(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230825BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230825BHJP
H04N 1/32 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
G06F3/12 373
G06F3/12 326
G06F3/12 305
H04N1/32
(21)【出願番号】P 2019231108
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】富田 央子
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-085956(JP,A)
【文献】特開2000-309143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/32
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置と通信する通信部と、
ユーザ毎の印刷画像データの送信回数を記憶する記憶部と、
前記通信部を介して、印刷画像データを受信する受信部と、
前記受信部によって印刷画像データを受信されたとき、前記送信回数に基づいて、複数の画像形成装置の中から
、出力用の画像形成装置を設定する送信先設定部と、
前記送信先設定部によって前記出力用の画像形成装置が設定されるとき、前記通信部を介して、前記出力用の画像形成装置に前記印刷画像データを送信する送信部を備え
、
前記送信先設定部は、前記印刷画像データと共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、前記出力用の画像形成装置を設定する、情報処理装置。
【請求項2】
前記送信先設定部は、前記印刷画像データの特徴であるキーワードまたはデータ形式の送信回数に基づいて、前記出力用の画像形成装置を設定する、請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力用の画像形成装置が設定されるとき、前記印刷画像データを送信する前に前記出力用の画像形成装置との通信が可能かどうかを判断する通信判断部をさらに備え、
前記送信先設定部は、前記出力用の画像形成装置が通信が不可なとき、前記印刷画像データを送信する前に前記送信回数に基づいて、他の画像形成装置を前記出力用の画像形成装置として設定する、請求項1
または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の装置と通信する通信部と、ユーザ毎の印刷画像データの送信回数を記憶する記憶部を備える、情報処理装置によって実行される制御プログラムであって、
前記情報処理装置のプロセッサに、
前記通信部を介して、印刷画像データを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて、前記印刷画像データを受信されたとき、前記送信回数に基づいて、複数の画像形成装置の中から
、出力用の画像形成装置を設定する送信先設定ステップと、
前記送信先設定ステップにおいて、前記出力用の画像形成装置が設定されるとき、前記通信部を介して、前記出力用の画像形成装置に前記印刷画像データを送信する送信ステップを実行させ
、
前記送信先設定ステップでは、前記印刷画像データと共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、前記出力用の画像形成装置を設定する、制御プログラム。
【請求項5】
複数の装置と通信する通信部、ユーザ毎の印刷画像データの送信回数を記憶する記憶部を備える、情報処理装置の制御方法であって、
前記通信部を介して、印刷画像データを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて前記印刷画像データを受信されたとき、前記送信回数に基づいて、複数の画像形成装置の中から
、出力用の画像形成装置を設定する送信先設定ステップと、
前記送信先設定ステップにおいて前記出力用の画像形成装置が設定されるとき、前記通信部を介して、前記出力用の画像形成装置に前記印刷画像データを送信する送信ステップを含
み、
前記送信先設定ステップでは、前記印刷画像データと共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、前記出力用の画像形成装置を設定する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法に関し、特にたとえば、受信した印刷画像データを他の装置に送信する情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。この特許文献1に開示されている技術では、端末から印刷データサーバに印刷データが登録され、利用者によって携帯端末から印刷データを印刷するためのネットワークプリンタが選択される。また、ネットワークプリンタが選択され、印刷の予約が行われると、印刷データサーバから選択されたネットワークプリンタへ印刷データが送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術のネットワークプリントシステムでは、印刷データを印刷するためのネットワークプリンタを利用者が予め選択する必要があり、面倒である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、印刷画像データの送信先を選択する手間を省くことができる、情報処理装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、複数の装置と通信する通信部と、ユーザ毎の印刷画像データの送信回数を記憶する記憶部と、通信部を介して、印刷画像データを受信する受信部と、受信部によって印刷画像データを受信されたとき、送信回数に基づいて、複数の画像形成装置の中から、出力用の画像形成装置を設定する送信先設定部と、送信先設定部によって前記出力用の画像形成装置が設定されるとき、通信部を介して、出力用の画像形成装置に印刷画像データを送信する送信部を備え、送信先設定部は、印刷画像データと共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置を設定する、情報処理装置である。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に従属し、送信先設定部は、印刷画像データの特徴であるキーワードまたはデータ形式の送信回数に基づいて、出力用の画像形成装置を設定する。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、出力用の画像形成装置が設定されるとき、印刷画像データを送信する前に前記出力用の画像形成装置と通信が可能かどうかを判断する通信判断部をさらに備え、送信先設定部は、出力用の画像形成装置との通信が不可なとき、印刷画像データを送信する前に送信回数に基づいて、他の画像形成装置を出力用の画像形成装置として設定する。
【0011】
第4の発明は、複数の装置と通信する通信部と、ユーザ毎の印刷画像データの送信回数を記憶する記憶部を備える、情報処理装置によって実行される制御プログラムであって、情報処理装置のプロセッサに、通信部を介して、印刷画像データを受信する受信ステップと、受信ステップにおいて、印刷画像データを受信されたとき、送信回数に基づいて、複数の画像形成装置の中から、出力用の画像形成装置を設定する送信先設定ステップと、送信先設定ステップにおいて、出力用の画像形成装置が設定されるとき、通信部を介して、出力用の画像形成装置に前記印刷画像データを送信する送信ステップを実行させ、送信先設定ステップでは、印刷画像データと共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置を設定する、制御プログラムである。
