(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019147912
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野原 修平
【審査官】大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-000392(JP,A)
【文献】特開2007-117660(JP,A)
【文献】特開2015-202352(JP,A)
【文献】特開2010-104438(JP,A)
【文献】特開2004-057311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定結果が当たりとなることを契機として、複数の単位遊技を含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、
前記当たり遊技において前記単位遊技が実行されていない期間で
あって、ある単位遊技が終了してからその次の単位遊技が開始されるまでのインターバル期間中に、遊技者に有利な事象が発生するか否かを示す特定演出を実行する演出実行手段と、
を備え
、
前記単位遊技の態様として、有利態様および当該有利態様よりも遊技者が得られる利益の期待値が小さい不利態様が設定されており、
前記特定演出の結果が遊技者に有利な結果となった場合、当該特定演出に対応づけられた単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技の全てが前記有利態様となる一方、前記特定演出の結果が遊技者に不利な結果となった場合、前記単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技のうち、少なくとも最初に実行される前記単位遊技が前記不利態様となり、
前記特定演出の結果が遊技者に不利な結果となったものの、特殊演出が発生した場合には、前記単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技のうちの一部は前記有利態様となる一方、前記特定演出の結果が遊技者に不利な結果となり、前記特殊演出が発生しなかった場合には、前記単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技の全てが前記不利態様となることを特徴とする遊技機。
ただし、前記特定演出および前記特殊演出は、開始から終了までが前記インターバル期間に収まるよう実行されるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1等に記載される遊技機においては、当否判定結果が当たりとなったときには当たり遊技が実行される。当たり遊技は、複数の単位遊技(ラウンド)を含むものが一般的である。単位遊技間には、インターバルが設定される。当該インターバルが長くなると、遊技の趣向性の低下を招くおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、当たり遊技の趣向性の低下を招くおそれを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否判定結果が当たりとなることを契機として、複数の単位遊技を含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、前記当たり遊技において前記単位遊技が実行されていない期間である特定期間中に、遊技者に有利な事象が発生するか否かを示す特定演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、当たり遊技の趣向性の低下を招くおそれを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示装置の表示領域に表示される識別図柄と保留画像を示した図である。
【
図3】大当たり遊技の概要を説明するための図である。
【
図4】有利態様、不利態様を説明するための図である。
【
図6】特定大当たりのパターンを決定するためのテーブルである。
【
図7】特定大当たり遊技の流れを説明するための図である。
【
図8】特定大当たり遊技の流れを説明するための図(
図7の続き(その一))である。
【
図9】特定大当たり遊技の流れを説明するための図(
図7の続き(その二))である。
【
図10】特定大当たり遊技の流れを説明するための図(
図9の続き)である(第二特定演出の終了後は簡略化して記載している)。
【
図13】第三具体例を説明するための図(その一)である。
【
図14】第三具体例を説明するための図(その二)である。
【
図15】第三具体例を説明するための図(
図14の続き)である。
【
図16】第三具体例を説明するための図(
図15の続き)である。
【
図17】第三具体例を変更した例を説明するための図である。
【
図18】第三具体例を変更した例(
図17とは別の例)を説明するための図である。
【
図24】第十具体例を説明するための図(
図23の続き)である。
【
図25】第十具体例を説明するための図(
図24の続き)である。
【
図26】第十具体例を説明するための図(
図25の続き)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において、特に明示することなく「画像」というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞領域10、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞領域10等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80(
図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
【0015】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知(識別図柄80の変動)が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0016】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留画像70が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留画像70が表示装置91の表示領域911に表示される(
図2参照)。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。当否判定結果の報知は完了していないが、既に当否判定結果を報知する演出(識別図柄80の変動)が開始されているもの(いわゆる当該変動)に対応する保留画像(図示せず)が表示されるようにしてもよい。
【0017】
2)大当たり遊技
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果が大当たりとなったときに大当たり遊技が実行される。以下、大当たり遊技および当該大当たり遊技中における演出等について説明する。
【0018】
大当たり遊技は、複数の単位遊技から構成される。各単位遊技は、「ラウンド」等と称されるものである(ある大当たり遊技におけるX回目の単位遊技は、「Xラウンド」等と称される。図面において「ラウンド」は「R」と記載する箇所もある)。例えば、「10ラウンド大当たり」は、単位遊技が10回繰り返されるものである。各単位遊技は大入賞領域10に遊技球が入賞可能な状態とされるものであるから、当該単位遊技の数(ラウンド数)が多くなるほど、遊技者が獲得することができる遊技球数の期待値が多くなる。なお、本実施形態では、大入賞領域10に一の遊技球が入賞することによって払い出される遊技球の数(賞球数)は、15個に設定されている。
