IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両の燃料装置 図1
  • 特許-車両の燃料装置 図2
  • 特許-車両の燃料装置 図3
  • 特許-車両の燃料装置 図4
  • 特許-車両の燃料装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】車両の燃料装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 25/08 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
F02M25/08 J
F02M25/08 301H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019135118
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2021017868
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(74)【代理人】
【識別番号】100182051
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 直宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179280
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 育郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180747
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 剛彦
(72)【発明者】
【氏名】竹村 聡浩
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 和也
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-066210(JP,A)
【文献】特開平10-299582(JP,A)
【文献】特開2004-108323(JP,A)
【文献】特開平10-299585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの燃焼に用いる燃料を収容するタンクと、
前記タンクで発生する燃料ガスを前記エンジンへ供給するために、前記タンクと前記エンジンの吸気経路とを接続する燃料ガスの経路と、
前記燃料ガスの経路に開閉可能に設けられるパージ弁と、
前記パージ弁の開閉を制御して、前記タンクで発生した燃料ガスについての前記エンジンへのパージ供給を制御する制御部と、
前記燃料ガスの経路についての前記パージ弁より前記タンクの側に開閉可能に設けられる密閉弁と、
前記タンクへ燃料供給するために操作される操作部材と、
を有し、
前記制御部は、
前記操作部材が操作されていない状態において前記エンジンの動作中に前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記エンジンの動作中に発生する負圧により、前記燃料ガスの経路についての前記密閉弁から前記パージ弁までの減圧区間を減圧し、
前記密閉弁および前記パージ弁を閉じて、前記減圧区間を減圧状態に保持する、
車両の燃料装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記燃料ガスの経路についての前記密閉弁から前記パージ弁までの減圧区間を減圧し、
前記パージ弁を閉じたまま前記密閉弁を開いて、前記タンクで発生する燃料ガスを、減圧された前記減圧区間へ供給し、
前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記減圧区間へ供給された燃料ガスを前記エンジンへパージ供給する、
請求項1記載の、車両の燃料装置。
【請求項3】
前記密閉弁と前記パージ弁との間の前記減圧区間に設けられる減圧チャンバ、を有する、
請求項2記載の、車両の燃料装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記エンジンの動作中に発生する負圧により、前記密閉弁と前記パージ弁との間の前記減圧区間を減圧する、
請求項2または3記載の、車両の燃料装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記操作部材が操作される場合、前記パージ弁を閉じたまま前記密閉弁を開いて、減圧された前記減圧区間へ、前記タンクで発生する燃料ガスを供給し、
前記密閉弁および前記パージ弁を閉じて、前記減圧区間を燃料ガスの供給状態に保持する、