【0012】
第5の発明は、複数の装置と通信する通信部、ユーザ毎の印刷画像データの送信回数を記憶する記憶部を備える、情報処理装置の制御方法であって、通信部を介して、印刷画像データを受信する受信ステップと、受信ステップにおいて印刷画像データを受信されたとき、送信回数に基づいて、複数の画像形成装置の中から、出力用の画像形成装置を設定する送信先設定ステップと、送信先設定ステップにおいて出力用の画像形成装置が設定されるとき、通信部を介して、出力用の画像形成装置に印刷画像データを送信する送信ステップを含み、送信先設定ステップでは、印刷画像データと共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置を設定する、制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、印刷画像データの送信先を選択する手間を省くことができる。
【0014】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1はこの発明の印刷システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は情報処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は画像形成装置のディスプレイに表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は画像形成装置のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は旧データテーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は第1送信回数テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は第2送信回数テーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は情報処理装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図12】
図12は画像形成装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図13】
図13は情報処理装置のCPUのデータ送信処理の一例を示すフロー図である。
【
図14】
図14は情報処理装置のCPUのコマンド処理の一例を示すフロー図である。
【
図15】
図15は画像形成装置のCPUのプリント処理の一例を示すフロー図である。
【
図16】
図16は画像形成装置のCPUの削除処理の一例を示すフロー図である。
【
図17】
図17は第2実施例の画像形成装置のCPUの送信先判断処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施例]
図1は、第1実施例の印刷システム10の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、印刷システム10は、情報処理装置12、複数の画像形成装置14および複数のユーザ端末16を含む。
【0017】
情報処理装置12は、汎用のサーバである。なお、サーバとして機能するのであれば、たとえば、複合機(MFP: Multifunction Peripheral)等の画像形成装置が用いられてもよい。
【0018】
画像形成装置14は、複写機能(コピー機能)、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機であるが、印刷装置(プリンタ)等の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0019】
ユーザ端末16は、携帯電話機(スマートフォンと呼ばれるものも含む)、携帯情報端末(PDA)等の通信端末、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PCおよびタブレットPC等である。
【0020】
また、ユーザ端末16は、少なくともCPU、外部と通信を行うための通信部および不揮発性メモリであるEEPROM等の記憶部を備える。
【0021】
通信部は、NIC(Network Interface Card)等の通信モジュールないしネットワーク18に有線または無線で接続するための通信回路を含み、CPUの指示により、ネットワーク18を介して通信を行う。一例として、通信部は、Ethernet(登録商標)等の通信規格に準拠した有線通信方式およびIEEE802.11等の通信規格に準拠した無線通信方式等に従ってデータの送受信を行う。このことは、後述する通信部38(
図2参照)および通信部72(
図3参照)についても同様である。
【0022】
また、ユーザ端末16が備える通信部には、ユーザを識別するためのデータ(ユーザ識別データ)が記憶される。具体的には、NICが含むメモリに記憶される。このユーザ識別データの一例として、たとえば、MAC(Media Access Control)アドレスを示すデータおよびシリアル番号を示すデータ等が該当する。なお、ユーザ識別データは、ユーザ端末16が備える記憶部に記憶されてもよい。
【0023】
情報処理装置12、複数の画像形成装置14および複数のユーザ端末16の各々は、インターネットで構成されるネットワーク18を介して接続される。なお、ネットワーク18は、電話網(公衆電話網または携帯電話通信網)およびインターネットで構成されてもよい。
【0024】
また、情報処理装置12および各画像形成装置14が直接接続されてもよい。これは、情報処理装置12および各ユーザ端末16についても同様である。
【0025】
図2は、
図1に示す情報処理装置12の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置12は、CPU30を含み、バス32を介して、RAM34、記憶部36および通信部38に接続される。
【0026】
CPU30は、情報処理装置12の全体的な制御を司る。RAM34は、CPU30のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0027】
記憶部36は、情報処理装置12の主記憶装置であって、HDDおよびEEPROMのような不揮発性メモリが用いられる。また、記憶部36が、RAM34を含むように構成されてもよい。記憶部36には、CPU30が各判断を行うための制御プログラムについてのデータ、通信部38を介して受信したデータおよび制御プログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。
【0028】
図3は、
図1に示す画像形成装置14の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置14は、CPU50を含み、バス52を介して、RAM54、記憶部56、表示制御回路58、タッチパネル制御回路60、画像読取部68、画像形成部70および通信部72に接続される。
【0029】
また、画像形成装置14は、ディスプレイ62およびタッチパネル64を備え、表示制御回路58は、ディスプレイ62に接続され、タッチパネル制御回路60は、タッチパネル64に接続される。
【0030】
CPU50は、画像形成装置14の全体的な制御を司る。RAM54は、CPU50のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0031】
