(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】放射線治療装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
A61N5/10 K
(21)【出願番号】P 2021510381
(86)(22)【出願日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2019092506
(87)【国際公開番号】W WO2020038093
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-03-23
(31)【優先権主張番号】201810977446.8
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520497416
【氏名又は名称】西安大医集団股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 海峰
(72)【発明者】
【氏名】李 大梁
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6438203(US,B1)
【文献】特開2011-7733(JP,A)
【文献】特開2003-205042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0202465(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の頭部腫瘍を治療するための放射線治療装置であって、
放射源装置を含み、前記放射源装置はいずれも椀型であるソースキャリアおよびコリメータを含み、前記ソースキャリアには複数の放射源が配置され、前記複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にあり、前記コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、経度方向における各前記コリメートホール群の夾角が前記予設の夾角範囲内にあり、
各前記コリメートホール群は複数のコリメート穴を含み、前記複数の放射源から放出されたビームが前記コリメートホール群の各コリメート穴を通過した後、共通の焦点で交差し、
前記共通の焦点が前記放射源装置の端面の外側に位置し、前記放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、前記撮影装置は前記放射源装置の中心軸方向に沿って前記放射源装置の一側に配置され、前記放射源装置の中心軸の周りを回転するように構成され、前記共通の焦点が前記撮影装置の撮像範囲内に配置されている、
放射線治療装置。
【請求項2】
前記予設の夾角範囲が5°~60°である、請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項3】
前記放射線治療装置は、前記放射源装置を駆動して移動させるための駆動装置をさらに含む、請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項4】
前記放射源はγ線放射源であり、複数のγ線放射源が経度方向上の前記予設の夾角範囲内で分布される、請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項5】
前記コリメータは、前記複数の放射源のビームを遮蔽するための遮蔽部をさらに含む請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項6】
前記ビームがX線ビームであり、前記放射線治療装置は1つまたは複数のX線生成システムを含み、1つのX線生成システムがビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出し、または複数のX線生成システムが前記ビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出する、請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項7】
前記放射線治療装置は制御駆動装置を含み、前記駆動制御装置は、
少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得
し、
前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させ、前記共通の焦点で交差させる
ように構成されたプロセッサを含む
、請求項1~3、5のいずれか1項に記載の放射線治療装
置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
少なくとも1つの保護角度範囲を取得
し、
前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないように
さらに構成され、
前記少なくとも1つの保護角度範囲が360°未満である、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【請求項9】
少なくとも1つのビーム放出角度範囲が前記保護角度範囲の1つに隣接する、請求項8に記載の
放射線治療装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得することは、複数のビーム放出角度範囲を取得することを含み、少なくとも2つの前記ビーム放出角度範囲内で前記放射線治療装置の速度が異なる、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲内で往復移動させる
ようにさらに構成されている、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【請求項12】
前記放射源がγ線放射源であり、複数のγ線放射源が経度方向上の前記予設の夾角範囲内で分布され
、
前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させることは、前記放射線治療装置を駆動して前記複数のγ線放射源から放出されたビームを前記コリメータ上のコリメート穴を通過した後、放出させることを含む、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【請求項13】
前記放射源がγ線放射源であり、複数のγ線放射源が経度方向上の前記予設の夾角範囲内で分布され
、
前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることは、前記放射線治療装置を駆動して、前記複数のγ線放射源から放出されたビームを前記コリメータで遮蔽することを含む、請求項8に記載の
放射線治療装置。
【請求項14】
前記放射線治療装置はソース開閉部をさらに含み、前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることは、前記放射線治療装置を駆動して、前記複数のγ線放射源から放出されたビームを前記ソース開閉部で遮蔽することを含む、請求項13に記載の
放射線治療装置。
【請求項15】
前記ビームがX線ビームであり、前記放射線治療装置は1つまたは複数のX線生成システムを含み、
前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させることは、1つのX線生成システムを駆動して前記ビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させ、または複数のX線生成システムを駆動して前記ビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させることを含む、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記撮影装置を制御して前記患者の画像を取得
し、
前記患者の画像に基づいて前記ビーム放出角度範囲を確認する
ようにさらに構成されている、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記撮影装置を制御して前記患者の画像を取得
し、
前記患者の画像に基づいて保護角度範囲を確認する
ようにさらに構成されている、請求項7に記載の
放射線治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2018年08月24日に出願された、出願番号201810977446.8、発明名称「放射線治療システムおよびその制御駆動方法」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、医療技術の分野、特に放射線治療装置に関する。
【背景技術】
【0003】
医療技術の発展に伴い、放射線治療は腫瘍の治療にますます広く使用されている。
関連技術における頭部腫瘍を治療するための放射線治療装置には、主に放射源装置および治療ベッドが含まれ、放射源装置中の放射源は
図1に示すように、放射源111が6組に分かれて、ソースキャリア11上に分布される。
