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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】磁気ヘッド及び磁気記録装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/31 20060101AFI20230726BHJP
   G11B 5/02 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G11B5/31 A
G11B5/31 D
G11B5/31 Q
G11B5/02 R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019163029
(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021044028
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】高岸 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】成田 直幸
(72)【発明者】
【氏名】前田 知幸
(72)【発明者】
【氏名】首藤 浩文
(72)【発明者】
【氏名】永澤 鶴美
(72)【発明者】
【氏名】菅原 克也
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-099234(JP,A)
【文献】特開2011-198399(JP,A)
【文献】特開2013-222485(JP,A)
【文献】特開2013-235621(JP,A)
【文献】特開2014-211934(JP,A)
【文献】特開2014-149887(JP,A)
【文献】特開2013-065385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0177100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/31
G11B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドにより情報が記録される磁気記録媒体と、
を備え、
前記磁気ヘッドは、
磁極と、
第1シールドと、
前記磁極と前記第1シールドとの間に設けられた第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第1シールドとの間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、
含み
前記第1磁性層から前記第2磁性層への第1方向に沿う前記磁極と前記第1磁性層との間の第1距離は、前記第1方向に沿う前記磁極と前記第1シールドとの間の第2距離の1%以上10%以下であ
前記磁気記録媒体における最短ビット長は、前記第1方向に沿う前記第1磁性層と前記第1シールドとの間の第3距離の0.5倍以上0.78倍以下である、磁気記録装置
【請求項2】
前記第1距離は、1nm以上4nm以下である、請求項1記載の磁気記録装置
【請求項3】
前記磁極と前記第1磁性層との間に設けられ、Ru、Ta、Cr及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1非磁性層をさらに備え、
前記第1方向に沿う前記第1非磁性層の厚さは、3nm以下である、請求項1記載の磁気記録装置
【請求項4】
前記第1方向に沿う前記第1磁性層の第1厚さは、前記第2距離の20%以上40%以下である、請求項1~3のいずれか1つに記載の磁気記録装置
【請求項5】
前記第1方向に沿う前記第2磁性層の厚さは、前記第1方向に沿う前記第1磁性層の第1厚さよりも薄い、請求項1~3のいずれか1つに記載の磁気記録装置
【請求項6】
前記磁極は、媒体対向面を含み、
前記媒体対向面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1磁性層の第1幅は、前記第2方向に沿う前記磁極の第2幅よりも広い、請求項1~5のいずれか1つに記載の磁気記録装置
【請求項7】
前記磁極は、媒体対向面を含み、
前記第1磁性層の第3方向に沿う第3長さは、第2方向に沿う前記第1磁性層の第1幅の0.9倍以上であり、
前記第2方向は、前記媒体対向面に沿い前記第1方向と交差し、
前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、請求項1~5のいずれか1つに記載の磁気記録装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ヘッド及び磁気記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ヘッドを用いて、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶媒体に情報が記録される。磁気ヘッド及び磁気記録装置において、記録密度の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-40060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、記録密度の向上が可能な磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、磁気ヘッドは、磁極と、第1シールドと、前記磁極と前記第1シールドとの間に設けられた第1磁性層と、前記第1磁性層と前記第1シールドとの間に設けられた第2磁性層と、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、を含む。前記第1磁性層から前記第2磁性層への第1方向に沿う前記磁極と前記第1磁性層との間の第1距離は、前記第1方向に沿う前記磁極と前記第1シールドとの間の第2距離の1%以上10%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る磁気記録装置を例示する模式的斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的断面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的断面図である。
