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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】尿流量計
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/20 20060101AFI20230807BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20230807BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20230807BHJP
   E03D 9/00 20060101ALN20230807BHJP
【FI】
A61B5/20 ZDM
G16Y10/60
G16Y40/20
E03D9/00 Z
【請求項の数】 47
(21)【出願番号】P 2020567165
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 US2019021421
(87)【国際公開番号】W WO2019231513
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】62/679,582
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518428510
【氏名又は名称】クリアトラック テクノロジーズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ClearTrac Technologies,LLC
【住所又は居所原語表記】730 Quail Hollow Drive,Elizabethton,Tennessee 37643-5069,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】レイン、ブレント
(72)【発明者】
【氏名】グリーン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ポール アール.
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ロバート ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、ロバート エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】ハーギス、マグナス
(72)【発明者】
【氏名】エドソン、エリーズ ジオラット
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン、エリザベス エー.
(72)【発明者】
【氏名】カプション、ジョセフ エル.
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178966(JP,A)
【文献】米国特許第04051431(US,A)
【文献】特開平11-304140(JP,A)
【文献】特開2004-333283(JP,A)
【文献】特開2005-030788(JP,A)
【文献】国際公開第2016/152847(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/051244(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/036952(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331282(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0362351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿流を受け取るよう構成されたフローチャンバと、
前記フローチャンバに対してピボット軸の周りに回転可能に固定され、前記フローチャンバ内の尿流又は尿の液面レベルに応じて回転するように構成された磁石と、
前記磁石に近接し、前記磁石の動きを検出するよう構成されたセンサと、
前記フローチャンバ内に配置され、前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに従って位置決め可能な浮きと、
前記浮きと前記磁石とを接続するアームと、
を備え、
前記浮きと前記アームとが前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに応じて前記ピボット軸の周りに回転すると、前記アームに接続された前記磁石が前記ピボット軸の周りに回転する、
尿流量計。
【請求項2】
前記アーム及び前記磁石は、ピボット軸を中心として互いに接続され、
前記磁石は、前記浮きの動きに応じて前記ピボット軸を中心として回転し、
前記センサは、前記磁石の角度位置の変化を更に検出する、
請求項1に記載の尿流量計。
【請求項3】
前記フローチャンバから延在する片持ちハンドルを更に備える、請求項1に記載の尿流量計。
【請求項4】
前記尿流を前記フローチャンバの貯留空間に方向付ける漏斗を更に備える、請求項1に記載の尿流量計。
【請求項5】
前記漏斗は、前記フローチャンバに流れ込む尿のスムーズな流れを作り出す、請求項4に記載の尿流量計。
【請求項6】
尿流を受け取るよう構成されたフローチャンバと、
前記フローチャンバに対してピボット軸の周りに回転可能に固定され、前記フローチャンバ内の尿流又は尿の液面レベルに応じて回転するように構成された磁石と、
前記磁石に近接し、前記磁石の動きを検出するよう構成されたセンサと、
を備え、
前記フローチャンバは、前記尿流を受け取る流入口と、前記フローチャンバから予め定めた速度で尿を排出する流出口とを画定する、尿流量計。
【請求項7】
前記流出口は、T字形状のスロットにより画定される、請求項6に記載の尿流量計。
【請求項8】
前記磁石の前記動きを用いて、前記フローチャンバの充填体積を決定する電子機器を更に備える、請求項6に記載の尿流量計。
【請求項9】
前記電子機器は、前記磁石の前記動きと前記フローチャンバから排出される前記尿の予め定めた流量とを用いて、尿流量を決定する、請求項8に記載の尿流量計。
【請求項10】
前記フローチャンバは、幅と、前記幅よりも長い長さと、前記長さよりも長い高さとを有する、請求項1に記載の尿流量計。
【請求項11】
前記流入口内に少なくとも部分的に収容され、1つ又は複数の輪郭のある表面を有する漏斗を更に備える、請求項6に記載の尿流量計。
【請求項12】
前記浮きは、前記尿流が前記浮きの上部を超えないように構成された構造部材を更に備える、請求項1に記載の尿流量計。
【請求項13】
貯留空間を画定するフローチャンバであって、前記貯留空間が、尿流を受け取るよう構成された流入口と、前記流入口から離れた位置にあり前記貯留空間を空にするよう構成された流出口とを有するフローチャンバと、
前記流入口内に少なくとも部分的に収容され、1つ又は複数の輪郭のある表面を有する漏斗と、
前記フローチャンバと接続され、前記尿流に反応する電子機器と、
前記フローチャンバに対してピボット軸の周りに回転可能に固定され、前記フローチャンバ内の尿流又は尿の液面レベルに応じて回転するように構成された磁石と
前記フローチャンバ内に配置され、前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに従って位置決め可能な浮きと、
前記浮きと前記磁石とを接続するアームと、
を備え、
前記電子機器は、前記磁石に近接し、前記磁石の動きを検出するよう構成されたセンサをさらに備え、
前記浮きと前記アームとが前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに応じて前記ピボット軸の周りに回転すると、前記アームに接続された前記磁石が前記ピボット軸の周りに回転する、
尿流量計。
【請求項14】
前記センサは、前記フローチャンバと接続され、前記フローチャンバが受け取った尿のパラメータを更に検出する請求項13に記載の尿流量計。
【請求項15】
前記フローチャンバは、輪郭のある側壁を備える、請求項13に記載の尿流量計。
【請求項16】
前記フローチャンバは、幅と、前記幅よりも長い高さと、前記高さよりも長い長さとを有する、請求項13に記載の尿流量計。
【請求項17】
前記流出口は、三角形状のスロットである、請求項13に記載の尿流量計。
【請求項18】
前記三角形状のスロットは、前記貯留空間が尿で充填されるにつれて、前記貯留空間を空にする速度を増加させる、請求項17に記載の尿流量計。
【請求項19】
取り外し可能なハンドルを更に備える、請求項13に記載の尿流量計。
【請求項20】
前記ハンドルは、1つ又は複数の前記電子機器を収容する、請求項19に記載の尿流量計。
【請求項21】
前記漏斗は、1つ又は複数の漏斗流入口を含む、請求項13に記載の尿流量計。
【請求項22】
前記漏斗は、少なくとも1つの主要な漏斗流入口と、少なくとも1つの補助的漏斗流入口とを含む、請求項13に記載の尿流量計。
【請求項23】
尿流量計からのデータを処理する方法であって、
前記尿流量計は、
尿流を受け取るよう構成されたフローチャンバと、
前記フローチャンバに対してピボット軸の周りに回転可能に固定され、前記フローチャンバ内の尿流又は尿の液面レベルに応じて回転するように構成された磁石と、
前記磁石に近接し、前記磁石の動きを検出するよう構成されたセンサと、
前記フローチャンバ内に配置され、前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに従って位置決め可能な浮きと、
前記浮きと前記磁石とを接続するアームと、
を備え、
前記浮きと前記アームとが前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに応じて前記ピボット軸の周りに回転すると、前記アームに接続された前記磁石が前記ピボット軸の周りに回転するように構成された尿流量計であり、
前記データを処理する方法は、
排尿日誌システムと通信する尿流量計を提供すること、
前記尿流量計によって取得された尿液面レベルデータ及び排尿時間データを計測すること、
前記尿液面レベルデータ、排尿時間データ、及びタイムスタンプを前記排尿日誌システムに送信すること、
前記尿液面レベルデータを分析すること、
尿流量及び尿体積を決定すること、及び、
治療計画を策定するために、前記尿流量、排尿時間、尿体積、及びタイムスタンプデータのグラフィック出力を生成すること、
を含む方法。
【請求項24】
尿量の総体積、水分摂取量、尿漏れ、就寝及び起床時間に関連するデータの少なくとも1つを含む追加データを提供することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ユーザの手によって把持されるよう構成された細長いハンドルと、
前記ハンドルに結合されたフローチャンバであって、尿流を受け取るよう構成されたフローチャンバと、
前記フローチャンバに対してピボット軸の周りに回転可能に固定され、前記フローチャンバ内の尿流又は尿の液面レベルに応じて回転するように構成された磁石と、
前記フローチャンバと接続され、前記フローチャンバが受け取った尿のパラメータを検出するよう構成されると共に、前記磁石に近接し、前記磁石の動きを検出するよう構成されたセンサと、
前記フローチャンバ内に配置され、前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに従って位置決め可能な浮きと、
前記浮きと前記磁石とを接続するアームと、
を備え、
前記浮きと前記アームとが前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに応じて前記ピボット軸の周りに回転すると、前記アームに接続された前記磁石が前記ピボット軸の周りに回転する、
尿流量計。
【請求項26】
前記フローチャンバに結合された漏斗を更に備える、請求項25に記載の尿流量計。
【請求項27】
前記漏斗は、前記フローチャンバに着脱可能に結合される、請求項26に記載の尿流量計。
【請求項28】
前記フローチャンバは、前記ハンドルに着脱可能に結合される、請求項25から請求項27までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項29】
前記フローチャンバは、患者からの尿を受け取る流入口と、前記フローチャンバからの前記尿の排出のための流出口とを画定する、請求項25から請求項28までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項30】
前記流出口は、V字形状のスロットである、請求項29に記載の尿流量計。
【請求項31】
前記ハンドルに収容される電子機器を更に備える、請求項25から請求項30までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項32】
前記センサは、前記フローチャンバ内の前記尿の液面レベルを決める前記磁石の角度方位を検出する、請求項25に記載の尿流量計。
【請求項33】
前記浮きは、漏斗と、前記フローチャンバの側壁と前記漏斗の側壁との間に画定される環状空間内に配置される、請求項25に記載の尿流量計。
【請求項34】
前記パラメータは、前記フローチャンバ内の前記尿の液面レベルを含む、請求項25から請求項33までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項35】
前記パラメータは、前記フローチャンバに流入する前記尿の流量、前記フローチャンバから流出する前記尿の流量、又はその両方を含む、請求項25から請求項34までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項36】
前記尿流量計の向きを検出する方位センサを更に備える、請求項25から請求項35までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項37】
前記尿流量計の前記向きによって自動的に電源がオンになる、請求項36に記載の尿流量計。
【請求項38】
加速度計を更に備える、請求項36に記載の尿流量計。
【請求項39】
容量センサを更に備え、
前記加速度計及び前記容量センサを用いて、前記尿流量計を自動的に電源オンにする、請求項38に記載の尿流量計。
【請求項40】
前記ハンドルは再利用可能である、請求項25から請求項39までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項41】
前記フローチャンバ及び前記漏斗の少なくとも1つが、使い捨てであるか、1人の患者用であるか、又はその両方である、請求項26に記載の尿流量計。
【請求項42】
手持ち型である、請求項25から請求項41までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項43】
便器、便座、又は便器の縁に取り付けられない、請求項42に記載の尿流量計。
【請求項44】
前記尿流量計は、前記細長いハンドルに一体化されたLEDを更に備え、
前記LEDは、目標状態に対応した前記尿流量計の向きを示す、
請求項25から請求項43までの何れか1項に記載の尿流量計。
【請求項45】
尿流を受け取るよう構成されたフローチャンバと、
前記フローチャンバに対してピボット軸の周りに回転可能に固定され、前記フローチャンバ内の尿流又は尿の液面レベルに応じて回転するように構成された磁石と、
前記磁石に近接し、前記磁石の動きを検出するよう構成されたセンサと、
前記フローチャンバ内に配置され、前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに従って位置決め可能な浮きと、
前記浮きと前記磁石とを接続するアームと、
を備え、
前記浮きと前記アームとが前記フローチャンバ内の尿の充填レベルに応じて前記ピボット軸の周りに回転すると、前記アームに接続された前記磁石が前記ピボット軸の周りに回転するように構成された尿流量計を使用する使用方法であって、
前記フローチャンバの流入口を通って尿流を受け取ること、
前記センサによって前記フローチャンバ内の尿の液面レベルを計測すること、及び、
前記フローチャンバの流出口を介して前記フローチャンバから前記尿を流出させること、
を含む尿流量計の使用方法。
【請求項46】
使い捨て漏斗を前記フローチャンバとの係合から取り外すことを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記尿流を受け取るのに適した向きに前記尿流量計が配置されたことに応じて、前記尿流量計を自動的に電源オンにすること、を更に含む、請求項45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年6月1日に出願された米国特許出願第62/679,582号明細書に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
本願は、2019年3月8日に出願され「尿流量計のための試験装置(Testing Device For a Uroflowmeter)」と題された米国特許出願第 (代理人整理番号P275160.US.01)及び2019年3月8日に出願され「尿イベントの検出、追跡、及び分析(Urinary Event Detection,Tracking and Analysis)」と題された米国特許出願第 (代理人整理番号P275161.US.01)に関連し、いかなる目的に対してもその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0003】
本明細書に記載される技術は、概して尿流量計(uroflowmeter)及び尿流量計によって生成されるデータの処理方法に関する。
【背景技術】
【0004】
尿流量(urine flow rate or urinary flow rate)は、排尿中の尿の体積流量である。つまり、特定の期間内に排泄された尿の量と、同期間内の尿流量の断続的変化の計測値である。尿流量は、流速測定装置の一種である尿流量測定器を用いて計測される。例えば、尿流量計は、排泄が終わるまでの尿流量を記録する装置である。
【0005】
