動作中に角度位置センサー78からフィードバックを受信し、次いで特定のアクションをトリガーするためにセンサーデータに論理を適用する。たとえば、コントローラー76は、エラーが発生したか否か、または代替例では、挿入されたコンタクトが試験プローブ46によってコンタクトにかけられる試験力よりも大きい保持力で保持されているという意味において挿入が成功したか否かを、判断する。
【0058】
図11を参照すると、方法100は以下のステップを含む。電気コネクター2がコネクターホルダーアセンブリ18に装填される(ステップ102)。次に、コネクターホルダーアセンブリ18はリフト制限アーム16の下のスロットに装填される(ステップ104)。電気コネクター2が挿入先端41の下になるように、主板20の位置は粗く調整可能である。コンタクトが操作者によって挿入先端41に手動で挿入される(ステップ106)。次に、コンタクトが電気コネクター2の選択された孔1に部分的に挿入されるまで、挿入アーム38が下降させられる(ステップ108)。電気コネクター2の選択された孔1が挿入先端41によって担持されるコンタクトの直下になるように、主板20の位置が再び微調整可能である。次に操作者は作動レバー80を回転させ(ステップ110)、これによって試験プローブ46を開始位置まで上方に移動させる。試験プローブマウントおよび作動機構を構成する機械的構成要素は、工具作動中に試験プローブ46の端面23を開始位置に保持するために十分な摩擦を提供する。この摩擦の主な発生源は、角度位置センサー78(たとえば、回転ポテンショメーター)、シャフト52の両端の中実ブッシング、および試験プローブ支持棚48が垂直に変位できるようにする直動軸受(図示せず)である。
【0059】
図12は、1試験サイクル中の試験プローブ46端面23の様々な垂直位置AからFを示す図である。一番下の水平線は、(たとえば、第2戻りシリンダー60の作動によって)機械がリセットされたときの端面23のゼロ位置Fを表す。一番上の水平線は、試験プローブ46が試験シリンダー58によって垂直上方に変位された後の開始位置Aを表す。次の水平線は、アライメントチェックポイント(以下により詳細に説明される)に対応する垂直位置Bを表す。次の水平線は、振動チェックポイント(以下により詳細に説明される)に対応する垂直位置Cを表す。次の水平線は、挿入失敗ポイント(以下により詳細に説明される)に対応する垂直位置Dを表す。水平の破線は、完全に挿入されたコンタクトの先端の位置、および試験プローブ46の当接する端面23の位置に対応する垂直位置Eを表す。
【0060】
再び
図11を参照すると、作動レバー80の手動回転に続いて、コントローラー76は次に、角度位置センサー78から受信するセンサーフィードバックに基づいて、試験プローブ46の端面23が開始位置A(
図12参照)にあるか否かを判断する(ステップ112)。一方、コントローラー76がステップ112において試験プローブ46の端面23が開始位置Aにないと判断した場合には、自動サイクルは開始されず、ヒューマンマシンインターフェース74によってエラーメッセージが表示され、操作者は問題を解決してから再び試すべきであることを示す(ステップ114)。他方、コントローラー76がステップ112において試験プローブ46の端面23が開始位置Aにあると判断した場合には、コントローラー76は挿入シリンダー70を作動して、挿入アームを下方に移動させ、これによって選択された孔1の中にコンタクトをさらに挿入する(ステップ116)。
【0061】
次に、コントローラー76は、角度位置センサー78から受信したセンサーフィードバックに基づいて、試験プローブ46の端面23が垂直位置Bにおけるアライメントチェックポイント(
図12参照)よりも下に移動したか否かを判断する(ステップ118)。一方、コントローラー76がステップ118において試験プローブ46の端面23がアライメントチェックポイントよりも下に移動していないと判断した場合には、第1戻りシリンダー72を作動させることによって機械がリセットされ、ヒューマンマシンインターフェース74によってエラーメッセージが表示され、コンタクトおよび試験プローブ46が同じ孔の中にないことを操作者に示す(ステップ120)。
【0062】
他方、コントローラー76がステップ118において試験プローブ46の端面23がアライメントチェックポイントよりも下に移動したと判断した場合には、コントローラー76は、角度位置センサー78から受信したセンサーフィードバックに基づいて、試験プローブ46の端面23が垂直位置Cにおける振動チェックポイント(
図12参照)よりも下に移動したか否かを判断する(ステップ122)。一方、コントローラー76がステップ112において試験プローブ46の端面23が振動チェックポイントよりも下に移動していないと判断した場合には、振動モーター44bが作動され(ステップ124)、ヒューマンマシンインターフェース74によってエラーメッセージが表示され、振動サイクルが終了したときに挿入ピンをチェックするように操作者に警告する(ステップ126)。
【0063】
