(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 315Z
(21)【出願番号】P 2020178594
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2021-11-03
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 徹也
(72)【発明者】
【氏名】田中 勝巳
(72)【発明者】
【氏名】堀部 浩司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智章
(72)【発明者】
【氏名】番沢 将久
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-267673(JP,A)
【文献】特開2005-211117(JP,A)
【文献】特開2020-074965(JP,A)
【文献】特開2007-014696(JP,A)
【文献】特開2020-168163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当たり判定処理により当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技制御手段を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄を変動表示させることが可能であり、
前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態に制御可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、
前記特別遊技の実行時間を通常時間よりも長い特別時間にすることで、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
当たり判定処理により当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技制御手段を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄を変動表示させることが可能であり、
前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態に制御可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、
前記特別遊技後の前記特典遊技状態にて前記識別図柄の変動表示の時間を決定する場合に、通常決定基準よりも前記識別図柄の変動表示の時間が長く決定され易い特別決定基準を参照することで、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、大当たり判定処理(当たり判定処理)により大当たり(当たり)と判定すると、遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するパチンコ遊技機が知られている。この種類のパチンコ遊技機において、例えば下記特許文献1に記載の遊技機では、大当たり遊技後に、高確率状態且つ時短状態(特典遊技状態)に制御され得るようになっている。高確率状態且つ時短状態では、早く次回の大当たりへの当選を狙うことができて、遊技者に有利な遊技状態になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の遊技機では、特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。そして、その特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。このようにして、一部の遊技者にとっては、所定時間に獲得する総賞球数(特典)が過剰になるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
当たり判定処理により当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技制御手段を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄を変動表示させることが可能であり、
前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態に制御可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、前記特別遊技の実行時間を通常時間よりも長い特別時間にすることで、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
また本発明の遊技機は、
当たり判定処理により当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技制御手段を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄を変動表示させることが可能であり、
前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態に制御可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、前記特別遊技後の前記特典遊技状態にて前記識別図柄の変動表示の時間を決定する場合に、通常決定基準よりも前記識別図柄の変動表示の時間が長く決定され易い特別決定基準を参照することで、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機によれば、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
【
図2】同遊技機が備える第2大入賞装置等を詳細に示す概略正面図である。
【
図3】
図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図4】同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】(A)は第1開放パターンテーブルであり、(B)は第2開放パターンテーブルであり、(C)は第3開放パターンテーブルである。
【
図8】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図9】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は当たり種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】(A)は第1変動パターン判定テーブルであり、(B)は第2変動パターン判定テーブルであり、(C)は第3変動パターン判定テーブルである。
【
図11】電チューの開放パターン決定テーブルである。
【
図12】第1形態の初当たり後の推移を示す図である。
【
図13】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図14】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図19】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図20】大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図21】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図22】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図23】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図24】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図27】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図28】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図29】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図30】開放パターン設定処理のフローチャートである。
【
図31】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
【
図32】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図34】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図35】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図36】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図37】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図38】抑制ステータスが「1」であるときのドハズレを示す図である。
【
図39】抑制ステータスが「1」であるときのSPリーチを示す図である。
【
図40】抑制ステータスが「1」であるときの大当たり演出を示す図である。
【
図41】抑制ステータスが「2」であるときのドハズレを示す図である。
【
図42】抑制ステータスが「2」であるときのSPリーチを示す図である。
【
図43】抑制ステータスが「2」であるときの大当たり演出を示す図である。
【
図44】抑制ステータスが「3」であるときのドハズレを示す図である。
【
図45】抑制ステータスが「3」であるときのSPリーチを示す図である。
【
図46】抑制ステータスが「3」であるときの大当たり演出を示す図である。
【
図47】第2形態において、当たりの種別を示す表である。
【
図48】第2形態において、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【
図49】第2形態において、初当たり後の推移の一例を示す図である。
【
図50】第2形態において、初当たり後の推移の別例を示す図である。
【
図51】第3形態において、当たりの種別を示す表である。
【
図52】第3形態において、遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【
図53】第3形態において、初当たり後の推移を示す図である。
【
図54】(A)は第4形態において、ラッシュ連続回数と抑制ステータスとの関係を示す表であり、(B)は第4形態において、ラッシュ変動回数と抑制ステータスとの関係を示す表である。
【
図55】第4形態において、特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図56】第4形態において、抑制ステータス設定処理のフローチャートである。
【
図57】第4形態において、遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図58】第5形態において、ラッシュベースと抑制ステータスとの関係を示す表である。
【
図59】第6形態において、遊技機の正面図である。
【
図60】第6形態において、ラッシュ連続回数と役連ゲート規定球数との関係を示す表である。
【
図61】第6形態において、特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図62】第6形態において、役連ゲート打ち込み促進演出を示す図である。
【
図63】第7形態において、ラッシュ変動回数と役連ゲート規定球数との関係を示す表である。
【
図64】第8形態において、ラッシュ連続回数と特
図2上限保留球数との関係を示す表である。
【
図65】第9形態において、ラッシュ変動回数と特
図2上限保留球数との関係を示す表である。
【
図66】第10形態において、ラッシュ連続回数と小当たり当選確率との関係を示す表である。
【
図67】第11形態において、ラッシュ変動回数と小当たり当選確率との関係を示す表である。
【
図68】第12形態において、特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図69】第12形態において、ラッシュ連続回数と転落確率との関係を示す表である。
【
図70】第13形態において、ラッシュ変動回数と転落確率との関係を示す表である。
【
図71】遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法と、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法とを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.遊技機の構造
本発明の第1形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
【0010】
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0011】
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には装飾用の盤ランプ5(
図5参照)が複数設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0012】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄(識別図柄)および第2特別図柄(識別図柄)の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(
図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0013】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0014】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0015】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(
図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
【0016】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、装飾部材13が配されている。
【0017】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0018】
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21(特定の入球口)への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0019】
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
【0020】
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
【0021】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、
図2に示すように、開状態と閉状態とをとる開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(
図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。なお、第2大入賞装置36において、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。
【0022】
また
図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0023】
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
【0024】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0025】
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
【0026】
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口9とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
【0027】
また
図1および
図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0028】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0029】
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技又は小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。また本形態では、大当たりの種類だけでなく、後述する抑制ステータスの値によっても、開放パターンが異なるようになっている(
図7参照)。
【0030】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0031】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(
図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(第1数値情報記憶手段)85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(第2数値情報記憶手段)85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態において第1特図保留記憶部85aの上限記憶数(特
図1上限保留球数)が4であり、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数(特
図2上限保留球数)が4となっている。
【0032】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0033】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、例えば4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは、例えば1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0034】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0035】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0036】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(
図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0037】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0038】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0039】
また遊技機枠50の下側には、遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出する排出口(図示省略)が設けられている。排出口には、第1始動口20、第2始動口、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27に入賞した遊技球が流れ込むと共に、アウト口9を通過した遊技球が流れ込むようになっている。つまり、遊技者により遊技領域3へ発射された遊技球は、第1始動口20、第2始動口、第1大入賞口30、第2大入賞口35、普通入賞口27に入賞した後、又はアウト口9を通過した後、排出口を通ってパチンコ遊技機1の外部へ排出されることになる。排出口には、排出口センサ70aが取付けられている。この排出口センサ70aの検出により、遊技球が遊技領域3を流下した発射球数を計測(カウント)できるようになっている。
【0040】
2.遊技機の電気的構成
次に
図4及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図4及び
図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
【0041】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81(遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0042】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、排出口センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0043】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。排出口センサ70aは、排出口内に設けられて排出口を通過する遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0044】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。
【0045】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0046】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0047】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
【0048】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0049】
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0050】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0051】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0052】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0053】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、
図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0054】
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0055】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。なお「当たり」には、「大当たり」と「小当たり」の両方が含まれている。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0056】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。
【0057】
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(ラウンドインターバル)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0058】
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0059】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。より詳細には本形態では、
図6に示すように、大当たりの種別として「2R(ラウンド)通常大当たり」、「4R確変大当たり」、「6R確変大当たり」、「8R確変大当たり」、「10R確変大当たり」がある。「2R通常大当たり」は、2Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「通常確率状態且つ時短状態(低確時短状態)」に制御する大当たりである。「4R確変大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「高確率状態且つ時短状態(高確時短状態)」に制御する大当たりである。「6R確変大当たり」は、6Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「高確時短状態」に制御する大当たりである。「8R確変大当たり」は、8Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「高確時短状態」に制御する大当たりである。「10R確変大当たり」は、10Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「高確時短状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
【0060】
また、第1特別図柄(特
図1)の抽選で「2R通常大当たり」に当選した場合、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_通常図柄」が停止表示され、第2特別図柄(特
図2)のの抽選で「2R通常大当たり」に当選した場合、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_通常図柄」が停止表示される。また、特
図1の抽選で「4R確変大当たり」に当選した場合、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_確変図柄1」が停止表示され、特
図2の抽選で「4R確変大当たり」に当選した場合、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_確変図柄1」が停止表示される。また、特
図1の抽選で「6R確変大当たり」に当選した場合、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_確変図柄2」が停止表示され、特
図2の抽選で「6R確変大当たり」に当選した場合、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_確変図柄2」が停止表示される。また、特
図1の抽選で「8R確変大当たり」に当選した場合、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_確変図柄3」が停止表示され、特
図2の抽選で「8R確変大当たり」に当選した場合、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_確変図柄3」が停止表示される。また、特
図1の抽選で「10R確変大当たり」に当選した場合、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_確変図柄4」が停止表示され、特
図2の抽選で「10R確変大当たり」に当選した場合、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_確変図柄4」が停止表示される。
【0061】
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。本形態では、当選する小当たりの種類は1種類だけである。特
図1の抽選で「小当たり」に当選した場合、第1特別図柄表示器41aに「特
図1_小当たり図柄」が停止表示され、特
図2の抽選で「小当たり」に当選した場合、第2特別図柄表示器41bに「特
図2_小当たり図柄」が停止表示される。なお、小当たりの種類として、複数設けるようにしても良い。
【0062】
図6に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、2R通常大当たりが10%、4R確変大当たりが30%、6R確変大当たりが20%、8R確変大当たりが20%、10R確変大当たりが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の抽選における各大当たりへの振分確率は、2R通常大当たりが10%、4R確変大当たりが20%、6R確変大当たりが20%、8R確変大当たりが20%、10R確変大当たりが30%となっている。こうして、特
図2の抽選で大当たりに当選した場合には、特
図1の抽選で大当たりに当選した場合よりも、ラウンド数が多い10R確変大当たり4に当選し易い一方、ラウンド数が少ない4R確変大当たりに当選し難いという点で、有利である。
【0063】
本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図8(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0064】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。そして、リーチ態様とは、リーチとなっているときの演出図柄の表示態様のことである。なお、リーチにおいて停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0~127までの範囲で値をとる。
【0065】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、
図8(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
【0066】
ここで本形態では、
図7(A)(B)(C)に示すように、各種の大当たりに当選した場合であっても、大入賞口の開放パターンは1種類ではなく、3種類設けられている。つまり、2R通常大当たりに当選した場合、
図7(A)に示す第1開放パターン、
図7(B)に示す第2開放パターン、
図7(C)に示す第3開放パターンのうち、何れかの開放パターンで大当たり遊技が実行される。同様に、4R確変大当たりに当選した場合、6R確変大当たりに当選した場合、8R確変大当たりに当選した場合、10R確変大当たりに当選した場合であっても、
図7(A)に示す第1開放パターン、
図7(B)に示す第2開放パターン、
図7(C)に示す第3開放パターンのうち、何れかの開放パターンで大当たり遊技が実行される。
【0067】
図7(A)に示す第1開放パターンと、
図7(B)に示す第2開放パターンと、
図7(C)に示す第3開放パターンとにおいて、第1大入賞口30の開放時間が1R当たり最大29.5秒という点は変わらない。しかしながら、OP(オープニング)時間、ラウンドインターバル、ED(エンディング)時間が異なるようになっている。具体的に、
図7(A)に示す第1開放パターンでは、OP時間は7.0秒であり、ラウンドインターバルは0.2秒であり、ED時間は7.0秒である。また
図7(B)に示す第2開放パターンでは、OP時間は12.0秒であり、ラウンドインターバルは2.0秒であり、ED時間は12.0秒である。
図7(C)に示す第3開放パターンでは、OP時間は17.0秒であり、ラウンドインターバルは5.0秒であり、ED時間は17.0秒である。こうして、第1開放パターン<第2開放パターン<第3開放パターンの順番に、大当たり遊技の実行時間が長くなる。なお、小当たりに当選した場合には、必ず、OP時間は0.1秒であり、第2大入賞口35の開放時間は1.6秒であり、ラウンドインターバルは0.2秒であり、ED時間は0.1秒である。
【0068】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(
図9(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0069】
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図10(A)(B)(C)参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0070】
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図9(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0071】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図9(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図11参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図11参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
【0072】
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0073】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0074】
本形態のパチンコ遊技機1では、確変大当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たり)への当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確時短状態(高確高ベース状態)」という。高確時短状態(特典遊技状態)は、10000回の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり、本形態の高確率状態は、実質的に次回の大当たりへの当選まで継続するようになっている。
【0075】
一方、通常大当たり(2R通常大当たり)への当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(低高確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確時短状態(低確高ベース状態)」という。低確時短状態は、50回の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0076】
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技(特別遊技)の実行中の状態を「大当たり遊技状態(特別遊技状態)」と称することとする。
【0077】
高確時短状態や低確時短状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(
図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0078】
これに対して、通常遊技状態における低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(
図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0079】
ところで、本形態では、主制御基板80の上に4桁の7セグメントで構成されたベース表示器140(
