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特許7341149画像内のバーチャル細長距離目印と、コンピュータプログラム製品と、ディスプレイシステムとによって自動車の環境領域を表示する方法
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  • 特許-画像内のバーチャル細長距離目印と、コンピュータプログラム製品と、ディスプレイシステムとによって自動車の環境領域を表示する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】画像内のバーチャル細長距離目印と、コンピュータプログラム製品と、ディスプレイシステムとによって自動車の環境領域を表示する方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20230901BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230901BHJP
   G03B 37/04 20210101ALI20230901BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20230901BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20230901BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G03B15/00 V
G03B15/00 W
G03B37/04
G03B37/00 A
B60R1/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020541759
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019050583
(87)【国際公開番号】W WO2019149497
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】102018102047.3
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516137960
【氏名又は名称】コノート エレクトロニクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グオ ファンチン
(72)【発明者】
【氏名】オマリー ファーガル
(72)【発明者】
【氏名】バウアー ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】リュール フェリクス
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063390(JP,A)
【文献】特開平07-192199(JP,A)
【文献】特開2003-023623(JP,A)
【文献】特開2013-113044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G03B 15/00
G03B 37/04
G03B 37/00
B60R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)の環境領域(13)を画像(16)内に表示するための方法であって、前記環境領域(13)のリアル画像が、前記自動車(1)の複数のリアルカメラ(5、6、7、8)によってキャプチャされ、前記画像(16)は、これらのリアル画像から生成され、そして、少なくとも部分的に前記環境領域(13)を表示し、前記画像(16)は、前記環境領域(13)内に配列されたバーチャルカメラ(14)の視点から表示され、前記画像(16)は、ボウル形状として生成される、方法において、
少なくとも1つのバーチャル細長距離目印(18、19、20)が、前記画像(16)内に表示され、前記バーチャル細長距離目印によって、前記自動車(1)までの距離が、前記ボウル形状内に記号で表され、
前記自動車(1)の少なくとも1つのリアル寸法が、既知のものとして予め設定され、前記画像(16)内の前記自動車(1)の前記表示に関連するリアル距離を記号で表す前記画像(16)内の前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の少なくとも1つの位置が、この既知の寸法に基づいて決定され、
前記リアルカメラ(5、6、7、8)が校正され、前記画像(16)内の前記自動車(1)の前記表示に関連するリアル距離を記号で表す前記画像(16)内の前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の少なくとも1つの位置が、前記校正に基づいて決定されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記画像(16)内の前記自動車(1)の前記表示に関連する前記画像(16)内のリアル距離を記号で表す前記画像(16)内の前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の前記少なくとも1つの位置は、前記自動車(1)の前記少なくとも1つの寸法だけに基づいて、及び前記校正だけに基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)が、前記画像(16)内に線として生成され、前記線は、