(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】ドライヤ
(51)【国際特許分類】
A45D 20/10 20060101AFI20230911BHJP
【FI】
A45D20/10 104
A45D20/10 Z
A45D20/10 101
(21)【出願番号】P 2019138169
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西川 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】下田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 大介
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 凌
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健志
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/041735(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0142132(US,A1)
【文献】特開2011-004922(JP,A)
【文献】特開2014-096717(JP,A)
【文献】特開2016-059387(JP,A)
【文献】実開昭58-011403(JP,U)
【文献】特開2015-012690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00-7/06
A45D 19/00-20/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータおよびヒータを有するドライヤであって、
外部装置との間で通信を行うための通信部と、
上記モータおよび上記ヒータを制御する制御部とを備え、
上記制御部は、上記外部装置から上記通信部を介して取得した、上記モータおよび上記ヒータの少なくとも一方の動作についての設定情報に基づいて上記モータおよび/または上記ヒータを制御し、
前記設定情報は、ユーザーが必要に応じて更新することが可能であ
り、
上記制御部は、上記モータおよび上記ヒータと上記通信部とを別個に動作させ、
上記モータおよび上記ヒータが動作していないときに上記通信を行うことを特徴とするドライヤ。
【請求項2】
モータおよびヒータを有するドライヤであって、
外部装置との間で通信を行うための通信部と、
上記モータおよび上記ヒータを制御する制御部とを備え、
上記制御部は、上記外部装置から上記通信部を介して取得した、上記モータおよび上記ヒータの少なくとも一方の動作についての設定情報に基づいて上記モータおよび/または上記ヒータを制御し、
上記制御部は、上記モータおよび上記ヒータと上記通信部とを別個に動作させ、
上記モータおよび上記ヒータが動作していないときに上記通信を行うことを特徴とするドライヤ。
【請求項3】
外部から空気を取り込むための吸込口、および取り込んだ空気を外部へ吹出す吹出口を有する本体筒部と、
上記本体筒部から突出するハンドル部とを備え、
上記ハンドル部に、上記通信部および上記制御部を備える制御基板が設けられており、
上記通信部は、上記制御基板上において、上記制御部よりも上記本体筒部から遠い側に設けられることを特徴とする請求項1
または2に記載のドライヤ。
【請求項4】
交流電力を直流電力に変換するためのコンデンサと、
電源スイッチとを有する電源基板をさらに備え、
上記電源基板は、上記ハンドル部に設けられており、
上記コンデンサは、上記電源基板上において、上記電源スイッチよりも上記本体筒部から遠い側に設けられることを特徴とする請求項
3に記載のドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、髪を乾かすまたはスタイリングをする等を目的として、多様な機能を有するツールが利用されている。ユーザのニーズに合わせて、上記ツールが有する機能はさらに多くなっていくことが予想される。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザの髪の状態に合わせて自動で温度を切り替えるヘアケアツールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、上述のようなツールは画像を表示可能な表示部を持たず、入力装置としてのボタンのみによって各種機能を切り替える。しかしながら、ボタンのみで大量の機能の設定および変更を行うことには限界がある。また、上記ツールが表示部を備えたとしても、設定を変更するためには髪から離して表示部を確認しなければならず、煩わしいという問題がある。
【0006】
また、一般的に、上記ツールは熱を発する。一方で、コンデンサ等の電源部品または各種制御を行うCPU等には、熱による影響を受けた場合寿命が短くなる等の悪影響があることが知られている。表示部を備える等、ツールが有する構成要素をさらに増やす場合、ツール内におけるスペースの都合上、当該ツールが備えるコンデンサまたはCPU等に対する熱の影響を無視できなくなる。