図2を参照すると、コリメータ12上に複数のコリメートチャンネルが設けられ、放射源から放出された放射線がコリメートチャンネルを通過して焦点で交差する。治療ベッドは患者を運び、患者を放射源装置の治療キャビンの内部まで移動させて、患者の病巣が上記焦点に位置させて放射線治療を行うために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、放射線治療装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例は放射線治療装置を提供し、前記放射線治療装置は放射源装置を含み、前記放射源装置は複数の放射源およびコリメータを含み、前記複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にあり、前記コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各前記コリメートホール群の経度方向における夾角が予設の夾角範囲内にあり、
各前記コリメートホール群は、複数のコリメート穴を含み、前記複数の放射源から放出されたビームが前記コリメートホール群の各コリメート穴を通過した後、共通の焦点で交差する。
【0006】
本開示の実施例は放射線治療装置の制御駆動方法をさらに提供し、前記放射線治療装置は複数の放射源を含み、複数の放射源のソースポイントは経度方向上の予設の夾角範囲内にあり、前記方法は、
少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得することと、
前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させ、共通の焦点で交差させることと、を含む。
【0007】
本開示の実施例は、本開示で提供される制御駆動方法を実行するためのプロセッサを含む放射線治療装置の制御駆動装置をさらに提供する。
【0008】
本開示の実施例は、本開示で提供される放射線治療装置、および本開示で提供される制御駆動装置を含む放射線治療システムをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施例によって提供される関連技術におけるソースキャリアの平面視構造の概略図である。
【
図2】本開示の実施例によって提供される関連技術中コリメータの平面視構造の概略図である。
【
図3】本開示の実施例によって提供されるX線ビームの原理の概略図である。
【
図4】本開示の実施例によって提供されるソースキャリアの概略図である。
【
図5】本開示の実施例によって提供されるコリメータの概略図である。
【
図6】本開示の実施例によって提供される放射線治療装置の概略図である。
【
図7】本開示の実施例によって提供される別の放射線治療装置の概略図である。
【
図8】本開示の実施例によって提供される別のソースキャリアの概略図である。
【
図9】本開示の実施例によって提供される別のコリメータの概略図である。
【
図10】本開示の実施例によって提供される別の放射線治療装置の概略図である。
【
図11】本開示の実施例によって提供される別の放射線治療装置の概略図である。
【
図12】本開示の実施例によって提供される別のコリメータの概略図である。
【
図13】本開示の実施例によって提供されるスイッチ部の概略図である。
【
図14】本開示の実施例によって提供される制御駆動方法の概略図である。
【
図15】本開示の実施例によって提供される治療照射の概略図である。
【
図16】本開示の実施例によって提供される別の制御駆動方法の概略図である。
【
図17】本開示の実施例によって提供される別の治療照射の概略図である。
【
図18】本開示の実施例によって提供される別の制御駆動方法の概略図である。
【
図19】本開示の実施例によって提供される別の制御駆動方法の概略図である。
【
図20】本開示の実施例によって提供される別の制御駆動方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、以下、図面を参照して本開示の実施形態をさらに詳細に説明する。
【0011】
関連技術における放射線治療装置は、そのソースキャリアは
図1に示すように椀型であり、放射源111は6組に分かれ、各組には5つ、合計で30個の放射源が含まれ、それらはソースキャリア11上に分布される。コリメータ12は
図2に示すように、コリメータ12上に6つのコリメートチャンネル組が設けられ、6つのコリメートチャンネル組は6組の放射源位置に対応し、各コリメートチャンネル組は4つのサブ組を含み、そのうちの1つのサブ組のコリメート穴に、ソースを閉じて遮蔽するために固体タングステンロッドが充填され、他の各サブ組は5つのコリメート穴を含み、異なるサブ組のコリメート穴の大きさが異なる。
【0012】
治療中、ソースキャリア11およびコリメータ12を互いに回転させるように駆動して、異なる大きさのコリメート穴の切り替えおよびコリメータによる放射源の遮蔽により、ソースのオンオフを実現することが可能であるが、6組のコリメート穴の大きさの切り替え、およびソースのオンオフが同時に行われるため、ある組を個別に制御することができない。したがって、治療過程中、眼(敏感な組織や臓器)を避けるために、ガンマ角を調整して、目への放射線の照射を避ける必要がある。
【0013】
本開示で提供される放射線治療装置は放射源装置を含む。放射源装置は、複数の放射源およびコリメータを含み、複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にある。コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、経度方向における各コリメートホール群の夾角が予設の夾角範囲内にあり、各コリメートホール群は複数のコリメート穴を含み、複数の放射源から放出されたビームがコリメートホール群の各コリメート穴を通過した後、共通の焦点で交差する。
【0014】
なお、本開示において、放射源がX線加速システムである場合、ビームはX線ビームであり得、または、放射源がγ線放射源(以下放射源とも呼ばれる)である場合、ビームはγ線ビームであり得る。ビームがX線ビームであり、X線ビームを生成する原理が、電子ビームがターゲットに当たってX線ビームを生成することである場合、放射源のソースポイントは
図5に示すようにX線ビーム07の逆方向の延長線の交差点(つまり、
図3中のソースポイント06)である。ビームがγ線ビームである場合、放射源のソースポイントは同位体放射源、例えばコバルト-60である。
【0015】
以下、放射源がX線加速システムである場合、またはγ線放射源である場合をそれぞれ説明する。
【0016】
例えば、放射源は放射源コバルト-60、つまりγ線放射源であり、放射源装置はソースキャリアを含み、ソースキャリア上に複数のγ線放射源が設けられ、複数のγ線放射源は経度方向上の予設の夾角範囲内に分布されることを例にする。例えば、
図6、
図7に示す放射線治療装置は、放射源装置4中のソースキャリア01は
図4に示すように、ソースキャリア01上に複数のγ線放射源011が設けられ、複数のγ線放射源011から放出されたビームは
図6および
図7中の共通の焦点012で交差する。コリメータ02は
図5に示される。
図4中のソースキャリア01および
図5中のコリメータ02はそれぞれ椀型であり、ソースキャリアの経度方向は
図4中の矢印に示すように経度0°~360°の方向である。または、
図10に示す放射線治療装置では、放射源装置04は円筒状であってもよく、該放射線治療装置中のソースキャリア01は
図8に示すように、コリメータ02は
図9に示すように、該ソースキャリアおよび該コリメータはそれぞれ円筒状であってもよい。ソースキャリアの経度方向は
図8中の矢印に示すように、経度0°~360°の方向である。
図10ではソースキャリアの両端の大きさが一致(例えば両端の外径の大きさが一致)し、コリメータの両端の大きさが一致(例えば両端の外径の大きさが一致)することを例にする。もちろん、大きさが異なってもよく、例示的に
図11に示される。本開示では、放射源装置の具体的な形状が限定されるものではなく、上記は例示である。
【0017】
図6、
図7に示す放射線治療装置を例にして、本開示の夾角範囲を説明する。
図4に示すように、経度方向における放射源011の夾角は、放射源011の中心を基準として形成される夾角である。なお、1列の放射源011が含まれ、同一列の複数の放射源011の中心が同一の経度線上にある場合、経度方向における複数の放射源011の夾角は0度であるとみなされ、本開示において、予設の夾角範囲が0度以上である。
図5に示すように、経度方向におけるコリメート穴021の夾角は、コリメート穴021の中心を基準として形成される夾角である。なお、1列のコリメート穴021が含まれ、同一列の複数のコリメート穴021の中心が同一の経度線上にある場合、経度方向における複数のコリメート穴021の夾角は0度であると見なされ、本開示において、予設の夾角範囲は0度以上である。
【0018】
図4に示すように、
