(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20230816BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230816BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230816BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230816BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 348Z
H04N5/64 551Z
G02F1/13357
G09F9/00 336G
H05K7/14 C
(21)【出願番号】P 2020026661
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宮内 恒治
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-292689(JP,A)
【文献】特開2003-077606(JP,A)
【文献】特開2006-054769(JP,A)
【文献】特開昭62-089092(JP,A)
【文献】特開2008-281622(JP,A)
【文献】特開2006-350216(JP,A)
【文献】特開2015-129862(JP,A)
【文献】特開2014-106497(JP,A)
【文献】特開2009-134081(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0162570(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0000916(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G09F 9/00 - 9/46
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置され、かつ前記筐体の外部に露出するコネクタと、
前記筐体の内部に配置され、かつ前記コネクタに接続されるコネクタ基板と、
前記コネクタに端子が挿入された際に発生する、前記コネクタ基板に対する垂直方向の圧力を吸収することができるように、前記コネクタの搭載位置を囲む範囲を含む前記コネクタ基板の一部と重畳して、前記コネクタ基板の背面に配置される支持部と、
前記筐体の内部に配置されるシャーシ部と、
前記支持部および前記シャーシ部を固定する固定部と、
前記支持部および前記コネクタ基板を固定する他の固定部とを備え
、
前記固定部および前記他の固定部は、前記コネクタ基板に加わった圧力が、前記支持部を通じて前記シャーシ部に伝わるように固定することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
異なる前記他の固定部を2つ以上備えており、
前記コネクタは、前記固定部と、前記2つ以上の他の固定部とによって囲まれる範囲に重畳していることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記固定部は、ビスであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記他の固定部は、ビスまたは接着剤であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体の正面に配置される表示パネルと、
前記表示パネルの背面に配置されるバックライトとを備えており、
前記シャーシ部は、前記バックライトの背面に配置されるバックライトシャーシであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記コネクタは、
前記電子機器を設置した状態において、前記表示パネルの下方に配置されており、
前記固定部は、前記バックライトシャーシの下端におけるいずれかの位置と、前記支持部とを固定することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記表示パネルは、前記表示パネルの背面が電子機器の設置面を向くように傾
斜していることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記支持部、前記シャーシ部、および前記固定部は、いずれも導電性を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、液晶セルに背部から光照射するバックライト用光源と、上記光源を収容して前面に上記液晶セルが配備されている内部筐体と、この内部筐体の背部に設置された配線基板と、この配線基板に搭載されたジャックと、上記内部筐体及び上記配線基板の外側に配備されて上記ジャックが臨む開口を備えている外部筐体と、を有するバックライト型液晶テレビジョン受像機において、上記ジャックが、その相手方コネクタであるプラグの差込み口部と、その差込み口部に差し込まれた上記プラグに対応する電気的接続部品を収容しているボディとを有して、それらの差込み口部の内部空間とボディの内部空間とによって当該ジャックを貫通する空間スペースが形成されていると共に、上記光源の光をジャックの上記空間スペースに導く導光路を有することを特徴とするバックライト型液晶テレビジョン受像機が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、ジャックにプラグを差し込んだ際、配線基板に掛かる圧力が、配線基板を通じて内部筐体および光学シートに伝わる。これにより、配線基板よりも内部にある内部筐体および光学シートに破損および変形などの不具合が生じる。
