(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】人工知能ベースの製造部品設計
(51)【国際特許分類】
G06F 30/20 20200101AFI20230725BHJP
G06F 30/27 20200101ALI20230725BHJP
G06F 30/15 20200101ALI20230725BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/27
G06F30/15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019154770
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-08-01
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・エス・リマイン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ヴァスコ
(72)【発明者】
【氏名】アラン・アール・カッツ
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・エス・ボスマ
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-006813(JP,A)
【文献】特開2019-003615(JP,A)
【文献】特開2005-070849(JP,A)
【文献】NASH, C. et al.,The shape variational autoencoder: A deep generative model of part-segmented 3D objects,Eurographics Symposium on Geometry Processing 2017 [online],2017年,Pages 1-11,[検索日 2023.06.19], インターネット,URL:https://core.ac.uk/download/pdf/195266913.pdf
【文献】UMETANI, N.,Exploring Generative 3D Shapes Using Autoencoder Networks,SIGGRAPH Asia 2017 Technical Brief [online],2017年11月,[検索日 2023.06.19], インターネット,URL:http://www.nobuyuki-umetani.com/publication/2017_siggatb_explore/2017_siggatb_ExploringGenerative3DShapes.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(1200)を設計する方法であって、前記方法は、
ユーザによってユーザインターフェース(700)に、所望部品設計(730)、前記所望部品設計の目標(740)、前記目標の重み付け(750)、および類似性境界(780)を入力するステップと、
少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、符号化所望部品設計を生成するために、前記所望部品設計(730)を符号化するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、前記符号化所望部品設計を空間内の符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータと比較することで、前記類似性境界(780)に基づいて、前記所望部品設計と類似の前記空間内の部品設計のグループ(900)を識別するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、前記目標(740)および前記重み付け(750)に従って部品設計の前記グループを分析することで、符号化最適部品設計を生成するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、最適部品設計(800)を生成するために前記符号化最適部品設計を復号化するステップと、
ディスプレイ(710)上に、前記最適部品設計(800)を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は、前記ユーザによって、最終部品設計を生成するために前記最適部品設計(800)に従って前記所望部品設計(730)を修正するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、機械によって、前記最終部品設計を使用することで前記部品(1200)を製造するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記部品(1200)をユニット(1210)に取り付けるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユニット(1210)は、ビークル、構造、または機器のうちの1つである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
部品設計を有する部品のための実現部品設計を入力するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、前記符号化実現部品設計を生成するために前記実現部品設計を符号化するステップと、
前記空間内に、前記符号化実現部品設計を入力するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、前記空間内の前記符号化実現部品設計を使用することで、前記空間のための前記符号化想像部品設計を生成するステップと、
前記空間内に、前記符号化実現部品設計の少なくともいくつかについて前記実メタデータを入力するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)によって、前記空間内の前記実メタデータを使用することで、実メタデータを有していない前記符号化想像部品設計または前記符号化実現部品設計のうちの少なくとも1つについて前記想像メタデータを生成するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)は、前記符号化想像部品設計を生成するために機械学習アルゴリズムを使用し、前記機械学習アルゴリズムはオートエンコーダであり、
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)は、前記想像メタデータを生成するために、回帰および分類モデルまたは非統計的方法を使用する、