少なくとも特定の領域内の前記自動車(1)の外面に平行に延在する状態で表示されることを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)は、前記自動車(1)を完全に囲む線として生成されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つの別個のバーチャル細長距離目印(18、19、20)は、それぞれが個々の距離を記号で表し、そして、前記画像(16)内に表示され、前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)は、色及び/又は構造が異なる状態で表示されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのバーチャル細長距離目印(18、19、20)は、前記画像(16)内にオーバーレイとして表示されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記画像(16)内の前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の位置及び/又は幾何形状が、前記バーチャルカメラ(14)の前記視点の変化に基づいて共に変化させられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の前記表示のタイプが、ユーザによって設定されてもよいことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記距離を記号で表わす前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の前記表示に加えて、前記画像(16)内の距離の値(18a、19a、20a)及び/又は矢印(18b、19b)が表示され、前記矢印は、前記バーチャル細長距離目印(18、19、20)の前記位置と前記自動車(1)との間の区画を記号で表し、それらの間に距離が存在することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記画像(16)は、前記自動車(1)及び前記環境領域(13)に対する2D平面図として表示されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像(16)は、3D図として表示されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、プログラム可能なコンピュータデバイス上で実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
評価ユニット(3)と、ディスプレイユニット(4)と、複数のリアルカメラ(5、6、7、8)とを有し、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように形成されている、自動車(1)のためのディスプレイシステム(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像内に自動車の環境領域を表示する方法に関する。環境領域のリアル画像が、自動車の複数のリアルカメラによってキャプチャされ、画像が、これらのリアル画像から生成され、そして、少なくとも部分的に環境領域を表示する。画像は、環境領域内に配列されたバーチャルカメラの視点から表される。画像は、それぞれ、ボウル形状で生成されて表示される。このことは、画像が生成されて、特定の「歪んだ」又は湾曲表示で表示されることを意味する。
【背景技術】
【0002】
なお、画像を変換する方法であって、環境領域内にバーチャルに配列されたバーチャルカメラの視点からの画像によって自動車の環境領域が少なくとも部分的に表示される方法が、先行技術から知られている。
【0003】
例えば、特許文献1において、環境画像データを低歪み撮像する方法が提供され、当該環境画像データは、自動車に配列されている複数のカメラによって生成される。
【0004】
更に、画像処理装置が、特許文献2に記載されており、当該画像処理装置によって、自動車の環境領域の画像がキャプチャされる。キャプチャされた画像が、バーチャル視線の視点から見られる画像に変換される。バーチャル視線は、環境領域内の所定位置から所定方向に延在する。
【0005】
更に、画像がバーチャルカメラによって提供されることは既知である。そのとき、バーチャルカメラは、通常、架空の態様で自動車の周りに任意に配列されてもよい。画像は、リアル画像を変換することによって提供される。リアル画像は、通常、自動車の複数のリアルカメラによって提供される。複数のリアルカメラによって、自動車の環境領域が、通常、完全にキャプチャされる。リアル画像は、画像がバーチャルカメラの視点から提供されるように、バーチャルカメラによって選択されて変換されてもよい。したがって、自動車の環境領域内のバーチャルカメラは、実際には存在しないけれども、バーチャルカメラの所望の視点が画像によって表されるように、リアル画像の変換及び選択を説明する。通常、画像の供給は、変換によって決定され、当該変換は、平行移動及び多重回転を含む。したがって、リアル画像のそれぞれは、例えば、それぞれのリアルカメラのカメラ座標系から自動車座標系に変換され、バーチャルカメラの位置は、自動車座標系内に最終的に設定されてもよい。
【0006】
