(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018040086
(22)【出願日】2018-03-06
【審査請求日】2021-02-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【合議体】
【審判長】長崎 洋一
【審判官】鉄 豊郎
【審判官】薄井 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-158986(JP,A)
【文献】特開2010-172668(JP,A)
【文献】特開2015-157(JP,A)
【文献】特開2011-110302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と、
当否判定結果を示す識別図柄が背景画像を背景として変動を開始した後、当該背景画像ではない特定画像が表示された上で開始される演出であって、演出の結末として、当否判定結果が当たりであることを示す成功結末および当該成功結末に至らない場合の結末である失敗結末が設定された特定演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
当否判定結果が当たりである場合、前記特定演出が前記失敗結末に至った後、当否判定結果が当たりであることを示す逆転演出が発生する場合があり、
前記特定演出が結末に至る前の状態においては当該特定演出用の演出要素である特定演出要素が出力され、
前記特定演出が前記失敗結末に至ったとき、前記特定画像が前記背景画像に切り替わる画像切替時点にて前記特定演出要素の出力が停止され
て当該特定演出要素が出力されずに前記背景画像が表示された状態となった場合よりも、当該画像切替時点経過後も前記特定演出要素の出力が継続され
て当該特定演出要素が出力されたままで前記背景画像が表示された状態となった場合の方が、前記逆転演出が発生する蓋然性が高いことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な遊技機では、遊技中に種々の楽曲が出力されるようにすることで、遊技の趣向性を高める試みがなされている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、楽曲が出力される遊技機において、遊技者の遊技意欲を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定結果を示すものであって、当該当否判定結果を報知する報知演出の開始から変動を開始するとともに、当該当否判定結果の報知の完了時点で変動を停止する識別図柄を表示する表示手段と、背景楽曲を出力する音出力手段と、前記報知演出の一部として実行される、前記当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示す演出であって、その結末により当否判定結果が示される特定演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記背景楽曲として、前記特定演出が発生していない期間中に出力される一または複数種の通常楽曲と、前記特定演出中に出力される一または複数種の特定楽曲と、が設定されており、前記特定演出の結末により対象の当否判定結果がはずれであることが示された後、次の当否判定結果を示す前記識別図柄の変動が開始されるよりも前の特定時点において、前記音出力手段より出力される楽曲を、前記特定楽曲から前記通常楽曲に変化させる場合があることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機は、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示装置の表示領域に表示される識別図柄と保留画像を示した図である。
【
図4】特定演出を含む先の報知演出から後の報知演出に推移する際における出力される楽曲の制御を説明するための図(その一)である。
【
図5】特定演出を含む先の報知演出から後の報知演出に推移する際における出力される楽曲の制御を説明するための図(その二)である。
【
図6】特定演出を含む先の報知演出から後の報知演出に推移する際における出力される楽曲の制御を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80(
図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。ある当否判定結果を報知する識別図柄80の変動開始から、当該識別図柄80の変動が停止(当否判定結果を示す組み合わせで停止)するまでに実行される演出が報知演出である。
【0015】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知(識別図柄80の変動)が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0016】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留画像70が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留画像70が表示装置91の表示領域911に表示される(
図2参照)。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。保留画像70は、静止画であってもよいし動画であってもよい。
【0017】