【0005】
本発明の一態様は、コネクタ基板よりも内部にある部品に不具合が生じることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、筐体と、前記筐体の内部に配置され、かつ前記筐体の外部に露出するコネクタと、前記筐体の内部に配置され、かつ前記コネクタに接続されるコネクタ基板と、前記コネクタ基板の背面に配置される支持部と、前記筐体の内部に配置されるシャーシ部と、前記支持部および前記シャーシ部を固定する固定部と、前記支持部および前記コネクタ基板を固定する他の固定部とを備えている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、コネクタ基板よりも内部にある部品に不具合が生じることを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の正面を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の側面を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の背面を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の側面の断面を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示パネル、バックライト、およびバックライトシャーシの位置関係を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の正面を、フロントキャビネットを表示装置から外した状態で示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置の背面を、バックキャビネットを表示装置から外した状態で示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る支持部がビスによって固定されている様子を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るコネクタ基板とビスとの関係を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るビスによって囲まれる範囲を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るビスの他の配置例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係るビスのさらに他の配置例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る支持部を1つのビスによって固定する例を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係るコネクタ基板および支持部が接着剤に固定されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(表示装置1の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の正面を示す図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の側面を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の背面を示す図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の側面の断面を示す図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15の位置関係を模式的に示す図である。
図5では、
図4の一部を拡大して模式的に示している。
【0010】
表示装置1は、静止画および動画像を含む各種の映像を表示可能な表示装置であり、例えばテレビジョン装置として実現される。
図1~
図5に示すように、表示装置1は、フロントキャビネット11、バックキャビネット12、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15(シャーシ部)を備えている。
【0011】
フロントキャビネット11は、表示装置1の筐体のうち前方部分を構成する。バックキャビネット12は、表示装置1の筐体のうち後方部分を構成する。フロントキャビネット11およびバックキャビネット12は、いずれも例えば樹脂によって構成されている。フロントキャビネット11は、筐体のうち表示装置1の正面部分を構成し、バックキャビネット12は、筐体のうち表示装置1の側面および背面部分を構成する。
【0012】
図2に示すように、表示装置1は、表示装置1の上端から下端に向かうに従って前後方向の厚さがより大きくなる構造の装置である。すなわち、表示装置1は、従来の薄型の表示装置に比べると、全体的に肉厚である。表示装置1の下端(バックキャビネット12の下端)は、表示装置1が自立して設置可能なほどの前後方向の厚さを有している。これにより、表示装置1は、スタンドなどの補助部品を必要とせずに、表示装置1のみで表示装置1の設置面に立たせることができる。設置面とは、表示装置1が設置される場所(床、テーブルなど)の表面のことである。
