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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】流速制御装置および遠心ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20230901BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20230901BHJP
【FI】
F04D29/44 C
F04D29/60 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022162863
(22)【出願日】2022-10-11
【審査請求日】2022-10-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】久保田 康志
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-063961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0189826(US,A1)
【文献】特開昭61-244898(JP,A)
【文献】特開2016-173051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
F04D 29/46
F04D 29/60
F16K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インデューサを備えた遠心ポンプの吸込管内を流れる取扱液の軸方向流速を制御する流速制御装置であって、
前記吸込管内の前記インデューサよりも前記取扱液の流れの上流側に配置される絞り機構を有してなり、
前記絞り機構は、前記吸込管の内面側から前記吸込管内へ前記吸込管の横断方向に沿うように突出することにより、前記インデューサよりも上流側において、前記インデューサに流入する前記取扱液の前記軸方向流速を変化させる、前記吸込管の周方向に等角度間隔で配置される複数の絞り部材を備え、
前記絞り部材の前記内面から前記吸込管内への突出量は、前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液の流量に関連する流量情報に基づいて、変更可能に制御されて、
前記吸込管の径方向において、前記絞り部材が最も外方側に位置しているとき、前記絞り機構は、前記内面から前記吸込管内に突出せず、
前記絞り部材が前記吸込管内に突出するとき、前記絞り機構のうち、前記絞り部材のみが前記内面から前記吸込管内に突出
複数の前記絞り部材それぞれが前記吸込管内へ突出しているとき、前記周方向において隣り合う前記絞り部材同士は、接触しない、
流速制御装置。
【請求項2】
前記突出量は、前記流量が小さくなるにつれて大きくなるように制御される、
請求項1に記載の流速制御装置。
【請求項3】
前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液が流れる吐出流路には、前記吐出流路内を流れる前記取扱液の前記流量を計測する流量計測機器が取り付けられ、
前記流量情報は、前記流量計測機器により計測された前記流量を示す吐出流量情報である、
請求項1に記載の流速制御装置。
【請求項4】
前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液が流れる吐出流路には、前記吐出流路内を流れる前記取扱液の前記流量を調節する流量調節機器が取り付けられ、
前記流量情報は、前記流量調節機器の動作を制御する流量制御情報である、
請求項1に記載の流速制御装置。
【請求項5】
前記絞り機構は、相互に対向するように配置される2つの前記絞り部材を備える、
請求項に記載の流速制御装置。
【請求項6】
前記周方向において、隣接する2つの前記絞り部材の間には、スリット状の隙間が形成される、
請求項に記載の流速制御装置。
【請求項7】
前記絞り部材は、前記吸込管内に突出する部分に配置され、前記吸込管の軸方向に沿う貫通孔、または、前記絞り部材の突出方向側の端部に切り欠かれる切欠き、を備える、
請求項に記載の流速制御装置。
【請求項8】
回転軸と、
前記回転軸の一端部に取り付けられるインペラと、
前記インペラに吸い込まれる取扱液を導入する吸込管と、
前記吸込管内に配置されるインデューサと、
前記吸込管に取り付けられ、前記吸込管内を流れる前記取扱液の軸方向流速を制御する請求項1に記載の流速制御装置と、
を有してなる、
遠心ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流速制御装置および遠心ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプの吸込み性能を向上させるため、インペラの上流側(吸込管内の取扱液の流れにおける上流側)にインデューサが配置される技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。インデューサは、狭い特定の運転流量範囲で用いられるように設計されている。すなわち、例えば、インデューサ翼の入口角度は、吐出流量の最高効率点(Qbep)における取扱液の流入角度に対して数度の迎角で取扱液が流れ込むように設計されている。ここで、取扱液の流入角度は、吸込管の軸方向における取扱液の速度(軸方向流速)、および、同取扱液の周速の関数で表されて、軸方向流速の増減に応じて増減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第4150916号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、遠心ポンプの流量(吐出流量)は、インバータによるインペラ(インデューサ)の回転数の制御や、吐出管に取り付けられている弁(吐出弁)の開度、により調節されている。ここで、後述のとおり、吐出弁の開度が小さくなることにより流量のみが絞られると、取扱液のインデューサ翼への流入角度は小さくなる。その結果、流入角度とインデューサ翼の入口角度との差異が大きくなり、最終的に、インデューサ翼の表面からの取扱液の剥離が発生して、遠心ポンプの吸込み性能が悪化する。このように、特定の運転流量範囲よりも小さい小流量域では、インデューサを備える遠心ポンプの吸込み性能は、悪化する。
【0005】
本発明は、インデューサを備える遠心ポンプの運転流量範囲を小流量域側に広げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様における流速制御装置は、インデューサを備えた遠心ポンプの吸込管内を流れる取扱液の軸方向流速を制御する流速制御装置であって、前記吸込管内の前記インデューサよりも前記取扱液の流れの上流側に配置される絞り機構を有してなり、前記絞り機構は、前記吸込管の内面側から前記吸込管内へ前記吸込管の横断方向に沿うように突出することにより、前記インデューサよりも上流側において、前記インデューサに流入する前記取扱液の前記軸方向流速を変化させる、前記吸込管の周方向に等角度間隔で配置される複数の絞り部材を備え、前記絞り部材の前記内面から前記吸込管内への突出量は、前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液の流量に関連する流量情報に基づいて、変更可能に制御されて、前記吸込管の径方向において、前記絞り部材が最も外方側に位置しているとき、前記絞り機構は、前記内面から前記吸込管内に突出せず、前記絞り部材が前記吸込管内に突出するとき、前記絞り機構のうち、前記絞り部材のみが前記内面から前記吸込管内に突出し、複数の前記絞り部材それぞれが前記吸込管内へ突出しているとき、前記周方向において隣り合う前記絞り部材同士は、接触しない