特に、かかるボウル形状の画像の表示において、正確な位置、したがって自動車までの距離は、もはや正確に認識及び推定されないという事実が、画像ビューの曲率に起因して生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102013013364号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0032357号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像内に自動車の環境領域を表示する方法を提供することが、本発明の目的であり、当該方法において、画像は、ボウル形状で生成され、自動車までの環境領域内の位置は、改善された方法で認識及び評価されてもよい。更に、コンピュータプログラム製品及び自動車のためのディスプレイシステムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、自動車の環境領域を表示するための方法に関し、表示は、画像内で達成される。方法において、環境領域の多重リアル画像をキャプチャすることは、自動車の複数のリアルカメラによって実行される。画像は、それで全体画像とも呼ばれてもよく、そして、次いでこれらのリアル画像から生成される。そのため、このそのときの共通画像が、複数のリアル画像から生成される。環境領域は、この画像内に少なくとも部分的に表示される。画像は、環境領域内に配列されたバーチャルカメラの視点から表示される。画像は、ボウル形状として、したがって湾曲画像平面によって生成されて表示される。
【0010】
少なくとも1つのバーチャル細長距離目印が、画像内に表示され、当該バーチャル細長距離目印によって、環境領域内の位置の自動車までの位置同士の間の距離が、バーチャルボウル形状内に記号で表される。それによって、画像の観察者が、ボウル形状によって湾曲状態に表示された環境領域内での位置の距離をよりよく認識及び評価できることがより容易になる。環境領域内の特定位置の自動車までのリアル距離が、たとえこの湾曲表示が画像内に示される場合でも直観的に改善された態様で認識されてもよく、それで、互いに対する位置がまた改善された態様で評価されてもよい。
【0011】
互いに対する位置及び/又は自動車に対する位置の距離が、画像内の環境領域の平面表示におけるのと、ボウル形状を有するこの画像におけるのとで異なるので、少なくとも1つのバーチャル細長距離目印のこの画面表示は、また、この画像の観察者に非常に役に立つ。
【0012】
例えば、点等の一般的な距離目印だけでなく、細長距離目印によって、自動車までの距離が、また、より広範囲にわたって、更により理解しやすく線などによる記号により表される。かかる細長距離目印によって、ボウル形状によって生じるような湾曲画像表示内に画像の広範囲にわたる範囲を伴わない非常に繊細でバーチャルな要素が、また、より正確な結合が次に起こり得ないように表示されるけれども、非常に繊細なバーチャル要素は、この状況において、特にオーバーレイされた状態で、画像の広範囲にわたる望ましくない範囲が、特に湾曲領域内で回避されるように表される。そのときまた、自動車、特に自動車の外面と細長距離目印による位置との間の特定の距離範囲又は距離区域を達成することによって、この細長距離目印の複数位置の自動車までの距離が、また、有利に認識されてもよい。特に、そのとき、この細長距離目印における複数位置が、すべて、自動車までの、特に自動車の関連する外面までの同じ又は実質的に同じリアル距離を有することが認識されてもよい。
【0013】
好ましくは、この細長距離目印は、自動車まで平行に又は実質的に平行に、特に自動車の外面まで平行に延在する。それによって、上述の利点が、ここでも改善される。有利には、距離目印は、特定の対象から独立して表示されてもよく、当該目印は、自動車の環境領域内の画像内に存在して表示される。したがって、特定の対象が、環境領域内で認識され、画像内に表示され、この距離目印が、次いで特に対象において又はその上に表示され、そして、この対象の自動車までの距離が、次いで表示されることが基本的に必要とされない。特に、画像のこのボウル形状の測定スケール又はマッピングが、バーチャル細長距離目印によって達成されてもよいだけでなく、環境領域内の特定の対象から独立して、この湾曲画像表示内の位置及び自動車までの距離についての改善された知覚を取得してもよい。
【0014】
かかる細長距離目印の長さは、ユーザによって手動で予め設定されるように提供されてもよい。特に、また、自動車までの距離が、かかるバーチャル距離目印によって実際に示されてもよいように手動で予め設定されてもよい。したがって、ユーザが、例えば、入力を実行してもよく、当該入力によって、ユーザが、細長距離目印によって表示されるべき距離目印の長さ及び/又は自動車からの距離を予め設定する。
【0015】
複数のかかるバーチャル細長距離目印が、また、画像内に表示されてもよい。それらは、隣同士に又は前後一列に配列されてもよい。これらの距離目印は、また、互いに平行に少なくとも部分的に延在してもよい。
【0016】