図5図5は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図7図7(a)~図7(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図8図8(a)~図8(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図9図9(a)~図9(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図10図10(a)~図10(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図11図11は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図12図12(a)及び図12(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図13図13は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図14図14は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図15図15は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図16図16は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図17図17は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図18図18は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的平面図である。
図19図19は、実施形態に係る磁気記録装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図20図20は、実施形態に係る磁気記録装置を例示する模式的斜視図である。
図21図21(a)及び図21(b)は、実施形態に係る磁気記録装置の一部を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的平面図である。
図2は、第1実施形態に係る磁気記録装置を例示する模式的斜視図である。
図3及び図4は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的断面図である。
【0009】
図2に示すように、実施形態に係る磁気ヘッド110は、磁気記録媒体80と共に用いられる。実施形態に係る磁気記録装置210は、磁気ヘッド110及び磁気記録媒体80を含む。この例では、磁気ヘッド110は、記録部60及び再生部70を含む。磁気ヘッド110の記録部60により、磁気記録媒体80に情報が記録される。再生部70により、磁気記録媒体80に記録された情報が再生される。
【0010】
磁気記録媒体80は、例えば、媒体基板82と、媒体基板82の上に設けられた磁気記録層81と、を含む。磁気記録層81の磁化83が記録部60により制御される。
【0011】
再生部70は、例えば、第1再生磁気シールド72a、第2再生磁気シールド72b、及び磁気再生素子71を含む。磁気再生素子71は、第1再生磁気シールド72aと第2再生磁気シールド72bとの間に設けられる。磁気再生素子71は、磁気記録層81の磁化83に応じた信号を出力可能である。
【0012】
図2に示すように、磁気ヘッド110の記録部60は、磁極30、第1シールド31、第1磁性層21及び第2磁性層22を含む。第1磁性層21は、磁極30と第1シールド31との間に設けられる。第2磁性層22は、第1磁性層21と第1シールド31との間に設けられる。第1磁性層21及び第2磁性層22は、積層体20に含まれる。
【0013】
図2に示すように、磁気記録媒体80は、媒体移動方向85の方向に、磁気ヘッド110に対して相対的に移動する。磁気ヘッド110により、任意の位置において、磁気記録層81の磁化83に対応する情報が制御される。磁気ヘッド110により、任意の位置において、磁気記録層81の磁化83に対応する情報が再生される。
【0014】
図3に示すように、磁気ヘッド110において、コイル30cが設けられる。記録回路30Dから、コイル30cに記録電流Iwが供給される。磁極30から、記録電流Iwに応じた記録磁界が磁気記録媒体80に印加される。磁極30は、例えば、主磁極である。第1サイドシールドは、例えば、補助磁極である。磁極30及び第1サイドシールドにより磁気回路が形成される。
【0015】
図3に示すように、磁極30は、媒体対向面30Fを含む。媒体対向面0Fは、例えば、ABS(Air Bearing Surface)である。媒体対向面30Fは、例えば、磁気記録媒体80に対向する。
【0016】
媒体対向面30Fに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0017】
Z軸方向は、例えば、ハイト方向である。X軸方向は、例えば、ダウントラック方向である。Y軸方向は、例えば、クロストラック方向である。
【0018】
図3に示すように、電気回路20Dが、積層体20に電気的に接続される。この例では、積層体20は、磁極30及び第1シールド31と電気的に接続される。磁気ヘッド110に、第1端子T1及び第2端子T2が設けられる。第1端子T1は、配線W1及び磁極30を介して積層体20と電気的に接続される。第2端子T2は、配線W2及び第1シールド31を介して積層体20と電気的に接続される。電気回路20Dから、例えば、電流(例えば、直流電流でも良い)が積層体20に供給される。電流が積層体20に流れたときに、積層体20から交流磁界が発生する。交流磁界が、磁気記録媒体80の一部に印加される。例えば、交流磁界が印加された磁気記録媒体80の一部において、磁気共鳴が生じ、磁化83の向きが変化し易くなる。磁気ヘッド110において、例えば、MAMR(Microwave Assisted Magnetic Recording)が行われる。第1磁性層21は、例えば、発振層である。第2磁性層22は、例えば、スピン注入層である。
【0019】
図3に示すように、記録部60において、第2シールド32が設けられても良い。第2シールド32と第1シールド31との間に磁極30が設けられる。第1シールド31、第シールド3及び磁極30の周りに、絶縁部30iが設けられる。
【0020】
図4に示すように、磁気ヘッド110の記録部60は、磁極30、第1シールド31、第1磁性層21及び第2磁性層22に加えて、中間層23をさらに含む。中間層23は、第1磁性層21と第2磁性層22との間に設けられる。中間層23は、非磁性である。積層体20は、中間層23を含む。中間層23は、導電性である。中間層23は、例えば、Cuなどを含む。
【0021】
図4に示すように、この例では、磁気ヘッド110(例えば、記録部60)は、第1非磁性層24をさらに含んでも良い。第1非磁性層24は、磁極30と第1磁性層21との間に設けられる。1つの例において、第1非磁性層24は、Ru、Ta、Cr及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0022】
図4に示すように、この例では、磁気ヘッド110(例えば、記録部60)は、第2非磁性層25をさらに含む。第2非磁性層25は、第2磁性層22と第1シールド31との間に設けられる。
【0023】
第1非磁性層24及び第2非磁性層25は、例えば、電極として機能する。第1非磁性層24により、磁極30と第1磁性層21が電気的に接続される。第2非磁性層25により、第2磁性層22と第1シールド31が電気的に接続される。
【0024】
図3及び図4に示すように、磁極30の第1シールド31に対向する面、及び、第1シールド31の磁極30に対向する面は、媒体対向面30Fに対して傾斜しても良い。第1磁性層21及び第2磁性層22は、例えば、磁極30の第1シールド31に対向する面、及び、第1シールド31の磁極30に対向する面に沿う。
【0025】
