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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/36 20060101AFI20230818BHJP
   E05F 5/00 20170101ALI20230818BHJP
   E05F 5/02 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
E06B7/36 F
E05F5/00 D
E05F5/02 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019191193
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2021067014
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】安部 光太郎
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-72621(JP,A)
【文献】特開平8-82157(JP,A)
【文献】特開2010-196392(JP,A)
【文献】特開2009-203663(JP,A)
【文献】特開2017-8649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0157319(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/36
E05F 5/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸体の開閉移動により開口部を開閉可能な開閉装置であって、
前記戸体の開閉移動に伴って前記戸体が移動する第1移動方向に移動可能であると共に、前記戸体の前記第1移動方向に交差する交差方向に移動可能なピンと、
前記戸体が所定速度以上で移動された場合に前記戸体の開閉動作を一旦停止させるように前記ピンが衝突するストッパ部と、
前記戸体が所定速度以上で移動された場合に、前記ピンが前記ストッパ部に衝突した後に前記ピンを前記交差方向に落下誘導し、前記戸体が所定速度よりも遅い速度で移動された場合に、前記戸体の開閉動作を停止させずに前記ストッパ部の手前において前記ピンを前記交差方向に落下誘導する誘導部と、を備える開閉装置。
【請求項2】
前記ピンが前記ストッパ部に向かう場合に前記ピンが前記第1移動方向に移動されることが可能な上流側経路と、
前記誘導部により前記交差方向に誘導された前記ピンが前記第1移動方向に移動されることが可能な下流側経路と、
前記下流側経路における前記第1移動方向側の端部と反対の端部側から前記上流側経路側に延びて形成され前記上流側経路の途中に合流する戻り経路と、
前記上流側経路と前記戻り経路とが合流する部分に配置される開閉部であって、前記ピンが前記上流側経路を移動する場合に前記戻り経路を閉鎖して前記上流側経路を形成し、前記ピンが前記戻り経路から前記上流側経路に移動する場合に、前記ピンが前記戻り経路から前記上流側経路へ移動する経路を開放する開閉部と、を備える請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記ピンは、前記誘導部により前記交差方向に誘導される場合に、自重により下方に誘導される、請求項1又は2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記ピンは、前記戸体の上部側において前記戸体の見込方向に延びるように設けられ、
前記ストッパ部は、開口部の上部側に設けられる、請求項1~3のいずれかに記載の開閉装置。
【請求項5】
前記ピンは、前記ピンの中心軸を回転軸として回転可能である、請求項1~4のいずれかに記載の開閉装置。
【請求項6】
前記ピンの中心軸から離れた位置に形成された回動軸を中心に回動可能に前記ピンを支持するアーム部材を備える請求項1~5のいずれかに記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸体の開閉移動により開口部を開閉可能な開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障子(戸体)の開閉移動により開口部を開閉可能な開閉装置が知られている。開閉装置において、障子を開くと自動的に飛び出すストッパを備え、ストッパが障子と枠体との間に配置されることにより指挟み防止機能を実現するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭57-1264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の開閉装置においては、障子を閉じる際にストッパを手で跳ね上げてストッパを収納する必要があるため、ストッパを収納する操作が煩雑である。また、ストッパが飛び出した状態であると、ストッパが人に接触する可能性がある。