図4には本開示で提供されるソースキャリア01が示され、ソースキャリア01上に複数の放射源011が設けられ、経度方向における複数の放射源011の夾角はAである。例えば、該夾角Aの値の範囲は15°~60°、つまり15°≦A≦60°であり、夾角Aは15°~60°の範囲内の任意の夾角であり得、例えば、該夾角Aの範囲が5°~60°、つまり5°≦A≦60°であり得、すなわち、夾角Aは5°~60°の範囲内の任意の夾角であり得、例えば、夾角Aは5°、8°、10°、12°、18°、20°、25°、30°、40°、45°、50°または60°であってもよい。放射源011の数および配置方式は、本開示では限定されるものではなく、放射源の数は一般に20~180個であり、例えば30個または180個であってもよい。
図4に示す24個の放射源を例にして例示的に説明する。
【0019】
例えば、本開示で提供される椀型のコリメータ02は
図5に示され、
図5ではコリメータ02上に4つのコリメートホール群、それぞれ1番目のコリメートホール群、2番目のコリメートホール群、3番目のコリメートホール群および4番目のコリメートホール群が設けられることを例にし、各コリメートホール群はそれぞれ24のコリメート穴021を含み、放射源の分布に対応する。1番目のコリメートホール群を例にして、複数の放射源から放出されたビームが1番目のコリメートホール群の各コリメート穴021を通過した後、共通の焦点で交差する。その内に、1番目のコリメートホール群、2番目のコリメートホール群、3番目のコリメートホール群および4番目のコリメートホール群の経度方向における夾角が予設の夾角範囲内にある。
図5では1番目のコリメートホール群を例にして、1番目のコリメートホール群の経度方向(
図5に示す矢印方向)における夾角はAであり、例えば、該夾角Aはソースキャリア01の放射源011の夾角に相当し、5°~60°である。
【0020】
コリメータ02上に複数のコリメートホール群が設けられ、コリメータ02上に2つまたは2つの以上のコリメートホール群が設けられ、
図5では、コリメータ02上に4つのコリメートホール群が設けられることを例にして例示的に説明する。各コリメートホール群は複数のコリメート穴021を含み、該複数のコリメート穴021の数および配置方式はソースキャリア上の複数の放射源011に対応し、放射源011から放出されたビームがコリメート穴021を通過した後、共通の焦点で交差させる。
【0021】
例えば、
図10に示すように、放射源装置は円筒状である場合、
図8に示すように、ソースキャリア01は
図8に示す円筒状であり、その経度方向は
図8中の矢印に示す方向である。
図8では円筒状のソースキャリア01の両端は同じ大きさを有することを例にする。放射源011の具体的な数および配置方式は、本開示では限定されるものではなく、
図8では20個の放射源011を例にして例示的に説明する。コリメータ02は
図9に示す円筒状であってもよく、該複数のコリメート穴021は放射源011の数および配置方式に対応し、ここで説明を繰り返さない。本開示ではコリメータ02上のコリメートホール群の数が限定されるものではなく、
図9ではコリメータ02上に2つのコリメートホール群が設けられ、各コリメートホール群は20個のコリメート穴021を含むことを例にして例示的に説明する。
【0022】
本開示で提供される放射線治療装置は放射源装置を含み、放射源装置は複数の放射源およびコリメータを含み、複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にあり、コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各コリメートホール群の経度方向における夾角が予設の夾角範囲内にあり、各コリメートホール群は複数のコリメート穴を含み、複数の放射源から放出されたビームがコリメートホール群の各コリメート穴を通過した後、共通の焦点で交差する。放射線治療装置はソースキャリアにより複数の放射源を放射線治療装置の中心軸に沿って回転させ、敏感な組織または臓器を通過するとき、放射源を閉じ、正常組織や臓器を通過するときに放射源をオンにすることで、頭部の腫瘍の治療過程中、眼などの敏感な組織や臓器を保護し、それ以上の損傷を回避することができる。
【0023】
本開示で提供される放射線治療装置では、放射線治療装置は放射源装置を駆動して移動させるための駆動装置をさらに含む。例えば、駆動装置は、放射源および/またはコリメータを駆動して移動させる。
【0024】
以下、
図4に示すように、本開示で提供されるソースキャリア01を具体的に説明する。
【0025】
例えば、本開示で提供されるソースキャリア01は、経度方向において、複数の放射源011が複数組に分かれ、隣接する2組の放射源011の夾角範囲が2°~15°である。例えば、複数組の放射源011では、任意の隣接する2組の放射源011の夾角が同じであるか、または、異なる隣接する2組の放射源011の夾角が異なってもよく、本開示ではこれに限定されるものではなく、
図4に示されるのは例示的な説明である。
図4に示すように、複数の放射源011が4組に分かれ、隣接する2組の放射源011の夾角がB(
図4では2組を例示する)であることを例にし、該夾角Bの範囲は2°~15°、つまり2°≦B≦15°であり、夾角Bは2°~15°の範囲内の任意の夾角であり、例えば、夾角Bは2°、2.5°、3°、5°、6°、8°、10°、12°または15°であってもよい。
【0026】
本開示で提供されるソースキャリア01では、複数の放射源011の緯度方向における夾角範囲が20°~60°である。例えば、
図4に示すように、ソースキャリア01の緯度方向における夾角C内で複数の放射源011が設けられる。例えば、該夾角Cの範囲は20°~60°、つまり20°≦C≦60°であり、夾角Cは20°~60°の範囲内の任意の夾角であり得、例えば、夾角Cは20°、25°、30°、38°、40°、45°、50°、53°または60°であってもよい。
【0027】
例えば、本開示で提供されるソースキャリア01では、緯度方向において、任意の隣接する2つの放射源011の夾角範囲が1°~10°である。例えば、複数組の放射源011では、緯度方向における任意の隣接する2組の放射源011の夾角が同じであるか、または緯度方向における任意の隣接する2組の放射源011の夾角が異なってもよく、本開示ではこれに限定されるものではなく、
図4に示されるのは例示的な説明である。例えば、
図4に示すように、その内の2つの放射源011を例にし、該2つの放射源011の緯度方向における夾角がDであり、該夾角Dの範囲が1°~10°、つまり1°≦D≦10°であり得、夾角Dが1°~10°の範囲内の任意の夾角であり、例えば、夾角Dが1°、2°、3°、5°、6°、8°、9°または10°であってもよい。
【0028】
図4に示すソースキャリア01では、経度方向において複数列の放射源011が含まれ、同一列の放射源011の経度が同じであり、緯度方向に複数列が分かれ、同一列の放射源011の緯度が同じであることを例にする。さらに、非共面照射を実現して、正常組織をより良く保護するために、本開示で提供されるソースキャリア01では、緯度方向における放射源011の位置が互いに異なる。つまり、各放射源011の緯度はそれぞれ異なる。
【0029】
本開示で提供されるソースキャリアでは、ソースキャリア上に複数の放射源穴が設けられ、放射源が放射源穴内に固定的に取り付けられる。または、ソースキャリア上に、ソースカセットの形状に合わせるソースカセット部位が設けられ、ソースカセットがソースカセット部位に固定的に取り付けられ、ソースカセット上に複数の放射源が取り付けられる。例えば、ソースカセット部位は貫通穴であってもよく、止まり穴であってもよく、ソースキャリア上に複数のコリメート穴が設けられ、放射源から放出されたビームが該コリメート穴を通過して放出され得る。本開示ではソースカセットおよびソースカセット部位の形状および構造が限定されるものではない。
【0030】
ソースキャリア上に、ソースカセット部位に位置するソースカセットを固定するためのソースカセット接続部がさらに設けられる。同様に、ソースカセット上にも、ソースカセット部位に接続される接続部が設けられる。例えば、ソースキャリアとソースカセットはネジまたはスナップによって接続され得、ソースカセットとソースカセット部位の接続および固定方式は本開示では限定されるものではなく、上記の例を例示的に説明する。
【0031】
本開示で提供されるソースキャリアでは、ソースカセット上にソースカセットを交換するための接続部がさらに設けられる。例えば、ソースカセットの接続部はネジ穴であり、ソースガイドロッドにねじ込まれて接続されてもよい。または、ソースカセットの接続部とソースガイドロッドは磁石吸着によって接続されてもよい。ソースカセットとソースガイドロッドの接続、およびソースカセットの交換方式は本開示では限定されるものではなく、上記の例を例示的に説明する。
【0032】
本開示で提供されるソースカセットの材料がソースキャリアと異なる。例えば、ソースカセットはタングステン合金で形成され、ソースキャリアは鋳鉄で形成されてもよい。
【0033】
以下、
図5に示すように、本開示で提供されるコリメータを具体的に説明する。
【0034】
本開示で提供されるコリメータ02では、経度方向において、隣接する2つのコリメート穴021の間隔が放射源011のサイズよりも大きい。コリメータ02と放射源011が小さな角度でずれて、遮蔽部010による遮蔽ではなく、コリメート穴021間の間隔を使用して放射源011を遮蔽し、小さな角度でずれればよいため、迅速なソースのオンオフを実現することができる。
【0035】