第1磁性層21から第2磁性層22への方向を第1方向D1とする。第1方向D1は、積層体20の積層方向に対応する。この例では、第1方向D1は、Z軸方向に対して傾斜している。
【0026】
図4に示すように、第1磁性層21は、第1厚さt21を有する。第2磁性層22は、厚さt22を有する。中間層23は、厚さt23を有する。第1非磁性層24は、厚さt24を有する。第2非磁性層25は、厚さt25を有する。これらの厚さは、第1方向D1に沿う長さである。
【0027】
第1方向D1に沿う第2磁性層22の厚さt22は、第1方向D1に沿う第1磁性層21の第1厚さt21よりも薄い。第2磁性層22(例えばスピン注入層)が第1磁性層21(例えば発振層)よりも薄いことで、例えば、第2磁性層22の磁化の反転が安定する。第2磁性層22の磁化が反転することで、第1磁性層21にスピンが安定して注入される。
【0028】
図4に示すように、磁極30と第1磁性層21との間の第1方向D1に沿う距離を第1距離d1とする。磁極30と第1磁性層21との間に第1非磁性層24が設けられ、第1非磁性層24が磁極30及び第1磁性層21と接する場合、第1距離d1は、第1非磁性層24の厚さt24に対応する。図4に示すように、磁極30と第1シールド31との間の第1方向D1に沿う距離を第2距離d2とする。第2距離d2は、磁気ギャップに対応する。
【0029】
実施形態においては、第1磁性層21から第2磁性層22への第1方向D1に沿う磁極30と第1磁性層21との間の第1距離d1は、第1方向D1に沿う磁極30と第1シールド31との間の第2距離d2の1%以上10%以下である。
【0030】
このように、実施形態においては、磁気ギャップ(第2距離d2)に比べて、磁極30と第1磁性層21(発振層)との間の距離(第1距離d1)を非常に小さくする。これにより、安定した発振が得られることが分かった。例えば、安定したMAMRが得られる。実施形態によれば、記録密度の向上が可能な磁気ヘッド及び磁気記録装置が提供できる。
【0031】
磁気ヘッド110の特性の例については、後述する。
【0032】
図4に示すように、第3方向D3に沿う第1磁性層21の長さを第3長さL3とする。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面と交差する。第3方向D3は、例えば、第1方向D1及び第2方向D2に対して垂直である。
【0033】
図1は、図3の矢印AR1からみた平面図である。図1においては、第1非磁性層24、第2非磁性層25及び絶縁部30iは省略されている。図4に関して説明したように、磁極30と第1磁性層21との間の第1方向D1に沿う距離は、第1距離d1である。磁極30と第1シールド31との間の第1方向D1に沿う距離は、第2距離d2である。この例では、これらの距離は、X軸方向に対して傾斜している。
【0034】
図1に示すように、第2方向D2に沿う第1磁性層21の幅を第1幅w1とする。第2方向D2に沿う磁極30の幅を第2幅w2とする。第2方向D2は、媒体対向面30Fに沿い、第1方向D1と交差する。第2方向D2は、例えば、第1方向D1と直交する。
【0035】
図3及び図4においては、積層体20の積層方向(第1方向D1)は、媒体対向面30Fに対して傾斜している。第1方向D1と媒体対向面30Fとの間の角度を角度θ1とする。角度θ1は、例えば、15度以上30度以下である。角度θ1は、0度でも良い。
【0036】
実施形態において、第1方向D1は、媒体対向面30Fに対して平行でも良い。この場合は、第1方向D1はX軸方向に沿い、第2方向D2はY軸方向に沿い、第3方向D3は、Z軸方向に沿う。この場合、角度θ1は、0度である。
【0037】
以下、磁気ヘッドの特性の例について説明する。以下では、角度θ1を0度とする。以下に説明する磁気ヘッドの特性のシミュレーションにおいて、磁極30の飽和磁化は、2.4Tであり、第1シールド31の飽和磁化は、2.4Tである。
【0038】
図5は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図5は、第1条件C1及び第2条件C2における積層体20の発振特性のシミュレーション結果を例示している。第1条件C1においては、第1磁性層21、中間層23及び第2磁性層2を含む積層体20が、磁極30と第1シールド31との間に置かれず、積層体20だけが設けられる。第2条件C2においては、同じ積層体20が、磁極30と第1シールド31との間に置かれる。この第2条件C2において、磁極30と第1磁性層21との間の距離(第1距離d1)は、8nmである。図5の横軸は、積層体20に流れる電流密度iD(×10A/cm)である。図5の縦軸は、発振強度OS(相対値)である。
【0039】
図5に示すように、第1条件C1及び第2条件C2において、電流密度iDが高くなると、発振する。第1条件C1では、第2条件C2よりも低い電流密度iDで発振し始めることが分かる。第2条件C2においては、第1条件C1よりも発振が生じ難い。
【0040】
第2条件C2において発振が生じ難いのは、第1磁性層21(発振層)が磁極30の影響を受けるためであると考えられていた。このため、第1磁性層21で安定した発振を得やすくするためには、磁極30と第1磁性層21との間の距離(第1距離d1)を長くして、第1磁性層21が磁極30の影響を受けにくくするのが一般的な発想である。例えば、一般的に、第1距離d1は、8nm程度以上にされる。
【0041】
図6(a)及び図6(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、第2条件C2における積層体20の発振特性のシミュレーション結果を例示している。図6(a)は、第1距離d1が8nmのときに対応する。図6(b)は、第1距離d1が2nmのときに対応する。これらの図の横軸は、電流密度iD(×10A/cm)である。これらの図の縦軸は、発振振幅OA(任意単位)である。これらの図には、第1磁性層21の磁気厚さMstが20nmT、25nmT及び30nmTの時の特性が示されている。磁気厚さMstは、第1磁性層21の飽和磁化Msと、第1磁性層21の厚さ(第1厚さt21)と、の積である。
【0042】
図6(a)に示すように、第1距離d1が8nmのときには、磁気厚さMstが大きいと、発振し始める電流密度iDが大きくなる。この現象は、一般的に予想できる現象である。
【0043】
図6(b)に示すように、第1距離d1が2nmのときには、磁気厚さMstが大きいと、発振し始める電流密度iDが低くなることが分かった。
【0044】
このように、第1距離d1が2nmのように短いときには、第1距離d1が8nmのように長いときとは異なる特性が生じることが分かった。
【0045】
以下、第1距離d1が8nmのとき、及び、第1距離d1が2nmのときにおける発振特性について説明する。
【0046】
図7(a)~図7(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、第1距離d1が8nmで、第1磁性層21の磁気厚さMstが30nmTのときに対応する。図7(a)~図7(c)の横軸は、時間tm(ns)である。縦軸は、磁化Mxに対応する。図7(a)~図7(c)は、それぞれ、第1磁性層21、第2磁性層22及び磁極30に対応する。
【0047】