【0007】
本発明の一実施形態における遠心ポンプは、回転軸と、前記回転軸の一端部に取り付けられるインペラと、前記インペラに吸い込まれる取扱液を導入する吸込管と、前記吸込管内に配置されるインデューサと、前記吸込管に取り付けられ、前記吸込管内を流れる前記取扱液の軸方向流速を制御する前述の実施態様に記載の流速制御装置と、を有してなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インデューサを備える遠心ポンプの運転流量範囲が小流量域側に広げられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る遠心ポンプを備えるポンプシステムの模式配管図である。
図2】本発明に係る遠心ポンプの実施の形態を示す模式断面図である。
図3】本発明に係る流速制御装置の実施の形態を示す模式構成図である。
図4図3の流速制御装置が備える絞り部材が、図2の遠心ポンプが備える吸込管内に突出している状態を示す模式断面図である。
図5図2の遠心ポンプが備えるインデューサの上流側に隣接する領域における取扱液の流入角度を説明する模式図である。
図6図4の絞り部材の突出による効果、および、突出量を示す模式図である。
図7】流量に対する開口率の一例を示す模式図である。
図8図4のAA線における模式断面図である。
図9図4の吸込み管の模式斜視図である。
図10】取扱液の逆流を説明する模式図であり、(a)は従来の吸込管を示す模式図であり、(b)は本発明における吸込管を示す模式図である。
図11図3の流速制御装置の各変形例を示す模式断面図であり、(a)は第1変形例を示す模式断面図であり、(b)は第2変形例を示す模式断面図であり、(c)は第3変形例を示す模式断面図であり、(d)は第4変形例を示す模式断面図であり、(e)は第5変形例を示す模式断面図であり、(f)は第6変形例を示す模式断面図である。
図12図11の第2変形例に係る流速制御装置が備える貫通孔に流入する取扱液の流れを説明する模式断面図である。
図13図3の流速制御装置の第7変形例の模式配管図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る流速制御装置および遠心ポンプの実施の形態について説明する。各図において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、説明の便宜上、誇張されている場合が有り、各図面に図示されている比率に限定されない。
【0011】
以下の説明において、本発明に係る遠心ポンプは、取扱液を貯留タンクから外部設備・機器に送液するポンプシステムに備えられているものとする。また、本発明に係る流速制御装置は、本発明に係る遠心ポンプに備えられているものとする。
【0012】
●ポンプシステム●
●ポンプシステムの構成
図1は、本発明に係る遠心ポンプを備えるポンプシステムの模式配管図である。
同図の実線は取扱液の流路を示していて、破線は信号の経路を示している。
【0013】
ポンプシステムSは、取扱液が貯留されている貯留タンクT、貯留タンクTと遠心ポンプ1との間に接続されている吸込配管L11、吸込配管L11を開閉する吸込弁V1、遠心ポンプ1と外部機器Oとの間に接続されている吐出配管L12、吐出配管L12を開閉する吐出弁V2、および遠心ポンプ1を備える。遠心ポンプ1は、本発明に係る遠心ポンプの一例である。
【0014】
吸込配管L11は公知の管体であり、後述される吸込管35と共に、後述されるポンプ室33に吸い込まれる取扱液が流れる吸込流路L1を構成している。吐出配管L12は公知の管体であり、後述される吐出管36と共に、ポンプ室33から吐出される取扱液が流れる吐出流路L2を構成している。吸込弁V1および吐出弁V2は公知の弁(例えば、電磁弁)であり、開度が遠隔操作により調整可能(流量が調整可能)に構成されている。吐出弁V2は、本発明における流量調整機器の一例である。
【0015】
外部機器Oは、例えば、エンジン、燃焼炉、または燃料タンクなどの遠心ポンプ1により送液された取扱液を利用・貯留する機器である。本実施の形態において、外部機器Oは、吐出弁V2の開度を制御する制御信号を生成し、生成された制御信号を吐出弁V2および後述される制御装置60に送信する。制御信号は、本発明における、流速制御信号の一例である。
【0016】
●遠心ポンプ●
次に、本発明に係る遠心ポンプの実施の形態について説明する。
【0017】
●遠心ポンプの構成
図2は、本発明に係る遠心ポンプの実施の形態を示す模式断面図である。
同図は、説明の便宜上、遠心ポンプ1の一部の図示を省略している。
【0018】
遠心ポンプ1は、モータ部2、ポンプ部3、および流速制御装置4を有してなる。遠心ポンプ1は、本発明における遠心ポンプの一例である。
【0019】
以下の説明において、「前方向」はモータ部2に対してポンプ部3が位置する方向であり、「後方向」はポンプ部3に対してモータ部2が位置する方向である。「上流側」は遠心ポンプ1に送液される液(以下「取扱液」という。)の流れにおける上流側であり、「下流側」は取扱液の流れにおける下流側である。
【0020】
モータ部2は、所定の駆動電圧・駆動周波数で駆動し、後述されるインペラ32を回転させる。モータ部2は、筐体21、モータ22、および回転軸23を備える。
【0021】
筐体21は、モータ22および回転軸23を収容する。モータ22は、回転軸23に取り付けられるロータ(不図示)、および、ロータを回転させるステータ(不図示)から構成される公知のモータである。回転軸23は、モータ22の回転により回転し、回転動力を後述されるインペラ32に伝達する。回転軸23の形状は、円柱状である。回転軸23の前端部23aは、後述されるポンプ室33内に突出している。
【0022】
ポンプ部3は、取扱液を吸込み、吐出する。ポンプ部3は、筐体31、インペラ32、ポンプ室33、インデューサ34、吸込管35、および吐出管36を備える。
【0023】
筐体31は、インペラ32を収容するポンプ室33を区画する。筐体31の前端部は、回転軸23と同軸となるように前方に向けて延伸されていて、ポンプ室33に取扱液を吸い込む(導入する)吸込管35を形成している。また、筐体31のうち、インペラ32の径方向の外方側に位置する一部は、インペラ32の接線方向(上方)に延伸されていて、ポンプ室33からの取扱液を吐出する吐出管36を形成している。すなわち、筐体31は、ポンプ室33、吸込管35、および吐出管36を構成している。
【0024】
インペラ32は、回転軸23の前端部23aに取り付けられていて、ポンプ室33に収容されている。
【0025】
