(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】延伸フィルムおよび多層体
(51)【国際特許分類】
C08J 5/18 20060101AFI20230905BHJP
C08G 69/26 20060101ALI20230905BHJP
C08L 77/06 20060101ALI20230905BHJP
B32B 27/34 20060101ALI20230905BHJP
【FI】
C08J5/18 CFG
C08G69/26
C08L77/06
B32B27/34
(21)【出願番号】P 2019108863
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】小黒 葉月
(72)【発明者】
【氏名】小田 尚史
【審査官】脇田 寛泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-169291(JP,A)
【文献】国際公開第2011/081099(WO,A1)
【文献】特開2012-107217(JP,A)
【文献】特開2018-095863(JP,A)
【文献】特許第6108055(JP,B1)
【文献】特開2015-196788(JP,A)
【文献】特開2007-112999(JP,A)
【文献】特開2011-148945(JP,A)
【文献】韓国登録特許第1877859(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0023002(US,A1)
【文献】韓国登録特許第1257521(KR,B1)
【文献】国際公開第2019/058986(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/077473(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G69/00-69/50
C08J5/00-5/02
5/12-5/22
C08K3/00-13/08
C08L1/00-101/14
B32B1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド樹脂(A)を含む樹脂組成物から形成され、
前記ポリアミド樹脂(A)がジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、
前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、
前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来
し、
前記キシリレンジアミンは、10~90モル%のメタキシリレンジアミンと、90~10モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含み、
前記炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸が、1,12-ドデカン二酸を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)の含有量が前記樹脂組成物の90質量%超である、
延伸フィルム。
【請求項2】
前記キシリレンジアミンは、40~80モル%のメタキシリレンジアミンと、60~20モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含む、請求項1に記載の延伸フィルム。
【請求項3】
前記キシリレンジアミンは、51~75モル%のメタキシリレンジアミンと、49~25モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含む、請求項1に記載の延伸フィルム。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の延伸フィルムを含む多層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸フィルムおよび多層体に関する。特に、ポリアミド樹脂を用いた延伸フィルムおよび多層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ポリアミド樹脂をフィルムにすることが検討されている。
例えば、特許文献1には、脂肪族ポリアミド樹脂を55~96.7質量%、メタキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を3~25質量%、および無機層状化合物を0.3~20質量%含むポリアミド樹脂組成物からなるフィルムであって、前記フィルムの縦方向の屈折率Nxおよび横方向の屈折率Nyが1.560以上であることを特徴とする二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ポリアミド樹脂100質量部に対し、一般式(1)で表される化合物を0.5~15質量部含み、前記ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、延伸フィルムが開示されている。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1は、炭素数1~10のアルキル基であり、R
2は、炭素数2~12のアルキル基であり、nは1~3の整数である。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-095863号公報
【文献】国際公開第2017/010390号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、キシリレンジアミン由来の構成単位を含むポリアミド樹脂を用いた延伸フィルムは、公知である。
しかしながら、近年の技術革新に伴い、ポリアミド樹脂の延伸フィルムも多方面で利用されるようになり、キシリレンジアミン由来の構成単位を含むポリアミド樹脂を用いた延伸フィルムも、さらに多種類のものが求められるようになっている。