尿流量計は、一般に、膀胱から流れる尿に対する障害を定量化するために用いられる。例えば、尿流量計は患者によって患者の尿流量を定量化するために用いられ得る。そして、定量化されたデータをその他の関連データ(患者が最後に排尿又は「排泄」してからの経過時間や水分摂取量など)と併用して、膀胱からの尿流(urine flow)が妨げられたり、遮断されたりしていないかを判断することができる。排尿日誌は、各患者の膀胱の排尿機能/排尿障害を特定するために、24時間~72時間など所定期間に渡ってその患者の排尿から一連のデータを収集したものである。排尿データと評価は、患者の治療計画を策定し、治療への応答を客観的に定量化するために、医師によって用いられることがある。
【0006】
従来の診察室で使用されるの尿流量計に関連して、患者は所定の期間に渡って排尿イベント時の切迫感、頻度、尿の体積などの排尿情報を、排尿日誌に記録するよう求められる場合がある。患者は、便器の上に置かれた排尿計測ボウル内に排尿することで排尿体積を記録することができる。尿流量計が利用できるにもかかわらず、持ち運び難さや、排尿やその他の関連データを手動で一貫して記録し続けることの難しさなど、患者は様々な理由からこれらの装置を使用しない傾向にある。排尿計測ボウルは大きい上に分解できず、不便なので、患者は、排尿計測ボウルと紙の日誌を持ち歩くのを嫌がる。持ち運び難さから、日誌に記載されない排尿が多くなる。加えて、患者が排尿を終えてから日誌を書くまでに遅れがあることが多く、そのために誤った情報が記録されたり、情報が欠落したりすることになる。そして、電子フォームに転記するために紙の排尿日誌を診察室に提出するのが遅れる可能性がある。手書き文字が判読不可能なことや、更にひどい場合には、日誌全体を失う可能性もある。これらの欠点は、患者の治療の遅れや質の低下につながる。一般に、診察室に置かれることが多い高価な据え置き型の装置では、自然に充満した膀胱から最適のタイミングで排泄させることができず、誤った結果を生み出すことになる。既存の尿流量計の1つ又は複数の問題を解決する尿流量計、又は、少なくとも代替手段を提供する尿流量計が求められている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、概して、尿流量計及び尿流量計によって生成されるデータの処理方法に関する。
【0008】
本明細書では尿流量計が開示される。尿流量計は、ハンドル、ハンドルに結合されたフローチャンバ、及び、フローチャンバと関連付けられ、フローチャンバ内に受け取られた尿のパラメータを検出するセンサを含む。パラメータの実例としては尿流量、排尿時間、排尿体積(void volume)などが含まれるが、これらに限られない。尿流量計は、フローチャンバに結合された漏斗を更に含むことがある。所望により、漏斗はフローチャンバに着脱可能に結合される、又は、フローチャンバはハンドルに着脱可能に結合される、又はその両方である。いくつかの態様では、フローチャンバは、患者から尿を受け取る流入口と、フローチャンバから尿を排出する流出口とを画定する。流出口はV字形状、T字形状、又は三角形状のスロットのことがある。所望により、電子機器はハンドル内に収容又は格納されてもよい。いくつかの態様では、磁石がセンサに近接して配置される。いくつかの態様では、フローチャンバ内での尿の液面レベルを決定するために、センサは磁石アセンブリの角度方位を検出する。いくつかの態様では、発光ダイオード(「LED」)が細長いハンドルに一体化している。LEDは、目標方位などの目標状態に対応する尿流量計の向きを示す。いくつかの態様では、漏斗及び浮きはフローチャンバの側壁と漏斗の側壁との間に配置される。所望により、浮きの動きによって磁石が回転するような形式で、磁石は浮きに接続する。いくつかの態様では、浮きはピボット軸を中心として旋回可能で、磁石は前記ピボット軸と軸線方向に位置合わせされる。いくつかの態様では、パラメータはフローチャンバ内の尿の液面レベルを含む、若しくは、パラメータはフローチャンバに流入する、フローチャンバから流出する、又はその両方の尿の流量を含む。或いは、パラメータは尿の液面レベルと流出流量の両方を含む。いくつかの態様では、尿流量計は尿流量計の向きを検出する方位センサを含む。いくつかの態様では、尿流量計は、尿流量計の向きによって、自動的に電源がオンになる。いくつかの態様では、尿流量計は加速度計を更に含む。いくつかの態様では、尿流量計は容量センサを更に含み、加速度計及び容量センサは尿流量計を自動的にオンにするのに用いられる。いくつかの態様では、ハンドルは再利用可能である。いくつかの態様では、フローチャンバ及び漏斗の少なくとも1つが使い捨て、1人の患者用、又はその両方である。いくつかの態様では、尿流量計は手持ち型である。いくつかの態様では、尿流量計は便器、便座又は便器の縁に取り付けられない。
【0009】
本明細書では尿流量計を用いる方法が開示される。方法は、フローチャンバの流入口を介して尿流を受け取ること、センサによってフローチャンバ内の尿の液面レベルを計測すること、及び、フローチャンバの流出口を介してフローチャンバから尿を排出することを含む。方法は、使い捨て漏斗をフローチャンバとの係合から取り外すことを更に含むことがある。方法は、尿流を受け取るのに適切な向きに尿流量計が配置されるのに応じて、尿流量計の電源を自動的に入れることを更に含むことがある。
【0010】
尿流量計からのデータを処理する方法が開示される。方法は、排尿日誌システムと通信する尿流量計を提供すること、尿流量計によって取得された尿流量、尿体積、排尿時間データ、又はその全てを計測すること、尿流量、排尿時間データ及びタイムスタンプを排尿日誌システムに送信すること、尿流量データを分析すること、及び、治療計画を策定するために尿流量、排尿時間、尿体積及びタイムスタンプデータのグラフィック出力を生成することを含む。所望により、方法は、尿量の総体積、水分摂取量、尿漏れ、就寝及び起床時間に関連するデータの少なくとも1つを含む追加データを提供することを更に含むことがある。
【0011】
本明細書では尿流量計が開示される。尿流量計は、尿流を受け取るフローチャンバを含む。尿流量計は、フローチャンバに関連付けられ、尿流に応じて動く磁石を更に含む。尿流量計は、磁石に近接して磁石の動きを検出するセンサを更に含む。フローチャンバ内に浮きが含まれることがあり、浮きはフローチャンバ内の尿の充填レベルに従って位置決め可能である。アームが浮きと磁石とを接続することがあり、そのため、浮きがフローチャンバ内の尿の充填レベルにより上昇するにつれて、磁石はピボット軸の周りなどを回転し得る。センサは磁石の角度位置の変化を更に検出し、これは充填レベルと関連付けられることがある。尿流量計は所望により、フローチャンバから延びる片持ちハンドル、及び、尿流をフローチャンバの貯留空間に方向付ける漏斗を含む。漏斗は、フローチャンバに注ぐ尿のスムーズな流れを作り出すことができる。フローチャンバは、尿流を受け取る流入口と、フローチャンバから所定の速度で尿を排出する流出口とを画定することがある。流出口はT字形状のスロットに画定されることがある。このため、尿流量計は、磁石の動きを用いてフローチャンバの充填体積を決定する、又は、フローチャンバから排出される尿の所定の流量及び磁石の動きを用いて尿流量を決定する、若しくはその両方を決定する電子機器を更に含むことがある。尿流量計の解剖学的な配置を容易にするため、フローチャンバは幅、幅よりも長い長さ、及び、長さよりも長い高さを有する。
【0012】
本明細書では尿流量計が開示される。尿流量計はフローチャンバを含み、フローチャンバは、尿流を受け取るよう構成された流入口、及び流入口から離れた位置にあり貯留空間を空にするよう構成される流出口を有する貯留空間を画定する。尿流量計は漏斗を更に含み、漏斗は、前記流入口内に少なくとも部分的に収容されて1つ又は複数の輪郭のある表面を有する。漏斗の側壁と、フローチャンバの側壁とで環状空間が画定され得る。尿流量計は電子機器を更に含み、電子機器はフローチャンバと関連付けられ、尿流に反応する。電子機器はフローチャンバと関連付けられたセンサを含むことがあり、センサはチャンバ内の尿の充填レベルなど、チャンバが受け取った尿のパラメータを検出する。上記を容易にするために、尿流量計は尿流に位置で応じる磁石を更に含むことがあり、センサは磁石の動きを更に検出する。解剖学的に適切に配置されるのを容易にするため、フローチャンバは輪郭のある側壁を含む、又は、幅と、幅よりも長い高さと、高さよりも長い長さとを有する、若しくはその両方である。尿流量計の流出口はフローチャンバから所定の流量で尿を排出することができ、貯留空間が尿を充填するにつれて貯留空間を空にするために排出する流量を増加させる三角形状のスロットなど、三角形状のスロットに画定されることがある。所望により、尿流量計は取り外し可能なハンドルを含む。この取り外し可能なハンドルは少なくとも一部の電子機器を格納し得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、これらの特徴及び構成要素は、その他の特徴及び構成要素の一部又は全てを除いて、尿流量計に含まれることがある。いくつかの実施形態では、これらの特徴及び構成要素の何れか又は全てを、制限なく組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の各種実施形態における尿流量計の斜視図である。
図2図2は、本開示の各種実施形態に係る図1の尿流量計の分解図である。
図3A図3Aは、本開示の各種実施形態に係る図1の尿流量計の線3A-3Aに沿った横断面図である。
図3B図3Bは、本開示の各種実施形態に係る図3Aの尿流量計の線3B-3Bに沿った横断面図である。
図4A図4Aは、図1の患者及び尿流量計の概略図である。
図4B図4Bは、図4Aの患者及び尿流量計の拡大図であり、使用中の流路の例を示す。
図5A図5Aは、第1の構成の図1の尿流量計を示す。
図5B図5Bは、第2の構成の図1の尿流量計を示す。
図5C図5Cは、第3の構成の図1の尿流量計を示す。
図6A図6Aは、本開示の各種実施形態に係る図1の尿流量計に関連するコンピューティングデバイス又はシステムの簡略ブロック図である。
図6B図6Bは、本開示の各種実施形態に係る図1の尿流量計のデータを収集、処理、又はその両方を行う方法を示す簡略フロー図である。
図6C図6Cは、図6Bのフロー図の実装方法の一例である。
図7図7は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図8図8は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図9図9は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図10図10は、本開示の各種実施形態に係る図9の尿流量計の縦断面図である。
図11図11は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図12図12は、本開示の各種実施形態に係る図11の尿流量計の縦断面図である。
図13図13は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図14図14は、本開示の各種実施形態に係る図13の尿流量計の縦断面図である。
図15図15は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図16図16は、本開示の各種実施形態に係る図15の尿流量計の縦断面図である。
図17図17は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図18図18は、本開示の各種実施形態に係る図17の尿流量計の縦断面図である。
図19図19は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図20図20は、本開示の各種実施形態に係る図19の尿流量計の縦断面図である。
図21図21は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図22図22は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図23図23は、本開示の各種実施形態に係る図22の尿流量計の縦断面図である。
図24図24は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図25図25は、本開示の各種実施形態に係る図24の尿流量計の分解図である。
図26図26は、本開示の各種実施形態に係る図24の尿流量計の線26-26に沿った横断面図である。
図27図27は、本開示の各種実施形態に係る図26の尿流量計の線27-27に沿った横断面図である。
図28図28は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図29図29は、本開示の各種実施形態に係る図28の尿流量計の分解図である。
図30図30は、本開示の各種実施形態に係る図28の尿流量計の線28-28に沿った横断面図である。
図31図31は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の斜視図である。
図32図32は、本開示の各種実施形態に係る図28の尿流量計の分解図である。
図33図33は、本開示の各種実施形態に係る図30の尿流量計の線30-30に沿った横断面図である。
図34図34は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図35図35は、本開示の各種実施形態に係る図34の尿流量計の線35-35に沿った横断面図である。
図36図36は、本開示の各種実施形態に係る代替尿流量計の分解図である。
図37図37は、本開示の各種実施形態に係る図36の尿流量計の線37-37に沿った横断面図である。
図38A図38Aは、本開示の各種実施形態に係る図36の尿流量計の部分分解図であり、フローチャンバと尿流量計のハンドルとを分離する方法を図示する。
図38B図38Bは、図36の尿流量計におけるフローチャンバとハンドルとの取付部の一例の部分詳細斜視図である。
図39図39は、尿流量計のハンドルと例示的な充電ステーションとを示す。
図40図40は、尿流量計の試験で使用され得る試験室の設定を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、一般に、尿流量計及び尿流量計によって生成されたデータを処理する方法に関する。尿流量計は、尿流量、排尿時間、尿体積、排尿タイムスタンプ、その他のパラメータ、又はその全てに関するデータを収集し、測定し、送信し得る。尿流量計は手持ち型装置であってもよく、ハンドル及び尿フローチャンバを含むことがある。いくつかの態様では、尿流量計は持ち運び可能な手持ち型装置である。例えば、装置を便座上又は便器内に設置するのではなく、患者がハンドルを把持することがある。いくつかの態様では、装置は便座又は便器の縁に取り付けられてもよい。例えば、フローチャンバは患者の尿を受け取ることができ、センサは、尿流量の計測のために、フローチャンバに動作可能に関連付けられ得る。センサからのデータは、データ処理のためにデータベースに送られ得る。データ処理システムは、例えば、自動化された排尿日誌システムは、センサからのデータを収集、処理、又はその両方を実施して、医師が、尿失禁(及び/又は、下部尿路症状、即ち「LUTS」)に関する状態、その他の状態、又はそれらの全てに関する診断と治療を行うことを支援することができる。自動化された排尿日誌システムは、排尿前の水分摂取量、排尿に関連する症状、及び排尿前の失禁を追跡し、これによって尿流量計が計測する実尿体積が誤って目減りしていることを追跡するための、携帯電話などの電子機器用のアプリケーションを含み得る。所望により、装置は持ち運び可能であり、患者が一人で持ち運べる目立たないバッグ、又は、財布、ハンドバッグ、バックパック、学生鞄又はその他同様のキャリーケースに収まるほど小さい目立たないバッグに収容される大きさであってもよい。
【0016】
図1は、本開示の各種実施形態に係る尿流量計の斜視図である。図1を参照すると、尿流量計100は、患者が把持するためのハンドル102を含む。ハンドル102は患者の手に人間工学的グリップを提供するよう伸長し、比較的細長い。ハンドル102は、近位端又は近位部102a及び遠位端又は遠位部102bを含む。ハンドル102は、患者の手で把持しやすいように、近位端又は近位部102aから遠位端又は遠位部102bに向かって内側にテーパ状になっていることがある。
【0017】
尿流量計100は、尿流を計測し得る。例えば、図1に示されるように、尿流量計100は、患者の使用中に尿を収集し、計測する尿フローチャンバ、即ちフローチャンバ104を含むことがある。別の例では、尿流量計100は、尿液面レベル(urine level)データ及び装置の配向データを収集し、そのデータを、尿流を分析して計測するサーバなど別の装置にネットワークを介して送信する。フローチャンバ104は、流入口104a及び流出口104bを含むことがある。流入口104aは、患者の使用中に尿を受け取ることができ、流出口104bは、収集した尿を廃棄のため尿流量計100から便器などに排出するのを可能にすることができる。流入口104aは、尿を収集しやすいように尿流量計100の上面に沿って画定され得る。流出口104bは、尿を廃棄しやすいように尿流量計100の側面(図1に図示される前面など)に沿って画定され得る。
【0018】
尿流量計100の流出流量(outflow rate)は決定可能であり得る。例えば、フローチャンバ104内の尿液面レベル(level of urine)に基づいて、任意の時点における尿流量計100からの流出流量が決定され得る。図1に示されるように、流出口104bは垂直方向に延びるスロットとして形成され得る。図2に示されるように、流出口104bは、フローチャンバ104の底壁118から縁110に向かって上向きに延びることができる。各種実施形態において、流出口104bが底壁118からフローチャンバ104の縁110に向かって上向きに進むにつれて、流出口104bの幅が広がることがある(例えば、三角形状又はV字形状の開口を形成する)。それによって、フローチャンバ104内で液面レベル(fluid level)が上昇するにつれて尿流量計100の流出流量が増加し、尿がフローチャンバ104から溢れないことを確実にする。他の実施形態では、流出口104bは、尿が溢れないように寸法が決められた一定の幅であってもよい。流出口104bは、システムの「低流量」感度を改善するために低流量では尿の排出を制限し、高流量では(即ち、低感度が必要とされる場合)溢れや逆流状態になるのを防ぐために、尿の排出をより大きくする。他の実施形態では、流出口104bは、異なる寸法やサイズを有する一連の穴又はスロット、或いはそれらのいくつかの組み合わせでもよい。
【0019】