図7(a)に示すように、第1磁性層21の磁化Mx(21)が振動している。図7(b)に示すように、第2磁性層22の磁化Mx(22)も振動している。さらに、図7(c)に示すように、磁極30の磁化Mx(30)も振動している。第2磁性層22の磁化Mx(22)及び磁極30の磁化Mx(30)の振動は不安定である。
【0048】
図8(a)~図8(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、図7(a)~図7(c)の振動特性をフーリエ変換した結果を例示している。図8(a)~図8(c)の横軸は、周波数f1(GHz)である。縦軸は、磁化Mxの絶対値AMxである。図8(a)~図8(c)は、それぞれ、第1磁性層21、第2磁性層22及び磁極30に対応する。
【0049】
図8(a)に示すように、周波数f1が約41GHzのときに、第1磁性層21の磁化Mxの絶対値AMx(21)のピークが生じる。この他の周波数f1においても、磁化Mxの絶対値AMx(21)の小さいピークが現れる。
【0050】
図8(b)及び図8(c)に示すように、周波数f1が約41GHzのときに、第2磁性層22の磁化Mxの絶対値AMx(22)のピーク、及び、磁極30の磁化Mxの絶対値AMx(30)のピークが生じる。この他の周波数f1においても、磁化Mxの絶対値AMx(22)の小さいピーク、及び、磁化Mxの絶対値AMx(30)の小さいピーク、が現れる。
【0051】
図9(a)~図9(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、第1距離d1が2nmで、第1磁性層21の磁気厚さMstが30nmTのときに対応する。図9(a)~図9(c)の横軸は、時間tm(ns)である。縦軸は、磁化Mxに対応する。図9(a)~図9(c)は、それぞれ、第1磁性層21、第2磁性層22及び磁極30に対応する。
【0052】
図9(a)に示すように、第1磁性層21の磁化Mx(21)が振動している。図9(b)に示すように、第2磁性層22の磁化Mx(22)も振動している。さらに、図9(c)に示すように、磁極30の磁化Mx(30)も振動している。第2磁性層22の磁化Mx(22)及び磁極30の磁化Mx(30)の振動は非常に安定である。磁化Mx(21)は、磁化Mx(22)及び磁化Mx(30)と同期していると考えられる。
【0053】
図10(a)~図10(c)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、図9(a)~図9(c)の振動特性をフーリエ変換した結果を例示している。図10(a)~図10(c)の横軸は、周波数f1(GHz)である。縦軸は、磁化Mxの絶対値AMxである。図10(a)~図10(c)は、それぞれ、第1磁性層21、第2磁性層22及び磁極30に対応する。
【0054】
図10(a)~図10(c)に示すように、周波数f1が約30GHzのときに、第1磁性層21の磁化Mxの絶対値AMx(21)、第2磁性層22の磁化Mxの絶対値AMx(2)、及び、磁極30の磁化Mxの絶対値AMx(30)にシャープなピークが生じる。この例では、磁極30の磁化Mxの絶対値AMx(30)において、周波数f1が約60GHz(ピーク周波数の倍)のときにも、ピークが観察される。
【0055】
このように、第1距離d1が2nmのときには、第1磁性層21、第2磁性層22及び磁極30が同じ周波数f1で振動する。第1距離d1が2nmのときには、第1磁性層21及び磁極30は、互いに共振していると考えられる。
【0056】
上記のように、第1距離d1が2nmのときのピークの周波数f1(約30GHz)は、第1距離d1が8nmのときのピークの周波数f1(約41GHz)よりも低い。これは、第1距離d1が2nmのときは、第1磁性層21が磁極30と共振し、発振する体積が大きいことが原因であると考えられる。
【0057】
このように、第1距離d1が2nmのときには、第1距離d1が8nmのときとは全く異なる発振特性が得られることが分かった。
【0058】
一般に、磁極30が第1磁性層21の発振に悪影響を与えると考えられていた。一般に、第1磁性層21を磁極30から遠く離すことで、磁極30からの第1磁性層21への影響を小さくする発想が採用される。
【0059】
これに対して、実施形態においては、第1磁性層21と磁極30との間の第1距離d1を短くして、磁極30からの第1磁性層21への影響を大きくする。これにより、例えば、第1磁性層21及び磁極30が互いに共振し、安定した発振が得られる。この発想は、一般的な発想とは逆である。
【0060】
実施形態においては、例えば、第1距離d1(第1方向D1に沿う磁極30と第1磁性層21との間の距離)は、第2距離d2(第1方向Dに沿う磁極30と第1シールド31との間の距離)の1%以上10%以下である。これにより、安定した発振が得られる。例えば、フーリエ変換した発振特性において、シープなピークが得られる。
【0061】
実施形態において、第1距離d1は、例えば、1nm以上4nm以下である。
【0062】
第1距離d1がこのように短い場合、例えば、第1磁性層21は、磁極30と静磁界結合し易い。第1磁性層21が磁極30と共振し易くなる。安定した発振が得られる。
【0063】
既に説明したように、磁極30と第1磁性層21との間に第1非磁性層24が設けられても良い。1つの例において、第1非磁性層24は、Ru、Ta、Cr及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。1つの例において、第1方向D1に沿う第1非磁性層24の厚さt24は、3nm以下である。1つの例において、第1方向D1に沿う第1非磁性層24の厚さt24は、1nm以下でも良い。この場合、第1磁性層21及び磁極30は、互いに反強磁性結合する。第1磁性層21が磁極30と共振し易くなる。より安定した発振が得られる。
【0064】
図11は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図11は、第1距離d1を変えたときの発振特性のシミュレーション結果を例示している。シミュレーションのモデルにおいて、第1磁性層21の磁気厚さMstは、28.8nmTである。第1磁性層21の物性値として、Fe60Co40の物性値が用いられる。第1距離d1は、第1非磁性層24の厚さt24である。第2距離d2は、36nmである。図11の横軸は、第1距離d1(nm)である。図11の縦軸は、発振強度OS(nmT)である。
【0065】
図11に示すように、第1距離d1が4nm以下の領域において、第1距離d1が短くなると、発振強度OSが高くなる。このように、第1距離d1が4nm以下において、強い発振が生じる。実施形態において、第1距離d1は、3.5nm以下でも良い。実施形態において、第1距離d1は、3nm以下でも良い。より安定した発振が得られる。
【0066】
図11に示すように、第1距離d1が8nm以上において、比較的高い発振強度OSが得られる。この現象は、第1距離d1が8nm以上になると、磁極30の第1磁性層21の発振への悪影響が小さくなるためであると考えられる。
【0067】
実施形態において、第1磁性層21の第1厚さt21(第1方向D1に沿う第1磁性層21の厚さ)は、第2距離d2の20%以上40%以下であることが好ましい。より安定した発振が得られる。
【0068】
