(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】フォーマー容器入り皮膚洗浄剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20230810BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20230810BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230810BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20230810BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20230810BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20230810BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/46
A61K8/44
A61K8/86
A61K8/33
A61K8/36
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2019108269
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤 正英
(72)【発明者】
【氏名】井上 麻由子
(72)【発明者】
【氏名】冨川 明日香
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-229761(JP,A)
【文献】特開2016-121098(JP,A)
【文献】特開2018-145118(JP,A)
【文献】特開2014-024815(JP,A)
【文献】国際公開第2015/059961(WO,A1)
【文献】特開2015-108112(JP,A)
【文献】特開2015-124196(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221529(WO,A1)
【文献】特開2013-053092(JP,A)
【文献】特開2009-263291(JP,A)
【文献】特開2007-238457(JP,A)
【文献】特表2001-507034(JP,A)
【文献】特開2002-020266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)
、(D)及び(E):
(A)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
(B)多価アルコール、
(C)(C1)ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩を含むアニオン性界面活性剤 酸換算量で1~10質量%、
(D)両性界面活性剤
、
(E)炭素数4~22の分岐アルキル基を有するノニオン性界面活性剤
を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量割合(C)/(B)が、0.5以下であ
り、
成分(E)が、(E1)炭素数4~9のアルキルグリセリルエーテルと、(E2)炭素数10~22のアルキルグリセリルエーテルを、(E1)/(E2)=1~20の質量割合で含む、フォーマー容器入り皮膚洗浄剤。
【請求項2】
成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、0.01~2.5である請求項
1記載のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤。
【請求項3】
成分(A)の含有量が、液体洗浄剤組成物中、0.2~5質量%である請求項
1又は2記載のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤。
【請求項4】
成分(B)の含有量が、液体洗浄剤組成物中、2~40質量%である請求項1~
3のいずれか1項記載のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤。
【請求項5】
成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、0.1~50である請求項1~
4のいずれか1項記載のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤。
【請求項6】
成分(C)が、さらに、(C2)アルキルエーテルカルボン酸又はその塩を含む、請求項1~
5のいずれか1項記載のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーマー容器入り皮膚洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
フォーマー容器入り皮膚洗浄剤製品は、泡立てる手間が省けるため、近年、開発が進んでいる。このような洗浄剤製品においては、特に、容器から吐出させた泡が、弾力や厚みがあり、肌に伸ばしやすいこと、すすぎ性が良好であることなどが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、N-アシル酸性アミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸またはその塩、両性界面活性剤及び水を、特定の割合で含有し、フォーマー容器に充填された液体洗浄剤組成物が、濃厚でありつつも皮膚に伸ばしやすく持続性の高い泡性能を有し、すすぎやすいことが記載されている。
特許文献2には、N-アシルタウリン型陰イオン性界面活性剤、カルボベタイン型又はスルホベタイン型両性活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び水を含有し、泡吐出容器に充填されていることを特徴とする液体洗浄剤組成物が、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られることが記載されている。
