IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図1
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図2
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図3
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図4
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図5
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図6
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図7
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図8
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図9
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図10
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図11
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図12
  • 特許-洗濯機および洗濯プログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】洗濯機および洗濯プログラム
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/36 20200101AFI20230906BHJP
   D06F 33/56 20200101ALI20230906BHJP
【FI】
D06F33/36
D06F33/56
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019132346
(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公開番号】P2021016446
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-03-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】下野 暢之
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-034407(JP,A)
【文献】特開2002-315990(JP,A)
【文献】特開平07-185185(JP,A)
【文献】特開2013-031513(JP,A)
【文献】特表2005-519705(JP,A)
【文献】特開平02-102694(JP,A)
【文献】特開昭62-117588(JP,A)
【文献】特開2004-337334(JP,A)
【文献】特開平02-049693(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0217036(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108468187(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/36
D06F 33/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部から入力された洗濯の終了時刻の情報を用いた制御部の制御によって、水槽内の洗濯物を含む洗濯水に対して洗濯動作を実行する作動部を備え、
前記洗濯動作は、本洗い、および、前記洗濯水を滞留させる時間が前記本洗いよりも長いつけ置き洗いを1回以上含み、
前記作動部は、前記終了時刻の情報が入力された起点時刻から前記終了時刻までの間に、前記洗濯動作を実行するものであって、前記洗濯水に洗剤を投入する投入部を含み、
前記投入部は、前記1回以上のつけ置き洗いの少なくともいずれか、および前記本洗いにおいて、前記洗剤を前記洗濯水に投入し、
前記作動部は、
前記終了時刻の情報が入力された起点時刻から前記終了時刻までの間の時間に基づいて、前記つけ置き洗いに使用可能な時間を算出し、
前記つけ置き洗いに使用可能な時間に基づいて、前記つけ置き洗いの回数を決定し、
前記決定した回数のつけ置き洗いを含む前記洗濯動作を実行する、洗濯機。
【請求項2】
前記作動部は、前記洗濯水を前記洗濯機の外部へ排出する開状態および前記洗濯水を前記洗濯機の外部へ排出しない閉状態のいずれかに切替えられる開閉弁を含み、
前記開閉弁は、前記1回以上のつけ置き洗いの少なくともいずれかが終了した後、および前記本洗いが終了した後に、前記閉状態から前記開状態へ切替えられる、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記作動部は、前記開閉弁が前記開状態から前記閉状態へ切替えられた状態で、前記水槽内へ前記洗濯水を供給する水供給部を含み、
前記水供給部は、前記1回以上のつけ置き洗いの少なくともいずれか、および前記本洗いにおいて、洗濯水を供給する、請求項に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記作動部は、前記洗濯水の撹拌を実行する撹拌部を含み、
前記撹拌部は、前記1回以上のつけ置き洗いのそれぞれにおいては、前記本洗いに比較して短い時間、前記洗濯水の撹拌を実行する、請求項1~3のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項5】
前記作動部は、前記本洗いが実行され得ない特定期間が前記入力部から入力された場合に、前記起点時刻から前記終了時刻までの間の前記特定期間以外の期間において、前記本洗いを実行する、請求項1~4のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項6】
前記1回以上のつけ置き洗いは、第1のつけ置き洗いと前記第1のつけ置き洗いよりも後に実行される第2のつけ置き洗いとを含み、
前記投入部は、前記第2のつけ置き洗いにおける前記洗濯水に対する前記洗剤の濃度を、前記第1のつけ置き洗いにおける前記洗濯水に対する前記洗剤の濃度よりも低くする、
請求項1~5のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項7】
前記水供給部は、前記1回以上のつけ置き洗いの少なくともいずれかにおいて、前記洗濯水の量を、予め設定された複数の量のうちの最も多い量にする、請求項3に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記洗濯物の量を測定し、前記制御部へ前記洗濯物の量の情報を送信する測定部をさらに備え、
前記作動部は、前記洗濯物の量が相対的に大きい場合には、前記洗濯物の量が相対的に小さい場合に比較して、前記1回以上のつけ置き洗いの回数を多くする、請求項1~7のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項9】
前記作動部は、情報を報知する報知部を含み、
前記洗濯動作の全てに要する時間が、前記起点時刻から前記終了時刻までの時間を超えている時間超過の場合には、前記報知部が前記時間超過である旨を報知する、請求項1~8のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項10】
前記作動部は、情報を報知する報知部を含み、
前記報知部は、前記終了時刻が入力された場合に、前記1回以上のつけ置き洗いの回数を報知する、請求項1~9のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項11】
入力部から入力された洗濯の終了時刻の情報を用いた制御部の制御によって、水槽内の洗濯物を含む洗濯水に対して洗濯動作を実行する作動部を備えた洗濯機を動作させるための洗濯プログラムであって、
コンピュータを前記制御部として動作させ、
前記洗濯動作は、本洗い、および、前記洗濯水を滞留させる時間が前記本洗いよりも長いつけ置き洗いを1回以上含み、