記憶部56は、画像形成装置14の主記憶装置であって、HDDおよびEEPROMのような不揮発性メモリが用いられる。また、記憶部56が、RAM54を含むように構成されてもよい。記憶部56には、CPU50が画像形成装置14の各部位の動作を制御するための制御プログラムについてのデータ、各種の画面についての画像(表示画像)のデータおよび制御プログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。
【0032】
表示制御回路58は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU50の指示の下、GPUは、RAM54に記憶された表示画像生成データを用いてディスプレイ62に種々の画面を表示するための表示画像をVRAMに生成し、生成した表示画像をディスプレイ62に出力する。ディスプレイ62としては、たとえばLCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
【0033】
タッチパネル制御回路60は、タッチパネル64に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル64のタッチ有効範囲内でのタッチ操作またはタッチ入力を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU50に出力する。
【0034】
タッチパネル64は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル64としては、静電容量方式のタッチパネルが用いられ、ディスプレイ62の表示面上にタッチパネル64が設けられる。ただし、ディスプレイ62およびタッチパネル64が一体的に形成されたタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。
【0035】
画像読取部68は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部68は、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、受光素子に結像した反射光の輝度または色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成されることで、画像データの入力を行う。また、ラインセンサにはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
【0036】
画像形成部70は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置等を備え、記録媒体上に乾式電子写真方式を用いて画像を形成する。記録媒体へ形成するための画像データには、読取画像データ、外部の情報処理装置等から送られた画像データ(印刷画像データ)を用いる。また、記録媒体には、紙からなる記録用紙だけに限定されず、OHPフィルムなどの紙以外のシートも用いられる。
【0037】
また、通信部72のNICが含むメモリには、画像形成装置14を識別するためのデータ(装置識別データ)が記憶される。なお、装置識別データは、記憶部56およびRAM54等に記憶されてもよい。
【0038】
さらに、通信部72は、NFC方式およびBluetooth(登録商標)等による近距離無線通信を行うための通信回路およびアンテナ等を含み、たとえば、ICカードによるユーザ認証を可能とする。なお、近距離無線通信は、ISO/IEC18092やISO/IEC14443等の標準規格に準拠した方式に基づき、データの送受信を行う。
【0039】
なお、
図2に示す情報処理装置12および
図3に示す画像形成装置14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0040】
ユーザ端末16において所定の操作(印刷画像データの登録操作)を受け付けると、当該ユーザ端末16から情報処理装置12に印刷画像データおよび当該印刷画像データに紐づけられたユーザ識別データが送信される。
【0041】
情報処理装置12は、印刷画像データおよびユーザ識別データを受信すると、ユーザ識別データに応じて当該印刷画像データを送信したユーザを特定する。
【0042】
また、情報処理装置12は、ユーザを特定すると、そのユーザの送信履歴に基づいて、複数の画像形成装置14の中から、ユーザが使用する可能性が高い画像形成装置14(出力用の画像形成装置14)を選択(設定)する。出力用の画像形成装置14が選択されると、情報処理装置12は、出力用の画像形成装置14に印刷画像データを送信する。
【0043】
以下、出力用の画像形成装置14の選択方法について具体的に説明する。まず、受信した印刷画像データの旧データが存在する場合には、複数の画像形成装置14の中から、旧データが記憶されている(旧データを送信した)画像形成装置が出力用の画像形成装置14に設定される。
【0044】
ただし、旧データとは、受信した印刷画像データとデータ名およびデータ形式(フォーマット)が同じ印刷画像データであり、受信した印刷画像データの最終更新日時よりも最終更新日時が古く、かつ、まだ印刷されていない印刷画像データのことである。なお、旧データが存在する場合には、受信した印刷画像データは、旧データに対する更新データということもできる。
【0045】
また、いずれかの画像形成装置14に既に記憶されており、受信した印刷画像データとデータ名およびデータ形式が同じ印刷画像データであっても、受信した印刷画像データの最終更新日時よりも最終更新日時が新しい印刷画像データは、旧データとして取り扱われない。この場合、画像形成装置14に既に記憶されている印刷画像データの方が新しいデータであるので、更新する必要が無いからである。さらに、当然のことではあるが、既に印刷された印刷画像データは、旧データとして取り扱われない。
【0046】
そして、旧データが存在する場合には、情報処理装置12は、他の条件に関わらず、設定された出力用の画像形成装置14に印刷画像データ(更新データ)を送信する。
【0047】
次に、受信した印刷画像データの旧データが存在しない場合には、特定されたユーザの印刷画像データの送信回数に基づいて、出力用の画像形成装置14が選択される。
【0048】
たとえば、ユーザ毎の印刷画像データの送信回数(画像形成装置14の使用回数)に従って、出力用の画像形成装置14が選択される。この場合、印刷画像データの特徴に関係なく、全ての種類の印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置14が選択されても良い。
【0049】
また、受信した印刷画像データと、共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置14が選択されても良い。具体的には、複数の画像形成装置14のうち、受信した印刷画像データと、共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数が最も多い画像形成装置が、出力用の画像形成装置14に設定される。
【0050】
ただし、印刷画像データの特徴とは、印刷画像データのデータ形式、印刷画像データのデータ名に含まれる特定のキーワードなどのことである。
【0051】
たとえば、受信した印刷画像データのデータ形式と共通するないし関連するデータ形式の印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置14が選択されることがある。ただし、共通するデータ形式とは、同じデータ形式であることをいい、関連するデータ形式とは、互換性のあるデータ形式のことをいう。
【0052】
また、受信した印刷画像データのデータ名に含まれる特定のキーワードと共通するキーワードがデータ名に含まれる印刷画像データの送信回数に従って、出力用の画像形成装置14が選択されることがある。ただし、印刷画像データのデータ名に含まれる文字列のうち、バージョンを示す文字列、日付を示す文字列、接頭辞を示す文字列については、本発明のキーワードとして取り扱われない。
【0053】