【0007】
また、特許文献1に係る発明は、ツール側で温度に関する設定を変更するが、ユーザが自分の好みに応じて設定を切り替えることができない。
【0008】
本発明の一態様は、機能の設定変更を簡便に行うことが可能なドライヤを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るドライヤは、外部装置との間で通信を行う通信部と、上記モータおよび上記ヒータを制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記外部装置から上記通信部を介して取得した、上記モータおよび上記ヒータの少なくとも一方の動作についての設定情報に基づいて上記モータおよび/または上記ヒータを制御し、前記設定情報は、ユーザーが必要に応じて更新することが可能であり、上記制御部は、上記モータおよび上記ヒータと上記通信部とを別個に動作させ、上記モータおよび上記ヒータが動作していないときに上記通信を行うことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るドライヤは、モータおよびヒータを有するドライヤであって、外部装置との間で通信を行うための通信部と、上記モータおよび上記ヒータを制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記外部装置から上記通信部を介して取得した、上記モータおよび上記ヒータの少なくとも一方の動作についての設定情報に基づいて上記モータおよび/または上記ヒータを制御し、上記制御部は、上記モータおよび上記ヒータと上記通信部とを別個に動作させ、上記モータおよび上記ヒータが動作していないときに上記通信を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、機能の設定変更を簡便に行うことが可能なドライヤを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係るドライヤの外観を示す図である。
【
図4】ドライヤが備える電源基板および制御基板の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
<ドライヤ100の構成>
本発明に係るドライヤの構成について、
図1~5に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係るドライヤ100の外観を示す図である。なお、
図1においては、本体筒部102に着脱可能に設けられた吹出ノズル120が取り付けられた状態が示されている。
図2は、ドライヤ100の内部構成を示す図である。なお、
図2においては、本体筒部102から吹出ノズル120を取り外した状態が示されている。
図3は、ドライヤ100が備えるヒータ107を示す図である。
図4の符号1003および1004はそれぞれ、ドライヤ100が備える電源基板200および制御基板300を示す図である。
図5は、ドライヤ100の要部の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1~
図3に示すように、ドライヤ100は、ケーシング101を備えている。ケーシング101は、本体筒部102と、本体筒部102から突出するハンドル部103とによって構成されており、ハンドル部103から、外部に存在する電源からドライヤ100に電力を供給するための電源ケーブル104が引き出されている。
【0014】
図1に示すように、本体筒部102には、一方の端部に温風を吹き出す吹出口102aが設けられた吹出ノズル120が取り付けられており、他方の端部に外部の空気を吸い込む吸込口102bが設けられている。本体筒部102の内部には、吸込口102bから吹出口102aにかけて、送風ファン105と、モータ106と、ヒータ107とが配置されている。モータ106は、送風ファン105を回転させる。送風ファン105は、回転することにより、吸込口102bから吹出口102aへの空気の流れを発生させ、ヒータ107が発生させた熱を温風として吹出口102aに送り出す。ヒータ107は、モータ106の外周部に備えられており、供給された電力を用いて熱を発生させる。
【0015】
また、本体筒部102の内部には、モータ106から吹出口102aにかけて断熱スリーブ108が設けられている。断熱スリーブ108は、送風ファン105で発生する風の通路すなわち風路を形成している。
【0016】
また、本体筒部102の吹出口102a側の端部には、2つの吹出口(不図示)が設けられている。本体筒部102内で生成された温風は、2つの吹出口を通過し、その後吹出ノズル120内で合流し、吹出口102aから吹き出される。
【0017】
ハンドル部103は、ユーザがドライヤ100を把持するための部分である。ハンドル部103には、スイッチ110が設けられている。スイッチ110は、ユーザがドライヤ100の電源のON・OFFを切り替えるために設けられている。また、ドライヤ100を吹出口102a側から見たとき、ハンドル部103の本体筒部102に近い側における幅が電源ケーブル104に近い側における幅よりも広くなっている。