しかし、同様に、かかる細長距離目印は、また、画像上に自動的に画面表示されることが可能である。したがって、かかる距離目印の長さは、また、自動的に予め設定され、そしてこの状況において画面表示されてもよい。それによって記号で表示されるべき環境領域内での位置の自動車までの距離が、また、自動的に選択されてもよい。自動選択及び表示が、自動車の運転状態を特徴付けるパラメータに従って達成されてもよい。それに加えて又はそれの代わりに、この自動選択が、環境領域の構成に基づいて達成されてもよい。したがって、環境領域内の対象の数及び/又はタイプ及び/又は位置が、この状況において考慮されることにより、それに基づいて、かかる少なくとも1つのバーチャル細長距離目印が、どこに、どれ位の長さで、どの様な態様で生成されて表示されるかを決定してもよい。例えば、環境条件において、多くのかかる対象が自動車の環境領域内にある、したがって、自動車が複数の対象によって比較的接近して及び隣接して囲まれている環境条件において、細長距離目印のかかる選択及び画面表示が達成されてもよい。例えば、このことは、締めつけを通る運転及び/又は駐車操作の場合であってもよい。
【0017】
有利な実装において、自動車の少なくとも1つのリアル寸法が、既知のものとして予め設定され、画像内の自動車の表示に関連する画像内のリアル距離を記号で表す、画像内の細長距離目印の少なくとも1つの位置が、この既知の寸法に基づいて決定されている。これは、この細長距離目印が、正しい距離画面表示に関して、自動車の部分的構成要素の既知の及び記憶された寸法、特に長さ及び/又は幅及び/又は高さの寸法に頼ることを意味する。これらの寸法がこの状況において既知で、またバーチャルに不変であるので、それらは、常に有意な測定値として存在し続ける。この状況において、この構成要素の局所のより小さい画像の測定値が、そのとき画像内で決定されてもよく、そして、この測定値が、そのときリアル測定値に関係してもよい。それに基づいて、この状況においてバーチャルにスケールが取得され、自動車のこの構成要素がその寸法を、又は自動車の部分領域がその寸法を画像内に有し、そして、画像内でそのリアル寸法にこの測定値がそのとき一致する。それに基づいて、この画像内の自動車までの距離が、そのときここでも決定されてもよく、それは、そのときここでもリアル環境内又はリアル環境領域内のリアル距離に対応する。それによって、細長距離目印は、非常に単純だが正確な態様で決定されてもよく、場所が非常に正確に画像内に画面表示されてもよい。
【0018】
有利には、リアルカメラが校正され、そして、画像内の自動車の表示に関連する画像内のリアル距離を記号で表す、画像内の距離目印の少なくとも1つの位置が、校正に基づいて決定される。かかる代替の構成は、また、比較的単純だが正確な態様で画像内に距離を正しく表示すること、及び自動車に関連する画像内の場所が非常に正確な細長距離目印を画面表示することを可能にする。
【0019】
カメラを校正するとき、カメラの世界への環境内の位置の自動車までの少なくとも1つのリアル距離と、そのため、ピクセルフィールド内のピクセルの位置それぞれのピクセルまでとの間の特に数学的な関係が作成される。固有の及び外因性の、例えば、校正されたカメラのレンズ歪み、カメラの位置、及びそれらの回転が、物理モデルによって測定されて計算される。一連のパラメータは、校正後に計算される。これらのパラメータは、メモリ内に記憶される。パラメータは、変化させられ、適応させられてもよい。
【0020】
有利な実装において、画像内の自動車の表示に関連する画像内のリアル距離を記号で表す画像内の距離目印の少なくとも1つの位置が、自動車の少なくとも1つの寸法だけに基づいて、及びカメラの校正だけに基づいて、決定されるように提供される。これは、非常に有利な実装であって、当該実装は、この場合、この細長距離目印の非常に正確な決定を非常に容易で迅速に可能にする。この状況において、更なる情報は、必要とされない。特に、そのため、距離を実際に決定する自動車のセンサの情報を考慮することがもはや必要とされない。この状況において、例えば、そのため、この点で距離を測定し、次いで画像内にそれを画面表示する自動車の超音波検出器の情報を用いることがもはや必要とされない。それによって、かなりの計算労力が節約され、それでも画面表示の正確度が非常に高い。
【0021】
好ましくは、細長距離目印は、線として表示される。線は、実線として、又は破線として、又は一点鎖線等として表示されてもよい。画面表示は、また、この点で変化してもよい。
【0022】
有利な実装において、細長距離目印が、周方向に閉じた状態で表示され、これは、細長距離目印が、自動車の周りに閉じた枠又は閉じた境界として画面表示されることを意味する。これは、非常に有利な実装であり、その理由は、この点で環境領域の湾曲透視画法を用いてさえ、自動車の周りのどの場所に同じ距離が存在するかが観察者に容易で迅速に認識されてもよいからである。特に、上部から中心を画面表示されない、したがって鳥瞰透視画法として画面表示されないバーチャルカメラの視点内に、距離評価についての更なる不確実性がこの点で観察者に対して生じることがある。特に、そのとき、3次元透視画法として、また周方向に同一の自動車までの距離を有する区域又は領域が存在する自動車の周りの全ての場所に画面表示されるこれらの斜角投視画法において認識することができるために、これは、非常に有利な実装である。したがって、かかる周方向距離目印によって、周方向距離領域又は距離区域が、そのとき、またこの距離目印と自動車との間に囲まれている。
【0023】
有利な実装において、それで、細長距離目印が、完全に自動車を囲む線として生成されるように提供される。
【0024】
更なる有利な実装において、少なくとも2つの別個の距離目印が表示され、当該目印は、それぞれ個々のリアル距離を記号で表すように提供される。これらの距離目印は、色及び/又は構造が異なる状態で表示されてもよい。それによって、距離目印は、非常に容易で迅速に認識されてもよく、それによってそれぞれ記号で表された距離が、また、直観的に知覚されてもよい。観察者による間違った解釈が、それによって解消されてもよい。