例えば、本開示で提供されるコリメータ02では、経度方向において、複数列の各コリメートホール群が含まれ、隣接する2列の放射源011の夾角範囲が2°~15°である。例えば、コリメートホール群では、任意の隣接する2列の夾角が同じであるか、または異なる隣接する2列の夾角が異なってもよく、本開示ではこれに限定されるものではなく、
図5に示されるのは例示的な説明である。
図5に示すように、複数の放射源011が4列に分かれ、隣接する列のコリメート穴の夾角B(
図9では2列を例示する)を例にして、該夾角Bの範囲が2°~15°、つまり2°≦B≦15°であり得、夾角Bが2°~15°の範囲内の任意の夾角であり得、例えば、夾角Bが2°、2.5°、3°、5°、6°、8°、10°、12°または15°であってもよい。
【0036】
本開示で提供されるコリメータ02では、緯度方向におけるコリメートホール群の夾角範囲が20°~60°である。例えば、
図5に示すように、該夾角Cの範囲が20°~60°、つまり20°≦C≦60°であり得、夾角Cが20°~60°の範囲内の任意の夾角であり得、例えば、夾角Cが20°、25°、30°、38°、40°、45°、50°、53°または60°であってもよい。
【0037】
例えば、本開示で提供されるコリメータ02では、緯度方向において、任意の隣接する2つのコリメート穴021の夾角範囲が1°~10°である。例えば、緯度方向において任意の隣接する2つのコリメート穴021の夾角が同じであるか、または緯度方向において任意の隣接する2つのコリメート穴021の夾角が異なってもよく、本開示ではこれに限定されるものではなく、
図5に示されるのは例示的な説明である。例えば、
図5に示すように、その内の2つのコリメート穴を例にして、該2つのコリメート穴の緯度方向における夾角がDであり、該夾角Dの範囲が1°~10°、つまり1°≦D≦10°であり得、夾角Dが1°~10°の範囲内の任意の夾角であり得、例えば、夾角Dが1°、2°、3°、5°、6°、8°、9°または10°であってもよい。
【0038】
図5に示すコリメータ02では、経度方向において複数列のコリメートホール群のコリメート穴021が含まれ、同一列の放射源011の経度が同じであり、緯度方向上にも複数列に分かれ、同一列の放射源011の緯度が同じであることを例にする。さらに、非共面照射を実現して、正常組織をより良く保護するために、本開示で提供されるソースキャリア01は、緯度方向におけるコリメート穴021の位置が互い異なる。つまり、任意の2つのコリメート穴021の緯度がそれぞれ異なる。
【0039】
本開示で提供されるコリメータ02では、コリメータ02は複数の放射源011のビームを遮蔽するための遮蔽部010をさらに含む。つまり、コリメータ02の遮蔽部010により放射源011の放射線を遮蔽することで、放射源を閉じる。本開示では遮蔽部010の具体的な位置が限定されるものではなく、
図5では遮蔽部010が各コリメートホール群の位置に対向することを例にして例示的に説明する。
【0040】
例えば、本開示で提供されるコリメータ02は、遮蔽部010が複数のコリメートホール群中の任意の隣接する2つのコリメートホール群間に位置する。例えば、
図12に示すように、遮蔽部010が2番目のコリメートホール群と3番目のコリメートホール群間に位置することを例にして例示的に説明する。
【0041】
図12では、1つの遮蔽部010を例にして、本開示で提供されるコリメータ02では、コリメータは複数の遮蔽部010を含む。例えば、1番目のコリメートホール群と2番目のコリメートホール群間に遮蔽部010を設けてもよい。3番目のコリメートホール群と4番目のコリメートホール群間に遮蔽部010を設けてもよい。各隣接する2つのコリメートホール群間に遮蔽部010を設けてもよい。本開示では、複数の遮蔽部010の数および分布が限定されるものではなく、上記の例を例示的に説明する。
【0042】
本開示で提供されるコリメータ02では、遮蔽部010に遮蔽部材05が設けられ、遮蔽部材05の材料密度がコリメータ02の材料密度よりも大きい。例えば、遮蔽部材05はコリメータ02に固定的に接続され、遮蔽部材05はタングステンブロックまたはリードブロックまたはその合金で形成される。コリメータ02は鋳鉄で形成される。遮蔽部材05は放射源011をより良く遮蔽することができる。本開示では遮蔽部010の位置が限定されるものではなく、例示的な
図12に示すように、異なるコリメートホール群間に位置してもよい。
【0043】
本開示で提供されるコリメータ02では、コリメータ01は固定的に接続される内側コリメータおよび外側コリメータを含み、内側コリメータ上のコリメート穴と外側コリメータ上のコリメート穴は対応して設けられる。つまり、コリメータは二重層であり得、内側コリメータと外側コリメータがネジで接続され、固定されてもよい。
【0044】
本開示で提供されるコリメータでは、コリメータは内側コリメータおよび外側コリメータを含み、内側コリメータと外側コリメータは相対的に回転することができる。例えば、治療過程中、事故が発生した場合、内側コリメータを使用して迅速に放射源を閉じ、外側コリメータを回転させて遮蔽部を放射源に合わせて放射源を遮蔽し、さらに内側コリメータの遮蔽部を放射源に合わせて放射源を完全にオフにする。
【0045】
本開示で提供されるコリメータでは、内側コリメータ上のコリメート穴が錐形状の穴である、および/または、外側コリメータ上のコリメート穴がストレート穴であってもよい。例えば、内側コリメータ上にストレート穴が、外側コリメータにもストレート穴が設けられ、または内側コリメータに錐形状の穴が、外側コリメータにストレート穴が設けられ、または内側コリメータと外側コリメータに、ともに錐形状の穴が設けられてもよい。
【0046】
本開示で提供される放射線治療装置では、放射源装置はスイッチ部をさらに含み、スイッチ部がソースキャリアとコリメータ間に位置し、スイッチ部に放射源に対応する少なくとも2組の穴部が設けられ、一方の組の穴部は貫通穴であり、他の組の穴部には貫通穴および遮蔽部が混在する。例えば、
図13に示すように、スイッチ部018に5組の穴部つまりa~e組の穴部が設けられ、その内にa穴部は貫通穴であり、b穴部には1列の貫通穴が設けられ、他の各穴部には遮蔽部が設けられ、c穴部には2列の貫通穴が設けられ、他の各穴部には遮蔽部が設けられ、d穴部には3列の貫通穴が設けられ、他の各穴部には遮蔽部が設けられ、e穴部には4列の貫通穴が設けられ、他の各穴部には遮蔽部が設けられる。なお、遮蔽部については、スイッチ部に穴を設けず、または設けても穴内にタングステンロッドが充填され、放射源を遮蔽することにより形成される。
【0047】
本開示で提供される放射線治療装置では、経度方向において、隣接する2つのコリメート穴の間隔が放射源のサイズよりも大きい。コリメータと放射源が小さな角度でずれて、遮蔽部による遮蔽ではなく、コリメート穴間の間隔を使用して放射源を遮蔽し、小さな角度でずれればよいため、迅速なソースのオンオフを実現することができる。
【0048】
本開示で提供される放射線治療装置では、ビームがX線ビームであり、放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含み、1つのX線加速システムはビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出するか、または複数のX線加速システムはビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出する。X線加速システムは電子ビームがターゲットに当たってX線ビームを生成し、本開示では放射源のソースポイント06は
図3に示すようにX線ビーム07の逆方向の延長線の交差点である。その内に、該X線ビーム07は電子ビーム08がターゲット09に照射されて得られる。本開示の放射線治療装置は、1つのX線加速システムを含み、該1つのX線加速システムは電子ビームを放出し、該電子ビームが異なるターゲットまたは異なる位置のターゲットに当たって、それぞれ複数のX線を放出する。または、放射線治療装置は、複数のX線加速システムを含み、各X線加速システムはそれぞれ電子ビームを放出し、該電子ビームがターゲットに当たって複数のX線を放出する。加速器がX線ビームを放出する具体的な構造は、本開示では省略される。
【0049】
治療過程中、患者の腫瘍を共通の焦点に精度よく置いて、放射線により腫瘍細胞を殺す。しかしながら、治療過程中、患者が動くと、放射線がずれて、治療に悪影響を与えるだけでなく、患者の健康にも害を及ぼす可能性がある。関連技術中の放射線治療装置では、その共通の焦点が放射源デバイスのチャンバー内部に位置するため、治療過程中、患者の頭部が動くかどうかを監視することは不可能である。本開示で提供される放射線治療装置では、共通の焦点が放射源デバイスの端面の外側に位置する。例えば、
図7、
図10および
図11に示すように、共通の焦点012が放射源装置04の端面の外側に位置するため、治療過程中、患者が動くかどうかを観察および監視することができる。
【0050】
本開示で提供される放射線治療装置では、放射線治療装置は、撮影装置をさらに含み、撮影装置は放射源装置の中心軸方向に沿って放射源装置の一側に配置され、共通の焦点が撮影装置の撮影領域内に位置する。すなわち、撮影装置により撮影領域内にある患者の腫瘍を撮影し、画像に基づいて患者が動くかどうかを確認することができる。画像による変位監視の精度が高い。