請求項1から4のいずれか一項記載の、車両の燃料装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記減圧区間へ燃料ガスを供給した後の前記エンジンの動作中に、前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記減圧区間へ供給されている燃料ガスを前記エンジンへパージ供給する、
請求項5記載の、車両の燃料装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記エンジンの動作中に前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記エンジンの動作中に発生する負圧により前記減圧区間を減圧し、
前記パージ弁を閉じたまま前記密閉弁を開いて、減圧された前記減圧区間へ前記タンクで発生する燃料ガスを供給し、および、
前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記減圧区間へ供給された燃料ガスを前記エンジンへパージ供給する、
ことを繰り返して、前記タンクの内圧を解放低圧以下とする、
請求項2から4のいずれか一項記載の、車両の燃料装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記密閉弁と前記パージ弁とを同時に開かないように交互に開閉制御する、
請求項2から7のいずれか一項記載の、車両の燃料装置。
【請求項9】
前記燃料ガスの経路は、前記エンジンへ混合器を吸気する吸気経路において負圧とされている部位に接続される、
請求項1から8のいずれか一項記載の、車両の燃料装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、車両の燃料装置に関する。
燃料を燃焼するエンジンを有する車両では、燃料を収容するタンクの空き領域に、燃料ガスが生成する。
このため、従来の車両では、特許文献1のように、タンクで発生する燃料ガスを、キャニスタを通じて車外へ排気している。燃料ガスに含まれる燃料成分は、キャニスタにおいて吸着材に吸着される。したがって、車外へ排気される気体は、ほぼ燃料成分が含まれていない状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-180371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両では、燃料ガスの燃料成分を吸着したキャニスタに、燃料ガスの燃料成分が蓄積される。このため、車両では、キャニスタへ外気を吸気し、キャニスタに吸着されていた燃料成分を含む燃料ガスを、エンジンへパージ供給する。
しかしながら、このようにキャニスタへ外気を吸気して、キャニスタに吸着されている燃料成分を含む燃料ガスをエンジンへパージ供給する場合、キャニスタから燃料成分を除去し終えるまでには、大量の外気をキャニスタへ吸気させる必要がある。キャニスタから燃料成分をほぼ除去するためには、大量の外気を長い時間によりキャニスタへ吸気させる必要がある。タンクで生成された燃料ガスの燃料成分をエンジンで燃焼し終えるまでには、大量の外気をキャニスタへ吸気させるように長い時間を必要とする。
【0005】
このように、車両の燃料装置は改善することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両の燃料装置は、エンジンの燃焼に用いる燃料を収容するタンクと、前記タンクで発生する燃料ガスを前記エンジンへ供給するために、前記タンクと前記エンジンの吸気経路とを接続する燃料ガスの経路と、前記燃料ガスの経路に開閉可能に設けられるパージ弁と、前記パージ弁の開閉を制御して、前記タンクで発生した燃料ガスについての前記エンジンへのパージ供給を制御する制御部と、前記燃料ガスの経路についての前記パージ弁より前記タンクの側に開閉可能に設けられる密閉弁と、前記タンクへ燃料供給するために操作される操作部材と、を有し、前記制御部は、前記操作部材が操作されていない状態において前記エンジンの動作中に前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記エンジンの動作中に発生する負圧により、前記燃料ガスの経路についての前記密閉弁から前記パージ弁までの減圧区間を減圧し、前記密閉弁および前記パージ弁を閉じて、前記減圧区間を減圧状態に保持する。

【0007】
好適には、前記制御部は、前記燃料ガスの経路についての前記密閉弁から前記パージ弁までの減圧区間を減圧し、前記パージ弁を閉じたまま前記密閉弁を開いて、前記タンクで発生する燃料ガスを、減圧された前記減圧区間へ供給し、前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記減圧区間へ供給された燃料ガスを前記エンジンへパージ供給する、とよい。
【0008】
好適には、前記密閉弁と前記パージ弁との間の前記減圧区間に設けられる減圧チャンバ、を有する、とよい。
【0009】
