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特許7330539呼吸マスクと共に使用するためのライナ及び保持部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】呼吸マスクと共に使用するためのライナ及び保持部材
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20230815BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20230815BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20230815BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A61M16/06 A
A62B18/02 Z
A62B18/08 D
A41D13/11 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021502712
(86)(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 US2019024220
(87)【国際公開番号】W WO2019191188
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】62/648,895
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520372397
【氏名又は名称】ナチュールズ デザイン,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NATURS DESIGN,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ルータン,ロバート エム.
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0204881(US,A1)
【文献】特表2004-505686(JP,A)
【文献】特表2011-521722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/06
A62B 18/02
A62B 18/08
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸マスクであって、
顔係合部分を有するマスク本体と、
前記マスク本体に接続された少なくとも1つの保持部材であって、当該少なくとも1つの保持部材は、細長い本体及び前記細長い本体の両端にそれぞれ設けられた2つの係合部材を含み、各係合部材は、近位端および遠位端を有し、各係合部材は、前記近位端で前記細長い本体から上向きに延在し、その後、前記細長い本体に対して外側又は横方向に延在して、前記細長い本体を越えて延在する前記遠位端で終端し、前記遠位端は前記近位端よりも幅が狭く、各係合部材が、ライナを受容し、かつ、前記呼吸マスクに前記ライナをつないで前記顔係合部分を全体的に覆うように構成されている保持部材を備える、呼吸マスク。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保持部材が、前記マスク本体に取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の呼吸マスク。
【請求項3】
前記少なくとも1つの保持部材が、前記マスク本体に一体的に形成される、請求項1に記載の呼吸マスク。
【請求項4】
前記細長い本体は、中央部分と、前記中央部分の両側で対向する端部とを有する、請求項1に記載の呼吸マスク。
【請求項5】
係合部材がフックを含む、請求項1に記載の呼吸マスク。
【請求項6】
係合部材がクリップを含む、請求項1に記載の呼吸マスク。
【請求項7】
呼吸マスクと共に使用するための保持部材であって、
中央部分と、前記中央部分の両側に対向する端部と、を有する細長い本体であって、前記本体は、前記呼吸マスクに取り付けられるように配置された底面を有する、細長い本体と、
前記細長い本体の両端にそれぞれ設けられた2つの係合部材であって、各係合部材は、近位端および遠位端を有し、各係合部材は、前記近位端で前記細長い本体から上向きに延在し、その後、前記細長い本体に対して外側又は横方向に延在して、前記細長い本体を越えて延在する前記遠位端で終端し、前記遠位端は前記近位端よりも幅が狭く、各係合部材が、ライナを受容し、かつ、前記呼吸マスクに前記ライナをつなぐように構成されている、係合部材と、を備える保持部材。