なお、印刷画像データが有する特徴のうち、どの特徴に着目して出力用の画像形成装置14を選択するかについては、予め設定されていてもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0054】
また、共通するないし関連する特徴を有する印刷画像データの送信回数の最上位の画像形成装置14が複数存在する場合、それらの画像形成装置14のうち、全ての種類の印刷画像データの送信回数が最も多い画像形成装置が、出力用の画像形成装置14に設定されてもよいし、最上位の画像形成装置14のそれぞれが出力用の画像形成装置14に設定されてもよい。
【0055】
また、ユーザが最後に使用した(当該ユーザの印刷画像データが最後に送信された)画像形成装置14が、出力用の画像形成装置14に設定されてもよい。ただし、この方法は、ユーザが一度も印刷システム10を使用してない場合、すなわち、いずれの画像形成装置14にも当該ユーザの印刷画像データが送信されたことが無い場合には採用されない。
【0056】
出力用の画像形成装置14が設定されると、情報処理装置12とその出力用の画像形成装置14が通信可能、すなわち、出力用の画像形成装置14に印刷画像データの送信可能な場合には、印刷画像データが情報処理装置12から出力用の画像形成装置14に送信される。
【0057】
一方、情報処理装置12とその出力用の画像形成装置14が通信不可能、すなわち、出力用の画像形成装置14に印刷画像データの送信不可能な場合には、送信不可能な出力用の画像形成装置14に代えて、他の画像形成装置が新たに出力用の画像形成装置14として設定される。たとえば、複数の画像形成装置14のうち、送信不可能な出力用の画像形成装置14を除いて、印刷画像データの送信回数が最も多い画像形成装置が、出力用の画像形成装置14に設定される。
【0058】
印刷画像データが情報処理装置12から出力用の画像形成装置14に送信され、出力用の画像形成装置14が印刷画像データを受信すると、印刷画像データは、出力用の画像形成装置14の記憶部56に記憶される。なお、出力用の画像形成装置14の記憶部56に旧データが存在する場合には、新たに受信した印刷画像データ(更新データ)によって旧データが上書きされる(旧データは記憶部56から削除される)。
【0059】
次に、画像形成装置14の動作を説明する。画像形成装置14では、画像形成装置14の電源がオンされて、各機能を実行可能な待機状態にある場合、
図4に示すようなホーム画面200がディスプレイ62に表示される。このホーム画面200は、画像形成装置14が実行可能な各種の機能(またはジョブ)から所望の機能を選択するための画面であるホーム画面200の一例である。ただし、ホーム画面200での操作入力は、ユーザ認証が成功した場合に受け付けられる。画像形成装置14では、たとえば、ICカードおよび通信部72の近距離無線通信によって、IDおよびパスワードが入力され、ユーザ認証が行われる。
【0060】
ホーム画面200には、ソフトウェアキーである複数の機能選択キー202、フォルダキー204が設けられる。
【0061】
機能選択キー202は、コピー機能、ファクス機能、スキャン機能のいずれかを選択するために設けられる。機能選択キー202が操作されると、操作された機能選択キー202に割り当てられる機能を有効化するための画面がディスプレイ62に表示される。
【0062】
フォルダキー204は、ユーザ認証に成功したユーザ(認証済ユーザ)が登録した印刷画像データの一覧を表示するために設けられる。なお、認証済ユーザが登録した印刷画像データとは、ユーザ端末16から情報処理装置12に送信された印刷画像データであって、まだ印刷されていない印刷画像データのことである。また、データ名およびデータ形式が同じ印刷画像データが複数回登録された場合には、最終更新日時が最も新しい印刷画像データのみが登録されている。
【0063】
フォルダキー204が操作されると、情報処理装置12の記憶部36が参照され、
図5に示すように、認証済ユーザが登録した印刷画像データの一覧を表示する画面である表示画面220がディスプレイ62に表示される。
【0064】
表示画面220には、表示領域222、戻るキー224および印刷キー226が設けられる。また、表示領域222には、複数のデータ選択キー228が設けられる。
【0065】
表示領域222は、データ選択キー228を表示するために設けられる。戻るキー224は、前画面をディスプレイ62に表示するために設けられる。戻るキー224が操作されると、ディスプレイ62には、ホーム画面200が表示される。
【0066】
データ選択キー228は、認証済ユーザに関係する印刷画像データを選択するために設けられる。データ選択キー228が操作されると、操作されたデータ選択キー228に割り当てられる印刷画像データ(選択印刷画像データ)が選択される。すなわち、データ選択キー228が操作されると、ユーザが印刷しようとする選択印刷画像データが選択される。
【0067】
印刷キー226は、印刷を実行(印刷機能を有効化)するために設けられる。選択印刷画像データが選択された状態で印刷キー226が操作されると、選択印刷画像データに基づいて、記録媒体に印刷画像が印刷される。
【0068】
ただし、選択印刷画像データに対応する印刷画像データがその画像形成装置の記憶部56に記憶されている場合には、記憶部56に記憶された印刷画像データに基づいて印刷画像が印刷される。
【0069】
一方、選択印刷画像データに対応する印刷画像データがその画像形成装置の記憶部56に記憶されていない場合には、認証済ユーザが操作中の画像形成装置14から情報処理装置12に、指定した印刷画像データ(本実施例では選択印刷画像データが指定される)を当該画像形成装置14に送信させる指示(送信コマンド)が送信される。情報処理装置12は、送信コマンドを受信すると、送信元の画像形成装置14(認証済ユーザが操作中の画像形成装置14)を出力用の画像形成装置14に設定し、送信コマンドの送信元の画像形成装置14に選択印刷画像データを送信する。送信コマンドの送信元の画像形成装置14が選択印刷画像データを受信すると、当該選択印刷画像データに基づいて印刷画像が印刷される。
【0070】
画像形成装置14で選択印刷画像データに基づく印刷画像が出力されると、記憶部56から選択印刷画像データが削除される。
【0071】
なお、選択印刷画像データが他の画像形成装置14の記憶部56に記憶されている場合、認証済ユーザが操作中の画像形成装置14と選択印刷画像データが記憶されている他の画像形成装置14との通信速度および認証済ユーザが操作中の画像形成装置14と情報処理装置12との通信速度が測定ないし推定される。各装置との通信速度測定ないし推定されると、通信速度が最も速い装置に対して、送信コマンドが送信される。また、通信速度の測定方法および推定方法については、周知の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0072】
また、プリント機能が有効化され、選択印刷画像データに基づく印刷画像が出力されると、選択印刷画像データが印刷済であることを通知するための指示(通知コマンド)が情報処理装置12に送信される。
【0073】
情報処理装置12で通知コマンドが受信され、情報処理装置12の記憶部36に印刷済の選択印刷画像データが記憶されている場合には、選択印刷画像データが削除される。また、情報処理装置12は、通知コマンドを受信すると、選択印刷画像データを記憶する画像形成装置14に当該選択印刷画像データを削除するための指示(削除コマンド)が送信される。したがって、削除コマンドを受信した画像形成装置14では、選択印刷画像データが削除される。なお、選択印刷画像データを記憶する画像形成装置14が存在しない場合は、削除コマンドは送信されない。
【0074】
第1実施例では、印刷画像データの送信先(出力用の画像形成装置14)の判断等は、各種テーブルに基づいて判断される。
【0075】