好適には、前記制御部は、前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記エンジンの動作中に発生する負圧により、前記密閉弁と前記パージ弁との間の前記減圧区間を減圧する、とよい。
【0011】
好適には、前記制御部は、前記操作部材が操作される場合、前記パージ弁を閉じたまま前記密閉弁を開いて、減圧された前記減圧区間へ、前記タンクで発生する燃料ガスを供給し、前記密閉弁および前記パージ弁を閉じて、前記減圧区間を燃料ガスの供給状態に保持する、とよい。
【0012】
好適には、前記制御部は、前記減圧区間へ燃料ガスを供給した後の前記エンジンの動作中に、前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記減圧区間へ供給されている燃料ガスを前記エンジンへパージ供給する、とよい。
【0013】
好適には、前記制御部は、前記エンジンの動作中に前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記エンジンの動作中に発生する負圧により前記減圧区間を減圧し、前記パージ弁を閉じたまま前記密閉弁を開いて、減圧された前記減圧区間へ前記タンクで発生する燃料ガスを供給し、および、前記密閉弁を閉じたまま前記パージ弁を開いて、前記減圧区間へ供給された燃料ガスを前記エンジンへパージ供給する、ことを繰り返して、前記タンクの内圧を解放低圧以下とする、とよい。
【0014】
好適には、前記制御部は、前記密閉弁と前記パージ弁とを同時に開かないように交互に開閉制御する、とよい。
【0015】
好適には、前記燃料ガスの経路は、前記エンジンへ混合器を吸気する吸気経路において負圧とされている部位に接続される、とよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、エンジンの燃焼に用いる燃料を収容するタンクで発生する燃料ガスを前記エンジンへ供給するために、前記タンクと前記エンジンの吸気経路とを燃料ガスの経路により接続し、前記燃料ガスの経路にパージ弁を開閉可能に設ける。前記燃料ガスの経路は、前記エンジンへ混合器を吸気する吸気経路において負圧とされている部位、に接続されてよい。そして、制御部は、パージ弁の開閉を制御して、前記タンクで発生した燃料ガスについての前記エンジンへのパージ供給を制御する。
このように本発明では、タンクで発生した燃料ガスは、そのままの状態でエンジンへパージ供給されるので、エンジンへパージ供給される燃料ガスの量は、タンクで生成された燃料ガスの量とほぼ同じになる。本発明では、キャニスタへ外気を供給して燃料ガスをエンジンへパージ供給する場合と比べて格段に少ない量の燃料ガスをエンジンへパージ供給することにより、タンクで生成された燃料ガスを、短時間でエンジンへパージ供給して燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係る自動車の説明図である。
図2図2は、図1の自動車1の燃料装置の概略構成図である。
図3図3は、タンクで発生する燃料ガスをエンジンへ供給するための燃料ガスの供給処理のフローチャートである。
図4図4は、図3の処理に基づく燃料装置の弁の開閉状態と各部の圧力状態との一例の説明図である。
図5図5は、タンクで発生する燃料ガスをエンジンへ供給するための燃料ガスの供給処理の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1の説明図である。
【0020】
図1の自動車1は、車両の一例である。自動車1の車体には、エンジン2、タンク3、が設けられる。タンク3は、エンジン2で燃焼する燃料を収容する。そして、自動車1は、燃料をタンク3からエンジン2へ供給して燃焼させ続けることにより、エンジン2に駆動力を生成させ続けて走行するものがある。この場合、タンク3に収容される燃料は、エンジン2での燃焼により減る。燃料が減ったタンク3には、空き領域が生じる。また、タンク3への燃料供給においてフルに燃料を供給しなかった場合にも、タンク3には、空き領域が生じる。タンク3の空き領域には、タンク3の燃料からガスが発生する。
【0021】
従来の自動車1では、タンク3で発生する燃料ガスを、タンク3に接続される図示外のキャニスタを通じて車外へ排気している。燃料ガスに含まれる燃料成分は、キャニスタにおいて吸着材に吸着される。したがって、車外へ排気される気体は、ほぼ燃料成分が含まれていない状態になる。そして、自動車1では、燃料ガスの燃料成分を吸着したキャニスタに、燃料ガスの燃料成分が蓄積される。このため、自動車1では、キャニスタへ外気を吸気し、キャニスタに吸着されていた燃料成分を含む燃料ガスを、エンジン2へパージ供給する。しかしながら、このようにキャニスタへ外気を吸気して、キャニスタに吸着されている燃料成分を含む燃料ガスをエンジン2へパージ供給する場合、キャニスタから燃料成分を除去し終えるまでには、大量の外気をキャニスタへ吸気させる必要がある。キャニスタから燃料成分をほぼ除去するためには、大量の外気を長い時間によりキャニスタへ吸気させる必要がある。タンク3で生成された燃料ガスの燃料成分をエンジン2で燃焼し終えるまでには、大量の外気をキャニスタへ吸気させるように長い時間を必要とする。
