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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 304D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020026457
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021129713
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100163315
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健二
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-320089(JP,A)
【文献】特開2012-200571(JP,A)
【文献】特開2010-193960(JP,A)
【文献】特開2016-083179(JP,A)
【文献】特開2013-111291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出を実行可能な第1演出装置および第2演出装置を搭載した遊技機において、
前記第1演出装置および前記第2演出装置を用いた演出内容を決定すると共に、該演出内容に従って前記第1演出装置の演出動作を制御する第1制御手段と、
前記第1制御手段で決定された前記演出内容に従って前記第2演出装置の演出動作を制御する第2制御手段と
を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信される前記演出内容を指示するコマンドの受信を完了すると、前記第2演出装置の演出動作を開始させ、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に送信する前記コマンドの量が異なる複数の前記演出内容の中から何れかを決定可能であり、決定した前記演出内容にかかわらず所定の均一時間の経過時に合わせて前記第2制御手段への前記コマンドの送信を完了すると共に、該均一時間に基づいて設定された固定の待機時間の経過を待って前記第1演出装置の演出動作を開始させ
前記均一時間は、前記第1制御手段が決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最多である場合の送信を完了するまでの時間以上に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記第1制御手段は、決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最多に満たない場合には、不足する分を前記演出内容と関係のないダミーデータで補って送信する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機(パチンコ機)に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することで遊技を行う遊技機では、液晶表示器や、ランプや、可動部材や、演出ボタンなどの各種演出装置を搭載しているのが一般的であり、遊技の進行に伴って遊技興趣を高めるために種々の演出を行うことが可能となっている。
【0003】
こうした遊技機では、演出全体を制御する演出制御基板(いわゆるサブ制御基板)と、演出制御基板の制御下で主に液晶表示器による演出を制御する液晶制御基板とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。演出制御基板は、全体的な演出内容を決定して、ランプや、可動部材や、演出ボタンなどを用いた演出動作を制御すると共に、液晶表示器の演出内容を指示するコマンドを液晶制御基板に送信する。液晶制御基板は、受信したコマンドに従って液晶表示器を用いた演出動作を制御する。また、演出制御基板の制御による演出動作と、液晶制御基板の制御による演出動作とを同期させる場合には、液晶制御基板の制御による演出動作の準備に要する時間を予め考慮し、所定の待機時間が経過してから演出制御基板の制御による演出動作を開始することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-202993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のように演出制御基板から演出内容を指示するコマンドを液晶制御基板に送信する遊技機では、送信するコマンドの量が演出内容に応じて変動し、液晶制御基板はコマンドの受信が完了してから演出動作の制御を行うことから、コマンドの量が多く送信に時間を要すると、演出制御基板の制御による演出動作に対して、液晶制御基板の制御による演出動作が遅延してしまうことがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、演出制御基板から液晶制御基板に演出内容を指示するコマンドの量が変動しても、演出制御基板の制御による演出動作と液晶制御基板の制御による演出動作との間の遅延を抑制することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
演出を実行可能な第1演出装置および第2演出装置を搭載した遊技機において、
前記第1演出装置および前記第2演出装置を用いた演出内容を決定すると共に、該演出内容に従って前記第1演出装置の演出動作を制御する第1制御手段と、
前記第1制御手段で決定された前記演出内容に従って前記第2演出装置の演出動作を制御する第2制御手段と
を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信される前記演出内容を指示するコマンドの受信を完了すると、前記第2演出装置の演出動作を開始させ、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に送信する前記コマンドの量が異なる複数の前記演出内容の中から何れかを決定可能であり、決定した前記演出内容にかかわらず所定の均一時間の経過時に合わせて前記第2制御手段への前記コマンドの送信を完了すると共に、該均一時間に基づいて設定された固定の待機時間の経過を待って前記第1演出装置の演出動作を開始させ
前記均一時間は、前記第1制御手段が決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最多である場合の送信を完了するまでの時間以上に設定されている
ことを特徴とする。
【0008】
上述した本発明の遊技機では、
前記第1制御手段は、決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最多に満たない場合には、不足する分を前記演出内容と関係のないダミーデータで補って送信する
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1制御手段から第2制御手段に演出内容を指示するコマンドの量が変動しても、第1制御手段の制御による第1演出装置の演出動作と第2制御手段の制御による第2演出装置の演出動作との間の遅延を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施例のパチンコ機1の正面図である。
図2】本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。
図3】本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。
図4】セグメント表示部50を拡大して示した説明図である。
図5】演出表示装置41における表示の一態様を例示した説明図である。
図6】本実施例の可動部材100の移動態様を示した説明図である。
図7】主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフロ―チャートである。
図8】性能1~性能6の大当り確率を例示した説明図である。
図9】サブ制御基板220のCPU221が、遊技の演出に係る制御として行う演出制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。
図10】サブ制御基板220のCPU221が主制御基板200から受信したコマンドに対して、行う演出動作を示した説明図である。
図11】画像音声制御基板230のCPU231が、画像の表示や音声の出力に係る制御として行う画像音声制御処理を示したフローチャートである。
図12】従来例のパチンコ機1において同期演出の際にサブ演出動作に対して画像演出動作の遅延が生じる例を示したタイムチャートである。
図13】第1実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。
図14】成功演出で演出表示装置41に登場するキャラクタと、設定されている性能との関係を例示した説明図である。
図15】第1実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
図16】第2実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
図17】第3実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
図18】第4実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
図19】第5実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。
図20】第5実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
図21】第6実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。
図22】第6実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
図23】第7実施例の画像音声制御基板230のCPU231が実行する画像音声制御処理を示したフローチャートである。
図24】第7実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。
図25】第7実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例において、「前」および「表」は「遊技機を基準とする前方」、つまり「遊技者に近接する方向(遊技者から見て手前側)」を示し、「後」および「裏」は「遊技機を基準とする後方」、つまり「遊技者から離間する方向(遊技者から見て奥側)」を示す。また、「上」とは遊技者から見て「上」であることを示し、「下」とは遊技者から見て「下」であることを示し、「左」とは遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは遊技者から見て「右」であることを示す。
【0013】
A.パチンコ機の装置構成 :
A-1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
【0014】
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述する遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述するセグメント表示部を視認可能である。
【0015】
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの右側の周縁部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの左側の周縁部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの上方の左右には一対の上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面側には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、および下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
【0016】
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図3参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
【0017】
前面枠4における下皿部8の右方には、遊技者による回転操作が可能な発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図3参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが作動して、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
【0018】
また、上皿部7の手前側の縁部には、遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には、遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に操作されると、所定の遊技演出が行われる。
【0019】
A-2.遊技盤の構成 :
図2は、本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図3参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4a(透明板4b)を通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者が視認可能である。
【0020】
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40は、演出表示装置41を備えている。演出表示装置41は、液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の表示内容については別図を用いて後述する。
【0021】
また、本実施例の中央装置40は、可動部材100を備えている。本実施例の可動部材100は、上下方向に移動可能になっており、図2では、可動部材100が演出表示装置41の上方に位置した状態が示されている。尚、可動部材100の移動態様については別図を用いて後述する。
【0022】
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、内蔵のゲートセンサー27s(図3参照)によって検知されて、下方へと流下していく。
【0023】
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、第1始動口24が設けられている。第1始動口24は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性が不変(一定)であって、遊技球が常時入球可能になっている。第1始動口24に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第1始動口センサー24s(図3参照)によって検知される。
【0024】
遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口25が設けられている。本実施例の第2始動口25は、前方に向けて開口していると共に、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26が前方に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第2始動口センサー25s(図3参照)によって検知される。
【0025】
遊技領域21における第1始動口24の右方には、前方に向けて略長方形状に大きく開口した大入賞口28が設けられている。大入賞口28は、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29が前方に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、大入賞口センサー28s(図3参照)によって検知される。
【0026】
遊技領域21における第1始動口24の左方には、その他入賞口30が2つ設けられている。その他入賞口30は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性に変化がなく、遊技球が常時入球可能である。その他入賞口30に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、その他入賞口センサー30s(図3参照)によって検知される。
【0027】
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が流下する経路に影響を与える風車型ホイール31や、多数の遊技釘(図2では図示省略)が設けられている。さらに、遊技領域21の最下部には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入賞口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出される。
【0028】
本実施例のパチンコ機1において、複数の遊技釘の配置などにより、上述した第1始動口24、その他入賞口30には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、普通図柄作動ゲート27、第2始動口25、大入賞口28には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が通過または入球可能である。以下では、中央装置40の左方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「左打ち」とも表現し、中央装置40の右方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、その他入賞口30の何れかに遊技球が入球した場合は、賞球として3個の遊技球が払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が払い出される。
【0029】
さらに、遊技盤20における遊技領域21の右下方には、複数のLEDの組み合わせによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。尚、セグメント表示部50の表示内容については別図を用いて後述する。
【0030】
A-3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。機能に着目して大別すると、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3におけるRAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
【0031】
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、その他入賞口30へ入球した遊技球を検知するその他入賞口センサー30sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28s、その他入賞口センサー30sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応したコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240などに向けて送信する。
【0032】
また、主制御基板200には、第2始動口25の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉26を駆動する始動口ソレノイド26mや、大入賞口28の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉29を駆動する大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
【0033】
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ基板226、演出操作基板228などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出の制御を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対して、表示画像や出力音声を指定するコマンドを送信したり、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a~5c」ともいう)の発光パターンに応じた駆動信号をランプ基板226に送信することで各種ランプ5a~5cの発光を制御したりする。尚、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「第1制御手段」に相当しており、本実施例の各種ランプ5a~5cは、本発明の「第1演出装置」に相当している。
【0034】
また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b(以下「演出操作部10a,10b」ともいう)に対する遊技者の操作を検知すると、その操作に対応する遊技演出を行う。尚、本実施例の演出操作部10a,10bには、LEDが内蔵されており、このLEDの発光(点滅あるいは点灯)を伴う演出を行うことが可能となっている。また、本実施例の演出操作部10a,10bは、本発明の「第1演出装置」に相当している。
【0035】
さらに、本実施例のサブ制御基板220には、可動部材100を駆動する駆動モーター100mが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、駆動モーター100mに駆動信号を送信することにより、駆動モーター100mを動作させて可動部材100の上下方向の移動を制御する。尚、本実施例の可動部材100は、本発明の「第1演出装置」に相当している。
【0036】
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した音声データを音声ROM236から読み出して、その音声データの信号をアンプ基板224に送信することにより、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から音声を出力する。尚、本実施例の画像音声制御基板230のCPU231は、本発明の「第2制御手段」に相当している。また、本実施例の演出表示装置41および各種スピーカー6a,6bは、本発明の「第2演出装置」に相当している。
【0037】
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、その検知信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、払出制御基板240は、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信すると、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
【0038】
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には発射装置ユニット261が接続されている。発射装置ユニット261は、遊技球を発射するための発射モーター262や、遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263などを有している。遊技者が発射ハンドル9に触れていることをタッチスイッチ263で検知すると、発射モーター262の作動が可能となり、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
【0039】
B.遊技の概要 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で遊技者が発射ハンドル9を回転させると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に向けて発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、所望の領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域に流下させるように遊技球を発射したり(左打ちを行ったり)、中央装置40の右方の領域に流下させるように遊技球を発射したり(右打ちを行ったり)することができる。
【0040】
前述したように第1始動口24には、左打ちされた遊技球が入球可能である。遊技球が第1始動口24に入球して、第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて大当りか外れかを判定する大当り判定を行った後、セグメント表示部50にて第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)の変動表示を行う。また、第2始動口25には、右打ちされた遊技球が入球可能である。遊技球が第2始動口25に入球して、第2始動口センサー25sによって検知されると、判定乱数を取得して大当り判定を行った後、セグメント表示部50にて第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)の変動表示を行う。尚、以下では、第1特図と第2特図とを特に区別する必要がない場合には、単に「特別図柄」と称することがある。
【0041】
図4は、セグメント表示部50を拡大して示した説明図である。前述したようにセグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。図示されるようにセグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52とが設けられており、それぞれ9個のLEDで構成されている。第1特図および第2特図は、対応する表示部51,52で9個のLEDを点滅させる(点灯させるLEDを切り換える)ことによって変動表示され、所定の組み合わせのLEDを点灯させた状態で停止表示される。このとき、大当り判定の結果が大当りであれば、大当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させる。
【0042】
また、第1始動口24または第2始動口25に遊技球が入球しても、第1特図や第2特図の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、第1始動口24への入球で取得した判定乱数の値を第1特図保留として記憶し、第2始動口25への入球で取得した判定乱数の値を第2特図保留として記憶する。その後、特別図柄(第1特図または第2特図)の新たな変動表示の開始条件が満たされると、第1特図保留または第2特図保留に基づいて大当り判定を行い、対応する特別図柄の変動表示を行う。本実施例のパチンコ機1では、このような第1特図保留および第2特図保留を、それぞれ最大4つまで記憶可能である。
【0043】
図4に示されるようにセグメント表示部50には、第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)を表示する第1特図保留表示部53と、第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)を表示する第2特図保留表示部54とが設けられており、それぞれ2個のLEDで構成されている。これらの保留表示部53,54では、保留数が0個であればLEDが2個とも消灯し、保留数が1個であれば1個のLEDが点灯し、保留数が2個であれば2個のLEDが点灯し、保留数が3個であれば1個のLEDが点滅し、保留数が4個であれば、2個のLEDが点滅する。
【0044】
第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となる大当り遊技を実行する。大当り遊技では、開放した大入賞口28を、規定個数(例えば9個)の遊技球が入球するか、あるいは所定の開放時間(例えば30秒)が経過したら閉鎖するラウンド遊技が複数回繰り返される。本実施例のパチンコ機1では、複数の大当り図柄が設けられており、停止表示された大当り図柄の種類によって、大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数が異なる(例えば、4回、8回、16回)。前述したように大入賞口28に遊技球が入球すると、賞球として13個の遊技球が払い出されることから、ラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が多い大当り遊技であるほど、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。
【0045】
図4に示されるようにセグメント表示部50には、3個のLEDで構成された右打ち表示部55が設けられている。前述したように大入賞口28には、右打ちされた遊技球が入球可能であり、大当り遊技中は、遊技者にとって右打ちが有利であることから、右打ち表示部55のLEDを点灯することで遊技者に右打ちを促す。
【0046】
また、前述したように、中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能である。普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて普図当りか外れかを判定する普図当り判定を行った後、セグメント表示部50にて普通図柄の変動表示を行う。
【0047】
図4に示されるようにセグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、左右2個のLEDで構成されている。普通図柄は、普図表示部56で2個のLEDを点滅させる(点灯させるLEDを切り換える)ことによって変動表示され、一方のLEDを点灯させた状態で停止表示される。このとき、普図当り判定の結果が普図当りであれば、普図当り図柄に対応する左側のLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する右側のLEDを点灯させる。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が所定時間だけ開放状態となった後に閉鎖状態に戻る普図当り遊技が行われるので、第2始動口25に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
【0048】
また、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過しても、普通図柄の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、取得した判定乱数の値を普図保留として最大4つまで記憶することが可能である。その後、普通図柄の新たな変動表示の開始条件が満たされると、普図保留に基づいて普図当り判定や、普通図柄の変動表示を行う。図4に示されるようにセグメント表示部50には、2個のLEDで構成された普図保留表示部57が設けられており、普図保留の記憶数(普図保留数)は普図保留表示部57に表示される。