【0005】
本発明は、指挟み防止機構の操作を容易に行うことができ、指挟み防止機構の構成部材が人に接触することを防止できる開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、戸体の開閉移動により開口部を開閉可能な開閉装置であって、前記戸体の開閉移動に伴って前記戸体が移動する第1移動方向に移動可能であると共に、前記戸体の前記第1移動方向に交差する交差方向に移動可能なピンと、前記戸体が所定速度以上で移動された場合に前記戸体の開閉動作を一旦停止させるように前記ピンが衝突するストッパ部と、前記戸体が所定速度以上で移動された場合に、前記ピンが前記ストッパ部に衝突した後に前記ピンを前記交差方向に誘導し、前記戸体が所定速度よりも遅い速度で移動された場合に、前記戸体の開閉動作を停止させずに前記ストッパ部の手前において前記ピンを前記交差方向に誘導する誘導部と、を備える開閉装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る開閉装置を室外側から見た場合の正面図である。
図2】第1実施形態のストッパ装置を室外側から見た斜視図である。
図3】第1実施形態のストッパ装置を室内側から見た斜視図である。
図4】第1実施形態のストッパ装置において、先端側ピンが自重で落ちる動作を示す図である。
図5】第1実施形態のストッパ装置において、先端側ピンが戻り移動経路を移動する動作を示す図である。
図6】第2実施形態のストッパ装置を室外側から見た斜視図である。
図7】第2実施形態のストッパ装置において、先端側ピンが自重で落ちる動作を示す図である。
図8】第2実施形態のストッパ装置において、先端側ピンが戻り移動経路を移動する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物に配置された枠体20の開口部20aに納められた障子におけるガラスの面方向を意味し、「見込方向」とは、上記ガラスの厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。
【0009】
第1実施形態の開閉装置1は、いわゆる引き違い窓であり、図1に示すように、枠体20と、枠体20内に開閉可能に嵌め込まれた内障子30(戸体)及び外障子40と、ストッパ装置50と、を備える。開閉装置1は、内障子30及び外障子40により開口部20aを開閉可能である。
【0010】
枠体20は、上枠21、下枠22および左右の縦枠23,24により矩形に枠組みされている。
【0011】
上枠21は、長尺状に形成され、枠体20の上部において見付方向に延びる。上枠21は、図2に示すように、下方に向けて開放して形成され、内障子30が左右方向にスライド可能な内障子用上部ガイドレール211と、外障子40が左右方向に移動可能な外障子用上部ガイドレール212と、を有する。
【0012】
下枠22は、図1に示すように、長尺状に形成され、枠体20の下部において見付方向に延びる。下枠22は、上方に向けて開放して形成され、内障子30が左右方向にスライド可能な内障子用下部ガイドレール(図示せず)と、外障子40が左右方向にスライド可能外障子用下部ガイドレール(図示せず)と、を有する。
【0013】
左右の縦枠23,24は、上枠21及び下枠22の見付方向の両端部において上下方向に延びる。左右の縦枠23,24は、長尺状に形成され、枠体20の側部を構成する。
【0014】
内障子30および外障子40は、いずれも引き戸であり、これらを見付方向にスライドさせることで、枠体20の開口部20aが開放又は閉鎖される、いわゆる引き違い窓を構成する。
【0015】
内障子30は、図1に示すように、いずれも長尺状の上框31、下框32および左右の縦框である召内框33,戸先框34により矩形に枠組みされた框体35と、框体35内に嵌め込まれて固定されたガラス36と、を含んで構成される。
【0016】
外障子40は、図1に示すように、いずれも長尺状の上框41、下框42および左右の縦框である召外框43,戸先框44により矩形に枠組みされた框体45と、框体45内に嵌め込まれて固定されたガラス46と、を含んで構成される。
【0017】
ストッパ装置50について説明する。本実施形態においては、図1の左右方向を左右方向Xといい、左右方向Xにおける一方側(図1及び図2における左側、図3における右側)をX1側といい、左右方向Xにおける他方側(図1及び図2における右側、図3における左側)をX2側という。また、上下方向を上下方向Zという。また、内障子30を枠体20のX2側(図1における右側)において閉める方向(X1側からX2側に移動される方向)を第1移動方向D1といい、内障子30を枠体20のX2側(図1の右側)において開ける方向(X2側からX1側に移動される方向)を第2移動方向D2という。
【0018】