情報処理装置12には、予めユーザを特定するためのテーブル(特定テーブル)300が登録される。また、情報処理装置12には、ユーザ毎に送信履歴を示すテーブルが登録される。
【0076】
送信履歴を示すテーブルには、各画像形成装置14に記憶されている旧データを示すテーブル(旧データテーブル)320、各画像形成装置14に対する印刷画像データの送信回数を示す送信回数テーブルおよび各画像形成装置14の使用状況を示すテーブル(状況テーブル)380が含まれる。
【0077】
また、送信回数テーブルは、画像形成装置14毎にデータ形式毎の送信回数を示すテーブル(第1送信回数テーブル)340および画像形成装置14毎にキーワード毎の送信回数を示すテーブル(第2送信回数テーブル)360を含む。
【0078】
図6は、特定テーブル300の一例である。
図6に示す特定テーブル300は、ユーザIDに対応してログインIDおよび共通IDが記述される。
【0079】
ユーザIDは、印刷画像データの登録操作を行ったユーザを識別するための識別情報である。なお、ユーザIDは、ユーザ識別データに対応する。また、ログインIDは、認証済みのユーザを識別するための識別情報である。さらに、共通IDは、ユーザIDおよびログインIDに共通するユーザを識別するための識別情報である。
【0080】
特定テーブル300では、ユーザIDの欄には、ユーザIDに対応する文字列が記述される、このことは、後述する旧データテーブル320、第1送信回数テーブル340、第2送信回数テーブル360および状況テーブル380のそれぞれにおけるユーザIDの欄についても同じである。
【0081】
また、特定テーブル300では、ログインIDの欄には、ログインIDに対応する文字列が記述され、共通IDの欄には、共通IDに対応する文字列が記述される。
【0082】
情報処理装置12では、印刷画像データおよびユーザ識別データが受信されると、特定テーブル300が参照され、ユーザIDに対応する共通IDからユーザが特定される。また、画像形成装置14では、ユーザ認証時に入力されるログインIDに対応する共通IDからユーザが特定される。
【0083】
図7は、旧データテーブル320の一例である。
図7に示す旧データテーブル320は、データ名に対応して、最終更新日時、データ形式、キーワード、装置IDが記述される。なお、装置IDおよび送信日時は、1つのデータ名に対応して、複数記述される場合もありうる。
【0084】
データ形式としては、たとえば、テキスト形式、PDF形式およびイメージ形式等が該当する。なお、
図7では、各データ形式に応じた文字(アルファベット)が記述される。
【0085】
装置IDは、旧データが送信された(旧データが記憶されている)画像形成装置14を識別するための識別情報である。また、装置IDは、装置識別データに対応する。このことは、他の装置ID(
図8、
図9および
図10)についても同様である。
【0086】
送信日時は、データ名、データ形式およびキーワードに対応する旧データが装置IDに対応する画像形成装置14に送信された日時である。
【0087】
旧データテーブル320の各欄には、データ名、最終更新日時、データ形式、キーワード、装置IDおよび送信日時に対応する文字、文字列等が記述される。
【0088】
第1実施例では、旧データテーブル320が参照されることで、旧データがどの画像形成装置14に記憶されているか、旧データのデータ名、最終更新日時、データ形式およびキーワード等が判断される。
【0089】
また、旧データテーブル320を参照されることで、更新データの送信先が設定されたり、削除コマンドの送信先が存在するかどうかが判断される。
【0090】
第1実施例では、印刷画像データが出力用の画像形成装置14に送信されると、印刷画像データのデータ名、最終更新日時、データ形式等が旧データテーブル320に新たに記述される。
【0091】
また、更新データが出力用の画像形成装置14に送信されると、旧データのデータ名に対応する最終更新日時および送信日時が更新データに対応する最終更新日時および送信日時に書き変えられる(更新される)。
【0092】
また、通知コマンドが情報処理装置12に送信された場合、選択印刷画像データのデータ名、データ形式および最新更新日時等が旧データテーブル320から削除される。
【0093】
図8は、第1送信回数テーブル340の一例である。
図8に示す第1送信回数テーブル340は、装置IDに対応して、総送信回数、各データ形式の送信回数が記述される。
【0094】
第1送信回数テーブル340における装置IDは、印刷画像データが送信されたことのある画像形成装置14の識別情報である。このことは、第2送信回数テーブル360における装置IDについても同様である。
【0095】
総送信回数は、装置IDに対応する画像形成装置14への印刷画像データの送信回数である。このことは、後述する第2送信回数テーブル360(
図9)における総送信回数についても同様である。
【0096】
総送信回数の欄および各データ形式の送信回数の欄のそれぞれには、各送信回数を示す数字が記述される。
【0097】
第1実施例では、第1送信回数テーブル340が参照されると、各画像形成装置14への印刷画像データの送信回数が判断される。このことは、第2送信回数テーブル360(
図9)が参照される場合も同様である。
【0098】
また、第1送信回数テーブル340が参照されると、各画像形成装置14への印刷画像データの送信回数がデータ形式毎に判断される。
【0099】
さらに、第1送信回数テーブル340が参照されると、各データ形式における印刷画像データの送信回数が画像形成装置14毎に判断される。
【0100】
第1実施例では、印刷画像データが画像形成装置14に送信されると、当該画像形成装置14に対応する装置ID、印刷画像データのデータ形式に対応する送信回数および総送信回数が加算され、加算された送信回数が第1送信回数テーブル340に新たに記述される。
【0101】
また、画像形成装置14に対応する装置IDが記述されているが、印刷画像データのデータ形式に対応する送信回数が記述されてない場合、装置IDに対応して印刷画像データのデータ形式に対応する送信回数が新たに記述される。さらに、この場合、総送信回数が書き換えられる。
【0102】
さらにまた、画像形成装置14に対応する装置IDおよび印刷画像データのデータ形式に対応する送信回数が記述されている場合は、当該送信回数および総送信回数が書き換えられる。
【0103】
図9は、第2送信回数テーブル360の一例である。
図9に示す第2送信回数テーブル360は、装置IDに対応して、総送信回数、各キーワードの送信回数が記述される。
【0104】
各キーワードの送信回数の欄のそれぞれには、各送信回数を示す数字が記述される。
【0105】
第1実施例では、第2送信回数テーブル360が参照されると、たとえば、所定の画像形成装置14への印刷画像データの送信回数がキーワード毎に判断される。
【0106】
さらに、第2送信回数テーブル360が参照されると、所定のキーワードにおける印刷画像データの送信回数を画像形成装置14毎に判断される。
【0107】
第1実施例では、印刷画像データが当該画像形成装置14に送信されると、第1送信回数テーブルと同様に、第2送信回数テーブル360の書き換えおよび/または第2送信回数テーブル360への追記が適宜行われる。
【0108】
なお、画像形成装置14間で送信コマンドの送信および送信コマンドに応じた印刷画像データの送信が行われた場合、旧データテーブル320、第1送信回数テーブル340および第2送信回数テーブル360の書き換え等は行われない。
【0109】
このことは、送信コマンドが画像形成装置14から情報処理装置12に送信され、送信コマンドに応じて印刷画像データが情報処理装置12から画像形成装置14に送信される場合も同様である。
【0110】
図10は、状況テーブル380の一例である。
図10に示す状況テーブル380は、装置IDに対応して、使用回数および使用日時が記述される。
