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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】側方流動体液検査システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
G01N33/543 521
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2022507885
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 GB2020051341
(87)【国際公開番号】W WO2021023960
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】1911376.0
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1911371.1
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1911372.9
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1911373.7
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522051362
【氏名又は名称】テストカード リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TESTCARD LTD.
【住所又は居所原語表記】47 Cayley Lane Brompton By Sawdon YO13 9DL United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーク ヘロン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ボサム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ヒューイット
【審査官】海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-010943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0077091(US,A1)
【文献】特開2016-125875(JP,A)
【文献】特開2015-197399(JP,A)
【文献】特開2012-225864(JP,A)
【文献】特表2018-525613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方流動体液検査システムであって、
本体部分と、前記本体部分上のQRコードと、前記本体部分の第1の表面に組み合わされた1または複数の側方流動検査ストリップとを有するアプリケーション分析可能な体液検査装置であって、前記1または複数の側方流動ストリップは、体液中の身体状態のインジケータに感応し、前記1または複数の側方流動ストリップはそれぞれ、分析領域に接続された液体取り込み領域を有する、体液検査装置と、
カメラと、1または複数のプロセッサを有する電子デバイスであって、前記1または複数のプロセッサは、
前記電子デバイスの前記カメラを用いて、前記体液検査装置の画像データを取得し、
前記画像データにおける前記QRコードの位置を決定し、
前記QRコードの決定された位置に基づいて、前記1または複数の側方流動ストリップの前記分析領域の位置を決定し、
1または複数の身体状態のインジケータが塗布された体液中に存在するか否かを判定するために、前記分析領域の前記決定された位置における前記画像データを用いて、前記体液検査装置に塗布された体液の検査を実行し、
1または複数の身体状態のインジケータが前記塗布された体液中に存在するか否を示す結果を出力する、
ように構成された電子デバイスと、
を有する、側方流動体液検査システム。
【請求項2】
前記本体部分は、保持領域を有し、
前記保持領域は、前記1または複数の側方流動ストリップに体液を塗布する場合、および、前記装置の画像データを撮影する場合の両方においてユーザによって保持可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記保持領域は、前記保持領域によって前記装置を保持するように、前記装置のユーザに示す指標を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記本体部分は、実質的に平面である、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記1または複数の側方流動検査ストリップのそれぞれの前記液体取り込み領域の少なくとも一部は、前記本体部分の前記第1の表面の縁部上に延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記1または複数の側方流動検査ストリップは、互いに分離され、共通の保持領域にて組み合わされた複数の側方流動検査ストリップを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の側方流動検査ストリップは、体液中の異なる状態のインジケータに対して検査を行うように配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1または複数の側方流動ストリップは、前記1または複数の側方流動ストリップに塗布された体液中の1または複数の薬物のインジケータの存在を検出するように配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記体液は、尿である、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは更に、
前記体液の前記検査を実行する際に、前記1または複数のラインが、前記1または複数の側方流動ストリップの前記分析領域に存在するか否かを判定する、
ように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは更に、
それぞれの前記分析領域に所定の検査ラインが現れる各側方流動ストリップについて、インジケータが前記体液中に存在することの肯定的な結果を出力し、
それぞれの前記分析領域に所定の検査ラインが現れない各側方流動ストリップについて、インジケータが前記体液中に存在しないことの否定的な結果を出力する、
ように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1または複数のプロセッサは更に、所定の検査ラインが存在することを判定することに応答して、前記1または複数のラインの強度を判定する、ように構成される、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
画像データを取得する前に、前記1または複数のプロセッサは更に、
前記電子デバイスの前記カメラを用いて、前記電子デバイスのディスプレイ上に、前記体液検査装置のライブ画像を表示し、
前記ライブ画像と共に、前記電子デバイスの前記ディスプレイ上にウィンドウを表示させ、前記体液検査装置は、前記ウィンドウにて位置合わせ可能である、
ように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記1または複数のプロセッサは更に、
前記体液検査装置が前記ウィンドウに位置合わせされたことを特定することに応答して、前記体液検査装置の前記画像データを自動的に撮影する、
ように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1または複数のプロセッサは更に、
前記体液検査装置上に配置された、前記QRコードの位置、1または複数のアンカーポイント、および/または、アンカーバーの決定された位置に基づいて、前記1または複数の側方流動ストリップの前記分析領域の位置を判定する、
ように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記QRコードは、前記本体部分の前記第1の表面上に配置される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記本体部分は更に、前記本体部分の前記第1の表面上に配置された1または複数のアプリケーション検出可能なアンカーポイントを有し、
前記1または複数のプロセッサは更に、
前記画像データにおける前記1または複数のアンカーポイントの位置を判定する、
ように構成される、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1または複数のアンカーポイントは、前記分析領域の近くに位置する複数のアンカーポイントを有し、
前記アンカーポイントのうちの1つは、他のアンカーポイントとは異なる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1または複数のアンカーポイントは、前記本体部分の前記第1の表面上に存在する指標を含む、請求項17または18に記載のシステム。
【請求項20】
前記本体部分は更に、実質的に中心の位置における前記本体部分の前記第1の表面に配置されたアンカーバーを有し、
前記1または複数のプロセッサは更に、
前記画像データにおける前記アンカーバーの位置を決定する、
ように構成される、請求項15から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記1または複数のプロセッサは更に、
前記QRコードを走査し、
前記QRコードから、前記装置が配置された検査の種類に関連する装置情報を判定する、
ように構成される、請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
側方流動体液検査システムにおいて体液を検査する方法であって、
電子デバイスのカメラにより、本体部分、前記本体部分上のQRコード、および前記本体部分の第1の表面に結合された1または複数の側方流動ストリップを有するアプリケーション分析可能な体液検査装置の画像データを取得することであって、前記1または複数の側方流動ストリップは、体液中の身体状態のインジケータと感応し、前記1または複数の側方流動ストリップはそれぞれ、分析領域に接続された液体取り込み領域を有する、ことと、
前記電子デバイスにより、前記画像データにおける前記QRコードの位置を決定することと、
前記電子デバイスにより、前記QRコードの決定された位置に基づいて、前記1または複数の側方流動ストリップの前記分析領域の位置を決定することと、
前記電子デバイスにより、1または複数の身体状態のインジケータが塗布された体液中に存在するか否かを判定するために、前記分析領域の前記決定された位置における前記画像データを用いて、前記体液検査装置に塗布された体液の検査を実行することと、
前記電子デバイスにより、1または複数の身体状態のインジケータが前記塗布された体液中に存在するか否かを示す結果を出力することと、
を有する、方法。
【請求項23】
前記体液の検査を実行することは、
前記電子デバイスにより、1または複数のラインが、前記1または複数の側方流動ストリップの分析領域に存在するか否かを判定することを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記結果を出力することは、
それぞれの前記分析領域に所定の検査ラインが現れる各側方流動ストリップについて、インジケータが前記体液中に存在することの肯定的な結果を出力することと、
それぞれの前記分析領域に所定の検査ラインが現れない各側方流動ストリップについて、インジケータが前記体液中に存在しないことの否定的な結果を出力することと、
を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は更に、所定のラインが存在することを判定することに応答して、
前記アプリケーションにより、前記1または複数のラインの強度を判定する、
ことを有する、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記画像データを取得する前に、前記方法は更に、
前記電子デバイスのディスプレイにより、前記電子デバイスの前記カメラを用いて前記体液検査装置のライブ画像を表示することと、
前記電子デバイスの前記ディスプレイにより、前記ライブ画像と共にウィンドウを表示することであって、前記体液検査装置は前記ウィンドウにて位置合わせ可能である、ことと、
を有する、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記体液検査装置が前記ウィンドウに位置合わせされたことを特定することに応答して、前記体液検査装置の前記画像データを自動的に撮影すること、を更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は更に、
前記体液検査装置上の、前記QRコードの前記決定された位置、および、1または複数のアンカーポイント、および/または、アンカーバーの決定された位置に基づいて、前記1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を判定すること、
を更に有する、請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は更に、
前記画像データにおける前記1または複数のアンカーポイントの位置を判定すること、
を更に有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は更に、
前記画像データにおける前記アンカーバーの位置を判定すること、
を更に有する、請求項28から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は更に、
前記アプリケーションにより、前記体液検査装置上の前記QRコードを走査することと、
前記アプリケーションにより、前記QRコードから、前記装置が配置されたテストの種類に関連する装置情報を判定することと、
を更に有する、請求項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
プロセッサによって実行された際に、前記プロセッサに請求項22から31のいずれかの方法の工程を実行させるための命令が格納された非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体液検査装置に関し、より具体的には、デバイスベースによるアプリケーションを用いて分析を行うことの可能な体液検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
尿などの体液は、典型的には、病院などの医療施設で検査が行われる。このような検査は、患者が医師の診察室または病院を訪れて体液のサンプルを入れ、結果を待つことを必要とする。多くの場合、結果を待つのに数日かかることがある。
【0003】
アプリケーション分析可能な従来技術の検査装置は、分析を実行するために平坦な表面上に置かれる必要がある。これにより、体液による表面の汚染と、表面に付着した汚染物質による繊細な検査装置の汚染の両方を引き起こす可能性がある。また、アプリケーション分析可能な従来技術の検査装置は、検査装置の下に配置される基準カラーパッドを必要とするが、このような二部構成のシステムでは効率的なパッケージングと保管を行うことができない。また、アプリケーション分析可能な従来技術の検査装置は、検査装置上での基準色の提示を必要とし、これによって装置が大型化し、装置の効率的なパッケージングと保管を行うことが妨げられる。
【0004】
体液検査を目的とした、利用者にとってより使いやすく、効率的なプロセスを提供することが求められている。したがって、本発明は、このような課題に対処することを目的とする。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様は、アプリケーション分析可能な体液検査装置を提供し、該装置は、
体液中の身体状態のインジケータに感応する少なくとも1つの検査領域であって、デバイス上で関連付けられたアプリケーションによって画像データが撮影可能および分析可能な検査領域と、
少なくとも1つの検査領域に対する体液の塗布の間、およびデバイス上でのアプリケーションを用いて少なくとも1つの検査領域に塗布された体液を分析するための画像データの撮影の間、ユーザが保持すべき装置の領域を示す保持標識と、
を備える。
【0006】
このようにして、装置のユーザは、尿などの体液を装置の検査領域に塗布し、デバイス上で実行可能なアプリケーションを用い、検査領域に塗布された体液を分析するために電子デバイスによって画像データを撮影することができ、体液を塗布して分析をする間に装置を下に置いたり、表面に置いたりする必要がない。これは、表面からの装置への汚染を防止すると共に、装置に塗布される体液からの表面への汚染を防止する。これにより、衛生も改善する。好ましくは、デバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイルデバイスであってもよい。好ましくは、検査領域は、色変化パッド検査領域であってもよく、変色変化パッド検査領域は、とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、および妊娠期合併症を含む状態に関連する体液インジケータを検査するのに適していてもよい。あるいは、検査領域は、側方流動検査領域であってもよく、側方流動検査領域は、とりわけ妊娠検査、薬物誤用、ならびに排卵の健康、前立腺特異的抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態でのホルモンまたは抗体の検査に関連する体液インジケータの検査に適していてもよい。
【0007】
好ましくは、保持標識は、装置の表面に配置された標識を備える。
【0008】
このようにして、標識は、最適な使用のために装置のどこを保持するべきかをユーザに案内する。
【0009】
好ましくは、保持標識は、保持標識によって装置を保持するようにユーザを案内する指示テキストを含む。
【0010】
これにより、ユーザは装置の最適な持ち方を指示され、それに従うことができる。
【0011】
好ましくは、保持標識は、指示テキストを包含する閉じた形状をさらに備える。
【0012】
このようにして、最適な使用のために装置を最もよく保持する場所の正確な位置が、ユーザに伝えられる。
【0013】
好ましくは、指示テキストは、ユーザが保持標識上に親指を置くことを示す。
【0014】
好ましくは、保持標識および少なくとも1つの検査領域は、両方とも、装置の同じ表面上に配置される。
【0015】
このようにして、装置の回転とユーザの手首のひねりをなくして、使い勝手が改善される。
【0016】
好ましくは、保持標識は、装置の表面上に印刷、エンボス加工、またはデボス加工された標識のうちの少なくとも1つである。
【0017】
このようにして、保持標識がユーザに明確に提示されることで使い勝手が良くなり、意図しない誤操作の可能性を低減する。
【0018】
好ましくは、装置は平面形状である。
【0019】
このようにして、装置を効率的にパッケージングすることで、最小限のスペースで済ませることができる。これは、装置が従来のレターボックスを通して投函することを可能にするので、郵便での配達に特に有利である。
【0020】
好ましくは、保持標識は、装置の端部に配置される。
【0021】
このようにして、装置のユーザは、衛生的に体液を装置に塗布し、その後、手で検査領域を不明瞭にすることなく、デバイス上のアプリケーションを使用して、装置の写真または走査などの画像データを撮影することができる。さらに、保持標識の位置は、ユーザが、装置を中間に置くことなく両方の動作を実行することを促し、それによって、衛生の改善に寄与し、汚染の危険性を低減する。
【0022】
好ましくは、装置は、支持構造をさらに備え、保持標識は、支持構造上にあり、少なくとも1つの検査領域は、支持構造のウィンドウに取り付けられる。
【0023】
このようにして、既存の技術を使用する検査領域を支持構造に取り付けて、装置を形成することができる。さらに、支持構造の単一の設計は、様々な異なる種類の検査領域に使用することができ、すなわち、異なる状態に関連する異なる種類の検査領域を、支持構造の単一の設計に取り付けることができる。異なる状態を検査するために設計された製造装置間では、検査領域の種類および支持構造上に提示された任意の情報のみを変更する必要がある。これにより、製造上の検討事項が簡素化され、合理化される。別の利点では、ウィンドウは、少なくとも1つの検査領域が支持構造の表面と同一平面であることを可能にし、その結果、装置は、一貫した全体的な表面プロファイルまたは高さを有する。
【0024】
好ましくは、装置は、ユーザによる体液排出の際に、体液が装置に直接塗布されるように配置される。
【0025】
このようにして、検査領域と接触する前に体液が汚染される危険性はない。好ましくは、このような構成では、検査領域は、色変化パッド検査領域であってもよい。色変化パッド検査領域は、とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、および妊娠期合併症を含む状態に関連する体液インジケータを検査するのに適し得る。
【0026】
好ましくは、装置は、体液が収容されている容器の中に浸漬されることによって体液が塗布されるように配置される。
【0027】
好ましくは、そのような構成では、検査領域は、色変化パッド検査領域または側方流動検査領域であってもよい。色変化パッド検査領域は、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、および妊娠期合併症を含む状態に関連する体液インジケータを検査するのに適している。側方流動検査領域は、とりわけ、妊娠検査、薬物誤用に関連する体液インジケータの検査、ならびに排卵健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態でのホルモンまたは抗体の検査に適している。
【0028】
このようにして、装置のユーザは、例えば、装置に直接体液を排出することができない場合、または第三者のためにプロセスを実行している場合に、装置を体液サンプルに浸漬することができる。これにより、使い勝手が向上する。
【0029】
好ましくは、少なくとも1つの検査領域は、複数の検査領域を含む。
【0030】
好ましくは、複数の検査領域の各検査領域は、異なる状態において検査するように設計されてもよい。このようにして、体液の単回の塗布を使用して、複数の状態に関するインジケータの存在を特定することができる。例えば、薬物乱用を特定する場合、複数の検査領域はそれぞれ異なる種類の薬物に関するものであってもよく、単回の体液の塗布により、被験体の身体システムに複数の種類の薬物が存在するかどうかを検査するのに用いることができる。
【0031】
好ましくは、装置は、装置の表面に配置された機械可読ラベルをさらに備える。
【0032】
このようにして、デバイス上で実行可能な単回の塗布は、異なる状態に関連する複数の検査のための分析を実行するように構成することができ、アプリケーションは、デバイスのカメラによって撮影された機械可読ラベルの画像データから、実行中の検査の種類を決定することができる。分析プロセスを実行する前に検査の種類を決定することは、アプリケーションが分析すべきものをより迅速に特定することができるので、分析プロセスを促進することができる。好ましくは、機械可読ラベルは、QRコード(登録商標)であってもよい。機械可読ラベルまたは情報は、検査領域または感受性領域の位置を特定するのを助けるアンカーポイントとして、照明条件検査で使用するためのバッチ番号および有効期限を含むLOT情報を提供し、製造日を特定し、一意のID文字列を提供するために、使用することも可能である。好ましくは、機械可読ラベルおよび検査領域は、装置の同じ表面上に配置されてもよい。
【0033】
好ましくは、装置は、装置に組み込まれた完全性チェックをさらに備える。
【0034】
このようにして、使用前に、装置が前に使用されているか、不正操作されたか、または損傷を受けているかを、判定することができる。
【0035】
好ましくは、完全性チェックは水分識別子である。
【0036】
一例では、水分識別子は白血球パッドである。白血球パッドは湿気に敏感である。このようにして、白血球パッドを、使用前に、装置が前に使用されているか、不正操作されたか、または損傷を受けたかを示すために用いることができる。完全性チェックの他の例には、亜硝酸塩またはタンパク質パッドが含まれる。
【0037】
好ましくは、体液は尿である。
【0038】
このようにして、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病のスクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、および代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、妊娠期合併症、妊娠検査、薬物誤用、ならびに排卵健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態でのホルモンまたは抗体の検査などの状態に関連する尿インジケータを、とりわけ検査することができる。
【0039】
このようにして、1つのアプリケーション分析可能な体液検査装置、または複数のアプリケーション分析可能な体液検査装置を、郵便サービスを使用してユーザに送り、ユーザは従来のレターボックスで受け取ることができる。
【0040】
第2の態様では、第1の態様のアプリケーション分析可能な体液検査装置を使用する体液検査方法が提供され、方法は、
ユーザが、装置を保持標識にて保持しながら、装置に体液を塗布することと、
ユーザが、装置を保持標識にて保持する間、装置のカメラを使用して装置の画像データを撮影する、ことと、
画像データを用いて、デバイス上で実行可能なアプリケーションが、塗布された体液の検査を実行することと
を有する。
【0041】