ストッパ装置50は、指挟み防止機構を備えている。ストッパ装置50は、図2及び図3に示すように、ストッパ装置本体60と、操作アーム部70と、を備える。ストッパ装置本体60(ストッパ部65)は、枠体20の上枠21の左右方向XのX2側の端部側に固定されることで、開口部20aの上部側における上端側の縁部に設けられる。操作アーム部70(先端側ピン74)は、内障子30の上框31の左右方向XのX2側に固定されることで、内障子30の上部側における上端部に設けられる。内障子30が第1移動方向D1に移動されることで、操作アーム部70は、ストッパ装置本体60に導入される。内障子30が所定速度よりも速い速度で閉められた場合に、内障子30が枠体20の縦枠24に衝突することを防止できる。
【0019】
ストッパ装置本体60は、図2に示すように、ベース部材61と、導入出ガイド部62と、戻り用開閉板63(開閉部)と、経路延在板64と、ストッパ部65と、衝突支持部66と、を有する。また、ストッパ装置本体60は、操作アーム部70の先端側ピン74が移動するピン移動経路として、第1移動経路K1(上流側経路)と、落下誘導連通部67(誘導部)と、第2移動経路K2(下流側経路)と、戻り移動経路K3(戻り経路)と、を有する。
【0020】
ベース部材61は、断面視L字状に形成され、上面板611と、側面板612と、を有する。上面板611は、見込方向に幅を有して左右方向Xに延びて形成され、L字部材611aを介して上枠21に固定される。側面板612は、上面板611の見込方向の室内側の端部から下方に延び、かつ、上下方向Zに幅を有して左右方向Xに延びて形成される。ベース部材61の側面板612の室外側の面には、第1移動経路K1、落下誘導連通部67、第2移動経路K2及び戻り移動経路K3が形成される。
【0021】
第1移動経路K1は、ベース部材61の左右方向XのX1側の上方側において左右方向Xに延びる。第1移動経路K1は、先端側ピン74がストッパ部65に向かう場合に、先端側ピン74が第1移動方向D1に移動されることが可能な経路である。第1移動経路K1は、導入出ガイド部62の入口側傾斜ガイド部621の上面側、中間平面ガイド部622の上面側、及び、戻り用開閉板63の上面側、経路延在板64の上面板641の上面側を通り、ストッパ部65までの経路である。
【0022】
第2移動経路K2(下流側経路)は、第1移動経路K1の左右方向XのX2側の端部の下部に形成された落下誘導連通部67を介して、第1移動経路K1の左右方向XのX2側の端部の下方に連通して形成され、第1移動経路K1の左右方向XのX2側の端部の下方から、左右方向XのX2側に延びる。第2移動経路K2は、落下誘導連通部67により誘導された先端側ピン74が第1移動方向D1に移動されることが可能な経路である。
【0023】
戻り移動経路K3(戻り経路)は、第2移動経路K2における第1移動方向D1側の端部と反対の端部側から第1移動経路K1側に延びて形成され、第1移動経路K1の途中に合流する経路である。戻り移動経路K3は、経路延在板64の上面板641の下方側、及び、戻り用開閉板63と導入出ガイド部62の戻り側傾斜ガイド部623との間を通り、第1移動経路K1の途中に合流する経路である。
【0024】
導入出ガイド部62は、ベース部材61の側面板612の室外側の面において、左右方向XのX1側の下方側に配置される。導入出ガイド部62は、入口側傾斜ガイド部621と、中間平面ガイド部622と、戻り側傾斜ガイド部623と、を有する。
【0025】
入口側傾斜ガイド部621は、ストッパ装置本体60の入口側である左右方向XのX1側に配置され、左右方向XのX1側からX2側に向かうに従って下方側から上方側に向かうように傾斜して延びる。
中間平面ガイド部622は、入口側傾斜ガイド部621の左右方向XのX2側の端部から、左右方向XのX2側に水平に所定長さ延びる。
戻り側傾斜ガイド部623は、中間平面ガイド部622の左右方向XのX2側に配置され、中間平面ガイド部622の左右方向XのX2側の端部から、左右方向XのX2側に向かうに従って上方側から下方側に向かうように傾斜して延びる。
【0026】
戻り用開閉板63は、左右方向Xに水平に延びる板状に形成され、導入出ガイド部62の戻り側傾斜ガイド部623の上方側に配置される。戻り用開閉板63は、左右方向XのX2側の基端が、見込方向に延びる回動軸J3を中心に回動可能に、経路延在板64の上面板641の左右方向XのX1側の端部に接続され、左右方向XのX1側の先端が、戻り側傾斜ガイド部623の左右方向XのX1側の上端部に当接して配置される。経路延在板64は、断面視L字状に形成され、上面板641及び取付板642を有する。経路延在板64は、取付板642においてベース部材61に固定され、上面板641は、戻り用開閉板63と同一面上に延びる。
【0027】
戻り用開閉板63は、第1移動経路K1と戻り移動経路K3とが合流する部分に配置され、先端側ピン74が第1移動経路K1を移動する場合に戻り移動経路K3を閉鎖して第1移動経路K1を形成し、先端側ピン74が戻り移動経路K3から第1移動経路K1に移動する場合に、先端側ピン74が下方から押し上げることで閉位置から回動軸J3を中心に上方側に回動して、先端側ピン74が戻り移動経路K3から第1移動経路K1へ移動する経路を開放する。