【0051】
本開示の放射線治療装置では、撮影装置はX線撮影装置、CT撮影装置、超音波撮影装置、DSA撮影装置、MR撮影装置、PET撮影装置中のいずれか1つまたはその任意の組み合わせであり得る。例えば、撮影装置はX線撮影装置であり、例えば、
図7、
図10および
図11に示すように、撮影装置013は1つのX線チューブ017および1つのフラットパネルディテクター016を含み得る。または、2つのX線チューブおよび2つのフラットパネルディテクターを含んでもよく、これらの2つのX線チューブから放出されたビームは交差する。もちろん、撮影装置は任意の2つまたはそれ以上の異なる撮影装置の組み合わせであってもよく、例えば撮影装置はX線撮影装置とDSA撮影装置の組み合わせであってもよい。本開示では、撮影装置の具体的な設置方式が限定されるものではなく、上記の例を例示的に説明する。
【0052】
例えば、撮影装置は撮影中心点を含む場合、共通の焦点012が撮影中心点と重なり合う。例えば、撮影装置は2つのX線チューブおよび各X線チューブから放出されたビームを対応して受け取るための2つのX線平板を含み、2つのX線チューブから放出されたビームが共通の焦点で交差する。
【0053】
本開示で提供される放射線治療装置では、撮影装置が放射源装置の中心軸に沿って回転可能である。
図7、
図10および
図11に示すように、撮影装置013は1つのX線チューブ017および1つのX線平板016を含む場合、患者が
図7、
図10および
図11に示す上下方向に動くと、画像に基づいて判断できない。したがって、撮影装置は放射源装置の中心軸に沿って回転すると、異なる角度で患者の画像を取得して、様々な角度で患者が動くかどうかを確認することが可能である。
【0054】
撮影装置の回転については、撮影装置に回転装置を設けて、例えばギアリング、またはスリップリング駆動などによって駆動することができる。本開示では撮影装置の駆動方式が限定されるものではない。
【0055】
本開示で提供される放射線治療装置では、撮影装置が放射源装置に固定的に接続される。例えば、撮影装置がソースキャリアまたはコリメータのいずれか1つに固定的に接続される。
図7に示すのを例にして、放射線チューブ017とX線平板016とがソースキャリアに固定的に接続され、ソースキャリアの回転により撮影装置を回転させ、撮影装置の回転駆動装置を個別に設置することを回避する。もちろん、撮影装置はスイッチ部またはコリメータに固定的に接続されてもよく、本開示ではこれに限定されるものではない。
【0056】
本開示で提供される放射線治療装置では、放射線治療装置は遮蔽装置をさらに含み、遮蔽装置は放射源装置の一側に位置し、放射源から放出されたビームが共通の焦点を通過した後、遮蔽装置で遮蔽される。例えば、
図7、
図10および
図11に示すように、遮蔽装置014は放射源装置04の共通の焦点012の一側に位置し、放射源011から放出されたビームが共通の焦点012を通過した後、遮蔽装置014で遮蔽されて、治療室内の過度放射を回避する。例えば、遮蔽装置は環状体である場合、放射源が中心軸周りに一度回転中の放射線がすべて遮蔽装置によって受け取られる。または、遮蔽装置は遮蔽ブロックである場合、放射源装置の中心軸に沿って回転し、放射源の回転に追従して共通の焦点を通した後の放射線を受け取ってもよい。なお、治療ベッドは患者を運んで移動する場合、遮蔽装置に治療ベッドの移動のためのチャンネルが開設される。
【0057】
例えば、本開示では遮蔽装置および撮影装置の位置が限定されず、例えば撮影装置は個別に固定されてもよく、遮蔽装置の内部に配置されてもよい。
【0058】
本開示で提供される放射線治療装置は遮蔽ドアをさらに含み、遮蔽ドアは放射線治療装置のチャンバーを開閉する。
図7を例にして、遮蔽ドア015は放射源装置04のチャンバーの外側に配置されて、放射源装置04のチャンバーを開閉し、上下方向に開閉してもよく、左右方向に開閉してもよい。非治療期間中、遮蔽ドアによりビームを遮蔽することが可能である。もちろん、遮蔽ドアは撮影装置と遮蔽装置との間に配置されてもよく、または遮蔽ドアは遮蔽ドアの外側に配置されてもよい。本開示では、遮蔽ドア015の具体的な配置位置が限定されず、
図7を例にして例示的に説明する。
【0059】
本開示で提供される放射線治療装置は、
図6に示すように、コリメータ02とソースキャリア01の間に沈み込み防止部材(図示しない)がさらに設けられる。さらに、放射源装置はソースキャリア01の外部に位置する遮蔽部材05をさらに含み、遮蔽部材05とソースキャリア01間に沈み込み防止部材がさらに設けられる。例えば、沈み込み防止部材はベアリングであり得、コリメータとソースキャリアは一端が駆動されて回転するが、他端が弛むのを回避することができる。
【0060】
本開示で提供される放射線治療装置の制御駆動方法では、放射線治療装置は複数の放射源を含み、複数の放射源のソースポイントが経度方向における予設の夾角範囲内にある。
【0061】
なお、本開示において、放射源がX線加速システムである場合、ビームはX線ビームであり、または放射源がγ線放射源である場合、ビームはγ線ビームである。ビームがX線ビームである場合、その原理は、電子ビームがターゲットを当たってX線ビームを生成することであり、放射源のソースポイントが
図14に示すようにX線ビーム07の逆方向の延長線の交差点であり得る。ビームがγ線ビームである場合、放射源のソースポイントは同位体放射源、例えばコバルト-60である。
【0062】
図14に示すように、制御駆動方法は以下のステップを含む。
ステップS1:少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得する。
ステップS2:放射線治療装置を駆動してビーム放出角度範囲でビームを放出させ、共通の焦点で交差させる。
【0063】
なお、放射線治療装置中の駆動装置は、一般にゼロ位置が予め設定されているため、放射線治療過程中、該ゼロ位置を基準として、駆動角度範囲を確認しながら駆動する。本開示において、ビーム放出角度範囲は、治療医師が患者の腫瘍画像に基づいて作成した対応の治療計画における放射線治療装置から放出されたビームを照射して治療する必要のある角度範囲であり、該角度範囲は駆動装置の駆動角度範囲である。例えば、
図15に示すように、治療医師は患者の腫瘍画像に基づいて作成した対応の治療計画において、放射線治療装置はB1領域を照射・治療し、A1領域を照射・治療しない(A1領域は両眼を含む照射領域であり、放射線の視神経への損傷を回避)場合、ビーム放出角度範囲は駆動装置により放射源を駆動してB1領域で照射する駆動角度範囲であり、保護角度範囲は駆動装置により放射源を駆動してA1領域への照射を回避するための駆動角度範囲である。放射線治療中、B1領域のみで照射する駆動角度範囲内で回転し、照射すればよく、これにより、眼および敏感な組織への照射による損傷を避けることができる。例えば、駆動角度範囲はモータの回転角である。そして、本開示において、放射線治療装置が360°を超えて回転する場合、駆動角度範囲も360°を超える。または、放射線治療装置が360°を超えて回転する場合、回転ターン数、および異なるターン数に対応する駆動角度範囲を較正する。
【0064】
もちろん、放射線治療中、A1領域とB1領域の両方に対して回転照射を行うことも可能であり、ビーム放出角度範囲はA1領域とB1領域での照射の駆動角度範囲であり、例えば360°であり得る。この時、照射時間を短縮することで敏感な組織、例えば視神経が受け取る線量を削減して、敏感な組織や臓器を保護する。
【0065】
本開示で提供される制御・駆動方法では、放射線治療装置は複数の放射源を含み、経度方向における複数の放射源のソースポイントが予設の夾角範囲内にあり、制御・駆動方法は、少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得し、放射線治療装置を駆動してビーム放出角度範囲でビームを放出させ、共通の焦点で交差させて、頭部腫瘍の治療過程中、目などの敏感な組織や臓器を保護し、それ以上の損傷を回避する。
【0066】
本開示で提供される制御・駆動方法は、
図16に示すように、さらに以下のステップを含む。
ステップS3:少なくとも1つの保護角度範囲を取得する。少なくとも1つの保護角度範囲は360°未満である。
【0067】
図17に示すように、放射線治療装置はB1領域とB2領域で照射治療を行い、A1領域とA2領域では照射治療を行わない(A1領域は一方の目の領域に対応し、A2領域は他方の目の領域に対応し、視神経への放射線損傷を回避するからである)場合、ビーム放出角度範囲は駆動装置により放射源を駆動してB1領域とB2領域で照射する駆動角度範囲であり、保護角度範囲は駆動装置により放射源を駆動してA1領域とA2領域で照射しない駆動角度範囲である。
ステップS4:放射線治療装置を駆動して、保護角度範囲内の放射源がビームを放出しないようにする。
【0068】
本開示で提供される制御・駆動方法では、放射線治療装置は複数の放射源を含み、経度方向における複数の放射源のソースポイントが予設の夾角範囲内にあり、制御・駆動方法は、少なくとも1つのビーム放出角度範囲および少なくとも1つの保護角度範囲を取得し、放射線治療装置を駆動してビーム放出角度範囲でビームを放出させ、共通の焦点で交差させ、保護角度範囲内の放射源がビームを放出するようにする。したがって、頭部腫瘍の治療過程中、目などの敏感な組織や臓器を保護し、それ以上の損傷を回避する。
