(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】クモ糸状ポリマー繊維、その生成方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
D01F 6/00 20060101AFI20230922BHJP
D01F 1/10 20060101ALI20230922BHJP
D01D 5/06 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
D01F6/00 A
D01F1/10
D01D5/06 Z
(21)【出願番号】P 2020500159
(86)(22)【出願日】2018-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2018092645
(87)【国際公開番号】W WO2019007217
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201710528418.3
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710528419.8
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710528427.2
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710528430.4
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710528431.9
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710528437.6
(32)【優先日】2017-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】510016575
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司北京化工研究院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL INDUSTRY,CHINA PETROLEUM & CHEMICAL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】NO.14,BEISANHUAN EAST ROAD,CHAOYANG DISTRICT,BEIJING 100013,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】喬金▲リョウ▼
(72)【発明者】
【氏名】姜超
(72)【発明者】
【氏名】戚桂村
(72)【発明者】
【氏名】張暁紅
(72)【発明者】
【氏名】宋志海
(72)【発明者】
【氏名】頼金梅
(72)【発明者】
【氏名】蔡伝倫
(72)【発明者】
【氏名】李▲ヒョウ▼海
(72)【発明者】
【氏名】王湘
(72)【発明者】
【氏名】蒋海斌
(72)【発明者】
【氏名】張江茹
(72)【発明者】
【氏名】茹越
(72)【発明者】
【氏名】高建明
(72)【発明者】
【氏名】張紅彬
(72)【発明者】
【氏名】韓朋
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-328351(JP,A)
【文献】特開2000-328352(JP,A)
【文献】特公昭45-039493(JP,B1)
【文献】特公昭45-039055(JP,B1)
【文献】特開平03-193908(JP,A)
【文献】特公昭48-029490(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00- 6/96
D01D 1/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クモ糸状ポリマー繊維であって、上記ポリマー繊維は、マトリクスポリマーおよびその中に分散した微粒子添加剤を含み、上記微粒子は平均粒径が0.1~1000ミクロンであり、上記ポリマー繊維は、繊維本体および当該繊維本体上に間隔をおいて分布しているスピンドルノット構造単位からなるクモ糸状微細構造を有し、上記スピンドルノット構造単位は上記微粒子を含有し、上記スピンドルノット構造単位の径方向高さは上記繊維本体の直径よりも大きく、
上記スピンドルノット構造単位の径方向高さは、10~300ミクロンであり、軸方向長さは、10~1000ミクロンであり、間隔は、10~5000ミクロン
であり、
上記繊維本体の直径は、5~250ミクロンであり、
上記繊維の上記マトリクスポリマーは、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ビスコース繊維、ナイロン、セルローススルホネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリイソフタルアミド、ポリ(p-フェニレンテレフタミド)、およびそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択され、
上記微粒子は、多孔質微粒子であるか、またはナノ粒子から形成された凝集体であ
り、上記多孔質微粒子は、基準GB/T21650に基づいて測定した、空隙率が10~80%であり、細孔直径が0.1~200nmであることを特徴とする、クモ糸状ポリマー繊維。
【請求項2】
上記スピンドルノット構造単位の径方向高さは、30~150ミクロンであることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項3】