このように、自動車1の燃料装置10は改善することが求められている。
【0022】
図2は、図1の自動車1の燃料装置10の概略構成図である。
図2の自動車1の燃料装置10は、エンジン2、タンク3、減圧チャンバ4、インジェクタ11、密閉弁12、パージ弁13、フラップ14、を有する。
また、燃料装置10は、その制御系として、チャンバ内圧センサ21、タンク内圧センサ22、燃料量センサ23、燃料供給スイッチ24、フラップアクチュエータ25、およびこれらが接続される入出力ポート26、を有する。また、入出力ポート26、ECU27、メモリ28、およびタイマ29は、燃料装置10のシステムバスにより互いにデータ通信可能に接続される。
【0023】
インジェクタ11は、タンク3と接続される。インジェクタ11は、タンク3に収容されている液体の燃料をエンジン2へ噴出する。これにより、タンク3に収容されている液体の燃料は、噴霧された液状の燃料としてエンジン2へ供給される。
【0024】
減圧チャンバ4は、タンク3で発生する燃料ガスをエンジン2へ供給するために、タンク3とエンジン2の吸気経路とを接続する燃料ガスの経路に設けられる。燃料ガスの経路は、エンジン2へ混合気を吸気する吸気経路において負圧とされている部位、たとえばインテークマニホールド6に接続されてよい。
減圧チャンバ4は、タンク3で生成される燃料ガスを好適に収容できる容量を有するとよい。減圧チャンバ4は、タンク3と同等の圧力に耐え、かつ、インテークマニホールド6の負圧に耐える、耐圧構造でよい。また、本実施形態において、減圧チャンバ4には、キャニスタのように、吸気した燃料ガスの気体成分を車外へ排気するドレンは設けられない。減圧チャンバ4は、タンク3と同様に密閉された構造を有する。
【0025】
パージ弁13は、減圧チャンバ4と、たとえばインテークマニホールド6といったエンジン2への吸気経路とを接続する燃料ガスの経路に設けられる。パージ弁13は、減圧チャンバ4とエンジン2への吸気経路との間に接続される。パージ弁13は、開閉可能である。
【0026】
密閉弁12は、タンク3と減圧チャンバ4とを接続する燃料ガスの経路に設けられる。密閉弁12は、燃料ガスの経路においてパージ弁13よりタンク3の側となるように、タンク3と減圧チャンバ4との間に接続される。密閉弁12は、開閉可能である。
パージ弁13と密閉弁12とを共に閉じると、燃料ガスの経路についてのパージ弁13と密閉弁12との間の区間は、それ以外の区間から分離して独立に閉じることができる減圧区間5となる。減圧チャンバ4は、減圧区間5に含まれる。
【0027】
フラップ14は、タンク3の燃料の供給口を開閉する。フラップ14は、手動またはフラップアクチュエータ25により開閉され得る。フラップ14が開いている場合、タンク3への燃料の供給が可能となる。
【0028】
フラップアクチュエータ25は、フラップ14を開閉する。または、フラップアクチュエータ25は、フラップ14の開閉ロックを施錠または開錠する。
【0029】
チャンバ内圧センサ21は、減圧チャンバ4の内圧を検出する。チャンバ内圧センサ21は、減圧チャンバ4に吸着されている燃料ガスの燃料成分の内圧を検出することができる。
【0030】
タンク内圧センサ22は、タンク3の内圧を検出する。タンク内圧センサ22は、タンク3の空き領域についての内圧を検出してよい。
【0031】
燃料量センサ23は、タンク3の残燃料量を検出する。燃料量センサ23は、タンク3に収容されている液状の燃料の量を検出してよい。
【0032】
タンク3への燃料供給スイッチ24は、ユーザがタンク3へ新たな燃料供給(補給、給油)しようとする場合に操作される操作部材である。燃料供給スイッチ24は、たとえば自動車1の車室に設けられてよい。タンク3への燃料供給スイッチ24は、タンク3への燃料供給をしようとする場合にユーザにより操作される。
【0033】
入出力ポート26には、燃料装置10の各種のセンサ、各種のアクチュエータや弁が接続される。入出力ポート26には、たとえばチャンバ内圧センサ21、タンク内圧センサ22、燃料量センサ23、タンク3への燃料供給スイッチ24、フラップアクチュエータ25、密閉弁12、パージ弁13、が接続されてよい。
【0034】
タイマ29は、時刻、期間、経過時間などを計測する。
【0035】
メモリ28は、ECU27に実行されるプログラムおよびデータを記録する。メモリ28は、たとえば不揮発性メモリでよい。
【0036】
ECU27は、メモリ28に記録されているプログラムを読み込んで実行する。これにより、ECU27は、燃料装置10の制御部として機能する。
