IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティドの特許一覧 ▶ カーテー プロジェクテントビクルングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7337814制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置
<>
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図1
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図2
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図3
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図4
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図5
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図6
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図7
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図8
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図9
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図10
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図11A
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図11B
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図11C
  • 特許-制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置 図11D
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/10 20060101AFI20230828BHJP
   B60B 35/02 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
B60C23/10
B60B35/02 L
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020540760
(86)(22)【出願日】2019-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019015376
(87)【国際公開番号】W WO2019148079
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】102018000636.1
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018130307.6
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】520266959
【氏名又は名称】カーテー プロジェクテントビクルングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エーファ トリッチラー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアーネ シュバルツ
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー クレム
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シュピンドラー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ シュルツェ ゼルティング
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04705090(US,A)
【文献】特開2009-090826(JP,A)
【文献】特開2007-131151(JP,A)
【文献】特開2007-196778(JP,A)
【文献】特開2006-248258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/10
B60B 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御圧力及び/又は作動圧力を、ホイールハブ(1)又は該ホイールハブ(1)に支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置において、該回転型伝達装置(25)は、ハウジング構造(2)を有し、該ハウジング構造(2)内では、ピストン部材(3)が、前記ハウジング構造(2)に対して、及び前記ハウジング構造(2)に対してホイール軸(14)の周りに回転するように取り付けられた前記ホイールハブ(1)の回転体(4)に対して、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、前記制御圧力及び/又は前記作動圧力を伝達するために、少なくとも1つの圧力媒体通路(5)が前記ピストン部材(3)内に形成され、該ピストン部材(3)の前記第1の位置では、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の端面(6)と、前記ピストン部材側の前記回転体(4)の端面(7)との間に空隙(S)が存在し、一方、前記ピストン部材(3)の前記第2の位置では、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)と、前記ピストン部材側の前記回転体(4)の前記端面(7)との間に空隙が存在せず、前記ピストン部材(3)の前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)が、前記回転体(4)内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路(11)にシールされた状態で開口し、
前記ハウジング構造(2)は、少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)を有し、該少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)を介して、制御圧力及び/又は作動圧力を、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)に供給することができ、少なくとも前記ピストン部材(3)が前記第2の位置にある状態において、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の端面(6)の反対側の前記ピストン部材(3)の端面と、前記ハウジング構造(2)の内壁との間に、圧力媒体分配通路(15)が存在し、該圧力媒体分配通路内に、前記少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)が開口し、
前記ピストン部材(3)は、対応する制御圧力を印加することによって、前記ハウジング構造(2)及び前記回転体(4)に対して可動であり、前記制御圧力は、伝達される前記制御圧力及び/又は前記作動圧力とは異なっており、
制御圧力を前記ピストン部材(3)に割り当てられた制御室(19)に供給するとともに、該制御室(19)から放出する制御圧力ポート(18)を更に具備する回転型伝達装置(25)。
【請求項2】
前記制御室(19)は、少なくとも一部の領域において、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)の反対側の前記ピストン部材(3)の側面によって形成される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項3】