【0049】
普図当り遊技における第2始動口25の開放時間は、「電サポ状態」であるか「非電サポ状態」であるかで異なる。電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口25の開放時間が長く設定される。また、電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、且つ、普通図柄の変動時間が短く設定される。従って、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて第2始動口25に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まり、電サポ状態中は、遊技者にとって右打ちが有利であることから、大当り遊技中と同様に、右打ち表示部55のLEDを点灯することで遊技者に右打ちを促す。
【0050】
本実施例のパチンコ機1では、複数設けられた大当り図柄が「通常当り図柄」と「確変当り図柄」とに大別されており、特別図柄が何れの大当り図柄で停止表示された場合でも、大当り遊技の終了後に電サポ状態が設定される。そして、通常当り図柄である場合は、大当り遊技の終了後に、大当り判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が所定の通常確率(低確率)に設定され、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると非電サポ状態に設定される。一方、確変当り図柄である場合は、大当り遊技の終了後に大当り確率が通常確率よりも高い高確率に設定され、電サポ状態と共に次回の大当り遊技まで継続される。以下では、大当り確率が高確率に設定された状態を「確変状態」と称することがある。また、電サポ状態では、非電サポ状態よりも特別図柄の変動時間が短く設定され易いことから、電サポ状態であって、且つ大当り確率が通常確率に設定された状態を「時短状態」と称することがある。
【0051】
また、前述した特別図柄(第1特図および第2特図)の変動表示と連動して、演出表示装置41では、演出用の種々の画像が表示される。図5は、演出表示装置41における表示の一態様を例示した説明図である。演出表示装置41の表示画面上には、演出用の図柄として3つの装飾図柄41a,41b,41cや、その背景となる背景画像41dなどを表示可能である。セグメント表示部50の第1特図表示部51あるいは第2特図表示部52で特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置41においても、装飾図柄41a,41b,41cが複数の数字(例えば「1」~「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示する演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。尚、装飾図柄は、数字以外にも、文字、図形、記号等を意匠化した図柄であってもよく、遊技者が種類を識別できる形態であればよい。
【0052】
図5(a)には、3つの装飾図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左装飾図柄41aが「1」~「9」の何れかで停止表示され、次に右装飾図柄41cが停止表示され、最後に中装飾図柄41bが停止表示される。そして、3つの装飾図柄41a,41b,41cは、特別図柄(第1特図または第2特図)が外れ図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃わない組み合わせ(バラケ目)で停止表示されるのに対して、特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃った組み合わせ(ゾロ目)で停止表示される。特に、遊技者にとって通常当り図柄よりも有利な確変当り図柄で特別図柄が停止表示される場合は、装飾図柄41a,41b,41cが同じ奇数の数字で揃って停止表示される。
【0053】
こうして演出表示装置41における装飾図柄41a,41b,41cの表示内容を、特別図柄の表示内容と対応させることにより、図5(b)に示されるように3つの装飾図柄のうち2つが停止表示されたときに同じ数字であると、最後に停止表示される装飾図柄も同じ数字で揃うのではないかと、遊技者は装飾図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように2つの装飾図柄が同じ図柄で停止表示された状態で最後の装飾図柄を変動表示させながら行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、リーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。また、こうしたリーチ演出には、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、ノーマルリーチ演出よりも長期間に亘るリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが設けられており、スーパーリーチ演出に発展することによって、装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示される可能性(大当り信頼度)が高いことを示唆する。
【0054】
また、演出表示装置41の表示画面の下部には、特図保留(第1特図保留や第2特図保留)に対応する保留シンボルを表示するための保留表示領域42(図中の破線で囲まれた部分)が設けられている。本実施例の保留表示領域42では、保留シンボル(図中の小円形)として、特別図柄の変動表示を未実行である特図保留に対応する未実行シンボル43と、既に変動表示を開始した特別図柄の実行契機となった特図保留に対応する実行中シンボル44とを表示するようになっており、非電サポ状態(左打ち時)であれば、第1特図保留に対応する保留シンボルを表示し、電サポ状態(右打ち時)であれば、第2特図保留に対応する保留シンボルを表示する。前述したように第1特図保留および第2特図保留をそれぞれ最大4つまで記憶可能であることと対応して、保留表示領域42には未実行シンボル43を図5の例のように最大4つまで表示可能である。
【0055】
さらに、前述したように本実施例の中央装置40には、可動部材100が上下方向に移動可能に設置されている。図6は、本実施例の可動部材100の移動態様を示した説明図である。本実施例の可動部材100は、図中に破線で示されるように、基本的には演出表示装置41の上方に位置した上方配置となっている。
【0056】
ただし、演出表示装置41は可動部材100よりも後方に配置されており、駆動モーター100mの駆動によって可動部材100が下方に移動すると、図6に示されるように演出表示装置41の前面に位置した下方配置となる。このように可動部材100が演出表示装置41の前面に出現することにより、遊技者の注目を集めて大きな演出効果を得ることができる。そして、本実施例のパチンコ機1では、後述するように、演出表示装置41における画像の表示と、各種ランプ5a~5cの発光や可動部材100の出現を同期させる演出(以下「同期演出」ともいう)の実行が可能となっている。こうして演出表示装置41の前面に出現した可動部材100は、その後、再び駆動モーター100mの駆動によって上方に移動し、元の上方配置へと戻る。
【0057】
C.本実施例のパチンコ機の制御内容 :
C-1.遊技制御処理 :
図7は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフロ―チャートである。主制御基板200のCPU201は、所定周期で(例えば、4msec毎に)発生するタイマ割り込みに基づいて図7の遊技制御処理を実行する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
【0058】
主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を開始すると、まず、出力処理(S10)を行う。本実施例の主制御基板200では、後述する各処理においてサブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドを、RAM203に確保された出力バッファに一旦記憶するようになっており、出力処理(S10)では、出力バッファに記憶されている各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われ、払出制御基板240では、遊技球の払い出しが行われることになる。
【0059】
主制御基板200のCPU201は、出力処理(S10)に続いて、入力処理(S20)を行う。前述したように、第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入賞口30の何れかに遊技球が入球すると、賞球として遊技球を払い出すようになっている。そこで、入力処理(S20)では、入球を検知する各種センサー(第1始動口センサー24s、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、その他入賞口センサー30sなど)について、遊技球を検知したか否かを判断する。そして、遊技球を検知した場合は、遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを、上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは、次回の出力処理(S10)で払出制御基板240に向けて送信される。コマンドを受信した払出制御基板240は、前述したように遊技球の入球が第1始動口24、第2始動口25、その他入賞口30の何れかであれば、3個の遊技球を払出し、大入賞口28であれば、13個の遊技球を払い出す。
【0060】
入力処理(S20)を終了すると、次に、乱数更新処理(S30)を行う。前述したように、普図当り判定や特別図柄の大当り判定は、所定の判定乱数の値に基づいて行われる。また、これ以外にも、後述する各種の決定が専用の乱数の値に基づいて行われる。乱数更新処理(S30)では、これらの乱数の更新を行う。尚、乱数の更新は、遊技制御処理の中の乱数更新処理(S30)においてだけでなく、遊技制御処理を一旦終了してから次回の遊技制御処理を開始する(タイマ割り込みが発生する)までの間に行うこととしてもよい。また、乱数更新のための専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新してもよい。
【0061】
乱数更新処理(S30)を終了したら、ゲートセンサー検知処理(S40)を行う。ゲートセンサー検知処理(S40)では、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球をゲートセンサー27sで検知すると、普図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、普図当り判定乱数などを取得し、取得した乱数値を普図保留としてRAM203に記憶する。
【0062】
ゲートセンサー検知処理(S40)に続いて、始動口センサー検知処理(S50)を行う。始動口センサー検知処理(S50)では、第1始動口24に入球した遊技球を第1始動口センサー24sで検知すると、第1特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を第1特図保留としてRAM203に記憶する。また、第2始動口25に入球した遊技球を第2始動口センサー25sで検知すると、第2特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を第2特図保留としてRAM203に記憶する。ここで、判定乱数としては、大当り判定を行うための大当り判定乱数や、大当りの場合に特別図柄で停止表示する大当り図柄の種類を決定するための図柄決定乱数や、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの変動パターンを決定するための変動パターン決定乱数などを取得する。
【0063】
始動口センサー検知処理(S50)を終了すると、次に、普通動作処理(S60)を行う。普通動作処理(S60)では、主に次のような処理を行う。まず、普通図柄の変動表示中または普図当り遊技の実行中であるか否かを判断する。普通図柄の変動表示中および普図当り遊技の実行中の何れでもない場合は、普通図柄の停止表示から所定の確定時間が経過していることを確認した後、普図保留数が「0」であるか否かを判断する。普図保留数が「0」でなければ(普図保留が記憶されていれば)、最先に記憶された普図保留を読み出し、その読み出した普図保留(普図当り判定乱数の値)に基づいて普図当り判定を行う。この普図当り判定では、普図保留として読み出した普図当り判定乱数の値が所定の当り値であれば、普図当りと判定し、当り値以外の外れ値であれば、外れと判定する。尚、前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り確率が高く(当り値が多く)設定され、例えば、非電サポ状態では普図当り確率が100分の1に設定されるのに対して、電サポ状態では普図当り確率が100分の99に設定される。
【0064】
そして、普図当り判定の結果に基づき、普通図柄を普図当り図柄で停止表示するか、外れ図柄で停止表示するかを決定する。さらに普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始すると共に、普図保留数から「1」を減算する。前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも普通図柄の変動時間が短く設定され、例えば、非電サポ状態では変動時間が20秒に設定されるのに対して、電サポ状態では変動時間が1秒に設定される。
【0065】
普通図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断して、変動時間が経過すると、決定しておいた普図当り図柄または外れ図柄で普通図柄を停止表示する。そして、確定時間の経過を待って、停止表示された普通図柄が外れ図柄である場合は、再び普通図柄の変動表示を開始する処理を行う。一方、停止表示された普通図柄が普図当り図柄である場合は、普図当り遊技を開始する。
【0066】
普図当り遊技中は、始動口ソレノイド26mを駆動して第2始動口25を開放状態とした後、開放時間が経過したら閉鎖状態に戻す処理を行う。前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口25の開放時間が長く設定され、例えば、非電サポ状態では開放時間が0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定されるのに対して、電サポ状態では開放時間が4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定される。
【0067】