図4参照)が実装されている。ベース表示器140は、右側の2桁にて、通常遊技状態で遊技者が獲得した総賞球数(通常総賞球数)と、通常遊技状態で遊技者により発射された遊技球が遊技領域3を流下した発射球数(通常発射球数)との割合である通常ベースを%で表示するものである。なお、遊技制御用マイコン81は、第1始動口センサ20aの検出、第2始動口センサ21aの検出、第1大入賞口センサ30aの検出、第2大入賞口センサ35aの検出、普通入賞口センサ27aの検出に基づいて、総賞球数を計測(カウント)することができる。また、遊技制御用マイコン81は、排出口センサ70aの検出に基づいて、発射球数を計測(カウント)することができる。
【0080】
通常ベースは、遊技制御用マイコン81によって逐次演算されていて、基本的にベース表示器140にて常時表示されるようになっている。こうして、遊技場の従業員等は、ベース表示器140で表示されている通常ベースを確認することで、本パチンコ遊技機1に故障や不正な改造がなされていないかを判断することが可能である。なお、ベース表示器140の右側の2桁で表示されるベースは、通常遊技状態でのベース(通常ベース)のみであって、高確時短状態でのベース、低確時短状態でのベース、大当たり遊技状態でのベースが表示されることはない。
【0081】
5.出玉抑制
次に、本形態の特徴である単位時間(所定時間)に対する出玉抑制について、説明する。本パチンコ遊技機1では、先ず、通常遊技状態の遊技にて、特
図1の抽選で確変大当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R大当たり)への当選を狙うことになる。確変大当たりに当選した場合、その確変大当たりに基づく大当たり遊技後に、高確時短状態(特典遊技状態)に制御される。高確時短状態は、実質的に次回の大当たりへの当選が保証されているため、遊技者にとって極めて有利な遊技状態といえる。こうして、高確時短状態への制御が開始されると、遊技者に大当たり遊技と高確時短状態との繰返しを期待させることになる。ここで、高確時短状態への制御が開始されてから高確時短状態への制御が終了するまでの状態を、「ラッシュ状態(ラッシュ期間)」という。また、通常遊技状態において、大当たり遊技後に高確時短状態(ラッシュ状態)に移行できる大当たり(確変大当たり)に当選することを、「初当たり」という。なお、特
図1の抽選で通常大当たり(2R通常大当たり)に当選した場合には、その通常大当たりに基づく大当たり遊技後に低確時短状態される。低確時短状態は、特別図柄の変動表示が50回実行されると終了するため、次回の大当たりへの当選が保証されているわけでない。
【0082】
ところで、高確時短状態での特
図2の抽選で、すぐに確変大当たりに当選することがある。この場合、その確変大当たりに基づく大当たり遊技後に、再び高確時短状態に制御される。そして、その高確時短状態での特
図2の抽選で、再びすぐに確変大当たりに当選することがある。この場合、その確変大当たりに基づく大当たり遊技後に、再び高確時短状態に制御される。こうして、遊技者の引きが強い場合には、高確時短状態⇒大当たり遊技のループが極めて短時間で繰り返されることになり、単位時間(例えば1時間)に対して遊技者に過剰な特典(賞球)を付与するおそれがある。
【0083】
そこで本パチンコ遊技機1では、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断した場合に、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するように構成している。具体的には、本形態では、大当たり遊技後に高確時短状態に制御される連続回数が5回(所定回数)に達すると、次回の高確時短状態への制御を制限するリミッタ機能が作動するようになっている。つまり、リミッタ機能が作動する場合には、大当たり遊技後に、高確時短状態に制御されずに、通常遊技状態に制御されることになる。こうして、
図12に示すように、初当たりを含めて、確変大当たりに6回連続で当選すると、1回目から5回目の大当たり遊技後には高確時短状態に制御されるものの、6回目の大当たり遊技後には通常遊技状態に制御される。このリミッタ機能の作動によって、大当たり遊技が7回以上連続で実行されることを抑制して、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である。
【0084】
また本パチンコ遊技機1では、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまでの間でも、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するように構成している。具体的には、遊技制御用マイコン81は、初当たりに基づく大当たり遊技の終了時に、残リミッタカウンタに「6」をセットする(
図6参照)。その後、確変大当たりに基づく大当たり遊技が終了する度に、残リミッタカウンタの値を「1」だけ減算する。こうして、
図12に示すように、初当たりを含めて、確変大当たりに6回連続で当選すると、6回目の大当たり遊技が終了したときに、残リミッタカウンタの値が「0」になる。
【0085】
ここで、
図12に示すように、遊技制御用マイコン81は、残リミッタカウンタが「5」以上(「5」又は「6」)であるときに、抑制ステータスを「1」に設定している。また残リミッタカウンタが「3」以上且つ「5」未満であるときに、抑制ステータスを「2」に設定している。また残リミッタカウンタが「1」以上且つ「3」未満であるときに、抑制ステータスを「3」にしている。また残リミッタカウンタが「0」のときに、抑制ステータスを「1」に設定している。
【0086】
そして本形態では、抑制ステータスが「1」であるときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制しない。また、抑制ステータスが「2」であるときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するように構成している。更に、抑制ステータスが「3」であるときには、抑制ステータスが「2」であるときよりも、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するように構成している。こうして、抑制ステータスは、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制しているか否かを示すと共に、単位時間に遊技者に付与する総賞球数(出玉)をどのくらい抑制しているのかを示すものである。
【0087】
そして本形態では、抑制ステータスが「1」であるときには、確変大当たりに基づく大当たり遊技において、
図7(A)に示す第1開放パターンが設定される。
図7(A)に示す第1開放パターンでは、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常通りの実行時間であって、延長されているわけではない。従って、抑制ステータスが「1」であるときには、確変大当たりに基づく大当たり遊技において、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制していない。
【0088】
これに対して、抑制ステータスが「2」であるときには、確変大当たりに基づく大当たり遊技において、
図7(B)に示す第2開放パターンが設定される。
図7(B)に示す第2開放パターンでは、
図7(A)に示す第1開放パターンよりも、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が長く(延長しているのように)設定される。従って、従って、抑制ステータスが「2」であるときには、確変大当たりに基づく大当たり遊技において、抑制ステータスが「1」であるときよりも、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。
【0089】
更に、抑制ステータスが「3」であるときには、確変大当たりに基づく大当たり遊技において、
図7(C)に示す第3開放パターンが設定される。
図7(C)に示す第3開放パターンでは、
図7(B)に示す第2開放パターンよりも、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が長く(延長しているのように)設定される。従って、従って、抑制ステータスが「3」であるときには、確変大当たりに基づく大当たり遊技において、抑制ステータスが「2」であるときよりも、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。
【0090】
また本形態では、抑制ステータスの値に応じて、大入賞口(第1大入賞口30)の開放パターンを切替えるだけでなく、変動パターン判定テーブルも切替えるようにしている。ここで、
図10には、3種類の変動パターン判定テーブルが示されている。
図10(A)は、第1変動パターン判定テーブルであり(通常決定基準)、遊技制御用マイコン81が、
図10(A)に示す第1変動変動パターン判定テーブルを参照する場合には、特別図柄の変動時間が通常通りである変動パターンP1~P7、P11~P17を選択する。
【0091】
また
図10(B)は、第2変動パターン判定テーブル(特別決定基準)であり、遊技制御用マイコン81が、
図10(B)に示す第2変動変動パターン判定テーブルを参照する場合には、特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く(延長)されている変動パターンP21~P27、P31~P37を選択する。つまり、
図10(A)に示す変動パターンP1~P7、P11~P17と、
図10(B)に示す変動パターンP21~P27、P31~P37との比較から分かるように、
図10(B)に示す変動パターンP21~P27、P31~P37の変動時間の方が、
図10(A)に示す変動パターンP1~P7、P11~P17の変動時間よりも長い。従って、
図10(B)に示す第2変動変動パターン判定テーブルの方が、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルよりも、長い変動時間である変動パターンが選択され易い。
【0092】
また
図10(C)は、第3変動パターン判定テーブルであり、遊技制御用マイコン81が、
図10(C)に示す第3変動変動パターン判定テーブルを参照する場合には、特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く(延長)されている変動パターンP41~P47、P51~P57を選択する。
図10(B)に示す変動パターンP21~P27、P31~P37と、
図10(C)に示す変動パターンP41~P47、P51~P57との比較から分かるように、
図10(C)に示す変動パターンP41~P47、P51~P57の変動時間の方が、
図10(B)に示す変動パターンP21~P27、P31~P37の変動時間よりも長い。従って、
図10(C)に示す第3変動変動パターン判定テーブルの方が、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルよりも、長い変動時間である変動パターンが選択され易い。
【0093】
こうして本形態では、抑制ステータスが「1」であるときには、ラッシュ状態での高確時短状態において、遊技制御用マイコン81は、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンP1~P7、P11~P17のうちの何れかを決定する。そのため、このときには、特別図柄の変動表示が通常通り実行される。こうして、抑制ステータスが「1」であるときには、高確時短状態での遊技において、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制していない。
【0094】
これに対して、抑制ステータスが「2」であるときには、ラッシュ状態での高確時短状態において、遊技制御用マイコン81は、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンP21~P27、P31~P37のうちの何れかを決定する。そのため、このときには、特別図柄の変動表示が通常よりも少し長く(延長して)実行される。こうして、抑制ステータスが「2」であるときには、高確時短状態での遊技において、抑制ステータスが「1」であるときよりも、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。
【0095】
更に、抑制ステータスが「3」であるときには、ラッシュ状態での高確時短状態において、遊技制御用マイコン81は、
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンP41~P47、P51~P57のうちの何れかを決定する。そのため、このときには、特別図柄の変動表示が通常よりも十分に長く(延長して)実行される。こうして、抑制ステータスが「3」であるときには、高確時短状態での遊技において、抑制ステータスが「2」であるときよりも、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。
【0096】
以上、
図12に示すように、リミッタ機能が作動するまでに実行される大当たり遊技の残り回数(又はリミッタ機能が作動するまでに制御される高確率時短状態の残り回数)に基づいて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしている。即ち、初当たり後に、残リミッタカウンタが「5」以上であれば、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制しない。その後、残リミッタカウンタが「5」未満且つ「3」以上であれば、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。その後、残リミッタカウンタが「3」未満且つ「1」以上であれば、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制する。なおその後、残リミッタカウンタが「0」になれば、上述したように、リミッタ機能の作動によって大当たり遊技後に通常遊技状態に移行する。
【0097】
よって、本形態では、初当たりしてからリミッタ機能が作動するまでの間において、残リミッタカウンタの値が「5」未満になると、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が長くなると共に、高確時短状態での特別図柄(主に第2特別図柄)の変動表示の時間が長くなる。これにより、遊技者の引きが強くて、高確時短状態⇒大当たり遊技のループが短時間で繰り返されても、単位時間(例えば1時間)に対して遊技者に過剰な特典(賞球)を付与するのを防ぐことが可能である。
【0098】
更に、本形態では、リミッタ機能の作動に近づくにつれて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が段階的に抑制される。つまり、残リミッタカウンタの値が小さくなるにつれて、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が段階的に長くなると共に、高確時短状態での特別図柄(主に第2特別図柄)の変動表示の時間が段階的に長くなる。こうして、リミッタ機能の作動に近づくにつれて、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に抑えることで、例えば遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を1段階で大きく抑える場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。
【0099】
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に
図13~
図33に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0100】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図8に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0101】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0102】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0103】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、排出口センサ70a、普通入賞口センサ27a等(
図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0104】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図13の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図8に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0105】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン81は、ベース演算処理(S107)として、各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、排出口センサ70a、普通入賞口センサ27a)の検出に基づいて、通常総賞球数と通常発射球数との割合であり通常ベースを演算する。そして、遊技制御用マイコン81は、ベース表示処理(S108)として、演算した通常ベースをベース表示器140の右側の2桁にて表示する。
【0106】
その後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0107】
[センサ検出処理]
図15に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0108】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個に達しているか否か判定する(S204)。そして、特
図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特
図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特
図2保留球数に1を加算する(S205)。
【0109】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり
図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0110】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第1上限数)に達しているか否か判定する(S208)。そして、特
図2保留球数が4個に達している場合(S208でYES)には本処理を終えるが、特
図1保留球数が4個未満である場合には(S208でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
【0111】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S210)を行って、本処理を終える。特
図1関係乱数取得処理(S210)では、特
図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり
図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0112】
[ゲート通過処理]
図16に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、
図8(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0113】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、
図17に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
【0114】
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、
図9(D)に示す普通図柄当たり判定テーブル(非時短状態では当たり判定値が「0」、時短状態では当たり判定値が「1」~「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
【0115】
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、
図9(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
【0116】
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0117】
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
【0118】
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(
図11の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(
図11の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
【0119】
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
【0120】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、
図18に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4、5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0121】
[特別図柄待機処理]
図19に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0122】
ステップS1001において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1002)及び特
図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理(S1006)を実行する。特
図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報(大当たり、小当たりの種類の情報も含む)や特
図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0123】
また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特
図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1008)及び特
図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1012)を実行する。特
図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報(大当たり、小当たりの種類の情報も含む)や特
図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0124】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
【0125】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]特
図2大当たり判定処理(S1002)と特
図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため
図20に基づいてまとめて説明する。
図20に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1002)又は特
図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0126】
次に、大当たり判定テーブル(
図9(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)が、大当たり判定値である「65320」~「65535」の何れかと一致するか否か判定する(
図9(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図9(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(
図7参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
【0127】
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」~「3276」の何れかと一致するか否か判定する(
図9(A)参照)。また特
図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」~「3276」の何れかと一致するか否か判定する(
図9(A)参照)。なお特
図1の抽選で小当たりに当選する確率と、特
図2の抽選で小当たりに当選する確率とが同じであるが、異ならせるようにしても良い。また特
図1の抽選では小当たりに当選することがない一方、特
図2の抽選では小当たりに当選することがあるようにしても良く、その反対にしても良い。
【0128】
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、
図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。なお本形態では、
図7(A)(B)(C)に示すように、小当たりの種類は1種類しか設けられていない。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(
図7(A)(B)(C)参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0129】
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。
【0130】
[特
図2変動パターン選択処理(特
図1変動パターン選択処理)]特
図2変動パターン選択処理(S1003)と特
図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため
図21~
図26に基づいてまとめて説明する。
図21に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1003)又は特
図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、抑制ステータスが「3」であるか否かを判定する(S1301)。抑制ステータスが「3」でなければ(S1301でNO)、続いて、抑制ステータスが「2」であるか否かを判定する(S1302)。抑制ステータスが「2」でなければ(S1302でNO)、抑制ステータスが「1」であることになり、ステップS1303に進む。こうして、抑制ステータスが「1」である場合には、ステップS1303以降の処理に進み、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンを決定することなる。
【0131】
ステップS1303では、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する。時短状態でなければ(S1303でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中第1大当たりテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
【0132】
またステップS1304において、大当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1306)。ONであれば(S1306でYES)、非時短状態中第1小当たりテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
【0133】
またステップS1306において、小当たりフラグがONでなければ(S1306でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1308)。
図9(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「5」であり、非時短状態であれば「0」~「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1308でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中第1リーチ有りハズレテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1309)。
【0134】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1308でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中第1リーチ無しハズレテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。このリーチ無しハズレ時には、特
図1保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、第1特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、第1特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0135】
またステップS1303において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1303でYES)には、
図22に示すように、参照する第1変動パターン判定テーブルにおいて時短状態中のテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1304~S1310と同様の流れで処理(S1311~S1317)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中第1大当たりテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。
【0136】
また小当たりフラグがONであれば(S1313でYES)、時短状態中第1小当たりテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1315でYES)、時短状態中第1リーチ有りハズレテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1316)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1315でNO)、時短状態中第1リーチ無しハズレテーブル(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1317)。
【0137】
一方、
図21に示すステップS1302において、抑制ステータスの値が「2」であると判定すると(S1302でYES)、
図23に示すステップS1318に進む。こうして、抑制ステータスが「2」である場合には、ステップS1318以降の処理に進み、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンを決定することなる。
【0138】
ステップS1318では、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する。ステップS1318において、時短状態でないと判定した場合(S1318でNO)には、
図23に示すように、参照するテーブルにおいて、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルの非時短状態に該当する部分から、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルの非時短状態に該当する部分にする事以外は、
図21に示すステップS1304~S1310と同様の流れで処理(S1319~S1325)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1319でYES)、非時短状態中第2大当たりテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1320)。
【0139】
また小当たりフラグがONであれば(S1321でYES)、非時短状態中第2小当たりテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1322)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1323でYES)、非時短状態中第2リーチ有りハズレテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1324)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1323でNO)、非時短状態中第2リーチ無しハズレテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1325)。
【0140】
またステップS1318において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1318でYES)には、
図24に示すように、参照する第2変動パターン判定テーブルにおいて時短状態中のテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1319~S1325と同様の流れで処理(S1326~S1332)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1326でYES)、時短状態中第2大当たりテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1327)。
【0141】
また小当たりフラグがONであれば(S1328でYES)、時短状態中第2小当たりテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1329)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1330でYES)、時短状態中第2リーチ有りハズレテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1331)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1330でNO)、時短状態中第2リーチ無しハズレテーブル(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1332)。