前記制御室(19)は、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)とは気密に分離される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項4】
前記回転体側の端部領域において、前記ピストン部材(3)は、シール部材(8)を備え、該シール部材(8)は、少なくとも一部の領域において、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)を形成し、前記ピストン部材(3)内に形成された前記圧力媒体通路(5)に対して軸方向に構成され、前記ピストン部材(3)内に形成された前記圧力媒体通路(5)に開口する少なくとも1つの圧力媒体通路(9)が形成される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項5】
前記シール部材(8)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(9)は、少なくとも前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)において、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)の直径よりも大きい直径を有する請求項4に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項6】
シール機構(30)が、前記ピストン部材(3)を前記圧力媒体分配通路(15)に対してシールするように、前記ピストン部材(3)に割り当てられ、且つ/又は、シール機構(31)が、前記ピストン部材(3)を前記ハウジング構造(2)に対してシールするように、前記ピストン部材(3)に割り当てられる請求項5に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記圧力媒体通路(11)は、前記回転体(4)内に形成され、前記ピストン側の前記回転体(4)の前記端面(7)に開口し、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)に関して、且つ/又は、シール部材(8)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(9)に関して、前記ピストン部材(3)が第2の位置にある状態において、外部雰囲気に対してシールされた流路が、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)から、前記回転体(4)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(11)まで形成されるように構成される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項8】
予付勢部材が、前記ピストン部材(3)を第1の位置に予付勢するように前記ピストン部材(3)に割り当てられ、前記予付勢部材は、ばね部材を含む請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項9】
前記ハウジング構造(2)と、前記ピストン部材(3)と、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の端部領域にあるシール部材(8)と、前記回転体(4)とは、それぞれ環状体として形成され、前記ホイール軸(14)に対して同軸に配置される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項10】
前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)は、環状通路として構成される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項11】
前記ピストン部材(3)は、特に前記回転体側の前記端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる、空気作動式ピストン部材(3)として形成され、又は、前記ピストン部材(3)は、電磁作動式ピストン部材(3)として形成される請求項1に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項12】
予付勢部材が、前記ピストン部材(3)を第1の位置に予付勢するように前記ピストン部材(3)に割り当てられ、前記予付勢部材は、ばね部材を含む請求項4に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項13】
前記ハウジング構造(2)と、前記ピストン部材(3)と、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端部領域にある前記シール部材(8)と、前記回転体(4)とは、それぞれ環状体として形成され、前記ホイール軸(14)に対して同軸に配置される請求項4に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項14】
前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)は、環状通路として構成される請求項4に記載の回転型伝達装置(25)。
【請求項15】
前記ピストン部材(3)は、特に前記回転体側の前記端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる、空気作動式ピストン部材(3)として形成され、又は、前記ピストン部材(3)は、電磁作動式ピストン部材(3)として形成される請求項4に記載の回転型伝達装置(25)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、特に、回転可能に取り付けられたホイールタイヤを備えるホイールユニットにおける、制御圧力及び/又は作動圧力を伝達するシステムに関する。本発明の実施形態によれば、本発明は、特に、制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持されたホイールリムに伝達する回転型伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はさらに、制御圧力及び/又は作動圧力を伝達するそのような回転型伝達装置を備えるホイールユニット、並びに、制御圧力及び/又は作動圧力を伝達する対応する回転型伝達装置をそれぞれ備える複数のホイールユニットを備える、圧力媒体を供給する分散型システムに関する。
【0003】
車両用タイヤには、通常、圧縮空気が充填される。他の加圧媒体、例えば窒素を充填することも想定可能である。本開示では、車両用タイヤは、例えば、チューブタイプタイヤ又はチューブレスタイヤとすることができる。車両用タイヤは、例えば、自動車、バス、トラックにおいて用いられ、また、航空機にも用いられる。
【0004】
従来の車両用タイヤは、通常、外部ポートを介して、圧縮空気又は窒素充填物等の圧力媒体が供給される。通常、このためには規格弁が用いられる。車両用タイヤは、通常、それぞれの使用条件又は動作条件に応じた最適な動作圧力又は充填圧力を有する。例えば、陸上車両、例えば、自動車、バス、又はトラックに関して、転がり抵抗、側方ガイド、長手方向ガイド、発熱、及び/又は摩耗挙動の最適条件を保証することができる範囲で、動作圧力又は圧力範囲が適用される。
【0005】
タイヤ内に存在する実際の圧力は、或る特定の限度内で、例えば、周囲温度又は動作温度に伴って変動し得る。さらに、長期にわたり、知らぬ間に起こる圧力損失として知られる或る特定の圧力損失は、多くの場合、完全に回避することはできない。タイヤ内の動作圧力又は充填圧力を監視することを可能にする、車両用のシステムが既知である。これらのシステムは、能動システムとすることも受動システムとすることもできる。
【0006】