特許文献3には、アニオン界面活性剤、ポリオール及び水を特定の割合で含有し、特定のノンエアゾール型容器に充填された皮膚洗浄剤組成物が、きめが細かく弾力性のある良好な泡質であることが記載されている。
特許文献4には、N-アシルアミノ酸系アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、多価アルコール及び水を、特定の割合で含有し、フォーマー容器に充填されてなる液体皮膚洗浄剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-123342号公報
【文献】特開2017-193625号公報
【文献】特開2018-108987号公報
【文献】特開2017-210416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の液体洗浄剤組成物では、すすぎの速さが十分でなく、泡質は濃厚であるものの、濃厚な泡であるがゆえに、フォーマー容器の吐出口に液溜まりが発生しやすいという課題があった。
特許文献2では、得られる泡の泡粘度が低く伸ばしやすいものの、弾力に欠ける緩い泡である。
特許文献3では、弾力のある泡が得られるものの、肌での伸びが悪く、身体に塗り広げにくいものであった。
特許文献4では、泡の伸ばしやすさが不十分であるとともに、泡の厚みに欠けるものであった。
【0006】
このように、従来のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤はいずれも、泡性能やすすぎ性などの点で、十分満足できるものではなかった。
特に、弾力や厚みのある泡は、密度が高く硬いため、肌に伸ばしにくくなる傾向がある。また、容器から液体洗浄剤組成物を吐出させたときに吐出口の先端に残りやすく、液溜まりが発生しやすいという課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、アニオン性界面活性剤の量を減らすことで、すすぎを速くすることを考えたが、泡密度が低く緩い泡となり、上述の課題はより一層大きな問題となってしまった。そこで、検討を重ねたところ、アニオン性界面活性剤の量が少なくても、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩を含むアニオン性界面活性剤と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、多価アルコール、両性界面活性剤を特定の割合で組合わせて用いることにより、上記課題を解決したフォーマー容器入り皮膚洗浄剤が得られることを見出した。
【0008】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
(B)多価アルコール、
(C)(C1)ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩を含むアニオン性界面活性剤 酸換算量で1~10質量%、
(D)両性界面活性剤
を含有し、成分(B)に対する成分(C)の質量割合(C)/(B)が、0.5以下である、フォーマー容器入り皮膚洗浄剤に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤は、アニオン性界面活性剤の含有量は抑えつつも、密度が高くて白く、泡弾力に優れた泡が得られる。また、肌に泡を塗り広げたときに、泡が肌に密着するとともに、泡表面では泡同士が滑ることで伸ばしやすく、塗り広げていくと、泡が増えていく感じが得られ、しかも、すすぎ時にはぬるつかずに素早く洗い流せ、すすぎ性も良好である。さらに、液体洗浄剤組成物をフォーマー容器から吐出させる際に、吐出口先端に生じる液だまりを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤は、成分(A)~(D)を含有する液体洗浄剤組成物が、フォーマー容器に充填されてなるものである。
本発明で用いる成分(A)のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、通常の洗浄剤に用いられるもので、アルキル基の炭素数が12~22の脂肪酸を有し、エチレンオキシドの重合度が10~300のものが好ましい。
また、成分(A)は、低温安定性、泡立ちの観点から、HLB10~20のものが好ましく、HLB13~20がより好ましい。
ここで、HLB値は、親水性-親油性のバランス(Hydrophile Lipophile Balance)を示す指標であり、本明細書においては、グリフィンによる次式で算出した値を用いている。
【0011】
【0012】
成分(A)のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンヤシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンベヘニン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリステアリン酸エステル、ポリオキシエチレントリイソステアリン酸エステル等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸のアルキル基の炭素数は、低温安定性の観点から12~18が好ましく、12~16がより好ましく、12~14がさらに好ましい。エチレンオキシドの重合度としては、5~300が好ましく、10~100がより好ましい。さらに好ましくは、20~80である。
さらに、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルが好ましい。
【0013】
