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特許7322295複数の存在センサシステムへの異なるタスクの割り当て
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-28
(45)【発行日】2023-08-07
(54)【発明の名称】複数の存在センサシステムへの異なるタスクの割り当て
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20230731BHJP
   H05B 47/12 20200101ALI20230731BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20230731BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230731BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230731BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20230731BHJP
   G01S 13/04 20060101ALI20230731BHJP
   G01S 13/86 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/12
H05B47/13
G08B21/02
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G01S13/04
G01S13/86
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022529377
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2020081719
(87)【国際公開番号】W WO2021099189
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】62/939,024
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19216496.0
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】マエス ジェローム エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224526(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102858(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03499323(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/125
H05B 47/12
H05B 47/13
G08B 21/02
G08B 25/04
G08B 25/00
G01S 13/04
G01S 13/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて人間及び/又は動物の存在検出を行うためのコントローラであって、前記第2のセンサシステムは、前記第1のセンサシステムとは異な、当該コントローラは、
少なくとも1つの入力インターフェースと、
少なくとも1つの出力インターフェースと、
前記第1のセンサシステム及び前記第2のセンサシステムからセンサ信号を受信するために前記少なくとも1つの入力インターフェースを使用する、
前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲及び前記第2のセンサシステムのセンサ範囲の両方にあるかを決定する、及び
前記第1の1つ以上のエリアに関して、前記第1のセンサシステムによって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように前記第2のセンサシステムを制御するために前記少なくとも1つの出力インターフェースを使用し、前記第1のタスクは、前記第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む、
ように構成される、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、コントローラ。
【請求項2】
前記第1のセンサシステムは、前記第1のタスクを実行するために少なくとも1つのカメラ及び/又は少なくとも1つのマイクロ波センサ及び/又は少なくとも1つのマイクロフォン及び/又は少なくとも1つの振動センサ及び/又は少なくとも1つのPIRセンサを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記第2のセンサシステムは、前記第2のタスクを実行するために受信無線周波数信号の変化を決定するように構成される、請求項1又は2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記第2のタスクは、データ通信、人の状態の検出、人のカウント、人の識別、動物の状態の検出、動物のカウント、動物の識別、転倒検出、心拍検出、ジェスチャ検出、歩容検出、呼吸検出のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のセンサシステムから前記第1の1つ以上のエリアに関する第1のセンサデータを受信する、及び、前記第1のセンサデータに基づいて、前記第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを前記第2のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて前記第2のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを前記第2のセンサシステムに指示するように構成される、請求項4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサ信号に基づいて、前記複数のエリアのうちのどの第2の1つ以上のエリアが、前記第2のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定するために前記少なくとも1つの入力インターフェースを使用するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のセンサシステムから前記第1の1つ以上のエリアに関する第1のセンサデータを受信する、及び、前記第1のセンサデータに基づいて、前記第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第3のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて前記第3のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを前記第2のセンサシステムに指示するように構成され、前記第3のタスクは、前記第2の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべき第3のセンサデータを得ることを含む、請求項6に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のセンサシステムから前記第1の1つ以上のエリアに関する第2のセンサデータを受信する、前記第2のセンサデータを前記第1のセンサデータと比較する、及び、前記比較に基づいて、前記第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを前記第3のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて前記第3のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを前記第2のセンサシステムに指示するように構成される、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の1つ以上のエリアにおいて第1の送信特性を有する及び前記第2の1つ以上のエリアにおいて第2の送信特性を有する1つ以上の無線周波数信号を送信するように前記第2のセンサシステムを制御するように構成され、前記第2の送信特性は、前記第1の送信特性とは異なる、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記第1の送信特性は前記第2のタスクに関連付けられ、前記第2の送信特性は存在検出に関連付けられる、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のセンサシステムから第1のセンサデータを及び前記第2のセンサシステムから第2のセンサデータを受信し、前記第1のセンサデータは前記第1のセンサシステムによって収集され、前記第2のセンサデータは前記第2のセンサシステムによって収集される、及び、前記第1のセンサデータ及び前記第2のセンサデータに基づいて前記第1の1つ以上のエリアを決定するように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記第2のセンサシステムは複数の照明デバイスを含み、前記照明デバイスの各々はセンサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、光をレンダリングするように前記照明デバイスを制御する、前記第1のセンサシステムから初期センサデータを受信し、前記初期センサデータは前記光が前記第1のセンサシステムによって捕捉されたかどうかを反映する、及び、前記初期センサデータに基づいて前記第1の1つ以上のエリアを決定するように構成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第3の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、前記第2のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定するために前記少なくとも1つの入力インターフェースを使用するように構成される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項14】
