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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-01
(45)【発行日】2023-08-09
(54)【発明の名称】作業台における手掛かり棒の支持装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/14 20060101AFI20230802BHJP
   E04G 1/34 20060101ALI20230802BHJP
   E04G 7/20 20060101ALI20230802BHJP
   E04G 7/08 20060101ALI20230802BHJP
   F16B 7/14 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
E04G5/14 301D
E04G1/34 A
E04G7/20 C
E04G7/08 A
F16B7/14 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019177296
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021055299
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】吉田 隆亘
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-107519(JP,A)
【文献】特開昭62-055378(JP,A)
【文献】特開2010-099014(JP,A)
【文献】特公昭46-002562(JP,B1)
【文献】特開2006-037485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/14
E04G 1/34
E04G 7/20
E04G 7/08
F16B 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の天板(2)の隅部近傍に柱脚(4)を設け、該柱脚の上端部の側部に手掛かり棒(5)の基端部(5a)を回動自在に枢着し、手掛かり棒を天板の上方に向けて起立する起立姿勢(P1)と、下方に向けて吊持される格納姿勢(P2)との間で姿勢変更自在とした作業台において、手掛かり棒を起立姿勢と格納姿勢に保持する支持装置であり、
起立姿勢(P1)とされた手掛かり棒を受止める上部支持板部(9A)と、格納姿勢(P2)とされた手掛かり棒を受止める下部支持板部(9B)を備えた支持金具(9)と、
前記手掛かり棒に摺動自在に外挿された摺動筒部(16a)と、該摺動筒部から手掛かり棒の基端部(5a)に向けて開口すると共に拡径された内周空間(17)を有する保持筒部(16b)を備えた操作筒体(16)により構成されており、
手掛かり棒の回動方向に関して、上部支持板部(9A)に対向する第1壁部(5A)と下部支持板部(9B)に対向する第2壁部(5B)のうち、少なくとも第1壁部(5A)の表面から進退自在に進出して突出すると共にバネ(14)により突出方向に付勢されたロックピン(13A)と、該ロックピン(13A)を挿通係止するように前記保持筒部(16b)に形成された係止孔(18A)により、操作筒体(16)を摺動不能に係止する係脱自在なロック手段が構成され、
手掛かり棒(5)を起立姿勢(P1)としたとき、第1壁部(5A)を受止める上部支持板部(9A)に形成された通孔(15A)に前記ロックピン(13A)を挿通させると共に、前記保持筒部(16b)により上部支持板部(9A)を抱持させた状態で、ロックピン(13A)を前記係止孔(18A)に挿通係止することにより起立姿勢(P1)を保持させる起立保持機構(19A)が構成され、
手掛かり棒(5)を格納姿勢(P2)としたとき、下部支持板部(9B)により第2壁部(5B)を受止め、前記保持筒部(16b)により下部支持板部(9B)を抱持させた状態で、前記ロックピン(13A)を前記係止孔(18A)に挿通係止することにより格納姿勢(P2)を保持させる格納保持機構(19B)が構成されて成ることを特徴とする作業台における手掛かり棒の支持装置。
【請求項2】
矩形の天板(2)の隅部近傍に柱脚(4)を設け、該柱脚の上端部の側部に手掛かり棒(5)の基端部(5a)を回動自在に枢着し、手掛かり棒を天板の上方に向けて起立する起立姿勢(P1)と、下方に向けて吊持される格納姿勢(P2)との間で姿勢変更自在とした作業台において、手掛かり棒を起立姿勢と格納姿勢に保持する支持装置であり、