受動システムは、例えば、車軸のタイヤの転がり円周を求め、それらを互いに比較するように設計することができる。有意な差がある場合、それぞれのタイヤにおいて圧力差が存在することを示す。圧縮空気の測定及び/又は監視を行う能動システムは、通常、ホイールユニットに統合された圧力監視センサーを備える。そのような圧力センサーは、例えば、対応する圧力信号を無線又は有線で(回転する)タイヤから車両の固定構成要素に伝達するように設計することもできる。
【0007】
さらに、原則として、車両用タイヤの充填圧力の自律的な調節を可能にするシステムが既知である。そのようなシステムは、例えば、オールテレーン車両、軍用車両、又は同様の特殊車両に用いられる。このシステムは、原則として、車両の静止時、すなわち車両が動いていないときに、充填圧力の調整を可能にするように構成することができる。
【0008】
車両における自律的な圧力制御を行う既知のシステムは、中央構造を有する。これは、換言すれば、タイヤを充填する圧力媒体を提供するのに、1つの装置のみが存在することを意味する。例えば、トラクターユニットとトレーラー又はセミトレーラーとの組合せに関して、圧力媒体を供給するいくつかの装置を提供することも想定可能である。それにもかかわらず、そのような圧縮空気の中央供給装置は、特に異なる車軸における複数のホイールユニットを充填するように意図される。このためには、圧縮空気又は圧力媒体の中央供給ユニットを複数のホイールユニットに連結しなければならない。従って、通常、供給ユニットは、車両のシャーシ又は車体又は上部構造に配置される。供給ユニットは、例えば、コンプレッサー又は空気コンプレッサーを備えることができる。ここでは、供給ユニットを起点として、複数の又は多数の圧縮空気ライン又は圧力媒体ラインを個々のホイールユニットまで敷くことが必要である。このためには、通常、圧力媒体ラインに対して複数のいわゆる回転通路を設けなければならない。これは、ホイールユニットのタイヤが、通常、車両の車軸に回転可能に取り付けられるためである。
【0009】
原則として、対応する制御圧力及び/又は作動圧力を、車両の中央に取り付けられたユニットから、ホイールハブ又はホイールハブに支持されたホイールリムに伝達することは、ホイールハブ及び車両用ホイールを備えるホイールユニットが、ホイール軸の周りで回転するように取り付けられることから、比較的困難かつ複雑である。既知の回転型伝達装置は、非常に摩耗しやすく、そのため、現在まで、車両内における中央圧力媒体供給装置は、特に大幅な追加コスト及びランニングコストがかかるため、広く使用されてこなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これに関して、本発明は、冒頭に述べたタイプの回転型伝達装置を、高いロバスト性を特徴とし、非使用時の車両への影響がほとんどないように改良するという目的に基づく。加えて、回転型伝達装置は、摩耗しにくく、顕著な耐久性を特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明が基づく目的は、本発明に従って、独立請求項1の主題によって達成される。回転型伝達装置の有利な改良形態は、従属請求項において与えられる。
【0012】
従って、本発明は、制御圧力及び/又は作動圧力を、ホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置を含む。回転型伝達装置は、ハウジング構造を有し、このハウジング構造内では、ピストン部材が、ハウジング構造と、ハウジング構造に対してホイール軸の周りに回転するように取り付けられたホイールハブの回転体(running body)とに対して、第1の位置と第2の位置との間で変位可能である。制御圧力及び/又は作動圧力を伝達するために、少なくとも1つの圧力媒体通路がピストン部材内に形成される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、特に、ピストン部材の第1の位置において、回転体側のピストン部材の端面と、ピストン部材側の回転体の端面との間に空隙が存在し、一方、ピストン部材の第2の位置において、回転体側のピストン部材の端面と、ピストン部材側の回転体の端面との間に空隙が存在せず、ピストン部材の少なくとも1つの圧力媒体通路が、回転体内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路に(大気に対して)シールされた状態で開口することが意図される。
【0014】
本発明の主題は、特に、回転型伝達装置の非使用時に、ピストン部材がホイールハブの回転体に接触せず、従って摩耗が生じないことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る回転型伝達装置の実施形態は、特に、ピストン部材が、特に回転体側の端面とは反対側の端面において対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる空気作動式のピストン部材として形成されることを特徴とする。これに関して、ピストン部材が、対応する制御圧力の印加によってハウジング構造及び回転体に対して可動である場合が特に好適である。ここでは、制御圧力は、特に、伝達される制御圧力及び/又は作動圧力とは異なる。この制御圧力及び/又は作動圧力は、ホイールハブ又は車両用ホイールにおける構成要素に対する制御圧力及び/又は作動圧力である。
【0016】
実施形態によれば、必要に応じて、制御圧力をピストン部材に割り当てられた制御室に供給する及びこの制御室から放出するように、制御圧力ポートが設けられる。制御室は、少なくとも一部の領域において、特に回転体側のピストン部材の端面の反対側のピストン部材の側面によって形成される。
【0017】
本発明の実施形態に係る回転型伝達装置システムを用いる場合、圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールに伝達することができるだけでなく、圧力をホイールハブ又はホイールハブに支持された車両用ホイールから伝達することもできることが確実になるように、制御室は、ピストン部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路から気密に分離されることが意図される。
【0018】
本発明に係る回転型伝達装置の実施形態によれば、回転体側の端部領域において、ピストン部材は、シール部材を備え、このシール部材は、少なくとも一部の領域において、回転体側のピストン部材の端面を形成し、好ましくは、ピストン部材内に形成された圧力媒体通路に対して軸方向に構成され、ピストン部材内に形成された圧力媒体通路に開口する少なくとも1つの圧力媒体通路が形成される。従って、そのような実施形態において、回転型伝達装置の非使用時、外部雰囲気に対する圧力媒体伝達のシールのために設けられたシール部材に摩耗が生じないことが意図される。
【0019】
これに関して、シール部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路は、少なくとも回転体側のピストン部材の端面において、ピストン部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路の直径よりも大きい直径を有する場合が有利である。この実施形態の場合、回転型伝達装置の使用時、すなわち、ピストン部材が第2の位置にあるとき、回転体が回転型伝達装置のハウジング構造に対して最適な向きでない場合でも、回転体内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路への安全な圧力媒体伝達を達成することができることが確実になる。
【0020】
本発明は、ピストン部材が1つのみの圧力媒体通路を有する実施形態に限定されない。むしろ、本発明は、ピストン部材内に少なくとも2つ以上の圧力媒体通路が形成され、これらの圧力媒体通路が、回転体側のピストン部材の端部領域に設けられるか又はその端部領域を形成するシール部材内の対応する圧力媒体通路に開口する実施形態にも関することが明らかである。
【0021】