このようにして、装置のユーザは、尿などの体液を装置の検査領域に塗布し、デバイス上で実行可能なアプリケーションを用い、検査領域に塗布された体液を分析するために電子デバイスによって画像データを撮影することができ、体液を塗布して分析をする間に装置を下に置いたり、表面に置いたりする必要がない。これは、表面からの装置への汚染を防止すると共に、装置に塗布される体液からの表面への汚染を防止する。これにより、衛生も改善する。好ましくは、デバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイルデバイスであってもよい。
【0042】
第3の態様では、第1の態様のアプリケーション分析可能な体液検査装置と、デバイスのカメラによって撮影された装置の画像データを使用して装置に塗布された体液の検査を実行するように構成された、デバイス上で実行可能なアプリケーションとを備えるシステムが提供される。
【0043】
このようにして、装置のユーザは、尿などの体液を装置の検査領域に塗布し、デバイス上で実行可能なアプリケーションを用い、検査領域に塗布された体液を分析するために電子デバイスによって画像データを撮影することができ、体液を塗布して分析をする間に装置を下に置いたり、表面に置いたりする必要がない。これは、表面からの装置への汚染を防止すると共に、装置に塗布される体液からの表面への汚染を防止する。これにより、衛生も改善する。好ましくは、デバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイルデバイスであってもよい。
【0044】
第4の態様では、電子デバイスによって撮影された体液検査装置の画像内の身体状態のインジケータを判定するための方法が提供され、方法は、
体液検査装置の画像データを取得することであって、体液検査装置は、1または複数の体液検査領域を有する、ことと、
画像データから1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することと、
少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係に基づいて、画像データ内の第1の体液検査領域の位置を決定することと、
決定された位置に基づいて、第1の体液検査領域のサブ領域の色データをサンプリングすることと、
サンプリング色データに基づいて、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の身体検査領域と相互作用したかどうかを判定することと、
身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づいて、出力を提供することと、
を有する。
【0045】
このようにして、1または複数の体液検査領域の位置を正確に決定することができる。特に、1または複数の体液検査領域の位置は、装置上に提示されるアンカーポイントを用いることなく決定することができる。このように、アンカーポイントは装置上に必要とされず、それによって、装置上のスペースを節約し、装置のサイズを縮小することを可能にする。第1の体液検査領域の位置を決定した後に、決定した位置情報を使用して、サンプリングされた色データからのサブ領域が体液検査領域内にあることを保証することができる。これは、決定された出力の精度を改善する。
【0046】
好ましくは、電子デバイスは、スマートフォンであってもよい。好ましくは、画像データは、体液検査装置の写真であってもよい。好ましくは、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色を変化させる色変化パッドであってもよい。好ましくは、体液は尿であってもよい。
【0047】
好ましくは、画像データを取得することは、電子デバイス上のカメラによって画像データを撮影することを含む。
【0048】
このようにして、ユーザは、体液検査領域に体液を塗布した直後に画像データを撮影することができる。好ましくは、画像データは、写真の形態で撮影されてもよい。
【0049】
好ましくは、方法はさらに、
画像データを撮影する前に、電子デバイスのカメラを用いて電子デバイスのディスプレイ上に体液検査装置のライブ画像を表示することと、
画像データが撮影される前に、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示することであって、体液検査装置は、ウィンドウ内で位置合わせ可能であることと、
を有する方法を有する。
【0050】
このようにして、体液検査装置は、画像の処理を助けるために、画像内で正確に位置合わせすることができる。
【0051】
好ましくは、ウィンドウは、体液検査装置の縁部がウィンドウの縁部と位置合わせ可能に配置される。
【0052】
このようにして、体液検査装置の位置合わせの精度が改善される。
【0053】
好ましくは、機械可読ラベルウィンドウがウィンドウ内に提示され、体液検査装置上の機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウと位置合わせ可能に配置される。
【0054】
好ましくは、電子デバイスは、体液検査装置がウィンドウ内で位置合わせされていることを特定することに応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影する。好ましくは、電子デバイスは、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていることと、機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウ内で位置合わせされていることの両方の特定に応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影する。
【0055】
このようにして、ユーザ入力の必要性が最小限に抑えられ、ユーザエラーの危険性を低減することによって、アプリケーションの有用性が改善される。
【0056】
好ましくは、この方法は、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションを決定することをさらに含む。
【0057】
このようにして、1または複数の体液検査領域の近似の位置を粗く特定することができる。この近似によって、アルゴリズムが少なくとも1つの縁部を特定すべき領域は狭まり、少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係を使用して、より正確に特定することが促進される。好ましくは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションの決定は、所定の関係に基づいてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的にまたは追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルウィンドウと位置合わせすることによって、機械可読ラベルの決定された位置とセクションとの間であってもよい。
【0058】
好ましくは、少なくとも1つの縁部を決定することは、検査領域と周辺領域との間の接合部分を示す検査領域と周辺領域との間における輝度の不連続性を決定することを含む。
【0059】
このようにして、検査領域と検査領域を取り囲む領域との間の輝度の差によって検査領域の位置を決定することができる。好ましくは、少なくとも1つの縁部を決定することは、体液検査装置の決定されたセクションを走査することをさらに含んでもよい。
【0060】
好ましくは、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することは、第1の体液検査領域の2つの対向する縁部を決定することを含み、その方法は、第1の体液検査領域の位置を、2つの縁部の間に限定されるものとして決定することをさらに含む。
【0061】
このようにして、決定された位置の精度を高めることができる。
【0062】
好ましくは、この方法は、電子デバイスのディスプレイ上に出力を提示することをさらに含む。
【0063】
このようにして、体液検査装置のユーザは、結果に即座にアクセスすることができる。
【0064】
好ましくは、この方法は、電子デバイスにおいて実行される。
【0065】
このようにして、全ての処理は、電子デバイスにおいてローカルに実行することができる。これは、例えば、リモートサーバへの接続が利用可能でない場合に特に有益である。
【0066】
好ましくは、画像データを取得した後、電子デバイスは画像データをサーバに送信し、サーバは、
画像データから1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定するステップと、
少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係に基づいて、画像データ内の第1の体液検査領域の位置を決定するステップと、
決定された位置に基づいて、第1の体液検査領域のサブ領域の色データをサンプリングするステップと、
サンプリングされた色データに基づいて、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の身体検査領域と相互作用したかどうかを判定するステップと、
出力を提供するステップであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ステップと、
を実行し、
方法はさらに、サーバによって電子デバイスに、サンプリングされた色データに基づいて、決定された出力を電子デバイスのディスプレイ上に提示するように電子デバイスに指示する命令を、送信することを有する。
【0067】
このようにして、処理は、電子デバイスにおいてローカルではなく、サーバにおいてリモートで実行することができる。これは、必ずしもデバイス間で一貫した色スペクトルを有さない非iOSデバイスにとって特に有利である。サーバで処理を実行することによって、一貫した結果が達成されることを保証するために、一貫した色スペクトルを使用することができる。好ましくは、サーバは、Pythonアプリケーションプログラミングインターフェースを利用してもよい。
【0068】
好ましくは、サーバは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置の一部を決定するステップをさらに実行する。
【0069】
好ましくは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションを決定することは、所定の関係に基づいてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的にまたは追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルウィンドウと位置合わせすることによって、機械可読ラベルの決定された位置とセクションとの間であってもよい。
【0070】
好ましくは、少なくとも1つの縁部を決定することは、検査領域と周辺領域との間の接合部分を示す検査領域と周辺領域との間における輝度の不連続性を決定することを含む。
【0071】
好ましくは、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することは、第1の体液検査領域の2つの対向する縁部を決定することを含み、サーバは、さらに、第1の体液検査領域の位置を2つの縁部の間に限定されるものとして決定するステップを実行する。
【0072】
第5の態様では、電子デバイスの1または複数のプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、
体液検査装置の画像データを取得するステップであって、体液検査装置は、1または複数の体液検査領域を有する、ステップと、
画像データから1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定するステップと、
少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係に基づいて、画像データ内の第1の体液検査領域の位置を決定するステップと、
決定された位置に基づいて、第1の体液検査領域のサブ領域の色データをサンプリングするステップと、
サンプリングされた色データに基づいて、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の身体検査領域と相互作用したかどうかを判定するステップと、
出力を提供するステップであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ステップと、
を実行させる命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0073】
このようにして、全ての処理は、電子デバイスにおいてローカルに実行することができる。これは、例えば、リモートサーバへの接続が利用可能でない場合に特に有益である。
【0074】
好ましくは、画像データを取得することは、電子デバイス上のカメラによって画像データを撮影することを含む。
【0075】
好ましくは、非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のプロセッサによって実行されると、画像データが撮影される前に、電子デバイスのカメラを使用して、電子デバイスのディスプレイ上に体液検査装置のライブ画像を表示するステップと、画像データが撮影される前に、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示するステップとを、電子デバイスに実行させる命令をさらに格納し、体液検査装置はウィンドウ内で位置合わせが可能である。
【0076】
好ましくは、ウィンドウは、体液検査装置の縁部がウィンドウの縁部と位置合わせ可能に配置される。
【0077】
好ましくは、機械可読ラベルウィンドウがウィンドウ内に提示され、体液検査装置上の機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウと位置合わせ可能に配置される。
【0078】
好ましくは、非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のプロセッサによって実行される際に、体液検査装置がウィンドウ内で位置合わせされていることの特定に応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影するステップを電子デバイスに実行させる命令をさらに格納する。好ましくは、電子デバイスは、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていることと、機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウ内で位置合わせされていることの両方を特定することに応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影する。
【0079】
好ましくは、非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のプロセッサによって実行された際に、電子デバイスに、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションを決定するステップを実行させる命令をさらに格納する。好ましくは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションの決定は、所定の関係に基づいてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的にまたは追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルウィンドウと位置合わせすることによって、機械可読ラベルの決定された位置とセクションとの間であってもよい。
【0080】
好ましくは、非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、少なくとも1つの縁部を決定するステップを実行させる命令をさらに格納し、この命令は、検査領域と周囲領域との間の接合部分を示す検査領域と周囲領域との間の輝度の不連続性を決定するステップを含む。
【0081】
好ましくは、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することは、第1の体液検査領域の2つの対向する縁部を決定することを含み、非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、第1の体液検査領域の位置を2つの縁部の間に限定されるものとして決定するステップを実行させる命令をさらに格納する。
【0082】
好ましくは、非一時的コンピュータ可読媒体は、1または複数のプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、電子デバイスのディスプレイ上に出力を提示するステップを実行させる命令をさらに格納する。
【0083】
好ましくは、この方法は、電子デバイスにおいて実行される。
【0084】
第6の態様では、1または複数のプロセッサを備える電子デバイスが提供され、1または複数のプロセッサが、電子デバイスに、
体液検査装置の画像データを取得するステップであって、体液検査装置は、1または複数の体液検査領域を有し、
画像データから1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定するステップと、
少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係に基づいて、画像データ内の第1の体液検査領域の位置を決定するステップと、
決定された位置に基づいて、第1の体液検査領域のサブ領域の色データをサンプリングするステップと、
サンプリングされた色データに基づいて、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の身体検査領域と相互作用したかどうかを判定するステップと、
出力を提供するステップであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ステップと、
を実行させるように構成される。
【0085】
このようにして、全ての処理は、電子デバイスにおいてローカルに実行することができる。これは、例えば、リモートサーバへの接続が利用可能でない場合に特に有益である。
【0086】
好ましくは、画像データを取得することは、電子デバイス上のカメラによって画像データを撮影することを含む。
【0087】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、画像データが撮影される前に、電子デバイスのカメラを使用して電子デバイスのディスプレイ上に体液検査装置のライブ画像を表示するステップと、画像データが撮影される前に、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示するステップとを電子デバイスに実行させるようにさらに構成され、体液検査装置はウィンドウ内で位置合わせ可能である。
【0088】
好ましくは、ウィンドウは、体液検査装置の縁部がウィンドウの縁部と位置合わせ可能に配置される。
【0089】
好ましくは、機械可読ラベルウィンドウがウィンドウ内に提示され、体液検査装置上の機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウと位置合わせ可能に配置される。
【0090】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていることを特定することに応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影するステップを電子デバイスに実行させるようにさらに構成される。好ましくは、電子デバイスは、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていることと、機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウ内で位置合わせされていることの両方を特定することに応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影する。
【0091】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、電子デバイスに、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションを決定するステップを実行させるようにさらに構成される。好ましくは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションの決定は、所定の関係に基づいてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的に、または追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルウィンドウと位置合わせすることによって、機械可読ラベルの決定された位置とセクションとの間であってもよい。
【0092】
好ましくは、少なくとも1つの縁部を決定することは、検査領域と周辺領域との間の接合部分を示す検査領域と周辺領域との間における輝度の不連続性を決定することを含む。
【0093】
好ましくは、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部の決定には、第1の体液検査領域の2つの対向する縁部を決定することを含み、1または複数のプロセッサは、電子デバイスに、第1の体液検査領域の位置を、2つの縁部の間に限定されるものとして決定するステップを実行させるようにさらに構成される。
【0094】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、電子デバイスに、電子デバイスのディスプレイ上に出力を提示するステップを実行させるようにさらに構成される。
【0095】
好ましくは、この方法は、電子デバイスにおいて実行される。
【0096】
第7の態様では、体液検査領域特定を実行するように構成されたサーバが提供され、体液検査領域特定は、
体液検査装置の画像データを電子デバイスから受信するステップであって、体液検査装置は、1または複数の体液検査領域を含む、ステップと、
画像データから1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定するステップと、
少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係に基づいて、画像データ内の第1の体液検査領域の位置を決定するステップと、
決定された位置に基づいて、第1の体液検査領域のサブ領域の色データをサンプリングするステップと、
サンプリングされた色データに基づいて、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の身体検査領域と相互作用したかどうかを判定するステップと、
出力を提供するステップであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ステップと、
を有する。
【0097】
このようにして、1または複数の体液検査領域の位置を正確に決定することができる。さらに、このようにして、処理は、電子デバイスにおいてローカルではなく、サーバにおいてリモートで実行することができる。これは、必ずしもデバイス間で一貫した色スペクトルを有さない非iOSデバイスにとって特に有利である。サーバで処理を実行することによって、一貫した結果が達成されることを保証するために、一貫した色スペクトルを使用することができる。第1の体液検査領域の位置を決定した後に、決定した位置情報を使用して、サンプリング色データからのサブ領域が体液検査領域内にあることを保証することができる。これは、決定された出力の精度を改善する。
【0098】
好ましくは、電子デバイスは、スマートフォンであってもよい。好ましくは、画像データは、体液検査装置の写真であってもよい。好ましくは、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色を変化させる色変化パッドであってもよい。好ましくは、サーバは、Pythonアプリケーションプログラミングインターフェースを利用してもよい。
【0099】
好ましくは、サーバは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置の一部を決定するステップを実行するようにさらに構成される。
【0100】
このようにして、1または複数の体液検査領域のおおよその位置を粗く特定することができる。好ましくは、その決定は、体液検査装置の位置合わせと、電子デバイスのカメラを使用して画像データを撮影する際に、電子デバイスのディスプレイ上に表示されるウィンドウとの間の所定の関係に基づいてもよい。あるいは、またはさらに、決定は、機械可読ラベルの決定された位置とセクションとの間の所定の関係に基づいてもよい。
【0101】
好ましくは、少なくとも1つの縁部を決定することは、検査領域と周辺領域との間の接合部分を示す検査領域と周辺領域との間における輝度の不連続性を決定することを含む。
【0102】
このようにして、検査領域と検査領域を取り囲む領域との間の輝度の差によって検査領域の位置を決定することができる。好ましくは、少なくとも1つの縁部の決定は、体液検査装置の決定されたセクションを走査することをさらに含んでもよい。
【0103】
好ましくは、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することは、第1の体液検査領域の2つの対向する縁部を決定することを含み、その方法は、第1の体液検査領域の位置を、2つの縁部の間に限定されるものとして決定することをさらに含む。
【0104】
このようにして、決定された位置の精度を高めることができる。