【0028】
ストッパ部65は、第1移動経路K1のX方向のX2側の端部に配置される。ストッパ部65は、内障子30が所定速度以上の速度で移動された場合に、内障子30の開閉動作を一旦停止させるように先端側ピン74(後述)が衝突する。ストッパ部65は、L字状に形成され、上下方向及び見込方向に延びる板状の衝突板651と、衝突板651の室内側の端部からX1側に延びる取付板652と、を有する。ストッパ部65の取付板652は、ベース部材61に固定される。
【0029】
衝突板651は、経路延在板64の上面板641の上面の上下方向Zの位置から上方側に延びて形成され、左右方向XのX1側を向く衝突面を有する。衝突板651の左右方向XのX2側の面には、衝突支持部66の対向支持板661に貫通されたネジ661aの先端が当接している。衝突支持部66は、L字状に形成され、衝突板651のX2側に対向して配置される対向支持板661と、対向支持板661の室内側の端部からX2側に延びる取付板662と、を有する。衝突支持部66の取付板662は、ベース部材61に固定される。衝突支持部66の対向支持板661に貫通して配置されたネジ661aは、先端側ピン74が衝突板651に衝突した際に、衝突板651を左右方向XのX2側の面において支持する。
【0030】
衝突板651の左右方向XのX1側の手前の下部には、第2移動経路K2に連通する落下誘導連通部67(誘導部)が形成されている。落下誘導連通部67は、衝突板651の下端部と経路延在板64の上面板641の左右方向のX2側の端部との間の隙間により構成される。
【0031】
落下誘導連通部67は、内障子30が所定速度以上で移動された場合に、先端側ピン74がストッパ部65に衝突した後に先端側ピン74を下方(交差方向)に誘導し、内障子30が所定速度よりも遅い速度で移動された場合に、内障子30の開閉動作を停止させずにストッパ部65の手前において先端側ピン74を下方(交差方向)に誘導する。
【0032】
落下誘導連通部67の隙間の左右方向Xの長さL(図2参照)は、図3に示すように、ネジ613aにより、ベース部材61に形成された長孔613におけるストッパ部65の固定位置を調整することで調整できる。落下誘導連通部67の隙間の左右方向Xの長さLは、先端側ピン74が通過可能な長さであって、内障子30が所定速度以上の速度で第1移動方向D1に移動して先端側ピン74がストッパ装置本体60に導入された場合に、先端側ピン74が、落下誘導連通部67の隙間から落下する前に、衝突板651に衝突することが可能な長さに設定できる。
【0033】
落下誘導連通部67の隙間の左右方向Xの長さLを調整することで、先端側ピン74が、第1移動方向D1に移動された場合に、衝突板651に衝突して一旦停止する場合の所定速度を設定できる。具体的には、落下誘導連通部67の隙間の左右方向Xの長さLを長くした場合には、先端側ピン74の速度が遅い場合はもちろん、先端側ピン74の速度がある程度速い場合においても、先端側ピン74が衝突板651に到達する前に落下誘導連通部67の隙間から落下する。一方、落下誘導連通部67の隙間の左右方向Xの長さLを短くした場合には、先端側ピン74の速度が速い場合はもちろん、先端側ピン74の速度がある程度遅い場合においても、先端側ピン74が落下誘導連通部67の隙間から落下する前に衝突板651に衝突する。
よって、落下誘導連通部67の隙間の左右方向Xの長さLを調整することで、先端側ピン74が、衝突板651に衝突して一旦停止する場合の所定速度を設定できる。
【0034】
操作アーム部70は、図2及び図3に示すように、内障子30の上框31の左右方向XのX2側の端部に配置される。操作アーム部70は、内障子30が左右方向XのX2側において閉まる側に移動された場合に、ストッパ装置本体60に導入される。操作アーム部70は、操作側ベース部材71と、アーム板72(アーム部材)と、アーム板規制部73と、先端側ピン74(ピン)と、を有する。
【0035】
操作側ベース部材71は、図3に示すように、長方形の板状に形成される。操作側ベース部材71は、内障子30の上框31の左右方向XのX2側の端部において、室内側の面に固定される。
【0036】
アーム板72は、長尺の板状に形成され、操作側ベース部材71に取り付られる。アーム板72は、操作側ベース部材71から左右方向XのX1側に突出する。アーム板72は、基端側が回動軸J1を中心に回動可能に操作側ベース部材71に接続され、先端側には、室内側に突出する先端側ピン74が取り付けられる。
【0037】
アーム板72は、見込方向に延びる回動軸J1を中心に回動可能に先端側ピン74を支持する。回動軸J1は、先端側ピン74の中心軸から離れた位置に形成されている。アーム板72は、アーム板規制部73により、下方側への移動が規制されている。これにより、アーム板72は、アーム板規制部73により、水平方向に対する下方側への傾斜角度が一定角度以上に大きくならないように規制される。