【0111】
使用回数は、装置IDに対応する画像形成装置14が使用された回数である。具体的には、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のいずれかが有効化された(ジョブが実行された)回数である。
【0112】
使用日時は、装置IDに対応する画像形成装置14が最後に使用された日時である。
【0113】
使用回数の欄には、装置IDに対応する画像形成装置14の使用回数を示す数字が記述され、使用日時の欄には、装置IDに対応する画像形成装置14の使用日時を示す文字、文字列等が記述される。
【0114】
第1実施例では、状況テーブル380が参照されると、たとえば、ユーザが最も使用する画像形成装置14が判断される。
【0115】
また、状況テーブル380が参照されると、ユーザが最後に使用した画像形成装置14が判断される。
【0116】
第1実施例では、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のいずれかが有効化されると、つまり、認証済みのユーザに画像形成装置14が使用されると、画像形成装置14が使用されたことを示す信号(使用信号)が画像形成装置14から情報処理装置12に送信される。
【0117】
情報処理装置12では、使用信号を受信したことに応じて、状況テーブル380が更新される。具体的には、使用された画像形成装置14に対応する装置ID、使用回数および使用日時が状況テーブル380に新たに記述される。
【0118】
また、画像形成装置14に対応する装置ID等が記述されている場合、当該装置IDに対応する使用回数および使用日時が書き変えられる。
【0119】
なお、上述した各テーブルの各欄には、文字列および数字等が記述されているが、これらの内容は、情報処理装置12または画像形成装置14における内部処理で作成および使用されるだけである。このため、テーブルの各欄に記述される内容は、人間が解読できない記号等で記述されてもよい。
【0120】
図11は、
図1に示した情報処理装置12のRAM34のメモリマップ400の一例を示す図である。
図11に示すように、RAM34は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。また、RAM34のプログラム記憶領域402には、情報処理プログラムの一例として、情報処理装置12の制御プログラムが記憶される。
【0121】
情報処理装置12の制御プログラムは、通信プログラム402a、通信判断プログラム402b、受信プログラム402c、受信判断プログラム402d、特定プログラム402e、旧データ判断プログラム402f、削除判断プログラム402g、送信先設定プログラム402hおよび送信プログラム402iを含む。
【0122】
通信プログラム402aは、通信部38を制御し、ネットワーク18を介して、他の装置と通信するためのプログラムである。
【0123】
通信判断プログラム402bは、他の装置と通信可能かどうかを判断するためのプログラムである。
【0124】
受信プログラム402cは、データ受信プログラム、コマンド受信プログラムおよび信号受信プログラムを含む。
【0125】
データ受信プログラムは、印刷画像データを受信するためのプログラムである。コマンド受信プログラムは、送信コマンド、通知コマンドおよび削除コマンド等の各コマンドを受信するためのプログラムである。信号受信プログラムは、使用信号を受信するためのプログラムである。ただし、印刷画像データ、コマンドおよび使用信号の受信時には、通信プログラム402aが実行される。
【0126】
受信判断プログラム402dは、データ受信判断プログラム、コマンド受信判断および信号受信判断プログラムを含む。
【0127】
データ受信判断プログラムは、印刷画像データを受信したかどうかを判断するためのプログラムである。コマンド受信プログラムは、各コマンドを受信したかどうかを判断するためのプログラムである。信号受信判断プログラムは、使用信号を受信したかどうかを判断するためのプログラムである。
【0128】
特定プログラム402eは、印刷画像データを受信したとき、印刷画像データに紐づけられたユーザ識別データおよび特定テーブル300に基づいて、ユーザを特定するためのプログラムである。
【0129】
旧データ判断プログラム402fは、ユーザが特定された後に、印刷画像データおよび当該ユーザの旧データテーブル320に基づいて、印刷画像データに対応する旧データが存在するかどうかを判断するためのプログラムである。
【0130】
削除判断プログラム402gは、通知コマンドを受信したとき、旧データテーブル320に基づいて、削除コマンドの送信先が存在するかどうかを判断するためのプログラムである。
【0131】
送信先設定プログラム402hは、印刷画像データを送信したユーザの送信履歴等に基づいて、出力用の画像形成装置14を選択(設定)するためのプログラムである。
【0132】
また、送信先設定プログラム402hは、受信した印刷画像データに対応する旧データが存在する場合、旧データテーブル320に基づいて、旧データを記憶する画像形成装置14を出力用の画像形成装置14に設定するためのプログラムである。
【0133】
さらに、送信先設定プログラム402hは、旧データが存在しない場合に、第1送信回数テーブル340および第2送信回数テーブル360の少なくとも一方に基づいて、出力用の画像形成装置14を設定するためのプログラムでもある。
【0134】
さらにまた、送信先設定プログラム402hは、出力用の画像形成装置14と通信が不可な場合、ユーザの印刷画像データの送信履歴に基づいて、新たに代わりの出力用の画像形成装置14を設定するためのプログラムでもある。
【0135】
送信プログラム402iは、データ送信プログラムおよびコマンド送信プログラムを含む。
【0136】
データ送信プログラムは、印刷画像データを送信するためのプログラムである。具体的には、通信が可能な出力用の画像形成装置14に印刷画像データを送信するためのプログラムである。
【0137】
また、データ送信プログラムは、送信コマンドを受信したとき、送信コマンドの送信元の画像形成装置14へ指定された印刷画像データを送信するためのプログラムでもある。
【0138】
コマンド送信プログラムは、各コマンドを画像形成装置14に送信するためのプログラムである。具体的には、通知コマンドを受信し、削除コマンドの送信先が存在する場合、当該送信先である画像形成装置14に削除コマンドを送信するためのプログラムである。ただし、印刷画像データおよびコマンドの送信時には、通信プログラム402aが実行される。
【0139】
図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、画像形成装置14の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。たとえば、ユーザが特定された後に、情報処理装置12が受信した印刷画像データを記憶するためのプログラム、印刷画像データの送信、各種コマンドの送受信にともなって各種テーブルへの追記および書き換えを行うためのプログラム等が記憶される。
【0140】
データ記憶領域404には、印刷画像データ404a、テーブルデータ404bおよびユーザ識別データ404cが記憶される。なお、印刷画像データ404aおよびユーザ識別データ404cの説明については、省略する。
【0141】
テーブルデータ404bは、特定テーブル300に対応するデータ、旧データテーブル320に対応するデータ、第1送信回数テーブル340に対応するデータ、第2送信回数テーブル360対応するデータおよび状況テーブル380等に対応するデータを含む。
【0142】
図示は省略するが、データ記憶領域404には、情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されるとともに、情報処理プログラムの実行に必要なフラグおよびカウンタ(タイマ)も設けられる。