【0069】
例えば、少なくとも1つのビーム放出角度範囲と保護角度範囲の1つに隣接する。
図17に示すように、B1とB2領域で照射治療を行い、A1とA2領域で照射治療を行わなく、B1領域がA1領域に隣接するため、B1領域に対応するビーム放出角度範囲がA1領域に対応する保護角度範囲に隣接する。
【0070】
本開示で提供される制御・駆動方法では、複数のビーム放出角度範囲を取得し、少なくとも2つのビーム放出角度範囲内での放射線治療装置の速度が異なる。例えば、
図17に示すように、B1とB2領域で照射治療を行い、B1領域に対応するビーム放出角度範囲とB2領域に対応するビーム放出角度範囲を取得し、放射線治療装置がB1領域に対応するビーム放出角度範囲での速度をV1とし、B2領域に対応するビーム放出角度範囲での速度をV2とする場合、V1≠V2であり、速度により異なる位置の照射時間を調整することで焦点の線量を調節することが可能である。
【0071】
例えば、
図15に示すように、放射線治療中、A1領域とB1領域の両方で回転照射を行う場合、ビーム放出角度範囲はA1領域とB1領域で照射する駆動角度範囲である。B1領域に対応するビーム放出角度範囲での速度をV1とし、A1領域に対応するビーム放出角度範囲での速度をV2とすると、V1<V2である。つまり、A1領域での速度がB1領域での速度より大きく、A1領域内で敏感な組織が受け取る線量を削減して敏感な組織や臓器を保護する。
【0072】
なお、本開示では、駆動角度範囲はモータの回転角である場合、駆動角度範囲も360°を超える。例えば、モータが360°を超えて回転する場合、回転ターン数、および異なるターン数に対応する駆動角度範囲を較正する。少なくとも2つのビーム放出角度範囲内で放射線治療装置の速度が異なり、ターン数が異なる場合、同一照射領域に対してその駆動速度が異なってもよい。例えば、放射線治療計画では治療時間が2minであり、モータの1ターン駆動に必要な時間が1minである場合、
図17に示すように、第1ターンでビーム放出角度範囲のB1領域で照射する駆動速度をV1とし、第2ターンでビーム放出角度範囲のB1領域で照射する駆動速度をV2とすると、V1≠V2である。
【0073】
本開示で提供される制御・駆動方法では、例えば、上記のように、速度が異なる2つのビーム放出角度範囲は隣接する。
【0074】
本開示で提供される制御・駆動方法では、駆動放射線治療装置はビーム放出角度範囲内で往復移動する。例えば、1つのビーム放出角度範囲のみ取得される場合、放射線治療装置はこのビーム放出角度範囲内で往復移動して、腫瘍が受け取る線量を増加させる。もちろん、複数のビーム放出角度範囲が取得される場合、放射線治療装置は、このビーム放出角度範囲内で往復移動して、腫瘍が受け取る線量を増加させる。
【0075】
本開示で提供される制御駆動方法では、ビームがγ線ビームまたはX線ビームである。以下、2種類のビームをそれぞれ説明する。
【0076】
本開示で提供される制御駆動方法では、放射源がγ線放射源であり、放射線治療装置はソースキャリアおよびコリメータを含み、ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、複数のγ線放射源は経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、コリメータに複数のコリメートホール群が設けられ、各コリメートホール群が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布される。すなわち、放射線治療装置は
図6、
図7、
図10および
図11に示す放射線治療装置であり得る。
図14および
図16中のステップS2は、具体的に、放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームをコリメータ上のコリメート穴を通過した後、放出させ、共通の焦点で交差させる。例えば、ソースキャリアおよびコリメータを駆動して回転させ、ソースキャリア上の放射源をコリメータ上のコリメート穴を通過した後、放出させ、共通の焦点で交差させる。
【0077】
本開示で提供される制御駆動方法では、放射源がγ線放射源であり、放射線治療装置はソースキャリアおよびコリメータを含み、ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、複数のγ線放射源が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各コリメートホール群が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布される。上記と同様に、放射線治療装置は
図6、
図7、
図10および
図11に示す放射線治療装置であり得る。
図16中のステップS4は、具体的に、放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームをコリメータで遮蔽する。例えば、ソースキャリアおよびコリメータを駆動して変位させ、ソースキャリア上の放射源がコリメータ上のコリメート穴間の隙間で遮蔽され、変位のときソースキャリアとコリメータが小さな角度で変位すればよいため、迅速にソースを開閉することができる、またはソースキャリアおよびコリメータを駆動して変位させ、ソースキャリア上の放射源がコリメータ上の遮蔽部で遮蔽される。
【0078】
本開示で提供される制御駆動方法では、放射線治療装置は、ソースを開閉するためのソース開閉部をさらに含む。
図16中のステップS4は、具体的に、放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームをソース開閉部で遮蔽する。さらに、ソース開閉部がコリメータ上に配置され、ソース開閉部がコリメータ遮蔽部に位置してもよい。
【0079】
本開示で提供される制御駆動方法では、放射線治療装置は、ソースキャリアとコリメータ間に位置するスイッチ部をさらに含み、スイッチ部上にγ線放射源に対応する少なくとも2組の穴部が設けられ、一方の組の穴部が貫通穴であり、他方の組の穴部には貫通穴部および遮蔽部が混在する。
図14を例にして、
図18に示すように、駆動制御方法はさらに以下のステップを含む。
ステップS5:スイッチ部を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームの一部をスイッチ部の遮蔽部で遮蔽する。
【0080】
もちろん、
図16に示す駆動制御方法は、ステップS5を含んでもよく、
図18は
図14に示す駆動制御方法がステップS5を含む例を示す。
スイッチ部は、
図13に示すように、スイッチ部018を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームの一部をスイッチ部の遮蔽部で遮蔽し、つまり、スイッチ部の遮蔽部により放射源のビームの一部を遮蔽して、線量を調整する目的を達成する。
【0081】
本開示で提供される制御駆動方法では、経度方向において、同一のコリメートホール群内で隣接する2つのコリメート穴の間隔がγ線放射源のサイズよりも大きい。
図16中のステップS4は具体的に、放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源とコリメート穴を変位させ、γ線放射源から放出されたビームの一部がコリメートホール群の縁の領域で遮蔽され、他のγ線放射源から放出されたビームがコリメート穴間の離間領域で遮蔽される。例えば、ソースキャリアおよびコリメータを駆動して変位させて、ソースキャリア上の放射源がコリメータ上のコリメート穴間の隙間で遮蔽され、変位のとき、ソースキャリアとコリメータが小さな角度で変位すればよいため、迅速にソースを開閉することが可能である。
【0082】
本開示で提供される制御駆動方法では、ビームがX線ビームであり、放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含む。
【0083】
放射線治療装置は1つのX線加速システムを含む場合、
図14または
図16に示すステップS2は、具体的に、1つのX線加速システムを駆動してビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させる。
【0084】
さらに、
図16に示すステップS4は具体的に、1つのX線加速システムの全部または一部のX線ビームを閉じる。例えば、X線加速システムのマイクロ波装置または加速チューブを閉じることによって、全部または一部のX線ビームを閉じることができる。
【0085】
または、放射線治療装置は複数のX線加速システムを含む場合、
図14または
図16に示すステップS2は具体的に、複数のX線加速システムを駆動してビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させる。
【0086】
さらに、
図16に示すステップS4は、具体的に、複数のX線加速システム中の全部または一部のX線加速システムを閉じる。例えば、複数のX線加速システムのマイクロ波装置または加速チューブを閉じることによって、全部または一部のX線ビームを閉じることができる。
【0087】
例えば、
図7、
