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特許7329090サーバとラックの液体インターフェース用の互換性のある協調設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】サーバとラックの液体インターフェース用の互換性のある協調設計
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20230809BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 A
G06F1/16 312B
G06F1/16 313
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022038404
(22)【出願日】2022-03-11
(65)【公開番号】P2022071209
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】17/207,082
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516357421
【氏名又は名称】バイドゥ ユーエスエイ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baidu USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、 ティアンユイ
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-160935(JP,A)
【文献】特開2018-136943(JP,A)
【文献】特開2019-083003(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0270260(US,A1)
【文献】米国特許第10164373(US,B1)
【文献】特開2022-062243(JP,A)
【文献】特開2022-068340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバの装置であって、第1の部材と第2の部材を備え、
前記第1の部材は、
コネクタチャネルであって、前記コネクタチャネルに沿った2つの反対位置に2つの流体コネクタが前記第1の部材を貫通するようにガイドするように配置されるコネクタチャネルと、
それぞれ前記コネクタチャネルの2つの反対端の一方に位置し、前記2つの流体コネクタに互いに向かって内向きの力を印加するように配置される一対の弾性構造と、
を含み、
第2の部材は、前記第2の部材の全周を回って位置決めする複数の位置決め穴を有し、
前記第1の部材と前記第2の部材は、組み立てられ、前記2つの流体コネクタが前記一対の弾性構造により印加される前記内向きの力によって前記第2の部材の反対辺縁にある2つの前記位置決め穴に取り付けられることを可能にする場合に、前記第1の部材は前記第2の部材に対して回転軸線を回って回転することができる、
サーバの装置。
【請求項2】
前記第1の部材は、前記回転軸線を回って回転することができ、前記2つの流体コネクタの間の水平方向と垂直方向における相対距離を変更する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つの流体コネクタは、前記サーバの液体冷却回路の入口流体コネクタと出口流体コネクタを含み、前記第2の部材の前記2つの位置決め穴内に取り付けられる前記入口流体コネクタと前記出口流体コネクタを、前記サーバを収納するラックの対応する入口流体コネクタと対応する出口流体コネクタに位置合わせする、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の部材は、
前記第2の部材の垂直方向に横断する弾性層と、
それぞれ前記弾性層の反対側にあり、外力を印加して前記弾性層を圧縮することによって、前記第2の部材の水平方向における幅を変更する一対の位置決め部分と、
をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記弾性層が圧縮される場合、前記2つの流体コネクタに前記水平方向に互いに離れている外向きの力を印加し、前記弾性構造により印加される前記内向きの力に対抗する
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記外力が前記一対の位置決め部分に印加されて前記2つの流体コネクタの間の前記水平方向における相対距離を変更し、前記第1の部材は前記回転軸線を回って回転して前記2つの流体コネクタの間の前記垂直方向における相対距離を変更する、
請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記2つの流体コネクタは、前記サーバの液体冷却回路の入口流体コネクタと出口流体コネクタを含み、前記一対の位置決め部分は前記サーバを収納するラックに附設されて前記外力を印加することによって、前記入口流体コネクタと前記出口流体コネクタを前記ラックの対応する入口流体コネクタと対応する出口流体コネクタに自動的に位置合わせする、
請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の部材は前記サーバのサーバハウジングに附設され、前記第1の部材と前記第2の部材は、前記第2の部材を前記第1の部材と前記ラックとの間に位置決めするように組み立てられる、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の部材は、前記2つの流体コネクタが前記コネクタチャネルに垂直な配向を保持するように配置される一対の固定構造をさらに備える、
請求項4に記載の装置。
【請求項10】
データセンターのサーバラックであって、
冷却液体源から冷却液体を受け取るためのラック液体供給パイプライン、及び、暖かい液体を前記冷却液体源に戻すためのラック液体戻りパイプラインを有するラックマニホールドと、
それぞれ1つまたは複数の情報技術部材に関連する1つまたは複数のコールドプレートを含む複数のサーバハウジングと、
前記サーバハウジングのうちの1つと前記ラックマニホールドを相互接続するためのコネクタアダプタと、
を備え、
前記コネクタアダプタは、第1の部材と第2の部材を備え、
前記第1の部材は、
コネクタチャネルであって、前記コネクタチャネルに沿った2つの反対位置に前記サーバハウジングの前記情報技術部材の2つの流体コネクタが前記第1の部材を貫通するようにガイドするように配置されるコネクタチャネルと、
それぞれ前記コネクタチャネルの2つの反対端の一方に位置し、前記2つの流体コネクタに互いに向かって内向きの力を印加するように配置される一対の弾性構造と、
を含み、
前記第2の部材は、前記第2の部材の全周を回って位置決めする複数の位置決め穴を有し、
前記第1の部材と前記第2の部材は組み立てられ、前記2つの流体コネクタが前記一対の弾性構造により印加される前記内向きの力によって前記第2の部材の反対辺縁にある2つの前記位置決め穴に取り付けられることを可能する場合に、前記第1の部材は前記第2の部材に対して回転軸線を回って回転することができる、
データセンターのサーバラック。
【請求項11】
前記第1の部材は前記回転軸線を回って回転することができ、前記2つの流体コネクタの間の水平方向と垂直方向における相対距離を変更する、
請求項10に記載のサーバラック。
【請求項12】
前記2つの流体コネクタは、前記サーバハウジングの前記情報技術部材の液体冷却回路の入口流体コネクタと出口流体コネクタを含み、前記第2の部材の前記2つの位置決め穴内に取り付けられる前記入口流体コネクタと前記出口流体コネクタを、前記ラックマニホールドの前記ラック液体供給パイプラインの対応する入口流体コネクタと前記ラック液体戻りパイプラインの対応する出口流体コネクタに位置合わせする、
請求項10に記載のサーバラック。
【請求項13】
前記情報技術部材の前記入口流体コネクタと前記出口流体コネクタは、ブラインド嵌合接続を使用して前記ラックマニホールドの前記対応する入口流体コネクタと前記対応する出口流体コネクタに接続される、
請求項12に記載のサーバラック。
【請求項14】
前記第2の部材は、
前記第2の部材の垂直方向に横断する弾性層と、
それぞれ前記弾性層の反対側にあり、外力を印加して前記弾性層を圧縮することによって、前記第2の部材の水平方向における幅を変更する一対の位置決め部分と、をさらに備える、
請求項10に記載のサーバラック。
【請求項15】
前記弾性層が圧縮される場合、前記2つの流体コネクタに前記水平方向に互いに離れている外向きの力を印加し、前記弾性構造により印加される前記内向きの力に対抗する
請求項14に記載のサーバラック。
【請求項16】
前記外力が前記一対の位置決め部分に印加されて前記2つの流体コネクタの間の前記水平方向における相対距離を変更し、前記第1の部材は前記回転軸線を回って回転して前記2つの流体コネクタの間の前記垂直方向における相対距離を変更する、
請求項14に記載のサーバラック。
【請求項17】