【0142】
これらに対して、
図21に示すステップS1301において、抑制ステータスの値が「3」であると判定すると(S1301でYES)、
図25に示すステップS1333に進む。こうして、抑制ステータスが「3」である場合には、ステップS1333以降の処理に進み、
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して、変動パターンを決定することなる。
【0143】
ステップS1333では、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する。ステップS1333において、時短状態でないと判定した場合(S1333でNO)には、
図25に示すように、参照するテーブルにおいて、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルの非時短状態に該当する部分から、
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルの非時短状態に該当する部分にする事以外は、
図21に示すステップS1304~S1310と同様の流れで処理(S1334~S1340)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1334でYES)、非時短状態中第3大当たりテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1335)。
【0144】
また小当たりフラグがONであれば(S1336でYES)、非時短状態中第3小当たりテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1337)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1338でYES)、非時短状態中第3リーチ有りハズレテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1339)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1338でNO)、非時短状態中第3リーチ無しハズレテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1340)。
【0145】
またステップS1333において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1333でYES)には、
図26に示すように、参照する第3変動パターン判定テーブルにおいて時短状態中のテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1334~S1340と同様の流れで処理(S1341~S1347)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1341でYES)、時短状態中第3大当たりテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1342)。
【0146】
また小当たりフラグがONであれば(S1343でYES)、時短状態中第3小当たりテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1344)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1345でYES)、時短状態中第3リーチ有りハズレテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1346)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1345でNO)、時短状態中第3リーチ無しハズレテーブル(
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1347)。
【0147】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図21に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1348)、本処理を終える。ステップS1348でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0148】
[特別図柄変動中処理]
図27に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(
図10(A)(B)(C)参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0149】
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
【0150】
[特別図柄確定処理]
図28に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
【0151】
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、確変フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば確変フラグをOFFして(S1606)、ステップS1607に進む。ステップS1607では、時短フラグがONか否かを判定し、ONでなければステップS1609に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1608)、ステップS1607に進む。こうして、大当たり遊技の実行中は通常遊技状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0152】
その後、抑制ステータスの値と大当たりの種類とに基づいて、後述する開放パターン設定処理を実行する(S1609)。続いて、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1610)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1611)。
【0153】
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1612)。小当たりフラグがONであれば(S1612でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1613)。なお小当たりフラグがONである場合には、確変フラグ又は時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1614)、小当たり遊技のオープニングを開始して(S1615)、本処理を終える。
【0154】
ステップS1615に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターンをセットして(S1616)、本処理を終える。なお上述したように、本形態において、小当たりの種類は1種類しか設けられておらず、小当たり遊技の開放パターンも1種類だけである(
図7(A)(B)(C)参照)。一方、ステップS1612において小当たりフラグがONでなければ(S1612でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1617)、本処理を終える。
【0155】
[遊技状態管理処理]
図29に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば、時短フラグをOFFする(S1704)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「10000」又は「50」にセットされるようになっている。
【0156】
続いて、確変フラグがONか否か判定し(S1705)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1706)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S1707)。そして「0」であれば、確変フラグをOFFする(S1708)。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるため、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数によって、確変カウンタの値が「0」になることは、実質的にない。その後、ステップS1709では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報、時短カウンタの情報、確変カウンタの情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0157】
[開放パターン設定処理]
図30に示すように、開放パターン設定処理(S1607)ではまず、抑制ステータスが「3」であるか否かを判定する(S1801)。抑制ステータスが「3」でなければ(S1801でNO)、続いて、抑制ステータスが「2」であるか否かを判定する(S1802)。抑制ステータスが「2」でなければ(S1802でNO)、抑制ステータスが「1」であることになり、ステップ1803に進む。
【0158】
ステップS1803では、
図7(A)に示す第1開放パターンテーブルを参照して、当選した大当たりの種類に基づいて、第1開放パターンを設定する(S1803)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。こうして、抑制ステータスが「1」であるときに、
図7(A)に示す第1開放パターンが設定されると、大当たりの種類が何れであっても、大当たり遊技の実行時間は、通常通りの実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)になる。
【0159】
一方、ステップS1802にて、抑制ステータスの値が「2」であれば(S1802でYES)、ステップ1804に進む。ステップS1804では、
図7(B)に示す第2開放パターンテーブルを参照して、当選した大当たりの種類に基づいて、第2開放パターンを設定する。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。こうして、抑制ステータスが「2」であるときに、
図7(B)に示す第2開放パターンが設定されると、大当たりの種類が何れであっても、大当たり遊技の実行時間は、通常よりも少し長い(延長されている)実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)になる。
【0160】
これらに対して、ステップS1801にて、抑制ステータスの値が「3」であれば(S1801でYES)、ステップ1805に進む。ステップS1805では、
図7(C)に示す第3開放パターンテーブルを参照して、当選した大当たりの種類に基づいて、第3開放パターンを設定する。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。こうして、抑制ステータスが「3」であるときに、
図7(C)に示す第3開放パターンが設定されると、大当たりの種類が何れであっても、大当たり遊技の実行時間は、通常よりも十分に長い(延長されている)実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)になる。
【0161】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。
図31に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0162】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
【0163】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
【0164】
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(
図7(A)(B)(C)参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
【0165】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
【0166】
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
【0167】
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間(
図7(A)(B)(C)参照)が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
【0168】
[遊技状態設定処理]
図32に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回実行した大当たり遊技が確変大当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たり)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。確変大当たりであれば(S2101でYES)、続いて、通常確率状態(通常遊技状態又は低確時短状態)にて確変大当たりに当選した状況か否か、即ち初当たり又は引き戻し(低確時短状態で確変大当たりに当選すること)であるか否かを判定する(S2102)。初当たり又は引き戻しの何れでもなければ(S2012でNO)、ステップS2104に進むが、初当たり又は引き戻しであれば(S2102でYES)、残リミッタカウンタの値に「6」をセットして(S2103)、ステップS2104に進む。ステップS2104では、高確時短状態への移行契機となる大当たり遊技が終了した状況であるため、残リミッタカウンタの値を「1」だけ減算して、ステップS2105に進む。
【0169】
ステップS2105では、残リミッタカウンタの値が「5」以上であるか否かを判定する。「5」以上であれば、抑制ステータスの値を「1」にして(S2106)、ステップS2107に進む。こうして、リミッタ機能が作動するまでに制御される高確率時短状態の残り回数が5回以上であれば、抑制ステータスが「1」になっている(
図12参照)。
【0170】
ステップS2107では、確変フラグをONにして、ステップS2108では、確変カウンタの値に「10000」をセットする。続いて、ステップS2109では、時短フラグをONにして、ステップS2110では、時短カウンタの値に「10000」をセットして、ステップS2120に進む。こうして、実質的に次回の大当たりに当選するまで、高確率時短状態が継続することになる。
【0171】
一方、ステップS2105にて、残リミッタカウンタの値が「5」以上でないと判定すると(S2105でNO)、ステップS2111に進み、残リミッタカウンタの値が「3」以上であるか否かを判定する。「3」以上であれば(S2111でYES)、抑制ステータスの値を「2」にして(S2112)、ステップS2107に進む。こうして、リミッタ機能が作動するまでに制御される高確率時短状態の残り回数が3回以上且つ5回未満であれば、抑制ステータスが「2」になる(
図12参照)。ステップS2112からステップS2107に進む場合には、上述したように、ステップS2107~S2110の処理が実行されて、高確時短状態に制御されることになる。
【0172】
また、ステップS2111にて、残リミッタカウンタの値が「3」以上でないと判定すると(S2111でNO)、ステップS2113に進み、残リミッタカウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する。「1」以上であれば(S2113でYES)、抑制ステータスの値を「3」にして(S2114)、ステップS2107に進む。こうして、リミッタ機能が作動するまでに制御される高確率時短状態の残り回数が1回以上且つ3回未満であれば、抑制ステータスが「3」になる(
図12参照)。ステップS2114からステップS2107に進む場合には、上述したように、ステップS2107~S2110の処理が実行されて、高確時短状態に制御されることになる。
【0173】
また、ステップS2113にて、残リミッタカウンタの値が「1」以上でないと判定すると(S2113でNO)、残リミッタカウンタの値が「0」になっているため、ステップS2115に進む。ステップS2115では、抑制ステータスの値を「1」にセットして、ステップS2107~S2110の処理に進むことなく、ステップS2120に進む。こうして、確変大当たりに当選した状況にも拘わらず、残リミッタカウンタの値が「0」になる状況では、リミッタ機能が作動することによって、高確時短状態に制御されない。
【0174】
これに対して、ステップS2101では、確変大当たりに当選していないと判定すると(S2101でNO)、2R通常大当たりに当選しているため、ステップS2116に進む。ステップS2116では、抑制ステータスの値を「1」にセットして、ステップS2117では、残リミッタカウンタの値を「0」にする。こうして、リミッタ機能が作動する前でも、2R通常大当たりに当選すれば、抑制ステータスが「1」になると共に、残リミッタカウンタの値が「0」にリセットされる。そして、ステップS2118では、時短フラグをONにして、ステップS2119では、時短カウンタの値に「50」をセットして、ステップS2120に進む。こうして、通常大当たりに当選した状況では、時短回数が50回に設定される低確時短状態に制御される。
【0175】
ステップS2120では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報、時短カウンタの情報、確変カウンタの情報、抑制ステータスの情報、残リミッタカウンタの情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0176】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。
図33に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0177】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0178】
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンに従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
【0179】
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図7(A)(B)(C)に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
【0180】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
【0181】
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFする(S2312)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2313)、本処理を終える。こうして、小当たり遊技が実行される場合には、小当たり遊技前と小当たり遊技後とにおいて、遊技状態が変わることはない。
【0182】
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に
図34~
図37に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から
図34に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0183】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001~S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0184】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0185】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出など)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0186】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、
図35に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0187】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図36に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(
図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0188】
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4306)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って、枠ランプ66や盤ランプ5を所定の発光態様で発光させる。
【0189】
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
【0190】
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
【0191】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図37に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、受信コマンド解析処理を行う(S4301)。受信コマンド解析処理(S4301)では、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、変動開始コマンドに含まれている変動パターンの情報に基づいて、変動演出パターンを決定する。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、演出展開構成、演出図柄の表示態様など、変動演出の演出内容の詳細が決まることなる。
【0192】
また受信コマンド解析処理(S4301)では、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始処理を実行する。また、遊技制御用マイコン81からラウンド指定コマンドを受信しているかを判定し、受信していればラウンド演出及びインターバル演出を開始するための開放遊技演出開始処理を実行する。また、遊技制御用マイコン81からエンディングコマンドを受信しているかを判定し、受信していれば、エンディング演出を開始するためのエンディング演出開始処理を実行する。
【0193】
ここで本形態では、演出制御用マイコン91が、抑制ステータスの値に応じて、変動演出の内容、オープニング演出の内容、インターバル演出の内容、エンディング演出の内容を異ならせるようにしている。なお、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から送信される遊技状態指定コマンドに基づいて、抑制ステータスの値を把握できるようになっている。抑制ステータスの値に対応する各演出(変動演出、オープニング演出、インターバル演出、エンディング演出)については、後述する。
【0194】
また演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4301)に続いて、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。次に、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
【0195】
その後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(枠ランプ66、盤ランプ5の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
【0196】
8.抑制ステータスの値に対応する各演出
次に、抑制ステータスの値に対応する各演出(変動演出、オープニング演出、インターバル演出、エンディング演出)について、
図38~
図46に基づいて説明する。但し、以下に説明する演出は、初当たりしてから高確時短状態(ラッシュ状態)への制御が終了するまで(リミッタ機能が作動するまで)の演出である。
【0197】
先ず、抑制ステータスの値が「1」であるときのドハズレ演出について、
図38に基づいて説明する。なお、ドハズレ演出とは、演出図柄8L、8C、8Rが、変動表示を開始した後、リーチ態様になることなく、ドハズレ態様(バラケ目)で停止表示する演出である。
図38に示すドハズレ演出は、抑制ステータスの値が「1」であり、高確時短状態での特
図2の抽選により、変動時間が5000msである変動パターンP16(
図10(A)参照)が選択されたときのドハズレ演出である。
【0198】
具体的には、
図38(A)に示すように、表示画面7aにて、昼の背景を示す昼背景画像H1が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始する。そして、演出図柄8L、8C、8Rが5000msだけ変動表示した後、
図38(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rがドハズレ態様(「361」)で停止表示する。こうして、昼背景画像H1が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示している場合には、通常通りの変動時間(5000ms)でドハズレ演出が実行されるようになっている。
【0199】
次に、抑制ステータスの値が「1」であるときのSPリーチ演出について、
図39に基づいて説明する。なお、SPリーチ演出とは、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始した後、リーチ態様から発展して、演出時間が長い演出(例えばバトル演出)を経て、大当たり態様(ゾロ目)又はリーチハズレ態様で停止表示する演出である。
図39に示すSPリーチ演出は、抑制ステータスの値が「1」であり、高確時短状態での特
図2の抽選により、変動時間が40000msである変動パターンP11又は変動パターンP14(
図10(A)参照)が選択されたときのSPリーチ演出である。
【0200】
具体的には、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始した後、
図39(A)に示すように、昼背景画像H1が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(「4↓4」)になる。続いて、
図39(B)に示すように、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、主人公キャラが剣を振りかざすキャラ発展画像HAが表示される。次に、バトル演出の開始として、
図39(C)に示すように、主人公キャラと戦う第1敵キャラT1が表示される。そして、このときには、表示画面7aの下部には、確変大当たりへの当選期待度を示す期待度示唆画像Y3が表示される。期待度示唆画像Y3は、期待度の数字及び星の数が多いほど、確変大当たりへの当選期待度(以下「確変期待度」ともいう)が高いことを示唆するものであり、
図39では、「期待度3」と「3つの星」とを示す期待度示唆画像Y3が表示されている。
【0201】
続いて、表示画面7aにて、主人公キャラと第1敵キャラT1とが戦うバトル画像が表示されて、勝敗分岐点になる。このとき、大当たりへの当選を示す変動パターンP11(
図10(A)参照)が選択されていて、且つ確変大当たりに当選している場合には、
図39(D-1)に示すように、主人公キャラが第1敵キャラT1に勝利したことを示す第1バトル勝利画像WI1が表示される。その後、
図39(E-1)に示すように、昼背景画像H1が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが大当たり態様(「444」)で停止表示される。こうして、遊技者に確変大当たりに当選したことが示唆される。
【0202】
これに対して、ハズレであることを示す変動パターンP14(
図10(A)参照)が選択されている場合には、
図39(D-2)に示すように、主人公キャラが第1敵キャラT1に敗北したことを示す第1バトル敗北画像LO1が表示される。その後、
図39(E-2)に示すように、昼背景画像H1が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(「434」)で停止表示される。こうして、遊技者に確変大当たりに当選しなかったことが示唆される。
【0203】
以上により、SPリーチ演出において「期待度3」と「3つの星」とを示す期待度示唆画像Y3が表示される場合において、抑制ステータスの値が「1」であるときには、第1敵キャラT1が表示される。そして、このSPリーチ演出が実行される場合の第2特別図柄の変動時間は、通常通りの40000msである。こうして、「期待度3」と「3つの星」という確変期待度である状況において、第1敵キャラT1が示されていれば、通常通りの変動時間(40000ms)でSPリーチ演出が実行されるようになっている。
【0204】
続いて、抑制ステータスの値が「1」であるときの大当たり演出(OP演出、ラウンド演出、ED演出)について、
図40に基づいて説明する。
図40に示す大当たり演出は、抑制ステータスの値「1」であり、10R確変大当たりへの当選により第1開放パターン(
図7(A)参照)が選択されたときの大当たり演出である。なお、10R確変大当たりへの当選に基づく第1開放パターンでは、OP時間が7.0秒であり、ラウンドインターバルが0.2秒であり、ED時間が7.0秒である。
【0205】
具体的には、
図40(A)に示すように、表示画面7aにて、黄色の背景を示す黄色背景画像CR1が表示されている状態で、通常オープニング画像OP1を示す通常OP演出が7.0秒間だけ実行される。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、
図40(B)に示すように、黄色背景画像CR1が表示されている状態で、通常ラウンド画像RO1を示す通常ラウンド演出が実行される。なお、第1開放パターンでは、ラウンドインターバルが0.2秒という極短時間であるため、ラウンドインターバルに対応する演出が特に実行されるわけではない。続いて、通常ラウンド演出が終了すると、
図40(C)に示すように、黄色背景画像CR1が表示されている状態で、通常ED画像ED1を示す通常ED演出が7.0秒だけ実行される。
【0206】
以上により、大当たり演出において、抑制ステータスの値が「1」であるときには、黄色背景画像CR1が表示される。そして、OP演出(通常OP演出)が通常通りの7.0秒だけ実行されて、ED演出が(通常ED演出)が通常通りの7.0秒だけ実行される。こうして、大当たり演出で黄色背景画像CR1が表示されているときには、通常通りの大当たり遊技の実行時間で、大当たり演出が実行されるようになっている。
【0207】
次に、抑制ステータスの値が「2」であるときのドハズレ演出について、
図41に基づいて説明する。
図41に示すドハズレ演出は、抑制ステータスの値が「2」であり、高確時短状態での特
図2の抽選により、変動時間が6000msである変動パターンP36(
図10(B)参照)が選択されたときのドハズレ演出である。
【0208】
具体的には、
図41(A)に示すように、表示画面7aにて、夕方の背景を示す夕方背景画像H2が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始する。そして、演出図柄8L、8C、8Rが6000msだけ変動表示した後、
図41(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rがドハズレ態様(「361」)で停止表示する。こうして、夕方背景画像H2が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示している場合には、通常よりも少し長い変動時間(6000ms)でドハズレ演出が実行されるようになっている。よって、抑制ステータスの値が「2」であるときには、抑制ステータスの値が「1」であるときに比べて、ドハズレ演出が少し長くなるものの、演出態様が異なることで、演出の延長による違和感を与え難くすることが可能である。
【0209】
次に、抑制ステータスの値が「2」であるときのSPリーチ演出について、
図42に基づいて説明する。
図42に示すSPリーチ演出は、抑制ステータスの値が「2」であり、高確時短状態での特
図2の抽選により、変動時間が55000msである変動パターンP31又は変動パターンP34が選択されたときのSPリーチ演出である。
【0210】
具体的には、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始した後、
図42(A)に示すように、夕方背景画像H2が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(「4↓4」)になる。続いて、
図42(B)に示すように、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、主人公キャラが剣を振りかざすキャラ発展画像HAが表示される。次に、バトル演出の開始として、
図42(C)に示すように、主人公キャラと戦う第2敵キャラT2が表示される。そして、このときには、表示画面7aの下部には、確変大当たりへの当選期待度を示す期待度示唆画像Y3が表示される。この期待度示唆画像Y3は、
図39(C)に示す期待度示唆画像Y3と同じであり、「期待度3」と「3つの星」とを示している。
【0211】
続いて、表示画面7aにて、主人公キャラと第2敵キャラT2とが戦うバトル画像が表示されて、勝敗分岐点になる。このとき、大当たりへの当選を示す変動パターンP31(
図10(B)参照)が選択されていて、且つ確変大当たりに当選している場合には、
図42(D-1)に示すように、主人公キャラが第2敵キャラT2に勝利したことを示す第2バトル勝利画像WI2が表示される。その後、
図42(E-1)に示すように、夕方背景画像H2が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが大当たり態様(「444」)で停止表示される。こうして、遊技者に確変大当たりに当選したことが示唆される。
【0212】
これに対して、ハズレであることを示す変動パターンP34(
図10(B)参照)が選択されている場合には、
図42(D-2)に示すように、主人公キャラが第2敵キャラT2に敗北したことを示す第2バトル敗北画像LO2が表示される。その後、
図42(E-2)に示すように、夕方背景画像H2が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(「434」)で停止表示される。こうして、遊技者に確変大当たりに当選しなかったことが示唆される。