普通動作処理(S60)を終了したら、続いて、特別動作処理(S70)を行う。特別動作処理(S70)では、主に次のような処理を行う。まず、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中、大当り遊技中の何れかであるか否かを判断する。これらの何れでもない場合は、第1特図保留および第2特図保留数が「0」であるか否かを判断し、第1特図保留または第2特図保留数が「0」でなければ、特図保留として記憶されている前述した各種の判定乱数(大当り判定乱数、図柄決定乱数、変動パターン決定乱数)の値を読み出す。本実施例のパチンコ機1では、まず第2特図保留が記憶されていれば、最先に記憶された第2特図保留を読み出し、第2特図保留が記憶されていなければ、最先に記憶された第1特図保留を読み出す(第2特図保留を優先消化する)ようになっている。
【0068】
こうして第2特図保留または第1特図保留として読み出した大当り判定乱数の値に基づいて大当り判定を行う。大当り判定では、読み出した大当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値(大当り値)であれば、大当りと判定し、「外れ」に対応する値(外れ値)であれば、外れと判定する。前述したように確変状態では、非確変状態よりも大当り確率が高く(大当り値が多く)設定される。また、本実施例のパチンコ機1は、遊技ホールの管理者による性能設定ボタン(図示省略)の操作に基づいて、性能1~性能6の中から何れかを設定する性能設定機能(いわゆる設定変更機能)を有しており、性能1~性能6は、それぞれ大当り確率が異なっている。
【0069】
図8は、性能1~性能6の大当り確率を例示した説明図である。前述したように本実施例のパチンコ機1では、大当り確率が通常確率(低確率)に設定される場合(以下「低確率時」ともいう)と、確変状態のように大当り確率が高確率に設定される場合(以下「高確率時」ともいう)とがある。そのため、性能1~性能6の各々に、低確率時の大当り確率と、高確率時の大当り確率とが予め定められており、主制御基板200のROM202に記憶されている。
【0070】
図示した例によれば、性能1の大当り確率は、低確率時が160分の1であり、高確率時が50分の1である。また、性能2の大当り確率は、低確率時が155分の1、高確率時が47分の1であり、性能1よりも確率が高くなっている。さらに、性能3の大当り確率は、低確率時が150分の1、高確率時が44分の1であり、性能4の大当り確率は、低確率時が145分の1、高確率時が41分の1であり、性能5の大当り確率は、低確率時が130分の1、高確率時が38分の1であり、性能6の大当り確率は、低確率時が120分の1、高確率時が35分の1である。このように性能値が上がるほど、大当り確率が高くなっており、遊技者にとって有利となる。
【0071】
主制御基板200のCPU201は、遊技ホールの管理者による性能設定ボタンの操作が行われると、その操作に基づいて性能1~性能6の何れかを、RAM203に確保された性能設定領域に記憶することで、性能の設定を行う。また、この設定された性能は、サブ制御基板220にも伝達され、RAM223に記憶される。そして、主制御基板200のCPU201は、設定された性能に応じた大当り確率(大当り値)に従って大当り判定を行い、遊技を進行させる。
【0072】
以上のように大当り判定を行い、その結果が大当りであれば、停止表示する大当り図柄を決定する。前述したように大当り図柄は複数設けられており、通常当り図柄と確変当り図柄とに大別され、第1特図保留または第2特図保留として読み出した図柄決定乱数の値に基づいて何れかの大当り図柄を決定する。これに対して、大当り判定の結果が外れであれば、停止表示する図柄(停止図柄)として外れ図柄を決定する。
【0073】
こうして特別図柄の停止図柄を決定したら、特別図柄の変動パターンを決定する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)を識別するためのものであり、複数設けられた変動パターンは、互いに設定されている変動時間が異なっている。変動パターンの決定は、第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数の値に基づいて行われ、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて変動時間が短めの変動パターンが決定され易くなっている。
【0074】
変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特図であれば第2特図保留数から「1」を減算し、第1特図であれば第1特図保留数から「1」を減算する。また、特別図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドや、停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。これらのコマンドは、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、これらのコマンドを受信することで、特別図柄の変動表示に合わせて演出表示装置41で図柄変動演出を実行する。
【0075】
特別図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断する。前述したように特別図柄の変動時間は、変動パターンに設定されており、変動時間が経過すると、決定しておいた停止図柄(大当り図柄または外れ図柄)で特別図柄を停止表示する。また、停止表示した特別図柄を確定表示しておく時間(確定時間)を設定する。さらに、特別図柄の停止表示を示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、変動停止コマンドを受信すると、演出表示装置41での図柄変動演出を終了する。
【0076】
特別図柄の確定表示中は、確定時間が経過したか否かを判断し、確定時間が経過したら、確定表示された特別図柄が大当り図柄および外れ図柄の何れであるかを判断する。その結果、外れ図柄であった場合は、時短状態であるか否かを判断し、時短状態であれば、時短状態中の特別図柄の変動回数を計数する。そして、計数した変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、電サポ状態を終了して非電サポ状態である通常状態に設定する。また、遊技状態の変更に伴い、遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
【0077】
一方、確定表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(ラウンド回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定して、大当り遊技を開始する。前述したように停止表示(確定表示)された大当り図柄の種類に応じてラウンド回数が異なっている。また、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
【0078】
大当り遊技中は、大入賞口ソレノイド29mを駆動して大入賞口28を開放状態とすることでラウンド遊技を開始する。その後、大入賞口28に規定個数の遊技球が入球するか、あるいは開放時間が経過すると、大入賞口28を閉鎖状態としてラウンド遊技を終了し、閉鎖時間の経過を待って次のラウンド遊技を開始する。そして、設定されたラウンド回数を全て消化したら、大当り遊技を終了する。また、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
【0079】
さらに、停止表示(確定表示)された大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態を設定する。すなわち、大当り図柄が確変当り図柄であれば、確変状態(大当り確率が高確率に設定された電サポ状態)に設定し、大当り図柄が通常当り図柄であれば、時短状態(大当り確率が通常確率に設定された電サポ状態)に設定する。また、遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
【0080】
こうして特別動作処理(S70)を終了したら、図7の遊技制御処理を一旦終了し、4msec毎のタイマ割り込みが発生すると、再び図7の遊技制御処理を実行する。主制御基板200のCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、パチンコ機1での遊技を進行させる。また、主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を実行する中で各種コマンドをサブ制御基板220に向かって送信する。そして、サブ制御基板220のCPU221は、受信したコマンドに基づいて具体的な演出内容を決定し、演出表示装置41、各種スピーカー6a,6b、各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出操作部10a,10bを用いた様々な遊技演出の制御を行う。以下では、サブ制御基板220のCPU221が実行する処理について説明する。
【0081】
C-2.演出制御処理 :
図9は、サブ制御基板220のCPU221が、遊技の演出に係る制御として行う演出制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。この演出制御処理は、所定周期で(例えば、10msec毎に)発生するタイマ割り込みに基づいて行われる。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
【0082】
サブ制御基板220のCPU221は、演出制御処理を開始すると、まず、コマンド受信処理(S100)を行う。前述したように主制御基板200から各種コマンドがサブ制御基板220に向けて送信されており、コマンド受信処理(S100)では、主制御基板200からコマンドが送信されてきたか否かを判断する。そして、コマンドが送信されてきた場合は、受信したコマンドを、RAM223に確保された受信コマンド記憶領域に記憶していく。
【0083】
コマンド受信処理(S100)に続いて、演出内容決定処理(S110)を行う。この演出内容決定処理(S110)では、受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンドを解析し、コマンドに応じて具体的な演出内容を決定する。すなわち、演出表示装置41に表示する画像や、各種スピーカー6a,6bから出力する音声や、各種ランプ5a~5cの発光パターンや、可動部材100の駆動の有無や、演出操作部10a,10cに内蔵したLEDの発光パターンなどを決定する。また、所定の条件成立時に演出操作部10a,10bの操作が検知されたか否かを判断し、操作が検知された場合には、操作に対応する演出内容を決定する。
【0084】
演出内容決定処理(S110)を終了すると、次に、演出動作処理(S120)を行う。演出動作処理(S120)では、演出内容決定処理(S110)で決定した演出内容に従って、演出表示装置41、各種スピーカー6a,6b、各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出操作部10a,10bを用いた演出動作を行う。前述したように各種ランプ5a~5cの発光、可動部材100の駆動、演出操作部10a,10bの操作の検知や内臓のLEDの発光については、サブ制御基板220のCPU221が制御を行うのに対して、演出表示装置41における画像の表示、各種スピーカー6a,6bからの音声の出力については、画像音声制御基板230のCPU231が制御を行うようになっている。
【0085】
そこで、サブ制御基板220のCPU221は、演出動作処理(S120)において、各種ランプ5a~5c、可動部材100(駆動モーター100m)、演出操作部10a,10b(内蔵のLED)の駆動信号を送信することにより、これらを用いた演出動作の制御を行う。また、演出表示装置41の表示画像や各種スピーカー6a,6bの出力音声を指示するコマンドを画像音声制御基板230に向けて送信する。尚、演出内容決定処理(S110)で演出内容を決定すると、決定した演出内容に応じて画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドを、RAM223に確保された出力バッファに一旦記憶するようになっている。こうして演出動作処理(S120)を終了したら、図9の演出制御処理を一旦終了し、10msec毎のタイマ割り込みが発生すると、再び図9の演出制御処理を実行する。
【0086】
図10は、サブ制御基板220のCPU221が主制御基板200から受信したコマンドに対して、行う演出動作を示した説明図である。図示されるようにサブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から変動パターン指定コマンドを受信すると、演出表示装置41で装飾図柄41a,41b,41cを変動表示させる図柄変動演出を開始する。前述したように変動パターン指定コマンドは、セグメント表示部50で変動表示が開始される特別図柄(第1特図または第2特図)の変動パターンを指定するコマンドであり、サブ制御基板220のCPU221は、予め用意された多数の図柄変動演出の中から、指定された変動パターンの変動時間に対応する何れかの図柄変動演出を決定(選択)する。
【0087】
また、図柄変動演出の決定には、大当り判定の結果(大当りか外れか)が反映される。前述したように変動パターン指定コマンドと共に、主制御基板200からは特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドが送信されており、サブ制御基板220のCPU221は、受信した停止図柄指定コマンドに基づいて大当り判定の結果を把握することが可能である。多数の図柄変動演出には、前述したリーチ演出などが含まれており、大当り判定の結果が大当りであると、リーチ演出を行うのが一般的であると共に、外れ時に比べてノーマルリーチ演出からスーパーリーチ演出に発展する可能性が高い。一方、大当り判定の結果が外れであると、変動時間が短い変動パターンが指定されることが多く、当然ながら図柄変動演出の演出実行時間も短いことから、リーチ演出などを行う余裕がない場合には、装飾図柄41a,41b,41cを一瞬変動表示させるだけの図柄変動演出となる。
【0088】
また、図柄変動演出では、各種ランプ5a~5cを特定の色で点灯したり、可動部材100を駆動したり、演出操作部10a,10bを遊技者に操作させたりすることによって、装飾図柄41a,41b,41cが停止表示する前に大当り表示(ゾロ目)に至る可能性が高い旨を示唆することが可能である。
【0089】
そして、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から変動停止コマンドを受信すると、図柄変動演出を終了して装飾図柄41a,41b,41bを停止表示させる。このときの装飾図柄41a,41b,41cの停止態様は、大当り判定の結果に応じて決定されており、大当り判定の結果が外れであれば、同じ数字で揃わないバラケ目であるのに対して、大当りであれば、同じ数字で揃ったゾロ目である。
【0090】
また、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から大当り遊技開始コマンドを受信すると、遊技者に大当り遊技を印象付ける大当り遊技演出を開始する。例えば、大当り遊技の開始を示すファンファーレ演出を実行したり、大当り遊技中であることを示す専用の動画を再生したりする。
【0091】
さらに、大当り遊技演出では、各種ランプ5a~5cを特定の色で点灯したり、可動部材100を駆動したり、演出操作部10a,10bを遊技者に操作させたりすることによって、大当り遊技中に行われるラウンド遊技の回数や、大当り遊技の終了後に設定される遊技状態を示唆することが可能である。そして、サブ制御基板220のCPU221は、200から大当り遊技終了コマンドを受信すると、大当り遊技演出を終了する。