他方、コントローラー76がステップ122において試験プローブ46の端面23が振動チェックポイントよりも下に移動したと判断した場合には、コントローラー76は、挿入先端41にかけられている下向きの力を解放するために挿入シリンダー70を停止し、試験プローブを上方に押す力を印加するために試験シリンダー58を作動させることによって保持試験を開始するが(ステップ128)、この印加された力はコンタクトのための指定の最小保持力よりも小さい。
【0064】
次に、コントローラー76は、角度位置センサー78から受信したセンサーフィードバックに基づいて、試験プローブ46の端面23が垂直位置Dにおける挿入失敗ポイント(
図12参照)の下から上に移動したか否かを判断する(ステップ130)。一方、コントローラー76がステップ130において試験プローブ46の端面23が挿入失敗ポイントの上に移動したと判断した場合には、第1戻りシリンダー72を作動させることによって機械がリセットされ、ヒューマンマシンインターフェース74によってエラーメッセージが表示され(ステップ132)、コンタクト挿入が失敗したことを操作者に示す。他方、コントローラー76がステップ130において試験プローブ46の端面23が挿入失敗ポイントの上に移動していないと判断した場合には、コントローラー76は、コンタクト挿入が成功したこと示すメッセージを表示するようにヒューマンマシンインターフェース74に指示し、この時点で保持試験サイクルは自動的に終了する。
【0065】
図14は、コネクターホルダーアセンブリ18が取り外されていることを除き、
図1に見られる同じ構成要素を示す図である。
図1に見られるのと同じ参照番号を付された
図14の要素は、
図1の対応する要素と同じ機能を有し、その機能は上記で記載されたので、ここでは繰り返されない。
図15は、ラック50およびピニオンギア54の形態の試験プローブギアシステム49を含む、
図14に示される装置のいくつかの内部構成要素を示す破断図である。
【0066】
図16は、代替実施形態によるコネクターホルダーアセンブリ18の正射投影図である。コネクターホルダーアセンブリ18は、主板20に固定的に結合された第1ジョー32と、摺動板28に固定的に結合された第2ジョー34から成る、クランプ30を含む。
図16に見られるように、電気コネクター2は、ジョー32と34との間に締結されている。第2ジョー34の位置は、第2ジョー34が電気コネクター2のシェルに当接するまで電気コネクター2に向かって摺動板28を移動させることによって、調整可能である。摺動板28が上方に持ち上げられて摺動板28が摺動する溝から抜けるのを防止するために、主板20に1対の摺動アーム24が取り付けられている。
【0067】
図23Aから
図23Dは、それぞれ
図1に示される装置10のヒューマンマシンインターフェース74上に表示される例示的なスクリーンショットを示す図である。
図23Aは、「システムスタート」と名付けられた仮想ボタンに触れることによって操作者がシステムを始動する、スクリーンショット150を示す。
図23Bは、主操作画面152を示す。
図23Bに示されるフィールドの全てが同時に表示されるわけではない。記号「?」は、コンタクトを手動でチェックするための警告である。警告は、対応する事象が発生した場合にのみ現れる。横のデータは、データ表示モードでのみ表示される。
図23Cは、ピン/ソケット選択画面154を示す。主仮想ボタンを押すことによって、操作者はピンタイプコンタクト用のプログラムの選択とソケットタイプコンタクト用のプログラムの選択との間で切り替えることができる。
図23Dは、試験値およびエラー値を調整するための典型的な保守画面156を示す。
【0068】
様々な実施形態を参照して、電気コネクター内の導電性コンタクトを挿入および保持試験するための装置および方法が記載されてきたが、本発明の教示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよく、均等物がその要素と置き換えられてもよいことは、当業者によって理解されるだろう。加えて、本明細書の教示を、その範囲から逸脱することなく、特定の状況に適合させるために多くの修正がなされてもよい。したがって、請求項は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されないことが意図されている。
【0069】
コンピューター数値制御(CNC)は、予めプログラムされた一連の機械制御コマンドを実行するコンピューターによる、工作機械の自動化である。本明細書に記載される方法のいくつかのステップは、記憶装置および/またはメモリ装置を非限定的に含む、非一時的で有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体において実現される実行可能な命令として符号化される。このような命令は、CNCコントローラーによって実行されると、本明細書に記載される方法の少なくとも一部を装置に実行させる。
【0070】
本明細書で使用される際に、用語「コントローラー」は、本明細書に開示されるコンタクト挿入および保持試験装置のコンピューター制御された構成要素を制御するために、予めプログラムされた一連の機械制御コマンドを実行するように構成された、コンピューターまたはプロセッサーを意味する。