【0105】
好ましくは、ステップは、出力を電子デバイスに送信することをさらに含む。
【0106】
第8の態様では、1または複数の体液検査領域を備える、体液検査装置の画像データを撮影し、サーバに送信するように構成された電子デバイスと、第7の態様によるサーバを備えるシステムが提供される。
【0107】
第9の態様では、体液検査装置の画像データ中の身体状態の表示を決定する方法が提供され、画像データは、電子デバイスにより撮影され、方法は、
第1の体液検査領域の色をサンプリングすることによって、体液検査装置の画像データから体液検査装置の1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の色データを決定することと、
体液検査装置の背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色校正データを決定することであって、背景領域が1または複数の体液検査領域に隣接する、ことと、
校正された色データを決定するために、決定された色校正データに基づいて色データを校正することと、
校正された色データを基準色データと比較することによって、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかを判定することと、
出力を提供することであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ことと、
を有する。
【0108】
このようにして、体液の塗布後の体液検査領域における色変化を計算する際に、周囲光の影響を打ち消すように色データを校正または調整することができる。当業者は、色校正および色調整という用語が文脈において交換可能であることを容易に理解するであろう。
【0109】
好ましくは、体液は尿であってもよい。好ましくは、背景サブ領域が2つ以上ある場合、色データの校正は、背景サブ領域の各々の決定された色校正データに基づくことができる。好ましくは、背景領域は、体液検査装置上の体液検査領域を囲む境界であってもよい。好ましくは、画像データは、電子デバイスのカメラを使用して撮影することができる。好ましくは、電子デバイスは、スマートフォンであってもよい。好ましくは、色校正データは、背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色温度または光温度であってもよい。色温度および光温度という用語は、交換可能に使用される。色温度は、物体を照らす光源の特性であり、低温の「青みがかった」色から暖かい温度の「黄色がかった」色までの範囲があり得、色温度は、黒体がそれと同じ色の放射をする温度に関連している。
【0110】
好ましくは、背景領域は実質的に白色である。
【0111】
このようにして、白色背景領域の色温度などの色校正データを使用して、体液検査装置を照らす周囲照明から生じる色校正データを決定することができる。これにより、色データの校正を可能にし、それによって、周囲照明から生じる色データの影響を除去する。また、これにより白色背景を使用することができるため、体液検査装置で別途色校正用チャートを使用したり、体液検査装置の画像データで撮影したりする必要がなくなる。
【0112】
好ましくは、色データは、第1の体液検査領域の検査サブ領域をサンプリングすることに基づいて、決定され、検査サブ領域は、体液検査領域内の位置にある。
【0113】
このようにして、体液検査領域全体をサンプリングする必要はない。これは、サンプリングの位置が完全に正確でない場合、体液検査領域および背景領域と重複する領域をサンプリングする可能性を低減することによって、色データの精度を改善する。
【0114】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域の位置は、検査サブ領域の位置からの所定の変位に基づいて決定される。
【0115】
このようにして、色校正データが、体液検査領域ではなく背景領域から、または体液検査領域と背景領域との組み合わせから決定されることを確実にすることができる。
【0116】
好ましくは、検査サブ領域および体液検査装置は、例えば、体液検査装置上に提示される機械可読ラベルから決定され得るような既知のサイズであってもよい。画像データを撮影する際に電子デバイスのディスプレイ上に提示されるウィンドウ内での体液検査装置の位置合わせ、これらの既知のサイズ、および検査サブ領域の決定された位置のために、この情報は、背景サブ領域(のそれぞれ)を検査サブ領域上または体液検査装置自体から離れたところではなく、画像データ内の体液検査装置の背景領域上に配置するために利用することができる。
【0117】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域は、2つの背景サブ領域から構成される。
【0118】
このようにして、色校正データのより正確な決定を達成することができる。
【0119】
好ましくは、2つの背景サブ領域のうちの第1の背景サブ領域は、体液検査領域の第1の側の体液検査領域から離れて変位され、2つの背景サブ領域のうちの第2の背景サブ領域は、体液検査領域の第2の側から離れて変位され、体液検査領域の第2の側は、体液検査領域の第1の側とは反対側である。
【0120】
このようにして、体液検査装置の両側を照らす異なる周囲光が、校正において考慮される。したがって、校正された色データの精度が改善される。
【0121】
好ましくは、検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域のそれぞれは、第1の背景サブ領域と第2の背景サブ領域との間の直線に沿って配置され、方法は、
第1の背景サブ領域の第1の色校正データを決定することと、
第2の背景サブ領域の第2の色校正データを決定することと、
検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域を結ぶ線に沿った色校正勾配を決定することであって、色校正データ勾配は第1の色校正データおよび第2の色校正データに基づくことと、
線に沿った点において、色校正データ勾配に基づいて計算された色校正データを計算することであって、点は検査サブ領域の位置に対応する、ことと、
を有し、
決定された色校正データに基づいて色データを校正することは、校正された色データを決定するために、計算された色校正データに基づいて検査サブ領域において色データを校正することと、を含む。
【0122】
このようにして、例えば、画像データを撮影する際に体液検査装置の両側の異なる周囲光源によって引き起こされる、装置全体にわたる色校正データ勾配がある場合、これは校正において考慮される。このようにして、校正の精度が改善される。
【0123】
好ましくは、画像データは、カメラに関連付けられたカメラフラッシュを使用して、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0124】
好ましくは、色データを校正することは、フラッシュの色校正データを使用することをさらに含む。好ましくは、フラッシュの色校正データは、フラッシュの色温度であってもよい。このようにして、特に体液検査装置を照らす一次光源の色校正データが知られているので、校正された色データの精度をさらに改善することができる。スマートフォンなどの電子デバイスのカメラフラッシュは、既知の所定の色温度を有することができる。画像データの撮影時にカメラフラッシュが体液検査装置に近接しているため、カメラフラッシュの色温度は、周囲照明効果を支配してよい。したがって、第1の体液検査領域の色データは、カメラフラッシュの既知の色温度を使用して校正することができる。あるいは、フラッシュは、周囲の照明条件に寄与するために使用することができる。
【0125】
好ましくは、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色が変化する色変化パッドで構成される。
【0126】
このようにして、体液が、色変化パッドが感応する所定の状態のインジケータを含む場合、色変化パッドの色は、体液との相互作用に応じて変化する。したがって、検査領域の色の変化を用いて、インジケータに関連する状態が、体液を排出した個体の身体システムに存在するかどうかを判定することができる。
【0127】
好ましくは、出力は、電子デバイスのディスプレイ上に提示される。
【0128】
好ましくは、第9の態様の方法は、電子デバイスにおいて実行され、画像データは、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0129】
このようにして、全ての処理は、電子デバイスにおいてローカルに実行することができる。これは、例えば、リモートサーバへの接続が利用可能でない場合に特に有益である。
【0130】
好ましくは、方法は、画像データを撮影する前に、
電子デバイスのカメラを用いて、体液検査装置のライブ画像を電子デバイスのディスプレイに表示することと、
ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示することであって、体液検査装置がウィンドウ内で位置合わせ可能である、ことと、
を更に有する。
【0131】
このようにして、体液検査装置は、画像の処理を助けるために、画像内で正確に位置合わせすることができる。好ましくは、機械可読ラベルウィンドウがウィンドウ内に提示され、体液検査装置上の機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウと位置合わせ可能に配置される。好ましくは、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションは、所定の関係に基づいて特定されてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的に、または追加的に、その所定の関係は、機械可読ラベルの決定された位置とそのセクションとの間であってもよく、機械可読ラベルの位置は、機械可読ラベルウィンドウ内の機械可読ラベルの位置合わせに基づいて決定することができる。
【0132】
あるいは、第9の態様の方法は、体液検査装置の画像データをサーバに送信する電子デバイスに応答して、サーバにおいて実行されてもよい。
【0133】
このようにして、処理は、電子デバイスにおいてローカルではなく、サーバにおいてリモートで実行することができる。これは、必ずしもデバイス間で一貫した色スペクトルを有さない非iOSデバイスにとって特に有利である。サーバで処理を実行することによって、一貫した結果が達成されることを保証するために、一貫した色スペクトルを使用することができる。好ましくは、画像データは、電子デバイスのカメラによって撮影されてもよい。好ましくは、画像データを撮影する前に、電子デバイスは、電子デバイスのカメラを使用して、電子デバイスのディスプレイ上に体液検査装置のライブ画像を表示し、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示することができ、ウィンドウ内で体液検査装置の位置合わせをすることができる。好ましくは、サーバは、Pythonアプリケーションプログラミングインターフェースを利用してもよい。
【0134】
好ましくは、出力を提供することは、サーバが出力を電子デバイスに送信することを含む。
【0135】
そのようにして、サーバ側で処理を実行することの利点を活かし、出力をユーザの電子デバイスに提供することができる。
【0136】
第10の態様では、1または複数のプロセッサを備える電子デバイスが提供され、電子デバイスは、画像データを撮影するように構成され、1または複数のプロセッサが、電子デバイスに、
第1の体液検査領域の色をサンプリングすることによって、体液検査装置の画像データから体液検査装置の1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の色データを決定するステップと、
体液検査装置の背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色校正データを決定するステップであって、背景領域が1または複数の体液検査領域に隣接する、ステップと、
校正された色データを決定するために、決定された色校正データに基づいて色データを校正するステップと、
校正された色データを基準色データと比較することによって、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかを判定するステップと、
出力を提供するステップであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ステップと、
を実行させるように構成される。
【0137】
このようにして、全ての処理は、電子デバイスにおいてローカルに実行することができる。これは、例えば、リモートサーバへの接続が利用可能でない場合に特に有益である。
【0138】
好ましくは、背景領域は実質的に白色である。
【0139】
好ましくは、色データは、第1の体液検査領域の検査サブ領域をサンプリングすることに基づいて決定され、検査サブ領域は、体液検査領域内の位置にある。
【0140】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域の位置は、検査サブ領域の位置からの所定の変位に基づいて決定される。
【0141】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域は、2つの背景サブ領域を含む。
【0142】
好ましくは、2つの背景サブ領域のうちの第1の背景サブ領域は、体液検査領域の第1の側に体液検査領域から離れるように変位され、2つの背景サブ領域のうちの第2の背景サブ領域は、体液検査領域の第2の側から離れるように変位され、体液検査領域の第2の側は、体液検査領域の第1の側とは反対側である。
【0143】
好ましくは、検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域のそれぞれは、第1の背景サブ領域と第2の背景サブ領域との間の直線に沿って配置され、1または複数のプロセッサが電子デバイスに、
第1の背景サブ領域の第1の色校正データを決定するステップと、
第2の背景サブ領域の第2の色校正データを決定するステップと、
検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域を結ぶ線に沿った色校正勾配を決定するステップであって、色校正データ勾配は第1の色校正データおよび第2の色校正データに基づく、ステップと、
線に沿った点で、色校正データ勾配に基づいて、計算された色校正データを計算するステップであって、点は検査サブ領域の位置に対応する、ステップと
を実行させ、
決定された色校正データに基づいて色データを校正するステップは、校正された色データを決定するために、計算された色校正データに基づいて検査サブ領域において色データを校正することを含む。
【0144】
好ましくは、画像データは、カメラに関連付けられたカメラフラッシュを使用して、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0145】
好ましくは、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色が変化する色変化パッドで構成される。
【0146】
好ましくは、出力は、電子デバイスのディスプレイ上に提示される。
【0147】
好ましくは、この方法は電子デバイスで実行され、画像データは、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0148】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、電子デバイスに、画像データを撮影する前に、
電子デバイスのカメラを用いて、体液検査装置のライブ画像を電子デバイスのディスプレイに表示するステップと、
ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示するステップであって、体液検査装置がウィンドウ内で位置合わせ可能である、ステップと、
を実行させるように構成される。
【0149】
第11の態様では、電子デバイスから画像データを受信するように構成されたサーバが提供され、さらに、サーバは、
第1の体液検査領域の色をサンプリングすることによって、体液検査装置の画像データから体液検査装置の1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の色データを決定することと、
体液検査装置の背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色校正データを決定することであって、背景領域が1または複数の体液検査領域に隣接する、ことと、
校正された色データを決定するために、決定された色校正データに基づいて色データを校正することと、
校正された色データを基準色データと比較することによって、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかを判定することと、
出力を提供することであって、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ことと、
を有する方法を実行するように構成される。
【0150】
このようにして、処理は、電子デバイスにおいてローカルではなく、サーバにおいてリモートで実行することができる。これは、必ずしもデバイス間で一貫した色スペクトルを有さない非iOSデバイスにとって特に有利である。サーバで処理を実行することによって、一貫した結果が達成されることを保証するために、一貫した色スペクトルを使用することができる。好ましくは、画像データは、電子デバイスのカメラによって撮影されてもよい。好ましくは、画像データを撮影する前に、電子デバイスは、電子デバイスのカメラを使用して、電子デバイスのディスプレイ上に体液検査装置のライブ画像を表示し、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示することができ、ウィンドウ内で体液検査装置の位置合わせをすることができる。好ましくは、サーバは、Pythonアプリケーションプログラミングインターフェースを利用してもよい。
【0151】
好ましくは、背景領域は実質的に白色である。
【0152】
好ましくは、色データは、第1の体液検査領域の検査サブ領域をサンプリングすることに基づいて決定され、検査サブ領域は、体液検査領域内の位置にある。
【0153】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域の位置は、検査サブ領域の位置からの所定の変位に基づいて決定される。
【0154】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域は、2つの背景サブ領域を含む。
【0155】
好ましくは、2つの背景サブ領域のうちの第1の背景サブ領域は、体液検査領域の第1の側に体液検査領域から離れるように変位され、2つの背景サブ領域のうちの第2の背景サブ領域は、体液検査領域の第2の側から離れるように変位され、体液検査領域の第2の側は、体液検査領域の第1の側とは反対側である。
【0156】
好ましくは、検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域のそれぞれは、第1の背景サブ領域と第2の背景サブ領域との間の直線に沿って配置され、サーバは、
第1の背景サブ領域の第1の色校正データを決定することと、
第2の背景サブ領域の第2の色校正データを決定することと、
検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域を結ぶ線に沿った色校正勾配を決定することであって、色校正データ勾配は第1の色校正データおよび第2の色校正データに基づくことと、
線に沿った点で、色校正データ勾配に基づいて、計算された色校正データを計算することであって、点は検査サブ領域の位置に対応する、ことと、
を実行させ、
決定された色校正データに基づいて色データを校正することは、校正された色データを決定するために、計算された色校正データに基づいて検査サブ領域において色データを校正することを含む、
ようにさらに構成される。
【0157】
好ましくは、画像データは、カメラに関連付けられたカメラフラッシュを使用して、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0158】
好ましくは、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色が変化する色変化パッドで構成される。
【0159】
好ましくは、出力の提供は、サーバが出力を電子デバイスに送信することを含む。
【0160】
そのようにして、サーバ側で処理を実行することの利点を活かし、出力をユーザの電子デバイスに提供することができる。
【0161】
第12の態様では、1または複数の体液検査領域を備える体液検査装置の画像データを撮影し、サーバに送信するように構成された電子デバイスと、第11の態様によるサーバとを備えるシステムが提供される。
【0162】
第13の態様では、電子デバイスのプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、
第1の体液検査領域の色をサンプリングすることによって、体液検査装置の画像データから体液検査装置の1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域の色データを決定するステップと、
体液検査装置の背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色校正データを決定するステップであって、背景領域が1または複数の体液検査領域に隣接する、ステップと、
校正された色データを決定するために、決定された色校正データに基づいて色データを校正するステップと、
校正された色データを基準色データと比較することによって、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかを判定することと、
出力を提供するステップであって、出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域のうちの第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく、ステップと、
を有する方法を実行させる命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0163】
このようにして、全ての処理は、電子デバイスにおいてローカルに実行することができる。これは、例えば、リモートサーバへの接続が利用可能でない場合に特に有益である。
【0164】
好ましくは、背景領域は実質的に白色である。
【0165】
好ましくは、色データは、第1の体液検査領域の検査サブ領域をサンプリングすることに基づいて決定され、検査サブ領域は、体液検査領域内の位置にある。
【0166】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域の位置は、検査サブ領域の位置からの所定の変位に基づいて決定される。
【0167】
好ましくは、少なくとも1つの背景サブ領域は、2つの背景サブ領域を含む。
【0168】
好ましくは、2つの背景サブ領域のうちの第1の背景サブ領域は、体液検査領域の第1の側に体液検査領域から離れるように変位され、2つの背景サブ領域のうちの第2の背景サブ領域は、体液検査領域の第2の側から離れるように変位され、体液検査領域の第2の側は、体液検査領域の第1の側とは反対側である。
【0169】
好ましくは、検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域のそれぞれは、第1の背景サブ領域と第2の背景サブ領域との間の直線に沿って配置され、非一時的コンピュータ可読媒体は、電子デバイスのプロセッサによって実行されると、電子デバイスに、
第1の背景サブ領域の第1の色校正データを決定するステップと、
第2の背景サブ領域の第2の色校正データを決定するステップと、
検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域を結ぶ線に沿った色校正勾配を決定するステップであって、色校正データ勾配は第1の色校正データおよび第2の色校正データに基づく、ステップと、
線に沿った点で、色校正データ勾配に基づいて、計算された色校正データを計算するステップであって、点は検査サブ領域の位置に対応する、ステップと
を有し、
決定された色校正データに基づいて色データを校正するステップは、校正された色データを決定するために、計算された色校正データに基づいて検査サブ領域において色データを校正することを含む、
方法を実行させる命令を更に格納する。
【0170】
好ましくは、画像データは、カメラに関連付けられたカメラフラッシュを使用して、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0171】
好ましくは、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色が変化する色変化パッドで構成される。
【0172】
好ましくは、出力は、電子デバイスのディスプレイ上に提示される。
【0173】
好ましくは、第9の態様の方法は、電子デバイスにおいて実行され、画像データは、電子デバイスのカメラで撮影される。
【0174】
好ましくは、非一時的コンピュータ可読媒体は、電子デバイスのプロセッサによって実行されると、画像データを撮影する前に、電子デバイスに、
電子デバイスのカメラを用いて、体液検査装置のライブ画像を電子デバイスのディスプレイ上に表示するステップと、
ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示するステップであって、体液検査装置がウィンドウ内で位置合わせ可能である、ステップと、
を有する方法を実行させる命令を更に格納する。
【0175】
第14の態様では、側方流動体液検査システムが提供され、システムは、