【0025】
それに加えて又はそれの代わりに、少なくとも1つの距離目印が、動的な画面表示を有する、例えば、フラッシングしてもよく及び/又はその輝度が増減してもよく及び/又はその色構成が変化してもよいように提供されてもよい。このことは、特に、制限距離、特に、例えば環境領域内の対象までの自動車の重要な位置状況を表示することができる制限距離が表示されるべき場合に達成されてもよい。
【0026】
少なくとも2つの別個の距離目印の両方が、それぞれ、画像内に自動車の周方向線として表示されるように提供されてもよい。それによって、複数の識別される距離区域の挟まれた配列、特に自動車の周りに完全に延在する配列が、バーチャルに記号で表される。
【0027】
少なくとも1つの距離目印が、画像内にオーバーレイとして表示されるように提供されてもよい。
【0028】
更なる有利な実装において、画像内の距離目印の位置及び/又は幾何形状が、バーチャルカメラの視点の変化に基づいて共に変化させられるように提供されてもよい。それによって、そのときそれぞれ新たに生じて表示されるべき距離の表示が、リルタイムでバーチャルに可能にされる。したがって、観察者は、直ぐにまた、視点の変化によって、環境領域内の位置の自動車までの特定の距離の変化を認識してもよい。
【0029】
距離目印の表示のタイプが、ユーザによって設定されてもよいように提供されてもよい。このことは、かかる細長距離目印の色表示及び/又は長さ及び/又は幅に関連してもよい。しかし、それは、また、別の調整設定に関連してもよい。特に、入力される時点及び/又はそれにおける環境状況及び/又はそれにおけるユーザがかかる画面表示された距離目印を望む運転状況が、また、あってもよい。もちろん、これらの局面は、また、代替実装において自動的に達成されてもよい。それに加えて、距離目印の自動選択及び画面表示において、かかる画面表示が達成されることを画面表示の前にユーザが知らされ、ユーザは、次いで、また、例えば作動によって実際の画面表示を始動だけしてもよいように提供されてもよい。
【0030】
更なる有利な実装において、距離を記号で表す細長距離目印の表示に加えて、距離の値、したがって数値が画像上に表示されるように提供されてもよい。それによって、細長距離目印がこのように表示されるだけでなく、情報が追加的に表示され、当該情報は、この距離目印が表示する実際の距離である。それに加えて又はそれの代わりに、距離を記号で表す細長距離目印の表示に加えて、矢印が表示され、当該矢印は、細長距離目印の場所と自動車との間の区画を表示し、それらの間に距離が存在する。それによって、正確度が、ここでも増加させられ、その理由は、この場合、地点が、そのとき矢印によって実質的に印を付けられ、当該地点の間に、対応する距離がそのとき実際に存在し、バーチャルに、自動車の外面に垂直であり、細長距離目印に垂直であり、当該細長距離目印は、自動車の外面に平行又は実質的に平行に延在する状態で画面表示されている。ボウル形状表示によって生じる湾曲画像内の距離についての正確度及び直観的な理解が、それによってここでも改善されてよい。
【0031】
好ましくは、画像は、自動車及び環境領域に対する2D平面図として表示されるように提供されてもよい。更なる有利な実装において、画像は、3D図として表示されるように提供される。
【0032】
画像は、タッチセンサ式ディスプレイユニット上に画面表示されるように提供されてもよい。
【0033】
次いで、特に、ユーザは、ディスプレイユニット上の距離目印に触れることによって、すでに表示された細長距離目印を手動でシフトさせて、別の距離が、それによってそのとき新たに設置された距離目印によって個々に記号によって表示されるように提供されてもよい。それによって、ユーザ個々の設定が、より可変で適切に可能である。
【0034】
同様に、所望の距離の値が、特に、この場合もまた、ユーザの音声入力によって入力されてもよく、そして、関連する細長距離目印が、自動的に画像内の正確な場所に表示されてもよい。
【0035】
本発明の更なる独立した局面は、画像内に自動車の環境領域を表示するための方法に関する。方法において、環境領域のリアル画像をキャプチャするステップは、自動車の複数のリアルカメラによって実行される。画像は、これらのリアル画像から生成され、当該画像は、少なくとも部分的に環境領域を表示する。画像は、環境領域内に配列されたバーチャルカメラの視点から表示される。少なくとも1つのバーチャルな細長距離目印が、画像内に表示され、当該細長距離目印によって、自動車までの距離が画像内に記号で表される。自動車の少なくとも1つのリアル寸法が、既知のものとして予め設定され、画像内の自動車の表示に対する画像内のリアル距離を記号で表す、画像内の距離目印の少なくとも1つの位置が、この既知の寸法に基づいて決定される。それに加えて又はそれの代わりに、リアルカメラが校正され、そして、画像内の自動車の表示に対する、画像内のリアル距離を記号で表す画像内の距離目印の少なくとも1つの位置が、この校正又は校正情報に基づいて決定されるように提供されてもよい。
【0036】
それによって、また、上記の利点が達成されてもよい。画像内に自動車の環境領域を表示するための方法に関する上記の第1独立局面の実装が、この更なる独立局面の有利な実装と考えられてもよい。
【0037】
本発明の一局面は、コンピュータプログラム製品に関し、当該コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品が、プログラム可能なコンピュータデバイスにおいて実行されるとき、本発明に従う方法を実行するように形成されている。