尿流量計100は、尿の乱流、跳ね返り、又はその両方を低減させ得る。例えば、図1に示されるように、尿流量計はフローチャンバ104の流入口104aに関連付けられた拡散器、即ち、漏斗106を含み得る。漏斗106は、フローチャンバ104に摩擦篏合又は締まり嵌めされることがある。漏斗106は、尿流をフローチャンバ104へ方向付けるか、案内する輪郭を画定することができる。漏斗106の輪郭は、フローチャンバ104内での尿の乱流を低減することを容易にし得る。これによって、フローチャンバ104内で、患者の尿のスムーズな流れ、即ち、安定した流れを生成し得る。いくつかの場合には、漏斗106は、尿を一定の層流にすることがある。図2の分解図に示されるように、漏斗106は、フローチャンバ104の縁110に取り付けられる外周リップ108を含むことができ、漏斗106のフローチャンバ104への実質的にシームレスな取り付けを提供する。ただし、外周リップ108は必須ではない。他の場合には、漏斗106は、縁110の一部又はフローチャンバ104の他の上面が露出するような方法で、少なくとも部分的にフローチャンバ104内に載置されることがある。
【0020】
図2及び図3Aに示されるように、漏斗106は、流入口106a及び流出口106bと、流入口106aから流出口106bまで内側に向けてテーパ状になった側壁112と、を含み得る。側壁112は、尿が側壁112に当たる場所で尿の乱流、跳ね返り、又はその両方を低減する形状(例えば、輪郭)とされ、漏斗106の流出口106bは、フローチャンバ104の底壁118に向けて尿を方向付けることができる。尿は、底壁118に当たると、フローチャンバ104の側壁114に向かって外向きに分散されることがあり、尿が漏斗106の流出口106bを通って流入口106aに向かって跳ね返るのを防止する。所望により、尿流が当たるフローチャンバの内面は、流れのエネルギーを吸収、偏向、拡散させる特徴を有することがあり、これによって、浮き又は浮きのアーム(下記参照)への一時的な影響とユーザへの跳ね返りの可能性とを、減少又は防止することができる。一実施形態では、この特徴は、ペグのような細くて短い突起の列、又は複数の流路でもよい。漏斗106の側壁112及びフローチャンバ104の側壁114は、環状空間を画定することができる。浮きは、環状空間内に配置され得る。
【0021】
各種実施形態で、尿流量計100は女性患者用に構成される。例えば、図1に示されるように、尿流量計100を解剖学的に適切に配置し、女性患者から尿流を受け取ることができるように、フローチャンバ104は比較的細長くてもよい。図24図28に関連して説明するようなその他の場合には、フローチャンバは、男性患者の尿流を受け取ることがあり、患者の尿を方向付ける又は案内する細長い垂直バックストップを含み得る。漏斗106(例えば、リップ108)は、使用中に尿流量計100と患者との間をシールするために、患者に接触することがある。他の実施形態では、漏斗106(例えば、リップ108)は、尿流を受け取るために患者の近くに配置され得るが、シールはされない。このように、尿流量計100は、使用中に患者と部分的に分離しているか、離れていることがある。
【0022】
フローチャンバ104は、ハンドル102に接続され得る。例えば、図1に示されるように、フローチャンバ104は、ハンドル102の遠位端102bに接続され得る。フローチャンバ104は、ハンドル102から片持ち梁状に突出していると言えるように、ハンドル102の遠位端102bから遠位に突出し得る。フローチャンバ104がハンドル102から片持ち梁状に突出することで、患者が使用するためのフローチャンバ104の配置を容易にし得る。各種実施形態では、ハンドル102及びフローチャンバ104は、成形加工などにより、単一構造又は一体化された構造として形成され得る。他の実施形態では、フローチャンバ104は、ハンドル102に着脱可能に取り付けられてもよい。フローチャンバは、プラスチック、プラスチック材料の組合せ、又はその他の適切な材料で作製され得る。ハンドルは、プラスチック、プラスチック材料の組合せ、又はその他の適切な材料で作製され得る。
【0023】
尿流量計100は、患者の使用を容易にするために、携帯可能でありながら衛生的であり得る。例えば、尿流量計100の1つ又は複数の構成要素は使い捨てであってもよい。各種実施形態では、患者の尿が接触した尿流量計100の1つ又は複数の構成要素は使い捨て可能であり、患者、医療従事者又は供給業者は、使用後にこれらの構成要素を廃棄することができる。即ち、尿流量計は、再利用可能な構成要素と、1人の患者が使用する構成要素との両方を含む。いくつかの実施形態では、漏斗106は使い捨て可能であり、1人の患者が使用する構成要素とみなすことができる。例えば、漏斗106は、患者の使用後にフローチャンバ104から取り外され、廃棄され得る。患者は、次に尿流量計100を使用するために、新しい漏斗106をフローチャンバ104に挿入してもよい。あるいは、最初の患者は、装置を医療従事者又は他の供給業者に返却してもよい。医療従事者は、使用済み装置を供給業者に返却してもよい。供給業者は使用済みの漏斗を廃棄し、装置の残りの部分を清浄及び消毒してから、フローチャンバに新しい漏斗を嵌め込むことができる。このようにして、ハンドル、フローチャンバ、及び浮きは、別の患者などが再利用することができるが、1人の患者が使用する構成要素である漏斗は廃棄される。あるいは、漏斗、フローチャンバ、及び浮きが、1人の患者が使用する構成要素であってもよい。
【0024】
図3Aは、本開示の各種実施形態に係る尿流量計100の縦断面図である。図3Aに示されるように、漏斗106がフローチャンバ104に取り付けられている場合、漏斗106の流入口106aは、フローチャンバ104の流入口104aと接触することがあり、漏斗106の側壁112は、フローチャンバ104内に下向きに突出することがある。漏斗106の側壁112は、フローチャンバ104の側壁114から内部方向に離間されていてもよく、これによって、漏斗106とフローチャンバ104との間(それぞれの側壁の間など)に貯留空間116を画定する。漏斗106の流出口106bは、フローチャンバ104の底壁118から離間されていてもよく、排泄又は排出された尿が漏斗106からフローチャンバ104の貯留空間116などに流れるように流路を提供することができる。漏斗は、ユーザに対してより快適でより気密なシールを提供するために、ゴム、軟質プラスチック、又はその他の適切な材料で作製され得る。
【0025】
本明細書で説明されるように、女性患者から尿流を受け取るために尿流量計100を解剖学的に適切に配置することを容易にするために、フローチャンバ104は比較的細長くてもよい。図3A及び図3Bに示されるフローチャンバ104は、幅109及び長さ111を有する。フローチャンバ104の比較的細長い輪郭を画定するため、長さ111は幅109よりも長くてもよい。フローチャンバ104は、第1の高さ107a及び第2の高さ107bなどの高さを有し得る。第1の高さ107aは、ハンドル102に隣接するフローチャンバ104の高さであってもよく、第2の高さ107bは、流出口104bに隣接するフローチャンバ104の高さであってもよい。一般に、図3A及び図3Bの実施形態では、第1の高さ107aと第2の高さ107bの何れか又は両方は、長さ111よりも短くてもよい。さらに、フローチャンバ104に沿って湾曲した輪郭を画定するために、第1の高さ107aは、第2の高さ107bとは異なっていてもよい。
【0026】
尿流量計100は、患者の排尿の1つ又は複数のパラメータを計測し得る。例えば、フローチャンバ104は、患者の使用中に尿を収集し、尿流量、排尿時間、及び尿体積などの1つ又は複数の尿のパラメータを計測し、そして患者の行動にタイムスタンプを付けることがある。フローチャンバ104は、尿流量を決定するための差動流量計又はセンサを含み得る。尿流量計100は、流量を決定するために様々な種類のセンサを含み得る。例えば、尿流量計100は、フローチャンバ104内で液面レベルを決定するセンサを含んでいてもよい。各種実施形態において、尿流量計100は、とりわけ、(例えば、飛行時間(time of flight)センサシステム用の)1つ又は複数のイメージ又は光学センサ、誘導性センサ、磁気センサ、その他のセンサのいずれか又は全てを含み得る。
【0027】
図3Aの縦断面図及び図3Bの横断面図に示されるように、尿流量計100は、フローチャンバ104内の液面レベルを検出するためのセンサ122を含み得る。センサ122は、フローチャンバ104に接続されることがあり、貯留空間116から液体シールされ得る。例えば、図3Bに示されるように、フローチャンバ104は、センサ122を載置するハウジング124を画定することができる。ハウジング124は、センサ122がフローチャンバ104内の尿液面レベルを検出することを可能にしながら、フローチャンバ104内の尿からセンサ122をシールすることができる。
【0028】
各種実施形態において、尿流量計100は、フローチャンバ104内の液面レベルを決定するために、磁気ホール効果センシングを用いることがある。例えば、センサ122は、センサ122に近接した磁石の動きを検出する回転ホール効果センサなどの磁気センサであってもよい。いくつかの場合に、センサ122は、磁石の回転角度を検出することができる。加えて又はそれに代えて、センサ122は、位置変化の大きさなど、磁石の位置の変化を検出することができる。検出は、温度変化と、磁気的及び機械的(例えば、磁気ギャップ、偏心、及び振動)公差(tolerance)とに対してロバストであってもよい。また、磁気センサは、一般に、汚れ、埃、油、ガス、及びその他の汚染物質の影響を受けない。
【0029】
図3Bに示されるように、磁石126は、センサ122に近接して配置されてもよい。例えば、センサ122が磁石126の磁束を検出して磁石126の回転角度を決定できるように、磁石126はセンサ122に充分近接して配置されてもよい。センサ122は、ハウジング124によって磁石126から分離されることがあるため、磁石126とセンサ122との間の距離は、センサ122がハウジング124を介して磁石126の磁束を確実に検出できる距離をとり得る。
【0030】
磁石126の回転位置は、フローチャンバ104内の尿の液面レベルを示し得る。例えば、磁石126は、浮き130に接続され得る。浮き130は、貯留空間116などのフローチャンバ104内に配置されて、フローチャンバ104内の尿液面レベルの増減に応じてそれぞれ上昇又は下降し得る。例えば、浮き130は、フローチャンバ104内の尿液面レベルの変化に応じて、ピボット軸132の周りを旋回することができる。各種実施形態では、1つ又は複数のアームが、浮き130からセンサ122に向かって延在することがある。例えば、図2及び図3Bに示されるように、第1のアーム134a及び第2のアーム134bは、浮き130からセンサ122に向けて延在し得る。第1のアーム134a及び第2のアーム134bは、漏斗106の側壁112の対向する2つの側面に沿って延在し、センサ122の対向する2つの側面で終結し得る。第1のアーム134a及び第2のアーム134bは、フローチャンバ104に旋回可能に接続され得る。例えば、第1の回転軸136a及び第2の回転軸136bは、それぞれ第1のアーム134a及び第2のアーム134bの終端から内側に延在し、回転軸136a、136bがピボット軸132と軸線方向に整列するように、フローチャンバ104によって回転可能に支持され得る。第1のアーム134a、第2のアーム134b、又はその両方は、浮き130と磁石126とを接続させ得る。図2及び図3Bに示されるように、回転軸136a、136bは、1つ又は複数の架台138(図3Bに示される第1の架台138a及び第2の架台138bなど)によって支持されて、第1の架台138a及び第2の架台138bは、ハウジング124の対向する側面に配置され得る。磁石126は、回転軸136a、136bの1つ(例えば、図3Bに示されるような第1の回転軸136a)に接続され得る。そして、磁石126は、使用中に磁石126がセンサ122に対して回転可能ではあるが移動可能ではないように、浮き130のピボット軸132と軸線方向に整列させることができる。浮き130の一部は、アーム134a及びアーム134bの下に延在して、浮き130の形状をフローチャンバ104の内部形状により整合させることができる。
【0031】
図4A及び図4Bは、使用例中の尿流量計を示す。概して、使用中に、患者182は、尿流量計100のハンドル102を把持し、患者182からの尿流を受け取るために適切な位置にフローチャンバ104を配置することができる。図4Aに示されるように、患者182は、汚物投入器180上に座ることがある。患者182は、図4Aに示される着座位置にいる間に、尿流量計100を保持することができる。例えば、患者182の手183は、ハンドル102を用いて尿流量計100を保持することができる。これによって、排尿イベント中に、汚物投入器180を取り扱ったり、接触したりする必要なく、尿流量計100を支持することが可能になり得る。
【0032】
図4Bに示されるように、尿は、漏斗106を介してフローチャンバ104に流れ込むことができる。例えば、尿は、概ね流路Fに沿って流入口106aを介して漏斗106に流れ込み、流出口106bを介して漏斗106から流れ出ることがある。漏斗106の側壁112は、例えば、図4Bに示されるように尿が概ね流路F´に沿って流れ得る形状など、患者への尿の跳ね返りを低減する形状(例えば、輪郭)とされ得る。尿は、漏斗106を介してフローチャンバ104に方向付けられることがあり、収集された尿は、フローチャンバ104内の貯留空間116に配置され得る。図4Bは、フローチャンバ104内の尿101を示す。フローチャンバ104内に収集された尿101は、図4Bに示されるように、例えば、概ね流路Fに沿って流出口104bでフローチャンバ104から流れ出ることができる。流路Fは、尿流量計100及び患者182から離れて延在することができ、その後、汚物投入器180によって受け取られてもよい。
【0033】
図5A図5Cは、フローチャンバ104内の尿液面レベルに対応する様々な構成の尿流量計100を示す。概して、浮き130は、任意の時点におけるフローチャンバ104内の液面レベルを示し得る。図5Aを参照すると、フローチャンバ104が実質的に空であるか、又は尿の入っていない状態である第1の構成の尿流量計100が示されている。第1の構成は、患者182によって使用される前の尿流量計100を表すことができる。図5B及び図5Cを参照すると、フローチャンバ104が、主に流路Fに沿って受け取られたある量の尿を含む、第2の構成及び第3の構成の尿流量計が示されている。排尿イベント中にフローチャンバ104内の尿の量は増加することがある。従って、図5Cの実施形態では、図5Bの構成と比較して増加した量の尿を保持するフローチャンバを示す。本明細書に記載されているように、尿流量計100は、排尿イベント中の増加した体積、流量、又はその両方を検出する。
【0034】
例えば、フローチャンバ104内での尿液面レベルの上昇に伴い、フローチャンバ104内で浮き130が上昇する。同様に、フローチャンバ104内での尿液面レベルの低下に伴い、フローチャンバ104内で浮き130が下降する。浮き130が上昇及び下降するのに合わせて、磁石126は、第1のアーム134a及び第2のアーム134bを介してセンサ122に対して回転される。センサ122は、その磁束を用いて磁石126の角度位置φを検出し、フローチャンバ104内の液面レベルは、(例えば、磁石126の角度位置を浮き130の位置、つまり、フローチャンバ104内の液面レベルに相関させるルックアップテーブルを用いることによって)磁石126の角度位置データから決定することができる。
【0035】
上記を説明するため、図5A図5Cは、基準方向Aを有するセンサ122及び基準方向Aを有する磁石126を示す。説明の目的で、磁石126の角度位置φは、基準方向A及び基準方向Aによって定まる角度として定義され得る。フローチャンバ104の充填レベルが増加するにつれて、磁石126が回転し、これによって、基準方向Aが基準方向Asに対して移動し、磁石126の角度位置φが変化することを示す。
【0036】
図5A図5Cは、センサ122が磁石126の異なる角度位置に対して異なる磁気特性Tを検出する様子を示す。例えば、図5Aの第1の構成では、センサ122は、磁気特性Tを検出することができる。磁気特性Tは、磁石126が角度位置φに配置されたときに呈する磁束に対応し得る。角度位置φは、フローチャンバ104が空の時など、フローチャンバ104の最底部にある浮き130の位置に対応し得る。
【0037】
浮き130は、フローチャンバ104内の尿の充填レベルに合わせて位置を変えることができる。フローチャンバ104が、概して流路F1などから尿で満たされるにつれて、浮き130が上昇する。それによって、磁石126を回転させ、磁石126がセンサ122に検出可能な異なる磁気特性を呈することを可能にする。図5Bを参照して説明すると、フローチャンバ104が充填レベル103aの尿101を含む第2の構成の尿流量計100が示される。図5Bに示される浮き130は、図5Aの充填レベルよりも高い位置にあり、これは尿101の充填レベル103aに対応する。充填レベル103aでの浮き130の上昇位置によって、磁石126が回転して角度位置φの配置になる。角度位置φでは、磁石126は、センサ122に検出可能な磁気特性Tを呈することができる。このため、センサ122は、磁気特性Tを検出することができる。磁気特性Tは、図5Bに示される充填レベル103aであるフローチャンバ104の充填レベルを決定するために、尿流量計100(又は、関連システム又は装置)によって使用され得る。
【0038】
フローチャンバ104が、概して流路F1などから尿で満たされ続けると、浮き130は上昇し続ける可能性があり、それによって、磁石126を更に回転させ、磁石126がセンサ122に検出可能な磁気特性を呈することを可能にする。図5Cを参照して説明すると、フローチャンバ104が次の充填レベル103bの尿101を含む第3の構成の尿流量計100が示される。図5Cに示される浮き130は、図5Bの充填レベルよりも高い位置にあり、これは尿101の次の充填レベル103bに対応する。次の充填レベル103bでの浮き130の上昇位置によって、磁石126が回転して角度位置φの配置になる。角度位置φでは、磁石126は、センサ122に検出可能な磁気特性Tを呈することができる。このため、センサ122は、磁気特性Tを検出することができる。磁気特性Tは、図5Cに示される次の充填レベル103bであるフローチャンバ104の充填レベルを決定するために、尿流量計100(又は関連システム又は装置)によって使用され得る。
【0039】
患者の尿流量は、液面レベル情報を用いて(例えば、流路Fをに沿って流れる流出流量など、フローチャンバ104からの一定の流出流量に基づいて液面レベルの変化を計算することによって)決定され得る。液面レベルはまた、(例えば、患者の全使用期間に渡る流量曲線を積分することによって)尿流量計100によって収集される総体積、即ち、患者から排泄又は排尿された尿の総体積に換算され得る。液面レベルは、ピッチ及びロールと共に、保持された体積と流出流量を決定するために、多次元ルックアップテーブルへの入力として用いられる。例えば、計算/処理は、(ピッチ、ロール、液面レベル)→「ルックアップテーブル」→(保持された体積、流出流量)、となり得る。
【0040】
多次元ルックアップテーブルを用いて、保持された体積と、流入口及び流出口の尿流量と、時間データとを決定する方法は以下の通りである。尿流量計100は、尿流量計100の向き(例えば、異なるピッチ、ロール、液面センサ162位置又はそれらの全て)が異なると、出口流量特性が異なる流出口104bを有することができる。これら特性の変化を検出することで流れの特性を決定できる。以下の表1A、表1B、及び表1Cは、これらの値の間の例示的な関係を示す。
【0041】
【表1A】
【0042】
【表1B】
【0043】
【表1C】
【0044】
上記表1A、1B及び1Cを参照すると、一例では、流れイベント中の時間の特定の時点又は断片(snapshot)において(特定のサンプリング間隔など)、排尿装置100は、フローチャンバ104がハンドル102に対して下向きの角度にされた状態で、ピボット軸132に平行な軸線上で水平から30°のピッチを有し、ピボット軸132に垂直な軸線上で水平から12°のロールを有し、浮き130の角度位置φは18°である。引き続き同じ例において、サーバ環境2008(図6C)などのサーバは、浮き130の角度位置10度において以下の所定の出口流量特性を含む。表1Aを参照されたい。サーバ環境2008は、20°のピッチ及び10°のロールに対応する12mL/秒の出口流量(outlet flow rate)を含む。サーバ環境2008は、40°のピッチ及び10°のロールで25mL/秒の所定の出力流量(output flow rate)を含み、20°のピッチ及び20°のロールで17mL/秒の所定の出力流量を含み、40°のピッチ及び20°のロールで32mL/秒の所定の出力流量を含む。表に示されるように、サーバ環境2008は、浮き230の20°の角度位置で、以下の所定の出口流量特性を含む。サーバ環境2008は、20°のピッチ及び10°のロールに対して17mL/秒の出口流量を含み、40°のピッチ及び10°のロールで35mL/秒の所定の出力流量を含む。さらに、サーバ環境2008は、20°のピッチ及び20°のロールで23mL/秒の所定の出力流量を含み、40°のピッチ及び20°のロールで45mL/秒の所定の出力流量を含む。
【0045】
処理要素152又はサーバ環境2008は、補間、例えば、バイリニア補間を使用して、表1Aの条件では、出口流量を19.7であると決定し、表1Bの条件では、出口流量を27.6mL/秒であると決定する。そして、それぞれの処理要素は、実際の浮きの位置φが18°である場合に、表1A及び表1Bから、所定の浮き角度位置φが10°における出口流量値と、所定の浮き角度位置φが20°における出口流量値との間を補間する。各処理要素は、出口流量は23.65mL/秒であると決定する。表1Cを参照されたい。各処理要素は、例えば、線形補間、キュービック補間、バイキュービック補間、1次元最近傍補間、又は2次元最近傍補間など別の種類の補間を用いてもよい。各種の例では、処理要素152は、ピッチ、ロール又は液面センサ162位置入力のうちの1つ、若しくはこれら入力の任意の組み合わせの任意の2つを用いて、出口流量を決定する。
【0046】
次に、処理要素152又はサーバ環境2008は、浮き130の角度位置φ及び補間された出口流量を用いて入口流量(inlet flow rate)を決定する。例えば、入口流量は、出力流量に対して、最後のサンプリング間隔以降のフローチャンバ104内に保持される体積の変化を加えたものとして決定される。液面センサ162があるサンプリング間隔から次のサンプリング間隔で上昇する場合、前回のサンプルと比較して、現在のサンプリングではフローチャンバ104により多くの液体体積が保持されており、それに応じて入力流量は出口流量よりも高くなる。同様に、液面センサ162が前回のサンプリング間隔と比較して現在のサンプリング間隔で下降する場合、出口流量は入口流量よりも高くなる。この保持される体積は、例えば、表1A、1B及び1Cに例示されるような出口流量と同様の方法と入力(例えば、ピッチ、ロール、及び液面センサ162位置)を用いて、ルックアップテーブルから決定される。
【0047】
別の例では、所定の特性は、浮き130の角度位置φ、ピッチ、及び任意選択でロールを入力とし、入力流量(input flow rate)を出力とする数学的関係の形式をとる。一例では、処理要素152は、浮き130の角度位置φのデータ、尿流量計100の配向データ、又はその両方を用いて流出流量を分析することで尿流量を決定する。特に、サーバ環境2008(又は処理要素252)は、フローチャンバ104の既知の排出量と併せて検出期間中の浮き130の位置を用いて、例えばユーザからフローチャンバ104への流量を決定する。上記は例示のみを意図しており、尿流量計100への流入量は他の方法でも決定できる。
【0048】
尿流量計100は、遠隔コンピューティングデバイスへのデータの自動転送も提供することができる。図6Aは、尿流量計100に関連付けられた電子機器150の簡略ブロック図である。図6Aを参照すると、電子機器150は、1つ又は複数の処理要素152、1つ又は複数のメモリ構成要素154、電源156、入出力(I/O)インタフェース158、1つ又は複数の方位センサ160及び1つ又は複数の液面センサ162を含んでいてもよい。電子機器150は、通信インタフェースやその他のセンサなどコンピュータシステムに典型的に見られるその他の構成要素を含み得る。電子機器150の各要素は、1つ又は複数のシステムバス166を介して、無線などで通信できる。
【0049】
電子機器150の少なくとも一部の部品又は要素は、尿流量計100に格納され得る。例えば、処理要素152、メモリ構成要素154、電源156、入出力(I/O)インタフェース158、方位センサ160及び液面センサ162のうちの1つ又は複数が、尿流量計100内に配置又は収容され得る。図3Aに示されるように、電子機器150は、尿流量計100内に格納され得る。例えば、処理要素152、メモリ構成要素154、電源156、入出力(I/O)インタフェース158、及び方位センサ160のうちの1つ又は複数は、ハンドル102内に格納又は収容されることがあり、液面センサ162がフローチャンバ104内に収容されることがある。処理要素152は、プリント回路基板170に関連付けられ得るし、図3Aに示されるように、例えば、プリント回路基板170は、尿流量計100のハンドル102内に収容され得る。電子機器150の各要素について、以下に順に説明する。
【0050】
1つ又は複数の処理要素152は、命令の処理、受信、送信、又はその全てを実行可能な実質的に任意のタイプの電子デバイスであり得る。例えば、処理要素152は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラであってもよい。加えて、電子装置150の選択された構成要素が、第1の処理要素152によって制御されてもよく、他の構成要素が、第2の処理要素152によって制御されてもよく、第1及び第2の処理要素152は、互いに通信してもしなくてもよいことに留意されたい。加えて又はそれに代えて、選択されたデータの処理工程が、1つの処理要素152によって実行されてもよく、他のデータの処理工程が、別の処理要素152によって実行されてもよく、互いに異なる複数の処理要素152は互いに通信してもしなくてもよい。
【0051】
1つ又は複数のメモリ構成要素154は、例えば、処理要素152の命令を記憶し、センサ122によって収集されたデータを記憶するために、電子機器150によって用いられる電子データを記憶することができる。1つ又は複数のメモリ構成要素154は、光磁気記憶装置、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能なプログラマブルメモリ、フラッシュメモリ、或いは、1つ又は複数の種類のメモリ構成要素の組み合わせであってもよい。
【0052】
電源156は、電子機器150の構成要素に電力を供給することができる。特定の用途に応じて、電源156は、バッテリ(例えば、図3Aに示されるように、バッテリ172は尿流量計100のハンドル102に収容されてもよい)、電源コード、又は電子機器150の構成要素に電力を送るその他の要素であってもよい。図3Aに示されるように、バッテリ172は、ハンドル102の下側に配置され得る着脱可能な蓋176を介してアクセス可能であり得る。蓋176は、1つ又は複数の留め具178によってハンドル102に取り付けることができる。バッテリは、電気コード又は非接触充電(induction charger)部品によって再充電可能であり得る。
【0053】
入出力インタフェース158は、尿流量計100との間の通信など、電子機器150との間の通信を提供することができる。入出力インタフェース158は、1つ又は複数の入力ボタン、通信インタフェース(WiFi、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、セルラー、IRなど)、通信構成要素(ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/ケーブルなど)を含んでいてもよい。各種実施形態で、入出力インタフェース158は、各排尿イベントの尿流量及び排尿された総体積を計算するためのセンサデータの処理、データの再処理、データの記憶、レポートの生成、又はその全てを実施するために、センサデータを尿流量計100から記憶装置を含む遠隔サーバなどの遠隔コンピューティングデバイスに送信する。他の実施形態では、流量計算のサマリがサーバに送信される。
【0054】
1つ又は複数の方位センサ160は、尿流量計100の向きを計測可能な実質的に任意のタイプの電子デバイスであり得る。例えば、1つ又は複数の方位センサ160は、尿流量計100の向きを計測するジャイロスコープであってもよい。加えて又はそれに代えて、1つ又は複数の方位センサ160は、近接検出のための及び自動的に装置の電源をオン/オフするための容量(又は静電容量)センサであってもよい。即ち、ハンドル内の静電容量センサは、ハンドルが患者の手の中に保持されていることを決定することができ、装置が人の体に近接していることを計測することができる。各種実施形態では、1つ又は複数の方位センサ160は、1つ又は複数の加速度計を含み得る。各種実施形態で、加速度計と容量センサの両方は、尿流量計を自動的にオンにするのに用いられる。1つ又は複数の方位センサ160は、尿流量計100の向きを計測することができ、配向データはメモリ154に記憶され得る。各種実施形態で、尿流量計100は、例えば、加速度計によって検出されるなど、尿流量計100の向きに応じて自動的にオンになるように構成され得る。例えば、尿流量計100が、患者が使用するのに適切な向きに配置されていることが、1つ又は複数の方位センサ160によって検出された場合に、1つ又は複数の処理要素152は、バッテリ172を介して尿流量計100に電力を供給することができ、これによって、患者が使用するために尿流量計100がオンになる。正しい向きの場合に装置をオンにすることは、自動的に行われてもよく、電源ボタンを介して行われてよい。例えば、尿流量計100は、患者が手動で尿流量計100をオン又はオフにするのを可能にするために、電源ボタン179(例えば、図1及び図2を参照)を含んでいてもよい。図1及び図2に示されるように、電源ボタン179は、患者が操作しやすいように、ハンドル102の近位端102aの上面など、ハンドル102の近位端102aに配置されてもよい。
【0055】
他の実施形態では、装置が正しく、所望の、又は最適な位置又は向きにあるときに、LED照明が点灯するようにしてもよい。加えて又はそれに代えて、尿流量計100は、LEDディスプレイなどのディスプレイを含んでいてもよい。LEDディスプレイは、尿流量計100のハンドルと一体化されてもよく、方位センサ160、その他のセンサ、又はその両方のうちの1つ又は複数に動作可能に接続され得る。ディスプレイは、ピッチ、ロール、又はその両方の状態を含む、尿流量計100の現在の又は瞬間的な向きを示すことができる。本明細書で説明されるように、尿流量計100は、センサ122などの尿流量計100の1つ又は複数の構成要素の最適な動作に関連付けられた、目標状態又は目標方位を有することがある。このため、ディスプレイは、目標状態又は目標方位に対する尿流量計100の現在の向きを示すことができる。現在の向きが目標と合致する場合、又は、目標の許容範囲内に入る場合には、尿流量計100は、患者の尿流を受け取る状態になり得る。別の例では、LEDは、尿流量計100の障害状態を示すか、又は伝えるために点灯することがある(例えば、バッテリの充電が切れた場合、センサが故障した場合、又は別のハードウェア又はソフトウェアの障害状態が検出された場合)。別の例では、LEDは、例えば、フル充電、一部充電、充電中、故障など、バッテリの充電状態を示すことができ、或いは、LEDはバッテリ寿命の終わりを示すことができる。
【0056】
いくつかの場合には、本明細書中に記載される尿流量計は、収集データが排尿イベントと対応することを決めるのに用いる検証センサ又はアセンブリ(validation sensor or assembly)を含んでいてもよい。検証センサは、尿流量計の特性、環境の特性、又はその両方を測定し得る。このような計測値は、所定の排尿特性、排尿環境、又はその両方と比較され得る。この比較に基づいて、検証センサを使用して、排尿イベントが妥当であるか、又は、排尿イベントが尿流又は尿体積など、イベントの1つ又は複数のパラメータの計算に使用可能かを決定することができる。比較は変化するため、検証センサは、排尿イベントが検出されたにも拘わらず、ノイズが多い又はエラーが発生しがちなど、収集されたデータが使用できない可能性があると決定する場合がある。この点に関して上記を容易にするために、検証センサは、方位センサ160を含むか、又は、方位センサ160と接続され得る。加えて又はそれに代えて、検証センサは、液面センサ162を含むか、又は、液面センサ162と接続され得る。
【0057】
1つ又は複数の液面センサ162は、尿流量計100のフローチャンバ104内の液面レベルを計測できる実質的に任意のタイプの電子デバイスであり得る。上述したように、尿流量計100は、(例えば、飛行時間(time of flight)センサシステム用の)1つ又は複数のイメージ又は光学センサ、誘導性センサ、磁気センサ、その他のセンサ、又はその全てを含むことができる。各種実施形態で、尿流量計100は、磁気ホール効果センシングを用いて、フローチャンバ104内の液面レベルを決定することができる。例えば、液面センサ162は、図3Bに示されるセンサ122及び磁石126のように、センサに近接して配置された磁石の動きを検出する、回転ホール効果センサなどの磁気センサでもよい。1つ又は複数の液面センサ162からのデータは、メモリ154に記憶されてもよく、1つ又は複数の処理要素152は、例えば、各排尿イベントの尿流量及び総体積を決定するために、1つ又は複数の方位センサ160からの配向データと共に、液面レベルデータを用いることができる。
【0058】
加えて又はそれに代えて、液面レベル162センサは、導電性流体にさらされたときに電気抵抗の変化を検出するものなど、抵抗ストリップを含んでいてもよい。別の例では、液面センサ262は、カメラなどの光検出器、又は、光エミッタ及びレシーバを含んでいてもよい。これらは、フローチャンバ204内の目盛線(例えば、任意の時点での液体の体積を示す線)と比較して、フローチャンバ204内の液面レベルを測定する。別の例では、液面センサ262は、光ファイバ要素を通過する光伝送パワーの変化を測定する、光エミッタ及びレシーバを含んでいてもよい。光ファイバ要素は、フローチャンバ204内の液面レベルの変化に曝される。別の例では、液面センサは、浮力要素に接続されたホイートストンブリッジなどのひずみゲージを含んでいてもよい。ひずみゲージは、フローチャンバ204内の液面レベルの変化に応じるなど、浮きが動く際の浮きのひずみを測定する。
【0059】
図6Bは、尿流量計100からのデータを収集、処理、又はその両方を実施する方法を示す簡略フロー図である。図6Bを参照すると、患者182は、医療提供者184との診察を予約することができる。これに応じて、医療提供者184は、医師が尿失禁に関連した症状を診断し治療するのを支援するために、自動化された排尿日誌、尿流測定、又はその両方が、患者の外来時に医療提供者184に提供されることを要請することができる。自動化された排尿日誌の作成を容易化するため、医療提供者は、患者の連絡先情報を自動化された排尿日誌システム186に送信し、患者の自動化された排尿日誌を注文してもよい。これに応じて、自動化された排尿日誌システム186は、患者に連絡を取り、患者の支払い情報を取得し、患者に配達するために尿流量計100などの尿流量計を注文してもよい。患者は、尿流量計100を用いて尿データ(例えば、尿流量、総体積、排尿間隔など)を収集、記録することができ、尿流量計100は、収集したデータを自動化された排尿日誌システム186に、自動的に転送又は送信することができる。自動化された排尿日誌システム186は、医療提供者が患者の次の診察前に見直せるようにレポートを生成してもよい。自動化された排尿日誌システム186は、データ及びレポートの保存及び分析を含む、データ及びレポートのための中央集中型のオンラインサイトを提供してもよい。加えて又はそれに代えて、自動化された排尿日誌システムは、装置の供給業者に情報を提供し、装置の注文、再供給、再処理を円滑にすることができる。
【0060】
図6Cでは、図6Bのフロー図を実装する図の一例が示される。読者が分かりやすいように、この例では、尿流量計100を参照して説明する。ただし、本明細書中に開示される任意の尿流量計は、尿流量計200、300、400、500、600、700、800、900、1000又は1100を含むがこれらに限られず、この実装方法で使用され得ることを理解されたい。
【0061】