特に、本発明では、高い靭性を維持しつつ、引張弾性率が向上した延伸フィルムおよび多層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、キシリレンジアミンと炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸等から合成されるポリアミド樹脂を含むフィルムを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアミド樹脂(A)を含む樹脂組成物から形成され、前記ポリアミド樹脂(A)がジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、延伸フィルム。
<2>前記キシリレンジアミンは、10~90モル%のメタキシリレンジアミンと、90~10モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含む、<1>に記載の延伸フィルム。
<3>前記キシリレンジアミンは、40~80モル%のメタキシリレンジアミンと、60~20モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含む、<1>に記載の延伸フィルム。
<4>前記キシリレンジアミンは、51~75モル%のメタキシリレンジアミンと、49~25モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含む、<1>に記載の延伸フィルム。
<5>前記ジカルボン酸が、1,12-ドデカン二酸を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の延伸フィルム。
<6>前記ポリアミド樹脂(A)の含有量が前記樹脂組成物の90質量%超である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の延伸フィルム。
<7>前記樹脂組成物が、さらに、前記ポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド樹脂(B)を含み、前記ポリアミド樹脂(A)の含有量が前記樹脂組成物の10~90質量%であり、前記ポリアミド樹脂(B)の含有量が前記樹脂組成物の90~10質量%である、
<1>~<5>のいずれか1つに記載の延伸フィルム。
<8>前記ポリアミド樹脂(B)が、脂肪族ポリアミド樹脂(B1)および半芳香族ポリアミド樹脂(B2)の少なくとも1種を含む、<7>に記載の延伸フィルム。
<9>前記脂肪族ポリアミド樹脂(B1)が、ポリアミド6、ポリアミド66およびポリアミド12からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<8>に記載の延伸フィルム。
<10>前記半芳香族ポリアミド樹脂(B2)が、ジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が10のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、<8>または<9>に記載の延伸フィルム。
<11><1>~<10>のいずれか1つに記載の延伸フィルムを含む多層体。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、高い靭性を維持しつつ、引張弾性率が向上した延伸フィルムおよび多層体を提供可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
【0009】
本発明の延伸フィルムは、ポリアミド樹脂(A)を含む樹脂組成物から形成され、前記ポリアミド樹脂(A)がジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来することを特徴とする。
このように、キシリレンジアミンと炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸等から合成されるポリアミド樹脂から形成されるフィルムを延伸することにより、高い靭性を維持しつつ、引張弾性率が向上した延伸フィルムが得られる。特に、ポリアミド樹脂(A)を含む樹脂組成物から形成される未延伸のフィルムと比較して、引張弾性率を格段に向上させることが可能になる。さらに、引張弾性率が高くなると、靭性が低下する傾向にあるが、本発明では、靭性も高いレベルで維持することができる。
【0010】
<ポリアミド樹脂(A)>
本発明で用いる樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)を含む。
ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。このようなポリアミド樹脂(A)を用いることにより、高い靭性を維持しつつ、引張弾性率が高い延伸フィルムが得られる。
【0011】
ポリアミド樹脂(A)において、ジアミン由来の構成単位は、その70モル%以上がキシリレンジアミンに由来するが、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが一層好ましい。
【0012】
キシリレンジアミンは、10~90モル%のメタキシリレンジアミンと、90~10モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含むことが好ましく、40~80モル%のメタキシリレンジアミンと、60~20モル%のパラキシリレンジアミンを含むことがさらに好ましく、51~75モル%のメタキシリレンジアミンと、49~25モル%のパラキシリレンジアミンを含むことが一層好ましい。また、キシリレンジアミンにおいて、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が95モル%以上を占めることが好ましく、99モル%以上を占めることがさらに好ましく、100モル%であることが一層好ましい。
【0013】
キシリレンジアミン以外のジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
【0014】
