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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-17
(45)【発行日】2023-08-25
(54)【発明の名称】パンツ型吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/51 20060101AFI20230818BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20230818BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
A61F13/51
A61F13/496
A61F13/49 410
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019219950
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021087643
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 京子
(72)【発明者】
【氏名】福田 優子
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-195647(JP,A)
【文献】特開2017-121387(JP,A)
【文献】特開2017-185336(JP,A)
【文献】特開2019-115524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されていることによって、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、
前記外装体は、前記吸収性物品の外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、該外層シートの肌対向面側に配された内層シートと、該外層シートと該内層シートとの間に複数の弾性部材とを有しており、
前記外装体は、前記ウエスト開口部の周縁端に形成され前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域、前記ウエスト伸縮領域よりも前記股下部側に位置し前記横方向に伸縮する胴回り伸縮領域及び前記レッグ開口部の周方向に伸縮する脚回り伸縮領域の少なくとも何れかにおける、前記外層シート、前記内層シート及び前記弾性部材が接合された弾性部材固定用接合部どうし間に動作応答型柔軟伸縮領域を有しており、
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合された易剥離接合部、及び前記外装体を構成するシートどうしが接合されていないシート非接合部を有しており、
前記シート非接合部は、前記弾性部材と直交する方向における前記弾性部材間に位置しており、
前記易剥離接合部は、接合強度が0.01N以上0.20N以下であり、着用状態において応力が加わったときに、接合状態が解除されるようになされている、パンツ型吸収性物品。
【請求項2】
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記易剥離接合部とともに、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合されていない非接合部を有している、請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項3】
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記易剥離接合部とともに、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが前記弾性部材固定用接合部以上の強い接合強度で接合されている強接合部を有している、請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項4】
前記易剥離接合部がホットメルト接着剤により形成されている、請求項1~3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項5】
前記ウエスト伸縮領域は、前記胴回り伸縮領域よりも前記弾性部材の繊度が小さい、請求項1~4の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項6】
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部それぞれにおいて、前記吸収性本体と前記横方向に重なるウエスト中央域と、該ウエスト中央域の両側に位置するウエスト側部域とを有しており、
前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合された接合部がホットメルト接着剤により形成されており、前記ウエスト側部域において、前記ウエスト伸縮領域の該弾性部材上の前記ホットメルト接着剤の坪量が前記胴回り伸縮領域より低い、請求項1~5の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項7】
前記易剥離接合部として、前記内層シートと前記弾性部材とを接合する内側易剥離接合部と、前記外層シートと前記弾性部材とを接合する外側易剥離接合部とを有し、前記内側易剥離接合部の接合強度と前記外側易剥離接合部の接合強度とが互いに異なっている、請求項1~6の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項8】
前記易剥離接合部がホットメルト接着剤により形成されており、
前記内側易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量が、前記外側易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量と異なっている、請求項7に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項9】
前記外層シート及び前記内層シートは、構成繊維の密度が互いに異なっている、請求項7又は8に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項10】
前記外層シート及び前記内層シートは、構成繊維の親水度が互いに異なっている、請求項7~9の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項11】
前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方が、セルロース系繊維を含有している、請求項10に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項12】
前記外層シート及び前記内層シートは、柔軟剤の含有量が互いに異なっている、請求項6~11の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項13】
前記外装体は、前記弾性部材固定用接合部として、側部固定部と本体側固定部とを有しており、
前記側部固定部は、前記サイドシール部と前記横方向に隣り合っており、
前記本体側固定部は、前記吸収性本体の前記横方向両端部において該吸収性本体と重なっており、
前記弾性部材固定用接合部の前記横方向の長さは、前記ウエスト伸縮領域又は前記胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さよりも長い、請求項1~12の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項14】
前記背側部は、前記腹側部よりも前記ウエスト伸縮領域又は前記胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さが長い、請求項1~13の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項15】
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部それぞれにおいて、前記吸収性本体と前記横方向に重なるウエスト中央域と、該ウエスト中央域の両側に位置するウエスト側部域とを有しており、
前記ウエスト側部域は、前記ウエスト中央域よりも、前記ウエスト伸縮領域又は胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さが長い、請求項1~14の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項16】
前記縦方向に沿って前記易剥離接合部と前記シート非接合部とが交互に配されており、それによって該縦方向に連続して延びる襞が形成されている、請求項1~15の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
パンツ型吸収性物品として、その外面を形成する外装体の構成シート間に、複数の弾性部材が介在しているものが知られている。例えば、本出願人は、先に、2枚のシート間に伸長状態で配された複数本の糸状の弾性部材を有する外層体を具備し、各弾性部材が伸縮機能を低減された弱機能化領域を所定の位置に有し、該弱機能化領域の外方側部に、接着剤を介して弾性部材が2枚のシート間に接合された側部接着領域を形成し、該側部接着領域とサイドシール部接着領域との間には弾性部材が2枚のシート間に固定されておらず、側部接着領域及びサイドシール部接着領域それぞれにおいて、弾性部材が配された部分と該弾性部材間の部分とで接着剤の坪量を異ならせている、パンツ型吸収性物品を提案した(特許文献1)。
【0003】
また、特許文献2には、互いに間隔を空けて設けられた複数の弾性伸縮部材を挟む2枚のシートが、該弾性伸縮部材の縦方向に間欠的、かつ弾性伸縮部材と交差する方向に細長く連続する縞状のパターンで配置されたホットメルト接着剤を介して接合されており、前記2枚のシートの何れか一方が、他方よりもホットメルト接着剤の剥離強度が低い、吸収性物品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-221097号公報