【0013】
表示パネル13は、バックライト14からの光を用いて情報を表示する表示パネルであり、例えば液晶表示パネルとして実現される。
図4に示すように、表示パネル13は、バックキャビネット12の正面に配置されている。すなわち、バックキャビネット12は、表示パネル13の背面に配置されている。バックライト14は、表示用の光を表示パネル13の背面に向かって照射する光源である。
図4に示すように、バックライト14は、バックキャビネット12の内部において、表示パネル13の背面に配置されている。バックライトシャーシ15は、バックライト14を収容する金属製のシャーシである。
図4に示すように、バックライトシャーシ15は、バックキャビネット12の内部において、バックライト14の背面に配置されている。
【0014】
図4および
図5に示すように、バックライト14は、LED(Light Emission Diode)基板21、複数のLED22(発光部、発光素子)、複数の拡散レンズ23、および反射シート24を備えている。図示の都合により、
図4および
図5では1つのLED22および1つの拡散レンズ23のみを図示している。各LED22および拡散レンズ23は、LED基板21上に搭載されており、かつ、表示パネル13の背面に配置されている。拡散レンズ23は、対応するLED22の周囲を取り囲むように配置されている。拡散レンズ23は、対応するLED22が発光した光を拡散させる。
【0015】
図5に示すように、LED基板21は、バックライトシャーシ15上に配置されており、かつ、反射シート24の背面に配置されている。すなわち、LED基板21のうち各LED22および各拡散レンズ23が搭載されない箇所上には、反射シート24が配置されている。言い換えれば、反射シート24は、各LED22および各拡散レンズ23を表示パネル13に向けて露出させると共に、LED基板21における各LED22および各拡散レンズ23が搭載されない箇所を覆い隠すようにバックライトシャーシ15上に配置されている。
【0016】
図2、
図4、および
図5に示すように、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15は、表示装置1の設置面に対して傾斜して配置されている。詳細には、表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15は、いずれも、それぞれの背面が設置面を向くように傾斜している。一方、バックキャビネット12は、表示装置1の設置面に対して直交している。詳細には、バックキャビネット12の底面における一点と、バックキャビネット12の上端における一点とを結ぶ直線が、設置面に対して直交している。ユーザが表示装置1を正面から視認した場合、表示パネル13の下端が表示パネル13の上端よりもユーザにより近くに位置する。すなわち、表示パネル13は、ユーザから見てその上部が表示装置1の奥側に傾いた状態で配置されている。
【0017】
図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の正面を、フロントキャビネット11を表示装置1から外した状態で示す図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の背面を、バックキャビネット12を表示装置1から外した状態で示す図である。
図1、
図4、
図6、および
図7に示すように、表示装置1は、コネクタ31、コネクタ基板32、および支持部33を備えている。
【0018】
コネクタ31は、バックキャビネット12の内部に配置されており、かつ、フロントキャビネット11の外部に露出している。また、コネクタ31は、表示パネル13の下方に配置されており、かつ、表示装置1の前面に露出している。コネクタ31は、USB(Universal Serial Bus)規格に適合したメス端子である。コネクタ31の開口面は、表示パネル13の表示面と略平行である。言い換えれば、コネクタ31の延伸方向は、表示パネル13の表示面と直交している。したがって、表示装置1のユーザは、コネクタ31に対して、USBメモリまたはUSBケーブルに備えられる、USB規格に適合したオス端子を、表示装置1の前面から背面に向かう方向に挿入する必要がある。
【0019】
コネクタ基板32は、バックキャビネット12の内部において、表示パネル13の下方に配置されており、かつ、コネクタ31に接続されている。コネクタ31は、コネクタ基板32における表示装置1の前面側の表面に搭載されている。支持部33は、コネクタ基板32の背面に配置され、かつコネクタ基板32をその背面から支持している。
【0020】
図8は、本発明の一実施形態に係る支持部33がビス41~43によって固定されている様子を示す図である。この図に示すように、表示装置1は、ビス41~43を備えている。ビス41(固定部)は、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定している。詳細には、ビス41は、支持部33およびバックライトシャーシ15をフロントキャビネット11にネジ止めすることによって、支持部33およびバックライトシャーシ15をフロントキャビネット11に固定している。すなわち、支持部33およびバックライトシャーシ15は、ビス41によって共締めされている。
【0021】
