(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/56 20060101AFI20230817BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230817BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230817BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230817BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20230817BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20230817BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230817BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230817BHJP
A61K 31/727 20060101ALI20230817BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230817BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230817BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20230817BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20230817BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230817BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20230817BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230817BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230817BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230817BHJP
【FI】
A61K31/56
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/42
A61K8/55
A61K8/63
A61K8/73
A61K9/10
A61K31/727
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/18
A61K47/24
A61P17/00
A61P17/16
A61P29/00
A61P37/08
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020207807
(22)【出願日】2020-12-15
(62)【分割の表示】P 2020107146の分割
【原出願日】2020-06-22
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2019120114
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】衣笠 仁教
(72)【発明者】
【氏名】松岡 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 学
【審査官】愛清 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-031116(JP,A)
【文献】特開2001-181180(JP,A)
【文献】特開2018-193319(JP,A)
【文献】特開2013-216637(JP,A)
【文献】特開2010-064995(JP,A)
【文献】特開平09-255546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 8/00- 8/99
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61Q 19/00
A61P 17/00-17/18
A61P 29/00-29/02
A61P 37/00-37/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)~(E)を含有し、
成分(A)の含有量が0.3質量%以上2.5質量%以下、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.3以上2.0以下、成分(C)の含有量が0.1質量%以上1質量%以下、25℃におけるpHが4.0以上7.0以下である皮膚外用剤。
(A) 炭素数14以上20以下の脂肪族アルコールから選ばれる
2種以上
であって、以下の(a1)及び(a2)からなるもの
(a1)炭素数14以上18未満の脂肪族アルコール
(a2)炭素数18以上20以下の脂肪族アルコール
(B) 多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤から選ばれる2種以上
(C) N-アシルアミノ酸、N-アシルタウリン及びそれらの塩、並びにリン脂質から選ばれる1種以上
(D) ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤及びヘパリノイドから選ばれる1種以上
(E) 水
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.35以上1.0以下である請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
成分(A)と成分(C)の質量比(A)/(C)が1.0以上15以下である請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
成分(B)が、(b1)HLBが3以上7以下である多価アルコール脂肪酸エステルの1種以上と、(b2)HLBが11以上16
以下である多価アルコール脂肪酸エステルの1種以上とからなり、それらの質量比(b1)/(b2)が0.25以上4.0以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
成分(D)の含有量が、0.025質量%以上6.5質量%以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
成分(C)が、N-アシルグルタミン酸ナトリウム、N-アシルメチルタウリンナトリウム及び水添レシチンから選ばれる1種以上である請求項1~5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