ポリアミド樹脂(A)において、ジカルボン酸由来の構成単位は、その70モル%以上が炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、炭素数12~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸、より好ましくは1,12-ドデカン二酸)に由来するが、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが一層好ましい。
【0015】
炭素数11~14のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸等の炭素数10以下のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
【0016】
尚、ポリアミド樹脂(A)において、「ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され」とは、ポリアミド樹脂(A)を構成するアミド結合がジカルボン酸とジアミンの結合によって形成されていることをいう。また、ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸由来の構成単位と、ジアミン由来の構成単位以外に、末端基等の他の部位を含む。さらに、ジカルボン酸とジアミンの結合に由来しないアミド結合を有する繰り返し単位や微量の不純物等が含まれる場合もあるであろう。具体的には、ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、ポリアミド樹脂を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε-カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。本発明では、好ましくはポリアミド樹脂(A)の90質量%以上が、より好ましくは95質量%以上が、さらに好ましくは98質量%以上がジアミン由来の構成単位またはジカルボン酸由来の構成単位である。後述する他のポリアミド樹脂(B)についても同様である。
【0017】
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)は、数平均分子量(Mn)が6,000~30,000であることが好ましく、より好ましくは8,000~28,000であり、さらに好ましくは9,000~26,000である。このような範囲であると、成形加工性がより良好となる。
【0018】
なお、ここでいう数平均分子量(Mn)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート(PMMA)換算値より求めることができる。
【0019】
本発明において、ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度は、下限値が、30℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。この範囲であると、吸水処理後について、直線強さの維持率および結節強さの維持率がより高くなる傾向にある。一方、ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度の上限値は、特に定めるものではなく、例えば、200℃以下とすることができる。
【0020】
なお、本発明における融点とは、DSC(示差走査熱量測定)法により観測される昇温時の吸熱ピークのピークトップの温度を意味する。具体的には、DSC装置を用い、試料量は1mgとし、雰囲気ガスとしては窒素を30mL/分で流し、昇温速度は10℃/分の条件で室温(25℃)から予想される融点以上の温度まで加熱し溶融させ次いで、溶融したポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温した際に観測される吸熱ピークのピークトップの温度をいう。
ガラス転移温度とは、試料を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温して測定されるガラス転移点をいう。具体的には、DSC装置を用い、試料量は約1mgとし、雰囲気ガスとしては窒素を30mL/分で流し、昇温速度は10℃/分の条件で室温から予想される融点以上の温度まで加熱し溶融させたポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移温度を求めることができる。
【0021】
ポリアミド樹脂(A)のJIS K 69020-2の条件で測定した相対粘度(RV)は、下限値が、2.0以上が好ましく、2.1以上がより好ましく、2.3以上がさらに好ましい。一方、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度の上限値は、4.0以下が好ましく、3.9以下がより好ましく、3.8以下がさらに好ましい。
【0022】
<ポリアミド樹脂(B)>
前記樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)に加え、ポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド樹脂(B)を含んでいてもよい。
ポリアミド樹脂(B)はその種類等は特に定めるものではなく、公知のポリアミド樹脂を用いることができ、脂肪族ポリアミド樹脂(B1)および半芳香族ポリアミド樹脂(B2)の少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0023】
脂肪族ポリアミド樹脂(B1)としては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド6/66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド10/10、ポリアミド10/12等が例示され、ポリアミド6、ポリアミド66およびポリアミド12からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリアミド6およびポリアミド12からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