のうちの少なくとも1つである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所望部品設計(730)の前記目標(740)は、コスト、構造的完全性、製造性、または重量のうちの少なくとも1つであり、
前記所望部品設計(730)は、コンピュータ支援設計(CAD)モデル設計であり、
前記最適部品設計(800)はCADモデル設計である、
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
部品(1200)を設計するシステムであって、前記システムは、
ユーザから、所望部品設計(730)、前記所望部品設計の目標(740)、前記目標の重み付け(750)、および類似性境界(780)を受信するためのユーザインターフェース(700)と、
符号化所望部品設計、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む空間を格納するためのメモリ(1310)と、
前記符号化所望部品設計を生成するために前記所望部品設計(730)を符号化し、前記類似性境界(780)に基づいて、前記符号化所望部品設計を前記空間内の前記符号化実現部品設計、前記符号化想像部品設計、前記実メタデータ、および前記想像メタデータと比較することで前記所望部品設計と類似の前記空間内の部品設計のグループ(900)を識別し、前記目標および前記重み付けに従って部品設計の前記グループを分析することで符号化最適部品設計を生成し、最適部品設計(800)を生成するために前記符号化最適部品設計を復号化する、少なくとも1つのプロセッサ(1320)と、
前記ユーザに対して前記最適部品設計(800)を表示するディスプレイ(710)と、
を含むシステム。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースはさらに、前記ユーザが最終部品設計を生成するために前記最適部品設計(800)に従って前記所望部品設計(730)を修正することを可能にするように構成されており、前記システムは、前記最終部品設計を使用することで前記部品(1200)を製造するための機械をさらに含み、前記部品(1200)はユニット(1210)上に取り付けられるように構成されており、前記ユニット(1210)はビークル、構造、または機器のうちの1つである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)は、前記空間のための前記符号化実現部品設計を生成するために実現部品設計を符号化し、前記空間内の前記符号化実現部品設計を使用することで前記空間のための前記符号化想像部品設計を生成し、前記空間内の前記符号化実現部品設計の少なくともいくつかのための前記実メタデータを使用することで、前記実メタデータを有していない前記符号化想像部品設計または前記符号化実現部品設計のうちの少なくとも1つのための前記想像メタデータを生成するように、さらに構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサ(1320)は、前記符号化想像部品設計を生成するために機械学習アルゴリズムを使用する、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記機械学習アルゴリズムはオートエンコーダである、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は部品設計に関する。具体的には、本開示は人工知能ベースの製造部品設計に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、部品の技術設計では、部品について所望の特性を有する最終部品設計を達成するために、設計技術者はその部品に対して複数の設計を繰り返し手動で設計および分析する必要がある。それでも最終部品設計は、コスト、製造性、および/または品質のために特に最適化されてはいない。この設計プロセスは、所望部品設計を達成するために1つの部品について複数の設計を繰り返し設計および分析する必要があるので、このプロセスは設計技術者にとって退屈で時間がかかる。しかしながら、一部の設計プログラムは、設計技術者が部品の幾何学的な設計にパラメトリックな規則を手動で入力できるようにする。しかし、このプロセスは非常に労働集約的で、技術的に高度で、時間とコストがかかり、高度に専門的なスキルを必要とする。そのため、部品の現在の従来型技術設計は、時間がかかり、手動で、コスト、製造性、および品質において最適ではない。
【0003】
上記に照らして、部品の設計のための改善された技術の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、人工知能ベースの製造部品設計のための方法、システム、および装置に関する。1つ以上の例では、部品を設計する方法は、ユーザによってユーザインターフェースに、所望部品設計、所望部品設計の目標、目標の重み付け、および類似性境界を入力するステップを含む。方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、符号化所望部品設計を生成するために、所望部品設計を符号化するステップをさらに含む。また、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、符号化所望部品設計を空間内の符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータと比較することで、類似性境界に基づいて、所望部品設計と類似の空間内の部品設計のグループを識別するステップを含む。加えて、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、目標および重み付けに従って部品設計のグループを分析することで、符号化最適部品設計を生成するステップを含む。加えて、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、最適部品設計を生成するために符号化最適部品設計を復号化するステップを含む。さらに、方法は、ディスプレイ上に、最適部品設計を表示するステップを含む。
【0005】