【0213】
以上により、SPリーチ演出において「期待度3」と「3つの星」とを示す期待度示唆画像Y3が表示される場合において、抑制ステータスの値が「2」であるときには、第2敵キャラT2が表示される。そして、このSPリーチ演出が実行される場合の第2特別図柄の変動時間は、通常よりも少し長い55000msである。こうして、「期待度3」と「3つの星」という確変期待度である状況において、第2敵キャラT2が示されていれば、通常よりも少し長い変動時間(55000ms)でSPリーチ演出が実行されるようになっている。よって、抑制ステータスの値が「2」であるときには、抑制ステータスの値が「1」であるときに比べて、SPリーチ演出が少し長くなるものの、演出態様が異なることで、演出の延長による違和感を与え難くすることが可能である。
【0214】
続いて、抑制ステータスの値が「2」であるときの大当たり演出(OP演出、ラウンド演出、インターバル演出、ED演出)について、
図43に基づいて説明する。
図43に示す大当たり演出は、抑制ステータスの値「2」であり、10R確変大当たりへの当選により第2開放パターン(
図7(B)参照)が選択されたときの大当たり演出である。なお、10R確変大当たりへの当選に基づく第2開放パターンでは、OP時間が12.0秒であり、ラウンドインターバルが2秒であり、ED時間が12.0秒である。
【0215】
具体的には、
図43(A)に示すように、表示画面7aにて、橙色の背景を示す橙色背景画像CR2が表示されている状態で、第1特別オープニング画像OP2を示す第1特別OP演出が12.0秒間だけ実行される。なお第1特別オープニング画像OP2の表示態様は、通常オープニング画像OP1の表示態様と異なっている。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、
図43(B)(D)に示すように、橙色背景画像CR2が表示されている状態で、第1特別ラウンド画像RO2を示す第1特別ラウンド演出が実行される。そして、2つのラウンド間(2つの第1特別ラウンド演出の間)では、
図43(C)に示すように、特別なミニキャラを示す第1ラウンドインターバル演出が2秒だけ実行される。続いて、第1特別ラウンド演出が終了すると、
図43(E)に示すように、橙色背景画像CR2が表示されている状態で、第1特別ED画像ED2を示す第1特別ED演出が12.0秒だけ実行される。なお第1特別ED画像ED2の表示態様は、通常ED画像ED1の表示態様と異なっている。
【0216】
以上により、大当たり演出において、抑制ステータスの値が「2」であるときには、橙色背景画像CR2が表示される。そして、通常OP演出とは異なる第1特別OP演出が、通常よりも少し長い12.0秒だけ実行されて、通常ED演出とは異なる第1特別ED演出が通常よりも少し長い12.0秒だけ実行される。更に、2つのラウンド間において、特別なミニキャラを示す第1ラウンドインターバル演出が2秒だけ実行される。こうして、大当たり演出で橙色背景画像CR2が表示されているときには、通常よりも少し長い大当たり遊技の実行時間で、大当たり演出が実行されるようになっている。よって、抑制ステータスの値が「2」であるときには、抑制ステータスの値が「1」であるときに比べて、大当たり演出が少し長くなるものの、演出態様が異なることで、演出の延長による違和感を与え難くすることが可能である。
【0217】
次に、抑制ステータスの値が「3」であるときのドハズレ演出について、
図44に基づいて説明する。
図44に示すドハズレ演出は、抑制ステータスの値が「3」であり、高確時短状態での特
図2の抽選により、変動時間が7000msである変動パターンP56(
図10(C)参照)が選択されたときのドハズレ演出である。
【0218】
具体的には、
図44(A)に示すように、表示画面7aにて、夜の背景を示す夜背景画像H3が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始する。そして、演出図柄8L、8C、8Rが7000msだけ変動表示した後、
図44(B)に示すように、演出図柄8L、8C、8Rがドハズレ態様(「361」)で停止表示する。こうして、夜背景画像H3が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示している場合には、通常よりも少し長い変動時間(7000ms)でドハズレ演出が実行されるようになっている。よって、抑制ステータスの値が「3」であるときには、抑制ステータスの値が「2」であるときに比べて、ドハズレ演出が更に長くなるものの、演出態様が異なることで、演出の延長による違和感を与え難くすることが可能である。
【0219】
次に、抑制ステータスの値が「3」であるときのSPリーチ演出について、
図45に基づいて説明する。
図45に示すSPリーチ演出は、抑制ステータスの値が「3」であり、高確時短状態での特
図2の抽選により、変動時間が70000msである変動パターンP51又は変動パターンP54が選択されたときのSPリーチ演出である。
【0220】
具体的には、表示画面7aにて、演出図柄8L、8C、8Rが変動表示を開始した後、
図45(A)に示すように、夜背景画像H3が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチ態様(「4↓4」)になる。続いて、
図45(B)に示すように、左演出図柄8Lが表示画面7aの左上部に表示されると共に、右演出図柄8Rが表示画面7aの右上部に表示されている状態で、主人公キャラが剣を振りかざすキャラ発展画像HAが表示される。次に、バトル演出の開始として、
図45(C)に示すように、主人公キャラと戦う第3敵キャラT3が表示される。そして、このときには、表示画面7aの下部には、確変大当たりへの当選期待度を示す期待度示唆画像Y3が表示される。この期待度示唆画像Y3は、
図39(C)及び
図42(C)に示す期待度示唆画像Y3と同じであり、「期待度3」と「3つの星」とを示している。
【0221】
続いて、表示画面7aにて、主人公キャラと第3敵キャラT3とが戦うバトル画像が表示されて、勝敗分岐点になる。このとき、大当たりへの当選を示す変動パターンP51(
図10(C)参照)が選択されていて、且つ確変大当たりに当選している場合には、
図45(D-1)に示すように、主人公キャラが第3敵キャラT3に勝利したことを示す第3バトル勝利画像WI3が表示される。その後、
図45(E-1)に示すように、夜背景画像H3が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rが大当たり態様(「444」)で停止表示される。こうして、遊技者に確変大当たりに当選したことが示唆される。
【0222】
これに対して、ハズレであることを示す変動パターンP54(
図10(C)参照)が選択されている場合には、
図45(D-2)に示すように、主人公キャラが第3敵キャラT3に敗北したことを示す第3バトル敗北画像LO3が表示される。その後、
図45(E-2)に示すように、夜背景画像H3が表示されている状態で、演出図柄8L、8C、8Rがリーチハズレ態様(「434」)で停止表示される。こうして、遊技者に確変大当たりに当選しなかったことが示唆される。
【0223】
以上により、SPリーチ演出において「期待度3」と「3つの星」とを示す期待度示唆画像Y3が表示される場合において、抑制ステータスの値が「3」であるときには、第3敵キャラT3が表示される。そして、このSPリーチ演出が実行される場合の第2特別図柄の変動時間は、通常よりも十分に長い70000msである。こうして、「期待度3」と「3つの星」という確変期待度である状況において、第3敵キャラT3が示されていれば、通常よりも十分に長い変動時間(70000ms)でSPリーチ演出が実行されるようになっている。よって、抑制ステータスの値が「3」であるときには、抑制ステータスの値が「2」であるときに比べて、SPリーチ演出が更に長くなるものの、演出態様が異なることで、演出の延長による違和感を与え難くすることが可能である。
【0224】
続いて、抑制ステータスの値が「3」であるときの大当たり演出(OP演出、ラウンド演出、インターバル演出、ED演出)について、
図46に基づいて説明する。
図46に示す大当たり演出は、抑制ステータスの値「3」であり、10R確変大当たりへの当選により第3開放パターン(
図7(C)参照)が選択されたときの大当たり演出である。なお、10R確変大当たりへの当選に基づく第2開放パターンでは、OP時間が17.0秒であり、ラウンドインターバルが5秒であり、ED時間が17.0秒である。
【0225】
具体的には、
図46(A)に示すように、表示画面7aにて、紫色の背景を示す紫色背景画像CR3が表示されている状態で、第2特別オープニング画像OP3を示す第2特別OP演出が17.0秒間だけ実行される。なお第2特別オープニング画像OP3の表示態様は、通常オープニング画像OP1の表示態様及び第1特別オープニング画像OP2の表示態様と異なっている。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、
図46(B)(D)に示すように、紫色背景画像CR3が表示されている状態で、第2特別ラウンド画像RO3を示す第2特別ラウンド演出が実行される。そして、2つのラウンド間(2つの第2特別ラウンド演出の間)では、
図46(C)に示すように、特別な主人公キャラを示す第2ラウンドインターバル演出が5秒だけ実行される。続いて、第2特別ラウンド演出が終了すると、
図46(E)に示すように、紫色背景画像CR3が表示されている状態で、第2特別ED画像ED3を示す第2特別ED演出が17.0秒だけ実行される。なお第2特別ED画像ED3の表示態様は、通常ED画像ED1の表示態様及び第1特別ED画像ED2の表示態様と異なっている。
【0226】
以上により、大当たり演出において、抑制ステータスの値が「3」であるときには、紫色背景画像CR3が表示される。そして、通常OP演出とは異なる第2特別OP演出が、通常よりも十分に長い17.0秒だけ実行されて、通常ED演出とは異なる第2特別ED演出が通常よりも十分に長い17.0秒だけ実行される。更に、2つのラウンド間において、特別な主人公キャラを示す第2ラウンドインターバル演出が2秒だけ実行される。こうして、大当たり演出で紫色背景画像CR3が表示されているときには、通常よりも十分に長い大当たり遊技の実行時間で、大当たり演出が実行されるようになっている。よって、抑制ステータスの値が「3」であるときには、抑制ステータスの値が「2」であるときに比べて、大当たり演出が更に長くなるものの、演出態様が異なることで、演出の延長による違和感を与え難くすることが可能である。
【0227】
9.本形態の作用効果
以上、詳細に説明したように本形態(第1形態)のパチンコ遊技機1によれば、初当たりしてから(高確時短状態への制御の開始契機となる大当たり遊技が開始されてから)、リミッタ機能が作動するまでの間に、残リミッタカウンタの値(リミッタ機能が作動されるまでに高確時短状態に制御される残り連続回数)が4以下になると、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。こうして、リミッタ機能の作動に近づくと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。更に、残リミッタカウンタの値が0になると、リミッタ機能の作動によって、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。こうして、ラッシュ状態が終了することで、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。以上により、リミッタ機能が作動するだけでなく、リミッタ機能が作動する前においても、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0228】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、初当たり後に、残リミッタカウンタの値が4以下になると、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。その後、残リミッタカウンタの値が2以下になると、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が更に抑制される。こうして、リミッタ機能の作動に近づくにつれて、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に抑えることで、例えば1回で単位時間に遊技者に付与する総賞球数を大きく抑制する場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。言い換えると、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を段階的に少しずつ抑えることで、遊技者が出玉の獲得を無駄に引き延ばされているかのような印象を抱き難くすることが可能である。
【0229】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、初当たりしてからリミッタ機能が作動する前の間、残リミッタカウンタの値が4以下になると、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が長くなる。更に、残リミッタカウンタの値が2回以下になると、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が更に長くなる。こうして遊技者には、リミッタ機能が近づくにつれて、より長い大当たり遊技を堪能させつつ、リミッタ機能の作動を遅らせることで、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0230】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、初当たりしてからリミッタ機能が作動する前の間、残リミッタカウンタの値が4以下になると、第1変動パターン判定テーブル(
図10(A)参照)よりも変動時間が長く決定され易い第2変動パターン判定テーブル(
図10(B)参照)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定する。更に、残リミッタカウンタの値が2以下になると、第2変動パターン判定テーブル(
図10(B)参照)よりも変動時間が長く決定され易い第3変動パターン判定テーブル(
図10(C)参照)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定する。こうして遊技者には、リミッタ機能が近づくにつれて、より長い高確時短状態を堪能させつつ、リミッタ機能の作動を遅らせることで、過剰な特典を付与するのを抑えることが可能である。
【0231】
10.変更例
次に、上記形態(第1形態)のパチンコ遊技機1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0232】
<第2形態>
上記第1形態では、初当たりしてから高確時短状態に制御される連続回数が5回に達すると、高確時短状態への制御を制限するリミッタ機能が作動した。これに対して、第2形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20回に達すると、高確時短状態への制御を制限する特別リミッタ機能が作動するように構成されている。
【0233】
第2形態では、
図47に示すように、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりの種類には、4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たりがある。これら各大当たりへの振分確率は、4R確変大当たりが25%、6R確変大当たりが25%、8R確変大当たりが25%、10R確変大当たりが25%となっている。また第2特別図柄の抽選で当選する大当たりの種類には、4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たりがある。これら各大当たりへの振分確率は、4R確変大当たりが25%、6R確変大当たりが25%、8R確変大当たりが25%、10R確変大当たりが25%となっている。こうして、第2形態では、第1形態と異なり(
図6参照)、2R通常大当たりに当選することがなく、当選した大当たりの種類は、必ず確変大当たりになる。
【0234】
ここで第2形態では、初当たり(通常遊技状態で当選する確変大当たり)の大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタに「20」をセットする(
図47参照)。そして、確変大当たりに基づく大当たり遊技が終了する度に、実行された大当たり遊技でのラウンドの数だけ、残ラウンドリミッタカウンタの値から減算する。こうして、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」以下になると、特別リミッタ機能が作動して、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されるようになっている。なお、第2形態では、初当たりしてから高確時短状態に制御される連続回数が所定回数に達すると、高確時短状態への制御を制御するリミッタ機能が作動することはない。
【0235】
こうして第2形態では、初当たりしてから高確時短状態への制御が終了するまで(ラッシュ状態が終了するまで)、大当たり遊技のラウンド数の合計値として20回が最低限保証されていることになる。つまり、リミッタ機能を有する従来のパチンコ遊技機では、初当たりしてからラウンド数が相対的に少ない大当たり遊技が所定回数だけ繰返し実行されると、リミッタ機能の作動によって通常遊技状態に移行してしまう。このような場合、遊技者にとっては、リミッタ機能が作動するまでに十分な総賞球数(出玉)を獲得できておらず、遊技意欲が低下するおそれがある。これに対して第2形態では、初当たりしてからラウンド数が相対的に少ない大当たり遊技が所定回数だけ繰返し実行されても、大当たり遊技のラウンド数の合計値として20回になるまでは、通常遊技状態に移行しない。よって、遊技者には、初当たりしてから特別リミッタ機能が作動するまでに合計20ラウンドを最低限保証することができて、上述したように遊技意欲が低確するのを防止することが可能である。
【0236】
また第2形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10以上且つ15未満になると、即ち、残ラウンドリミッタカウンタの値が10以下且つ6以上になると、抑制ステータスが「1」から「2」に切替わる。これにより、上記第1形態で説明したように、大当たり遊技(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)の実行時間が通常よりも少し長くなると共に、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く決定され易くなる。その結果、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができる。また初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が15以上且つ20未満になると、即ち、残ラウンドリミッタカウンタの値が5以下且つ1以上になると、抑制ステータスが「2」から「3」に切替わる。これにより、上記第1形態で説明したように、大当たり遊技(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)の実行時間が通常よりも十分に長くなると共に、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く決定され易くなる。その結果、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を更に抑えることができる。
【0237】
[遊技状態設定処理]
図48に基づいて、第2形態の遊技状態設定処理(S2017)について、説明する。但し、
図32に示す第1形態の遊技状態設定処理(S2017)との違いを中心に説明する。
図48に示すように、ステップS2012において、通常確率状態で確変大当たりに当選した状況か否か、即ち初当たり又は引き戻しであるか否かを判定する。なお第2形態では、通常大当たりに当選することがないため、引き戻しが生じることがない。初当たりでなければ(S2102でNO)、ステップS2123に進み、初当たりであれば(S2102でYES)、残リミッタカウンタの値に「20」をセットして(S2122)、ステップS2123に進む。ステップS2123では、残ラウンドリミッタカウンタの値を減算する残ラウンドリミッタカウンタ減算処理を実行する(S2123)。
【0238】
具体的に、残ラウンドリミッタカウンタ減算処理(S2123)では、残ラウンドリミッタカウンタの値に対して、直前に実行した大当たり遊技のラウンドの数だけ減算する。例えば、4R確変大当たりに基づく大当たり遊技を実行した状況であれば、残ラウンドリミッタカウンタ値から「4」だけ減算する。また、10R確変大当たりに基づく大当たり遊技を実行した状況であれば、残ラウンドリミッタカウンタ値から「10」だけ減算する。こうして、残ラウンドリミッタカウンタ減算処理(S2123)を実行した後、ステップS2124では、残ラウンドリミッタカウンタの値が「11」以上であるか否かを判定する。「11」以上であれば(S2124でYES)、抑制ステータスの値を「1」にセットして(S2106)、ステップS2107以降の処理を実行する。こうして第2形態では、初当たり後に残ラウンドリミッタカウンタ値が「11」以上であれば、抑制ステータスの値が「1」であって、単位時間(例えば1時間)に遊技者に付与する総賞球数を抑制することはない。
【0239】
また、ステップS2124において、残ラウンドリミッタカウンタ値が「11」以上でなければ(S2124でNO)、ステップS2125に進む。ステップS2125では、残ラウンドリミッタカウンタの値が「6」以上であるか否かを判定する。「6」以上であれば(S2125でYES)、抑制ステータスの値を「2」にセットして(S2112)、ステップS2107以降の処理を実行する。こうして第2形態では、初当たり後に残ラウンドリミッタカウンタ値が「11」未満且つ「6」以上であれば、抑制ステータスの値が「2」になって、単位時間(例えば1時間)に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。つまり、大入賞口の開放パターンが第2開放パターン(
図7(B)参照)になるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも少し長くなる。更に、高確時短状態において
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定するため、特別図柄の変動表示の時間が通常よりも少し長くなり易い。
【0240】
また、ステップS2125において、残ラウンドリミッタカウンタ値が「6」以上でなければ(S2125でNO)、ステップS2126に進む。ステップS2126では、残ラウンドリミッタカウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する。「1」以上であれば(S2126でYES)、抑制ステータスの値を「3」にセットして(S2114)、ステップS2107以降の処理を実行する。こうして第2形態では、初当たり後に残ラウンドリミッタカウンタ値が「6」未満且つ「1」以上であれば、抑制ステータスの値が「3」になって、単位時間(例えば1時間)に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制する。つまり、大入賞口の開放パターンが第3開放パターン(
図7(C)参照)になるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも十分に長くなる。更に、高確時短状態において
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定するため、特別図柄の変動表示の時間が通常よりも十分に長くなり易い。
【0241】
また、ステップS2126において、残ラウンドリミッタカウンタ値が「1」以上でなければ(S2126でNO)、残ラウンドリミッタカウンタ値が「0」以下であることになり、ステップS2115に進む。ステップS2115では、抑制ステータスの値を「1」にセットして、ステップS2127では、残ラウンドリミッタカウンタの値に「0」をセットして、ステップS2120に進む。こうして、残ラウンドリミッタカウンタ値が「0」以下になれば、ステップS2107以降の処理に進まないため、大当たり遊技後に高確時短状態に制御されない。つまり、特別リミッタ機能の作動によって、大当たり遊技後に、通常遊技状態に制御されることになる。
【0242】
なお、第2形態では、当選した大当たりの種類は必ず確変大当たりであるため、ステップS2101でNOと判定されることはなく、ステップS2116以降の処理が実行されることはない。
【0243】
次に、第2形態の初当たり後の推移の一例を、
図49に基づいて説明する。
図49に示すように、初当たりとして8R確変大当たりに当選したこととする。この場合、8R確変大当たりに基づく大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「20」にセットされるものの、実行された大当たり遊技のラウンド数が「8」であるため、残ラウンドリミッタカウンタの値が「12」(=20-8)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「11」以上であるため、抑制ステータスの値は「1」である。よって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0244】
続いて、高確時短状態で6R確変大当たりに当選すると、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、実行される大当たり遊技のラウンド数が「6」であるため、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「6」(=12-6)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「11」未満且つ「6」以上であるため、抑制ステータスの値は「2」になる。これにより、次回の大当たり遊技では、大入賞口の開放パターンが第2開放パターン(
図7(B)参照)になるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも少し長くなる。更に、高確時短状態において
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定するため、特別図柄の変動表示の時間が通常よりも少し長くなり易い。
【0245】
続いて、高確時短状態で4R確変大当たりに当選すると、4R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、実行される大当たり遊技のラウンド数が「4」であるため、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「2」(=6-4)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「6」未満且つ「1」以上であるため、抑制ステータスの値は「3」になる。これにより、次回の大当たり遊技では、大入賞口の開放パターンが第3開放パターン(
図7(C)参照)になるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも十分に長くなる。更に、高確時短状態において
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定するため、特別図柄の変動表示の時間が通常よりも十分に長くなり易い。
【0246】
続いて、高確時短状態で10R確変大当たりに当選すると、10R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、実行される大当たり遊技のラウンド数が「10」であるため、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「-8」(=2-10)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」以下であるため、抑制ステータスの値は「1」になって、特別リミッタ機能が作動する。これにより、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。
【0247】
以上、
図49に示す初当たり後の推移の一例では、初当たりしてから特別リミッタ機能が作動するまでに、8R確変大当たりに基づく大当たり遊技、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技、4R確変大当たりに基づく大当たり遊技、10R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行されている。従って、初当たりしてから通常遊技状態に移行するまでに、遊技者は、合計28ラウンド分の賞球数を獲得できたことになる。
【0248】
続いて、第2形態の初当たり後の推移の別例を、
図50に基づいて説明する。
図50に示すように、初当たりとして8R確変大当たりに当選したこととする。この場合、8R確変大当たりに基づく大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「12」(=20-8)になる。またこのときには、抑制ステータスの値は「1」である。
【0249】
続いて、高確時短状態で6R確変大当たりに当選すると、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「6」(=12-6)になる。またこのときには、抑制ステータスの値は「2」になる。ここまでは、上述した
図49に示す初当たり後の推移の一例と同じである。
【0250】
続いて、高確時短状態で6R確変大当たりに当選すると、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、実行される大当たり遊技のラウンド数が「6」であるため、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」(=6-6)になる。これにより、抑制ステータスの値が「1」になると共に、特別リミッタ機能が作動して、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される。
【0251】
以上、
図50に示す初当たり後の推移の別例では、初当たりしてから特別リミッタ機能が作動するまでに、8R確変大当たりに基づく大当たり遊技、6R確変大当たり遊技に基づく大当たり遊技、6R確変大当たり遊技に基づく大当たり遊技が実行されている。従って、初当たりしてから通常遊技状態に移行するまでに、遊技者は、合計20ラウンド分の賞球数を獲得できたことになる。
【0252】
こうして、第2形態では、初当たりしてから特別リミッタ機能が作動するまでに当選する確変大当たりのルートには、様々なルートがある。そして、当選する確変大当たりのルートに応じて、特別リミッタ機能が作動するまでに獲得できる賞球数(合計のラウンド数)が異なる。具体的に、第2形態では、特別リミッタ機能が作動するまの合計のラウンド数の最小値は、20ラウンドである(
図50参照)。一方、特別リミッタ機能が作動するまでの合計のラウンド数の最大値は、28ラウンドである(
図49参照)。
【0253】
ここで、特別リミッタ機能が作動するまでの合計のラウンド数が最大である28ラウンドになる方法について考察する。特別リミッタ機能が作動するまでの合計のラウンド数が28ラウンドになるためには、特別リミッタ機能が作動する直前において、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」よりも多い上で、最小値である「2」になる必要がある(
図49参照)。これは、残ラウンドリミッタカウンタの値が「2」になっている状態で、大当たり遊技のラウンド数が一番多い10R確変大当たりに当選すると、合計のラウンド数が最大である28ラウンドになるからである。
【0254】
よって、次に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「2」になる方法について考察する。残ラウンドリミッタカウンタの値が「2」になるということは、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が、「18」になるということである。ラウンド数の合計値が「18」になるための確変大当たりのルートは、多数ある。具体的に、10R確変大当たり⇒8R確変大当たりの場合、10R確変大当たり⇒4R確変大当たり⇒4R確変大当たりの場合、8R確変大当たり⇒10R確変大当たりの場合、6R確変大当たり⇒6R確変大当たり⇒6R確変大当たりの場合、6R確変大当たり⇒8R確変大当たり⇒4R確変大当たりの場合、6R確変大当たり⇒4R確変大当たり⇒8R確変大当たりの場合、4R確変大当たり⇒8R大当たり⇒6R大当たりの場合、4R確変大当たり⇒6R確変大当たり⇒8R確変大当たりの場合である。
【0255】
上記した確変大当たりのルートから分かるように、大当たり遊技のラウンド数が一番多い10R確変大当たりに当選し続けると、大当たり遊技のラウンド数の合計が「18」にならない。言い換えると、10R確変大当たりよりも大当たり遊技のラウンド数が少ない確変大当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり)に当選しなければ、大当たり遊技のラウンド数の合計が「18」にならず、特別リミッタ機能が作動するまでの合計のラウンド数が最大である28ラウンドにならない。
【0256】
以上により、第2形態では、特別リミッタ機能が作動するまでに、合計のラウンド数が最大(28ラウンド)になるためには、ラウンド数が一番多い10R確変大当たりにのみ当選し続けないで、10R確変大当たりよりもラウンド数が少ない確変大当たりに当選することが条件になる。こうして、ラウンド数が一番多い10R確変大当たりに当選し続けない方が却って賞球数が多くなる可能性があるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。そして、特別リミッタ機能が作動するまでの合計のラウンド数が最大になるためには、様々なルートがあるという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0257】
以上、第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10以上に達すると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「10」以下になると)、抑制ステータスの値が「1」から「2」に切替わって(