【0019】
本実施形態では、大入賞領域10は、遊技領域902の右側に設けられている(
図1参照)。したがって、大当たり遊技中において、遊技者は、遊技領域902の右側に遊技球が進入するよういわゆる「右打ち」遊技を行う。大当たり遊技中は、表示領域911に「右打ち」を行うべき状況であることを示す表示がなされる。なお、いわゆる「左打ち」遊技(遊技領域902の左側に遊技球が進入するよう遊技球を発射する)するべき大当たり遊技とすることを否定するわけではない。
【0020】
単位遊技は、終了条件が成立するまで、大入賞領域10に遊技球が入賞可能な状態とされるものである。なお、本実施形態では、当該「遊技球が入賞可能な状態(態様)」として、詳細を後述する有利態様と不利態様が設定されている。本実施形態では、大入賞領域10に付随するようにして、大入賞領域10の入口を閉鎖する閉位置(原位置)と、大入賞領域10の入口を開放する開位置との間を往復動作可能である開閉部材11が設けられている。単位遊技が実行されている期間中の少なくとも一部においては、当該開閉部材11が開位置に位置し、大入賞領域10に遊技球が入賞可能な状態とされることになる。
【0021】
なお、大入賞領域10を開放・閉鎖する構造はどのようなものであってもよい。本実施形態にかかる遊技機1は、遊技盤面に沿う閉位置と、当該閉位置から手前に倒れた開位置との間を往復動作可能な開閉部材11が設けられたものであり、当該開閉部材11が開位置に位置した状態となることで当該開閉部材11により遊技球が大入賞領域10に誘導される構造を有する(
図1、
図3参照)。図示しないが、遊技球が通過する通路の下に大入賞領域を設け、開閉部材が閉位置に位置するときには当該開閉部材が当該通路の底面を構成し、開閉部材が開位置に位置することで当該通路に進入した遊技球が大入賞領域に誘導されるような構造(いわゆる「スライドアタッカー」を用いた構造)であってもよい。
【0022】
単位遊技の終了条件の一つとして、「一回の単位遊技において大入賞領域10にN個(Nは自然数)の遊技球が入賞したこと」が設定されている(以下、当該終了条件を「入賞終了条件」と称することもある)(
図3参照)。つまり、一回の単位遊技においてN個の遊技球が入賞したことが検出されたことを契機として当該単位遊技が終了する。当該Nの値は「カウント」等と称されるものである。本実施形態ではN=10に設定されている。つまり、基本的には(いわゆる「オーバー入賞」が発生しないときには)、一回の単位遊技において大入賞領域10に入賞する遊技球の数は10個である。
【0023】
別の終了条件として、「単位遊技が開始されてから所定時間経過したこと」が設定されている(以下、当該終了条件を「時間終了条件」と称することもある)(
図3参照)。したがって、大入賞領域10に遊技球が10個入賞するよりも前に単位遊技が終了する可能性もある。本実施形態における終了条件は上記入賞終了条件と時間終了条件の二つであるが、これらの終了条件とは異なる別の終了条件が設定されていてもよい。
【0024】
本実施形態では、単位遊技の態様として、有利態様および不利態様が設定されている。不利態様は、有利態様よりも遊技者が得られる利益の期待値が小さいものである。したがって、大当たり遊技において、遊技者は、単位遊技が有利態様となることを願うことになる。
【0025】
本実施形態における有利態様の単位遊技は、大入賞領域10が開放された状態が保たれる(開閉部材11が開状態に位置した状態が維持される)ものである(
図4(a)参照)。すなわち、遊技球が大入賞領域10の入口まで到達するタイミングによらず、遊技球が大入賞領域10に入賞することになるような態様である。
【0026】
一方、不利態様は、大入賞領域10が開放された状態と閉鎖された状態が交互に繰り返される(開閉部材11が開状態に位置した状態と閉位置に位置した状態が交互に繰り返される)ものである(
図4(b)参照)。遊技球が大入賞領域10の入口まで到達したとき、大入賞領域10が閉鎖された状態にあれば遊技球は大入賞領域10に入賞せず、大入賞領域10が開放された状態にあれば遊技球は大入賞領域10に入賞するような態様である。つまり、遊技球が大入賞領域10の入口まで到達したタイミングに応じて、遊技球が大入賞領域10に入賞するか否かが決まる態様である。
【0027】
不利態様は、「大入賞領域10の入口まで到達した遊技球が、大入賞領域10が閉鎖された状態にあることによって当該遊技球が入賞しない状況」が発生するものである。すなわち、大入賞領域10が開放されていれば入賞していたであろう状況(いわゆる遊技球の「こぼし」)が発生するものである。逆に、有利態様は、このような遊技球の「こぼし」が発生しない(発生しにくい)ものである。したがって、当該遊技球の「こぼし」が発生する分、不利態様の単位遊技にて遊技者が得られる利益は、有利態様の単位遊技にて遊技者が得られる利益よりも小さいことになる。例えば、仮に、一回の単位遊技において大入賞領域10に遊技球が10個入賞する(入賞終了条件が成立して単位遊技が終了する)とした場合、不利態様および有利態様のいずれであっても賞球として150個(10(カウント)×15(一つの入賞あたりの賞球)=150個)の遊技球が払い出されることになるが、「こぼし」の遊技球の数が有利態様に比して不利態様の数が多くなる分、一の単位遊技にて得られる遊技球の「純増数」(賞球数-発射した遊技球の数)の期待値に差が生じることになる。当該「純増数」の期待値の差が、上記利益の期待値の差に相当する。なお、不利態様の単位遊技における当該「純増数」の期待値はマイナスであってもよい。
【0028】
なお、本実施形態における不利態様は、大入賞領域10に向かって継続的に遊技球を発射し続けていれば(本実施形態では、継続的に「右打ち」遊技を行っていれば)、一回の単位遊技において大入賞領域10に遊技球が10個入賞する蓋然性が極めて高くなるように設定されている。すなわち、不利態様の単位遊技にて大入賞領域10に向かって継続的に遊技球を発射し続けていれば、時間終了条件が成立するよりも前に入賞終了条件が成立することにより、当該単位遊技が終了するケース(150個の賞球が得られるケース)が通常である設定とされている。
【0029】
なお、有利態様や不利態様を本実施形態のようにすることは一例に過ぎない。すなわち、有利態様と不利態様の「利益の期待値の差」を設定する手法は一例に過ぎない。例えば、有利態様時における大入賞領域10の開放時間よりも、不利態様時における大入賞領域10の開放時間を短くすることで、有利態様時における賞球数の期待値よりも、不利態様時における賞球数の期待値が少なくなるような設定としてもよい。つまり、上述した遊技球の「純増数」の期待値の違いが、有利態様と不利態様の違いであればよい。
【0030】
3)特定演出
本実施形態では、大当たり遊技中に特定演出が実行される。以下、当該特定演出について詳細に説明する。特定演出は、当たり遊技における単位遊技が実行されていない期間(以下、当該期間を特定期間(
図5参照)と称することもある)中に実行される。単位遊技が実行されている期間以外の期間は大入賞領域10が閉鎖された状態にあることに照らせば、特定期間は大入賞領域10が閉鎖された状態(開閉部材11が閉位置に位置した状態)にある期間であるということもできる。
【0031】
全ての大当たり遊技において特定演出が発生する必要はない。大当たり遊技のうちの少なくとも一部(複数種の大当たりのうちの少なくとも一部)である特定大当たり遊技にて特定演出が発生する。本実施形態における特定大当たり遊技は、八個の単位遊技を含むものである(
図5参照)。すなわち「8ラウンド大当たり」である。以下、1回目の単位遊技を第1ラウンド、2回目の単位遊技を第2ラウンド、3回目の単位遊技を第3ラウンド・・・と称することもある。
【0032】
特定大当たりのパターン(有利態様・不利態様の組み合わせ)として、計五種類のパターン(第一パターン(PAT1)~第五パターン(PAT5))を含むテーブル(特定大当たりの具体的態様を決定するためのテーブル)が設定されている(