1つ以上の例では、方法は、ユーザによって、最終部品設計を生成するために最適部品設計に従って所望部品設計を修正するステップを、さらに含む。少なくとも1つの実施形態では、方法は、機械によって、最終部品設計を使用することで部品を製造するステップを、さらに含む。1つ以上の例では、方法は、部品をユニットに取り付けるステップを、さらに含む。少なくとも1つの実施形態では、ユニットは、ビークル、構造、または機器である。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、方法は、部品設計を有する部品のための実現部品設計を入力するステップを、さらに含む。また、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、符号化実現部品設計を生成するために実現部品設計を符号化するステップを含む。加えて、方法は、空間内に、符号化実現部品設計を入力するステップを含む。加えて、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、空間内の符号化実現部品設計を使用することで、空間のための符号化想像部品設計を生成するステップを含む。加えて、方法は、空間内に、符号化実現部品設計の少なくともいくつかのための実メタデータを入力するステップを含む。さらに、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、空間内の実メタデータを使用することで、実メタデータを有していない符号化想像部品設計および/または符号化実現部品設計について想像メタデータを生成するステップを含む。
【0007】
1つ以上の例では、少なくとも1つのプロセッサは、符号化想像部品設計を生成するために機械学習アルゴリズムを使用する。少なくとも1つの実施形態では、機械学習アルゴリズムはオートエンコーダである。1つ以上の例では、少なくとも1つのプロセッサは、想像メタデータを生成するために、回帰および分類モデルまたは非統計アルゴリズムを使用する。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、所望部品設計の目標は、コスト、構造的完全性、製造性、および/または重量である。1つ以上の例では、所望部品設計は、コンピュータ支援設計(CAD)モデル設計である。少なくとも1つの実施形態では、最適部品設計はCADモデル設計である。
【0009】
1つ以上の例では、部品を設計するシステムは、ユーザから、所望部品設計、所望部品設計の目標、目標の重み付け、および類似性境界を受信するためのユーザインターフェースを含む。システムは、符号化所望部品設計、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む空間を格納するためのメモリをさらに含む。また、システムは、符号化所望部品設計を生成するために所望部品設計を符号化し、類似性境界に基づいて、符号化所望部品設計を空間内の符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータと比較することで所望部品設計と類似の空間内の部品設計のグループを識別し、目標および重み付けに従って部品設計のグループを分析することで符号化最適部品設計を生成し、最適部品設計を生成するために符号化最適部品設計を復号化する、ように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含む。さらに、システムは、ユーザに対して最適部品設計を表示するように構成されたディスプレイを含む。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、ユーザインターフェースはさらに、ユーザが最終部品設計を生成するために最適部品設計に従って所望部品設計を修正することを可能にする。1つ以上の例では、システムは、最終部品設計を使用することで部品を製造するための機械をさらに含む。少なくとも1つの実施形態では、部品はユニット上に取り付けられるように構成されている。1つ以上の例ではユニットは、ビークル、構造、または機器である。
【0011】
1つ以上の例では、少なくとも1つのプロセッサは、空間のための符号化実現部品設計を生成するために実現部品設計を符号化し、空間内の符号化実現部品設計を使用することで空間のための符号化想像部品設計を生成し、空間内の符号化実現部品設計の少なくともいくつかのための実メタデータを使用することで、実メタデータを有していない符号化想像部品設計および/または符号化実現部品設計のための想像メタデータを生成するように、さらに構成されている。
【0012】
形状、機能、および利点は、本開示の様々な例において独立して達成されることが可能であり、さらに別の例と組み合わせられてもよい。
【0013】
本開示のこれらおよびその他の形状、態様、および利点は、以下の説明、添付請求項、および下記の添付図面に関してより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示された人工知能ベースの製造部品設計システムのための部品の空間を生成するための開示された方法を示すフローチャートである。
【
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計を含む例示的な空間を示す図である。
【
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計および符号化想像部品設計を含む例示的な空間を示す図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、および実メタデータを含む例示的な空間を示す図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である。
【
図6A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示された人工知能ベースの製造部品設計システムを操作するための開示された方法を示すフローチャートである。
【
図6B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示された人工知能ベースの製造部品設計システムを操作するための開示された方法を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザの所望部品設計、所望部品設計のための目標オプション、重み付けオプション、および類似性境界オプションを表示するコンピュータのディスプレイ上のユーザインターフェースを示す図である。
【
図8】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化所望部品設計が空間内で識別される、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である。
【
図9】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化所望部品設計と類似の符号化部品設計のグループ(または領域)が空間内で識別される、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化最適部品設計が符号化部品のグループ(または領域)内で識別される、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である。
【