図50参照)、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。言い換えれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10以上に達しなければ、抑制ステータスの値が「1」のままであり、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。従って、ラウンド数が多い大当たり遊技が実行されるという状況に限り、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0258】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10以上且つ15未満になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「10」以下且つ「6」以上であると)、抑制ステータスの値が「1」から「2」に切替わって(
図49参照)、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。そして、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が15以上且つ20未満になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「5」以下且つ「1」以上であると)、抑制ステータスの値が「2」から「3」に切替わって(
図49参照)、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が更に抑制される。要するに、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が多くなるにつれて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が段階的に抑制される。こうして、大当たり遊技の実行によって遊技者が獲得する総賞球数が増えるにつれて、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に抑える。よって、例えば1回で単位時間に遊技者に付与する総賞球数を大きく抑える場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。言い換えると、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を段階的に少しずつ抑えることで、遊技者が出玉の獲得を無駄に引き延ばされているかのような印象を抱き難くすることが可能である。
【0259】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10以上且つ15未満になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「10」以下且つ「6」以上であると)、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が長くなる。更に、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が15以上且つ20未満になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「5」以下且つ「1」以上であると)、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が更に長くなる。こうして遊技者には、初当たり後のラッシュ期間(遊技者に有利な期間)において、実行されたラウンド数の合計値が多くなるにつれて、遊技者により長い大当たり遊技を堪能させて、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0260】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10以上且つ15未満になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「10」以下且つ「6」以上であると)、第1変動パターン判定テーブル(
図10(A)参照)よりも変動時間が長く決定され易い第2変動パターン判定テーブル(
図10(B)参照)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定する。更に、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が15以上且つ20未満になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「5」以下且つ「1」以上であると)、第2変動パターン判定テーブル(
図10(B)参照)よりも変動時間が長く決定され易い第3変動パターン判定テーブル(
図10(C)参照)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定する。こうして遊技者には、初当たり後のラッシュ期間(遊技者に有利な期間)において、実行されたラウンド数の合計値が多くなるにつれて、遊技者により長い高確時短状態を堪能させて、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0261】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20以上になると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」以下になると)、高確率状態への制御を制限する特別リミッタ機能が作動する(
図49、
図50参照)。言い換えれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20以上に達しなければ、特別リミッタ機能が作動しない。こうして、実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が多い場合には、ラッシュ期間(遊技者に有利な期間)を終了させて、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。その一方で、実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が少ない場合には、特別リミッタ機能を作動させないことで適切な特典(賞球数)の付与を継続することが可能である。
【0262】
また第2形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特別リミッタ機能が作動されるまでの大当たり遊技機のラウンド数の合計値は、10R確変大当たり以外の確変大当たり(8R大当たり、6R確変大当たり、4R確変大当たり)に当選することを条件に、最大になるように設定されている。つまり、特別リミッタ機能が作動されるまでの大当たり遊技のラウンド数の合計値は、ラウンド数が最大である10R確変大当たりにのみ当選しても、最大にならない。こうして、特別リミッタ機能が作動するまでに、大当たり遊技のラウンドが10R確変大当たりよりも少ない確変大当たり(8R大当たり、6R確変大当たり、4R確変大当たり)への当選を敢えて期待させるという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
【0263】
<第3形態>
上記第2形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20以上に達すると、高確率時短状態への制御を制限する特別リミッタ機能が作動した(
図49及び
図50参照)。これに対して、第3形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20以上に達しても、特別リミッタ機能が作動しないように構成されている。
【0264】
第3形態では、第2形態と異なり、特別リミッタ機能が作動しない替わりに、
図51に示すように、当選する大当たりの種類として、2R通常大当たりが含まれるようになっている。つまり、第1特別図柄の抽選で当選する大当たりの種類には、2R通常大当たり、4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たりがある。これら各大当たりへの振分確率は、2R通常大当たりが20%、4R確変大当たりが20%、6R確変大当たりが20%、8R確変大当たりが20%、10R確変大当たりが20%となっている。また第2特別図柄の抽選で当選する大当たりの種類には、2R通常大当たり、4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たりがある。これら各大当たりへの振分確率は、2R通常大当たりが20%、4R確変大当たりが20%、6R確変大当たりが20%、8R確変大当たりが20%、10R確変大当たりが20%となっている。こうして、第3形態では、第2形態と異なり、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20に達するか否かに拘わらず、2R通常大当たりへの当選を契機に、高確時短状態への制御(ラッシュ状態)が終了するようになっている。
【0265】
また第3形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20以上になると、即ち、残ラウンドリミッタカウンタの値が0以下になると、抑制ステータスが「1」から「3」に切替わる。これにより、大当たり遊技(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)の実行時間が通常よりも十分に長くなると共に、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く決定され易くなる。その結果、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができる。なお、初当たりしてから通常大当たりに当選すると、抑制ステータスの値が「1」に設定されると共に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」に設定される。また第2形態では、抑制ステータスの値が「1」又は「3」にのみ設定され、「2」に設定されることはない。
【0266】
[遊技状態設定処理]
図52に基づいて、第2形態の遊技状態設定処理(S2017)について、説明する。但し、
図48に示す第2形態の遊技状態設定処理(S2017)との違いを中心に説明する。
図52に示すように、ステップS2023にて残ラウンドリミッタカウンタ減算処理を実行した後、ステップS2124にて残ラウンドリミッタカウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する。「1」以上であれば、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する状況ではないため、抑制ステータスの値を「1」にして(S2106)、ステップS2107に進む。一方、残ランドリミッタカウンタの値が「1」以上でない(S2124でNO)、つまり、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」以下であれば、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する状況であるため、抑制ステータスの値を「3」にして(S2115)、ステップS2107に進む。
【0267】
また、ステップS2101において、確変大当たりに当選していないと判定すると(S2101)、2R通常大当たりに当選しているため、ステップS2116に進む。ステップS2116では、抑制ステータスの値を「1」にセットして、ステップS2117では、残リミッタカウンタの値を「0」にする。よって、第3形態では、2R通常大当たりに当選することで、抑制ステータスの値が「1」になると共に、残リミッタカウンタの値が「0」になる。そして、ステップS2118では、時短フラグをONにして、ステップS2119では、時短カウンタの値に「50」をセットして、ステップS2120に進む。こうして、初当たりしてから2R通常大当たりに当選するまで、低確時短状態(通常遊技状態)に制御されることはない。
【0268】
次に、第3形態の初当たり後の推移の一例を、
図53に基づいて説明する。
図53に示すように、初当たりとして8R確変大当たりに当選したこととする。この場合、8R確変大当たりに基づく大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「20」にセットされるものの、実行された大当たり遊技のラウンド数が「8」であるため、残ラウンドリミッタカウンタの値が「12」(=20-8)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「1」以上であるため、抑制ステータスの値は「1」である。よって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0269】
続いて、高確時短状態で6R確変大当たりに当選すると、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「6」(=12-6)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「1」以上であるため、抑制ステータスの値は「1」である。
【0270】
続いて、高確時短状態で6R確変大当たりに当選すると、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」(=6-6)になる。またこのときには、残ラウンドリミッタカウンタの値が「1」以上でないため、抑制ステータスの値が「3」になる。こうして、残ラウンドリミッタの値が「0」以下になることで、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されることになる。具体的に、次回の大当たり遊技では、大入賞口の開放パターンが第3開放パターン(
図7(C)参照)になるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも十分に長くなる。更に、高確時短状態において
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンを決定するため、特別図柄の変動表示の時間が通常よりも十分に長く決定され易い。
【0271】
続いて、高確時短状態で4R確変大当たりに当選すると、4R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「-4」(=0-4)になる。また抑制ステータスが「3」であるため、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制され続ける。続いて、高確時短状態で10R確変大当たりに当選すると、10R確変大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、その大当たり遊技の終了時に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「-14」(=-4-10)になる。また抑制ステータスが「3」であるため、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制され続ける。
【0272】
続いて、高確時短状態で2R通常大当たりに当選すると、2R通常大当たりに基づく大当たり遊技が実行される。これにより、その大当たり遊技の終了時に、通常遊技状態に制御される。またこのときには、抑制ステータスの値が「1」になると共に、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」にリセットされる。こうして、2R通常大当たりに当選すると、ラッシュ状態が終了するため、単位時間に遊技者に付与する総賞球数の抑制が解除される。
【0273】
なお、
図53に示す初当たり後の推移の一例では、初当たりしてから通常遊技状態に制御されるまでに、8R確変大当たりに基づく大当たり遊技、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技、6R確変大当たりに基づく大当たり遊技、4R確変大当たりに基づく大当たり遊技、10R確変大当たりに基づく大当たり遊技、2R通常大当たりに基づく大当たり遊技が実行されている。従って、初当たりしてから通常遊技状態に移行するまでに、遊技者は、合計36ラウンド分の賞球数を獲得できたことになり、第2形態よりも、遊技者が多くの賞球数を獲得できるチャンスがある。しかしながら、第2形態と異なり、初当たりしてから大当たり遊技のラウンド数の合計値が20になる前に、2R通常大当たりに当選すると、通常遊技状態に移行することになる。従って、合計20ラウンド分の賞球数が最低限として保証されているわけではない。
【0274】
以上、第3形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20以上に達すると(残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」以下になると)、抑制ステータスの値が「1」から「3」に切替わって(
図53参照)、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。但し、残ラウンドリミッタカウンタの値が「0」以下になっても、特別リミッタ機能が作動せず、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されるわけではない。こうして、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が所定値(20)に達すると、特別リミッタ機能を作動させることなく、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を大幅に抑制することが可能である。
【0275】
<第4形態>
上記第1形態では、残リミッタカウンタの値(リミッタ機能が作動するまでに高確時短状態に制御される残りの連続回数)に応じて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにした。これに対して、第4形態では、初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数、又は、高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動回数(変動表示の回数)に応じて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するように構成されている。なお第4形態では、第1形態のリミッタ機能、第2形態の特別リミッタ機能が作動することはない。
【0276】
ここで、初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数(初当たりも含む)を、以下では、「ラッシュ連続回数」と呼ぶことにする。このラッシュ連続回数は、初当たりしてから通常遊技状態に制御されるまでに実行された大当たり遊技の連続回数を意味することにもなる。また、高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動回数を、「ラッシュ変動回数」と呼ぶことにする。このラッシュ変動回数は、高確時短状態への制御が開始されてからどのくらいの特別図柄の変動回数で確変大当たりに当選したかを意味することにもなる。
【0277】
第4形態では、
図54(A)に示すように、ラッシュ連続回数が1回以上且つ5回以下である場合には、抑制ステータスが「1」に設定される。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。つまり、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常通りに決定される(
図10(A)参照)。
【0278】
また、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以下である場合には、抑制ステータスが「2」に設定される。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が少し抑制される。具体的に、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く決定され易くなる(
図10(B))参照)。
【0279】
また、ラッシュ連続回数が11回以上である場合には、抑制ステータスが「3」に設定される。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が十分に抑制される。具体的に、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く決定され易くなる(
図10(C))参照)。
【0280】
また第4形態では、
図54(B)に示すように、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下である場合には、抑制ステータスが「3」に設定される。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が十分に抑制される。具体的に、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常よりも十分に長くなる(
図7(C)参照)。
【0281】
また、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下である場合には、抑制ステータスが「2」に設定される。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が少し抑制される。具体的に、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く決定され易くなる(
図14(B)参照)。
【0282】
また、ラッシュ連続回数が51回以上である場合には、抑制ステータスが「3」に設定される。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。従って、このときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。つまり、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常通りである(
図7(A)参照)。
【0283】
なお第4形態では、ラッシュ連続回数が、高確時短状態での特別図柄の変動時間に影響を与え得るものの、ラッシュ連続回数が、大当たり遊技(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)の実行時間に影響を与えることはない。その反対に、ラッシュ変動回数が、大当たり遊技(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)の実行時間に影響を与え得るものの、ラッシュ連続回数が、高確時短状態での特別図柄の変動時間に影響を与えることはない。
【0284】
[特別図柄確定処理]
図55に基づいて、第4形態の特別図柄確定処理(S906)について、説明する。但し、
図28に示す第1形態の特別図柄確定処理(S906)との違いを中心に説明する。
図55に示すように、ステップS1602にて遊技状態管理処理を実行した後、ステップS1620にて抑制ステータス設定処理を実行する。そして、抑制ステータス設定処理(S1620)を実行した後、ステップS1603以降の処理を実行する。
【0285】
[抑制ステータス設定処理]
図56に示すように、第4形態の抑制ステータス設定処理(S1620)では、遊技制御用マイコン81は、高確時短状態であるか否かを判定する(S1621)。高確時短状態でなければ(S1621でNO)、ラッシュ状態でないため、本処理を終える。一方、高確時短状態であれば(S1621でYES)、ラッシュ変動回数カウンタの値を「1」だけ加算する(S1622)。ラッシュ変動回数カウンタは、高確時短状態への制御が開始されてからの特別図柄の変動回数をカウントするものである。ステップS1622の後、ステップS1623では、確変大当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たり)に当選したか否かを判定する。なお第4形態で当選する大当たりの種類は、第1形態で当選する大当たりの種類(
図6参照)と同じである。
【0286】
確変大当たりに当選していれば(S1623でYES)、ラッシュ変動回数カウンタの値が「25」以下であるか否かを判定する。「25」以下であれば(S1624でYES)、抑制ステータスの値に「3」をセットして(S1625)、ステップS1631に進む。こうして、高確時短状態への制御が開始されてから特別図柄の変動回数が25回以内で確変大当たりに当選した場合には、
図30に示す開放パターン設定処理(S1607)において、抑制ステータスの値が「3」であることにより、
図7(C)に示す第3開放パターンが設定される。これにより、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常よりも十分に長くなる(
図7(C)参照)。
【0287】
一方、ラッシュ変動回数カウンタの値が「25」以下でなければ(S1624でNO)、続いて、ラッシュ変動回数カウンタの値が「50」以下であるか否かを判定する(S1626)。「50」以下であれば(S1626でYES)、抑制ステータスの値に「2」をセットして(S1627)、ステップS1631に進む。こうして、高確時短状態への制御が開始されてから特別図柄の変動回数が26回以上且つ50回以内で確変大当たりに当選した場合には、
図30に示す開放パターン設定処理(S1607)において、抑制ステータスの値が「2」であることにより、
図7(B)に示す第2開放パターンが設定される。これにより、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常よりも少し長くなる(
図7(B)参照)。
【0288】
これらに対して、ラッシュ変動回数カウンタの値が「50」以下でなければ(S1626でNO)、抑制ステータスの値に「1」をセットして(S1628)、ステップS1631に進む。こうして、高確時短状態への制御が開始されてから特別図柄の変動回数が51回以上で確変大当たりに当選した場合には、
図30に示す開放パターン設定処理(S1607)において、抑制ステータスの値が「1」であることにより、
図7(A)に示す第1開放パターンが設定される。これにより、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常通りになる(
図7(A)参照)。ステップS1631では、ラッシュ変動回数カウンタの値を「0」にリセットして、本処理を終える。
【0289】
一方、ステップS1623にて、確変大当たりに当選していないと判定すれば(S1623でNO)、ステップS1629にて、通常大当たり(2R通常大当たり)に当選しているか否かを判定する。通常大当たりに当選していれば(S1629でYES)、抑制ステータスの値を「1」にセットして(S1630)、ステップS1631に進む。こうして、高確時短状態で通常大当たりに当選した場合には、
図30に示す開放パターン設定処理(S1607)において、抑制ステータスの値が「1」であることにより、
図7(A)に示す第1開放パターンが設定される。これにより、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常通りになる(
図7(A)参照)。
【0290】
また、ステップS1629にて、通常大当たりに当選していないと判定すれば(S1629でNO)、大当たりに当選していないことになる。従って、この場合には、本処理を直ちに終える。
【0291】
[遊技状態設定処理]
図57に示すように、第4形態の遊技状態設定処理(S2017)では、遊技制御用マイコン81は、確変大当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たり)に当選した状況か否かを判定する(S2130)。確変大当たりに当選した状況であれば(S2130でYES)、ラッシュ連続回数カウンタの値を「1」だけ加算する(S2131)。続いて、ラッシュ連続回数カウンタの値が「5」以下であるか否かを判定する(S2132)。「5」以下であれば(S2132でYES)、抑制ステータスの値に「1」をセットして(S2133)、ステップS2137に進む。こうして、初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数が5回以下である場合には、
図21~
図26に示す変動パターン選択処理(S1003,S1009)において、抑制ステータスの値が「1」であることにより、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常通りに決定される。
【0292】
一方、ステップS2132にて、ラッシュ連続回数カウンタの値が「5」以下でなければ(S2132でNO)、続いて、ラッシュ連続回数カウンタの値が「10」以下であるか否かを判定する(S2134)。「10」以下であれば(S2134でYES)、抑制ステータスの値に「2」をセットして(S2135)、ステップS2137に進む。こうして、初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数が6回以上且つ10回以下である場合には、
図21~
図26に示す変動パターン選択処理(S1003,S1009)において、抑制ステータスの値が「2」であることにより、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く決定され易くなる。
【0293】
これらに対して、ステップS2134にて、ラッシュ連続回数カウンタの値が「10」以下でなければ(S2134でNO)、抑制ステータスの値に「3」をセットして(S2136)、ステップS2137に進む。こうして、初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数が11回以上である場合には、
図21~
図26に示す変動パターン選択処理(S1003,S1009)において、抑制ステータスの値が「3」であることにより、
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く決定され易くなる。
【0294】
ステップS2137では、確変フラグをONにして、ステップS2138では、確変カウンタの値に「10000」をセットする。続いて、ステップS2139では、時短フラグをONにして、ステップS2140では、確変カウンタの値に「10000」をセットして、ステップS2145に進む。
【0295】
またステップS2130にて、確変大当たりに当選した状況でなければ(S2130でNO)、通常大当たり(2R通常大当たり)に当選した状況であり、ステップS2141に進む。ステップS2141では、ラッシュ連続回数カウンタの値に「0」をセットして、ステップS2142では、抑制ステータスの値に「1」をセットする。そして、時短フラグをONにして(S2143)、時短カウンタの値に「10000」をセットして(S2144)、ステップS2145に進む。こうして、通常大当たりへの当選によってラッシュ状態(高確時短状態への制御)が終了する場合には、その後、
図21~
図26に示す変動パターン選択処理(S1003,S1009)において、抑制ステータスの値が「1」であることにより、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、低確時短状態での特別図柄の変動時間は、通常通りに決定される。
【0296】
ステップS2145では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報、時短カウンタの情報、確変カウンタの情報、抑制ステータスの情報、ラッシュ連続回数カウンタの情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
【0297】
以上、第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態への制御の契機となる確変大当たりへの連続当選回数(連荘数、ラッシュ連続回数)が6回に達すると、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。具体的には、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く決定され易くなる(
図10(B)参照)。一方、連荘数が6回に達しなければ、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常通りに決定される(
図10(A)参照)。こうして、連荘数が多いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0298】
また第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、連荘数が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、
図10(B)に示す第2特別変動パターン判定テーブルによって、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも少し長く決定され易くなる。また、連荘数が11回に達すると(11回以上であると)、
図10(C)に示す第3特別変動パターン判定テーブルによって、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く決定され易くなる。こうして、連荘数が多くなるにつれて、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に抑えることで、例えば1回で単位時間に遊技者に付与する総賞球数を大きく抑える場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。
【0299】
また第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動表示の回数(ラッシュ変動回数)が50回以下であると、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。具体的には、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常よりも少し長くなる(
図7(B)参照)。一方、ラッシュ変動回数が50回を超えると、大当たり遊技の実行時間が通常通りになる(
図7(A)参照)。こうして、高確時短状態で次回の確変大当たりへの当選が早いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0300】
また第4形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ変動回数が50回以下で且つ25回を超えていると、大当たり遊技で
図7(B)に示す第2開放パターンが設定されることで、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常よりも少し長くなる。また、ラッシュ変動回数が25回以下であると、大当たり遊技で
図7(C)に示す第3開放パターンが設定されることで、大当たり遊技の実行時間が通常よりも十分に長くなる。こうして、高確時短状態で次回の確変大当たりへの当選が早いほど、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数をより大きく抑えることが可能である。
【0301】
<第5形態>