半芳香族ポリアミド樹脂(B2)は、全構成単位の30~70モル%(好ましくは40~60モル%)が芳香族を含むポリアミド樹脂をいい、好ましくは、ジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が芳香族を含有するジアミンに由来するポリアミド樹脂であり、より好ましくはジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上が炭素数4~10のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂(以下、「キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂b」と言うことがある)である。
【0024】
半芳香族ポリアミド樹脂(B2)の具体例としては、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリアミド66/6T、ポリアミド9T、ポリアミド9MT、ポリアミド6I/6T、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂bが例示され、キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂bがより好ましい。
【0025】
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂bにおいて、ジアミン由来の構成単位は、その70モル%以上がキシリレンジアミンに由来するが、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが一層好ましい。
【0026】
キシリレンジアミンは、10~90モル%のメタキシリレンジアミンと、90~10モル%のパラキシリレンジアミン(ただし、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が100モル%を超えることはない)を含むことが好ましく、40~80モル%のメタキシリレンジアミンと、60~20モル%のパラキシリレンジアミンを含むことがさらに好ましく、51~75モル%のメタキシリレンジアミンと、49~25モル%のパラキシリレンジアミンを含むことが一層好ましい。また、キシリレンジアミンにおいて、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計が95モル%以上を占めることが好ましく、99モル%以上を占めることがさらに好ましく、100モル%であることが一層好ましい。
【0027】
キシリレンジアミン以外のジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
【0028】
キシリレンジアミン系ポリアミド樹脂bにおいて、ジカルボン酸由来の構成単位は、その70モル%以上が炭素数4~10のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するが、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが一層好ましい。
【0029】
炭素数4~10のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸が例示され、アジピン酸およびセバシン酸から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0030】
また、上記ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
【0031】
<ブレンド形態>
本発明で用いる樹脂組成物は、上述のとおり、ポリアミド樹脂(A)を必須成分とし、さらに、ポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド樹脂(ポリアミド樹脂(B))を含んでいてもよい。
前記樹脂組成物の第一の実施形態は、ポリアミド樹脂(A)の含有量が前記樹脂組成物の90質量%超である形態である。本実施形態において、ポリアミド樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物中、92質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
【0032】
前記樹脂組成物の第二の実施形態は、前記樹脂組成物が、さらに、ポリアミド樹脂(B)を含み、ポリアミド樹脂(A)の含有量が樹脂組成物の10~90質量%であり、ポリアミド樹脂(B)の含有量が樹脂組成物の90~10質量%である形態である。本実施形態では、ポリアミド樹脂(B)を含み、ポリアミド樹脂(A)の含有量が樹脂組成物の15~80質量%であり、ポリアミド樹脂(B)の含有量が樹脂組成物の85~15質量%であることが好ましく、ポリアミド樹脂(A)の含有量が樹脂組成物の15~60質量%であり、ポリアミド樹脂(B)の含有量が樹脂組成物の85~40質量%であることがさらに好ましく、ポリアミド樹脂(A)の含有量が樹脂組成物の15~45質量%であり、ポリアミド樹脂(B)の含有量が樹脂組成物の85~55質量%であることが一層好ましく、ポリアミド樹脂(A)の含有量が樹脂組成物の25~45質量%であり、ポリアミド樹脂(B)の含有量が樹脂組成物の75~55質量%であってもよい。ただし、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の合計が100質量%を超えることはない。
【0033】
<他の成分>
樹脂組成物には、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)以外の他の熱可塑性樹脂や添加剤を含んでいてもよい。
【0034】
他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、熱可塑性ポリエーテルイミド等が例示される。