第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて人間及び/又は動物の存在検出を行う方法であって、前記第2のセンサシステムは、前記第1のセンサシステムとは異な、当該方法は、
前記第1のセンサシステム及び前記第2のセンサシステムからセンサ信号を受信することと、
前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲及び前記第2のセンサシステムのセンサ範囲の両方にあるかを決定することと、
前記第1の1つ以上のエリアに関して、前記第1のセンサシステムによって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように前記第2のセンサシステムを制御することであって、前記第1のタスクは、前記第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む、ことと、
を含む、方法。
【請求項15】
少なくとも1つのソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又は前記コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記ソフトウェアコード部分は、コンピュータシステムで実行されると、請求項14に記載の方法が実行されることを可能にするように構成される、コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又はコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行うためのコントローラに関する。
【0002】
本発明はさらに、第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行う方法に関する。
【0003】
本発明はまた、コンピュータシステムがこのような方法を実行することを可能にするコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0004】
スマートホーム及びスマートオフィスでは、例えば、自動的にライトをオン及びオフする並びに自動的に暖房/空調を制御するために、人間の存在検出の重要性が高まっている。存在検出は、PIRディテクタ又はカメラを使用して実現されることが多い。ここ数年、ネットワークベースの存在センシング技術が成熟し、市場に現れている。顕著な例は、Ivaniの「ネットワーク存在センシング(network presence sensing)」技術である。この技術のアプリケーションは、環境の変化に基づいて動きを検出することから、人数カウント及び位置特定(people counting and locating)へと多岐ににわたる。
【0005】
典型的にはRF通信を使用して実施され、RFベースのセンシング(RF-based sensing)と呼ばれる、この技術の裏にある主要なアイデアは、(例えば、IoTデバイス間の)ワイヤレス通信の挙動(behavior)を測定することである。人の位置及び人数、体重、移動方向並びに他のパラメータがこの挙動に影響を与え、検出された変化(例えば、信号強度又はチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)の変化)に基づいて、人又は人のグループが検出されることができる。
【0006】
存在センサシステムの普及が進んでいることに起因して、建物内に複数の存在センサシステムが設置されている可能性がより高くなっている。位置追跡のためのUS 2018/0115876 A1に述べられているのと同様のやり方で、人間の存在検出を改善するために2つの存在センサシステムの出力を組み合わせることは可能であるが、センサシステムの一方又は両方がそれ自体ですでに十分に人間の存在を検出できる場合、これはリソースの無駄である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の目的は、2つの存在センサシステム間の改善された相乗効果(synergy)を生み出す、コントローラを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、2つの存在センサシステム間の改善された相乗効果を生み出す、方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様において、第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行うためのコントローラであって、前記第2のセンサシステムは、前記第1のセンサシステムとは異なるタイプである、コントローラは、少なくとも1つの入力インターフェースと、少なくとも1つの出力インターフェースと、前記第1のセンサシステム及び/又は前記第2のセンサシステムからセンサ信号を受信するために前記少なくとも1つの入力インターフェースを使用する、前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲及び前記第2のセンサシステムのセンサ範囲の両方にあるかを決定する、及び、前記第1の1つ以上のエリアに関して、前記第1のセンサシステムによって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように前記第2のセンサシステムを制御するために前記少なくとも1つの出力インターフェースを使用し、前記第1のタスクは、前記第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む、ように構成される、少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0010】
どの(複数の)エリアに2つのセンサシステムのカバレッジのオーバーラップがあるかを判断し、オーバーラップエリアにおいて2つのセンサシステムの一方に存在検出とは異なるタスクを割り当て、他方のセンサシステムは、オーバーラップエリアにおける存在検出を担うことにより、リソースの無駄が低減され、2つのセンサシステム間の改善された相乗効果が生み出される。前記存在検出は、人間の存在検出及び/又は動物の存在検出を含んでもよい。
【0011】
前記第1のセンサシステムは、例えば、前記第1のタスクを実行するために1つ以上のカメラ及び/又は1つ以上のマイクロフォン及び/又は1つ以上のマイクロ波センサ及び/又は1つ以上の振動センサ及び/又は1つ以上のPIRセンサを含んでもよい。マイクロ波センサを含む存在ディテクタ(presence detector)は、通常、表面から跳ね返り、マイクロ波センサに戻るマイクロ波を投射するであろう。前記第2のセンサシステムは、例えば、前記第2のタスクを実行するために受信無線周波数信号(received radio frequency signal)の例えば信号強度又はチャネル状態情報(CSI)の変化を決定するように構成されてもよい。
【0012】
前記第2のタスクは、例えば、データ通信、人の状態の検出、人のカウント(counting people)、人の識別、動物の状態の検出、動物のカウント(counting animals)、動物の識別、転倒検出、心拍検出、ジェスチャ検出、歩容(gait)検出、呼吸検出のうちの少なくとも1つを含んでもよい。人の状態を検出することは、例えば、人の姿勢(例えば、立つ、座る、横たわる)、人のアクティビティ(例えば、テレビを見ている、料理をしている又は働いている)及び/又はアクティビティレベル(例えば、静(quiet)からじっとしていない(restless)までの範囲)を検出することを含んでもよい。これらの第2のタスクを実行するために、RFベースのセンシングシステムの異なるセンシングノードを使用する及び/又は異なる送信特性を使用することが有益であり得る。例えば、1600Hzの周波数で繰り返し送信される5GHz RF信号は、典型的には、転倒検出に好ましく、60GHz RF信号は、典型的には、ある部屋に限定される(confined)存在検出に好ましく、より長く続く送信は、典型的には、データ通信に好ましい。