【0038】
先端側ピン74は、アーム板72の先端側において、アーム板72の室内側の面から室内側に筒状に突出する。先端側ピン74は、先端側ピン74の見込方向に延びる中心軸を回転軸J2として回転可能である。
【0039】
先端側ピン74は、内障子30の開閉移動に伴って内障子30が移動する第1移動方向D1に移動可能に構成されると共に、自重によりアーム板72の基端の回動軸J1を中心に回動することで、内障子30の上下方向Z(第1移動方向D1に交差する交差方向)に移動可能に構成される。これにより、先端側ピン74は、アーム板72の回動軸J1を中心に円弧を描きながら上下方向に移動可能に構成される。先端側ピン74は、前述の通り、第1移動経路K1の左右方向XのX2側の端部に移動された場合に、落下誘導連通部67により、下方(交差方向)に誘導される。本実施形態においては、先端側ピン74は、落下誘導連通部67により、下方(交差方向)に誘導される場合に、自重により下方に誘導される。
【0040】
アーム板規制部73は、図3に示すように、アーム板72の長手方向の基端の下方側に配置され、操作側ベース部材71に固定される。アーム板規制部73は、円筒状に形成され、操作側ベース部材71から室内側に突出する。アーム板規制部73は、アーム板72が先端側ピン74の自重により回動軸J1を中心に下方に回動した場合に、アーム板規制部73の外周面がアーム板72に当接することで、アーム板72の下方側の回動を規制する。
【0041】
次に、第1実施形態の開閉装置1のストッパ装置50の動作について説明する。
まず、図4に示すように、内障子30を、左右方向XのX2側において、開位置から、第1移動方向D1に移動させて、内障子30を閉める場合について説明する。
【0042】
内障子30を閉めることで、内障子30は、ストッパ装置本体60に向けて第1移動方向D1に移動される。これにより、図4の上段の図に示すように、操作アーム部70の先端側ピン74が、ストッパ装置本体60に導入される。ストッパ装置本体60に導入された先端側ピン74は、アーム板規制部73によりアーム板72の下方側の回動を規制された状態で、自重により、アーム板72の回動軸J1を中心に円弧を描きながら上下方向に移動可能な状態である。
【0043】
内障子30が所定速度以上で閉められた場合に、図4の上段の図に示すように、ストッパ装置本体60に導入された操作アーム部70の先端側ピン74は、第1移動経路K1に沿って移動し、図4の中段の図に示すように、ストッパ部65の衝突板651に衝突する。これにより、ストッパ部65の衝突板651に先端側ピン74が衝突した位置において、内障子30は一旦停止する。その後、図4の下段の図に示すように、操作アーム部70の先端側ピン74は、自重により、落下誘導連通部67の隙間から、下方側の第2移動経路K2に落下する。先端側ピン74は、落下した後に、内障子30が閉められることで、図5の上段の図に示すように、第2移動経路K2を左右方向XのX1側からX2側に移動される。
【0044】
内障子30が一旦停止する所定速度以上とは、例えば、仮にストッパ装置50が存在しない場合に、内障子30が勢いよく閉まる速度以上を意味する。本実施形態においては、内障子30が所定速度以上で閉められた場合には、先端側ピン74が衝突板651に衝突することで、内障子30が枠体20の縦枠24に勢いよく衝突することが抑制されて、内障子30は一旦停止する。
【0045】
一方、内障子30が所定速度よりも遅い速度で閉められた場合には、図4の上段の図において、ストッパ装置本体60に導入された先端側ピン74は、第1移動経路K1に沿って移動する。そして、図4の下段の図に示すように、先端側ピン74は、落下誘導連通部67の隙間から、先端側ピン74が衝突板651に接触せずに又は接触して、下方側の第2移動経路K2に落下して、内障子30は、停止せずに第2移動方向D2に移動される。これにより、内障子30は、図5の上段の図に示すように、第1移動方向D1に移動されて、閉められる。
【0046】
内障子30が停止せずに閉められる所定速度よりも遅い速度とは、例えば、内障子30を閉める際に内障子30が勢いよく閉まる速度よりも遅い速度を意味する。本実施形態においては、内障子30が所定速度よりも遅い速度で閉められた場合には、先端側ピン74が衝突板651に勢いよく衝突せずに、内障子30は停止せずに閉められる。なお、この場合、先端側ピン74は、衝突板651に接触して落下誘導連通部67に誘導よりされてもよいし、衝突板651に接触せずに落下誘導連通部67により誘導されてもよい。
【0047】
次に、図5の上段に示す内障子30の閉位置から、左右方向XのX1側の第2移動方向D2に移動させて、内障子30を開ける場合について説明する。
【0048】
内障子30を開ける場合には、図5の上段に示す内障子30の閉位置から、内障子30を第2移動方向D2に移動させる。内障子30を第2移動方向D2に移動させることで、先端側ピン74は、第2移動経路K2において、第2移動方向D2に移動され、戻り移動経路K3に導入される。