インデューサ34は、吸込管35内において、インペラ32よりも上流側(前側)に配置されていて、取扱液を加圧してインペラ32による取扱液の吸込みを補助する。インデューサ34は、回転軸23の前端部23aから上流側(前側)に延伸されるインデューサ軸34a、および、インデューサ軸34aの外周面に取り付けられているインデューサ翼34bを備える、公知のインデューサである。インデューサ34は、回転軸23の前端部23aに取り付けられていて、吸込管35内に配置されている。
【0026】
吸込管35の形状は、例えば、円筒状である。吸込管35における上流側(前側)の端部には、吸込管35と共に吸込流路L1を構成している吸込配管L11が接続されている。吸込管35は、収容室35a,35bおよびスリット35c,35dを備える。
【0027】
以下の説明において、「周方向」は吸込管35の円周に沿う方向であり、「径方向」は吸込管35の直径(半径)に沿う方向であり、「軸方向」は吸込管35の軸心方向(延伸方向)である。
【0028】
吸込管35の周壁の一部が径方向の外方側に向けて突出していて、後述される絞り部材41,42を収容する収容室35a,35bを形成している。本実施の形態において、収容室35aは吸込管35の上方に配置されていて、収容室35bは吸込管35の下方に配置されている。すなわち、径方向において、収容室35a,35bは、吸込管35を挟み込むように配置されている。換言すれば、周方向において、収容室35a,35bは、180°間隔で均等に配置されている。軸方向において、収容室35a,35bは、インデューサ34(インデューサ翼34b)よりも上流側(前側)に配置されている。
【0029】
スリット35c,35dは、吸込管35と収容室35a,35bとを連通させる通路である。スリット35c,35dは、吸込管35の周壁に形成されている。周方向において、スリット35cは収容室35aと同じ位置に配置されていて、スリット35dは収容室35bと同じ位置にされている。径方向において、スリット35cは収容室35aよりも内方側に配置されていて、スリット35dは収容室35bの内方側に配置されている。スリット35cは吸込管35および収容室35aに開口していて、スリット35dは吸込管35および収容室35bに開口している。
【0030】
吐出管36の形状は、例えば、吐出管36の下流側(上側)に向かうにつれて内径が大きくなるホーン状である。吐出管36の上端部(下流側の端部)には、吐出管36と共に吐出流路L2を構成している吐出配管L12が接続されている。
【0031】
●流速制御装置の構成
図3は、流速制御装置4の実施の形態を示す模式構成図である。
同図は、説明の便宜上、吸込管35も併せて図示している。
【0032】
流速制御装置4は、吸込管35内を流れる取扱液の、軸方向に沿う流れ(以下「軸方向流」という。)の流速(以下「軸方向流速」という。)を制御する。流速制御装置4は、本発明に係る流速制御装置の一例である。流速制御装置4は、絞り機構40、駆動装置50、および制御装置60を備える。
【0033】
絞り機構40は、複数(本実施の形態では2つ)の絞り部材41,42を備える。
【0034】
絞り部材41,42は、吸込管35の内面側から吸込管35内へ吸込管35の横断方向(すなわち、径方向)に沿うように突出することにより、インデューサ34よりも上流側において、インデューサ34に流入する取扱液の軸方向流速を変化させる。軸方向視において、絞り部材41,42の形状は、例えば、矩形の板状である。絞り部材41,42は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。絞り部材41,42は、両面が軸方向(前後方向)に向けられている状態で、収容室35a,35bに収容されている。すなわち、絞り部材41,42は、インデューサ34よりも上流側に配置されていて、周方向において、180°間隔で均等に配置されている。また、周方向において、絞り部材41,42は、吸込管35内へ突出しても相互に当接しないように構成されている。軸方向視において、絞り部材41の吸込管35側の端部41aは、吸込管35の内面で形成される円の接線と平行な直線状である。同様に、絞り部材42の吸込管35側の端部42aは、吸込管35の内面で形成される円の接線と平行な直線状である。絞り部材41の端部41aは、絞り部材42の端部42aと対向している。すなわち、絞り部材41,42は、吸込管35において、軸方向に垂直な同一の仮想平面上(軸方向における吸込管35の同じ位置)に配置されている。端部41a,42aの長さは、例えば、吸込管35の内径とほぼ同じ長さである。そのため、軸方向視において、絞り部材41,42は、端部41a,42aが吸込管35の内面で形成される円の弦を画定するように、吸込管35内に突出する。以下の説明において、吸込管35のうち、軸方向における絞り部材41,42が配置されている位置は、「絞り位置P」と称呼される。
【0035】
絞り部材41,42は、後述される流量情報に基づいて、駆動装置50からの駆動力により、径方向の外方側および内方側に往復移動可能に制御されている。すなわち、絞り部材41,42は、吸込管35の横断方向に沿って往復移動可能である。つまり、絞り部材41の一部(下部)および端部41aは、スリット35cを介して、吸込管35の内面側から吸込管35内に移動(突出)可能であり、かつ、吸込管35内から収容室35a内に移動(収容)可能である。同様に、絞り部材42の一部(上部)および端部42aは、スリット35dを介して、吸込管35の内面側から吸込管35内に移動(突出)可能であり、かつ、吸込管35内から収容室35bに移動(収容)可能である。絞り部材41,42が最も径方向の外方側に位置しているとき、絞り部材41,42は吸込管35内に突出していない。
【0036】
駆動装置50は、絞り部材41,42を吸込管35の横断方向に沿うように移動させる。駆動装置50は、例えば、絞り部材41,42を移動させる駆動力を生成する公知の機器(例えば、モータなど)、および、駆動力を絞り部材41,42に伝達する公知の機構(例えば、クランク機構やギア機構など)などを備える。
【0037】
制御装置60は、後述される流量情報に基づいて、駆動装置50の動作を制御して、絞り部材41,42を移動させる。制御装置60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、および、各種情報(プログラムなど)を記憶するROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリを備える。
【0038】
「流量情報」は、遠心ポンプ1から吐出されて、吐出流路L2を流れる取扱液の流量(吐出流量)に関する情報である。流量情報は、例えば、取扱液の流量を示す情報(吐出流量情報)、および、吐出流路L2を流れる取扱液の流量を制御する機器(例えば、吐出弁V2)の動作を制御する情報(動作制御情報)、を含む。前述のとおり、本実施の形態では、流量情報は、外部機器Oにより生成されて、制御装置60に送信される吐出弁V2の開度を制御する制御信号である。本実施の形態では、制御装置60が備えるROMは、例えば、吐出弁V2の開度(流量)と、絞り部材41,42の突出量(例えば、突出する部分の面積など)と、が関連付けられているテーブルを記憶している。
【0039】
なお、本発明において、制御装置60が備えるROMは、テーブルに代えて、吐出弁V2の開度(流量)に対応する絞り部材41,42の突出量を算出する関数を記憶していてもよい。