【0018】
図2に示すように、ハンドル部103の内部には、電源基板200および制御基板300が設けられている。また、ハンドル部103内部において、電源基板200は制御基板300よりも吹出口102aに近い側、制御基板300は電源基板200よりも吸込口102bに近い側に設けられている。さらに、
図4に示すように、電源基板200および制御基板300は、ハンドル部103の内部形状に沿う形状である。すなわち、ドライヤ100を吹出口102a側から見たとき、電源基板200および制御基板300では、本体筒部102側の端部における幅が、電源ケーブル104側の端部における幅よりも広くなっている。
【0019】
図4の符号1003に示すように、電源基板200は、コンデンサ201、電源スイッチ202、およびAC/DCコンバータ203を備えている基板である。電源基板200は、ハンドル部103内部において、電源スイッチ202が本体筒部102に近い位置、コンデンサ201が電源ケーブル104に近い位置となるよう配置される。コンデンサ201は、AC/DCコンバータ203を構成する部品であり、例えば電解コンデンサである。コンデンサ201は、電源基板200上において電源スイッチ202よりも本体筒部102から遠い側に設けられている。電源スイッチ202は、スライドスイッチであり、電源ケーブル104を介して供給される電力を、スイッチ110の状態に応じてドライヤ100の各部、例えば電源基板200、モータ106、およびヒータ107に供給する。AC/DCコンバータ203は、電源ケーブル104および電源スイッチ202を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、制御基板300に供給する。
【0020】
図4の符号1004に示すように、制御基板300は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)モジュール301(通信部)および制御部302を備えている基板である。制御基板300は、ハンドル部103内部において、制御部302が本体筒部102に近い位置、BLEモジュール301が電源ケーブル104に近い位置となるよう配置される。BLEモジュール301は、Bluetooth(登録商標)を用いて外部装置400との間で無線通信を行うための回路およびアンテナ等が集積されたモジュールである。但し、本発明の一態様に係る無線通信の手段は、必ずしもBluetooth(登録商標)のみに限定されず、他の無線通信の規格に基づいた手段が採用されてもよい。制御部302は、ドライヤ100の動作を統括的に制御する。BLEモジュール301は、制御基板300上において、制御部302よりも本体筒部102から遠い側に設けられる。
【0021】
ここで、設定情報とは、ドライヤ100の動作に関する情報である。ドライヤ100の動作に関する情報とは、例えばドライヤ100が吹き出す温風または冷風の温度および風量等の情報である。言い換えると設定情報は、モータ106およびヒータ107のうち少なくとも一方の動作についての情報である。また、ドライヤ100が一定の温度および風量の温風または冷風を吹き出す以外の機能を備える場合、当該機能についての設定を、設定情報としてもよい。例えば、ドライヤ100が、イオン発生機能を有するものである場合は、イオン発生機能のON・OFFまたはイオンの発生量を設定情報としてもよい。また、例えば、ドライヤ100が、温風と冷風とを一定時間ごとに交互に送風する機能を有している場合、当該機能のON・OFF、温風および冷風の温度、または温風および冷風を送風する時間についての設定を設定情報としてもよい。
【0022】
図5に示すように、制御部302は、設定情報取得部303および動作制御部304を備えている。設定情報取得部303は、BLEモジュール301を介して外部装置400から設定情報を取得し、動作制御部304に入力する。
【0023】
外部装置400は、ユーザによって操作される、BLEモジュール301を介して設定情報取得部303と無線通信を行うことが可能な装置である。ユーザは、例えば外部装置400にインストールされているアプリケーションを用いて、ドライヤ100の各種設定を変更することができる。具体的には外部装置400は、例えばスマートフォンなどの携帯端末である。
【0024】
動作制御部304は、設定情報取得部303が外部装置400から取得した設定情報に基づいてモータ106およびヒータ107の駆動を制御する。設定情報取得部303が外部装置400から設定情報を取得していない場合には、動作制御部304は、例えばドライヤ100の設計者により予め設定された設定情報に基づいてモータ106およびヒータ107の駆動を制御する。
【0025】
本発明の一様態において、ドライヤ100は、本体筒部102とハンドル部103との間で折りたたむことができないものであることが好ましい。ドライヤ100がこのような構成を有することで、ケーシング101内部の空間を十分に確保することができる。
【0026】