起立姿勢(P1)とされた手掛かり棒を受止める上部支持板部(9A)と、格納姿勢(P2)とされた手掛かり棒を受止める下部支持板部(9B)を備えた支持金具(9)と、
前記手掛かり棒に摺動自在に外挿された摺動筒部(16a)と、該摺動筒部から手掛かり棒の基端部(5a)に向けて開口すると共に拡径された内周空間(17)を有する保持筒部(16b)を備えた操作筒体(16)と、
前記手掛かり棒を起立姿勢(P1)とした状態で操作筒体を摺動し、保持筒部(16b)により支持金具の上部支持板部(9A)を抱持したとき、手掛かり棒の表面から進退自在に進出して突出する第1ロックピン(13A)と、該第1ロックピンを挿通させる上部支持板部の第1通孔(15A)及び保持筒部の第1係止孔(18A)により構成された起立保持機構(19A)と、
前記手掛かり棒を格納姿勢(P2)とした状態で操作筒体を摺動し、保持筒部(16b)により支持金具の下部支持板部(9B)を抱持したとき、手掛かり棒の表面から進退自在に進出して突出する第2ロックピン(13B)と、該第2ロックピンを挿通させる下部支持板部の第2通孔(15B)及び保持筒部の第2係止孔(18B)により構成された格納保持機構(19B)とから成ることを特徴とする作業台における手掛かり棒の支持装置。
【請求項3】
手掛かり棒の回動方向に関して、手掛かり棒の周壁のうち、上部支持板部(9A)に対向する第1壁部(5A)に第1ロックピン(13A)を設けると共に該上部支持板部に第1通孔(15A)を形成し、下部支持板部(9B)に対向する第2壁部(5B)に第2ロックピン(13B)を設けると共に該下部支持板部に第2通孔(15B)を形成しており、
前記第1ロックピン(13A)と第2ロックピン(13B)は、手掛かり棒の内部に装着されたほぼU形の板バネ(14)の両端部に固着され、それぞれ第1壁部(5A)と第2壁部(5B)に形成された挿通孔(12A,12B)を挿通して壁面から突出されて成ることを特徴とする請求項2に記載の作業台における手掛かり棒の支持装置。
【請求項4】
手掛かり棒(5)の外周面と、前記操作筒体(16)における少なくとも摺動筒部(16a)の内周面は、相互に周方向に回動不能とする断面角形に形成されており、
操作筒体(16)を摺動することにより相互に当接する保持筒部(16B)の開口部と第1ロックピン(13A)及び第2ロックピン(13B)の間には、第1ロックピン及び第2ロックピンを突出状態から後退させるガイド面(17a)が形成されて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の作業台における手掛かり棒の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手掛かり棒を設けた作業台において、手掛かり棒を起立姿勢と格納姿勢に保持させるための支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業台は、天板の隅部近傍に位置して該天板の上方に向けて起立する手掛かり棒を設けており、高所作業を行う作業者の安全に供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-188000号公報
【文献】特開2013-2205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手掛かり棒は、作業台の天板の隅部近傍に設けられた柱脚の上端部の側部に枢着されており、作業台の使用時には、天板の上方に向けて起立した起立姿勢とされ、不使用時には、下方に向けて吊持された格納姿勢とされる。
【0005】
使用時に起立姿勢とした手掛かり棒は、作業者が手を掛けても倒れないように保持されている必要がある。
【0006】
一方、不使用時の作業台は脚体を天板の下側に回動することにより折り畳まれるので、不使用時に格納姿勢とした手掛かり棒は、脚体と一体的に回動されるように保持されていることが好ましい。
【0007】
このため、従来においても、手掛かり棒を起立姿勢と格納姿勢に保持させるための支持装置が提供されている。
【0008】
しかしながら、従来の支持装置は、部品点数が多く構造が複雑であり、安価な実施が容易でなく、しかも、手掛かり棒を回動して起立姿勢や格納姿勢とした状態で保持させるためには、止め金具等を所定の方法で操作しなければならず、ワンタッチで迅速容易に保持させることができないという問題がある。