前記2つの流体コネクタは前記サーバハウジングの前記情報技術部材の液体冷却回路の入口流体コネクタと出口流体コネクタを含み、前記一対の位置決め部分は前記ラックマニホールドに附設されて前記外力を印加することによって、前記情報技術部材の前記入口流体コネクタと前記出口流体コネクタを前記ラックマニホールドの前記ラック液体供給パイプラインの対応する入口流体コネクタと前記ラック液体戻りパイプラインの対応する出口流体コネクタに自動的に位置合わせする、
請求項14に記載のサーバラック。
【請求項18】
前記第1の部材は前記サーバハウジングに附設され、前記第1の部材と前記第2の部材は、前記第2の部材を前記第1の部材とラックとの間に位置決めするように組み立てられる、
請求項17に記載のサーバラック。
【請求項19】
前記第1の部材は、前記2つの流体コネクタが前記コネクタチャネルに垂直な配向を保持するように配置される一対の固定構造をさらに備える、
請求項14に記載のサーバラック。
【請求項20】
サーバの液体冷却回路の2つの流体コネクタと前記サーバを収納するラックの2つの対応する流体コネクタを接続する方法であって、
ハードウェアの第1の部材のコネクタチャネルに沿った2つの反対位置に前記サーバの前記2つの流体コネクタを前記コネクタチャネルを貫通するようにガイドすることであって、前記コネクタチャネルは一対の弾性構造を有し、各弾性構造は前記コネクタチャネルの2つの反対端の一方に位置し、前記2つの流体コネクタに互いに向かって内向きの力を印加することと、
前記第1の部材を前記ハードウェアの第2の部材に附設することであって、前記第2の部材は前記第2の部材の全周を回って位置決めする複数の位置決め穴、及び前記第2の部材の弾性層の垂直方向に横断し、前記弾性層を圧縮して前記第2の部材の水平方向における幅を変更するための一対の位置決め部分を備えることと、
前記第2の部材に対して回転軸線を回って前記第1の部材を回転し、前記一対の弾性構造により印加される前記内向きの力を使用して前記サーバの前記2つの流体コネクタを前記第2の部材の反対辺縁にある2つの前記位置決め穴内に取り付けることによって、前記サーバの前記2つの流体コネクタの間の前記垂直方向における相対距離を調整し、前記ラックの前記2つの対応する流体コネクタの間の前記垂直方向における相対距離にマッチするようにすることと、
前記一対の位置決め部分を前記ラックに附設して前記弾性層を圧縮することによって、前記サーバの前記2つの流体コネクタの前記水平方向における相対距離を自動的に調整し、前記ラックの前記2つの対応する流体コネクタの前記水平方向における相対距離にマッチするようにすることと、
ブラインド嵌合接続を使用して前記サーバの前記2つの流体コネクタを前記ラックの前記2つの対応する流体コネクタに接続することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、サーバとデータセンター冷却に関する。より具体的に、本発明の実施形態はサーバとラックを接続して液体冷却アプリケーションに使用される流体を輸送と分配するためのブラインド嵌合設計に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却は、コンピュータシステムとデータセンター設計における重要な考慮要素である。サーバにパッケージされている高性能プロセッサなどの高性能電子部品の数は着実に増加しており、サーバの通常の動作中に発生及び発散される熱を増加する。データセンターで使用されるサーバの操作時の環境が時間の経過とともに温度が上昇するのを許可すると、データセンターで使用されるサーバの信頼性が低下する。適切な熱環境を維持することは、データセンター内のこれらのサーバの通常の動作及びサーバ性能と耐用年数の最大化に対して非常に重要である。特にこれらの高性能サーバを冷却する場合、より効果的で効率的な冷却解決手段を必要とする。
【0003】
サーバと中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)などの他の高性能電子部品は、通常、高度に集積されたチップ、ボードまたはアセンブリのクラスターに緊密にパッケージされ、これらの高度に集積されたチップ、ボードまたはアセンブリのクラスターはラックに収納され、非常に高い熱密度を生成する。流体を輸送と分配してサーバから生成された熱を帯び去る液体冷却アプリケーションは、ブラインド嵌合コネクタを使用してサーバとラックとの間の流体チャネルを相互接続する。ラック上の流体分配チャネル(ラック側流体マニホールドとも呼ばれる)は様々なレイアウト(例えば位置、間隔)を有するコネクタにより構築されてもよく、サーバ上のコネクタに接続される。ラックは入口コネクタと出口コネクタの様々な配置または配布をさらに有してもよく、入口コネクタは冷却液をサーバに輸送し、出口コネクタはサーバから暖かい液体を受け取り、様々な配置または配布は例えば平行配置または千鳥配置である。ラックとサーバとの間の流体接続の相互操作性と信頼性はサーバとデータセンターの正確な流体システム集積と操作に対して非常に重要である。従来の接続設計は通常、固定タイプのサーバに対してカスタマイズされ、これは、異なる流体マニホールド配置を有するサーバとラックとの間の相互操作性が低下し、コストが増加し、潜在的なアプリケーションの多様性が減少し、これはラックとサーバのベンダー、サプライヤー、インテグレーター及びエンドユーザーに対して不利である。接続の信頼性は非常に重要であるのは、ブラインド嵌合流体接続技術の本質のため、これは漏れの可能性が最も高い接合部であり、手動操作や設計エラーによる故障や失効を防止するための鍵でもある。
【0004】
いくつかの使用シーンでは、ラックとサーバとの間の流体接続を動的に変更する必要がある場合がある。ラック側流体マニホールドはほとんど固定設計であるため、サーバ側コネクタとラック側コネクタの正確な嵌合をガイドするための設計の柔軟性もサーバをすべてのラックに取り付けて性能を向上させることができるのを確保する重要な考慮要素である。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様はサーバ装置に関し、第1の部材と第2の部材を備え、前記第1の部材は、コネクタチャネルであって、コネクタチャネルに沿った2つの反対位置に2つの流体コネクタが第1の部材を貫通するようにガイドするように配置されるコネクタチャネルと、それぞれコネクタチャネルの2つの反対端の一方に位置し、2つの流体コネクタに互いに向かって内向きの力を印加するように配置される1対の弾性構造と、を含み、第2の部材は、第2の部材の全周を回って位置決めする複数の位置決め穴を有し、第1の部材と第2の部材が組み立てられて、2つの流体コネクタが1対の弾性構造により印加される内向きの力で第2の部材の反対辺縁にある2つの位置決め穴内に取り付けられることを可能にする場合、第1の部材は第2の部材に対して回転軸線を回って回転することができる。
【0006】
本開示の他の態様はデータセンターのサーバラックに関し、冷却液体源から冷却液体を受け取るためのラック液体供給パイプラインと暖かい液体を冷却液体源に戻すためのラック液体戻りパイプラインを有するラックマニホールドと、それぞれ1つまたは複数の情報技術部材に関連する1つまたは複数のコールドプレートを含む複数のサーバハウジングと、サーバハウジングのうちの1つとラックマニホールドを相互接続するためのコネクタアダプタと、を備え、コネクタアダプタは、第1の部材と第2の部材を備え、前記第1の部材は、コネクタチャネルであって、コネクタチャネルに沿った2つの反対位置にサーバハウジングの情報技術部材の2つの流体コネクタが第1の部材を貫通するようにガイドするように配置されるコネクタチャネルと、それぞれコネクタチャネルの2つの反対端の一方に位置し、2つの流体コネクタに互いに向かって内向きの力を印加するように配置される1対の弾性構造と、を含み、前記第2の部材は、第2の部材の全周を回って位置決めする複数の位置決め穴を有し、第1の部材と第2の部材が組み立てられて、2つの流体コネクタが1対の弾性構造により印加される内向きの力で第2の部材の反対辺縁にある2つの位置決め穴内に取り付けられることを可能にする場合、第1の部材は第2の部材に対して回転軸線を回って回転することができる。
【0007】
本開示の他の態様はサーバの液体冷却回路を接続する2つの流体コネクタとサーバを収納するラックの2つの対応する流体コネクタを接続する方法に関し、ハードウェアの第1の部材のコネクタチャネルに沿った2つの反対位置にサーバの2つの流体コネクタがコネクタチャネルを貫通するようにガイドすることであって、コネクタチャネルは1対の弾性構造を有し、各弾性構造はコネクタチャネルの2つの反対端の一方に位置し、2つの流体コネクタに互いに向かって内向きの力を印加することと、第1の部材をハードウェアの第2の部材に附設することであって、第2の部材は、第2の部材の全周を回って位置決めする複数の位置決め穴と、第2の部材の弾性層の垂直方向に横断し、弾性層を圧縮して第2の部材が水平方向における幅を変更するための1対の位置決め部分と、を備えることと、第2の部材に対して回転軸線を回って第1の部材を回転させ、1対の弾性構造により印加される内向きの力でサーバの2つの流体コネクタを第2の部材の反対辺縁にある2つの位置決め穴内に取り付けることにより、サーバの2つの流体コネクタ間の垂直方向における相対距離を調整して、ラックの2つの対応する流体コネクタ間の垂直方向における相対距離にマッチするようにすることと、1対の位置決め部分をラックに附設して弾性層を圧縮することにより、サーバの2つの流体コネクタの水平方向における相対距離を自動的に調整して、ラックの2つの対応する流体コネクタの水平方向における相対距離にマッチするようにすることと、ブラインド嵌合接続を使用してサーバの2つの流体コネクタをラックの2つの対応する流体コネクタに接続することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態は、制限ではなく、添付の図面の図に例示として示され、同じ図面符号は同様の構成要素を示す。