上記スピンドルノット構造単位の軸方向長さは、100~300ミクロンである、請求項2に記載のポリマー繊維。
【請求項4】
上記スピンドルノット構造単位の間隔は、100~1000ミクロンである、請求項2に記載のポリマー繊維。
【請求項5】
上記繊維本体の直径は、10~150ミクロンであることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項6】
上記繊維本体の直径は、20~50ミクロンであることを特徴とする、請求項5に記載のポリマー繊維。
【請求項7】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~50重量%の上記微粒子添加剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項8】
上記微粒子は、平均粒径が0.5~200ミクロンであることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項9】
上記微粒子は、平均粒径が10~100ミクロンであることを特徴とする、請求項8に記載のポリマー繊維。
【請求項10】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~50重量%の上記多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項11】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、3~40重量%の上記多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項10に記載のポリマー繊維。
【請求項12】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~30重量%の上記多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項10に記載のポリマー繊維。
【請求項13】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~25重量%の上記多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項10に記載のポリマー繊維。
【請求項14】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~20重量%の上記多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項10に記載のポリマー繊維。
【請求項15】
上記多孔質微粒子は、基準GB/T21650に基づいて測定した空隙率が20~50%であることを特徴とする、請求項
1に記載のポリマー繊維。
【請求項16】
上記多孔質微粒子は、基準GB/T21650に基づいて測定した細孔直径が1~50nmであることを特徴とする、請求項
1に記載のポリマー繊維。
【請求項17】
上記多孔質微粒子は、球状多孔質微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項18】
上記球状多孔質微粒子の平均粒径は、10~150ミクロンであることを特徴とする、請求項
17に記載のポリマー繊維。
【請求項19】
上記球状多孔質微粒子の平均粒径は、20~100ミクロンであることを特徴とする、請求項
17に記載のポリマー繊維。
【請求項20】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~49重量%の上記球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
17に記載のポリマー繊維。
【請求項21】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、3~40重量%の上記球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
20に記載のポリマー繊維。
【請求項22】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~30重量%の上記球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
20に記載のポリマー繊維。
【請求項23】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~25重量%の上記球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
20に記載のポリマー繊維。
【請求項24】
上記球状多孔質微粒子は、シリカ多孔質微小球、ポリスチレン多孔質微小球、炭酸カルシウム多孔質微小球、エポキシ樹脂多孔質微小球、ポリ乳酸多孔質微小球、フェノール樹脂多孔質微小球、キトサン多孔質微小球、炭素多孔質微小球、ヒドロキシアパタイト多孔質微小球、ゼラチン多孔質微小球、金属多孔質微小球、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項
17に記載のポリマー繊維。
【請求項25】
上記多孔質微粒子はシリカ多孔質微小球であり、上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~45重量%の上記シリカ多孔質微小球を含むことを特徴とする、請求項
24に記載のポリマー繊維。
【請求項26】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~30重量%の上記シリカ多孔質微小球を含むことを特徴とする、請求項
25に記載のポリマー繊維。