【0040】
また、本発明において、制御装置60は、テーブルや関数を記憶する記憶装置(例えば、フラッシュメモリなど)を備えていてもよい。
【0041】
●流速制御装置による軸方向流速の制御
図4は、絞り部材41,42が吸込管35内に突出している状態を示す模式断面図である。以下の説明において、説明の便宜上、図1および図2も参照される。
【0042】
絞り部材41,42が吸込管35内に突出しているとき、絞り位置Pにおいて、吸込管35の内部空間S1の横断面積(軸方向に垂直な断面積:図4においてグレーで着色された領域の面積)は、絞り部材41,42の突出量に応じて減少する。ここで、吸込管35(絞り位置P)を流れる(通過する)取扱液の軸方向流速「V」は、次式(1)の関数で表される。
【0043】
=Q/A (1)
【0044】
ここで、「Q」は吐出流路L2内を流れる取扱液の流量(吐出流量)であり、「A」は吸込管35(絞り位置P)の内部空間S1の横断面積である。横断面積「A」は、絞り部材41,42が吸込管35内に突出するにつれて減少して、絞り部材41,42が収容室35a,35bに収容されるにつれて増加する。
【0045】
式(1)に示されるように、吸込管35(絞り位置P)を流れる取扱液の軸方向流速「V」は、横断面積「A」に反比例して増減する。すなわち、軸方向流速は、絞り部材41,42が吸込管35内に突出するにつれて増加して、絞り部材41,42が収容室35a,35bに収容されるにつれて減少する。このように、流速制御装置4は、絞り部材41,42の突出量を制御することにより、吸込管35(絞り位置P)内を流れる取扱液の軸方向流速を制御している。
【0046】
また、式(1)に示されるように、軸方向流速「V」は、吐出流路L2内を流れる取扱液の流量「Q」に比例して増減する。一般的に、遠心ポンプの流量は、インバータによる回転数の制御や、吐出弁の開度、により調節されている。本実施の形態において、流量が吐出弁V2の開度により調整されると、軸方向流速は流量の増減に応じて増減する。すなわち、流量は、吐出弁V2が閉じられるにつれて減少して、吐出弁V2が開けられるにつれて増加する。
【0047】
ここで、遠心ポンプ1が取扱液を送液しているとき、吸込流路L1(絞り位置P)から吐出流路L2(吐出弁V2)までの取扱液の流路は、取扱液で満たされている。同流路の体積は一定であり、同流路内の取扱液の体積も一定とみなされる。そのため、吐出される取扱液の流量(質量)が減少すると、質量保存の法則に則り、吸い込まれる取扱液の流量(質量)も減少する。その結果、軸方向流速も減少する。
【0048】
図5は、インデューサ34の上流側に隣接する領域(入口領域)における取扱液の流入角度を説明する模式図である。
同図は、吸込管35の内部空間S1、および、インデューサ34を周方向に沿って展開した状態を模式的に示している。
【0049】
「流入角度」は、インデューサ34の回転方向(周方向)に対して、取扱液がインデューサ翼34bへ流入する角度である。
【0050】
図5に示されるとおり、インデューサ翼34bはインデューサ軸34aに固定されているため、径方向において、インデューサ翼34bの入口角度「β1」はインデューサ翼34bの位置ごとに固定値である。ここで、「入口角度「β1」」は、インデューサ34の回転方向に対するインデューサ翼34bの角度である。入口角度「β1」は、流量の最高効率点(Qbep)における取扱液の流入角度とほぼ同じになるように設計されている。また、入口角度「β1」は、インデューサ翼34bの外縁部から中心部に向かうにつれて大きくなるように設計されている。
【0051】
取扱液の流入角度「βw1」は、次式(2)の関数で表される。
【0052】
βw1=tan-1(Vm1/u1) (2)
【0053】
ここで、「u1」は、入口領域における取扱液の周速(周方向における流速)である。
【0054】
流量が吐出弁V2の開度により調整される場合、インペラ32(インデューサ34)の回転数は一定であるため、周速「u1」も一定である。したがって、式(2)に示されるとおり、流入角度「βw1」は、軸方向流速「Vm1」が減少するにつれて減少して、軸方向流速「Vm1」が増加するにつれて増加する。したがって、吐出弁V2が閉じられることにより流量が減少すると、軸方向流速「Vm1」が「V1」から「V2」まで小さくなり、流入角度「βw1」が「X1°」から「X2°」まで減少する。すると、流入角度「βw2」と入口角度「β1」との間の差異が大きくなる。その結果、取扱液の入口角度「β1」に対する流入角度「βw1」の最適角度が保たれなくなる。このとき、インデューサ翼34bの表面からの取扱液の剥離が発生して、遠心ポンプ1の吸込み性能が悪化する。そこで、流速制御装置4は、吐出弁V2の開度(すなわち、流量)に応じて、吸込管35(絞り位置P)の横断面積を増減させることにより、軸方向流速が一定になるように制御している。すなわち、制御装置60は、絞り部材41,42の突出量が、吐出弁V2の開度(流量)が小さくなるにつれて大きくなり、吐出弁V2の開度(流量)が大きくなるにつれて小さくなるように、制御している。換言すれば、流速制御装置4は、入口角度「β1」に対する流入角度「βw1」の最適角度が保たれるように、軸方向流速を制御している。
【0055】
図6は、絞り部材41,42の突出による効果、および、突出量を示す模式図である。
同図のグラフにおいて、横軸は流量を示していて、縦軸はNPSHr(Net Positive Suction Head required)を示している。また、実線は絞り部材41,42が突出していない状態における流量に対するNPSHrの変化を示していて、破線は絞り部材41,42が突出している状態における同変化を示している。さらに、同図は、吸込管35に対する絞り部材41,42の突出量を併せて示している。
【0056】
図6に示されるとおり、絞り部材41,42が突出していない状態では、NPSHrは、流量が減少するにつれて減少するが、流量がある値よりも減少すると、増加に転じている。このNPSHrの変化がボトムになる流量以下では、入口角度に対する流入角度の最適角度が保たれなくなり、前述の剥離が発生する。そこで、流速制御装置4は、例えば、このボトムになる流量(第1流量)を起点として、流量と横断面積との比率が一定に保たれるように、流量の減少に応じて絞り部材41,42を吸込管35内に突出させる。絞り部材41,42の突出量は、第2流量(例えば、最高効率点と略同等のNPSHrとなる流量)までの所定流量域において、流量が減少するにつれて連続的に大きくなる。その結果、第1流量よりも小流量域において、入口角度に対する流入角度の最適角度が保たれて、前述の剥離の発生は抑制されて、NPSHrの増加は抑制される。
【0057】
図7は、流量に対する開口率の一例を示す模式図である。
同図の横軸は流量を示していて、縦軸は開口率を示している。
【0058】
「開口率」は、絞り位置Pにおいて、絞り部材41,42が突出していない状態における横断面積に対する、絞り部材41,42が突出している状態における横断面積の割合である。
【0059】