本体部分と、本体部分の第1の表面と組み合わされた1または複数の側方流動検査ストリップとを有するアプリケーション分析可能な体液検査装置であって、1または複数の側方流動ストリップは体液中の身体状態のインジケータに感応し、1または複数の側方流動ストリップがそれぞれ、分析領域に接続された液体取り込み領域を備える、体液検査装置と、
カメラおよび1または複数のプロセッサを備える電子デバイスと、
を備え、
1または複数のプロセッサは、
電子デバイスのカメラを用いて、アプリケーション分析可能な体液検査装置の画像データを取得し、
1または複数の身体状態のインジケータが、塗布された体液に存在するかどうかを決定するために、画像データを使用して、アプリケーション分析可能な体液検査装置に塗布された体液の検査を実行し、
1または複数の身体状態のインジケータが、塗布された体液に存在するかどうかを示す結果を出力する、
ように構成される。
【0176】
このようにして、側方流動検査は、専門の側方流動検査デバイスに依存することなく、効率的な方法で達成することができる。側方流動検査は、ヒトの体液中の身体状態のインジケータのための検査を提供する。また、検査は1つのデバイス上で実行できるため、使い勝手が向上する。好ましくは、1または複数の側方流動検査ストリップは、妊娠、薬物誤用、およびホルモンまたは抗体が、とりわけ排卵健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態でのホルモンまたは抗体の検査のために配置される。一例では、側方流動ストリップは、前述の状態にそれぞれ関連する検体に感度を有する。薬物誤用の一例では、側方流動ストリップは、検査される薬物に関連する薬物代謝産物に感度を有する。
【0177】
好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、それぞれ、毛管作用によってその長さに沿って体液を吸引するように配置されてもよい。好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、体液中の身体状態のインジケータに感応する、その長さに沿った領域を有してもよく、体液中の身体状態のインジケータの存在に応答して、その領域内にラインが現れる。好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、本体部分の第1の表面に取り付けられてもよい。好ましくは、電子デバイスは、スマートフォンであってもよい。
【0178】
好ましくは、本体部分は、本体部分上に配置された機械可読情報をさらに含む。
【0179】
このようにして、電子デバイス上で実行可能な1つのアプリケーションは、異なる状態に関連する複数の検査のための分析を実行するように構成することができ、アプリケーションは、デバイスのカメラによって撮影された機械可読ラベルの画像データから実行されている検査の種類を決定することができる。分析プロセスを実行する前に検査の種類を決定することは、アプリケーションが分析すべきものをより迅速に特定することができるので、分析プロセスを促進することができる。
【0180】
好ましくは、機械可読情報は、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置から、機械可読情報に対応する装置情報にアクセスするために、関連付けられたアプリケーションによって使用可能であってよい。機械可読情報はまた、検査領域または感受性領域の位置を特定するのを助けるためのアンカーポイントとして使用されてもよく、照明条件検査で使用するためのバッチ番号および有効期限を含むLOT情報を提供し、製造日を特定し、一意のID文字列を提供する。
【0181】
好ましくは、装置情報は、カードのサイズまたはアスペクト比、側方流動ストリップが感応するインジケータの種類、側方流動ストリップの数およびサイズ、ならびに機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイントおよび/またはアンカーバーに対する側方流動ストリップの位置(またはそこからの変位)のいずれかを含んでよい。
【0182】
好ましくは、機械可読ラベルおよび検査領域は、本体部分の同じ表面、すなわち第1の表面上に配置されてもよい。
【0183】
好ましくは、機械可読ラベルは、QRコードであってもよい。
【0184】
好ましくは、本体部分は保持領域を含み、ユーザは、体液を1または複数の側方流動ストリップに塗布する際と、装置の画像データを撮影する際に、保持領域を保持することができる。
【0185】
このようにして、装置のユーザは、体液を塗布するステップと画像データを撮影するステップとの間に装置を置く必要がなく、ユーザの手に装置を維持しながら、体液を塗布すること、画像を撮影すること、およびアプリケーションを用いて分析するプロセス全体を実行することができる。これは、画像を撮影する際に装置を表面に配置することによって装置への汚染を回避し、また、塗布された体液から表面への汚染を抑制することができ、有益である。これにより、衛生も改善する。
【0186】
好ましくは、保持領域は、装置のユーザに対して、保持領域によって装置を保持することを示す標識を含む。
【0187】
このようにして、最適化された使用のために装置をどこに保持すべきかがユーザに明らかになり、それによって使い勝手が改善される。
【0188】
好ましくは、本体部分は、実質的に平面である。
【0189】
このようにして、装置を効率的にパッケージングすることができる。さらに、これにより、従来の郵便サービスを用いて装置をユーザに配達することが可能となる。
【0190】
好ましくは、1または複数の側方流動検査ストリップの各々の液体取り込み領域の少なくとも一部は、本体部分の第1の表面の縁部上に延在する。
【0191】
このようにして、装置は、体液が装置の本体部分に接触することなく、1または複数の側方流動ストリップを体液に浸漬することができる。これにより、衛生面が向上する。加えて、この配置により、本体部分は、関連する用途による分析中に有益であり得る清潔で乾燥した状態に維持される。
【0192】
好ましくは、1または複数の側方流動検査ストリップは、互いに分離され、共通の保持領域と組み合わされた複数の側方流動検査ストリップを含む。
【0193】
このようにして、体液の単回の塗布から複数の検査を実施することによって、精度を改善することができる。
【0194】
好ましくは、側方流動ストリップは、共通の保持領域に取り付けられてもよい。
【0195】
好ましくは、複数の側方流動検査ストリップは、体液中の異なる状態のインジケータを検査するように配置される。
【0196】
このようにして、複数の状態のインジケータを、体液の単回の塗布から検査することができる。
【0197】
好ましくは、各側方流動ストリップは、異なる状態のインジケータについて検査するように構成されてもよい。
【0198】
好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、1または複数の側方流動ストリップに塗布された体液中の1または複数の薬物のインジケータの存在を検出するように配置される。
【0199】
このようにして、体液を排出した人が薬物乱用/薬物誤用に関与したかどうかを特定するために装置を使用することができる。
【0200】
好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、塗布された体液中の、とりわけ、大麻またはマリファナ(THC)、アンフェタミン、コカイン、エクスタシー、メタンフェタミン、モルヒネ、ヘロイン、フェンタニル、合成カンナビノイド、メタカチノン、ケタミンLSDおよび酸および/またはそれらの代謝産物のうちの1または複数のインジケータの存在を検出するように配置されてもよい。
【0201】
好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、複数の側方流動ストリップに塗布された体液中の複数の薬物の存在のインジケータを検出するように配置された複数の側方流動ストリップを含んでもよい。このようにして、体液の単回の塗布によって、複数の薬物のインジケータの存在について検査することができる。
【0202】
好ましくは、複数の側方流動ストリップの各側方流動ストリップは、側方流動ストリップに塗布される体液中の異なる薬物のインジケータを検出するように配置されてもよい。
【0203】
好ましくは、体液は尿である。
【0204】
このようにして、この装置は、尿サンプル中に存在する状態のインジケータを特定するために使用され得る。
【0205】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、体液の検査を実行する際に、1または複数のラインが1または複数の側方流動ストリップの分析領域に存在するかどうかを決定するようにさらに構成される。
【0206】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、
それぞれの分析領域に所定の検査ラインが現れる各側方流動ストリップについて、体液中にインジケータが存在するという肯定的な結果を出力し、
それぞれの分析領域に所定の検査ラインが現れない各側方流動ストリップについて、体液中にインジケータが存在しないという否定的な結果を出力する、
ように更に構成される。
【0207】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、所定の検査ラインが存在することを判定することに応答して、1または複数のラインの強度を判定するようにさらに構成される。
【0208】
好ましくは、画像データを取得する前に、1または複数のプロセッサは、
電子デバイスのカメラを使用して、体液検査装置のライブ画像を電子デバイスのディスプレイ上に表示し、
ライブ画像と共にウィンドウを電子デバイスのディスプレイ上に表示することであって、体液検査装置はウィンドウ内で位置合わせ可能である、
ように更に構成される。
【0209】
このようにして、体液検査装置は、画像データが取得される前に容易に位置合わせすることができる。好ましくは、機械可読ラベルウィンドウがウィンドウ内に提示され、体液検査装置上の機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウと位置合わせ可能に配置される。好ましくは、分析領域を含む体液検査装置のセクションは、所定の関係に基づいて特定されてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的にまたは追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルの決定された位置とそのセクションとの間であってもよく、機械可読ラベルの位置は、機械可読ラベルウィンドウ内の機械可読ラベルの位置合わせに基づいて決定することができる。
【0210】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、体液検査装置がウィンドウ内に整列されていることを特定することに応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影するようにさらに構成される。
【0211】
このようにして、ユーザ入力の必要性が最小限に抑えられ、ユーザエラーの危険性を低減することによって、アプリケーションの有用性が改善される。
【0212】
好ましくは、1または複数のプロセッサは、体液検査装置上に配置された機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイント、および/またはアンカーバーのうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定するようにさらに構成される。
【0213】
このようにして、関連付けられたアプリケーションは、装置の分析中に、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定することができる。これにより、処理が高速化され、解析結果の精度が向上する。
【0214】
好ましくは、アプリケーションは、機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイント、および/またはアンカーバーのうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、1または複数の側方流動ストリップからの所定の変位を使用して、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定するように構成されてもよい。好ましくは、所定の変位は、アプリケーション分析可能な体液検査装置上に提示される機械可読情報に関連する装置情報に含まれてもよい。
【0215】
好ましくは、アプリケーションは、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置から、機械可読情報に対応する装置情報にアクセスするために、アプリケーションによって使用可能な機械可読情報を走査してもよい。好ましくは、装置情報は、側方流動ストリップが感応するインジケータの種類、側方流動ストリップの数およびサイズ、ならびに機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイントおよび/またはアンカーバーに対する側方流動ストリップの位置(またはそこからの変位)を含んでよい。好ましくは、アプリケーションは、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示することができ、体液検査装置は、ウィンドウ内で位置合わせ可能である。
【0216】
好ましくは、本体部分は、本体部分の第1の表面上に配置された機械可読ラベルをさらに備え、1または複数のプロセッサは、画像データ内の機械可読ラベルの位置を決定するようにさらに構成される。
【0217】
好ましくは、本体部分は、本体部分の第1の表面上に配置された1または複数の塗布検出可能なアンカーポイントをさらに含み、1または複数のプロセッサは、画像データ内の1つ以上のアンカーポイントの位置を決定するようにさらに構成される。
【0218】
好ましくは、装置は、複数のアンカーポイントを備えてもよい。
【0219】
好ましくは、1または複数のアンカーポイントは、分析領域の近くに位置する複数のアンカーポイントを有し、アンカーポイントのうちの1つは、他のアンカーポイントとは異なる。
【0220】
このようにして、アプリケーションは、画像データ内のアプリケーション分析可能な体液検査装置の向きを特定するために、別個のアンカーポイントを使用してもよい。
【0221】
好ましくは、1または複数のアンカーポイントは、本体部分の第1の表面上に提示される標識を備える。
【0222】
このようにして、アンカーポイントは、画像データにおいて効率的に特定されてよい。
【0223】
好ましくは、本体部分は、本体部分の第1の表面上の実質的に中央の位置に配置されたアンカーバーをさらに備え、1または複数のプロセッサは、画像データ内のアンカーバーの位置を決定するようにさらに構成される。
【0224】
好ましくは、装置の本体部分は、本体部分上に配置された機械可読ラベルをさらに備え、1または複数のプロセッサは、
機械可読ラベルを走査し、
機械可読ラベルから、装置が配置されている検査の種類に関する装置情報を判定する、
ように更に構成される。
【0225】
このようにして、電子デバイス上で実行可能な1つのアプリケーションは、異なる状態に関連する複数の検査のための分析を実行するように構成することができ、アプリケーションは、デバイスのカメラによって撮影された機械可読ラベルの画像データから実行されている検査の種類を決定することができる。分析プロセスを実行する前に検査の種類を決定することは、アプリケーションが分析すべきものをより迅速に特定することができるので、分析プロセスを促進することができる。好ましくは、アプリケーションは、画像データを取得する前に、機械可読情報を走査し、装置情報を決定してよい。
【0226】
好ましくは、アプリケーションは、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置から、機械可読情報に対応する装置情報にアクセスするために、機械可読情報を使用してもよい。好ましくは、記憶装置は、電子デバイスに対してローカルであってもよい。あるいは、記憶装置は、ネットワーク接続を使用して電子デバイスによってアクセス可能なサーバにあってもよい。
【0227】
好ましくは、装置情報は、カードのサイズまたはアスペクト比、側方流動ストリップが感度を有するインジケータの種類、側方流動ストリップの数およびサイズ、ならびに機械可読情報、1または複数のアンカーポイントおよび/またはアンカーバーに対する(またはそれからの変位に対する)側方流動ストリップの位置のいずれかを含むことができる。
【0228】
好ましくは、機械可読ラベルおよび検査領域は、本体部分の同じ表面、すなわち第1の表面上に配置されてもよい。
【0229】
好ましくは、機械可読情報は、QRコードであってもよい。
【0230】
第15の態様では、側方流動体液検査システムにおいて体液を検査する方法が提供され、方法は、
電子デバイスのカメラによって、1または複数の側方流動ストリップを備えるアプリケーション分析可能な体液検査装置の画像データを取得することと、
電子デバイスによって、画像データを使用して、1または複数の身体状態のインジケータが、塗布された体液に存在するかどうかを判定するために、アプリケーション分析可能な体液検査装置に塗布された体液の検査を実行することと、
電子デバイスによって、1または複数の身体状態のインジケータが、塗布された体液に存在するかどうかを示す結果を出力すること、
を含む。
【0231】
このようにして、側方流動検査は、専門の側方流動検査デバイスに依存することなく、効率的な方法で達成することができる。側方流動検査は、ヒトの体液中の身体状態のインジケータのための検査を提供する。また、検査は1つのデバイス上で実行できるため、使い勝手が向上する。
【0232】
好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、それぞれ、毛管作用によってその長さに沿って体液を吸引するように配置されてもよい。好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、体液中の身体状態のインジケータに感応する、その長さに沿った領域を有してもよく、体液中の身体状態のインジケータの存在に応答して、その領域内にラインが現れる。
【0233】
好ましくは、1または複数の側方流動ストリップは、本体部分の第1の表面に取り付けられてもよい。
【0234】
好ましくは、電子デバイスは、スマートフォンであってもよい。
【0235】
好ましくは、体液の検査を実行することは、電子デバイスによって、1または複数のラインが、1または複数の側方流動ストリップの分析領域に存在するかどうかを決定することを含む。
【0236】
好ましくは、結果を出力することは、
それぞれの分析領域に所定の検査ラインが現れる各側方流動ストリップについて、体液中にインジケータが存在するという肯定的な結果を出力することと、
それぞれの分析領域に所定の検査ラインが現れない各側方流動ストリップについて、体液中にインジケータが存在しないという否定的な結果を出力することと、
を含む。
【0237】
好ましくは、方法は、所定の検査ラインが存在すると判定することに応答して、アプリケーションによって、1または複数のラインの強度を判定することをさらに含む。
【0238】
好ましくは、画像データを取得する前に、方法は、
電子デバイスのディスプレイにより、電子デバイスのカメラを用いて体液検査装置のライブ画像を表示することと、
電子デバイスのディスプレイにより、ライブ画像と共にウィンドウを表示することであって、体液検査装置はウィンドウ内で位置合わせが可能である、ことと、
を更に有する。
【0239】
このようにして、体液検査装置は、画像データが取得される前に容易に位置合わせすることができる。好ましくは、機械可読ラベルウィンドウがウィンドウ内に提示され、体液検査装置上の機械可読ラベルが機械可読ラベルウィンドウと位置合わせ可能に配置される。好ましくは、分析領域を含む体液検査装置のセクションは、所定の関係に基づいて特定されてもよい。好ましくは、所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であってもよい。代替的にまたは追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルの決定された位置とそのセクションとの間であってもよく、機械可読ラベルの位置は、機械可読ラベルウィンドウ内の機械可読ラベルの位置合わせに基づいて決定することができる。
【0240】
好ましくは、この方法は、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていることを特定することに応答して、体液検査装置の画像データを自動的に撮影することをさらに含む。
【0241】
このようにして、ユーザ入力の必要性が最小限に抑えられ、ユーザエラーの危険性を低減することによって、アプリケーションの有用性が改善される。
【0242】
好ましくは、この方法は、体液検査装置上の機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイント、および/またはアンカーバーのうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定することをさらに含む。
【0243】
このようにして、関連付けられたアプリケーションは、装置の分析中に、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定することができる。これにより、処理が高速化され、解析結果の精度が向上する。
【0244】
好ましくは、アプリケーションは、機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイント、および/またはアンカーバーのうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、1または複数の側方流動ストリップからの所定の変位を使用して、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定するように構成されてもよい。好ましくは、所定の変位は、アプリケーション分析可能な体液検査装置上に提示される機械可読情報に関連する装置情報に含まれてもよい。
【0245】
好ましくは、アプリケーションは、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置から、機械可読情報に対応する装置情報にアクセスするために、アプリケーションによって使用可能な機械可読情報を走査してもよい。好ましくは、装置情報は、側方流動ストリップが感応するインジケータの種類、側方流動ストリップの数およびサイズ、ならびに機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイントおよび/またはアンカーバーに対する側方流動ストリップの位置(またはそこからの変位)を含んでよい。好ましくは、アプリケーションは、ライブ画像と共に電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウを表示してよく、体液検査装置は、ウィンドウ内で位置合わせ可能である。
【0246】
好ましくは、方法は、画像データ内の機械可読ラベルの位置を決定することをさらに含む。
【0247】
好ましくは、方法は、画像データ内の1または複数のアンカーポイントの位置を決定することをさらに含む。
【0248】
好ましくは、装置は、複数のアンカーポイントを備えてもよい。
【0249】
好ましくは、方法は、画像データ内のアンカーバーの位置を決定することをさらに含む。
好ましくは、方法は、
アプリケーションによって、体液検査装置上の機械読み取り可能なラベルを走査することと、
アプリケーションによって、機械可読ラベルから、装置が配置されている検査の種類に関する装置情報を判定することと、
を更に有する。
【0250】
このようにして、電子デバイス上で実行可能な1つのアプリケーションは、異なる状態に関連する複数の検査のための分析を実行するように構成することができ、アプリケーションは、デバイスのカメラによって撮影された機械可読ラベルの画像データから実行されている検査の種類を決定することができる。分析プロセスを実行する前に検査の種類を決定することは、アプリケーションが分析すべきものをより迅速に特定することができるので、分析プロセスを促進することができる。好ましくは、アプリケーションは、画像データを取得する前に、機械可読情報を走査し、装置情報を決定してよい。
【0251】
好ましくは、アプリケーションは、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置から、機械可読情報に対応する装置情報にアクセスするために、機械可読情報を使用してよい。好ましくは、記憶装置は、電子デバイスに対してローカルであってもよい。あるいは、記憶装置は、ネットワーク接続を使用して電子デバイスによってアクセス可能なサーバにあってもよい。
【0252】
好ましくは、装置情報は、カードのサイズまたはアスペクト比、側方流動ストリップが感応するインジケータの種類、側方流動ストリップの数およびサイズ、ならびに機械可読ラベル、1または複数のアンカーポイントおよび/またはアンカーバーに対する側方流動ストリップの位置(またはそこからの変位)のいずれかを含んでよい。
【0253】
好ましくは、機械可読ラベルおよび検査領域は、本体部分の同じ表面、すなわち第1の表面上に配置されてもよい。
【0254】
好ましくは、機械可読情報は、QRコードであってもよい。
【0255】
第16の態様では、プロセッサによって実行されると、プロセッサに第15の態様の方法ステップを実行させる命令が格納された非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0256】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0257】