図6参照)。特定大当たり当選時に、第一パターン~第五パターンのいずれが実行されるかは内部的には決まっている。端的にいえば、大当たり当選の契機となった乱数(大当たり乱数)により、第一パターン~第五パターンのいずれが実行されるかが決まるということである。ただし、第一パターン~第五パターンの特定大当たりのいずれが実行されるかを、遊技者が前もって把握することは困難または不可能である(大当たりの種類を示すLEDの点灯パターン等を解析することで把握できるような設定とすることはここでいう「困難」に相当するものとする)。
【0033】
本実施形態では、特定大当たり遊技を通じ、最小で一回、最大で四回の特定演出が実行される可能性がある。以下、実行される順に、第一特定演出、第二特定演出、第三特定演出、第四特定演出と称する(
図5参照)。
【0034】
第一特定演出は、特定大当たり遊技における第1ラウンドの単位遊技が開始されるよりも前の期間(以下、ラウンド開始前期間と称する)中に実行される(
図5参照)。具体的には、第一特定演出の開始から終了までの期間が、ラウンド開始前期間に含まれるように設定される。特定大当たりに当選した場合、第一特定演出は必ず実行される(詳細は後述するが、第二特定演出~第四特定演出は実行されない可能性がある)。
【0035】
第二特定演出~第四特定演出は、ある単位遊技が終了してから次の単位遊技が開始されるまでの期間(以下、ラウンド間期間と称する)中に実行される(
図5参照)。具体的には、第二特定演出~第四特定演出のそれぞれは、演出の開始から終了までの期間が、ラウンド間期間に含まれるように設定される。第二特定演出は、第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間中に実行される。第三特定演出は、第4ラウンドと第5ラウンドの間のラウンド間期間中に実行される。第四特定演出は、第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間中に実行される。なお、本実施形態では、全てのラウンド間期間の長さが一定とされている。
【0036】
特定演出は、将来的に(特定演出が実行された後の特定大当たり遊技中の期間のことをいう)実行される一または複数の単位遊技の少なくとも一部の態様が有利態様となるかどうかを示すものである。特定演出の結果として成功結果(遊技者に有利な結果)および失敗結果(遊技者に不利な結果)が設定されており、成功結果となった場合は、将来的に実行される一または複数の単位遊技の少なくとも一部の態様が有利態様となる。
【0037】
本実施形態における特定演出はいわゆる「バトル演出」である。遊技者側(味方側)キャラクタと敵側キャラクタが戦い、遊技者側キャラクタが勝利することが成功結果として、遊技者側キャラクタが敗北する(敵側キャラクタが勝利する)ことが失敗結果として設定されているものである(
図7、
図10参照)。ただし、このようなバトル演出とすることはあくまで一例である。ラウンド開始前期間やラウンド間期間に収まる長さの演出であって、演出の結果として遊技者に有利な結果とそれとは逆の結果が設定されたものであればよい。
【0038】
大当たりに当選した場合(
図7(a)参照)、ラウンド開始前期間に第一特定演出が実行される(
図5、
図7(b)~(d)参照)。第一特定演出が成功結果となった場合(
図7(c)参照)、第1ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が有利態様となる(
図8参照)。すなわち、特定大当たり遊技を構成する全ての単位遊技が有利態様となるものである(
図6のテーブルにおける第一パターンが選択されたケースに相当する)。したがって、遊技者にとっては最も好ましい結果であるといえる。別の見方をすれば、第一特定演出には、第1ラウンド~第8ラウンドの単位遊技を含む単位遊技群が対応づけられており、第一特定演出は当該単位遊技群に含まれる単位遊技の全てについて有利態様となるかどうかを示すものであるといえる。なお、本実施形態では、第一特定演出が成功結果となった場合、第二特定演出~第四特定演出は実行されない。第一特定演出が成功結果となることで全ての単位遊技が有利態様となることが確定するため、第二特定演出~第四特定演出を実行する必要性がなくなるからである。ただし、敢えて、第二特定演出~第四特定演出(成功結果となるもの)が実行されるようにしてもよい。
【0039】
第一特定演出が成功結果とならなかった場合、すなわち失敗結果となった場合(
図7(d)参照)、第1ラウンド、第2ラウンドは不利態様となる(
図9参照)。第2ラウンド後のラウンド間期間中に第二特定演出が実行される(
図5、
図10(a)参照)。第二特定演出が成功結果となった場合(
図10(b)参照)、第3ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が有利態様となる(
図10(d)参照)(
図6のテーブルにおける第二パターンが選択されたケースに相当する)。別の見方をすれば、第二特定演出には、第3ラウンド~第8ラウンドの単位遊技を含む単位遊技群が対応づけられており、第二特定演出は当該単位遊技群に含まれる単位遊技の全てについて有利態様となるかどうかを示すものであるといえる。なお、本実施形態では、第二特定演出が成功結果となった場合、第三特定演出、第四特定演出は実行されない。第二特定演出が成功結果となることでそれ以降に実行される全ての単位遊技が有利態様となることが確定するため、第三特定演出、第四特定演出を実行する必要性がなくなるからである。ただし、敢えて、第三特定演出、第四特定演出(成功結果となるもの)が実行されるようにしてもよい。
【0040】
第二特定演出が成功結果とならなかった場合(
図10(c)参照)、すなわち失敗結果となった場合、第3ラウンド、第4ラウンドは不利態様となる(
図10(e)参照)。第4ラウンド後のラウンド間期間中に第三特定演出が実行される(
図5、
図10(f)参照)。第三特定演出が成功結果となった場合、第5ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が有利態様となる(
図10(g)参照)(
図6のテーブルにおける第三パターンが選択されたケースに相当する)。別の見方をすれば、第三特定演出には、第5ラウンド~第8ラウンドの単位遊技を含む単位遊技群が対応づけられており、第三特定演出は当該単位遊技群に含まれる単位遊技の全てについて有利態様となるかどうかを示すものであるといえる。なお、本実施形態では、第三特定演出が成功結果となった場合、第四特定演出は実行されない。第三特定演出が成功結果となることでそれ以降に実行される全ての単位遊技が有利態様となることが確定するため、第四特定演出を実行する必要性がなくなるからである。ただし、敢えて、第四特定演出(成功結果となるもの)が実行されるようにしてもよい。
【0041】
第三特定演出が成功結果とならなかった場合、すなわち失敗結果となった場合、第5ラウンド、第6ラウンドは不利態様となる(
図10(h)参照)。第6ラウンド後のラウンド間期間中に第四特定演出が実行される(
図5、
図10(i)参照)。第四特定演出が成功結果となった場合、第7ラウンド、第8ラウンドの単位遊技が有利態様となる(
図10(j)参照)(
図6のテーブルにおける第四パターンが選択されたケースに相当する)。別の見方をすれば、第四特定演出には、第7ラウンド、第8ラウンドの単位遊技を含む単位遊技群が対応づけられており、第四特定演出は当該単位遊技群に含まれる単位遊技の全てについて有利態様となるかどうかを示すものであるといえる。
【0042】
第四特定演出が成功結果とならなかった場合、すなわち失敗結果となった場合、第7ラウンド、第8ラウンドは不利態様となる(
図10(h)参照)(