前述のとおり、入口角度は、流量の最高効率点における取扱液の流入角度とほぼ同じになるように設計されている。また、インデューサ翼34bは、最高効率点を中心とした所定の運転流量範囲において効果を奏するように設計されている。そのため、最適角度は、設計範囲に応じた所定の角度範囲を有している。したがって、流量が最高効率点よりも小さくなっても、入口角度が最適角度に保たれている間では、絞り部材41,42は突出しないように制御されている。図7に示される一例では、絞り部材41,42は、流量が約60%において突出し始めて、流量が約20%において最大量突出するように制御されている。そして、絞り部材41,42の突出量は、流量が約60%から約20%の範囲内において、流量が減少するにつれて大きくなるように制御されている。
【0060】
図8は、図4のAA線における模式断面図である。
同図は、軸方向に沿う取扱液の流れ(軸方向流)を矢印で示している。また、同図は、インデューサ34の図示を簡略化している。以下の図8が参照される説明において、図4も適宜参照される。
【0061】
本実施の形態では、流速制御装置4は2つの絞り部材41,42を備えていて、周方向において、絞り部材41,42は180°間隔で配置されていて、相互に当接していない。そのため、軸方向視において、絞り部材41,42が吸込管35内に突出しているとき、絞り位置Pには、絞り部材41,42が突出している領域(以下「突出領域」という。)と、絞り部材41,42が突出していない領域(以下「非突出領域」という。)と、が形成されている。突出領域では、絞り部材41,42により、吸込管35の実質的な内径は小さくなっていて、軸方向流は遮られている。そのため、突出領域の下流側では、軸方向流が不均一化されて、軸方向流速は減少している。すなわち、突出領域の下流側に位置しているインデューサ翼34bの先端部(径方向の外方側の端部)には、不均一化されて、軸方向流速が減少した軸方向流が流入している。したがって、突出領域の下流側では、インデューサ34の吸込み性能は、低下する。一方、非突出領域では、取扱液の軸方向に沿う流れは遮られていない。そのため、非突出領域の下流側に位置しているインデューサ翼34bの全面には、均一化された軸方向流が流入している。したがって、非突出領域の下流側では、インデューサ34の吸込み性能は低下しない。
【0062】
図9は、吸込管35の模式斜視図である。
【0063】
同図は、吸込管35の内面側(径方向の外方側)に位置する取扱液の流れを矢印で示している。流量が大きいとき、取扱液の大部分は、軸方向に沿って流れる成分(軸方向成分)のみを有する均一な軸方向流として、吸込管35に沿って直進するように流れている。一方、流量が小さくなると、取扱液の流れはインデューサ34の直前で、その回転の影響を受ける。ここで、インデューサ翼34bの翼周速は、回転中心ではゼロであるが径方向の外方側に向かうにつれて大きくなる。その結果、吸込管35の内面側(径方向の外方側)に位置する取扱液の一部は、周方向に旋回しながら軸方向に流れる旋回流となる。旋回流は、インデューサ翼34bの周速度の数割程度の流速で周方向に旋回しながら流れている。
【0064】
旋回流の一部は、非突出領域を通過した後、突出領域の下流側に流れ込み、突出領域の下流側に配置されているインデューサ翼34bに流入する。このとき、同一部は、非突出領域を通過した軸方向流と略同等の軸方向流速で、突出領域の下流側に位置しているインデューサ翼34bの先端部に流入している(図9の実線矢印)。したがって、前述した突出領域の下流側におけるインデューサ34の吸込み性能の悪化は、僅かに抑制されている。一方、非突出領域を通過できない旋回流の他の一部は、絞り部材41,42に遮られている(図9の鎖線矢印)。
【0065】
このように、流速制御装置4は、突出領域および非突出領域を形成することにより、横断面積を減少させて軸方向流速を制御しつつ、吸込み性能の低下を抑制している。
【0066】
●取扱液の逆流との関係
図10は、取扱液の逆流を説明する模式図であり、(a)はインデューサの上流側に逆流の対策が施されていない従来の吸込管を示す模式図であり、(b)は本発明における吸込管35を示す模式図である。
【0067】
一般的に、インデューサを備える遠心ポンプが小流量域かつ低NPSHrで運転される場合、インデューサの外周部分において、取扱液の逆流が生じる場合がある。逆流が生じると、インペラの撹拌ロスにより温度が上昇した取扱液がインデューサの上流側に送られる。このとき、インデューサ翼の先端部においてキャビテーションが発生する。このキャビテーションの気泡は逆流によりインデューサの上流側に送られてガス溜りを形成し、同ガス溜りが消滅する際に、インデューサの上流側に脈動を生じさせる。
【0068】
この逆流を防止するため、特許文献1に記載された技術のように、インデューサよりも上流側の吸込管内に、吸込管の内周面から突出する環状部材(いわゆる、オリフィス)を配置する技術が知られている。同技術は、遠心ポンプが所定の小流量域で運転される場合には、逆流している領域(逆流領域)の上流側への増大を抑制できる。しかしながら、環状部材の大きさ(突出量)は吸込管の形状および流量により定められるため、1つの環状部材で対応可能な流量域は限定されている。したがって、同技術において、流量が対応可能な流量域よりも小さくなると、逆流領域の増大の抑制効果が減少して、吸込み性能が悪化する。一方、流量が対応可能な流量域よりも大きくなると、環状部材が取扱液の流れを阻害し、吸込み性能が悪化する。すなわち、同技術は、所定の小流量域にのみ対応でき、所定の流量域以外の広範な流量域には対応できない。
【0069】
本実施の形態において、絞り部材41,42は、前述された環状部材と同様に、逆流領域の増大を抑制する機能を有している。また、絞り部材41,42の突出量は、流量が小さくなると大きくなり、流量が大きくなると小さくなり、所定の流量よりも流量が大きくなるとゼロになる。このように、小流量域では流量に応じて絞り部材41,42の突出量が変わることにより逆流が抑制されて、大流量域では絞り部材41,42が突出しないことにより取扱液の流れが阻害されない。
【0070】
また、周方向において逆流は不連続性(非定常性)を有しており、絞り部材41,42も全周で突出しておらず、周方向における不連続性を有している。周方向において全周に突出している環状部材よりも、同じく不連続性を有する絞り部材41,42の方が、不連続性を有する逆流に対する抑制効果は高く、逆流領域の増大の抑制効果も高い。
【0071】
●まとめ●
以上説明した実施の形態によれば、流速制御装置4は、吸込管35において、インデューサ34よりも上流側に配置される絞り機構40を備える。絞り機構40は、吸込管35の内面側から吸込管35内へ横断方向に沿うように突出することにより、インデューサ34よりも上流側において、インデューサ34に流入する取扱液の軸方向流速を変化させる絞り部材41,42を備える。絞り部材41,42の突出量は、遠心ポンプ1から吐出された取扱液の流量に関連する流量情報に基づいて、変更可能に制御されている。この構成によれば、流速制御装置4は、流量に応じて、絞り部材41,42の突出量を変更して、絞り位置Pの横断面積を変更できる。したがって、流量が減少したとき、流速制御装置4が流量に応じて横断面積を変更することにより、絞り位置Pにおける軸方向流速は一定になる。その結果、流量が減少しても入口角度に対する流入角度の最適角度が保たれて、インデューサ34を備える遠心ポンプ1の運転流量範囲が小流量域側に広げられる。
【0072】