図1a】第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の平面図を示す。
図1b】第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の斜視図を示す。
図1c】第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置を保持する手の図を示す。
図1d】検査パッドが取り外された、第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の平面図を示す。
図1e】検査パッドが取り外された、第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の斜視図を示す。
図1f】検査パッドを取り外された、第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の背面の平面図を示す。
図1g】検査パッドが取り外された、第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の背面の斜視図を示す。
図1h】検査パッドを含む、第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の背面の斜視図を示す。
図1i】第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の検査パッドの平面図を示す。
図1j】第1の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の検査パッドの斜視図を示す。
図2a】第2の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の平面図を示す。
図2b】第2の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の斜視図を示す。
図2c】第2の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置を保持する手の図を示す。
図3a】第3の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の平面図を示す。
図3b】第3の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置の正面の斜視図を示す。
図3c】第3の実施形態に係るアプリケーション分析可能な体液検査装置を保持する手の図を示す。
図4】アプリケーション分析可能な体液検査装置の画像データを分析することに関与する処理ステップの流れ図である。
図5】アプリケーションによって分析されるアプリケーション分析可能な体液検査装置の領域の概念図である。
図6】検査位置検出に含まれるステップの流れ図である。
図7】色校正に含まれるステップの流れ図である。
図8】ユーザがアプリケーション分析可能な側方流動体液検査装置を使用することができる方法の流れ図である。
図9】アプリケーション分析可能な側方流動体液検査装置に関連付けられたアプリケーションで実行される処理および分析ステップの流れ図である。
図10】本開示の実施形態による体液検査システムにおけるハードウェアエンティティのブロック図である。
図11】位置合わせウィンドウの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0258】
図1図2および図3は、本開示の実施形態による体液検査装置100、200、300を示す。本明細書では、装置をカード100、200、300と呼ぶ。しかしながら、装置は、その目的を実行するのに適した任意の他の形状、サイズ、または材料であってもよいことが容易に理解されるであろう。
【0259】
体液検査カード100、200、300は、ユーザがカード100、200、300の保持領域101、201、301を保持しながら、尿などの体液をカード100、200、300の検査領域103、203、303に塗布できるように配置される。本明細書において、体液は尿として記載される。しかしながら、当業者であれば、記載された実施形態が、他の体液、例えば血液、唾液または他の任意の適切な体液にも使用され得ることを容易に理解するであろう。検査領域103、203、303は、尿中の状態の識別子と相互作用する1または複数の検査領域を画定する1または複数の色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309を有する。カード100、200、300の画像データは、ユーザが保持領域101、201、301を保持している間に、スマートフォンなどの電子デバイスのカメラを使用して撮影される。スマートフォン上で実行可能なアプリケーションは、撮影された画像データを分析し、結果を出力するための1または複数のアルゴリズムを実装する。その結果は、検査領域103、203、303内のパッド109、209またはストリップ309と相互作用したユーザの尿中の状態のインジケータに基づいて、ユーザの身体システム内にその状態が存在するか否かを示す。一例として、特定され得る状態には、とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングまたはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、妊娠期合併症、妊娠検査、薬物誤用、ならびに排卵健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態におけるホルモンまたは抗体の検査が含まれる。
【0260】
体液検査カード100、200、300は、検査パッド109、209またはストリップ309の支持構造として作用する細長い形状を有する本体105、205、305を有する。本体105、205、305は、カード100、200、300の長さおよび幅が厚さよりもかなり大きいという点で、平面形状である。これには、装置が効率的にパッケージングされ、最小限のスペースで済むという利点がある。本体105、205、305は、液体を塗布するための任意の適切な材料から作製することが可能であり、紙、カード、可塑化カード、ポリマー、またはそれらの複合材料/組み合わせをその例として含めることができる。本体105、205、305は、前述の材料の単一層から形成することができ、あるいは、本体105、205、305は、多層構造を形成するために互いに接着された前述の材料の2つ以上の層から形成することができる。
【0261】
カード100、200、300の第1の端部は、保持領域101、201、301として定義される。第1の端部の反対側の第2の端部は、検査領域103、203、303として定義される。
【0262】
保持領域101、201、301は、カード100、200、300のユーザがカード100、200、300を使用する際に、指/親指117、217、317をあてるべき保持領域101、201、301のサブ領域を定義する保持標識107、207、307を含む。図1c、2cおよび3cは、保持標識107、207、307によって保持されている様々な実施形態によるカード100、200、300を示す。保持標識107、207、307は、使用時に保持標識107、207、307でカード100、200、300を保持することをユーザに示すテキスト情報などの標識を含む。テキスト情報は、ユーザが親指117、217、317をあてるべき特定の領域を明確に伝えるために、円のような囲まれた形状によって囲むことができる。保持標識107、207、307は、本体105、205、305の表面133、233、333に印刷される。あるいは、保持標識107、207、307は、エンボス加工され、デボス加工され、または表面133、233、333上に、他の任意の適切な様式で提示され得る。有利であるように、標識は、最適に使用するために機器をどこに保持すべきかをユーザに案内する。
【0263】
表面133、233、333は、QRコードなどの機械可読情報111、211、311を含む。アプリケーションは、QRコード111、211、311を走査して、実行されるべき特定の検査、試薬ロット特性及び有効期限情報を決定し、従って、どの分析が実行されるべきかを決定し、検査装置100、200、300を走査又は分析するための特定のパラメータを決定する。このようなパラメータは、カードのサイズおよび/またはアスペクト比、色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309のレイアウト、色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309のサイズ、色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309の間の距離、色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309と、QRコード111、211、311などのカード上の他の特徴との間の距離、色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309の種類、色変化パッド109、209の基準色、およびその他を含むことができるが、これらに限定されない。アプリケーションは、QRコード111、211、311からの情報を使用して、QRコード111、211、311に関連付けられた装置情報に、アプリケーションに関連付けられ、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置からアクセスする。装置情報は、カード100、200、300に関する特定のパラメータを含むことができる。QRコード111、211、311の位置は、パッド109、209、309の位置を決定する際にアプリケーションにより使用することができる。
【0264】
表面133、233、333はまた、色基準チャート113、213を含むことができる。色基準チャート113、213は、保持領域101、201、301に印刷された一連のセルであり、画像および/またはカメラ性能の品質管理のための色基準色として機能する。図1の例では、色基準チャート113は、QRコード111の上に一列に配列されたセルの1つのストリップを含み、セルの色は、浸漬スティックパッド上の色遷移点をサポートするための原色および/またはキー色(ただし、これらに限定されない)を含んでよい。図2の例では、色基準チャート213は、QRコード211を実質的に取り囲むセルのストリップを含む。当業者であれば、いずれの色基準チャートも、どの実施形態とも互換性があることを容易に理解するであろう。
【0265】
検査領域103、203、303は、尿中で測定可能な検体に感度を有する検査パッド109、209またはストリップ309を含む。検査領域103、203、303は、保持標識107、207、307と同じ本体105、205、305の表面133、233、333上に配置される。検査領域103、203、303については、後でより詳細に説明する。
【0266】
最大深さライン115、215、315は、保持標識107、207、307と同じ本体105、205、305の表面133、233、333上に提示される。最大深さライン115、215、315は、カード100、200、300が尿サンプルに浸漬されるべき最大深さ、またはその下でストリップが尿の直接塗布のために露出され得る最大深さを示す。
【0267】
検査領域103、203、303は、任意選択で、周囲の湿気に対する暴露(事前浸漬)に対して許容度の低い検査パッドをさらに含むことができる。どのパッドが使用されるかは、検査の構成に依存するが、白血球、亜硝酸塩、またはタンパク質を含み得る。アプリケーションは、パッドに搭載されたアルゴリズムを用いて、ディップスティックの完全性を示唆することができる水分の存在を検出することができる。これは、包装100、200、300に対する損傷または改ざん、ストリップが使用前に包装の外に長い時間放置されたこと、またはストリップが以前に浸漬されたことを示す場合がある。
【0268】
また、上記の特徴のいずれかを、以下の実施の形態のいずれかに適宜含めることができる。
【0269】
図1および図2の実施形態では、検査領域103、203は、塗布された尿中のインジケータの存在に応答して色を変化させる色変化パッド109、209の形態の検査領域を含む。検査パッドは、背景領域145、245によって囲まれているか、または境界を定められている。尿は、ユーザからの排出によって色変化パッド109、209に直接塗布することができ、または色変化パッド109、209は、カード100、200を尿サンプルに浸漬することによって尿サンプルに浸漬することができる。色変化パッド109、209は、とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、および妊娠期合併症を含む状態の検査に使用することができる。一例では、色変化パッドは、とりわけ、白血球、亜硝酸塩、タンパク質、グルコース、ケトン、ウロビリノーゲン、ビリルビン、赤血球、ヘモグロビン、クレアチニン、マイクロアルブミンの存在を検出し、比重およびpHを測定することができる。これらは、例えば、疾患に関連する病理学的状態を特定するために組み合わせて使用され得る。色変化パッド内の試薬は、(尿または体液中に存在する場合)検査される状態に関連する検体と反応して、変色を生じる。色の種類および程度は、存在する検体の量を示すことができる。一例では、尿路感染症のための検査装置は、白血球パッド、亜硝酸塩パッド、およびpHパッドを使用する。必要とされる色変化パッド109、209の数は、色変化パッドが使用される検査によって変わり得る。
【0270】
図3の実施形態では、検査領域303は、1または複数の側方流動ストリップ309の形態の検査領域を含む。側方流動ストリップ309は、尿中のインジケータに感度を有し、塗布された尿中に検体が存在するかどうかを示すラインを提示する。側方流動ストリップは、妊娠、薬物誤用、ホルモンまたは抗体が排卵の健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態でのホルモンまたは抗体の検査に使用することができる。側方流動ストリップは、塗布された尿または体液中に存在することについて検査される状態にそれぞれ関連する検体に感度を有する。検体は、例えば、ホルモン、小タンパク質、マクロタンパク質、または抗体を含むことができる。尿は、側方流動ストリップ309を尿サンプルに浸漬することによって、またはユーザによる直接的な塗布として、途中で塗布される。一例では、側方流動ストリップ309は、イムノクロマトグラフィーアッセイである。このストリップは、その長さに沿って液体(例えば、尿)を自発的に輸送することができる毛管床から構成される。これらの毛管床は、形成されていてもよく、または多孔質の紙またはポリマーであってもよい。各側方流動ストリップ309は、目的の検体(つまり、検査を実施する状態に関連する検体)に特異な抗体であって、側方流動ストリップの表面上の定位置に固定され、カラーレポーターと結合され、吸収性パッド内で乾燥されたものの領域を備えている。これらの抗体は、検査処理の経過中に、視覚的バンド(またはライン)を生成する目的の検体に強く結合し、その密度は存在する検体の濃度に関連する。各側方流動ストリップは、検査領域および対照領域を有し、各領域は、1または複数の領域または固定化された抗体を有する。これらは、検査を行う前に視覚的に明白ではない。対照ラインは、検査が成功した場合の表示を提供するために、カラーレポーターを直接結合する。検査ラインは、もし存在する場合、すでにカラーレポーターに結合している目的とする検体と結合する(競合アッセイの場合にはその逆である)。これらのラインの位置および数は、実行されている検査に応じて変えることができるが、アプリケーション内において、例えば、機械可読情報から、またはQRコード311に関連して、予め決定され、知られている。
【0271】
図1a~図1jの実施形態では、本体105は、互いに接着された2つの材料層でできている。層は、前述の本体105、205、305の材料のいずれであってもよい。保持標識107は、2つの層の前方層119の表面133上に提示される。後方層121は、前方層119の反対側に接着される。
【0272】
検査パッド109は、図1iおよび図1jに示すように、ストリップ127の2つの部分、検査パッド109が配置される第1の部分129、および検査パッド109が配置されない第2の部分131を画定するようにストリップ127の表面上に配置される。ストリップ127は、ストリップ127の第2の部分131によって本体105に固定される。図1dおよび図1eに示されるように、第1のウィンドウ123は、本体105の前方層119の検査領域103から切り取られ、第1のウィンドウ123は、ストリップ127の第1の部分129とサイズおよび形状が少なくとも等しい。第2のウィンドウ125は、後方層121から切り取られており、第2のウィンドウ125は、図1fおよび図1gに示すように、ストリップ127の組み合わされた第1の部分129および第2の部分131とサイズおよび形状が少なくとも等しい。第1のウィンドウ123は、前方層119と後方層121とが互いに固定されて、ストリップ127の第1の部分129とほぼ等しいサイズおよび形状の本体105内の全体的な切り欠きウィンドウを画定する際に、第2のウィンドウ125の上に重なる。この重ね合わせによって、ストリップ127の第2の部分131とほぼ同じサイズと形状の凹部を後方層121に形成する。
【0273】
ストリップ127の第2の部分131は、凹部内で、前方層119の裏側(すなわち、保持標識107が提示される表面133の反対側の前方層119の表面)に接着され、その結果、検査パッド109は、本体105の保持標識107と同じ側の切り欠きウィンドウを通って提示される。第2の部分131は、任意の適切な従来の貼り付け装置によって前方層119の背面に接着される。
【0274】
有利であるように、既存の技術を使用する検査領域を本体105に取り付けてカードを形成する。さらに、本体103の1つの設計は、本体103の1つの設計に取り付けることができる異なる状況に関連する異なる種類の検査パッド109を有する様々な異なる種類の検査ストリップ127に使用することができる。異なる状況を検査するために設計された製造カード100の間では、ストリップの種類および本体上に提示される任意の情報のみを変更する必要がある。これにより、製造上の考慮事項が簡素化され、合理化される。
【0275】
ストリップ127と検査パッド109との合計厚さは、本体105の層119、121の合計厚さにほぼ等しく、本体105の後方層121の厚さは、ストリップ127の第2の部分131の厚さにほぼ等しい。このようにして、ストリップ127が本体105に取り付けられると、検査パッド109は、図1bに示すように、前方層119の表面133とほぼ同一平面になり、ストリップ127は、図1hに示すように、本体105の後方層121の表面135とほぼ同一平面になる。これにより、カード100の両面133、135上に一貫した表面プロファイル、すなわち高さが得られる。
【0276】
代替実施形態では、図2a~図2cに示されるように、検査パッド209は、保持標識207上に示されるのと同じ本体205の表面233上に直接取り付けられる。検査パッドは、任意の適切な従来の貼り付け装置によって検査領域203の表面233に接着される。検査パッド209は、ストリップが本体205の表面233に接着された状態で、ストリップ上に配置することができる。
【0277】
別の代替実施形態では、図3a~図3cに示すように、1または複数の側方流動ストリップ309が本体305に固定される。側方流動ストリップ309は、保持標識307が提示されているのと同じ本体305の表面333に取り付けられている。図3では、10個の側方流動ストリップ309が含まれているが、代わりに、より多くの又はより少ない数の側方流動ストリップ309を含むこともできる。側方流動ストリップは、分析領域355を含み、側方流動ストリップが感度を有する検体が体液試料中に存在する場合、その中にラインが現れる。液体は、側方流動ストリップ309の液体取り込み領域351によって分析領域355に引き込まれる。
【0278】
側方流動ストリップ309は、任意の適切な従来の貼り付け装置を使用して、検査領域303において、本体305の表面333に接着される。
【0279】
各側方流動ストリップ309の液体取り込み領域351の一部353は、本体305の縁部を越えて延びている。これにより、液体取り込み領域351が尿に浸漬された際に、側方流動ストリップ309が、カードの本体305を濡らすことなく、容器から尿を取り込むことが可能になる。
【0280】
1または複数のアンカーポイント349が、側方流動ストリップが接着されるのと同じ本体の表面333上に表示される。図3に示す例では、4つのアンカーポイント349が、検査領域303の角に実質的に配置されている。しかしながら、任意の適切な数のアンカーポイントが含まれてもよいことは、当業者には容易に理解されるであろう。カード300の画像データの分析中に、関連付けられたアプリケーションは、アンカーポイント349を突き止め、これらを使用して、側方流動ストリップの分析領域355を特定する。アンカーポイント349は、本体部分305の第1の表面333上に提示される標識である。アンカーポイントの1つは、他のアンカーポイントとは別個であってもよく、例えば、別個のアンカーポイントは、他のアンカーポイントとは異なる色を含む。アプリケーションは、別個のアンカーポイントを使用して、画像データ内のアプリケーション分析可能な体液検査装置の向きを特定することができる。有利であるように、アンカーポイント349は、関連付けられたアプリケーションが、カード300の分析中に、1または複数の側方流動ストリップ309の分析領域355の位置を決定することを可能にする。これにより、処理が高速化され、解析結果の精度が向上する。アンカーバー357は、側方流動ストリップが接着されるのと同じ本体の表面333上に表示される。アンカーバー357は、2つのグループの側方流動ストリップ309の間でカード300のほぼ中央に配置されている。一例では、アンカーバー357は、黒ベタの長方形である。カード300の画像データの分析中に、関連付けられたアプリケーションは、アンカーバー357の位置を突き止め、それを横方向流動ストリップの分析領域355の特定に使用する。一例では、アプリケーションは、機械可読ラベル311、1または複数のアンカーポイント349、およびアンカーバー357の組み合わせを使用して、側方流動ストリップ309の分析領域355の位置を決定する。
【0281】
側方流動ストリップ309によって提供される側方流動検査は、薬物乱用および誤用の特定に有用である。複数の側方流動ストリップ309を含むことができる。薬物乱用および誤用の場合、側方流動ストリップ309は、尿サンプル中の異なる薬物の特定に関連し得る。一例では、側方流動ストリップは、とりわけ、大麻またはマリファナ(THC)、アンフェタミン、コカイン、エクスタシー、メタンフェタミン、モルヒネ、ヘロイン、フェンタニル、合成カンナビノイド、メタカチノン、ケタミンLSDおよび酸ならびに/またはそれらの代謝産物を含む薬物のインジケータに感度を有し得る。したがって、この装置は、体液を排出した人が薬物乱用/薬物誤用に関与したかどうかを特定するために使用することができる。有利であるように、複数の側方ストリップは、複数の異なる薬物に関連したインジケータの存在を特定するために、尿の単回塗布をできるようにする。薬物の誤用および乱用の特定の場合、側方流動ストリップは、尿などの体液中で検査される薬物の代謝産物に対する感度が高い。
【0282】
ここで、先の実施形態を参照して説明した装置を使用する方法を説明する。動作中、ユーザは、保持標識107、207、307によってカード100、200、300を保持し、かれらの身体105、205、305から直接排出することによって(図1および図2の実施形態の場合)、またはカード100、200、300を尿に浸漬することによって(図1図2および図3の実施形態の場合)、尿(または任意の他の適切な体液)を塗布する。
【0283】
尿中のインジケータに応答して、色変化パッド109、209は色を変化させてもよく、または、ラインが、側方流動ストリップ309の場合に現れてもよい。
【0284】
カード100、200、300を保持したまま、ユーザは、スマートフォンなどの電子デバイスで関連付けられたアプリケーションを開く。アプリケーションは、ユーザがカード100、200、300を保持している間に、電子デバイス上のカメラを使用してカード100、200、300の画像を撮影するようにユーザに促す。アプリケーションは、画像撮影のためにカード100、200、300を正しく方向付けるようにユーザをガイドするために、フレームまたは輪郭をデバイスディスプレイ上に表示することができる。アプリケーションは、画像を撮影する前に、ユーザにカウントダウンタイマーを表示することができる。カウントダウンタイマーの期間は、色変化パッド109、209のために、または試薬および尿が1または複数のライン309を形成するために側方流動検査に沿って移動するために、色が十分に変化するのに必要な時間(すなわち、結果が現れるのにかかる時間)に対応することができる。時間の長さは、機械可読情報111、211、311から決定されるように、実行される検査の種類に応じて設定することができる。アプリケーションは、更に、最適な走査時間ウィンドウを確保するためにストリップを読み取ることができる浸漬後の時間を制限する。
【0285】
アプリケーションは、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置内の機械可読情報111、211、311に関連する装置情報にアクセスすることによって、カード100、200、300上に提示された機械可読情報111、211、311(QRコードなど)から、特に、尿路感染症検査、糖尿病、または糖尿病スクリーニングまたはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害検査、腎疾患検査、肝疾患検査、食事障害検査、妊娠期合併症検査、妊娠検査、薬物誤用検査、ならびに排卵健康検査、前立腺特異抗原レベル検査、マラリア検査、不妊症検査、性感染症検査、および糖尿病HbA1c検査などのホルモンおよび抗体関連状態の検査の種類を特定することができる。カード100、200、300の画像データは、カメラによって撮影される。アプリケーションは、色変化パッド109、209の場合の任意の色変化、または画像データ内の側方流動ストリップ309の場合に形成されるラインの存在、位置、および/または強度を分析するためのアルゴリズムを実行する。