【請求項8】
係合部材が少なくとも1つのフックを含む、請求項7に記載の保持部材。
【請求項9】
係合部材は少なくとも1つのクリップを含む、請求項7に記載の保持部材。
【請求項10】
係合部材が、少なくとも1つのポストを含む、請求項7に記載の保持部材。
【請求項11】
前記中央部分は、対向する前記端部よりも幅が狭い、請求項7に記載の保持部材。
【請求項12】
前記中央部分は、前記細長い本体の中心を識別するためのマーカを含む、請求項7に記載の保持部材。
【請求項13】
呼吸マスクと共に使用するためのキットであって、
吸収性材料から構築されたライナ本体を含む少なくとも1つのライナであって、外縁、内縁及び前記内縁によって境界を定められた開口部を有するライナと、
前記呼吸マスクに接続されるように配置された少なくとも1つの保持部材であって、当該少なくとも1つの保持部材は、細長い本体及び前記細長い本体の両端にそれぞれ設けられた2つの係合部材を含み、各係合部材は、近位端および遠位端を有し、各係合部材は、前記近位端で前記細長い本体から上向きに延在し、その後、前記細長い本体に対して外側又は横方向に延在して、前記細長い本体を越えて延在する前記遠位端で終端し、前記遠位端は前記近位端よりも幅が狭く、各係合部材が、前記ライナを受容し、かつ、前記呼吸マスクに前記ライナをつなぐように構成されている保持部材と、を備えるキット。
【請求項14】
係合部材がフックを含み、前記ライナ本体が、前記フックによって受け入れられるように配置された少なくとも1つのアパーチャを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
係合部材がクリップを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項16】
前記ライナが前記呼吸マスクの顔係合部分とユーザの顔との間に配置されると、前記顔係合部分を越えて外側に延在する前記ライナ本体の延在部分が規定され、前記少なくとも1つの保持部材に係合して前記呼吸マスクに前記ライナをつなぐ、請求項13に記載のキット。
【請求項17】
前記延在部分が少なくとも1つのアパーチャを含む、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記少なくとも1つのアパーチャが、前記ライナの第1端部に隣接する前記延在部分の第1対の離間したアパーチャを含む、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記延在部分は、前記ライナ本体の前記外縁から外側に延在する少なくとも1つのタブを含む、請求項16に記載のキット。
【請求項20】
前記少なくとも1つのタブがアパーチャを含む、請求項19に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2018年3月27日出願の米国仮出願第62/648,895号の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 実施形態は、呼吸マスク、呼吸マスクと共に使用するための保持部材及びライナ、並びにそれらの組み合わせに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] レスピレータは、化学物質や粒子状物質などの危険な物質を吸入しないようにユーザを保護するために使用される。レスピレータは通常、ユーザの鼻及び口を覆うためのマスク本体と、ユーザが吸入した空気から危険な物質を除去するためのフィルタを含む1以上のカートリッジ又はキャニスタと、を含む。現在入手可能なほとんどのレスピレータマスクは、シリコーン、ゴム、ビニール又はナイロン系の生地から作られている。これらの材料は通常、水やガスを透過させず、それによって、毛穴を塞いだり、発汗を引き起こしたり、顔に圧迫痕を形成したりして、ユーザに不快感を与える。多くのユーザは、毎日かなりの時間にわたってレスピレータを着用するので、人間工学に基づいたマスクであって、長時間の着用や高温多湿などの極端な環境でも身体に負担をかけないマスクを必要としている。
【0004】