【0009】
更に、起立姿勢として保持された手掛かり棒の先端部を作業者が引っ張る等、回動方向のモーメントが与えられたときは、手掛かり棒の基端部が折損したり、枢着部の枢軸が変形したりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決した作業台における手掛かり棒の支持装置を提供するものであり、第1の発明が手段として構成したところは、矩形の天板の隅部近傍に柱脚を設け、該柱脚の上端部の側部に手掛かり棒の基端部を回動自在に枢着し、手掛かり棒を天板の上方に向けて起立する起立姿勢と、下方に向けて吊持される格納姿勢との間で姿勢変更自在とした作業台において、手掛かり棒を起立姿勢と格納姿勢に保持する支持装置であり、起立姿勢とされた手掛かり棒を受止める上部支持板部と、格納姿勢とされた手掛かり棒を受止める下部支持板部を備えた支持金具と、前記手掛かり棒に摺動自在に外挿された摺動筒部と、該摺動筒部から手掛かり棒の基端部に向けて開口すると共に拡径された内周空間を有する保持筒部を備えた操作筒体により構成されており、手掛かり棒の回動方向に関して、上部支持板部に対向する第1壁部と下部支持板部に対向する第2壁部のうち、少なくとも第1壁部の表面から進退自在に進出して突出すると共にバネにより突出方向に付勢されたロックピンと、該ロックピンを挿通係止するように前記保持筒部に形成された係止孔により、操作筒体を摺動不能に係止する係脱自在なロック手段が構成され、手掛かり棒を起立姿勢としたとき、第1壁部を受止める上部支持板部に形成された通孔に前記ロックピンを挿通させると共に、前記保持筒部により上部支持板部を抱持させた状態で、ロックピンを前記係止孔に挿通係止することにより起立姿勢を保持させる起立保持機構が構成され、手掛かり棒を格納姿勢としたとき、下部支持板部により第2壁部を受止め、前記保持筒部により下部支持板部を抱持させた状態で、前記ロックピンを前記係止孔に挿通係止することにより格納姿勢を保持させる格納保持機構が構成されて成る点にある。
【0011】
また、第2の発明が手段として構成したところは、矩形の天板の隅部近傍に柱脚を設け、該柱脚の上端部の側部に手掛かり棒の基端部を回動自在に枢着し、手掛かり棒を天板の上方に向けて起立する起立姿勢と、下方に向けて吊持される格納姿勢との間で姿勢変更自在とした作業台において、手掛かり棒を起立姿勢と格納姿勢に保持する支持装置であり、起立姿勢とされた手掛かり棒を受止める上部支持板部と、格納姿勢とされた手掛かり棒を受止める下部支持板部を備えた支持金具と、前記手掛かり棒に摺動自在に外挿された摺動筒部と、該摺動筒部から手掛かり棒の基端部に向けて開口すると共に拡径された内周空間を有する保持筒部を備えた操作筒体と、前記手掛かり棒を起立姿勢とした状態で操作筒体を摺動し、保持筒部により支持金具の上部支持板部を抱持したとき、手掛かり棒の表面から進退自在に進出して突出する第1ロックピンと、該第1ロックピンを挿通させる上部支持板部の第1通孔及び保持筒部の第1係止孔により構成された起立保持機構と、前記手掛かり棒を格納姿勢とした状態で操作筒体を摺動し、保持筒部により支持金具の下部支持板部を抱持したとき、手掛かり棒の表面から進退自在に進出して突出する第2ロックピンと、該第2ロックピンを挿通させる下部支持板部の第2通孔及び保持筒部の第2係止孔により構成された格納保持機構とから成る点にある。
【0012】
本発明の実施形態は、手掛かり棒の回動方向に関して、手掛かり棒の周壁のうち、上部支持板部に対向する第1壁部に第1ロックピンを設けると共に該上部支持板部に第1通孔を形成し、下部支持板部に対向する第2壁部に第2ロックピンを設けると共に該下部支持板部に第2通孔を形成しており、前記第1ロックピンと第2ロックピンは、手掛かり棒の内部に装着されたほぼU形の板バネの両端部に固着され、それぞれ第1壁部と第2壁部に形成された挿通孔を挿通して壁面から突出されている。
【0013】
好ましい実施形態において、手掛かり棒の外周面と、前記操作筒体における少なくとも摺動筒部の内周面は、相互に周方向に回動不能とする断面角形に形成されており、操作筒体を摺動することにより相互に当接する保持筒部の開口部と第1ロックピン及び第2ロックピンの間には、第1ロックピン及び第2ロックピンを突出状態から後退させるガイド面が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、支持装置6は、比較的に部品点数が少なく、構造が簡単であるから、実施化が容易であり、しかも、手掛かり棒5は、起立姿勢P1に向けて回動したときは上部支持板部9Aにより受止められ、格納姿勢P2に向けて回動したときは下部支持板部9Bに受止められるので、所定姿勢となるように位置決めされ、その位置決め状態から操作筒体16を摺動させるだけで、簡単容易にワンタッチで手掛かり棒5の姿勢を保持することできる効果がある。