図6のテーブルにおける第五パターンが選択されたケースに相当する)。つまり、本実施形態では、第四特定演出が失敗結果となった場合、特定大当たり遊技を構成する全ての単位遊技が不利態様となるものである。したがって、遊技者にとっては最も好ましくない結果であるといえる。
【0043】
なお、有利態様の単位遊技および不利態様の単位遊技の少なくともいずれか一方においては、有利態様や不利態様であることを示す画像が表示領域911に表示されるようにするとよい(有利態様実行時に不利態様実行時には表示されない画像が表示されたり、不利態様実行時に有利態様実行時には表示されない画像が表示されたりするとよい)。本実施形態では、有利態様の単位遊技において「フルオープン」という文字を含む画像(不利態様実行時には表示されない画像)が表示される(
図8参照)。このようにすることで、現在実行されている単位遊技の態様が分かりやすくなる。
【0044】
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、単位遊技が実行されていない期間中に、将来的に実行される一または複数の単位遊技の少なくとも一部の態様が有利態様となるかどうかを示す特定演出が実行される。したがって、単位遊技が実行されていない期間が長い(「待ち時間」が長い)と遊技者が感じてしまうことにより、当たり遊技の趣向性が低下してしまうおそれを低減することが可能である。遊技機を設計する観点で言えば、趣向性の低下を抑制しつつ、単位遊技が実行されていない期間を長くすることでいわゆる「短時間出玉率」を低くすることができる。
【0045】
4)以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0046】
○第一具体例
上記実施形態では、特定演出が成功結果となった場合、それ以降の単位遊技の全てが有利態様となることが確定する設定であること、すなわちある単位遊技が一旦有利態様となった場合、それ以降の単位遊技の全てが有利態様となるものであることを説明したが、ある単位遊技が有利態様となった後、それ以降の単位遊技が不利態様となる場合がある設定とする。その一例としては以下のような構成とすることが考えられる。
【0047】
上記実施形態と同様に、特定演出として、第一特定演出~第四特定演出が発生しうるものとする。各特定演出が発生しうるタイミングは上記実施形態と同様であるとする。ラウンド開始前期間にて実行される第一特定演出(
図11(a)参照)が成功結果となった場合には、第1ラウンド、第2ラウンドは有利態様となる(
図11(b)参照)。一方、第一特定演出が失敗結果となった場合には、第1ラウンド、第2ラウンドは不利態様となる(
図11(c)参照)。つまり、第一特定演出は、第1ラウンド、第2ラウンドを含む単位遊技群に対応づけられ、当該単位遊技群に含まれる全ての単位遊技が有利態様となるか不利態様となるかを示すものとされる。
【0048】
同様に、第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間にて実行される第二特定演出(
図11(d)参照)は、第3ラウンド、第4ラウンドを含む単位遊技群に対応づけられる。第二特定演出が成功結果となった場合には、第3ラウンド、第4ラウンドは有利態様となり(
図11(e)参照)、失敗結果となった場合には、第3ラウンド、第4ラウンドは不利態様となる(
図11(f)参照)。第4ラウンドと第5ラウンドの間のラウンド間期間にて実行される第三特定演出(
図11(g)参照)は、第5ラウンド、第6ラウンドを含む単位遊技群に対応づけられる。第三特定演出が成功結果となった場合には、第5ラウンド、第6ラウンドは有利態様となり(
図11(h)参照)、失敗結果となった場合には、第5ラウンド、第6ラウンドは不利態様となる(
図11(i)参照)。第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間にて実行される第四特定演出(
図11(j)参照)は、第7ラウンド、第8ラウンドを含む単位遊技群に対応づけられる。第四特定演出が成功結果となった場合には、第7ラウンド、第8ラウンドは有利態様となり(
図11(k)参照)、失敗結果となった場合には、第7ラウンド、第8ラウンドは不利態様となる(
図11(l)参照)。
【0049】
このように、本例は、各特定演出のそれぞれに二つの単位遊技(単位遊技群)が対応づけられ、ある特定演出が成功結果となった場合はそれに対応づけられた二つの単位遊技が有利態様に、失敗結果となった場合はそれに対応づけられた二つの単位遊技が不利態様になるというものである。つまり、単位遊技開始前および所定数の単位遊技が実行される度に特定演出が発生し、対応する単位遊技が有利態様となるかどうかを示す。
【0050】
本例のようにすることで、予め定められたラウンド間期間にて必ず特定演出が発生することになるため、単位遊技が実行されていない期間が長いと遊技者が感じてしまうおそれをさらに低減することが可能である。
【0051】
なお、各特定演出に対応づけられる単位遊技の数は適宜増減可能である。各単位遊技に一の単位遊技が対応づけられたものとしてもよい。この場合、特定大当たり遊技における全てのラウンド間期間において特定演出が発生することになる。
【0052】
また、本例は、各特定演出に対応づけられた単位遊技群の数が同じ(本例では2つ)であるが、各特定演出に対応づけられた単位遊技群の数が同じではない構成としてもよい。例えば、ある特定演出は、二つの単位遊技が有利態様となるか不利態様となるかを示すものである一方、別の特定演出は、三つの単位遊技が有利態様となるか不利態様となるかを示すものとしてもよい。
【0053】
○第二具体例
特定演出が成功結果となった場合に有利態様となることが確定する単位遊技の数が一定ではない構成とする。すなわち、ある特定演出に対応づけられた単位遊技群に含まれる単位遊技の数が変化しうる構成とする。例えば、
図12に示すように、上記第一具体例にて説明した第二特定演出(第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間中に発生する特定演出)が成功結果となる場合、第3ラウンドと第4ラウンド(二つの単位遊技)が有利態様となることが確定する結果(
図12(b)参照)のみならず、第3ラウンド~第6ラウンド(四つの単位遊技)が有利態様となることが確定する結果(
図12(c)参照)や、第3ラウンド~第8ラウンド(六つの単位遊技)が有利態様となることが確定する結果(
図12(d)参照)が発生する場合があるものとする。なお、第3ラウンドと第4ラウンドが有利態様となる結果や、第3ラウンド~第6ラウンドが有利態様となる結果が発生した場合であっても、それ以降の単位遊技が不利態様となるとは限らないものとする(あくまで、第二特定演出が成功結果となった時点にて有利態様となることが「確定」する単位遊技の数が異なるということである)。
【0054】
特定演出の内容により、有利態様となることが確定する単位遊技の数が示唆されるようにしてもよい。具体的には、敵側キャラクタとして敵A、敵B、敵Cの三種類が設定され(
図12(a)参照)、「敵Aを倒す成功結果<敵Bを倒す成功結果<敵Cを倒す成功結果」の順で、単位遊技の数が多くなりやすい設定とする。敵Aを倒した場合は二つの単位遊技が有利態様となることが確定し(
図12(b)参照)、敵Bを倒した場合は四つの単位遊技が有利態様となることが確定し(
図12(c)参照)、敵Cを倒した場合は六つの単位遊技が有利態様となることが確定する(
図12(d)参照)といったように、特定演出の内容と、有利態様となることが確定する単位遊技の数が対応づけられた設定としてもよい。このようにすることで、特定演出の内容に対して遊技者が注目する度合が高められる。
【0055】
特定演出の内容は、特定演出が成功結果となる蓋然性を示唆するものとしてもよい。例えば、「敵C<敵B<敵A」の順で、成功結果となる蓋然性が高くなる設定(敵Cが最も強く、敵Aが最も弱い)としてもよい(