特に、本発明は、少なくとも1つの圧力媒体通路は、回転体内に形成され、ピストン側の回転体の端面に開口し、ピストン部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路に関して、及び/又はシール部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路に関して、ピストン部材が第2の位置にある状態において、好ましくは外部雰囲気に対してシールされた流路又は流れ経路が、ピストン部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路から、回転体内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路まで形成されるように構成される実施形態にも関する。
【0022】
本発明に係る回転型伝達装置の好ましい実施形態によれば、ハウジング構造は、少なくとも1つの圧力媒体ポートを有し、この少なくとも1つの圧力媒体ポートを介して、制御圧力及び/又は作動圧力を、ピストン部材内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路に供給することができる。ここでは、少なくともピストン部材が第2の位置にある状態において、回転体側のピストン部材の端面の反対側のピストン部材の端面と、ハウジング構造の内壁との間に、圧力媒体分配通路が存在し、この通路内に、少なくとも1つの圧力媒体ポートが開口する。
【0023】
シール機構が、ピストン部材を圧力媒体分配通路に対してシールするように、ピストン部材に割り当てられることが好ましい。同様に、シール機構が、ピストン部材をハウジング構造に対してシールするように、ピストン部材に割り当てられる場合が有利である。
【0024】
本発明に係る回転型伝達装置の実施形態によれば、好ましくはばね部材等の形態である予付勢部材が、第1の位置においてピストン部材を予付勢するピストン部材に割り当てられる。予付勢力は、それに応じて調整することができることが有利である。
【0025】
本発明の実施形態によれば、ハウジング構造と、ピストン部材と、回転体側の端部領域に設けられたシール部材と、回転体とは、それぞれ環状体として形成され、ホイール軸に対して同軸に配置される。換言すれば、回転型伝達装置は、実質的に環状体として設計される。これにより、ドリルシャフト及びハブを必要とせずに駆動される車軸において使用することが可能となる。同時に、双方の変更に起因して、ホイールベアリングとホイールハブとの間の小さな設置空間が、設置場所として用いられる。
【0026】
これに関して、ピストン部材内に形成される少なくとも1つの圧力媒体通路は、環状通路として構成することもできる。従って、同じことが、回転体側又は回転体におけるピストン部材の端部領域にあるシール部材内の少なくとも1つの圧力媒体通路にも当てはまる。
【0027】
ピストン部材は、特に回転体側の端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる、空気作動式ピストン部材として形成することができることが有利である。ここでは、制御圧力は、ホイールハブ又はホイールハブの回転体に伝達される制御圧力及び/又は作動圧力に対応することができ、又は、制御圧力は、それに応じて、ハウジング構造における別個の制御圧力ポートを介して供給される。
【0028】
代替的に、ピストン部材は、電磁的に作動可能なピストン部材として形成することができることも想定可能であることが明らかである。
【0029】
実施形態によれば、本発明に係るシステムは、少なくとも3つの制御ユニット、シールプラグ、逆止弁、タイヤに対する接続部、プッシュロッドシール、ピストンばね、ピストンシール、通気ボア、及び回転型伝達装置に対する接続部を備える圧力選択制御モジュールを更に備える。
【0030】
少なくとも3つの制御ユニットのうちの少なくとも1つは、少なくとも3つの制御ユニットのうちの他の制御ユニットとは静止位置が異なる。この位置は、逆止弁の位置によって特徴付けられる。特に、本発明に係るシステムでは、少なくとも3つの制御ユニットのうちのこの少なくとも1つの制御ユニットにおける静止位置で、逆止弁のばねが予付勢され、それにより、この制御ユニットにおいて弁が閉鎖することが意図される。これに関して、本発明に係るこの例では、制御ユニットは、少なくとも3つの制御ユニットのうちの少なくとも1つの制御ユニットの規定の制御圧力(pSB)によって動くことができる。少なくとも3つの制御ユニットのうちの少なくとも1つの制御ユニットがこの位置にある結果、少なくとも3つの制御ユニットのうちの他の制御ユニットは、弁の開放位置を有する。
【0031】
圧力選択制御モジュールの少なくとも3つの制御ユニットは、対応するピストン表面積が同一であることを特徴とすることができる。これにより、少なくとも3つの逆止弁の少なくとも3つのばねが、制御圧力が連続的に上昇する場合、少なくとも3つの制御ユニットがタイヤ圧力入力からパージボア接続へと連続的に切り替わるように予付勢されることが保証される。
【0032】
「回転型伝達装置」又は「回転通路」という用語は、概して、出口に対するホイール/リムインサートの回転位置にかかわらず、制御圧力及び/又は作動圧力を伝達することを可能にする接続部を指す。
【0033】
本発明は、制御圧力及び/又は作動圧力を伝達する上述したタイプの回転型伝達装置がそれぞれ設けられる少なくとも2つの車両用ホイールを備える複トラック(multi-track)車両に対する圧力媒体供給システムを更に備える。
【0034】
上記に挙げた特徴及び以下に説明される特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、与えられた組合せだけでなく、他の組合せでも単独でも用いることができることが理解される。
【0035】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面を参照して、例示的な一実施形態の以下の記載によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】中央圧力媒体供給システムを備える車両の、図式的な大幅に簡略化された形式の上面図である。
図2図1の中央圧力媒体供給システムの一部の、図式的な大幅に簡略化された形式の空気回路図である。
図3】本発明に係る回転型伝達装置の例示的な一実施形態のホイールハブ側の上面図である。
図4図3の線A-Aに沿った図式的な断面図である。
図5図4から抜き出した図式的な拡大図である。
図6図5から抜き出した図式的な図であり、ここでは、本発明に係る回転型伝達装置の例示的な一実施形態は、非作動状態にある。
図7】圧力媒体供給システムにおける圧力選択制御モジュールの、図式的な大幅に簡略化された形式の空気回路図である。
図8】圧力選択制御モジュールの断面図である。
図9図8に記載の少なくとも3つの制御ユニットのうちの少なくとも1つにおける逆止弁の簡略図である。
図10図8に係る断面図であり、ここでは、例示的な一実施形態は、静止状態にある。
図11A図8に係る断面図であり、ここでは、例示的な一実施形態は、タイヤから圧力が解放される状態にある。
図11B図8に係る断面図であり、ここでは、例示的な一実施形態は、タイヤから圧力が解放される状態にある。
図11C図8に係る断面図であり、ここでは、例示的な一実施形態は、タイヤから圧力が解放される状態にある。
図11D図8に係る断面図であり、ここでは、例示的な一実施形態は、タイヤから圧力が解放される状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、車両10の図式的な大幅に簡略化された上面図を示している。図1は、自動車を例として示している。代替的に、車両10は、ユーティリティ車両又は概して陸上車両として設計することができることが理解される。本開示は、陸上車両に限定されない。例えば、走行装置を備える航空機における使用も想定可能である。
【0038】
車両10のシャーシ又はボディーが12で示されている。
【0039】
車両10は、車両の長手方向において互いにオフセットされた複数の車軸14-1、14-2を備える。図1に示されている車両10は、2軸車両である。多軸車両(3つの車軸又は4つの車軸を有して構成することができるトラック)だけでなく、単軸車両(例えば、セミトレーラー、トレーラー等)も、本開示の範囲に含まれることが理解される。
【0040】