【0013】
また、(ミリ波を使用する)60GHz RFベースのセンシングは、心拍を判断する及びジェスチャ検出を行うために使用されてもよい。さらに、60GHz WiFiは、2つのセンシングノード間で身体が引き起こす無線遮蔽(radio-shade)を判断することにより人の外形(outline)をスキャンすることができるステアラブル(steerable)ビームを提供する。外形は、人を識別する及び医療上の問題(例えば、人がまっすぐ歩いていない等)を識別するために重要である人の歩容を判断するために使用されることができる。
【0014】
それゆえ、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のセンサシステムから前記第1の1つ以上のエリアに関する第1のセンサデータを受信する、及び、前記第1のセンサデータに基づいて、前記第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを前記第2のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて前記第2のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを前記第2のセンサシステムに指示するように構成されてもよい。どのノードを使用するかを第2のセンサシステムに指示することは、どの(複数の)トランスミッタ-レシーバグループ/ペアを使用するかを第2のセンサシステムに指示することを含んでもよい。例えば、地面に近いノードは、転倒検出に好ましくあり得る。
【0015】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサ信号に基づいて、前記複数のエリアのうちのどの第2の1つ以上のエリアが、前記第2のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定するために前記少なくとも1つの入力インターフェースを使用するように構成されてもよい。これは、オーバーラップするエリアに関する第1のセンサシステムの出力が、第2のセンサシステムによってのみカバーされるエリアにおける存在検出を向上させるために使用されることを可能にする。
【0016】
前記少なくともつのプロセッサは、前記第1のセンサシステムから前記第1の1つ以上のエリアに関する第1のセンサデータを受信する、及び、前記第1のセンサデータに基づいて、前記第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第3のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて前記第3のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを前記第2のセンサシステムに指示するように構成され、前記第3のタスクは、前記第2の1つ以上のエリアにおける存在検出(例えば、人間及び/又は動物の存在検出)に使用されるべき第3のセンサデータを得ることを含んでもよい。例えば、カメラベースのセンサシステムは、人の身長を検出するために使用されてもよく、この身長は、RFベースのセンシングシステムがオーバーラップエリア外でどの1つ以上のノードを使用すべきかを決定するために使用されてもよい。
【0017】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のセンサシステムから前記第1の1つ以上のエリアに関する第2のセンサデータを受信する、前記第2のセンサデータを前記第1のセンサデータと比較する、及び、前記比較に基づいて、前記第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを前記第3のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて前記第3のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを前記第2のセンサシステムに指示するように構成されてもよい。例えば、人が第1のセンサシステムによって検出されるが、第2のシステムによって検出されない場合、異なる送信特性が試されてもよい。これにより、RFベースのセンシングシステムが設置された建物においてどの送信特性がRFベースのセンシングに適しているかを自動的に学習できるようになり得る。
【0018】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の1つ以上のエリアにおいて第1の送信特性を有する及び前記第2の1つ以上のエリアにおいて第2の送信特性を有する1つ以上の無線周波数信号を送信するように前記第2のセンサシステムを制御するように構成され、前記第2の送信特性は、前記第1の送信特性とは異なってもよい。例えば、前記第1の送信特性は、前記第2のタスクに関連付けられてもよく、前記第2の送信特性は、存在検出(例えば、人間及び/又は動物の存在検出)に関連付けられてもよい。例えば、前記第2のセンサシステムは、オーバーラップするエリアにおいて5GHz RF信号で転倒検出を行い、オーバーラップしないエリアにおいて60GHz RF信号で存在検出を行ってもよい。
【0019】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1のセンサシステムから第1のセンサデータを及び前記第2のセンサシステムから第2のセンサデータを受信し、前記第1のセンサデータは前記第1のセンサシステムによって収集され、前記第2のセンサデータは前記第2のセンサシステムによって収集される、及び、前記第1のセンサデータ及び前記第2のセンサデータに基づいて前記第1の1つ以上のエリアを決定するように構成されてもよい。これは、システムが、どのエリアで両センサシステムが人を検出することができるのかを経時的に学習する、すなわち、オーバーラップするエリアが何であるかを経時的に学習することを可能にし、これにより、キャリブレーションなしでシステムを使用することができるようになる。
【0020】
前記第2のセンサシステムは複数の照明デバイスを含み、前記照明デバイスの各々はセンサを含んでもよく、前記少なくとも1つのプロセッサは、光をレンダリングするように前記照明デバイスを制御する、前記第1のセンサシステムから初期センサデータを受信し、前記初期センサデータは前記光が前記第1のセンサシステムによって捕捉されたかどうかを反映する、及び、前記初期センサデータに基づいて前記第1の1つ以上のエリアを決定するように構成されてもよい。これは、システムが、初期キャリブレーションステップの直後に2つの存在センサシステム間の改善された相乗効果を利用することを可能にする。
【0021】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第3の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、前記第2のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定するために前記少なくとも1つの入力インターフェースを使用するように構成されてもよい。これは、例えば、第1のセンサシステムにどのように指示するかを決定するために使用されてもよい。例えば、エリアがカメラベースのシステムによってのみカバーされている場合、オーバーラップしている2つのセンサシステムのセンサデータの比較は、カメラベースのシステムの感度が増加される必要があるという結論をもたらし得る。
【0022】
本発明の第2の態様において、第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行う方法であって、前記第2のセンサシステムは、前記第1のセンサシステムとは異なるタイプである、方法は、前記第1のセンサシステム及び/又は前記第2のセンサシステムからセンサ信号を受信することと、前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲及び前記第2のセンサシステムのセンサ範囲の両方にあるかを決定することと、前記第1の1つ以上のエリアに関して、前記第1のセンサシステムによって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように前記第2のセンサシステムを制御することであって、前記第1のタスクは、前記第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む、こととを含む。前記方法は、プログラマブルデバイスで実行されるソフトウェアによって実行されてもよい。このソフトウェアは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0023】
さらに、本明細書で説明される方法を実践するためのコンピュータプログラム、並びに、そのコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイスによってダウンロードされるか、又は、既存のデバイスにアップロードされてもよく、あるいは、これらのシステムの製造時に記憶されてもよい。