図12(a)の点線囲み部分参照)。このようにすることで、「強い敵」(成功結果となる蓋然性が低い場合)ほど、成功結果となったときに有利態様となることが確定する単位遊技の数が多い(「弱い敵」(成功結果となる蓋然性が高い場合)ほど、成功結果となったときに有利態様となることが確定する単位遊技の数が少ない)という面白みのある遊技性を実現することが可能である。
【0056】
○第三具体例
特定大当たりのパターンを決定するテーブルは上記実施形態と同じ(
図6参照)であり、特定演出として、ラウンド開始前期間中に第一特定演出が(
図13(a)参照)、第4ラウンドと第5ラウンドの間のラウンド間期間中に第二特定演出が発生しうる(
図13(f)参照)ものとする。上記実施形態と同様に、特定演出が成功結果となった場合には、それ以降の単位遊技の全てが有利態様となることが確定する設定であるとする。すなわち、第一特定演出が成功結果となった場合には、第1ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が有利態様となり(
図13(b)参照)、第二特定演出が成功結果となった場合には、第5ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が有利態様となる(
図13(g)参照)構成であることを基本とする。
【0057】
本例は、特定大当たり遊技中に、特定演出に加え、特殊演出が発生しうるものである。特殊演出は、各特定演出に対応づけられたものである。すなわち、第一特定演出に対応する第一特殊演出、第二特定演出に対応する第二特殊演出が発生しうる。本例では、第一特殊演出は第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間中に、第二特殊演出は第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間中に発生しうる。また、特殊演出は、対応する特定演出が成功結果となったときは発生することはなく、対応する特定演出が失敗結果となったときに発生しうるものである。つまり、第一特殊演出は、第一特定演出が失敗結果となったときに発生することがあり、第二特殊演出は、第二特定演出が失敗結果となったときに発生することがある(
図13参照)。
【0058】
各特殊演出の内容は、対応づけられた特定演出の内容に応じたものとされる。具体的には、各特殊演出は、対応する特定演出の結果(失敗結果)を覆すような内容や、対応する特定演出の続きを表すような内容とされる。上記実施形態のように、特定演出がバトル演出であるとするのであれば、特殊演出はいわゆる復活演出(逆転演出)とすることが考えられる(
図15(a)参照)。つまり、特定演出の結果が、遊技者側キャラクタが敗北するという失敗結果となった後、特殊演出により、遊技者側キャラクタが復活する(復活して敵側キャラクタを倒す)というような内容とされる。第一特定演出と第二特定演出のバトルの内容(登場するキャラクタの種類等)が異なるのであれば、各特定演出に応じた特殊演出とされる(特殊演出にて登場するキャラクタが、対応する特定演出に合わせたものとされる)。
【0059】
上述した通り、第一特定演出(
図13(a)参照)が成功結果となった場合、第1ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が有利態様となり(
図13(b)参照)、第一特殊演出は発生しない。第一特定演出が失敗結果となった場合、第1ラウンド、第2ラウンドの単位遊技が不利態様となることは確定する(
図13(c)、
図14(a)~(c)参照)。第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間中に第一特殊演出が発生した場合には、第3ラウンド~第8ラウンドの単位遊技は有利態様となる(
図13(d)、
図15(a)~(c)参照)。一方、第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間中に第一特殊演出が発生しなかった場合には、第3ラウンド、第4ラウンドの単位遊技も不利態様となる(
図13(e)、
図16(a)(b)参照)。このように、第一特定演出が失敗結果となることは、基本的には、少なくとも第1ラウンド~第4ラウンドが不利態様となることを示すものであるといえる。ただし、途中で第一特殊演出が発生することで、第3ラウンド以降の単位遊技が有利態様となる設定としている。遊技者の視点で言えば、第一特定演出が失敗結果となることで、少なくとも第1ラウンド~第4ラウンドが不利態様となることが想定されていたところ、第一特殊演出の発生により不利態様となることが想定されていた複数の単位遊技のうちの一部の単位遊技が有利態様に覆るという喜ばしい変化が起こりうるということである。
【0060】
第一特定演出が失敗結果となり、第一特殊演出が発生しなかった場合、第1ラウンド~第4ラウンドが不利態様となり、第4ラウンドと第5ラウンドの間のラウンド間期間中に第二特定演出が発生する(
図13(f)参照)。第二特定演出が成功結果となった場合、第5ラウンド~第8ラウンドが有利態様となり(
図13(g)参照)、第二特殊演出は発生しない。第二特定演出が失敗結果となった場合、第5ラウンド、第6ラウンドの単位遊技が不利態様となることは確定する(
図13(h)、
図14(a)~(c)参照)。第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間中に第二特殊演出が発生した場合には、第7ラウンド、第8ラウンドの単位遊技は有利態様となる(
図13(i)、
図15(a)~(c)参照)。一方、第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間中に第二特殊演出が発生しなかった場合には、第7ラウンド、第8ラウンドの単位遊技も不利態様となる(
図13(j)、
図16(a)(b)参照)。このように、第二特定演出が失敗結果となることは、基本的には、第5ラウンド~第8ラウンドが不利態様となることを示すものであるといえる。ただし、途中で第二特殊演出が発生することで、第7ラウンド以降の単位遊技が有利態様となる設定としている。遊技者の視点で言えば、第二特定演出が失敗結果となることで、第5ラウンド~第8ラウンドが不利態様となることが想定されていたところ、第二特殊演出の発生により不利態様となることが想定されていた複数の単位遊技のうちの一部の単位遊技が有利態様に覆るという喜ばしい変化が起こりうるということである。
【0061】
本例を以下のように変更等してもよい。
【0062】
上述した第一具体例にて説明した着想が組み込まれた構成とする。
図17に示すように、第一特定演出が成功結果となることは、第1ラウンド~第4ラウンドが有利態様となることを確定させるものとし、第5ラウンド~第8ラウンドが有利態様となるとは限らない設定とする。すなわち、第一特定演出は、第1ラウンド~第4ラウンドが有利態様となるか不利態様となるかを示すことを基本構成とする。第一特定演出が失敗結果となり、第一特殊演出が発生しなかった場合には、第1ラウンド~第4ラウンドの単位遊技が不利態様となる。一方、第一特定演出が失敗結果となり、第一特殊演出が発生した場合には、第3ラウンド、第4ラウンドの単位遊技が有利態様となる(第5ラウンド~第8ラウンドが有利態様となるとは限らない)(
図17(a)~(e)参照)。また、第二特定演出は、第5ラウンド~第8ラウンドが有利態様となるか不利態様となるかを示すことを基本構成とする。第二特定演出が失敗結果となり、第二特殊演出が発生しなかった場合には、第5ラウンド~第8ラウンドの単位遊技が不利態様となる。一方、第二特定演出が失敗結果となり、第二特殊演出が発生した場合には、第7ラウンド、第8ラウンドの単位遊技が有利態様となる(