図1】一実施形態によるデータセンター施設の例を示すブロック図である。
図2】一実施形態による電子ラックの例を示すブロック図である。
図3】一実施形態によるコールドプレート配置の例を示すブロック図である。
図4】一実施形態によるサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタとの間の相互接続のための第1のハードウェア設計の例を示し、サーバのコネクタの水平反対位置を調整することを可能にしてラックのコネクタにマッチする。
図5】一実施形態によるサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタとの間の相互接続のための第1のハードウェア設計の例を示し、サーバのコネクタの垂直反対位置を調整することを可能にしてラックのコネクタにマッチする。
図6】一実施形態によるサーバハウジングに統合されてサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタを相互接続する第1のハードウェア設計の例を示し、サーバのコネクタの位置を調整することを可能にしてラックのコネクタにマッチする。
図7】一実施形態による統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、千鳥接続の配置ではサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタを相互接続する。
図8】一実施形態による統合された弾性層を有する第2のハードウェア構造の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、平行接続の配置ではサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタを相互接続する。
図9】一実施形態による第2のハードウェア構造を使用するラックの流体コネクタとサーバの流体コネクタとの間の接続の上面図の例を示し、第2のハードウェア構造は水平方向に沿って拡張可能な統合された弾性層を有し、サーバのコネクタの位置を調整することを可能にしてラックのコネクタにマッチする。
図10】一実施形態によるラックマニホールドと第2のハードウェア構造の例を示し、第2のハードウェア設計は部分IIと部分Iを含み、部分IIは水平方向に沿って拡張可能な統合された弾性層を有し、部分Iはサーバに統合され、次に、第2のハードウェア設計の2つの部分を組み立ててラックマニホールドと第2のハードウェア設計を統合し、サーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタに接続する。
図11】一実施形態によるラックマニホールドと第2のハードウェア設計の統合されたアセンブリの例を示し、第2のハードウェア設計は統合された弾性層を有する部分IIを含み、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能である。
図12】一実施形態によるラックマニホールドと第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの斜視図の例を示し、第2のハードウェア設計は第1のボードと統合された弾性層を有する第2のボードを含み、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、サーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
図13A】一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの上面図の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが平行配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
図13B】一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの上面図の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが千鳥配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
図13C】一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの上面図の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが反対方向配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
図14図14Aは、一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリをラック後面から見た図の例を示し、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが図13Aに対応する平行配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図14Bは、一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリをラック後面から見た図の例を示し、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが図13Bに対応する千鳥配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図14Cは、一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリをラック後面から見た図の例を示し、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが図13Cに対応する反対方向配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
図15】第2のハードウェア設計を使用してサーバの2つの流体コネクタとラックの2つの対応する流体コネクタを位置合わせするための方法1500の例を示すフローチャートであり、ラックは統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計を使用してサーバを収納し、統合された弾性層は、ブラインド嵌合接続を使用してサーバの2つの流体コネクタとラックの2つの対応する流体コネクタを接続する前に水平方向に沿って拡張可能である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の様々な実施形態及び側面は、以下で論じられる詳細を参照して説明され、添付の図面は、様々な実施形態を例示する。以下の説明および図面は、本発明を説明するものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、場合によっては、本発明の実施形態の簡潔な議論を提供するために、周知のまたは従来の詳細は記載されていない。
【0010】
明細書で言及される「一つの実施形態」または「実施形態」とは、該実施形態を組み合わせて説明する特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることができることを意味する。明細書内の様々な場所に現れる「一つの実施形態において」という句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。
【0011】
サーバ上の流体コネクタとサーバを収納するラック上の流体コネクタを相互接続してサーバを冷却する流体を輸送及び戻す設計を開示している。サーバは入口コネクタと出口コネクタを備えてもよく、入口コネクタはラック上の供給コネクタから冷却液体を受け取り冷却液体をサーバに分配し、出口コネクタは加熱された液体を排出してラック上のコネクタに戻して、サーバから熱を取り去るようにする。開示された設計は、ハードウェアを提供してサーバのコネクタをガイド、調整及び位置決めし、ラックのコネクタに正確に嵌合することにより、異なる流体分配アーキテクチャを有するサーバと異なる流体マニホールド配置を有するラックの相互操作性をサポートする。該設計は、コネクタ間に信頼性の高い安定したブラインド嵌合流体接続を提供するために使用でき、液体冷却システムの柔軟性、効率及び保守性を向上させ、コストを削減し、高熱密度を有するデータセンターの需要を満たすようにする。