制御部としてのECU27は、たとえば、密閉弁12の開閉とパージ弁13の開閉とを独立して制御する。たとえば、ECU27は、燃料供給のために燃料供給スイッチ24が操作されると、閉じている密閉弁12を開き、さらに内圧開放の後に密閉弁12を閉じる。これにより、タンク3で発生する燃料ガスの少なくとも一部は、減圧区間5および減圧チャンバ4へ供給して収容される。ユーザは、タンク3を少なくとも減圧した状態で、新たな燃料を供給することができる。また、ECU27は、減圧区間5および減圧チャンバ4に燃料ガスが収容されている場合、閉じているパージ弁13を開く。これにより、減圧区間5および減圧チャンバ4に収容されている燃料ガスは、エンジン2の吸気経路にパージ供給される。この一連の制御により、ECU27は、タンク3で発生した燃料ガスをそのままにエンジン2へパージ供給する。パージ供給が終了すると、ECU27は、開いたパージ弁13を閉じる。また、ECU27は、タンク3の液状の燃料を、インジェクタ11からエンジン2へ直接的に供給する。これらの燃料供給を実行した場合、エンジン2は、これらの燃料供給により供給される液状の燃料および燃料ガスと空気との混合気を燃焼することになる。
【0037】
図3は、タンク3で発生する燃料ガスをエンジン2へ供給するための燃料ガスの供給処理のフローチャートである。
ECU27は、タンク3への新たな燃料供給のために、図3の燃料供給処理を繰り返し実行する。
【0038】
ステップST1において、ECU27は、初期状態への制御として、密閉弁12およびパージ弁13を閉じる。ECU27は、密閉弁12およびパージ弁13を閉ている状態から、密閉弁12とパージ弁13とを同時に開かないように交互に開くように制御する。これにより、減圧区間5および減圧チャンバ4は、タンク3およびエンジン2の吸気経路から分離される。タンク3からエンジン2へ燃料ガスが供給されることはない。
【0039】
ステップST2において、ECU27は、タンク3への燃料供給スイッチ24がON操作されたか否かを判断する。ユーザは、タンク3へ新たな燃料を供給しようとする場合、燃料供給スイッチ24をON操作する。
タンク3への燃料供給スイッチ24がON操作されていた場合、ECU27は、処理をステップST3へ進める。
タンク3への燃料供給スイッチ24がON操作されていない場合、ECU27は、処理をステップST4へ進める。
【0040】
ステップST3において、ECU27は、減圧区間5が減圧状態とされているか否かを判断する。
減圧区間5および減圧チャンバ4が減圧状態とされている場合、ECU27は、処理をステップST10へ進める。ECU27は、ステップST10以降において、タンク3から燃料ガスを排気して減圧するタンク3減圧処理と、タンク3への新たな燃料供給を許可する燃料供給処理と、を実行する。
燃料供給スイッチ24がON操作されても、減圧区間5および減圧チャンバ4が減圧状態とされていない場合、ECU27は、処理をステップST4へ進める。ECU27は、ステップST4以降において、減圧区間5および減圧チャンバ4を減圧するチャンバ減圧処理を実行する。このチャンバ減圧処理において、減圧区間5および減圧チャンバ4には、すでに燃料ガスが収容されていることもある。
【0041】
ステップST4において、ECU27は、チャンバ減圧処理を開始する。ECU27は、まず、エンジン2が動作中であるか否かを判断する。自動車1において、エンジン2は、走行中などにおいて必要に応じて動作する。エンジン2が動作中でない場合、チャンバ減圧処理が実行できないため、ECU27は、図3の処理を終了する。ECU27は、次回の図3の処理の実行まで、処理を中断する。エンジン2が動作中である場合、ECU27は、処理をステップST5へ進める。
【0042】
ステップST5において、ECU27は、チャンバ内圧センサ21から減圧区間5および減圧チャンバ4の検出内圧を取得して、収容高圧と比較する。ここで、収容高圧は、少なくともインテークマニホールド6の負圧より高い圧力であればよく、タンク3で発生する燃料ガスを減圧区間5および減圧チャンバ4へ供給した場合にこれらに生じる高い圧力でよい。この場合の収容高圧は、大気圧より高い圧力となる。検出内圧が収容高圧以上でない場合、ECU27は、図3の処理を終了する。検出内圧が収容高圧以上である場合、ECU27は、処理をステップST6へ進める。
【0043】
ステップST6において、ECU27は、減圧区間5および減圧チャンバ4からエンジン2の吸気経路への燃料ガスのパージ供給が可能であるか否かを判断する。ECU27は、パージ供給の要否やエンジン2の状態などに応じて、パージ供給の可否を判断する。パージ供給が可能でない場合、ECU27は、図3の処理を終了する。パージ供給が可能である場合、ECU27は、処理をステップST7へ進める。
【0044】
ステップST7において、ECU27は、密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、エンジン2の動作中に発生する負圧を利用してパージ供給を実行する。ECU27は、パージ弁13の開閉制御を開始してよい。パージ弁13が開くと、減圧区間5および減圧チャンバ4に収容されていた燃料ガスは、エンジン2の負圧により、エンジン2の吸気経路へ供給される。これにより、減圧区間5および減圧チャンバ4は、減圧される。