【文献】特開2017-176503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記外装体において、構成シートと弾性部材との接合面積が大きいと、外装体の柔軟性が損なわれる傾向にある。特に特許文献2の外装体では、縞状のパターンでホットメルト接着剤が配置された部分において、構成シートどうしが貼りついているので、柔軟性が悪化する。また、弾性部材とシートとが接合している部位は、着用者の姿勢の変化や動作に伴って該着用者の肌と擦れることがあり、肌への刺激の原因となることがある。
【0006】
したがって本発明の課題は、外装体の柔軟性に優れ、肌への擦過を低減するパンツ型吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されていることによって、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、前記外装体は、前記吸収性物品の外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、該外層シートの肌対向面側に配された内層シートと、該外層シートと該内層シートとの間に前記横方向に沿って配された複数の弾性部材とを有しており、
前記外装体は、前記ウエスト開口部の周縁端に形成され前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域、前記ウエスト伸縮領域よりも前記股下部側に位置し前記横方向に伸縮する胴回り伸縮領域及び前記レッグ開口部の周方向に伸縮する脚回り伸縮領域の少なくとも何れかにおける、前記外層シート、前記内層シート及び前記弾性部材が接合された弾性部材固定用接合部どうし間に動作応答型柔軟伸縮領域を有しており、
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合された易剥離接合部、及び前記外装体を構成するシートどうしが接合されていないシート非接合部を有しており、
前記シート非接合部は、前記弾性部材と直交する方向における前記弾性部材間に位置しており、
前記易剥離接合部は、着用状態において応力が加わったときに、接合状態が解除されるようになされている、パンツ型吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のパンツ型吸収性物品によれば、外装体の柔軟性に優れ、肌への擦過を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態を示す平面図である。
図2図2は、図1の外装体を示す拡大平面図である。
図3図3(a)及び(b)は、図2の外装体において内層シート側に柔軟伸縮領域を有する形態の作用効果を説明する図である。
図4図4(a)及び(b)は、図2に示す外装体において内層シート側及び外層シート側に柔軟伸縮領域を有する形態の作用効果を説明する図である。
図5】本発明に係る外装体の別の実施形態を示す平面図である。
図6図6は、本発明に係る外装体のさらに別の実施形態を示す図1相当図である。
図7図7は、本発明に係る外装体のさらに別の実施形態を示す図1相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、おむつ1の着用状態において着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側部に配される背側部Bと、腹側部A及び背側部Bの間に位置する股下部Cとを有している。おむつ1は、着用者の前後方向に対応する方向、即ち腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びる方向に対応する縦方向Xと、該縦方向Xと直交する横方向Yとを有している。
【0011】
おむつ1は、吸収体23を有する吸収性本体2を横方向Yの中央部に備えるとともに、該吸収性本体2の非肌対向面側即ち該吸収性本体2よりも着用者の身体から遠い側に配された外装体3とを備えている。吸収体23は、縦方向Xにおいて腹側部Aと背側部Bとの間に亘っており、液保持性の吸収性コア(不図示)と、その外面に接触してこれを包むコアラップシート(不図示)とを含んで構成されている。外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部どうしが、ホットメルト接着剤等の接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されて、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部(不図示)、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LHが形成されている。
【0012】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート21)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
【0013】
おむつ1は、図1に示すように、展開且つ伸長状態において、縦方向Xに延びる、該おむつ1を横方向Yに2等分する縦方向中心線CLに対して左右対称に形成されている。吸収性本体2は、図1に示すように、平面視長方形形状をなし、腹側部Aから背側部Bに亘って縦方向Xに延在しており、その縦方向を展開且つ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体3の横方向Yの中央部に配置され、接着剤により外装体3に接合されている。おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。本明細書において、おむつ1の各部位における縦方向X又は横方向Yの長さ等といった各寸法は、特に断りがない限り、各部の弾性部材を伸長させて各部材を引き伸ばした状態での寸法(設計寸法)のことである。
【0014】
吸収性本体2は、図3に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート(不図示)、及びこれら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体23を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。吸収性本体2の縦方向Xの全長は、吸収体23のそれと略同じであり、吸収体23の縦方向両端縁は、吸収性本体2の縦方向端縁と同位置にある。表面シート21及び裏面シート22としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
【0015】
吸収体23は、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い長方形形状をなし、腹側部Aから背側部Bに亘って縦方向Xに延在している。本実施形態における吸収体23は、縦方向Xの両端部の位置が、吸収性本体2の縦方向Xにおける両端部の位置と略一致している。
【0016】
図1に示すように、吸収性本体2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏カフ形成用シートから構成された一対の防漏カフ26,26が設けられている。各防漏カフ26は、縦方向Xに伸長状態で配された糸状の防漏カフ形成用弾性部材(不図示)を1本以上具備しており、該弾性部材がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下部Cで起立する。
【0017】
外装体3は、図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形作っており、外装体3の周縁は、その状態のおむつ1の輪郭線、即ち腹側部A、股下部C及び背側部Bそれぞれの輪郭線を形成している。外装体3は、図1に示すように、股下部Cにおいて、外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部が横方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲しており、縦方向Xの中央域が横方向Yの内方に向けて括れている。外装体3と吸収性本体2とは、接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。また、外装体3は、該外装体を構成するシートのうちの少なくとも一方がウエスト開口部の周縁端WEに沿って肌対向面側に折り返されており、その折り返し部分が吸収性本体2の縦方向Xの端部を被覆している。
【0018】
外装体3は、おむつ1の外面即ち非肌対向面を形成する外層シート31と、外層シート31の肌対向面側に配置された内層シート32と、これら両シート31,32間に配された複数の弾性部材36a,36bとを有している。外装体3は、後述するウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45において横方向Yに沿って配された弾性部材36a,36bと、レッグ開口部に沿って配されたレッグ弾性部材37とを有している(図1参照)。本実施形態において、縦方向Xに吸収性本体2と重なる位置に配された弾性部材36bは、該吸収性本体2と厚み方向Zに重なる領域で、細かく分断する等の処理によって弾性伸縮性を発現しないように配されているが、弾性部材36bは、前記領域で弾性伸縮性を発現してもよい。外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれに、糸状又は帯状の弾性部材36a,36bが横方向Yに伸長状態で複数本配され、それら複数本の弾性部材36a,36bは縦方向Xに所定間隔を置いて間欠配置されている。このように、弾性部材36a,36bが、その弾性伸縮性が発現される状態で配されていることにより、ウエスト開口部の開口縁部には、その全周に亘って実質的に連続した環状のウエストギャザー(襞)が形成される。
【0019】