図8では、ビス41は、支持部33における紙面内左上隅の近辺に配置されている。さらに、ビス41は、バックライトシャーシ15の下端における略中央位置に配置されている。したがって、ビス41は、バックライトシャーシ15の下端における略中央位置と、支持部33とを固定している。
【0022】
ビス41は、バックライトシャーシ15をフロントキャビネット11にネジ止めする他のビスと、等間隔に配置されている。すなわち、バックライトシャーシ15は、等間隔に配置された複数のビスによってフロントキャビネット11に固定されている。これにより、表示装置1の外観への影響を最小限に抑えるができる。例えば、表示装置1の外観部品であるベゼルおよびフロントキャビネット11が波打つことを最小限に抑えることができる。
【0023】
ビス42(他の固定部)は、支持部33における紙面内左下隅の近辺に配置されている。ビス42は、この位置において、支持部33およびコネクタ基板32を固定している。詳細には、ビス42は、支持部33およびコネクタ基板32をフロントキャビネット11にネジ止めすることによって、支持部33およびコネクタ基板32を共にフロントキャビネット11に固定している。すなわち、支持部33およびコネクタ基板32は、ビス42によって共締めされている。
【0024】
ビス43(他の固定部)は、支持部33における紙面内右端部の中央位置に配置されている。また、ビス43は、この位置において、ビス42と同様に、支持部33およびコネクタ基板32を固定している。詳細には、ビス43は、支持部33およびコネクタ基板32をフロントキャビネット11にネジ止めすることによって、支持部33およびコネクタ基板32をフロントキャビネット11に共に固定している。すなわち、支持部33およびコネクタ基板32は、ビス43によって共締めされている。
【0025】
図8に示すように、支持部33は、コネクタ基板32に部分的に接触している。具体的には、支持部33の全体のうち、支持部33における上辺近辺の範囲51、下辺近辺の範囲52、および紙面内右側の右辺近辺の範囲53のみが、コネクタ基板32に接触している。これにより、コネクタ基板32の表面に露出する配線および電子部品に、支持部33が接触せずに済む。したがって、コネクタ基板32に搭載される電子部品を誤動作させることなく、支持部33およびコネクタ基板32を固定することができる。
【0026】
図9は、本発明の一実施形態に係るコネクタ基板32とビス41との関係を示す図である。
図9では、支持部33の図示を省略している。
図9に示すように、ビス41は、コネクタ基板32に挿入されていない。すなわち、ビス41は、コネクタ基板32およびバックライトシャーシ15を固定していない。なお、ビス41は、これに限らず、コネクタ基板32に挿入されていてもよい。すなわち、ビス41は、コネクタ基板32、支持部33、およびバックライトシャーシ15の全てを固定してもよい。この場合、コネクタ基板32、支持部33、およびバックライトシャーシ15の全てが、ビス42によって共締めされている。
【0027】
(主要な作用効果)
支持部33およびバックライトシャーシ15が固定され、かつ、コネクタ基板32および支持部33が固定されているので、支持部33はコネクタ基板32をその背面から十分に支持することができる。したがって、コネクタ31にUSBメモリなどを挿入した際に発生するコネクタ基板32に対する垂直方向の圧力を、支持部33によって吸収することができる。その結果、コネクタ基板32に加わる圧力が、コネクタ基板32よりもバックキャビネット12の内部側に配置される他の部材に伝わることがない。これにより、表示装置1の内部部品に破損および損傷などの不具合が生じることを防止できる。その結果、表示パネル13における情報の表示品位に影響を及ぼすことも防止できる。さらには、コネクタ31に対するUSBメモリなどの抜き差しによってコネクタ基板32がフロントキャビネット11から外れてしまうことも、防止できる。
【0028】
ビス41は、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定している。バックライトシャーシ15は、バックキャビネット12の内部に配置されている全部品のうち最も大きく、かつ比較的頑丈である。したがって、バックライトシャーシ15の位置は、バックキャビネット12の内部においてずれにくい。これにより、コネクタ基板32に加わる圧力が支持部33を通じてバックライトシャーシ15にまで伝わったとしても、当該圧力によってバックライトシャーシ15が動いたり変形したりする恐れがない。そのため、支持部33をその固定位置において安定的に固定し続けることができる。
【0029】
ビス41が、バックライトシャーシ15の下端における略中央位置と、支持部33とを固定している。すなわち、表示パネル13の下側にコネクタ31が配置されている。この場合、例えばスマートフォンなどの携帯端末を充電するために、携帯端末に接続されたUSBケーブルをコネクタ31に挿入した後、コネクタ31から携帯端末に伸びるケーブルは表示パネル13の下方に位置する。したがって、表示装置1のユーザが表示パネル13に表示されている映像を視聴することが、コネクタ31に挿入されたケーブルによって邪魔されることを、防止することができる。
【0030】
また、コネクタ31が表示パネル13の下側に配置されている場合、コネクタ31と、表示装置1が設置される設置面(床、テーブル等)との距離が近い。したがって、同じ設置面に携帯端末を置いた状態では、短いケーブルを用いて携帯端末を表示装置1に接続することができる。さらに、表示装置1の近くに置かれた携帯端末において表示されている映像が、表示装置1の表示パネル13にも表示される。したがって、表示装置1を視聴しているユーザは、表示パネル13に表示されている映像を視認しながら、携帯端末の表示画面を容易に確認することができる。