【0015】
しかも、操作筒体16により、手掛かり棒5の基端部5aの近傍部と、支持金具9を包囲状態で抱持することにより補強する構成であるから、姿勢を保持された状態で、手掛かり棒5の先端部が回動方向のモーメントを受けたときでも、基端部5aや枢軸7の折損を防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の1実施形態を示しており、(A)は作業台の全体を示す斜視図、(B)は起立姿勢とされた手掛かり棒が支持装置により保持されている状態を示す斜視図である。
図2】支持装置を分解状態で示す斜視図である。
図3】支持装置の断面を示しており、(A)は手掛かり棒を起立姿勢とした状態を示す断面図、(B)は手掛かり棒を格納姿勢とした状態を示す断面図である。
図4】支持装置の構造を拡大して示す断面図である。
図5】作用に関して、(A)は起立保持機構により手掛かり棒を保持した状態の断面図、(B)は保持を解除した状態の断面図、(C)は保持を解除された手掛かり棒を回動させた状態の断面図である。
図6】作用に関して、(A)は手掛かり棒を格納姿勢に向けて回動した状態の断面図、(B)は下部支持板部により受止められた状態の断面図、(C)は格納保持機構により手掛かり棒を保持した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0018】
(全体的構成)
作業台は、建設現場等において高所作業のために使用される種々の形式のものを広く含む汎用の作業台であり、従って、その形状や大きさを特に限定するものではないが、図1に示すように、作業台1は、長手辺を桁側とし、短手辺を妻側とするほぼ長方形の天板2を備え、妻側にそれぞれ脚体3を設けている。詳細は図示省略しているが、各脚体3は、一対の柱脚4、4にステップを架設した梯子状に構成され、それぞれの柱脚4に延長脚部を伸縮自在に設けており、延長脚部を収縮させた状態で、両脚体3、3を天板2の下側に向けて回動させることにより格納可能とするように構成されている。
【0019】
天板2の隅部近傍に位置して、該天板2の上方に向けて起立する合計4本の手掛かり棒5が設けられており、手掛かり棒5は、それぞれ下端の基端部5aを柱脚4の外側面に支持装置6を介して取付けられ、枢軸7を介して基端部5aが回動自在に枢着されている。
【0020】
従って、各手掛かり棒5は、図1(A)に鎖線で示すように回動することにより、天板の上方に向けて起立する起立姿勢P1と、下方に向けて吊持される格納姿勢P2との間において姿勢変更自在とされ、支持装置6により起立姿勢P1と格納姿勢P2の各姿勢を保持される。
【0021】
尚、支持装置6は、脚体3を天板1の下側に向けて回動自在とする枢結金具8の側部に取付けられ、格納姿勢P2としたとき柱脚4の側部に沿わせられた状態で保持され、脚体3に一体化された状態で天板1の下側に向けて折り畳まれることが好ましい。
【0022】
図2ないし図4に示すように、支持装置6は、起立姿勢P1とされた手掛かり棒5を受止める上部支持板部9Aと、格納姿勢P2とされた手掛かり棒5を受止める下部支持板部9Bを備えた支持金具9を備えており、図2に示すように、枢結金具8に固設される固定金具10に対して、支持金具9の側部に固設される取付け金具11を介して取付け固定される。これにより、支持金具9は、枢結金具8に対して固定状態で結合される。
【0023】
図示実施形態の場合、支持金具9は、上部支持板部9A及び下部支持板部9Bの両側に側板部9a、9bを折曲形成した断面コ字形に形成され、側板部9a、9bの間に手掛かり棒5を挿入すると共に、該側板部9a、9bと手掛かり棒5の基端部5aを貫通して枢軸7を挿着することにより、手掛かり棒5を回動自在に枢着する。
【0024】
手掛かり棒5は、断面角形、図示の場合は断面矩形に形成され、回動されたとき、上部支持板部9Aに対向して接する第1壁部5Aと、下部支持板部9Bに対向して接する第2壁部5Bを備えており、第1壁部5Aに開設された第1挿通孔12Aから進退自在に進出して突出する第1ロックピン13Aと、第2壁部5Bに開設された第2挿通孔12Bから進退自在に進出して突出する第2ロックピン13Bを設けている。