前記作動部は、前記終了時刻の情報が入力された起点時刻から前記終了時刻までの間に、前記洗濯動作を実行するものであって、前記洗濯水に洗剤を投入する投入部を含み、
前記投入部は、前記1回以上のつけ置き洗いの少なくともいずれか、および前記本洗いにおいて、前記洗剤を前記洗濯水に投入し、
前記作動部は、
前記終了時刻の情報が入力された起点時刻から前記終了時刻までの間の時間に基づいて、前記つけ置き洗いに使用可能な時間を算出し、
前記つけ置き洗いに使用可能な時間に基づいて、前記つけ置き洗いの回数を決定し、
前記決定した回数のつけ置き洗いを含む前記洗濯動作を実行する、洗濯プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機および洗濯プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗濯動作を自動的に実行する洗濯機を含む洗濯システムの開発が行われている。このような洗濯システムは、入力部、制御部、および作動部を備える。制御部は、入力部から入力された洗濯の終了時刻の情報を用いて、作動部に、水槽内の洗濯物を含む洗濯水に対して洗濯動作を実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-170687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した洗濯システムにおいては、制御部は、作動部に、洗濯の終了時刻が入力された後、終了時刻の所定時間前、たとえば、約1時間前に、洗濯動作を開始させ、その後、終了時刻までに、洗濯動作を終了させる。そのため、終了時刻が入力された起点時刻から終了時刻の所定時間前までの時間を有効に活用して洗濯することはできていない。
【0005】
本開示の一形態は、洗濯の終了時刻が入力された起点時刻から終了時刻までの時間全体を有効に活用して洗濯することができる洗濯機および洗濯プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態の洗濯機は、入力部から入力された洗濯の終了時刻の情報を用いた制御部の制御によって、水槽内の洗濯物を含む洗濯水に対して前記洗濯動作を実行する作動部を備え、前記洗濯動作は、本洗い、および、それぞれの前記洗濯水を滞留させる時間が前記本洗いよりも長い1回以上のつけ置き洗いを含み、前記作動部は、前記終了時刻の情報が入力された起点時刻から前記終了時刻までの間に、前記洗濯動作を実行する。
【0007】
本開示の一形態の洗濯プログラムは、入力部から入力された洗濯の終了時刻の情報を用いた制御部の制御によって、水槽内の洗濯物を含む洗濯水に対して前記洗濯動作を実行する作動部を備えた洗濯機を動作させるための洗濯プログラムであって、コンピュータを前記制御部として動作させ、前記洗濯動作は、本洗い、および、それぞれの前記洗濯水を滞留させる時間が前記本洗いよりも長い1回以上のつけ置き洗いを含み、前記作動部は、前記終了時刻の情報が入力された起点時刻から前記終了時刻までの間に、前記洗濯動作を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の洗濯システムの全体概要を示す図である。
図2】第1の実施形態の洗濯システムの機能ブロック図である。
図3】第1の実施形態の洗濯システムの洗濯機の第1の例の洗濯動作を示すタイミングチャートである。
図4】第1の実施形態の洗濯システムの洗濯機の第2の例の洗濯動作を示すタイミングチャートである。
図5】第1の実施形態の洗濯システムの洗濯機の第3の例の洗濯動作を示すタイミングチャートである。
図6】第1の実施形態の洗濯システムの洗濯態様決定処理を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態の洗濯システムの測定部が測定した洗濯物の量に対応する洗濯水の量を決定するためのデータテーブルである。
図8】第1の実施形態の洗濯システムの起点時刻から終了時刻までの時間から本洗いの実行不能時間を除いた時間と洗濯水の量とを用いて、つけ置き洗いの回数およびつけ置き洗いで使用される洗剤の量を決定するためのデータテーブルである。
図9】第1の実施形態の洗濯システムの洗濯実行決定処理を示すフローチャートである。
図10】第2の実施形態の洗濯システムの機能ブロック図である。
図11】第3の実施形態の洗濯システムの機能ブロック図である。
図12】第4の実施形態の洗濯システムの機能ブロック図である。
図13】第5の実施形態の洗濯システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態の洗濯システムについて、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、各実施形態において同一又は同等の構成の説明は繰り返さない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100の全体概要を示す図である。
【0011】
本実施形態の洗濯システム100は、携帯端末P、電波塔RWT、サーバS、電気通信情報網I、モデムM、ルータR、および洗濯機Wを備えている。サーバSは、電気通信情報網I、モデムM、およびルータRを経由して、洗濯機Wと通信可能に設置されている。携帯端末Pは、電波塔RWTおよび電気通信情報網Iを経由して、サーバSに通信可能である。モデムM、ルータR、および洗濯機Wは、家屋H内に設置されている。
【0012】
携帯端末Pは、入力部1を含んでいる。サーバSは、制御部2を含んでいる。洗濯機Wは、水槽30と作動部3とを含んでいる。これらの具体的な機能については、図2を用いて説明する。
【0013】
図2は、第1の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100の機能ブロック図である。
【0014】
本実施形態の洗濯システム100においては、携帯端末Pは、入力部1と通信部7とを含んでいる。サーバSは、制御部2と通信部6とを含んでいる。洗濯機Wは、作動部3、通信部4、および測定部5を含んでいる。作動部3は、撹拌部31、投入部32、開閉弁33、水供給部34、および報知部35を含んでいる。撹拌部31、投入部32、開閉弁33、水供給部34、および報知部35のそれぞれの具体的な機能は、後述される。
【0015】
本実施形態においては、入力部1は、一般にスマートフォーンと呼ばれる携帯端末Pのタッチパネルを含む表示/操作部を含んでいる。ただし、入力部1は、小型のコンピュータまたはタブレット等のタッチパネルを有する表示/操作部を含んでいてもよい。また、入力部1は、パーソナルコンピュータ等の据置型の端末のキーボードまたはマウス等からなる操作部を含んでいてもよい。
【0016】
入力部1は、人によって操作されるものだけでなく、AI(Artificial Intelligence)によって操作されるものであってよい。つまり、人が入力部1としての携帯端末Pを操作する人の代わりに、AIが入力部1を操作する。また、AI自身が入力部1として機能してもよい。いずれの場合も、洗濯機Wに洗濯動作を実行させる制御に必要な情報が入力部1から制御部2へ送信される。
【0017】
本実施の形態においては、制御部2は、洗濯機Wに内蔵された制御基板上のマイクロコンピュータ等ではない。制御部2は、電気通信情報網Iを経由して、洗濯機Wに情報を入力することができるサーバSに含まれている。
【0018】
制御部2は、洗濯機Wを動作させる洗濯プログラムPRを含んでいる。本実施形態の制御部2は、物理的に一体をなしている1つの独立した装置である。しかしながら、制御部2は、物理的に分離された複数の装置が1つの制御部として機能するものであってもよい。
【0019】
より具体的には、洗濯プログラムPRは、コンピュータを制御部2として動作させる。洗濯プログラムPRは、入力部1から入力された情報を用いた制御部2の制御によって、作動部3を動作させる。それにより、作動部3は、水槽30内の洗濯物を含む洗濯水に対して洗濯動作WAを実行する。入力部1から入力された情報は、後述される洗濯動作WAの終了時刻t2を含んでいる。
【0020】