【請求項27】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~25重量%の上記シリカ多孔質微小球を含むことを特徴とする、請求項
25に記載のポリマー繊維。
【請求項28】
上記多孔質微粒子はポリスチレン多孔質微小球であり、上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~46重量%の上記ポリスチレン多孔質微小球を含むことを特徴とする、請求項
24に記載のポリマー繊維。
【請求項29】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~30重量%の上記ポリスチレン多孔質微小球を含むことを特徴とする、請求項
28に記載のポリマー繊維。
【請求項30】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~25重量%の上記ポリスチレン多孔質微小球を含むことを特徴とする、請求項
28に記載のポリマー繊維。
【請求項31】
上記多孔質微粒子は非球状多孔質微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項32】
上記非球状多孔質微粒子の平均粒径は、篩い分け方法によって決定される場合、60~12500メッシュであることを特徴とする、請求項
31に記載のポリマー繊維。
【請求項33】
上記非球状多孔質微粒子の平均粒径は、篩い分け方法によって決定される場合、80~1250メッシュであることを特徴とする、請求項
31に記載のポリマー繊維。
【請求項34】
上記非球状多孔質微粒子の平均粒径は、篩い分け方法によって決定される場合、80~600メッシュであることを特徴とする、請求項
31に記載のポリマー繊維。
【請求項35】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~48重量%の上記非球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
31に記載のポリマー繊維。
【請求項36】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、3~40重量%の上記非球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
35に記載のポリマー繊維。
【請求項37】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~30重量%の上記非球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
35に記載のポリマー繊維。
【請求項38】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~25重量%の上記非球状多孔質微粒子を含むことを特徴とする、請求項
35に記載のポリマー繊維。
【請求項39】
上記非球状多孔質微粒子は、分子篩、カラムクロマトグラフィ用シリカゲル、非球状ポリスチレン微粒子、非球状二酸化チタン多孔質微粒子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項
31に記載のポリマー繊維。
【請求項40】
上記
非球状多孔質微粒子はカラムクロマトグラフィ用シリカゲルであり、上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~44重量%の上記カラムクロマトグラフィ用シリカゲルを含むことを特徴とする、請求項
39に記載のポリマー繊維。
【請求項41】
上記カラムクロマトグラフィ用シリカゲルは、篩い分け方法によって決定される場合、平均粒径が60~400メッシュであることを特徴とする、請求項
40に記載のポリマー繊維。
【請求項42】
上記カラムクロマトグラフィ用シリカゲルは、篩い分け方法によって決定される場合、平均粒径が80~300メッシュであることを特徴とする、請求項
40に記載のポリマー繊維。
【請求項43】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~30重量%の上記カラムクロマトグラフィ用シリカゲルを含むことを特徴とする、請求項
40に記載のポリマー繊維。
【請求項44】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、5~25重量%の上記カラムクロマトグラフィ用シリカゲルを含むことを特徴とする、請求項
40に記載のポリマー繊維。
【請求項45】
上記ナノ粒子から形成された凝集体は噴霧乾燥粉末ゴムであることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項46】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、1~50重量%の上記噴霧乾燥粉末ゴムを含むことを特徴とする、請求項
45に記載のポリマー繊維。
【請求項47】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、10~30重量%の上記噴霧乾燥粉末ゴムを含むことを特徴とする、請求項
46に記載のポリマー繊維。
【請求項48】
上記ポリマー繊維は、上記繊維の上記マトリクスポリマーの重量に対して、20~30重量%の上記噴霧乾燥粉末ゴムを含むことを特徴とする、請求項
46に記載のポリマー繊維。
【請求項49】
上記噴霧乾燥粉末ゴムの平均粒径は10~100ミクロンであることを特徴とする、請求項
45に記載のポリマー繊維。
【請求項50】
上記噴霧乾燥粉末ゴムの平均粒径は20~50ミクロンであることを特徴とする、請求項
49に記載のポリマー繊維。
【請求項51】