車両10は、概して、動力車両として設計することができることが理解される。しかしながら、車両10は、特にトレーラー、セミトレーラー等の推進又は牽引される車両とすることもできる。図1に示されている車両10は、複トラック車両、特に2トラック車両である。しかしながら、本開示は、単トラック車両(オートバイ、スクーター等)にも関することができる。
【0041】
車両10は、4つの車両用ホイール16を備え、そのうちの2つが車軸14-1、14-2のそれぞれに割り当てられる。車両用ホイールは、時計回りに、16-1、16-2、16-3、16-4で示されている。
【0042】
車両10は、一体型(車載型)圧力媒体供給システム20を備える。圧力媒体供給システム20は、ブロック図によって、図1に図式的にのみ示されている。圧力媒体供給システム20は、ポンプ21の形態の圧力媒体供給装置と、圧力媒体中間貯蔵部22とを備える(図2における空気回路図を参照)。
【0043】
車両用ホイール16は、通常、圧力媒体を充填することができるタイヤを保持する。通常、タイヤには空気が充填される。しかしながら、タイヤに窒素等を充填することも想定可能である。車両用ホイール16のタイヤにおける圧力レベルを監視、制御、及び調整するために、圧力媒体供給システム20の中央型設計の圧力発生器において、各車両用ホイール16には、回転型伝達装置25(図2を参照)が設けられ、回転型伝達装置25を用いて、圧力媒体を、圧力媒体供給システム20の中央圧力発生器から車両用ホイール16に供給することができる。
【0044】
従って、圧力媒体供給システム20は、直接又は間接的に、電気的又は液圧式に、回転型伝達装置25に連結することができる。この連結は、電気エネルギーの伝達又は情報交換及び制御のために機能することもできる。
【0045】
一例として、圧力媒体供給システム20は制御装置26を備え、制御装置26は、信号処理ユニット20及びエネルギー貯蔵ユニット28を備えるか又は信号処理ユニット20及びエネルギー貯蔵ユニット28に連結される。制御装置26は、例えば、車両10の主エネルギー貯蔵ユニット(主バッテリー)に連結することができる。代替的に、別個のエネルギー貯蔵ユニット28を制御装置26に提供するか、或いは、別個のエネルギー貯蔵ユニット28を制御ユニット26に連結することが想定可能である。
【0046】
信号処理ユニット27は、全体的な車両制御システムの一部として設計することができる。代替的に、信号処理ユニット27は、別個のモジュールとして構成することができる。制御装置26は、圧力媒体が必要かどうかを確立するために、車両用ホイール16、特にタイヤの状態を監視するように構成される。これは、ホイール16におけるタイヤ圧力の直接又は間接的な監視によって行うことができる。従って、制御装置26は、ホイール16のタイヤ内の所望の圧力を達成するために、好ましくは空気式に又は代替的には電気的に、1つ以上の回転型伝達装置25を作動させるように構成することができる。
【0047】
代替的又は付加的に、回転型伝達装置25は、車両用ホイール16のタイヤ内の圧力に関して特定の目標状態又は目標範囲を自律的に維持するように構成することもできる。この動作状態では、外部の制御コマンドは必要としない。第1に、圧力制御のための中央制御信号を生成し、第2に、例えば緊急動作中、少なくとも部分的に分散された自律制御を可能にするという、組合せ形態も想定可能である。
【0048】
図1に示されている例によれば、圧力媒体供給システム20は、空気ライン29を介して、回転型伝達装置25に連結される又は連結することができる。ライン29は、特に、制御圧力及び/又は作動圧力を回転型伝達装置25に伝達するように構成される。加えて、ライン29は、情報、信号、測定値、パラメーター等を送信する電気ラインとして設計及び構成することもできる。いくつかのラインは、エネルギー伝達及び情報伝達のために設けることができることも理解される。
【0049】
図1によれば、圧力媒体供給システム20は、第1のライン29-1を介して第1の回転型伝達装置25-1に、第2のライン29-2を介して第2の回転型伝達装置25-2に、第3のライン29-3を介して第3の回転型伝達装置25-3に、第4のライン29-4を介して第4の回転型伝達装置25-4に接続される又は接続することができる。
【0050】
圧力媒体供給システム20は、車両10の動作中に、ホイール16のタイヤ内の圧力又は空気圧を調節するように構成される。従って、タイヤ内の圧力を調節するために車両10を減速又は停止する必要がない。その代わり、回転型伝達装置25は、車両用ホイール16と車両の車軸14との間の相対回転中でも圧力の変更を行うことができるように構成される。
【0051】
圧力媒体供給システム20の制御装置26は、圧力損失を検出するように構成され、この検出は、タイヤの損傷を識別することを含むことが好ましい。このために、例えば、特定の期間にわたる規定の圧力を、不具合又はタイヤ損傷の閾値として使用することができる。
【0052】
加えて、圧力媒体供給システム20は、ホイール16のタイヤ内の圧力を長期にわたって監視するように構成される。このようにして、ホイール16における季節的な(気温を原因とする)圧力変動又は自然な長期的圧力降下を検出及び補償することができる。圧力媒体供給システム20の更なる用途は、ホイール16内の圧力を目標どおりに調節することから得ることができる。例えば、このようにして、異なる負荷状態、車軸負荷、路面状態、天候条件等に応じることが可能である。
【0053】
図2は、図1に係る圧力制御式の回転型伝達装置の構想の回路図を図式的に示している。
【0054】
この例示的な実施形態に図式的に示されている中央制御ユニット(制御装置26)は、電源入力を有する対応するセンサー受信器を備える。制御ユニット26は、必要に応じて圧力媒体供給装置21を作動させるために、ポンプの形態の(中央)圧力媒体供給装置21に接続される。圧力媒体供給装置21の圧力側出力は、制御圧力及び/又は作動圧力を貯蔵する又は一時的に貯蔵するために、圧力アキュムレーター22に流体接続することができる。
【0055】
圧力アキュムレーター22又は圧力媒体供給装置21からの圧力側出力は、対応する圧力媒体ラインシステム29-1を介して、回転型伝達装置システムの制御圧力のための弁ブロック23に接続される。更なる圧力媒体ラインシステム29-2を介して、圧力アキュムレーター22又は圧力媒体供給装置21からの圧力側出力は、対応して割り当てられたホイールユニット6のタイヤの充填及び通気を保証するように、更なる弁ブロック24に接続される。対応する充填及び通気ラインは、弁ブロック23、24から、図2に図式的にのみ示されている回転型伝達装置25に通じる。この回転型伝達装置25は、ホイールベアリングと対応するホイールユニット6のハブとの間に圧力制御式回転型伝達装置を提供する。
【0056】
ここでは、点線で描かれているブロック内に収容される構成要素は、各ホイールユニット6に必要な構成要素をなすことが留意される。
【0057】
制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ1に支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置25の例示的な設計は、図3図6を参照して以下により詳細に説明される。回転型伝達装置25のこの例示的な実施形態は、例えば、図1に示されている圧力媒体供給システム20において用いることができる。
【0058】
詳細には、図3は、本発明に係る回転型伝達装置25の例示的な実施形態のホイールハブ側の上面図を示している。
【0059】
図4は、図3の線A-Aに沿った図式的な断面図を示している。ここでは、回転型伝達装置25は、圧力作動状態にある。図5は、図4から抜き出した図式的な拡大図を示している。
【0060】
図6は、図5から抜き出した部分を図式的に示している。ここでは、本発明に係る回転型伝達装置25の例示的な実施形態は、非作動状態にある。
【0061】
簡潔には、本発明に係る回転型伝達装置25の例示的な実施形態は、ピストン部材3が、ハウジング構造2に対して第1の位置と第2の位置との間で変位可能であるように収納されるハウジング構造2を備える。同時に、ピストン部材3は、ハウジング構造2に対してホイール軸14の周りに回転するように取り付けられるホイールハブ1の回転体4に対して変位可能であるようにも構成される。