<ドライヤ100の動作の一例>
ドライヤ100の動作は以下のとおりである。まず、電源ケーブル104を介して電源基板200に交流電力が供給される。さらに、ユーザの操作によりスイッチ110がONになると、電源スイッチ202を介して電源基板200、モータ106、および電源基板200に交流電力が供給される。このとき、電源基板200に設けられたAC/DCコンバータ203は、供給された交流電力を直流電力に変換し、制御基板300に供給する。動作制御部304は、予め設定された設定情報に基づいてモータ106およびヒータ107を駆動させる。
【0027】
ユーザは必要に応じて外部装置400内部の設定情報を更新する。外部装置400内部の設定情報が更新された場合、外部装置400は、Bluetooth(登録商標)を用いた無線通信を行い、当該設定情報をドライヤ100に送信する。
【0028】
ドライヤ100において、設定情報取得部303は、外部装置400から送信された設定情報を、BLEモジュール301を介して取得する。設定情報取得部303は、取得した設定情報を動作制御部304に入力する。動作制御部304は、設定情報取得部303から入力された設定情報に基づいてモータ106および/またはヒータ107の駆動を制御する。
【0029】
例えば、ユーザが外部装置400を用いて温風の温度を上げる設定を行った場合、外部装置400内部の温風の温度の設定情報が更新される。動作制御部304は、当該設定情報に基づいて、温度を上げるようにヒータ107の駆動を制御する。これにより、ドライヤ100から送風される温風の温度が上昇する。
【0030】
<ドライヤ100の効果>
ドライヤ100は、BLEモジュール301を備えている。設定情報取得部303が、BLEモジュール301を介して外部装置400と無線通信を行い、設定情報を取得することにより、ユーザは外部装置400により、好みに応じてドライヤ100が備える各種機能の設定を変更することができる。また、外部装置400を用いることにより、一般的なドライヤが行うようなスイッチまたはボタンによる設定の変更を行うよりも、詳細に設定を変更することができる。
【0031】
ドライヤ100において、電源基板200および制御基板300はハンドル部103に設けられている。ハンドル部103は本体筒部102よりも高温になりにくいため、上記構成により、電源基板200および制御基板300に対する熱の影響を低減することができる。
【0032】
コンデンサ201は、電源基板200上において、電源スイッチ202よりも本体筒部102から遠い側に設けられている。また、BLEモジュール301は、制御基板300上において、制御部302よりも本体筒部102から遠い側に設けられている。コンデンサ201および制御基板300は、特に熱の影響を受けやすいが、上記構成によりドライヤ100内の高温になる箇所から離れている。そのため、コンデンサ201およびBLEモジュール301に対する熱の影響が低減される。
【0033】
ここで、特に電解コンデンサは熱による影響を非常に受けやすい。そのため上記構成によってドライヤ100内の高温になる箇所から離れることによるメリットが特に大きい。従って、上記構成は、特にコンデンサ201として電解コンデンサを用いる場合に好適である。
【0034】
また、モータ106は、駆動中にノイズを発生させる。当該ノイズは、BLEモジュール301の通信に悪影響を与え得る。しかしながら、上述したように、BLEモジュール301は、モータ106が設けられる本体筒部102から離れているため、上記ノイズのBLEモジュール301に対する影響は低減される。
【0035】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0036】
実施形態1に係るドライヤ100では、電源ケーブル104から電力が供給され、かつスイッチ110がONである場合、設定情報取得部303は、BLEモジュール301を介して外部装置400から送信される設定情報を取得する。一方、電源ケーブル104から電力が供給され、かつスイッチ110がOFFである場合、ドライヤ100の各部には電力が供給されないため、設定情報取得部303はBLEモジュール301を介して外部装置400から送信される設定情報を取得しない。
【0037】
これに対して本実施形態に係るドライヤ100aでは、電源ケーブル104から電力が供給されており、かつスイッチ110がONである場合、外部装置400から設定情報が送信されたとしても、BLEモジュール301は上記設定情報を受信しないよう設定されている。すなわち、上記状態において、設定情報取得部303はBLEモジュール301を介して設定情報を取得しない。
【0038】
一方、電源ケーブル104から電力が供給されており、かつスイッチ110がOFFである場合、電源基板200は制御基板300のみに電力を供給し、BLEモジュール301は外部装置400から送信される設定情報を受信するようプログラムされている。ユーザが外部装置400を用いて設定情報を更新すると、外部装置400は、ドライヤ100へ当該設定情報を送信する。ドライヤ100aが上記状態である場合、設定情報取得部303は、BLEモジュール301を介して更新された設定情報を取得する。