制御部2は、たとえば、少なくとも1つのプロセッサと、洗濯プログラムPRを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体と、を備えている。前述のプロセッサが洗濯プログラムPRを前述の記録媒体から読み取る。それにより、洗濯プログラムPRによって規定された各処理が制御部2において実行される。前述の記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、たとえば、ROM(Read Only Memory)以外に、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、またはプログラマブルな論理回路などがある。
【0021】
ただし、上記の洗濯プログラムPRは、洗濯プログラムPRを送信可能な通信手段、たとえば、電気通信情報網Iまたは無線通信衛星等を経由して、制御部2へ供給されてもよい。また、洗濯プログラムPRは、構内無線通信によって制御部2へ供給されてもよい。
【0022】
前述の洗濯システム100によれば、洗濯機Wから離れた位置、たとえば、家屋Hの外に存在するときにも、携帯端末Pを用いて、洗濯の終了時刻t2を入力することができる。そのため、洗濯の終了時刻t2を入力できるタイミングの選択肢が多くなる。また、特定の専門性を有する管理者がサーバS内の洗濯プログラムPRを管理している。そのため、洗濯プログラムPRの提供者は、洗濯プログラムPRのバージョンアップ等を容易に行うことができる。
【0023】
図3図5を用いて、本実施形態の洗濯機Wの洗濯動作WAの例を説明する。図3図5において、起点時刻t1は、使用者またはAIの入力部1の操作に起因して、洗濯の終了時刻t2が制御部2へ入力された時刻である。図3図5において、特定期間Xは、本洗いBの実行が不可能である期間として、使用者またはAIによって指定された期間である。
【0024】
なお、入力部1は、複数の終了時刻t2の候補が、使用者の操作によって、予め記憶されているものであってもよい。このような入力部1を用いる場合、まず、入力部1を構成する表示/操作部に、複数の洗濯の終了時刻t2の候補が表示される。その後、使用者が、表示/操作部に表示されている1つの洗濯の終了時刻t2を選択する操作、具体的には、タッチパネルのアイコンをタッチする操作を実行する。
【0025】
それにより、洗濯された終了時刻t2の情報が入力部1から制御部2へ送信される。制御部2は、選択された1つの洗濯の終了時刻t2の情報を用いて、作動部3に洗濯動作WAを実行させる。このような場合においても、起点時刻t1は、洗濯の終了時刻t2が制御部2へ入力された時刻である。
【0026】
図3図5に示されるように、洗濯動作WAにおけるつけ置き洗いA、本洗いB、すすぎC、および脱水Dのいずれか2つが、互いの間に所定のインターバルをおいて行われる。ただし、洗濯動作WAにおいては、つけ置き洗いA、本洗いB、すすぎC、および脱水Dのいずれか2つが、互いの間にインターバルを置かずに、連続して行われてもよい。また、洗濯動作WAは、つけ置き洗いA、本洗いB、すすぎC、および脱水D以外の他の工程を含んでいてもよい。
【0027】
図3は、本実施形態の洗濯システム100の洗濯機の第1の例の洗濯動作WAを示すタイミングチャートである。
【0028】
図3から分かるように、起点時刻t1から終了時刻t2までの間に、制御部2は、作動部3に第1の例の洗濯動作WAを実行させる。この場合、洗濯動作WAにおいては、つけ置き洗いA、本洗いB、すすぎC、および脱水Dが、この順番で実行される。
【0029】
第1の例の洗濯動作WAにおいては、つけ置き洗いA、本洗いB、およびすすぎCのそれぞれの開始のときに、制御部2は、開閉弁33を開状態から閉状態へ切替える。その後、制御部2は、水供給部34に水槽30内へ洗濯水を供給させる。
【0030】
また、第1の例の洗濯動作WAにおいては、制御部2は、つけ置き洗いAにおいては、洗濯物を含む洗濯水へ洗剤を投入部32に投入させない。一方、制御部2は、本洗いBにおいては、洗濯物を含む洗濯水へ洗剤を投入部32に投入させる。つけ置き洗いA、本洗いB、およびすすぎCのそれぞれが終了したときに、制御部2は、開閉弁33を閉状態から開状態へ切替える。それにより、水槽30内の洗濯水が洗濯機Wの外部へ排出される。
【0031】
第1の例の洗濯動作WAにおいては、本洗いBおよびすすぎCのそれぞれにおいて、制御部2は、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる。一方、制御部2は、つけ置き洗いAにおいて、撹拌部31に洗濯水の撹拌を全く実行させない。
【0032】
つまり、つけ置き洗いAにおいては、制御部2は、撹拌部31に水槽30内の洗濯水を撹拌させることなく、つけ置き洗いAの開始から終了まで、洗濯水を水槽30内で滞留させ続ける。一方、本洗いBにおいて、制御部2は、つけ置き洗いAの開始から終了までのほとんどの時間、撹拌部31に洗濯水の撹拌を継続して実行する。
【0033】
ただし、つけ置き洗いAにおいても、制御部2は、撹拌部31に洗濯物を含む洗濯水を撹拌させてもよい。この場合、つけ置き洗いAにおける洗濯水の撹拌時間は、本洗いBにおける洗濯水の撹拌時間よりも短い。たとえば、つけ置き洗いAにおける洗濯水の撹拌は、洗濯水に対する洗剤の濃度分布の均一化を目的として、数秒程度の間だけ実行される。
【0034】
また、制御部2は、投入部32に洗剤を洗濯水に投入させないつけ置き洗いAにおいても、撹拌部31に洗濯水を撹拌させてもよい。この場合、洗濯水中の洗濯物の偏在または洗濯物から離脱した汚れの洗濯水中での偏在を抑制することができる。それにより、洗濯物からの汚れの離脱を促進することができる。
【0035】
図4は、本実施形態の洗濯システム100の洗濯機Wの第2の例の洗濯動作WAを示すタイミングチャートである。
【0036】
具体的には、本洗いB、1回目のつけ置き洗いA、2回目のつけ置き洗いA、およびすすぎCのそれぞれの開始のときに、制御部2は、開閉弁33を開状態から閉状態へ切替える。その後、制御部2は、水供給部34に水槽30内へ水を供給させる。本洗いB、1回目および2回目のつけ置き洗いA、およびすすぎCのそれぞれが終了したときに、制御部2は、開閉弁33を閉状態から開状態へ切替える。それにより、水槽30内の洗濯水が外部へ排出される。
【0037】
1回目のつけ置き洗いAにおいて、制御部2は、洗濯物を含む洗濯水へ、洗剤を投入部32に投入させる。一方、2回目のつけ置き洗いAにおいて、制御部2は、洗濯物を含む洗濯水へ、洗剤を投入部32に投入させない。本洗いBにおいては、制御部2は、洗濯物を含む洗濯水へ、洗剤を投入部32に投入させる。
【0038】
本洗いBにおいて、制御部2は、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる。それにより、本洗いBにいては、撹拌によって、洗濯水中に存在する洗剤が洗濯水の全体に均一に混合される。なお、すすぎCにおいても、制御部2は、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる。
【0039】
1回目のつけ置き洗いAのときに、制御部2は、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる。1回目のつけ置き洗いAにおいては、撹拌部31は、たとえば、洗濯物を含む洗濯水を撹拌するように、回転盤または回転ドラムを数秒程度だけ回転させる。1回目のつけ置き洗いAにおいて、洗濯水中に投入された洗剤が洗濯水の全体に均一に混合される。
【0040】
一方、2回目のつけ置き洗いAのときには、制御部2は、撹拌部31に、洗濯水を全く撹拌させることなく、停止している状態を維持させる。これは、第1回目のつけ置き洗いAよって、ある程度、汚れが洗濯物から脱離していると判断されているためである。
【0041】
図5は、第1の実施形態の洗濯機Wの第3の例の洗濯動作WAを示すタイミングチャートである。
【0042】
具体的には、1回目~3回目のつけ置き洗いAのそれぞれの開始のとき、ならびに、本洗いBおよびすすぎCのそれぞれの開始のときに、制御部2は、開閉弁33を開状態から閉状態へ切替える。その後、制御部2は、開閉弁33が閉じられた状態で、水供給部34に水槽30内へ洗濯水を供給させる。一方、1回目~3回目のつけ置き洗いAのそれぞれの終了のとき、ならびに、本洗いBおよびすすぎCのそれぞれの終了のときに、制御部2は、開閉弁33を閉状態から開状態へ切替える。それにより、水槽30内の汚れを含む洗濯水が、洗濯機Wの外部へ排出される。
【0043】