【0038】
本発明の一局面は、評価ユニットを有するディスプレイシステム、ディスプレイユニット、及び少なくとも1つのリアルカメラに関し、ディスプレイシステムは、本発明に従う方法を実行するように適合されている。評価ユニットは、例えば、リアルカメラ及び/又はディスプレイユニット内に統合されてもよく、あるいは別個のユニットとして存在してもよい。
【0039】
本発明の一局面は、自動車、特に乗用車に関し、本発明に従うディスプレイシステム又はその有利な実装を含む。
【0040】
方法に関して示された好ましい実施形態及びその利点が、コンピュータプログラム製品、ディスプレイシステム、及び自動車に対応するように適用される。
【0041】
「上部」、「底部」、「前面」、「後面」、「水平方向」、「鉛直方向」、「深さ方向」、「幅方向」、「高さ方向」等の指標によって、バーチャルカメラ又はリアルカメラ又は自動車の意図された使用及び意図された配列によって付与された位置及び方向が、指定される。
【0042】
本発明の更なる特徴が、クレーム、図及び図の説明から明らかである。説明において上記された特徴及び特徴の組み合わせ、並びに、図の説明において下記された及び/又は図だけに表された特徴及び特徴の組み合わせが、それぞれ指定された組み合わせにおいて使用可能であるだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく別の組み合わせで使用可能である。したがって、実装は、本発明によって包含されている及び開示されていると見なされてもよく、当該実装は、図に明示的に示されず、説明されないけれども、そして、説明された実装から生じ、及び説明された実装と別個の特徴の組み合わせによって生成されてもよい。実装及び特徴の組み合わせは、また、開示されていると見なされてもよく、したがって、当初に考案された独立クレームの特徴の全てを備えているわけではない。更に、クレームに関連して述べられた特徴の組み合わせを越えて拡張しているか、又はそれから逸脱している実装及び特徴の組み合わせが、開示されている、特に上記の実装によって開示されていると見なされることができる。
【0043】
以下に、本発明の実施形態が、略図に基づいて更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】画面表示システムの実施形態を有する自動車の実施形態についての略平面図である。
図2】自動車の環境領域内でのバーチャルカメラのバーチャル配列の略図である。
図3】バーチャルカメラの特定の視点内のボウル形状の画像の図である。
図4】バーチャルカメラが自動車上に直接配設され、そして、画像が鳥瞰透視画法として生成される略図である。
図5図4の位置に従うバーチャルカメラによって生成されるような鳥瞰透視画法としての画像の図であり、複数の細長距離目印がこの画像内に表示されている。
図6】画像の更なる実施形態の図であり、複数の細長距離目印が、記号で表された距離についての追加の数値及び追加の矢印と共に表示されている。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図において、同一の又は機能的に同一の要素は、同じ参照符号を備えている。
【0046】
図1において、本発明の実施形態に従うディスプレイシステム2を有する自動車1の平面図が概略的に示されている。実施形態において、ディスプレイシステム2は、評価ユニット3と、ディスプレイユニット4と、を備える。更に、ディスプレイシステム2は、実施形態では、第1リアルカメラ5と、第2リアルカメラ6と、第3リアルカメラ7と、第4リアルカメラ8と、を備える。実施形態に従って、第1リアルカメラ5は、自動車1の前面9に配設され、第2リアルカメラ6は、自動車1の右面10に配設され、第3リアルカメラ7は、自動車1の後面11に配設され、第4リアルカメラ8は、自動車1の左面12に配設されている。しかし、リアルカメラ5、6、7、8の配列は、種々に可能であるけれども、好ましくは、自動車1及び/又は自動車1の環境領域13が、少なくとも部分的にキャプチャされてもよい。
【0047】
特に、リアルカメラ5、6、7、8は、広いキャプチャ範囲を有し、当該キャプチャ範囲は、例えば180°超であってもよい。広いキャプチャ範囲は、それぞれ、例えば、リアルカメラ5、6、7、8の対物魚眼レンズによって提供されてもよい。したがって、ディスプレイシステム2は、例えば、環境視覚システム(CMS-カメラ監視システム)若しくは電子バックミラーとして形成されるか、又は自動車の更なる運転者支援システムとして形成されてもよく、当該ディスプレイシステムにおいて、環境領域13が少なくとも部分的にキャプチャされる。
【0048】
リアルカメラ5、6、7、8は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)カメラ若しくはCCD(電荷結合素子)カメラ、又は別の画像キャプチャデバイスであってもよく、当該リアルカメラは、環境領域13及び/又は自動車1の枠を提供してもよい。リアルカメラ5、6、7、8は、特にビデオカメラであり、当該ビデオカメラは、フレームの画像シーケンスを連続的に提供する。次いで、評価ユニット3が、例えば、リアルタイムでフレームの画像シーケンスを処理する。評価ユニット3は、例えば、それぞれのリアルカメラ5、6、7、8内部に、又はディスプレイユニット4内部に配設されてもよい。しかし、評価ユニット3は、また、自動車1内部の任意の別の位置のそれぞれのカメラ5、6、7、8又はディスプレイユニット4の外部に配設されてもよく、したがって、リアルカメラ5、6、7、8から、及びディスプレイユニット4から独立したユニットとして形成されてもよい。