図11】本開示の少なくとも1つの実施形態による、最適部品設計を表示するコンピュータのディスプレイ上のユーザインターフェースを示す図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユニット(たとえば飛行機)上に取り付けられている部品を示す図である。
【
図13】様々な例が実施される、または例を実行するために利用され得る、計算装置またはシステムのコンポーネントのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で開示される方法および装置は、人工知能ベースの製造部品設計のための動作システムを提供する。1つ以上の例では、本開示のシステムは、柔軟に指定された設計目標(たとえば、コスト、重量、製造性、サイズ、材料、または目標の組み合わせ)、重み付け(たとえば、目標の各々に対する重要度の重み付け)、および類似性境界(たとえば、符号化部品設計を含む空間内のグループ(または領域)の検索半径)に関して部品設計を体系的に改善するために、部品設計プロセス中に知的な人工知能ベースの設計フィードバックを人間の設計技術者に提供するアプローチを教示する。システムは、人工知能/ニューラルネットワークベースのツールを使用して、設計技術者が新しい部品設計を生成するために指定された設計目標を最適化できるようにする。
【0016】
開示されたシステムの動作中に、設計技術者は、特定の部品の初期設計を作成する。次に設計技術者は、その部品設計(たとえば、部品のコンピュータ支援設計(CAD)モデル)を、指定された所望の改善目標、重み付け(たとえば、目標の重み付け)、および類似性境界(たとえば、空間内のグループ(または領域)の検索半径)と共に、システムのニューラルネットワーク処理エンジン(たとえば、プロセッサ)に提出する。次にニューラルネットワーク処理エンジンは、指定された目標、重み付け、および類似性境界に関して部品の推奨最適設計を見つけるために、(実部品設計および想像部品設計の両方を含む)類似部品の連続人工知能発見空間を検索する。次に設計技術者は、推奨部品設計を見直し、元の部品設計を推奨部品更新によって相応に更新する。
【0017】
開示されたシステムによって採用された技術はニューラルネットワークに基づいており、これは十分な数の例を見ることで機械部品の「空間」全体を記述する分布を学習することができる。部品の例は、たとえば、現在および以前のプログラム(たとえば、航空機プログラム)のために技術者が作成した部品の企業データベースからのものである。ニューラルネットワークが学習するための会社内の部品ファイルは数百万あり得る。開示されたシステムは、オートエンコーダと呼ばれるニューラルネットワークアーキテクチャの使用を採用し(たとえば、採用され得るオートエンコーダの1つのタイプは三次元(3D)畳み込みオートエンコーダである)、これは部品の空間全体(たとえば、単なる訓練された元の部品設計の量を超えた部品設計の全景)を学習することができ、その部品の空間のパラメータ化(たとえば、空間を探索する方法)も学習することができる。さらに、ニューラルネットワークアーキテクチャは「埋め込みベクトル」を提供し、これにより、その空間で動作するメトリックが2つの部品間の「類似性」を測定できる。
【0018】
空間のパラメータ化および類似性測定は、空間の近くの領域で明確に定義された最適化問題を確立するために、目的関数(たとえば、コストまたは重量などを最小化する目標)と組み合わせられてもよい。これにより、その領域の目的関数を最適化する近くの部品の指定範囲内で部品を製造する。なお、空間内で見られる部品は、今までに設計されたことのない部品になる可能性が非常に高いことに留意されたい。人工知能システムは、実部品の十分な例を見た後に、新しい部品を作成する方法を知るであろう。なお、返された部品は三次元のスケッチ(たとえば、ボクセル化フォーマットまたはメッシュモデル)に過ぎないことにも留意されたい。新しい設計を受け入れるか拒否するかは、技術者次第である。そして技術者が新しい設計を受け入れた場合、技術者は、提案された変更を部品設計に手動で組み込む必要がある。
【0019】
様々な例において、開示されたシステムおよび方法は、航空機部品の設計に採用される。開示されたシステムおよび方法は、本明細書で開示されるような航空機部品以外の部品の設計に使用され得ることに、留意すべきである。たとえば、開示されたシステムおよび方法は、ビークル部品(たとえば、地上ビークル部品、水上ビークル部品、宇宙ビークル、または空中ビークル部品)の設計、構造部品(たとえば、建物部品、橋梁部品、またはダム部品)の設計、および/または機器部品(たとえば、機械部品、アクチュエータ部品、ジェネレータ部品、またはモータ部品)の設計に使用され得る。したがって、以下の議論は、一般性を失わずに航空機部品を対象とする。
【0020】
以下の説明では、システムのより完全な説明を提供するために、多くの詳細が明記される。しかしながら、開示されたシステムがこれら特定の詳細を伴わずに実践され得ることは、当業者にとって明らかであろう。他の例では、システムを不要に曖昧にしないように、公知の形状は詳細に説明されていない。
【0021】
本開示の例は、機能および/または論理コンポーネントならびに様々な処理ステップに関して本明細書で説明される。このようなコンポーネントは、指定された機能を実行するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアコンポーネントによって実現され得ることが、理解されるべきである。たとえば、本開示の実施形態は様々な集積回路コンポーネント(たとえば、メモリ素子、デジタル信号処理素子、論理素子、ルックアップテーブルなど)を採用してもよく、これらは1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、またはその他の制御デバイスの制御下で、様々な機能を実行し得る。加えて、当業者は、本開示が他のコンポーネントと併せて実施され得ること、および本明細書で説明されるシステムが本開示の単なる例であることを、理解するであろう。
【0022】
簡潔にするために、部品設計に関する従来の技術およびコンポーネントならびにシステムのその他の機能的態様(ならびにシステムの個別に動作するコンポーネント)は、本明細書では詳細に説明されない場合がある。さらに、本明細書に包含される様々な図面に示される接続線は、様々な素子間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表すことを意図している。なお、本開示の1つ以上の例には、多くの代替または追加の機能的関係または物理的接続が存在し得ることに留意すべきである。
【0023】
I.開示されたシステムの符号化部品設計の「空間」の構築