【0062】
少なくとも1つの圧力媒体通路5(図面ではちょうど1つ)が、制御圧力及び/又は作動圧力を伝達するピストン部材3内に形成される。
【0063】
非作動状態(図6を参照)では、ピストン部材3は、第1の位置にあり、この位置では、回転体側のピストン部材3の端面6とピストン側のホイールハブ1の回転体4の端面7との間に空隙Sが存在する。
【0064】
一方、回転型伝達装置25の圧力作動状態では、ピストン部材3は、第2の位置にあり、この位置は、回転体側のピストン部材3の端面6とピストン側のホイールハブ1の回転体4の端面7との間に空隙が存在せず、ピストン部材3の少なくとも1つの圧力媒体通路5が、回転体4(図4、5を参照)内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5に(外部雰囲気に対して)シールされた状態で開口する。
【0065】
図7に係る圧力選択制御モジュールは、空気ラインを介して、圧力媒体供給システムAとタイヤBとの間の接続を形成する。例示的な実施形態では、圧力選択制御モジュールは、少なくとも3つの制御ユニットと、少なくとも3つの制御ユニットのうちの少なくとも1つに埋め込まれ、ばねによって動きを設定することができる少なくとも1つの制御ピストン18とからなる。
【0066】
図7によれば、圧力選択制御モジュールは、圧力媒体供給システムによって調節される圧力供給を監視する。このために、タイヤ圧力は、タイヤが転がる表面の抵抗に適合することができるように設定することができる。従って、例えば、濡れた道路では、タイヤ圧力は、車両に良好なグリップ性を与えるように適合することができる。
【0067】
例示的な実施形態の簡略図が、図11A図11B図11C、及び図11Dに示されている。図11Aは、例示的な実施形態の静止状態を示している。この位置では、少なくとも3つの制御ユニットのうちの1つ、例えば、図11Aの例における制御ユニット14は、予付勢されたばね部材を備えるが、他の制御ユニット12及び15は、付勢されていないばね部材を備える。この例示的な実施形態におけるこの静止状態は、少なくとも1つの開放制御ユニットに対応し、少なくとも2つの制御ユニットは閉鎖している。そのような状態は、空気がタイヤに供給されることも空気がタイヤから排気されることも可能にしない。
【0068】
例示的な実施形態において閉鎖された制御ユニット14は、受け取ったタイヤ圧力を大気に放出する通気ボア22も有する。これにより、制御ポート23に接続される制御ユニット15は、圧力選択制御モジュールを介してタイヤに搬送することができる空気を受け取ることができる。
【0069】
例示的な実施形態の図11Bは、圧力選択制御モジュールの少なくとも3つの制御ユニットのうちの少なくとも2つが開放しており、少なくとも1つの制御ユニットが閉鎖している状態を示している。図11Bによれば、制御ユニット15は、閉鎖位置にある。この状態では、タイヤからの空気は、大気中に放出することができる。これにより、車両のタイヤ圧力が低減する。制御ユニット12の位置は、ここでは、制御ユニット14の位置に対応する。
【0070】
図11Cにおける例示的な実施形態に係る圧力選択制御システムの別の可能性は、いわゆる係止が生じる状態に対応する。この実施形態のこの状態は、タイヤに接続された制御ユニット12が開放し、他の制御ユニットが閉鎖する位置に対応する。この係止状態では、タイヤから出る空気を大気に放出することが可能であるが、空気をタイヤに供給することはできない。
【0071】
図11Dに示されている例示的な実施形態は、タイヤへの空気の供給を示している。この状態は、制御ユニット12及び15が開放しており、制御ユニット14が閉鎖していることを特徴とする。制御ユニット14が閉鎖しており、制御ユニット15が開放していることにより、制御ポートAから導かれる空気供給は、制御ユニット12がタイヤポート16に接続されているため、タイヤに入る。
【0072】
図面に示されているように、本発明に係る回転型伝達装置25の例示的な実施形態では、特に、回転体側の端部領域において、ピストン部材3が、少なくとも一部の領域で回転体側のピストン部材3の端面6を形成するとともに、少なくとも1つの圧力媒体通路9が形成されるシール部材8を備えることが意図される。シール部材8内に形成される少なくとも1つの圧力媒体通路9は、ピストン部材3内に形成された圧力媒体通路4に対して軸方向に構成され、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5に開口することが好ましい。
【0073】
特に、本発明に係る、図面に示されている回転型伝達装置25の例示的な実施形態では、シール部材8内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路9は、少なくとも回転体側の端面6において、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5の直径よりも大きい直径を有することが意図される。
【0074】
既に示したように、本発明に係る、図面に示されている回転型伝達装置25の例示的な実施形態では、少なくとも1つの圧力媒体通路11もホイールハブ1の回転体4内に形成される。上記通路は、ピストン側の回転体4の端面7に開口し、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5に関して、又はシール部材8内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路9に関して、ピストン部材3が第2の位置(図4、5を参照)にある状態において、好ましくは外部雰囲気に対してシールされる流路又は流れ経路が、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5から、回転体4内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路11まで形成されるように構成される。
【0075】
本発明に係る回転型伝達装置25のハウジング構造2は、少なくとも1つの圧力媒体ポート13を更に有し、この圧力媒体ポート13を介して、制御圧力及び/又は作動圧力を、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5に供給することができる。少なくともピストン部材3が第2の位置にある状態、すなわち、圧力作動された回転型伝達装置の状態(図4、5を参照)では、圧力媒体分配通路15が、回転体側のピストン部材3の端面6の反対側のピストン部材3の端面と、ハウジング構造2の内壁との間に存在し、この通路には、少なくとも1つの圧力媒体ポート13が開口する。
【0076】
これに関して、ピストン部材3を圧力媒体分配通路50に対してシールするために、シール機構30がピストン部材3に割り当てられる場合が有利である。同様に、図面に示されている例示的な実施形態では、ピストン部材3をハウジング構造2に対してシールするために、(更なる)シール機構31がピストン部材3に割り当てられることが意図される。
【0077】
ハウジング構造2と、シール部材8が回転体側の端部領域に設けられたピストン部材3と、回転体4とは、それぞれ環状に形成され、ホイール軸14に対して同軸に配置される。従って、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5は、環状通路として構成される。従って、同じことが、回転体側のピストン部材3の端部領域に設けられたシール部材8内に形成された圧力媒体通路9、及びホイールハブ1の回転体4内の少なくとも1つの圧力媒体通路11にも当てはまる。
【0078】
図面に示されている例示的な実施形態では、ピストン部材は、空気作動式のピストン部材3として構成され、このピストン部材3は、特に回転体側の端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加することによって、第2の位置に移行する。
【0079】
これに関して、予付勢部材(図面には示されていない)は、ピストン部材3を第1の位置に戻す又は予付勢するために、ピストン3に割り当てられることが想定可能である。予付勢部材は、ばね部材等を含むことが好ましい。