また、以上説明した実施の形態によれば、絞り部材41,42の突出量は、流量が小さくなるにつれて大きくなるように制御されている。この構成によれば、流量が小さくなるにつれて絞り位置Pの横断面積が小さくなり、絞り位置Pにおける軸方向流速が一定に保たれる。その結果、流量が減少しても入口角度に対する流入角度の最適角度が保たれて、インデューサ34を備える遠心ポンプ1の運転流量範囲が小流量域側に広げられる。
【0073】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、遠心ポンプ1から吐出された取扱液が流れる吐出管36には、吐出管36内を流れる取扱液の流量を調節する吐出弁V2が取り付けられている。流量情報は、外部機器Oから送信される吐出弁V2の動作を制御する制御情報である。この構成によれば、流速制御装置4は、吐出弁V2に対する流量制御に連動して軸方向流速を制御できる。
【0074】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、絞り機構40は、吸込管35の周方向に等角度(例えば、180°)間隔で配置されている2つの絞り部材41,42を備える。この構成によれば、周方向において、流速制御装置4は、突出領域だけでなく非突出領域を容易に形成できる。非突出領域の下流側ではインデューサ34およびインペラ32の吸込み性能は低下しないため、流速制御装置4は、吸込み性能の低下を抑制しつつ、軸方向流速を制御できる。
【0075】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、絞り機構40は、相互に対向するように配置される2つの絞り部材41,42を備える。この構成によれば、流速制御装置4は、横断面積を減少させるための突出量を抑制しつつ、非突出領域を広く形成できる。
【0076】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、絞り部材41,42が吸込管35内へ突出しているとき、周方向において、隣り合う絞り部材41,42同士は、接触しない。この構成によれば、周方向において、隣り合う絞り部材41,42の間には、非突出領域が確実に形成される。
【0077】
●変形例●
次に、流速制御装置4の変形例が、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる点を中心に、以下に説明される。以下の変形例の説明において、説明の便宜上、第1実施形態と同じ部材、および、共通している機能を有する部材には、第1実施形態と同じ符号が付されている。以下の変形例において、図1図9は、適宜参照される。
【0078】
図11は、流速制御装置4の各変形例を示す模式断面図であり、(a)は第1変形例を示す模式断面図であり、(b)は第2変形例を示す模式断面図であり、(c)は第3変形例を示す模式断面図であり、(d)は第4変形例を示す模式断面図であり、(e)は第5変形例を示す模式断面図であり、(f)は第6変形例を示す模式断面図である。
同図は、絞り部材41~48が最大量突出している状態を示している。
【0079】
●第1変形例
図11(a)に示されるとおり、第1変形例では、流速制御装置4が1つの絞り部材41を備えている点が、第1実施形態と異なる。第1変形例の絞り部材41の流量に対する突出量は、第1変形例の絞り部材41,42それぞれの流量に対する突出量よりも大きくなる。第1変形例において軸方向流速を制御可能な流量範囲は第1実施形態よりも小さくなり得るが、第1変形例に係る流速制御装置4は、その流量範囲内においては、適正に軸方向流を制御可能である。
【0080】
なお、第1変形例において、流速制御装置4は、1つの絞り部材42を備えていてもよい。
【0081】
●第2変形例
図11(b)に示されるとおり、第2変形例では、各絞り部材41,42が複数(第2変形例では3つ)の円形の貫通孔41b,41c,41d,42b,42c,42dを備えている点が第1実施形態と異なる。貫通孔41b~41dは絞り部材41を軸方向に貫通している孔であり、端部41aに沿って等間隔に並んで配置されている。貫通孔42b~42dは絞り部材42を軸方向に貫通している孔であり、端部42aに沿って等間隔に並んで配置されている。少なくとも絞り部材41,42が最大量突出する前に、貫通孔41b~42dの全てが吸込管35内に露出するように、貫通孔41b~42dは、絞り部材41,42に配置されている。
【0082】
図12は、貫通孔41bに流入する取扱液の流れを説明する模式断面図である。
【0083】
貫通孔41bが吸込管35内に露出しているとき、軸方向流の一部は、貫通孔41b内に流入する。また、吸込管35の内周面側を流れる旋回流の一部も、貫通孔41b内に流入する。旋回流は旋回しながら軸方向に流れているため、旋回流は貫通孔41bの内面に衝突して、軸方向へ向きを変える。そして、向きを変えた旋回流は、軸方向流として、貫通孔41b内へ流入した軸方向流と共に下流側へ流れる。したがって、貫通孔41bを通過した旋回流は、軸方向流としてインデューサ翼34bの先端部に流入する。その結果、絞り位置Pの下流側において、軸方向流の均一化が図られて、インデューサ34の吸込み性能は第1実施形態よりも向上する。
【0084】
また、取扱液の逆流が生じた場合、貫通孔41bは、逆流している取扱液の旋回成分を同様に減衰させる。そして、貫通孔41bを通過した軸方向流に、逆流領域の一部が巻き込まれる。その結果、絞り部材41,42よりも上流側への逆流領域の増大が、さらに抑制される。
【0085】
なお、第2変形例において、他の貫通孔41c~42dは、貫通孔41bと同様に機能して、同様の効果を奏する。
【0086】
また、第2変形例において、貫通孔41b~42dの形状、数、および大きさは、対応する流量に応じて、適宜設定される。
【0087】
さらに、第2変形例において、絞り部材41,42のいずれか一方は、貫通孔41b~42dを備えていなくてもよい。
【0088】
●第3変形例
図11(c)に示されるとおり、第3変形例では、絞り部材41,42の大きさが、第1実施形態と異なる。具体的には、端部41a,42aの長さは、例えば、吸込管35の内径よりも小さく設定されている(図11(c)に示される一例では、約2/3の長さ)。そのため、絞り部材41,42が突出し始めてから端部41a,42aの全てが吸込管35内に露出するまでの間、軸方向視において、絞り部材41,42は、端部41a,42aが吸込管35の内面で形成される円の弦を画定するように、吸込管35内に突出する。一方、端部41a,42aの全てが吸込管35内に露出した後は、軸方向視において、絞り部材41,42と吸込管35との間には、四半円状の隙間S2が形成される。この構成では、流速制御装置4は、端部41a,42aの全てが吸込管35内に露出するまでの間、第1実施形態と同様に機能する。一方、端部41a,42aの全てが吸込管35内に露出した後、軸方向流は隙間S2も通過する。また、隙間S2は、第2実施形態における貫通孔41bと同様に機能している。すなわち、隙間S2の下流側に位置しているインデューサ翼34bの先端部には、隙間S2により軸方向流となった旋回流が流入する。その結果、絞り位置Pの下流側において、軸方向流の均一化が図られて、インデューサ34の吸込み性能は第1実施形態よりも僅かに向上する。