更に成分(F)として、セラミド類を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症性の皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎の要因として、抗原(アレルゲン)に対する生体の過剰反応、すなわち免疫学的な異常と皮膚のバリア機能の異常が知られている。正常な皮膚では角層において、皮脂、アミノ酸、尿素などの天然保湿因子、セラミド、脂肪酸などの角質細胞間脂質が皮膚の水分量を一定に保っており、また、pHも弱酸性に保たれているのに対し、アトピー性皮膚炎では、角層におけるこれらの因子が減少し、角層が構造異常を起こし、皮膚のバリア機能が低下あるいは破壊され、さらにはpHが上昇していることが知られている。そのため皮膚内部からの水分蒸散が亢進し、角層の水分量も低下するとともに、皮膚外部からのアレルゲンが侵入しやすくなっている。そこでアトピー性皮膚炎の治療においては、一旦薬剤により炎症が改善したとしても、外用をやめてしまうと透過したアレルゲンにより症状がぶり返してしまうという問題があった。
【0003】
そこでこれまで、皮膚のバリア機能の改善を目的とした皮膚外用剤として数多くの提案がなされている。例えば、細胞間脂質成分、保湿成分及びリン脂質を含有する皮膚化粧料(特許文献1)、N-アシルグルタミン酸ジエステルとピロリドンカルボン酸変性ジメチルポリシロキサンを含有する皮膚外用剤(特許文献2)、特定のジアミド誘導体と角質細胞間脂質成分を含有する外用剤組成物(特許文献3)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-168763号公報
【文献】特開2007-210892号公報
【文献】特開2002-332208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの皮膚外用剤又は皮膚化粧料は、皮膚のバリア機能を改善するものではあるが、皮膚へのアレルゲンの接触・透過を低減する機能を有するものではなかった。したがって本発明は、弱酸性領域のpH下で乳化状態及び含有される薬剤を安定に保ちながら、皮膚疾患の症状を改善するだけでなく、皮膚のバリア機能を高め、さらに皮膚へのアレルゲンの接触・透過自体を抑制することのできる皮膚外用剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、高級アルコール、2種以上の特定の非イオン界面活性剤、リン脂質又は特定のアニオン界面活性剤、及び水を特定の量比で組み合わせてなるベース処方に、特定の薬効成分を含有することによって、弱酸性領域のpH下で塗布時の滑らかさ及び伸びに優れ、塗布後皮膚上で均一なラメラ構造を有する乾燥被膜を形成させることで前記薬効成分が安定に保持され効果的に皮膚疾患の炎症状態を改善できると共に、症状を再び悪化させる原因となるアレルゲンの透過を抑制できることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】
本発明は、以下の成分(A)~(E)を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.3以上2.0以下、成分(C)の含有量が0.1質量%以上1質量%以下、25℃におけるpHが4.0以上7.0未満である皮膚外用剤を提供するものである。
(A) 炭素数14以上20以下の脂肪族アルコールから選ばれる1種以上
(B) 多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤から選ばれる2種以上
(C) N-アシルアミノ酸、N-アシルタウリン及びそれらの塩、並びにリン脂質から選ばれる1種以上
(D) ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤及びヘパリノイドから選ばれる1種以上
(E) 水
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚外用剤は、皮膚疾患の症状を改善できるとともに、皮膚のバリア機能を高め、適度な透湿性を保ち、さらに皮膚へのアレルゲンの接触・透過自体を抑制することができ、しかも塗布時の滑らかさ及び伸びにも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔成分(A):炭素数14~20の脂肪族アルコール〕
成分(A)の炭素数14以上20以下の脂肪族アルコールとしては、直鎖脂肪族アルコールが好ましく、また、飽和脂肪族アルコールが好ましい。成分(A)の具体例としては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコールが挙げられる。
【0010】
成分(A)としては、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、乳化状態の保存安定性の観点から、炭素数の異なる2種以上の化合物を組み合わせて使用することが好ましい。更に、同様の観点から、成分(A)のうち、(a2)長鎖(炭素数18以上20以下)の脂肪族アルコールに対する、(a1)短鎖(炭素数14以上18未満)の脂肪族アルコールの質量比(a1)/(a2)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは1.0以上であり、また、好ましくは7.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である。
【0011】
本発明の皮膚外用剤中における成分(A)の含有量は、アレルゲン透過抑制の観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、また、薬剤の保存安定性の観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。
【0012】
〔成分(B):2種以上の多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤〕
成分(B)としては、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エスエル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられ、これらの2種以上を組み合わせて用いる。2種以上の多価アルコール脂肪酸エステルの組合せとしては、ラメラ構造を有する乾燥塗膜を形成する観点から、(b1)HLBが3以上7以下、より好ましくは4以上6以下である多価アルコール脂肪酸エステルの1種以上と、(b2)HLBが11以上16以下、より好ましくは13以上15以下である多価アルコール脂肪酸エステルの1種以上との組合せが好ましい。また、同様の観点から、これらの質量比(b1)/(b2)は、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.6以上であり、また、好ましくは4.0以下である、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
【0013】
本発明の皮膚外用剤中における成分(B)の含有量は、乳化状態の保存安定性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、塗布時の滑らかさの観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
【0014】