また、樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)以外の他の熱可塑性樹脂を実質的に含まない構成とすることができる。実質的に含まないとは、例えば、本発明の延伸フィルム(または樹脂組成物)において、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)以外の他の熱可塑性樹脂の含有量が、ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド樹脂(B)の総量の5質量%以下であることをいう。
【0035】
添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、耐加水分解性改良剤、耐候安定剤、艶消剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、着色剤、離型剤等が例示される。これらの詳細は、特許第4894982号公報の段落0130~0155の記載、特開2010-281027号公報の段落0021の記載、特開2016-223037号公報の段落0036の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0036】
<延伸フィルムの特性>
本発明の延伸フィルムの延伸倍率は、2.0倍以上であることが好ましく、2.2倍以上であることがより好ましい。上限は、例えば、5.0倍以下であり、4.0倍以下、3.0倍以下であっても十分に性能要求を満たす。
【0037】
本発明の延伸フィルムは、JIS K 7127:1994に従って測定した引張弾性率を、1.5GPa以上とすることができ、さらには、1.8GPa以上、2.0GPa以上、2.5GPa以上とすることもでき、特には、3.0GPa以上とすることもできる。引張弾性率の上限値については、特に定めるものではないが、例えば、6.0GPa以下、さらには、5.0GPa以下であってもよい。引張弾性率の詳細な条件は、後述する実施例の記載に従う。
【0038】
本発明の延伸フィルムは、JIS K 7127:1994に従って測定した破壊点強度を、100MPa以上とすることができ、さらには、130MPa以上、150MPa以上とすることもできる。前記破壊点強度の上限値については、特に定めるものではないが、例えば、300MPa以下、さらには、250MPa以下であってもよい。破壊点強度の詳細な条件は、後述する実施例の記載に従う。
【0039】
本発明の延伸フィルムは、JIS K 7127:1994に従って測定した破壊点伸び率を、85%以上とすることができ、さらには、90%以上、100%以上、130%以上とすることもできる。前記破壊点強度の上限値については、特に定めるものではないが、例えば、200%以下、さらには、180%以下であってもよい。破壊点強度の詳細な条件は、後述する実施例の記載に従う。
特に、本発明では、引張弾性率、破壊点強度および破壊点伸び率のすべてについて、上記範囲を満たす延伸フィルムとすることができる。
【0040】
本発明の延伸フィルムの厚さは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、4μm以上とすることもでき、特には、20μm以上とすることもできる。また、本発明の延伸フィルムの厚さは、100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることがより好ましく、80μm以下とすることもでき、特には、40μm以下とすることもできる。
本発明の延伸フィルムの長さは、特に定めるものではないが、通常、1m以上であり、例えば、ロールトゥロールで連続生産する場合は、10m以上であろう。上限は、例えば、10,000mである。
【0041】
<延伸フィルムの製造方法>
本発明の延伸フィルムは、公知の方法で製造できる。例えば、溶融押出した未延伸フィルムを延伸し、芯材に巻き取ることで製造できる。延伸は、1方向のみに行ってもよいし(1軸延伸)、直交する2方向に行ってもよく(2軸延伸)、2軸延伸が好ましい。フィルムの搬送方向(Machine direction、「MD」ということがある)またはフィルムの幅方向(Transverse Direction、「TD」ということがある)の1方向(より好ましくは、MD)、または、MDおよびTDの2方向に延伸することが好ましい。2軸延伸の場合、2方向の延伸は同時に行ってもよいし、逐次に行ってもよい。
MD延伸は、周速速度の異なるロール間を、未延伸フィルムを通過させて、延伸することができる。この場合、未延伸フィルムが後に通過する方が、周速速度が速くなるように設定される。また、テンターを用いて延伸することもできる。一方、TD延伸は、テンターを用いて延伸することができる。また、バッチ式の二軸延伸機を用いてもよい。
その他、本発明の延伸フィルムの製造方法は、国際公開第2017/010390号の段落0049~0053および
図1の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0042】
<延伸フィルムの用途>
本発明の延伸フィルムは、そのまま用いてもよいが、本発明の延伸フィルムを含む多層体として用いてもよい。例えば、本発明の延伸フィルムと他のフィルムの多層体である。他のフィルムとしては、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等が例示される。
多層体の詳細は、国際公開第2017/010390号の段落0054および
図2の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
【0043】
本発明の延伸フィルムは、また、上述の多層体とするほか、強化繊維に含浸させて、繊維強化複合材料として用いてもよい。この場合の繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等が例示される。