【0049】
戻り移動経路K3に導入された先端側ピン74は、戻り移動経路K3から第1移動経路K1に移動する場合に、上下方向Zに移動可能であるため、図5の下段の図に示すように、戻り用開閉板63を下方側から押し上げる。これにより、先端側ピン74は、回動軸J3を中心に戻り用開閉板63を回動させて、戻り移動経路K3から第1移動経路K1へ移動する経路を開放する。そして、先端側ピン74は、第1移動経路K1の途中に戻り、第1移動経路K1を第2移動方向D2に移動されることで、内障子30を第2移動方向D2に移動させて、内障子30を開けることができる。
【0050】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態の開閉装置1は、内障子30の開閉移動に伴って内障子30が移動する第1移動方向D1に移動可能であると共に、内障子30の上下方向Zに移動可能な先端側ピン74と、内障子30が所定速度以上で移動された場合に内障子30の開閉動作を一旦停止させるように先端側ピン74が衝突するストッパ部65と、内障子30が所定速度以上で移動された場合に、先端側ピン74がストッパ部65に衝突した後に先端側ピン74を交差方向に誘導し、内障子30が所定速度よりも遅い速度で移動された場合に、内障子30の開閉動作を停止させずにストッパ部65の手前において先端側ピン74を下方に誘導する落下誘導連通部67と、を備える。これにより、内障子30を第1移動方向D1に移動させるだけで、指挟み防止機構の操作を容易に行うことができ、指挟み防止機構を構成する構成部材が内障子30と枠体20の縦枠24との間に突出しないため、指挟み防止機構を構成する構成部材が人に接触することを防止できる。
【0051】
また、本実施形態においては、第1移動経路K1と戻り移動経路K3とが合流する部分に配置され、先端側ピン74が第1移動経路K1を移動する場合に戻り移動経路K3を閉鎖して第1移動経路K1を形成し、先端側ピン74が戻り移動経路K3から第1移動経路K1に移動する場合に、先端側ピン74が戻り移動経路K3から第1移動経路K1へ移動する経路を開放する戻り用開閉板63を備える。そのため、指挟み防止機能の操作後に、内障子30を第1移動方向D1と反対の第2移動方向D2に移動させることで、先端側ピン74により戻り用開閉板63を開放させて、先端側ピン74が戻り移動経路K3から第1移動経路K1へ移動させることができる。これにより、内障子30を、第1移動方向D1と反対の第2移動方向D2に容易に移動させることができ、内障子30を作動前の状態に復帰させる構成を簡易な構成で実現できる。
【0052】
また、本実施形態においては、先端側ピン74は、落下誘導連通部67により下方に誘導される場合に、自重により下方に誘導される。そのため、簡易な構成で、先端側ピン74を下方に誘導させて、内障子30を第2移動経路K2側に誘導させることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、先端側ピン74は、内障子30の上部側に設けられ、ストッパ部65は、開口部20aの上部側に設けられる。そのため、人の手の届かない場所に、ストッパ装置50を設置できる。これにより、ストッパ装置50を構成する構成部材を上部側に配置できるため、ストッパ装置50を構成する構成部材が、人の指、頭又は胴体に接触することを防止できる。
【0054】
また、本実施形態においては、先端側ピン74は、先端側ピン74の中心軸を回転軸J2として回転可能である。これにより、先端側ピン74が回転することで、先端側ピン74が各経路をスムーズに移動できるため、内障子30をスムーズに移動させることができる。
【0055】
また、本実施形態においては、先端側ピン74の中心軸から離れた位置に形成された回動軸J1を中心に回動可能に先端側ピン74を支持するアーム板72を有する。そのため、先端側ピン74は、アーム板72の回動軸J1を中心に円弧を描きながら上下方向に移動可能である。これにより、簡易な構成で、先端側ピン74を上下方向に移動させることができる。
【0056】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と比べて、ストッパ装置本体60Aの構成が主に異なる。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を用いる。また、特に説明しない点に構成については、第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0057】
第2実施形態においては、第1実施形態と比べて、第1移動経路K1において第1実施形態の導入出ガイド部62が設けられておらず、戻り用開閉板63Aの下方側の回動角度が所定角度で規制される点が異なる。
【0058】