図6Cに示されるように、ユーザは、外来患者設定2000又は医療提供者2002から離れた場所にいてもよく、医療提供者2002は、診察室、病院、又は療養施設などの専門家設定2004にいる。例えば、外来患者設定2000は、患者の自宅、又は専門家設定2004から離れた実質的に任意の場所であり得る。装置100は、自宅、会社、公共の場所、屋外、ユーザが排尿の必要性を感じたときにいるその他の場所など、多くの外来患者設定における排尿行動から尿流データを収集するために、ユーザによって使用され得る。装置100の携帯性は、例えば、その小さいサイズや、ケース又は容器、ブリーフケース、財布、又はバックパックに収納し易さを考慮すれば、ユーザが装置100を近くに保持することを可能にし、いくつかの例では、上記設定でユーザが身に付けていることを可能にする。
【0062】
排尿イベント中に用いられる場合、装置は、ハンドルなどに容量センサを含むことがあるために、ユーザが装置又はハンドルを握ったり、保持したりすることによる静電容量を検出して装置100がオンになる。装置100が、正確な尿流データの収集を取得し易い、使用に適切な向きに配置されているときに、方位センサ(例えば、加速度計)は、光、音、又は振動等の信号、又はその組み合わせによってユーザに知らせるよう機能する。例えば、方位センサは、装置が(端から端まで)適切な角度に向いている、横方向に適切な角度に向いている、充分に静止して保持されている、又はその全てであることを検出し得る。装置100の使用準備ができたことを示す指示を受信すると、装置100は尿流データを収集する準備ができており、その後、ユーザは排尿イベントを開始し、完了し得る。
【0063】
いくつかの例では、尿流データが収集されると、排尿時間、流量、流量の変化、体積などの1つ又は複数のデータが装置100内メモリユニットに記憶される。データは、生で未処理データでもよく、又は転送に備えて集約及び整理されるなど最小限に処理されていてもよい。他の例では、データは分析され要約されて、転送に備えられてもよい。図6Cに示されるように、データ(この例では最小限の処理がされた生データ)は、その後の処理のために、通信リンク2006を介してサーバ環境に転送される。装置100は、セルラーネットワークで、ブルートゥース(登録商標)によって、無線ネットワーク上で、有線ネットワーク上でなど、様々な手段によって無線でデータを転送し得る。適切なネットワーク接続及び構成要素は、米国特許出願公開第2016/0029942号明細書に開示され得る。これは、本明細書中に開示されているかのように、その全体が参照により本明細書中に取り込まれる。
【0064】
サーバ環境2008は、装置100から転送されたデータを受信し得るデータ記憶処理部(DSPU)2010を含み得る。サーバ環境2008はまた、再処理部2012と、請求部2014と、レポート及びサマリ部2016とを一体化して又は分離して含み得る。これら各部は、互いに他の1つ又は複数(全ても含む)の部と通信し得る。DSPUは、装置以外のその他のソースからの入力を受信し得る。DSPUは、他の構成要素又はシステムにデータ及び情報を出力し得る。図6Bに示されるように、装置100は、この例ではセルラー技術を用いて、データをDSPUに送信する。DSPUは、他の動作の中でも、データの分析、データの修正、データの削除、データの記憶、データの統合、データのコピー又は複製、データの送信、又はその全ての動作の1つ又は複数を任意の順序で実行することなどによって、所望の方法でデータを処理することができる。DSPUは、データを処理しなくてもよく、装置100から受信したそのままの形式でデータを保持してもよい。データ処理の結果、分析データが生成される。分析データは、尿流パフォーマンスレポート、保険証券用紙、請求書の形式をとるか、生データ又は最小限に処理されたデータのままでもよい。装置100からのデータの処理後、分析データは、医療提供者2002に送信され得る。分析データは、医療提供者から要請される場合もあれば、定期的又は非定期的に医療提供者にプッシュ送信される場合もある。
【0065】
装置100は、装置100の状態を含む通信をDSPUに送信し、DSPUから受信し得る。また、装置100は、ファームウェアのアップグレードを要請し、受信し得る。それは、催促することなくDSPUから装置にプッシュ送信されてもよい。装置は、情報をDSPUの再処理部などに提供することができるか、又は、DSPUが、装置100から情報を取得し、再処理部に提供することができる。或いは、装置は、再処理機能に関する装置100の状態について再処理部と直接通信することができる。1つの非制限的な例として排尿イベント数などが閾値に達すると、DSPUは、直接又は再処理部を介して、装置100の動作を停止し得る。これによって、装置100は、例えば再処理代理店に送り返され、次の使用のために再処理され得る。
【0066】
DSPUは、直接又は請求部を介して、請求事項に関してデータを処理することができ、このような情報を、ユーザのコンピュータデバイスを介して医療提供者又は他のユーザ、又はその両方に伝達することができる。
【0067】
DSPUは、直接又はレポート及びサマリ部を介して、データ及びデータに基づくレポートを(個々の排尿イベントからのものであるか、複数の排尿イベント間で集約されたものであるかを問わず)、ユーザのコンピュータデバイスなどを介して医療提供者又はユーザに提供することができる。
【0068】
一例では、ユーザの装置100とユーザのコンピュータデバイスは、互いに直接通信しない。ユーザのコンピュータデバイスは、ユーザの尿データの流れに関するレポートを取得するために、又は、DSPUでユーザが利用可能なその他の機能を実行するために、(DSPUにアクセス可能なウェブサイトにアクセスして、又は、DSPUにアクセス可能なユーザのコンピュータデバイス上のアプリケーションを使用して)DSPUと通信し得る。
【0069】
別の例では、ユーザの装置とユーザのコンピュータデバイスとは、図6Cの両者の間にある点線2018によって示されるように、互いに直接通信することができる。
【0070】
ユーザは、タブレット、携帯電話、コンピュータ、eリーダーを含む携帯デバイスなどのユーザ通信デバイスを所有していても、所有していなくてもよい。ユーザ通信デバイスは、本明細書中で集合的にサーバ環境と呼ばれるクラウドデバイス又は物理的なサーバ上など、インターネット上に保存された情報にアクセスすることを可能にする。
【0071】
分析されていないデータ又は生データを装置100からDSPUに送信し、装置100ではなくDSPU上で尿流データの分析を実行することによって、2つの装置間のデータフローを効率化でき、装置の制御部の処理能力を単純化してコストが削減される可能性があり、装置100の性能の信頼性が向上する可能性があり、消費電力が削減される可能性がある。
【0072】
加えて又は単独で、いくつかの例では、排尿イベント中の正確な尿流の読みとりをより確実にするのを助けるために、装置の性能を校正し、校正係数を求めてもよい。各装置100の校正は、装置毎にカスタマイズされてもよいが、2つ以上の装置100に既知の定数が用いられてもよい。いずれの場合も、装置からDSPUに送信されるデータは、データが収集された装置100の識別を含み得る。次に、DSPUは、装置から受信したデータを適切に解釈し、正確なレポート及びサマリを作成するために、適切な校正係数を適切な装置に適用できる場合がある。
【0073】
本明細書に示される例は、ユーザが医療提供者の施設に居る場合、例えば、トイレで装置100を用いて尿流データを提供している場合などにも適用され得る。この場合にも、本明細書中の方法及びシステムは機能するであろう。
【0074】
装置の再処理は、装置の再利用可能な構成要素の清浄、殺菌、及び消毒と、装置の1人の患者が使用する構成要素の廃棄及び置換を含むことがある。再処理には、品質管理と、次の患者に出荷する準備ができている、新しい構成要素を用いた装置の再梱包とが含まれ得る。再処理は、バッテリの再充電、保存されている情報の消去、装置の使用可能性についての試験、又はその全てなども含まれ得る。
【0075】
いくつかの態様では、再処理ワークフローは様々な工程を含み得るが、全ての工程が必ずしもプロセスに含まれるわけではない。1つの態様では、注文工程で、尿流量計が医療従事者によって注文される。配布工程では、尿流量計が医療従事者の診察室で作動され、患者に渡される。使用工程では、患者が装置を使用して排尿日誌を作成するか、又は尿流を測定する。所望により又はそれに加えて、回収工程では、装置が医療従事者の診察室で回収され、装置の供給業者に郵送される。再処理工程では、食品医薬品局(Food and Drug Administration)、米国感染管理疫学専門家協会(Association for Professionals in Infection Control and Epidemiology)、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control)のガイドラインに準拠して装置が再処理される。所望により又はそれに加えて、補充工程では、装置が医療従事者に再び補充される。
【0076】
自動化された排尿日誌システム186を使い易くするため、患者は自分の電子デバイス(例えば、携帯電話)にアプリケーションをダウンロードしてもよい。アプリケーションは、尿流量計100によって計測された排尿を追跡してもよい。各種実施形態では、アプリケーションは、水分摂取量、尿漏れ、就寝及び起床時間、その他の排尿の詳細など、その他診断上関連のある患者データの患者による入力も受信することができる。各種実施形態で、アプリケーション(又は上述したシステム、又はその両方)は、データストレージ、オンラインレポートの生成、再処理、請求、又はその全てを提供し得る。医療提供者は、例えば、患者のレポート閲覧、患者への請求書発行、装置の配布、作動、又は返却、若しくはその全てのためにアプリケーションにアクセス可能であってもよい。各種実施形態で、アプリケーションは、例えば、患者又は医療提供者によってアプリケーションに入力された情報(例えば、診察予約日)に基づいて、自動化された排尿日誌のレポートを医療提供者に自動的に送信してもよい。
【0077】
図7は、ハンドル202、フローチャンバ204、漏斗206及び浮き230を含む尿流量計200の分解図である。尿流量計200は、概して尿流量計100と同じ構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102、フローチャンバ104、漏斗106及び浮き130を含む尿流量計100の説明は、以下に記載されている場合を除いて、ハンドル202、フローチャンバ204、漏斗206及び浮き230を含む尿流量計200に等しく適用可能である。
【0078】
尿流量計100と比較して、尿流量計200のフローチャンバ204は、ハンドル202に着脱可能に取り付けられている。例えば、図7に示されるように、フローチャンバ204は、1つ又は複数の留め具278によってハンドル202に着脱可能に取り付けられ得る。留め具278は、ハンドル202の長手方向の中心線に略平行に配向させることができ、磁気センサハウジング224(図7に示される)付近のフローチャンバ204の側壁214に螺合することができる。あるいは、留め具278は、ハンドル202の長手方向の中心線に略垂直に配向させることができ、フローチャンバ204の底壁218(図8に示される)に螺合することができる。加えて又はそれに代えて、留め具278は、ネジ筋を持たず摩擦篏合又はスナップ篏合によって係合することができる。着脱可能なフローチャンバ204を含むことで、患者、供給業者、又は医療従事者は、フローチャンバ204、漏斗206、浮き230、又はその全てを、衛生面と消毒目的から、使用後に廃棄し得る。換言すれば、フローチャンバ204、漏斗206及び浮き230は、使い捨てであってもよく、1人の患者が使用するものである。したがって、ハンドルは異なる患者などによって再利用されることがあるが、1人の患者が使用する構成要素(フローチャンバ、漏斗及び浮き)は廃棄される。
【0079】
位置決め突出部290は、ハンドル202の遠位端202bから遠位に突出することができ、フローチャンバ204を留め具278でハンドル202に固定する前に、フローチャンバ204のハンドル202に対する位置合わせを容易にし得る。例えば、突出部290は、ハンドル202の遠位端202bに面するフローチャンバ204の側壁214の一部に形成された対応する凹部291に収容され得る。センサ122と、例えば、プリント基板170、バッテリ172、又はその両方(例えば、図3A参照)との間に電気通信を提供するために、1つ又は複数の電気コンタクト292がハンドル202の遠位端202bに設けられ得る。ガスケット293は、ハンドル202の遠位端202bの周辺部の周りに延在することができ、1つ又は複数の電気コンタクト292とセンサ122との間に汚染されない接触を確保するため、フローチャンバ204とハンドル202との間にシールされたインタフェースを提供し得る。例えば、ガスケット293は、ハンドル202とフローチャンバ204との間に防水又は防湿バリアを形成し得る。これはハンドル202の汚染防止に役立つことがあり、次の患者のためのハンドル202の再利用を容易にすることがある。図8に示されるように、液面センサは突出部290内に収容される場合があるため、1つ又は複数の電気コンタクト292及びガスケット293は必要とされない場合がある。
【0080】
図9は、別の尿流量計300の斜視図であり、図10は、尿流量計300の縦断面図である。図9及び図10に示されるように、尿流量計300は、ハンドル302及びフローチャンバ304を含む。尿流量計300は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、尿流量計300に等しく適用可能である。
【0081】
図9の実施形態では、尿流量計300は浮きを含まない。代わりに、フローチャンバ304(例えば、フローチャンバ304の流入口304aから流出口304bまで)を通過する尿394の質量流量を計測するために、尿流量計300は、熱式質量流量計又は質量流量計又はセンサ322を含む。所望により、通過する尿流の長さ、幅又は断面の直径を計測するために視覚センシングなど、別の「非接触」センシング技術が用いられてもよい。センサ322は、フローチャンバ304の側壁314に埋め込まれてもよく、センサ322は、ハンドル302に収容された電子機器370に電気的に接続されてもよい。使用中、患者182は、尿流量計300を肌に接触させて配置することがあり、フローチャンバ304に画定された開口を通して排尿することができる。センサ322は、尿394の質量流量を検出することができ、質量流量を使用して患者182から排出された尿の総体積を決定してもよい。
【0082】
図11は、別の尿流量計400の分解図であり、図12は、尿流量計400の縦断面図である。図11及び図12に示されるように、尿流量計400は、ハンドル402及びフローチャンバ404を含む。尿流量計400は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、以下に記載されている場合を除いて、尿流量計400に等しく適用可能である。
【0083】
図11の実施形態では、尿流量計400のフローチャンバ404は、着脱可能にハンドル402に取り付けられ、これによって、フローチャンバ404は、患者の使用後に廃棄可能になる。各種実施形態で、尿流量計400は使い捨て漏斗を含まない。図11に示されるように、ハンドル402は、フローチャンバ404の側壁414の対応する凹部又はレセプタクルに差し込むための突起495を含んでいてもよい。凹部又はレセプタクルは、側壁414からハンドル402に向かって後方に突出する延長部496によって画定されてもよい。突起495が延長部495によって画定されるレセプタクルに挿入されると、フローチャンバ404は突起495を介してハンドル402に解除可能に固定され得る。換言すれば、フローチャンバ404は突起495を介してハンドル402から肩持ち梁状に突出し得る。突起495は、フローチャンバ404の重量を任意の時点で計測する荷重屈曲(load flexure)センサあってもよい。突起495は、ハンドル402内に収容された電子機器470に電子的に接続されてもよい。
【0084】
使用中、患者は、尿流量計400の上面を肌に押し当て、フローチャンバ404に排尿することができる。尿494は、フローチャンバ404を通過し得る(例えば、フローチャンバ404の流入口404aから入って流出口404bから出る)。フローチャンバ404の重量は、フローチャンバ404内の尿494の量に基づいて変化し、重量は、負荷屈曲突起495によって計測される。内部に尿494を含むフローチャンバ404の計測された重量は、患者182から排泄された尿の流量及び総体積を決定するのに使用され得る。
【0085】
図13は、別の尿流量計500の分解図であり、図14は、尿流量計500の縦断面図である。図13及び図14に示されるように、尿流量計500は、ハンドル502及びフローチャンバ504を含む。尿流量計500は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、以下に記載されている場合を除いて、尿流量計500に等しく適用可能である。
【0086】
図13の実施形態では、尿流量計500のフローチャンバ504は、ハンドル502に着脱可能に取り付けられ、これによってフローチャンバ504は、患者の使用後に廃棄可能になる。したがって、各種実施形態で、尿流量計500は使い捨て漏斗を含まない。図13には示されていないが、ハンドル502は、図11のハンドル402のフローチャンバ404への(例えば、突起による)取り付けと同様に、フローチャンバ504に取り付けられてもよい。図13に示すように、ハンドル502は、ハンドル502の遠位端502bに配置された1つ又は複数の光学センサ522を含んでいてもよい。ハンドル502がフローチャンバ504に取り付けられる場合、ハンドル502に向かって側壁514から後方に突出するフローチャンバ504の延長部596の下に、1つ又は複数の光学センサ522が配置されてもよい。1つ又は複数の光学センサ522は、フローチャンバ504に流入する尿流594を検出することができ、フローチャンバ504内の液面レベルを決定するように動作可能であり得る。1つ又は複数の光学センサ522は、ハンドル502内に格納された電子機器に電気的に接続されてもよい。
【0087】