図10および
図11に示す放射線治療装置では、共通の焦点が放射源装置の端面の外側に位置する。放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、共通の焦点が撮影装置の撮影領域内に位置する。
図19に示すように、駆動制御方法はさらに以下のステップを含む。
ステップS6:撮影装置を制御して患者の画像を取得する。
ステップS7:患者の画像に基づいて、ビームの放出角度範囲を確認する。
【0088】
なお、ステップS1中のビーム放出角度範囲は、放射線治療の前に、治療医師により患者の画像に基づいて確認されたビーム放出角度範囲であり得、治療過程中、取得された画像に基づいて該ビーム放出角度範囲を確認または調整することが可能である。
【0089】
例えば、
図7、
図10および
図11に示す放射線治療装置では、放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、共通の焦点が撮影装置の撮影領域内に位置し、
図20に示すように、駆動制御方法は以下のステップを含む。
ステップS8:撮影装置を制御して患者の画像を取得する。
ステップS9:患者の画像に基づいて保護角度範囲を確認する。
【0090】
同様に、ステップS3中の保護角度範囲は、放射線治療の前に、治療医師により患者の画像に基づいて確認された保護角度範囲であり得、治療過程中、取得された画像に基づいて該保護角度範囲を確認または調整することが可能である。
【0091】
なお、本開示で提供される制御駆動方法は、本開示では以上の各ステップの順序が限定されず、本開示は図示の例を例示的に説明する。
【0092】
以下、本開示で提供される放射線治療装置の制御駆動方法に対応する制御駆動装置については、制御駆動方法を参照すればよく、ここで繰り返さない。
【0093】
本開示で提供される放射線治療装置の制御駆動装置では、放射線治療装置は複数の放射源を含み、複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にあり、制御駆動装置はプロセッサを含み、このプロセッサは少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得し、放射線治療装置を駆動してビーム放出角度範囲でビームを放出させ、共通の焦点で交差させる。
【0094】
本開示で提供される制御駆動装置では、プロセッサは少なくとも1つの保護角度範囲を取得し、放射線治療装置を駆動して、保護角度範囲内の放射源のビームを放出しないようにする。
【0095】
本開示で提供される制御駆動装置では、プロセッサは複数のビーム放出角度範囲を取得し、少なくとも2つのビーム放出角度範囲内で放射線治療装置の速度が異なる。
【0096】
本開示で提供される制御駆動装置では、プロセッサが放射線治療装置を駆動してビーム放出角度範囲内で往復移動させる。
【0097】
本開示で提供される制御駆動装置では、放射源がγ線放射源であり、放射線治療装置はソースキャリアおよびコリメータを含み、ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、複数のγ線放射源が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各コリメートホール群が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、プロセッサは放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームをコリメータ上のコリメート穴を通過した後、放出させる。
【0098】
本開示で提供される制御駆動装置では、放射源がγ線放射源であり、放射線治療装置はソースキャリアおよびコリメータを含み、ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、複数のγ線放射源が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各コリメートホール群が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、プロセッサは放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームをコリメータで遮蔽する。
【0099】
本開示で提供される制御駆動装置では、放射線治療装置はソース開閉部をさらに含み、プロセッサは放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームをソース開閉部で遮蔽する。
【0100】
本開示で提供される制御駆動装置では、放射線治療装置は、ソースキャリアとコリメータ間に位置するスイッチ部をさらに含み、スイッチ部にγ線放射源に対応する少なくとも2組の穴部が設けられ、一方の組の穴部が貫通穴であり、他方の組の穴部には貫通穴部および遮蔽部が混在し、プロセッサはスイッチ部を駆動して、複数のγ線放射源から放出されたビームの一部をスイッチ部の遮蔽部で遮蔽する。
【0101】
本開示で提供される制御駆動装置では、経度方向において、同一のコリメートホール群内に隣接する2つのコリメート穴の間隔がγ線放射源のサイズよりも大きく、プロセッサは放射線治療装置を駆動して、複数のγ線放射源とコリメート穴を変位させ、一部のγ線放射源から放出されたビームがコリメートホール群の縁の領域で遮蔽され、他のγ線放射源から放出されたビームがコリメート穴間の離間領域で遮蔽される。
【0102】
本開示で提供される制御駆動装置では、ビームがX線ビームであり、放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含み、プロセッサは1つのX線加速システムを駆動してビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させる、または複数のX線加速システムを駆動してビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させる。
【0103】
本開示で提供される制御駆動装置では、ビームがX線ビームであり、放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含み、プロセッサは1つのX線加速システムの全部または一部のX線ビームを閉じるか、または複数のX線加速システム中の全部または一部のX線加速システムを閉じる。
【0104】
本開示で提供される制御駆動装置では、放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、共通の焦点が撮影装置の撮影領域内に位置し、プロセッサは撮影装置を制御して患者の画像を取得し、患者の画像に基づいて、ビームの放出角度範囲を確認する。
【0105】
本開示で提供される制御駆動装置では、放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、共通の焦点が撮影装置の撮影領域内に位置し、プロセッサは撮影装置を制御して患者の画像を取得し、患者の画像に基づいて保護角度範囲を確認する。
【0106】
本開示は放射線治療システムを提供し、該放射線治療システムは、本開示で提供される放射線治療装置、および本開示で提供される制御駆動装置を含む。
【0107】
なお、本開示の実施例中の用語「および/または」とは、関連対象の関連関係のみを示し、例えば、Aおよび/またはBとは、Aが単独存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独に存在するという3つの意味を表す。また、本明細書では「/」とは、一般的に前後の関連対象が「または」の関係を有する。
【0108】
以上の説明は本開示の選択可能な実施例に過ぎず、本開示を限定することを意図するものではなく、本開示の精神および原則を逸脱しない限りなされた任意の修正、同等の置換、改良などは、すべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0109】
(付記)
(付記1)
放射源装置を含み、前記放射源装置は複数の放射源およびコリメータを含み、前記複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にあり、前記コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、経度方向における各前記コリメートホール群の夾角が予設の夾角範囲内にあり、
各前記コリメートホール群は複数のコリメート穴を含み、前記複数の放射源から放出されたビームが前記コリメートホール群の各コリメート穴を通過した後、共通の焦点で交差する、放射線治療装置。
【0110】
(付記2)
前記予設の夾角範囲が5°~60°である、付記1に記載の放射線治療装置。
【0111】
(付記3)
前記放射線治療装置は、放射源装置を駆動して移動させるための駆動装置をさらに含む、付記1に記載の放射線治療装置。
【0112】
(付記4)
前記ビームはγ線ビームまたはX線ビームである、付記1に記載の放射線治療装置。
【0113】
(付記5)