上記噴霧乾燥粉末ゴムは、完全加硫粉末ゴムであることを特徴とする、請求項
45に記載のポリマー繊維。
【請求項52】
上記噴霧乾燥粉末ゴムは、完全加硫粉末天然ゴム、完全加硫粉末スチレン-ブタジエンゴム、完全加硫粉末カルボキシル化スチレン-ブタジエンゴム、完全加硫粉末ニトリルブタジエンゴム、完全加硫粉末カルボキシル化ニトリルブタジエンゴム、完全加硫粉末ポリブタジエンゴム、完全加硫粉末シリコーンゴム、完全加硫粉末クロロプレンゴム、完全加硫粉末アクリレートゴム、完全加硫粉末スチレン-ブタジエン-ビニルピリジンゴム、完全加硫粉末イソプレンゴム、完全加硫粉末ブチルゴム、完全加硫粉末ポリスルフィドゴム、完全加硫粉末アクリレート-ブタジエンゴム、完全加硫粉末ポリウレタンゴム、完全加硫粉末フルオロゴム、および完全加硫粉末エチレン-酢酸ビニルゴムからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、請求項
51に記載のポリマー繊維。
【請求項53】
上記完全加硫粉末ゴムのゲル含有量は、60重量%以上であることを特徴とする、請求項
51に記載のポリマー繊維。
【請求項54】
上記完全加硫粉末ゴムのゲル含有量は、75重量%以上であることを特徴とする、請求項
51に記載のポリマー繊維。
【請求項55】
上記完全加硫粉末ゴムのゲル含有量は、80重量%以上であることを特徴とする、請求項
51に記載のポリマー繊維。
【請求項56】
上記ポリイソフタルアミドは、ポリ(m-フェニレンイソフタルアミド)であることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項57】
上記ポリビニルアルコールの重合度は400~4000であり、アルコール分解の度合いは55%~99%であることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー繊維。
【請求項58】
上記ポリビニルアルコールの重合度は、1000~2500であることを特徴とする、請求項
57に記載のポリマー繊維。
【請求項59】
上記ポリビニルアルコールのアルコール分解の度合いは、88%~99%であることを特徴とする、請求項
57に記載のポリマー繊維。
【請求項60】
請求項1~
59のいずれか1項に記載のポリマー繊維を生成する方法であって、
(1)上記繊維の上記マトリクスポリマーおよび上記微粒子添加剤を溶媒中に分散させることで上記溶媒中に上記繊維の上記マトリクスポリマーを溶解させて溶液を形成し、上記微粒子を当該溶液中に均一に分散させ、これにより、均一な紡糸ドープを得る工程と、
(2)対応する凝固液を作成する工程と、
(3)上記紡糸ドープを上記凝固液に押し出すことで上記紡糸ドープによる紡糸を行い、凝固乾燥した後、生成物を収集して一次繊維を得る工程と、
(4)必要に応じて、上記一次繊維を延伸してクモ糸状ポリマー繊維を得る工程と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項61】
上記微粒子は多孔質微粒子であり、工程(4)における上記延伸が行われることを特徴とする、請求項
60に記載の方法。
【請求項62】
工程(1)において、上記繊維の上記マトリクスポリマーの使用量は、上記溶媒100重量部に対して、5~50重量部であることを特徴とする、請求項
60に記載の方法。
【請求項63】
工程(1)において、上記溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、水、硫酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項
60に記載の方法。
【請求項64】
工程(2)において、上記凝固液は、硫酸ナトリウム水溶液、メタノール、酢酸エチル、水、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項
60に記載の方法。
【請求項65】
上記繊維の上記マトリクスポリマーはポリビニルアルコールであり、上記溶媒は1,4-ジオキサンであり、上記凝固液は、メタノール、酢酸エチル、およびメタノールと1,4-ジオキサンとからなる二成分溶液からなる群から選択されることを特徴とする、請求項
60に記載の方法。
【請求項66】
工程(3)または(4)で得られた上記繊維を架橋溶液に浸漬し、水で洗浄して乾燥させた後、得られた生成物を収集する架橋工程(5)をさらに含むことを特徴とする、請求項
60~
65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
上記繊維の上記マトリクスポリマーがポリビニルアルコールであり、上記架橋溶液が酸とアルデヒドと、必要に応じて硫酸ナトリウムとからなる水溶液であることを特徴とする、請求項
66に記載の方法。
【請求項68】
上記酸は、塩酸および硫酸、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、無機酸であることを特徴とする、請求項
67に記載の方法。
【請求項69】
上記アルデヒドは、ホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒド、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項
67に記載の方法。
【請求項70】
請求項1~
59のいずれか1項に記載のポリマー繊維の、集水材料としての使用または集水材料の生成のための使用。
【請求項71】
上記集水材料が、島、沿岸砂漠、または霧の多い山岳地帯における空気中の水分を集めるために使用され、または、空港、高速道路、または灯台の周りの濃い霧を一掃・消散させるために使用されることを特徴とする、請求項