ここで、ECU27は、ステップST6において可と判断した場合に、パージ弁13を開く。これにより、ECU27は、実際にはエンジン2の状態に応じてパージ弁13を開閉制御することになる。
【0045】
ステップST8において、ECU27は、チャンバ内圧センサ21から減圧区間5および減圧チャンバ4の検出内圧を取得して、吸気経路の負圧と比較する。検出内圧が吸気経路の負圧と同等程度まで低下していない場合、ECU27は、処理をステップST6へ戻す。ECU27は、検出内圧が吸気経路の負圧と同等に低下するまで、エンジン2の状態などに応じてステップST6からST8の処理を繰り返し、パージ供給を繰り返し実行する。検出内圧が吸気経路の負圧と同等程度まで低下すると場合、ECU27は、処理をステップST9へ進める。
【0046】
ステップST9において、ECU27は、密閉弁12を閉じたままパージ弁13を閉じる。ECU27は、パージ弁13の開閉制御を終了してよい。これにより、パージ供給が終了する。また、減圧区間5および減圧チャンバ4は、内部に燃料ガスを略収容していない減圧状態に保持される。
このようなチャンバ減圧処理により、減圧区間5および減圧チャンバ4は、減圧される。また、チャンバ減圧処理の前に減圧区間5および減圧チャンバ4に収容されていた燃料ガスは、エンジン2へパージ供給され、エンジン2の燃焼に利用される。
【0047】
ステップST10において、ECU27は、タンク3減圧処理を開始する。減圧区間5および減圧チャンバ4が減圧状態である場合に燃料供給スイッチ24がON操作されると、ECU27は、タンク3減圧処理を開始する。ECU27は、まず、パージ弁13を閉じたまま密閉弁12を開く。タンク3に燃料ガスが発生している場合、タンク3の内圧が高くなる。したがって、タンク3と減圧区間5などとの内圧差により、燃料ガスがタンク3から減圧区間5および減圧チャンバ4へ供給される。特に、減圧区間5および減圧チャンバ4が、負圧により減圧されている場合、タンク3の内圧との差が大きくなり、より多くの燃料ガスをタンク3から減圧区間5などへ供給できる。
そして、密閉弁12を継続的に開き続けると、減圧区間5および減圧チャンバ4は、タンク3と連通している状態に維持されるため、タンク3で生成された燃料ガスが供給され続ける。減圧区間5および減圧チャンバ4の内圧は、タンク3の内圧と同程度まで高くなり得る。
【0048】
ステップST11において、ECU27は、タンク内圧センサ22からタンク3の検出内圧を取得するとともに、チャンバ内圧センサ21から減圧チャンバ4の検出内圧を取得して、これらの検出内圧を比較する。これらの検出内圧が同等でない場合、すなわちタンク3の検出内圧が減圧チャンバ4の検出内圧より高い場合、タンク3から減圧チャンバ4への燃料ガスの供給がさらに可能な状態であるため、ECU27は、本処理を繰り返す。これらの検出内圧が同等である場合、ECU27は、処理をステップST12へ進める。これにより、タンク3は、減圧される。
【0049】
ステップST12において、ECU27は、パージ弁13を閉じたまま密閉弁12を閉じる。減圧区間5および減圧チャンバ4には、タンク3で発生する燃料ガスが収容される。減圧区間5は、燃料ガスの供給状態に保持される。
【0050】
ステップST13において、ECU27は、タンク3への新たな燃料供給を許可する燃料供給処理を開始する。タンク3が減圧されると、ECU27は、燃料供給処理を開始する。ECU27は、まず、自動車1がたとえば図示外の車速センサの検出速度などに基づいて、停車中であるか否かを判断する。停車中でない場合、ECU27は、本処理を繰り返す。自動車1が停車すると、ECU27は、処理をステップST14へ進める。
【0051】
ステップST14において、ECU27は、フラップ14を解除する。ECU27は、フラップアクチュエータ25を作動させて、フラップ14を開くことができるように解除する。これにより、ユーザは、フラップ14を開いて、タンク3の供給口へ燃料供給ノズルを挿入して、タンク3へ燃料を供給することが可能になる。
【0052】
ステップST15において、ECU27は、タンク3の供給口のフラップ14がユーザにより閉じられたか否かを判断する。フラップ14は、たとえば燃料供給ノズルが供給口から外されることを検出して、ECU27の制御により閉じられてもよい。フラップ14が閉じられていない場合、ECU27は、本処理を繰り返して、フラップ14が閉じられるのを待つ。フラップ14が閉じられると、ECU27は、処理をステップST16へ進める。密閉型のタンク3への燃料供給では、ユーザは、燃料供給スイッチ24をON操作した後、ステップST1からステップST14までの処理が完了することを待ってフラップ14を開き、タンク3へ新たな燃料を供給することになる。
【0053】
ステップST16において、ECU27は、フラップアクチュエータ5を作動させて、フラップ14を開くことができないように施錠する。その後、ECU27は、図3の処理を終了する。