【0071】
上記で開示された実施形態は、1つ以上の処理または計算装置を使用する。このような装置は典型的に、汎用中央処理装置、マイクロコントローラー、縮小命令セットコンピュータープロセッサー、ASIC、プログラマブル論理回路、FPGA、デジタル信号プロセッサー、および/または本明細書に記載される機能を実行することが可能なその他いずれかの回路または処理装置などの、プロセッサー、処理装置、またはコントローラーを含む。本明細書に記載される方法は、記憶装置および/またはメモリ装置を非限定的に含む、非一時的で有形のコンピューター読み取り可能な記憶媒体において実現される実行可能な命令として符号化されてもよい。このような命令は、処理装置によって実行されると、本明細書に記載される方法の少なくとも一部を処理装置に実行させる。上記の例は例示に過ぎず、したがって用語「プロセッサー」および「計算装置」の定義および/または意味を決して限定することを意図されるものではない。
【0072】
条項1.電気コネクター(2)内の導電性コンタクト(4a、4b)を挿入および保持試験するための方法であって、
(a)挿入先端(41)の下で試験プローブ(46)の上に電気コネクター(2)を配置するステップと、
(b)挿入先端にコンタクト(4a、4b)を結合するステップと、
(c)試験プローブの末端が開始位置になるまで電気コネクターに向かって試験プローブを移動させるステップと、
(d)挿入先端および試験プローブが同じ孔の中にあるという条件で、コンタクトの末端が開始位置において試験プローブの末端に接触し、その後試験プローブを開始位置から離れる方へ第1方向に変位させるのに十分な距離だけ、第2方向と反対の第1方向にコンタクトを移動させることによって、電気コネクター内の孔の中にコンタクトをさらに挿入するように第1リニアアクチュエーター(70)を作動させるステップと、
(e)ステップ(d)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から少なくとも第1距離だけ離れているか否かを検出するために位置センサー(78)を使用するステップと、
(f)ステップ(e)でステップ(d)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から少なくとも第1距離だけ離れていることを検出した場合に、最小コンタクト保持力以上の力を印加することによって、試験プローブを第2方向に開始位置に向かって移動させるために第2アクチュエーター(58)を作動させるステップと、
を含む、方法。
【0073】
条項2.(g)ステップ(f)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から第2距離未満だけ離れているか否かを検出するために位置センサーを使用するステップであって、第2距離は第1距離よりも長い、ステップと、
(h)ステップ(g)でステップ(f)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から第2距離未満だけ離れていると検出判断した場合に、コンタクト保持試験の失敗を示すシンボル体系をヒューマンマシンインターフェース(74)上に表示するステップと、
をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0074】
条項3.少なくともステップ(d)、(f)、はコンピューター(76)による制御下で実行される、条項2に記載の方法。
【0075】
条項4.電気コネクター(2)内の導電性コンタクト(4a、4b)を挿入および保持試験するための方法であって、
電気コネクター(2)の内部に形成された孔(1)にコンタクト(4a、4b)を手動で部分的に挿入するステップと、
軸線に揃えられて挿入中に軸線に沿って第1方向に変位する挿入先端(41)を使用して、軸線に沿ってコンタクトを押すことによって、さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップと、
さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの後に、軸線に揃えられて試験中に第1方向と反対の第2方向に変位する試験プローブ(46)を使用して、軸線に沿ってコンタクトを押すことによって、電気コネクターの内部のコンタクトの保持を試験するステップと、
を含む、方法。
【0076】
条項5.さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの間、挿入先端はコンタクトの一端と接触しており、保持試験の間、試験プローブはコンタクトの他端と接触している、条項4に記載の方法。
【0077】
条項6.さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの前に、試験プローブを軸線に沿って第2方向に変位させるステップをさらに含み、さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの前の試験プローブの第2方向への変位は、手動で力を印加することによって駆動される、条項4または5に記載の方法。