【0025】
前記第1ロックピン13Aと第2ロックピン13Bは、第1壁部5Aと第2壁部5Bの間で手掛かり棒5の内部に装着されたほぼU形の板バネ14の両端部に固着され、それぞれ前記挿通孔12A、12Bを挿通して壁面から突出されている。
【0026】
これに対して、支持金具9は、手掛かり棒5を起立姿勢P1としたとき第1壁部5Aが当接する上部支持板部9Aに、前記第1ロックピン13Aを受け入れて挿通させる第1通孔15Aを設け、手掛かり棒5を格納姿勢P2としたとき第2壁部5Bが当接する下部支持板部9Bに、前記第2ロックピン13Bを受け入れて挿通させる第2通孔15Bを設けている。
【0027】
手掛かり棒5には、操作筒体16が外挿されており、該操作筒体16は、手掛かり棒5に摺動自在に外挿された摺動筒部16aと、該摺動筒部16aから手掛かり棒の基端部5aに向けて開口すると共に拡径された内周空間17を有する保持筒部16bを備えている。図示のように、前記操作筒体16における少なくとも摺動筒部16aの内周面は、手掛かり棒5の断面矩形とされた外周面を内嵌させる断面矩形に形成されており、これにより、操作筒体16は、周方向に回動不能とされた状態で手掛かり棒5の軸方向に摺動自在とされている。
【0028】
操作筒体16は、手掛かり棒5を起立姿勢P1とした状態で基端部5aに向けて摺動したとき、保持筒部16bの内周空間17により、支持金具9の上部支持板部9Aと両側板部9a、9bを抱持するように構成されており、このとき、第1通孔15Aから挿出された第1ロックピン13Aを受入れ係止する第1係止孔18Aが保持筒部16bに形成されている。
【0029】
同様に、手掛かり棒5を格納姿勢P2とした状態で操作筒体16を基端部5aに向けて摺動したとき、保持筒部16bの内周空間17により、支持金具9の下部支持板部9Bと両側板部9a、9bを抱持するように構成されており、このとき、第2通孔15Bから挿出された第2ロックピン13Bを受入れ係止する第2係止孔18Bが保持筒部16bに形成されている。
【0030】
操作筒体16を摺動するだけで、第1ロックピン13A及び第2ロックピン13Bと第1係止孔18A及び第2係止孔18Bをそれぞれ係止させることができるようにするため、図4に示すように、摺動時に相互に当接する保持筒部16bにおける内周空間17の開口部と第1・第2ロックピン13A、13Bの間には、相互にテーパ面によるガイド面17a、13aが形成されている。従って、操作筒体16を手掛かり棒5の基端部5aに向けて摺動したとき、ガイド面17a、13aによりロックピン13A、13Bが板バネ14に抗して突出状態から後退した後、板バネ14により進出されて係止孔18A、18Bに係止される。
【0031】
係止孔18A、18Bに挿入係止されたロックピン13A、13Bは、ユーザが指先で押し込むことにより係止を解除する。指先の挿入を容易とするため、図4に示すように、係止孔18A、18Bには、保持筒部16bの表面に向けてテーパ状の拡径部18aが形成されている。
【0032】
以上の構成により、支持装置6は、図3(A)に示すように、手掛かり棒5を起立姿勢P1とした状態で操作筒体16を摺動したとき、保持筒部16bにより支持金具9の上部支持板部9A及び両側板部9a、9bを抱持すると共に、第1通孔15Aから突出した第1ロックピン13Aを上部支持板部9Aの第1通孔15Aと保持筒部16bの第1係止孔18Aに貫通させ、これにより、起立保持機構19Aが構成されている。
【0033】
また、支持装置6は、図3(B)に示すように、手掛かり棒5を格納姿勢P2とした状態で操作筒体16を摺動したとき、保持筒部16bにより支持金具9の下部支持板部9B及び両側板部9a、9bを抱持すると共に、第2通孔15Bから突出した第2ロックピン13Bを下部支持板部9Bの第2通孔15Bと保持筒部16bの第2係止孔18Bに貫通させ、これにより、格納保持機構19Bが構成されている。
【0034】
(作用)
図5及び図6は、手掛かり棒5を起立姿勢P1として保持した状態から、格納姿勢P2に姿勢を変更させた後、保持するまでの作用を示している。尚、反対に、格納姿勢P2として保持した状態から、起立姿勢P1に姿勢を変更させて保持させる方法は、図示していないが、以下の説明によれば自明のことであるから、説明を省略する。
【0035】