【0092】
また、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から遊技状態指定コマンドを受信すると、遊技状態に応じて演出態様を変更する。例えば、演出表示装置41における背景画像41dを遊技状態に対応するものに変更したり、装飾図柄41a,41b,41cを遊技状態に対応する色彩や形状に変更したりする。
【0093】
以上のようにサブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受信したコマンドに基づいて具体的な演出内容を決定し、各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出操作部10a,10bを用いた演出動作を制御すると共に、演出表示装置41の表示画像や各種スピーカー6a,6bの出力音声を指示するコマンドを画像音声制御基板230に向けて送信するようになっている。そして、画像音声制御基板230のCPU231は、受信したコマンドに従って演出表示装置41、各種スピーカー6a,6bを用いた演出動作を制御する。以下では、画像音声制御基板230のCPU231が実行する処理について説明する。
【0094】
C-3.画像音声制御処理 :
図11は、画像音声制御基板230のCPU231が、画像の表示や音声の出力に係る制御として行う画像音声制御処理を示したフローチャートである。この画像音声制御処理は、所定周期で(例えば、33.3msec毎に)発生するタイマ割り込みに基づいて行われる。尚、以下の説明では、CPU231の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
【0095】
画像音声制御基板230のCPU231は、画像音声制御処理を開始すると、まず、サブ制御基板220から送信されてくるコマンドの受信を開始したタイミングか否かを判断する(S200)。コマンドの受信を開始したタイミングである場合は(S200:yes)、受信したコマンドの記憶を開始する(S202)。画像音声制御基板230のRAM233には、受信したコマンドを記憶するための受信コマンド記憶領域が確保されている。
【0096】
一方、コマンドの受信を開始したタイミングではない場合は(S200:no)、次に、コマンドを受信中であるか否かを判断する(S204)。コマンドを受信中ではない場合は(S204:no)、未だサブ制御基板220から演出内容について指示がないので、そのまま図11の画像音声制御処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図11の画像音声制御処理を実行する。
【0097】
これに対して、コマンドを受信中である場合は(S204:yes)、S202の処理を省略し、続いて、コマンドの受信を完了したか否かを判断する(S206)。サブ制御基板220から画像音声制御基板230に送信されるコマンドの量は、サブ制御基板220で決定された演出内容に応じて変動する。そして、画像音声制御基板230のCPU231は、コマンドの受信の完了を契機として、演出表示装置41、各種スピーカー6a,6bを用いた演出動作の制御を開始するようになっている。そのため、コマンドの受信を完了していない場合は(S206:no)、演出動作の制御を開始することなく、図11の画像音声制御処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図11の画像音声制御処理を実行する。
【0098】
その後、コマンドの受信を完了した場合は(S206:yes)、演出準備処理(S208)を行う。この演出準備処理(S208)では、RAM233の受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンドに従って、画像ROM235から画像データを読み出して画像を生成したり、音声ROM236から音声データを読み出したりする。
【0099】
演出準備処理(S208)を終了したら、演出動作を実行する(S210)。すなわち、生成した画像を演出表示装置41の表示画面に出力したり、音声データの信号をアンプ基板224に送信することで各種スピーカー6a,6bから音声を出力したりする。こうして演出動作を実行すると、図11の画像音声制御処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図11の画像音声制御処理を実行する。
【0100】
以上のように画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220から受信したコマンドに従って演出表示装置41、各種スピーカー6a,6bを用いた演出動作を制御するようになっている。ただし、サブ制御基板220から演出内容を指示するコマンドを画像音声制御基板230に送信するパチンコ機1では、従来、サブ制御基板220のCPU221の制御による各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出操作部10a,10bを用いた演出動作(以下「サブ演出動作」ともいう)と、画像音声制御基板230のCPU231の制御による演出表示装置41、各種スピーカー6a,6bを用いた演出動作(以下「画像演出動作」ともいう)とを同期させる同期演出の際に、サブ演出動作に対して画像演出動作が遅延してしまうことがあった。
【0101】
図12は、従来例のパチンコ機1において同期演出の際にサブ演出動作に対して画像演出動作の遅延が生じる例を示したタイムチャートである。前述したようにサブ制御基板220のCPU221は、演出内容を決定すると、演出内容を指示するコマンドを画像音声制御基板230に向けて送信すると共に、演出内容に従ってサブ演出動作を実行する。そして、従来のパチンコ機1における同期演出の際には、コマンドを受信する画像音声制御基板230側で準備に時間を要することを予め考慮して、サブ制御基板220側に固定の待機時間を設定することが行われており、この待機時間の経過を待ってサブ演出動作を実行する。
【0102】
図12(a)には、同期演出として演出Aを指示するコマンドの送信時間に基づいて待機時間が設定された例を示しており、コマンドの送信が完了すると、待機時間が経過してサブ演出動作を開始することになる。そして、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了したことを契機に、コマンドで指示された演出内容に従って画像演出動作を実行する。従って、図12(a)の例では、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じていない。
【0103】
しかし、前述したようにサブ制御基板220から画像音声制御基板230に送信されるコマンドの量は、サブ制御基板220で決定された演出内容に応じて変動し、それに伴ってコマンドの送信時間も変動する。そして、上述した固定の待機時間は、コマンドの量が最少の場合に合わせて設定されている。
【0104】
図12(b)には、同期演出として演出Bが決定された例を示しており、演出Bを指示するコマンドの量は演出Aよりも多くなっている。そのため、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信が完了するよりも前に、固定の待機時間が経過した時点で、サブ演出動作を開始することになる。その後、コマンドの送信が完了すると、画像音声制御基板230のCPU231は、コマンドの受信の完了を契機として、画像演出動作を実行する。従って、図12(b)の例では、サブ演出動作に対して、画像演出動作の遅延が発生してしまう。そこで、本実施例のパチンコ機1では、こうした同期演出における遅延を以下のようにして抑制している。
【0105】
D.同期演出における遅延の抑制 :
D-1.第1実施例 :
図13は、第1実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。この同期演出処理は、前述した図9の演出制御処理の一部として行われる処理である。サブ制御基板220のCPU221は、同期演出処理を開始すると、まず、特定操作タイミングであるか否かを判断する(S130)。本実施例のパチンコ機1では、図柄変動演出または大当り遊技演出において演出ボタン10aの操作を受容する特定操作タイミングが設定されることがあり、その特定操作タイミングを遊技者に示唆する演出が行われる。例えば、特定操作タイミングで演出ボタン10aに内蔵のLEDを発光させたり、演出ボタン10aの操作を指示する表示を演出表示装置41に出したりする。
【0106】
そして、特定操作タイミングである場合は(S130:yes)、次に、演出ボタン10aの操作を検知したか否かを判断する(S131)。演出ボタン10aの操作を検知しなかった場合は(S131:no)、演出ボタン10aの操作に失敗した旨の失敗演出を指示するコマンドの送信を開始する(S132)。このコマンドを受信した画像音声制御基板230のCPU231は、演出表示装置41で残念表示などを行う。尚、失敗演出では、各種ランプ5a~5cの発光や、可動部材100の駆動や、演出ボタン10aに内蔵のLEDの発光などを伴わないようになっている。こうして画像音声制御基板230に向けてコマンドの送信を開始すると、図13の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図13の同期演出処理を実行する。
【0107】
これに対して、S131の判断において、演出ボタン10aの操作を検知した場合は(S131:yes)、演出ボタン10aの操作に成功した旨の成功演出の内容を決定する(S133)。同期演出として行われる成功演出では、各種ランプ5a~5cの発光や、可動部材100の駆動や、演出ボタン10aに内蔵のLEDの発光などによって遊技者に成功を印象付けると共に、前述した性能設定機能で設定されている性能(性能1~性能6の何れであるか)を演出表示装置41で示唆するようになっている。設定されている性能は、遊技者にとって有用な情報であり、本実施例のパチンコ機1では、成功演出で複数のキャラクタの中から何れかが演出表示装置41に登場し、その登場したキャラクタの種類によって、設定されている性能を示唆する。
【0108】
図14は、成功演出で演出表示装置41に登場するキャラクタと、設定されている性能との関係を例示した説明図である。図示した例では、成功演出に登場し得るキャラクタとして、キャラクタX、キャラクタY、キャラクタZの3種類が用意されている。また、成功演出の内容を指示するコマンドの量は、キャラクタXが登場する成功演出が最少であり、キャラクタYが登場する成功演出が中間であり、キャラクタZが登場する成功演出が最多である。
【0109】
そして、設定されている性能が性能1または性能2の低性能時であると、80%の確率でキャラクタXが登場し、10%の確率でキャラクタYが登場し、10%の確率でキャラクタZが登場するように成功演出を決定する。また、設定されている性能が性能3または性能4の中性能時であると、10%の確率でキャラクタXが登場し、80%の確率でキャラクタYが登場し、10%の確率でキャラクタZが登場するように成功演出を決定する。さらに、設定されている性能が性能5または性能6の高性能時であると、10%の確率でキャラクタXが登場し、10%の確率でキャラクタYが登場し、80%の確率でキャラクタZが登場するように成功演出を決定する。
【0110】
このため、成功演出では、キャラクタXが登場すると、低性能(性能1,2)である可能性が高いことを示唆し、キャラクタYが登場すると、中性能(性能3,4)である可能性が高いことを示唆し、キャラクタZが登場すると、高性能(性能5,6)である可能性が高いことを示唆する。これにより、性能値が高いほど有利である遊技者に対して、キャラクタXよりもキャラクタYの登場を期待させ、キャラクタYよりもキャラクタZの登場を期待させることができる。
【0111】
図13のS133では、こうして成功演出の内容を決定すると、次に、コマンド送信時間調整処理(S134)を行う。上述のように成功演出の内容を指示するコマンドの量は、登場するキャラクタの種類によって変動する。コマンド送信時間調整処理(S134)では、成功演出に登場するキャラクタの種類にかかわらず、画像音声制御基板230に向けてコマンドの送信を完了するまでの時間が所定の均一時間となるように調整する。第1実施例のパチンコ機1では、コマンドの量が最多であるキャラクタZの成功演出を指示するコマンドの送信を完了するまでの時間に合わせて均一時間が設定されている。そして、キャラクタXの成功演出やキャラクタYの成功演出を指示する場合には、キャラクタZの成功演出に対してコマンドの量が満たないため、不足する分を成功演出の内容とは関係のないダミーデータで補うようになっている。これにより、成功演出を指示するコマンドとダミーデータとを足し合わせて画像音声制御基板230へのデータ送信量を一定にすることができる。尚、ここで補うダミーデータは、演出内容(成功演出の種類)と対応付けて予め用意しておいてもよい。
【0112】
コマンド送信時間調整処理(S134)を終了したら、続いて、サブ演出動作(各種ランプ5a~5cの発光や、可動部材100の駆動や、演出ボタン10aに内蔵のLEDの発光など)の待機時間を設定する(S135)。この待機時間は、成功演出の内容(登場するキャラクタの種類)にかかわらず固定であって、上述の均一時間に基づいて設定されており、均一時間よりも若干長くなっている。
【0113】
こうして固定の待機時間を設定すると、画像音声制御基板230に向けて成功演出を指示するコマンドの送信を開始する(S136)。尚、キャラクタXの成功演出やキャラクタYの成功演出を指示する場合には、上述したS134のコマンド送信時間調整処理においてダミーデータで補ったコマンドを送信する。
【0114】
一方、S130の判断において、特定操作タイミングではない場合は(S130:no)、続いて、S135の処理で設定した待機時間中であるか否かを判断する(S137)。そして、待機時間中ではない場合は(S137:no)、失敗演出および成功演出の何れも行うことなく、そのまま図13の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図13の同期演出処理を実行する。
【0115】
これに対して、待機時間中である場合は(S137:yes)、S131~S136の処理を省略して、待機時間が経過したか否かを判断する(S138)。そして、未だ待機時間が経過していない場合は(S138:no)、サブ演出動作を実行することなく、図13の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図13の同期演出処理を実行する。
【0116】
その後、待機時間が経過した場合は(S138:yes)、同期演出としてサブ演出動作を実行する(S139)。すなわち、各種ランプ5a~5cを発光させたり、可動部材100を駆動したり、演出ボタン10aに内蔵のLEDを発光させたりする。こうしてサブ演出動作を実行すると、図13の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図13の同期演出処理を実行する。
【0117】