図17(f)~(j)参照)。このように、第一特定演出は第1ラウンド~第4ラウンドの単位遊技群、第二特定演出は第5ラウンド~第8ラウンドの単位遊技群に対応づけられたものであることが明確になるようにした上で、第一特定演出の失敗結果後第一特殊演出が発生した場合や、第二特定演出の失敗結果後第二特殊演出が発生した場合には、各特定演出に対応づけられた単位遊技群の一部が有利態様となるようにする。
【0063】
所定のラウンド間期間中に必ず特殊演出が発生するようにしてもよい。上記例に則していえば、第2ラウンドと第3ラウンドの間のラウンド間期間中に第一特殊演出が、第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間中に第二特殊演出が発生するものとする。そして、特殊演出の「結果」に応じ、その後の展開が異なるものとする。例えば、特殊演出は、味方側キャラクタが復活しそうな状況であることを示すような演出(「煽り」が発生するような演出)であるとする(
図18(a)参照)。味方側キャラクタが復活するという成功結果となった場合(
図18(b)参照)には、一部の単位遊技(第一特殊演出である場合には第3ラウンド、第4ラウンド、第二特殊演出である場合には第7ラウンド、第8ラウンド)が有利態様となるようにする一方、味方側キャラクタが復活しない失敗結果となった場合(
図18(c)参照)には、当該一部の単位遊技が有利態様にはならない設定とする。このようにすることで、所定のラウンド間期間にて必ず特殊演出が発生することになるから、当該ラウンド間期間が長い(「待ち時間」が長い)と遊技者が感じてしまうおそれを低減することが可能である。
【0064】
○第四具体例
特定演出に対応づけられた単位遊技の数が遊技者に把握できるようにする。例えば、上記実施形態に則していえば、第二特定演出が成功結果となった場合、第3ラウンド~第8ラウンドが有利態様となる。第二特定演出の帰趨が、第3ラウンド~第8ランドに影響を与えることになる。それを示すため、第二特定演出が実行されている最中に、所定の演出画像20(例えば、「メダル」を表したような画像)を六つ表示する。「×N(Nは個数を表す数字)」といった表現により演出画像20の個数を示してもよい(
図19(a)参照)。第二特定演出が成功結果となった場合には、当該六つの演出画像20が取得されたような映像を表示する(特定演出が成功結果となったことによる「報酬」が得られたかのような映像を表示する)(
図19(b)参照)。このような六つの演出画像20が表示されるようにすることで、遊技者は、第二特定演出が「六つのラウンド」に対応づけられたものであるということを把握することが可能となる。図示しないが、第二特定演出のケースと同様に、第一特定演出が実行されている最中には演出画像20が八つ、第三特定演出が実行されている最中には演出画像20が四つ、第四特定演出が実行されている最中には演出画像20が二つ表示されるようにすればよい。
【0065】
本例のように、ラウンド数に応じた演出画像20が表示されるのであれば、当該演出画像20を「ラウンド消化」を分かりやすく示す要素として用いることもできる。例えば、第二特定演出が成功結果となり、六つの演出画像20が取得されたかのような映像を表示する(
図19(b)参照)。その後、第3ラウンドにて当該六つの演出画像20が所定位置に並ぶように表示される(
図19(c)参照)。第3ラウンドが終了することを契機として六つの演出画像20のうちの一つが消去または態様変化(例えば、明度が低下する)するように制御される(
図19(d)参照)ことで、当該第3ラウンドが終了したことが分かりやすくなる。第4ラウンド以降も、各ラウンドが終了する度に一つずつ演出画像20が消去または態様変化するように制御される。このように、特定演出にて得られた「報酬」と、その後の「単位遊技(ラウンド)の消化」がリンクする構成とすることで、特定大当たり遊技中における一連の演出が分かりやすくなる。
【0066】
なお、本例は、各特定演出が成功結果となったときに有利態様となることが確定する単位遊技の数が決まっていない構成に対して適用することが好ましい。すなわち、上記第二具体例のような構成に対して適用することが好ましい。このようにすることで、演出画像20が示す単位遊技の数に遊技者が注目する演出態様となる。この場合、上記演出画像20は、特定演出が実行されている最中(結果に至るよりも前)には表示されず、特定演出が成功結果となった場合に限り表示されるようにしてもよい。つまり、実際に所定数の単位遊技が有利態様となることが確定するという「結果」が生じた場合に、当該単位遊技の数を示す画像が表示されるようにする。
図19に示すように、結果に至るよりも前に単位遊技の数が示されるようにすれば、単位遊技の数が多い場合ほど、遊技者が成功結果となることを強く願う遊技性を実現することが可能である。一方、結果に至ってはじめて単位遊技の数が示される構成とすれば、成功結果となったときに単位遊技の数が多くなることを願う遊技性を実現することが可能である。
【0067】
○第五具体例
上記実施形態では、ラウンド開始前期間に特定演出(第一特定演出)が実行されることを説明したが、ラウンド開始前期間においては特定演出が実行されない構成としてもよい。単位遊技同士の間のインターバル(ラウンド間期間)が長くなることは遊技者に苛立ちを与えてしまうおそれが高いが、第1ラウンドが開始される前の期間は実質的には大当たり遊技が開始される前の期間であるから長くなっても遊技者が苛立つおそれは低いと判断し、ラウンド間期間中においてのみ特定演出が実行される構成としてもよい。例えば、上記実施形態に則していえば、特定大当たりの第1ラウンド、第2ラウンドは有利態様となることが決まっている構成とし、第3ラウンド以降が有利態様となるかどうかがラウンド間期間中に発生する特定演出にて示されるものとする。すなわち、特定大当たりを構成する一番目の単位遊技を含む二以上の単位遊技が有利態様となること(または不利態様となること)が確定した設定とし、ラウンド開始前期間において特定演出が実行されないようにする。
【0068】
○第六具体例
ラウンド間期間の長さが、特定演出が実行されるラウンド間期間と、特定演出が実行されないラウンド間期間とで異なるものとする。例えば、上述した第一具体例にて説明したように、第2ラウンドと第3ラウンドの間、第4ラウンドと第5ラウンドの間、第6ラウンドと第7ラウンドの間のラウンド間期間中に特定演出が実行されるのであれば、これらのラウンド間期間の長さの方が、特定演出が実行されないラウンド間期間の長さよりも長くなるようにする(
図20参照)。
【0069】
特定演出は、ラウンド間期間の長さを遊技者に感じさせないようにする効果を発現するものである。したがって、特定演出が発生するラウンド間期間は比較的長く設定することができる。しかし、特定演出が発生しないラウンド間期間を比較的長くする(特定演出が発生するラウンド間期間と同程度の長さとする)と、特定演出による上記効果が発現されないため、当該期間が長いと感じてしまうおそれが高くなる。したがって、特定演出が実行されるラウンド間期間よりも、特定演出が実行されないラウンド間期間を短くする。
【0070】
なお、特定演出が発生する各ラウンド間期間の長さは一定でなくてもよい。同様に、特定演出が発生しない各ラウンド間期間の長さは一定でなくてもよい。特定演出が発生する各ラウンド間期間の長さの平均よりも、特定演出が発生しない各ラウンド間期間の長さの平均が短い設定であればよい。
【0071】
○第七具体例
遊技者が操作可能な操作手段30を備えたものとする。操作手段30は、遊技者が操作可能なものであればよく、その一例としては「押しボタン」(
図1参照)を挙げることができる。複数種の操作手段30が設けられた構成としてもよい。遊技者に対し、操作手段30の操作が要求される操作演出が、特定演出として発生するものとする(
図21参照)。具体的には、遊技者に対して操作手段30を操作することが要求され(