前記放射源はγ線放射源であり、前記放射源装置はソースキャリアを含み、前記ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、前記複数のγ線放射源が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布される、付記1に記載の放射線治療装置。
【0114】
(付記6)
前記コリメータは、前記複数の放射源のビームを遮蔽するための遮蔽部をさらに含む付記5に記載の放射線治療装置。
【0115】
(付記7)
前記放射源装置は、前記ソースキャリアとコリメータ間に位置するスイッチ部をさらに含み、
前記スイッチ部上に前記放射源に対応する少なくとも2組の穴部がさらに設けられ、一方の組の穴部が貫通穴であり、他方の組の穴部には貫通穴および遮蔽部が混在する、付記5に記載の放射線治療装置。
【0116】
(付記8)
経度方向において、同一のコリメートホール群中の隣接する2つのコリメート穴の間隔が放射源のサイズよりも大きい、付記5に記載の放射線治療装置。
【0117】
(付記9)
前記ビームがX線ビームであり、前記放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含み、1つのX線加速システムがビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出し、または複数のX線加速システムが前記ビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出する、付記1に記載の放射線治療装置。
【0118】
(付記10)
前記共通の焦点が前記放射源装置の端面の外側に位置する、付記1に記載の放射線治療装置。
【0119】
(付記11)
前記放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、前記撮影装置は前記放射源装置の中心軸方向に沿って前記放射源装置の一側に配置され、前記共通の焦点が前記撮影装置の撮影領域内に位置する、付記10に記載の放射線治療装置。
【0120】
(付記12)
複数の放射源を含み、複数の放射源のソースポイントが経度方向上の予設の夾角範囲内にある放射線治療装置の制御駆動方法であって、
少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得することと、
前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させ、共通の焦点で交差させることを含む放射線治療装置の制御駆動方法。
【0121】
(付記13)
少なくとも1つの保護角度範囲を取得すること、
前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることをさらに含み、
前記少なくとも1つの保護角度範囲が360°未満である、付記12に記載の制御駆動方法。
【0122】
(付記14)
少なくとも1つのビーム放出角度範囲が保護角度範囲の1つに隣接する、付記13に記載の制御駆動方法。
【0123】
(付記15)
前記少なくとも1つのビーム放出角度範囲を取得することは、複数のビーム放出角度範囲を取得することを含み、少なくとも2つの前記ビーム放出角度範囲内で前記放射線治療装置の速度が異なる、付記12に記載の制御駆動方法。
【0124】
(付記16)
速度が異なる2つのビーム放出角度範囲が隣接する、付記15に記載の制御駆動方法。
【0125】
(付記17)
前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲内で往復移動させる、付記12に記載の制御駆動方法。
【0126】
(付記18)
前記ビームがγ線ビームまたはX線ビームである、付記12に記載の制御駆動方法。
【0127】
(付記19)
前記放射源がγ線放射源であり、前記放射線治療装置はソースキャリアおよびコリメータを含み、前記ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、前記複数のγ線放射源が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、前記コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各前記コリメートホール群が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、
前記の前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させることは、前記放射線治療装置を駆動して前記複数のγ線放射源から放出されたビームをコリメータ上のコリメート穴を通過した後、放出させることを含む、付記12に記載の制御駆動方法。
【0128】
(付記20)
前記放射源がγ線放射源であり、前記放射線治療装置はソースキャリアおよびコリメータを含み、前記ソースキャリア上に複数のγ線放射源が配置され、前記複数のγ線放射源が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、前記コリメータ上に複数のコリメートホール群が設けられ、各前記コリメートホール群が経度方向上の予設の夾角範囲内で分布され、
前記の前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることは、具体的に、前記放射線治療装置を駆動して、前記複数のγ線放射源から放出されたビームを前記コリメータで遮蔽することを含む、付記13に記載の制御駆動方法。
【0129】
(付記21)
前記放射線治療装置はソース開閉部をさらに含み、前記の前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることは、前記放射線治療装置を駆動して、前記複数のγ線放射源から放出されたビームを前記ソース開閉部で遮蔽することを含む、付記20に記載の制御駆動方法。
【0130】
(付記22)
前記ソース開閉部が前記コリメータ上に配置される付記21に記載の制御駆動方法。
【0131】
(付記23)
前記放射線治療装置はスイッチ部をさらに含み、前記スイッチ部が前記ソースキャリアとコリメータ間に位置し、前記スイッチ部上に前記γ線放射源に対応する少なくとも2組の穴部が設けられ、一方の組の穴部が貫通穴であり、他方の組の穴部には貫通穴部および遮蔽部が混在し、
前記方法は、前記スイッチ部を駆動して、前記複数のγ線放射源から放出されたビームの一部を前記スイッチ部の遮蔽部で遮蔽することをさらに含む、付記19に記載の制御駆動方法。
【0132】
(付記24)
経度方向において、前記同一のコリメートホール群内で隣接する2つのコリメート穴の間隔がγ線放射源のサイズよりも大きく、
前記の前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることは、前記放射線治療装置を駆動して、前記複数のγ線放射源とコリメート穴を変位させ、一部のγ線放射源から放出されたビームが前記コリメートホール群の縁の領域で遮蔽され、他のγ線放射源から放出されたビームが前記コリメート穴間の離間領域で遮蔽される、付記20に記載の制御駆動方法。
【0133】
(付記25)
前記ビームがX線ビームであり、前記放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含み、
前記の前記放射線治療装置を駆動して前記ビーム放出角度範囲でビームを放出させることは、具体的に、1つのX線加速システムを駆動して前記ビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させ、または複数のX線加速システムを駆動して前記ビーム放出角度範囲で複数のX線ビームを放出させることを含む、付記12に記載の制御駆動方法。
【0134】
(付記26)
前記ビームがX線ビームであり、前記放射線治療装置は1つまたは複数のX線加速システムを含み、
前記の前記放射線治療装置を駆動して、前記保護角度範囲内の前記放射源のビームを放出しないようにすることは、
1つのX線加速システムの全部または一部のX線ビームを閉じる、または複数のX線加速システム中の全部または一部のX線加速システムを閉じることを含む、付記13に記載の制御駆動方法。
【0135】
(付記27)
前記共通の焦点が前記放射源装置の端面の外側に位置する、付記13に記載の制御駆動方法。
【0136】
(付記28)
前記放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、前記共通の焦点が前記撮影装置の撮影領域内に位置し、
前記撮影装置を制御して患者の画像を取得すること、
前記患者の画像に基づいて前記ビーム放出角度範囲を確認することをさらに含む、付記27に記載の制御駆動方法。
【0137】
(付記29)
前記放射線治療装置は撮影装置をさらに含み、前記共通の焦点が前記撮影装置の撮影領域内に位置し、
前記撮影装置を制御して患者の画像を取得すること、
前記患者の画像に基づいて前記保護角度範囲を確認することをさらに含む、付記27に記載の制御駆動方法。
【0138】
(付記30)
付記12~29のいずれか1つに記載の制御駆動方法を実行するためのプロセッサを含む、放射線治療装置の制御駆動装置。
【0139】
(付記31)
付記1~11のいずれか1つに記載の放射線治療装置、および付記30に記載の制御駆動装置を含む、放射線治療システム。