【0012】
一態様では、設計は2つのボードを含み、この2つのボードの両方はブラインド嵌合または手動でサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタを容易に接続するために使用できる。第1のボードはコネクタチャネルを有してサーバのコネクタが第1のボードを貫通するようにガイドする。コネクタチャネルは1つの次元に沿ってサーバのコネクタに一連の可能な位置を提供し、且つサーバのコネクタの間の水平距離を調整することを可能にし、ラックのコネクタの間の水平距離に位置合わせするようにする。コネクタチャネルの2つの端部はそれぞれ弾性構造を有し、サーバのコネクタをコネクタチャネルの中央に押す力を印加する。第2のボードはその全周を回る複数の位置決め穴または位置決め溝を有し、サーバのコネクタはコネクタチャネルの弾性構造により印加された力で位置決め穴または位置決め溝内に取り付けられてもよい。位置決め穴は、複数の可能な値でサーバのコネクタの間の垂直距離を調整することを可能にし、ラックのコネクタの間の垂直距離に位置合わせするようにする。第1のボードは第2のボードに附設されて、回転軸線を回って回転することができ、サーバのコネクタの間の水平と垂直距離を共同で調整し、それにより、コネクタの嵌合時にサーバのコネクタとラックのコネクタの位置を柔軟且つ確実に位置合わせすることができる。異なるサイズと異なる位置決め穴位置を有する第2のボードを使用することによって、サーバのコネクタはラックのコネクタに位置合わせすることができ、異なる流体マニホールド配置に使用される。弾性構造によりコネクタチャネルの反対端から印加された力のバランスをとることができるため、サーバの2つのコネクタを組み立て、接合アセンブリの位置決め穴内にしっかりと取り付けられ、それにより、サーバのコネクタとラックのコネクタとの間の正確な位置合わせを確保する。
【0013】
一態様では、第2のボードは、サーバのコネクタの間の水平距離の範囲を広げるように、弾性層と統合されたガイド構造を有し、それによりラックのコネクタの間の水平距離に位置合わせする。弾性層は、第2のボードの幅を増加するように、その幅に水平方向に沿って拡張可能である。統合されたガイド構造に外力を印加しない場合、弾性層はその最大幅であり、第2のボードが対応的に最大幅を有するようにする。統合されたガイド構造に外力を印加して弾性層を圧縮する場合に、第2のボードの幅が対応的に小さくなる。弾性層の幅を変更することによって、第2のボードの位置決め穴内に取り付けられるサーバのコネクタの間の水平距離を調整することができる。圧縮された弾性層が第2のボードに外向きの力を印加し、第1のボードのコネクタチャネルの弾性構造により印加される内向きの力に相殺することにより、サーバのコネクタをしっかりと保持する。弾性層のガイド構造はラックマニホールドに挿入または附設されてもよく、サーバのコネクタの間の垂直と水平方向における相対距離を自動に調整し、それにより、サーバのコネクタに位置合わせする。
【0014】
図1は一実施形態によるデータセンターまたはデータセンターユニットの例を示すブロック図である。この例では、図1はデータセンターの少なくとも一部を示す上面図である。図1を参照し、一実施形態によれば、データセンターシステム100は1つまたは複数の電子ラックの行101-102の情報技術(IT)部材、機器または計器を備え、情報技術(IT)部材、機器または計器は例えばネットワーク(例えば、インターネット)を介して様々なクライアントにデータサービスを提供するコンピューターサーバまたはコンピューティングノードである。該実施形態では、各行は、電子ラック110A-110Nなどの電子ラックのアレイを含む。ただし、より多くまたはより少ない電子ラックの行を実現できる。通常、行101-102を平行に位置合わせ、その前端が互いに向き合い、後端が互いに反対するため、それらの間に通路103を形成し、管理者がそれらの中を歩くことを可能にする。ただし、その他の配置または配布を使用してもよい。例えば、2行の電子ラックは互いに背中合わせにすることができ、それらの間に通路を形成することなく、それらの前端が互いに反対を向いている。電子ラックの後端は室内冷却液体マニホールドに連結されてもよい。
【0015】
一実施形態では、電子ラック(例えば、電子ラック110A-110N)のうちのそれぞれはケースを備え、その中で動作するスタックに配布された複数のIT部材を収納する。電子ラックは、冷却液体マニホールド、複数のサーバスロット(例えば、同じまたは類似のフォームファクタを配置した標準キャビネット(shelf)またはハウジング(chasis))、及びサーバスロット内に挿入してサーバスロットから取り外し可能な複数のサーバハウジング(サーバブレードまたはサーバキャビネット)を備える。各サーバハウジングは、1つまたは複数のプロセッサ、メモリ及び/又は永久記憶機器(例えば、ハードディスク)を有するコンピューティングノードを表し、コンピューティングノードはその中で動作する1つまたは複数のサーバを含むことができる。プロセッサのうちの少なくとも1つは液体コールドプレート(コールドプレートアセンブリとも呼ばれる)に附設して冷却液体を受け取る。なお、空気供給システム135と1つまたは複数の選択可能な冷却ファンはサーバハウジングに関連し、その中に含まれたコンピューティングノードに空気冷却を提供する。注意すべきこととして、冷却システム120はデータセンターシステム100などの複数のデータセンターシステムに連結されてもよい。一実施形態では、各サーバハウジングのサーバ液体入口コネクタとサーバ液体出口コネクタは冷却液体マニホールドのラック液体入口コネクタとラック液体出口コネクタに接続されてもよく、冷却液体マニホールドはデータセンターの液体供給/戻りパイプライン132/131に連結される。
【0016】
図2は一実施形態による電子ラックを示すブロック図である。電子ラック200は、図1に示すような任意の電子ラック、例えば電子ラック110A-110Nを表すことができる。図2を参照し、一実施形態によれば、電子ラック200はCDU201、ラック管理ユニット(RMU)202及び1つまたは複数のサーバハウジング203A-203E(サーバハウジング203と総称)を備えるが、これらに制限されない。サーバハウジング203はそれぞれ電子ラック200の前端204または後端205からサーバスロット(例えば、標準キャビネット)のアレイに挿入可能である。注意すべきこととして、ここで5つのサーバハウジング203A-203Eを示したが、電子ラック200内でより多くまたはより少ないサーバハウジングを維持することができる。さらに注意すべきこととして、CDU201、RMU202及び/又はサーバハウジング203の特定の位置は説明の目的のみで示され、CDU201、RMU202及び/又はサーバハウジング203の他の配布または配置を実現することもできる。一実施形態では、電子ラック200は環境に開放するか、または部分的にラック容器により収納することができ、冷却ファンは前端から後端への気流を生成してもよい。
【0017】
なお、サーバハウジング203のうちの少なくとも一部に対して、選択可能なファンモジュール(図示せず)はサーバハウジングに関連する。ファンモジュールのうちのそれぞれは1つまたは複数の冷却ファンを含む。ファンモジュールはサーバハウジング203の後端または電子ラックに取り付けられてもよく、前端204から流れ、進んで、サーバハウジング203を通過すう空気空間を通過し、電子ラック200の後端205で出る気流を生成する。
【0018】
一実施形態では、CDU201は主に熱交換器211、液体ポンプ212、ポンプコントローラ(図示せず)、及び液体リザーバー、電源、監視センサーなどのいくつかの部材を含む。熱交換器211は液体から液体までの熱交換器であってもよい。熱交換器211は、入口ポートと出口ポートを有する第1の回路を含み、入口ポートと出口ポートは外部液体供給/戻りパイプライン131-132に連結されて主回路を形成する第1の対の液体コネクタを有する。外部液体供給/戻りパイプライン131-132に連結されるコネクタは電子ラック200の後端205に設置または取り付けられてもよい。液体供給/戻りパイプライン131-132は、室内液体供給/戻りパイプラインとも呼ばれ、以上のように冷却システム120に連結されてもよい。
【0019】
なお、熱交換器211は2つのポートを有する第2の回路を更に含み、この2つのポートは液体マニホールド225(ラックマニホールドとも呼ばれる)に連結されて二次回路を形成する第2の対の液体コネクタを有し、供給マニホールド(ラック液体供給パイプラインまたはラック供給マニホールドとも呼ばれる)と戻りマニホールド(ラック液体戻りパイプラインまたはラック戻りマニホールドとも呼ばれる)を含むことができ、供給マニホールドは冷却液体をサーバハウジング203に供給し、戻りマニホールドは暖かい液体をCDU201に戻す。注意することとして、CDU201は、市場で購買可能であるか、またはカスタマイズされた任意のタイプのCDUであってもよい。従って、本明細書ではCDU201の詳細を説明しない。
【0020】