図21(b)参照)、操作手段30の操作がなされることを契機として(または、操作手段30の操作が有効となる操作有効時間が経過することを契機として)結果が示される(
図21(c)、(d)参照)ものとする。
【0072】
なお、特定大当たり遊技を通じて発生する二以上の特定演出の全部が操作演出である設定としてもよいし、二以上の特定演出の一部が操作演出である設定としてもよい。また、遊技者の身体の一部(「手」等)を検出するセンサを設け、当該センサに身体の一部が検出される状態となることが「操作手段の操作」と同等に取り扱われるような操作演出としてもよい。
【0073】
特定演出は、単位遊技が実行されていない期間を遊技者に長く感じさせないようにするためのものである。特定演出を操作演出とし、単位遊技が実行されていない期間にて遊技者が「動作」することにより、当該期間を遊技者が長く感じてしまうおそれがさらに低減されることになる。
【0074】
特定演出が操作演出となる場合もあれば操作演出とならない場合もある設定とするのであれば、特定演出が操作演出となるかどうかが、特定演出が成功結果となる蓋然性を示唆するものとしてもよい。例えば、特定演出が操作演出である場合の方が、操作演出でない場合に比して、成功結果となる蓋然性が高くなるような設定とする。このようにすることで、特定演出として操作演出が発生するかどうかに遊技者が注目することになるため、単位遊技が実行されていない期間を長く感じさせない効果がさらに高まることに期待できる。
【0075】
なお、特定演出が操作演出とされるかどうかによらず、特定演出はラウンド間期間を超えて実行されるようにしてもよい。換言すれば、特定演出が実行される期間の一部が、単位遊技が実行されている期間に重複していてもよい。ラウンド間期間を超えて特定演出が実行される場合には、特定演出の開始時点がラウンド間期間の前(単位遊技中)であり、特定演出の終了時点がラウンド間期間中である設定とすることが好ましい。このようにすることで、対応する単位演出が開始されるよりも前に特定演出の結果が示されることになるから、特定演出が分かりやすくなる。
【0076】
○第八具体例
単位遊技の態様は、三つ以上の態様が設定されたものとしてもよい。各態様は、一の単位遊技にて得られる遊技球の利益(純増数)の期待値が異なるものであればよい。例えば、上記実施形態にて説明した有利態様と不利態様の間の概念(中間態様)が設定された構成としてもよい。中間態様の単位遊技にて得られる利益の期待値は、不利態様の単位遊技にて得られる利益の期待値を超え、有利態様の単位遊技にて得られる利益の期待値未満とされる。中間態様は、不利態様と同様に、大入賞領域10が開放された状態と閉鎖された状態が交互に繰り返されるものであり、不利態様よりも大入賞領域10が閉鎖された時間が短い態様(遊技球の「こぼし」の量が不利態様よりも少ない)ものとすることが考えられる。
【0077】
この場合、特定演出の結果として、成功結果、失敗結果とは異なる別の結果(特定演出をいわゆる「バトル演出」とするのであれば「引き分け」を当該別の結果として設定することが考えられる)が発生しうるようにし、当該別の結果が発生した場合には、対応する単位遊技が中間態様となるような構成とすることが考えられる。
【0078】
また、特定演出の内容に応じ、対応する単位遊技の態様が遊技者にとって有利なものとなる蓋然性の高低が示唆されるようにしてもよい。例えば、上記第二具体例にて説明したような敵の種類が変化しうる特定演出とし、強い敵を倒した場合ほど有利態様となる蓋然性が高くなるように(弱い敵を倒した場合ほど中間態様となる蓋然性が高くなるように)設定することが考えられる。
【0079】
また、有利態様に含まれる態様として利益の期待値が異なる二以上の態様が設定された構成としてもよいし、不利態様に含まれる態様として利益の期待値が異なる二以上の態様が設定された構成としてもよい。
【0080】
○第九具体例
特定大当たり遊技を通じて発生する複数の特定演出の結果(成功結果/失敗結果)に関し、所定の法則が設定された構成とする。具体的には、ある特定演出(以下、本例の説明において「対象特定演出」と称することもある)の結果が、それよりも前に実行された二以上の特定演出(以下、本例の説明において「先の特定演出」と称することもある)の結果から予測できる場合がある構成とする。
【0081】
例えば、第四特定演出を「対象特定演出」とし、第一特定演出~第三特定演出を「先の特定演出」とする。すなわち、第一特定演出~第三特定演出の結果から、第四特定演出の結果が予測できる場合があるものとする。一例として、第一特定演出~第三特定演出が全て失敗結果(味方側キャラクタが敗北する結果)となった場合には、必ず第四特定演出が成功結果(味方側キャラクタが勝利する結果)となる法則を設定とすることが考えられる。つまり、第1ラウンド~第6ラウンドが不利態様となった場合には、第7ラウンド、第8ラウンドが必ず有利態様となる設定である。
【0082】
上記のような法則を設定する場合は、特定大当たりを構成する八つの単位遊技のうち二つ(第四特定演出に対応づけられた単位遊技の数と同数)の単位遊技は必ず有利態様となるもの(第一条件)であり、かつ、第7ラウンド、第8ラウンドが必ず有利態様となるものではない(第二条件)というテーブルを用いればよい(当該テーブルの一例を
図22に示す)。第一条件を設定することにより、第1ラウンド~第6ラウンドが不利態様となった場合には、第7ラウンド、第8ラウンドが必ず有利態様となる。第二条件を設定することにより、どのような場合であっても第7ラウンド、第8ラウンドが必ず有利態様となるような構成(第四特定演出が必ず成功結果となるような構成)が除外される。
図22に示すテーブルでは、パターン4(PAT4)が「第一特定演出~第三特定演出が全て失敗結果となった場合には、必ず第四特定演出が成功結果となる」というケースにあたる。
【0083】
○第十具体例
一の特定大当たり遊技にて複数の特定演出が発生する場合、ある特定演出(以下、本例の説明において「先の特定演出」と称することもある)の内容と次の特定演出(以下、本例の説明において「後の特定演出」と称することもある)の内容が関連するものとする。つまり、後の特定演出の内容が、先の特定演出の内容を踏まえたものであるとする。
【0084】
上記実施形態にて説明した、第一特定演出~第四特定演出が発生しうるものを例に説明する。第一特定演出(
図23参照)は、味方側キャラクタが先制攻撃するかどうかの演出である。味方側キャラクタが先制攻撃することが成功結果(
図23(b)参照)として、味方側キャラクタが先制攻撃しない(敵側キャラクタが先制攻撃すること)が失敗結果(
図23(c)参照)として設定されている。味方側キャラクタが先制攻撃した場合はそのまま味方側キャラクタが勝利することに至る演出が実行される。その結果、第1ラウンド~第8ラウンドが有利態様となる。
【0085】
第二特定演出(
図24参照)は、敵側キャラクタの攻撃を味方側キャラクタがかわすかどうかの演出である。すなわち、失敗結果となる第一特定演出(先の特定演出)は、敵側キャラクタが先制攻撃するという演出であるのであるから、その内容を受けた「続き」の演出が第二特定演出(後の特定演出)として実行される。味方側キャラクタが敵側キャラクタの攻撃をかわすことが成功結果(
図24(b)参照)として、味方側キャラクタが敵側キャラクタの攻撃を受けることが失敗結果(
図24(c)参照)として設定されている。味方側キャラクタが攻撃をかわした場合はそのまま味方側キャラクタが勝利することに至る演出が実行される。その結果、第3ラウンド~第8ラウンドが有利態様となる。
【0086】
第三特定演出(
図25参照)は、敵側キャラクタの攻撃を受けた味方側キャラクタが立ち上がるかどうかの演出である。すなわち、失敗結果となる第二特定演出(先の特定演出)は、味方側キャラクタが敵側キャラクタの攻撃を受けるという演出であるのであるから、その内容を受けた「続き」の演出が第三特定演出(後の特定演出)として実行される。味方側キャラクタが立ち上がることが成功結果(