上記第1形態から第4形態まで、初当たりしてから高確時短状態への制御が終了するまでのベースに応じて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されることはなかった。これに対して、第5形態では、初当たりしてから高確時短状態への制御が終了するまでのベースに応じて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されるように構成されている。なお第5形態では、第1形態と同様に構成されているが、第1形態と異なり、残リミッタカウンタの値(リミッタ機能が作動するまでに高確時短状態に制御される残りの連続回数)に応じて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されることはない。
【0302】
ここで、初当たりしてから高確時短状態への制御が終了するまでのベースを、以下では、「ラッシュベース」と呼ぶことにする。このラッシュベースは、ラッシュ状態(初当たりに基づく大当たり遊技の開始から低確時短状態への制御が開始されるまで)で遊技者が獲得した総賞球数(ラッシュ総賞球数)と、ラッシュ状態で遊技者により発射された遊技球が遊技領域3を流下した発射球数(ラッシュ発射球数)との割合を意味している。
【0303】
第5形態では、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ状態であるときに、
図14に示すベース演算処理(S107)にて、ラッシュベースを演算している。そして、ベース演出処理(S107)で演算されたラッシュベースの値に応じて、抑制ステータスの値を逐次設定するようになっている。つまり、抑制ステータスの値は、ラッシュベースの値に応じて、適宜変化するようになっている。
【0304】
具体的に、
図58に示すように、ラッシュベースの値が「599」以下であれば、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ状態において遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が多いわけではないと判断して、抑制ステータスの値を「1」に設定する。この場合には、
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常通りに決定される。また、大当たり遊技では
図7(A)に示す第1開放パターンが設定されるため、大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)が通常通りである。よって、単位時間に遊技者が獲得する総賞球数が抑制されない。
【0305】
また、ラッシュベースの値が「600」以上且つ「799」以下であれば、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ状態において遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が少し多いと判断して、抑制ステータスの値を「2」に設定する。この場合には、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも長く決定され易くなる。また、大当たり遊技では
図7(B)に示す第2開放パターンが設定されるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも少し長くなる。よって、単位時間に遊技者が獲得する総賞球が少し抑制される。
【0306】
また、ラッシュベースの値が「800」以上であれば、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ状態において遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が十分に多いと判断して、抑制ステータスの値を「3」に設定する。この場合には、
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンが選択される。これにより、高確時短状態での特別図柄の変動時間が通常よりも十分に長く決定され易くなる。また、大当たり遊技では
図7(C)に示す第3開放パターンが設定されるため、大当たり遊技の実行時間が通常よりも十分に長くなる。よって、単位時間に遊技者が獲得する総賞球数が十分に抑制される。
【0307】
以上、第5形態のパチンコ遊技機PY1によれば、初当たりしてから高確時短状態への制御が終了するまでのラッシュ状態において、逐次演算されるラッシュベースの値に応じて、抑制ステータスの値が設定される。従って、ラッシュベースが少ない場合には、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制しない一方、ラッシュベースが多い場合には、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である。こうして、演算されたラッシュベースの値に応じて、リアルタイムで単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である。
【0308】
<第6形態>
上記第1形態から第5形態まで、大当たりへの当選を示す特別図柄(大当たり図柄)が停止表示して、その大当たり図柄の停止時間が経過すると、大当たり遊技が開始されるように構成されていた。これに対して、第6形態では、大当たり図柄が停止表示して、その大当たり図柄の停止時間が経過した後に、遊技球が役連ゲート6を通過することに基づいて、大当たり遊技が開始されるように構成されている。なお第6形態では、第1形態と異なり、残リミッタカウンタの値に応じて遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が抑制されることがなく、リミッタ機能が作動することもない。第6形態のその他の構成は、第1形態と同様に構成されている。
【0309】
第6形態では、
図59に示すように、第2流路R2に、遊技球が通過可能な役連ゲート6が設けられている。役連ゲート6には、当該役連ゲート6を通過する遊技球を検出可能な役連ゲートセンサ6aが配置されている。役連ゲートセンサ6aが遊技球を検出すると、検出信号が遊技制御用マイコン81に出力される。従って、遊技制御用マイコン81は、役連ゲート6から検出信号を入力することで、遊技球が役連ゲート6を通過したことを判断できるようになっている。役連ゲート6は、右打ちによって第2流路R2に打ち込まれた10球の遊技球うち、1球程度が通過できるように配置されている。即ち、本パチンコ遊技機1では0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっているため、右打ちを続けている限り、おおよそ6秒で1球の遊技球が役連ゲート6を通過できるようになっている。
【0310】
第6形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、上述したように、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、遊技球が役連ゲート6を通過することに基づいて、大当たり遊技が開始される。しかしながら、第6形態において、大当たり遊技の開始の契機は、常に、1球の遊技球が役連ゲート6を通過することではない。つまり、大当たり遊技の開始の契機は、1球の遊技球が役連ゲート6を通過すること、又は3球の遊技球が役連ゲート6を通過すること、或いは5球の遊技球が役連ゲート6を通過することであるように構成されている。ここで、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるために、役連ゲート6に通過することが必要な遊技球の数を、「役連ゲート規定球数」と呼ぶことにする。
【0311】
第6形態では、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数(初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数)に応じて、役連ゲート規定球数を異ならせる。具体的に、
図60に示すように、ラッシュ連続回数が1回以上且つ5回以下では、役連ゲート規定球数を「1」に設定する。従って、この場合には、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、従来と同様に、1球の遊技球が役連ゲート6を通過すれば、大当たり遊技が開始される。よって、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるまでの間は約6秒程度であり、大当たり遊技の開始が特段延長されているわけではない。こうして、ラッシュ連続回数がそれほど多くなっていないときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0312】
次に、ラッシュ連続回数が5回以上且つ10回以下では、役連ゲート規定球数を「3」に設定する。従って、この場合には、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、3球の遊技球が役連ゲート6を通過すれば、大当たり遊技が開始される。よって、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるまでの間は約18秒程度であり、大当たり遊技の開始が少し延ばされる。こうして、ラッシュ連続回数が少し多くなるときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が少し抑制される。
【0313】
続いて、ラッシュ連続回数が11回以上では、役連ゲート規定球数を「5」に設定する。従って、この場合には、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、5球の遊技球が役連ゲート6を通過すれば、大当たり遊技が開始される。よって、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるまでの間は約30秒程度であり、大当たり遊技の開始が十分に延ばされる。こうして、ラッシュ連続回数が十分に多くなるときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が十分に抑制される。
【0314】
[特別図柄確定処理]
図61に基づいて、第6形態の特別図柄確定処理(S906)について、説明する。但し、
図28に示す第1形態の特別図柄確定処理(S906)との違いを中心に説明する。
図61に示すように、ステップS1602にて遊技状態管理処理を実行した後、ステップS1640にて役連ゲート規定球数設定処理を実行する。役連ゲート規定球数設定処理(S1640)では、遊技制御用マイコンは、
図60に示すように、ラッシュ連続回数(ラッシュ連続回数カウンタの値)に応じて、役連ゲート規定球数を設定する。役連ゲート規定球数設定処理(S1640)を実行した後、続いて、遊技制御用マイコン81は、役連ゲート6に遊技球が役連ゲート規定球数だけ通過したか否かを判定する(S1641)。役連ゲート規定球数だけ遊技球が通過していなければ(S1641でNO)、大当たり遊技を開始する状況でないため、ステップS1603以降の処理を実行しない。一方、役連ゲート規定球数だけ遊技球が通過していれば(S1641でYES)、大当たり遊技を開始する状況であるため、ステップS1603以降の処理を実行する。
【0315】
この第6形態では、上述したように、ラッシュ連続回数が多くなるほど、役連ゲート規定球数が多くなって、大当たり遊技の開始がより延ばさることになる。しかしながら、遊技者にとっては、大当たり図柄の停止時間が経過した後、長い間、大当たり遊技が開始されないと、不快感を抱くおそれがある。そこで第6形態では、演出制御用マイコン91は、大当たり図柄の停止時間が経過した後、遊技球が役連ゲート規定球数だけ役連ゲート6を通過するまでの間、役連ゲート打ち込み促進演出を実行するようになっている。
【0316】
図62に基づいて、役連ゲート規定球数が「5」に設定される場合の役連ゲート打ち込み促進演出について説明する。この役連ゲート打ち込み促進演出では、演出制御用マイコン91は、大当たり図柄の停止時間が経過すると、
図62(A)に示すように、表示画面7aにて、遊技球を役連ゲート6に通過させることを促す通過促進画像YGを表示すると共に、「5球入れろ!」を示す通過球数示唆画像CS5を表示する。よって、遊技者は、通過促進画像YGと通過球数示唆画像CS5とを見ることで、5球の遊技球を役連ゲート6に通過させる状況であることを把握することが可能である。
【0317】
その後、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から役連ゲート6の通過に基づくコマンドを受信すると、
図62(B)に示すように、表示画面7aにて、通過促進画像YGを表示すると共に、「あと4球!」を示す残り通過球数画像CS4を表示する。以下同様に、遊技制御用マイコン81から役連ゲート6の通過に基づくコマンドを受信する度に、
図62(C)に示す通過促進画像YG及び「あと3球!」を示す残り通過球数画像CO3を表示し、
図62(D)に示す通過促進画像YG及び「あと2球!」を示す残り通過球数画像CO2を表示し、
図62(E)に示す通過促進画像YG及び「あと1球!」を示す残り通過球数画像CO1を表示する。
【0318】
そして、遊技球が役連ゲート6に対して役連ゲート規定球数だけ通過すると、演出制御用マイコン91は、
図62(F)に示すように、表示画面7aにて、虹色の背景画像RBを表示すると共に、「クリア!」を示すクリア示唆画像CRを表示する。これら虹色の背景画像RBとクリア示唆画像CRとの表示によって、遊技者には、大当たり遊技が開始される状況であることを把握させることが可能である。こうして、役連ゲート打ち込み促進演出が実行されることで、大当たり図柄の停止時間が経過した後、長い間、大当たり遊技が開始されなくても、遊技者に不快感を与え難くすることが可能である。
【0319】
なお、
図62では、役連ゲート規定球数が「5」に設定される場合の役連ゲート打ち込み促進演出について説明したが、役連ゲート規定球数が「3」又は「1」に設定される場合の役連ゲート打ち込み促進演出についても、同様である。つまり、役連ゲート規定球数が「3」に設定される場合の役連ゲート打ち込み促進演出では、
図62(C)に示す「あと3球!」を示す残り通過球数画像CO3に替えて、「3球を入れろ!」を示す通過球数示唆画像が表示される。また役連ゲート規定球数が「1」に設定される場合の役連ゲート打ち込み促進演出では、
図62(E)に示す「あと1球!」を示す残り通過球数画像CO1に替えて、「1球を入れろ!」を示す通過球数示唆画像が表示される。
【0320】
以上、第6形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図60に示すように、ラッシュ連続回数(連荘数)が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、役連ゲート規定球数が「3」に設定されるため、大当たり図柄が停止表示されてから大当たり遊技が開始されるまでの時間が長くなる。こうして、連荘数が多いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0321】
また第6形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ連続回数が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、役連ゲート規定球数が「3」に設定され、ラッシュ連続回数が11回に達すると(11回以上であると)、役連ゲート規定球数が「5」に設定される。こうして、連荘数が多くなるにつれて、大当たり図柄が停止表示されてから大当たり遊技が開始されるまでの時間が段階的に長くなり、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に大きく抑えることが可能である。
【0322】
<第7形態>
上記第6形態では、ラッシュ連続回数(連荘数)に応じて、役連ゲート規定球数が設定されるように構成されていた(
図60参照)。これに対して、第7形態では、ラッシュ変動回数(高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動表示の回数)に応じて、役連ゲート規定球数が設定されるように構成されている。なお第7形態のその他の構成は、第6形態と同様に構成されている。
【0323】
第7形態では、
図63に示すように、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下では、役連ゲート規定球数を「5」に設定する。従って、この場合には、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、5球の遊技球が役連ゲート6を通過すれば、大当たり遊技が開始される。よって、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるまでの間は約30秒程度であり、大当たり遊技の開始が延ばされる。こうして、高確時短状態にて次回への大当たりへの当選が早いときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が十分に抑制される。
【0324】
次に、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下では、役連ゲート規定球数を「2」に設定する。従って、この場合には、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、3球の遊技球が役連ゲート6を通過すれば、大当たり遊技が開始される。よって、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるまでの間は約18秒程度であり、大当たり遊技の開始が少し延ばされる。こうして、高確時短状態にて次回への当選が少し早いときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が少し抑制される。
【0325】
続いて、ラッシュ変動回数が51回以上では、役連ゲート規定球数を「1」に設定する。従って、この場合には、大当たり図柄の停止時間が経過した後に、従来と同様に、1球の遊技球が役連ゲート6を通過すれば、大当たり遊技が開始される。よって、大当たり図柄の停止時間が経過した後、大当たり遊技が開始されるまでの間は約6秒程度であり、大当たり遊技の開始が特段延長されているわけではない。こうして、高確時短状態にて次回への当選が早くないときには、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0326】
以上、第7形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図63に示すように、ラッシュ変動回数が50回以下であると、役連ゲート規定球数が「1」よりも大きい数(「3」以上)に設定されるため、大当たり図柄が停止表示されてから大当たり遊技が開始されるまでの時間が長くなる。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0327】
また第7形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下であると、役連ゲート規定球数が「3」に設定され、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下であると、役連ゲート規定球数が「5」に設定される。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いほど、大当たり図柄が停止表示されてから大当たり遊技が開始されるまでの時間がより長くなって、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に大きく抑えることが可能である。
【0328】
<第8形態>
上記第1形態から第7形態までは、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数は4で固定であった。これに対して、第8形態では、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数が変化するように構成されている。ここで以下では、第2特図保留記憶部85bの上限記憶数を、「特
図2上限保留球数」と呼ぶことにする。なお第8形態では、第1形態と異なり、残リミッタカウンタの値に応じて遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が抑制されることがなく、リミッタ機能が作動することもない。第8形態のその他の構成は、第1形態と同様に構成されている。
【0329】
第8形態では、
図64に示すように、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数が1回以上且つ5回以下では、特
図2上限保留球数を「4」に設定する。この場合、高確時短状態において、遊技者は、通常通り、特
図2保留球数を「4」まで貯めることができて、電チュー22に遊技球が入球し難いタイミングがあっても、特
図2の抽選を連続的に途切れることなく行うことが可能である。更に、高確時短状態では、
図10(A)に示すように、特
図2保留球数が「2」以上であるときに、短縮変動の機能が働くため(変動時間の短い変動パターンP17が選択され易くなるため)、通常通りに、第2特図保留をスムーズに消化することが可能である。こうして、ラッシュ連続回数が5回以内であるときには、高確時短状態での遊技が通常通りに実行されて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0330】
またラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以下では、特
図2上限保留球数を「2」に設定する。具体的には、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以下であるときに、
図15に示すセンサ検出処理(S104)において、ステップS204の処理に替えて、特
図2保留球数が「2」以上であるか否かを判定する。この場合、高確時短状態において、遊技者は、特
図2保留球数を「2」までしか貯めることができなくて、電チュー22に遊技球が入球し難いタイミングがあると、特
図2の抽選が少し途切れ易くなる。更に、高確時短状態において、特
図2保留球数が最大の「2」であるときにのみ短縮変動の機能が働くため、第2特図保留がスムーズに消化され難くなる。こうして、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以内であるときには、高確時短状態での遊技が通常よりも少し長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を少し抑制することが可能である。
【0331】
またラッシュ連続回数が11回以上では、特
図2上限保留球数を「1」に設定する。具体的には、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数が11回以上であるときに、
図15に示すセンサ検出処理(S104)において、ステップS204の処理に替えて、特
図2保留球数が「1」以上であるか否かを判定する。この場合、高確時短状態において、遊技者は、特
図2保留球数を「1」までしか貯めることができなくて、電チュー22に遊技球が入球し難いタイミングがあると、特
図2の抽選が途切れ易くなる。更に、高確時短状態において、特
図2保留球数が最大の「1」までしか貯めることができないため、短縮変動の機能が働くことはなくて、第2特図保留がスムーズに消化されない。こうして、ラッシュ連続回数が11回以上であるときには、高確時短状態での遊技が通常よりも十分に長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を十分に抑制することが可能である。
【0332】
以上、第8形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図64に示すように、ラッシュ連続回数(連荘数)が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、特
図2上限保留球数が「2」以下に設定されるため、特
図2の抽選が連続的に実行されない頻度が高くなる。その結果、高確時短状態での遊技が通常よりも長くなり易い。こうして、連荘数が多いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0333】
また第8形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ連続回数が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、特
図2上限保留球数が「2」に設定され、ラッシュ連続回数が11回に達すると(11回以上であると)、特
図2上限保留球数が「1」に設定される。こうして、連荘数が多くなるにつれて、高確時短状態での遊技がより長くなり易くなって、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に大きく抑えることが可能である。
【0334】
<第9形態>
上記第8形態では、ラッシュ連続回数(連荘数)に応じて、特
図2上限保留球数が変化するように構成されていた。これに対して、第9形態では、ラッシュ変動回数(高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動表示の回数)に応じて、特
図2上限保留球数が変化するように構成されている。なお第9形態のその他の構成は、第8形態と同様に構成されている。
【0335】
第9形態では、
図65に示すように、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下では、特
図2上限保留球数を「1」に設定する。具体的には、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下であるときに、
図15に示すセンサ検出処理(S104)において、ステップS204の処理に替えて、特
図2保留球数が「1」以上であるか否かを判定する。この場合、高確時短状態において、遊技者は、特
図2保留球数を「1」までしか貯めることができなくて、電チュー22に遊技球が入球し難いタイミングがあると、特
図2の抽選が途切れ易くなる。更に、高確時短状態において、特
図2保留球数が最大の「1」までしか貯めることができないため、短縮変動の機能が働くことはなくて、第2特図保留がスムーズに消化されない。こうして、ラッシュ連続回数が1回以上且つ25回以内であるときには、次の高確時短状態での遊技が通常よりも十分に長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を十分に抑制することが可能である。
【0336】
またラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下では、特
図2上限保留球数を「2」に設定する。具体的には、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下であるときに、
図15に示すセンサ検出処理(S104)において、ステップS204の処理に替えて、特
図2保留球数が「2」以上であるか否かを判定する。この場合、高確時短状態において、遊技者は、特
図2保留球数を「2」までしか貯めることができなくて、電チュー22に遊技球が入球し難いタイミングがあると、特
図2の抽選が少し途切れ易くなる。更に、高確時短状態において、特
図2保留球数が最大の「2」であるときにのみ短縮変動の機能が働くため、第2特図保留がスムーズに消化され難くなる。こうして、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以内であるときには、次の高確時短状態での遊技が通常よりも少し長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を少し抑制することが可能である。
【0337】
またラッシュ変動回数が51回以上では、特
図2上限保留球数を「4」に設定する。この場合、高確時短状態において、遊技者は、通常通り、特
図2保留球数を「4」まで貯めることができて、電チュー22に遊技球が入球し難いタイミングがあっても、特
図2の抽選を連続的に途切れることなく行うことが可能である。更に、高確時短状態では、
図10(A)に示すように、特
図2保留球数が「2」以上であるときに、短縮変動の機能が働くため、通常通りに、第2特図保留をスムーズに消化することが可能である。こうして、ラッシュ変動回数が51回以上であるときには、次の高確時短状態での遊技が通常通りに実行されて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0338】
以上、第9形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図65に示すように、ラッシュ変動回数が50回以内であると、特
図2上限保留球数が「2」以下に設定されるため、特
図2の抽選が連続的に実行されない頻度が高くなる。その結果、高確時短状態での遊技が通常よりも長くなり易い。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0339】
また第9形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以内であるときに、特
図2上限保留球数が「2」に設定され、ラッシュ変動回数が25回以内であるときに、特
図2上限保留球数が「1」に設定される。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いほど、次の高確時短状態での遊技がより長くなり易くなって、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を大きく抑えることが可能である。
<第10形態>
上記第1形態から第9形態までは、特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は、約1/20(=3277÷65536、
図9(A)参照)で固定であった。これに対して、第10形態では、特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率が変化するように構成されている。ここで以下では、特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率を、「小当たり当選確率」と呼ぶことにする。なお第10形態では、第1形態と異なり、残リミッタカウンタの値に応じて遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が抑制されることがなく、リミッタ機能が作動することもない。第10形態のその他の構成は、第1形態と同様に構成されている。
【0340】
第10形態では、
図66に示すように、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数が1回以上且つ5回以下では、小当たり当選確率を「1/20」に設定する。この場合、高確時短状態において、特別図柄の抽選では、通常遊技状態と同様に極稀に小当たりに当選して、小当たり遊技が実行される。こうして、ラッシュ連続回数が5回以内であるときには、高確時短状態での遊技が通常通りに実行されて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0341】
また遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以下では、小当たり当選確率を「1/10」に設定する。この場合、高確時短状態において、特別図柄の抽選では、ラッシュ連続回数が5回以内であるときよりも小当たりに当選し易くなって、小当たり遊技が少しだけ頻繁に実行され易くなる。そして、1回の小当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)は、1.9秒(
図7(A)参照)であるため、小当たり遊技が多く実行された分だけ、高確時短状態での遊技が長くなる。こうして、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以内であるときには、高確時短状態での遊技が通常よりも少し長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を少し抑制することが可能である。
【0342】
また遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数が11回以上では、小当たり当選確率を「1/5」に設定する。この場合、高確時短状態において、特別図柄の抽選では、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以下であるときよりも小当たりに当選し易くなって、小当たり遊技が頻繁に実行され易くなる。こうして、ラッシュ連続回数が11回以上であるときには、高確時短状態での遊技が通常よりも十分に長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を十分に抑制することが可能である。
【0343】
以上、第10形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図66に示すように、ラッシュ連続回数(連荘数)が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、小当たり当選確率が「1/20」よりも上昇するため、小当たり遊技が実行される頻度が高くなる。そのため、高確時短状態での遊技が通常よりも長くなり易い。こうして、連荘数が多いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0344】
また第10形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ連続回数が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、小当たり当選確率が「1/10」に設定され、ラッシュ連続回数が11回に達すると(11回以上であると)、小当たり当選確率が「1/5」に設定される。こうして、連荘数が多くなるにつれて、高確時短状態での遊技がより長くなり易くなって、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を徐々に大きく抑えることが可能である。
【0345】
<第11形態>
上記第11形態では、ラッシュ連続回数(連荘数)に応じて、小当たり当選確率が変化するように構成されていた。これに対して、第11形態では、ラッシュ変動回数(高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動表示の回数)に応じて、小当たり当選確率が変化するように構成されている。なお第11形態のその他の構成は、第10形態と同様に構成されている。
【0346】
第11形態では、