成分(A)のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、泡の肌表面への付着性が良く、泡の滑り性を高める観点から、液体洗浄剤組成物中に、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、肌感や、泡が増えている感じを向上させる観点から、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A)の含有量は、液体洗浄剤組成物中に、0.2~5質量%が好ましく、0.5~4質量%がより好ましく、1~3質量%がさらに好ましい。
【0014】
本発明で用いる成分(B)の多価アルコールとしては、通常の洗浄剤に用いられるもので、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の2価アルコール;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール等の3価以上のアルコール;エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール等の糖又は糖アルコールなどが挙げられる。
これらのうち、泡弾力、泡が増えていく感じ、泡の伸ばしやすさの観点から、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、グリセリン、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、質量平均分子量20000以下のポリエチレングリコールが好ましい。
【0015】
成分(B)の多価アルコールは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、泡弾力、吐出口の液だまりを低減する観点から、液体洗浄剤組成物中に、2質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、泡吐出性の観点から、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、液体洗浄剤組成物中に、2~40質量%が好ましく、10~35質量%がより好ましく、20~30質量%がさらに好ましい。
【0016】
また、成分(B)の多価アルコールとしては、泡弾力をより向上させる観点から、ポリエチレングリコールを含むのが好ましい。
ポリエチレングリコールの含有量は、泡弾力を向上させる観点から、液体洗浄剤組成物中に、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、泡吐出性、泡吐出時の押圧の観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。ポリエチレングリコールの含有量は、液体洗浄剤組成物中に、0.5~10質量%が好ましく、1~7質量%がより好ましく、1~4質量%がさらに好ましい。
【0017】
本発明において、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、泡の弾力及び泡の滑りの観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。また、成分(B)に対する成分(A)の質量割合(A)/(B)は、0.01~2であるのが好ましく、0.05~1.5がより好ましく、0.1~1がさらに好ましい。
【0018】
成分(C)は、(C1)ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩を含むアニオン性界面活性剤である。
成分(C)は、アニオン性界面活性剤量が比較的少ない洗浄剤組成物であっても、十分な洗浄力や泡立ちを向上させる観点から、(C1)ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩を含むことが必要である。
(C1)ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩としては、一般式(1):
R1(CH2CH2O)nSO3M1 (1)
(式中、R1は炭素数8~22の脂肪族炭化水素基を示し、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示し、nは平均付加モル数を示し、0.5~20である)
で表されるものが好ましい。
【0019】
一般式(1)中、R1としては、洗浄力、泡質、洗浄中の泡持ちを向上させる観点から、炭素数8~18の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数8~16の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数10~16の脂肪族炭化水素基がより好ましい。さらには、炭素数8~16のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数10~16のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数10~14のアルキル基又はアルケニル基がよりさらに好ましい。
nは、洗浄力、泡質、洗浄中の泡持ちの観点から、0.5以上が好ましく、また12以下が好ましく、5以下が好ましく、4以下がさらに好ましく、2以下がよりさらに好ましい。具体的なnの範囲は、0.5~12が好ましく、0.5~5がより好ましく、0.5~4がさらに好ましく、0.5~2がよりさらに好ましい。
M1としては、低温安定性向上の観点から、アルカリ金属、アンモニウムが好ましく、アルカリ金属がより好ましく、ナトリウムがさらに好ましい。
【0020】
具体的には、成分(C1)としては、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレン(1~2)アルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。なお、本明細書において、これらの化合物のかっこ内の数値はエチレンオキシドの平均付加モル数を意味する。