図15は、第1実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図15では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図15(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、コマンドの量が最少であるため、サブ制御基板220のCPU221は、ダミーデータで不足分を補うことにより、コマンドの送信を完了するまでの時間が所定の均一時間となるように調整する。また、固定の待機時間は均一時間に基づいて設定されており、コマンドの送信が完了すると、待機時間が経過してサブ演出動作を開始することになる。尚、コマンドの送信を完了するまでの時間は、必ずしも均一時間と完全に一致していなくてもよく、遊技者が認識できない程度のずれがあってもよい。
【0118】
そして、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのダミーデータを含めたコマンドの受信が完了したことを契機として、コマンドに従って画像演出動作を実行する。従って、図15(a)の例において、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0119】
図15(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、コマンドの量が最多であるため、サブ制御基板220のCPU221は、ダミーデータで調整することなく、コマンドを画像音声制御基板230に向けて送信する。そして、コマンドの送信が完了すると、固定の待機時間が経過してサブ演出動作を開始することになる。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了したことを契機に、画像演出動作を実行する。従って、図15(b)の例においても、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0120】
以上に説明したように第1実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221が決定した同期演出の内容にかかわらず、画像音声制御基板230へのコマンドの送信を完了するまでの時間を所定の均一時間に調整するようになっている。このようにすれば、決定された同期演出の内容に応じてコマンドの量が変動しても、コマンドの受信完了を契機とする画像演出動作の開始タイミングが一定となるので、これに合わせて待機時間を固定することにより、待機時間の経過を契機とするサブ演出動作と、画像演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることができる。
【0121】
特に、第1実施例のパチンコ機1では、同期演出の中でコマンドの量が最多である演出内容(キャラクタZの成功演出)を指示するコマンドの送信を完了するまでの時間に合わせて均一時間が設定されている。このため、決定された同期演出の内容に応じてコマンドの量が変動し、コマンドの量が少ない演出内容(キャラクタXの成功演出やキャラクタYの成功演出)が決定された場合でも、コマンドの量が最多の演出内容が決定された場合と一緒になるようにコマンドの送信を調整することにより、コマンドの受信完了を契機とする画像演出動作の開始タイミングを一律に揃えることができる。尚、均一時間は、コマンドの量が最多である場合の送信を完了するまでの時間以上に設定されていれば、何れの演出内容が決定されても、均一時間の経過時に合わせてコマンドの送信を完了することが可能となる。
【0122】
また、第1実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221が決定した同期演出の内容を指示するコマンドの量が、同期演出の中で最多のものに対して満たなければ、不足分を同期演出の内容と関係のないダミーデータで補って送信するようになっている。このようにすれば、決定された同期演出の内容に応じてコマンドの量が変動しても、最多のものに対する差分をダミーデータで補うことにより、画像音声制御基板230へのデータ送信量を一定に保つことができるので、送信を開始するタイミングを同じとしつつ、送信を完了するまでの時間を均一時間に合わせることが可能となる。
【0123】
D-2.第2実施例 :
上述した第1実施例のパチンコ機1では、コマンド送信時間調整処理(図13のS134)において、同期演出(成功演出)の内容を指示するコマンドの量が最多のものに対して不足する分を、ダミーデータで補うことにより、コマンドの送信を完了するまでの時間を均一時間に調整するようになっていた。しかし、調整の態様は、これに限られず、第2実施例のパチンコ機1では、コマンドの量に応じて送信の開始タイミングを調整することにより、均一時間の経過時に合わせてコマンドの送信を完了するようになっている。
【0124】
図16は、第2実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図16では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図16(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、コマンドの量が最少であるため、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信を猶予する送信猶予期間を設定する。
【0125】
この送信猶予期間は、コマンドの量が最多のものに対して不足する分に対応した長さに設定され、送信するコマンドの量が少ないほど送信猶予期間は長くなる。そして、送信猶予期間が経過してからコマンドの送信を開始することにより、送信猶予期間の長さと、実際にコマンドを送信している時間とを合計して所定の均一時間に合わせることができる。また、固定の待機時間が均一時間に基づいて設定されており、コマンドの送信が完了すると、待機時間が経過してサブ演出動作を開始することになる。尚、送信猶予期間の長さとコマンドの送信時間との合計は、必ずしも均一時間と完全に一致していなくてもよく、遊技者が認識できない程度のずれがあってもよい。
【0126】
そして、画像音声制御基板230のCPU231は、送信猶予期間の経過後にサブ制御基板220から送信されるコマンドの受信が完了したことを契機として、コマンドに従って画像演出動作を実行する。従って、図16(a)の例において、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0127】
図16(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、コマンドの量が最多であるため、サブ制御基板220のCPU221は、送信猶予期間を設定することなく、コマンドを画像音声制御基板230に向けて送信する。そして、コマンドの送信が完了すると、固定の待機時間が経過してサブ演出動作を開始することになる。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了したことを契機に、画像演出動作を実行する。従って、図16(b)の例においても、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0128】
以上に説明したように第2実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221が決定した同期演出の内容を指示するコマンドの量が、同期演出の中で最多のものに対して満たなければ、不足分に対応する送信猶予期間を設定し、その送信猶予期間が経過してからコマンドの送信を開始するようになっている。このようにすれば、決定された同期演出の内容に応じてコマンドの量が変動しても、コマンドの送信を開始するタイミングを適宜変更(調整)することにより、均一時間の経過時に合わせてコマンドの送信を完了することができる。その結果、前述した第1実施例と同様に、サブ演出動作と画像演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0129】
D-3.第3実施例 :
前述した第1実施例のパチンコ機1では、コマンド送信時間調整処理(図13のS134)において、同期演出の内容にかかわらず画像音声制御基板230に向けてコマンドの送信を完了するまでの時間を所定の均一時間に調整するようになっていた。これに対して、第3実施例のパチンコ機1では、コマンド送信時間調整処理を行うことなく、同期演出の内容を指示するコマンドを画像音声制御基板230に向けて送信すると共に、固定の待機時間を、同期演出の中でコマンドの量が最少である場合の送信時間よりも長く、且つコマンドの量が最多である場合の送信時間よりも短く設定するようになっている。
【0130】
図17は、第3実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図17では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図17(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最少である。また、図17の例では、同期演出の中でコマンドの量が中間であるキャラクタYの成功演出を指示するコマンドの送信時間に基づいて固定の待機時間が設定されている。そのため、サブ制御基板220のCPU221は、待機時間が経過するよりも前にコマンドの送信を完了する。
【0131】
そして、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了したことを契機に、コマンドに従って画像演出動作を実行する。その後、待機時間が経過したことを契機として、サブ制御基板220のCPU221は、サブ演出動作を実行する。従って、図17(a)の例では、画像演出動作に対して、サブ演出動作の遅延が生じる。
【0132】
図17(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最多である。そのため、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信が完了するよりも前に、固定の待機時間が経過した時点で、サブ演出動作を実行する。その後、コマンドの送信が完了すると、画像音声制御基板230のCPU231は、コマンドの受信の完了を契機として、画像演出動作を実行する。従って、図17(b)の例では、サブ演出動作に対して、画像演出動作の遅延が生じる。
【0133】
図12を用いて前述した従来例のパチンコ機1では、同期演出の内容を指示するコマンドの量が最少であると、サブ演出動作と画像演出動作との間に遅延が生じないものの、コマンドの量が最多であると、大きな遅延が生じるようになっていた。これに対して、第3実施例のパチンコ機1では、固定の待機時間を、同期演出の内容を指示するコマンドの量が最少である場合の送信時間と、コマンドの量が最多である場合の送信時間との中間に設定することにより、コマンドの量が最少の場合および最多の場合の何れにおいても、サブ演出動作および画像演出動作の一方に対して他方の遅延が生じるものの、遅延の振れ幅を従来例に比べて小さくして平均化することができる。
【0134】
D-4.第4実施例 :
前述した第1実施例のパチンコ機1では、コマンド送信時間調整処理(図13のS134)において、同期演出の内容にかかわらず画像音声制御基板230に向けてコマンドの送信を完了するまでの時間を所定の均一時間に調整するようになっていた。これに対して、第4実施例のパチンコ機1では、コマンド送信時間調整処理を行うことなく、サブ制御基板220から同期演出の内容を指示するコマンドを画像音声制御基板230に向けて送信すると共に、サブ制御基板220と画像音声制御基板230とで共通する固定の待機時間を設定するようになっている。
【0135】
図18は、第4実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図18では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図18(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最少である。また、図18の例では、サブ制御基板220における固定の待機時間が、同期演出の中でコマンドの量が最多であるキャラクタZの成功演出を指示するコマンドの送信時間に基づいて設定されている。そのため、サブ制御基板220のCPU221は、待機時間が経過するよりも前にコマンドの送信を完了する。その後、待機時間が経過してから、サブ演出動作を実行する。
【0136】
一方、画像音声制御基板230においても、サブ制御基板220からのコマンドの受信を開始すると、サブ制御基板220と共通する固定の待機時間が設定される。そして、画像音声制御基板230のCPU231は、コマンドの受信の完了ではなく、その後に待機時間が経過したことを契機に、コマンドに従って画像演出動作を実行する。従って、図18(a)の例において、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0137】
図18(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最多である。そのため、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信が完了すると、固定の待機時間が経過してサブ演出動作を実行することになる。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了すると、固定の待機時間が経過して画像演出動作を実行することになる。従って、図18(b)の例においても、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0138】
以上に説明したように第4実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220と画像音声制御基板230とで共通する固定の待機時間を設定するようになっている。このため、決定された同期演出の内容に応じてコマンドの量が変動しても、共通する待機時間の経過を契機とするサブ演出動作と画像演出操作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。また、固定の待機時間は、同期演出の中でコマンドの量が最多である場合の送信時間に基づいて設定されているので、画像音声制御基板230のCPU231は、コマンドの量にかかわらず受信の完了後に、待機時間の経過を契機として画像演出動作を実行することができる。
【0139】
D-5.第5実施例 :
上述した第1実施例ないし第4実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221が固定の待機時間の経過を契機として、サブ演出動作を実行するようになっていた。これに対して、第5実施例のパチンコ機1では、コマンドの送信が完了したことを契機として、サブ演出動作を実行するようになっている。
【0140】
図19は、第5実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。尚、図19では、前述した図13の第1実施例とは異なる点を中心に説明する。第5実施例のサブ制御基板220のCPU221は、同期演出処理を開始すると、まず、図柄変動演出または大当り遊技演出において演出ボタン10aの操作を受容する特定操作タイミングであるか否かを判断する(S140)。特定操作タイミングである場合は(S140:yes)、次に、演出ボタン10aの操作を検知したか否かを判断する(S141)。演出ボタン10aの操作を検知しなかった場合は(S141:no)、画像音声制御基板230に向けて演出ボタン10aの操作に失敗した旨の失敗演出を指示するコマンドの送信を開始する(S142)。そして、コマンドの送信を開始すると、図19の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図19の同期演出処理を実行する。