図67に示すように、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下では、小当たり当選確率を「1/5」に設定する。この場合、高確時短状態において、特別図柄の抽選では、通常遊技状態よりも小当たりに大幅に当選し易くなって、小当たり遊技が頻繁に実行され易くなる。こうして、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以内であるときには、次の高確時短状態での遊技が通常よりも十分に長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を十分に抑制することが可能である。
【0347】
またラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下では、小当たり当選確率を「1/10」に設定する。この場合、高確時短状態において、特別図柄の抽選では、通常遊技状態よりも小当たりに少し当選し易くなって、小当たり遊技が少しだけ頻繁に実行され易くなる。こうして、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以内であるときには、次の高確時短状態での遊技が通常よりも少し長くなり易くなって、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を少し抑制することが可能である。
【0348】
またラッシュ変動回数が51回以上は、小当たり当選確率を「1/20」に設定する。この場合、高確時短状態において、特別図柄の抽選では、通常遊技状態と同様に極稀に小当たりに当選して、小当たり遊技が実行される。こうして、ラッシュ変動回数が51回以上であるときには、高確時短状態での遊技が通常通りに実行されて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。
【0349】
以上、第11形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図67に示すように、ラッシュ変動回数が50回以内であると、小当たり当選確率が「1/20」よりも上昇するため、小当たり遊技が実行される頻度が高くなる。そのため、高確時短状態での遊技が通常よりも長くなり易い。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いと、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0350】
また第11形態のパチンコ遊技機PY1によれば、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以内であるときに、小当たり当選確率が「1/10」に設定され、ラッシュ変動回数が25回以内であるときに、小当たり当選確率が「1/5」に設定される。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いほど、次の高確時短状態での遊技がより長くなり易くなって、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を大きく抑えることが可能である。
<第12形態>
上記第1形態から第11形態までは、高確率状態(高確時短状態)にて、遊技制御用マイコン81は、特別図柄の抽選を実行する前に、高確率状態から通常確率状態に転落するか否かの抽選を実行することはなかった。つまり、所謂「転落機」として構成されているものでなかった。これに対して、第12形態では、高確率状態(高確時短状態)にて、遊技制御用マイコン81は、特別図柄の抽選を実行する前に、高確率状態から通常確率状態に転落するか否かの抽選を実行するように構成されている。つまり、所謂「転落機」として構成されている。なお第12形態では、第1形態と異なり、残リミッタカウンタの値に応じて遊技者が単位時間に獲得する総賞球数が抑制されることがなく、リミッタ機能が作動することもない。第12形態のその他の構成は、第1形態と同様に構成されている。
【0351】
[特別図柄確定処理]
図68に基づいて、第12形態の特別図柄待機処理(S902)について、説明する。但し、
図19に示す第1形態の特別図柄待機処理(S902)との違いを中心に説明する。
図68に示すように、ステップS1001にて第2始動口21の保留球数(特
図2保留球数)が「0」でないと判定すると(S1001でNO)、続いて、高確率状態に制御されているか否かを判定する(S1015)。高確率状態に制御されていないと判定すれば(S1015でNO)、ステップS1002の特
図2大当たり判定処理に進み、高確率状態に制御されていると判定すれば(S1015でYES)、後述する転落抽選処理を実行して(S1016)、ステップS1002の特
図2大当たり判定処理に進む。また、ステップS1007にて第1始動口20の保留球数(特
図1保留球数)が「0」でないと判定すると(S1007でNO)、続いて、高確率状態に制御されているか否かを判定する(S1017)。高確率状態に制御されていないと判定すれば(S1017でNO)、ステップS1008の特
図1大当たり判定処理に進み、高確率状態に制御されていると判定すれば(S1017でYES)、後述する転落抽選処理を実行して(S1018)、ステップS1008の特
図1大当たり判定処理に進む。
【0352】
第12形態の転落抽選処理(S1016,S1018)について、説明する。転落抽選処理(S1016,S1018)は、特別図柄の抽選で大当たりであるか否かを判定する前に、高確率状態(高確時短状態)から通常確率状態(通常遊技状態)に転落するか否かの抽選を実行する処理である。この第12形態では、遊技制御用マイコン81は、ラッシュ連続回数に応じて、高確率状態(高確時短状態)から通常確率状態(通常遊技状態)に転落させる確率(以下「転落確率」と呼ぶ)を変化させるように構成されている。
【0353】
具体的には、
図69に示すように、ラッシュ連続回数が1回以上且つ5回以下では、遊技制御用マイコン81が、転落抽選処理(S1016,S1018)において、転落確率を「1/500」に設定して、通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。また、ラッシュ連続回数が6回以上且つ10回以下では、遊技制御用マイコン81が、転落抽選処理(S1016,S1018)において、転落確率を「1/400」に設定して、通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。また、ラッシュ連続回数が11回以上では、遊技制御用マイコン81が、転落抽選処理(S1016,S1018)において、転落確率を「1/400」に設定して、通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。
【0354】
以上、第12形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図69に示すように、ラッシュ連続回数(連荘数)が6回に達すると(6回以上且つ10回以下であると)、転落確率が「1/400」に上昇し、ラッシュ連続回数が11回に達すると(11回以上であると)、転落確率が「1/300」に設定される。こうして、連荘数が多くなるにつれて、高確時短状態から通常遊技状態に転落し易くなって、遊技者が多くの賞球を獲得可能なラッシュ状態を終了させ易くすることが可能である。言い換えれば、連荘数が多くなるにつれて、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑え易くすることが可能である。
【0355】
<第13形態>
上記第12形態では、ラッシュ連続回数(連荘数)に応じて、転落確率が変化するように構成されていた。これに対して、第13形態では、ラッシュ変動回数(高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動表示の回数)に応じて、転落確率が変化するように構成されている。なお第13形態のその他の構成は、第12形態と同様に構成されている。
【0356】
第13形態では、
図70に示すように、ラッシュ変動回数が1回以上且つ25回以下では、遊技制御用マイコン81が、転落抽選処理(S1016,S1018)において、転落確率を「1/300」に設定して、通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。また、ラッシュ連続回数が26回以上且つ50回以下では、遊技制御用マイコン81が、転落抽選処理(S1016,S1018)において、転落確率を「1/400」に設定して、通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。また、ラッシュ連続回数が51回以上では、遊技制御用マイコン81が、転落抽選処理(S1016,S1018)において、転落確率を「1/500」に設定して、通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。
【0357】
以上、第13形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図70に示すように、ラッシュ変動回数が26回以上且つ50回以下であると、転落確率が「1/400」に上昇し、ラッシュ変動回数が25回以下であると、転落確率が「1/300」に上昇する。こうして、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いほど、次の高確時短状態での遊技において、高確時短状態から通常遊技状態に転落し易くなって、遊技者が多くの賞球を獲得可能なラッシュ状態を終了させ易くすることが可能である。言い換えれば、高確時短状態にて大当たりへの当選が早いほど、遊技者が単位時間に獲得する総賞球数を抑え易くすることが可能である。
【0358】
上述したように第1形態から第13形態まで説明したが、
図71に基づいて、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法と、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法と、について変更例を踏まえて再度説明する。
【0359】
図71に示すように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法として、(1)残リミッタカウンタの値(リミッタ機能が作動されるまでに高確時短状態に制御される残り連続回数)が特定回数以下であるかを判断する方法があった。この方法は、第1形態で説明し、残リミッタカウンタの値が「4」(第1特定回数)以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、残リミッタカウンタの値が「2」(第2特定回数)以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制するようにした(
図12参照)。しかしながら、第1特定回数と第2特定回数の値は、「4」と「2」に限られるものではなく、適宜変更可能である。また残リミッタカウンタの値が小さくなるにつれて、2段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制したが、3段階以上、又は1段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。
【0360】
図71に示すように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法として、(2)残ラウンドリミッタカウンタの値(特別リミッタ機能が作動されるまでに実行される大当たり遊技での残りラウンド数)が10以下であるかを判断する方法があった。なおこの方法は、初当たりから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10(所定値)に達するかを判断する方法ともいえる。この方法は、第2形態で説明し、残ラウンドリミッタカウンタの値が「10」以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、残ラウンドリミッタカウンタの値が「5」以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制するようにした(
図49参照)。言い換えると、初当たりから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が10(第1所定値)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、初当たりから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が15(第2所定値)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制するようにした。しかしながら、第1所定値と第2所定値の値は、「10」と「15」に限られるものではなく、適宜変更可能である。また初当たりから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が大きくなるにつれて、2段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制したが、3段階以上、又は1段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。
【0361】
図71に示すように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法として、(3)ラッシュ連続回数(初当たりしてから確変大当たりへの連続当選回数、ラッシュ連続回数カウンタの値)が規定回数に達するかを判断する方法があった。この方法は、第4形態、第6形態、第8形態、第10形態、第12形態で説明し、ラッシュ連続回数が6回(第1規定回数)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、ラッシュ連続回数が11回に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制した。しかしながら、第1規定回数と第2規定回数の値は、「6」と「11」に限られるものではなく、適宜変更可能である。またラッシュ連続回数が多くなるにつれて、2段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制したが、3段階以上、又は1段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。
【0362】
図71に示すように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法として、(4)ラッシュ変動回数(高確時短状態にて確変大当たりと判定されるまでの特別図柄の変動表示の回数)が所定回数以下であるかを判断する方法があった。この方法は、第4形態、第7形態、第9形態、第11形態、第13形態で説明し、ラッシュ変動回数が50回(第1所定回数)以下で且つ25回(第2所定回数)を超えていると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、ラッシュ変動回数が25回以下であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制した。しかしながら、第1所定回数と第2所定回数の値は、「50」と「26」に限られるものではなく、適宜変更可能である。またラッシュ変動回数が少なくなるにつれて、2段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制したが、3段階以上、又は1段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。
【0363】
図71に示すように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断する方法として、(4)ラッシュベースが特定値以上であるかを判断する方法があった。この方法は、第5形態で説明し、ラッシュベースが600(第1特定値)以上で且つ800(第2特定値)未満であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、ラッシュベースが800以上であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を更に抑制した。しかしながら、第1特定値と第2特定値の値は、「600」と「800」に限られるものではなく、適宜変更可能である。またラッシュベースが大きくなるにつれて、2段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制したが、3段階以上、又は1段階で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。なお、ラッシュベース(初当たりしてから特典遊技状態が終了するまでのベース)が特定値以上であるかを判断する方法に替えて、全ての遊技状態でのベースを意味する総ベースが特定値以上であるかを判断する方法にしても良い。また、遊技制御用マイコン81が、単位時間に対するベース(ラッシュベース、総ベース)を演算するように構成して、単位時間に対するベースが特定値以上であるかを判断する方法にしても良い。
【0364】
図71に示すように、単位時間(所定時間)に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(1)大当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)を長くする方法があった。この方法は、第1形態、第2形態、第3形態、第4形態、第5形態で説明し、
図7(A)に示す第1開放パターンに替えて、
図7(B)に示す第2開放パターン、
図7(C)に示す第3開放パターンを設定するようにした。しかしながら、大当たり遊技の実行時間を長くするために、
図7(B)に示す第2開放パターンや
図7(C)に示す第3開放パターン以外の開放パターンを設定するようにしても良い。また、大当たり遊技の実行時間を長くするために、OP時間、ラウンドインターバル、ED時間の何れも長くなるようにしたが、OP時間、ラウンドインターバル、ED時間のうち何れか1つ又は2つを長くなるようにしても良い。なお
図7(A)に示す第1開放パターンが設定される場合、OP時間が7.0秒であり、ラウンドインターバルが0.2秒であり、ED時間が7.0秒であるため、大当たり遊技の実行時間は、「開放遊技の実行時間+14.2秒」となる。この「開放遊技の実行時間+14.2秒」が、大当たり遊技の「通常時間」に相当する。また
図7(B)に示す第2開放パターンが設定される場合、OP時間が12.0秒であり、ラウンドインターバルが2.0秒であり、ED時間が12.0秒であるため、大当たり遊技の実行時間は、「開放遊技の実行時間+26.0秒」となる。この「開放遊技の実行時間+26.0秒」が、大当たり遊技の「特別時間(第1特別時間)」に相当する。また
図7(C)に示す第3開放パターンが設定される場合、OP時間が17.0秒であり、ラウンドインターバルが5.0秒であり、ED時間が17.0秒であるため、大当たり遊技の実行時間は、「開放遊技の実行時間+39.0秒」となる。この「開放遊技の実行時間+39.0秒」が、大当たり遊技の「特別時間(第2特別時間)」に相当する。
【0365】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(2)第1変動パターン判定テーブル(
図10(A)参照、通常決定基準)よりも変動時間の長い変動パターンが選択され易い第2変動パターン判定テーブル(
図10(B)参照、特別決定基準)、第3変動パターン判定テーブル(
図10(C)参照、特別決定基準)を参照する方法があった。この方法は、第1形態、第2形態、第3形態、第4形態、第5形態で説明した。しかしながら、特別決定基準として、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルや
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブル以外の変動パターン判定テーブルを参照するようにしても良い。なお、
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブルや、
図10(C)に示す第3変動パターン判定テーブルにおいて、全ての変動パターンで変動時間が長くなるようにしたが、特定結果に対する変動パターン(例えば小当たりへの当選を示す変動パターン、大当たりへの当選を示す変動パターン、SPリーチを示す変動パターン)だけ変動時間が長くなるようにしても良い。
【0366】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(3)大当たり遊技後に高確時短状態(特典遊技状態)に制御される連続回数が5回(所定回数)に達すると、リミッタ機能が作動する方法があった(
図12参照)。この方法は、第1形態で説明した。しかしながら、リミッタ機能が作動するまでに特典遊技状態に制御される連続回数は、5回に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、リミッタ機能が作動する場合に、高確率状態及び時短状態の両方が制限されて、通常遊技状態に移行するようにした。しかしながら、リミッタ機能が作動する場合に、高確率状態のみが制限されたり、時短状態のみが制限されるようにしても良い。また、リミッタ機能が作動する対象となる特典遊技状態は、高確時短状態に限られるものではなく、時短状態、高確非時短状態(通常確率状態且つ非時短状態、例えば小当たりラッシュ状態)などであっても良い。また、当選した大当たりの種類に応じて、2種類の残リミッタカウンタの値が設定されたり、3種類以上の残リミッタカウンタの値が設定されるようにしても良い。
【0367】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(4)初当たりから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が20(所定値)に達すると、特別リミッタ機能が作動する方法があった(
図49参照)。この方法は、第2形態で説明した。しかしながら、特別リミッタ機能が作動するまでに実行される大当たり遊技のラウンド数の合計値(所定値)は、20に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、特別リミッタ機能が作動する場合に、高確率状態及び時短状態の両方が制限されて、通常遊技状態に移行するようにした。しかしながら、特別リミッタ機能が作動する場合に、高確率状態のみが制限されたり、時短状態のみが制限されるようにしても良い。また、特別リミッタ機能が作動する対象となる特典遊技状態は、高確時短状態に限られるものではなく、時短状態、高確非時短状態(通常確率状態且つ非時短状態、例えば小当たりラッシュ状態)などであっても良い。また、当選した大当たりの種類に応じて、2種類の残ラウンドリミッタカウンタの値が設定されたり、3種類以上の残ラウンドリミッタカウンタの値が設定されるようにしても良い。
【0368】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(5)役連ゲート規定球数(大当たり遊技が開始されるために、役連ゲート6に通過することが必要な遊技球の数、特別遊技の開始の契機となる通過領域への遊技球の通過球数)を、1球よりも多い3球又は5球にする方法があった(
図60、
図63参照)。この方法は、第6形態、第7形態で説明した。しかしながら、役連ゲート規定球数は、3球又は5球に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、役連ゲート規定球数は2段階(「1球」⇒「3球」⇒「5球」」)で増加するようにしたが、3段階以上で増加するようにしたり、1段階で増加するようにしても良い。なお、役連ゲート6(通過領域)は、第2流路R2に設けられていたが、第1流路R1に設けられていても良い。また役連ゲート6では、10球に1球の割合で入球できるように配置されていたが、入球率については適宜変更可能である。また、役連ゲート(通過領域)は、2個以上設けられていても良く、配置場所に応じて、役連ゲート規定球数が異なるように増加しても良い。また、通常では大当たり図柄の停止時間が経過すると大当たり遊技が開始されるパチンコ遊技機として構成されていて、上述したように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断されると、大当たり図柄の停止図柄が経過した後、遊技球が役連ゲートに通過することで、大当たり遊技が開始されるようにしても良い。
【0369】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(6)特
図2上限保留球数を、4球(第1上限数)よりも少ない2球(第2上限数)又は1球にする方法があった(
図64、
図65参照)。この方法は、第8形態、第9形態で説明した。しかしながら、第1上限数と第2上限数は、4球と2球とに限られるものではなく、適宜変更可能である。また、特
図2上限保留球数は2段階(「4球」⇒「2球」⇒「1球」)で減少するようにしたが、3段階以上で減少したり、1段階で減少するようにしても良い。またラッシュ状態が終了するまで特
図2上限保留球数を少なくしたが、ラッシュ状態における1回の特典遊技状態(高確時短状態など)において、特
図2上限保留球数を少なくするようにしても良い。また、通常遊技状態において特
図1上限保留球数を少なくするようにしても良い。又は、或る特定期間において、特
図1上限保留球数と特
図2上限保留球数の両方を少なくするようにしても良い。
【0370】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(7)小当たり当選確率を、1/20よりも高い1/10又は1/5に上昇させる方法があった(
図66、
図67参照)。この方法は、第10形態、第11形態で説明した。しかしながら、通常時の小当たり当選確率(1/20)、上昇したときの小当たり当選確率(1/10、1/5)は、上記した確率に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、小当たり当選確率は、2段階(「1/20」⇒「1/10」⇒「1/5」)で増加するようにしたが、3段階以上で増加したり、1段階で増加するようにしても良い。また、特別図柄の抽選で小当たりに当選することがないパチンコ遊技機として構成されていて、上述したように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断されると、特別図柄の抽選で小当たりに当選することがあるようになって、更に、小当たり当選確率が上昇するようにしても良い。
【0371】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(8)転落確率を、1/500よりも高い1/400又は1/300に上昇させる方法があった(
図69、
図70参照)。この方法は、第12形態、第13形態で説明した。しかしながら、通常の高確時短状態での転落確率(1/50)、上昇したときの転落確率(1/400、1/300)は、上記した確率に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、転落確率は、2段階(「1/500」⇒「1/400」⇒「1/300」)で増加するようにしたが、3段階以上で増加したり、1段階で増加するようにしても良い。また、特別図柄の抽選を実行する前に、高確率状態から通常確率状態に転落するか否かの抽選を実行しないパチンコ遊技機(所謂「非転落機」)として構成されていて、上述したように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断されると、特別図柄の抽選を実行する前に、高確率状態から通常確率状態に転落するか否かの抽選を実行するパチンコ遊技機(所謂「転落機」)として構成されるようになって、更に、転落確率が上昇するようにしても良い。
【0372】
図71に示すように、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法として、(9)小当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)を長くする方法がある。なおこの方法は、上記した第1形態~第13形態までに説明していない。この方法では、上述したように、遊技者に過剰な特典を与える状況であると判断されると、小当たり遊技の実行時間(OP時間、ラウンドインターバル、ED時間)を、
図7(A)に示す小当たり遊技の実行時間(OP時間=0.1秒、ラウンドインターバル=0.1秒、ED時間=0.1秒)よりも長くすれば良い。この場合、小当たり遊技の実行時間において、OP時間とラウンドインターバルとED時間のうち、何れか1つ、又は何れか2つ、或いは3つ全部長くするようにすれば良い。
【0373】
以上、
図71に基づいて、遊技者に過剰な特典を与える状況である方法(1)~(5)と、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法(1)~(9)とを説明したが、上記した第1形態~第13形態以外にも、遊技者に過剰な特典を与える状況である方法(1)~(5)と、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑える方法(1)~(9)とを適宜組み合わせて実行しても良い。
【0374】
上記第2形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が特定値(20)に達すると、特別リミッタ機能が作動した(
図49参照)。しかしながら、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の「合計値」に拘わらず、1回の大当たり遊技でのラウンド数に基づいて、特別リミッタ機能が作動するようにしても良い。例えば、当選する大当たりの種類として、4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たりが有る場合、4ラウンドの大当たり遊技、6ラウンドの大当たり遊技、8ラウンドの大当たり遊技が実行される場合には、特別リミッタ機能が作動しないようにする。その一方で、10ラウンドの大当たり遊技が実行される場合には、特別リミッタ機能が作動するようにしても良い。このようにすれば、ラウンド数が1番多い10R確変大当たりに当選すると、特別リミッタ機能が作動してしまうという斬新な遊技興趣を提供することが可能である。
【0375】
上記第2形態では、
図47に示すように、大当たりの種類として、10R確変大当たり(第1当たり)と、10R確変大当たりよりも大当たり遊技でのラウンド数が少ない8R確変大当たり(第2当たり)、6R確変大当たり(第2当たり)、4R確変大当たり(第2当たり)がある状況で、初当たりしてから特別リミッタ機能が作動されるまでの大当たり遊技のラウンド数の合計値は、10R確変大当たり(第1当たり)よりも大当たり遊技でのラウンド数が少ない何れかの確変大当たりに当選することを条件に最大になるように設定した。しかしながら、10R確変大当たり(第1当たり)よりも大当たり遊技でのラウンド数が少ない複数の確変大当たりのうち、大当たり遊技で最もラウンド数が少ない確変大当たりに当選することを条件に、最大になるようにしても良い。例えば、10R確変大当たりと、10R確変大当たり(第1当たり)よりも大当たり遊技でのラウンド数が少ない7R確変大当たり(第2当たり)と、5R確変大当たり(第2当たり)と、があることとする。この場合、7R確変大当たりに2回当選して、5R確変大当たりに1回当選した後(合計値を19にした状態で)、10R確変大当たりに当選すれば、ラウンド数の合計値が29になって、最大になる。従って、初当たりしてから特別リミッタ機能が作動されるまでの大当たり遊技のラウンド数の合計値は、第1当たりよりも大当たり遊技でのラウンド数が少ない複数の第2当たりのうち、大当たり遊技でのラウンド数が最も少ない第2当たりに当選することを条件に、最大になるように設定されていることになる。
【0376】
上記第3形態では、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の合計値が特定値(20)に達すると、単位時間(所定時間)に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにした(
図53参照)。しかしながら、初当たりしてから実行された大当たり遊技のラウンド数の「合計値」に拘わらず、1回の大当たり遊技でのラウンド数に基づいて、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。例えば、当選する大当たりの種類として、4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たりが有る場合、4ラウンドの大当たり遊技、又は6ラウンドの大当たり遊技が実行される場合には、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制しないようにする。その一方で、8ラウンドの大当たり遊技、又は10ラウンドの大当たり遊技が実行される場合には、単位時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制するようにしても良い。
【0377】
上記各形態では、高確率状態が実質的に次回の大当たりに当選するまで継続されるパチンコ遊技機1であった。しかしながら、高確率状態の制御が、特別図柄の変動回数が所定回数(1000回以内)実行されると終了する(通常確率状態に移行する)パチンコ遊技機(所謂「ST機」)であっても良い。また、当選した大当たりの種類に応じて、高確率状態に制御されるようにしたが、大入賞口内の特定領域に遊技球が通過したことに基づいて、高確率状態に制御されるようにしても良い。つまり、所謂「V確機」として構成しても良い。
【0378】
上記各形態では、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に限り、大当たり遊技が実行される1種遊技機として構成されていた。しかしながら、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合と、大入賞口内の特定領域に遊技球が通過した場合との両方において、大当たり遊技が実行される1種2種遊技機として構成しても良い。また大入賞口内の特定領域に遊技球が通過した場合に限り、大当たり遊技が実行される2種遊技機として構成しても良い。l
【0379】
上記各形態では、特別図柄の抽選で小当たりに当選することがある遊技機として構成されていたが、小当たりに当選することがない遊技機として構成されていても良い。
【0380】
11.上記の実施形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0381】
<手段A>
手段A1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)により当たり(大当たり)と判定すると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技制御手段は、前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態(高確時短状態)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技制御手段は、