また、成分(C1)として、例えば、エマール125A〔花王社製、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム〕、エマール227〔花王社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム〕等の市販品を用いることができる。
【0021】
成分(C1)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、泡立ちや泡持ちの観点から、含有量は、液体洗浄剤組成物中に、酸換算で、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、すすぎ性、肌仕上がりを向上させ、低温での泡吐出を良好にする観点から、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、成分(C1)の含有量は、液体洗浄剤組成物中に、酸換算で、0.5~8質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
【0022】
成分(C)のアニオン性界面活性剤としては、洗浄力及び起泡性を向上させ、肌への刺激を低減させる観点から、さらに、(C2)アルキルエーテルカルボン酸又はその塩を含むのが好ましい。
(C2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩としては、次の一般式(2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩が挙げられる。
R2O(CH2CH2O)mCH2COOM2 (2)
(式中、R2は炭素数10~22のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは平均付加モル数で、0.5~10の数を示し、M2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)
【0023】
一般式(2)中、R2としては、洗浄力及び起泡性を向上させ、肌への刺激を低減させる観点から、炭素数12~16のアルキル基が好ましく、炭素数12~14のアルキル基がより好ましい。また、前記の観点から、エチレンオキシドの平均付加モル数pは、2~5であるのが好ましい。
M2としては、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のアンモニウムなどが挙げられる。これらのうち、前記の観点から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、アルギニンが好ましく、ナトリウム、カリウムがより好ましい。
【0024】
このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩として、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレンパルミチルエーテルカルボン酸又はその塩等が挙げられ、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸又はその塩から選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸又はその塩を含むことがさらに好ましい。
これらの市販品として、例えば、カオーアキポ RLM-45(花王社製)、カオーアキポ RLM 45CA(花王社製)、カオーアキポ LM 26C(花王社製)等が挙げられる。
【0025】
成分(C2)は、1種又は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、洗浄力の観点から、含有量は、液体洗浄剤組成物中に、酸換算で、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、すすぎを速める観点から、7質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、成分(C2)の含有量は、液体洗浄剤組成物中に、酸換算で、0.1~7質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
【0026】
成分(C)のアニオン性界面活性剤としては、成分(C1)及び(C2)以外に、通常の皮膚洗浄剤に用いられるアニオン性界面活性剤、例えば、例えば、N-ココイルグリシン塩、N-ラウロイル-N-メチルグリシン塩等のN-アシルグリシン塩;N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-ミリストイルグルタミン酸塩等のN-アシルグルタミン酸塩;N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-β-アラニン塩等のN-アシルアラニン塩;N-ラウロイルアスパラギン酸塩等のN-アシルアスパラギン酸塩;N-ラウロイルセリン塩等のN-アシルセリン塩などのN-アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤、N-ココイルメチルタウリン塩等のN-アシルタウリン型アニオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸型アニオン性界面活性剤、ラウリン酸塩等のカルボン酸型アニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
これらのうち、泡吐出性、良好な使用感の観点から、N-アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤が好ましく、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルグリシン塩がより好ましい。
【0027】