【0080】
空気作動式ピストン部材3は、好ましくは制御圧力によって第1の位置又は第2の位置に移行し、それにより、この制御圧力が圧力媒体分配通路15に供給される。このために、対応する制御圧力ポート18がハウジング構造2内に形成される場合が有利である。
【0081】
本発明に係る、図面に示されている例示的な実施形態では、特に、ピストン部材3は、特に回転体側の端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる、空気作動式ピストン部材として形成されることが意図される。このために、特に、ピストン部材3は、対応する制御圧力を印加することによって、ハウジング構造2及び回転体4に対して可動であり、特に、この制御圧力は、回転型伝達装置25によって伝達される制御圧力及び/又は作動圧力とは異なることが意図される。従って、これにより、ピストン部材3は、伝達される制御圧力及び/又は作動圧力とは独立して作動することができ、それにより、回転型伝達装置が、制御圧力及び/又は作動圧力をホイールハブ1又はホイールハブ1に支持された車両用ホイールに伝達するだけでなく、ホイールハブ1又はホイールハブ1に支持された車両用ホイールから伝達することも可能になることが有利である。特に、ピストン部材3は、伝達される制御圧力及び/又は作動圧力とは完全に独立して位置決めすることができる。
【0082】
図面に示されている例示的な実施形態では、このために、必要に応じて、ピストン部材3に対する制御圧力を、ピストン部材3に割り当てられた制御室19に供給する及び制御室19から放出するために、上述の制御圧力ポート18が設けられる。制御室19は、少なくとも一部の領域において、ピストン部材3の側面によって形成される。この側面は、回転体側のピストン部材3の端面6の反対側に位置することが好ましい。一方、ピストン部材3の他の側面は、制御室19の境界を定めるのに用いることができることが明らかである。
【0083】
特に、本発明に係る、図面に示されている回転型伝達装置25の実施形態では、制御室は、ピストン部材3内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路5から気密に分離される。
【0084】
しかしながら、代替的に、空気作動式ピストン部材3は、伝達される作動圧力によって対応する第2の位置に移行することができ、この作動圧力は、圧力媒体ポート13を介して圧力媒体分配通路15に供給されることも想定可能である。
【0085】
従って、要約すると、本発明は、車両の個々のホイールのタイヤ圧力を増減させることができるタイヤ圧力制御システムに関する。このシステムは、非使用時にはシール部材が接触せず、従って摩耗が生じないように変更された圧縮空気回転型伝達装置システムを含む。回転型伝達装置システムは、環状体として形成されることが好ましい。このようにして、シャフト及びハブに穴を開ける又は別様に変更する必要なく駆動される車軸を用いることが可能になる。同時に、双方の変更に起因して、ホイールベアリングとホイールハブ1との間の僅かな設置空間が設置場所として用いられる。単一の通路システム又は複数の圧力通路における異なる制御圧力レベルを使用することにより、ホイール側の制御機能を、電気弁を必要とせずに実現することができる。上記変更は、非使用時に摩擦が生じないことも確実にする。
【0086】
本発明に係るシステムは、特に、環状ハウジング(ステーター)と、任意に径方向又は軸方向に配置されたシール部材を備える環状ピストンと、シール部材に対する任意に径方向又は軸方向における接触面も有する回転体4(ローター)とを備える。システムは、必要に応じて1つ以上の通路を有して構成することができる。制御圧力が回転体4(ローター)に伝達される場合、環状ピストンは、必要に応じて、同じ又は別個の制御圧力に接触することができる。シール部材が回転体4に接触した後、摩耗に対して最適化された異なる圧力及び圧力レベルを伝達することができる。また、軸方向にシールされる変形形態では、設計されたピストン行程の長さにより、シール部材の摩耗体積を補償し、回転型伝達装置25の長寿命及び機能を保証することが可能である。別個の切替え可能な圧力がピストン行程に用いられる場合、ピストンは、目的の状態に戻ることもできる。このために、ピストンの作動室は、空気伝達中に通気される。ここで、伝達される空気の圧力は、シールリップによって包囲される領域に伴って、ピストンを完全に戻すことができる。
【0087】
本発明に係るシステムは、別個の制御圧力及び/又は作動圧力を車両用ホイールに伝達するタイヤ圧力制御システムの一部として設計及び構成される。加えて、システムは、タイヤ圧力及び/又はタイヤ温度を検出し、検出された単数又は複数の値を制御装置に伝達するように構成される。さらに、システムは、必要に応じて、車両用ホイールに接続されたタイヤを充填又は排気するように構成される。
なお、本発明は以下の特徴を以って実施することができる。
[特徴1]
制御圧力及び/又は作動圧力を、ホイールハブ(1)又は該ホイールハブ(1)に支持された車両用ホイールに伝達する回転型伝達装置において、該回転型伝達装置(25)は、ハウジング構造(2)を有し、該ハウジング構造(2)内では、ピストン部材(3)が、前記ハウジング構造(2)に対して、及び前記ハウジング構造(2)に対してホイール軸(14)の周りに回転するように取り付けられた前記ホイールハブ(1)の回転体(4)に対して、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、前記制御圧力及び/又は前記作動圧力を伝達するために、少なくとも1つの圧力媒体通路(5)が前記ピストン部材(3)内に形成され、該ピストン部材(3)の前記第1の位置では、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の端面(6)と、前記ピストン部材側の前記回転体(4)の端面(7)との間に空隙(S)が存在し、一方、前記ピストン部材(S)の前記第2の位置では、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)と、前記ピストン部材側の前記回転体(4)の前記端面(7)との間に空隙が存在せず、前記ピストン部材(3)の前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)が、前記回転体(4)内に形成された少なくとも1つの圧力媒体通路(11)にシールされた状態で開口する回転型伝達装置(25)。
[特徴2]
前記ピストン部材(3)は、対応する制御圧力を印加することによって、前記ハウジング構造(2)及び前記回転体(4)に対して可動であり、前記制御圧力は、伝達される前記制御圧力及び/又は前記作動圧力とは異なる特徴1に記載の回転型伝達装置(25)回転型伝達装置。
[特徴3]
制御圧力を前記ピストン部材(3)に割り当てられた制御室(19)に供給する及び該制御室(19)から放出するように、制御圧力ポート(18)が設けられる特徴2に記載の回転型伝達装置(25)回転型伝達装置。
[特徴4]
前記制御室(19)は、少なくとも一部の領域において、好ましくは前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)の反対側の前記ピストン部材(5)の側面によって形成される特徴3に記載の回転型伝達装置(25)回転型伝達装置。
[特徴5]
前記制御室(19)は、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)とは気密に分離される特徴3又は4に記載の回転型伝達装置(25)回転型伝達装置。
[特徴6]
前記回転体側の端部領域において、前記ピストン部材(3)は、シール部材(8)を備え、該シール部材(8)は、少なくとも一部の領域において、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)を形成し、好ましくは、前記ピストン部材(3)内に形成された前記圧力媒体通路(5)に対して軸方向に構成され、前記ピストン部材(3)内に形成された前記圧力媒体通路(5)に開口する少なくとも1つの圧力媒体通路(9)が形成される特徴1に記載の回転型伝達装置(25)回転型伝達装置。