【0078】
条項7.手動で印加された力はレバー(80)を回転させ、レバーの回転を試験プローブの変位に機械的に変換するステップをさらに含む、条項6に記載の方法。
【0079】
条項8.さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの間に試験プローブが軸線に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に電気信号を生成するステップをさらに含む、条項6または7に記載の方法。
【0080】
条項9.さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの間に試験プローブが軸線に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に挿入先端を振動させるステップをさらに含む、条項6、7、または8に記載の方法。
【0081】
条項10.さらに孔の中にコンタクトを挿入するステップの後に、試験プローブを軸線に沿って第2方向に変位させる力を試験プローブに印加するステップをさらに含み、印加される力は指定のコンタクト保持力よりも小さい、条項6から9のいずれかに記載の方法。
【0082】
条項11.電気コネクター(2)内の導電性コンタクト(4a、4b)を挿入および保持試験するための装置であって、
電気コネクター(2)を保持するコネクターホルダー(18)と、
コンタクトによって終端する配線(6)のための隙間を提供しながら電気コネクター内の孔(1)に部分的に挿入されたコンタクト(4a、4b)の一端に接触する挿入先端(41)と、
電気コネクター内の孔に挿入先端をさらに挿入するために第1直線経路に沿って第1方向に挿入先端を変位させる挿入先端変位アセンブリ(38、68、75)と、
コンタクトがさらに孔の中に挿入された後にコンタクトの他端と接触する試験プローブ(46)と、
第2直線経路に沿って第2方向に試験プローブを変位させる試験プローブ変位アセンブリ(48、50、52、54、56、80)と、
を備え、
第2方向は第1方向と反対であり、第1および第2直線経路は部分的に重複する、
装置。
【0083】
条項12.時間サイクルの第1部分の間に挿入先端変位アセンブリに挿入先端を第1直線経路に沿って第1方向に変位させ、後に時間サイクルの第2部分の間に試験プローブ変位アセンブリに試験プローブを第2直線経路に沿って第2方向に変位させるコントローラー(76)をさらに備える、条項11に記載の装置。
【0084】
条項13.試験プローブの位置を感知し、試験プローブの位置を表す信号をコントローラーに出力する、位置センサー(78)をさらに備える、条項12に記載の装置。
【0085】
条項14.挿入先端に対する固定位置関係を有する挿入先端変位アセンブリの構成要素の位置を感知し、挿入先端の位置を表す信号をコントローラーに出力する、直線変位トランスデューサ(71)をさらに備える、条項11、12、または13に記載の装置。
【0086】
条項15.コントローラーは、試験プローブが、第1直線経路に沿った第1方向への挿入先端の変位の間に第2直線経路に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合にエラー信号を生成するように、さらに構成されている、条項14に記載の装置。
【0087】
条項16.挿入先端変位アセンブリに実装された振動子(44)をさらに備え、その場合、コントローラーは、第1直線経路に沿った第1方向への挿入先端の変位の間に試験プローブが第2直線経路に沿って第1方向に少なくとも指定の距離だけ変位しない場合に振動子を作動させるように、さらに構成されている、条項14または15に記載の装置。
【0088】
条項17.試験プローブ変位アセンブリは、指定のコンタクト保持力よりも小さい力を印加することによって、試験プローブを第2直線経路に沿って第2方向に変位するよう強いるように構成されており、コントローラーは、試験プローブ変位アセンブリによる力の印加に応答して、試験プローブが第2直線経路に沿って第2方向に指定の距離を超えて変位する場合に、エラー信号を生成するようにさらに構成されている、条項14、15、または16に記載の装置。
【0089】
条項18.挿入先端変位アセンブリは、挿入シリンダーの作動に応答して挿入先端を第1直線経路に沿って第1方向に変位させる挿入シリンダー(70)と、第1戻りシリンダーの作動に応答して挿入先端を第1直線経路に沿って第2方向に変位させる第1戻りシリンダー(72)と、を備える、条項14から17のいずれかに記載の装置。
【0090】
条項19.試験プローブ変位アセンブリは、試験シリンダーの作動に応答して試験プローブを第2直線経路に沿って第2方向に変位させる試験シリンダー(58)と、第2戻りシリンダーの作動に応答して試験プローブを第2直線経路に沿って第1方向に変位させる第2戻りシリンダー(60)と、を備える、条項11に記載の装置。
【0091】
条項20.試験プローブ変位アセンブリは、