本発明の皮膚外用剤中における成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)は、アレルゲン透過抑制の観点から、0.3以上であって、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.4以上であり、また、塗布時の伸びの良さの観点から、2.0以下であって、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である。
【0015】
〔成分(C):N-アシルアミノ酸、N-アシルタウリン及びそれらの塩、リン脂質〕
成分(C)は、皮膚上に形成したラメラ構造を有する乾燥被膜にアレルゲン透過抑制機能を持たせる成分である。
【0016】
成分(C)のうちアシルアミノ酸及びアシルタウリンのアシル基は、乳化状態の保存安定性の観点から、飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖を有する脂肪酸又はそれらの混合脂肪酸を由来としたものが好ましく、直鎖脂肪酸又は直鎖脂肪酸の混合脂肪酸を由来としたものがより好ましく、その炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。かかるアシル基としては、皮膚刺激低減の観点から、カプリロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、及びココイル基から選ばれる1種以上が好ましく、パーム油などの動植物油由来のアシル基であってもよい。
【0017】
アシルアミノ酸のアミノ酸部分としては、薬剤の保存安定性の観点から、グルタミン酸、アスパラギン酸が好ましい。ここでグルタミン酸は、D体、L体あるいはD体とL体の混合物のいずれであってもよく、L体であるのが好ましい。かかるアシルアミノ酸としては、具体的には、乳化状態の保存安定性の観点から、N-ステアロイルグルタミン酸、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸、N-パーム脂肪酸グルタミン酸及びN-ラウロイルアスパラギン酸から選ばれる1種以上が好ましく、N-ステアロイルグルタミン酸及びN-パーム脂肪酸グルタミン酸から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0018】
アシルタウリンとしては、乳化状態の保存安定性の観点から、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン、N-カプロイルメチルタウリン、N-ラウロイルメチルタウリン、N-ミリストイルメチルタウリン、N-パルミトイルメチルタウリン、N-ステアロイルメチルタウリン、及びN-オレオイルメチルタウリンから選ばれる1種以上が好ましく、N-ステアロイルメチルタウリンがより好ましい。
【0019】
これらアシルアミノ酸及びアシルタウリンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、亜鉛塩等のその他の金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;アルギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩、オルニチン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、アシルアミノ酸塩及びアシルタウリンの塩としては、乳化状態の保存安定性の観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0020】
成分(C)のうちリン脂質としては、レシチン、水添レシチン、水酸化レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン等のグリセロリン脂質;スフィンゴミエリン、セラブロシド、ガングリオシド等のスフィンゴリン脂質などが挙げられる。このうち、アレルゲン透過抑制の観点から、水添レシチンが好ましく、大豆水添レシチンがより好ましい。
【0021】
成分(C)としては、上記具体的化合物のなかでも、乳化状態の保存安定性の観点から、N-アシルグルタミン酸ナトリウム、N-アシルメチルタウリンナトリウム及び水添レシチンに分類されるものが好ましい。以上の成分(C)は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の皮膚外用剤中における成分(C)の含有量は、アレルゲン透過抑制及び乳化状態の保存安定性向上の観点から、0.1質量%以上であって、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、塗布時の滑らかさ及びアレルゲン透過抑制の観点から、1.0質量%以下であって、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下である。
【0022】
本発明の皮膚外用剤中における成分(A)と成分(C)の質量比(A)/(C)は、アレルゲン透過抑制の観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、また、乳化状態の保存安定性の観点から、好ましくは15以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である。
【0023】
〔成分(D):ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、ヘパリノイド〕
成分(D)のうちステロイド系抗炎症剤としては、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、フルオシノニド、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルプレドナート、アムシノニド、ジフルコルトロン吉草酸エステル、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、デプロドンプロピオン酸エステル、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、クロベタゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、プレドニゾロン、デキサメタゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン吉草酸エステル、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウム、プレドニゾロン吉草酸エステル、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾンが挙げられる。
【0024】