【0024】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのソフトウェアコード部分を記憶し、ソフトウェアコード部分は、コンピュータによって実行又は処理されると、第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行うための実行可能動作(executable operation)であって、前記第2のセンサシステムは、前記第1のセンサシステムとは異なるタイプである、実行可能動作を実行するように構成される。
【0025】
実行可能動作は、前記第1のセンサシステム及び/又は前記第2のセンサシステムからセンサ信号を受信することと、前記センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、前記第1のセンサシステムのセンサ範囲及び前記第2のセンサシステムのセンサ範囲の両方にあるかを決定することと、前記第1の1つ以上のエリアに関して、前記第1のセンサシステムによって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように前記第2のセンサシステムを制御することであって、前記第1のタスクは、前記第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む、こととを含む。
【0026】
当業者には理解されるように、本発明の諸態様は、デバイス、方法、又はコンピュータプログラムプロダクトとして具現化されてもよい。したがって、本発明の諸態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、あるいは、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取ってもよく、それらは全て、本明細書では「回路」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。本開示で説明される機能は、コンピュータのプロセッサ/マイクロプロセッサによって実行される、アルゴリズムとして実装されてもよい。さらには、本発明の諸態様は、1つ以上のコンピュータ可読媒体として具現化されている、コンピュータプログラムプロダクトの形態を取ってもよく、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、その上に具現化されている、例えば記憶されている、コンピュータ可読プログラムコードを有する。
【0027】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、あるいは、上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。より具体的なコンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定するものではないが、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory;RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory;ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory;EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(portable compact disc read-only memory;CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせを挙げることができる。本発明の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、又は記憶することが可能な、任意の有形媒体であってもよい。
【0028】
コンピュータ可読信号媒体としては、例えばベースバンド内又は搬送波の一部として、その内部に具現化されているコンピュータ可読プログラムコードを有する、伝搬データ信号を挙げることができる。そのような伝搬信号は、限定するものではないが、電磁気、光学、又はこれらの任意の好適な組み合わせを含めた、様々な形態のうちのいずれを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを、通信、伝搬、又は伝送することが可能な、任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0029】
コンピュータ可読媒体上に具現化されているプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RF等、又は上述の任意の好適な組み合わせを含めた、任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。本発明の諸態様に関する動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含めた、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれてもよい。このプログラムコードは、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network;LAN)若しくは広域ネットワーク(wide area network;WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。
【0030】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラムプロダクトの、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本発明の諸態様が以下で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装されることができる点が理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置の、プロセッサ、特にマイクロプロセッサ又は中央処理ユニット(central processing unit;CPU)に提供されてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスのプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するための手段を作り出す。
【0031】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することが可能な、コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施する命令を含む、プロダクトを作り出す。
【0032】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、それらのコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0033】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるデバイス、方法、及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実装の、アーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。また、一部の代替的実装形態では、ブロック内に記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい点にも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、それらブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施されることができる点にも留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下の図面から明らかであり、例として、それらの図面を参照してさらに解明されるであろう。
図1】システムの一実施形態のブロック図である。
図2図1のシステムが住宅で使用されている例を示す。
図3】2つの異なるセンサシステムのカバレッジエリアの第1の例を示す。
図4】2つの異なるセンサシステムのカバレッジエリアの第2の例を示す。
図5】方法の第1の実施形態のフロー図である。
図6】方法の第2の実施形態のフロー図である。
図7】方法の第3の実施形態のフロー図である。
図8】方法の第4の実施形態のフロー図である。
図9】本発明の方法を実行するための例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面中の対応する要素は、同じ参照番号によって示される。
【0036】
図1は、第1のセンサシステム52及び第2のセンサシステム51を用いて存在検出を行うためのコントローラの一実施形態を示している。この実施形態において、コントローラは、デバイス、ブリッジ1である。代替的な実施形態では、コントローラは、デバイスの一部である。第2のセンサシステム51は、第1のセンサシステム52とは異なるタイプである。図1の例では、第1のセンサシステム52は、カメラデバイス41及び42を含み、第2のセンサシステム51は、照明デバイス31~37を含む。