成分(C1)及び(C2)を含む成分(C)の合計含有量は、泡持ち、泡弾力の観点から、液体洗浄剤組成物中に、酸換算で、1質量%以上であり、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、すすぎ性、肌仕上がりを良好にする観点から、10質量%以下であり、9.5質量%以下がより好ましく、9質量%以下がさらに好ましい。また、成分(C1)及び(C2)を含む成分(C)の合計含有量は、液体洗浄剤組成物中に、酸換算で、1~10質量%であり、2~9.5質量%がより好ましく、5~9質量%がさらに好ましい。
【0028】
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、泡の滑りやすすぎの速さの観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、泡立ちの観点から、2.5以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、0.01~2.5であるのが好ましく、0.05~2がより好ましく、0.1~1がさらに好ましい。
【0029】
本発明において、成分(B)に対する成分(C)の質量割合(C)/(B)は、すすぎ性、泡弾力及び泡の厚みの観点から、0.5以下であり、0.4以下が好ましく、泡吐出時の足圧、泡の保形性の観点から、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。また、成分(B)に対する成分(C)の質量割合(C)/(B)は、0.5以下であり、0.1~0.5が好ましく、0.2~0.4がより好ましい。
【0030】
成分(D)の両性界面活性剤としては、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型界面活性剤などが挙げられる。
これらのうち、泡弾力や泡の厚みを向上させる観点から、アミドベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤が好ましい。
【0031】
成分(D)の両性界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、泡持ち、泡弾力などの泡形成を良好にする観点から、液体洗浄剤組成物中に、0.5質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、すすぎ性や肌仕上がりを良好にする観点から、35質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、成分(D)の含有量は、液体洗浄剤組成物中に、0.5~35質量%が好ましく、1.5~20質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましい。
【0032】
本発明において、成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、泡立ち及び洗浄中の泡持ちの観点から、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、3以上がさらに好ましく、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。また、成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、0.1~50であるのが好ましく、1~30がより好ましく、3~10がさらに好ましい。
【0033】
本発明において、液体洗浄剤組成物は、さらに、(E)(E1)炭素数4~9のアルキルグリセリルエーテルと、(E2)炭素数10~22のアルキルグリセリルエーテルを含む、炭素数4~22の分岐アルキル基を有するノニオン性界面活性剤を含有することができ、泡持ちや泡弾力、泡の厚み感を向上させることができる。
(E1)において、炭素数4~9の分岐アルキル基としては、(2-)エチルヘキシル基等が挙げられ;(E2)において、炭素数10~22の分岐アルキル基としては、イソデシル基、(2-)ブチルドデシル基、(2-)ヘプチルウンデシル基、(2-)イソヘプチルウンデシル基、(2-)イソヘプチルイソウンデシル基、(2-)ドデシルヘキシル基、(2-)オクチルドデシル基、イソステアリル基、オクチルドデシル基、デシルテトラデシル基等が挙げられる。
これらのうち、(2-)エチルヘキシル基、イソデシル基が好ましい。また、アルキル基中の分岐鎖の位置は、限定されるものではない。
【0034】
具体的には、(E1)として、グリセリンモノ-2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられ、(E2)として、グリセリンモノイソデシルエーテル、グリセリンモノイソステアリルエーテル等が挙げられる。
また、グリセリンモノ-2-エチルヘキシルエーテル(Penetol GE-EH、花王社製)、グリセリンモノイソデシルエーテル(Penetol GE-ID、花王社製)の市販品を使用することができる。
【0035】
成分(E1)及び(E2)の質量割合(E1)/(E2)は、泡がへたらず、泡が増えている感じが向上する観点から、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、泡弾力の観点から、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。成分(E1)及び(E2)の質量割合(E1)/(E2)は、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、2~5がさらに好ましい。
【0036】
成分(E1)及び(E2)を含む成分(E)の合計含有量は、泡の厚み、滑らかさの観点から、液体洗浄剤組成物中に、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、泡がへたらず、泡持ちや泡弾力が向上する観点から、0.6質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下がさらに好ましい。また、成分(E1)及び(E2)を含む成分(E)の合計含有量は、液体洗浄剤組成物中に、0.1~0.6質量%が好ましく、0.2~0.5質量%がより好ましく、0.3~0.4質量%がさらに好ましい。