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄80の変動開始から停止するまでの期間中の演出)の一部として特定演出(
図3参照)を実行することが可能である。当該特定演出は、いわゆるリーチ演出(スーパーリーチ演出)であり、当該演出の結末により、当否判定結果が示される。具体的には、特定演出の結末として一または複数種の成功結末と一または複数種の失敗結末が設定されており、当否判定結果が大当たりである場合には成功結末が、はずれである場合には失敗結末が実行される。同種の特定演出であれば、結末に至るまでは(いわゆるチャンスアップの発生の有無による差異を除き)、毎回同じ一連の映像が出力され、演出実行に要する時間は同じである。特定演出としては、味方側のキャラクタ(遊技者側のキャラクタ)と敵側キャラクタが戦い、味方側のキャラクタが勝利することが成功結末(
図3(c)参照)として、味方側のキャラクタが敗北することが失敗結末(
図3(d)参照)として設定されたものを例示することができる。このような特定演出として発生しうる複数種の演出が設定された構成としてもよい。
【0018】
本実施形態にかかる遊技機1は、背景楽曲(BGM)を出力するスピーカ10(音出力手段)を備える(
図1参照)。当該背景楽曲は、基本的には、報知演出の状況に応じたものが出力される。本実施形態では、当該背景楽曲として、少なくとも、通常楽曲および特定楽曲が設定されている。当該通常楽曲や特定楽曲として設定される楽曲は一種であってもよいし、複数種であってもよい。各楽曲の具体的態様は、各楽曲の種類の異同を判別することができればどのようなものであってもよい。
【0019】
通常楽曲は、基本的には、報知演出中においてリーチ状態が発生していないときに出力される楽曲である。ある報知演出が開始されたとき(識別図柄80が変動を開始したとき)は、当該通常楽曲が出力される状態となる(
図4(a)等参照)。つまり、複数の識別図柄80群のそれぞれが変動している状態にあるときには、通常楽曲が出力される。特定演出はリーチ演出の一種であるため、通常楽曲は特定演出が発生していない期間中に出力されることがある楽曲であるということができる。特定楽曲は、基本的には、特定演出中に出力される楽曲である(
図3、
図4(b)(c)参照)。複数種の特定演出が発生しうるものであれば、特定演出の種類に応じた特定楽曲が設定されているとよい。
【0020】
上述した通り、報知演出において特定演出が発生した場合、当該特定演出の結末により当否判定結果が示されることとなる。ある当否判定情報に基づく「はずれ」の当否判定結果(以下、先の当否判定結果と称することもある)を報知する報知演出(以下、先の報知演出と称することもある)において特定演出が発生することが決定された場合、特定演出の結末が失敗結末となることによりはずれであることが示される(
図4、
図5(a)(b)参照)。そして、次の当否判定情報(次の保留)が存在する場合には当該当否判定情報に基づく当否判定結果(以下、後の当否判定結果と称することもある)を報知する報知演出(以下、後の報知演出と称することもある)が開始される。つまり識別図柄80の変動が開始される(
図5(c)参照)。
【0021】
このような流れが発生するとき、背景楽曲は以下のように制御される。先の当否判定結果を報知する先の報知演出において特定演出が発生した場合、当該特定演出の開始とともに、それに応じた特定楽曲の出力が開始されることになる(
図4(b)参照)。当該特定楽曲は、特定時点まで出力される(
図4(c)、
図5(a)参照)。当該特定時点は、後の当否判定結果を報知する後の報知演出の開始時点よりも前の時点である。当該特定時点後は、通常楽曲が出力される(
図5(a)~(c)参照)。つまり、特定時点を境にして、特定楽曲が通常楽曲に切り替わる。換言すれば、後の当否判定結果を報知する識別図柄80の変動が開始されるよりも前の時点において、特定楽曲が通常楽曲に切り替わっているということである。上述した通り、通常楽曲は、基本的には、報知演出中においてリーチ状態が発生していないとき(各識別図柄80群が変動しているとき)に出力されるものであるところ、本実施形態では、識別図柄80の変動が開始される時点よりも前の特定時点から通常楽曲の出力を開始する。また、特定楽曲についてみれば、後の当否判定結果を報知する識別図柄80の変動が開始される時点よりも前の特定時点にて出力が停止するということができる。
【0022】
特定時点は、表示領域911に、特定演出用の画像(以下、特定画像21と称することもある。当該特定画像21は、静止画であってもよいし、動画であってもよい)が表示された状態から、変動する識別図柄80の背景画像22(本発明における「別の画像」に相当する。当該背景画像22は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。)が表示された状態に変化する時点である(
図4(c)、
図5(a)参照)。特定画像21は、リーチ演出としての特定演出用に構築された画像(特定演出を構成する映像そのもの)であり、複数種の特定演出が発生しうるのであれば、それに応じた画像が設定される。背景画像22は、基本的には、変動する識別図柄80(識別図柄80群)の背景として表示される画像である。
【0023】
特定演出が失敗結末となる場合、識別図柄80ははずれを示す組み合わせで表示される。ここで、当該はずれを示す組み合わせの識別図柄80は、後の当否判定結果を報知する識別図柄80の変動(以下、次変動と称することもある)が開始される直前までわずかに揺れたような状態(擬似停止した状態)にあり(
図4(c)、