【0054】
図4は、図3の処理に基づく燃料装置10の弁の開閉状態と各部の圧力状態との一例の説明図である。
図4には、タンク3からエンジン2への燃料ガスの経路として、タンク3、密閉弁12、減圧区間5および減圧チャンバ4、パージ弁13、エンジン2、が模式的に図示されている。
【0055】
図4(A)では、密閉弁12およびパージ弁13が共に閉じている。図4(A)の初期状態では、タンク3は燃料ガスの発生により高圧となる。減圧区間5および減圧チャンバ4は、タンク3およびエンジン2から共に分離して独立し、たとえば大気圧状態にある。エンジン2は停止している。
【0056】
その後、図4(B)に示すように、パージ弁13が開くと、減圧区間5および減圧チャンバ4は、エンジン2と連通する。エンジン2の動作中に発生する負圧により、減圧区間5および減圧チャンバ4は減圧される。
【0057】
次に、図4(C)に示すように、パージ弁13を閉じると、減圧区間5および減圧チャンバ4は、エンジン2が停止しても、減圧された負圧状態に保持される。また、密閉弁12を開くと、減圧されている減圧チャンバ4および減圧区間5は、タンク3と連通する。タンク3に発生する燃料ガスは、圧力差によりタンク3から減圧チャンバ4および減圧区間5へ供給される。これにより、タンク3と、減圧チャンバ4および減圧区間5とは、たとえば低圧となる。
【0058】
次に、図4(D)に示すように、密閉弁12を閉じると、減圧チャンバ4および減圧区間5は、タンク3およびエンジン2から共に分離して独立する。ただし、減圧チャンバ4および減圧区間5は、タンク3で生じた燃料ガスを収容している。ユーザは、減圧されているタンク3に対して、新たな燃料を供給することができる。
【0059】
その後、図4(E)に示すように、パージ弁13を開くと、減圧区間5および減圧チャンバ4は、エンジン2と連通する。減圧チャンバ4および減圧区間5に収容されている燃料ガスは、エンジン2の動作中に発生する負圧により、エンジン2へパージ供給される。
以上の一連の処理により、タンク3で発生した燃料ガスは、エンジン2へ供給されて、エンジン2で燃焼される。タンク3で発生した燃料ガスは、そのまま車外に排気され難くなる。
【0060】
以上のように、本実施形態では、エンジン2の燃焼に用いる燃料を収容するタンク3で発生する燃料ガスをエンジン2へ供給するために、タンク3とエンジン2の吸気経路とを燃料ガスの経路により接続し、燃料ガスの経路にパージ弁13を開閉可能に設ける。燃料ガスの経路は、エンジン2へ混合気を吸気する吸気経路において負圧とされている部位、たとえばインテークマニホールド6に接続されてよい。そして、ECU27は、パージ弁13の開閉を制御して、タンク3で発生した燃料ガスをそのままにエンジン2へのパージ供給を制御する。
しかも、本実施形態では、燃料ガスの経路についてのパージ弁13よりタンク3の側に、密閉弁12を開閉可能に設ける。そして、ECU27は、燃料ガスの経路についての密閉弁12からパージ弁13までの減圧区間5を減圧し、パージ弁13を閉じたまま密閉弁12を開いて、減圧された減圧区間5へ、タンク3で発生する燃料ガスを供給し、密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、減圧区間5へ供給された燃料ガスをそのままにエンジン2へパージ供給する。これにより、本実施形態では、タンク3で発生した燃料ガスをそのままにエンジン2へパージ供給できる。
このように本実施形態では、タンク3で発生した燃料ガスは、そのままの状態でエンジン2へパージ供給されるので、エンジン2へパージ供給される燃料ガスの量は、タンク3で生成された燃料ガスの量とほぼ同じになる。本実施形態では、キャニスタへ外気を供給して燃料ガスをエンジン2へパージ供給する場合と比べて格段に少ない量の燃料ガスをエンジン2へパージ供給することにより、タンク3で生成された燃料ガスを、短時間でエンジン2へパージ供給して燃焼させることができる。
【0061】
本実施形態では、密閉弁12とパージ弁13との間の減圧区間5に、減圧チャンバ4を設ける。よって、密閉弁12とパージ弁13との間の減圧区間5の容量は、減圧チャンバ4により増加する。このため、たとえば残燃料量が少なくなったタンク3において多量の燃料ガスが生成されたとしても、その大部分を減圧区間5および減圧チャンバ4へ供給して、タンク3の内圧を効果的に下げることができる。
【0062】
本実施形態では、密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、エンジン2の動作中に発生する負圧により、密閉弁12とパージ弁13との間の減圧区間5を減圧する。よって、本実施形態では、減圧区間5を減圧するためのアクチュエータを用いることなく、減圧区間5を減圧することができる。
【0063】