図12(a)及び図12(b)は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図12(a)は、第1磁性層21の磁気厚さMstを変えたときの発振特性のシミュレーション結果を例示している。図12(a)の横軸は、第1磁性層21の磁気厚さMst(nmT)である。図12(a)の縦軸は、発振強度OS(nmT)である。第1距離d1は、3nmである。図12(a)のシミュレーションにおいて、第1磁性層21の物性値として、Fe60Co40の物性値が用いられる。
【0069】
図12(a)に示すように、第1磁性層21の磁気厚さMstが25nmT以上35nmT以下において、発振強度OSはピークを有する。実施形態において、第1磁性層21の磁気厚さMstが25nmT以上30nmT以下であることが好ましい。第1磁性層21の磁気厚さMstが25nmT以上30nmT以下において、第1磁性層21及び磁極30が互いに共振し易くなると考えられる。
【0070】
図12(a)に示すように、第1磁性層21の磁気厚さMstが約18nmTにおいて、発振強度OSは、低い別のピークを有する。第1磁性層21の磁気厚さMstが約18nmT以下において、第1磁性層21の発振への磁極30の影響を小さくする一般的な特性が生じると考え得られる。
【0071】
図12(b)は、第1磁性層21の第1厚さt21を変えたときの発振特性のシミュレーション結果を例示している。図12(b)の横軸は、第1磁性層21の第1厚さt21(nm)である。図12(b)の縦軸は、発振強度OS(nmT)である。第1距離d1は、3nmである。第2距離d2は36nmである。図12(b)のシミュレーションにおいて、第1磁性層21の物性値として、Fe60Co40の物性値が用いられる。
【0072】
図12(b)に示すように、第1磁性層21の第1厚さt21が9nm以上15nm以下において、発振強度OSはピークを有する。実施形態において、第1磁性層21の第1厚さt21が9nm以上15nm以下であることが好ましい。第1磁性層21の第1厚さt21が9nm以上15nm以下において、第1磁性層21及び磁極30が互いに共振し易くなると考えられる。
【0073】
図12(b)に示すように、第1磁性層21の第1厚さt21が約7nmにおいて、発振強度OSは、低い別のピークを有する。第1磁性層21の第1厚さt21が約7nmにおいて、第1磁性層21の発振への磁極30の影響を小さくする一般的な特性が生じると考え得られる。
【0074】
既に説明したように、第2方向D2に沿う第1磁性層21の長さを第1幅w1とし、第2方向D2に沿う磁極30の長さを第2幅w2とする(図1参照)。以下、第1幅w1の第2幅w2に対する比R1を変えたときの発振特性の例について説明する。比R1は、w1/w2である。
【0075】
図13は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
図13の横軸は、比R1を変えたときの発振特性のシミュレーション結果を例示している。シミュレーションのモデルにおいて、第1磁性層21の磁気厚さMstは、25nmTである。第1磁性層21の物性値として、Fe60Co40の物性値が用いられる。第1距離d1は、3nmである。図13の横軸は、比R1である。図13の縦軸は、発振強度OS(nmT)である。図13に示すように、比は、1よりも高くなると、大きな発振強度が得られる。
【0076】
実施形態において、第2方向D2に沿う第1磁性層21の第1幅w1は、第2方向D2に沿う磁極30の第2幅w2よりも広いことが好ましい。例えば、第1幅w1は、第2幅w2の2倍以下でも良い。第1幅w1は、第2幅w2の1倍以上2倍以下でも良い。第1幅w1は、第2幅w2の1倍以上1.4倍以下でも良い。大きな発振強度が安定して得られる。
【0077】
既に説明したように、第3方向D3に沿う第1磁性層21の長さを第3長さL3とする(図4参照)。以下、第3長さL3の第1幅w1に対する比R2を変えたときの発振特性の例について説明する。比R2は、L3/w1である。
【0078】
実施形態において、第3方向D3に沿う第1磁性層21の第3長さL3は、第2方向D2に沿う第1磁性層21の第1幅w1の0.9倍以上であることが好ましい。大きな発振強度が安定して得られる。既に説明したように、第2方向D2は、媒体対向面30Fに沿い、第1方向D1と交差する。第2方向D2は、媒体対向面30Fに対して平行で、第1方向D1に対して垂直である。第3方向D3は、例えば、第1方向D1及び第2方向D2を含む平面に対して垂直である。
【0079】
実施形態において、第1磁性層21の飽和磁化は、1.8T以上であることが好ましい。これにより、例えば、磁極30から媒体を通過して第1シールド31に流れる磁束の一部が第1磁性層21を経由するようになり、磁気記録媒体80上での記録磁界の傾度(急峻性)が上昇する。これにより、線記録密度が向上する。
【0080】
実施形態において、第1磁性層21の飽和磁化は、磁極30の飽和磁化の0.8倍以上1.1倍以下であることが好ましい。これにより、例えば、第1磁性層21における発振周波数と、磁極30の第1磁性層21の側の部分におけるの発振周波数と、互いに近くなる。これにより、第1磁性層21がより発振し易くなる。
【0081】
実施形態において、第1磁性層21は、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。第1磁性層21は、Ni、Al、Tb、Ge、Ga、Bo、Ta、Ru、Ro、Pt及びAgよりなる群から選択された少なくとも1つをさらに含んでも良い。これにより、例えば、第2磁性層22(例えばピン注入層)からのスピン流入を大きくできる。例えば、第1磁性層21(例えば発振層)の磁歪及び残留磁化が低減する。例えば、第1磁性層21をより安定に発振させることができる。
【0082】
実施形態において、第2磁性層22は、Fe、Co、Ni、Al、Bo、Te、Ge及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0083】
実施形態において、中間層23は、例えば、Cu、Au及びAgよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これにより、例えば、第2磁性層2からのスピン流入を大きくなり、第1磁性層21を安定に発振させることが容易になる。中間層23の厚さt23は、例えば、1nm以上4nm以下であることが好ましい。これにより、例えば、磁気記録媒体80における記録磁界の傾度(急峻性)と磁界強度とのバランスが調整し易くなる。これにより、線記録密度を向上できる。
【0084】
実施形態において、第2非磁性層25は、例えば、Ru、Ta、Cr及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これにより、例えば、第1シールド31からのスピン流入を抑制でき、第2磁性層22の磁化を安定して反転させることができる。第2非磁性層25の厚さt25は、例えば、8nm以上20nm以下であることが好ましい。これにより、例えば、磁気記録媒体80における記録磁界の傾度(急峻性)と磁界強度とのバランスが調整し易くなる。これにより、線記録密度を向上させることができる。
【0085】