【0031】
表示パネル13の上部が表示装置1の奥側に傾斜しており、かつ、バックキャビネット12が表示装置1の設置面と直交しているため、表示パネル13の下方の位置と、バックキャビネット12の間の距離が長い。すなわち、表示パネル13の下方に配置されているコネクタ基板32および支持部33は、バックキャビネット12から離れている。このような構成では、コネクタ基板32をバックキャビネット12に固定しようとした場合、コネクタ基板32の位置からバックキャビネット12の位置まで延伸する長いビスを必要とするため、コネクタ基板32を安定して固定することは難しい。一方、本実施形態では、コネクタ基板32と、コネクタ基板32の近くに配置されているバックライトシャーシ15とを固定している。さらに、コネクタ基板32と、コネクタ基板32の近くに配置されている支持部33とを固定する。したがって、コネクタ基板32の固定に必要なビス41~43を短くすることができるため、コネクタ基板32を安定して固定することができる。
【0032】
バックライトシャーシ15、支持部33、およびビス41は、いずれも金属製の部品である。すなわち、バックライトシャーシ15、支持部33、およびビス41は、いずれも導電性を有している。したがって、支持部33は、ビス41を介してバックライトシャーシ15に導通している。バックライトシャーシ15は接地されているので、支持部33もバックライトシャーシ15と同様に接地されている。したがって、支持部33は、表示装置1の動作中に電気的に浮いた状態にならない。これにより、支持部33の浮遊電位によって、支持部33に近接した位置に配置されているコネクタ基板32が誤動作することを防止することができる。
【0033】
図10は、本発明の一実施形態に係るビス41~43によって囲まれる範囲61を示す図である。
図10の例では、表示装置1は、1つのビス41と、異なる2つのビス42および43とを備えている。コネクタ31は、支持部33の全体のうち、ビス41と、異なる2つのビス42とによって囲まれる範囲61に重畳している。範囲61は、支持部33の全体のうち、ビス41~43による支持部33の固定位置を互いに結ぶ3つの線によって囲まれる範囲であるとも言える。範囲61の各頂点に相当するビス41~43の装着位置と、バックライトシャーシ15またはコネクタ基板32とが固定されている。したがって、ビス41~43に囲まれる範囲61は、支持部33の全体のうち、バックライトシャーシ15およびコネクタ基板32と特に強く固定される範囲である。このような範囲61が、コネクタ基板32におけるコネクタ31の搭載位置の背面に配置されているため、コネクタ31にUSBメモリなどが挿入された際に生じるコネクタ基板32に加わる圧力を、範囲61によって十分に吸収することができる。
【0034】
(ビス41~43の他の配置例)
図11は、本発明の一実施形態に係るビス41~43の他の配置例を示す図である。
図12では、表示装置1は、3つのビス41~43を備えている。ビス41は、支持部33内の上部における紙面内右隅の位置に配置されている。すなわち、ビス41は、バックライトシャーシ15の下端における略中央位置よりも横方向にずれた位置に配置されている。ビス41は、この位置において、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定している。ビス42は、支持部33における紙面内左端の中央位置に配置されている。ビス42は、この位置において、支持部33およびコネクタ基板32を固定している。ビス43は、支持部33における紙面内右下隅の位置に配置されている。ビス44は、この位置において、支持部33およびコネクタ基板32を固定している。
【0035】
図11の例でも、コネクタ31は、支持部33におけるビス41~43によって囲まれる範囲61に重畳している。したがって、コネクタ31にUSBメモリなどが挿入された際、コネクタ基板32におけるコネクタ31の搭載位置を、支持部33における範囲61によって十分に支持することができる。
【0036】
図12は、本発明の一実施形態に係るビス41~43のさらに他の配置例を示す図である。
図12では、表示装置1は、3つのビス41~43を備えている。ビス41は、支持部33内の上部における紙面内右側に近い位置に配置されている。すなわち、ビス41は、バックライトシャーシ15の下端における略中央位置よりも横方向にずれた位置に配置されている。ビス41は、この位置において、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定している。ビス42は、支持部33における紙面内左下隅の位置に配置されている。ビス42は、この位置において、支持部33およびコネクタ基板32を固定している。ビス43は、支持部33における紙面内右下隅の位置に配置されている。ビス43は、この位置において、支持部33およびコネクタ基板32を固定している。
【0037】
図12の例でも、コネクタ31は、支持部33におけるビス41~43によって囲まれる範囲61に重畳している。したがって、コネクタ31にUSBメモリなどが挿入された際、コネクタ基板32におけるコネクタ31の搭載位置を、支持部33における範囲61によって十分に支持することができる。
【0038】