図5(a)参照)、次変動が開始される直前(次変動が開始されると略同時)に完全に停止する(
図5(b)参照)。厳密には、当該識別図柄80が完全に停止する時点が、当否判定結果の報知完了時点であり、先の報知演出から後の報知演出に切替わる時点(以下、報知完了時点と称することもある)であるともいえる。
【0024】
上記識別図柄80が完全に停止する報知完了時点よりも前の特定時点において、特定演出の失敗結末の表示が終了する。つまり、特定画像21の表示が終了する。特定画像21の表示が終了するということは、背景画像22が表示された状態に切り替わるということである。背景画像22が表示された状態に切り替わった後、上記報知完了時点までは、背景画像22の手前側で、はずれを示す組み合わせの識別図柄80が擬似停止した状態で表示された状況とされ(
図5(a)参照)、報知完了時点にて、当該識別図柄80が完全に停止する(
図5(b)参照)とともに、次変動が開始される(
図5(c)参照)ことになる。
【0025】
上記の点をまとめると以下の通りとなる。
図6に示すように、特定演出が開始されてから特定時点までの期間中は、特定画像21が表示されるとともに、特定楽曲が出力される。つまり、特定演出がそのまま実行される期間であるといえる。
【0026】
特定時点と報知完了時点の間の期間(以下、特殊期間と称することもある)中は、背景画像22および擬似停止した状態の識別図柄80(はずれを示す組み合わせ)が表示されるとともに、通常楽曲が出力される。つまり、特殊期間は、厳密には先の報知演出の一部であって、後の報知演出が開始されるよりも前の期間であるにも拘わらず、特定楽曲が出力されず、通常楽曲が出力される状態となる。
【0027】
報知完了時点後は、後の報知演出そのものであるため、少なくとも識別図柄80が変動を開始した直後を含む所定期間中は、背景画像22および変動する識別図柄80(識別図柄80群)が表示されるとともに、通常楽曲が出力される。通常楽曲は、特定時点から出力が開始され、報知完了時点で途切れることなく、報知完了時点後も継続的に出力される(報知完了時点を跨いで継続的に出力される)こととなる。
【0028】
なお、本実施形態では、先の報知演出において特定演出が発生しなかった場合、報知完了時点から通常楽曲の出力が開始されることになる。つまり、先の報知演出において特定演出が発生した場合と発生しなかった場合とでは、通常楽曲の出力が開始される時点が、特定時点と報知完了時点とで異なるということである。
【0029】
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、先の当否判定結果がはずれであることが特定演出にて示された後、後の当否判定結果を示す識別図柄80の変動が開始される時点(報知完了時点)よりも前の特定時点において、スピーカ10より出力される楽曲を特定楽曲から通常楽曲に変化させる。つまり、特定楽曲から通常楽曲に切り替わる時点が早いため、特定演出によりはずれが示されたとき、より早いタイミングで遊技者の気持ちが次の変動(後の当否判定結果)に切り替わることになる。したがって、遊技者の遊技意欲(継続的に遊技しようとする意欲)を向上させることが可能である。
【0030】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
【0031】
○第一具体例
上記実施形態にかかる遊技機1は、特定時点において、必ず特定楽曲から通常楽曲への切り替えが発生するものであるが、当該楽曲の切り替えが発生することもあれば発生しないこともある設定としてもよい。例えば、特定時点において特定楽曲から通常楽曲への切り替えが発生しなかった場合、先の当否判定結果が大当たりとなることを示す確定演出が発生するようにする。具体的には次の通りである。
【0032】
特定演出の結末が失敗結末となることで、一旦先の当否判定結果がはずれであるかのように示されるものとする(
図4(c)、図
7(a)参照)。先の当否判定結果がはずれである場合には、上記実施形態にて説明したように特定時点において特定楽曲から通常楽曲への切り替わりが発生する(
図5(a)参照)。一方、先の当否判定結果が大当たりである場合には、特定時点において特定楽曲から通常楽曲の切り替わりが発生せず(図
7(b)参照)、特定時点以後に確定演出が発生する(図
7(c)参照)。特定演出が失敗演出となり、先の当否判定結果がはずれであるかのように示されていたのであるから、当該確定演出はいわゆる「逆転演出」(先の当否判定結果を示す特定演出(失敗結末)を覆して大当たりであることを報知する演出)であるということができる。このようにすれば、特定時点において特定楽曲から通常楽曲の切り替わりが発生しなければ、大当たりが確定することになるため、当該楽曲の切り替わりが発生するかどうかに遊技者が注目する遊技性を実現することが可能となる。
【0033】
なお、特定時点において特定楽曲から通常楽曲への切り替わりが発生しなかった場合、確定演出が発生することが確定する(大当たりが確定する)わけではなく、確定演出が発生する蓋然性が高くなることに留まる(大当たりとなる蓋然性が高くなることに留まる)設定としてもよい。
【0034】
○第二具体例
上記実施形態では、特定画像21が表示された状態から背景画像22が表示された状態に切り替わる時点が特定時点として設定されていることを説明したが、特定演出の結末(失敗結末)が完了する時点よりも後であり、かつ報知完了時点(後の当否判定結果を報知する識別図柄80の変動が開始される時点)よりも前の時点であれば特定時点が設定される箇所は適宜変更可能である。
【0035】
○第三具体例