【0286】
色変化パッド109、209の場合、アプリケーションは、色変化パッド109、209の色変化を分析する前に色校正アルゴリズムを実行することができる。
【0287】
撮影された画像データに基づいて、所定の色と比較した色変化パッド109、209の色変化、または側方流動ストリップ309の場合に形成されるラインの存在、位置、および/または強度を分析することによって、アプリケーションは、ユーザが検査している状態が存在するかどうかを判定する。検査することができる例示的な状態には、とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病のスクリーニングまたはモニタリングのためのグルコースレベル、ならびに代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、妊娠期合併症、妊娠検査、薬物誤用、ならびに排卵の健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態におけるホルモンまたは抗体の検査が含まれる。そのような状態の識別子が尿試料中に存在する場合、アプリケーションは、色変化パッド109、209または側方流動ストリップ309の画像データを使用してこれを識別し、アプリケーションは、この情報をデバイスのディスプレイ上でユーザに出力する。
【0288】
有利であるように、装置のユーザは、装置の検査領域に尿などの体液を塗布し、次いで、体液を塗布して分析をする間に、装置を下に置く、または表面上に置く必要なく、装置上で実行可能なアプリケーションを使用して、検査領域に塗布された体液の分析のための電子デバイスを用いて画像データを撮影することができる。これは、表面からの装置への汚染を防止すると共に、装置に塗布される体液からの表面への汚染を防止する。これにより、衛生も改善する。
【0289】
さらに、完全性チェックのために使用することができるパッド、例えば白血球、亜硝酸塩、またはタンパク質パッドを有する装置の場合、100、200、300のためのカード包装が改竄されているか、損傷しているか、または使用前に長期間ディップが放置されていたか、またはすでに使用されている場合、アプリケーションは、「完全性」パッドからこれを判定し、ユーザにさらなる進行を停止するように警告する。
【0290】
図4は、図1および図2を参照して説明した検査装置(またはカード)の色変化パッド109、209(または検査領域)の色変化を分析するためのアルゴリズムに含まれる処理ステップの流れ図を示す。本明細書では、複数の色変化パッドについて説明する。しかしながら、当業者であれば、1つの色変化パッドのみを有するカードを使用する場合に、同じステップが適用され得ることを容易に理解するであろう。同様に、記載は尿分析に向けられているが、当業者であれば、記載された処理ステップが他の適切な体液の分析にも適用され得ることを容易に理解するであろう。
【0291】
ユーザは、カードを保持し、検査装置またはカードの検査領域または色変化パッド109、209に尿を塗布する。スマートフォンなどの電子デバイス上で実行されるアプリケーションは、電子デバイスのカメラを利用してカードの画像データを撮影する。ユーザは、電子デバイスのカメラをカードに向け、カードは、保持されるか、または表面上に配置されてもよく、その結果、アプリケーションは、カメラによって検出されたカードのライブ画像を電子デバイスのディスプレイ上に表示する。
【0292】
ステップ402において、アプリケーションは、QRコードを特定するのに適した電子デバイスにおける画像検出アルゴリズムを使用して、カード上のQRコードなどの機械可読ラベル211の存在を検出する。例えば、アルゴリズムは、QRコードの位置を機械可読ラベル領域547内にあるものとして決定し、ボックス547は、QRコードの読み取りが行われる領域の視覚的表現を提示する。アルゴリズムは、QRコードの画像を情報に復号化する。機械可読ラベル211は、カードの種類を示すために使用される。アプリケーションは、電子デバイスのカメラを使用してQRコードを走査する。アプリケーションは、機械可読情報から、装置が配置される検査の種類に関する装置情報を決定する。アプリケーションは、機械可読情報を事前に格納された装置情報と比較して、機械可読情報に関連する装置情報を特定する。装置情報は、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置内の電子デバイスにローカルに格納されてもよい。あるいは、アプリケーションは、電子デバイスに接続したサーバと機械可読情報を通信することができる。サーバは、アプリケーションと共に使用するために、関連する装置情報を電子デバイスに提供することができる。
【0293】
装置情報から、機械可読ラベル211を介して、アプリケーションは、画像データが撮影された検査装置またはカードの種類を決定し、すなわち、アプリケーションは、機械可読ラベル211からカードがどの種類の尿検査に使用されるか、例えば、とりわけ、尿路感染症検査、糖尿病、または糖尿病スクリーニングまたはモニタリングのためのグルコースレベル、および代謝障害検査、腎臓疾患検査、肝臓疾患検査、食事障害検査、および妊娠期合併症検査を決定する。装置情報の他の例は、カードのサイズおよび/またはアスペクト比、色変化パッドのレイアウト、色変化パッドのサイズ、色変化パッド間の距離、色変化パッドとQRコードなどのカード上の他の特徴との間の距離、色変化パッドの種類、色変化パッドの基準色、およびその他を含むことができるが、これらに限定されない。すなわち、機械可読ラベル211を使用して、アプリケーションは、機械可読ラベル211に対応する情報、すなわち、異なる種類のカードに対応する情報を特定する。この決定された情報は、尿の塗布による色変化パッド109、209の色変化を決定する際に使用されるべきカード形状、色変化パッドレイアウト、および基準色などの特性を決定するために使用される。異なる種類のカードは、カード上の異なる位置に配置することができる異なるサイズおよび/または形状の色変化パッドを有してよく、検査装置の種類を決定することは、異なる種類のカードのためのパッドの位置に関する所定の情報に基づいて色変化パッドの位置を決定する際にアプリケーションを支援することができる。機械可読情報はまた、検査領域または感受性領域の位置を特定するのを助け、バッチ番号および有効期限を含むLOT情報を提供し、照明条件検査で使用し、製造日を特定し、個々のストリップに固有のIDストリングを特定するために、アンカーポイントとして使用されてもよい。QRコードシリアライゼーションはまた、ユーザ経験またはアフターセールスケアを改善するために、購入のソース(すなわち、小売業者、直接販売、ヘルスケア提供者)を特定するために使用され得る。
【0294】
アプリケーションは、必要に応じてカードおよび/またはカメラを移動させることによって、ユーザがカードを位置合わせするように促されるウィンドウ1101またはボックスをディスプレイ上に提示し、図11は、そのようなウィンドウの概略図を示すものである。ウィンドウ1101は、ユーザがカードの縁部をウィンドウ1101の縁部1102と位置合わせするのを助けるように、カードと同様の形状である。これは、カードが正確に位置合わせされることを可能にし、それによって、画像の撮影および処理を支援する。サブウィンドウ1103をウィンドウ内に提示することができ、サブウィンドウ1103は、ユーザがサブウィンドウ1103内で機械可読ラベルまたはQRコード211を位置合わせするように促されるように構成することができる。これにより、画像撮影のためのカードの位置合わせを改善することができる。アプリケーションは、ウィンドウ1101内に整列されたカード200の存在を検出し、および/または機械可読ラベル200は、サブウィンドウ1103内に整列され、例えば、ステップ404でカードの写真を撮影することによって、カード200の画像データを自動的に取得する。有利であるように、これは、必要とされるユーザ入力を最小化し、それによって、ユーザビリティを改善し、ユーザエラーの危険性を低減する。また、アプリケーションは、画像撮影の前に、探索が成功するのを待ち、リスニングにフォーカスすることもできる。例えば、ユーザの指または親指がラベル211を覆っている(または部分的に覆っている)ために、機械可読ラベル211が隠されている場合、アプリケーションは、機械可読ラベル211がもはや隠されなくなるまで(すなわち、ユーザが自分の指または親指を機械可読ラベル211から離して移動させるまで)、画像を撮影しなくてもよい。
【0295】
代替例では、カードがウィンドウ1101内に適切に位置合わせされ、かつ/または機械可読ラベル200がサブウィンドウ1103内に位置合わせされると、ユーザは、例えば「撮影」ボタンを選択することによって、カメラを使用して画像データを記録するようにアプリケーションに命令することができる。
【0296】
あるいは、ステップ402および404の代わりに、ユーザは、カードの事前に格納された写真をインポートし、必要に応じて画像を回転および/またはズームすることによって、カードをウィンドウ内で位置合わせすることができる。次いで、アプリケーションは、画像データからQRコードを走査し、装置情報にアクセスすることができる。
【0297】
ステップ406Aにおいて、アプリケーションは、アプリケーションがiOSオペレーティングシステム上で実行されているかどうかを判定し、電子デバイスがアクティブなインターネット接続(例えば、WiFi接続、4G接続、5G接続、または他の任意の適切な種類のインターネット接続)を有するかどうかを判定することによって、2ファクタ検査を実行する。
【0298】
アプリケーションがiOSオペレーティングシステム上で実行されておらず、アクティブなインターネット接続がないと判定された場合、プロセスはステップ408Aに進み、アプリケーションは、分析を実行することができないことを示す通知をユーザに提示する。
【0299】
アプリケーションがiOSオペレーティングシステム上で実行されていると判定された場合、アプリケーションは、図5に概念的に示されているように、色変化パッド109、209が配置されている検査領域537を判定する。図5に示されたカード200の領域は、ウィンドウ1101内に撮影された領域に対応する。検査領域537は、アプリケーションが色変化パッド209を見つけることを期待できる所定の位置である。各色変化パッド209の上部および底部、ならびにカード200の横方向位置は、ケースバイケースで具体的に特定され、これは、製造におけるわずかな変更、ならびにユーザによるカード200のカメラへの取り扱いおよび提示におけるわずかな変更を可能にする。図5図2の実施形態に従って示されているが、同じプロセスを図1の実施形態に容易に適用できることは容易に理解されるであろう。一例では、検査領域537の位置は、カードがウィンドウの縁部と位置合わせがされた際に色変化パッドを包含するウィンドウ内の所定の位置に基づいて決定される。別の例では、検査領域537の位置は、画像撮影時のQRコード211とサブウィンドウ1103との位置合わせに基づいて、QRコード211の決定された位置に対して予め定められた関係から決定される。すなわち、アプリケーションは、ウィンドウ内の検査領域の位置について、および/またはQRコード211の決定された位置に関して、格納された所定の関係にアクセスすることができる。この所定の関係は、機械可読情報211を使用してアクセスすることができる。異なる種類のカードは、例えば、異なる数および/または種類の色変化パッドのために、異なる検査領域を有することができる。例えば、機械可読情報211を用いて、アプリケーションは、アプリケーションに関連付けられた記憶装置から、異なる種類のカードについて、ウィンドウと検査領域との間の異なる関係または距離、あるいはQRコード211および検査領域537の位置にアクセスすることができる。あるいは、アプリケーションは、アプリケーションが実行されている電子デバイスと通信するサーバからの異なる種類のカードについて、ウィンドウと検査領域との間の異なる関係、またはQRコード211および検査領域537の位置にアクセスすることができる。一例では、カード200はウィンドウ1101内で位置合わせされ、QRコード211はサブウィンドウ1103内で位置合わせされ、アプリケーションは、位置合わせされたカード200のQRコード211と検査領域537との間の既知の距離と、それぞれのウィンドウおよびサブウィンドウを有するQRコード211との組み合わせにおいて、この位置合わせを使用して、検査領域537がQRコード211の位置に基づくと予想される場所を特定することができる。
【0300】
アプリケーションは、QRコードまたは機械可読ラベル211を使用して、どの種類のカードが使用されているか、したがって、どの所定の関係を使用すべきか、したがって、どこに検査領域537を塗布すべきかを特定してよい。
【0301】
有利であるように、これは、色変化パッド209のおおよその位置の粗い特定が決定されることを可能にする。
【0302】
検査領域の決定に続いて、プロセスはステップ410Aに続く。
【0303】
ステップ410Aにおいて、アプリケーションは、図5に概念的に示されるように、色変化パッドの各々の2つの対向する縁部539A、539Bを検出することによって、1または複数の色変化パッドの各々の正確な位置を決定する。アプリケーションは、第1の面537Aから第1の面の反対側の第2の面537Bまで検査領域を走査する。アプリケーションは、検査領域を横切って走査する際に輝度の不連続性を特定する。輝度の不連続性は、検査領域の背景領域545の色(すなわち、色変化パッドを囲む検査領域の部分545の色)から色変化パッドの色への色の変化に関連する。一例では、検査領域の背景色は白色であり、色変化パッドは非白色である。
【0304】
図5の概念図に示す例では、アプリケーションは、検査領域537の最上側537Aから、検査領域537の最下側537Bに向かう方向に走査する。別の例では、アプリケーションは、検査領域の最左端から最右端まで走査することができる。
【0305】
この方向に走査するとき、アプリケーションは、検査領域537の背景領域545から第1の色変化パッド209-1上に通過するとき、第1の輝度不連続性を識別する。この輝度の不連続性は、第1の色変化パッド209-1の第1の縁部539A-1を示す。アプリケーションは、画像の座標系を使用して、この第1の縁部539A-1の座標を格納する。
【0306】
アプリケーションは、検査領域537の最下側に向かって走査を続け、第1の色変化パッド209-1から検査領域537の背景領域545へ通過する際に、第2の輝度不連続性を識別する。この輝度の不連続性は、第1の色変化パッド209-1の第2の縁部539B-1を示す。アプリケーションは、座標系を使用してこの第2の縁部の座標を格納する。
【0307】
第1の縁部539A-1および第2の縁部539B-1から、アプリケーションは、第1の色変化パッドの位置を、2つの縁部539A-1および539B-1の間に含まれる領域として決定する。すなわち、第1の色変化パッド209-1の座標は、第1の縁部539A-1と第2の縁部539B-1の座標の間に含まれる座標である。
【0308】
アプリケーションは、第2の色変化パッド209-2の第1の縁部539A-2および第2の縁部539B-2の座標を使用して第2の色変化パッド209-2の位置を特定し、第3の色変化パッド209-3の第1の縁部539A-3および第2の縁部539B-3の座標を使用して第3の色変化パッド209-3の位置を特定し、第4の色変化パッド209-4の第1の縁部539A-4および第2の縁部539B-4の座標を使用して第4の色変化パッド209-4の位置を特定し、第5の色変化パッド209-5の第1の縁部539A-5および第2の縁部539B-5の座標を使用して第5の色変化パッド209-5の位置を特定するために、検査領域の最下側に向かって走査する際にこのプロセスを繰り返す。当業者は、これが5つの色変化パッドに限定されず、1または複数の色変化パッドを含む装置に対して同様の方法でプロセスを実施できることを容易に理解するであろう。
【0309】
有利であるように、ステップ410Aは、色変化パッド209の位置が正確に決定されることを可能とする。特に、色変化パッド209の位置は、カード200上に提示されたアンカーポイントを使用する必要なく決定することができる。したがって、カード200上にアンカーポイントを必要とせず、それによってカード200上のスペースを節約し、カード200のサイズを小さくすることができる。
【0310】
縁部検出が、各色変化パッドの2つの対向する縁部539A、539Bの検出に成功した場合、プロセスはステップ414Aに続く。
【0311】
色変化パッドの位置合わせが失敗した場合、例えば、予想される縁部の1または複数が検出できない場合、プロセスはステップ412Aに進み、アプリケーションは、電子デバイスのディスプレイによって、処理が失敗したか、または実行できなかったことを示す通知をユーザに提示する。一例では、アプリケーションは、機械可読ラベル211を使用してアクセス可能な情報に基づいて、いくつの縁部が予想されるべきかを決定することができる。
【0312】
色変化パッド209の位置が特定的に決定されると、各色変化パッド209の領域またはサブ領域が、適切に代表的な色サンプルを提供するように選択される。ステップ414Aにおいて、アプリケーションは、ステップ410Aにおいて決定されたように、色変化パッドの各々の位置を使用して、図5に概念的に示されるように、各検査領域(すなわち、各色変化パッド)内の検査サブ領域541の色データをサンプリングする。サンプリングは、領域の色をサンプリングすることを含む。サブ領域541は、ステップ410Aでの縁部位置決定によって決定されるように、画像データ内の検査領域209よりもサイズが小さく、検査領域内に含まれる正方形(または任意の他の適切な形状)である。各色変化パッド209に対して、アプリケーションは、検査サブ領域541を、色変化パッド209の縁部543Aと543Bとの間の領域にあるように配置する。すなわち、検査サブ領域は、色変化パッド209の決定された座標領域内にある。色サンプリング処理は、色変化パッドの各々について繰り返される。
【0313】
ステップ414Aにおけるカラーサンプリングが成功した場合、プロセスはステップ416Aに続く。カラーサンプリングが失敗した場合、プロセスはステップ412Aに進み、アプリケーションは、電子デバイスのディスプレイによって、処理が失敗した、または実行できないことを示す通知をユーザに提示する。
【0314】
ステップ416Aでは、影検出が実行される。影検出は、色変化パッドの各々について繰り返される。影検出は、電子デバイスに、カード200全体に影を投影させる局所的な強い印加光源の色検出において生じ得る干渉を除去するために用いられる。影検出は、色変化パッドに隣接する背景サブ領域を使用する(背景サブ領域、または既知の白色領域は、以下でより詳細に説明する)。複数の背景サブ領域での光品質の読取値に大きな不一致がある場合は、影があることを示す。影があることが検出された場合、アプリケーションは、ユーザに警告し、分析のための画像撮影が行われている場所を変更するためのガイダンスを提供し、これは、画像データに影が存在する際に分析からの結果の報告を抑制する。
【0315】
ステップ418Aでは、画像データの変化する輝度を考慮するために色順応が実行される。色順応は、色変化パッドの各々について繰り返される。色順応は、色変化パッドに隣接する背景サブ領域における輝度測定値を使用する。複数の背景サブ領域での輝度に不一致がある場合、画像データにおける輝度の変化があることを示す。輝度の不一致が検出された場合、アプリケーションは、背景サブ領域における輝度に基づいて、画像全体の輝度を順応させる。
【0316】
ステップ420Aにおいて、アプリケーションは、画像データが撮影されたときの照明条件から生じるサンプリング色の影響を考慮するために、各サンプリング色の色校正を実行する。
【0317】
色の校正または調整は、色温度、または光温度、および強度を含む光品質の読取値を提供するために、色変化パッド209の両側の背景サブ領域(既知の「白色」領域など)の色サンプルを取得することによって達成される。当業者であれば、本文脈において、校正および調整という用語が交換可能であることを容易に理解するであろう。次いで、これらの光の読取値を使用して、周囲の照明条件のためにサンプリングされた色を調整する。より詳細には、色校正は、ステップ414Aでサンプリングされた第1の色変化パッド209-1の第1の検査サブ領域541-1の色データに対して実行される。アプリケーションは、図5の概念図に示されるように、第1の色変化パッド209-1から分離され、その両側に配置され、それに対応する第1の背景サブ領域543A-1、543B-1の色または光温度などの色校正データを決定する。色または光温度は、物体を照らす光源の特性であり、冷たい温度または「青みがかった」色から暖かい温度または「黄色がかった」色までの範囲があり得る。色温度または光温度は、黒体が同じ色の放射を放出する温度に関連する。色温度および光温度という用語は、交換可能に使用される。図5図2の実施形態に従って示されているが、同じプロセスが図1の実施形態に当てはまることは容易に理解されるであろう。一方の第1の背景サブ領域543A-1は、第1の色変化パッド209-1の第1の側に近接して配置され、他方の第1の背景サブ領域543B-1は、第1の色変化パッド209-1の第2の側に近接して配置され、色変化パッド209-1の第1の側は、色変化パッド209-1の第2の側の反対側である。
【0318】
背景サブ領域543A-1、543B-1は、色変化パッド209を囲むか、またはそれに隣接するカードの背景領域545のサブ領域である。背景サブ領域543A-1、543B-1は、第1の色変化パッド209-1の両側の背景領域545の色温度をサンプリングするために、第1の色変化パッド209-1の両側の所定の変位に配置される。色変化パッド209は、既知のサイズであり、カード200は、例えば、機械可読ラベル211から決定されるような既知のサイズであり、画像が撮影されるときのディスプレイのウィンドウ内のカード200の位置合わせ、およびこれらの既知のサイズ、ならびに色変化パッドの決定された位置のために、アプリケーションは、背景サブ領域を、色変化パッド209上またはカード200自体から離れたところではなく、画像内のカード200の背景領域545上にあるように配置するために、この情報を利用することができる。
【0319】
背景サブ領域543A-1、543B-1は、2つの背景サブ領域543A-1、543B-1の間に延在する直線が第1の検査サブ領域541-1を通過するように配置される。一例では、背景サブ領域543A-1、543B-1の各々は、サイズが第1の検査サブ領域541-1に等しい。
【0320】
背景領域は、実質的に白色である。アプリケーションは、第1の色変化パッド209-1の第1の側の第1の背景サブ領域543A-1の第1の色温度と、第1の側の反対側の色変化パッド209-1の第2の側の第1の背景サブ領域543B-1の第2の色温度とを決定する。次いで、アプリケーションは、第1の色温度と第2の色温度を終点として使用して、ラインに沿った色温度の勾配を決定する。
【0321】
有利であるように、白色背景領域の色温度を使用して、カードを照らす周囲照明から生じる校正データを決定することができる。これにより、色データの校正を可能にし、それによって、周囲照明から生じる色データの影響を除去する。さらに、これにより、カード上で別々の色基準チャートを使用する必要がなくなるか、または代わりに白色背景を使用することができるので、カードの画像データを撮影する必要がなくなる。
【0322】
色温度勾配と、画像に適用される座標系とを使用して、アプリケーションは、第1の検査サブ領域541-1の位置に対応するラインに沿った位置で色温度を計算する。次いで、アプリケーションは、第1の検査サブ領域541-1について計算された色温度を使用して、第1の検査サブ領域541-1の色データを校正し、画像が撮影される際にカード200を照射する周囲照明から生じる画像内の色の歪みを考慮する。一例では、アプリケーションは、計算された撮影された光温度を色データから差し引くことによって色データを校正する。色データは、とりわけ、記述子、RGB値、LAB値、CMYK値を含むことができる。
【0323】
次いで、このアプリケーションは、色変化パッドの各々についてこのプロセスを繰り返す。すなわち、アプリケーションは、第2の背景サブ領域543A-2および543B-2を使用して、第2の色変化パッド209-2の第2の検査サブ領域541-2のサンプリング色データを校正し、第3の背景サブ領域543A-3および543B-3を使用して、第3の色変化パッド209-3の第3の検査サブ領域541-3のサンプリング色データを校正し、第4の背景サブ領域543A-4および543B-4を使用して、第4の色変化パッド209-4の第4の検査サブ領域541-4のサンプリング色データを校正し、第5の背景サブ領域543A-5および543B-5を使用して、第5の色変化パッド209-5の第5の検査サブ領域541-5のサンプリング色データを校正する。当業者は、これが5つの色変化パッドに限定されず、1または複数の色変化パッドを含む装置に対して同様の方法でプロセスを実施できることを容易に理解するであろう。
【0324】
有利であるように、この色校正は、色変化パッドが、太陽光および人工照明などの様々な照明条件下で分析されることを可能にする。さらに、勾配は、2つの異なる光源が異なる位置からカードを照らしている場合など、カードの両側を照らす照明の違いを考慮することができる。色校正は、フラッシュが周囲光に寄与し、それによって記録された画像データおよびサンプリングされた色データを改善するように、画像が撮影される際に、電子デバイスのカメラに関連付けられたカメラフラッシュを利用してよい。