実施形態において、第2距離d2(磁気ギャップ)は、例えば、28nm以上40nm以下であることが好ましい。これにより、例えば、磁気記録媒体80における記録磁界の傾度(急峻性)と磁界強度とのバランスが調整し易くなる。これにより、線記録密度を向上させることができる。
【0086】
図14図17は、磁気ヘッドの特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、実施形態に係る磁気ヘッド110を用いて磁気記録媒体80に情報を記録したときの特性を例示している。これらの図は、第1方向D1に沿う第1磁性層21と第1シールド31との間の第3距離d3(図1参照)を変えたときの、良好な記録が可能な最短ビット長BLsについてのシミュレーション結果を示す。シミュレーションのモデルにおいて、第1距離d1は、3nmであり、第1厚さt21は12nmであり、第1磁性層21の磁気厚さMstは、28.8nmTであり、第1磁性層21の物性値として、Fe60Co40の物性値が用いられる。図14図17において、ドットで示された領域は、良好な特性が得られる条件に対応する。
【0087】
図14の横軸は、最短ビット長BLs(nm)である。図14の縦軸は、第3距離d3(nm)である。図14において、実線は、目的とする最短ビット長BLsにおいて、良好な記録が可能な第3距離d3の最小値に対応する。図14において、破線は、目的とする最短ビット長BLsにおいて、良好な記録が可能な第3距離d3の最大値に対応する。図14に示すように、良好な記録が可能な第3距離d3の最小値及び最大値は、最短ビット長BLsが大きくなると大きくなる。
【0088】
図15の横軸は、第3距離d3(nm)であり、縦軸は、最短ビット長BLs(nm)である。図15に示すように、良好な記録が可能な最短ビット長BLsは、第3距離d3が大きくなると大きくなる。
【0089】
図16の横軸は、最短ビット長BLs(nm)である。図16の縦軸は、最短ビット長BLsに対する第3距離d3の比Rb1(すなわちd3/BLs)である。図16において、実線は、目的とする最短ビット長BLsにおいて、良好な記録が可能な比Rb1の最小値に対応する。図16において、破線は、目的とする最短ビット長BLsにおいて、良好な記録が可能な比Rb1の最大値に対応する。図16に示すように、良好な記録が可能な比Rb1は、1.3以上2以下である。
【0090】
図17の横軸は、第3距離d3(nm)である。図17の縦軸は、第3距離d3に対する最短ビット長BLsの比Rb(すなわちBLs/d3)である。図17において、実線は、目的とする第3距離d3において、良好な記録が可能な比Rb2の最小値に対応する。図17において、破線は、目的とする第3距離d3において、良好な記録が可能な比Rb2の最大値に対応する。図17に示すように、良好な記録が可能な比Rb2は、0.5以上0.7以下である。
【0091】
例えば、磁気ヘッド110において、第1磁性層21が発振して記録密度が最大となる電流において、第1磁性層21の磁化は、第1方向D1(図4参照)を基準として、10度~25度の小さい角度で回転していると考えられる。第1磁性層21の磁化が大きな角度で回転している場合は、第1磁性層21に磁束が入り難く、磁極30と第1シールド31との間の間隔が「記録ギャップ」に対応すると考えられる。これに対して、第1磁性層21の磁化が小さい角度で回転している場合は、第1磁性層21と第1シールド31との間の間隔(第3距離d3)が、実質的な「記録ギャップ」に対応すると考えられる。この場合は、磁気記録媒体80上において、記録磁界の傾度が高くなり、線記録密度が向上すると考えられる。
【0092】
実施形態に係る磁気ヘッド110を用いる場合、磁気記録媒体80における最短ビット長BLsは、第3距離d3(第1方向D1に沿う第1磁性層21と第1シールド31との間の距離)の0.5倍以上0.78倍以下であることが好ましい。
【0093】
図18は、第1実施形態に係る磁気ヘッドを例示する模式的平面図である。
図18は、矢印AR1からみた平面図に対応する平面図ある。図18においては、第1非磁性層24、第2非磁性層25及び絶縁部30iは省略されている。
【0094】
図18に示すように、磁気ヘッド111において、第1磁性層21は、第1磁性膜21a及び第2磁性膜21bを含んでも良い。第1磁性膜21aは、第2磁性膜21bと中間層23との間にある。第1磁性膜21aは、例えば、Fe、Co、Ag、Al、Mg、または、ハーフメタルを含む。第2磁性膜21bは、例えば、Ni、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。このような構成により、例えば、第1磁性層21において、良好な軟磁性特性が得られる。例えば、良好なスピン分極が得られる。
【0095】
実施形態において、積層体20に電流が流れたときに、積層体20から交流磁界が生じる。例えば、第1距離d1は、第2距離d2の1%以上10%以下である。これにより、第1磁性層21及び磁極30は、互いに共振する。積層体20から安定した交流磁界が発生する。磁気記録媒体80の共鳴周波数は、交流磁界の周波数と実質的に一致するように設定される。例えば、磁気記録媒体80の共鳴周波数は、交流磁界の周波数の0.95倍以上1.05倍以下である。効果的なMAMRが実施できる。
【0096】
以下、本実施形態に係る磁気記録装置の例について説明する。磁気記録装置は、磁気記録再生装置でも良い。磁気ヘッドは、記録部と再生部とを含んでも良い。
図19は、実施形態に係る磁気記録装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図19は、ヘッドスライダを例示している。
磁気ヘッド110は、ヘッドスライダ159に設けられる。ヘッドスライダ159は、例えばAl/TiCなどを含む。ヘッドスライダ159は、磁気記録媒体の上を、浮上または接触しながら、磁気記録媒体に対して相対的に運動する。
【0097】
ヘッドスライダ159は、例えば、空気流入側159A及び空気流出側159Bを有する。磁気ヘッド110は、ヘッドスライダ159の空気流出側159Bの側面などに配置される。これにより、磁気ヘッド110は、磁気記録媒体の上を浮上または接触しながら磁気記録媒体に対して相対的に運動する。
【0098】
図20は、実施形態に係る磁気記録装置を例示する模式的斜視図である。
図21(a)及び図21(b)は、実施形態に係る磁気記録装置の一部を例示する模式的斜視図である。
図20に示すように、実施形態に係る磁気記録装置150においては、ロータリーアクチュエータが用いられる。記録用媒体ディスク180は、スピンドルモータ180Mに装着される。記録用媒体ディスク180は、スピンドルモータ180Mにより矢印ARの方向に回転する。スピンドルモータ180Mは、駆動装置制御部からの制御信号に応答する。本実施形態に係る磁気記録装置150は、複数の記録用媒体ディスク180を備えても良い。磁気記録装置150は、記録媒体181を含んでもよい。記録媒体181は、例えば、SSD(Solid State Drive)である。記録媒体181には、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが用いられる。例えば、磁気記録装置150は、ハイブリッドHDD(Hard Disk Drive)でも良い。
【0099】