図13は、本発明の一実施形態に係る支持部33を4つのビス41~44によって固定する例を示す図である。この図の例では、表示装置1は、4つのビス41~44を備えている。ビス41~43は、
図8に示すビス41~43と同一であるため、その説明を省略する。ビス44は、支持部33における紙面内右上隅の近辺に配置されている。すなわち、すなわち、ビス44は、バックライトシャーシ15の下端における略中央位置よりも横方向にずれた位置に配置されている。ビス44は、この位置において、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定する。このように、
図13では、2つのビス41および44によって、支持部33およびバックライトシャーシ15が固定されている。また、2つのビス42および43によって、支持部33およびコネクタ基板32が固定されている。
【0039】
図13では、コネクタ31が、支持部33における4つのビス41~44によって囲まれる範囲62に重畳している。したがって、コネクタ31にUSBメモリなどが挿入された際、コネクタ基板32におけるコネクタ31の搭載位置を、支持部33における範囲62によって十分に支持することができる。
【0040】
(接着剤による固定)
図14は、本発明の一実施形態に係るコネクタ基板32および支持部33が接着剤によって固定されている様子を示す図である。この図の例では、表示装置1は、ビス41~43のうちビス41のみを備えている。すなわち、表示装置1は、コネクタ基板32および支持部33を固定するためのビス42および43は備えていない。その代わりに、表示装置1は、コネクタ基板32を支持部33に固定する接着剤(不図示、他の固定部)を備えている。
図14では、支持部33におけるコネクタ基板32に接する範囲51、52、および53が、接着剤によってコネクタ基板32に接着されている。コネクタ基板32は、フロントキャビネット11には単に接するのみであり、特に固定はされていない。しかし、コネクタ基板32はフロントキャビネット11に別途固定されていてもよい。
【0041】
図14の例では、ビス41によって、支持部33およびバックライトシャーシ15が固定されている。さらに、接着剤によって、支持部33およびコネクタ基板32に固定されている。したがって、支持部33は、コネクタ基板32の背面からコネクタ基板32を十分に支持することができる。すなわち、コネクタ31にUSBメモリなどを挿入した際、コネクタ基板32は支持部33によって支持されているので、コネクタ基板32に加わる圧力が、コネクタ基板32よりもバックキャビネット12の内部側に配置される他の部材に伝わることがない。これにより、表示装置1の内部部品に破損および損傷などの不具合が生じることを防止できる。
【0042】
(各種変形例)
表示装置1は、バックキャビネット12の内部においてコネクタ31の下方に配置されるスピーカを備えていてもよい。本例では、コネクタ31は、表示パネル13の下方であり、かつ、スピーカの上方に配置されている。さらに、表示パネル13の上部が表示装置の奥側に傾斜しており、かつ、表示パネル13の下端よりもさらに下方にコネクタ基板32が配置されている。したがって、コネクタ基板32からバックキャビネット12までの距離が長くなっている。そのため、支持部33と、表示装置1の内部に配置される部品の中で最も大きいバックライトシャーシとを共締めすることによって、コネクタ基板32を安定的に固定することができる。
【0043】
コネクタ基板32がバックキャビネット12に近ければ、バックキャビネット12を利用してコネクタ基板32を固定することが難しい。そこで、コネクタ基板32と、コネクタ基板32の近辺にある他の部材とを共締めすることにより、コネクタ基板32を安定的に固定することができる。すなわち、スピーカにおける上部のいずれかの位置において、コネクタ基板32およびスピーカを共締めしていても良い。
【0044】
スピーカは、表示パネル13の長軸方向と略平行に延伸していてもよい。複数のスピーカが、表示パネル13の長軸方向と略平行に配置されていても良い。スピーカは、表示パネル13の傾斜方向に平行な方向に沿って延伸していてもよい。
【0045】
ビス41は、バックライトシャーシ15における下端における略中央位置以外の任意の位置に配置されていてもよい。すなわち、ビス41は、バックライトシャーシ15における下端におけるいずれかの位置と、支持部33とを固定していていればよい。
【0046】
コネクタ31は、表示パネル13における上方、左側、または右側に配置されていてもよい。コネクタ31が表示パネル13の上方に配置されている場合、ビス41は、バックライトシャーシ15の上端におけるいずれかの位置と、支持部33とを共締めすることによって、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定する。コネクタ31が表示パネル13の左側に配置されている場合、ビス41は、バックライトシャーシ15の左端部におけるいずれかの位置と、支持部33とを共締めすることによって、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定する。コネクタ31が表示パネル13の右側に配置されている場合、ビス41は、バックライトシャーシ15の右端部におけるいずれかの位置と、支持部33とを共締めすることによって、支持部33およびバックライトシャーシ15を固定する。
【0047】
表示装置1は、設置面に対して傾斜しない表示パネル13、バックライト14、およびバックライトシャーシ15を備えていてもよい。すなわち、表示パネル13、バックライト14、バックライトシャーシ15は、いずれも、設置面に対して直交していてもよい。