本実施形態では、タンク3へ燃料供給するために操作される操作部材が操作されていない状態においてエンジン2の動作中に密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、エンジン2の動作中に発生する負圧により、密閉弁12とパージ弁13との間の減圧区間5を減圧し、その後に密閉弁12およびパージ弁13を閉じて、減圧区間5を減圧状態に保持する。これにより、エンジン2の動作中に、操作部材の操作によらずに、減圧区間5を減圧状態にすることができる。
しかも、その後に操作部材が操作されると、パージ弁13を閉じたまま密閉弁12を開くことにより、自動車1を停車されるためにエンジン2が停止している状態であっても、減圧された減圧区間5へ、タンク3で発生する燃料ガスを供給し、密閉弁12およびパージ弁13を閉じて、減圧区間5を燃料ガスの供給状態に保持する。これにより、エンジン2の停止中に、操作部材の操作に応じて、減圧区間5に燃料ガスを保持させることができる。
その結果、本実施形態では、さらにその後のエンジン2の動作中に、密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、減圧区間5へ供給されている燃料ガスをそのままにエンジン2へパージ供給することができる。
【0064】
本実施形態では、ECU27は、密閉弁12とパージ弁13とを同時に開かないように交互に開閉制御する。これにより、タンク3からエンジン2の供給経路までの燃料ガスの経路が、連通状態とならない。燃料ガスの経路に、タンク3の状態およびエンジン2の供給経路の状態から独立した減圧区間5を形成することができる。
【0065】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるのもではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0066】
たとえば、上記実施形態では、エンジン2へ混合気を吸気する吸気経路の負圧により、減圧区間5を減圧している。
この他にもたとえば、不図示のポンプなどにより、減圧区間5を減圧してもよい。
【0067】
上記実施形態では、ECU27は、基本的に1回のチャンバ減圧処理およびタンク3減圧処理によりタンク3を減圧し、タンク3への燃料供給処理を実行している。
この他にもたとえば、ECU27は、複数回のチャンバ減圧処理およびタンク3減圧処理を繰り返して、タンク3への燃料供給処理を実行してもよい。この場合、タンク3の内圧は、1回の減圧処理の場合よりも低い圧力まで減圧可能になる。処理前のタンク3の内圧が高い場合でも、複数回のタンク3の減圧処理により、タンク3の内圧を、大気圧と同程度の解放低圧まで下げることができる。また、減圧区間5および減圧チャンバ4の容量が小さい場合でも、複数回のタンク3の減圧処理により、タンク3の内圧を、大気圧と同程度の解放低圧まで下げることができる。ユーザは、解放低圧まで内圧が下がったタンク3に対して、新たな燃料を供給することができる。
【0068】
図5は、タンク3で発生する燃料ガスをエンジン2へ供給するための燃料ガスの供給処理の変形例のフローチャートである。
図5について、上記実施形態との相違点について説明する。
【0069】
ステップST11の判断において、タンク3の検出内圧と減圧チャンバ4の検出内圧とが同等であると判断されると、ECU27は、処理をステップST21へ進める。
ステップST21において、ECU27は、タンク3の検出内圧が、解放低圧以下まで低下しているか否かを判断する。タンク3の検出内圧が解放低圧以下まで低下していない場合、ECU27は、図5の処理を終了する。ECU27は、次回の図5の処理において、パージ供給を伴うチャンバ減圧処理と、タンク3減圧処理とを繰り返し実行する。そして、この処理を繰り返すことによりタンク3の検出内圧が解放低圧以下まで低下すると、ECU27は、処理をステップST12へ進める。ステップST12以降において、ECU27は、タンク3への燃料供給処理を実行する。
このように本変形例では、ECU27は、エンジン2の動作中に密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、エンジン2の動作中に発生する負圧により減圧区間5を減圧し、パージ弁13を閉じたまま密閉弁12を開いて、減圧された減圧区間5へタンク3で発生する燃料ガスを供給し、密閉弁12を閉じたままパージ弁13を開いて、減圧区間5へ供給された燃料ガスをそのままにエンジン2へパージ供給する、ことを繰り返して、タンク3の内圧を解放低圧以下とすることが可能である。また、本変形例では、タンク3の内圧が解放低圧以下となっている状態において、タンク3への燃料供給処理を実行することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…自動車(車両)、2…エンジン、3…タンク、4…減圧チャンバ、5…減圧区間、6…インテークマニホールド、10…燃料装置、12…密閉弁、13…パージ弁、21…チャンバ内圧センサ、22…タンク内圧センサ、24…燃料供給スイッチ(操作部材)、27…ECU、28…メモリ

図1
図2
図3
図4
図5