【0143】
図12は、
図1に示した画像形成装置14のRAM54のメモリマップ420の一例を示す図である。
図12に示すように、RAM54は、プログラム記憶領域422およびデータ記憶領域424を含む。また、RAM54のプログラム記憶領域422には、情報処理プログラムの一例として、画像形成装置14の制御プログラムが記憶される。
【0144】
画像形成装置14の制御プログラムは、メイン処理プログラム422a、通信プログラム422b、受信プログラム422c、受信判断プログラム422d、記憶判断プログラム422e、送信プログラム422f、削除プログラム422gを含む。
【0145】
メイン処理プログラム422aは、画像形成装置14の全体的な処理を実行するためのプログラムである。たとえば、画像形成装置14の各操作部への操作に対応する操作検出データを検出するためのプログラム、各種の画面を表示するための表示画像を生成するためのプログラム、画像読取部68を制御して、載置台に載置される原稿を読み取り、読取画像を生成するためのプログラムおよび画像形成部70を制御して、出力画像および印刷画像等を記録媒体に印刷するためのプログラム等がメイン処理プログラムに含まれる。
【0146】
通信プログラム422bは、通信部72を制御し、ネットワーク18を介して、他の装置と通信するためのプログラムである。
【0147】
受信プログラム422cは、データ受信プログラムおよびコマンド受信プログラムを含む。データ受信プログラムは、印刷画像データを受信するためのプログラムである。コマンド受信プログラムは、各コマンドを受信するためのプログラムである。ただし、印刷画像データおよびコマンドの受信時には、通信プログラム422bが実行される。
【0148】
受信判断プログラム402dは、データ受信判断プログラムおよびコマンド受信判断を含む。データ受信判断プログラムは、印刷画像データを受信したかどうかを判断するためのプログラムである。コマンド受信プログラムは、各コマンドを受信したかどうかを判断するためのプログラムである。
【0149】
記憶判断プログラム422eは、選択印刷画像データが記憶部56に記憶されているかどうかを判断するためのプログラムである。
【0150】
送信プログラム422fは、コマンド送信プログラムおよび信号送信プログラムを含む。
【0151】
コマンド送信プログラムは、各コマンドを送信するためのプログラムである。具体的には、選択印刷画像データが記憶部56に記憶されていないとき、情報処理装置12に送信コマンドを送信するためのプログラムである。
【0152】
また、コマンド送信プログラムは、印刷画像が用紙に印刷されたとき、情報処理装置12通知コマンドを送信するためのプログラムでもある。
【0153】
信号送信プログラムは、画像形成装置14が有するコピー機能等が有効化されるとき、情報処理装置12に使用信号を送信するためのプログラムである。ただし、コマンドおよび使用信号の送信時には、通信プログラム422bが実行される。
【0154】
削除プログラム422gは、印刷画像データを削除するためのプログラムである。具体的には、印刷画像が用紙に印刷された後に、当該印刷画像に対応する印刷画像データを削除するためのプログラムである。
【0155】
また、削除プログラム422gは、削除コマンドを受信したとき、選択印刷画像データを削除するためのプログラムでもある。
【0156】
図示は省略するが、プログラム記憶領域422には、画像形成装置14の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。たとえば、ユーザ認証を行うためのプログラムおよび受信した印刷画像データを記憶部56に記憶するためのプログラム等が記憶される。
【0157】
データ記憶領域424には、印刷画像データ424aが記憶される。なお、印刷画像データ424aは、情報処理装置12から送信された印刷画像データである。したがって、印刷画像データ424aは、印刷画像データ404aに相当する。
【0158】
図13は、
図1に示す情報処理装置12のCPU30のデータ送信処理の一例を示すフロー図である。このデータ送信処理は、たとえば、情報処理装置12の主電源がオンにされたときに開始される。
【0159】
図13に示すように、CPU30は、ステップS1で、印刷画像データを受信したかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり、印刷画像データを受信してないのであれば、ステップS1に戻る。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、印刷画像データを受信したのであれば、ステップS3に進む。
【0160】
ステップS3では、印刷画像を登録したユーザを特定し、ステップS5で、旧データが存在するかどうか判断される。ステップS5で“NO”であれば、つまり、旧データが存在しないのであれば、ステップS7で、特定されたユーザに対応する印刷画像データの送信回数に基づいて、出力用の画像形成装置14を設定し、ステップS11に進む。
【0161】
一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり、旧データが存在するのであれば、ステップS9で、旧データを記憶する画像形成装置14を出力用の画像形成装置14に設定し、ステップS11に進む。
【0162】
ステップS11では、出力用の画像形成装置14と通信が可能かどうかを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり、出力用の画像形成装置14との通信が不可であれば、ステップS13で、新たに代わりの出力用の画像形成装置14を設定し、ステップS15に進む。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり、送品先とされる画像形成装置14と通信が可能であれば、ステップS15で、印刷画像データを出力用の画像形成装置14へ送信し、データ送信処理を終了する。
【0163】
図14は、
図1に示す情報処理装置12のCPU30のコマンド処理の一例を示すフロー図である。このコマンド処理は、情報処理装置12の主電源がオンにされたときに開始される。
【0164】
図14に示すように、CPU30は、ステップS21で、送信コマンドを受信したかどうかを判断する。ステップS21で“YES”であれば、つまり、送信コマンドを受信したのであれば、ステップS23で、指定された印刷画像データを送信コマンドの送信元の画像形成装置14へ送信し、ステップS21に戻る。
【0165】
一方、ステップS21で“NO”であれば、つまり、送信コマンドを受信してないのであれば、ステップS25で通知コマンドを受信したかどうかを判断する。ステップS25で“NO”であれば、つまり、通知コマンドを受信してないのであれば、ステップS21に戻る。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまり、通知コマンドを受信したのであれば、ステップS27で削除コマンドの送信先が存在するかどうかを判断する。ここでは、選択印刷画像データを記憶する画像形成装置14が存在するかどうかを判断する。
【0166】
ステップS27で“NO”であれば、つまり、削除コマンドの送信先が存在しないのであれば、ステップS21に戻る。一方、ステップS27で“YES”であれば、つまり、削除コマンドの送信先が存在するのであれば、ステップS29で、削除コマンドの送信先に削除コマンドを送信して、ステップS21に戻る。
【0167】
図15は、
図1に示す画像形成装置14のCPU50のプリント処理の一例を示すフロー図である。このプリント処理は、ユーザ認証が行われた後に、印刷画像データが選択された状態でプリント機能が有効化されると開始される。
【0168】