1回目~3回目のつけ置き洗いAのそれぞれにおいては、制御部2は、洗濯物を含む洗濯水へ、洗剤を投入部32に投入させる。本洗いBにおいても、制御部2は、洗濯物を含む洗濯水へ、洗剤を投入部32に投入させる。
【0044】
本洗いBおよびすすぎCのそれぞれにおいては、制御部2は、撹拌部31に洗濯物を含む洗濯水を撹拌させる。また、1回目~3回目のつけ置き洗いAのそれぞれのときにも、制御部2は、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる。
【0045】
図3図5から分かるように、第1~第3のいずれの例の洗濯動作WAにおいても、作動部3は、入力部1から終了時刻t2の情報が入力された起点時刻t1から終了時刻t2までの間に洗濯動作WAの全体を実行する。そのため、本洗いBおよび1回以上のつけ置き洗いAを、起点時刻t1から終了時刻t2までの間に自動的に終了させることができる。
【0046】
第1~第3の例の洗濯動作WAのいずれにおいても、作動部3は、本洗いB、および、それぞれの洗濯水を滞留させる時間が本洗いBよりも長い1回以上のつけ置き洗いAを実行する。1回以上のつけ置き洗いAのそれぞれは、撹拌部31が洗濯水を撹拌しない時間が本洗いBよりも長い。
【0047】
第1~第3の例の洗濯動作WAのいずれにおいても、洗濯動作WAは、つけ置き洗いA、本洗いB、すすぎC、および脱水Dの4種類の動作を含んでいる。しかしながら、洗濯動作WAは、つけ置き洗いAおよび本洗いBからなる少なくとも2種類の動作を含んでいれば、いかなるものであってもよい。たとえば、前述の洗濯動作WAは、すすぎCおよび脱水Dの少なくとも2種類の動作を含んでいなくてもよい。
【0048】
通常、1回の本洗いBのみが実行されるが、第1~第3のいずれの例の洗濯動作WAにおいて、複数回の本洗いBがインターバルをおいて別々に実行されてもよい。複数回の本洗いBのいずれかにおいては、制御部2は、撹拌部31に、洗剤を含まない洗濯水を撹拌させてもよい。
【0049】
図2図4および図5から分かるように、作動部3は、制御部2の制御によって洗濯物を含む洗濯水の撹拌を実行する撹拌部31を含んでいる。撹拌部31は、1回以上のつけ置き洗いAのそれぞれにおいては、本洗いBに比較して短い時間、たとえば、数秒程度の時間だけ、洗濯水の撹拌を実行する。
【0050】
つけ置き洗いAにおいても洗濯水を撹拌することにより、つけ置き洗いAにおける洗濯水中の洗剤の濃度分布の均一化を図ることができる。また、洗濯水中における洗濯物から離脱した汚れを拡散させることができる。その結果、つけ置き洗いAにおける洗濯物からの汚れの脱離を促進することができる。
【0051】
第1~第3の例の洗濯動作WAのいずれにおいても、撹拌部31は、たとえば、洗濯物を含む洗濯水を撹拌する回転ドラムであってもよい。ただし、撹拌部31は、洗濯物を含む洗濯水を撹拌するように水槽30の底面に設けられた回転盤であってもよい。
【0052】
図3図5から分かるように、起点時刻t1から終了時刻t2までの間において本洗いBが実行され得ない特定期間Xが入力部1から制御部2へ入力される。特定期間Xは、たとえば、11:00PM~5:00PMである。この場合、特定期間Xの時間は、6時間である。
【0053】
それにより、制御部2は、撹拌部31に、特定期間X以外の期間に、本洗いBを実行させる。つまり、制御部2は、起点時刻t1から終了時刻t2までの間の時間から特定期間Xを引いた時間内に、洗濯動作WAの全てを実行させる。
【0054】
なお、特定期間Xを特定可能な情報は、たとえば、11:00PM~5:00PMを示す情報は、入力部1の一例としての携帯端末Pのタッチパネルのタッチ操作によって、入力部1から制御部2へ送信される。
【0055】
そのため、本洗いBが実行されることが好ましくない期間、たとえば、真夜中の睡眠中の時間帯等を避けて、撹拌に起因した発生音が大きな本洗いBを実行することができる。ただし、特定期間Xを設定することが不要な場合には、制御部2は、特定期間Xの期間においても、作動部3に、具体的には、撹拌部31に、本洗いBを実行させることが可能である。
【0056】
図3図5に示されている第1~第3の例の洗濯動作WAにおいては、制御部2は、特定期間Xにおいて、作動部3に、本洗いBだけでなく、つけ置き洗いAも実行させていない。しかしながら、制御部2は、特定期間Xにおいて、作動部3に、つけ置き洗いAを実行させてもよい。
【0057】
これは、つけ置き洗いAは、本洗いBに比較して、使用者の睡眠等に悪影響を与えるおそれが極めて小さいためである。より具体的に言うと、つけ置き洗いAにおいては、本洗いBに比較して、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる時間がかなり短いため、撹拌部31の駆動に起因した音が発生する時間がかなり短いためである。
【0058】
図4および図5から分かるように、作動部3は、制御部2の制御によって洗濯水に洗剤を投入する投入部32を含んでいる。投入部32は、1回以上のつけ置き洗いAの少なくともいずれかにおいて、洗剤を洗濯水に投入する。この場合には、本洗いBだけでなく、つけ置き洗いAにおいても、洗剤を利用した洗濯を実行する。
【0059】
なお、つけ置き洗いAにおける洗剤と本洗いBにおける洗剤とは異なることが好ましい。つけ置き洗いAにおいては、本洗いBに比較して、洗濯物から油汚れをより離脱させ易い洗剤を用いることが好ましい。
【0060】
図4および図5から分かるように、1回の洗濯動作WAにおいて、少なくとも2回のつけ置き洗いAが実行される場合がある。この場合、制御部2は、投入部32に、相対的に後に実行されるつけ置き洗いAにおける洗濯水に対する洗剤の濃度を相対的に前に実行されるつけ置き洗いAにおける洗濯水に対する洗剤の濃度よりも低くさせることが好ましい。
【0061】
一般に、より後のつけ置き洗いAにおいては、より先のつけ置き洗いAに比較して、洗濯物に付着している汚れの程度が小さいと予想される。そのため、より後のつけ置き洗いAにおける汚れの脱離能力の不足の可能性は低いと考えられる。したがって、つけ置き洗いAにおいて、洗剤を無駄に消費することを抑制しながら、洗濯物からの汚れの脱離を促進することが可能になる。
【0062】
なお、洗濯水の量および洗濯水に投入される洗剤の量の少なくともいずれか一方の量を調整することにより、洗濯水に対する洗剤の濃度を調整することができる。
【0063】
水槽30内に洗濯水の濁度を測定する濁度センサを有している場合がある。この場合には、制御部2は、濁度センサによって検出された洗濯水の濁度および水槽30内に供給された洗濯水の量に応じて、つけ置き洗いAにおける洗剤の量を決定してもよい。これによれば、つけ置き洗いAを効果的に実行するために必要な洗剤の濃度を、より正確に決定することができる。
【0064】
本実施形態の作動部3は、洗濯水を洗濯機Wの外部へ排出する開状態および洗濯水を洗濯機Wの外部へ排出しない閉状態のいずれかに切替える開閉弁33を含んでいる。図3図5から分かるように、開閉弁33は、1回以上のつけ置き洗いAのそれぞれが終了した後、閉状態から開状態へ切替えられる。
【0065】
そのため、つけ置き洗いAの後に、洗濯物から脱離した汚れ成分を含む洗濯水が、水槽30から洗濯機Wの外部へ排出される。その結果、排出した洗濯水に比較して汚れ成分の含有量が小さい新たな洗濯水を用いて、洗濯物のつけ置き洗いAまたは本洗いBを実行することができる。
【0066】
図3図5から分かるように、作動部3は、制御部2の制御によって水槽30内へ洗濯水を供給する水供給部34を含んでいる。水供給部34は、水道管に接続されたチューブから水槽30内へ洗濯水を入れる状態と水道管に接続されたチューブから水槽30内へ洗濯水を入れない状態とのいずれかに切替えられる電磁バルブ等である。つけ置き洗いAおよび本洗いBのいずれの開始時においても、制御部2は、開閉弁33を開状態から閉状態へ切替える。この状態で、水供給部34は、水槽30内へ新たな洗濯水を供給する。そのため、つけ置き洗いAおよび本洗いBのいずれにおいても、汚れが含まれている程度が低い新たな洗濯水を用いて、洗濯物を洗濯することができる。
【0067】
本実施形態の洗濯機Wは測定部5を有しているが、洗濯機Wが測定部5を有していない場合がある。この場合、測定部5による洗濯物の測定がなされない。そのため、このような場合には、水供給部34は、1回以上のつけ置き洗いAのそれぞれにおいて、洗濯水の量を、予め設定された複数の量のうちの最も多い量にする。この場合、常に、最も汚れの離脱の効果が高いつけ置き洗いAを実行する。それにより、つけ置き洗いAが不十分であるおそれを低減することができる。
【0068】
図6は、第1の実施形態の制御部2が実行する洗濯態様決定処理を示すフローチャートである。図7は、第1の実施形態の洗濯システムの洗濯物の量から洗濯水の量を決定するためのデータテーブルDT1である。洗濯物の量は、本実施形態においては、洗濯物の重量であるものとする。
【0069】
図8は、起点時刻t1から終了時刻t2までの時間から本洗いBの実行不能時間を除いた時間と洗濯水の量とを用いて、つけ置き洗いAの回数およびつけ置き洗いAで使用される洗剤の量を決定するためのデータテーブルDT2である。図8の時間Tは、「起点時刻t1から終了時刻t2までの時間」であるか、または、「起点時刻t1から終了時刻t2までの時間から特定期間Xの時間を引いた時間」である。
【0070】
図6に示されるように、洗濯量決定処理においては、ステップS1において、制御部2は、測定部5が洗濯物の量を測定したか否かを判定する。測定部5が洗濯物の量を測定したか否かは、通信部6が測定部5から洗濯物の量を特定可能な情報を受信したか否かによって判定される。
【0071】
なお、本実施形態においては、測定部5は、重さセンサであり、洗濯物の重量を測定する。ただし、測定部5は、洗濯物の画像データを取得する画像取得部を有していてもよい。この場合、制御部2は、洗濯物の重量の代わりに、たとえば、画像取得部によって取得された画像データから洗濯物の体積を算出する。なお、測定部5は、洗濯物の量を特定することができるものであれば、いかなるものであってもよい。
【0072】
ステップS1において、測定部5が洗濯物の量を測定したと判定されなければ、制御部2は、ステップS1の処理を繰り返す。ステップS1において、測定部5が洗濯物の量を測定したと判定された場合には、制御部2は、ステップS2において、図7に示されるデータテーブルDT2を用いて、洗濯物の量に対応する洗濯水の量を決定する。
【0073】
図7に示されるように、洗濯物の量Akg以下、Akg~Bkg、Bkg~Ckg、Ckg~Dkg、およびDkg~Ekgは、それぞれ、洗濯水の量12L、24L、31L、48L、および58Lに対応している。図7のデータテーブルDT2においては、洗濯物の量が多くなるにつれて、洗濯水の量が大きくなっているものとする。
【0074】
本実施形態においては、つけ置き洗いAの洗濯水の量と本洗いBの洗濯水の量とは同一であるものとする。しかしながら、つけ置き洗いAの洗濯水の量と本洗いBの洗濯水の量とが異なっていてもよい。
【0075】
その後、ステップS3において、制御部2は、入力部1から終了時刻t2の入力があったか否かを判定する。ステップS3において、制御部2は、入力部1から終了時刻t2の入力がないと判定すると、ステップS3の処理を繰り返す。ステップS3において、制御部2は、入力部1から終了時刻t2の入力があったと判定すると、ステップS4において、入力部1から特定期間Xが入力されたか否かを判定する。なお、入力部1から制御部2へ終了時刻t2の入力があった時刻が前述の起点時刻t1である。
【0076】
ステップS4において、制御部2は、特定期間Xの情報が入力部1から入力されたと判定される場合がある。この場合、起点時刻t1から終了時刻t2までの間の時間から、特定期間X、本洗いB、すすぎC、および脱水Dに要する時間を減算する。それにより、制御部2は、データテーブルDT2における時間Tを算出する。その後、ステップS5において、制御部2は、時間Tに対応するつけ置き洗いAの回数を決定する。
【0077】
なお、制御部2は、ステップS4の処理とは別に、本洗いBに要する時間、すすぎCに要する時間、および脱水Dに要する時間のそれぞれを、洗濯物の量に応じて決定しているものとする。
【0078】
その後、ステップS6において、図8に示されるデータテーブルDT2を用いて、水槽30内に投入される予定の洗濯水の量に対応する洗剤の量を決定する。この洗剤の量は、特定期間Xを有しているつけ置き洗いAにおける洗剤の量である。洗剤の量は、投入部32に設けられた洗剤が入れられたカップの数で表示される。図8において、たとえば、0.2杯は、カップ1杯分の容量の0.2の体積の洗剤がカップに入っていることを意味する。この場合、0.2杯分の洗剤が洗濯水に投入される。
【0079】
図7および図8から分かるように、洗濯物の量および時間Tが同一であれば、複数回のつけ置き洗いAのそれぞれにおける洗濯水の量および洗剤の量は同一である。ただし、前述したように、より後のつけ置き洗いAにおける洗剤の濃度がより先のつけ置き洗いAにおける洗剤の濃度よりも低くなるように、複数のつけ置き洗いAのそれぞれにおいて洗濯水に投入される洗剤の量が決定されることが好ましい。
【0080】
本実施の形態においては、図2に示されているように、洗濯機Wは、洗濯物の量を測定し、制御部2へ洗濯物の量の情報を送信する測定部5を備えている。洗濯物の量は、測定部5によって測定された洗濯物の重さの数値である。作動部3は、洗濯物の量が相対的に大きい場合に、洗濯物の量が相対的に小さい場合に比較して、1回以上のつけ置き洗いAの回数を多くすることが好ましい。これによれば、つけ置き洗いAによる洗濯物からの油汚れ等の離脱効果をより確実に発揮することができる。なお、測定部5は、必須の構成ではなない。
【0081】
一方、ステップS4において、制御部2は、特定期間Xが入力されなかったと判定される場合がある。この場合、ステップS6において、図8に示されるデータテーブルDT2を用いて、制御部2は、起点時刻t1から終了時刻t2までの間の時間から、本洗いB、すすぎC、および脱水Dに要する時間を減算する。それにより、制御部2は、データテーブルDT2における時間Tを算出する。制御部2は、時間Tに対応するつけ置き洗いAの回数を決定する。
【0082】
その後、ステップS7において、図8に示されるデータテーブルDT2を用いて、時間Tおよび水槽30内に供給される予定の洗濯水の量の組合せに対応する洗剤の量を決定する。この洗剤の量は、特定期間Xを有していないつけ置き洗いAにおける洗剤の量である。図8に示されるデータテーブルDT2においては、洗濯物の量に応じて、複数回のつけ置き洗いAのそれぞれにおける洗濯水の量および洗剤の量は、同一であるものとする。
【0083】
ただし、より後のつけ置き洗いAにおける洗濯水に対する洗剤の濃度が、より先のつけ置き洗いAにおける洗濯水に対する洗剤の濃度よりも低くなる対応関係を有していることが好ましい。これは、無駄な洗剤の使用を抑制することが可能になるためである。そのため、前述の対応関係が形成されるように、図8のデータテーブルDT2が作成されていることが好ましい。
【0084】
また、洗濯物の量が相対的に大きい場合に、洗濯物の量が相対的に小さい場合に比較して、1回以上のつけ置き洗いAの回数が多くなる特定の関係を有していることが好ましい。そのため、図8のデータテーブルDT2が、前述の特定の関係を実現するように作成されていることが好ましい。
【0085】
その後、ステップS8において、図8に示されるデータテーブルDT2を用いて、水槽30内の洗濯水に投入される洗剤の量を決定する。この洗剤の量は、特定期間Xを有していないつけ置き洗いAにおける洗剤の量である。図7および図8から分かるように、洗濯物の量および時間Tが同一であれば、複数回のつけ置き洗いAのそれぞれにおける洗濯水の量および洗剤の量は同一である。ただし、前述したように、より後のつけ置き洗いAにおける洗剤の濃度がより先のつけ置き洗いAにおける洗剤の濃度よりも低くなるように、複数のつけ置き洗いAのそれぞれにおいて洗濯水に投入される洗剤の量が決定されることが好ましい。
【0086】
次に、ステップS9において、制御部2は、つけ置き洗いAの回数を記憶する。ステップS9において記憶されたつけ置き洗いAの回数がつけ置き洗いAの残存している回数の初期値である。ステップS10において、つけ置き洗いAの回数がゼロであるか否かを判定する。ステップS10において、つけ置き洗いAの回数がゼロであると判定されると、制御部2は、作動部3に洗濯動作WAを実行させない。制御部2は、ステップS11において、時間超過である旨を報知部35に報知させる。時間超過は、洗濯動作WAの全てに要する時間が、起点時刻t1から終了時刻t2までの時間を超えていることを意味する。その後、制御部2は、ステップS1の処理を実行する。
【0087】
ステップS11によれば、洗濯機Wの使用者は、終了時刻t2の情報が入力部1から制御部2へ入力された直後に、時間超過が生じることを把握することができる。そのため、使用者は、時間超過の場合には、洗濯の終了時刻t2を変更することができる。また、制御部2が、つけ置き洗いAを実行せずに、本洗いB、すすぎC、および脱水Dのみからなる洗濯動作WAを作動部3に実行させるように、使用者は入力部1を操作することが可能になる。
【0088】
なお、報知部35は、警告表示を行う液晶パネルのような表示部であっても、警告音声を発生するスピーカのような音声発生部であってもよい。報知部35は、時間超過が生じることを使用者に報知できれば、いかなるものであってもよい。
【0089】
一方、ステップS10において、つけ置き洗いAの回数がゼロでないと判定されると、制御部2は、ステップS12において、報知部35につけ置き洗いAの回数を報知させる。これにより、使用者は、入力部1の操作によって洗濯の終了時刻t2の情報が制御部2へ入力された起点時刻t1の直後に、起点時刻t1から終了時刻t2までの間に実行されるつけ置き洗いAの回数を把握することができる。その後、ステップS13において、制御部2は、図9に示された洗濯実行処理を実行する。
【0090】
図9は、第1の実施形態の制御部2が実行する洗濯実行処理を示すフローチャートである。この処理は、図6のステップS13で実行される処理である。本実施の形態においては、図5に示される第3の例の洗濯動作WAと同様に、3回のつけ置き洗いAと1回の本洗いBとがこの順番で実行されるものとする。
【0091】
ステップS111において、制御部2は、次に実行する工程が本洗いBであるのか否かを判定する。本洗いBであるか否かは、本洗いBが既に行われたか否かで判定される。
【0092】
具体的には、後述されるステップS123で所定の時間が経過していれば、本洗いBが既に行われたものとする。ステップS123において本洗いBが既に行われている場合には、ステップS111において、次に実行される工程が本洗いBでないと判定される。
【0093】
この場合には、制御部2は、ステップS112において、次に実行される工程がつけ置き洗いAであるか否かを判定する。また、ステップS111において、後述されるステップS117の処理ごとに減算されるつけ置き洗いAの回数がゼロになっていない場合には、次に行われる工程が本洗いBではないと判定される。
【0094】
ステップS111において、後述されるステップS117で減算されたつけ置き洗いAの回数がゼロになり、かつ、本洗いBが未だ実行されていない場合がある。この場合には、次に行われる工程が本洗いBであると判定される。
【0095】
ステップS111において、後述されるステップS117で減算されたつけ置き洗いAの回数がゼロではない場合がある。この場合には、ステップS112において次に行われる工程がつけ置き洗いAであると判定される。それにより、制御部2は、ステップS113の処理を実行する。
【0096】
ステップS113においては、制御部2は、開閉弁33を閉状態に制御する。その後、ステップS113において、制御部2は、つけ置き洗いAにおける洗濯物の量に応じた量の洗濯水を、水供給部34に水槽30へ供給させる。なお、洗濯水の量は、図6のステップS2で図7のデータテーブルDT1を用いて決定されている。
【0097】
ステップS114において、制御部2は、投入部32に、つけ置き洗いAにおける所定量の洗剤を洗濯水へ投入させる。所定量の洗剤の「所定量」は、図8に示されたデータテーブルDT2によって特定される洗濯水の量(L)と時間Tとの組合せに対応する量である。ステップS115において、制御部2は、つけ置き洗いAにおいて、数秒間だけ、撹拌部31に洗濯水を撹拌させる。
【0098】
ステップS116において、制御部2は、つけ置き洗いAが開始されてから特定の時間が経過したか否かを判定する。ステップS116において、つけ置き洗いAが開始されてから特定の時間が経過してないと判定されると、制御部2は、ステップS116の処理を繰り返す。ステップS116において、つけ置き洗いAが開始されてから特定の時間が経過したと判定されると、ステップS117において、制御部2は、つけ置き洗いAの回数を1だけ減算する。それにより、1回分のつけ置き洗いAを終了する。
【0099】
つけ置き洗いAの回数の初期値は、ステップS3において終了時刻t2が入力された起点時刻t1の後、ステップS5またはステップS7において、決定された値である。なお、つけ置き洗いAの回数の初期値は、図8に示されるデータテーブルDT2を用いて決定されている。
【0100】
その後、ステップS124において、制御部2は、開閉弁33を一定時間だけ開状態に制御する。それにより、つけ置き洗いAにおける水槽30内の洗濯水が洗濯機Wの外部へ排出される。
【0101】
ステップS111において、次に実行する工程が本洗いBであると判定される場合がある。この場合、ステップS120において、制御部2は、開閉弁33を閉状態に制御する。その後、制御部2は、水供給部34に、つけ置き洗いAにおける洗濯物の量に応じた量の洗濯水を水槽30内へ供給させる。なお、洗濯水の量は、図6のステップS2において、図7のデータテーブルDT1を用いて洗濯物の量に応じて決定された量である。
【0102】
次に、ステップS121において、制御部2は、投入部32に、本洗いBにおける洗濯物の量に応じた量の洗剤を洗濯水へ投入させる。ステップS122において、制御部2は、撹拌部31に、本洗いBにおける洗濯水の撹拌を実行させる。
【0103】
ステップS123において、制御部2は、本洗いBが開始されてから所定の時間が経過したか否かを判定する。ステップS123において、本洗いBが開始されてから所定の時間が経過してないと判定されると、制御部2は、ステップS122,S123の処理を継続する。つまり、制御部2は、撹拌部31に洗濯物を含む洗濯水を撹拌させ続ける。したがって、ステップS122,S123で行われる本洗いBの洗濯水の撹拌時間は、ステップS115で行われるつけ置き洗いAの洗濯水の撹拌時間よりもかなり長い。
【0104】
一方、ステップS123において、制御部2は、本洗いBが開始されてから所定時間が経過したと判定すると、撹拌部31に、洗濯水の撹拌を停止させる。
【0105】
その後、ステップS124において、制御部2は、開閉弁33を一定時間だけ開状態に制御する。それにより、本洗いBにおける水槽30内の洗濯水が洗濯機Wの外部へ排出される。その後、制御部2は、ステップS111の処理を実行する。
【0106】
ステップS112において、次に実行される工程がつけ置き洗いAではないと判定される場合がある。つまり、つけ置き洗いAの回数がゼロになっており、かつ、本洗いが既に実行されている場合がある。
【0107】
この場合には、ステップS125において、制御部2は、作動部3にすすぎCを実行させる。次に、ステップS126において、制御部2は、作動部3に脱水Dを実行させる。その後、ステップS0において、制御部2は、図6に示される洗濯量決定処理を再び実行する。
【0108】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100について説明する。なお、下記において第2の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100と同様である点については、特に必要がなければ、その説明は繰り返さない。本実施形態は、次の点で、第1の実施形態と異なる。
【0109】
図10は、第2の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100の機能ブロック図である。
【0110】
図10に示されるように、本実施形態の洗濯システム100は、サーバSと洗濯機Wとを含んでいる。洗濯システム100は、携帯端末Pを備えていない。本実施形態においては、入力部1は、洗濯機Wに含まれている。入力部1は、たとえば、洗濯機Wの表面に露出するように設けられたタッチパネルまたは押圧ボタン等である。
【0111】
洗濯機Wは、作動部3、通信部4、および測定部5に加えて、入力部1を含んでいる。そのため、洗濯機Wに設けられた入力部1で洗濯の終了時刻t2を制御部2へ入力することができる。その結果、洗濯システム100は、図1に示された携帯端末Pおよび電波塔RWTを必要とない。
【0112】
本実施形態の洗濯システム100は、図1に示されるサーバS、電気通信情報網I、モデムM、ルータR、および洗濯機Wを備えている点において、第1の実施形態と同様である。また、本実施形態の洗濯システム100は、サーバSが、図1に示される電気通信情報網I、モデムM、およびルータRを経由して、洗濯機Wと通信可能に接続されている点においても、第1の実施形態と同様である。さらに、本実施形態は、サーバSが、制御部2と通信部6とを含んでいる点においても、第1の実施形態と同様である。
【0113】
本実施形態においては、洗濯機Wの入力部1から入力された洗濯の終了時刻t2の情報は、洗濯機Wの通信部4およびサーバSの通信部6を経由して、サーバSの制御部2へ送信される。サーバSの制御部2は、サーバSの通信部6および洗濯機Wの通信部4を経由して、終了時刻t2の情報に基づいて決定された洗濯動作WAを特定可能な情報を作動部3へ送信する。作動部3は、制御部2から受信した洗濯動作WAを特定可能な情報に基づいて、洗濯動作WAを実行する。
【0114】
上記の実施形態の洗濯システム100によっても、第2の実施形態の洗濯システム100によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態の洗濯システム100においては、入力部1が洗濯機Wに設けられている。そのため、使用者は、洗濯機W以外の機器を用いることなく、洗濯の終了時刻t2を入力部1から制御部2へ入力することができる。
【0115】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100について説明する。なお、下記において第1の実施形態と同様である点については、特に必要がなければ、その説明は繰り返さない。本実施形態は、次の点で、第1の実施形態と異なる。
【0116】
図11は、本実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100の機能ブロック図である。
【0117】
図11に示されるように、本実施形態においては、洗濯システム100は、洗濯機Wに加えて、第1の実施形態では用いられなかったコントローラCを含んでいる。そのため、第1の実施形態と異なり、コントローラCに含まれている。また、第1の実施形態と異なり、制御部2も、コントローラCに含まれている。
【0118】
本実施形態においては、コントローラCに設けられた入力部1が、洗濯の終了時刻t2をコントローラCに設けられた制御部2へ、構内無線通信、すなわち、近距離通信で送信する。
【0119】
コントローラCは、家屋H内に設置された複数の家電機器を構内無線通信によって制御する装置、たとえば、HEMS(Home Energy Management System)の親機である。コントローラCは、独立した装置であって、入力部1、制御部2、および通信部7を含んでいる。つまり、本実施形態においては、入力部1は、それ自身が物理的に独立した装置でなく、制御部2と一体化された装置である。入力部1は、コントローラCの表面に露出するように設けられたタッチパネルまたは押圧ボタン等である。
【0120】
本実施形態の洗濯システム100は、図1に示された携帯端末P、サーバS、電気通信情報網I、および電波塔RWTを必要としない。洗濯システム100は、モデムM、ルータR、および洗濯機Wを含んでいる。コントローラCは、モデムMおよびルータRを経由して、洗濯機Wと通信可能に設置されている。しかしながら、コントローラCは、モデムMおよびルータRを経由することなく、構内無線通信によって、洗濯機Wと直接通信してもよい。なお、本実施形態は、洗濯機Wが作動部3、通信部4、および測定部5を含んでいる点においては、第1の実施形態と同様である。
【0121】
本実施形態の洗濯システム100においては、コントローラCの入力部1から入力された洗濯動作WAの終了時刻t2の情報は、コントローラC内で制御部2へ送信される。コントローラCの制御部2は、コントローラCの通信部7および洗濯機Wの通信部4を経由して、洗濯動作WAを特定可能な指令情報を作動部3へ送信する。作動部3は、制御部2から受信した洗濯動作WAを特定可能な情報に基づいて、洗濯動作WAを実行する。
【0122】
上記の実施形態の洗濯システム100によっても、第1の実施形態の洗濯システム100によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態においては、家屋H内に設けられたコントローラCが、洗濯機Wを制御する。そのため、洗濯機Wの制御と洗濯機W以外の家電機器の制御とを1つの家屋H内のコントローラCでまとめて管理することができる。
【0123】
コントローラCの代わりに、図1に示された携帯端末Pが入力部1および制御部2を含んでいてもよい。この場合、携帯端末Pは、図1に示された電波塔RWTを経由して、洗濯機Wへ、入力部1から入力された洗濯動作WAの終了時刻t2の情報を送信する。ただし、終了時刻t2の情報が、携帯端末Pから洗濯機Wへ構内無線通信によって送信されてもよい。なお、洗濯プログラムPRが電気通信情報網Iまたは電話通信網等によって携帯端末Pにインストールされると、携帯端末Pは制御部2を備える状態になる。
【0124】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100について説明する。なお、下記において第1の実施形態と同様である点については、その説明は、特に必要がなければ、繰り返さない。本実施形態は、次の点で、第1の実施形態と異なる。
【0125】
図12は、第4の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100の機能ブロック図である。
【0126】
図12に示されるように、本実施形態においては、洗濯システム100は、携帯端末Pおよび洗濯機Wを含んでいる。本実施形態においては、携帯端末Pが、入力部1を含んでいる。携帯端末Pは、通信部7も含んでいる。本実施形態においては、洗濯機Wが制御部2、作動部3、通信部4、および測定部5を含んでいる点においては、第1の実施形態と同様である。
【0127】
本実施形態は、第1の実施形態のサーバSを必要とない。また、本実施形態においては、携帯端末Pと洗濯機Wとが、他の装置を経由することなく、構内無線通信または電話無線通信を実行する。そのため、洗濯システム100は、図1に示された電気通信情報網I、モデムM、およびルータRを必要としない。ただし、携帯端末Pと洗濯機Wとは、電気通信情報網I、モデムM、およびルータRを経由して、通信してもよい。
【0128】
本実施形態においては、携帯端末Pの入力部1から入力された洗濯の終了時刻t2の情報は、携帯端末Pの通信部6および洗濯機Wの通信部4を経由して、洗濯機Wの制御部2へ送信される。洗濯機Wにおいて、制御部2は、終了時刻t2に基づいて決定された洗濯動作WAを特定可能な情報を作動部3へ送信する。作動部3は、制御部2から受信した洗濯動作WAを特定可能な情報に基づいて、洗濯動作WAを実行する。
【0129】
上記の実施形態の洗濯システム100によっても、第1の実施形態の洗濯システム100によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態の洗濯システム100によれば、制御部2が洗濯機Wに設けられているため、図1に示されたサーバSを必要としない。そのため、サーバSと洗濯機Wとの間の通信の遅延に起因した不具合の発生のおそれがない。
【0130】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100について説明する。なお、下記において第1の実施形態と同様である点については、その説明は、特に必要がなければ、繰り返さない。本実施形態は、次の点で、第1の実施形態と異なる。
【0131】
図13は、第5の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100の機能ブロック図である。
【0132】
図13に示されるように、本実施形態の洗濯システム100は、洗濯機Wのみからなる。洗濯機Wは、洗濯機Wが入力部1、制御部2、作動部3、および測定部5を含んでいる。そのため、洗濯システム100は、図1に示されたる携帯端末P、サーバS、電波塔RWT、モデムM、およびルータRのいずれも必要としない。本実施形態においては、洗濯機Wは、図2に示される通信部4も必要としない。
【0133】