回転可能なシャフト(52)と、
シャフトの一端に固定的に実装された、手動動作可能な作動レバー(80)と、
シャフトに固定的に実装されて多数の歯を備えるピニオンギア(54)と、
試験プローブが固定的に実装された試験プローブ支持棚(48)と、
試験プローブ支持棚に取り付けられて多数の歯を備えるラック(50)であって、ラックの少なくとも1つの歯はピニオンギアの1対の歯と噛み合っている、ラックと、
をさらに備え、
試験シリンダーおよび試験プローブ支持棚は、試験シリンダーが作動したときに試験プローブ支持棚が試験シリンダーのピストンロッド(86)の一端と接触してこれによって第2方向と平行な方向に変位するが、試験シリンダーのピストンロッドの一端に取り付けられることがないように、配置されている、
条項19に記載の装置。
【0092】
条項21.試験プローブ変位アセンブリは、シャフトに固定的に実装されており、試験シリンダーのピストンロッドの一端によって試験プローブ支持棚が変位した後に第2戻りシリンダーのピストンロッドの一端の経路内に設けられる、戻りブロック(56)をさらに備える、条項20に記載の装置。
【0093】
条項22.試験プローブは、試験シリンダーが作動していない間に作動レバーの手動回転によって第2直線経路に沿って第2方向に変位可能である、条項21に記載の装置。
【0094】
条項23.電気コネクター(2)内の孔(1)に導電性コンタクト(4a、4b)を挿入するための方法であって、
(a)挿入先端(41)の下で試験プローブ(46)の上に電気コネクター(2)を配置するステップと、
(b)挿入先端にコンタクト(4a、4b)を結合するステップと、
(c)試験プローブの末端(23)が開始位置になるまで電気コネクターに向かって試験プローブを移動させるステップと、
(d)コンタクトを電気コネクター内の孔にさらに挿入するために挿入先端を移動させるステップと、
(e)ステップ(c)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から少なくとも指定の距離だけ離れているか否かを検出するために位置センサー(78)を使用するステップと、
(f)ステップ(e)でステップ(d)の終わりの試験プローブの末端の位置が開始位置から指定の距離だけ離れていないことを検出した場合に、コンタクトおよび試験プローブが同じ孔の中にないことを示すシンボル体系をヒューマンマシンインターフェース(74)上に表示するステップと、
を含む、方法。
【0095】
以下に明記される方法クレームは、そこで列挙されるステップが、請求項の文言がこれらのステップの一部または全てが実行される特定の順番を示す条件を明確に指定または言明しない限りにおいて、アルファベット順(請求項中のあらゆるアルファベット順は、単に先に列挙されたステップを参照する目的のために使用される)またはこれらが列挙された順で実行されることを要求すると解釈すべきではない。プロセスクレームも、請求項の文言がそのような解釈を除外する条件を明確に言明しない限りにおいて、同時にまたは交互に実行される2つ以上のステップのいずれの部分も除外すると解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0096】
1 孔
2 電気コネクター
3 シェル
4a、4b 導電性コンタクト
5 弾性回旋部
6 配線
7 封止グロメット
8、9 前部絶縁体
10 装置
11 軸方向通路
12 ベース
14 ハウジング
16 リフト制限アーム
18 コネクターホルダーアセンブリ
20 主板
22 直線スロット
23 端面
24 摺動アーム
25 ショルダー
26 圧着バレル
27 コンタクトピン
28 摺動板
30 クランプ
32、34 ジョー
36 直動軸受
38 挿入アーム(挿入先端変位アセンブリ)
39 クイックリリースボタン
41 挿入先端
40 挿入先端ホルダー
41a 円筒形部分
41b 溝付き部分
42 クイックリリースピン
43 溝
44 振動子(振動モジュール)
44a クランプ
44b 振動モーター
45 端面
46 試験プローブ
46 a ピンタイプ試験プローブ
46 b ソケットタイプ試験プローブ
48 試験プローブ支持棚(試験プローブ変位アセンブリ)
49 試験プローブギアシステム
50 ラック(試験プローブ変位アセンブリ)
52 シャフト(試験プローブ変位アセンブリ)
54 ピニオンギア(試験プローブ変位アセンブリ)
56 戻りブロック(試験プローブ変位アセンブリ)
58 試験シリンダー(第2アクチュエーター)
60 第2戻りシリンダー
62、84、88、92 ピストン
64、86、90、94 ピストンロッド
66 圧力調整器(空気圧弁)
68 リニアガイドレール(挿入先端変位アセンブリ)
70 挿入シリンダー(第1リニアアクチュエーター)
71 直線変位トランスデューサ
72 第1戻りシリンダー
74 ヒューマンマシンインターフェース
75 挿入アーム変位板(挿入先端変位アセンブリ)
76 コントローラー(コンピューター)
78 位置センサー
80 作動レバー(試験プローブ変位アセンブリ)
82 係止ハンドル
95、96 遠位末端
98 シャンク