【0037】
図1の例では、照明デバイス31~37の各々は、センサとしてRFレシーバを含み、RFレシーバを用いてRFベースのセンシングを実行することができる。図1の例では、1つ以上のRF信号は、照明デバイス31~37のうちの1つ以上によって送信される。1つ以上のRF信号は、照明デバイス31~37のうちの他の照明デバイスによって受信される。例えば、照明デバイス31~37は、Hueランプであってもよく、ブリッジ1は、Hueブリッジであってもよい。
【0038】
ブリッジ1及び照明デバイス31~37は、例えば、Zigbee(登録商標)を介して通信してもよい。ブリッジ1は、例えば、Ethernet(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)を介してワイヤレスLANアクセスポイント17に接続されてもよい。図1の例では、ワイヤレスLANアクセスポイント17は、インターネット11に接続される。図1の例では、ブリッジ1及びカメラデバイス41、42は、例えばZigbeeを介して、直接通信する。代替的に、ブリッジ1及びカメラデバイス41、42は、ワイヤレスLANアクセスポイント17を介して通信してもよい。
【0039】
ブリッジ1は、レシーバ3、トランスミッタ4、プロセッサ5、及びメモリ7を含む。プロセッサ5は、第1のセンサシステム52、すなわち、カメラデバイス41、42、及び/又は、第2のセンサシステム51、すなわち、照明デバイス31~37からセンサ信号を受信するためにレシーバ3を使用する、及び、センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、第1のセンサシステム52のセンサ範囲及び第2のセンサシステム51のセンサ範囲の両方にあるかを決定するように構成される。この情報は、メモリ7及び/又はインターネット11に接続されるインターネットサーバ13に記憶されてもよい。
【0040】
プロセッサ5はさらに、第1の1つ以上のエリアに関して、第1のセンサシステム52によって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように第2のセンサシステム51、すなわち、照明デバイス31~37を制御するためにトランスミッタ4を使用するように構成される。第1のタスクは、第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む。
【0041】
図1の例では、RFノードを含む第1の存在センシングシステム及びカメラを含む第2の存在センシングシステムが建物内に設置されている。ブリッジ1は、システムの1つ以上のRFノードが人の存在を検出するのと同時に、第2の存在センシングシステムが人の存在を検出するかどうかを判断するように構成される。ブリッジ1は、RFノードから及び第2の存在センシングシステムからデータを受信し、存在が1つ以上のRFノードによって検出される場合に第2の存在センシングシステムのカメラによって存在が検出されるときを判断してもよい。この判断に基づいて、タスクAが、カメラと同時に存在を検出した1つ以上のRFノードに割り当てられてもよく、タスクB、例えば、存在検出タスクが、当該時点でトリガされないRFノードに割り当てられてもよい。任意選択的に、ブリッジ1は、存在検出タスクをカメラに割り当ててもよい。
【0042】
照明デバイス31~37がWi-Fiライトであり、カメラデバイス41~42がWi-Fiカメラである場合、これらは、互いに影響を与える可能性がある。ある状況下では、Wi-FiカメラのストリーミングはRFベースのセンシングを妨害する可能性があるが、カメラが(A)建物空間内の中央に(例えば、オープンプランオフィスの真ん中に)配置され、(B)空間内のすべてのWi-Fiライトのワイヤレス範囲内にある状況では、ビデオストリーミングはRFベースのセンシング性能を援助する(aid)可能性がある。それゆえ、ブリッジ1は、Wi-Fiカメラがストリーミングしていることが検出される場合、例えば、デュアル無線(dual-radio)Wi-FiライトをBluetooth Low Energy(BLE)からWi-Fi通信に切り替えることによって、RFセンシングストラテジを調整するように構成されてもよい。
【0043】
図1の例では、第1のセンサシステムは、第1のタスクを実行する1つ以上のカメラを含む。代替的又は追加的に、第1のセンサシステムは、第1のタスクを実行するために1つ以上のマイクロフォン及び/又は1つ以上のマイクロ波センサ及び/又は1つ以上の振動センサ及び/又は1つ以上のPIRセンサを含んでもよい。図1の例では、第2のセンサシステムは、第2のタスクを実行するために受信無線周波数信号の信号強度の変化を決定するように構成される。
【0044】
図1の実施形態では、コントローラ、すなわち、ブリッジ1は、第1のセンサシステム又は第2のセンサシステムの一部ではない。代替的な実施形態では、コントローラ、例えば、ブリッジ1は、第1のセンサシステム又は第2のセンサシステムの一部である。
【0045】
図1に示されるブリッジ1の実施形態では、ブリッジ1は1つのプロセッサ5を含む。代替的な実施形態では、ブリッジ1は複数のプロセッサを含む。ブリッジ1のプロセッサ5は、例えばARMベースの、汎用プロセッサ、又は特定用途向けプロセッサであってよい。ブリッジ1のプロセッサ5は、例えば、Unix(登録商標)ベースのオペレーティングシステムを実行してもよい。メモリ7は、1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。メモリ7は、例えば、ソリッドステートメモリを含んでもよい。メモリ7は、例えば、コネクテッドライトのテーブル(table of connected lights)を記憶するために使用されてもよい。
【0046】
レシーバ3及びトランスミッタ4は、例えば、ワイヤレスLANアクセスポイント17と通信するためにEthernet(登録商標)及び照明デバイス31~37と通信するためにZigbee(登録商標)等、1つ以上の有線又はワイヤレス通信技術を使用してもよい。代替的な実施形態では、単一のレシーバ及び単一のトランスミッタの代わりに、複数のレシーバ及び/又は複数のトランスミッタが使用される。図1に示される実施形態では、別個のレシーバ及び別個のトランスミッタが使用されている。代替的な実施形態では、レシーバ3及びトランスミッタ4は、トランシーバにまとめられる。ブリッジ1は、電源コネクタ等のネットワークデバイスに典型的な他の構成要素を含んでもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサで実行されるコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0047】
図1の実施形態では、本発明のシステムは、ブリッジを含む。代替的な実施形態では、本発明のシステムは、異なるデバイス、例えば、中央(ホーム)制御システム又はスマートフォンである。図1の実施形態では、本発明のシステムは、単一のデバイスを含む。代替的な実施形態では、本発明のシステムは、複数のデバイスを含む。
【0048】
図2は、図1のブリッジ1が住宅59で使用されている例を示している。照明デバイス31は、住宅59の1階のホールに配置されている。照明デバイス32及び33は、住宅59の1階のリビングルームに配置されている。照明デバイス34及び37は、住宅59の2階のバスルームに配置されている。照明デバイス35は、住宅59の2階のホールに配置されている。照明デバイス36は、住宅59の2階のベッドルームに配置されている。
【0049】
さらに、カメラ41は、住宅59の1階のリビングルームに配置され、カメラ42は、住宅59の1階のホールに配置されている。斯くして、第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムの両方が、住宅59の1階のリビングルーム及びホールをカバーしている。両方のセンサシステムがこれらの部屋で存在検出を行うことはリソースの無駄であろうから、これらの部屋の一方又は両方に対して異なるタスクがセンサシステムに割り当てられてもよい。例えば、リビングルームに対して異なるタスクが第1のセンサシステムに割り当てられてもよく、ホールに対して異なるタスクが第2のセンサシステムに割り当てられてもよい。
【0050】
図3は、2つの異なるセンサシステムのカバレッジエリアの第1の例を示している。存在センシングのためのRFノードを含むセンサシステムは、建物71のエリア81~87をカバーする。カメラベースのセンサシステムは、エリア91及び92をカバーする。この例では、カメラによってカバーされるすべてのエリアがRFノードによってもカバーされるので、図1のブリッジ1によって決定される第1のエリアは、エリア91及び92に対応する。存在センシングのためのRFノードは、RF信号の外乱(disturbance)を検出することによってユーザの存在を検出してもよく、代替的に、ユーザによって担持されるパーソナルRFデバイスの近接を検出することによってユーザの存在を検出してもよく、又は両方の技術の組合せを使用してもよい。
【0051】