外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれに、ウエスト開口部の周縁端WE寄りに形成され横方向Yに伸縮するウエスト伸縮領域40と、該ウエスト伸縮領域40よりも股下部C側に位置し横方向Yに伸縮する胴回り伸縮領域45とを有している。各伸縮領域40,45は、横方向Yに伸縮性を発現している領域であり、前記の弾性部材36a,36bを配することによって形成されている。ウエスト伸縮領域40に配された弾性部材を第1弾性部材36aといい、胴回り伸縮領域45に配された弾性部材を第2弾性部材36bともいう。以下、第1弾性部材36a及び第2弾性部材36bを、単に弾性部材36ともいう。ウエスト伸縮領域40は複数の第1弾性部材36aを有し、胴回り伸縮領域45は複数の第2弾性部材36bを有している。本実施形態において、ウエスト伸縮領域40は、縦方向Xにおいてウエスト開口部の周縁端WEと吸収性本体2の端部との間に位置しており、胴回り伸縮領域45は、該吸収性本体2の端部よりも股下部C側に位置している。本実施形態の外装体3は、腹側部A及び背側部Bそれぞれに、ウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45を有しているが、外装体3は、腹側部A及び背側部Bの何れか一方に、ウエスト伸縮領域40又は胴回り伸縮領域45を有していればよい。
【0020】
外装体3において、図1に示すように、レッグ開口部(不図示)それぞれの開口縁部を形成するレッグ縁部LSには、糸状又は帯状の1本又は複数本のレッグギャザー形成用のレッグ弾性部材37が伸長状態で配されている。これによりレッグ開口部それぞれの開口縁部には、その全周に亘って実質的に連続した環状のレッグギャザーが形成される。このレッグ弾性部材37も、外装体3を構成する外層シート31と内層シート32との間に接着剤等の接合手段により挟持固定されている。
外装体3は、レッグ縁部LSに沿ってレッグ開口部の周方向に伸縮する脚回り伸縮領域47を有している。本実施形態において、脚回り伸縮領域47は、縦方向Xにおいて股下部C側、即ち縦方向X中央側の背側部Bの一部から、股下部Cを介して、縦方向X中央側の腹側部Aの一部まで延在している(図1参照)。
【0021】
本発明に係る外装体3の構成について詳述する。図2に、本発明に係る外装体3の第1実施形態を示す。本実施形態のおむつ1は、前述したように、縦方向中心線CLに対して左右対称に形成されている。したがって以下の説明において、左右対称な部分については、主として図2中の右側について説明するが、左側も、右側と左右対称である点を除いて同様の構成を有している。
外装体3は、図2に示すように、外層シート31、内層シート32及びこれら両シート間の弾性部材を固定する弾性部材固定用接合部を有している。本実施形態における外装体3は、弾性部材固定用接合部として、側部固定部57と本体側固定部59とを有している。側部固定部57は、サイドシール部Sと横方向Yに隣り合っている。本体側固定部59は、吸収性本体2の横方向Yの両端部それぞれにおいて該吸収性本体2と重なっている。第2弾性部材36bは、横方向Yにおける側部固定部57と本体側固定部59との間で同方向Yの弾性伸縮性を発現しているが、側部固定部57及び本体側固定部59においては外装体3を構成するシートに固定されているので、弾性伸縮性を発現していない。側部固定部57及び本体側固定部59において、外層シート31、内層シート32及び弾性部材は、ホットメルト接着剤等の接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互い接合されている。このように外装体3は、弾性部材の外装体3を構成するシートへの固定を強固にする観点から、側部固定部57と本体側固定部59とを有していることが好ましい。
【0022】
外装体3は、ウエスト伸縮領域40、胴回り伸縮領域45及び脚回り伸縮領域47の少なくとも何れかに動作応答型柔軟伸縮領域5を有している。動作応答型柔軟伸縮領域5は、易剥離接合部50、及びシート非接合部53とを有している領域である。易剥離接合部50は、弾性部材の長手方向、即ち弾性部材の延在方向に沿って外装体3を構成するシートと弾性部材とが接合された部分である。易剥離接合部50は、弾性部材上に位置しており、該弾性部材と外装体3を構成するシートとの接合状態が維持されている。易剥離接合部50は、例えば、弾性部材の表面に塗布されたホットメルト接着剤により形成されている。
【0023】
前記「外装体3を構成するシート」とは、本実施形態において外層シート31及び内層シート32である。即ち、動作応答型柔軟伸縮領域5において、易剥離接合部50は、外層シート31と弾性部材との間に形成されていてもよく、内層シート32と弾性部材との間に形成されていてもよく、外層シート31と弾性部材との間及び内層シート32と弾性部材との間に形成されていてもよい。但し、動作応答型柔軟伸縮領域5は、外層シート31と弾性部材との間、及び内層シート32と弾性部材との間の何れか一方又は双方に、易剥離接合部50を有している。動作応答型柔軟伸縮領域5は、弾性部材の全長に亘って易剥離接合部50が形成されており、該易剥離接合部50を介して、弾性部材と、外層シート31又は内層シート32とが接合されていてもよい。また、動作応答型柔軟伸縮領域5は、ウエスト伸縮領域40、胴回り伸縮領域45、及び脚回り伸縮領域47の何れかに含まれるので、これら領域に配された弾性部材の延在方向に伸縮可能である。したがって、弾性部材固定用接合部であるサイドシール部S,S、本体側固定部59、及び側部固定部57は動作応答型柔軟伸縮領域5に含まれない。これら弾性部材固定用接合部は、動作応答型柔軟伸縮領域5の伸縮方向の両端に、より具体的には該両端より外方において動作応答型柔軟伸縮領域5と隣り合って配されている。
【0024】
動作応答型柔軟伸縮領域5は、易剥離接合部50とともに、弾性部材上に位置しない、弾性部材間のシート非接合部53を有している。シート非接合部53は、弾性部材と直交する方向における弾性部材間に外装体3を構成するシートどうしが接合されていない部分である。弾性部材と直交する方向は、弾性部材の延在方向と直交する方向であり、本実施形態のウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45においては縦方向Xと一致している。
【0025】
本実施形態における動作応答型柔軟伸縮領域5は、易剥離接合部50とともに、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合されていない非接合部51を有している。非接合部51は、易剥離接合部50と同様に、弾性部材36上に位置している。即ち、非接合部51は、弾性部材の延在方向に沿って外装体を構成するシートと弾性部材とが接合されていない部分である。本実施形態の動作応答型柔軟伸縮領域5では、弾性部材36の伸縮方向(横方向Y)において易剥離接合部50と非接合部51とが交互に配されている。
【0026】
本実施形態における外装体3は、ウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45それぞれが動作応答型柔軟伸縮領域5を有している。この動作応答型柔軟伸縮領域5は、図2に示すように、縦方向Xに隣り合う弾性部材36a,36b間に、シート非接合部53を有し、各弾性部材36a,36b上に、複数の易剥離接合部50を有している。
易剥離接合部50は、着用状態において腹囲変動などによって応力が加わったときに、接合状態が解除されるようになされている。動作応答型柔軟伸縮領域5は、着用者の動作などにより応力が加わると、該易剥離接合部50における外装体3を構成するシートと弾性部材との接合状態が解除され、該シートと弾性部材とが剥離する。
【0027】
本実施形態の外装体3は、柔軟性に優れ、着用状態において着用者の動作等による応力が加わっても、着用者の肌への擦過を低減することができる。斯かる効果を、図3及び図4を用いて詳述する。図3(a)は、動作応答型柔軟伸縮領域5が、内層シート32と弾性部材36との間に易剥離接合部50を有している、外装体の横方向Yに沿う断面図である。図3(a)に示す外装体3では、内層シート32と弾性部材36との間に易剥離接合部50を有しており、外層シート31と弾性部材36との間には易剥離接合部50を有していない。この外層シート31は、弾性部材36の全長に亘る接合部54によって該弾性部材36に接合されているので、弾性部材36から離れる方向には膨らんでいない。一方、非接合部51において内層シート32と弾性部材36とは接合されていないので、内層シート32は、該非接合部51において弾性部材36から離れる方向に膨らんでいる。これに加え、動作応答型柔軟伸縮領域5では、シート非接合部53において、外層シート31及び内層シート32を互いに離れる方向に膨らませることができる(不図示)。このように非接合部51及びシート非接合部53において、外装体3を構成するシートを外装体3の厚み方向Zに膨らませることができるので、動作応答型柔軟伸縮領域5を有する外装体3は優れた柔軟性を有する。さらに、易剥離接合部50では、応力が加わる前、例えば着用前の状態では、弾性部材36と外装体3を構成するシートとが接合されているので、シート非接合部53におけるシートの膨らみが襞状に視認され、外装体3の外観が柔らかい印象のものとなるとともに、その見映えが良好となる。この動作応答型柔軟伸縮領域5に応力が加わると、図3(b)に示すように、易剥離接合部50における接合状態が解除されるので、内層シート32は該接合状態が解除される前よりも弾性部材36から離れる方向に大きく膨らむことができる。これにより外装体3の柔軟性がより向上するとともに、接合状態が解除された内層シート32を着用者の肌に良好に追随させることができ、外装体3による肌への擦過を低減することができる。前記外装体3を具備するおむつ1では、優れた柔軟性により肌触りが良好である上、擦過による肌トラブルを効果的に抑制する。また、内層シート32の肌への追随性に優れるので、着用時及び着脱時の操作性に優れる。
【0028】
図4(a)は、動作応答型柔軟伸縮領域5が、内層シート32と弾性部材36との間、及び外層シート31と弾性部材36との間それぞれに易剥離接合部50及び非接合部51を有している、外装体の横方向Yに沿う断面図である。図4(a)に示す外装体3では非接合部51において外層シート31と弾性部材36とが接合されていない。そのため外層シート31は、該非接合部51において弾性部材36から離れる方向に膨らんでいるので、図3(a)に示す形態よりも外装体3の柔軟性に優れる。また、動作応答型柔軟伸縮領域5に応力が加わると、図4(b)に示すように、内層シート32と弾性部材36との間だけでなく、外層シート31と弾性部材36との間の接合状態が解除されるので、外装体3による肌への擦過を低減することができるとともに、前記接合状態が解除された外層シート31がより大きく膨らむので、外装体3の外面においても柔らかさが向上する。以下、内層シート32と弾性部材36とを接合する易剥離接合部を、「内側易剥離接合部」ともいう。また、外層シート31と弾性部材36とを接合する易剥離接合部を、「外側易剥離接合部」ともいう。本明細書中で単に「易剥離接合部」という場合は、これら「内側易剥離接合部」及び「外側易剥離接合部」の双方を意味する。本明細書における動作応答型柔軟伸縮領域5に関する各構成は、特に断りがない限り、外側易剥離接合部及び内側易剥離接合部の何れか一方又は双方に適用することができる。