[0004] 閉塞性睡眠時無呼吸は、睡眠中に人の気道が物理的に何度も閉塞し、酸素摂取量が制限され、息を切らして目が覚める原因となる深刻で潜在的に致命的な医学的状態である。その状態の考えられる影響には、極度の疲労、高血圧、脳卒中、心臓発作、及び時には死さえが含まれる。閉塞性睡眠時無呼吸の最も一般的な治療法の1つは、持続的気道陽圧(CPAP)機械の使用である。これらの機械は、顔に装着されたホース及びマスクを通じて、加圧空気の継続的な流れを気道に送る。しかしながら、不快感、空気の漏れ及び概して効果がないことに起因して、患者の承諾がCPAPユーザにとって大きな問題である。ユーザの最大50%が使用を中止するものと推定されている。
【0005】
[0005] レスピレータと同様に、現在入手可能なほとんどのCPAPマスクは、シリコーン、ゴム、ビニール又はナイロン系の生地から作られている。これらの材料は通常、水やガスを透過させず、それによって、毛穴を塞いだり、発汗を引き起こしたり、顔に圧迫痕を形成したりして、マスクの不快感を高める。さらに、ほとんどのマスクメーカーは、マスク材料が直接皮膚に接触するように、CPAPマスクと共にスキンクリーム又はフェイスクリームを使用しないことを推奨している。これは多くのユーザ、特に乾燥肌を有し、スキンケアのためにナイトクリームに依存しているユーザにとって問題である。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 1以上の実施形態では、呼吸マスクは、顔係合部分を有するマスク本体を含む。少なくとも1つの保持部材がマスク本体に接続され、少なくとも1つの保持部材は、ライナを受容し、かつ、呼吸マスクにライナをつないで顔係合部分を全体的に覆う少なくとも1つの係合部材を含む。
【0007】
[0007] 1以上の実施形態では、呼吸マスクと共に使用するための保持部材は、中央部分と、中央部分の両側で対向する端部と、を有する可撓性の細長い本体を含み、本体は、呼吸マスクに取り付けられるように配置された底面を有する。少なくとも1つの係合部材は、ライナを受容し、かつ、呼吸マスクにライナをつなぐために本体から延在する。
【0008】
[0008] 1以上の実施形態では、顔係合部分及び保持部材を有する呼吸マスクと共に使用するためのライナは、吸収性材料から構築されたライナ本体を含み、ライナ本体は、外縁、内縁、及び内縁によって境界を定められた開口部を有する。ライナが顔係合部分とユーザの顔との間に配置されると、顔係合部分を越えて外側に延在するライナ本体の延在部分が規定され、延在部分は、保持部材に係合して呼吸マスクにライナをつなぐための少なくとも1つのアパーチャを含む。
【0009】
[0009] 1以上の実施形態では、呼吸マスクと共に使用するためのキットは、吸収性材料から構築されたライナ本体を含む少なくとも1つのライナを含み、ライナ本体は、外縁、内縁及び内縁によって境界を定められた開口部を有する。キットはさらに、呼吸マスクに接続されるように配置された少なくとも1つの保持部材を含み、少なくとも1つの保持部材は、ライナを受容し、かつ、呼吸マスクにライナをつなぐための少なくとも1つの係合部材を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、例えば呼吸マスクと共に使用するための一実施形態に係るライナの上面図である。
図2図2は、別の実施形態に係るライナの上面図である。
図3図3は、さらに別の実施形態に係るライナの上面図である。
図4図4は、一実施形態に係る保持部材の斜視図である。
図5図5は、保持部材の上面図である。
図6図6は、レスピレータの上側に接続された保持部材の上面斜視図である。
図7図7は、レスピレータの上側に接続された保持部材の背面図である。
図8図8は、レスピレータの上側に接続された保持部材の正面斜視図である。
図9図9は、レスピレータに接続された保持部材の側面図である。
図10図10は、レスピレータに保持されたライナを示す。
図11図11は、レスピレータの上側の保持部材のフックによって係合させられたライナの上面図である。
図12図12は、レスピレータの下側の保持部材のフックによって係合させられたライナの底面図である。
図13図13は、CPAPマスクの保持部材の上面斜視図である。
図14図14は、酸素マスクの保持部材の斜視図である。