【0039】
本実施形態におけるドライヤ100aの制御基板300は、不図示の記憶領域を備えている。設定情報取得部303は、取得した設定情報を記憶領域に記憶させる。
【0040】
電源ケーブル104から電力が供給されており、かつスイッチ110がONである場合、電源基板200は、電源スイッチ202を介してモータ106、ヒータ107および制御基板300に電力を供給する。動作制御部304は、記憶領域から上記設定情報を取得し、当該設定情報に基づいてモータ106およびヒータ107の駆動を制御する。
【0041】
上述したように、ドライヤ100aでは、電源ケーブル104から電力が供給されており、かつスイッチ110がOFFである場合、電源基板200は、制御基板300のみに電力を供給する。また、電源ケーブル104から電力が供給されており、かつスイッチ110がONになったとき、BLEモジュール301は外部装置400から送信される設定情報を受信しないよう構成されている。
【0042】
上記構成により、設定情報取得部303は、電源基板200から電力が供給されており、かつスイッチ110がOFFである場合のみBLEモジュール301を介して無線通信を行う。一方、電源基板200から電力が供給されており、かつスイッチ110がONである場合、すなわちモータ106およびヒータ107が駆動しているとき、設定情報取得部303は、BLEモジュール301を介して無線通信を行わない。換言すれば、本実施形態において、制御部302は、モータ106およびヒータ107とBLEモジュール301とを別個に動作させる。制御部302において、設定情報取得部303は、モータ106およびヒータ107が動作していないときに、BLEモジュール301を介して外部装置400との間での通信を行う。そのため、モータ106によるノイズおよびヒータ107による熱によるBLEモジュール301への影響をさらに低減することが可能となる。
【0043】
〔ソフトウェアによる実現例〕
ドライヤ100の制御ブロック(特に制御部302)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0044】
後者の場合、ドライヤ100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0045】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るドライヤ100は、モータ106およびヒータ107を有するドライヤであって、外部装置400との間で通信を行うための通信部(BLEモジュール301)と、上記モータおよび上記ヒータを制御する制御部302とを備え、上記制御部は、上記外部装置から上記通信部を介して取得した、上記モータおよび上記ヒータの少なくとも一方の動作についての設定情報に基づいて上記モータおよび/または上記ヒータを制御する。
【0046】
上記の構成によれば、ドライヤは、通信を行うことで、ユーザの好みに応じて当該ドライヤが備える各種設定を変更することが可能である。
【0047】
本発明の態様2に係るドライヤは、上記態様1において、外部から空気を取り込むための吸込口102b、および取り込んだ空気を外部へ吹出す吹出口102aを有する本体筒部102と、上記本体筒部から突出するハンドル部103とを備え、上記ハンドル部に、上記通信部および上記制御部を備える制御基板300が設けられており、上記通信部は、上記制御基板上において、上記制御部よりも上記本体筒部から遠い側に設けられていてもよい。
【0048】
上記の構成によれば、通信を行うことによって設定変更を行うドライヤにおいて問題となる、通信部に対する熱の影響を低減しつつ通信を行うことが可能である。
【0049】
本発明の様態3に係るドライヤは、上記様態2において、交流電力を直流電力に変換するためのコンデンサ201および電源スイッチ202を有する電源基板200をさらに備え、上記電源基板は、上記ハンドル部に設けられており、上記コンデンサは、上記電源基板上において、上記電源スイッチよりも上記本体筒部から遠い側に設けられていてもよい。
【0050】
上記の構成によれば、コンデンサに対する熱による影響を低減することが可能である。
【0051】
本発明の様態4に係るドライヤは、上記態様1から3において、上記制御部は、上記モータおよび上記ヒータと上記通信部とを別個に動作させ、上記モータおよびヒータが動作していないときに上記通信を行ってもよい。
【0052】
上記の構成によれば、通信を行うことによって設定変更を行うドライヤにおいて問題となる通信部に対する熱の影響をより低減しつつ通信を行うことが可能である。
【0053】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0054】
100 ドライヤ
102 本体筒部
102a 吹出口
102b 吸込口
103 ハンドル部
106 モータ
107 ヒータ
200 電源基板
201 コンデンサ
202 電源スイッチ
300 制御基板
301 BLEモジュール(通信部)
302 制御部
400 外部装置