図5(A)は、手掛かり棒5を起立姿勢P1とした状態を示しており、手掛かり棒5は、上述の起立保持機構19Aにより保持されている。この状態で、図5(B)に示すように、第1ロックピン13Aを保持筒部16bの内部に押し込んで第1係止孔18Aから離脱させ、操作筒体16を手掛かり棒5の基端部5aから離れる後退方向に摺動させると、起立保持機構19Aによる保持が解除される。尚、手掛かり棒5の所定個所に鎖線で示すようなストッパ20を設け、操作筒体16の摺動範囲を規制することが好ましく、更には、図示省略しているが、この後退位置で操作筒体16を停止保持する保持手段を設けることが好ましい。これにより、手掛かり棒5は、図5(C)に示すように、回動自由な状態となる。
【0036】
図6(A)に示すように、手掛かり棒5を格納姿勢P2に近づくまで回動すると、第2ロックピン13Bが下部支持板部9Bの第2通孔15Bに臨まされ、更に回動すると、図6(B)に示すように、第2ロックピン13Bが第2通孔15Bに挿通され、手掛かり棒5の第2壁部5Bが下部支持板部9Bに受止められることにより回動を停止する。そこで、図6(C)に示すように、操作筒体16を手掛かり棒5の基端部5aに向けて摺動させれば、上述のように、第2ロックピン13Bが自動的に第2係止孔18Bに挿入係止され、手掛かり棒5を格納姿勢P2とした状態で保持する。
【0037】
(別の実施形態)
上記の図示実施形態において、格納保持機構19Bは、手掛かり棒5を格納姿勢P2とした状態で操作筒体16を摺動し、保持筒部16bにより支持金具9の下部支持板部9Bを抱持したとき、手掛かり棒2の第1壁部5Bの表面から突出する第2ロックピン13Bを下部支持板部9Bの第2通孔15Bと保持筒部16bの第2係止孔18Bに挿通させることにより構成したものを説明したが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、第2ロックピン13Bや、下部支持板部9Bの第2通孔15Bや、保持筒部16bの第2係止孔18Bを設けなくても、実施することが可能である。
【0038】
即ち、本発明の別の実施形態においては、図示省略しているが、上記の図示実施形態における第1ロックピンとして説明したロックピン13Aと、上部支持板部9Aの第1通孔として説明した通孔15Aと、保持筒部16bの第1係止孔として説明した係止孔18Aを設け、このような構成だけで、起立保持機構19Aと、格納保持機構19Bの両方が兼用されるように構成されている。
【0039】
この場合、起立保持機構19Aは、上記の図示実施形態と同様に、手掛かり棒5を起立姿勢P1としたとき、第1壁部5Aを受止める上部支持板部9Aの通孔15Aにロックピン13Aを挿通させ、保持筒部16bにより上部支持板部9Aを抱持させた状態で、ロックピン13Aが係止孔18Aに挿通係止させられ、操作筒体16を摺動不能にロックさせることにより構成される。
【0040】
これにより、ロックピン13Aの係止状態は、作業台1の昇降側から視認できる、つまり、作業者が脚体3から天板2に登場する際に容易に視認することができ、起立姿勢P1とされた手掛かり棒5がロックされた安全な状態とされているかどうかを視覚により確認することができる。
【0041】
これに対して、格納保持機構19Bは、手掛かり棒5を格納姿勢P2として下部支持板部9Bにより第2壁部5Bを受止め、保持筒部16bにより下部支持板部9Bを抱持させた状態で、ロックピン13Aを係止孔18Aに挿通係止することにより、操作筒体16を摺動不能に係止するロック手段を構成することにより実施されている。このように、格納保持機構19Bは、下部支持板部9Bを抱持した操作筒体16が該抱持状態を解除しないように、手掛かり棒5の摺動を阻止するものであれば良いから、上記した図示実施形態のような第2ロックピン13Bや、下部支持板部9Bの第2通孔15Bや、保持筒部16bの第2係止孔18Bは不要となる。
【符号の説明】
【0042】
P1 起立姿勢
P2 格納姿勢
1 作業台
2 天板
3 脚体
4 柱脚
5 手掛かり棒
5a 基端部
5A 第1壁部
5B 第2壁部
6 支持装置
7 枢軸
8 枢結金具
9 支持金具
9A 上部支持板部
9B 下部支持板部
9a、9b 側板部
10 固定金具
11 取付け金具
12A 第1挿通孔
12B 第2挿通孔
13A 第1ロックピン
13B 第2ロックピン
13a ガイド面
14 板バネ
15A 第1通孔
15B 第2通孔
16 操作筒体
16a 摺動筒部
16b 保持筒部
17 内周空間
17a ガイド面
18A 第1係止孔
18B 第2係止孔
18a 拡径部
19A 起立保持機構
19B 格納保持機構
20 ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6