[特徴7]
前記シール部材(8)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(9)は、少なくとも前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端面(6)において、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)の前記直径よりも大きい直径を有する特徴2に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴8]
少なくとも2つの圧力媒体通路が、前記ピストン部材(3)内に形成され、前記シール部材(8)内の対応する圧力媒体通路に開口する特徴2又は3に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴9]
少なくとも1つの圧力媒体通路(11)は、前記回転体(4)内に形成され、前記ピストン側の前記回転体(4)の前記端面(7)に開口し、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)に関して、及び/又は前記シール部材(8)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(9)に関して、前記ピストン部材(3)が第2の位置にある状態において、好ましくは前記外部雰囲気に対してシールされた流路が、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)から、前記回転体(4)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(11)まで形成されるように構成される特徴1~4のいずれか1項に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴10]
前記ハウジング構造(2)は、少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)を有し、該少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)を介して、制御圧力及び/又は作動圧力を、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)に供給することができ、少なくとも前記ピストン部材(3)が第2の位置にある状態において、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の端面(6)の反対側の前記ピストン部材(3)の端面と、前記ハウジング構造(2)の内壁との間に、圧力媒体分配通路(15)が存在し、該通路内に、前記少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)が開口する特徴1~4のいずれか1項に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴11]
シール機構(30)が、前記ピストン部材(3)を前記圧力媒体分配通路(15)に対してシールするように、前記ピストン部材(3)に割り当てられ、及び/又は、シール機構(31)が、前記ピストン部材(3)を前記ハウジング構造(2)に対してシールするように、前記ピストン部材(3)に割り当てられる特徴7に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴12]
予付勢部材が、前記ピストン部材(3)を第1の位置に予付勢するように前記ピストン部材(3)に割り当てられ、前記予付勢部材は、好ましくはばね部材を含む特徴1~4のいずれか1項に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴13]
前記ハウジング構造(2)と、前記ピストン部材(3)と、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端部領域にある前記シール部材(8)と、前記回転体(4)とは、それぞれ環状体として形成され、前記ホイール軸(14)に対して同軸に配置される特徴1~4のいずれか1項に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴14]
前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)は、環状通路として構成される特徴1~4のいずれか1項に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴15]
前記ピストン部材(3)は、特に前記回転体側の前記端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる、空気作動式ピストン部材(3)として形成され、又は、前記ピストン部材(3)は、電磁作動式ピストン部材(3)として形成される特徴1~4のいずれか1項に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴16]
前記ハウジング構造(2)は、少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)を有し、該少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)を介して、制御圧力及び/又は作動圧力を、前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)に供給することができ、少なくとも前記ピストン部材(3)が第2の位置にある状態において、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の端面(6)の反対側の前記ピストン部材(3)の端面と、前記ハウジング構造(2)の内壁との間に、圧力媒体分配通路(15)が存在し、該通路内に、前記少なくとも1つの圧力媒体ポート(13)が開口する特徴5に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴17]
予付勢部材が、前記ピストン部材(3)を第1の位置に予付勢するように前記ピストン部材(3)に割り当てられ、前記予付勢部材は、好ましくはばね部材を含む特徴6又は7に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴18]
前記ハウジング構造(2)と、前記ピストン部材(3)と、前記回転体側の前記ピストン部材(3)の前記端部領域にある前記シール部材(8)と、前記回転体(4)とは、それぞれ環状体として形成され、前記ホイール軸(14)に対して同軸に配置される特徴6又は7に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴19]
前記ピストン部材(3)内に形成された前記少なくとも1つの圧力媒体通路(5)は、環状通路として構成される特徴6又は7に記載の回転型伝達装置(25)。
[特徴20]
前記ピストン部材(3)は、特に前記回転体側の前記端面とは反対側の端面に、対応する制御圧力を印加すると、第2の位置に移行することができる、空気作動式ピストン部材(3)として形成され、又は、前記ピストン部材(3)は、電磁作動式ピストン部材(3)として形成される特徴6又は7に記載の回転型伝達装置(25)。
【符号の説明】
【0088】
1 ホイールハブ
2 ハウジング構造
3 ピストン部材
4 回転体
5 圧力媒体通路
6 端面
7 端面
8 シール部材
9 圧力媒体通路
10 車両
11 圧力媒体通路
12 制御ユニット
13 圧力媒体ポート
14 制御ユニット
15 制御ユニット
16 ホイール
18 制御ピストン
19 制御室
20 圧力媒体供給システム
21 圧力媒体供給装置
22 圧力アキュムレーター
23 弁ブロック
24 弁ブロック
25 回転型伝達装置
26 制御装置ト
27 信号処理ユニット
28 エネルギー貯蔵ユニット
29 空気ライン
30 シール機構
31 シール機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D