【0029】
外装体3の柔軟性をより向上させる観点から、易剥離接合部50における接合強度は、側部固定部57と本体側固定部59等の弾性部材固定用接合部における接合強度に対して好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは5%以上90%以下、より好ましくは10%以上80%以下である。易剥離接合部50又は弾性部材固定用接合部における接合強度は以下の方法により測定される。
【0030】
〔接合強度の測定方法〕
おむつ1の外装体におけるウエスト伸縮領域、胴回り伸縮領域、又は脚回り伸縮領域から、接合強度を測定したい接合部を1つのみ含む領域を、縦方向X及び横方向Yにカットし、これを試験片とする。易剥離接合部は、弾性部材と外装体を構成するシートとを接合しているので、試験片は弾性部材ごと切り出す。また、試験片は、接合部の外縁から縦方向X及び横方向Yそれぞれに余白が10mm生じるように切り出す。あるいは、接合部が、ウエスト伸縮領域、胴回り伸縮領域、又は脚回り伸縮領域において縦方向X又は横方向Yの全長に亘って形成されている場合、試験片は、接合部の外縁から縦方向X及び横方向Yの何れか一方に余白が10mm生じるように切り出す。試験片における接合部で接合されたシートと弾性部材とをそれぞれ、引張試験機〔商品名 オートグラフAGS50A (株)島津製作所製〕の各チャックに固定し、180°方向に引っ張り、完全に剥離するまで測定を行い、その間の最大強度を求める。この最大強度の測定を5箇所以上の異なる易剥離接合部について行い、それらの平均値を易剥離接合部の接合強度とする。引張速度は300mm/minとする。後述する強接合部の接合強度も、弾性部材固定用接合部の接合強度も、上記と同様の方法により測定される。また、易剥離接合部と強接合部とが隣り合って形成されている場合、これら接合部を含む試験片の測定では、引張距離-引張強度(引張荷重)の曲線において2点の極大点が観察される。この場合、斯かる曲線において、引張強度が低い方の極大点を易剥離接合部の接合強度とし、引張強度が高い方の極大点を強接合部の接合強度とする。
【0031】
動作応答型柔軟伸縮領域5は、易剥離接合部50とともに、外装体3を構成するシートと弾性部材36とが弾性部材固定用接合部以上の強い接合強度で接合されている強接合部54を有していてもよい。動作応答型柔軟伸縮領域5においては、着用状態において応力が加わると、易剥離接合部50の接合状態が解除される一方、強接合部54の接合状態が解除されないことが好ましい。斯かる構成により、外装体3の柔軟性と、外装体3の見映えとをより両立させることができる。
【0032】
易剥離接合部50は、着用状態において応力が加わったときに接合状態が解除される接合強度を有していることが好ましい。具体的には、易剥離接合部50の接合強度は、好ましくは0.01N以上、より好ましくは0.02N以上であり、また好ましくは0.20N以下、より好ましくは0.18N以下であり、また好ましくは0.01N以上0.20N以下、より好ましくは0.02N以上0.18N以下である。
強接合部54は、着用状態において応力が加わったときに接合状態が解除されない接合強度を有していることが好ましい。具体的には、強接合部54の接合強度は、易剥離接合部50の接合強度よりも大きいことを条件として、好ましくは0.10N以上、より好ましくは0.12N以上であり、また好ましくは0.6N以下、より好ましくは0.58N以下であり、また好ましくは0.1N以上0.6N以下、より好ましくは0.12N以上0.58N以下である。弾性部材固定用接合部の接合強度も、強接合部54と同じ接合強度とすることができる。
【0033】
ウエスト伸縮領域40は、着用者の動作に伴う応力の影響を受け易く、着用者の腹部の周方向にずれが生じ易い。ウエスト伸縮領域40における外装体3のずれを抑制して、肌への擦過をより抑制する観点から、ウエスト伸縮領域40は、胴回り伸縮領域45よりも易剥離接合部50における接合強度が小さいことが好ましい。斯かる構成をより確実に具備させる観点から、ウエスト伸縮領域40は、胴回り伸縮領域45よりも弾性部材36の繊度が小さいことが好ましい。各伸縮領域40,45における弾性部材36の繊度をこのような大小関係とすることにより、ウエスト伸縮領域40における易剥離接合部50の接合面積を、胴回り伸縮領域45における易剥離接合部50の接合面積よりも小さくすることができ、これに起因してウエスト伸縮領域40の接合強度を胴回り伸縮領域45の接合強度よりも小さくすることができる。ウエスト伸縮領域40における弾性部材36aの繊度は、胴回り伸縮領域45における弾性部材36bの繊度に対して好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは10%以上90%以下、より好ましくは20%以上80%以下である。上記と同様の観点から、ウエスト伸縮領域40における弾性部材36aの繊度は、好ましくは100dtex以上、より好ましくは120dtex以上であり、また好ましくは700dtex以下、より好ましくは650dtex以下であり、また好ましくは100dtex以上700dtex以下、より好ましくは120dtex以上650dtex以下である。上記と同様の観点から、胴回り伸縮領域45における弾性部材36bの繊度は、好ましくは300dtex以上、より好ましくは350dtex以上であり、また好ましくは1000dtex以下、より好ましくは900dtex以下であり、また好ましくは300dtex以上1000dtex以下、より好ましくは350dtex以上900dtex以下である。
【0034】
前記「弾性部材の繊度」は、弾性部材の非伸長状態における太さをいい、弾性部材が糸状である場合には、その断面の直径で表すものである。弾性部材が複数の弾性繊維の束で構成されている場合には、外装体から弾性部材を一定の長さ(例:100mm)で切り出したものをサンプルとし、該サンプルの長さとその質量から、単位長さ当りの重さを「弾性部材の繊度(太さ)」として表してもよい。
【0035】
ウエスト伸縮領域40における易剥離接合部50の接合強度を、胴回り伸縮領域45よりも小さくする観点から、易剥離接合部50がホットメルト接着剤により形成されている場合、ウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45は、易剥離接合部50のホットメルト接着剤の坪量が互いに異なっていることが好ましい。特にウエスト伸縮領域40の易剥離接合部50におけるホットメルト接着剤の坪量が、胴回り伸縮領域45の易剥離接合部50におけるホットメルト接着剤の坪量よりも低いことがより好ましい。
【0036】
上記と同様の観点から、ウエスト伸縮領域40における易剥離接合部50の面積率は、胴回り伸縮領域45における易剥離接合部50の面積率よりも小さいことが好ましい。ウエスト伸縮領域40における易剥離接合部50の面積率は、胴回り伸縮領域45における易剥離接合部50の面積率に対して好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは10%以上90%以下、より好ましくは20%以上80%以下である。斯かる面積率の好ましい範囲は、動作応答型柔軟伸縮領域5における弾性部材36と外層シート31との易剥離接合部及び非接合部、並びに弾性部材36と内層シート32との易剥離接合部及び非接合部の何れか一方又は双方に適用することができる。
【0037】
動作応答型柔軟伸縮領域5における柔軟性をより向上させる観点から、動作応答型柔軟伸縮領域5における易剥離接合部50、強接合部54、及び非接合部51の各面積率は、以下の範囲内であることが好ましい。これら各面積率の好ましい範囲は、動作応答型柔軟伸縮領域5における弾性部材36と外層シート31との接合部及び非接合部、並びに弾性部材36と内層シート32との接合部及び非接合部の何れか一方又は双方に適用することができる。前記接合部は、易剥離接合部と強接合部とを含む。なお、ここでの動作応答型柔軟伸縮領域5における易剥離接合部50、強接合部54、及び非接合部51の各面積率は、弾性部材と内層シート32又は外層シート31とがおむつの厚み方向に重なっている部位の面積率で規定する。当該厚み方向で重なってない部位、即ち弾性部材どうし間の部位は面積率の算出する際の分母に含めないこととする。
動作応答型柔軟伸縮領域5における易剥離接合部50の面積率は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上90%以下、より好ましくは25%以上80%以下である。
動作応答型柔軟伸縮領域5における強接合部54の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下であり、また好ましくは5%以上50%以下、より好ましくは10%以上45%以下である。
動作応答型柔軟伸縮領域5における非接合部51の面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは5%以上40%以下、より好ましくは10%以上30%以下である。
易剥離接合部50の面積率及び強接合部54の面積率は、以下の方法によって求められる。
【0038】
〔易剥離接合部又は強接合部の面積率の測定方法〕