サーバハウジング203のそれぞれは1つまたは複数のIT部材(例えば、中央処理ユニットまたはCPU、汎用/グラフィックス処理ユニット(GPU)、メモリ及び/又は記憶機器)を含んでもよい。各IT部材はデータ処理タスクを実行でき、IT部材は、記憶機器内に取り付けられ、メモリにロードされて且つ1つまたは複数のプロセッサにより稼働させてデータ処理タスクを実行するソフトウェアを含むことができる。サーバハウジング203は1つまたは複数のコンピューティングサーバ(コンピューティングノードとも呼ばれ、例えばCPUサーバとGPUサーバである)に連結されるホストサーバ(ホストノードと呼ばれる)を含むことができる。(1つまたは複数のCPUを有する)ホストサーバは、通常、ネットワーク(例えば、インターネット)を介してクライアントにインターフェースして特定のサービスの要求を受信し、特定のサービスは、記憶サービス(例えば、バックアップ及び/又は復元などのクラウドベースの記憶サービス)、ある動作を実行するアプリケーションの稼働(例えば、サービスソフトウェアまたはSaaSプラットフォームの一部としての画像処理、深度データ学習アルゴリズムまたはモデリングなど)である。該要求に応答して、ホストサーバはタスクをホストサーバにより管理された(1つまたは複数のGPUを有する)コンピューティングノードまたはコンピューティングサーバのうちの1つまたは複数に分配する。コンピューティングサーバは実際のタスクを実行し、動作中に熱を生成する可能性がある。
【0021】
電子ラック200は、サーバハウジング203とCDU201に供給される電気を提供と管理するように配置される選択可能なRMU202をさらに含んでもよい。RMU202は電源ユニット(図示せず)に連結されてもよく、電源ユニットの消費電力を管理する。電源ユニットは必要な回路(例えば、交流(AC)から直流(DC)またはDCからDCへの電力変換器電池、変圧器またはレギュレーターなど)を含むことができ、電子ラック200の他の部材に電気を供給する。
【0022】
一実施形態では、RMU202は最適化モジュール221とラック管理コントローラ(RMC)222を含む。RMC222は、電子ラック200内の様々な部材(例えばサーバハウジング203、CDU201及びファンモジュール)の動作状態を監視するモニタを含んでもよい。具体的に、モニタは様々なセンサーから電子ラック200の動作環境を示す動作データを受信する。例えば、モニタは、プロセッサ、冷却液及び気流の温度を示す動作データを受信でき、これらのデータは様々な温度センサーによってキャプチャ及び収集されてもよい。モニタはファンモジュールと液体ポンプ212によって生成された、それぞれの速度と比例するファン電力とポンプ電力を示すデータを受信することができる。これらの動作データはリアルタイム動作データと呼ばれる。注意すべきこととして、モニタはRMU202内の別個のモジュールとして実現されてもよい。
【0023】
動作データに基づいて、最適化モジュール221は所定の最適化関数または最適化モデルを使用して最適化を実行し、ファンモジュール用の1組の最適なファン速度と液体ポンプ212用の最適なポンプ速度を導き出し、液体ポンプ212とファンモジュールの総消費電力は最小化され、同時に、液体ポンプ212とファンモジュールの冷却ファンに関連する動作データがそれらのそれぞれの設計仕様にある。一旦最適なポンプ速度と最適なファン速度が決定されると、RMC222は最適なポンプ速度とファン速度に基づいて液体ポンプ212とファンモジュールの冷却ファンを配置する。
【0024】
例として、最適なポンプ速度に基づいて、RMC222がCDU201のポンプコントローラに通信して液体ポンプ212の速度を制御し、それにより、液体マニホールド225に供給されてサーバハウジング203に分配される一部の冷却液体の液体流速を制御する。同様に、最適なファン速度に基づいて、RMC222がファンモジュールのうちのそれぞれと通信して、ファンモジュールの各冷却ファンの速度を制御し、それにより、ファンモジュールの気流速率を制御する。注意すべきこととして、ファンモジュールのそれぞれはその特定の最適なファン速度で別個に制御でき、異なるファンモジュール及び/又は同じファンモジュール内の異なる冷却ファンは異なる最適なファン速度を有することができる。
【0025】
注意することとして、図2に示されるラック配置は説明の目的のみで示され及び説明され、他の配置または配布を使用してもよい。例えば、CDU201は可能なユニットであってもよい。サーバハウジング203のコールドプレートはラックマニホールドに連結されてもよく、ラックマニホールドはCDUを使用せずに、液体供給/戻りパイプライン131-132に直接連結可能である。図示しないが、電源ユニットは電子ラック200内に設置できる。電源ユニットはサーバハウジングと同じまたは同様な標準なハウジングとして実現されてもよく、電源ハウジングは、任意のサーバハウジング203の代わりに、任意の標準キャビネット内に挿入可能である。なお、電源ハウジングは、主電源が利用できない場合、サーバハウジング203に電池電力を提供するための電池バックアップユニット(BBU)をさらに含んでもよい。BBUは1つまたは複数の電池パックを含んでもよく、各電池パックは1つまたは複数の電池セル、及び電池セルを充電及び放電するための必要な充電及び放電回路を含む。
【0026】
図3は一実施形態によるプロセッサコールドプレート配置を示すブロック図である。プロセッサ/コールドプレートアセンブリ300は図2に示されるサーバハウジング203の任意のプロセッサ/コールドプレート構造を示すことができる。図3を参照し、プロセッサ301はプリント回路基ボード(PCB)またはマザーボード302に取り付けられるプロセッサソケットに挿入され、プリント回路基ボード(PCB)またはマザーボード302はデータ処理システムまたはサーバの他の電子部品または回路に連結される。プロセッサ301はそれに附設されるコールドプレート303を更に含み、コールドプレート303はラックマニホールドに連結され、ラックマニホールドは液体供給パイプライン132及び/又は液体戻りパイプライン131に連結される。プロセッサ301から生成された熱の一部は冷却液体を介してコールドプレート303によって除去される。熱の残りの部分は下方または上方の空気空間に入り、これは、冷却ファン304によって生成された気流によって除去できる。液体供給パイプライン132と液体戻りパイプライン131は流体コネクタと組み立てられてもよく、流体コネクタはラック上の対応するコネクタに接続するためのインターフェースである。コールドプレートアセンブリ300または冷却モジュールはラックに統合される場合、及び流体再循環システムに接続される場合、本開示の設計解決手段はインターフェースの信頼性と安定性を向上させる。
【0027】
図4は一実施形態によるサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタとの間の相互接続のための第1のハードウェア設計400の例を示し、サーバのコネクタの水平反対位置を調整することを可能にしてラックのコネクタにマッチする。設計400は部分I(401)と部分II(421)の2つの部分を含み、それぞれ第1のボード401と第2のボード421とも呼ばれる。
【0028】
一態様では、第1のボード401は楕円形形状であってもよく、該楕円方形形状は第1のボード401の幅または長いサイズに沿うコネクタチャネル405を含む。サーバの一対のコネクタ407は第1のボード401に垂直な方向にコネクタチャネル405を通過するようにガイドされてもよい。この対のコネクタ407は入口コネクタと出口コネクタを含んでもよく、入口コネクタはラックの供給コネクタから冷却液体を受け取って冷却液体をサーバに分配し、出口コネクタは加熱された液体をラックの戻りコネクタに排出してサーバから生成された熱を帯び去る。この対のコネクタ407の間の相対距離はコネクタチャネル405に沿って調整可能であり、ラックの対応するコネクタの間の相対距離に位置合わせする。コネクタチャネル405の各端に弾性構造403を設計しており、弾性構造403は弾力を印加してコネクタ407を互いに押す。ラックのコネクタに接続される場合、弾力がコネクタ407に取り付け圧力を印加し、コネクタ407を第2のボード421に固定する。
【0029】
第2のボード421はその全周を回って設置する複数の位置決め穴423を有し、コネクタ407は弾性構造403により印加される取り付け圧力で位置決め穴423内に取り付け可能である。第1のボード401と第2のボード421は統合されたアセンブリまたは取り外し可能な配置に重なり合われまたは積み重ねられてもよい。第1のボード401は第2のボード421に対して回転軸線433を回って回転でき、コネクタ407を第2のボード421上の異なる位置決め穴423に取り付けることを可能にする。ハードウェア設計400は取付フレーム431を使用してラックに附設する場合、位置決め穴423はラックのコネクタの可能な位置に対応できる。一態様では、第2のボード421及び対応する位置決め穴423の設計は決定されるか、またはラックマニホールドの仕様高さに関連する。一態様では、ラックのコネクタは図2の供給マニホールドと戻りマニホールドを含むラックマニホールド225であってもよい。
【0030】