ヘッドスライダ159は、記録用媒体ディスク180に記録する情報の、記録及び再生を行う。ヘッドスライダ159は、薄膜状のサスペンション154の先端に設けられる。ヘッドスライダ159の先端付近に、実施形態に係る磁気ヘッドが設けられる。
【0100】
記録用媒体ディスク180が回転すると、サスペンション154による押し付け圧力と、ヘッドスライダ159の媒体対向面(ABS)で発生する圧力と、がバランスする。ヘッドスライダ159の媒体対向面と、記録用媒体ディスク180の表面と、の間の距離が、所定の浮上量となる。実施形態において、ヘッドスライダ159は、記録用媒体ディスク180と接触しても良い。例えば、接触走行型が適用されても良い。
【0101】
サスペンション154は、アーム155(例えばアクチュエータアーム)の一端に接続されている。アーム155は、例えば、ボビン部などを有する。ボビン部は、駆動コイルを保持する。アーム155の他端には、ボイスコイルモータ156が設けられる。ボイスコイルモータ156は、リニアモータの一種である。ボイスコイルモータ156は、例えば、駆動コイル及び磁気回路を含む。駆動コイルは、アーム155のボビン部に巻かれる。磁気回路は、永久磁石及び対向ヨークを含む。永久磁石と対向ヨークとの間に、駆動コイルが設けられる。サスペンション154は、一端と他端とを有する。磁気ヘッドは、サスペンション154の一端に設けられる。アーム155は、サスペンション154の他端に接続される。
【0102】
アーム155は、ボールベアリングによって保持される。ボールベアリングは、軸受部157の上下の2箇所に設けられる。アーム155は、ボイスコイルモータ156により回転及びスライドが可能である。磁気ヘッドは、記録用媒体ディスク180の任意の位置に移動可能である。
【0103】
図21(a)は、磁気記録装置の一部の構成を例示しており、ヘッドスタックアセンブリ160の拡大斜視図である。
図21(b)は、ヘッドスタックアセンブリ160の一部となる磁気ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ:HGA)158を例示する斜視図である。
【0104】
図21(a)に示すように、ヘッドスタックアセンブリ160は、軸受部157と、ヘッドジンバルアセンブリ158と、支持フレーム161と、を含む。ヘッドジンバルアセンブリ158は、軸受部157から延びる。支持フレーム161は、軸受部157から延びる。支持フレーム161の延びる方向は、ヘッドジンバルアセンブリ158の延びる方向とは逆である。支持フレーム161は、ボイスコイルモータ156のコイル162を支持する。
【0105】
図21(b)に示すように、ヘッドジンバルアセンブリ158は、軸受部157から延びたアーム155と、アーム155から延びたサスペンション154と、を有している。
【0106】
サスペンション154の先端には、ヘッドスライダ159が設けられる。ヘッドスライダ159に、実施形態に係る磁気ヘッドが設けられる。
【0107】
実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリ(ヘッドジンバルアセンブリ)158は、実施形態に係る磁気ヘッドと、磁気ヘッドが設けられたヘッドスライダ159と、サスペンション154と、アーム155と、を含む。ヘッドスライダ159は、サスペンション154の一端に設けられる。アーム155は、サスペンション154の他端と接続される。
【0108】
サスペンション154は、例えば、信号の記録及び再生用のリード線(図示しない)を有する。サスペンション154は、例えば、浮上量調整のためのヒーター用のリード線(図示しない)を有しても良い。サスペンション154は、例えばスピントルク発振子用などのためのリード線(図示しない)を有しても良い。これらのリード線と、磁気ヘッドに設けられた複数の電極と、が電気的に接続される。
【0109】
磁気記録装置150において、信号処理部190が設けられる。信号処理部190は、磁気ヘッドを用いて磁気記録媒体への信号の記録及び再生を行う。信号処理部190は、信号処理部190の入出力線は、例えば、ヘッドジンバルアセンブリ158の電極パッドに接続され、磁気ヘッドと電気的に接続される。
【0110】
本実施形態に係る磁気記録装置150は、磁気記録媒体と、実施形態に係る磁気ヘッドと、可動部と、位置制御部と、信号処理部と、を含む。可動部は、磁気記録媒体と磁気ヘッドとを離間させ、または、接触させた状態で相対的に移動可能とする。位置制御部は、磁気ヘッドを磁気記録媒体の所定記録位置に位置合わせする信号処理部は、磁気ヘッドを用いた磁気記録媒体への信号の記録及び再生を行う。
【0111】
例えば、上記の磁気記録媒体として、記録用媒体ディスク180が用いられる。上記の可動部は、例えば、ヘッドスライダ159を含む。上記の位置制御部は、例えば、ヘッドジンバルアセンブリ158を含む。
【0112】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
磁極と、
第1シールドと、
前記磁極と前記第1シールドとの間に設けられた第1磁性層と、
前記第1磁性層と前記第1シールドとの間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性の中間層と、
を備え、
前記第1磁性層から前記第2磁性層への第1方向に沿う前記磁極と前記第1磁性層との間の第1距離は、前記第1方向に沿う前記磁極と前記第1シールドとの間の第2距離の1%以上10%以下である、磁気ヘッド。
【0113】
(構成2)
前記第1距離は、1nm以上4nm以下である、構成1記載の磁気ヘッド。
【0114】
(構成3)
前記磁極と前記第1磁性層との間に設けられ、Ru、Ta、Cr及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む第1非磁性層をさらに備え、
前記第1方向に沿う前記第1非磁性層の厚さは、3nm以下である、構成1記載の磁気ヘッド。
【0115】
(構成4)
前記第1方向に沿う前記第1磁性層の第1厚さは、前記第2距離の20%以上40%以下である、構成1~3のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0116】
(構成5)
前記第1方向に沿う前記第2磁性層の厚さは、前記第1方向に沿う前記第1磁性層の第1厚さよりも薄い、構成1~3のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0117】
(構成6)
前記磁極は、媒体対向面を含み、
前記媒体対向面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1磁性層の第1幅は、前記第2方向に沿う前記磁極の第2幅よりも広い、構成1~5のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0118】
(構成7)
前記磁極は、媒体対向面を含み、
前記媒体対向面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1磁性層の第1幅は、前記第2方向に沿う前記磁極の第2幅の2倍以下である、構成1~5のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0119】