おむつ1の外装体におけるウエスト伸縮領域、胴回り伸縮領域、又は脚回り伸縮領域から、弾性部材を1本含むように、該弾性部材と接合された外装体を構成するシートを切り出し、これを試験片とする。試験片は、弾性部材の外縁から縦方向X又は横方向Yに余白が10mm生じるように切り出す。試験片において弾性部材と外装体を構成するシートとの接合箇所を特定し、該接合箇所の面積を求める。接合箇所が複数ある場合は、各接合箇所の面積を求める。次いで、試験片における接合部で接合されたシートと弾性部材とをそれぞれ、引張試験機〔商品名 オートグラフAGS50A (株)島津製作所製〕の各チャックに固定し、180°方向に、引張速度300mm/minで引っ張り、接合箇所が完全に剥離したときの強度、即ち接合箇所における剥離強度を測定する。試験片における接合箇所が複数ある場合は、各接合箇所について剥離強度を測定する。この剥離強度が0.001N以上0.05N未満の接合箇所を易剥離接合部とし、予め求めた該接合箇所の面積を、該易剥離接合部の面積とする。剥離強度が0.05N以上の接合箇所を強接合部とし、予め求めた該接合箇所の面積を、該強接合部の面積とする。次いで、試験片の面積に対する易剥離接合部の合計面積の割合と、試験片の面積に対する強接合部の合計面積の割合を求める。以上の測定を、ウエスト伸縮領域、胴回り伸縮領域、及び脚回り伸縮領域の各領域から切り出した試験片5枚について行い、これらの平均値を各領域における易剥離接合部の面積率、及び強接合部の面積率として算出する。
【0039】
動作応答型柔軟伸縮領域5が、図4(a)に示すように、内層シート32と弾性部材とを接合する内側易剥離接合部50aと、外層シート31と弾性部材とを接合する外側易剥離接合部50bとを有している場合、これら両易剥離接合部50a,50bは接合強度が互いに異なっていることが好ましい。斯かる構成により、外層シート31及び内層シート32の何れかが弾性部材から離間し易くなって、外装体3の柔軟性がより向上する。特に、内側易剥離接合部50aが、外側易剥離接合部50bよりも接合強度が低いと肌への追随性が向上し、擦過をより低減することができる点で好ましい。
【0040】
内側易剥離接合部50aの接合強度と、外側易剥離接合部50bの接合強度とを互い異ならせる観点から、両易剥離接合部50a,50b又は外装体3を構成するシートは、下記の構成(1)~(4)の何れか、又はこれら2以上を組み合わせて具備することが好ましい。
構成(1):内側易剥離接合部50aと外側易剥離接合部50bとはホットメルト接着剤の坪量が互いに異なっている。
構成(2):外層シート31及び内層シート32は、構成繊維の密度が互いに異なっている。
構成(3):外層シート31及び内層シート32は、構成繊維の親水度が互いに異なっている。
構成(4):外層シート31及び内層シート32は、柔軟剤の含有量が互いに異なっている。
【0041】
前記構成(1)では、内側易剥離接合部及び外側易剥離接合部それぞれがホットメルト接着剤により形成されている場合であって、内側易剥離接合部50aにおけるホットメルト接着剤の坪量と、外側易剥離接合部50bにおけるホットメルト接着剤の坪量とを異ならせる。肌への追随性を向上させる観点から、内側易剥離接合部50aにおけるホットメルト接着剤の坪量は、外側易剥離接合部50bにおけるホットメルト接着剤の坪量よりも低いことが好ましい。具体的には、内側易剥離接合部50aにおけるホットメルト接着剤の坪量は、外側易剥離接合部50bにおけるホットメルト接着剤の坪量に対して好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは10%以上80%以下、より好ましくは20%以上70%以下である。上記と同様の観点から、内側易剥離接合部50aにおけるホットメルト接着剤の坪量は、好ましくは1g/m以上、より好ましくは2g/m以上であり、また好ましくは40g/m以下、より好ましくは35g/m以下であり、また好ましくは1g/m以上40g/m以下、より好ましくは2g/m以上35g/m以下である。上記と同様の観点から、外側易剥離接合部50bにおけるホットメルト接着剤の坪量は、好ましくは3g/m以上、より好ましくは5g/m以上であり、また好ましくは50g/m以下、より好ましくは45g/m以下であり、また好ましくは3g/m以上50g/m以下、より好ましくは5g/m以上45g/m以下である。
【0042】
前記構成(2)では、外層シート31の構成繊維の密度と、内層シート32の構成繊維の密度とが互いに異なっている。肌への追随性を向上させる観点から、内層シート32の構成繊維の密度は、外層シート31の構成繊維の密度よりも小さいことが好ましい。具体的には、内層シート32の構成繊維の密度は、外層シート31の構成繊維の密度に対して好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは10%以上90%以下、より好ましくは20%以上80%以下である。上記と同様の観点から、内層シート32の構成繊維の密度は、好ましくは0.01g/cm以上、より好ましくは0.02g/cm以上であり、また好ましくは0.15g/cm以下、より好ましくは0.12g/cm以下であり、また好ましくは0.01g/cm以上0.15g/cm以下、より好ましくは0.02g/cm以上0.12g/cm以下である。上記と同様の観点から、外層シート31の構成繊維の密度は、好ましくは0.02g/cm以上、より好ましくは0.03g/cm以上であり、また好ましくは0.17g/cm以下、より好ましくは0.15g/cm以下であり、また好ましくは0.02g/cm以上0.17g/cm以下、より好ましくは0.03g/cm以上0.15g/cm以下である。
【0043】
前記構成(3)では、外層シート31の親水度と、内層シート32の親水度とが互いに異なっている。肌への追随性を向上させる観点から、内層シート32の親水度は、外層シート31の親水度よりも高いことが好ましい。親水度は、シートの水との接触角を指標とすることができる。水との接触角の測定は、例えば特開2015-142721号公報の記載の方法に従って行うことができる。即ち、内層シート32の水との接触角は、外層シート31の水との接触角よりも小さいことが好ましい。上記と同様の観点から、内層シート32の水との接触角は、好ましくは5度以上、より好ましくは10度以上であり、また好ましくは130度以下、より好ましくは120度以下であり、また好ましくは5度以上130度以下、より好ましくは10度以上120度以下である。上記と同様の観点から、外層シート31の水との接触角は、好ましくは70度以上、より好ましくは90度以上である。また、防露の観点から、外層シート31の水との接触角は、内層シート32の水との接触角よりも大きい方が好ましい。
【0044】
シートの親水度は、セルロース系繊維等の親水性繊維の含有量により調整することができる。親水性繊維としては、パルプ、コットン、レーヨン、リヨセル及びテンセル等のセルロース系繊維や、熱融着性の樹脂からなる合成繊維に親水性を付与した繊維等が挙げられる。外装体3に前記構成(3)をより確実に具備させる観点から、外層シート31及び内層シート32の少なくとも一方が、セルロース系繊維を含有していることが好ましい。また、内層シート32の親水度を、外層シート31の親水度よりも高くする観点から、内層シート32におけるセルロース系繊維の含有量を、外層シート31におけるセルロース系繊維の含有量よりも多くすることが好ましい。内層シート32におけるセルロース系繊維の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であり、また好ましくは1質量%以上90質量%以下、より好ましくは5質量%以上80質量%以下である。外層シート31におけるセルロース系繊維の含有量は、内層シート32におけるセルロース系繊維の含有量よりも少ないことを条件として、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であり、また好ましくは1質量%以上90質量%以下、より好ましくは5質量%以上80質量%以下である。
【0045】
前記構成(4)では、外層シート31における柔軟剤の含有量と、内層シート32における柔軟剤の含有量とが互いに異なっている。肌への追随性を向上させる観点から、内層シート32における柔軟剤の含有量は、外層シート31における柔軟剤の含有量よりも多いことが好ましい。柔軟剤は、外層シート31又は内層シート32に、散布や噴霧等の方法で外添してもよく、シートの製造時に構成繊維に内添してもよい。
【0046】
柔軟剤としては、ワックスエマルジョン、反応型柔軟剤、シリコーン系化合物、ジアミド誘導体等の脂肪酸アミド化合物、界面活性剤などを使用することができる。
【0047】
外装体の柔軟性をより向上させ、肌への擦過をより低減させる観点から、ウエスト伸縮領域40又は胴回り伸縮領域45における動作応答型柔軟伸縮領域5は以下の構成を具備することが好ましい。
本体側固定部59の横方向Yの長さL9及び側部固定部57の横方向Yの長さL7それぞれは(図2参照)、易剥離接合部50の横方向の長さW1〔図3(a)参照〕よりも長いことが好ましい。本体側固定部59の横方向Yの長さL9及び側部固定部57の横方向Yの長さL7それぞれは(図2参照)、易剥離接合部50の横方向の長さW1〔図3(a)参照〕に対して好ましくは100%超、より好ましくは110%以上であり、また好ましくは600%以下、より好ましくは500%以下であり、また好ましくは100%超600%以下、より好ましくは110%以上500%以下である。
本体側固定部59の横方向Yの長さL9は、易剥離接合部50の横方向の長さW1よりも長いことを条件として、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、また好ましくは2mm以上50mm以下、より好ましくは3mm以上40mm以下である。
側部固定部57の横方向Yの長さL7は、易剥離接合部50の横方向の長さW1よりも長いことを条件として、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下であり、また好ましくは2mm以上50mm以下、より好ましくは3mm以上40mm以下である。
易剥離接合部50の横方向の長さW1〔図3(a)参照〕は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下であり、また好ましくは1mm以上40mm以下、より好ましくは1.5mm以上30mm以下である。各伸縮領域40,45,47で易剥離接合部50の横方向Yの長さW1が異なっている場合、例えば後述するように背側部Bと腹側部Aとで該横方向Yの長さW1が異なっている場合等、動作応答型柔軟伸縮領域5において複数の易剥離接合部50の横方向Yにおける長さW1が異なっている場合は、各易剥離接合部50の横方向Yの長さW1が前述した範囲内であることが好ましい。
【0048】