図15図15は、別の実施形態に係る保持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0025] 必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書で開示される。しかしながら、開示された実施形態は、様々な代替の形態で実施され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではなく、一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張又は最小化され得る。したがって、本明細書で開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明を様々に採用することを当業者に教示するための単なる典型的な基礎として解釈される。
【0012】
[0026] 本明細書で開示される実施形態は、呼吸マスクの快適性、有効性及び/又はユーザの承諾を改善することができる、呼吸マスク及び呼吸マスクと共に使用するためのアクセサリを提供する。
【0013】
[0027] 図1図3を参照すると、レスピレータ100(図6図12参照)などの呼吸マスクと共に使用するためのライナが図示されており、全体として参照番号10で示されている。使用中、ライナ10は、例えば、湿気を吸収し、呼吸マスクの適切な位置決めを維持し、かつ、呼吸マスクとユーザの顔との間の空気の漏れを大幅に低減又は排除するために、呼吸マスクとユーザの顔との間に位置決めされ得る。ライナ10は、本明細書では主に、レスピレータ100との使用に関連して説明されるが、ライナ10がレスピレータとの使用に限定されないこと、及び、本明細書で提供される説明が、CPAPマスク200(図13参照)又は酸素マスク300(図14参照)などであるがこれらに限定されない呼吸マスクの他のタイプのライナ10の使用に等しく適用可能であることが理解される。
【0014】
[0028] 一実施形態では、ライナ10は、外縁14、内縁16及び内縁16によって境界を定められた開口部18を有するライナ本体12を含む。ライナ本体12は、概して小判胴形、楕円形、円形又は三角形であってもよく、又は、呼吸マスクとの使用に適切な任意の他の形状を有しもよいが、本明細書に描写される形状に限定されない。開口部18は、呼吸マスクのタイプに応じて、鼻、口、又は鼻と口との両方を少なくとも部分的に受け入れるように設計されている。開口部18は、示されるような概して楕円形又は小判胴形であり得るが、これらの形状に限定されることは意図されない。
【0015】
[0029] ここで図4及び図5を参照すると、保持部材50は、呼吸マスクに接続され、ライナ10を受容及び係合するために設けられることができ、ライナ10が呼吸マスクにつながれて呼吸マスクに対して所望の位置に保持されることを可能にする。保持部材50は本体を含み、本体は、一実施形態では、中央部分54と、中央部分54の両側で対向する端部56と、を有する細長い本体52であってよい。保持部材50は、少なくとも1つの係合部材をさらに含み、係合部材は、一実施形態では、近位端62及び遠位端64を有するポスト又はフック60を含んでもよく、1つのフック60が、本体52の各端部56又はその近くに設けられてもよい。保持部材50及び含まれるフック60は、プラスチック又はゴム材料などの任意の適切な可撓性及び耐久性を有する材料から構築されてもよい。保持部材50及びフック60の弾性は、細長い本体52を呼吸マスクに適合させ、ライナ10を係合及び保持し、かつ、呼吸マスクの使用中に保持部材50に外力が加えられた場合に保持部材50の損傷を防止するのに有利であり得る。示されるように、本体52の中央部分54は、端部56よりも幅が狭くてもよく、これにより、保持部材50の可撓性も促進され得る。中央部分54は、呼吸マスク上での整列及び対称的な配置を容易にするために、本体52の中心を識別するマーカ66を含んでもよい。本明細書では細長い本体52が示されているが、本体52はこの構成に限定されず、本体52は代替的に、そこから延在する1以上の係合部材を有する他の形状を有し得ると考えられる。
【0016】
[0030] 一実施形態では、各フック60は、その近位端62で本体52から上向きに延在し、その後、本体52に対して外側又は横方向に延在して遠位端64で終端し、遠位端64は、本体52を越えて延在してもよい。フック60は、丸い遠位端64を有してもよく、近位端62と比較してより幅が狭い遠位端64を有してもよく、これらの両方は、保持部材50上でのライナ10の受容及び保持を容易にし得る。もちろん、保持部材50及びフック60は、本明細書に示されて説明される構成に限定されない。例えば、2つの離間したフック60に代えて、1つのみのフック又は3以上のフックが設けられ得ると考えられる。さらに、ポスト又はフック60は、本体52から上向きに延在し、かつ、遠位端64と比較してより幅が狭い近位端62を有するなど、異なる構成を有してもよい。代替的に、保持部材50は、図15に示されるような例えばクリップ68(例えば、ヒンジ式、バネ式、わに口など)ほかなどの別のタイプの係合部材を一緒に含んでもよい。