第2実施形態のストッパ装置50Aは、図6に示すように、ストッパ装置本体60Aと、操作アーム部70と、を有する。第2実施形態の操作アーム部70は、第1実施形態の操作アーム部70と同様の構成である。第2実施形態のストッパ装置本体60Aは、第1実施形態の導入出ガイド部62(図2参照)を備えておらず、戻り用開閉板63Aの下方側への回動角度が所定角度で規制されている。
【0059】
戻り用開閉板63Aは、第1実施形態のように水平に配置されておらず、下方側への回転角度が所定角度で規制された状態で、第1実施形態と同様に回動軸J3を中心に回動可能である。戻り用開閉板63Aは、下方側への回動角度が規制され、下方側への回動角度が規制された状態においては、左右方向XのX1側からX2側に向かうに従って下方側から上方側に向かうように傾斜する。
【0060】
また、第1移動経路K1Aは、戻り用開閉板63Aの上面側、及び、経路延在板64の上面板641の上面側を通り、ストッパ部65までの経路である。戻り移動経路K3Aは、第2移動経路K2における第1移動方向D1側の端部と反対の端部側から第1移動経路K1A側に延びて形成され、第1移動経路K1Aの途中に合流する経路である。戻り移動経路K3Aは、左右方向XのX2側からX1側に水平方向に延びており、経路延在板64の上面板641の下方側、及び、戻り用開閉板63Aの下方側を通り、第1移動経路K1Aの途中に合流する経路である。
【0061】
次に、第2実施形態の開閉装置1Aのストッパ装置50Aの動作について説明する。なお、第1実施形態の開閉装置1のストッパ装置50と同様の動作については、その説明を適宜省略する。
【0062】
内障子30を閉めることで、内障子30は、ストッパ装置本体60Aに向けて移動される。これにより、操作アーム部70の先端側ピン74が、ストッパ装置本体60Aに導入される。
【0063】
内障子30が所定速度以上で閉められた場合に、図7の上段の図に示すように、ストッパ装置本体60Aに導入された操作アーム部70の先端側ピン74は、第1移動経路K1Aにおいて戻り用開閉板63Aの上面に沿って移動し、図7の中段の図に示すように、ストッパ部65の衝突板651に衝突する。その後、先端側ピン74は、落下誘導連通部67の隙間から、図8の下段の図に示すように、下方側の第2移動経路K2に落下して、図8の上段の図に示すように、第2移動経路K2を第1移動方向D1に移動される。
【0064】
一方、内障子30が所定速度よりも遅い速度で閉められた場合には、図7の上段の図において、ストッパ装置本体60に導入された先端側ピン74は、第1移動経路K1において戻り用開閉板63Aの上面に沿って移動する。そして、図7の下段の図に示すように、先端側ピン74は、落下誘導連通部67の隙間から、先端側ピン74が衝突板651に接触せずに又は接触して、下方側の第2移動経路K2に落下して、内障子30は、停止せずに第2移動方向D2に移動される。これにより、内障子30は、図8の下段の図に示すように、第1移動方向D1に移動されて、閉められる。
【0065】
内障子30を開ける場合には、図8の上段に示す内障子30の閉位置から、内障子30を第2移動方向D2に移動させることで、先端側ピン74は、第2移動経路K2において、第2移動方向D2に移動され、戻り移動経路K3Aに導入される。
【0066】
戻り移動経路K3Aに導入された先端側ピン74は、戻り移動経路K3Aから第1移動経路K1Aに移動する場合に、上下方向Zに移動可能であるため、図8の下段の図に示すように、戻り用開閉板63Aを下方側から押し上げる。これにより、先端側ピン74は、回動軸J3を中心に戻り用開閉板63Aを回動させて、戻り移動経路K3Aから第1移動経路K1Aへ移動する経路を開放する。そして、先端側ピン74は、第1移動経路K1Aの途中に戻り、第1移動経路K1Aを第2移動方向D2に移動されることで、内障子30を第2移動方向D2に移動させて、内障子30を開けることができる。
【0067】
以上の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、内障子30を閉める場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ストッパ装置50のアーム板72を内障子30の戸元側に設けると共に、ストッパ装置50のストッパ装置本体60を枠体20の上枠21の左右方向のX1側の端部側に設けることで、枠体20の左右方向のX1側において内障子30を開ける場合に用いるストッパ装置としてもよい。
【0069】
また、前記実施形態においては、戸体を内障子30で構成したが、これに限定されず、戸体を、框体及びガラスを有していない扉で構成してもよい。また、例えば、戸体を、ドアで構成してもよい。
【0070】
また、自動ドアなどの電動で開閉する扉に適用することで、電動部分が故障して手動で扉を開閉する場合にも、本発明の開閉装置を使用可能である。また、開閉時に緩やかに閉まるソフトクローズの開閉装置にも適用可能である。
【0071】