尿流594の流量を決定するために、尿流量計500は、パドルホイール597又はタービンなどの回転可能な計測器を含むことがある。パドルホイール597の回転は、尿流594の流量に比例し得る。したがって、尿流594の流量は、パドルホイール597の回転量を測定することで決定され得る。パドルホイール597は、フローチャンバ504の流出口504bに関連付けられ得る。シールド又は覆い598は、尿流594がパドルホイール597を押して一方向に回転させるように、尿流594がパドルホイール597の片側のみ(例えば、下半分)に接触することを確実にし得る。シールド598は、フローチャンバ504の側壁514に取り付けられてもよく、パドルホイール597の外周の周りに延在することがある。シールド598は、尿流594が確実にパドルホイール597の下半分に接触するように、パドルホイール597の回転軸の下部で終端してもよい。
【0088】
使用中、患者は、尿流量計500の上面を肌に押し当て、フローチャンバ504に排尿することができる。尿流594は、流入口504aからフローチャンバ504に入り、流出口504bからフローチャンバ504を出るように移動することがある。1つ又は複数の光学センサ522がフローチャンバ504内の液面レベルを検出することができるか、パドルホイール597が尿流594の流量を検出することができるか、又はその両方である。フローチャンバ504内で検出された液面レベルは、患者182が排泄した尿の流量及び総体積を決定するのに使用され得る。加えて又はそれに代えて、尿流594の検出された流量は、患者182から排泄された尿の総体積を決定するのに使用され得る。
【0089】
図15は、別の尿流量計600の分解図であり、図16は、尿流量計600の縦断面図である。図15及び図16に示されるように、尿流量計600は、ハンドル602、フローチャンバ604及び漏斗606を含む。尿流量計600は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102、フローチャンバ104及び漏斗106を含む尿流量計100に関する説明は、以下に記載されている場合を除いて、尿流量計600に等しく適用可能である。
【0090】
尿流量計100とは異なり、尿流量計600は浮きを含まない。代わりに、尿流量計600は、フローチャンバ604の流出口604bを通って移動する尿694の流量を計測する1つ又は複数の光学センサ622を含む。1つ又は複数の光学センサ622は、フローチャンバ604の側壁614に埋め込まれていてもよい。図16に示されるように、1つ又は複数の光学センサ622は、フローチャンバ604の流出口604bの真上に位置する側壁614内に配置されてもよい。1つ又は複数の光学センサ622は、ハンドル602に収容された電子機器に電気的に接続されてもよい。
【0091】
使用中、患者182は、尿流量計600を肌に接触させて配置することができ、フローチャンバ604の流入口604aを通して排尿することができる。漏斗606は、患者の尿流694をフローチャンバ604の流出口604bに方向付けるシールド698を含んでいてもよい。1つ又は複数の光学センサ622は、フローチャンバ604から流れる尿流694の流量を検出するよう配置されてもよい。例えば、尿流694が流出口604bを介してフローチャンバ604から流出する際に1つ又は複数の光学センサ622が尿流694の流量を検出するように、1つ又は複数の光学センサ622は、フローチャンバ604の側壁614に配置されてもよく、フローチャンバ604の流出口604bに向けて方向付けられてもよい。1つ又は複数の光学センサ622によって検出された流量は、患者182から排泄された尿の総体積を決定するのに使用され得る。
【0092】
図17は、別の尿流量計700の斜視図であり、図18は、尿流量計700の縦断面図である。図17及び図18に示されるように、尿流量計700は、ハンドル702及びフローチャンバ704を含む。尿流量計700は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、尿流量計700に等しく適用可能である。
【0093】
図17の実施形態では、尿流量計700のフローチャンバ704は、ハンドル702に着脱可能に取り付けられている。これによってフローチャンバ704は、患者の使用後に廃棄可能になる。各種実施形態で、尿流量計700は使い捨て漏斗を含まない。図17及び図18に示されるように、ハンドル702は、ハンドル702の遠位端702bに配置された1つ又は複数の深さ又は距離センサ722(例えば、飛行時間(time of flight)センサ)を含んでいてもよい。ハンドル702がフローチャンバ704に取り付けられている場合、1つ又は複数の深さセンサ722がフローチャンバ704内の尿794の液面レベルを検出できるように、1つ又は複数の深さセンサ722は、フローチャンバ704の上に配置され得る。1つ又は複数の深さセンサ722は、ハンドル702に収容された電子機器に電気的に接続されてもよい。
【0094】
流入口704aを介してフローチャンバ704に流入する患者の尿のエネルギーを散逸させるために、尿流量計700は、流入口704aを横切って延在するエネルギー散逸装置(例えば、格子798)を含んでいてもよい。格子798は、フローチャンバ704に流入する尿流を分散させることができ、それによって、尿流のエネルギーを散逸させ得る。格子798は、尿の跳ね返りを抑えるため流入口704aの上面に対して窪んでいてもよい。孔799は、フローチャンバ704の流出口704bを画定するため、フローチャンバ704の側壁714、底壁718又はその両方に画定され得る。孔799は、フローチャンバ704内の尿液面レベル及びフローチャンバ704の配向に基づいて、既知の出口流量を提供することができる。したがって、患者の尿流量は、1つ又は複数の深さセンサ722によって検出された尿液面レベルに基づいて決定され得る。図17及び図18に示されるように、側壁714及び底壁718は湾曲していることがあり、実質的に連続した弓状の壁を提供する。
【0095】
使用中、患者は、尿流量計700の上面を肌に押し当て、フローチャンバ704に排尿することができる。尿流は、流入口704aからフローチャンバ704に入り、流出口704bからフローチャンバ704を出るように移動することができる。例えば、尿流は、流入口704aに配置された格子798を通過することができ、これによって流入する尿流のエネルギーを散逸させることができ、流出口704bは、フローチャンバ704内の尿794の液面レベル及びフローチャンバ704の配向に基づいて既知の流出流量を定める複数の孔799を含んでいてもよい。1つ又は複数の深さセンサ722は、フローチャンバ704内の瞬間的な液面レベルを検出することができ、液面レベルデータを使用して、患者182から排泄される尿の尿流量と総体積を決定することができる。図18に示されるように、1つ又は複数の深さセンサ722は、フローチャンバ704内の尿794の上に配置されてもよく、フローチャンバ704の底壁718に向けられてもよい。使用中、1つ又は複数の深さセンサ722は、フローチャンバ704内の尿794に向けて信号を送信することができ、信号の送信から尿794の上面で反射されて戻った信号を受信するまでの経過時間を使用して、センサ722及び尿794の上面間の距離を決定することができる。この距離を使用して、深さを計測することができる、つまり、フローチャンバ704の形状に基づいてフローチャンバ704内の尿794の体積を計測することができる。センサ722と尿794の上面との距離の変化を使用して、孔799の流出流量に基づいて流入する患者の尿の流量を決定することができる。
【0096】
図19は、別の尿流量計800の斜視図であり、図20は、尿流量計800の縦断面図である。図19及び図20に示されるように、尿流量計800は、ハンドル802及びフローチャンバ804を含む。尿流量計800は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、以下に記載されている場合を除いて、尿流量計800に等しく適用可能である。
【0097】
尿流量計100とは対照的に、尿流量計800のフローチャンバ804は、ハンドル802に着脱可能に取り付けられている。これによってフローチャンバ804は、患者の使用後に廃棄可能になる。したがって、各種実施形態で、尿流量計800は使い捨て漏斗を含まない。図19及び図20に示されるように、フローチャンバ804は、ハンドル802の遠位端802bに着脱可能に接続されてもよい。図19及び図20には示されないが、フローチャンバ804内の尿液面レベル、患者の尿流894の流量、又はその両方を検出するために、1つ又は複数のセンサがフローチャンバ804に取り付けられてもよい。1つ又は複数のセンサは、アダプタ803を介して携帯電話801など携帯型の電子機器に電気的に接続されてもよい。アダプタ803は、ハンドル802の近位端802aに接続されてもよく、携帯電話801はアダプタ803に接続されてもよい。アダプタ803は、携帯電話801を、物理的及び電気的に尿流量計800に接続させ得る。したがって、携帯電話801は、例えば、携帯電話801にインストールされ携帯電話801上で動作するアプリケーションを介して、尿流量計800から受信したデータを処理し、排尿イベントに基づいて排尿日誌のエントリーを作成することができる。加えて又はそれに代えて、尿流量計800は、ハンドル/装置の配向を決めるために携帯電話の加速度計を使用することができ、これらの機能を自装置内に含まなくても、タッチスクリーン、表示装置(ディスプレイ)、接続(セルラー)などの携帯電話のその他の機能を使用することができる。
【0098】
流入口804aを介してフローチャンバ804に流入する患者の尿のエネルギーを散逸させるために、尿流量計800は、流入口804aを横切って延在するエネルギー散逸装置(例えば、格子898)を含んでいてもよい。格子898は、フローチャンバ804に流入する尿流を分散させることができ、それによって、尿流のエネルギーを散逸させ得る。尿流894は、フローチャンバ804に流入後、フローチャンバ704の流出口804bを介してフローチャンバ804から流出し得る。流出口804bは既知の出口流量を提供し得る。したがって、患者の尿流量は、フローチャンバ804と関連付けられた1つ又は複数のセンサによって検出された尿液面レベルに基づいて決定され得る。
【0099】
使用中、患者は、尿流量計800の上面を肌に押し当て、フローチャンバ804に排尿することができる。尿流は、流入口804aからフローチャンバ804に入り、流出口804bからフローチャンバ804を出るように移動することができる。例えば、尿流は、流入口804aに配置された格子898を通過することができ、これによって流入する尿流のエネルギーを散逸させることができ、流出口804bは、フローチャンバ804内の液面レベル及びフローチャンバ804の配向に基づいて既知の流出流量を定めることができる。1つ又は複数のセンサは、フローチャンバ804内の瞬間的な液面レベルを検出することができ、液面レベルデータは携帯電話801上のアプリケーションによって使用されて、患者182から排泄される尿の尿流量と総体積を決定することができる。
【0100】
図21は、本開示の各種実施形態に係る別の尿流量計900の斜視図である。図21に示されるように、尿流量計900は、ハンドル902、フローチャンバ904及び漏斗906を含む。尿流量計900は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、以下に記載されている場合を除いて、尿流量計900に等しく適用可能である。
【0101】
尿流量計100とは異なり、尿流量計900の漏斗906は、フローチャンバ904に着脱可能に取り付けられていない。代わりに、漏斗906は、フローチャンバ904と一体化して形成される。したがって、尿流量計900は、使い捨て漏斗を含まない。加えて、シーソー型の浮きが用いられてもよい。この方法では、浮きは支点のチャンバ側にあり、センシング構成要素はセンサ付近のもう一方の端にある。センサは、チャンバの背部を縦に延びる局所的な容量素子又は垂直な容量ストリップであってもよい。図21に示されるように、漏斗906は、フローチャンバ904の縁910に対して窪んでいてもよい。例えば、漏斗906は、フローチャンバ904の縁910の下でフローチャンバ904の底壁918の上の、ある距離をおいた位置で、フローチャンバ904の側壁914に固定的に接続されてもよい。使用中、尿流は、流入口904aを介してフローチャンバ904に入り、流出口904bを介してフローチャンバ904から出ることができる。フローチャンバ904に関連付けられた1つ又は複数のセンサは、尿の液面レベル、流量、又はその両方を検出することができ、液面レベルデータ、流量データ、又はその両方が、尿流量計900によってローカルで処理されるか、又は、処理のために遠隔のコンピューティングデバイスに送信され得る。
【0102】
図22は、別の尿流量計1000の斜視図であり、図23は、尿流量計1000の縦断面図である。図22及び図23に示されるように、尿流量計1000は、ハンドル1002、フローチャンバ1004及び漏斗1006を含む。尿流量計1000は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、尿流量計1000に等しく適用可能である。
【0103】
図22及び図23に示されるように、尿流量計1000は、ハンドル1002の近位端1002aに取り付けられた蓋1076を含んでいてもよい。蓋1076は、ハンドル1002内部に収容された電子機器1050へのアクセスを提供し得る。蓋1076は、ハンドル1002にスナップフィット又は締まり嵌めされてもよい。これにより、図3Aに示されるような蓋176を尿流量計100のハンドル102に取り付けるために使用される留め具178が不要になる。ハンドル1002は、尿流量計1000の組み立てを容易にするために超音波溶接された構成要素を含み得る。
【0104】
使用中、患者は、尿流量計1000の上面を肌に押し当て、漏斗1006を介してフローチャンバ1004に排尿することができる。尿流は、流入口1004aからフローチャンバ1004に入り、流出口1004bからフローチャンバ1004を出るように移動することができる。尿流量計100に関して説明した配置と同様に、センサ1022は、浮き1030によって、フローチャンバ1004内の瞬間的な液面レベルを検出することができ、液面レベルデータを使用して、患者によって排泄された尿の尿流量及び総体積を決定することができる。
【0105】
図24は、別の尿流量計1100の斜視図であり、図25は、尿流量計1100の分解図であり、図26は、尿流量計1100の縦断面図である。図24図27に示されるように、尿流量計1100は、ハンドル1102、ボウル又はフローチャンバ1104、及び漏斗1106を含む。尿流量計1100は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、ハンドル102及びフローチャンバ104を含む尿流量計100に関する説明は、以下に記載されている場合を除いて、尿流量計1100に等しく適用可能である。
【0106】
図24図27に示されるように、尿流量計1100は、男性患者用に構成されてもよい。例えば、図24に示されるように、漏斗1106は、男性患者の尿をフローチャンバ1104の流入口1104aに方向付ける又は案内するのを容易にするために、細長い垂直のバックストップ1107を含んでいてもよい。細長い垂直のバックストップ1107は、男性患者の解剖学的構造を、尿流量計1100に対して配向させる又は整列させ得る。バックストップ1107を支持するために、ハンドル1102はL字形状であってもよい。例えば、図24に示されるように、ハンドル1102は、近位部1102aと、近位部1102aに実質的に垂直に配向された遠位部1102bとを含んでいてもよい。ハンドル1102の遠位部1102bは、バックストップ1107に支持を提供するために、垂直なバックストップ1107と実質的に同一の広がりをもって延在することができる。ハンドル1102の近位部1102aは、患者が把持するために人間工学的なグリップを提供することができる。
【0107】
フローチャンバ1104は、男性患者から尿流を受け取るために、尿流量計1100の解剖学的に適切に配置することを容易にすることができる。図26及び図27に示されるフローチャンバ1104は、幅1112及び長さ1111を有する。長さ1111は、フローチャンバ104の外部輪郭を画定するために、幅1112よりも長いことがある。フローチャンバ104は、第1の高さ1101a及び第2の高さ1101bなどの高さも有し得る。第1の高さ1101aはハンドル1102に近接したフローチャンバ1104の高さであってもよく、第2の高さ1101bは流出口1104bに近接したフローチャンバ1104の高さであってもよい。概して、図26及び図27の実施形態では、第1の高さ107a及び第2の高さ107bの一方又は両方は、長さ1111及び幅1112よりも長くてもよい。さらに、バックストップ1107の輪郭を画定するために、第1の高さ1101aは、第2の高さ1101bとは異なっていてもよい。
【0108】
図25及び図26に示されるように、ハンドル1102は、上部シェル1103及び下部シェル1105を含んでいてもよい。例えば、上部シェル1103と下部シェル1105とは一緒に取り付けられて、電子機器1150、センサ1122又はその両方を収容する中空の内部キャビティを画定する。電子機器1150はハンドル1102の近位部1102aに収容されてもよく、センサ1122はハンドル1102の遠位部1102bに収容されてもよい。フローチャンバ1104は、ハンドル1102の遠位部1102bに取り付けられてもよい。例えば、フローチャンバ1104は、ハンドル1102の遠位部1102bに着脱可能に取り付けられてもよい。これにより、ハンドル1102の再利用を可能にしながら、フローチャンバ1104及び漏斗1106が使用後に廃棄されるのを可能にする。図25に示されるように、フローチャンバ1104は、漏斗1106の垂直バックストップ1107に支持を提供する垂直バックストップ1109を含んでいてもよい。垂直バックストップ1107を使用して、漏斗上に正確に配置することができる。
【0109】
使用中、患者は、例えば、漏斗1106を介してフローチャンバ1104の流入口1104aに排尿することができる。尿流は流入口1104aからフローチャンバ1104に入り、流出口1104bからフローチャンバ1104を出るように移動することができる。尿流量計100に関して説明した配置と同様に、センサ1122は、浮き1130及び磁石1126によって、フローチャンバ1104内の瞬間的な液面レベルを検出することができ、液面レベルデータを使用して、患者によって排泄された尿の尿流量及び総体積を決定することができる。
【0110】