成分(D)のうち非ステロイド系抗炎症剤としては、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、アクタリット、アセメタシン、アンピロキシカム、アンフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、エトドラク、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、テノキシカム、ナプロキセン、ピロキシカム、フェルビナク、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、メフェナム酸、メディコキシブ、メロキシカム、モフェゾラク、レフェコキシブ、ロキソプロフェン、ロベンザリット、ロルノキシカム、及びこれらの塩が挙げられ、このうち、薬剤の保存安定性の観点から、ウフェナマート、イブプロフェンピコノールから選ばれる1種以上が好ましい。
【0025】
本発明の皮膚外用剤中における成分(D)の含有量は、薬剤の有効性の観点から、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、乳化状態の保存安定性の観点から、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは5.5質量%以下である。
【0026】
より詳細には、成分(D)がステロイド系抗炎症剤である場合、その含有量は、上記と同様の観点から、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。また、成分(D)が非ステロイド系抗炎症剤である場合、その含有量は、上記と同様の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは4.5質量%以上であり、また、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは5.5質量%以下である。また、成分(D)がヘパリノイドである場合、その含有量は、上記と同様の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
【0027】
〔成分(E):水〕
本発明の皮膚外用剤中における成分(E)の含有量は、塗布時の伸びの良さの観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、アレルゲン透過抑制の観点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
【0028】
〔成分(F):セラミド類〕
本発明の皮膚外用剤には、皮膚のバリア機能をより改善させるため、成分(F)としてセラミド類を含有することができる。
【0029】
セラミド類としては、天然型セラミド及び擬似型セラミドから選ばれる1種以上が挙げられる。天然型セラミドの具体例としては、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1~7が挙げられ、更にこれらのN-アルキル体(例えばN-メチル体)も含まれる。擬似型セラミドの具体例としては、(N-ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシヘキサデカナミド、(N-ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシデカナミド、N-[2-(2,3-ジヒドロキシプロピルオキシ)-3-ヘキサデシルオキシプロピル]-N-3-メトキシプロピルテトラデカンアミドが挙げられる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤中における成分(F)の含有量は、皮膚のバリア機能の更なる向上の観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、塗布時の伸びの良さの観点から、好ましくは6.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である。
【0031】
〔pH〕
本発明の皮膚外用剤のpHは、正常な皮膚のpH環境に整える観点、及び成分(D)の安定性向上の観点から、7.0以下であって、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.0以下であり、また、皮膚刺激低減の観点から、4.0以上であって、好ましくは4.2以上、より好ましくは4.4以上である。
【0032】
本発明の皮膚外用剤が、成分(D)としてステロイド系抗炎症剤を含有する場合、そのpHは、成分(D)の安定性の観点から、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.8以下であり、乳化状態の保存安定性の観点から、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.2以上、更に好ましくは4.4以上である。
【0033】
本発明の皮膚外用剤が、成分(D)として非ステロイド系抗炎症剤を含有する場合、そのpHは、乳化状態の保存安定性の観点から、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6.0以下であり、同様の観点から、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.0以上である。
【0034】
本発明の皮膚外用剤が、成分(D)としてヘパリノイドを含有する場合、そのpHは、乳化状態の保存安定性の観点から、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6.0以下であり、同様の観点から、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.0以上である。
【0035】
〔その他の成分〕
本発明の皮膚外用剤は、炭化水素油、エーテル油、エステル油、シリコーン油フッ素系油、ワックス、コレステロール類誘導体、フィトステロール類誘導体、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル類、トリグリセライド類、ラノリン、ラノステロール類誘導体、ワセリン等の成分(A)以外の油剤、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール、増粘剤、殺菌剤、保湿剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、粉体、香料、抗炎症剤、美白剤、制汗剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を、適宜含有することができる。
【0036】
本発明の皮膚外用剤は、成分(A)~(E)を所定の割合で含有することにより、皮膚に塗布し、水分が蒸発することで、皮膚表面にラメラ構造を有する乾燥被膜を形成することができる。なお、ラメラ構造は、広角X線回折、偏光顕微鏡などによって確認することができる。
【0037】
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
【0038】
<1>
以下の成分(A)~(E)を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が0.3以上2.0以下、成分(C)の含有量が0.1質量%以上1質量%以下、25℃におけるpHが4.0以上7.0未満である皮膚外用剤。
(A) 炭素数14以上20以下の脂肪族アルコールから選ばれる1種以上
(B) 多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤から選ばれる2種以上