また、前記実施形態においては、先端側ピン74(ピン)を、左右方向XのX2側(第1移動方向D1)に移動させた後に、落下誘導連通部67(誘導部)により誘導する場合に、先端側ピン74を、自重により下方に誘導するように構成したが、これに限定されない。例えば、ピンを下方ではない方向に誘導するように構成してもよい。例えば、上下に移動させて開閉する上げ下げ窓において、窓を上下方向に移動させた後に、バネ部材を利用してピンを上下方向に交差する方向に誘導するように構成してもよい。
【0072】
また、前記実施形態においては、内障子30に設けられた先端側ピン74(ピン)を、内障子30の開閉動作に伴って枠体20に設けられたストッパ装置本体60に導入することで、先端側ピン74をストッパ装置本体60に対して移動させる構成としたが、これに限定されない。例えば、ストッパ装置本体60に対して移動可能なピンとストッパ装置本体60とを一体型で構成して、一体型で構成したピン及びストッパ装置本体60を枠体20に設け、障子に設けた部材が、障子の開閉移動に伴ってピンを押すことで、ピンをストッパ装置本体60に対して移動させる構成としてもよい。
【0073】
また、前記実施形態においては、開閉装置1を、引き違い窓で構成したが、これに限定されず、例えば、片引き窓で構成してもよい。
【0074】
また、前記実施形態においては、戸体を左右方向にスライド可能な戸体で構成したが、これに限定されない。例えば、戸体を、丁番を中心軸として回動する回動式の開き扉で構成してもよい。丁番を中心軸として回動する回動式の開き扉で戸体を構成する場合には、戸体の回動の軌跡方向にストッパ装置本体(ストッパ部)を配置することで、本発明を実現できる。
【0075】
また、前記実施形態において、ストッパ装置本体(ストッパ部)を上枠21の左右方向XのX2側の端部側に配置し、操作アーム部(先端側ピン)を内障子30の左右方向XのX2側に配置したが、これに限定されない。例えば、ストッパ装置本体(ストッパ部)を上枠21の左右方向Xの中央側に配置し、操作アーム部(先端側ピン)を内障子30の左右方向Xにおけるストッパ装置本体(ストッパ部)に対応した位置(例えば、内障子30の左右方向Xの中央側)に配置してもよい。
【0076】
また、前記実施形態においては、指を挟まない位置で内障子(戸体)を一旦停止させるように、ストッパ装置本体(ストッパ部)を取り付けたが、これに限定されない。ストッパ部の左右方向の取付位置を調整することで、内障子を一旦停止させる位置を調整できる。これにより、内障子を一旦停止させる位置を、指よりも大きな頭や胴体を挟まない位置となるように、ストッパ部の左右方向の取付位置を調整することで、指が挟まれることを防止できるだけではなく、頭や胴体が挟まれることも防止できる。
【0077】
また、前記実施形態においては、ストッパ装置本体(ストッパ部)を1つ設けることで、内障子(戸体)が一旦停止する左右方向の位置を1箇所としたが、これに限定されない。ストッパ装置本体(ストッパ部)を左右方向の複数箇所に設けることで、左右方向の複数の位置において、内障子を一旦停止させるように構成してもよい。これにより、ストッパ装置本体(ストッパ部)を左右方向の複数の位置に設けることで、段階的に内障子を一旦停止させることができ、例えば、内障子が閉まる際に、人の胴体を挟まない位置で内障子を一旦停止させることができ、そこから更に内障子が閉まる方向に移動しても、人の頭を挟まない位置で内障子を一旦停止させることができ、そこから更に内障子が閉まる方向に移動しても、指を挟まない位置で内障子を一旦停止させることができる。よって、複数のストッパ装置本体(ストッパ部)を左右方向の複数の位置に設けることで、人の指と頭と胴体などの複数の部位が、内障子と縦枠との間に挟まれることを防止できる。
【0078】
また、ストッパ装置本体(ストッパ部)を複数箇所に設ける他の形態として、例えば、3枚建てや4枚建ての引き違いの引戸同士の間にストッパ装置本体(ストッパ部)取り付けることで、引戸同士の間での指挟みを防止してもよい。また、引戸の戸体の中に開口部(例えば、ルーバー等)が形成された引戸において、本発明を適用することで指挟みを防止してもよい。
【0079】
また、前記実施形態においては、先端側ピン74を、中心軸を回転軸として回転可能に構成したが、これに限定されず、先端側ピン74は、回転しない構成でもよい。
【0080】
また、前記実施形態においては、アーム板規制部73を、円筒状に形成したが、これに限定されない。例えば、アーム板規制部73を、円柱状、角筒状又は角柱状で形成してもよいし、板状又はブロック状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1、1A 開閉装置
20a 開口部
30 内障子(戸体)
63、63A 戻り用開閉板(開閉部)
65 ストッパ部
67 落下誘導連通部(誘導部)
72 アーム板(アーム部材)
74 先端側ピン(ピン)
D1 第1移動方向
K1、K1A 第1移動経路(上流側経路)
K2 第2移動経路(下流側経路)
K3、K3A 戻り移動経路(戻り経路)
Z 上下方向(交差方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8