【0048】
表示装置1は、テレビジョン装置に限らず、表示パネル13およびバックライト14を少なくとも備えた各種の電子機器であってもよい。このような電子機器として、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、またはノートパソコンなどが挙げられる。
【0049】
表示装置1は、支持部33およびコネクタ基板32を固定する2つ以上の異なるビスを備えていてもよい。例えば、表示装置1は、2つのビス42および43に加えて、これらのビス42および43による固定位置とは異なる位置で支持部33およびコネクタ基板32を固定するビスをさらに備えていてもよい。本構成においても、コネクタ31は、ビス41と、支持部33およびコネクタ基板32を固定する2つ以上のビスとによって囲まれる範囲に重畳していることが好ましい。
【0050】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、表示パネル13およびバックライト14を備えない電子機器であってもよい。すなわち、本発明の一実施形態に係る電子機器は、少なくともフロントキャビネット11、バックキャビネット12、シャーシ部、コネクタ31、支持部33、ビス41、およびビス43を備えている各種の電子機器としても実現され得る。このような電子機器として、例えば、USBコネクタを有するパーソナルコンピュータの本体などが挙げられる。
【0051】
表示装置1は、コネクタ基板32を引っかけるフックを備えていてもよい。フックは、例えばフロントキャビネット11の一部として、フロントキャビネット11に設けられる。コネクタ基板32をバックキャビネット12の内部に配置させる際、コネクタ基板32のいずれかの端部をフックに引っかける。これにより、コネクタ基板32のいずれかの端部が、フロントキャビネット11に固定される。本構成では、コネクタ31は、ビス42および43のうちいずれか一方のみを備えていればよい。また、コネクタ31は、ビス41、ビス42、およびフックによって囲まれる範囲に重畳していればよい。本構成においても、当該範囲によって、コネクタ基板32におけるコネクタ31の搭載位置の背面を十分に支持することができる。
【0052】
表示装置1は、ビス41~43のうち2つのビス41および43のみを備えていてもよい。本構成では、本構成では、コネクタ31は、ビス41とビス43とを結ぶ直線の範囲に重畳していればよい。本構成でも、支持部33の全体のうちビス41とビス43とを結ぶ直線の範囲は、バックライトシャーシ15およびコネクタ基板32を特に強く固定している範囲である。したがって、当該範囲によって、コネクタ基板32におけるコネクタ31の搭載位置の背面を十分に支持することができる。
【0053】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器は、筐体と、前記筐体の内部に配置され、かつ前記筐体の外部に露出するコネクタと、前記筐体の内部に配置され、かつ前記コネクタに接続されるコネクタ基板と、前記コネクタ基板の背面に配置される支持部と、前記筐体の内部に配置されるシャーシ部と、前記支持部および前記シャーシ部を固定する固定部と、前記支持部および前記コネクタ基板を固定する他の固定部とを備えている構成である。
【0054】
本発明の態様2に係る電子機器は、前記態様1において、異なる前記他の固定部を2つ以上備えており、前記コネクタは、前記固定部と、前記2つ以上の他の固定部とによって囲まれる範囲に重畳している構成であってもよい。
【0055】
本発明の態様3に係る電子機器は、前記態様1または2において、前記固定部は、ビスである構成であってもよい。
【0056】
本発明の態様4に係る電子機器は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記他の固定部は、ビスまたは接着剤である構成であってもよい。
【0057】
本発明の態様5に係る電子機器は、前記態様1~4のいずれかにおいて、前記筐体の正面に配置される表示パネルと、前記表示パネルの背面に配置されるバックライトとを備えており、前記シャーシ部は、前記バックライトの背面に配置されるバックライトシャーシである構成であってもよい。
【0058】
本発明の態様6に係る電子機器は、前記態様5において、前記コネクタは、前記表示パネルの下方に配置されており、前記固定部は、前記バックライトシャーシの下端におけるいずれかの位置と、前記支持部とを固定する構成であってもよい。
【0059】
本発明の態様7に係る電子機器は、前記態様6において、前記表示パネルは、前記表示パネルの背面が電子機器の設置面を向くように傾斜しており、前記筐体は、前記設置面に対して直交している構成であってもよい。
【0060】
本発明の態様8に係る電子機器は、前記態様1~7のいずれかにおいて、前記支持部、前記シャーシ部、および前記固定部は、いずれも導電性を有する構成であっても良い。
【0061】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 表示装置
11 フロントキャビネット
12 バックキャビネット
13 表示パネル
14 バックライト
15 バックライトシャーシ
21 LED基板
22 LED
23 拡散レンズ
24 反射シート
31 コネクタ
32 コネクタ基板
33 支持部
41、42、43、44 ビス
51、52、53、61、62 範囲