(C) N-アシルアミノ酸、N-アシルタウリン及びそれらの塩、並びにリン脂質から選ばれる1種以上
(D) ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤及びヘパリノイドから選ばれる1種以上
(E) 水
【0039】
<2>
好ましくは、成分(A)がミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びアラキルアルコールから選ばれる1種以上である<1>に記載の皮膚外用剤。
【0040】
<3>
好ましくは、成分(A)が炭素数の異なる2種以上の化合物の組み合わせである<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
【0041】
<4>
(a2)炭素数18以上20以下の脂肪族アルコールに対する、(a1)炭素数14以上18未満の脂肪族アルコールの質量比(a1)/(a2)が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは1.0以上であり、また、好ましくは7.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である<3>に記載の皮膚外用剤。
【0042】
<5>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、また、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である<1>~<4>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0043】
<6>
好ましくは、成分(B)がショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エスエル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等から選ばれる2種以上の組み合わせである<1>~<5>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0044】
<7>
好ましくは、成分(B)が(b1)HLBが3以上7以下、好ましくは4以上6以下である多価アルコール脂肪酸エステルの1種以上と、(b2)HLBが11以上16以下、好ましくは13以上15以下である多価アルコール脂肪酸エステルの1種以上とからなり、それらの質量比(b1)/(b2)が好ましくは0.25以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.6以上であり、また、好ましくは4.0以下である、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である<1>~<6>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0045】
<8>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である<1>~<7>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0046】
<9>
成分(A)と成分(B)の質量比(A)/(B)が、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.4以上であり、また、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である<1>~<8>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0047】
<10>
成分(C)のうちアシルアミノ酸及びアシルタウリンのアシル基が、好ましくは飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖を有する脂肪酸又はそれらの混合脂肪酸、より好ましくは直鎖脂肪酸又は直鎖脂肪酸の混合脂肪酸を由来としたものであり、その炭素数が、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である<1>~<9>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0048】
<11>
成分(C)のアシルアミノ酸又はその塩が、好ましくはN-ステアロイルグルタミン酸、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸、N-パーム脂肪酸グルタミン酸及びN-ラウロイルアスパラギン酸から選ばれる1種以上又はその塩、より好ましくはN-ステアロイルグルタミン酸又はその塩及びN-パーム脂肪酸グルタミン酸又はその塩から選ばれる1種以上である<1>~<10>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0049】
<12>
成分(C)のアシルタウリン又はその塩が、好ましくはヤシ油脂肪酸メチルタウリン、N-カプロイルメチルタウリン、N-ラウロイルメチルタウリン、N-ミリストイルメチルタウリン、N-パルミトイルメチルタウリン、N-ステアロイルメチルタウリン及びN-オレオイルメチルタウリンから選ばれる1種以上又はその塩、より好ましくはN-ステアロイルメチルタウリン又はその塩である<1>~<11>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0050】
<13>
成分(C)のリン脂質が、好ましくはレシチン、水添レシチン、水酸化レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、セラブロシド、ガングリオシドから選ばれる1種以上、より好ましくは水添レシチン、更に好ましくは大豆水添レシチンである<1>~<12>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0051】
<14>
成分(C)が、好ましくはN-アシルグルタミン酸ナトリウム、N-アシルメチルタウリンナトリウム及び水添レシチンから選ばれる1種以上である<1>~<13>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0052】
<15>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下である<1>~<14>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0053】
<16>
成分(A)と成分(C)の質量比(A)/(C)が、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、また、好ましくは15以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である<1>~<15>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0054】
<17>