【0325】
さらなる色校正技法では、色校正は、画像が撮影される際に、電子デバイスのカメラに関連付けられたカメラフラッシュを利用してよい。スマートフォンなどの電子デバイスのカメラフラッシュは、既知の所定の色温度を有する。画像データの撮影時にカメラフラッシュがカード200に近接しているため、カメラフラッシュの色温度は、周囲照明効果を支配する。したがって、検査サブ領域541-1、541-2、541-3、541-4および541-5のサンプリング色データは、カメラフラッシュの既知の色温度を使用するアプリケーションによって校正することができる。一例では、アプリケーションは、色データからカメラフラッシュの色温度を差し引くことによって色データを校正する。アプリケーションは、色校正技術のいずれかまたは両方を利用することができる。
【0326】
代替の色校正技法では、アプリケーションは、カード上に存在する色基準チャート213を使用してよい。アプリケーションは、画像データから抽出された色基準チャート213のサンプリングされた色を、対応する既知の所定色と比較することができる。既知の所定の色は、機械可読ラベル211から導出可能な情報を使用してアクセスされてもよく、例えば、既知の所定の色は、機械可読ラベル211から導出された情報を使用してアプリケーションによって特定され、そのような情報を使用してアプリケーションにアクセス可能な記憶装置からアプリケーションによってアクセスされてもよい。色基準チャート213の画像データから抽出された色と、対応する既知の所定の色との間の差を使用して、検査サブ領域541の色データを校正することができる。
【0327】
アプリケーションは、色校正技術のうちの任意の1つ、または、2つ以上の色校正技術を組み合わせて利用することができる。
【0328】
色校正に続いて、プロセスはステップ422Aに進む。
【0329】
ステップ422Aで、校正された色は、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置内の所定の参照標準または基準色と比較される。デルタE値は、各基準色と調整されたサンプリング色との間で決定される。最小のデルタE値を有する基準色は、最も一致する基準色として選択され、報告された値を決定するために使用される。より詳細には、アプリケーションは、尿の塗布前に、サンプリングされて校正された色の校正された色データを、各色変化パッドの所定の基準色と比較する。一例では、所定の基準色は、アプリケーションに関連付けられた電子デバイスのメモリに格納される。あるいは、所定の基準色には、電子デバイスと通信するサーバから電子デバイスによりアクセスすることができる。所定の色は、ステップ404を参照して説明したように、機械可読ラベル211を用いた検査の種類の決定に基づいて特定することができる。デルタE計算は、所定の基準色とサンプリングされて校正された色との間の差を決定するために、アプリケーションによって実行される。各色変化パッドについて、サンプリングされて校正された色と比較して、最小のデルタE値を有する基準色が決定される。すなわち、調整されたサンプリング色と比較した際に最小のデルタE値を有する所定の基準色とすることによって、調整されたサンプリング色に最も一致する所定の基準色が計算される。状態(とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、または代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、または妊娠期合併症など)が、色変化パッドを使用して検査されている場合、尿中の状態のインジケータは、尿が色変化パッド中の試薬と相互作用する際に色変化パッドの色を変化させる。尿中に測定された検体が存在する場合、色変化パッドが変化させる色は、その状態の存在のインジケータである基準色に対応する。すなわち、校正されたサンプル色に最も一致する所定の基準色が、体液サンプル中に存在する状態のインジケータを表す所定の基準色に対応する場合、その状態のインジケータが体液サンプル中に存在する、すなわち、その状態が体液提供者の身体システムに存在するものと判定される。同様に、校正されたサンプル色に最も一致する所定の基準色が、体液サンプルに存在する状態のインジケータを表す所定の基準色に対応しない場合、その状態のインジケータが体液サンプルに存在しない、すなわち、その状態は体液提供者の身体システムに存在しないと判定される。デルタE計算に続いて、プロセスはステップ424Aに続く。
【0330】
ステップ424Aにおいて、検査されている状態のインジケータが尿サンプルに存在すると判定された場合、ユーザの身体システムに状態が存在することを示す結果が、アプリケーションによって、電子デバイスのディスプレイ上でユーザに出力される。有利であるように、これは、装置のユーザが結果に即座にアクセスすることを可能にする。同様に、検査されている状態のインジケータが尿サンプルに存在しないと判定された場合、状態がユーザの身体システムに存在しないことを示す結果が、アプリケーションによって、電子デバイスのディスプレイ上でユーザに出力される。
【0331】
ステップ406Aに戻って、アプリケーションがiOSオペレーティングシステム上で実行されていないが、アクティブなインターネット接続があると判定された場合、プロセスはステップ406Bに進む。
【0332】
iOSオペレーティングシステムを使用するデバイスは、そのような範囲のデバイスにわたって一貫した色スペクトルを有する。一方、Androidオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムを使用するデバイスは、デバイス間で異なる色スペクトルを有している。したがって、色分析の目的のために、異なる非iOSデバイス間で一貫した結果が必ずしも達成されるわけではない。したがって、非iOSデバイスの場合、アプリケーションは、一貫した結果が達成されるように、一貫した色スペクトルを使用して処理が実行されるサーバに画像データを転送する。
【0333】
ステップ406Bに進むと、アプリケーションは、インターネット接続を使用する通信において、電子デバイスからリモートサーバに画像データを転送する。その後、画像データの処理がサーバにおいて実行される。一例では、サーバは、Pythonアプリケーションプログラミングインターフェースを利用して、画像データを処理する。通信は、画像データに加えて、画像データに関連するメタデータを含んでよい。一例では、メタデータは、機械可読ラベル211に関連する情報を含むことができる。別の例では、機械可読ラベル211は、サーバ側で読み取ってよい。
【0334】
サーバは、図5に概念的に示されるように、色変化パッド109、209が配置される検査領域537を決定する。図5に示されたカード200の領域は、ウィンドウ1101内に撮影された領域に対応する。検査領域537は、サーバが色変化パッド209を見つけることを期待できる所定の位置である。各色変化パッド209の上部および底部、ならびにカード200の横方向位置は、ケースバイケースで具体的に特定され、これは、製造におけるわずかな変更、ならびにユーザによるカード200のカメラへの取り扱いおよび提示におけるわずかな変更を可能にする。図5図2の実施形態に従って示されているが、同じプロセスが図1の実施形態に当てはまることは容易に理解されるであろう。一例では、検査領域537の位置は、カードがウィンドウの縁部と位置合わせがされた際に色変化パッドを包含するウィンドウ内の所定の位置に基づいて決定される。別の例では、検査領域537の位置は、画像撮影中のQRコード211のサブウィンドウ1103との位置合わせに基づいて、QRコード211の決定された位置に対する所定の関係から決定される。すなわち、サーバは、ウィンドウ内および/またはQRコード211の決定された位置に関する検査領域位置について、格納された所定の関係にアクセスすることができる。この所定の関係は、機械可読情報211を使用してアクセスすることができる。異なる種類のカードは、例えば、異なる数および/または種類の色変化パッドのために、異なる検査領域を有することができる。例えば、機械可読情報211を用いて、サーバは、サーバに関連付けられた記憶装置から、異なる種類のカードについて、ウィンドウと検査領域との間の異なる関係または距離、あるいはQRコード211および検査領域537の位置にアクセスすることができる。一例では、カード200は、ウィンドウ1101内で位置合わせされ、QRコード211は、サブウィンドウ1103内で位置合わせされ、サーバは、位置合わせされたカード200のQRコード211と検査領域537との間の既知の距離と、それぞれのウィンドウおよびサブウィンドウを有するQRコード211との組み合わせにおいて、この位置合わせを使用して、検査領域537がQRコード211の位置に基づくと予想される場所を特定することができる。
【0335】
サーバは、QRコードまたは機械可読ラベル211を使用して、どの種類のカードが使用されているか、したがって、どの所定の関係を使用すべきか、したがって、どこに検査領域537を適用すべきかを特定してよい。
【0336】
有利であるように、これは、色変化パッド209のおおよその位置の粗い特定が決定されることを可能にする。検査領域の決定に続いて、プロセスはステップ410Bに続く。
【0337】
ステップ410Bにおいて、サーバは、図5に概念的に示されるように、色変化パッドの各々の2つの対向する縁部539A、539Bを検出することによって、1または複数の色変化パッドの各々の正確な位置を決定する。サーバは、第1の面537Aから第1の面とは反対側の第2の面537Bまで検査領域を走査する。サーバは、検査領域を横切って走査する際に輝度の不連続性を識別する。輝度の不連続性は、検査領域の背景領域545の色(すなわち、色変化パッドを囲む検査領域の部分545の色)から色変化パッドの色への色の変化に関連する。一例では、検査領域の背景色は白色であり、色変化パッドは非白色である。
【0338】
図5の概念図に示す例では、サーバは、検査領域537の最上側537Aから、検査領域537の最下側537Bに向かう方向に走査する。別の例では、サーバは、検査領域の左端から右端まで走査してよい。
【0339】
この方向に走査するとき、サーバは、検査領域537の背景領域545から第1の色変化パッド209-1上に通過するとき、第1の輝度不連続性を識別する。この輝度の不連続性は、第1の色変化パッド209-1の第1の縁部539A-1を示す。サーバは、画像の座標系を使用して、この第1の縁部539A-1の座標を格納する。
【0340】
サーバは、検査領域537の最下側に向かって走査を続け、第1の色変化パッド209-1から検査領域537の背景領域545へ通過する際に第2の輝度不連続性を特定する。この輝度の不連続性は、第1の色変化パッド209-1の第2の縁部539B-1を示す。サーバは、座標系を使用してこの第2の縁部の座標を格納する。
【0341】
第1の縁部539A-1および第2の縁部539B-1から、サーバは、第1の色変化パッドの位置を、2つの縁部539A-1および539B-1の間に含まれる領域であると決定する。すなわち、第1の色変化パッド209-1の座標は、第1の縁部539A-1と第2の縁部539B-1の座標の間に含まれる座標である。
【0342】
サーバは、第2の色変化パッド209-2の第1の縁部539A-2および第2の縁部539B-2の座標を使用して第2の色変化パッド209-2の位置を特定し、第3の色変化パッド209-3の第1の縁部539A-3および第2の縁部539B-3の座標を使用して第3の色変化パッド209-3の位置を特定し、第4の色変化パッド209-4の第1の縁部539A-4および第2の縁部539B-4の座標を使用して第4の色変化パッド209-4の位置を特定し、第5の色変化パッド209-5の第1の縁部539A-5および第2の縁部539B-5の座標を使用して第5の色変化パッド209-5の位置を特定するために、このプロセスを繰り返す。当業者は、これが5つの色変化パッドに限定されず、1または複数の色変化パッドを含む装置に対して同様の方法でプロセスを実施できることを容易に理解するであろう。
【0343】
有利であるように、ステップ410Bにより、色変化パッド209の位置を正確に決定することを可能とする。特に、色変化パッド209の位置は、カード200上に提示されたアンカーポイントを使用する必要なく決定することができる。したがって、カード200上にアンカーポイントを必要とせず、それによってカード200上のスペースを節約し、カード200のサイズを小さくすることができる。
【0344】
縁部検出が、各色変化パッドの2つの対向する縁部539A、539Bの検出に成功した場合、プロセスはステップ414Bに続く。
【0345】
色変化パッドの位置合わせが失敗した場合、例えば、1または複数の予想される縁部が検出できない場合、プロセスはステップ412Bに進み、サーバは、電子デバイスのディスプレイによって、処理が失敗したか、または実行できなかったことを示す通知をユーザに提示するようにアプリケーションに指示する。一例では、サーバは、機械可読ラベル211を使用してアクセス可能な情報に基づいて、いくつの縁部が予想されるべきかを決定することができる。
【0346】
色変化パッド209の位置が特定的に決定されると、各色変化パッド209のエリアまたはサブ領域が、適切に代表的な色サンプルを提供するように選択される。ステップ414Bで、サーバは、ステップ410Bで決定された色変化パッドの各々の位置を使用して、図5に概念的に示されるように、各検査領域(すなわち、各色変化パッド)内の検査サブ領域541の色データをサンプリングする。サンプリングは、領域の色をサンプリングすることを含む。サブ領域541は、ステップ410Bでの縁部位置決定によって決定されるように、画像データ内の検査領域209よりもサイズが小さく、検査領域内に含まれる正方形(または任意の他の適切な形状)である。各色変化パッド209に対して、サーバは、検査サブ領域541を色変化パッド209の縁部543Aと543Bとの間の領域にあるように配置する。すなわち、検査サブ領域は、色変化パッド209の決定された座標領域内にある。色サンプリング処理は、色変化パッドの各々について繰り返される。
【0347】
ステップ414Bでのカラーサンプリングが成功した場合、プロセスはステップ416Aに続く。カラーサンプリングが失敗した場合、プロセスはステップ412Bに進み、サーバは電子デバイスのディスプレイによって、処理が失敗したか、または実行できないことを示す通知をユーザへ提示するようにアプリケーションに命令する。
【0348】
ステップ416Bにおいて、影検出が実行される。影検出は、色変化パッドの各々について繰り返される。影検出は、電子デバイスに、カード200全体に影を投影させる局所的な強い印加光源の色検出において生じ得る干渉を除去するために用いられる。影検出は、色変化パッドに隣接する背景サブ領域を使用する(背景サブ領域、または既知の白色領域は、以下でより詳細に説明する)。複数の背景サブ領域にて光品質の読取値に大きな差異がある場合は、影があることを示す。影があることが検出された場合、サーバは、ユーザに警告し、分析のための画像撮影が行われている場所を変更するためのガイダンスを提供するようにアプリケーションに命令し、これは、画像データ内に影が存在する際に分からの結果の報告を抑制する。
【0349】
ステップ418Bでは、画像データの変化する輝度を考慮するために、色順応が実行される。色順応は、色変化パッドの各々について繰り返される。色順応は、色変化パッドに隣接する背景サブ領域における輝度測定値を使用する。複数の背景サブ領域にわたって輝度に不一致がある場合、画像データにおける輝度の変化があることを示す。輝度の不一致が検出された場合、サーバは、背景サブ領域における輝度に基づいて、画像全体の輝度を順応させる。
【0350】
ステップ420Bにおいて、サーバは、画像データが撮影されたときの照明条件から生じるサンプリング色の影響を考慮するために、各サンプリング色の色校正を実行する。
【0351】
色の校正または調整は、色温度、または光温度、および強度を含む光品質の読み取り値を提供するために、色変化パッド209の両側の背景サブ領域(既知の「白色」領域など)の色サンプルを取得することによって達成される。当業者であれば、本文脈において、校正および調整という用語が交換可能であることを容易に理解するであろう。次いで、これらの光の読み取り値を使用して、周囲の照明条件のためにサンプリングされた色を調整する。より詳細には、色校正は、ステップ414Bでサンプリングされた第1の色変化パッド209-1の第1の検査サブ領域541-1の色データに対して実行される。サーバは、図5の概念図に示されるように、第1の色変化パッド209-1から分離され、その両側に配置され、それに対応する第1の背景サブ領域543A-1、543B-1の色または光温度などの色校正データを決定する。色または光温度は、物体を照らす光源の特性であり、冷たい温度または「青みがかった」色から暖かい温度または「黄色がかった」色までの範囲があり得る。色温度または光温度は、黒体が同じ色の放射を放出する温度に関連する。色温度および光温度という用語は、交換可能に使用される。図5図2の実施形態に従って示されているが、同じプロセスが図1の実施形態に当てはまることは容易に理解されるであろう。一方の第1の背景サブ領域543A-1は、第1の色変化パッド209-1の第1の側に近接して配置され、他方の第1の背景サブ領域543B-1は、第1の色変化パッド209-1の第2の側に近接して配置され、色変化パッド209-1の第1の側は、色変化パッド209-1の第2の側の反対側である。
【0352】
背景サブ領域543A-1、543B-1は、カードの背景領域545のサブ領域であり、色変化パッド209を囲んでいるか、またはそれに隣接している。背景サブ領域543A-1、543B-1は、第1の色変化パッド209-1の両側の背景領域545の色温度をサンプリングするために、第1の色変化パッド209-1の両側の所定の変位に配置される。色変化パッド209は、既知のサイズであり、カード200は、例えば、機械可読ラベル211から決定されるような既知のサイズであり、画像が撮影されるときのディスプレイのウィンドウ内のカード200の位置合わせ、およびこれらの既知のサイズ、ならびに色変化パッドの決定された位置のために、サーバは、この情報を利用して、それらが、色変化パッド209上またはカード200自体から離れたところではなく、画像内のカード200の背景領域545上にあるように配置することができる。
【0353】
背景サブ領域543A-1、543B-1は、2つの背景サブ領域543A-1、543B-1の間に延在する直線が第1の検査サブ領域541-1を通過するように配置される。一例では、背景サブ領域543A-1、543B-1の各々は、サイズが第1の検査サブ領域541-1に等しい。
【0354】
背景領域は、実質的に白色である。サーバは、第1の色変化パッド209-1の第1の側の第1の背景サブ領域543A-1の第1の色温度と、第1の側の反対側の色変化パッド209-1の第2の側の第1の背景サブ領域543B-1の第2の色温度とを決定する。次いで、サーバは、第1の色温度および第2の色温度を終点として使用して、ラインに沿った色温度勾配を決定する。
【0355】
有利であるように、白色背景領域の色温度を使用して、カードを照らす周囲照明から生じる校正データを決定することができる。これにより、色データの校正を可能にし、それによって、周囲照明から生じる色データの影響を除去する。さらに、これにより、カード上で別々の色基準チャートを使用する必要がなくなるか、または代わりに白色背景を使用することができるので、カードの画像データを撮影する必要がなくなる。
【0356】
色温度勾配、および画像に適用される座標系を使用して、サーバは、第1の検査サブ領域541-1の位置に対応するラインに沿った位置で色温度を計算する。次いで、サーバは、第1の検査サブ領域541-1の計算された色温度を使用して、第1の検査サブ領域541-1の色データを校正し、画像が撮影される際にカード200を照射する周囲照明から生じる画像内の色の歪みを考慮に入れる。一例では、サーバは、計算された撮影された光温度を色データから差し引くことによって色データを校正する。色データは、とりわけ、記述子、RGB値、LAB値、CMYK値を含むことができる。
【0357】
次いで、サーバは、色変化パッドの各々についてプロセスを繰り返す。すなわち、サーバは、第2の背景サブ領域543A-2および543B-2を使用して第2の色変化パッド209-2の第2の検査サブ領域541-2のサンプリング色データを校正し、第3の背景サブ領域543A-3および543B-3を使用して第3の色変化パッド209-3の第3の検査サブ領域541-3のサンプリング色データを校正し、第4の背景サブ領域543A-4および543B-4を使用して第4の色変化パッド209-4の第4の検査サブ領域541-4のサンプリング色データを校正し、第5の背景サブ領域543A-5および543B-5を使用して第5の色変化パッド209-5の第5の検査サブ領域541-5のサンプリング色データを校正する。当業者は、これが5つの色変化パッドに限定されず、1または複数の色変化パッドを含む装置に対して同様の方法でプロセスを実施できることを容易に理解するであろう。
【0358】
有利であるように、この色校正は、色変化パッドが、太陽光および人工照明などの様々な照明条件下で分析されることを可能にする。さらに、勾配は、2つの異なる光源が異なる位置からカードを照らしている場合など、カードの両側を照らす照明の違いを考慮することができる。色校正は、フラッシュが周囲光に寄与し、それによって記録された画像データおよびサンプリング色データを改善するように、画像が撮影される際に、電子デバイスのカメラに関連付けられたカメラフラッシュを利用してよい。
【0359】
さらなる色校正技法では、色校正は、画像が撮影される際に、電子デバイスのカメラに関連付けられたカメラフラッシュを利用することができる。スマートフォンなどの電子デバイスのカメラフラッシュは、既知の所定の色温度を有する。画像データの撮影時にカメラフラッシュがカード200に近接しているため、カメラフラッシュの色温度は、周囲照明効果を支配する。したがって、検査サブ領域541-1、541-2、541-3、541-4、および541-5のサンプリング色データは、カメラフラッシュの既知の色温度を使用してサーバにより校正することができる。フラッシュの色温度は、画像データが送信される際に、電子デバイスによってサーバに送信されるメタデータに含めることができる。一例では、サーバは、カメラフラッシュの色温度を色データから差し引くことによって色データを校正する。サーバは、色校正技法のいずれかまたは両方を利用してよい。
【0360】
代替の色校正技法として、サーバは、カード上に存在する色基準チャート213を使用してもよい。画像データから抽出された色基準チャート213のサンプリング色は、サーバによって、対応する既知の所定の色と比較され得る。既知の所定の色は、機械可読ラベル211から導出可能な情報を使用してアクセスされてもよく、例えば、既知の所定の色は、機械可読ラベル211から導出された情報を使用してサーバによって特定され、そのような情報を使用してサーバにアクセス可能な記憶装置からサーバによってアクセスされてもよい。色基準チャート213の画像データから抽出された色と、対応する既知の所定の色との間の差を使用して、検査サブ領域541の色データを校正することができる。
【0361】
サーバは、色校正技法のうち、任意の1つ、または、2つ以上の色校正技法を組み合わせて利用してよい。
【0362】
色校正に続いて、プロセスはステップ422Bに進む。
【0363】
ステップ422Bで、校正された色は、サーバによってアクセス可能な記憶装置内の所定の参照標準または基準色と比較される。デルタE値は、各基準色と調整されたサンプリング色との間で決定される。最小のデルタE値を有する基準色は、最も一致する基準色として選択され、報告された値を決定するために使用される。より詳細には、サーバは、尿を塗布する前に、サンプリングされて校正された色の校正された色データを、各色変化パッドの所定の基準色と比較する。一例では、所定の基準色は、サーバに格納される。所定の色は、ステップ404を参照して説明したように、機械可読ラベル211を用いた検査の種類の決定に基づいて特定することができる。デルタE計算は、所定の基準色とサンプリングされて校正された色との間の差を決定するためにサーバによって実行される。各色変化パッドについて、サンプリングされて校正された色と比較して、最小のデルタE値を有する基準色が決定される。すなわち、調整されたサンプリング色と比較した際に最小のデルタE値を有する所定の基準色とすることによって、調整されたサンプリング色に最も一致する所定の基準色が計算される。状態(とりわけ、尿路感染症、糖尿病、または糖尿病スクリーニングもしくはモニタリングのためのグルコースレベル、または代謝障害、腎臓疾患、肝臓疾患、食事障害、または妊娠期合併症など)が、色変化パッドを使用して検査されている場合、尿中の状態のインジケータは、尿が色変化パッド中の試薬と相互作用する際に色変化パッドの色を変化させる。尿中に測定された検体が存在する場合、色変化パッドが変化させる色は、その状態の存在のインジケータである基準色に対応する。すなわち、校正されたサンプル色に最も一致する所定の基準色が、体液サンプル中に存在する状態のインジケータを表す所定の基準色に対応する場合、その状態のインジケータが体液サンプル中に存在する、すなわち、その状態が体液提供者の身体システムに存在するものと判定される。同様に、校正されたサンプル色に最も一致する所定の基準色が、体液サンプルに存在する状態のインジケータを表す所定の基準色に対応しない場合、その状態のインジケータが体液サンプルに存在しない、すなわち、その状態は体液提供者の身体システムに存在しないと判定される。
【0364】
デルタE計算に続いて、プロセスはステップ424Bに続く。
【0365】