【0089】
●第4変形例
図11(d)に示されるとおり、第4変形例では、絞り部材41,42の突出量が、第1実施形態と異なる。具体的には、絞り部材41の突出量は、絞り部材42の突出量と異なり、絞り部材42の突出量よりも小さい。この構成では、流量の低下に応じて、最初に絞り部材41のみが突出し始める。このとき、流速制御装置4は、第1変形例に係る流速制御装置4と同様に機能する。次いで、絞り部材42が突出し始める。このとき、絞り部材41は第1実施形態よりも突出し、絞り部材42は第1実施形態よりも突出しない。そのため、軸方向視において、絞り部材41の下流側に位置しているインデューサ34およびインペラ32の一部の先端部(径方向の外方側の端部)には、第1実施形態よりも軸方向流が流入しない。一方、絞り部材42の下流側に位置しているインデューサ34およびインペラ32の一部の先端部(径方向の外方側の端部)には、第1実施形態よりも軸方向流が流入する。その結果、突出領域の下流側におけるインデューサ34およびインペラ32の吸込み性能の低下は、第1実施形態とほぼ同等に抑えられる。
【0090】
また、この構成では、周方向において、絞り部材41,42の周方向における不連続性は、第1実施形態よりも増大する。そのため、逆流領域の増大の抑制効果は、第1実施形態よりも向上する。
【0091】
●第5変形例
図11(e)に示されるとおり、第5変形例では、流速制御装置4が6つの絞り部材43~48を備える点が、第1実施形態と異なる。軸方向視において、絞り部材43~48は、等脚台形状の板状である。周方向において、絞り部材43~48は、60°間隔で均等に配置されている。絞り部材43~48それぞれの上底に対応する端部43a~48aは、径方向の内方側に向けられて、正六角形を描くように配置されている。この構成では、周方向において、絞り部材43~48は、吸込管35の内面側の略全周に亘り突出する。そのため、絞り部材43~48が突出したとき、インデューサ翼34bの先端部には、軸方向流が流れ込み難い。そこで、周方向において、絞り部材43~48は、吸込管35内へ突出しても相互に当接しないように構成されている。第5変形例では、軸方向視において、隣接する絞り部材43~48それぞれの間には、吸込管35の径方向に沿うスリット状の隙間S3が形成されている。軸方向流がこの隙間S3を通過することにより、インデューサ翼34bの先端部には、軸方向流の一部が流入する。また、隙間S3は、第2実施形態における貫通孔41bと同様に機能している。すなわち、流量が低下したとき、隙間S3の下流側に位置しているインデューサ翼34bの先端部には、隙間S3により軸方向流となった旋回流が流入する。その結果、絞り位置Pの下流側において、軸方向流の均一化が図られる。
【0092】
また、取扱液の逆流が生じた場合、絞り部材43~48は、流量に応じて、従来の環状部材と同様に逆流領域の増大を抑制できる。このとき、隙間S3は、逆流している取扱液の旋回成分を同様に減衰させる。そして、隙間S3を通過した軸方向流に、逆流領域の一部が巻き込まれる。その結果、絞り部材43~48よりも上流側への逆流領域の増大が、さらに抑制される。
【0093】
なお、第5変形例において、絞り部材43~48の形状は、等脚台形状に限定されない。また、隙間S3は、径方向に沿って形成されていなくてもよく、曲線状に形成されていてもよい。
【0094】
さらに、第5変形例において、隙間S3それぞれの大きさは、同じであってもよく、または、異なっていてもよい。
【0095】
さらにまた、第5変形例において、隙間S3の形状は、スリット状に限定されない。すなわち、例えば、周方向において、隙間S3の長さ(幅)は、絞り部材43~48と同等程度に設定されていてもよい。
【0096】
●第6変形例
図11(f)に示されるとおり、第6変形例では、絞り部材43~48が切欠き43b~48bを備える点が第5変形例と異なる。絞り部材43~48の端部43a~48aそれぞれの中央部は、径方向の外方側に向けて切り欠かれて、スリット状の切欠き43b~48bを形成している。すなわち、絞り部材43~48それぞれは、切欠き43b~48bを備える。切欠き43b~48bは、第5変形例の隙間S3と同様に機能している。周方向において、絞り部材43~48は、隣接する絞り部材43~48との間に形成される隙間(不図示。以下同じ。)を閉じるように突出して、最終的に、隣接する絞り部材43~48と当接するように構成されている。そのため、軸方向流および旋回流 は、絞り部材43~48が最大量突出するまでの間、隙間および切欠き43b~48bを通過して、絞り部材43~48が最大量突出しているとき、切欠き43b~48bを通過する。そのため、絞り位置Pの下流側において、第5変形例よりも軸方向流の均一化が図られる。
【0097】
なお、第6変形例において、切欠き43b~48bの位置は、端部43a~48aの中央部に限定されない。
【0098】
また、第6変形例において、絞り部材43~48それぞれが備える切欠き43b~48bの数は、「1」に限定されない。
【0099】
●第7変形例
図13は、流速制御装置4の第7変形例の模式配管図である。
【0100】
第7変形例では、ポンプシステムSは、吐出流路L2に取り付けられている流量計FLを備える。流量計FLは、吐出流路L2内を流れる取扱液の流量を計測して、計測された流量を示す吐出流量情報を生成して、制御装置60に送信する。流速制御装置4は、流量計FLから送信された(流量計FLにより計測された)吐出流量情報に基づいて、絞り部材41,42の突出量を変更する。吐出流量情報は、本発明における流量情報の一例である。この構成でも、流速制御装置4は、第1実施形態と同様に、流量に応じて軸方向流速を制御できる。
【0101】
●その他の実施形態●
なお、本発明において、各変形例に示されるとおり、絞り部材41,42の構成(数、形状、配置など)は、本実施の形態に限定されない。
【0102】
また、本発明において、制御情報は、外部機器Oではない他の外部装置(例えば、施設の中央制御盤など)により生成されて、吐出弁V2および制御装置60に送信されていてもよい。
【0103】
さらに、本発明において、収容室35a,35bおよびスリット35c,35dの構成(数、形状、配置など)は、絞り部材41,42の構成に応じて、適宜変更されてもよい。すなわち、例えば、第1変形例では、遠心ポンプ1は、1つの収容室35aのみを備えていてもよい。また、第5変形例では、遠心ポンプ1は絞り部材43~48それぞれを収容する収容室(不図示)を備えていてもよく、あるいは、リング状の1つの収容室(不図示)を備えていてもよい。
【0104】
さらにまた、本発明において、絞り部材41,42の形状は、矩形に限定されない。すなわち、例えば、絞り部材41,42の形状は、半円状や三角形状などでもよい。
【0105】
さらにまた、本発明において、絞り部材41,42の配置は、周方向において等角度間隔で均等に配置されていなくてもよい。すなわち、例えば、周方向において、絞り部材41,42間の角度は、120°(240°)でもよい。
【0106】
さらにまた、本発明において、絞り部材41の形状は、絞り部材42の形状と異なっていてもよい。すなわち、例えば、軸方向視において、端部41aの長さは、端部42aの長さよりも小さくてもよい。
【0107】