第1のボード401に回転軸線433を回って回転させることによって、サーバのコネクタ407はラックの対応するコネクタの位置に位置合わせする位置決め穴423内に取り付け可能である。位置決め穴423とコネクタチャネル405との組み合わせはサーバのコネクタ407の間の水平距離と垂直距離の選択範囲を調整することを可能にし、ラックの流体マニホールド配置に柔軟にマッチする。図4は、ラックのコネクタが水平面に沿って平行配置で位置決めされる様子を示す。第1のボード401は回転してサーバのコネクタ407を水平面に沿うゼロ相対垂直距離である一対の位置決め穴423内に取り付け、ラックのコネクタに位置合わせする。サーバのコネクタ407の水平と垂直距離の調整範囲を拡張して異なるラックマニホールドに適応するために、異なるサイズと異なる位置を有する位置決め穴423の第2のボード421は第1のボード401に附設可能である。
【0031】
図5は一実施形態によるサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタとの間の相互接続のための第1のハードウェア設計の例を示し、サーバのコネクタの垂直反対位置を調整することを可能にして、ラックのコネクタにマッチする。第1のハードウェア設計は図4の設計400であってもよい。
【0032】
ラックの流体マニホールドは、ペアになるコネクタが相対的な垂直間隔を有する千鳥配置にすることができる。他のシーンでは、千鳥配置ではラックには2つのコネクタ(1つの供給と1つの戻り)のみが利用可能であり、ラック上のその他のコネクタはその他のサーバによって占用される。例えば、ラックの一対のコネクタは水平面と一定の角度で対角に延びることができる。その結果、第1のボード401が回転してサーバのコネクタ407を対角面に沿う1対の位置決め穴423内に取り付け、それによりラックのコネクタに位置合わせする。位置決めされたコネクタ407は水平と垂直方向の両方に分離する。コネクタ407が水平面に沿って位置決めされる場合、コネクタ407の間の水平距離は図4と同様であってもよい。弾性構造403によりコネクタチャネル405の軸線に沿ってコネクタ407に当接して印加される内向きの取り付け圧力は、コネクタ407を一対の対角位置決め穴423内にしっかりと取り付けることを確保する。
【0033】
ラックのコネクタはより急な角度で対角に延びるか、またはラックの利用可能なコネクタがひいては垂直方向に互いにさらに離れている場合、第1のボード401をさらに回転させて、サーバのコネクタ407を水平面からさらに離れた一対の位置決め穴423内に取り付けることができ、ラックのコネクタに位置合わせする。コネクタ407の間の水平距離と垂直距離の両方は、コネクタ407が取り付けられているラックの流体マニホールド配置に柔軟に位置合わせする一対の位置決め穴423に応じて変化できる。
【0034】
図6は一実施形態によるサーバハウジングに統合されてサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタを相互接続する第1のハードウェア設計の例であり、サーバのコネクタの位置を調整することを可能にしてラックのコネクタにマッチする。
【0035】
一態様では、該設計は第1のボード401の後面に組み立てられる第2のボード421の統合されたアセンブリを含んでもよい。一態様では、該設計は、異なる配置の第2のボード421を後部の第1のボード401に附設することを可能にする取り外し可能な配置を含んでもよい。第1のボード401と第2のボード421のアセンブリは取付フレーム431を使用して組み付けフレーム601に取り付けられる。組み付けフレーム601はサーバのハウジング(図示せず)に取り付けられる。コネクタ407はサーバ液体入口コネクタとサーバ液体出口コネクタを含んでもよく、それぞれフレキシブルホースに連結されて冷却液体をサーバに分配してサーバから加熱された液体を戻す。コネクタ407は、第1のボード401のコネクタチャネル405を通過して第2のボード421の位置決め穴(図示せず)内に取り付けられるようにガイドされ、ラックの流体マニホールド配置のコネクタに位置合わせし、それによりラックとの接続を実現する。
【0036】
図7は一実施形態による統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計700の例を示し、該弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、千鳥接続配置ではサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタとの間に相互接続するように使用される。ハードウェア設計700は部分I(401)と部分II(721)の2つの部分を含み、それぞれ第1のボード401と第2のボード721と呼ばれる。一態様では、第1のボード401と第2のボード721は接合、附設または組み立てられ、ハードウェア設計700の分離したユニットを形成することができ、統合されたアセンブリとして構造されない。2つのボードは互いに取り外し可能であり、第1のボード401と第2のボード721を組み立てる異なる組み合わせの柔軟性を提供する。一態様では、第2のボード721は第1のボード401の前部に附設可能である。第1のボード401は図4図6と同様な特徴を持つことができる。簡潔にするために、第1のボード401の詳細な構造と操作を省略する。
【0037】
第2のボード721は、その全周を回る複数の位置決め穴723を有し、図4図6の第2のボード421である。なお、第2のボード721は2つの剛性側に挟まれて垂直または縦方向に第2のボード721を貫通する中間弾性層725を有する。弾性層725は、内部弾性構造を有するように設計され、外向きの力が発生し、それにより、水平または横方向に第2のボード721の幅を拡張する。2つの位置決め部分727は第2のボード721から突出可能であり、そのうちの1つ位置決め部分は弾性層725の各側にある。位置決め部分727(ガイド構造とも呼ばれる)は弾性層725を圧縮して、弾性層725の幅を変更し、第2のボード721の幅を対応的に変更するために使用され、それにより、サーバのコネクタ407の間の水平距離を調整してラックのコネクタの間の水平距離に位置合わせするときにより大きな柔軟性を提供する。例えば、位置決め部分727に印加される外力がない場合、弾性層725と対応する第2のボード721は水平方向にその最大幅に拡張可能である。完全に拡張された第2のボード721からの水平外向きの力と弾性構造403により第1のボード401のコネクタチャネルの軸線に沿って印加される内向きの力によってサーバのコネクタ407を位置決め穴723内にしっかりと取り付ける。
【0038】
外力を印加して位置決め部分727を互いに近づける場合、または位置決め部分727の相対距離が弾性層725の完全に拡張された幅より小さくするように設定される場合、弾性層725は圧縮され、且つ第2のボード721の幅は対応的に小さくなる。弾性層725の幅を変更することによって、サーバのコネクタ407の間の水平距離は第2のボード721の幅の変更により調整されてもよい。同様に、圧縮された弾性層725はコネクタ407に水平外向きの力を印加し、弾性構造403が第1のボード401のコネクタチャネルの軸線に沿って印加される内向きの力に相殺し、それにより、コネクタ407を位置決め穴723内にしっかりと保持する。一態様では、第2のボード721の幅は、位置決め部分727をラックマニホールドに挿入または附設することによってラックマニホールドのサイズに応じて決定されてもよい。このように、ラックの流体マニホールド配置に基づいてサーバのコネクタ407の間の水平方向における相対距離を自動的に調整し、ラックのコネクタに位置合わせすることができる。サーバのコネクタ407の間の垂直方向における相対距離は第2のボード721に対して第1のボード401を回転させることによって調整することができ、図4図6と同様である。図7はサーバの千鳥接続配置にあるコネクタ407を示し、コネクタ407は垂直方向において相対距離がある。サーバのコネクタ407の水平と垂直距離の調整範囲を広げて異なるラックマニホールドに適応するために、異なる最大幅と内部弾性構造を有する弾性層725及び異なる位置の位置決め穴723の第2のボード721は第1のボード401に附設されてもよい。一実施形態では、異なるサイズを有するコネクタチャネル405の第1のボード401は第2のボード721に附設されることもでき、サーバのコネクタ407の間の水平距離または最大幅の調整範囲をさらに広げる。
【0039】
図8は一実施形態による統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の例を示し、該弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、平行接続配置ではサーバの流体コネクタとラックの流体コネクタとの間に相互接続される。
【0040】