ブリッジ1はまた、複数のエリアのうちのどの第2の1つ以上のエリアが、第2のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、第1のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定する。図3の例では、第2のエリアは、エリア91及び92とオーバーラップしないエリア81~87(及び/又はこれらの一部)である。エリア85は、第2のエリアの一例である。
【0052】
高度な実施形態では、カメラベースのセンサシステムは、画像に加えて音を捕捉する。この実施形態では、コントローラは、RFノードを以下の3つのグループに分割してもよい。
・ 存在センシングエリアがカメラの視野に対応するRFノードの第1のグループ
・ 存在センシングエリアがカメラの視野外にあるカメラのマイクロフォンのオーディオ範囲に対応するRFノードの第2のグループ
・ 存在センシングエリアがカメラの視野又はオーディオ範囲に対応しないRFノードの第3のグループ
【0053】
図4は、建物71における2つの異なるセンサシステムのカバレッジエリアの第2の例を示している。この第2の例では、RFノードによってカバーされるエリアが、エリア81~82及び84~87と少なくなっている。例えば、カメラは、侵入者の最良の画像が得られることができる倉庫の中央部を主にカバーするために使用されてもよく、RF-センシングは、壁に数メートルごとに設けられるZigBee緊急照明壁スコーン(ZigBee emergency lighting wall sconce)を利用して倉庫の周囲をカバーするために主に使用されてもよい。
【0054】
その結果、カメラによってカバーされるすべてのエリアが、RFノードによってもカバーされるわけではない。この状況において、ブリッジ1は、複数のエリアのうちのどの第3の1つ以上のエリアが、第1のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、第2のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定してもよい。エリア77は、このような第3のエリアの一例である。
【0055】
図3及び図4の例では、センサ範囲は、円によって表されている。しかしながら、カメラ及びPIRセンサ等の視野センサと比較して、RFベースのセンシングは、明確に定義されない検出エリア(ill-defined detection area)を有し、通常は、アメリカンフットボール型体積の検出ボリューム(American football shape volumetric detection volume)に類似するが、経時的に一定ではなく、形状がモーフィングする。
【0056】
第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行う第1の実施形態が図5に示されている。第2のセンサシステムは、第1のセンサシステムとは異なるタイプである。ステップ101は、第1のセンサシステム及び/又は第2のセンサシステムからセンサ信号を受信することを含む。図5の実施形態では、ステップ101は、サブステップ111及び115を含む。ステップ111は、第1のセンサシステムから第1のセンサデータを受信することを含む。ステップ115は、第2のセンサシステムから第2のセンサデータを受信することを含む。
【0057】
ステップ113が、ステップ111の後に実行される。ステップ113は、第1のセンサデータに基づいて、どのエリアが第1のセンサシステムのセンサ範囲内にあるかを決定することを含む。ステップ117が、ステップ115の後に実行される。ステップ117は、第2のセンサデータに基づいて、どのエリアが第2のセンサシステムのセンサ範囲内にあるかを決定することを含む。
【0058】
ステップ103は、センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第1の1つ以上のエリアが、第1のセンサシステムのセンサ範囲及び第2のセンサシステムのセンサ範囲の両方にあるかを決定することを含む。図5の実施形態では、ステップ103は、サブステップ119を含む。ステップ119は、ステップ113及び117で決定されたエリアに基づいて、すなわち、決定されたエリアがどこでオーバーラップするかを決定することによって、第1の1つ以上のエリアを決定することを含む。
【0059】
プロセッサ105は、第1の1つ以上のエリアに関して、第1のセンサシステムによって実行されるべき第1のタスク以外の第2のタスクを実行するように第2のセンサシステムを制御することを含む。第1のタスクは、第1の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべきセンサデータを得ることを含む。
【0060】
ステップ111及び115が、ステップ105の後に繰り返される。ステップ111の次の反復で受信される第1のセンサデータは、第1のタスクを実行する第1のセンサシステムによって収集されている。ステップ115の第2の反復で受信される第2のセンサデータは、第2のタスクを実行する第2のセンサシステムによって収集されている。
【0061】
図5のステップは、例えば、どのエリアでRFノード及び第2の存在センシングシステムの両方が人の存在を検出することができるかを経時的に学習するために使用されてよい。
【0062】
自己相関が、どのRFノードのカバレッジエリアがカメラの視野とオーバーラップするかを判断するために行われてもよい。あるRFノードのペアについて、カメラがトリガされることなくRFフィールドが人間及び/又は動物によって乱される(disturbed)場合、当該ペアのライトは、家の中でカメラカバレッジのないエリアを監視していると結論づけられてもよい。さらに、どのRFノードがカメラの視野のすぐ外側にあるかを自動相関することが可能であり、したがって、カメラを補完するために使用されてもよい。
【0063】
好ましくは、コントローラは、RFノードのすべての可能な組み合わせについてRFフィールドの外乱を監視し、これに基づいて、どのセンシングペアのセットがカメラの視野と相関するかを決定する。ワイヤレス信号経路は、建築材料及び家の物理的構造(非常に非均質)に影響されるので、一見奇妙な位置にあるRFセンシングペアが最良のセンシング結果を与える可能性がある。
【0064】
すべてのワイヤレス照明ノードがRFベースのセンシングを行うように割り当てられなくてもよく、この割り当ては経時的に変化してもよい。例えば、カメラの状態(例えば、オン対オフ対暗視モード)に依存して、異なるワイヤレス照明ノードが、RFベースのセンシングを行うように割り当てられてもよい。例えば、カメラがオンである場合、カメラと同じエリアをカバーするワイヤレス照明ノードは、データ通信を行うように割り当てられてもよい。
【0065】
第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行う第2の実施形態が図6に示されている。この第2の実施形態では、第2のセンサシステムは、各々が(1つ以上の光源に加えて)センサを含み、第2のセンサシステムのノードを形成する複数の照明デバイスを含む。ステップ121は、初期段階において光をレンダリングするように照明デバイスを制御することを含む。図6の実施形態では、ステップ101は、サブステップ123を含む。ステップ123は、第1のセンサシステム、例えば、カメラベースのシステムから初期センサデータを受信することを含む。初期センサデータは、光が第1のセンサシステムによって捕捉されたかどうかを反映する。
【0066】
図6の実施形態では、ステップ103は、サブステップ125を含む。ステップ125は、初期センサデータに基づいて、第1の1つ以上のエリア、すなわち、両方のセンサシステムの範囲内にあるエリアを決定することを含む。第1のセンサシステムのカメラが、第2のセンサシステムの照明デバイスによって発せられる光を見ることができる場合、これは通常、このカメラのセンサ範囲とこの照明デバイスのセンサのセンサ範囲との間にオーバーラップがあることを意味する。図6の実施形態では、ステップ101~105は連続的に繰り返されないが、方法は、第1のセンサシステム及び/又は第2のセンサシステムに変更がある場合に再び実施される。
【0067】
したがって、コントローラは、ライトノードの光出力がカメラ画像で見えるかどうかを判断し、この情報を使用して、照明デバイス、例えば、RFノードにタスクを割り当てるように構成されてもよい。
【0068】
第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行う第3の実施形態が図7に示されている。この第3の実施形態は、図5の第1の実施形態の拡張である。この第3の実施形態では、(ステップ105において)第2のセンサシステムが第1の1つ以上のエリアに関して実行するように制御される第2のタスクは、データ通信、人の状態の検出、人のカウント、人の識別、動物の状態の検出、動物のカウント、動物の識別、転倒検出、心拍検出、ジェスチャ検出、歩容検出、呼吸検出のうちの少なくとも1つを含む。
【0069】