【0141】
これに対して、S141の判断において、演出ボタン10aの操作を検知した場合は(S141:yes)、演出ボタン10aの操作に成功した旨の成功演出の内容を決定する(S143)。すなわち、各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出ボタン10aに内蔵のLEDなどを用いた演出動作を決定すると共に、図14に示したように、性能設定機能で設定されている性能に応じて、成功演出で演出表示装置41に登場するキャラクタを決定する。
【0142】
同期演出として行われる成功演出の内容を決定すると、画像音声制御基板230に向けて成功演出を指示するコマンドの送信を開始する(S144)。尚、前述したように成功演出の内容を指示するコマンドの量は、登場するキャラクタの種類に応じて異なっている。また、成功演出を指示するコマンドは、RAM223に確保された出力バッファに一旦記憶されるようになっており、S144の処理では、出力バッファに記憶されているコマンドの送信を開始する。
【0143】
一方、S140の判断において、特定操作タイミングではない場合は(S140:no)、続いて、成功演出を指示するコマンドの送信を既に開始して送信中であるか否かを判断する(S145)。そして、コマンドを送信中ではない場合は(S145:no)、そのまま図19の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図19の同期演出処理を実行する。
【0144】
これに対して、コマンドを送信中である場合は(S145:yes)、S141~S144の処理を省略して、成功演出を指示するコマンドの送信が完了したか否かを判断する(S146)。第5実施例のサブ制御基板220のCPU221は、RAM223の出力バッファ内のコマンドに基づいて送信状況を把握することが可能となっている。そして、出力バッファ内にコマンドが残っており、未だコマンドの送信が完了していない場合は(S146:no)、サブ演出動作を実行することなく、図19の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図19の同期演出処理を実行する。
【0145】
その後、出力バッファ内のコマンドがなくなり、送信が完了した場合は(S146:yes)、同期演出としてサブ演出動作を実行する(S147)。すなわち、各種ランプ5a~5cを発光させたり、可動部材100を駆動したり、演出ボタン10aに内蔵のLEDを発光させたりする。そして、サブ演出動作を実行すると、図19の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図19の同期演出処理を実行する。
【0146】
図20は、第5実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図20では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図20(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最少である。また、固定の待機時間が設定されることはなく、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信を開始すると、RAM223の出力バッファを参照して送信状況を把握しており、送信の完了を確認したことを契機に、サブ演出動作を実行する。
【0147】
そして、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了したことを契機として、コマンドに従って画像演出動作を実行する。従って、図20(a)の例において、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0148】
図20(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最多である。上述した図20(a)の例と同様に、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信状況を把握しており、図20(a)の例よりも多いコマンドの送信が完了したことを確認してからサブ演出動作を実行する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了すると、画像演出動作を実行する。従って、図20(b)の例においても、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0149】
以上に説明したように第5実施例のパチンコ機1では、固定の待機時間を設定するのではなく、主制御基板200から画像音声制御基板230に向けてコマンドの送信が完了するのを待って、サブ演出動作を実行するようになっている。これにより、決定された同期演出の内容に応じてコマンドの量が変動しても、コマンドの送信が完了する前にフライングでサブ演出動作を開始することがないので、コマンドの受信完了を契機とする画像演出動作が、サブ演出動作に対して大きく遅延することを抑制することができる。
【0150】
特に、第5実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221がRAM223の出力バッファを参照してコマンドの送信状況を把握しており、実際にコマンドの送信完了を確認するので、サブ演出動作のフライングを確実に回避することができ、サブ演出動作と画像演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0151】
D-6.第6実施例 :
上述した第5実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221がコマンドの送信状況を把握し、送信の完了を確認してからサブ演出動作を実行するようになっていた。これに対して、第6実施例のパチンコ機1では、コマンドの量に基づいて送信が完了するまでの所要時間を予め算出し、その所要時間が経過するとサブ演出動作を実行するようになっている。
【0152】
図21は、第6実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。尚、図21では、前述した図19の第5実施例とは異なる点を中心に説明する。第6実施例のサブ制御基板220のCPU221は、同期演出処理を開始すると、まず、特定操作タイミングであるか否かを判断する(S150)。特定操作タイミングである場合は(S150:yes)、次に、演出ボタン10aの操作を検知したか否かを判断する(S151)。演出ボタン10aの操作を検知しなかった場合は(S151:no)、画像音声制御基板230に向けて失敗演出を指示するコマンドの送信を開始する(S152)。そして、コマンドの送信を開始すると、図21の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図21の同期演出処理を実行する。
【0153】
これに対して、S151の判断において、演出ボタン10aの操作を検知した場合は(S151:yes)、成功演出の内容を決定する(S153)。すなわち、各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出ボタン10aに内蔵のLEDなどを用いた演出動作を決定すると共に、図14に示したように、性能設定機能で設定されている性能に応じて、成功演出で演出表示装置41に登場するキャラクタを決定する。
【0154】
同期演出として行われる成功演出の内容を決定すると、成功演出の内容を指示するコマンドの送信が完了するまでの所要時間を算出する(S154)。前述したように成功演出の内容を指示するコマンドの量は、登場するキャラクタの種類に応じて異なっている。そして、送信するコマンドの量が多いほど、送信の所要時間は長くなるので、図14の例におけるコマンド送信の所要時間は、キャラクタXが登場する成功演出が最短であり、キャラクタYが登場する成功演出が中間であり、キャラクタZが登場する成功演出が最長である。
【0155】
コマンド送信の所要時間を算出したら、画像音声制御基板230に向けて成功演出を指示するコマンドの送信を開始する(S155)。そして、算出した所要時間の計時を開始する(S156)。
【0156】
一方、S150の判断において、特定操作タイミングではない場合は(S150:no)、続いて、S154の処理で算出した所要時間を計時中であるか否かを判断する(S157)。そして、所要時間を計時中ではない場合は(S157:no)、そのまま図21の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図21の同期演出処理を実行する。
【0157】
これに対して、所要時間を計時中である場合は(S157:yes)、S151~S156の処理を省略して、コマンド送信の所要時間が経過したか否かを判断する(S158)。そして、未だ所要時間が経過していない場合は(S158:no)、サブ演出動作を実行することなく、図21の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図21の同期演出処理を実行する。
【0158】
その後、コマンド送信の所要時間が経過した場合は(S158:yes)、同期演出としてサブ演出動作を実行する(S159)。すなわち、各種ランプ5a~5cを発光させたり、可動部材100を駆動したり、演出ボタン10aに内蔵のLEDを発光させたりする。こうしてサブ演出動作を実行すると、図21の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図21の同期演出処理を実行する。
【0159】
図22は、第6実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図22では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図22(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最少である。サブ制御基板220のCPU221は、成功演出の内容を指示するコマンドの量に基づいて送信の所要時間を算出し、コマンドの送信を開始すると共に、所要時間の計時を開始する。そして、所要時間が経過したことを契機に、サブ演出動作を実行する。
【0160】
また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了したことを契機として、コマンドに従って画像演出動作を実行する。従って、図22(a)の例において、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0161】
図22(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最多である。そのため、サブ制御基板220のCPU221がコマンドの量に基づいて算出する送信の所要時間は、図22(a)の例よりも長くなっており、コマンドの送信を開始してから所要時間が経過すると、サブ演出動作を実行する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了すると、画像演出動作を実行する。従って、図22(b)の例においても、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0162】
以上に説明したように第6実施例のパチンコ機1では、同期演出の内容を指示するコマンドの量に基づいて送信が完了するまでの所要時間を算出し、その所要時間が経過したことを契機に、サブ演出動作を実行するようになっている。これにより、サブ制御基板220のCPU221がコマンドの送信状況を正確に把握していなくても、予め算出した所要時間の経過に基づいて、サブ演出動作のフライングを簡便に回避することができる。その結果、前述した第5実施例と同様に、サブ演出動作と画像演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0163】
D-7.第7実施例 :
上述した第5実施例および第6実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220のCPU221が、コマンドの送信を完了すると、サブ演出動作を実行するようになっていた。これに対して、第7実施例のパチンコ機1では、画像音声制御基板230のCPU231がコマンドの受信を完了すると、受信完了通知をサブ制御基板220に向けて送信し、この受信完了通知を受けてサブ制御基板220のCPU221がサブ演出動作を実行するようになっている。
【0164】
図23は、第7実施例の画像音声制御基板230のCPU231が実行する画像音声制御処理を示したフローチャートである。図23の画像音声制御処理は、前述した図11と基本的には同様となっており、同様の部分については、図11と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。第7実施例の画像音声制御基板230のCPU231は、S206の判断において、サブ制御基板220からのコマンドの受信を完了すると(S206:yes)、演出準備処理(S208)を行った後、コマンドの受信を完了したことを示す受信完了通知をサブ制御基板220に向けて送信する(S209)。
【0165】
尚、前述したようにサブ制御基板220からは演出内容を指示する各種コマンドが送信されており、画像音声制御基板230のCPU231は、各種コマンドの全てに対して受信完了通知を送信する必要はなく、少なくとも同期演出(成功演出)を指示するコマンドに対して受信完了通知を送信するようになっていればよい。
【0166】
また、受信完了通知を送信したら、演出動作を実行する(S210)。すなわち、演出準備処理(S208)で生成した画像を演出表示装置41の表示画面に出力したり、音声データの信号をアンプ基板224に送信することで各種スピーカー6a,6bから音声を出力したりする。
【0167】
図24は、第7実施例のサブ制御基板220のCPU221が実行する同期演出処理を示したフローチャートである。尚、図24では、前述した図19の第5実施例とは異なる点を中心に説明する。第7実施例のサブ制御基板220のCPU221は、同期演出処理を開始すると、まず、特定操作タイミングであるか否かを判断する(S160)。特定操作タイミングである場合は(S160:yes)、次に、演出ボタン10aの操作を検知したか否かを判断する(S161)。演出ボタン10aの操作を検知しなかった場合は(S161:no)、画像音声制御基板230に向けて失敗演出を指示するコマンドの送信を開始する(S162)。そして、コマンドの送信を開始すると、図24の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図24の同期演出処理を実行する。
【0168】
これに対して、S161の判断において、演出ボタン10aの操作を検知した場合は(S161:yes)、成功演出の内容を決定する(S163)。すなわち、各種ランプ5a~5c、可動部材100、演出ボタン10aに内蔵のLEDなどを用いた演出動作を決定すると共に、図14に示したように、性能設定機能で設定されている性能に応じて、成功演出で演出表示装置41に登場するキャラクタを決定する。
【0169】
同期演出として行われる成功演出の内容を決定すると、画像音声制御基板230に向けて成功演出を指示するコマンドの送信を開始する(S164)。そして、サブ演出動作を行わずに待機しておく待機状態に設定する(S165)。
【0170】