【0049】
例えば、ディスプレイユニット4は、液晶ディスプレイ(LCD)として形成されてもよい。ディスプレイユニット4は、自動車1内に多様に配設されてもよいけれども、好ましくは、自動車1のユーザがディスプレイユニット4に送る視線が遮られないように配設されてもよい。
【0050】
複数のリアル画像は、リアルカメラ5、6、7、8によってキャプチャされる。リアル画像は、それぞれのリアルカメラ5、6、7、8の視点から少なくとも部分的に環境領域13を表す。好ましくは、リアル画像は、少なくとも部分的に重複してキャプチャされる。
【0051】
図2は、自動車1の環境領域13内でのバーチャルカメラ14のバーチャル配列を表す。バーチャルカメラ14は、環境領域13内に多様に配列されてもよい。好ましくは、バーチャルカメラ14は、特に画像のボウル形状の、予め設定されたバーチャルカメラ位置15に配列されている。バーチャルカメラ14のそれぞれのバーチャルカメラ位置15及びその方向に基づいて、環境領域13及び/又は自動車1へのバーチャルカメラ14の視点が決定される。バーチャルカメラ14の視点は、それぞれ、例えば、リアルタイムで、所定の計算時間内で適合されてもよい。
【0052】
図3において、画像16が、それが自動車1のディスプレイユニット4上に表示されてもよいように示されている。画像16は、リアルカメラ5、6、7及び8の複数のリアル画像から生成される。図3において、環境領域13は、バーチャルカメラ14のカメラ位置15aから表示されている。そのため、視点は、自動車1の上面及び後面から前面まで導かれる。この場合、画像16は、特に湾曲しており、したがって図2に示されたボウル形状で表示され、自動車1は、ボウル形状内の中心で、ボウル形状の底部17に表示されている。画像16において、第1バーチャル細長距離目印18が表示されている。それは、環境領域13内の位置の自動車1までのリアル距離を符号で表している。この場合、距離目印18は、線として、特に自動車1の周りに完全に閉じた状態で延在する線として表示されている。したがって、それは、自動車1の周りに延在する同一の距離、又は少なくとも実質的に同一の距離を符号で表している。好ましくは、この細長距離目印18は、画像16上のオーバーレイとして画面表示されている。この細長距離目印18によって、それで、距離区域又は距離範囲に対する境界又は境界線がまた形成されており、当該境界又は境界線は、自動車1の周りに、完全に周方向に生じている。この第1距離目印18によって、自動車1の外面までの一貫した、又は実質的に一貫した距離が、象徴的に決定される。
【0053】
この場合、200mmの距離が、特に、実施形態において、この第1距離目印18によって表示される。図3の表示において明らかなように、第1距離目印18は、また、この3次元表示における個々の視点に基づいてそれに対応するように描かれ、当該3次元表示は、更にまたこのボウル形状、したがって湾曲表示を有する。したがって、自動車1の外面までの異なるバーチャル距離が、バーチャル画像16内に生じるけれども、周方向に常に同一の自動車1までの距離が、それによって実際はバーチャルに表示されてもよい。
【0054】
実施形態において、第1距離目印18とは別の第2細長距離目印19が、図3の画像16内にバーチャル距離目印として表示されている。それは、第1距離よりも大きい第2距離を符号で表しており、当該第1距離は、第1距離目印18によって符号で表示されている。この第2距離目印19は、また、表されている実施形態において線として形成されており、当該線は、この場合、特に自動車1の周囲で完全に周方向に閉じた状態で表示され、引かれている。
【0055】
更に、好ましくは、表された実施形態において、第3の、更なるバーチャルの別の距離目印20が画像16内に引かれるように提供される。それは、また第1距離目印18及び19よりも大きく、したがって、距離目印18及び19よりも大きい関連する距離内に自動車1を囲んでいる。また線状に引かれ、好ましくは自動車1の周りに完全に延在する更なる距離目印20によって、第3距離が符号で表されており、当該第3距離は、この場合、例えば600mmである。特に、第2距離目印19によって記号により表されたリアル距離は、自動車1のそれぞれの外側位置まで40mmである。
【0056】
距離目印が自動車1に関する環境領域の底部上に決定されるように提供されてもよい。しかし、環境領域13内の位置の自動車1までの距離は、また、環境領域13の底部から間隔が空いた特定の高さに決定されてもよい。
【0057】
有利な実装において、表示されるべきリアル距離が、自動車1に対して環境領域13の底部上の環境領域13内の位置に決定されて表示される場合、又は、特定の高さに決定されて表示される場合に、ユーザによって手動で選択されるか、又は自動的に予め設定されてもよいように提供されてもよい。
【0058】
バーチャル細長距離目印18、19、20によって、環境領域13内の位置の自動車1までの、特に自動車1の外面までのリアル距離が、この湾曲表示された画像16内に記号によって示される。
【0059】