(構成8)
前記磁極は、媒体対向面を含み、
前記媒体対向面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1磁性層の第1幅は、前記第2方向に沿う前記磁極の第2幅の1倍以上2倍以下である、構成1~5のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0120】
(構成9)
前記磁極は、媒体対向面を含み、
前記第1磁性層の第3方向に沿う第3長さは、第2方向に沿う前記第1磁性層の第1幅の0.9倍以上であり、
前記第2方向は、前記媒体対向面に沿い前記第1方向と交差し、
前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、構成1~5のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0121】
(構成10)
前記第1磁性層の飽和磁化は、1.8T以上である、構成1~9のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0122】
(構成11)
前記第1磁性層の飽和磁化は、前記磁極の飽和磁化の0.8倍以上1.1倍以下である、構成1~10のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0123】
(構成12)
前記第1磁性層は、第1磁性膜及び第2磁性膜を含み
前記第1磁性膜は、前記第2磁性膜と前記中間層との間にあり、
前記第1磁性膜は、Fe、Co、Ag、Al,Mg、及び、ハーフメタルよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記第2磁性膜は、Ni、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~11のいずれか1つを含む、構成1~11のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0124】
(構成13)
前記第1磁性層は、Fe及びCoよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~11のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0125】
(構成14)
前記第1磁性層は、Ni、Al、Tb、Ge、Ga、Bo、Ta、Ru、Ro、Pt及びAgよりなる群から選択された少なくとも1つをさらに含む、構成13記載の磁気ヘッド。
【0126】
(構成15)
前記第2磁性層は、Fe、Co、Ni、Al、Bo、Te、Ge及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1~14のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0127】
(構成16)
前記第1磁性層、前記中間層及び前記第2磁性層を含む積層体に電流が流れたときに、前記積層体から交流磁界が生じる、構成1~15のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0128】
(構成17)
前記第1磁性層及び前記磁極は、互いに共振する、構成1~16のいずれか1つに記載の磁気ヘッド。
【0129】
(構成18)
構成1~17のいずれか1つに記載の磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドにより情報が記録される磁気記録媒体と、
を備えた磁気記録装置。
【0130】
(構成19)
前記磁気記録媒体における最短ビット長は、前記第1方向に沿う前記第1磁性層と前記第1シールドとの間の第3距離の0.5倍以上0.78倍以下である、構成18記載の磁気記録装置。
【0131】
(構成20)
前記第1磁性層、前記中間層及び前記第2磁性層を含む積層体に電流が流れたときに、前記積層体から交流磁界が生じ、
前記磁気記録媒体の共鳴周波数は、前記交流磁界の周波数の0.95倍以上1.05倍以下である、構成18または19に記載の磁気記録装置。
【0132】
実施形態によれば、記録密度の向上が可能な磁気ヘッド及び磁気記録装置が提供できる。
【0133】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0134】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気ヘッドに含まれる磁極、第1シールド、第2シールド、積層体、磁性層、導電層及び配線などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0135】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0136】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気ヘッド及び磁気記録装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気ヘッド及び磁気記録装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0137】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0139】
20…積層体、 20D…電気回路、 21…第1磁性層、 21a、21b…第1、第2磁性膜、 22…第2磁性層、 23…中間層、 24…第1非磁性層、 25…第2非磁性層、 30…磁極、 30D…記録回路、 30F…媒体対向面、 30c…コイル、 30i…絶縁部、 31、32…第1、第2シールド、 60…記録部、 70…再生部、 71…磁気再生素子、 72a、72b…第1、第2再生磁気シールド、 80…磁気記録媒体、 81…磁気記録層、 82…媒体基板、 83…磁化、 85…媒体移動方向、 θ1…角度、 110、111…磁気ヘッド、 150…磁気記録装置、 154…サスペンション、 155…アーム、 156…ボイスコイルモータ、 157…軸受部、 158…ヘッドジンバルアセンブリ、 159…ヘッドスライダ、 159A…空気流入側、 159B…空気流出側、 160…ヘッドスタックアセンブリ、 161…支持フレーム、 162…コイル、 180…記録用媒体ディスク、 180M…スピンドルモータ、 181…記録媒体、 190…信号処理部、 210…磁気記録装置、 AMx(21)、AMx(22)、AMx(30)…絶対値、 AR、AR1…矢印、 BLs…最短ビット長、 C1、C2…第1、第2条件、 D1~D3…第1~第3方向、 Iw…記録電流、 L3…第3長さ、 Mst…磁気厚さ、 Mx(21)、Mx(22)、Mx(30)…磁化、 OA…発振振幅、 OS…発振強度、 R1、R2…比、 Rb1、Rb2…比、 T1、T2…第1、第2端子、 W1、W2…配線、 d1~d2…第1~第3距離、 f1…周波数、 iD…電流密度、 t21…第1厚さ、 t22、t23、t24、t25…厚さ、 tm…時間、 w1、w2…第1、第2幅
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