一方、S160の判断において、特定操作タイミングではない場合は(S160:no)、続いて、S165の処理で設定した待機状態中であるか否かを判断する(S166)。そして、待機状態中ではない場合は(S166:no)、そのまま図24の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図24の同期演出処理を実行する。
【0171】
これに対して、待機状態中である場合は(S166:yes)、S161~S165の処理を省略して、画像音声制御基板230から受信完了通知を受信したか否かを判断する(S167)。そして、未だ受信完了通知を受信していない場合は(S167:no)、待機状態を維持したまま図24の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図24の同期演出処理を実行する。
【0172】
その後、画像音声制御基板230から受信完了通知を受信した場合は(S167:yes)、待機状態を解除し、同期演出としてサブ演出動作を実行する(S168)。すなわち、各種ランプ5a~5cを発光させたり、可動部材100を駆動したり、演出ボタン10aに内蔵のLEDを発光させたりする。こうしてサブ演出動作を実行すると、図24の同期演出処理を一旦終了し、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図24の同期演出処理を実行する。
【0173】
図25は、第7実施例のパチンコ機1において同期演出が行われる例を示したタイムチャートである。図25では、図12に示した従来例と記載を対比させている。まず、図25(a)には、同期演出である演出AとしてキャラクタXの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最少である。サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信を開始すると、サブ演出動作を待機しておく待機状態に設定する。
【0174】
そして、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からのコマンドの受信が完了すると、受信完了通知をサブ制御基板220に向けて送信し、コマンドに従って画像演出動作を実行する。また、サブ制御基板220のCPU221は、画像音声制御基板230から受信完了通知を受信したことを契機に、待機状態を解除してサブ演出動作を実行する。従って、図25(a)の例において、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0175】
図25(b)には、同期演出である演出BとしてキャラクタZの成功演出が決定された例を示しており、画像音声制御基板230に向けて送信するコマンドの量が同期演出の中で最多である。上述した図25(a)の例と同様に、サブ制御基板220のCPU221は、コマンドの送信を開始すると、待機状態に設定する。ただし、コマンドの送信を完了するまでの時間は、図25(a)の例よりも長くなっており、画像音声制御基板230のCPU231は、コマンドの受信が完了したら、サブ制御基板220に向けて受信完了通知を送信し、画像演出動作を実行する。そして、受信完了通知を受信したサブ制御基板220のCPU221は、待機状態を解除してサブ演出動作を実行する。従って、図25(b)の例においても、サブ演出動作と画像演出動作との間に大きな遅延は生じない。
【0176】
以上に説明したように第7実施例のパチンコ機1では、画像音声制御基板230のCPU231がサブ制御基板220からのコマンドの受信を完了すると、受信完了通知をサブ制御基板220に向けて送信し、この受信完了通知を受信するのを待ってサブ制御基板220のCPU221がサブ演出動作を実行するようになっている。このようにすれば、コマンドの受信完了を契機とする画像演出動作の準備ができたことを、受信完了通知によって確認してからサブ演出動作を開始することができるので、サブ演出動作と画像演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0177】
以上、本発明の各種実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0178】
例えば、前述した実施例では、特定操作タイミングで演出ボタン10aの操作を検知した場合に、同期演出として成功演出を行い、この成功演出では、各種ランプ5a~5cの発光や、可動部材100の駆動や、演出ボタン10aに内蔵のLEDの発光などによって遊技者に成功を印象付けると共に、性能設定機能で設定されている性能を、演出表示装置41に登場するキャラクタの種類によって示唆するようになっていた。しかし、同期演出は、サブ制御基板220のCPU221の制御によるサブ演出動作と、画像音声制御基板230のCPU231の制御による画像演出動作とを同期させるものであれば、これに限られない。例えば、演出ボタン10a(内蔵のLED)が発光したら演出ボタン10aを操作することを事前に演出表示装置41に表示するなどして遊技者に通知しておき、演出ボタン10aに内蔵のLEDの発光と同期させて、遊技者にとって有用な情報を演出表示装置41に表示するようにしてもよい。この場合、遊技者による演出ボタン10aの操作の有無にかかわらず、演出表示装置41に情報が表示されることになるものの、演出ボタン10aが発光したタイミングを狙って操作を行う遊技者に対して、自らの操作が成功したことによって演出表示装置41に有用な情報が表示されたように印象付けることが可能となる。
【0179】
また、前述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
【0180】
<上述した各種実施例から抽出できる遊技機A1~A3>
上述した各種実施例のパチンコ機1は、次のような遊技機A1~A3として捉えることができる。
【0181】
<遊技機A1>
演出を実行可能な第1演出装置および第2演出装置を搭載した遊技機において、
前記第1演出装置および前記第2演出装置を用いた演出内容を決定すると共に、該演出内容に従って前記第1演出装置の演出動作を制御する第1制御手段と、
前記第1制御手段で決定された前記演出内容に従って前記第2演出装置の演出動作を制御する第2制御手段と
を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信される前記演出内容を指示するコマンドの受信を完了すると、前記第2演出装置の演出動作を開始させ、
前記第1制御手段は、決定した前記演出内容にかかわらず所定の均一時間の経過時に合わせて前記第2制御手段への前記コマンドの送信を完了すると共に、該均一時間に基づいて設定された固定の待機時間の経過を待って前記第1演出装置の演出動作を開始させる
ことを特徴とする遊技機。
【0182】
このような遊技機A1によれば、第1制御手段で決定された演出内容にかかわらず、コマンドの受信完了を契機とする第2演出装置の演出動作の開始タイミングが一定となるので、これに合わせて待機時間を固定することにより、待機時間の経過を契機とする第1演出装置の演出動作と、第2演出装置の演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。尚、コマンドの送信の完了時は、必ずしも均一時間の経過時と完全に一致していなくてもよく、遊技者が認識できない程度のずれがあってもよい。
【0183】
<遊技機A2>
遊技機A1において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に送信する前記コマンドの量が異なる複数の前記演出内容の中から何れかを決定可能であり、
前記均一時間は、前記第1制御手段が決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最多である場合の送信を完了するまでの時間以上に設定されている
ことを特徴とする遊技機。
【0184】
このような遊技機A2では、第1制御手段で決定された演出内容に応じてコマンドの量が変動し、コマンドの量が少ない演出内容が決定された場合でも、コマンドの量が最多の演出内容が決定された場合と一緒になるようにコマンドの送信を調整することにより、コマンドの受信完了を契機とする第2演出装置の演出動作の開始タイミングを一律に揃えることができる。
【0185】
<遊技機A3>
遊技機A2において、
前記第1制御手段は、決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最多に満たない場合には、不足する分を前記演出内容と関係のないダミーデータで補って送信する
ことを特徴とする遊技機。
【0186】
このような遊技機A3では、第1制御手段で決定された演出内容に応じてコマンドの量が変動しても、最多のものに対する差分をダミーデータで補うことにより、第2制御手段へのデータ送信量を一定に保つことができるので、送信を開始するタイミングを同じとしつつ、送信を完了するまでの時間を均一時間に合わせることが可能となる。
【0187】
<上述した各種実施例から抽出できる遊技機B1~B4>
また、上述した各種実施例のパチンコ機1は、次のような遊技機B1~B4として捉えることができる。
【0188】
<遊技機B1>
演出を実行可能な第1演出装置および第2演出装置を搭載した遊技機において、
前記第1演出装置および前記第2演出装置を用いた演出内容を決定すると共に、該演出内容に従って前記第1演出装置の演出動作を制御する第1制御手段と、
前記第1制御手段で決定された前記演出内容に従って前記第2演出装置の演出動作を制御する第2制御手段と
を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信される前記演出内容を指示するコマンドの受信を完了すると、前記第2演出装置の演出動作を開始させ、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段への前記コマンドの送信が完了した後に前記第1演出装置の演出動作を開始させる
ことを特徴とする遊技機。
【0189】
このような遊技機B1によれば、第1制御手段で決定された演出内容に応じてコマンドの量が変動しても、コマンドの送信が完了する前にフライングで第1演出装置の演出動作を開始することがないので、コマンドの受信完了を契機とする第2演出装置の演出動作が、第1演出装置の演出動作に対して大きく遅延することを抑制することができる。
【0190】
<遊技機B2>
遊技機B1において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段への前記コマンドの送信状況を把握し、該コマンドの送信の完了を確認してから前記第1演出装置の演出動作を開始させる
ことを特徴とする遊技機。
【0191】
このような遊技機B2では、第1制御手段がコマンドの送信状況を把握しており、実際にコマンドの送信の完了を確認するので、第1演出装置の演出動作のフライングを確実に回避することができ、第1演出装置の演出動作と第2演出装置の演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0192】
<遊技機B3>
遊技機B1において、
前記第1制御手段は、決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量に基づいて、前記第2制御手段への該コマンドの送信が完了するまでの所要時間を算出し、該所要時間が経過するのを待って前記第1演出装置の演出動作を開始させる
ことを特徴とする遊技機。
【0193】
このような遊技機B3では、第1制御手段がコマンドの送信状況を正確に把握していなくても、コマンドの量から予め算出した所要時間の経過に基づいて、第1演出装置の演出動作のフライングを簡便に回避することができ、その結果、第1演出装置の演出動作と第2演出装置の演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0194】
<遊技機B4>
遊技機B1において、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信される前記コマンドの受信を完了すると、受信完了通知を前記第1制御手段に送信し、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段から前記受信完了通知を受信するのを待って前記第1演出装置の演出動作を開始させる
ことを特徴とする遊技機。
【0195】
このような遊技機B4では、コマンドの受信完了を契機とする第2演出装置の演出動作の準備ができたことを、受信完了通知によって確認してから第1演出装置の演出動作を開始することができるので、第1演出装置の演出動作と第2演出装置の演出動作との間の遅延を抑制して同期の精度を高めることが可能となる。
【0196】
<上述した各種実施例から抽出できる遊技機C1>
また、上述した各種実施例のパチンコ機1は、次のような遊技機C1として捉えることができる。
【0197】
<遊技機C1>
演出を実行可能な第1演出装置および第2演出装置を搭載した遊技機において、
前記第1演出装置および前記第2演出装置を用いた演出内容を決定すると共に、該演出内容に従って前記第1演出装置の演出動作を制御する第1制御手段と、
前記第1制御手段で決定された前記演出内容に従って前記第2演出装置の演出動作を制御する第2制御手段と
を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信される前記演出内容を指示するコマンドの受信を完了すると、前記第2演出装置の演出動作を開始させ、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に送信する前記コマンドの量が異なる複数の前記演出内容の中から何れかを決定可能であり、決定した該演出内容にかかわらず、固定の待機時間の経過を待って前記第1演出装置の演出動作を開始させ、
前記待機時間は、前記第1制御手段が決定した前記演出内容を指示する前記コマンドの量が最少である場合の送信時間よりも長く設定されている
ことを特徴とする遊技機。
【0198】
固定の待機時間をコマンドの量が最少である場合の送信時間に設定していると、決定された演出内容を指示するコマンドの量が最少であれば、第1演出装置の演出動作と第2演出装置の演出動作との間に遅延が生じないものの、コマンドの量が最多であれば、大きな遅延が生じることになる。これに対して、遊技機C1では、固定の待機時間をコマンドの量が最少である場合の送信時間よりも長く設定することにより、決定された演出内容を指示するコマンドの量が最少および最多の何れにおいても、第1演出装置の演出動作および第2演出装置の演出動作の一方に対して他方の遅延が生じるものの、遅延の振れ幅を小さくして平均化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0200】
1…パチンコ機(遊技機)、 5a…上部ランプ(第1演出装置)、
5b…右サイドランプ(第1演出装置)、
5c…左サイドランプ(第1演出装置)、
6a…上部スピーカー(第2演出装置)、
6b…下部スピーカー(第2演出装置)、
10a…演出ボタン(第1演出装置)、
10b…ジョグシャトル(第1演出装置)、
20…遊技盤、 21…遊技領域、
41…演出表示装置(第2演出装置)、
100…可動部材(第1演出装置)、100m…駆動モーター、
200…主制御基板、 201…CPU、
220…サブ制御基板、 221…CPU(第1制御手段)、
230…画像音声制御基板、 231…CPU(第2制御手段)。
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