本発明の延伸フィルムは、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、OA機器部品、建材・住設関連部品、医療装置、レジャースポーツ用品、遊戯具、医療品、食品包装用フィルム等の日用品、防衛および航空宇宙製品等に広く用いられる。
【実施例】
【0044】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0045】
原料
<ポリアミドMP12(30)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶に、精秤した1,12-ドデカン二酸60.00molを入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下で180℃まで昇温し、1,12-ドデカン二酸を溶解させ均一な流動状態とした。これに、ジアミン成分の30mol%をパラキシリレンジアミン、70mol%をメタキシリレンジアミンとしたパラ/メタキシリレンジアミン60molを撹拌下に160分を要して滴下した。この間、反応系内圧は常圧とし、内温を連続的に250℃まで昇温させ、またパラ/メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。パラ/メタキシリレンジアミン滴下終了後、250℃の液温を保持して10分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600Torrまで10分間で連続的に減圧し、その後、20分間反応を継続した。この間、反応温度を260℃まで連続的に昇温させた。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.3MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレット形状に切断し、溶融重合品のペレットを得た。
得られたポリアミド樹脂(MP12(30))の融点は206℃、ガラス転移温度は56℃、相対粘度は2.10であった。
【0046】
<ポリアミドMP12(40)の合成>
ジアミン成分の40mol%をパラキシリレンジアミン、60mol%をメタキシリレンジアミンと変更し、ポリアミドMP12(30)と同条件で合成を行った。
得られたポリアミド樹脂(MP12(40))の融点は216℃、ガラス転移温度は57℃、相対粘度は2.10であった。
【0047】
<ポリアミドMP10(30)の合成>
撹拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付反応缶に、精秤したセバシン酸60.00molを入れ、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下で180℃まで昇温し、セバシン酸を溶解させ均一な流動状態とした。これに、ジアミン成分の30mol%をパラキシリレンジアミン、70mol%をメタキシリレンジアミンとしたパラ/メタキシリレンジアミン60molを撹拌下に160分を要して滴下した。この間、反応系内圧は常圧とし、内温を連続的に250℃まで昇温させ、またパラ/メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。パラ/メタキシリレンジアミン滴下終了後、250℃の液温を保持して10分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600Torrまで10分間で連続的に減圧し、その後、20分間反応を継続した。この間、反応温度を260℃まで連続的に昇温させた。反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.3MPaの圧力を掛けポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取出し、水冷後ペレット形状に切断し、溶融重合品のペレットを得た。
【0048】
MXD12:メタキシリレンジアミンと1,12-ドデカン二酸から合成されるポリアミド樹脂
MXD6:メタキシリレンジアミンとアジピン酸から合成されるポリアミド樹脂、三菱ガス化学社製、MXナイロン 6000
N12:ポリアミド12、宇部興産社製、3024U
N6:ポリアミド6、宇部興産社製、1022B
【0049】
実施例1~7、参考例1~5
<フィルムの製造>
表1~3に示すポリアミド樹脂(表2、表3は、質量比である)を、ダイから溶融押出した。具体的には、溶融混練したポリアミド樹脂を、厚み135μmとなるように押し出た。その後、二軸延伸装置(テンター法、EX105S、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、MD方向およびTD方向にそれぞれ2.25倍となるように延伸を行った後、180℃で熱固定しながら緩和して延伸フィルムを得た。
未延伸フィルム(上記押出後、冷却したフィルム)および延伸フィルムについて、以下の通り、各種特性の評価を行った。結果を下記表1~3に示す。
【0050】
<延伸フィルムの引張弾性率、引張破壊点強度、引張破壊点伸び>
JIS K 7127:1994に従い、10mm幅の短冊を用い、50mm/分の試験速度で測定した。測定に際し、延伸フィルムのMD方向に引張り試験を行い、チャック間距離を50mmとした。
【0051】
【0052】
上記結果から明らかなとおり、本発明の延伸フィルムは、ポリアミド樹脂(A)(MP12(30)、MP12(40))の未延伸のフィルムに比べて、あるいは、ポリアミド樹脂(B)(MXD12、P10(30)、MXD6、N6、N12)の延伸フィルムに比べて、引張弾性率、破壊点強度および破壊点伸び率について、よりバランスよく優れたものが得られることが分かった。特に、ポリアミド樹脂(A)のフィルムを延伸することにより、破壊点強度や破壊点伸び率を高く維持しつつ、高い引張弾性率を有するフィルムが得られることが分かった。
【0053】
【0054】
上記結果から明らかなとおり、ポリアミド樹脂(A)にポリアミド樹脂(B)をブレンドした樹脂組成物から形成された延伸フィルムは、引張弾性率、破壊点強度および破壊点伸び率について、よりバランスよく優れたものが得られることが分かった。