図24図27では、フローチャンバ1104、漏斗1106、及び浮き1130は使い捨て可能であってもよく、ハンドル1102は再利用可能であってもよい。それぞれの構成要素は、様々な材料で形成され得る。例えば、漏斗1106はゴムで形成されてもよく、ハンドル1102、フローチャンバ1104及び浮き1130はプラスチックで形成されてもよい。
【0111】
図28は、別の尿流量計1200の斜視図であり、図29は、尿流量計1200の分解図であり、図30は、図28の線30-30に沿った尿流量計1200の横断面図である。図28図30に示されるように、尿流量計1200はハンドル1202、ボウル又はフローチャンバ1204、及び漏斗1206を含む。尿流量計1200は、概して尿流量計100と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100と同じように動作する。したがって、尿流量計100に関する説明は、尿流量計1200に等しく適用可能である。これに関して、図28図30の尿流量計1200は、上述した尿流量計100の実施形態と実質的に類似しており、近位部1202a、遠位部1202b、流入口1204a、流出口1204b、磁石1226、浮き1230、及び、センサ1222を更に含む。分かり易くするために、これら構成要素の重複した説明は省略する。
【0112】
上記に関わらず、尿流量計1200はエネルギー散逸機構1228を含む。実質的にフローチャンバ1204内に配置されたエネルギー散逸機構1228が図示されている。エネルギー散逸機構1228の少なくとも一部は、漏斗1206によって隠されることがあり、エネルギー散逸機構1228の少なくとも他の一部は、流入口1204aに沿って、流入口1204a内で、又はその両方で視認できることがある。概して、エネルギー散逸機構1228は、流入口1204aからフローチャンバ1204に入る尿流の物理的な障害物又は妨害物を構成することができる。エネルギー散逸機構1228は、尿流から運動エネルギーなどのエネルギーを散逸させる大きさ、形状、及び輪郭を有していてもよい。多くの形状が可能であるが、図28図30の実施形態では、エネルギー散逸機構は、細長い円柱の集合として図示されている。細長い円柱は、概してフローチャンバ1204の底部から流入口1204aに向かって延在することがある。フローチャンバ1204の底部では、細長い円柱は概して固定され得るが、流入口1204a付近では、細長い円柱のそれぞれは自由端を有し、変形、屈曲、傾きなどが可能であってもよい。細長い円柱は互いに分離されているため、円柱の集合の間を流れることを可能にする。いくつかの場合には、細長い円柱は、円柱の高さに沿って変化するテーパ状又はその他の輪郭を有することがある。
【0113】
エネルギー散逸機構1228は、尿液面レベル及び尿流の検出を容易にすることができる。例えば、エネルギー散逸機構1228は、例えば、定常の液体体積に影響を与え、流体の流れによって引き起こされるフローチャンバ1204内の乱流を低減するのに役立ち得る。いくつかの場合には、エネルギー散逸機構1228は、流入口1204aから液体の流出を低減するのに役立ち得る。例えば、エネルギー散逸機構1228は、流入口1204aを通って尿流量計1200から流出する逸脱流を阻止することで、尿流の運動エネルギーを低減することができる。これによって、浮き1230及び関連する構成要素の円滑で阻害されない動作が促進される。
【0114】
図29及び図30に最もよく示されるように、尿流量計1200は、フローチャンバ1204内に配置される浮き1230を含む。本明細書中に記載されるように、浮き1230は、フローチャンバ1204内に保持される尿の体積に基づいて、フローチャンバ1204内を移動する。上記を容易にするため、構造部材1230a及び浮力部材1230bを有する浮き1230が示される。構造部材1230aは浮き1230に構造的剛性を提供することができ、浮き1230と、旋回アームなどの尿流量計1200の他の構成要素との接続を円滑にすることができる。浮力部材1230bは、浮き1230の浮揚性構成要素であり、浮き1230がフローチャンバ1204内の尿体積に伴って上昇及び下降するのを可能にする1つ又は複数の特性を示す。図示されるように、浮力部材1230bは、概して構造部材1230aの下部に配置される。これによって、尿体積が増加すると、浮力部材1230bは上昇し得る。上昇する際に、浮力部材1230bは、今度は構造部材1230aを押し上げることができ、フローチャンバ1204内で構造部材1230aを上昇させ得る。この2重の構成要素設計により、浮き1230は、長期に渡る繰り返しの使用を可能にする構造的剛性及び堅牢性を維持しながら、浮き1230が浮力特性を示すのを可能にし得る。
【0115】
さらに、図28図30の実施形態は、流出口1204bを有する尿流量計1200を示す。流出口1204bは、概してフローチャンバ1204の外壁を貫通して延在するT字形状のスロットによって画定される。流出口1204bは、概してフローチャンバ1204の容積範囲を最大にし、これによって高精度の流量計測値を取得することができる。例えば、フローチャンバ1204が含む液体が比較的少ない場合には、流出口1204bは、概してフローチャンバ1204からの流出を制限する。これは低流量の尿に対応することを可能にし、フローチャンバ1204からの液体の流出を制限することで、この構成において関連する流量計測の感度を促進するか、又は感度を上げるのに役立つ。フローチャンバ1204内の液体体積が増加するにつれて、流出口1204bは液体の制限を減少させ、より多くの液体が流出できるようにする。これはより高流量の尿に対応することを可能にし、流量計測に高い感度が要求されない場合がある。流出口1204bはまた、三角形状の開口の上に位置され、三角形状の開口に接続された細長い開口を含む。この細長い開口は、例えば、フローチャンバ1204が最大収容量に近づいた際に液体がより多く放出されるのを可能にすることで、溢れや逆流状態を低減することができる。流出口1204bの形状及び配置は、例示の目的で図示されていることが理解されよう。他の実施形態では、本明細書中に記載される尿流量計1200の各種機能を容易にするために、流出口の他の形状及び配置が可能である。
【0116】
本明細書中に記載されるように、本開示の尿流量計は、取り外し可能でかつ任意選択で交換可能な構成要素を含んでいてもよい。例えば、フローチャンバから取り外し可能なハンドルを有することが好ましい場合がある。フローチャンバは、例えば、一連の治療を通して一人の患者によって使用されてもよい。完了すると、取り外し可能なハンドルは、別の患者の一連の治療で次のフローチャンバと共に使用するために、フローチャンバから取り外され、リサイクルされ、消毒される。
【0117】
取り外し可能なハンドルを提供するために多くの構造が可能であり、本明細書中には様々な実施形態が記載されているが、図28図31の尿流量計1200は、ハンドル1202及びフローチャンバ1204を互いに着脱するための、連結さねはぎシステム(interlocking tongue and groove system)を図示する。具体的な例として図29を参照すると、フローチャンバ1204から分解されたハンドル1202が示され、連結さねはぎ構造がみてとれる。連結さねはぎ構造によって、ハンドル1202とフローチャンバ1204とが、余分な留め具、クリップ、ピンを使わずに互いに着脱可能に取り付けられることが可能であり、これによって着脱可能な取り付けを効率化する。
【0118】
図29を参照すると、ハンドル1202は、ハンドル1202の最上部付近の遠位部1202bに配置されたハンドル溝1209aを有することが図示されている。さらに、ハンドル1202は、ハンドル1202の最下部付近の遠位部1202bに配置されたハンドルさね1209bを有することが図示されている。ハンドル溝1209a及びハンドルさね1209bは、フローチャンバ1204側の相補的機構と篏合することができる。例えば、フローチャンバ1204は、フローチャンバさね1210a及びフローチャンバ溝1210bを含んでいてもよい。フローチャンバさね1210aはハンドル溝1209aに収容されてもよく、フローチャンバ溝1210bはハンドルさね1209bを収容してもよい。
【0119】
篏合されたフローチャンバさね1210a/ハンドル溝1209aと、フローチャンバ溝1210b/ハンドルさね1209bの各々は、協働してハンドル1202とフローチャンバ1204との相対的移動を制限し得る。例えば、フローチャンバさね1210a/ハンドル溝1209a、フローチャンバ溝1210b/ハンドルさね1209b、又はその両方の篏合は、ハンドル1202、フローチャンバ1204、又はその両方が複数方向に動くのを遮る物理的障害となり得る。これは、フローチャンバ1204とハンドル1202とが意図せず互いから分離することを減少させるのに役立ち得る。いくつかの場合には、動きに更に抵抗するために、1つ又は複数の機構が、ハンドル1202とフローチャンバ1204との間で摩擦嵌合を形成してもよい。
【0120】
フローチャンバ1204及びハンドル1202の着脱可能な取り付けが容易になるのに加えて、さねと溝の機構によって、本明細書に記載のセンサ1222の動作を容易にすることができる。例えば、図29及び図30を参照すると、フローチャンバ溝1210bは、フローチャンバ1204の内部容積に向けて内側に延在することがある。センサ1222は、実質的にハンドルさね1209b内に配置され、ハンドル1202の内部容積内に配置されて、センサ収容機構1223内に載置され得る。したがって、ハンドル1202とフローチャンバ1204とが互いに取り付けられている場合、センサ1222は、磁石1226及びフローチャンバ1204内のその他の構成要素に位置合わせして配置される。これにより、例えば、センサ1222を磁石1226に更に接近させることで、センサ1222の動作を容易にすることができる。
【0121】
本明細書に記載されるように、尿流量計1200は、電子機器1250を含んでいてもよい。本明細書に記載されるように、尿流量計の動作の実施には多くの異なる構成要素が使用されるが、図29及び図30は、電子機器1250を定義する又は電子機器1250に関連する例示的配置を提示する。概して、電子機器1250は、第1のプリント回路基板1252及び第2のプリント回路基板1254を含んでいてもよい。第1のプリント回路基板1252及び第2のプリント回路基板1254は、可撓性コネクタ1256によって互いに接続され得る。図29及び図30の実施形態では、第1のプリント回路基板1252は、近位部1202a付近のハンドル1202内に配置されてもよく、第2のプリント回路基板1254は、遠位部1202b付近のハンドル1202内に配置されてもよい。
【0122】
この2重の回路板配置によって、目的の機能に基づいて構成要素をハンドル1202の異なる場所に配置することを容易にし得る。例えば、第1のプリント回路基板1252は、フローチャンバ1204から離れて配置されてもよく、充電などバッテリの動作に関連する場合がある。一方、第2の回路基板1254は、フローチャンバ1204のより近くに配置されてもよく、センサ及びフローチャンバ1204の動作と関連する場合がある。図28図30の実施形態では、第1のプリント回路基板1252及び第2のプリント回路基板1254は、可撓性コネクタ1256によって接続される別個の回路基板として図示されているが、他の実施形態では、その他の構成も可能である。例えば、第1のプリント回路基板1252及び第2のプリント回路基板1254は、リジッド部分及びフレキシブル部分を有する、ハイブリッドなリジッド/フレキシブル回路アセンブリなどの、単一の回路基板の一部であってもよい。この単一構成要素又は単一アセンブリを用いる手法は、接続を減少させる、製造コストを下げる、又はその両方によって、信頼性を向上させ得る。
【0123】
図28図30の実施形態では、第1のプリント回路基板1252は、少なくとも無線周波数識別(Radio-Frequency Identification(「RFID」))素子1260、バッテリ1264、アンテナ1266、近接センサ1268、充電コイル1270、ベントディスク1272、その他の電気機械部品1274又はその全てに関連することがある。さらに、第2のプリント回路基板1254は、少なくともセンサ1222、及び加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module(「SIM」))機能1262に関連することがある。他の実施形態では、本明細書に記載の尿流量計の機能を実行するために、図6A図6Cに関連した配置など構成要素の他の配置も考えられる。
【0124】
いくつかの実施形態では、RFID素子1260又はその他の近接場電波送信又は近距離無線通信(「NFC」)装置、識別ビーコンなどは、ハンドル1202の再処理及び追跡を容易にし得る。例えば、RFID素子1260は、例えば識別番号又はデータなどのハンドル1202の識別情報を含んでいてもよい。識別情報は、ハンドル1202を特定の患者又は尿流量計1300の特定の使用に関連付けるために使用され得る。識別情報はまた、消毒プロセスの間にハンドル1202を追跡することを含め、再処理の間にハンドル1202を追跡するために使用され得る。識別情報はまた、在庫のリアルタイム更新を容易にする場合もある。例えば、出荷前基準にリセットされた装置、殺菌された装置、又は所望の処理がなされた装置など、どの装置が新しい患者が使用できる状態にあるかを判断するのに、識別情報が使用され得る。したがって、在庫が閾値を下回った場合にハンドル又はその他の構成要素の再供給を開始することを含む、在庫レベルのメンテナンスを容易にするために、動的調整を行うことができる。例えば、RFIDスキャナなどを用いてハンドルの供給を定期的に又は不定期にポーリングすることにより、RFID又はその他の要素からの応答を用いて、ハンドルの供給レベル及び分類(例えば、処理待ち、処理済みなど)を容易に判断することができる。別の例では、尿流量計が患者と関連付けられる又は患者から切り離される際に、尿流量計がRFIDスキャナによってスキャンされる。その後、尿流量計の状態を、サーバに保存することができる。尿流量計は、新しい患者に関連付けられる際、新しい研究のために同じ患者に割り当てられる際、尿流量計の使用寿命が終わった際、又は製造業者に返却される際に、再度スキャンされることがある。
【0125】
再処理は、ハンドル1202の全地球測位システム(Global Positioning System(「GPS」))の位置特定によって促進され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル1202は、ハンドル1202の座標、相対位置、又はその両方の決定を容易にするために、GPSアセンブリ又はその他の位置決めセンサ又は要素を含んでいてもよい。本明細書に記載されるように、ハンドル1202は、様々な遠隔コンピューティングシステムと通信可能に接続されてもよい。したがって、ハンドル1202のGPSアセンブリは、ハンドル1202の位置に対応する情報を決定することができ、位置情報は、遠隔コンピューティングシステムに無線で送信される。遠隔コンピューティングシステムは、ハンドル1202の位置を追跡することができ、ハンドル1202が再処理、患者、医療提供者、又はその他の場所のうち1つ又は複数の場所にあることを決定することができる。GPSアセンブリを使用して、患者の使用中及び処理が終わった際の両方において、動的かつ自動的に位置情報をサーバに提供することができる。これにより、保存される追加のメタデータに患者の排尿を付与することができる、患者が使用する日誌又は他の関連するアプリケーションに、データを自動的に入力することが可能となる。
【0126】
図29及び図30はまた、ハンドル1202がベント1240を含むことを示す。ベント1240は、空気が外部環境からハンドル1202の内部容積に入る経路を画定することができる。これには、例えば、ハンドル1202の内部容積と外部環境との間の気圧の均等化を可能にする気圧のベントを含んでいてもよい。ベント1240は、概して、水分又は汚染物質のハンドル1202への侵入を遮断又は低減しながら、空気の侵入を可能にすることがある。これに関して、ベント1240は、ベントディスク1272により定義されるような、防水又は耐水バリアを定義するか、又は、防水又は耐水バリアに接続され得る。ベント1240は、バッテリがオフでガス抜きを行う場合、ハンドル1202内で望ましくない圧力が発生するその他の場合、又はその両方の場合に、過剰な内圧を解放することを可能にし得る。
【0127】
尿流量計1200は、女性患者用に構成されてもよい。図31図33を参照すると、男性患者用に構成された別の尿流量計1300が図示されている。図31は尿流量計1300の斜視図であり、図32は尿流量計1300の分解図であり、図33図31の線33-33に沿った尿流量計1300の横断面図である。
【0128】
図31図33に示されるように、尿流量計1300は、ハンドル1302、ボウル又はフローチャンバ1304、及び、漏斗1306を含む。尿流量計1300は、概して尿流量計100及び1200と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100及び1200と同じように動作する。したがって、尿流量計100及び1200に関する説明は、尿流量計1200に等しく適用可能である。このため、上述した尿流量計1200と実質的に類似しており、図31図33の尿流量計1300は、近位部1302a、遠位部1302b、上部シェル1303、流入口1304a、流出口1304b、下部シェル1305、ハンドル溝1309a、ハンドルさね1309b、フローチャンバさね1310a、フローチャンバ溝1310b、センサ1322、センサ収容機構1323、エネルギー散逸機構1328、磁石1326、浮き1330、構造部材1330a、浮力部材1330b、ベント1340、電子機器1350、第1のプリント回路基板1352、第2のプリント回路基板1354、可撓性コネクタ1356、RFID機能1360、SIM機能1362、バッテリ1364、アンテナ1366、近接センサ1368、充電コイル1370、ベントディスク1372、その他の電気/機械部品1374を更に含む。分かり易くするために、これら構成要素の重複した説明は省略する。構造部材1330aは、液体流量が多い期間に、センサ1322からの正確な読み取りを維持するよう構成され得る。例えば、構造部材1330aは、尿流が浮きアセンブリ1330の上部を超えて溢れ、尿流が浮きを押下げて、計測値に影響を与えることを防ぐ場合がある。
【0129】