前記特別遊技後に前記特典遊技状態に制御される連続回数が所定回数(5回)に達すると、前記特典遊技状態への制御を制限するリミッタ機能を作動可能であり(
図12参照)、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから前記リミッタ機能が作動されるまでの間において、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0382】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態への制御の開始契機となる特別遊技が開始されてから(初当たりから)リミッタ機能が作動されるまでの間に、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。そのため、リミッタ機能が作動するだけでなく、リミッタ機能が作動する前においても、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0383】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記リミッタ機能が作動されるまでに前記特典遊技状態に制御される残り連続回数(残リミッタカウンタの値)が特定回数(4)以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である(
図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0384】
この構成の遊技機によれば、リミッタ機能が作動されるまでに特典遊技状態に制御される残り連続回数が特定回数以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。こうして、リミッタ機能の作動に近づくと、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0385】
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記リミッタ機能が作動されるまでに前記特典遊技状態に制御される残り連続回数(残リミッタカウンタの値)が第1特定回数(4)以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、
前記リミッタ機能が作動されるまでに前記特典遊技状態に制御される残り連続回数が前記第1特定回数よりも少ない第2特定回数(2)以下になると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を、前記残り連続回数が前記第1特定回数以下になったときよりも抑制する(
図12参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0386】
この構成の遊技機によれば、リミッタ機能が作動されるまでに特典遊技状態に制御される残り連続回数が少なくなるにつれて、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を段階的に抑制する。こうして、リミッタ機能の作動に近づくにつれて、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を徐々に抑えることで、例えば1回で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を大きく抑える場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。
【0387】
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特別遊技の実行時間を通常時間(開放遊技の実行時間+14.2秒、
図7(A)参照)よりも長い特別時間(開放遊技の実行時間+26.0秒、
図7(B)参照)にすることで、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0388】
この構成の遊技機によれば、初当たりからリミッタ機能が作動されるまでの間に、特別遊技の実行時間が長くなる。こうして遊技者には、リミッタ機能が作動する前に、より長い特別遊技を堪能させつつ、リミッタ機能が作動するのを遅らせることで、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0389】
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能であり、
前記特典遊技状態にて前記識別図柄の変動表示の時間を決定する場合に、通常決定基準(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブル)よりも前記識別図柄の変動表示の時間が長く決定され易い特別決定基準(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブル)を参照することで、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0390】
この構成の遊技機によれば、初当たりからリミッタ機能が作動されるまでの間に、特典遊技状態にて識別図柄の変動表示の時間が長く決定され易くなる。こうして遊技者には、リミッタ機能が作動する前に、より長い特典遊技状態を堪能させつつ、リミッタ機能の作動を遅らせることで、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0391】
ところで、特開2015-181734号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技(特別遊技)後に、高確率状態且つ時短状態(特典遊技状態)に制御され得るようになっている。高確率状態且つ時短状態では、早く次回の大当たりへの当選を狙うことができて、遊技者に有利な遊技状態になっている。しかしながら、特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。そして、その特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。このようにして、一部の遊技者にとっては、所定時間に対して獲得する総賞球数(特典)が過剰になるおそれがあった。そこで手段A1~A5に係る発明は、特開2015-181734号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、特別遊技後に特典遊技状態に制御される連続回数が所定回数に達すると、特典遊技状態への制御を制限するリミッタ機能を作動可能であり、特典遊技状態への制御の開始契機となる特別遊技が開始されてからリミッタ機能が作動されるまでの間において、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0392】
<手段B>
手段B1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)により当たり(大当たり)と判定すると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技制御手段は、前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態(高確時短状態)に制御可能であり、
前記当たりの種類には、前記特別遊技でのラウンド数が異なる複数種類の当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たり、
図47参照)があり、
前記遊技制御手段は、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから(初当たりしてから)、実行された前記特別遊技のラウンド数に基づいて(例えば8ラウンドの大当たり遊技、又は10ラウンドの大当たり遊技が実行されることに基づいて)、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0393】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態への制御の開始契機となる特別遊技が開始されてから(初当たりから)、実行された特別遊技のラウンド数に基づいて、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。そのため、実行された特別遊技のラウンド数が多い場合には、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0394】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから、実行された前記特別遊技のラウンド数の合計値が所定値(20)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である(
図53参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0395】
この構成の遊技機によれば、初当たりから実行された特別遊技のラウンド数の合計値が所定値に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。言い換えれば、初当たりから実行された特別遊技のラウンド数の合計値が所定値に達しなければ、所定時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。従って、ラウンド数が多い特別遊技が何度も実行されるという状況に限り、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0396】
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから、実行された前記特別遊技のラウンド数の合計値が第1所定値(10)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから、実行された前記特別遊技のラウンド数の合計値が前記第1所定値よりも多い第2所定値(15)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を、前記合計値が前記第1所定値に達したときよりも抑制する(
図49参照)ことを特徴とする遊技機。
【0397】
この構成の遊技機によれば、初当たりから実行された特別遊技のラウンド数の合計値が多くなるにつれて、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を段階的に抑制する。こうして、特別遊技の実行によって遊技者が獲得した総賞球数が増えるにつれて、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を徐々に抑えることで、例えば1回で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を大きく抑える場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。
【0398】
手段B4に係る発明は、
手段B1乃至手段B3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特別遊技の実行時間を通常時間(開放遊技の実行時間+14.2秒、
図7(A)参照)よりも長い特別時間(開放遊技の実行時間+26.0秒、
図7(B)参照)にすることで、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0399】
この構成の遊技機によれば、初当たりから、実行された特別遊技のラウンド数が多い場合には、特別遊技の実行時間を長くすることが可能である。こうして、遊技者に有利な期間(ラッシュ期間)において、実行された特別遊技のラウンド数が多い場合に限り、遊技者により長い特別遊技を堪能させて、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0400】
手段B5に係る発明は、
手段B1乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能であり、
前記特典遊技状態にて前記識別図柄の変動表示の時間を決定する場合に、通常決定基準(
図10(A)に示す第1変動パターン判定テーブル)よりも前記識別図柄の変動表示の時間が長く決定され易い特別決定基準(
図10(B)に示す第2変動パターン判定テーブル)を参照することで、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0401】
この構成の遊技機によれば、初当たりから、実行された特別遊技のラウンド数が多い場合には、特典遊技状態にて識別図柄の変動表示の時間が長く決定され易くなる。こうして、遊技者に有利な期間(ラッシュ期間)において、実行された特別遊技のラウンド数が多い場合に限り、遊技者により長い特典遊技状態を堪能させて、過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0402】
ところで、特開2015-181734号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技(特別遊技)後に、高確率状態且つ時短状態(特典遊技状態)に制御され得るようになっている。高確率状態且つ時短状態では、早く次回の大当たりへの当選を狙うことができて、遊技者に有利な遊技状態になっている。しかしながら、特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。そして、その特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。このようにして、一部の遊技者にとっては、所定時間に対して獲得する総賞球数(特典)が過剰になるおそれがあった。そこで手段B1~B5に係る発明は、特開2015-181734号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、特典遊技状態への制御の開始契機となる特別遊技が開始されてから、実行された特別遊技のラウンド数に基づいて、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0403】
<手段C>
手段C1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)により当たり(大当たり)と判定すると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技制御手段は、前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態(高確時短状態)に制御可能であり、
前記当たりの種類には、前記特別遊技でのラウンド数が異なる複数種類の当たり(4R確変大当たり、6R確変大当たり、8R確変大当たり、10R確変大当たり、
図47参照)があり、
前記遊技制御手段は、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから(初当たりしてから)、実行された前記特別遊技のラウンド数に基づいて(例えば10ラウンドの大当たり遊技が実行されることに基づいて)、前記特典遊技状態への制御を制限する特別リミッタ機能を作動可能であることを特徴とする遊技機である。
【0404】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態への制御の開始契機となる特別遊技が開始されてから(初当たりから)、実行された特別遊技のラウンド数に基づいて、特典遊技状態への制御を制限する特別リミッタ機能が作動される。そのため、実行された特別遊技のラウンド数が多い場合には、遊技者に有利な期間(ラッシュ期間)を終了させて、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることができる。その結果、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能である。
【0405】
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから、実行された前記特別遊技のラウンド数の合計値が特定値(20)に達すると、前記特別リミッタ機能を作動可能である(
図49参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0406】
この構成の遊技機によれば、初当たりから実行された特別遊技のラウンド数の合計値が特定値に達すると、特別リミッタ機能が作動される。言い換えれば、初当たりから実行された特別遊技のラウンド数の合計値が特定値に達しなければ、特別リミッタ機能が作動しない。こうして、ラウンド数が多い特別遊技が多く実行されている状況では、特別リミッタ機能を作動させることで過剰な特典を与えるのを抑える一方、ラウンド数が少ない特別遊技が多く実行されている状況では、特別リミッタ機能を作動させないことで適切な特典の付与を継続することが可能である。
【0407】
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記複数種類の当たりには、第1当たり(10R確変大当たり)と、前記第1当たりよりも前記特別遊技でのラウンド数が少ない第2当たり(8R確変大当たり、6R確変大当たり、4R確変大当たり)と、があり、
前記特典遊技状態への制御の開始契機となる前記特別遊技が開始されてから、前記特別リミッタ機能が作動されるまでの前記特別遊技のラウンド数の合計値は、前記第2当たりに当選することを条件に最大になるように設定されている(10R確変大当たりにのみ当選し続けても大当たり遊技のラウンド数の合計値が最大にならないように設定されている、
図49参照)ことを特徴とする遊技機。
【0408】
この構成の遊技機によれば、特別リミッタ機能が作動されるまでの特別遊技のラウンド数の合計値は、特別遊技のラウンド数が少ない第2当たりに当選することを条件に、最大になるように設定されている。つまり、特別リミッタ機能が作動されるまでの特別遊技のラウンド数の合計値は、特別遊技のラウンド数が多い第1大当たりにのみ当選しても、最大にならない。こうして、特別リミッタ機能が作動するまでに、特別遊技のラウンド数が少ない第2当たりへの当選を敢えて期待させるとうい斬新なゲーム性を提供することが可能である。
【0409】
ところで、特開2015-181734号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技(特別遊技)後に、高確率状態且つ時短状態(特典遊技状態)に制御され得るようになっている。高確率状態且つ時短状態では、早く次回の大当たりへの当選を狙うことができて、遊技者に有利な遊技状態になっている。しかしながら、特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。そして、その特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。このようにして、一部の遊技者にとっては、所定時間に対して獲得する総賞球数(特典)が過剰になるおそれがあった。そこで手段C1~C3に係る発明は、特開2015-181734号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、特典遊技状態への制御の開始契機となる特別遊技が開始されてから、実行された特別遊技のラウンド数に基づいて、特典遊技状態への制御を制限する特別リミッタ機能を作動可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0410】
<手段D>
手段D1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)により当たり(大当たり)と判定すると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態(高確時短状態)に制御可能であり、
前記特典遊技状態への制御の契機となる当たり(確変大当たり)への連続当選回数(ラッシュ連続回数)が規定回数(6回)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である(
図54(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0411】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態への制御の契機となる当たりへの連続当選回数(連荘数)が規定回数に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制する。言い換えると、連荘数が規定回数に達しなければ、所定時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。こうして、連荘数が多いと、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0412】
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特典遊技状態への制御の契機となる当たりへの連続当選回数(ラッシュ連続回数)が第1規定回数(6回)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、
前記特典遊技状態への制御の契機となる当たりへの連続当選回数が前記第1規定回数よりも多い第2規定回数(11回)に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を、前記連続当選回数が前記第1規定回数に達したときよりも抑制する(
図54(A)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0413】
この構成の遊技機によれば、連荘数が多くなるにつれて、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を段階的に抑制する。こうして、連荘数が多くなるにつれて、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を徐々に抑えることで、例えば1回で所定時間に遊技者に付与する総賞球数を大きく抑える場合に比べて、遊技者に違和感を与え難くすることが可能である。
【0414】
手段D3に係る発明は、
手段D1又は手段D2に記載の遊技機において、
遊技球が通過可能な通過領域(役連ゲート6、
図59参照)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理で当たりと判定されたことを示す識別図柄が停止表示された後、遊技球が前記通過領域を通過することを契機として、前記特別遊技を開始可能であり、
前記特別遊技の開始の契機となる前記通過領域への遊技球の通過球数(役連ゲート規定球数)を多くすることで(
図60参照)、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0415】
この構成の遊技機によれば、連荘数が規定回数に達すると、特別遊技の開始の契機となる通過領域への遊技球の通過球数が多くなる。こうして、連荘数が多くなると、当たりと判定されたことを示す識別図柄が停止表示されてから特別遊技が開始されるまでの期間が長くなって、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0416】
手段D4に係る発明は、
手段D1乃至手段D3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理を第1上限数(4)まで保留することが可能であり、
前記特典遊技状態への制御の契機となる当たりへの連続当選回数(ラッシュ連続回数)が規定回数(6回)に達すると、前記当たり判定処理を保留することができる上限数を前記第1上限数(4)よりも少ない第2上限数(2)にすることで、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である(
図64参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0417】
この構成の遊技機によれば、連荘数が規定回数に達すると、当たり判定処理を保留することができる上限数が、第1上限数よりも少ない第2上限数になる。こうして、連荘数が多くなると、当たり判定処理を保留できる上限数が少なくなることで、当たり判定処理が連続的に実行されない頻度が高くなる。その結果、特典遊技状態での遊技が長くなり易くなって、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0418】
手段D5に係る発明は、
手段D1乃至手段D4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理(大当たり判定処理)により小当たりと判定すると、小当たり遊技を実行可能であり、
前記特典遊技状態への制御の契機となる当たりへの連続当選回数(ラッシュ連続回数)が規定回数(6回)に達すると、前記当たり判定処理で小当たりと判定される確率(小当たり判定確率)を上げることで(
図66参照)、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0419】
この構成の遊技機によれば、連荘数が規定回数に達すると、小当たりと判定される確率が上がる。こうして、連荘数が多くなると、小当たり遊技が実行される頻度が高くなる。その結果、特典遊技状態での遊技が長くなり易くなって、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0420】
ところで、特開2015-181734号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技(特別遊技)後に、高確率状態且つ時短状態(特典遊技状態)に制御され得るようになっている。高確率状態且つ時短状態では、早く次回の大当たりへの当選を狙うことができて、遊技者に有利な遊技状態になっている。しかしながら、特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。そして、その特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。このようにして、一部の遊技者にとっては、所定時間に対して獲得する総賞球数(特典)が過剰になるおそれがあった。そこで手段D1~D5に係る発明は、特開2015-181734号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、特典遊技状態への制御の契機となる当たりへの連続当選回数が規定回数に達すると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0421】
<手段E>
手段E1に係る発明は、
当たり判定処理(大当たり判定処理)により当たりと判定すると、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示させることが可能であり、
前記特別遊技後に遊技者に有利な特典遊技状態(高確時短状態)に制御可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数(ラッシュ変動回数)が所定回数(50回)以下であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である(
図54(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0422】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態にて当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制される。言い換えると、特典遊技状態にて当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が所定回数を超えると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数が抑制されない。こうして、特典遊技状態で次回の当たりへの当選が早いと、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることができて、遊技者に過剰な特典を与えるのを防ぐことが可能である。
【0423】
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数(ラッシュ変動回数)が第1所定回数(50回)以下で且つ第2所定回数(25回)を超えていると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制し、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数が前記第2所定回数(25回)以下であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を、前記識別図柄の変動表示の回数が前記第1所定回数以下で且つ前記第2所定回数を超えているときよりも抑制する(
図54(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0424】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態にて当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が少ないほど、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を多く抑制する。こうして、特典遊技状態で次回の当たりへ当選が早いほど、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数をより大きく抑えることが可能である。
【0425】
手段E3に係る発明は、
手段E1又は手段E2に記載の遊技機において、
遊技球が通過可能な通過領域(役連ゲート6、
図59参照)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理で当たりと判定されたことを示す識別図柄が停止表示された後、遊技球が前記通過領域を通過することを契機として、前記特別遊技を開始可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数(ラッシュ変動回数)が所定回数(50回)以下であると、前記特別遊技の開始の契機となる前記通過領域への遊技球の通過球数を多くすることで(
図63参照)、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0426】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態にて当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が所定回以下であると、特別遊技の開始の契機となる通過領域への遊技球の通過球数が多くなる。こうして、特典遊技状態で次回の当たりへの当選が早いと、当たりと判定されたことを示す識別図柄が停止表示されてから特別遊技が開始されるまでの期間が長くなって、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0427】
手段E4に係る発明は、
手段E1乃至手段E3の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理を第1上限数(4)まで保留することが可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数(ラッシュ変動回数)が所定回数(50回)以下であると、前記当たり判定処理を保留することができる上限数を前記第1上限数(4)よりも少ない第2上限数(2)にすることで、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である(
図65参照)ことを特徴とする遊技機である。
【0428】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態にて当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、当たり判定処理を保留することができる上限数が、第1上限数よりも少ない第2上限数になる。こうして、特典遊技状態で次回の当たりへの当選が早いと、当たり判定処理を保留することができる上限数が少なくなることで、当たり判定処理が連続的に実行されない頻度が高くなる。その結果、特典遊技状態での遊技が長くなり易くなって、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0429】
手段E5に係る発明は、
手段E1乃至手段E4の何れかに記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記当たり判定処理により小当たりと判定すると、小当たり遊技を実行可能であり、
前記特典遊技状態にて前記当たり判定処理で当たりと判定されるまでの前記識別図柄の変動表示の回数(ラッシュ変動回数)が所定回数(50回)以下であると、前記当たり判定処理で小当たりと判定される確率(小当たり判定確率)を上げることで(
図67参照)、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能であることを特徴とする遊技機である。
【0430】
この構成の遊技機によれば、特典遊技状態にて当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、小当たりと判定される確率が上がる。こうして、特典遊技状態で次回の当たりへの当選が早いと、小当たり遊技が実行される頻度が高くなる。その結果、特典遊技状態での遊技が長くなり易くなって、遊技者が所定時間に獲得する総賞球数を抑えることが可能である。
【0431】
ところで、特開2015-181734号公報に記載の遊技機では、大当たり遊技(特別遊技)後に、高確率状態且つ時短状態(特典遊技状態)に制御され得るようになっている。高確率状態且つ時短状態では、早く次回の大当たりへの当選を狙うことができて、遊技者に有利な遊技状態になっている。しかしながら、特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。そして、その特別遊技後の特典遊技状態にて、遊技者が次回の当たりに早く当選すると、再び特別遊技がすぐに開始される。このようにして、一部の遊技者にとっては、所定時間に対して獲得する総賞球数(特典)が過剰になるおそれがあった。そこで手段E1~E5に係る発明は、特開2015-181734号公報に記載の遊技機に対して、遊技制御手段は、特典遊技状態にて当たり判定処理で当たりと判定されるまでの識別図柄の変動表示の回数が所定回数以下であると、所定時間に遊技者に付与する総賞球数を抑制することが可能である点で相違している。これにより、遊技者に過剰な特典を与えるのを抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0432】
1…パチンコ遊技機
3…遊技領域
6…役連ゲート
7…画像表示装置
7a…表示画面
20…第1始動口
21…第2始動口
22…電チュー
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン