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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-05
(45)【発行日】2023-09-13
(54)【発明の名称】照明付きカニューレ
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20230906BHJP
   A61F 9/008 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
A61F9/007 200Z
A61F9/007 130E
A61F9/007 130J
A61F9/007 180
A61F9/008 110
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020541948
(86)(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2019050323
(87)【国際公開番号】W WO2019150207
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】62/626,325
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/713,190
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ニールス アレクサンダー アプト
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/087091(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0182716(US,A1)
【文献】国際公開第2017/103778(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/107508(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/215078(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61F 9/008
A61B 17/34
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニューレであって、
前記カニューレの基端部に配置され且つ可視光を発するように動作可能なカニューレハブと、
前記カニューレハブから前記カニューレの先端部に向かって延びる管部分と
を備える前記カニューレ
を備え、
前記カニューレハブが、容器であって、放射線発光材料と蛍光材料とを含む前記容器を備え、前記放射線発光材料が、前記可視光を発生させるために前記蛍光材料と相互作用する電子を放出するように動作可能である照明付きカニューレシステム。
【請求項2】
カニューレであって、
前記カニューレの基端部に配置され且つ可視光を発するように動作可能なカニューレハブと、
前記カニューレハブから前記カニューレの先端部に向かって延びる管部分と
を備える前記カニューレ
を備え、
前記カニューレハブが、前記カニューレの前記基端部に配置された発光容器を備え、前記発光容器が、第1の反応物と第2の反応物とを含み、前記第2の反応物が、前記発光容器内に配置された内部容器内に配置され、前記内部容器が、前記第1の反応物から前記第2の反応物を隔て、且つ前記第1の反応物及び前記第2の反応物は、前記第1の反応物と前記第2の反応物とが混ぜ合わされたときに反応して前記可視光を発するように動作可能である照明付きカニューレシステム。
【請求項3】
前記カニューレが、前記カニューレの長手方向軸線に沿って延びる管腔を更に備え、且つ前記システムが、軸部分と刃部分とを備えるトロカールを更に備え、前記トロカールは、前記トロカールの前記刃部分が前記カニューレの前記管部分から先端側に延びるように前記管腔内に受け入れ可能であるように構成される、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カニューレハブが、蛍光材料、燐光材料、化学発光材料、及び放射線発光材料からなる群から選択される少なくとも1つの発光材料を含む、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの発光材料が、前記カニューレハブ内に配置され、且つ前記カニューレハブが、透明又は半透明である材料を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの発光材料が、前記カニューレハブ上に配置されるコーティング内に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記カニューレが、前記カニューレの長手方向軸線に沿って延びる管腔を更に備え、前記システムが、前記管腔内に受け入れ可能なトロカールを更に備え、前記トロカールが、軸部分と刃部分とを備え、前記発光容器が前記管腔内に延び、且つ前記トロカールの前記軸部分が、前記管腔内に延びる前記発光容器と係合可能である肩部分を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記可視光が、光ファイバを通して前記カニューレハブに提供される、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
手術用コンソールと、
前記手術用コンソールに通信可能に結合された顕微鏡と、
可視光を発するように動作可能なカニューレであって、
前記カニューレの基端部に配置されたカニューレハブと、
前記カニューレハブから前記カニューレの先端部に向かって延びる管部分と
を備える前記カニューレと
を備え、
前記カニューレが、前記カニューレハブ内に配置された容器を更に備え、前記容器が、放射線発光材料と蛍光材料とを含み、前記放射線発光材料が、前記可視光を発生させるように前記蛍光材料と相互作用する電子を放出するように動作可能である、手術システム。
【請求項10】
前記カニューレが、前記カニューレの長手方向軸線に沿って延びる管腔を更に備え、前記手術システムがトロカールを更に備え、前記トロカールが軸部分と刃部分とを備え、前記トロカールは、前記刃部分が前記管部分から先端側に延びるように前記管腔を貫通して延びる、請求項9に記載の手術システム。
【請求項11】
前記カニューレハブが、蛍光材料、燐光材料、化学発光材料、及び放射線発光材料からなる群から選択される少なくとも1つの発光材料を含む、請求項9に記載の手術システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの発光材料が、前記カニューレハブ内に配置され、且つ前記カニューレハブが、透明又は半透明である材料を含む、請求項11に記載の手術システム。
【請求項13】
前記カニューレハブ上に配置されたコーティングを更に備え、且つ前記少なくとも1つの発光材料が前記コーティング内に配置される、請求項11に記載の手術システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
人間の眼は、軽度の劣化から完全な失明までを引き起こす多数の疾病に罹り得る。コンタクトレンズや眼鏡は、いくつかの軽度の病気を補償できるが、その他の病気については、眼科手術が必要となる。一般に、眼科手術は、硝子体網膜手術などの、後眼部の処置と、白内障手術などの、前眼部の処置とに分類される。硝子体網膜手術は、限定されるものではないが、黄斑変性症、糖尿病性網膜症、糖尿病性硝子体出血、黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜、及びサイトメガロウイルス網膜炎を含む、多くの異なる眼疾患に対応し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
硝子体網膜手術では、外科医は、眼疾患に適切に対処するために後眼部を視認できる必要がある。しかしながら、手術野からの、眩しい光及び/又は反射光などの、不所望の光が、眼の後眼部の視認性に影響を及ぼすことがある。現在、硝子体網膜外科医は、暗い手術室内で作業して、不所望の光に関する懸念を低減することができる。その他にも、手術室を暗くしない場合があり、硝子体網膜外科医は、不所望の光に起因して後眼部を可視化するのが困難である場合がある。硝子体網膜手術での後眼部へのアクセスは、眼に挿入された1つ又は複数のカニューレによって提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的な態様では、本開示は、照明付きカニューレシステムを対象とする。照明付きカニューレシステムは、カニューレの基端部におけるカニューレハブと、カニューレハブからカニューレの先端部に向かって延びる管部分とを含むカニューレを含み得る。カニューレハブは、可視光を発するように動作可能であってもよい。
【0004】
別の例示的な態様では、本開示は、手術システムを対象とする。手術システムは、手術用コンソールと、手術用コンソールに通信可能に結合された顕微鏡と、可視光を発するように動作可能なカニューレとを含み得る。カニューレは、カニューレの基端部に配置されたカニューレハブと、カニューレハブからカニューレの先端部に向かって延びる管部分とを含み得る。
【0005】
別の例示的な態様では、本開示は、光投射のための方法に関する。本方法は、カニューレを眼に挿入することと、カニューレの基端部に配置された少なくとも1つの発光材料から可視光を発することと、カニューレを通して手術器具を配置することとを含み得る。
【0006】
異なる態様は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。カニューレは、カニューレの長手方向軸線に沿って延びる管腔を含み得る。軸部分と刃部分とを有するトロカールも含まれ得る。トロカールは、トロカールの刃部分がカニューレの管部分から先端側に延びるように管腔内に受け入れ可能であるように構成されてもよい。カニューレハブは、蛍光材料、燐光材料、化学発光材料、及び放射線発光材料からなる群から選択される少なくとも1つの発光材料を含み得る。少なくとも1つの発光材料は、カニューレハブ内に配置されてもよく、且つカニューレハブは、透明又は半透明である材料を含み得る。少なくとも1つの発光材料は、カニューレハブ上に堆積させるコーティング内に配置されてもよい。カニューレハブは、放射線発光材料及び蛍光材料を含む容器を含み得、放射線発光材料は、可視光を発生させるために蛍光材料と相互作用する電子を放出するように動作可能である。カニューレハブは、カニューレの基端部に配置された発光容器を含み得る。発光容器は、第1の反応物と第2の反応物とを含み得る。第2の反応物は、発光容器内に配置された内部容器内に配置されてもよい。内部容器は、第1の反応物から第2の反応物を隔ててもよく、且つ第1の反応物及び第2の反応物は、第1の反応物と第2の反応物とが混ぜ合わされたときに反応して可視光を発するように動作可能である。
【0007】
カニューレは、カニューレの長手方向軸線に沿って延びる管腔を含み得る。トロカールは、カニューレの管腔内に受け入れられてもよい。トロカールは、軸部分と刃部分とを含み得る。トロカールは、刃部分がカニューレの管部分から先端側に延びるように管腔を貫通して延びてもよい。トロカールの軸部分は、管腔内に延びる発光容器と係合可能である肩部分を含み得る。可視光は、光ファイバを通してカニューレハブに提供されてもよい。
【0008】
異なる態様はまた、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。カニューレは、カニューレハブ内に配置された容器を含み得る。容器は、放射線発光材料及び蛍光材料を含み得、放射線発光材料は、可視光を発生させるために蛍光材料と相互作用する電子を放出するように動作可能である。カニューレは、カニューレハブ内に配置された発光容器と、内部容器とを含み得る。内部容器は、発光容器内に配置されてもよい。第1の反応物は、発光容器内に収容されてもよく、且つ第2の反応物は、内部容器内に配置されてもよい。内部容器は、第1の反応物から第2の反応物を隔ててもよく、第1の反応物及び第2の反応物は、反応して可視光を発するように動作可能である。紫外線光源は、カニューレにおいて紫外線を発するように動作可能であってもよい。カニューレハブは、紫外線に反応して可視光を発する蛍光材料を含み得る。光源、及びカニューレと光源とに結合された光ファイバも含まれ得る。光ファイバは、可視光を光源からカニューレに搬送するように動作可能であってもよい。紫外線は、カニューレの基端部に向けられて、少なくとも1つの発光材料が可視光を発するようにしてもよい。少なくとも1つの発光材料は、蛍光材料を含み得る。光ファイバは、修正箇所を含み得る。修正箇所によって、光ファイバを通過する光の一部が修正箇所を通してカニューレハブ内に伝送されるようにしてもよい。カニューレの基端部内に配置された少なくとも1つの発光材料から可視光を発することは、カニューレからのトロカールの取り外しによって発光容器を活性化させることを含み得る。
【0009】
前述の概要と以下の詳細な説明との両方が、本質的に例示的及び説明的なものであるとともに、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を与えることを意図したものであることを理解されたい。その点に関して、本開示の追加的な態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【0010】
これらの図面は、本開示のいくつかの実施態様のある特定の態様を図示しており、本開示の範囲を限定又は定義するために使用されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、照明付きカニューレを含む例示的な手術システムを図示する。
図2図2は、カニューレが発光材料を含む、照明付きカニューレを含む例示的な手術システムを図示する。
図3図3は、カニューレが発光材料を含む、別の例示的な照明付きのカニューレを図示する。
図4図4は、カニューレが発光材料を含む、別の例示的な照明付きのカニューレを図示する。
図5図5は、カニューレが発光材料を含む、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図6図6は、カニューレが化学発光材料を含む、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図7図7は、化学発光材料を保持する発光容器の例を図示する。
図8図8は、カニューレが、化学発光材料を含む発光容器を含む、照明付きカニューレの更なる例を図示するとともに、発光容器と相互作用するように動作可能な対応するトロカールを示す。
図9図9は、化学発光材料を保持する発光容器と相互作用するトロカールの例を図示する。
図10図10は、カニューレが化学発光材料を含む、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図11図11は、光ファイバによってカニューレに光が提供される、別の例示的な照明付きカニューレを図示する。
図12図12は、光ファイバによってカニューレに光が提供される、別の例示的な照明付きカニューレを図示する。
図13A図13Aは、光ファイバによってカニューレに光が提供され且つ別個の光ファイバが眼内に光を提供する、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図13B図13Bは、光ファイバによってカニューレに光が提供され且つ別個の光ファイバが眼内に光を提供する、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図14図14は、光ファイバによってカニューレと眼に光が提供される、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図15図15は、図14に示す光ファイバの拡大詳細図である。
図16図16は、光ファイバによってカニューレに光が提供され且つ別個の光ファイバが眼内に光を提供する、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図17図17は、手術器具が、カニューレを照明する光を含む、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図18図18は、手術器具が、カニューレを照明する光を含む、照明付きカニューレの別の例を図示する。
図19図19は、手術処置で使用されるカニューレであって、可視光を発するように動作可能であるカニューレを提供する例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理の理解を促進する目的で、ここで、図面に図示されている実施態様に言及し、特定の用語を使用してこれらの実施態様を説明する。それでもなお、本開示の範囲を限定するように意図されていないことが理解されるであろう。説明する装置、器具、方法に対する任意の改変及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示が関係する技術分野の当業者が通常想到し得るものとして十分に考慮される。特に、1つ又は複数の実施態様を参照して説明した特徴、構成要素、及び/又はステップが、本開示の他の実施態様を参照して説明した特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わされ得ることが十分に考慮される。簡潔にするために、いくつかの場合では、図面全体を通して同一又は類似の部分を指すように同一の参照番号が使用される。
【0013】
本明細書で説明するカニューレ照明の例示的な実施態様は、概して、眼の手術に関する。より詳細には、例示的な実施態様は、概して、カニューレの基端部の照明に関する。カニューレ照明は多数の異なる用途において有益であり得るが、カニューレの基端部の照明は、硝子体網膜手術中の暗い手術室内において特に有益である場合がある。いくつかの実施態様では、可視光の光源は、カニューレの基端部を照明してもよい。可視光がカニューレ自体から発せられ得るので、可視光の光源は、カニューレであってもよい。他の場合では、可視光の光源は、手術器具からなどの、カニューレの外部にあってもよい。いくつかの実施態様では、カニューレの基端部は、光が基端部に投射されるのとは対照的に可視光がカニューレの基端部から発せられる結果として照明されるとみなされてもよい。いくつかの実施態様では、基端部は、可視光を発するように動作可能であるカニューレハブを含み得る。例えば、管部分は、カニューレハブからカニューレの先端部に向かって延びてもよい。本明細書では、カニューレハブの照明のために多数の異なる技術について説明する。
【0014】
カニューレから発せられた可視光は、暗い手術環境下にいる、外科医などの、使用者が手術器具をカニューレに挿入しようとするときなどに、カニューレを容易に見つける能力を使用者に与える。結果として、本明細書で説明する照明付きカニューレは、手術部位を視認するために外科医によって使用される顕微鏡から外科医が目を離す必要があること、カニューレの基端部及び器具を可視化するために顕微鏡の光をオンにすること、又は器具がカニューレに導入された時点で、外科医の注意を目下の処置に戻す前に顕微鏡の光をオフにすることなどの、目下の手術処置から外科医の注意をそらす妨げになる行為を外科医が回避することを可能にする。本明細書で説明するカニューレはまた、顕微鏡の再調整に伴う時間が硝子体網膜手術を遅らせることを回避する。
【0015】
図1は、カニューレ102の照明のための手術システム100の例を図示している。図示のように、カニューレ102は、例えば、暗くなり得る手術室環境108下でカニューレ102の可視化を提供する、可視光106を発する基端部104を含み得る。手術システム100の実施態様は、眼112に関する情報を収集できるカメラ110と、眼112を視覚的に検査するように動作可能である顕微鏡114とを更に含み得る。手術システム100はまた、カメラ110及び/又は顕微鏡114から情報を受信する手術用コンソール116を含み得る。
【0016】
カメラ110は、眼112に関する情報を収集するように動作可能な任意のカメラであってもよい。例示的なカメラ110としては、限定されるものではないが、CMOS及びCCDカラーカメラ、可視域の広い波長域を有する単色カメラ、近赤外線を検出するように動作可能なカメラ又は可視近赤外域の特定の波長を検出するように動作可能なカメラが挙げられる。カメラ110は、例えば有線接続又は無線接続などの、様々な方法で手術用コンソール116と信号通信してもよい。例えば、カメラ110によって収集された情報は、更なる処理のために手術用コンソール116に送信されてもよい。いくつかの実施態様では、カメラ110によって収集された情報は、カメラ110を手術用コンソール116に通信可能に結合する通信線118を通じて手術用コンソール116に送信されてもよい。先に説明したように、カメラ110は、手術用コンソール116と他の方法で通信してもよい。したがって、他の実施態様では、カメラ110は、手術用コンソール116と無線通信してもよい。その結果、通信線118は排除されてもよい。いくつかの実施態様では、カメラ110は、手術室環境108が暗くなり得る硝子体網膜手術中などの、低い光レベルで使用されるように最適化されてもよい。いくつかの実施態様では、眼112は、可視スペクトル外の光で照明されて、外科医の妨げになることを回避するためにカメラ110によって依然として検出可能であってもよい。いくつかの実施態様では、カメラ110は、示すように、顕微鏡114に装着されてもよい。他の実施態様では、カメラ110は、顕微鏡114に一体化されてもよい。例えば、カメラ110は、例えば半透明のビームスプリッタを使用するなどして、顕微鏡114の光路に組み込まれてもよい。いくつかの実施態様では、カメラ110は、眼112に関する情報を受信して、眼112に関するこの情報を手術用コンソール116に提供してもよい。
【0017】
顕微鏡114は、限定されるものではないが、中でも、眼科手術用顕微鏡又は立体顕微鏡を含む、眼112を視覚的に検査するように動作可能な任意の顕微鏡であってもよい。外科医又は他の医療専門家などの、使用者は、例えば、眼112(又は眼112の特定の部分)をより詳細に可視化するために、手術中に顕微鏡114を操作してもよい。顕微鏡114は、例えば有線接続又は無線接続などの、様々な接続方法によって手術用コンソール116と信号通信してもよい。例えば、顕微鏡114によって収集された情報は、更なる処理のために手術用コンソール116に送信されてもよい。いくつかの実施態様では、顕微鏡114によって収集された情報は、顕微鏡114を手術用コンソール116に通信可能に結合する通信線118を通じて手術用コンソール116に送信されてもよい。他の実施態様では、顕微鏡114は、顕微鏡114と手術用コンソール116との間で情報が無線通信されるように、手術用コンソール116に無線接続されてもよい。そのような場合では、通信線118が省略されてもよい。示されていないが、顕微鏡114は、限定されるものではないが、光源を含む、追加の機器を含み得る。
【0018】
引き続き図1を参照すると、手術システム100はまた、手術器具120を含む。手術器具120は、限定されるものではないが、中でも、眼科用眼内照明器、硝子体切除プローブ、鉗子、鋏、バックフラッシュ、先端の柔らかいカニューレ、ピック、及びスクレーパを含む、手術処置で使用される任意の器具を含み得る。いくつかの場合では、手術器具120は、接続線122によって手術用コンソール116に結合する。いくつかの場合では、接続線122は、手術器具120への動力、データ通信、又はその両方を提供してもよい。手術器具120に提供される動力は、電力、空気圧動力、油圧動力の形態、又は他の何らかの形態であってもよい。他の実施態様(図示せず)では、手術器具120は、手術用コンソール116に結合されない。したがって、いくつかの場合では、接続線122が省略されてもよい。
【0019】
図1の例で図示するように、1つ又は複数のカニューレ102は、眼112内に配置されてもよい。図1は、眼内に配置された2つのカニューレ102を示している。しかしながら、他の実施態様では、追加の又はより少ないカニューレ102が眼内に配置されてもよい。
【0020】
カニューレ102が眼112内に配置された状態では、カニューレ102の基端部104は、眼112から延びる。カニューレ102は、眼112の内部へのアクセスを提供する。例えば、カニューレ102は、手術器具120又は異なる器具などの、器具が眼112の内部にアクセスするために挿通され得る管腔を含む。カニューレ102の基端部104は、可視光106を発するように動作可能であってもよい。前述のように、本図では眼112内に配置された2つのカニューレ102が示されているが、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれより多くのカニューレ102が所望により当業者によって特定の用途で使用され得ることを理解されたい。いくつかの実施態様では、カニューレ102は、トロカールカニューレ、注入カニューレ、又は眼の手術で使用される他の所望のカニューレであってもよい。
【0021】
手術では、手術器具120は、カニューレ102を通して眼112に挿入されてもよい。しかしながら、先に説明したように、手術室環境108は、例えば、手術室環境108下の周囲光が顕微鏡114を通しての可視化を妨げないように暗くしてもよい。その結果、手術室環境108が暗い状態にあり、手術器具をカニューレ102に挿入することが困難であり得る。いくつかの実施態様では、カニューレ102の基端部104は、可視光106を発するように動作可能であってもよく、これによって、手術室環境108の暗い状態でさえ、基端部104の可視化(又は可視化の改善)を可能にし、その結果、手術器具120をカニューレ102に挿入することができる。したがって、本開示の範囲内のカニューレは、使用者が暗い環境下でカニューレ及びカニューレの基端部を簡単に見つけて器具をカニューレ内に挿通できるように、可視光を発するように作られ且つ動作可能である。
【0022】
図2は、カニューレ102の基端部104の照明のための例示的な技術を説明するために使用される別の例示的な手術システム200の概略図である。以下に説明する例では、カニューレ102の基端部104は、発光材料が基端部104に含まれるか又は基端部104に塗布されるものとして説明される。しかしながら、本開示の範囲は、そのように限定されるものではない。むしろ、他の実施態様では、1つ又は複数の発光材料は、カニューレ102の他の部分に又はカニューレ102の全体に添加されてもよい。更に、発光材料は、手術処置に関与する外科医又は他の医療専門家の妨げにならないように暗い手術環境下で器具が容易に視認可能であることを許容するために、手術処置で使用される他のタイプの医療器具に含まれるか又は塗布されてもよい。
【0023】
図2に図示するように、カニューレ102の基端部104は、可視光106の光源として発光材料202を含み得るか又は発光材料202が基端部104に塗布されてもよい。例示的な発光材料202は、例えば、蛍光、燐光、化学発光、又は放射線発光によって光を発することで、発光を呈する材料を含む。本開示の範囲内の発光材料200の例としては、限定されるものではないが、蛍光材料、燐光材料、化学発光材料、及び放射線発光材料が挙げられる。本開示の範囲内のいくつかの例示的な蛍光材料及び燐光材料は、光の吸収後に可視光106を発することによって発光を呈する。
【0024】
いくつかの実施態様では、発光材料202は、紫外スペクトルの光(例えば、UV光204)の吸収後に可視光106を発する蛍光材料を含み得る。1つ又は複数の蛍光材料を含む発光材料202から可視光106を発することによって、カニューレ102の基端部104が、手術中に可視化されてもよい。いくつかの実施態様では、発光材料202は、チャージ光206にさらされた後に(蛍光材料と比較して)比較的ゆっくりと可視光106を発する燐光材料を含み得る。1つ又は複数の燐光材料は、手術処置中に基端部104が視認可能となり得るようにカニューレ102の基端部に添加又は塗布されてもよい。
【0025】
発光(蛍光又は燐光)材料にエネルギーを付与して発光材料202が可視光を発するようにするために、手術室環境108内に存在する自然光又は人工光などの、自然光又は人工光が使用されてもよい。発光材料202にエネルギーを与えるために単独で又は一部が使用され得るこの自然光又は人工光は、手術室環境108を暗くする前に手術室環境108内に存在し得る。手術室環境108が暗い状態にあるときに、発光材料202は、カニューレ102の基端部104が手術中に視認可能であるように可視光106を発する。
【0026】
いくつかの実施態様では、発光材料202は、化学反応によって可視光106を発する化学発光材料を含み得る。1つ又は複数の化学発光材料の形態の発光材料202は、カニューレ102の基端部104に塗布されるか又は基端部104内に含まれ、それによって可視光106が発せられるように反応することができてもよい。化学発光材料によって発せられた可視光106は、手術処置中の暗い手術室環境108下でカニューレ102の基端部104が使用者にとって視認可能であることを許容する。
【0027】
いくつかの実施態様では、発光材料202は、アルファ粒子、ベータ粒子、又はガンマ線などの、電離放射線によって可視光106を発する放射線発光材料を含み得る。本開示の範囲内の放射線発光材料の例としては、蛍光体材料と組み合わせて使用され得る、トリチウムが挙げられる。いくつかの実施態様では、トリチウムは、蛍光を発生させるように蛍光体材料と相互作用する電子を放出し得る。本明細書で説明する他の例と同様に、蛍光体材料との組み合わせでのトリチウムは、カニューレ102の基端部104に塗布されるか又は基端部104に含まれてもよい。
【0028】
図2に示す例示的な手術システム200はまた、紫外線光源208を含み得る。紫外線光源208は、不可視光線、短波紫外線、ガス放電ランプ、及び紫外線発光ダイオード、又は紫外線放射を発するように動作可能な別の光源であってもよい。紫外線光源208は、例えば、発光材料202が蛍光材料を含む場合に使用されてもよい。紫外線光源208から発せられた紫外線204は、発光材料202によって吸収されて、発光材料200が可視光106を発するようにする。紫外線光源208は、UV光204がカニューレ102の基端部104に入射し得る、手術室環境108下の任意の位置に配置されてもよい。図2の図示の例では、紫外線光源208は、顕微鏡114に取り付けられる。紫外線光源208は、接着剤、締結具、磁石、面ファスナ、又は紫外線光源を顕微鏡114に取り付けるように動作可能な他の任意の方式を含む、任意の方式で顕微鏡114に取り付けられてもよい。他の場合では、紫外線光源208は、顕微鏡114に一体化されてもよい。更に他の場合では、紫外線光源208は、別の機器に配置されるか若しくは組み込まれてもよく、又は手術室環境108内の別個の機器として提供されてもよい。
【0029】
図3は、カニューレ102によって画定された管腔124内にトロカール306が挿入される例示的なカニューレ102を図示している。カニューレ102の基端部104は、可視光106の光源として発光材料204を含む。図示のように、カニューレ102の基端部104は、カニューレハブ300と、カニューレハブ300からカニューレ102の先端部304に向かって延びる管部分302とを含む。示すように、トロカール306は、カニューレ102の管腔124を貫通して延びる。トロカール306は、軸部分308と刃部分310とを含む。刃部分310は、軸部分308から先端側に延びる。図3に示すようにカニューレ102とトロカール306とが組み立てられた状態で、刃部分310は、眼を穿刺するために使用されてもよく、且つ例えば、カニューレハブ306が眼の外表面に当接するまで組立体に眼内を前進させてもよい。その後、トロカール306は、手術装置が眼に挿入され且つ眼から回収され得る通路を管腔124が提供するように、カニューレ102を眼内に残したままで、カニューレ102から取り外されてもよい。
【0030】
発光材料202は、カニューレ102の基端部104に含まれる。図3に示す例では、発光材料202のコーティング312が、基端部104の外側表面に塗布されてもよい。例として、コーティング312は、カニューレハブ300上に配置されてもよい。コーティング312の非限定的な例としては、限定されるものではないが、カニューレ102の表面に適用され得る、塗料、スリーブ、又は他の被覆が挙げられる。他の実施態様では、コーティングの形態の発光材料202は、単独で又はカニューレハブ300内に配置された発光材料202と組み合わせて、カニューレ102の他の部分上に配置されてもよい。
【0031】
図4は、カニューレ102の別の例を図示している。図示のように、トロカール306は、カニューレ102によって画定された管腔124を貫通して延びる。基端部104は、可視光106の光源として発光材料202を含む。カニューレ102の基端部104は、カニューレハブ300と、カニューレハブ300からカニューレ102の先端部304に向かって延びる管部分302とを含む。トロカール306は、軸部分308と刃部分310とを含む。カニューレ102とトロカール306との組立体は、眼を穿刺して眼の内部に通路を提供するために、カニューレ102及びトロカール306が互いに使用され得る点で、図3において上で説明したものと同様に機能する。
【0032】
図4に示す例では、発光材料202は、カニューレ102の基端部104におけるカニューレハブ300に含まれる。詳細には、発光材料は、カニューレハブ300に埋め込まれる。いくつかの場合では、発光材料202は、カニューレハブ300の内部部分400内に全体が配置され(すなわち、内部部分400によって包含され)てもよい。つまり、いくつかの実施態様では、発光材料202のいくつか又は全てが内部部分400に包含されてもよい。
【0033】
発光材料202は、カニューレハブ300内に埋め込まれた小塊又は球体の形態であってもよい。他の場合では、発光材料202は、カニューレハブ300などの、基端部104内に埋め込まれた連続した又は不連続な細片の形態であってもよい。更に他の場合では、発光材料202は、限定されるものではないが、卵形、円板形、血小板形、トロイダル形、多角形、及びロッド状を含む、任意の所望の形状を有し得る。カニューレハブ300は、発光材料202からの可視光106がカニューレハブ300を通して発せられて環境中に放出されることを可能にするために、半透明又は透明であってもよい。他の実施態様では、小塊、球体、又は細片の形態の発光材料202は、単独で又はカニューレハブ300内に配置された発光材料202と組み合わせて、カニューレ102の他の部分内に配置されてもよい。
【0034】
図5は、基端部104が、暗い手術環境下で可視光106を提供するために発光材料202を収容する容器500を含む、カニューレ102の別の例を図示している。容器500は、カニューレハブ300上に又は少なくとも部分的にカニューレハブ300内に配置されてもよい。例えば、容器500の1つ又は複数は、カニューレハブ300の外表面に配置されてもよい。いくつかの場合では、容器500の外表面は、基端部104の外表面が連続するようにカニューレハブ300の外表面と面一であってもよい。他の場合では、容器500の1つ又は複数は、カニューレハブ300の外表面に対して隆起していてもよい。他の実施態様では、容器500は、単独で又はカニューレハブ300と組み合わせて、カニューレ102の他の部分内に設けられてもよい。さもなければ、カニューレ102は、図3及び図4を参照して上で説明したカニューレと同様であってもよい。したがって、図5に示すカニューレ102は、眼を穿刺して、眼の内部と眼の外部との間に通路を提供するために、トロカール306と同様であり得る、トロカールと組み合わせて使用されてもよい。
【0035】
引き続き図5を参照すると、容器500のいくつか又は全てが、カニューレ102の外表面に位置するか又はカニューレ102の外表面を貫通して延びるので、カニューレ102を形成する材料(又は容器500を含むカニューレ102の部分)は、透明又は半透明である必要はない。しかしながら、カニューレ102又はカニューレ102の一部を形成する材料は、透明又は半透明であってもよい。
【0036】
容器500の非限定的な例としては、発光材料202を収容する、プラスチック又はガラスなどの、バイアルが挙げられる。いくつかの実施態様では、発光材料202は、トリチウムなどの、1つ又は複数の放射線発光材料と、蛍光体材料などの、蛍光材料とを含み得る。上で説明したように、トリチウムは、基端部104から発せられる可視光106を発生させるために蛍光体材料と相互作用する電子を放出し得る。
【0037】
図6は、図3図5に関して上で説明したカニューレと同様であり得るカニューレ102の別の例を図示している。例えば、カニューレ102は、基端部104と、カニューレハブ300と、管部分302と、先端部304と、カニューレ102の長手方向軸線602に沿って延びる管腔124とを含む。しかしながら、図6に示すカニューレ102は、化学発光材料の形態の発光材料202を含む。
【0038】
図7は、化学発光材料を収容する発光容器700を示している。例示的な発光容器700は、第1の反応物701及び第2の反応物702の配置を含む。図示の例では、第1の反応物701は、第2の反応物702を取り囲む。しかしながら、図7に示す第1の反応物701及び第2の反応物702の配置は、可能な配置の一つに過ぎず、第1の反応物701及び第2の反応物702の他の配置も本開示の範囲内である。発光装置700の第1の反応物701と第2の反応物702とが混合したときに、化学発光反応が生じて、可視光が発せられる。
【0039】
第1の反応物701と第2の反応物702とを隔てるために、第2の反応物702は、内部容器704内に配置されてもよい。手術では、第1の反応物701と第2の反応物702との混ぜ合わせは、カニューレ102の可視化のために可視光が発せられるように、任意の所望の時間に行われてもよい。例えば、第1の反応物701及び第2の反応物702は、手術中のカニューレ102の配置の直前又はカニューレ102の配置後であるが、上述した手術室環境108などの、手術室環境を暗くする前に混合されてもよい。第1の反応物701と第2の反応物702とが混ぜ合される時点は、例えば、選択された特定の発光材料と、混ぜ合された反応物701、702が可視光を発する持続時間と、手術処置の予想継続時間とによって決まり得る。第1の反応物701及び第2の反応物702は、可視光106を発生させるように動作可能な任意の方法で混ぜ合わされてもよい。内部容器704は、発光容器700が選択されたレベルの応力を受けたときに、発光容器700を破損させないままで内部容器704が破損して第1の反応物700との接触のために第2の反応物702を放出し得るように、発光容器700よりも脆弱である材料から作製されてもよい。
【0040】
いくつかの場合では、発光容器700は、所定の応力レベル又は荷重下での破断に対する抵抗を提供するように動作可能な任意の材料から作製されてもよい。例示的な材料としては、限定されるものではないが、ガラス、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、及びポリ(メチルアクリレート)など)、又はゼラチンなどの室温で固体である他の材料が挙げられる。発光容器700は、例えば、化学発光反応による可視光106が発光容器700を通して発せられることを可能にするために、半透明又は透明であってもよい。内部容器704はまた、例えば、ガラス、脆性プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メチルアクリレート)、及びポリスチレンなど)、又は室温で固体である他の材料から作製されてもよい。しかしながら、内部容器704の場合、内部容器704を形成する材料、物理的特性(例えば、形状、壁厚など)は、さもなければ発光容器700を破損させないままにする所定の応力レベル又は荷重で破断して内部容器704の内容物を放出するように選択されてもよい。
【0041】
図6に示すカニューレ102のカニューレハブ300は、例えば、化学発光反応からの可視光106がカニューレハブ300を通して発せられることを可能にするために、半透明又は透明であってもよい。カニューレハブ300は、発光装置700が配置され得る空洞604を含む。詳細には、いくつかの実施態様では、空洞604の各々は、発光装置700の1つを受け入れてもよい。2つの空洞604が示されているが、他の実施態様は、追加の又はより少ない空洞604を含み得る。発光容器700は、カニューレ102の照明のための可視光106の光源である。(例えば、第1の反応物701と第2の反応物702とが混合するように内部容器704を破断させることによって)化学発光材料が活性化されたときに、可視光106が、発光装置700から発せられて、カニューレ102を照明する。
【0042】
図8は、線8-8に沿って切った図6のカニューレ102の断面図を図示している。図8はまた、カニューレ102に挿入可能な例示的なトロカール306の側面図も示している。図示のように、カニューレ102は、カニューレハブ300を備えた基端部104と、カニューレハブ300からカニューレ102の先端部304に向かって延びる管部分302とを含む。カニューレ102はまた、カニューレ102の長手方向軸線602に沿って延びる管腔124を含む。図示の例では、発光容器700は、カニューレハブ300内の空洞604内に配置された状態で示されている。図8は2つの発光容器700を示しているが、他の実施態様は、より少ない又は追加の発光容器700を含み得る。
【0043】
図示のように、カニューレハブ300内の空洞604内に配置された発光容器700は、管腔124内に突出する。先に説明したように、発光容器700は各々、第1の反応物701と第2の反応物702とを保持する。また上で説明したように、第2の反応物702は、内部容器704内に配置されてもよく、内部容器704は発光容器700内に配置される。内部容器704は、第1の反応物701と第2の反応物702との間に障壁を形成して、第1の反応物701と第2の反応物702との時期尚早の混合を防止する。
【0044】
トロカール306は、カニューレ102によって画定された管腔124に挿入可能である。示すように、例示的なトロカール306は、トロカールハブ800と、軸部分308と、刃部分310とを含む。軸部分308は、トロカールハブ800と刃部分310との間に延びる。図示のように、軸部分308は、肩部分802の形態の拡径部分を含む。肩部分802は、カニューレハブ300内の対応する座部分804に当接するように構成される。肩部分802及び座部分804は、トロカール306がカニューレ102内に配置されるときに、トロカール306がカニューレ102の管腔124に挿入されることが許容される量を制限するように協働する。
【0045】
いくつかの実施態様では、管腔124内に配置されている間の、カニューレ102に対するトロカール306の移動(例えば、カニューレ102へのトロカール306の挿入又はカニューレ102からのトロカール306の取り外し)によって、トロカール306を発光容器700に係合させてもよい。トロカール306と発光容器700とのこの係合は、(第2の反応物702を収容する内部容器704の破断などによって)第1の反応物701と第2の反応物702とが混ざり合うか又は混合するようにしてもよい。例えば、トロカール306がカニューレ102の管腔124内に配置された状態で、カニューレ102からのトロカール306の取り外しによって、第1の反応物700と第2の反応物702とが混ざり合うようにして光を発生させるために、発光容器700と相互作用されるか、又はさもなければ、発光容器700が破壊されてもよい。いくつかの場合では、この相互作用又は破壊によって、内部容器704が破断又は破裂し、第1の反応物701と混ざり合うように第2の反応物702が放出される。
【0046】
例えば、カニューレ102からのトロカール306の引き抜きによって、トロカール306の肩部分802が発光容器700に係合してもよい。いくつかの実施態様では、内部容器704が発光容器700よりも脆弱であり得るので、この係合によって、内部容器704の破損が生じ得、その結果、第1の反応物700が第2の反応物702に接触して第2の反応物702と混合し、光を発生させる。図6図8が、化学発光反応を利用してカニューレ102の基端部104を照明するための1つの技術を図示していることと、所望の化学発光反応を達成するためにカニューレ102及びトロカール306の他の構成が使用され得ることが理解されるべきである。
【0047】
図9は、カニューレに対するトロカールの移動に反応して化学発光反応をもたらすように発光容器700と共に使用され得るトロカール306の別の例示的な構成を図示している。明確にするために、図9には、カニューレ102は示されておらず、単一の発光容器700が示されている。図示のように、トロカール306は、軸部分308と、軸部分308から先端側に延びる刃部分310とを含む。図示の例では、軸部分308は、隆起部902を形成する切り欠き又は切り込み900を含む。手術では、(例えば、カニューレからのトロカール306の取り外し又はカニューレへのトロカール306の挿入による)カニューレに対する、より詳細には、発光容器700に対するトロカール306の移動は、第1の反応物を第2の反応物と混合させて光を生成するために発光容器700内の内部容器704を破断させることなどによって発光容器700内で化学発光反応を活性化する。
【0048】
図10は、カニューレ102内に配置された図9のトロカール306を図示する例である。図示のように、カニューレ102は、カニューレハブ300を備えた基端部104と、カニューレハブ300からカニューレ102の先端部304に向かって延びる管部分302とを含む。カニューレ102はまた、カニューレ102の長手方向軸線602に沿って延びる管腔124を含む。図示の例では、発光容器700(追加の又はより少ない発光容器700が本開示の範囲内であるが、この例では2つ)は、カニューレハブ300内の空洞604内に配置された状態で示されている。図示のように、発光容器700は、管腔124内に少なくとも部分的に突出する。
【0049】
トロカール306は、カニューレ102の管腔124内に存在するものとして図示されている。この例でも、トロカール306の軸部分308は、隆起部902を画定する切り欠き900を含む。しかしながら、図10に示す例では、切り欠き900は、図9に示す切り欠き900よりも滑らか輪郭を有する。隆起部902は、隣接する発光容器700と相互作用するように構成される。先に説明したように、発光容器700は各々、第1の反応物701と第2の反応物702とを保持する。第2の反応物702は、上で説明した内部容器704などの、内部容器内に配置されてもよい。内部容器704は、第1の反応物701と第2の反応物702との時期尚早の混合を防止するために発光容器700内に配置される。
【0050】
引き続き図10を参照すると、トロカール306の移動によって、第1の反応物701と第2の反応物702との混ぜ合わせが生じるように、トロカールが発光容器700に係合してもよい。例えば、カニューレ102には、カニューレ102の管腔124内に受け入れられるトロカール306が設けられてもよい。トロカール306がカニューレ102から取り外されたときに、トロカール306は、発光容器700と相互作用して、第1の反応物701と第2の反応物702とが混ざり合うようにする。例えば、トロカール306の引き抜きによって、切り欠き900により形成された隆起部902が発光容器700に係合してもよい。いくつかの実施態様では、内部容器704が発光容器700よりも脆弱であり得るので、この係合によって、内部容器704の破損が生じ得、その結果、化学発光反応と可視光の生成とがもたらされる。
【0051】
トロカール(本明細書で説明したトロカール306の1つ又は複数と同様であり得る)とカニューレ(本明細書で説明したカニューレ102の1つ又は複数と同様であり得る)と発光容器(本明細書で説明した発光容器700の1つ又は複数と同様であり得る)との組み立ては、カニューレ内へのトロカールの挿入によって(例えば、第1の反応物と第2の反応物とを混合させて光を発生させるための内部容器の破断による)発光容器の活性化が防止されるように行われてもよい。例えば、いくつかの実施態様では、1つ又は複数の発光容器は、カニューレへのトロカールの挿入後に、カニューレに挿入されるか又はさもなければカニューレに結合されてもよい。結果として、トロカールは、トロカールがカニューレから引き抜かれたときにのみ1つ又は複数の発光容器に係合し、それによって、光を生成するように1つ又は複数の発光容器の活性化を引き起こす。
【0052】
他の実施態様では、1つ又は複数の発光容器は、1つ又は複数の発光容器を活性化させずにトロカールがカニューレに挿入される前にカニューレ内に設置されてもよい。例えば、トロカールは、発光容器を活性化させずにカニューレに挿入される間にトロカールが発光容器を通過できるように形成されてもよい。しかしながら、カニューレからのトロカールの引き抜きによって、発光容器が活性化して光を生成するように発光容器が破壊される。例えば、トロカールは、トロカールがカニューレに挿入されるときに発光容器に徐々に係合する輪郭であって、さもなければ、発光容器の活性化を防止する輪郭を有する特徴部を含み得る。しかしながら、トロカールの特徴部は、トロカールがカニューレから取り外されるときに発光容器に急に係合し、(例えば、第1の反応物と第2の反応物とを混合させて光を生成するために内部容器を破断させることによって)発光容器を活性化させてもよい。
【0053】
図11は、カニューレ102の別の例の基端部104を示している。この図示の例では、基端部104は、光ファイバ1100を介して基端部104に伝送される可視光106を発する。光ファイバ1100は、カニューレ102の基端部104に結合される。図12を参照すると、光ファイバ1100は、カニューレ102から離れている光源1200に結合される。光ファイバ1100は、光源1200をカニューレ102に光学的に結合する。図示のように、光ファイバ1100は、光源1200から延びてカニューレハブ300に接続する。
【0054】
可視光106は、光源1200から、光ファイバ1100を通って、カニューレ102まで進み、基端部104から発せられる。上で説明したように、発せられた可視光106は、手術処置中の暗い手術室環境などの、周囲光レベルの低い環境下でカニューレ102が使用者にとって視認可能であることを許容する。
【0055】
いくつかの実施態様では、可視光106は、カニューレハブ300から発せられてもよい。いくつかの実施態様では、カニューレハブ300は、光ファイバ1100によって伝送された可視光106がカニューレハブ300を通して発せられることを可能にするために、半透明又は透明であってもよい。いくつかの実施態様では、カニューレハブ300は、1つ又は複数の拡散添加剤を含む又は含まない半透明材料から作製されてもよい。拡散添加剤は、カニューレハブ300全体の均一な照明をもたらすように、カニューレハブ300内に分配配置されてもよい。
【0056】
光源1200は、限定されるものではないが、発光ダイオード(LED)光源、蛍光体光源、レーザ光源、ハロゲン光源、キセノン光源、又は水銀蒸気光源を含む、任意の光源であってもよい。レーザ光源の非限定的な例としては、単色(例えば、赤外、可視)レーザ、多重スペクトルレーザ、又はスーパーコンティニューム白色レーザが挙げられる。光ファイバ1100は、可視光106を光源1200からカニューレ102に搬送する。光ファイバ1100は、限定されるものではないが、ガラス又はプラスチックから作製された光ファイバを含む、光を伝送するように動作可能な任意の光ファイバであってもよい。
【0057】
図13A及び図13Bは、暗い環境下でカニューレ102が照明されて視認可能となるように光ファイバ1100が可視光をカニューレ102に伝送する別の例を図示している。図13Aは、カニューレ102の上面図であり、且つ図13Bは、カニューレ102の側面図である。図示のように、カニューレ102は、カニューレ102の基端部104におけるカニューレハブ300と、カニューレハブ300からカニューレ102の先端部304に向かって延びる管部分302とを含む。
【0058】
図示のように、光ファイバ1100は、第1の端部において光源1200に結合され、且つ第2の端部においてカニューレハブ300に結合される。光ファイバ1100は、光を(可視光106として)光源1200からカニューレ102に伝送する。可視光106は、カニューレ102が、例えば手術室環境などの、暗い又は周囲光レベルの低い環境下で視認可能であり得るように、ハブ300から発せられる。いくつかの実施態様では、カニューレハブ300は、例えば、光ファイバ1100からカニューレハブ300の外への可視光106の通過を許容するために、半透明又は透明であってもよい。いくつかの実施態様では、カニューレハブ300は、1つ又は複数の拡散添加剤を含む又は含まない半透明材料から作製されてもよい。拡散添加剤は、カニューレハブ300全体の均一な照明をもたらすように、カニューレハブ300内に分配配置されてもよい。
【0059】
追加の光ファイバ1300は、光源1200からカニューレ102に延びる。光ファイバ1300は、第1の端部としての光源1200に結合される。光ファイバは、カニューレ102の管部分302の外表面に沿って延びる。光ファイバ1300の先端部1304は、図13Bに示すように、カニューレ102の先端部304に隣接して配置される。いくつかの場合では、光ファイバ1100の先端部1304は、光ファイバ1100がカニューレ102の先端部304を越えて先端側に延びないように、先端部304と位置合わせされてもよい。
【0060】
光源1200によって提供される可視光は、光ファイバ1300を通して伝送されて、先端部1304から可視光1302として発せられる。可視光1302は、カニューレ102が眼内に配置されたときに眼の内部に照明を与える。図13A及び図13Bに示していないが、いくつかの場合では、光ファイバ1100及び光ファイバ1300は束にされてもよい。更に、いくつかの実施態様では、束ねられた光ファイバ1100及び1300は、ビームスプリッタを含み得る。ビームスプリッタは、光源1200によって発生した可視光106の一部を光ファイバ1100に案内するとともに、光源1200によって発生した可視光106の一部を光ファイバ1300に案内するように動作可能である。光ファイバ1100を通して伝送された可視光106の一部は、カニューレハブ300に搬送され、その一方で、光ファイバ1300を通して伝送された可視光106の一部は、先端部1304に導かれて先端部1304から発せられる。図13A及び図13Bには単一の光源1200のみが示されているが、多数の光源が使用され得ることは、本開示の範囲内である。例えば、いくつかの場合では、第1の光源は、光ファイバ1100を通して伝送する光を発生させるために使用されてもよく、且つ第2の光源は、光ファイバ1300を通して伝送する光を発生させるために使用されてもよい。
【0061】
図14は、単一の光ファイバ1100がカニューレと眼の内部の両方に照明を与えるために使用される、別の例示的なカニューレ102を図示している。図示の例では、光源1200によって発生した可視光は、光ファイバ1100に導入されて光ファイバ1100に沿って伝送される。光ファイバ1100は、ハブ300に結合されて、可視光の一部をハブ300内に放出する。可視光のこの部分、すなわち、可視光106は、周囲光の低い環境(例えば、暗い手術環境)下などでカニューレ102が視認可能であるようにハブ300から発せられる。光ファイバ1100を通過する可視光の一部は、光ファイバ1100の先端部1400から放出されるまで光ファイバに沿って進み続ける。可視光のこの部分、すなわち、可視光1302は、カニューレ102が眼に挿入されたときに眼の内部などに照明を与える。示すように、光ファイバ1100の先端部1400は、カニューレの先端部304に隣接してもよい。いくつかの場合では、光ファイバ1100の先端部1400は、光ファイバ1100がカニューレ102の先端部304を越えて先端側に延びないように、先端部304と位置合わせされてもよい。
【0062】
図15は、円15に沿って切った、図14に示すカニューレの光ファイバ1100とハブ300との間の境界面の詳細図である。図示のように、光ファイバ1100に沿って進む光1500は、光ファイバ1100内に形成又は導入された複数の欠陥又は修正箇所1504を通してハブ300内に伝送される。例えば、修正箇所1504は、光ファイバ1100のクラッド内に形成又は導入され、且つ光ファイバ1100を通って進む光の一部が修正箇所1504において漏出することを許容するように動作可能であってもよい。ハブ300内に伝送される光1500のこの部分は、可視光106としてハブ300から発せられる。光1500の残り部分は、図14に示すように、光1500が先端部1400から発せられる光ファイバ1100の残り部分に沿って伝送される。
【0063】
光ファイバ1100は、クラッド1502を含む。光ファイバ1100に沿って進む光1500の一部は、クラッド1502を通って可視光106として発せられてもよい。いくつかの場合では、クラッド1502は、複数の修正箇所1504を含むように、例えば光ファイバ1100の製造中に又は製造後のある時点で、修正されてもよい。限定されるものではないが、可視光106が発せられ得るクラッド1502に修正箇所1504を含めることを含む、数多くの技術が、クラッド1502を修正するために使用されてもよい。修正箇所1504の導入によって、先端部1400(例えば、図14に示す)において可視光1302を発するのに利用可能な光の量が減少するが、可視光106がカニューレハブ(例えば、図14に示す)を照明することが可能となる。
【0064】
図16は、カニューレの照明のために光ファイバを使用するカニューレの別の例を図示している。図示の例では、光ファイバ1100は、第1の端部において光源1200に結合され、且つ第2の端部においてカニューレ102に結合される。図示の例では、光ファイバ1100は、カニューレ102の基端部104に形成された、ハブ300に結合される。光ファイバ1100は、光源1200によって発生した可視光106をカニューレ102に伝送する。可視光106は、光源1200から、光ファイバ1100を通って、カニューレ102まで進む。可視光106は、カニューレ102のハブ300に導かれてハブ300から発せられる。発せられた可視光106は、手術処置中の手術室などの、暗い環境下でカニューレ102を可視化するために使用されてもよい。
【0065】
照明プローブ1600は、カニューレ102内に配置され、且つプローブ1600の先端1602は、カニューレ102の先端部304から延びる。光ファイバ1300を介して照明プローブ1600に光が提供される。図示の例では、光ファイバ1300は、光源1200が照明プローブ1600に光を提供するように光源1200に光学的に結合される。しかしながら、他の実施態様では、光源1200とは別個の光源が、照明プローブ1600に光を提供するために使用されてもよい。更に他の場合では、照明プローブ1600は、内部で光を発生させてもよい。図示のように、光源1200によって提供され且つ光ファイバ1300に沿って伝送された可視光1302は、先端1602から発せられる。
【0066】
図17は、カニューレ102の照明のための別の例を図示している。示すように、カニューレ102に挿入された状態で示す手術器具120は、光源1700を含む。光源1700は、カニューレ102の基端部104の照明のために可視光106を発する。可視光106は、手術室環境108などの、暗い環境下などで、基端部104に形成されたカニューレハブ300の可視化を可能にする。光源1700は、限定されるものではないが、白熱灯、発光ダイオード、又はレーザを含む、任意の光源であってもよい。光源1700は、限定されるものではないが、機械的締結具、接着剤、磁石、連結特徴部、ねじ接続などを含む、様々な方法で手術器具120に取り付けられてもよい。図示の例では、クランプ1702は、光源1700を手術器具120の一部に固定する。詳細に示すように、クランプ1702は、光源1700を手術器具120のハンドル1704に固定する。示していないが、光源1700は、代替的に、手術器具120に一体化されてもよい。手術器具120は、限定されるものではないが、中でも、眼科用眼内照明器、硝子体切除プローブ、鉗子、鋏、バックフラッシュ、先端の柔らかいカニューレ、ピック、洗浄ハンドピース、吸引ハンドピース、一体型の洗浄/吸引ハンドピース、及びスクレーパを含む、手術処置で使用される任意の器具であってもよい。
【0067】
図18は、カニューレ102の照明のための別の例を図示している。図示の例では、眼内照明器などの、照明プローブ1600は、可視光106を発し、可視光106の一部は、カニューレ102の基端部104を照明するために使用される。照明プローブ1600は、ハンドル1800とスリーブ1802とを含む。スリーブ1802は、ハンドル1800の先端部1804からスリーブ1802の先端部1806に延びる。可視光106は、スリーブ1802の先端部1806から発せられる。可視光106はまた、ハンドル1800の先端部1804から発せられて、カニューレ102のハブ300に受光される。ハンドル1800の先端部1804がカニューレのハブ300に当接するように照明プローブ1600がカニューレ102に完全に挿入された状態で、ハンドル1800の先端部1804から発せられた可視光106は、ハブ300に受光されてハブ300から発せられる。
【0068】
光源1200は、照明プローブ1600によって発せられる可視光106を生成する。図示の例では、第1の光ファイバ1808は、第1の光ファイバ1808の第1の端部において光源1200に、且つ第1の光ファイバ1808の第2の端部において照明プローブ1600に光学的に結合される。第1の光ファイバ1808を介して照明プローブ1600に伝送された光は、最終的にスリーブ1802の先端部1806から発せられる光を提供する。第2の光ファイバ1810は、光ファイバ1810の第1の端部において光源1200に光学的に結合され、且つ第2の光ファイバ1810の第2の端部において照明1600に光学的に結合される。第2の光ファイバ1810は、最終的にハンドル1800の先端部1804から発せられる、光源1200によって生成された光を伝送する。図18は、第1の光ファイバ1808と第2の光ファイバ1810の両方に光を提供する単一の光源1200を示しているが、他の実施態様は、別個の光源、すなわち、第1の光ファイバ1808に光を提供するための別個の光源の1つと、第2の光ファイバ1810に光を提供するための第2の光源とを含み得る。
【0069】
図19は、可視光を発するように動作可能である、手術処置で使用されるカニューレを提供するための例示的な方法1900である。方法1900は、1902においてカニューレを眼に挿入することを含む。カニューレは、例えば、本明細書で説明するカニューレ102のいずれかなどの、本明細書で説明するようなタイプのものであってもよい。1904では、カニューレは、カニューレの少なくとも一部から可視光を発する。可視光は、例えば、本明細書で説明するタイプの又はさもなければ可視光を発するように動作可能な発光材料などの、カニューレ内に配置されるか、カニューレ上に配置されるか、又はさもなければカニューレの一部内に収容される発光材料によって生成されてもよい。他の場合では、可視光は、カニューレから離れた場所で生成されるが、可視光がカニューレの少なくとも一部から発せられるカニューレの一部に移送されてもよい。1906では、方法1900はまた、カニューレを通して手術器具を配置することを含む。
【0070】
方法1900は、追加のステップ、又は説明したものとは異なるステップを含み得る。例えば、方法1900は、発せられた可視光を用いてカニューレを視覚的に識別するステップを含み得る。ステップはまた、カニューレが位置する手術環境、例えば手術環境内の周囲光レベルを低下させることを含み得る。別のステップは、カニューレ内に配置された手術器具を利用して手術処置又は手術処置の一部を施すことを含み得る。
【0071】
本開示の動作及び構造は前述の説明から明らかになると考えられる。本開示は本明細書で示し説明した装置及び方法を提示しているが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらの装置及び方法に種々の変更及び修正がなされ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19