第1のボード401を回転してサーバのコネクタ407を水平面に沿うゼロ相対垂直距離を有する一対の位置決め穴723内に取り付けることによって、ラックのコネクタに位置合わせする。位置決め部分727の相対距離が弾性層725を圧縮するように調整可能であり、それにより、第2のボード721の幅を変更し、コネクタ407の水平方向における相対距離を対応的に変更する。一態様では、位置決め部分727は三角形形状であってもよいため、位置決め部分727をラックマニホールド内に挿入するようにし、それにより、ラックの流体マニホールド配置に基づいてサーバのコネクタ407の間の水平方向における相対距離を自動的に調整し、ラックのコネクタに位置合わせする。一態様では、位置決め部分727は異なる形状とサイズにするように配置され、位置決め部分727を異なるラックマニホールドに挿入または附設し、及びサーバとラックとの間のコネクタを嵌合するようにする。一態様では、弾性層725、位置決め部分727、弾性層725を挟む2つの剛性側及び位置決め穴723は、第2のボード721の単一のアセンブリとして統合される。
【0041】
図9は一実施形態による第2のハードウェア設計を使用するラックの流体コネクタとサーバの流体コネクタの間の接続の上面図の例を示し、第2のハードウェア設計は水平方向に沿って拡張可能な統合された弾性層を有し、サーバのコネクタの位置を調整することを可能にし、ラックのコネクタにマッチする。
【0042】
サーバのコネクタ907はサーバ液体入口コネクタとサーバ液体出口コネクタを含むことができ、それぞれフレキシブルホースに接続され、冷却液体をサーバに分配し、サーバから加熱された液体を戻し、液体回路911の一部(一部のみを示す)とする。サーバコネクタ907は、第1のボード401のコネクタチャネル405を通過するようにガイドされる。第2のボード721はサーバコネクタ907の間に第1のボード401の前部に附設され、サーバコネクタ907が第2のボード721の位置決め穴723内に取り付けられる。一態様では、第1のボード401と第2のボード721のアセンブリは取付フレームを使用してサーバのハウジングに取り付けられてもよい。第1のボード401のコネクタチャネル405の各端にある弾性構造403はコネクタチャネル405の軸線に沿ってサーバコネクタ907に内向きの力を印加する。第2のボード721の弾性層725はサーバコネクタ907に水平外向きの力を印加する。内向きの力と相殺された外向きの力でサーバコネクタ907を位置決め穴723内にしっかりと保持する。なお、固定構造409は、サーバコネクタ907のそれぞれが第1のボード401のコネクタチャネル405に垂直な配向をロックと保持するために使用され、ラックコネクタ909と嵌合する際にサーバコネクタ907上の歪みを減少するようにする。
【0043】
ラックマニホールド901は供給側マニホールドと戻り側マニホールドを含み、供給側マニホールドはサーバ液体入口コネクタに嵌合してサーバに冷却液体を供給するラックコネクタ909(ラック入口コネクタとも呼ばれてもよい)を有し、戻り側マニホールドはサーバ液体出口コネクタに嵌合してサーバから加熱された液体を戻すラックコネクタ909(ラック出口コネクタとも呼ばれてもよい)を有する。供給側マニホールドと戻り側マニホールドは開口を介して分離する。第2のボード721の位置決め部分727はラックマニホールド901の開口を介して挿入され、弾性層725を圧縮することによって、サーバコネクタ907の間の水平方向における相対距離を変更し、ラックコネクタ909の間の水平方向における相対距離に揃えるようにする。ラックマニホールド901を貫通する異なるサイズの開口を介して位置決め部分727に挿入することによって、第2のボード721の幅を自動的に調整することができ、サーバコネクタ907とラックコネクタ909の正確な位置合わせを実現する。一態様では、位置決め部分727は三角形先端を有することができ、位置決め部分727をラックマニホールド901の開口に挿入するようにする。
【0044】
供給側マニホールドと戻り側マニホールドのラックコネクタ909は千鳥にすると、第1のボード401が第2のボード721に対して回転可能であり、垂直方向にサーバコネクタ907とラックコネクタ909に位置合わせする。位置合わせした後に、サーバコネクタ907とラックコネクタ909はブラインド嵌合接続を使用して嵌合することができ、サーバ用の液体回路911を完成する。第1のボード401及び弾性層725と位置決め部分727を有する第2のボード721のアセンブリは、可変流体分配アーキテクチャを有するサーバが自動的にサーバコネクタ907をラックコネクタ909に位置合わせすることによって異なる流体マニホールド配置を有するラックに統合されることを可能にし、それにより、サーバとラックとの間の互操作性を改善し、データセンター設計の柔軟性を増加し、信頼できるブラインド嵌合流体接続を提供する。
【0045】
図10は一実施形態によるラックマニホールド901、第2のハードウェア設計の例を示し、第2のハードウェア設計は第2のボード721と第1のボード401を含み、第2のボード721は水平方向に沿って拡張可能な統合された弾性層725を有し、第1のボード401はサーバ1001に統合され、次に、第2のハードウェア設計の2つのボードを組み立ててラックマニホールドと組み立てられた第2のハードウェア設計を統合し、サーバ1001の流体コネクタをラックマニホールド901の流体コネクタに接続する。
【0046】
一態様では、第1のボード401は第1のボード401に附設される取付フレームを使用してサーバ1001の組み付けフレームに取り付けられてもよい。組み付けフレームはサーバ1001のハウジングに取り付けられてもよい。サーバ流体分配システムのサーバ入口コネクタ1003とサーバ出口コネクタ1005は第1のボード401のコネクタチャネルを通過するようにガイドされてもよい。一態様では、第2のボード721はラックサプライヤーにより開発及び提供された部材であってもよく、サプライヤーの様々な流体マニホールド配置を有するラックと互換性があるようにする。一態様では、第2のボード721はサーバサプライヤーにより開発されてもよく、且つ第1のボード401と一緒に組み立てられたハードウェアとして提供され、サーバ1001に統合されるようにする。
【0047】
ラックマニホールド901は供給側マニホールドと戻り側マニホールドを含むことができ、供給側マニホールドは冷却液体をサーバ1001に供給する複数のラック入口コネクタ1007を有し、戻り側マニホールドはサーバ1001から加熱された液体を戻す複数のラック出口コネクタ1009を有する。一態様では、千鳥接続配置ではラック入口コネクタ1007はラック出口コネクタ1009から垂直にオフセットすることができる。供給側マニホールドと戻り側マニホールドは開口を介して分離可能であり、第2のボード721の位置決め部分727は該開口を介して挿入可能であり、第2のボード721の幅を変更し、それにより、サーバ入口コネクタ1003とサーバ出口コネクタ1005をそれぞれラック入口コネクタ1007とラック出口コネクタ1009に位置合わせし、ブラインド嵌合接続を形成するために使用される。この態様では、第2のボード721はサーバ1001のコネクタとラックマニホールド901との間のアダプテーション層として形成され、コネクタを位置決め、固定及び位置合わせするために使用され、サーバとラックを統合するようにする。
【0048】
図11は一実施形態によるラックマニホールド901と第2のハードウェア設計の統合されたアセンブリの例を示し、第2のハードウェア設計は統合された弾性層725を有する第2のボード721を含み、統合された弾性層725は水平方向に沿って拡張可能である。
【0049】
ラックマニホールド901は、図10に示すように、千鳥接続配置では複数のラック出口コネクタ1009から垂直にオフセットする複数の入口コネクタ1007を有する。図11は位置決め部分727を供給側マニホールドと戻り側マニホールドとの間の開口に挿入する様子を示す。第2のボード721の幅は開口の幅に応じて自動的に調整し、ラック入口コネクタ1007とラック出口コネクタ1009を第2のボード721の位置決め穴に位置合わせし、それにより、ラック入口コネクタ1007とラック出口コネクタ1009をサーバのコネクタに位置合わせするようにする。
【0050】
図12は一実施形態によるラックマニホールド901と第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの斜視図の例であり、第2のハードウェア設計は第1のボード401と統合された弾性層725を有する第2のボード721を含み、弾性層725は水平方向に沿って拡張可能であり、サーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
【0051】
弾性層725は位置決め部分727をラックマニホールド901内の開口に挿入することによって圧縮され、ラック入口コネクタ1007とラック出口コネクタ1009をそれぞれサーバ入口コネクタとサーバ出口コネクタ(両方が図で隠される)に位置合わせする。第1のボード401の弾性構造403により印加される内向きの力と圧縮された弾性層725からの外向きの力はサーバ入口コネクタとサーバ出口コネクタを第2のボード721の位置決め穴内にしっかりと保持することによって、ラックマニホールドのコネクタにブラインド嵌合接続することができる。図12は平行配置にあるラックマニホールドのコネクタを示す。ラックマニホールドのコネクタは垂直オフセットで千鳥にすると、第1のボード401が回転できる。第1のボード401及び弾性層725と位置決め部分727を有する第2のボード721のアセンブリは、単一のコネクタ設計のサーバ1001を使用して異なる相対垂直と水平距離を有するラックマニホールドのコネクタに統合することを可能にし、それにより、サーバとラックとの間の相互操作性を改善し、データセンター設計の柔軟性を増加し、信頼できるブラインド嵌合流体接続を提供する。