本開示は、ユーザの初期の所望部品設計および所望部品設計のユーザの目標、目標の重み付け、および類似性境界に基づいてユーザに最適部品設計を提供するニューラルネットワークアーキテクチャ(たとえば、オートエンコーダ)を採用する、知的な人工知能ベースのシステムを教示する。ユーザがシステムを操作する前に、システムによって利用される部品の空間(実現部品設計および想像部品設計の両方を含む)が構築される必要がある。
【0024】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示された人工知能ベースの製造部品設計システムのための部品の空間を生成するための開示された方法100を示すフローチャートである。方法100の開始110で、たとえばコンピュータ支援設計(CAD)モデルの形態の、複数の実現部品設計(たとえば、構築済みまたは未構築の部品の実部品設計)が、120でシステムに入力される(たとえば、メモリ(
図13の1310参照)および/またはデータベース(DB)(
図13の1350参照)に入力される)。次に、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は、130で符号化実現部品設計(たとえば、各部品のボクセル化フォーマットまたはメッシュモデル)を生成するために実現部品設計を符号化する。この符号化プロセスのため、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は最初に、各実現部品設計(たとえば、CADモデル)をボクセル化フォーマットまたはメッシュモデルに変換(たとえば、ボクセル化)する。なお、1つ以上の例では、ボクセル化フォーマットは三次元(3D)フォーマットまたは四次元(4D)フォーマットであってもよく、これは追加の次元に格納された追加情報(たとえば、曲率、表面積などを記述する幾何学的情報)を有することに留意すべきである。次に、プロセッサ(たとえば、デコーダに続くエンコーダを含むオートエンコーダ)(
図13の1320参照)は、符号化実現部品設計を生成するためにボクセル化フォーマット(またはメッシュモデル)を使用する。なお、符号化実現部品設計を生成するためのボクセル化フォーマット(またはメッシュモデル)の符号化は反復プロセスであり、これはプロセッサ(たとえば、オートエンコーダ)によって実行されることに留意すべきである。
【0025】
符号化実現部品設計はその後、140で空間に入力される。本開示の少なくとも1つの実施形態による、各々が塗りつぶしドットとして表された、符号化実現部品設計を含む例示的な空間を示す図である、
図2を参照する。
図2では、空間は三次元空間である。
図2の空間が符号化実現部品設計の三次元マトリックスを含むことは、理解される。他の例では、空間は、
図2に示される三次元よりも少ない次元(たとえば、符号化実現部品設計の二次元マトリックスを含む二次元空間)または多くの次元を含んでもよい。
【0026】
図2の空間に示される各塗りつぶしドットは、個々の符号化実現部品設計に関連付けられたデータ(たとえば、ボクセル化フォーマットまたはメッシュモデル)を表す。空間は、システムのメモリ(
図13の1310参照)内、および/または少なくとも1つのデータベース(DB)(
図13の1350参照)内に格納されてもよい。
【0027】
符号化実現部品設計が空間に入力された後、開示されたシステムのニューラルネットワーク(たとえば、機械学習アルゴリズム)(たとえば、三次元(3D)畳み込みオートエンコーダなどのオートエンコーダ)は空間について訓練する。1つ以上の例では、ニューラルネットワークは、システムのメモリ(
図13の1310参照)および/または少なくとも1つのデータベース(
図13の1350参照)に存在し得る。訓練されると、ニューラルネットワーク(たとえば、機械学習アルゴリズム)(たとえば、オートエンコーダ)は、部品の設計空間全体を理解し、空間全体を部品設計で満たすために新しい部品を生成することができる。そのため、ニューラルネットワークはその後、150で空間内の符号化実現部品設計を使用することで、(符号化部品設計で空間を満たすために)空間のための符号化想像部品設計を生成する。本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計および符号化想像部品設計を含む例示的な空間を示す図である、
図3を参照する。
図3では、空間は、塗りつぶしドットとして示される、元の符号化実現部品設計、ならびに非塗りつぶしドットとして示される、新たに生成された符号化想像部品設計の両方を含むようにここでは示されている。なお、空間にはここでは符号化(実現および想像)部品設計が存在していることに留意すべきである。
【0028】
空間に符号化部品設計が入力された後、符号化実現部品設計に関連付けられた実メタデータ(たとえば、部品製造コスト、部品の製造性、部品の構造強度、および/または部品の重量)が、160で空間に入力される。実メタデータは、符号化実現部品設計に関連付けられた部品の実際の既知のデータである。本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、および実メタデータを含む例示的な空間を示す図である、
図4を参照する。
図4では、空間内の符号化実現部品設計の一部のみが、関連実メタデータを有するように示されている。しかしながら、他の例では、空間内の符号化実現部品設計の全てが関連実メタデータを有してもよく、いずれも有していなくてもよい。
【0029】
実メタデータが空間に入力された後、回帰および分類モデルまたは非統計的方法を利用することにより、少なくとも1つのプロセッサは、170で空間内の実メタデータを使用することで、関連実メタデータを有していない符号化部品設計(たとえば、符号化実現部品設計および/または符号化実現部品設計)のうちの少なくとも1つのために想像メタデータを生成する。本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である、
図5を参照する。
図5では、空間内の符号化部品設計(たとえば、符号化実現部品設計および/または符号化想像部品設計)の全てがメタデータ(たとえば、実メタデータまたは想像メタデータのいずれか)を含むように示されており、符号化部品設計の空間は、ここでは完全に構築されている。空間が構築された後、方法100は180で終了する。
【0030】
II.開示されたシステムの操作
符号化部品設計の空間が構築された後、開示されたシステムは、ユーザの初期の所望部品設計および所望部品設計のユーザの目標、目標の重み付け、および類似性境界に基づいてユーザに最適部品設計を提供するために、ユーザによって操作され得る。
図6Aおよび