特に、自動車1の少なくとも1つのリアル寸法が、既知のものとして予め設定される。この少なくとも1つの既知の寸法に基づいて、画像内の自動車1の表示に関連して画像16内のリアル距離を記号で表す、この画像16内の距離目印18、19、20の位置が決定される。このことは、既知のリアル寸法が用いられて、このリアル寸法の測定値が画像16内で決定されることを意味する。画像16内のこの測定値に基づいて、環境領域13内のリアル距離が、次いで画像16内のこの架空のバーチャル距離に変換又はスケーリングされる。このことは、例えば、第1距離目印18から自動車1の1つの外面までの距離表示が、この画像内の自動車1の寸法にスケーリングされることを意味する。画像16内の距離目印18のこの位置の決定は、そのため、自動車1のリアル寸法を基礎として考えることによって、有利に排他的に達成され、そして、それは、次いで画像16内での変換に用いられ、及び/又は画像16内の距離目印18のこの位置の決定が、リアルカメラ5、6、7、8の校正に依存し、したがってこの校正された情報に基づいて有利に排他的に達成される。好ましくは、2つの可能なことのうちの少なくとも1つだけでなく、最大でこれらの可能なことの両方が、好ましくは用いられて、それぞれ、自動車1に関連して画像16内の距離目印の位置をそれぞれ決定及び計算する。
【0060】
更なる情報、例えば、自動車1の距離決定センサによって取得されることができてもよい更なる情報は、用いられない。したがって、超音波センサ又はレーダーセンサ又はライダーセンサの情報は、特に考慮に入れられない。そのため、画像16内のバーチャル距離目印18、19、20のこの表示の決定は、非常に簡単だが非常に正確に可能にされる。
【0061】
図3に示すバーチャルカメラ14の視点が、代表的なものとしてだけ理解されるべきであり、非常に多様な別のカメラ位置15、15a、したがって非常に多様な別の視点が可能にされることが再び言及されるべきである。それに基づいて、少なくとも1つの距離目印18、19、20の異なる視点から表される表示及び位置が、そのとき再び生じる。
【0062】
図4において、バーチャルカメラ14の位置が、非常に簡略化された表示で表されており、当該表示において、鳥瞰透視画法がここで生成されている。この実装において、画像16が、次いで図5に典型的に表されているように生成される。この場合もまた、典型的な距離目印18、19及び20が再び示される。図3と対照的に、この場合、距離目印は、また、線状に構成され、当該距離目印は、好ましくは、自動車1の周りに完全に延在する状態で引かれる。この場合、それらは、典型的には実線ではなく、点線、一点鎖線、又は破線として表される。更に、この場合、図3において実現されてもよい有利な実装では、特定の数値18a、19a及び20aが、また、線に加えて画像16内に画面表示され、当該特定の数値は、特定の距離値を示すように提供されている。測定単位が、好ましくは、また画面表示される。
【0063】
それに加えて又はそれの代わりに、距離目印18、19及び20は、また、異なる色を有することにより、この点で区別されてもよい。それらは、静的に表示されてもよいが、また、動的に表示されてもよい。それに加えて、それらが、随意にフラッシングする、及び/又は色を変化させる、及び/又は色表現の輝度を変化させてもよい。
【0064】
図6において、画像16が更なる実施形態で表されており、当該画像は、好ましくは、ボウル形状で鳥瞰透視画法として表現される。図5と対照的に、この場合、細長距離目印18が、自動車1の周りに単に部分的に延在する状態で表現されている。この場合、それは、自動車1の右側外面、したがって助手席側に単に平行に、又は実質的に平行に表現されている。この場合、特定の測定単位を有する特定の数値18aが、また、画像16上に追加的にここでも画面表示される。この場合、矢印18bが、有利な実装において更にまた表示され、当該矢印は、自動車1の別の側面と距離目印18との間に延在する。したがって、特定の場所が、この場合、表示されており、画像16内に記号で表されている当該特定の場所の間のこのリアル距離が、理解されてもよい。同じものが、また、更なる距離目印19を備えており、特定の数値19a及び矢印19bが、ここでも、好ましくは追加的に表示されている。図5及び図6における表示が、また、図3に示されているのと同様に、3次元図内に表示されてもよい。この場合もまた、非常に多様なバーチャルカメラ位置15、15aが、そのとき提供されてもよく、当該カメラ位置にこのバーチャルカメラ14が設置されてもよい。距離目印18、19及び20の表示は、バーチャルカメラ14の視点の変化に基づいて、及び/又は環境領域13の変化に基づいて、及び/又は自動車1の運転状態の変化、特にまた動的な態様での運転状態の変化に基づいて、変化してもよい。特定の数値18a、19a、20a及び/又は矢印18b、19bの画面表示が、また、これらの言及されたパラメータ、及び/又は有力要因に基づいて達されてもよく、特にまた、動的な態様で表示されて達成されてもよい。
【0065】
特に手動入力によって、特にディスプレイシステム2の操作ユニットを介する手動入力によって、距離目印18、19、20の数及び/又はタイプが、特にユーザによる手動で設定されてもよい。この状況において、それは、また、数値18a、19a、20a、及び/又は矢印18b及び/又は19bが、またバーチャルに表示される場合、ユーザ個々に設定されてもよい。
【0066】
距離目印を決定するためには、特に、自動車1までのリアル距離の表示に関連して画像16内でスケーリングされた位置に関して距離目印を決定するためには、例えば、車両スピード及び/又はステアリング角度等の自動車1の運転状態を特徴付ける情報のいずれもが、有利な実装において必要とされない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6