背側部Bは、腹側部Aよりもウエスト伸縮領域40又は胴回り伸縮領域45における易剥離接合部50の横方向Yの長さW1〔図3(a)参照〕が長いことが好ましい。背側部Bの動作応答型柔軟伸縮領域5における易剥離接合部50の横方向Yの長さは、腹側部Aの動作応答型柔軟伸縮領域5における易剥離接合部50の横方向Yの長さに対して、好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上であり、また好ましくは300%以下、より好ましくは200%以下であり、また好ましくは105%以上300%以下、より好ましくは110%以上200%以下である。
【0049】
外装体3は、図1及び図2に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、吸収性本体2と横方向Yに重なるウエスト中央域61と、該ウエスト中央域61の両側に位置するウエスト側部域63,63とを有している。本実施形態の動作応答型柔軟伸縮領域5は、ウエスト側部域63に易剥離接合部50を有しているが、ウエスト中央域61に易剥離接合部50を有していない。後述するように、動作応答型柔軟伸縮領域5は、ウエスト中央域61に易剥離接合部50を有していてもよい。
【0050】
本実施形態において動作応答型柔軟伸縮領域5は、複数の易剥離接合部50を弾性部材36の延在方向に沿って有している。図2に示すように、動作応答型柔軟伸縮領域5は、吸収性本体2の横方向Y外方、即ちウエスト側部域63において、複数の易剥離接合部50を等間隔で間欠的に有している。但し、ウエスト伸縮領域40と胴回り伸縮領域45とは、易剥離接合部50間の間隔が異なっている。外装体の柔軟性をより向上させ、肌への擦過をより低減させる観点から、等間隔に配された複数の易剥離接合部50は、以下の構成を具備していることが好ましい。
横方向Yにおける易剥離接合部50のピッチP1〔図3(a)参照〕は、易剥離接合部50の横方向Yの長さW1〔図3(a)参照〕に対して好ましくは120%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは1000%以下、より好ましくは800%以下であり、また好ましくは120%以上1000%以下、より好ましくは150%以上800%以下である。横方向Yにおける易剥離接合部50のピッチP1は、易剥離接合部50の横方向Yの長さW1と、易剥離接合部50間の間隔(離間距離)との合計長さである。横方向Yにおける易剥離接合部50のピッチP1〔図3(a)参照〕は、好ましくは5mm以上、より好ましくは12mm以上であり、また好ましくは150mm以下、より好ましくは100mm以下であり、また好ましくは5mm以上150mm以下、より好ましくは12mm以上100mm以下である。
【0051】
本実施形態において動作応答型柔軟伸縮領域5では、図2に示すように、縦方向Xに沿って非接合部51とシート非接合部53とが交互に配されている。具体的には、動作応答型柔軟伸縮領域5は、ウエスト側部域63において、外装体3を構成するシート31,32が接合されていない部分が縦方向Xに連続している。外装体3を構成するシート31,32が接合されていない部分は、非接合部51又はシート非接合部53である。前記接合されていない部分では、外装体3を構成するシート31,32が弾性部材36から離間するように膨らむ。これにより、外装体3には縦方向Xに連続して延びる襞が形成されている。この襞によって、外装体3の柔軟性がより向上するとともに、肌への擦過がより低減される。前記襞は、外層シート31側及び内層シート32側の何れか一方又は双方に形成される。
【0052】
次に、本発明に係る外装体3の他の実施形態を説明する。他の実施形態については、図1図4に示す第1実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
【0053】
図5に第2実施形態の外装体3を示す。動作応答型柔軟伸縮領域5aは、図5に示すように、弾性部材36と外装体3を構成するシートとの間に1個の易剥離接合部50を有している。換言すれば、弾性部材1本当りに1個の易剥離接合部50を有している。動作応答型柔軟伸縮領域5aにおいて弾性部材36は、弾性伸縮性を発現するものを「1本」とカウントする。図5に示すように、第2弾性部材36bは、見た目が一対のサイドシール部S,S間に亘って配された1本の弾性部材ではあるが、弾性伸縮性を発現しているのは、吸収性本体2の両側に位置する2本の弾性部材である。したがって、胴回り伸縮領域45は、第2弾性部材1本当りに易剥離接合部50を有している。
【0054】
本実施形態の動作応答型柔軟伸縮領域5aは、ウエスト伸縮領域40においてウエスト中央域61に易剥離接合部50を有しており、胴回り伸縮領域45においてウエスト側部域63に易剥離接合部50を有している。外装体の柔軟性をより向上させ、肌への擦過をより低減させる観点から、ウエスト伸縮領域40又は胴回り伸縮領域45における動作応答型柔軟伸縮領域5aは、ウエスト側部域63がウエスト中央域61よりも易剥離接合部50の横方向Yの長さ(図5参照)が長いことが好ましい。また、ウエスト伸縮領域40又は胴回り伸縮領域45において、ウエスト側部域63における易剥離接合部50の横方向Yの長さW3(図5参照)は、ウエスト中央域61における易剥離接合部50の横方向Yの長さW5(図5参照)に対して好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上であり、また好ましくは800%以下、より好ましくは700%以下であり、また好ましくは105%以上800%以下、より好ましくは110%以上700%以下である。各易剥離接合部50の横方向Yの長さW3,W5は、前述した易剥離接合部50の横方向における長さW1の範囲内であることが好ましい。
【0055】
図6に第3実施形態の外装体3を示す。外装体3は、図6に示すように、側部固定部57を有していなくともよい。本実施形態では、弾性部材固定用接合部であるサイドシール部Sと本体側固定部59との間、及びサイドシール部S,S間に動作応答型柔軟伸縮領域5bを有している。本実施形態において動作応答型柔軟伸縮領域5bは、弾性部材1本当りに1個の易剥離接合部50を有しているが、ウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45において該易剥離接合部50をウエスト側部域63に有している。易剥離接合部50は、横方向Yにおいてサイドシール部S近傍に位置している。このように、易剥離接合部50は、ウエスト側部域63において横方向Yの一方側に偏在していてもよい。
【0056】
第2実施形態及び第3実施形態における動作応答型柔軟伸縮領域5a,5bでは、第1実施形態の動作応答型柔軟伸縮領域5ほど襞が細かに形成されないが、横方向Yの広範囲に亘って非接合部51を有しているので、着用状態における大きな腹囲変動や動作時に肌を擦過しにくいという点で利点を有する。斯かる利点から、動作応答型柔軟伸縮領域5a,5bが弾性部材1本当りに1個の易剥離接合部50を有していることが好ましい。
【0057】
図7に第4実施形態の外装体3を示す。前述した第1実施形態における外装体3は、外装体3を構成するシートと弾性部材とが接合されていない非接合部51を有していたが、本実施形態の動作応答型柔軟伸縮領域5cは、非接合部51を有しておらず、弾性部材36の全長に亘って、該弾性部材36と外装体3を構成するシートとが接合されている。具体的には、外装体3を構成するシートと弾性部材とが、強接合部54及び該強接合部54よりも弱い接合強度の易剥離接合部50とを介して接合されている。図1図6において、柔軟伸縮領域における弾性部材を点線で図示していたが、図7に示す弾性部材には、その全長に亘って強接合部54と易剥離接合部50とが交互に形成されている。したがって、図7に示す動作応答型柔軟伸縮領域5cでは、細い実線の易剥離接合部50又は太い実線の強接合部54と重なるように、弾性部材が配されている。
【0058】
第4実施形態において、強接合部54及び易剥離接合部50それぞれは、即ち外装体を構成するシートと弾性部材とが接合された接合部は、ホットメルト接着剤により形成されている。本実施形態の動作応答型柔軟伸縮領域5cは、弾性部材36の延在方向において、該弾性部材上のホットメルト接着剤の坪量が異なっている。換言すると、動作応答型柔軟伸縮領域5cは、弾性部材36上のホットメルト接着剤の存在量に濃淡が生じた状態となっている。また、本実施形態のウエスト側部域63において、ウエスト伸縮領域40は、胴回り伸縮領域45よりも弾性部材36上に形成された強接合部54の数が少ない。したがって、該ウエスト側部域63においてウエスト伸縮領域40は、弾性部材36上のホットメルト接着剤の坪量が胴回り伸縮領域45より低い。
【0059】
上述した各実施形態において、強接合部54及び易剥離接合部50は、外装体3を構成するシートと弾性部材とを圧着又は融着することにより形成されてもよいが、強接合部54及び易剥離接合部50を容易に形成する観点から、ホットメルト接着剤等の接着剤により形成されていることが好ましい。
【0060】
ホットメルト接着剤等の接着剤を用いる場合、接着剤を弾性部材に、コームガン等を用いて間欠的に塗工するか、弾性部材の延在方向に沿って接着剤の存在量を変化させて塗工する。弾性部材に直接接着剤を塗工すると弾性部材の抜けを防止することができるとともに最小限の接着剤量で前記シートに接合することができる。
接着剤としては、スチレン系(SIS、SBS、SEBS)、又はポリオレフィン系のホットメルト接着剤等が挙げられる。特に感圧型のSIS系ホットメルト接着剤が弾性部材の抜けや染み出しの観点から好ましい。
【0061】
また、本体側固定部59及び側部固定部57は、外装体3を構成するシートの何れか一方又は双方にホットメルト接着剤等の接着剤を塗布し、該接着剤を介して外装体3を構成するシートどうしを接合することによって形成されていてもよいが、弾性部材の抜けを防止する観点から、本体側固定部59及び側部固定部57においても弾性部材自体に接着剤を塗布することが好ましい。前記接着剤によって、本体側固定部59及び側部固定部57における外層シート31、内層シート32及び弾性部材が固定される。
【0062】
おむつ1における個々の構成部材の形成材料について説明する。外層シート31又は内層シート32等の、外装体3を構成するシートとしては、各種製法による不織布を用いることができ、例えばスパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等が挙げられる。外装体3の柔軟性をより向上させる観点から、外装体3を構成するシートは、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布であることが好ましく、スパンボンド不織布であることがより好ましい。