成分(D)が、好ましくはプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ウフェナマート及びヘパリノイドから選ばれる1以上である<1>~<16>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0055】
<18>
成分(D)の含有量が、好ましくは0.025質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは5.5質量%以下である<1>~<17>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0056】
<19>
成分(E)の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である<1>~<18>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0057】
<20>
更に成分(F)として、セラミド類を含有する<1>~<19>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0058】
<21>
成分(F)の含有量が、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、好ましくは6.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である<20>に記載の皮膚外用剤。
【0059】
<22>
成分(D)としてステロイド系抗炎症剤を含有し、皮膚外用剤のpHが、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.8以下であり、また、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.2以上、更に好ましくは4.4以上である<1>~<21>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0060】
<23>
成分(D)として非ステロイド系抗炎症剤を含有し、皮膚外用剤のpHが、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6.0以下であり、また、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.0以上である<1>~<21>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【0061】
<24>
成分(D)としてヘパリノイドを含有し、皮膚外用剤のpHが、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6.0以下であり、また、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.0以上である<1>~<21>のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【実施例】
【0062】
実施例1~16、比較例1~5
表1~3に示す皮膚外用剤を調製し、下記の方法及び基準に従って、「アレルゲン透過抑制」、「薬剤安定性」、「乳化安定性」、「塗布時の滑らかさ」及び「塗布時の伸びの良さ」について評価した。
【0063】
〔アレルゲン透過抑制の評価方法〕
12質量%ポリアクリルアミドゲル(SDS-PAGE用)の上に組成物を10mg/cm2塗布し、室温で24時間乾燥させた。次に、その組成物の上にφ6mmのろ紙を静置し、20μLの色素水溶液(ファストグリーンFCF、0.02mg/20mL)で湿潤させた。32℃95%条件下で5時間静置後、ろ紙を取り除き、乾燥した組成物を水洗により取り除いた。乾燥した組成物を透過した色素の定量は、各組成物について3~4回、デンシトメーターを用いて行い、無塗布を1としたときの色素透過量を百分率で表し、下記の基準によって評価した。
A:20%未満
B:20%以上40%未満
C:40%以上60%未満
D:60%以上80%未満
E:80%以上
【0064】
〔薬剤の保存安定性の評価方法〕
製造直後の組成物を、液体クロマトグラフィー法又は紫外可視吸光度測定法により、各薬剤(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ウフェナマート又はヘパリノイド)の標準物質を用いた溶液と比較し、各薬剤の含有量を求める。次に組成物を50℃で1ヶ月保存し、保存後の組成物を、上記同様に標準物質を用いた溶液と比較し、各薬剤の含有量を求め、製造直後の組成物における含有量を1としたときの、残存量を百分率で表し、下記の基準によって評価した。
A:95%以上
B:90%以上95%未満
C:85%以上90%未満
D:80%以上85%未満
E:80%未満
【0065】
〔乳化状態の保存安定性の評価方法〕
50℃及び-5℃で1ヶ月保存後の組成物の状態(クリーミングか凝集のいずれか)を、目視により、下記の基準によって評価した。
A:変化なし
B:わずかに状態が変化
C:明らかに状態が変化
D:一部分離あるいはゲル化
E:全体が分離あるいはゲル化
【0066】
〔塗布時の滑らかさの評価方法〕
10名の専門パネラーが、各乳化組成物を塗布したときの滑らかさについて、官能評
価し、次の基準により判定した。
A:7名~10名が良好(良い)と評価
B:5名又は6名が良好(良い)と評価
C:3名又は4名が良好(良い)と評価
D:1名又は2名が良好(良い)と評価
E:良好(良い)と評価したパネラーなし
【0067】
〔塗布時の伸びの良さの評価方法〕
10名の専門パネラーが、各乳化組成物を塗布時の伸びの良さについて、官能評価
し、次の基準により判定した。
A:7名~10名が良好(良い)と評価
B:5名又は6名が良好(良い)と評価
C:3名又は4名が良好(良い)と評価
D:1名又は2名が良好(良い)と評価
E:良好(良い)と評価したパネラーなし
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
実施例17
下記処方の皮膚外用剤を調製し、前述の方法に従って「アレルゲン透過抑制」、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の伸びの良さ」について評価したところ、それぞれ「B」、「B」、「B」であった。
(質量%)
(a2)ステアリルアルコール 3.0
(b2)モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.9
(b1)モノステアリン酸ソルビタン 0.6
(C)大豆水添レシチン 0.4
(C)N-ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 0.1
(D)ヘパリノイド 0.3
(F)N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド
3.0
スクワラン 1.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
メチルパラベン 0.2
コハク酸 pH調整量
(E)水 残量
pH=5.1
(a1)/(a2)=0
(b1)/(b2)=0.67
(A)/(B)=2.00
(A)/(C)=6.00