図6Bは共に、本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示された人工知能ベースの製造部品設計システムを操作するための開示された方法を示すフローチャートである。方法600の610での開始で、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、620で所望部品設計、所望部品設計の目標、目標の重み付け、および類似性境界を入力する。
【0031】
本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザの所望部品設計730、目標オプション740、所望部品設計730の重み付けオプション750、および類似性境界オプション780を表示するコンピュータ720のディスプレイ710上のユーザインターフェース(たとえば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI))700を示す図である、
図7を参照する。ユーザ(図示せず)は、システムに自分の所望部品設計(たとえば、ユーザによって生成された所望部品のCADモデル)730を入力するために、ユーザインターフェース700を使用した。所望部品設計の図が、コンピュータ720のディスプレイ710上のユーザインターフェース700によって表示されている。所望部品設計は、システムのメモリ(
図13の1310参照)内、および/または少なくとも1つのデータベース(DB)(
図13の1350参照)内に格納されてもよい。ユーザは、コンピュータ720のキーボード760および/またはマウス770を介してユーザインターフェース700を操作し得る。
【0032】
ユーザは、各設計メトリックからの貢献を組み込んだ単一の目標に、複数の所望の設計メトリックを組み合わせることを望むかも知れない。たとえば、所望部品設計は、1つ以上の設計目標(たとえば、部品製造コストの所望の最小化、部品の製造性の所望の容易さ、部品の構造強度の所望の最大化、および/または部品の重量の所望の最小化)のために最適化されてもよい。ユーザは、ユーザインターフェース700の目標オプション740を介して所望の設計目標を設計することによって、これを行うことができる。加えて、ユーザは、ユーザインターフェース700の重み付けオプション750を介して指定された設計目標のために重み付けを指定できる。たとえば、目標オプション740のために、ユーザは、部品製造コストの所望の最小化、部品の構造強度の所望の最大化、および部品の重量の所望の最小化について選択するために、目標オプション740によって提供されるドロップダウンメニューを使用してもよい。次に、ユーザは、これらの目標の各々について重み付けを指定するために、重み付けオプション750を使用することができる。たとえば、ユーザは、重み付けオプション750からのドロップダウンメニューを介して、選択された目標について以下の重み付け(合計100%)、すなわち、部品製造コストの最小化75%、部品の構造強度の最大化10%、および部品の重量の所望の最小化15%を指定できる。加えて、ユーザは、適用される類似性境界(たとえば、符号化部品設計を含む空間内のグループ(または領域)の検索半径)を指定するために、類似性境界オプション780を使用してもよい。たとえば、類似性境界オプション780について、ユーザは、符号化部品設計を含む空間内のグループ(または領域)の検索半径の所望のサイズを選択するために、類似性境界オプション780によって提供されるドロップダウンメニューを使用することができる(たとえば、グループの半径のサイズは、符号化部品設計の空間内の領域のパーセンテージ(たとえば、1%の領域)によって指定され得る)。
【0033】
ユーザが所望部品設計、所望部品設計の目標、目標の重み付け、および類似性境界を入力した後、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は630で符号化所望部品設計(たとえば、ボクセル化フォーマットまたはメッシュモデル)を生成するために、所望部品設計(たとえば、CADモデル)を符号化する。システムの少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は、符号化部品設計の空間内の符号化所望部品設計(たとえば、ボクセル化フォーマットまたはメッシュモデル)を識別する。本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化所望部品設計が空間内で識別される、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である、
図8を参照する。
図8では、符号化所望部品設計は、空間内の符号化想像部品設計に対応するものとして識別される。
【0034】
符号化所望部品設計が生成された後、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は、640で符号化所望部品設計を空間内の符号化実現部品設計および符号化想像部品設計、ならびに実メタデータおよび想像メタデータと比較することによって、所望部品設計と類似の空間内の部品設計のグループ(または領域)900(
図9参照)を識別する。グループのサイズ(たとえば、空間内の指定されたグループ領域の半径のサイズ)900は、類似性境界によって決定される。本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化所望部品設計と類似の符号化部品設計のグループ(または領域)900が空間内で識別される、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である、
図9を参照する。
【0035】
類似の符号化部品設計のグループ(または領域)900が識別された後、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は、650で、ユーザ指定の目標および重み付けに従って符号化部品設計のグループ(または領域)900を分析することによって、符号化最適部品設計を生成する。具体的には、符号化最適部品設計は、ユーザ指定の目標および重み付けを最適化するために、グループ(または領域)900の符号化部品設計(たとえば、符号化実現部品設計および符号化想像部品設計)のメタデータ(たとえば、実メタデータおよび想像メタデータ)を使用することで、生成される。本開示の少なくとも1つの実施形態による、符号化最適部品設計が符号化部品のグループ(または領域)900内で識別される、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む例示的な空間を示す図である、
図10を参照する。
図10では、符号化最適部品設計は、空間内の符号化想像部品設計に対応するものとして識別される。
【0036】
符号化最適部品設計が生成された後、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は、660で最適部品設計(たとえば、CADモデル)を生成するために符号化最適部品設計(たとえば、ボクセル化フォーマットまたはメッシュモデル)を符号化する。なお、他の例では、少なくとも1つのプロセッサ(