(ステップ113及び117を含む)ステップ101~103が2回目に実行された後、ステップ141が実行される。ステップ141は、ステップ119の現在の反復において決定された第1の1つ以上のエリアが、ステップ119の前の反復において決定された第1の1つ以上のエリアと異なるかどうかをチェックすることを含む。そうである場合、ステップ105が再び実行される。ステップ105は、ステップ119の現在の反復において決定された第1の1つ以上のエリアに関して第2のタスクを実行するように第2のセンサシステムを制御することを含む。
【0070】
ステップ141において、ステップ119の現在の反復において決定された第1の1つ以上のエリアが、ステップ119の前の反復において決定された第1の1つ以上のエリアと異ならないと判断される場合、ステップ143が実行される。ステップ143は、ステップ119で決定された第1の1つ以上のエリアに関してステップ111で受信された第1のセンサデータを分析することを含む。ステップ143はさらに、この分析に基づいて、第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第2のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて第2のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを決定することを含む。
【0071】
ステップ145が、ステップ143の後に実行される。ステップ145は、第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第2のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて第2のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを第2のセンサシステムに指示することを含む。ステップ111及び115が、ステップ105又はステップ145が実行された後に繰り返される。
【0072】
好ましくは、第2のタスクを実行するために、存在検出のためとは異なる送信特性及び/又はノードが使用されるだけでなく、データの分析も異なってもよい。斯くして、オーバーラップするエリアにおいて第2のタスク、すなわち、タスクAが割り当てられたRFノードからのRFデータは、オーバーラップしないエリアにおいて存在検出タスク、すなわち、タスクBが割り当てられたRFノードからのRFデータと比較して、異なって分析されてもよい。
【0073】
RFベースのセンシングは、家の壁によって閉じ込められる(confined)場合とされない場合がある。例えば、2.4GHz Zigbeeラジオに基づくRFベースのセンシングは壁を貫通する(及びZigBeeラジオは確実に反射を検出することができない)が、現代のWi-Fiラジオは(60GHz等の高い周波数のWi-Fiでは確実に)壁の反射を見るであろう。カメラがオン/オフであるかどうか、すなわち、RFノードが存在検出を行う必要があるか否かに依存して、RFノード、例えば、照明デバイスにおける異なる無線周波数又は信号強度が、センサ範囲を増加又は減少させるために、アクティブにされてもよい。
【0074】
存在検出が部屋に限定される必要がある場合、60GHzの周波数が好ましい。存在検出が部屋に限定される必要がない場合、2.4GHzの周波数が好ましい。データ通信の場合、2.4GHz及び60GHzの両方が適しているが、より長く続く送信がより効率的であり、それゆえ好ましい。転倒検出の場合、5GHz RF送信が用いられることが好ましく、RF送信は1600Hzの周波数で経時的に等しく広がることが好ましい。
【0075】
呼吸検出(バイタルサイン検出)の場合、40Hzの周波数で典型的には十分である。存在検出(占有検出)の場合、20Hzの周波数で典型的には十分である。これらの周波数は、RF信号自体の周波数(例えば、2.4GHz、5GHz又は60GHz)と混同されるべきでない。マイナーモーション検出(minor motion detection)は、通常、呼吸検出のために行われ、メジャーモーション検出(major motion detection)は、通常、存在検出のために行われる。
【0076】
第1のセンサシステム及び第2のセンサシステムを用いて存在検出を行う第4の実施形態が図8に示されている。この第4の実施形態は、図5の第1の実施形態の拡張である。図8の実施形態では、ステップ161が、ステップ119の後に実行される。ステップ161は、センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちのどの第2の1つ以上のエリアが、第2のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、第1のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定することを含む。任意選択的に、ステップ161は、センサ信号に基づいて、複数のエリアのうちの(もしあれば)どの第3の1つ以上のエリアが、第1のセンサシステムのセンサ範囲内にあり、且つ、第2のセンサシステムのセンサ範囲内にないかを決定することを含む。
【0077】
次に、ステップ163は、ステップ161の現在の反復において決定されたエリアが、例えば一方又は両方のセンサシステムの変化に起因して、ステップ161の前の反復と比較して変化したかどうかを判断することを含む。そうである場合、ステップ105が実行され、ステップ111及び115がステップ105の後に繰り返される。そうでない場合、ステップ165が実行される。ステップ105は、ステップ119の現在の反復において決定された第1の1つ以上のエリアに関して第2のタスクを実行するように第2のセンサシステムを制御することを含む。ステップ105は、第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第2のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて第2のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを第2のセンサシステムに指示することを含んでもよい。
【0078】
ステップ165は、ステップ115で受信した第2のセンサデータをステップ111で受信した第1のセンサデータと比較することを含む。ステップ165はさらに、比較に基づいて、第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第3のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて第3のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを決定することを含む。第3のタスクは、第2の1つ以上のエリアにおける存在検出に使用されるべき第3のセンサデータを得ることを含む。
【0079】
次に、ステップ167は、ステップ165の現在の反復において決定された1つ以上のノード及び/又は1つ以上の送信特性が、ステップ165の前の反復において決定された1つ以上のノード及び/又は1つ以上の送信特性と異なるかどうかを判断することを含む。そうでない場合、ステップ111及び115が繰り返される。そうである場合、ステップ169が実行される。
【0080】
ステップ169は、第2のセンサシステムのどの1つ以上のノードを第3のタスクを実行するために使用するか及び/又はどの1つ以上の送信特性を用いて第3のタスクを実行するために1つ以上の無線周波数信号を送信するかを第2のセンサシステムに指示することを含む。
【0081】
斯くして、第2のセンサシステムは、ステップ105において第1の1つ以上のエリアにおいて第1の送信特性を有する及びステップ169において第2の1つ以上のエリアにおいて第2の送信特性を有する1つ以上の無線周波数信号を送信するように制御されてもよい。第2の送信特性は、好ましくは、第1の送信特性とは異なる。例えば、第1の送信特性は、第2のタスクに関連付けられてもよく、第2の送信特性は、存在検出に関連付けられてもよい。
【0082】
送信RF信号の周波数、信号強度等は、例えば電力を削減するために又はネットワークトラフィックを削減するために、変化してもよい。送信のキャリア周波数も、例えば2.4GHz Wi-Fi対5GHz Wi-Fi対60GHz Wi-Fi等、変化してもよい。さらに、照明システムによって使用されるプロトコルが、(例えば、低電力消費のBLEから、コンテキストに富んだRFベースのセンシングのWi-Fiへ)変化してもよい。
【0083】
コントローラは、人が家の中で、カメラ及びRFベースのセンシングカバレッジの両方を有する第1のエリアから、RFセンシングカバレッジを有するが、カメラカバレッジを有さない第2のエリアへ移動する場合にハンドオーバメカニズムを採用してもよい。カメラシステムは、人の移動の方向性に関する情報を提供し、人のメタデータ(例えば、体の大きさの分類、人のアイデンティティ)をRFベースのセンシングシステムに提供する。
【0084】
コントローラは、人がカメラによってカバーされる空間内にまだいる際に、システムの最適化/キャリブレーションを実行してもよい。例えば、コントローラは、この特定の人についてカメラによって確立されたグランドトゥルースとの最良の相関を示すRFセンシングペアのライトを割り当ててもよい(例えば、身長1メートルの小さな子供には、RFセンシングペアとしてテーブルライトの使用が好ましく、大人には、RFセンシングペアとして2つのシーリングライトの使用が好ましい)。人がカメラの視野から外れると、RFベースのセンシングシステムが自ずと引き継ぐ。