【0037】
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記成分を水に溶解させた液体の形態であるのが好ましい。水の含有量は、前記成分(A)~(D)及び必要に応じて含有させる他の成分の残部であり、低温安定性、洗浄力、吐出性の観点から、液体洗浄剤組成物中に、40質量%以上であるのが好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、また、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。また、水の含有量は、液体洗浄剤組成物中に、40~75質量%が好ましく、45~70質量%がより好ましく50~65質量%がさらに好ましい。
【0038】
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で通常の洗浄剤組成物に用いられる成分を使用することができる。例えば、前記以外の界面活性剤;エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;糖(誘導体)やアミノ酸(誘導体)、動植物(タンパク質)誘導体、動植物抽出物等の保湿成分;ポリオキシアルキレン変性シリコーン等のシリコーン誘導体;硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の無機又は有機塩類;酸やアルカリ等のpH調整剤;グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びこれらの誘導体などの抗炎症剤;イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤;防腐剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アニオン性高分子、カチオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子、香料、増粘剤、ビタミン類、天然色素、タール色素等の着色剤などが挙げられる。
【0039】
本発明の液体洗浄剤組成物のpHは、洗浄後に十分なマイルド性を付与する観点から、pH4.5~6.9の範囲であるのが好ましく、pH4.8~6.4であるのがより好ましい。
本発明において、pHは、液体洗浄剤組成物(原液)100mLをビーカーに充填し、30℃の恒温槽内にて30℃に調整した後に、pH測定用電極を1分間浸して測定される。
【0040】
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤は、容器に充填する前の組成物が、液体状のものであり、きめが細かく、厚みのある泡を形成する観点から、30℃における粘度が、1~20mPa・sであるのが好ましく、2~15mPa・sがより好ましく、3~13mPa・sがさらに好ましく、5~11mPa・sがよりさらに好ましい。
本発明において、粘度は、25℃にてブルックフィールド型粘度計(東機産業、TVB-10)により、ローターはNo.1、回転数60r/minで回転し、回転開始から60秒後における粘度を測定する。
【0041】
本発明のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤は、液体洗浄剤組成物をフォーマー容器、特にノンガスフォーマー容器に充填されてなるものである。
フォーマー容器としては、空気と混合して泡として吐出できるものであればいずれのものでも用いることができるが、例えば、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器や、胴体部分を押すことで吐出するスクイズフォーマー容器が挙げられ、具体的には、吉野工業所社製、大和製罐社製、Rieke社製のフォーマー容器等が挙げられる。また、例えば、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、特開2005-193972号公報等に記載されたフォーマー容器を使用することもできる。
なかでも、液体洗浄剤を使用する環境における利便性の観点から、ポンプヘッドを押すことで吐出するポンプフォーマー容器が好ましく、泡質をさらに良好にする観点から、吐出流路に多孔質膜フィルターを備えるものが好ましい。このような多孔質膜フィルターは、さらにきめが細かく良好な泡質を得る観点から、50~500メッシュのフィルターが好ましく、100~400メッシュのフィルターがより好ましく、200~400メッシュのフィルターがさらに好ましく、200~305メッシュのフィルターがよりさらに好ましい。かかる多孔質フィルターは吐出流路に1~3枚配置するものが好ましい。また、このようなフィルターのメッシュの材質として好ましいものとしては、ナイロンやポリエステルなどが挙げられる。
また、ポンプフォーマー容器における液体洗浄剤組成物と空気の混合比は、吐出される泡の密度(液体洗浄剤の質量/空気の体積)が、良好な泡量と肌を洗いやすい泡質を得る観点から、0.03~0.14g/cm3であるのが好ましく、0.05~0.11g/cm3がより好ましい。
【0042】
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤は、皮膚洗浄用として用いるのが好ましく、ハンドソープ、洗顔料、ボディーソープとして用いるのがより好ましい。本発明の洗浄剤組成物は、一般的な皮膚洗浄方法によって皮膚を洗浄するために用いることができる。例えば、フォーマー容器から吐出させた泡を手に取り、水で希釈せずにそのまま皮膚に直接適用し、泡立てて洗浄した後、シャワー等の温水を利用してすすぐことにより使用することができる。