ステップ424Bにおいて、検査されている状態のインジケータが尿サンプル内に存在すると判定された場合、サーバは、ユーザの身体システム内に状態が存在することを示す結果を、電子デバイスのディスプレイ上でユーザのために出力するようにアプリケーションに命令する。有利であるように、これは、装置のユーザが結果に即座にアクセスすることを可能とする。同様に、検査されている状態のインジケータが尿サンプルに存在しないと判定された場合、サーバは、ユーザの身体システムに状態が存在しないことを示す結果を、電子デバイスのディスプレイ上でユーザに出力するようにアプリケーションに命令する。
【0366】
図4を参照して説明した処理を実行するアプリケーション、または処理を実行するサーバのいずれかの場合、いくつかの例では、ユーザの身体システムに状態が存在することを特定するために、1つの色変化パッドのみが必要とされる。つまり、塗布された尿から検出される必要がある指標は1つでよい。ユーザの身体システムに状態が存在することを特定するために、塗布される尿に複数のインジケータが必要とされる他の例では、図4を参照して説明した方法を使用して、複数の色変化パッドを分析することができ、各色変化パッドは異なるインジケータに感度を有する。すなわち、結果は、尿中の1つのインジケータが相互作用した1つの色変化パッドに基づいて決定されてもよいし、尿中の複数のインジケータがそれぞれ相互作用した複数の色変化パッドに基づいて決定されてもよい。
【0367】
前述のプロセスでは、ステップ412Aまたは412Bへのプロセスの進行は、ステップ410A、414A、416Aまたは410B、414B、416Bのうちの1つをそれぞれ完了できなかった結果として、アプリケーションは、プロセスがステップ402で再び開始できるように、カードの新しい画像データを撮影するようにユーザに促してよい。
【0368】
図6は、ステップ410Aおよび410Bを参照して特に説明されたものと互換性のある電子デバイスによって撮影された体液検査装置の画像における身体状態のインジケータを決定するための方法の流れ図を示す。
【0369】
任意選択で、ステップ601で、体液検査装置またはカードのライブ画像が、電子デバイスのカメラを用いて電子デバイスのディスプレイ上に表示される。
【0370】
任意選択で、ステップ602で、ライブ画像と共にウィンドウが、電子デバイスのディスプレイ上に表示され、体液検査装置は、ウィンドウ内で位置合わせをすることができる。
【0371】
一例では、ステップ601および602が同時に発生する。
【0372】
ユーザは、電子デバイスのディスプレイ上に提示されたウィンドウ内のライブ画像で体液検査装置の位置合わせをすることができる。一例では、ウィンドウは体液検査装置と同様の形状であり、体液検査装置の縁部がウィンドウの縁部と位置合わせ可能である。サブウィンドウをウィンドウ内に提示することもでき、サブウィンドウは、ユーザがサブウィンドウ内で機械可読ラベルまたはQRコードを位置合わせするように促されるように構成される。これにより、画像撮影のためのカードの位置合わせを改善することができる。
【0373】
ステップ603において、体液検査装置の画像データが電子デバイスによって取得され、体液検査装置は、1または複数の体液検査領域、または色変化パッドを備える。一例では、画像データを取得することは、電子デバイス上のカメラにより、好ましくは写真の形態で画像データを撮影することを含む。一例では、電子デバイスはスマートフォンである。一例では、1または複数の体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色を変化させる色変化パッドである。一例では、体液は尿である。
【0374】
一例では、電子デバイスは、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていること、および/または機械可読ラベルがサブウィンドウ内に位置合わせされていることが特定されると、体液検査装置の画像データを自動的に撮影する。例えば、ユーザの指または親指でラベルが覆われて(または部分的に覆われて)いるために、機械可読ラベルが隠されている場合、アプリケーションは、機械可読ラベルがもはや隠されなくなるまで(すなわち、ユーザが機械可読ラベルから自分の指または親指を動かしてラベルがはっきり見える状態になる)まで、画像の撮影を行わなくてもよい。
【0375】
任意選択で、ステップ604で、1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションが決定される。1または複数の体液検査領域を含む体液検査装置のセクションの決定は、所定の関係に基づくことができる。所定の関係は、体液検査装置が位置合わせ可能なウィンドウとセクションとの間であり得る。代替的にまたは追加的に、所定の関係は、機械可読ラベルの決定された位置(機械可読ラベルとサブウィンドウとの位置合わせに基づいて決定された位置)とセクションとの間であってもよい。
【0376】
ステップ605で、1または複数の体液検査領域の第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部が、画像データから決定される。一例では、少なくとも1つの縁部を決定することは、検査領域と、検査領域と周囲領域との間の接合部分を示す検査領域と周囲領域との間における輝度の不連続性を決定することを含む。一例では、少なくとも1つの縁部を決定することは、体液検査装置の決定されたセクションを走査することをさらに含む。
【0377】
一例では、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することは、第1の体液検査領域の2つの対向する縁部を決定することを含み、方法は、第1の体液検査領域の位置を、2つの縁部の間に限定されるものとして決定することをさらに含む。別の例では、第1の体液検査領域の少なくとも1つの縁部を決定することは、正方形または長方形の形状の体液検査領域の4つの縁部すべてを決定することを含み、そのような例では、方法は、体液検査領域の位置を、4つの縁部の間に限定されるものとして決定することをさらに含むことができる。
【0378】
ステップ606において、少なくとも1つの縁部と第1の体液検査領域の位置との間の所定の関係に基づいて、画像データ内の第1の体液検査領域の位置が決定される。
【0379】
ステップ607において、第1の体液検査領域のサブ領域の色データが、決定された位置に基づいてサンプリングされる。
【0380】
ステップ608では、サンプリング色データに基づいて、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域の第1の身体検査領域と相互作用したかどうかが判定される。
【0381】
ステップ609において、出力が提供され、この出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域の第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく。
【0382】
一例では、ステップ601~609はすべて、電子デバイスにおいて実行される。
【0383】
別の例では、画像データは、電子デバイスにおいて取得され(例えば、ステップ601~603を含む)、電子デバイスは、画像データをサーバに送信し、ステップ604~609は、次いで、サーバにおいて実行される。一例では、本方法は、次いで、電子デバイスのディスプレイ上に、サンプリング色データに基づいて、決定された出力を提示するように電子デバイスに命令する命令を、サーバによって電子デバイスに送信することをさらに含む。
【0384】
任意選択で、ステップ610で、出力が電子デバイスのディスプレイ上に提示される。例えば、アプリケーションは、結果を、テキストまたは絵のメッセージ、あるいはそれらの組み合わせとして表示する。一例では、ステップ610は、ステップ601~609が電子デバイスで実行された結果として発生する。別の例では、ステップ610は、ステップ604~609がサーバで実行された結果として発生する。
【0385】
図7は、体液検査装置の画像データにおける身体状態の表示を決定するための方法のフローチャートを示し、この画像データは、ステップ420Aおよび420Bを参照して特に説明したものと互換性のある電子デバイスによって撮影される。
【0386】
任意選択で、ステップ701で、体液検査装置のライブ画像が、電子デバイスのカメラを使用して電子デバイスのディスプレイ上に表示される。
【0387】
任意選択的に、ステップ702で、ライブ画像と共にウィンドウが電子デバイスのディスプレイ上に表示され、体液検査装置はウィンドウ内で位置合わせ可能である。
【0388】
一例では、ステップ701および702が同時に発生する。
【0389】
ユーザは、電子デバイスのディスプレイ上に提示されたウィンドウ内のライブ画像で体液検査装置の位置合わせをすることができる。一例では、ウィンドウは体液検査装置と同様の形状であり、体液検査装置の縁部がウィンドウの縁部と位置合わせ可能である。サブウィンドウをウィンドウ内に提示することもでき、サブウィンドウは、ユーザがサブウィンドウ内で機械可読ラベルまたはQRコードを位置合わせするように促されるように構成される。これにより、画像撮影のためのカードの位置合わせを改善することができる。
【0390】
任意選択で、ステップ703で、体液検査装置の画像データが、電子デバイスのカメラで撮影される。一例では、電子デバイスは、体液検査装置がウィンドウ内に位置合わせされていること、および/または機械可読ラベルがサブウィンドウ内に位置合わせされていることが特定されると、体液検査装置の画像データを自動的に撮影する。例えば、ユーザの指または親指でラベルが覆われて(または部分的に覆われて)いるために、機械可読ラベルが隠されている場合、アプリケーションは、機械可読ラベルがもはや隠されなくなるまで(すなわち、ユーザが機械可読ラベルから自分の指または親指を動かしてラベルがはっきり見える状態になる)まで、画像の撮影を行わなくてもよい。
【0391】
ステップ704において、体液検査装置の1または複数の体液検査領域のうち、第1の体液検査領域の色データを、第1の体液検査領域の色をサンプリングすることにより、体液検査装置の画像データから決定する。
【0392】
一例では、画像データは、スマートフォンなどの電子デバイスのカメラを使用して撮影される。一例では、体液検査領域は、体液中のインジケータとの相互作用に応答して色を変化させる色変化パッドを含む。一例では、体液は尿である。
【0393】
一例では、色データは、第1の体液検査領域の検査サブ領域のサンプリングに基づいて決定され、検査サブ領域は、体液検査領域内の位置にある。
【0394】
ステップ705において、体液検査装置の背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色校正データが決定され、背景領域は1または複数の体液検査領域に隣接する。
【0395】
一例では、背景領域は、体液検査装置上の体液検査領域を囲む境界である。一例では、背景領域は、実質的に白色である。一例では、色校正データは、背景領域の少なくとも1つの背景サブ領域の色温度である。色温度は、物体を照らす光源の特性であり、低温の「青みがかった」色から暖かい温度の「黄色がかった」色までの範囲があり得、色温度は、黒体がそれと同じ色の放射をする温度に関連している。
【0396】
一例では、2つ以上の背景サブ領域がある場合、色データの校正は、背景サブ領域のそれぞれの決定された色校正データに基づく。一例では、少なくとも1つの背景サブ領域は、検査サブ領域の位置からの所定の変位に基づいて決定される。一例では、検査サブ領域および体液検査装置は、例えば、体液検査装置上に提示される機械可読ラベルから決定されるような既知のサイズである。画像データを撮影する際に電子デバイスのディスプレイ上に提示されるウィンドウ内の体液検査装置の位置合わせ、これらの既知のサイズ、および検査サブ領域の決定された位置のために、背景サブ領域を検査サブ領域上または体液検査装置自体から離れたところではなく、画像データ内の体液検査装置の背景領域上にあるように配置するためにこの情報を利用することができる。一例では、少なくとも1つの背景サブ領域は、2つの背景サブ領域を含む。
【0397】
一例では、2つの背景サブ領域のうちの第1の背景サブ領域は、体液検査領域の第1の側の体液検査領域から離れて変位され、2つの背景サブ領域のうちの第2の背景サブ領域は、体液検査領域の第2の側から離れて変位され、体液検査領域の第2の側は、体液検査領域の第1の側とは反対側である。
【0398】
ステップ706において、色データは、校正された色データを決定するために、決定された色校正データに基づいて校正される。
【0399】
一例では、検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域のそれぞれは、第1の背景サブ領域と第2の背景サブ領域との間の直線に沿って配置される。一例では、第1の背景サブ領域の第1の色校正データ(第1の色温度など)が決定され、第2の背景サブ領域の第2の色校正データ(第2の色温度など)が決定され、検査サブ領域、第1の背景サブ領域、および第2の背景サブ領域を結ぶラインに沿った色校正勾配(色温度勾配など)が、第1の色校正データおよび第2の色校正データに基づいて決定される。計算された色校正データ(計算された色温度など)は、ラインに沿った点で色校正勾配に基づいて計算され、点は、検査サブ領域の位置に対応する。決定された色校正データに基づいて色データを校正することは、校正された色データを決定するために、計算された色校正データに基づいて検査サブ領域において色データを校正することを含む。
【0400】
一例では、画像データは、カメラに関連付けられたカメラフラッシュを使用して、電子デバイスのカメラで撮影され、色データの校正は、フラッシュの色校正データを使用することをさらに含む。
【0401】
ステップ707で、校正された色データを基準色データと比較することによって、身体状態のインジケータが1または複数の体液検査領域の第1の身体検査領域と相互作用したかどうかが判定される。
【0402】
ステップ708において、出力が提供され、この出力は、身体状態のインジケータが、1または複数の体液検査領域の第1の体液検査領域と相互作用したかどうかに基づく。
【0403】
任意選択で、ステップ709で、出力は、スマートフォンなどの電子デバイスのディスプレイ上に提示される。例えば、アプリケーションは、結果を、テキストまたは絵のメッセージ、あるいはそれらの組み合わせとして表示する。
【0404】
一例では、ステップ701~709は、電子デバイスで実行され、画像データは、スマートフォンなどの電子デバイスのカメラで撮影される。
【0405】
別の例では、ステップ701~703は、電子デバイスにおいて実行され、ステップ704~708は、電子デバイスが体液検査装置の画像データをサーバに送信することに応答して、サーバにおいて実行される。一例では、電子デバイスはスマートフォンである。一例では、サーバは、Pythonアプリケーションプログラミングインターフェースを利用する。一例では、ステップ708で出力を提供することは、サーバが出力を電子デバイスに送信することを含み、ステップ709は、電子デバイスで行われる。
【0406】
図8は、図3を参照して説明したように、アプリケーション分析可能な側方流動体液検査装置300またはカード300のユーザが、装置および関連付けられたアプリケーションを使用する方法の流れ図を示す。
【0407】
ステップ801において、カード300のユーザは、保持領域301によってカード300を保持する。ステップ802において、ユーザは、側方流動ストリップ309の液体取り込み部分351を、尿などの体液サンプルに浸漬する。ステップ803では、カード300のユーザ画像データが、スマートフォンなどの電子デバイス上の関連付けられたアプリケーションおよびカメラを使用して撮影される。いくつかの例では、ユーザは、画像データの撮影ができる前に、体液が側方流動ストリップに沿って吸い上げられ、固定化された抗体に結合することを可能にするため、時間の経過を待つ必要があってよい。ステップ804において、関連付けられたアプリケーションは、画像データを分析し、分析の結果を出力する。
【0408】
図9は、図8を参照して説明したステップ803および804の間にスマートフォンなどの電子デバイス上で実行されるアプリケーションによって実行される処理ステップの流れ図を示す。電子デバイスは、スマートフォンとすることができるが、タブレットコンピュータなど、他の任意の適切な電子デバイスを使用することができることを、当業者であれば、容易に理解するであろう。
【0409】
アプリケーションは、電子デバイスのカメラを使用して、カードがカメラの前に位置する際に、電子デバイスのディスプレイ上にカードのライブ画像を提示する。任意選択で、ステップ901において、電子デバイスは、カード300上に提示された機械可読情報311を走査する。一例では、アプリケーションは、電子デバイスのカメラを使用して、機械可読情報311を走査する。
【0410】
任意選択で、ステップ902にて、アプリケーションは、機械可読情報から、装置300またはカード300が配置される検査の種類に関連する装置情報、例えば、とりわけ排卵健康、前立腺特異抗原レベル、マラリア、不妊症、性感染症、および糖尿病HbA1cなどの診断支援を提供する状態での妊娠検査、薬物誤用、およびホルモンまたは抗体の検査を決定する。一例では、アプリケーションは、機械可読情報を使用して、アプリケーションによってアクセス可能な記憶装置から機械可読情報に対応する装置情報にアクセスする。装置情報は、パラメータの中でも、カードのサイズまたはアスペクト比、側方流動ストリップが感知するインジケータの種類、側方流動ストリップの数、1または複数のアンカーポイントに対する側方流動ストリップの位置、およびカードのサイズを含むことができる。
【0411】
任意選択で、ステップ903にて、アプリケーションは、電子デバイスのカメラを使用して、体液検査装置のライブ画像を電子デバイスのディスプレイに表示する。
【0412】
任意選択で、ステップ904にて、アプリケーションは、カード300の位置合わせのために、電子デバイスのディスプレイ上にウィンドウまたはボックスを表示する。一例では、ウィンドウは、カメラから入力されたライブを重ねて表示する。ウィンドウは、画像撮影のためにカード300の位置を合わせるようにユーザを誘導するために、カード300の本体305の形状と同様の形状をしている。サブウィンドウをウィンドウ内に提示することができ、サブウィンドウは、ユーザがサブウィンドウ内で機械可読ラベルまたはQRコードを位置合わせするように促されるように構成することができる。これにより、画像撮影のためのカードの位置合わせを改善することができる。一例では、ステップ903および904が同時に発生する。
【0413】
ステップ905において、アプリケーションは、カード300の画像データを取得する。一例では、画像データを取得することは、電子デバイスのカメラを使用して画像データを撮影することを含む。一例では、アプリケーションは、カード300がウィンドウ内で十分に位置合わせされていること、および/または機械可読情報311がサブウィンドウ内で位置合わせされていることを特定することに応答して、画像データを自動的に撮影する。例えば、ユーザの指または親指が機械可読情報を覆っている(または部分的に覆っている)ために機械可読情報311が隠れている場合、アプリケーションは、機械可読情報311がもはや隠れていない(すなわち、ユーザが自分の指または親指を機械可読ラベルから離して覆っていない状態になる)まで、画像を撮影しなくてもよい。別の例では、ユーザは、例えば、「画像撮影」ボタンを押すことによって、画像データを撮影するために電子デバイスのカメラを使用するようにアプリケーションに命令する。
【0414】
代替として、ステップ901~905の代わりに、アプリケーションは、ユーザがカード300の以前に撮影された写真をインポートすることを可能にするインターフェースをユーザに提示する。一例では、アプリケーションは、次いで、機械可読ラベルを走査する。
【0415】
任意選択で、ステップ906にて、アプリケーションは、画像データ内の機械可読ラベル/情報(またはQRコード)311の位置を判定する。これは、サブウィンドウ内の機械可読ラベル311の位置合わせによって支援される。
【0416】
任意選択で、ステップ907にて、アプリケーションは、画像データ内の1または複数のアンカーポイント349の位置を決定する。一例では、1または複数のアンカーポイントは、本体部分の第1の表面上に提示される標識を含む。一例では、1または複数のアンカーポイントは、分析領域の近位に配置された複数のアンカーポイントを含み、アンカーのうちの1つは、他のアンカーポイントとは異なる。アプリケーションは、別個のアンカーポイントを使用して、画像データ内のアプリケーション分析可能な体液検査装置の向きを特定することができる。
【0417】
任意選択で、ステップ908にて、アプリケーションは、画像データ内のアンカーバー357の位置を決定する。一例では、アンカーバーは、本体部分の第1の表面のほぼ中央位置に配置される。
【0418】
任意選択で、ステップ909にて、アプリケーションは、機械可読ラベル311、1または複数のアンカーポイント349、および/またはアンカーバー357のうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、1または複数の側方流動ストリップの分析領域の位置を決定する。一例では、アプリケーションは、ステップ902でアクセスされた装置情報に含まれる情報を利用することによって、側方流動ストリップ309の分析領域355の位置を決定する。分析領域355に対する、機械可読ラベル311、1または複数のアンカーポイント349、およびアンカーバー357のうちの少なくとも1つの間の所定の関係(または変位)は、特定の種類のカードに関する装置情報から既知である。画像が撮影されたときのディスプレイのウィンドウ内でのカード300の位置合わせのために、また、これらの既知の変位を使用して、アプリケーションは、機械可読ラベル311、1または複数のアンカーポイント349、およびアンカーバー357から分析領域355の位置を決定することができる。これらの点の組み合わせにより、アプリケーションは、側方流動ストリップ309の位置を正確に決定することができる。
【0419】
ステップ910で、アプリケーションは、画像データを使用して装置に塗布された体液の検査を実行し、塗布された体液に1または複数の身体状態のインジケータが存在するかどうかを判定する。任意選択で、検査は、1または複数のラインが1または複数の側方流動ストリップの分析領域に存在するかどうかをアプリケーションが判定することを含む。一例では、アプリケーションは、側方流動ストリップの長さに沿って仮想ラインを投影することによって、ラインが存在するかどうかを判定する。色濃度は、ラインに沿って測定される。一例では、白色は濃度を有さず、黒色は100%濃度を有する。濃度が増加する点は、存在するラインまたはバンドに対応する。検査ラインまたはバンドの強度は、体液中に存在する対象の検体の濃度に正比例し(飽和点まで)、したがって結果を定量化することができる。検査ラインの強度は、検査ラインを、対応する固定値を有する対照ラインと比較することによって決定することができる。任意選択で、検査は、ラインの強度を決定することをさらに含む。
【0420】
ステップ911で、アプリケーションは、1または複数の身体状態のインジケータが塗布された体液に存在するかどうかを示す結果を出力する。任意選択で、結果を出力することは、それぞれの分析領域にラインが現れる各側方流動ストリップについて体液中にインジケータが存在するという肯定的な結果を出力することと、それぞれの分析領域にラインが現れない各側方流動ストリップについてインジケータが体液中に存在しないという否定的な結果を出力することとを含む。一例では、アプリケーションは、電子デバイスのディスプレイ上に結果を出力する。例えば、アプリケーションは、結果を、テキストまたは絵のメッセージ、あるいはそれらの組み合わせとして表示する。
【0421】
有利であるように、これは、専門の側方流動検査デバイスに依存することなく、効率的な方法で側方流動検査を達成することを可能にする。
【0422】
図10は、本開示の体液検査システムにおけるハードウェアエンティティのブロック図を提示する。スマートフォンなどの電子デバイス1001は、カメラ1002を備える。電子デバイス1001は、本明細書で前述した方法を実行するように構成されたアプリケーション1003を格納している。電子デバイス1001は、アプリケーションを実行するように構成されたプロセッサ1004をさらに有する。電子デバイス1001は、記憶装置1005をさらに含み、記憶装置1005は、アプリケーション1003を実行するためにプロセッサ1004によって実行可能なコード、ならびにアプリケーション1003に関連するパラメータを格納する。カメラ1002は、本明細書で前述したように、体液検査装置またはカード100、200、300の画像データまたは写真を撮影するように構成される。いくつかの例では、アプリケーション1003は、前述の分析方法をローカルに実行する。他の例では、前述の分析方法は、サーバ1006で少なくとも部分的に実行される。そのような場合、電子デバイス1001は、ネットワーク接続1007、例えば、インターネット接続または4G接続(適切なネットワーク接続手段の中でも)によってサーバ1006に接続される。電子デバイス1001およびサーバ1006は、ネットワーク接続1007を使用して通信を交換する。
【0423】
前述の実施形態は限定的なものではなく、各実施形態の特徴は、必要に応じて他の実施形態に組み込まれてもよいことが、当業者には容易に理解されるであろう。
【0424】
本明細書で説明される電子デバイスによって実行される処理ステップは、電子デバイスに関連付けられた非一時的なコンピュータ可読媒体または記憶装置に格納されてよい。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含むことができる。揮発性媒体には、とりわけ、半導体メモリおよびダイナミックメモリがある。不揮発性媒体には、とりわけ、光ディスクおよび磁気ディスクがある。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図1i
図1j
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11