本実施形態においては、洗濯の終了時刻t2の情報は、洗濯機W内において、入力部1から制御部2へ送信される。また、制御部2は、洗濯機W内において、終了時刻t2に基づいて決定された洗濯動作WAを特定可能な情報を作動部3へ送信する。作動部3は、制御部2から受信した洗濯動作WAを特定可能な情報に基づいて、洗濯動作WAを実行する。
【0134】
上記の実施形態の洗濯システム100によっても、第1の実施形態の洗濯システム100によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態によれば、洗濯システム100が洗濯機Wのみからなるため、洗濯システム100の構成が最もシンプルになる。
【0135】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100について説明する。なお、下記において第1~第5の実施形態と同様である点については、その説明は、特に必要がなければ、繰り返さない。本実施形態は、次の点で、第1~第5の実施形態と異なる。
【0136】
洗濯機Wは、洗濯水中の温度を測定可能な温度測定部と、洗濯水の温度を変化させることができる温度調整部と、を備えている。制御部2は、温度測定部が検出した洗濯水の温度に基づいて、洗濯水の温度が所望の温度になるように温度調整部を制御する。温度測定部は、温度センサである。温度調整部は、洗濯水を加熱することによって洗濯水の温度を上昇させる加熱部と、洗濯水を冷却することによって洗濯水の温度を下降させる冷却部とを有している。
【0137】
本実施形態においては、制御部2は、つけ置き洗いAにおいて、洗濯物の量に応じて所望の温度を異ならせる。制御部2は、洗濯物の量が相対的に多い場合に、洗濯水の温度を相対的に高くするように温度調整部を制御する。制御部2は、洗濯物の量が相対的に少ない場合に、洗濯水の温度を相対的に低くするように温度調整部を制御する。そのため、つけ置き洗いAにおいて、洗濯物の量に応じて洗濯物の汚れをより効果的に離脱させることができる。
【0138】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態の洗濯機Wを含む洗濯システム100について説明する。なお、下記において第1~第6の実施形態と同様である点については、その説明は、特に必要がなければ、繰り返さない。本実施形態は、次の点で、第1~第6の実施形態と異なる。
【0139】
本実施形態の洗濯機Wは、水槽30に洗濯水を貯留した状態で水槽30の開口を開閉できる扉を有している。制御部2は、洗濯の終了時刻t2が経過した後、水槽30内から洗濯済の洗濯物が取り出されたことを検出する。この場合、制御部2は、次のつけ置き洗いAのために水槽30内に洗濯物を含む洗濯水を予め貯留させる。このとき、制御部2は、開閉弁33を閉じた状態で、水供給部34に水槽30内に洗濯水を供給させる。
【0140】
洗濯のときには、扉が開かれた後、洗濯水の中に洗濯物が入れられ、扉が閉じられる。この状態で、洗濯の終了時刻t2が、入力部1の操作によって、入力部1から制御部2へ入力される。それにより、第1の実施形態で説明された洗濯動作WAを開始する。
【0141】
本実施形態によれば、洗濯動作WAが行われていないときにも、水槽30内に洗濯水が貯留されている。そのため、水槽30内でのカビの発生を抑制することができる。
【0142】
以下、本開示の実施形態の洗濯機Wの特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0143】
(1) 洗濯機Wは、作動部3を備えている。作動部3は、入力部1から入力された洗濯の終了時刻t2の情報を用いた制御部2の制御によって、水槽30内の洗濯物を含む洗濯水に対して洗濯動作WAを実行する。洗濯動作WAは、本洗いB、および、それぞれの洗濯水を滞留させる時間が本洗いBよりも長い1回以上のつけ置き洗いAを含む。作動部3は、終了時刻t2の情報が入力された起点時刻t1から終了時刻t2までの間に洗濯動作WAを実行する。これによれば、洗濯の終了時刻t2が入力された起点時刻t1から終了時刻t2までの時間全体を有効に活用して洗濯することができる。
【0144】
(2) 作動部3は、洗濯水の撹拌を実行する撹拌部31を含んでいてもよい。撹拌部31は、1回以上のつけ置き洗いAのそれぞれにおいては、本洗いBに比較して短い時間、洗濯水の撹拌を実行してもよい。これによれば、つけ置き洗いAにおける洗濯物からの汚れ成分の脱離を促進することができる。
【0145】
(3) 本洗いBが実行され得ない特定期間Xが入力部1から入力される場合がある。この場合に、作動部3は、起点時刻t1から終了時刻t2までの間の特定期間X以外の期間において本洗いBを実行してもよい。これによれば、本洗いBが実行されることが好ましくない期間を避けて本洗いBを実行することができる。
【0146】
(4) 作動部3は、洗濯水に洗剤を投入する投入部32を含んでいてもよい。投入部32は、1回以上のつけ置き洗いAの少なくともいずれかにおいて、洗剤を洗濯水に投入してもよい。これによれば、つけ置き洗いAにおいても、洗剤を利用した洗濯を実行することができる。
【0147】
(5) 1回以上のつけ置き洗いAは、第1のつけ置き洗いAと第1のつけ置き洗いAよりも後に実行される第2のつけ置き洗いAとを含んでいてもよい。この場合、投入部32は、第2のつけ置き洗いAにおける洗濯水に対する洗剤の濃度を、第1のつけ置き洗いAにおける洗濯水に対する洗剤の濃度よりも低くしてもよい。これによれば、つけ置き洗いAにおいて、洗剤を無駄に消費することを抑制しながら、洗濯物からの汚れの脱離を促進することが可能になる。
【0148】
(6) 作動部3は、洗濯水を洗濯機Wの外部へ排出する開状態および洗濯水を洗濯機Wの外部へ排出しない閉状態のいずれかに切替えられる開閉弁33を含んでいてもよい。開閉弁33は、1回以上のつけ置き洗いAの少なくともいずれかが終了した後、閉状態から開状態へ切替えられてもよい。これによれば、排出された古い洗濯水に比較して、汚れ成分の含有量が小さい新たに供給された洗濯水を用いて、洗濯物のつけ置き洗いAまたは本洗いBを実行することができる。
【0149】
(7) 作動部3は、開閉弁33が開状態から閉状態へ切替えられた状態で、水槽30内へ洗濯水を供給する水供給部34を含んでいてもよい。この場合、水供給部34は、1回以上のつけ置き洗いAの少なくともいずれかにおいて、洗濯水の量を、予め設定された複数の量のうちの最も多い量にしてもよい。これによれば、測定部5が設けられていない場合に、常に最も効果が高いつけ置き洗いAを実行することができる。それにより、つけ置き洗いAの効果が不十分であるおそれを低減することができる。
【0150】
(8) 洗濯機Wは、洗濯物の量を測定し、制御部2へ洗濯物の量の情報を送信する測定部5を備えていてもよい。この場合、作動部3は、洗濯物の量が相対的に大きい場合には、洗濯物の量が相対的に小さい場合に比較して、1回以上のつけ置き洗いAの回数を多くしてもよい。これによれば、洗濯物の量に応じて実行可能なつけ置き洗いAの回数を使用者に報知することができる。
【0151】
(9) 作動部3は、情報を報知する報知部35を含んでいてもよい。起点時刻t1から終了時刻t2までの時間を超えている時間超過の場合がある。この場合には、報知部35は、洗濯動作WAの全てに要する時間が、報知部35が時間超過である旨を報知してもよい。これによれば、洗濯動作WAの全てに要する時間が、起点時刻t1から終了時刻t2までの時間を超えていることを使用者に報知することができる。
【0152】
(10) 作動部3は、情報を報知する報知部35を含んでいてもよい。報知部35は、終了時刻t2が入力された場合に、1回以上のつけ置き洗いAの回数を報知してもよい。これによれば、使用者は、洗濯の終了までに実行されるつけ置き洗いAの回数を把握することができる。
【0153】
(11) 洗濯プログラムPRは、コンピュータを制御部2として動作させるためのものである。これによれば、洗濯の終了時刻t2が入力された起点時刻t1から終了時刻t2までの時間全体を有効に活用して洗濯することができる。
【符号の説明】
【0154】
1 入力部、2 制御部、3 作動部、5 測定部5、30 水槽、31 撹拌部、32 投入部、33 開閉弁、34 水供給部、35 報知部、A つけ置き洗い、B 本洗い、PR 洗濯プログラム、t1 起点時刻、t2 終了時刻、W 洗濯機、WA 洗濯動作、X 特定期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13