【0063】
吸収体23における吸収性コアの主体をなす吸収性材料としては、この種の吸収性物品において吸収体の材料として用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化処理された合成繊維、吸水性ポリマー等が挙げられる。吸収性コアの典型的な形態として、木材パルプ等の親水性繊維の繊維集合体、又は該繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させたものを例示できる。
【0064】
おむつ1において、コアラップシートは、吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面の全域を被覆している。コアラップシートは連続した1枚のシートであってもよく、吸収性コアの肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、該肌側コアラップシートとは別体で、吸収性コアの非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとを含んで構成されていてもよい。コアラップシートとしては、紙、各種不織布、開孔フィルム等の液透過性シートを用いることができる。吸収性コアとコアラップシートとの間は、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段により接合されていてもよい。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上述した実施形態の外装体3は、ウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45それぞれに動作応答型柔軟伸縮領域5を有するものであったが、外装体3は、ウエスト伸縮領域40及び胴回り伸縮領域45の何れかに動作応答型柔軟伸縮領域5を有していてもよく、脚回り伸縮領域47に動作応答型柔軟伸縮領域5を有していてもよい。脚回り伸縮領域47に動作応答型柔軟伸縮領域5を有している場合、外装体3は、該脚回り伸縮領域47における柔軟性に優れるとともに、脚回り伸縮領域47が肌に良好に追随するので、着用者の脚回りの肌への擦過を低減することができる。
上述した実施形態のおむつは、展開且つ伸長状態において、外装体3が腹側部A、股下部C及び背側部Bに亘って連続していたが、外装体3は、着用者の背側に配される背側外装体と腹側に配される腹側外装体とに分割されたものであってもよい。この場合、吸収性本体が、背側外装体と腹側外装体との間に架け渡して固定される。
【0066】
また、前述したように、着用者の肌への擦過を低減する観点から、着用者の動作に伴う応力の影響を受け易い領域に、動作応答型柔軟伸縮領域5が配されることが好ましい。特に、縦方向Xにおけるサイドシール部Sの全長を100としたとき、外装体3は、ウエスト開口部の周縁端WEから股下部Cに向かう範囲であって、縦方向Xの長さが15相当の範囲、及び縦方向Xにおけるサイドシール部Sの中央に位置する範囲であって、縦方向Xの長さが15相当の範囲に、動作応答型柔軟伸縮領域5を有していることが好ましい。
【0067】
上述した実施形態に関し、さらに以下のパンツ型吸収性物品を開示する。
<1>
吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されていることによって、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、
前記外装体は、前記吸収性物品の外面を形成する非肌対向面側の外層シートと、該外層シートの肌対向面側に配された内層シートと、該外層シートと該内層シートとの間に複数の弾性部材とを有しており、
前記外装体は、前記ウエスト開口部の周縁端に形成され前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域、前記ウエスト伸縮領域よりも前記股下部側に位置し前記横方向に伸縮する胴回り伸縮領域及び前記レッグ開口部の周方向に伸縮する脚回り伸縮領域の少なくとも何れかにおける、前記外層シート、前記内層シート及び前記弾性部材が接合された弾性部材固定用接合部どうし間に動作応答型柔軟伸縮領域を有しており、
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合された易剥離接合部、及び前記外装体を構成するシートどうしが接合されていないシート非接合部を有しており、
前記シート非接合部は、前記弾性部材と直交する方向における前記弾性部材間に位置しており、
前記易剥離接合部は、着用状態において応力が加わったときに、接合状態が解除されるようになされている、パンツ型吸収性物品。
【0068】
<2>
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記易剥離接合部とともに、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合されていない非接合部を有している、前記<1>に記載のパンツ型吸収性物品。
<3>
前記弾性部材固定用接合部の接合強度に対する前記易剥離接合部の接合強度の比率が5%以上90%以下であり、好ましくは10%以上80%以下である、前記<1>又は<2>に記載のパンツ型吸収性物品。
<4>
前記動作応答型柔軟伸縮領域は、前記易剥離接合部とともに、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが前記弾性部材固定用接合部以上の強い接合強度で接合されている強接合部を有している、前記<1>~<3>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<5>
前記強接合部の接合強度が0.1N以上0.6N以下であり、好ましくは0.12N以上0.58N以下である、前記<4>に記載のパンツ型吸収性物品。
<6>
前記易剥離接合部の接合強度が0.01N以上0.2N以下であり、好ましくは0.02N以上0.18N以下である、前記<4>又は<5>に記載のパンツ型吸収性物品。
<7>
前記易剥離接合部がホットメルト接着剤により形成されている、前記<1>~<6>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<8>
前記ウエスト伸縮領域は、前記胴回り伸縮領域よりも前記弾性部材の繊度が小さい、前記<1>~<7>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<9>
前記胴回り伸縮領域における前記弾性部材の繊度に対する、前記ウエスト伸縮領域における前記弾性部材の繊度の比率が10%以上90%以下であり、好ましくは20%以上80%以下である、前記<8>に記載のパンツ型吸収性物品。
<10>
前記ウエスト伸縮領域における前記弾性部材の繊度が、100dtex以上700dtex以下であり、好ましくは120dtex以上650dtex以下である、前記<8>又は<9>に記載のパンツ型吸収性物品。
【0069】
<11>
前記胴回り伸縮領域における前記弾性部材の繊度が、300dtex以上1000dtex以下であり、好ましくは350dtex以上900dtex以下である、前記<8>~<10>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<12>
前記易剥離接合部がホットメルト接着剤により形成されており、
前記ウエスト伸縮領域の前記易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量が、前記胴回り伸縮領域の前記易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量よりも少ない、前記<1>~<11>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<13>
前記ウエスト伸縮領域における前記易剥離接合部の面積率が、前記胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の面積率より小さい、前記<1>~<12>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<14>
前記胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の面積率に対する前記ウエスト伸縮領域における前記易剥離接合部の面積率の比率が10%以上90%以下であり、好ましくは20%以上80%以下である、前記<13>に記載のパンツ型吸収性物品。
<15>
前記易剥離接合部とともに、前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合されていない非接合部、及び前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが前記弾性部材固定用接合部以上の強い接合強度で接合されている強接合部を有しており、
前記動作応答型柔軟伸縮領域における前記易剥離接合部の面積率は、20%以上、好ましくは25%以上であり、また90%以下、好ましくは80%以下であり、また20%以上90%以下、好ましくは25%以上80%以下である、前記<1>~<14>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<16>
前記動作応答型柔軟伸縮領域における前記強接合部の面積率は、5%以上、好ましくは10%以上であり、また50%以下、好ましくは45%以下であり、また5%以上50%以下、好ましくは10%以上45%以下である、前記<15>に記載のパンツ型吸収性物品。
<17>
前記動作応答型柔軟伸縮領域における前記非接合部の面積率は、5%以上、好ましくは10%以上であり、また40%以下、好ましくは30%以下であり、また5%以上40%以下、好ましくは10%以上30%以下である、前記<15>又は<16>に記載のパンツ型吸収性物品。
<18>
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部それぞれにおいて、前記吸収性本体と前記横方向に重なるウエスト中央域と、該ウエスト中央域の両側に位置するウエスト側部域とを有しており、