図25(b)参照)として、味方側キャラクタが立ち上がれない(ダウンする)ことが失敗結果(
図25(c)参照)として設定されている。味方側キャラクタが立ち上がった場合はそのまま味方側キャラクタが勝利することに至る演出が実行される。その結果、第5ラウンド~第8ラウンドが有利態様となる。
【0087】
第四特定演出(
図26参照)は、ダウンした味方側キャラクタを助けるお助けキャラクタが登場するかどうかの演出である。すなわち、失敗結果となる第三特定演出(先の特定演出)は、味方側キャラクタがダウンするという演出であるのであるから、その内容を受けた「続き」の演出が第四特定演出(後の特定演出)として実行される。お助けキャラクタが登場することが成功結果(
図26(b)参照)として、お助けキャラクタが登場しない(味方側キャラクタがダウンしたままである)ことが失敗結果(
図26(c)参照)として設定されている。お助けキャラクタが登場した場合はそのまま味方側キャラクタ(お助けキャラクタ)が勝利することに至る演出が実行される。その結果、第7ラウンド~第8ラウンドが有利態様となる。
【0088】
このように、特定大当たり遊技を構成する特定演出の内容が、先の特定演出の内容を受けた「続き」を示すようなものとする(ストーリー性のある内容とする)ことで、特定大当たり遊技(特定演出)の趣向性をさらに向上させることが可能である。
【0089】
○第十一具体例
特定演出にて示される対象は、その後実行される単位遊技の態様(単位遊技が有利態様となるか否か)に限られるものではない。遊技者に有利な事象が発生するか否かを示すものであればよい。例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が、通常遊技状態よりも有利な遊技状態(例えば、確率変動状態)となるか否か、大当たり遊技終了後に大当たり当選が確定しているか否か(いわゆる保留内連チャンが発生するかどうか)を示す特定演出が発生してもよい。また、いわゆる「設定」(設定毎に大当たり確率が異なる)が設けられる場合には、当該「設定」の示唆に特定演出を用いてもよい。
【0090】
○第十二具体例
上記実施形態では、特定大当たりを構成する有利態様・不利態様の組み合わせのパターンは予め定められていることを説明したが、一または二以上の単位遊技を有利態様とするか不利態様とするかについて、その都度抽選により決定する手法としてもよい。例えば、「第1ラウンド・第2ラウンド」「第3ラウンド・第4ラウンド」「第5ラウンド・第6ラウンド」「第7ラウンド・第8ラウンド」のそれぞれを一組とし、各組に含まれる単位遊技を有利態様とするかどうかの抽選が行われる(計4回抽選が行われる)ものとする。このようにした場合、第一特定演出~第四特定演出のそれぞれは、各抽選の結果を示すものということになる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0092】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0093】
・手段1
当否判定結果が当たりとなることを契機として、複数の単位遊技を含む当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、前記当たり遊技において前記単位遊技が実行されていない期間である特定期間中に、遊技者に有利な事象が発生するか否かを示す特定演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、単位遊技が実行されていない特定期間中に特定演出が実行されるから、遊技者が特定期間を長く感じてしまうことで当たり遊技の趣向性が低下してしまうおそれを低減することが可能である。
【0094】
・手段2
前記単位遊技の態様として、有利態様および当該有利態様よりも遊技者が得られる利益の期待値が小さい不利態様が設定されており、前記特定演出は、将来的に実行される一または複数の前記単位遊技の少なくとも一部の態様が前記有利態様となるかどうかを示すものであることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このように、単位遊技の態様として有利態様および不利態様を設定することで、特定演出を有利態様となるかどうかを示す演出として用いることができる。
【0095】
・手段3
前記有利態様の前記単位遊技は、所定の入賞領域が開放された状態が保たれるものであり、前記不利態様の前記単位遊技は、前記入賞領域が開放された状態と閉鎖された状態が交互に繰り返されるものであることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、不利態様の単位遊技においては、入賞領域が閉鎖された状態にあったために入賞しない遊技球が発生することになるから、有利態様の単位遊技に比して遊技者が得られる利益の期待値が低くなる。
【0096】
・手段4
前記特定演出の結果が遊技者に有利な結果となった場合、当該特定演出に対応づけられた単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技の全てが前記有利態様となることを特徴とする手段2または手段3に記載の遊技機。
このように、特定演出の結果が有利な結果となった場合、二以上の単位遊技が有利態様となることが確定するような設定とすることができる。
【0097】
・手段5
前記特定演出の結果が遊技者に不利な結果となった場合、前記単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技のうち、少なくとも最初に実行される前記単位遊技が前記不利態様となることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
特定演出の結果が不利な結果となった場合、少なくとも最初に実行される単位遊技が不利態様となるような構成とすればよい。
【0098】
・手段6
前記特定演出の結果が遊技者に不利な結果となったものの、特殊演出が発生した場合には、前記単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技のうちの一部は前記有利態様となり、前記特定演出の結果が遊技者に不利な結果となり、前記特殊演出が発生しなかった場合には、前記単位遊技群に含まれる二以上の前記単位遊技の全てが前記不利態様となることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
このような構成とすることで、単位遊技群に含まれる全ての単位遊技が不利態様となると思っていたところ、特殊演出が発生することでそれが覆される場合があるという面白みのある遊技性を実現することが可能である。
【0099】
・手段7
前記特殊演出は、前記特定期間中に発生するものであることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊演出によっても、遊技者が特定期間を長く感じてしまうおそれを低減することが可能となる。
【0100】
・手段8
前記単位遊技群に含まれる前記単位遊技の数は変化しうるものであることを特徴とする手段4から手段7のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、当たり遊技を変化に富んだものとすることができる。
【0101】
・手段9
前記特定演出の内容により、前記単位遊技群に含まれる前記単位遊技の数が示唆されることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が特定演出の内容に注目することになるから、特定期間を長く感じてしまうおそれをさらに低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1 遊技機
10 大入賞領域
11 開閉部材
91 表示装置
911 表示領域