さらにまた、本発明において、端部41a,42aの形状は、直線状に限定されない。すなわち、例えば、軸方向視において、端部41a,42aの形状は、吸込管35の内面に沿う円弧状でもよい。
【0108】
さらにまた、本発明において、絞り部材41,42の突出の起点となる流量は、第1流量に限定されない。すなわち、例えば、絞り部材41,42は、最高効率点と第1流量との間の流量を起点として突出していてもよい。
【0109】
さらにまた、本発明において、絞り部材41,42が最大量突出する流量は、第2流量よりも大きい流量でもよい。
【0110】
さらにまた、本発明において、流量に対する開口率の関係は、入口角度が最適角度に保たれる関係であればよく、図7に示される関係に限定されない。
【0111】
さらにまた、第1実施形態および各変形例の構成は、相互に組み合わせられていてもよい。
【0112】
●本発明の実施態様●
次に、以上説明した各実施形態から把握される本発明の実施態様について、各実施形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載する。
【0113】
本発明の第1の実施態様は、インデューサ(例えば、インデューサ34)を備えた遠心ポンプ(例えば、遠心ポンプ1)の吸込管(例えば、吸込管35)内を流れる取扱液の軸方向流速を制御する流速制御装置(例えば、流速制御装置4)であって、前記吸込管内の前記インデューサよりも前記取扱液の流れの上流側に配置される絞り機構(例えば、絞り機構40)を有してなり、前記絞り機構は、前記吸込管の内面側から前記吸込管内へ前記吸込管の横断方向に沿うように突出することにより、前記インデューサよりも上流側において、前記インデューサに流入する前記取扱液の前記軸方向流速を変化させる少なくとも1の絞り部材(例えば、絞り部材41,42)を備え、前記絞り部材の前記内面から前記吸込管内への突出量は、前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液の流量に関連する流量情報に基づいて、変更可能に制御される、流速制御装置である。
この構成によれば、流量が減少しても入口角度に対する流入角度の最適角度が保たれて、インデューサを備える遠心ポンプの運転流量範囲が小流量域側に広げられる。
【0114】
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記突出量は、前記流量が小さくなるにつれて大きくなるように制御される、流速制御装置である。
この構成によれば、流量が小さくなるにつれて絞り位置の横断面積が小さくなり、絞り位置における軸方向流速が一定に保たれる。
【0115】
本発明の第3の実施態様は、第1または第2の実施態様において、前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液が流れる吐出流路(例えば、吐出流路L2)には、前記吐出流路内を流れる前記取扱液の前記流量を計測する流量計測機器(例えば、流量計FL)が取り付けられ、前記流量情報は、前記流量計測機器により計測された前記流量を示す吐出流量情報である、流速制御装置である。
この構成によれば、流速制御装置は、吐出弁に対する流量制御に連動して軸方向流速を制御できる。
【0116】
本発明の第4の実施態様は、第1または第2の実施態様において、前記遠心ポンプから吐出された前記取扱液が流れる吐出流路には、前記吐出流路内を流れる前記取扱液の前記流量を調節する流量調節機器(例えば、吐出弁V2)が取り付けられ、前記流量情報は、前記流量調節機器の動作を制御する流量制御情報である、流速制御装置である。
この構成によれば、流速制御装置は、吸込み性能の低下を抑制しつつ、軸方向流速を制御できる。
【0117】
本発明の第5の実施態様は、第1乃至第4のいずれか1の実施態様において、前記絞り機構は、前記吸込管の周方向に等角度間隔で配置される複数の前記絞り部材を備える、流速制御装置である。
この構成によれば、突出領域だけでなく非突出領域を容易に形成できる。
【0118】
本発明の第6の実施態様は、第5の実施態様において、前記絞り機構は、相互に対向するように配置される2つの前記絞り部材を備える、流速制御装置である。
この構成によれば、流速制御装置4は、横断面積を減少させるための突出量を抑制しつつ、非突出領域を広く形成できる。
【0119】
本発明の第7の実施態様は、第5の実施態様において、複数の前記絞り部材それぞれが前記吸込管内へ突出しているとき、前記周方向において隣り合う前記絞り部材同士は、接触しない、流速制御装置である。
この構成によれば、周方向において、隣り合う絞り部材の間には、非突出領域が確実に形成される。
【0120】
本発明の第8の実施態様は、第7の実施態様において、前記周方向において、隣接する2つの前記絞り部材(例えば、絞り部材43~48)の間には、スリット状の隙間が形成される、流速制御装置である。
この構成によれば、絞り位置の下流側において、軸方向流の均一化が図られる。
【0121】
本発明の第9の実施態様は、第1乃至第8のいずれか1の実施態様において、前記絞り部材は、前記吸込管内に突出する部分に配置され、前記吸込管の軸方向に沿う貫通孔(例えば、貫通孔41b~42d)、または、前記絞り部材の突出方向側の端部(例えば、端部43a~48a)に切り欠かれる切欠き(例えば、切欠き43b~48b)、を備える、流速制御装置である。
この構成によれば、絞り位置の下流側において、軸方向流の均一化が図られる。
【0122】
本発明の第10の実施態様は、回転軸(例えば、回転軸23)と、前記回転軸の一端部(例えば、前端部23a)に取り付けられるインペラと、前記インペラに吸い込まれる取扱液を導入する吸込管と、前記吸込管内に配置されるインデューサと、前記吸込管に取り付けられ、前記吸込管内を流れる前記取扱液の軸方向流速を制御する第1の実施態様に記載の流速制御装置と、を有してなる、遠心ポンプである。
この構成によれば、流量が減少しても入口角度に対する流入角度の最適角度が保たれて、インデューサを備える遠心ポンプの運転流量範囲が小流量域側に広げられる。
【符号の説明】
【0123】
1 遠心ポンプ
32 インペラ
34 インデューサ
35 吸込管
4 流速制御装置
40 絞り機構
41 絞り部材
42 絞り部材
43~48 絞り部材
43a~48a 端部
43b~48b 切欠き
L2 吐出流路
FL 流量計(流量計測機器)
V2 吐出バルブ(流量調節機器)
【要約】
【課題】インデューサを備える遠心ポンプの運転流量範囲を小流量域側に広げる。
【解決手段】本発明に係る流速制御装置(4)は、インデューサ(34)を備えた遠心ポンプ(1)の吸込管(35)内を流れる取扱液の軸方向流速を制御する流速制御装置である。流速制御装置は、吸込管内のインデューサよりも取扱液の上流側に配置される絞り機構(40)を有する。絞り機構は、吸込管の内面側から吸込管内へ吸込管の横断方向に沿うように突出することにより、インデューサよりも上流側において、インデューサに流入する取扱液の軸方向流速を変化させる少なくとも1の絞り部材(41,42)を備える。絞り部材の内面から吸込管内への突出量は、遠心ポンプから吐出された取扱液の流量に関連する流量情報に基づいて、変更可能に制御される。
【選択図】図2
図1
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図13