【0017】
[0031] 図1及び図2に示されるように、ライナ10は、呼吸マスクにライナ10をつないでライナ10の所望の位置を保持するために、フック60によって受容されるサイズを有する1以上のアパーチャを有してもよい。図示の実施形態では、第1又は上部の対の離間したアパーチャ70は、ライナ10の第1端部72に隣接してもよく、第2又は下部の対の離間したアパーチャ74は、ライナ10の第2端部76に隣接してもよい。第1及び第2の対のアパーチャ70、74は、示されるような概して円形又は小判胴形であってもよいが、これらの形状に限定されることは意図されない。アパーチャ70、74の構成は、フック60及び保持部材50の構成に対応するように設計されることができる。したがって、ライナ10の各端部72、76に1対のアパーチャ70、74が示されているが、ライナ10はこの実施形態に限定されない。代替的に、例えば、アパーチャは、ライナ10の一方の端部72、76のみに設けられてもよく、若しくは、単一のアパーチャ又は3以上のアパーチャが、一方の端部又は両方の端部72、76に、若しくは、ライナ10の他の部分に設けられてもよい。
【0018】
[0032] 図6図9を参照すると、保持部材50は、前側104、後側106、上側108及び下側110を有するマスク本体102を有する、レスピレータ100などの呼吸マスクに接続されてもよい。示されるように、一実施形態では、フック60は、前側104の顔係合部分112から離れて、呼吸マスクの後側106に向かって配向されてもよい。保持部材50は、保持部材50の底面69をマスク本体102に接合するために、接着剤又はフックアンドループ材料などの任意の方法によって呼吸マスクに取り付けられることができる。保持部材50は、必要に応じて再び位置決め又は取り外されることができるように、マスク本体102に取り外し可能に取り付けられることができる。代替的に、保持部材50は、射出成形などによる製造中にマスク本体102に一体的に形成されることができる。別の実施形態では、レスピレータ100、CPAPマスク200、酸素マスク300又は他の呼吸マスクを後付けする際に使用するために1以上のライナ10及び保持部材50を含むキットが提供されることができる。
【0019】
[0033] 図10図12は、1以上の保持部材50を介してレスピレータ100につながれたライナ10を示す。図10は、開口部18と顔係合部分112との整列を示しており、保持部材50は、ライナ10に係合してライナ10を適切に整列させて顔係合部分112の全体を覆う配置でマスク本体102上に位置決めされることができる。図11は、レスピレータ100の上側108の保持部材50との第1対のアパーチャ70の係合を示しており、図12は、ライナ10がレスピレータ100に対して所望の位置に保持されるように、レスピレータ100の下側110上の保持部材50と第2対のアパーチャ74との係合を示している。保持部材50は、マスク本体102の上側108及び下側110に位置決めされて示されているが、保持部材50は、呼吸マスク及びライナ10の異なる部分に形成された対応のアパーチャの側面領域又は他の領域に追加的に又は代替的に位置決めされ得ることが理解される。
【0020】
[0034] 図6図12を参照して上述したレスピレータ100の特徴は、図13に示すCPAPマスク200及び図14に示す酸素マスク300に適用可能であってもよく、レスピレータ100について説明された呼吸マスクの特徴には、CPAPマスク200については頭の数字を「2」で置き換え、酸素マスク300については頭の数字を「3」で置き換えた同様の参照符号が付される。
【0021】