上記実施形態では、特定画像21が表示された状態から背景画像22が表示された状態に切り替わる時点が特定時点として設定されていることを説明したが、特定画像21が表示された状態から当該特定画像21とは異なる別の画像が表示された状態に切り替わった時点が特定時点として設定されていればよい(特定画像21から切り替えられる画像は背景画像22に限られない)。例えば、リーチ演出(上記実施形態でいう特定演出)終了後(図8(a)参照)、次変動の識別図柄80おび背景画像22が表示された状態(図8(c)参照)に移行するよりも前に、場面を切り替えるための画像(以下、場面変更画像23と称する)が表示される(図8(b)参照)構成とし、当該場面変更画像23の表示が開始された時点を特定時点として設定してもよい。つまり、特定画像21が表示された状態(図8(a)参照)から場面変更画像23が表示された状態(図8(b)参照)に切り替わる時点が特定時点(特定楽曲が通常楽曲に切り替わる時点)として設定された構成としてもよい。
【0036】
○第四具体例
上記実施形態では、特定時点において切り替えられる対象はスピーカ10から出力される楽曲であることを説明したが、演出を構成する要素であれば楽曲(音)に限られるものではない。例えば、遊技機1に設けられた所定の発光部の発光態様として、特定演出に応じた特定態様、報知演出中においてリーチ状態が発生していないときの通常態様が設定された構成において、特定時点において発光部の発光態様が特定態様から通常態様に切り替えられるものとする。このように、特定時点において切り替えられる演出要素は、楽曲(音)に限られず、遊技者の五感のいずれかで把握できる他の要素であってもよい。
【0037】
○第五具体例
上記実施形態における楽曲の制御は、報知演出にて特定演出が実行されることになる当否判定結果の次の当否判定結果に対応する当否判定情報(次の保留)が存在する場合における制御であることを説明したが、当該次の保留が存在しない場合であっても同様の制御がなされるようにしてもよい。つまり、当該次の保留が存在しない場合であっても、特定画像が表示された状態からそれとは別の画像が表示された状態に切り替わった特定時点において特定楽曲の出力が停止され、それとは別の楽曲が出力される状態に切り替わるようにしてもよい。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0039】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0040】
・手段1
所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果を示すものであって、当該当否判定結果を報知する報知演出の開始から変動を開始するとともに、当該当否判定結果の報知の完了時点で変動を停止する識別図柄を表示する表示手段と、
背景楽曲を出力する音出力手段と、
前記報知演出の一部として実行される、前記当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示す演出であって、その結末により当否判定結果が示される特定演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記背景楽曲として、
前記特定演出が発生していない期間中に出力される一または複数種の通常楽曲と、
前記特定演出中に出力される一または複数種の特定楽曲と、
が設定されており、
前記特定演出の結末により対象の当否判定結果が示された後、次の当否判定結果を示す前記識別図柄の変動が開始されるよりも前の特定時点において、前記音出力手段より出力される楽曲を、前記特定楽曲から前記通常楽曲に変化させる場合があることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、次の当否判定結果を示す識別図柄の変動が開始されるよりも前の特定時点で特定楽曲の出力が停止し、通常楽曲が出力される状態に推移するため、遊技者の遊技意欲(継続的に遊技しようとする意欲)を向上させることが可能である。
【0041】
・手段2
前記特定時点は、前記表示手段に前記特定演出の画像が表示された状態から、別の画像が表示された状態に切り替わった時点であることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このように、特定演出の画像が別の画像に切り替わった時点で通常楽曲に変化するようにすれば、表示される画像と出力される楽曲の対応関係に遊技者が違和を感じるおそれを低減することが可能である。
【0042】
・手段3
前記別の画像は、前記次の当否判定結果を報知する報知演出の開始時点を含む所定期間中において前記識別図柄の背景として表示されることになる背景画像であることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
上記別の画像としては、識別図柄の背景として表示される背景画像を例示することができる。
【0043】
・手段4
前記特定時点において、前記特定楽曲から前記通常楽曲の変化が発生しなかった場合、前記対象の当否判定結果が当たりであることを示す確定演出が発生することを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、特定時点において、特定楽曲から通常楽曲の変化が発生するか否に注目させる遊技性を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 遊技機
10 スピーカ
21 特定画像
22 背景画像
80 識別図柄
91 表示装置
911 表示領域