【0052】
図13Aは一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの上面図の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが平行配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。
【0053】
第1のボード401と第2のボード721のアセンブリは取付フレーム431を使用してサーバハウジング1315に取り付けられる。サーバハウジング1315はサーバの1つまたは複数のPCB1307を収納し、PCBに電子部品と冷却モジュール1309が装備される。一態様では、PCB1307、電子部品及び冷却モジュール1309は図3に説明されるようなPCBとプロセッサ/コールドプレートアセンブリ300であってもよい。ラックマニホールドのラック入口コネクタにより第1のボード401と第2のボード721を位置合わせしたサーバ入口コネクタを使用して供給される冷却液体は、回路供給パイプライン1301を流れてモジュール1309に分配される。電子部品から生成された熱の一部は冷却液体を通過して冷却モジュール1309によって除去される。加熱された液体は回路戻りパイプライン1303を通過して、第1のボード401と第2のボード721を位置合わせしたサーバ出口コネクタを使用して戻り、ラックマニホールドのラック出口コネクタに出力する。
【0054】
図13Bは一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの上面図の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが千鳥配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図13B図13Aとの区別は、ラックマニホールドのコネクタは垂直オフセットで千鳥にすることである。同じハードウェア設計を使用することによって、第1のボード401が回転できてサーバのコネクタとラックマニホールドのコネクタとの位置合わせを保持する。
【0055】
図13Cは一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリの上面図の例を示し、弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが反対方向配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図13B図13Aとの区別は、ラック入口コネクタの位置はラック出口コネクタと反対することである。同じハードウェア設計を使用することによって、第1のボードが180度回転でき、サーバのコネクタとラックマニホールドのコネクタを正確な流れ方向で位置合わせする。
【0056】
図14Aは一実施形態によるラックマニホールドと集積された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリをラック後面から見た図の例を示し、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが図13Aに対応する平行配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図14Aはサーバの回路供給パイプライン1301に接続されるラック入口コネクタとサーバの回路戻りパイプライン1303に接続されるラック出口コネクタは垂直オフセットなしの平行配置にある様子を示す。
【0057】
図14Bは一実施形態によるラックマニホールドと集積された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリをラック後面から見た図の例を示し、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが図13Bに対応する千鳥配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図14Bはサーバの回路供給パイプライン1301に接続されるラック入口コネクタとサーバの回路戻りパイプライン1303に接続されるラック出口コネクタは垂直オフセットで千鳥配置にある。第1のボード401は回転できてサーバのコネクタとラックマニホールドのコネクタの位置合わせを保持する。
【0058】
図14Cは一実施形態によるラックマニホールドと統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計の完全に統合されたアセンブリをラック後面から見た図の例を示し、統合された弾性層は水平方向に沿って拡張可能であり、コネクタが図13Cに対応する反対方向配置にある時にサーバの流体コネクタをラックマニホールドの流体コネクタにマッチして接続する。図14Cはサーバの回路供給パイプライン1301に接続されるラック入口コネクタとサーバの回路戻りパイプライン1303に接続されるラック出口コネクタが図14Aと反対である様子を示す。第1のボード401は180度回転できてサーバ入口コネクタとサーバ出口コネクタをそれぞれラック入口コネクタとラック出口コネクタに位置合わせ、それにより、回路供給パイプライン1301と回路戻りパイプライン1303の正確な流れ方向を実現する。
【0059】
図13A図13B図13C図14A図14B及び図14Cに示すように、第1のボード401と弾性層725を有する第2のボード721のハードウェア設計は、単一のコネクタ設計のサーバを使用して異なる相対垂直距離、異なる水平距離及び異なる流体流れ方向を有するラックマニホールドのコネクタに統合することを可能にし、それにより、サーバとラックとの間の互操作性を改善し、データセンター設計の柔軟性を増加し、信頼できるブラインド嵌合流体接続を提供する。
【0060】
図15は第2のハードウェア構造を使用してサーバの2つの流体コネクタとラックの2つの対応する流体コネクタを位置合わせするための方法1500の例を示すフローチャートであり、ラックは統合された弾性層を有する第2のハードウェア設計を使用してサーバを収納し、統合された弾性層は、ブラインド嵌合接続を使用してサーバの2つの流体コネクタとラックの2つの対応する流体コネクタを接続する前に水平方向に沿って拡張可能である。一実施形態では、方法1500を実行して図9図12図13A図13B図13C図14A図14B及び図14Cのブラインド嵌合接続を実現することができる。
【0061】
操作1501では、方法1500は、サーバの2つの流体コネクタが第1の部材のコネクタチャネルを貫通するようにガイドする。第1の部材はコネクタチャネルの2つの反対端のそれぞれに弾性構造を有する。この対の弾性構造は、コネクタチャネルの2つの流体コネクタに互いに向かってネクタチャネルの反対端から離れる内向きの力を印加するために使用される。
【0062】
操作1503では、方法1500は、第1の部材を第2の部材に附設する。第2の部材は、その全周を回る複数の位置決め穴、第2の部材の垂直方向に沿う弾性層、及び外力を印加して弾性層を圧縮することで第2の部材の水平方向における幅を変更するための一対の位置決め部分を有する。
【0063】
操作1505では、方法1500は、第2の部材に対して回転軸線を回って第1の部材を回転させ、この対の弾性構造により印加される内向きの力を使用してサーバの2つの流体コネクタを第2の部材の反対辺縁にある2つの位置決め穴内に取り付け、それにより、サーバの2つの流体コネクタの間の垂直方向における相対距離を調整し、ラックの2つの対応する流体コネクタの間の垂直方向における相対距離にマッチする。
【0064】
操作1507では、方法1500は、第2の部材のこの対の位置決め部分をラックに附設して弾性層を圧縮し、それにより、サーバの2つの流体コネクタの間の水平方向における相対距離を自動的に調整し、ラックの2つの対応する流体コネクタの間の水平方向における相対距離にマッチする。
【0065】
操作1509では、方法1500は、ブラインド嵌合接続を使用してサーバの2つの流体コネクタをラックの2つの対応する流体コネクタに接続する。
【0066】
以上の明細書では、本発明の特定の例示的な実施形態を参照して本発明の実施形態を説明した。無論、添付の特許請求の範囲に記載される本発明のより広い精神と範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。例えば、第1のボードと第2のボードは異なるフォームファクタを有してもよく、異なる流体分配アーキテクチャを有するサーバと異なる流体マニホールド配置を有するラックに適応する。第2のボードの位置決め部分の構造は異なる形状とサイズであってもよく、位置決め部分を異なるラックマニホールドに挿入又は附設するようにする。したがって、明細書と図面は制限ではなく、説明するためのものと見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15