[0035] ライナ10の外縁14は、呼吸マスク100、200、300の顔係合部分112、212、312(例えば、図8及び図13図14参照)の一般的な形状に合わせて拡大縮小された形状を有してもよい。図10に最もよく示されるように、連続的又は不連続的であり得るライナ外縁14の周囲は、顔係合部分112の周囲よりも大きく、外縁14は、顔係合部分112の周囲の少なくとも一部周りで顔係合部分112を越えて外側に延在する。このように、ライナ本体12は、図1及び図3に破線で例示的に示すように、ライナ10が呼吸マスクにつながれたときに顔係合部分112の周囲の内側に配置される第1部分20と、ライナ10が呼吸マスクにつながれたときに自由に延在可能な方法で顔係合部分112の周囲の外側に配置される第2延在部分22と、を有する。概して、延在部分22の面積は、ライナ本体12の面積の少なくとも約5%、10%又は15%を構成することができるが、延在部分22によって表されるより大きな割合の面積も考えられる。
【0022】
[0036] ライナ10が呼吸マスク100、200、300上の保持部材50によって係合されると、ユーザは、彼/彼女の鼻及び/又は口(該当する場合)を開口部18内に収め、ストラップなどを用いて呼吸マスクを彼/彼女の頭に呼吸マスクを固定することができる。呼吸マスクを固定すると、ライナ10が顔係合部分112、212、312とユーザの顔との間に解放可能に保持され、ライナ10が、空気流を調整し、かつ、顔係合部分とユーザの顔との間の空気の漏れを低減し得る。ライナ10は、呼吸マスクが固定されている間に突出する延在部分22を外側に引っ張ることにより、必要に応じて、例えば鼻や口の周りで調整されることができ、それにより特定のユーザにカスタマイズされたフィット感を提供する。ライナ10は、保持部材50とユーザの顔に対する呼吸マスクの圧力とによって所定の位置に保持され、ライナ10は、呼吸マスクが取り外されると、容易に取り外し可能及び交換可能である。外縁14及び延在部分22は、顔係合部分112、212、312から外側に延在して、概して、ユーザの顔の輪郭に従うことができる。ライナ10の外縁14は、顔係合部分を越えて緩く突出し、その結果、延在部分22は、ユーザの顔と非接着性かつ非密閉性の接続状態にあり得る。このようにして、ライナ10及びその延在部分22は、呼吸マスクと皮膚との間の空気流を調節、制限又は拡散するバッフルとして作用することにより、顔係合部分の周囲からの空気の漏れを低減するのに役立ち得る。
【0023】
[0037] 使用中、ユーザが一時的に呼吸マスクを取り外す必要がある場合がある。例えば、ユーザは、同僚と会話したり、飲んだり食べたり、又は仕事中に休憩をとる場合などの特定の場合にはレスピレータ100を取り外すことを望む場合がある。CPAPユーザは、夜間にトイレを使用したり、又は、水を飲んだりするなど、使用中に彼/彼女のCPAPマスク200を取り外したいと望む場合がある。病院又は家庭の設定では、ユーザは、飲食や薬の服用など、一時的に酸素マスク300を取り外す必要がある場合がある。本明細書に開示された実施形態によれば、ユーザが呼吸マスクを取り外すと、ライナ10は、保持部材50によって呼吸マスク上の定位置に保持される。したがって、ユーザが何らかの理由で呼吸マスクを取り外す必要がある場合、ユーザは、彼/彼女が呼吸マスクを再び装着するときに、ライナ10を再び位置決め又は交換する必要がない。ユーザがライナ10の交換を望む場合、ライナ10は、使い捨てであり、かつ、保持部材50から容易に取り外され、廃棄され、その後に別のライナ10に交換されることができる。有利には、ライナ10の使用は、マスク材料との直接の皮膚の接触を防止し、呼吸マスクを頻繁に洗浄する必要性を低減する。
【0024】
[0038] アパーチャ70、74は、ライナ10の延在部分22に設けられてもよいので、アパーチャ70、74は、ライナ10の機能、又は、顔係合部分104、204、304とのそのインターフェースを変更しない。したがって、本明細書に記載のライナ10は、保持部材50が呼吸マスクに関連付けられているか否かにかかわらず、又は、ライナ10と保持部材50との係合が利用されているか否かにかかわらず、呼吸マスクと共に使用されることができる。アパーチャ70、74は、ライナ10の全体的な設置面積を増大させず、かつ、補助取り付け部材を用いてライナ10を製造することを必要としない。しかしながら、延在部分22にアパーチャ70、74をライナの外縁14から内側に設定する代わりに又はそれに加えて、延在部分22が、ライナの外縁14から外側に延在するループ又はタブ80を含んでもよく、かつ、図3に示すようなアパーチャ70、74を含み得る代替の実施形態も考えられる。さらに、そのようなタブ/ループ80又はライナ10の他の部分は、ライナ10を呼吸マスクの一部に取り外し可能に取り付けるための接着剤を含み得る。係合部材がフック60の代わりにクリップタイプの構造を含む一実施形態では、アパーチャ70、72を有しないライナ10が利用されることができる。