図13の1320参照)は、ユーザが見直すために2つ以上の最適部品設計(たとえば、いくつかのCADモデル)を生成し得ることに、留意すべきである。
【0037】
次に、ディスプレイ710は、670で最適部品設計800を表示する。本開示の少なくとも1つの実施形態による、最適部品設計800を表示するコンピュータ720のディスプレイ710上のユーザインターフェース700を示す図である、
図11を参照する。
図8では、最適部品設計(たとえば、CADモデル)800は、ボクセル化フォーマットまたはメッシュモデルの形態の想像部品設計である、符号化最適部品設計から復号化されたので、ピクセル化されたように見える。
【0038】
最適部品設計(たとえば、CADモデル)800がユーザに対してディスプレイ710上に表示された後、ユーザは、望ましければ、680で最終部品設計(たとえば、CADモデル)を生成するために、最適部品設計800の形状に従って元の所望部品設計730を手動で(ユーザインターフェース700を介してアクセスされてもされなくてもよい、CADプログラムを介して)修正できる。最終部品設計が生成された後、部品1200(
図12参照)は、690で最終部品設計(たとえば、CADモデル)を使用して機械によって製造され得る。次に、部品1200(
図12参照)は、695でユニット(たとえば、飛行機などのビークル)1210(
図12参照)上に(または内に)取り付けられ得る。本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユニット(たとえば飛行機)1210上に取り付けられている部品1200を示す図である、
図12を参照する。ユニットは、ビークル(
図12に示されるように)、構造、または機器であってもよいことに留意すべきである。ユニットが取り付けられた後、方法600は697で終了する。
【0039】
III.例示的なシステムコンポーネント
図13は、様々な例が実施される、または例を実行するために利用され得る、計算装置またはシステムのコンポーネントのブロック
図1300である。
図13は、一般に、例を実行するために利用でき、メモリ1310(たとえば、空間を格納するため)、プログラム(たとえば、機械学習アルゴリズム、ニューラルネットワーク、オートエンコーダ、回帰および分類モデル、および/または非統計アルゴリズム)1312、プログラム1312を実行するためのプロセッサまたはコントローラ(たとえば、コンピュータプロセッサ)1320、データ(たとえば、空間および/またはプログラム)を格納するためのデータベース1350、たとえば(たとえばコンピュータ720と接続するための)このようなコンポーネント間のネットワークまたは相互接続1340と通信するための、通信(たとえば、ネットワーク)インターフェース1330を含み得る、計算機器1300のコンポーネントを示す。メモリ1310は、キャッシュ、RAM、ROM、SRAM、DRAM、RDRAM、EEPROM、およびデータを格納することが可能なその他のタイプの揮発性または不揮発性メモリのうちの1つ以上であるか、またはこれらを含んでもよい。プロセッサユニット1320は、複数のプロセッサ、シングルスレッドプロセッサ、マルチスレッドプロセッサ、マルチコアプロセッサ、またはデータ処理が可能な他のタイプのプロセッサであるか、またはこれらを含んでもよい。特定のシステムコンポーネント(たとえば、コンポーネントがコンピュータであるかまたはハンドヘルド移動通信機器であるか)に応じて、相互接続1340は、システムバス、LDT、PCI、ISA、またはその他のタイプのバスを含んでもよく、通信またはネットワークインターフェースは、たとえば、イーサネット(登録商標)インターフェース、フレームリレーインターフェース、またはその他のインターフェースであってもよい。通信インターフェース1330は、無線または様々な他のネットワークであり得るネットワークを通じてシステムコンポーネントが他のシステムコンポーネントと通信することを可能にするように、構成され得る。なお、計算機器1300の1つ以上のコンポーネントは、遠くに配置されてネットワークを介してアクセスされてもよいことに留意すべきである。したがって、
図13において提供
されるシステム構成は、例がどのようにして構成および実施され得るかを一般的に示すために提供されている。
【0040】
さらに、本開示は、以下の条項による例を備える。
【0041】
条項1.部品を設計する方法であって、方法は、ユーザによってユーザインターフェースに、所望部品設計、所望部品設計の目標、目標の重み付け、および類似性境界を入力するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、符号化所望部品設計を生成するために、所望部品設計を符号化するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、符号化所望部品設計を空間内の符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータと比較することで、類似性境界に基づいて、所望部品設計と類似の空間内の部品設計のグループを識別するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、目標および重み付けに従って部品設計のグループを分析することで、符号化最適部品設計を生成するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、最適部品設計を生成するために符号化最適部品設計を復号化するステップと、ディスプレイ上に、最適部品設計を表示するステップと、を含む方法。
【0042】
条項2.ユーザによって、最終部品設計を生成するために最適部品設計に従って所望部品設計を修正するステップを、さらに含む、条項1に記載の方法。
【0043】
条項3.機械によって、最終部品設計を使用することで部品を製造するステップを、さらに含む、条項2に記載の方法。
【0044】
条項4.部品をユニットに取り付けるステップを、さらに含む、条項3に記載の方法。
【0045】
条項5.ユニットは、ビークル、構造、または機器のうちの1つである、条項4に記載の方法。
【0046】