前記外装体を構成するシートと前記弾性部材とが接合された接合部がホットメルト接着剤により形成されており、前記ウエスト側部域において、前記ウエスト伸縮領域の該弾性部材上の前記ホットメルト接着剤の坪量が前記胴回り伸縮領域より低い、前記<1>~<17>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<19>
前記易剥離接合部として、前記内層シートと前記弾性部材とを接合する内側易剥離接合部と、前記外層シートと前記弾性部材とを接合する外側易剥離接合部とを有し、前記内側易剥離接合部の接合強度が前記外側易剥離接合部の接合強度とが互いに異なっている、前記<1>~<18>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<20>
前記易剥離接合部がホットメルト接着剤により形成されており、
前記内側易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量が、前記外側易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量と異なっている、前記<19>に記載のパンツ型吸収性物品。
【0070】
<21>
前記内側易剥離接合部の前記ホットメルト接着剤の坪量が、前記外側易剥離接合部の前記ホットメルト接着剤の坪量よりも低い、前記<20>に記載のパンツ型吸収性物品。
<22>
前記外側易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量に対する前記内側易剥離接合部における前記ホットメルト接着剤の坪量の比率が10%以上80%以下であり、好ましくは20%以上70%以下である、前記<21>に記載のパンツ型吸収性物品。
<23>
前記内側易剥離接合部の前記ホットメルト接着剤の坪量が1g/m以上40g/m以下、好ましくは2g/m以上35g/m以下である、前記<21>又は<22>に記載のパンツ型吸収性物品。
【0071】
<24>
前記外側易剥離接合部の前記ホットメルト接着剤の坪量が3g/m以上50g/m以下、好ましくは5g/m以上45g/m以下である、前記<21>~<23>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<25>
前記外層シート及び前記内層シートは、構成繊維の密度が互いに異なっている、前記<19>~<24>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<26>
前記内層シートの構成繊維の密度が、前記外層シートの構成繊維の密度よりも小さい、前記<25>に記載のパンツ型吸収性物品。
<27>
前記外層シートの構成繊維の密度に対する前記内層シートの構成繊維の密度が10%以上90%以下、より好ましくは20%以上80%以下である、前記<26>に記載のパンツ型吸収性物品。
<28>
前記内層シートの構成繊維の密度が0.01g/cm以上0.15g/cm以下、好ましくは0.02g/cm以上0.12g/cm以下である、前記<26>又は<27>に記載のパンツ型吸収性物品。
<29>
前記外層シートの構成繊維の密度が0.02g/cm以上0.17g/cm以下、好ましくは0.03g/cm以上0.15g/cm以下である、前記<26>~<28>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<30>
前記外層シート及び前記内層シートは、構成繊維の親水度が互いに異なっている、前記<19>~<29>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
【0072】
<31>
前記内層シートの親水度は、前記外層シートの親水度よりも高い、前記<30>に記載のパンツ型吸収性物品。
<32>
前記内層シートの水との接触角が5度以上130度以下、好ましくは10度以上120度以下である、前記<31>に記載のパンツ型吸収性物品。
<33>
前記外層シートの水との接触角が70度以上、より好ましくは90度以上である、前記<31>又は<32>に記載のパンツ型吸収性物品。
<34>
前記外層シート及び前記内層シートの少なくとも一方が、セルロース系繊維を含有している、前記<30>~<33>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<35>
前記内層シートの前記セルロース系繊維の含有量が前記外層シートの前記セルロース系繊維の含有量より多い、前記<34>に記載のパンツ型吸収性物品。
<36>
前記内層シートにおける前記セルロース系繊維の含有量が1質量%以上90質量%以下、好ましくは5質量%以上80質量%以下である、前記<35>に記載のパンツ型吸収性物品。
<37>
前記外層シートにおける前記セルロース系繊維の含有量が1質量%以上90質量%以下、より好ましくは5質量%以上80質量%以下である、前記<35>又は<36>に記載のパンツ型吸収性物品。
<38>
前記外層シート及び前記内層シートは、柔軟剤の含有量が互いに異なっている、前記<19>~<37>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<39>
前記内層シートにおける前記柔軟剤の含有量が、前記外層シートにおける前記柔軟剤の含有量よりも多い、前記<38>に記載のパンツ型吸収性物品。
<40>
前記外装体は、前記弾性部材固定用接合部として、側部固定部と本体側固定部とを有しており、
前記側部固定部は、前記サイドシール部と前記横方向に隣り合っており、
前記本体側固定部は、前記吸収性本体の前記横方向両端部において該吸収性本体と重なっており、
前記弾性部材固定用接合部の前記横方向の長さは、前記ウエスト伸縮領域又は前記胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さよりも長い、前記<1>~<39>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
【0073】
<41>
前記本体側固定部の前記横方向の長さL9及び前記側部固定部の前記横方向の長さL7それぞれは、前記易剥離接合部の前記横方向の長さW1に対して100%超600%以下、好ましくは110%以上500%以下である、前記<40>に記載のパンツ型吸収性物品。
<42>
前記本体側固定部の前記横方向の長さL9は2mm以上50mm以下、好ましくは3mm以上40mm以下である、前記<40>又は<41>に記載のパンツ型吸収性物品。
<43>
前記側部固定部の前記横方向の長さL7は2mm以上50mm以下、好ましくは3mm以上40mm以下である、前記<40>~<42>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<44>
前記易剥離接合部の前記横方向の長さW1が1mm以上40mm以下、より好ましくは1.5mm以上30mm以下である、前記<40>~<43>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<45>
前記背側部は、前記腹側部よりも前記ウエスト伸縮領域又は前記胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さが長い、前記<1>~<44>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<46>
前記背側部の前記動作応答型柔軟伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さは、前記腹側部の前記動作応答型柔軟伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さに対して好ましくは105%以上300%以下、より好ましくは110%以上200%以下である、前記<45>に記載のパンツ型吸収性物品。
<47>
前記横方向Yにおける前記易剥離接合部のピッチP1は、前記易剥離接合部の前記横方向の長さW1に対して120%以上1000%以下、より好ましくは150%以上800%以下である、前記<1>~<46>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<48>
前記横方向における前記易剥離接合部のピッチP1が、5mm以上150mm以下、好ましくは12mm以上100mm以下である、前記<47>に記載のパンツ型吸収性物品。
<49>
前記外装体は、前記腹側部及び前記背側部それぞれにおいて、前記吸収性本体と前記横方向に重なるウエスト中央域と、該ウエスト中央域の両側に位置するウエスト側部域とを有しており、
前記ウエスト側部域は、前記ウエスト中央域よりも、前記ウエスト伸縮領域又は胴回り伸縮領域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さが長い、前記<1>~<48>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<50>
前記ウエスト伸縮領域又は前記胴回り伸縮領域において、前記ウエスト側部域における前記易剥離接合部の前記横方向の長さW3は、ウエスト中央域61における前記易剥離接合部の前記横方向の長さW5に対して105%以上800%以下、好ましくは110%以上700%以下である、前記<49>に記載のパンツ型吸収性物品。
<51>
前記縦方向に沿って前記易剥離接合部と前記シート非接合部とが交互に配されており、それによって該縦方向に連続して延びる襞が形成されている、前記<1>~<50>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
【符号の説明】
【0074】
1 使い捨ておむつ
2 吸収性本体
23 吸収体
3 外装体
31 外層シート
32 内層シート
36 弾性部材
40 ウエスト伸縮領域
45 胴回り伸縮領域
47 脚回り伸縮領域
50 易剥離接合部
51 非接合部
53 シート非接合部
54 強接合部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
WE ウエスト開口部の周縁端
X 縦方向
Y 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7