また、洗浄方法としては、手で洗う方法、コットンやナイロン等の化学繊維から成るスポンジ、タオル、たわし等を使って洗う方法がある。皮膚への刺激の低減するため、直接手にとって手で洗う方法や、また本発明の泡性能と使用感を効果的に十分に発揮させる観点から、柔らかなコットンのタオル等を用いて洗ってもよい。
【実施例】
【0043】
実施例1~32、比較例1~8
表1~表4に示す組成の液体洗浄剤組成物を、水に各成分を混合し、溶解することにより製造し、クエン酸にてpH6.2に調整した。得られた液体洗浄剤組成物を、ポンプフォーマー容器(吉野工業所社製ポンプフォーマー容器(吐出経路に設けた多孔質膜フィルターのメッシュサイズは、200メッシュ2枚と305メッシュ1枚))に充填して、フォーマー容器入り皮膚洗浄剤を得た。なお、表中の配合量の数字は、特別な記載が無い限り、原料の配合量を示す。
得られた皮膚洗浄剤について、泡の伸ばしやすさ、泡の弾力感(クッション性)、泡の厚み、泡が増えていく感じ、すすぎの速さを評価するとともに、泡弾力及び泡径を測定した。結果を表1~表4に併せて示す。
なお、実施例及び比較例において、各洗浄剤の使用方法については、室温25℃の部屋にて、各皮膚洗浄剤を1プッシュ分(1プッシュの吐出量約1mL)を、利き手の手のひらに吐出させ、吐出した泡で利き手ではない側の腕(肘~手首)を利き手の手のひらで洗浄した。
【0044】
(評価方法)
(1)泡の伸ばしやすさ:
専門パネラー5名により、両腕を水に濡らし、一方の手のひらに泡を吐出し(液量:1mL)、もう片方の前腕に押し付けてマッサージした際、泡がつるつる滑る感じで伸ばしやすいかを、以下の基準で評価した。結果を5名の平均点で示す。
4点:泡が滑る。
3点:やや泡が滑る。
2点:やや泡が滑らない。
1点:泡が滑らない。
【0045】
(2)泡の弾力感(クッション性):
専門パネラー5名により、両腕を水に濡らし、一方の手のひらに泡を吐出し(液量:1mL)、もう片方の前腕に押し付けた際、泡の初期弾力感(クッション性)を、以下の基準で評価した。結果を5名の平均点で示す。
4点:泡の弾力がある。
3点:泡の弾力がややある。
2点:泡の弾力がややない。
1点:泡の弾力がない。
【0046】
(3)泡の厚み:
専門パネラー5名により、両腕を水に濡らし、一方の手のひらに泡を吐出し(液量:1mL)、もう片方の前腕に押し付けてマッサージした際に感じる泡の厚み(存在感)を、以下の基準で評価した。結果を5名の平均点で示す。
4点:厚みがある。
3点:やや厚みがある。
2点:やや厚みがない。
1点:厚みがない。
【0047】
(4)泡が増えていく感じ:
専門パネラー5名により、両腕を水に濡らし、一方の手のひらに泡を吐出し(液量:1mL)、もう片方の前腕に塗り広げる際、擦り合わせる回数に比例して泡が増えていくと感じるかを、以下の基準で評価した。結果を5名の平均点で示す。
4点:泡が増えていくと感じる。
3点:やや泡が増えていくと感じる。
2点:やや泡が増えないと感じる。
1点:泡が増えないと感じる。
【0048】
(5)すすぎの速さ:
専門パネラー5名により、泡が均一についた前腕を、もう片方の手で水をかけてすすぎ、ぬるつきがなくなったと感じる速さ(すすぎの速さ)を、以下の基準で評価した。結果を5名の平均点で示す。
4点:すすぎが速い。
3点:すすぎがやや速い。
2点:すすぎがやや遅い。
1点:すすぎが遅い。
【0049】
(6)泡弾力測定:
MCR302/Anton paar, PP50,@RTΦ62mmシャーレに摺り切り一杯のサンプルの泡を充填(約45cm3)した直後の泡を圧縮速度5mm/sにて圧縮したときのノーマルフォースFNを測定した。
◎:圧縮応力[N]が0.33以上。
〇:圧縮応力[N]が0.28以上0.32以下。
△:圧縮応力[N]が0.23以上0.37以下。
×:圧縮応力[N]が0.22以下。
【0050】
(7)泡径測定:
泡吐出容器からプリズム付きガラスシリンダーに泡を吐出させ、動的フォームアナライザー(DFA100-FSM、ドイツのKRUSS社製)を用い、泡を吐出してから1秒後の画像を撮影した後、平均泡径を求めた。
◎:泡径が70.0μm以下。
〇:泡径が70.1μm以上、99.9μm以下。
△:泡径が100μm以上、109.9以下。
×:泡径が110μm以上。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
試験例1
実施例1、5、10、比較例1、5、7のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤について、泡吐出容器先端の液だまり性を評価した。結果を表5に示す。
【0056】
(評価方法)
泡吐出容器先端の液だまり性:
泡吐出容器に充填した液体洗浄剤組成物について、温度30℃湿度20%の恒温室に保存し、毎日1プッシュ(1mL)吐出させ、容器の吐出口の先端を2週間観察した。2週間後の吐出口先端(及び吐出される泡)の状態を、目視により、以下の基準で評価した。
◎:吐出口に液だまりはみられない。
〇:吐出口下部に微量の液だまりが確認される。
△:吐出口周辺にやや液だまりが確認されるが、吐出された泡の形に問題なし。
×:液だまりが生じ、吐出口が詰まっている、または吐出した泡の形が崩れている。
【0057】
【0058】
試験例2
実施例1、5、10、比較例1、7のフォーマー容器入り皮膚洗浄剤について、泡の密着性を評価した。結果を表5に示す。
【0059】
(評価方法)
泡の密着性:
MCR302/Anton paar,PP50,@RTに1プッシュ(1mL)分のサンプルの泡を載せ、ギャップ1mmに圧縮後、冶具からはみ出た泡をかきとったのち、速度5mm/sにて引き剥がしたときのノーマルフォースFNを測定した。この値が大きいほど、密着性が高いことを示す。
◎:ノーマルフォースFNが0.8以上。
〇:ノーマルフォースFNが0.6以上、0.79以下。
△:ノーマルフォースFNが0.41以上、0.59以下。
×:ノーマルフォースFNが0.4以下。
【0060】