【0025】
[0039] 一実施形態によれば、ライナ本体12は、吸収性材料の単一層から構築されてもよく、ライナ本体12の厚さは、約0.005~0.05インチであってもよいが、これらの寸法は限定することを意図するものではない。一実施形態では、材料は綿を含んでもよい。別の実施形態では、材料は、その中に綿が埋め込まれたシリコーンなどの別の材料を含んでもよい。しかしながら、適切な吸収性及び快適性を有する任意の材料が使用され得ることが理解される。さらなる実施形態によれば、ライナ本体12の構築に使用される材料は、上述のように特定のユーザへのライナ10の適合を調整及びカスタマイズするのを助けるために伸縮可能であってもよい。ライナ10はまた、ユーザの鼻領域に対応するために、その一端72に切り欠き78又はくぼみ部分を含んでもよく、ライナ10が呼吸マスク上の所定の位置に保持される場合、ユーザに対してより遮られない視線を提供し得る。
【0026】
[0040] 銅は、人間の栄養に有益な天然鉱物である。銅は、抗菌性及び潜在的な創傷治癒特性を提供することも知られている。一実施形態では、本明細書に記載されるライナは、銅又は銅酸化物材料、例えばキュプロン(登録商標)などで製造されてもよい。
【0027】
[0041] 空気の含水量、(マスク材料との接触によるなどの)顔発汗、及び皮膚からの油により、呼吸マスク100、200、300は、ユーザの顔で滑り、したがって、空気を漏らす可能性がある。ライナ10の吸収性材料は、ユーザの皮膚から水分及び/又は油分を吸収し、それを顔及び顔係合部分112、212、312から吸い上げるように機能し、呼吸マスクが使用時のユーザの顔に対して一貫して快適な位置を維持することができるようにする。その結果、ユーザの皮膚に対する顔係合部分の適切な位置決めが維持され、それにより、空気の漏れを排除又は大幅に減少させ、ユーザが呼吸マスクをより快適に着用する能力を促進する。
【0028】
[0042] ライナ10の単層構造は、ユーザの顔の上のある種の「第2の皮膚」として機能し得る。このように、ライナ10は、ユーザの顔からの顔係合部分112、212、312の距離をさほど変化させないので、呼吸マスク100、200、300の所定の適合を損なうことなくその機能を提供することができる。ライナ10の使用により、ユーザの顔の顔係合部分からの圧迫痕も低減又は排除することができる。さらに、皮膚とマスク材料との直接の接触が回避されるので、吸収性のライナ材料は、呼吸マスクを着用しながらフェイシャルクリームを利用することを可能にする。
【0029】
[0043] 呼吸マスクは、顔全体、鼻、子供サイズ及び部分顔(ハイブリッド)構成など、様々な形状及びサイズで提供される。顔全体のマスクは通常、口の領域を覆うためのより広い下部領域と、鼻の領域を覆うためのより狭い上部領域と、を含む。鼻マスクは、口領域ではなく鼻領域を全体的に覆う。子供サイズのマスクは、それに比例してより小さいサイズを有する場合がある。部分顔(ハイブリッド)マスクは、全体的に口を覆い、かつ、鼻の境界面を含む場合がある。したがって、ライナ10の外縁14は、選択された呼吸マスクの顔係合部分の全体的な形状と同様の形状を有することができ、外縁14の形状は、顔係合部分の全体的な形状のスケーリングされたバージョンを表し得ると考えられる。
【0030】
[0044] 本明細書に開示されるライナ10及び保持部材50は、呼吸マスクの良好な適合に貢献し、ユーザに快適さを提供し、湿気を排除し、かつ、空気の漏れを低減又は排除することにより、ユーザにとってより快適で効果的なマスク着用体験を促進し得る。さらに、保持部材50を介して呼吸マスクにライナ10をつなぐことにより、一時的に呼吸マスクを取り外し、その後、ライナ10を再び位置決め又は交換する必要なく、その後にマスクを固定することが容易になる。
【0031】
[0045] 例示的な実施形態を上述したが、これらの実施形態が本発明のすべての可能な形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の用語であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることが理解される。さらに、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を形成することができる。
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