【0085】
人がカメラの視野に再び入る場合、グランドトゥルースがカメラによって再び確立されることができ、RFセンシングシステムは戻って最近の計算を更新し、これは、近い将来のRFセンシング性能を向上させることになる。上記のことは、RFベースのセンシングシステムが人のカウントに使用され、人がカメラの視野に入ったり出たりを繰り返す場合に特に有益である。
【0086】
図7及び図8の両方の実施形態は、図5の実施形態の拡張である。代替的な実施形態において、図6の実施形態は、図7及び図8に関連して述べたのと同様に拡張される。
【0087】
図9は、図5~8を参照して述べられたような方法を実行し得る例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示している。
【0088】
図9に示されるように、データ処理システム300は、システムバス306を介してメモリ要素304に結合される、少なくとも1つのプロセッサ302を含んでもよい。それゆえ、データ処理システムは、メモリ要素304内にプログラムコードを記憶してもよい。さらに、プロセッサ302は、システムバス306を介してメモリ要素304からアクセスされるプログラムコードを実行してもよい。一態様では、データ処理システムは、プログラムコードを記憶及び/又は実行するために好適なコンピュータとして実装されてもよい。しかしながら、データ処理システム300は、本明細書内で述べられる機能を実行することが可能な、プロセッサ及びメモリを含む任意のシステムの形態で実装されてもよい点を理解されたい。
【0089】
メモリ要素304は、例えば、ローカルメモリ308及び1つ以上の大容量記憶デバイス310等の、1つ以上の物理メモリデバイスを含んでもよい。ローカルメモリとは、プログラムコードの実際の実行中に一般に使用される、ランダムアクセスメモリ又は他の非永続的メモリデバイスを指してもよい。大容量記憶デバイスは、ハードドライブ又は他の永続的データ記憶デバイスとして実装されてもよい。処理システム300はまた、実行中に大容量記憶デバイス310からプログラムコードが取得されなければならない回数を低減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供する、1つ以上のキャッシュメモリ(図示せず)を含んでもよい。また、処理システム300は、例えば、処理システム300がクラウドコンピューティングプラットフォームの一部である場合、別の処理システムのメモリ要素を使用することができてもよい。
【0090】
入力デバイス312及び出力デバイス314として示される、入出力(input/output: I/O)デバイスが、オプションとして、データ処理システムに結合されることができる。入力デバイスの例としては、限定するものではないが、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、(例えば、ボイス及び/又はスピーチ認識のための)マイク等を挙げることができる。出力デバイスの例としては、限定するものではないが、モニタ又はディスプレイ、スピーカ等を挙げることができる。入力デバイス及び/又は出力デバイスは、直接、又は介在I/Oコントローラを介して、データ処理システムに結合されてもよい。
【0091】
一実施形態では、入力デバイス及び出力デバイスは、(入力デバイス312及び出力デバイス314を取り囲む破線で図9に示されるような)複合型入力/出力デバイスとして実装されてもよい。そのような複合型デバイスの一例は、「タッチスクリーンディスプレイ」又は単に「タッチスクリーン」と称される場合もある、タッチ感知ディスプレイである。そのような実施形態では、デバイスへの入力は、タッチスクリーンディスプレイ上、又はタッチスクリーンディスプレイの近くでの、例えばスタイラス又はユーザの指等の、物理的実体の移動によって提供されてもよい。
【0092】
ネットワークアダプタ316もまた、データ処理システムに結合されて、介在する私設ネットワーク又は公衆ネットワークを介して、データ処理システムが、他のシステム、コンピュータシステム、リモートネットワークデバイス、及び/又はリモート記憶デバイスに結合されることを可能にしてもよい。ネットワークアダプタは、上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークによってデータ処理システム300に送信されるデータを受信するための、データレシーバと、データ処理システム300から上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークにデータを送信するための、データトランスミッタとを含んでもよい。モデム、ケーブルモデム、及びEthernet(登録商標)カードは、データ処理システム300と共に使用されてもよい、種々のタイプのネットワークアダプタの例である。
【0093】
図9に示されるように、メモリ要素304は、アプリケーション318を記憶してもよい。様々な実施形態では、アプリケーション318は、ローカルメモリ308、1つ以上の大容量記憶デバイス310内に記憶されてもよく、あるいは、ローカルメモリ及び大容量記憶デバイスとは別個であってもよい。データ処理システム300はさらに、アプリケーション318の実行を促すことが可能な(図9には示されない)オペレーティングシステムを実行してもよいことを理解されたい。アプリケーション318は、実行可能プログラムコードの形態で実装されており、データ処理システム300によって、例えばプロセッサ302によって、実行されることができる。アプリケーションの実行に応答して、データ処理システム300は、本明細書で述べられる1つ以上の動作又は方法ステップを実行するように構成されてもよい。
【0094】
図9は、入力デバイス312及び出力デバイス314を、ネットワークアダプタ316とは別個のものとして示している。しかしながら、追加的又は代替的に、入力はネットワークアダプタ316を介して受けられてもよく、出力はネットワークアダプタ316を介して送られてもよい。例えば、データ処理システム300は、クラウドサーバであってもよい。この場合、入力は、端末として機能するユーザデバイスから受けられてもよく、出力は、斯かるユーザデバイスに送られてもよい。
【0095】
本発明の様々な実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためのプログラムプロダクトとして実装されてもよく、このプログラムプロダクトのプログラムは、(本明細書で説明される方法を含めた)実施形態の機能を定義する。一実施形態では、このプログラムは、様々な非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができ、本明細書で使用されるとき、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という表現は、全てのコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。別の実施形態では、このプログラムは、様々な一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、限定するものではないが、(i)情報が永続的に記憶される、書き込み不可記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、ROMチップ、又は任意のタイプの不揮発性固体半導体メモリ等の、コンピュータ内部の読み出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される、書き込み可能記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内部のフロッピーディスク、又は任意のタイプのランダムアクセス固体半導体メモリ)が挙げられる。コンピュータプログラムは、本明細書で述べられるプロセッサ302上で実行されてもよい。
【0096】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではない点が、さらに理解されるであろう。
【0097】
以下の請求項における全てのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素の、対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、又は行為を含むことが意図される。本発明の実施形態の説明は、例示を目的として提示されてきたが、網羅的であるか、又は開示された形態の実装形態に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。実施形態は、本発明の原理及び一部の実際的応用を最良に説明し、想到される特定の用途に適するような様々な修正を有する様々な実施形態に関して、他の当業者が本発明を理解することを可能にするために、選択及び説明されるものとした。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9