上記の類似性にも拘らず、上記の通り、尿流量計1300は男性患者用に構成されている。これに関して、尿流量計1300は、細長い垂直のバックストップ1307を含む。バックストップ1307は、例えば、図24図27を参照して説明したものと実質的に同様に、患者の尿をフローチャンバ1304の流入口1304aに方向付ける又は案内することができる。バックストップ1307を支持するため、ハンドル1302は図32に代表的に示されるように、L字形状であってもよい。
【0130】
本明細書に記載した何れの尿流量計も、バッテリ(例えば、図29のバッテリ1264)を含み得ることが理解されよう。バッテリは、一般に、本明細書に記載された流量センサ及び関連する構成要素を含む尿流量計の各種電子機器を動作させるために使用され得る。尿流量計の長期に渡る使用、複数の患者による使用、又はその両方を容易化するために、バッテリは充電式でもよい。バッテリは様々な技術で再充電され得るが、一実施形態では、バッテリは非接触充電装置を用いて再充電可能である。非接触充電装置では、バッテリを無線で充電可能なため、充電中に尿流量計がシールされた環境又は耐水環境を維持することが可能になる。
【0131】
図34図35を参照すると、尿流量計1400が図示されている。図34は、尿流量計1400の分解図であり、図35は、図34の線35-35に沿った尿流量計1400の横断面図である。
【0132】
図34図35に図示されるように、尿流量計1400は、ハンドル1402、ボウル又はフローチャンバ1404、及び漏斗1406を含む。漏斗1406は、液体が漏斗1406を通過してフローチャンバ1404に流れ込むように1つ又は複数の漏斗流入口を含む。漏斗流入口は、漏斗1406からのフローチャンバ1404への液体のスムーズな流れ込みを可能にするために、任意の適切な形状及び個数であってもよい。漏斗流入口は、男性患者用にはある構成であり、女性患者用には異なる構成であってもよい。一例では、漏斗1460は、主要な漏斗流入口1406bを有する。別の例では、漏斗1460は、1つ又は複数の補助的入口1406cを含む。一実施形態では、漏斗は、5つの補助的入口を含む。
【0133】
尿流量計1400は、概して、尿流量計100、1200及び1300と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100、1200及び1300と同じ又は同様の方法で動作する。したがって、尿流量計100、尿流量計1200、尿流量計1300又はその全ての説明は、尿流量計1400に適用可能である。これに関して、図34図35の尿流量計1400は、上述した尿流量計1200、1300又はその両方の実施形態に実質的に類似しており、近位部1402a、遠位部1402b、上部シェル1403、流入口1404a、流出口1404b、下部シェル1405、ハンドル溝1409a、ハンドルさね1409b、フローチャンバさね、フローチャンバ溝1410b、センサ1422、センサ収容機構1423、エネルギー散逸機構1428、磁石1426、浮き1430、構造部材1430a、浮力部材1430b、ベント1440、電子機器1450、第1のプリント回路基板1452、第2のプリント回路基板1454、可撓性コネクタ1456、RFID機能1460、SIM機能1462、バッテリ1464、アンテナ1466、NFC機構1467、近接センサ1468、充電コイル1470、ベントディスク1472、その他の電気/機械部品1474を更に含む。分かり易くするために、これら構成要素の重複した説明は省略する。構造部材1430aは、液体流量が多い期間に、センサ1422からの正確な読み取りを維持するよう構成され得る。例えば、構造部材1430aは、尿流が浮きアセンブリ1430の上部を超えて溢れ、尿流が浮きを押下げて、計測値に影響を与えることを防ぐ場合がある。
【0134】
図36図38Bを参照すると、尿流量計1700が図示されている。図36は尿流量計1700の分解図で、図37は、図36の線37-37に沿った尿流量計1700の横断面図である。図38Aは、図36の尿流量計1700の部分分解図である。図38Bは、尿流量計1700のフローチャンバ1704とハンドル1702との間の取付部の部分詳細図である。
【0135】
図36図38Bに示されるように、尿流量計1700は、ハンドル1702、ボウル又はフローチャンバ1704、及び、漏斗1706を含む。漏斗1706は、液体が漏斗1706を通過してフローチャンバ1704に注ぎ込むように1つ又は複数の漏斗流出口を含む。漏斗流出口は、漏斗1706からのフローチャンバ1704への液体のスムーズな流れ込みを可能にするために、任意の適切な形状及び個数であってもよい。漏斗流出口は、男性患者用にはある構成であり、女性患者用には異なる構成であってもよい。一例では、漏斗1760は、主要な漏斗流出口1706bを有する。別の例では、漏斗1760は、1つ又は複数の補助的出口1706cを含む。一実施形態では、漏斗は、5つの補助的出口を含む。
【0136】
尿流量計1700は、概して、尿流量計100、1200、1300及び1400と同じ又は同様の構成要素を含み、尿流量計100、1200、1300及び1400と同じ又は同様の方法で動作する。したがって、尿流量計100、尿流量計1200、尿流量計1300、尿流量計1400又はその全ての説明は、尿流量計1700に適用可能である。これに関して、図36図38Bの尿流量計1700は、尿流量計100、1200、1300、1400又はその全ての実施形態に実質的に類似しており、近位部1702a、遠位部1702b、上部シェル1703、流入口1704a、流出口1704b、下部シェル1705、ハンドル溝1709a、ハンドルさね1709b、フローチャンバさね、フローチャンバ溝1710b、センサ1722、センサ収容機構1723、エネルギー散逸機構1728、磁石1726、浮き1730、構造部材1730a、浮力部材1730b、ベント1740、電子機器1750、第1のプリント回路基板1752、第2のプリント回路基板1754、可撓性コネクタ1756、RFID機能1760、SIM機能1762、バッテリ1764、アンテナ1766、NFC機構1467、NFC機構1767、近接センサ1768、充電コイル1770、ベントディスク1772、その他の電気/機械部品1774を更に含む。分かり易くするために、これら構成要素の重複した説明は省略する。構造部材1730aは、液体流量が多い期間に、センサ1722からの正確な読みとりを維持するよう構成され得る。
【0137】
図38A図36の実施形態を示している。ここで、尿流量計1700のフローチャンバ1704は、ハンドル1702に着脱可能に取り付けられ、これによって、フローチャンバ1704は患者の使用後に廃棄可能になる。各種実施形態で、尿流量計1700は使い捨て漏斗を含まない。例えば、図38A図38Bに示すように、フローチャンバ1704は、ハンドル1702の協働機構を把持する1つ又は複数の把持機構1778a及び1778bを有していてもよい。一例では、把持機構1778a、1778bは、隙間1788によってフローチャンバ1704の本体から分離される片持ち部1784を含むばねである。この例では、把持機構1778a、1778bは、突起部1786を含む。把持機構1778a、1778bが解放位置にあるとき、突起部1786はハンドルの対応する機構を把持し、これによって、ユーザがフローチャンバ1704とハンドル1702とを切り離すことを防止する。フローチャンバ1704及びハンドル1702は、鍵1776を使用することで切り離されてもよい。鍵1776は、医療従事者又はその他の権限のあるユーザが使用でき、患者は使用できない場合がある。鍵1776は、軸1790に接続されたハンドル1792、軸1790の1つで定義される旋回軸1782、及び旋回軸1782の周りに放射状に配置された1つ又は複数のデカップラ1780a、1780bを含み得る。1つ又は複数のデカップラ1780a、1780bは、1つ又は複数の把持機構1778a、1778bと協働し、医療従事者又はその他の権限のあるユーザが尿流量計1700のフローチャンバ1704とハンドル1702とを切り離せるようにする。一例では、医療従事者は、旋回軸1782が尿流量計1700又はハンドル1702内のピン又はその他の協働機構と協働するように、鍵1776を尿流量計1700に挿入する。医療従事者は、例えば図38Bの矢印によって示されるように、鍵1776を回転又はねじることができ、これによって、1つ又は複数のデカップラ1780a、1780bを1つ又は複数の把持機構1778a、1778bに対して押し付け、片持ち部1784を屈曲させ、突起部1786をハンドル1702から外す。そして、医療従事者は、フローチャンバ1704をハンドル1702からスライドさせて外すことができる。医療従事者は、フローチャンバ1704を廃棄するか、再利用のために消毒して処理することができる。そして、医療従事者は、上述したように再利用の為にハンドル1702を再処理することができる。ユーザがハンドル1702をフローチャンバ1704から切り離すのを防止する、鍵1776及びハンドル1702の関連する機構は、例示と説明の目的で、図38A図38Bに、尿流量計1700の例に関連して図示されている。鍵及びこれらの機構又は同様の機構は、本明細書に記載の尿流量計100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1700又はその全てを含む何れの尿流量計にも等しく適用可能であり、それらに含ま得る。
【0138】
図39は、非接触充電のために構成された尿流量計と、充電を容易にする充電ステーション3450とを含む例示的なシステム3400を示す。本明細書に記載の尿流量計の電子機器は、充電式バッテリを含み、尿流量計の再利用可能で取り外し可能なハンドルに配置されている。これに関して、図39は、充電ステーション3450に関連付けられた例示的な尿流量計のハンドル3402を図示している。概して、充電ステーション3450は、ハンドル3402のバッテリ又はその他の構成要素を無線で充電することができる。ハンドル3402は、フローチャンバ又はその他の1人の患者用の機構から切り離されている様子が図示されているが、このような機構がハンドル3402に取り付けられている状態でも、尿流量計は無線又は非接触で充電され得ることが理解されよう。
【0139】
上記を容易にするために、充電ステーション3450は、ハンドル3402のバッテリを非接触で充電することができる。例えば、充電ステーション3450は、様々な特性を有する電磁場3472を生成するのに使用される誘導コイルなどの、内部充電ステーション部品3474を有していてもよい。ハンドル3402は、誘導コイル(例えば、図29の充電コイル1270)などの、内部ハンドル部品3470を有していてもよい。内部ハンドル部品3470は、ハンドル3402のバッテリを電流で充電するために電磁場3472を使用することがある。
【0140】
図39の非接触充電構成は様々な方法で実現することができるが、ハンドル3402は、充電ステーション3450近くに配置されるため、概ね充電できる状態であってもよい。これに関して、充電ステーション3450は、非接触充電中に、ハンドル3402の配置及び保持を容易にするように構築され得る。図39の実施形態において、充電ステーション3450は、基部3454を含む。基部3454は、内部充電部品3474などの充電ステーション3450の電子機器を囲むハウジングを画定し得る。基部3454はまた、ハンドル3402を収容し、整列させ、又はその両方を行う外面を画定し得る。例えば、基部3454は、ハンドル収容部3458を含み得る。ハンドル収容部3458は、ハンドル3402の輪郭3403と整合する輪郭3460を有し得る。このように、ハンドル3402は、充電中に基部3454によって収容され、支持され得る。いくつかの場合に、ハンドル収容部3458は、ハンドル3402と摩擦篏合を形成し得る。
【0141】
ハンドル3402を支持することに加えて、充電ステーション3450はまた、ハンドル3402を充電ステーション3450の非接触充電要素と位置合わせするための機構を形成し得る。図39に示されるように、基部3454は、ハンドル収容部3458内に概ね配置されるアラインメント機構3462を含む。アラインメント機構3462は、戻り止め、溝、突起、又は、ハンドル3402の相補的機構に係合するその他の機構であってもよい。アラインメント機構3462は、内部充電ステーション部品3474に関連付けられてもよく、相補的機構は内部ハンドル機構3470に関連付けられてもよい。このように、ハンドル3402が実質的にハンドル収容部3458に配置される場合に、内部コイル又はその他の要素は、互いに近接していてもよく、それによって非接触充電を容易にする。
【0142】
ハンドル3402の無線充電を容易にすることに加えて又はそれに代えて、又はその両方で、充電ステーション3450は、ハンドル3402を1つ又は複数のコンピューティングシステム(例えば、図6Aのコンピューティングシステム)に通信可能に接続するのに使用され得る。例えば、内部ハンドル部品3470及び内部充電ステーション部品3474は、ハンドル3402と充電ステーション3450との間で双方向通信を提供するよう協働する無線周波数(「RF」)通信構成の要素であり得る。この構成には、外部のコンピューティングシステムが含まれるか、又は、外部のコンピューティングシステムに関連付けられている場合がある。この双方向通信は、充電ステーション3450がハンドル3402に更新を提供することを可能にし得る。これには、ハンドル3402の様々な電子部品のファームウェアの更新、診断プログラム、又はその他の情報を含み得る。双方向通信は、ハンドル3402が充電ステーション3450に更新を提供することも可能にし得る。これには、ハンドル3402の状態に関連した情報やその他の情報が含まれ得る。通信はまた、排尿イベントに関連するデータ(例えば、1つ又は複数の検証センサ160、液面センサ162、又はその両方から、処理要素152によって取得されたデータ)の尿流量計から充電ステーション3450への、そしてサーバ環境2008(図6C参照)などのその他の装置への転送を含み得る。
【0143】
図39の例は、例示の目的で4つのハンドル収容部3458を含む充電ステーション3450を図示する。他の場合において、充電ステーション3450は、これより多い又はこれより少ないハンドル収容部を含み得る。また、システム3400は、単一の充電ステーション3450を示すが、いくつかの実施形態では、複数のハンドルを同時に充電するのを容易にするために、複数の充電ステーション3450が互いに関連付けられることがある。
【0144】
別の例では、サーバ2008などのサーバは、尿流量計のバッテリ残量を監視することができ、バッテリ残量は定期的に装置から通信される。バッテリが減って、計測値が収集、送信できなくなった場合、LEDなどの表示器がそのような状態を示唆し、タブレットなどの医療提供者の装置に通知が送信される場合がある。別の例では、バッテリが充電ステーションにドッキングしていても再充電できない場合は、尿流量計、サーバ2008又はその他の装置が障害を示している可能性がある。故障した尿流量計は患者に割り当てることができないように、サービスから取り除かれる場合がある。
【0145】
本明細書に開示される尿流量計は、尿流量計のために特別に開発された試験室の設定又はシステムで開発および試験することができる。図40に示されるように、試験室システム3500は、ウェル及び調整可能な貯留(フローチャンバー)フレーム3510、1つ又は複数の調整可能なノズル3520、蠕動ポンプ3530、基準流量計、及びフローチャンバをテストするためのパラメータや構成要素を調整するためにシステムと通信するパーソナルコンピュータ(「PC」)3540などのコンピューティングデバイスを含んでいてもよい。試験室は、本明細書に記載の尿流量計などの尿流量計を設計し改善するために使用される。 例えば、例示的な尿流量計のフローチャンバは、3Dプリンターで生成され、例示的な液面センサが取り付けられ、ウェル内に配置され得る。フレームは、配向角度(ピッチ/ロール、またはxz / yz平面)に関して調整され得る。ノズルは、流入角度、位置、及び流れの形状に合わせて調整できる。PCは、基準流量計と例示的な液面センサを読み取りながらポンプを制御し、データを処理して流量を計算し、基準流量計によって報告された流量と比較する。試験室システムにはモーターを取り付けることもできるため、調整可能なパラメーター(ピッチやロールなど)をプログラムに従って制御でき、テストを自動化できる。
【0146】
上記の明細書、実施例、及びデータは、特許請求の範囲で定義された本発明の例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。本開示の様々な実施形態は、ある程度の具体性で、又は、1つ又は複数の実施形態をそれぞれ参照して上記で説明されてきたが、当業者は特許請求される発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができるであろう。したがって、その他の実施形態も考慮される。上記の説明に含まれ、添付図面に示されているすべての事項は、特定の実施形態の単なる例示に過ぎず、限定ではないと解釈されるべきであることが意図されている。以下の特許請求の範囲で定義される本発明の基本要素から逸脱しない範囲で、詳細又は構造の変更を行ってもよい。
【0147】
すべての相対的及び方向的な言及(上部、下部、上方向、下方向、左、右、左方向、右方向、上面、底面、側面、上、下、前、中、後、垂直、水平などを含む)は、本明細書に記載されている特定の例を読者が理解するのを助けるために一例として提供される。それらは、特許請求の範囲に別段の記載がない限り、特に位置、向き、又は使用に関しては、必要要件又は限定として読まれるべきではない。接続に関する言及(例えば、取り付け、結合、接続、連結など)は、広義に解釈されるべきであり、要素間の接続には中間部材を含む場合があり、要素間の相対的な移動を含む場合がある。このように、接続に関する言及は、特許請求の範囲に別段の記載がない限り、必ずしも2つの要素が直接接続されていることや、相互に固定された関係にあることを意味する訳ではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図26
図27
図28
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図30
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図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38A
図38B
図39
図40