図15に示すように、CPU50は、ステップS41で、選択印刷画像データが記憶部56に記憶されているかどうかを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり、選択印刷画像データが記憶部56に記憶されてないのであれば、ステップS43で、送信コマンドを情報処理装置12に送信し、ステップS45で、選択印刷画像データを受信したかどうかを判断する。ステップS45で“NO”であれば、つまり、選択印刷画像データを受信してないのであれば、ステップS45に戻る。一方、ステップS45で“YES”であれば、つまり、選択印刷画像データを受信したのであれば、ステップS47に進む。
【0169】
一方、ステップS41で“YES”であれば、つまり、選択印刷画像データを記憶部56に記憶しているのであれば、ステップS47で、選択印刷画像データに基づいて、印刷画像を印刷し、ステップS49で、選択印刷画像データを記憶部56から削除する。
【0170】
続いて、ステップS51で、通知コマンドを情報処理装置12に送信し、プリント処理を終了する。
【0171】
図16は、
図1に示す画像形成装置14のCPU50の削除処理の一例を示すフロー図である。この削除処理は、画像形成装置14の主電源がオンにされたときに開始される。
【0172】
図16に示すように、CPU50は、ステップS61で、削除コマンドを受信したかどうかを判断する。ステップS61で“NO”であれば、つまり、削除コマンドを受信してないのであれば、ステップS61に戻る。一方、ステップS61で“YES”であれば、つまり、削除コマンドを受信したのであれば、ステップS63で、選択印刷画像データを記憶部56から削除し、ステップS61に戻る。
【0173】
第1実施例によれば、印刷画像データの送信先を選択する手間を省くことができる。
[第2実施例]
第2実施例では、印刷画像データの送信先の設定を画像形成装置14で行うように変更したこと以外は、第1実施例と同様である。以下、第2実施例について具体的に説明するが、第1実施例と重複する説明は省略する。
【0174】
第2実施例では、各画像形成装置14が、所定の周期(例えば、5分に1回)で情報処理装置12の記憶部36にアクセスする。
【0175】
第2実施例では、各画像形成装置14が、出力用の画像形成装置14を設定することができる。したがって、画像形成装置14が記憶部36にアクセスしたときに、当該画像形成装置14が出力用の画像形成装置14として設定される新規印刷画像データが存在する場合には、当該画像形成装置14から情報処理装置12に、新規印刷画像データを指定した送信コマンドが送信される。
【0176】
ただし、新規印刷画像データとは、前回記憶部36にアクセスしたときに記憶部36に記憶されていない印刷画像データであって、記憶部36にアクセスしたときに記憶部36に記憶されている印刷画像データのことである。なお、記憶部36に初めてアクセスする場合は、記憶部36に記憶される全ての印刷画像データが新規印刷画像データに該当する。
【0177】
また、新規印刷画像データが複数存在する場合は、各新規印刷画像データのそれぞれに対して、上記の処理が行われる。
【0178】
第2実施例のメモリマップ400は、
図11に示したメモリマップ400と同様のメモリマップである。
【0179】
なお、第2実施例の情報処理装置12の制御プログラムには、通信判断プログラム402b、特定プログラム402e、旧データ判断プログラム402fおよび送信先設定プログラム402hは含まれなくてもよい。
【0180】
また、第2実施例の送信プログラム402iに含まれるデータ送信プログラムは、新規印刷画像データを指定した送信コマンドを受信したとき、当該送信コマンドの送信元の画像形成装置14に新規印刷画像データを送信するためのプログラムでもある。
【0181】
さらに、第2実施例では、上述したような動作を実現するために、第2実施例の画像形成装置14の制御プログラムは、新規データ判断プログラム、特定プログラム、旧データ判断プログラム、送信先設定プログラムおよび一致判断プログラムを含む。
【0182】
なお、特定プログラムは、対象を印刷画像データから新規印刷画像データに変更したこと以外は、特定プログラム402eと同様のプログラムであるため、重複する説明は省略する。このことは、旧データ判断プログラムおよび送信先設定プログラムについても同様である。
【0183】
新規データ判断プログラムは、所定の周期で、情報処理装置12の記憶部36を参照し、新規印刷画像データが存在するかどうかを判断するためのプログラムである。
【0184】
一致判断プログラムは、設定された出力先の画像形成装置14と自機が一致するかどうかを判断するためのプログラムである。
【0185】
また、第2実施例の送信プログラム422fに含まれるコマンド送信プログラムは、新規信印刷画像の出力先の画像形成装置14が設定され、当該画像形成装置14と自機が一致するのであれば、情報処理装置12に新規送信コマンドを送信するためのプログラムでもある。
【0186】
また、第2実施例のデータ記憶領域424には、記憶部36を参照した際の印刷画像データの詳細を示すデータが記憶される。
【0187】
図17は、第2実施例の画像形成装置14のCPU50の送信先判断処理の一例を示すフロー図である。この送信先判断処理は、主電源がオンにされたときに開始される。また、主電源がオンにされた後は、所定の周期で開始される。
【0188】
図17に示すように、CPU50は、ステップS71で、新規印刷画像データが存在するかどうかを判断する。ステップS71で“NO”であれば、つまり、新規印刷画像データが存在しないのであれば、送信先判断処理を終了する。一方、ステップS71で“YES”であれば、ステップS73に進む。
【0189】
なお、ステップS73~ステップS79は、ステップS3~ステップS9に相当するため、重複する説明は省略する。
【0190】
ステップS81では、出力先の画像形成装置14と自機が一致するかどうかを判断する。ステップS81で“NO”であれば、つまり、出力先の画像形成装置14と自機が一致しないのであれば、送信先判断処理を終了する。一方、ステップS81で“YES”であれば、つまり、出力先の画像形成装置14と自機が一致するのであれば、ステップS93に進む。
【0191】
ステップS83では、新規印刷画像データを指定した送信コマンドを情報処理装置12に送信し、送信先判断処理を終了する。
【0192】
第2実施例によれば、第1実施例と同様に、印刷画像データの送信先を選択する手間を省くことができる。
【0193】
なお、印刷画像データ等の送信先としては、たとえば、ネットワーク18に接続される画像形成装置14以外の装置、たとえば、ローカルサーバ等に送信されてもよい。
【0194】
また、ユーザ端末16として、ユーザを認証する機能を備えるユーザ端末が用いられる場合、印刷画像データとともに、認証済みのユーザを示すユーザ識別データが情報処理装置12送信されてもよい。
【0195】
さらに、ユーザ端末16および画像形成装置12のユーザ認証を外部で行ってもよい。この場合、印刷画像データとともに、認証済みのユーザを示すユーザ識別データが情報処理装置12送信される。また、この場合、ユーザ識別データが示すユーザを識別する識別情報および画像形成装置12入力されるユーザを識別する識別情報が一致するため、当該識別情報でユーザの特定が行われる。
【0196】
さらに、上述の各実施例は一例であり、実際の製品において、適宜変更可能である。さらにまた、上述の各実施例で示したフロー図は一例であり、同じ効果が得られる場合には、各ステップの順番は任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0197】
10 …印刷システム
12 …情報処理装置
14 …画像形成装置
16 …ユーザ端末
18 …ネットワーク
30 …CPU
34 …RAM
36 …記憶部
38 …通信部
50 …CPU
54 …RAM
56 …記憶部
72 …通信部