条項6.部品設計を有する部品のための実現部品設計を入力するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、符号化実現部品設計を生成するために実現部品設計を符号化するステップと、空間内に、符号化実現部品設計を入力するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、空間内の符号化実現部品設計を使用することで、空間のための符号化想像部品設計を生成するステップと、空間内に、符号化実現部品設計の少なくともいくつかについて実メタデータを入力するステップと、少なくとも1つのプロセッサによって、空間内の実メタデータを使用することで、実メタデータを有していない符号化想像部品設計または符号化実現部品設計のうちの少なくとも1つについて想像メタデータを生成するステップと、をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0047】
条項7.少なくとも1つのプロセッサは、符号化想像部品設計を生成するために機械学習アルゴリズムを使用する、条項6に記載の方法。
【0048】
条項8.機械学習アルゴリズムはオートエンコーダである、条項7に記載の方法。
【0049】
条項9.少なくとも1つのプロセッサは、想像メタデータを生成するために、回帰および分類モデルまたは非統計的方法を使用する、条項6に記載の方法。
【0050】
条項10.所望部品設計の目標は、コスト、構造的完全性、製造性、または重量のうちの少なくとも1つである、条項1に記載の方法。
【0051】
条項11.所望部品設計は、コンピュータ支援設計(CAD)モデル設計である、条項1に記載の方法。
【0052】
条項12.最適部品設計はCADモデル設計である、請求項1に記載の方法。
【0053】
条項13.部品を設計するシステムであって、システムは、ユーザから、所望部品設計、所望部品設計の目標、目標の重み付け、および類似性境界を受信するためのユーザインターフェースと、符号化所望部品設計、符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータを含む空間を格納するためのメモリと、符号化所望部品設計を生成するために所望部品設計を符号化し、類似性境界に基づいて、符号化所望部品設計を空間内の符号化実現部品設計、符号化想像部品設計、実メタデータ、および想像メタデータと比較することで所望部品設計と類似の空間内の部品設計のグループを識別し、目標および重み付けに従って部品設計のグループを分析することで符号化最適部品設計を生成し、最適部品設計を生成するために符号化最適部品設計を復号化する、少なくとも1つのプロセッサと、ユーザに対して最適部品設計を表示するディスプレイと、を含むシステム。
【0054】
条項14.ユーザインターフェースはさらに、ユーザが最終部品設計を生成するために最適部品設計に従って所望部品設計を修正することを可能にするように構成されている、条項13に記載のシステム。
【0055】
条項15.システムは、最終部品設計を使用することで部品を製造するための機械をさらに含む、条項14に記載のシステム。
【0056】
条項16.部品はユニット上に取り付けられるように構成されている、条項15に記載のシステム。
【0057】
条項17.ユニットは、ビークル、構造、または機器のうちの1つである、条項16に記載のシステム。
【0058】
条項18.少なくとも1つのプロセッサは、空間のための符号化実現部品設計を生成するために実現部品設計を符号化し、空間内の符号化実現部品設計を使用することで空間のための符号化想像部品設計を生成し、空間内の符号化実現部品設計の少なくともいくつかのための実メタデータを使用することで、実メタデータを有していない符号化想像部品設計または符号化実現部品設計のうちの少なくとも1つのための想像メタデータを生成するように、さらに構成されている、条項13に記載のシステム。
【0059】
条項19.少なくとも1つのプロセッサは、符号化想像部品設計を生成するために機械学習アルゴリズムを使用する、条項18に記載のシステム。
【0060】
条項20.機械学習アルゴリズムはオートエンコーダである、条項19に記載のシステム。
【0061】
方法例もまた、コンピュータ可読媒体またはキャリア、たとえばコンピュータに接続された固定および/またはリムーバブルデータ記憶データ機器および/またはデータ通信機器のうちの1つ以上において具現化され、またはそこから読み取り可能であってもよい。キャリアは、たとえば、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、および光磁気記憶媒体であってもよい。キャリアの例は、フロッピー(登録商標)ディスケット、メモリスティックまたはフラッシュドライブ、CD-R、CD-RW、CD-ROM、DVD-R、DVD-RW、またはデータを格納できる既知のまたは後に開発される他のキャリアを含むが、これらに限定されるものではない。プロセッサ1320は、方法例を実施するために、メモリ1310内の、および/またはキャリア上で具現化される、プログラム命令1312を実行する。さらに、例は、携帯電話またはスマートフォンなどの移動通信機器上に常駐および/または実行することができる。
【0062】
特定の例が図示および説明されてきたが、上記の議論がこれらの例の範囲を限定するよう意図しないことは、理解されるべきである。本発明の多くの態様の例および変形例が本明細書に開示および記載されてきたが、このような開示は説明および例示のみを目的として提供されている。したがって、請求項の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされてもよい。
【0063】
上述の方法が特定の順序で発生する特定のイベントを示す場合、本開示の恩恵を受ける当業者は、順序付けが修正されてもよく、このような修正が本開示の変形例に従うことを、認識するであろう。加えて、方法の一部は、可能なときには並列処理で同時に実行されてもよく、順次に実行されてもよい。さらに、より多い方法のステップまたは少ない方法のステップが実行されてもよい。
【0064】
したがって、例は、請求項の範囲に含まれ得る代替、修正、および同等物を例示するように意図している。
【0065】
特定の説明例および方法が本明細書に開示されてきたが、この開示の真の精神および範囲から逸脱することなく、このような例および方法の変形例および修正例がなされ得ることは、上記の開示から当業者にとって明らかであり得る。他にも多くの例が存在するが、各々が詳細事項においてのみ互いに異なる。したがって、この開示は、添付請求項および適用法令の規則および原則によって必要とされる程度にのみ限定されることを意図している。
【符号の説明】
【0066】
700 ユーザインターフェース
710 ディスプレイ
720 コンピュータ
730 所望部品設計
740 目標オプション
750 重み付けオプション
760 キーボード
770 マウス
780 類似性境界オプション
800 最適部品設計
1200 部品
1210 ユニット
1300 計算機器
1310 メモリ
1312 プログラム、プログラム命令
1320 プロセッサユニット、プロセッサ
1330 通信インターフェース
1340 相互接続
1350 データベース