70に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学バイオニクスの技術分野に関し、より詳細には、クモ糸状ポリマー繊維、その生成方法、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水資源は、人間社会の発展のための重要な天然資源である。地球上の水の量は膨大であるが、人間の生産や生活に直接利用できる水はごくわずかであり、地球上の水の総量の約0.26%に過ぎない。水資源の持続可能な利用は、全ての天然資源の持続可能な発展と利用において最も重要な課題の一つである。近年、淡水資源の不足状況が徐々に現れつつある。世界の80カ国以上で約15億人が淡水の不足に直面しており、その内、26カ国で3億人が完全に水不足状態で生活している。2025年までに、全世界で40以上の国と地域において、30億人が水不足に直面すると予測されている。淡水資源の不足は、社会の発展を制限してきた。従って、淡水資源不足の問題を解決することは極めて急務である。可能な解決策として、12兆9000億トンの水蒸気含有量を有する大気に頼ることが考えられる。大気中の水蒸気は、将来の人間生活に使用するための重要な「水源」となる可能性がある。
【0003】
クモは、大気を水源として利用する自然界におけるパイオニアの一つである。クモの巣が湿った環境にあるとき、水蒸気はその中の捕捉糸の表面上で凝縮して小さな水滴を形成し、繊維中の周期的なスピンドルノット構造によって捕捉糸の曲率半径は周期的に変形し、それによって、ラプラス圧力差が生じて水滴に繊維径方向の不均一な応力をかけ、これにより、水滴はある方向に(スピンドルノットに向かって)移動するように押される。このような水滴の方向性移動は、小さな液滴を迅速に集めて大きな水ビーズを形成し、それによって気化効果を弱め、大気中の水を迅速に収集し易くするのに好ましい。上述のような過程を利用して、クモが大気中の水分を収集することで自身の生存を確保しているその方法から、淡水危機を解決するための新たなアイデアが得られる。つまり、大気中からの迅速な水分収集を実現するために、スピンドルノット構造を有するクモ糸状繊維の開発というアイデアが得られる。この新しいアイデアは、砂漠、島、および他の地域での幅広い用途が見込まれており、空港等の特定の場所で水蒸気を一掃させるために使用されることが期待される。
【0004】
従来技術では、クモ糸と同様の構造を有する人工繊維を生成するために、主に二つの方法がある。
【0005】
一つ目の方法は含浸法であり、中国特許出願公開CN102776785A号(出願番号201110223679.7号)に開示されているクモ糸構造を模倣する集水性ポリマーフィラメントが、この方法を採用している。この方法では、既存の繊維をポリマー溶液に浸漬した後、取り出して乾燥させ、乾燥中に、レイリー不安定性を利用して上記ポリマー溶液から繊維表面に液滴の列を形成・下垂させ、乾燥硬化後、軸方向に配列したスピンドルノットを得て、これにより、クモ糸状構造を有する繊維を得る。上記特許出願に基づき、中国特許出願公開CN102587139A号(出願番号201210004686.2)では、生成された繊維の表面上の突出ノット(すなわちスピンドルノット)の高さが、小さなものから大きなものまで均一に制御可能であり、繊維の表面上にはより微細な突起部または微小細孔が存在し、それによって繊維の集水効率を向上させている。この方法は、既存の繊維に対する後処理に属する。
【0006】
二つ目の方法は、機器に対する要求が高い静電紡糸法である。中国特許出願公開CN103334244A号(出願番号201310227113.0)は、エレクトロスピニングストリング状繊維の自己組織化生成法を開示し、ここで、自己集合が人工繊維の表面上で起こることでエレクトロスピニング技術によってミクロンサイズのストリング状構造を形成し、それによって人工クモ糸繊維が得られる。しかしながら、エレクトロスピニング機器は比較的高価であり、エレクトロスピニング方法に使用できるポリマーはほんの数種類しかない。
【発明の概要】
【0007】
従来技術における上記の問題に鑑みて、本発明の目的は繊維の表面上で水滴の方向性移動を実現可能であり、それによって集水機能を有するクモ糸状ポリマー繊維を提供することである。また、当該繊維の生成方法は簡単に実施可能であり、設備も低コストである。
【0008】
驚くべきことに、上記目的は、以下の手順によって達成されることが見出された:ミクロンサイズ(典型的には0.1~1000ミクロンの平均粒径)の微粒子添加剤が紡糸方法においてマトリクスポリマー中に導入される;微粒子はマトリクスポリマーの紡糸方法中に溶解も溶融もされず、その結果、繊維本体および繊維本体上に間隔をおいて分布するスピンドルノットの構造単位を含む、クモ糸状微細構造を有するポリマー繊維が形成される;スピンドルノット構造単位は上記の微粒子を含有する(それぞれのスピンドルノット構造単位が一つ以上の微粒子を含有し得る)。スピンドルノット構造単位が間隔をおいて分布しているポリマー繊維のクモ糸状微細構造は、水蒸気の凝縮中に形成される小さな水滴の繊維表面上での方向性移動をもたらして大きな水ビーズを形成することが可能であり、それによって、水ビーズを形成するために水ビーズの比表面積および蒸発の程度を低減する。従って、水蒸気の収束が加速し、その結果、微細構造が集水機能を有する。
【0009】
本発明にかかるポリマー繊維の生成方法では、紡糸中にミクロサイズの粒子を添加することにより、繊維の生成中にスピンドルノット構造を得ることが可能であり、すなわち、クモ糸状ポリマー繊維を一工程で得ることができる。従って、上述の方法では、既存の紡糸方法および関連する設備を大きく変更する必要がない。方法自体を考慮すると、当該方法は既存の方法よりも単純であり、コストが低い。特に、多孔質微粒子の場合、繊維の生成中に多孔質構造の内部にマイクロファイバー網状組織を形成することが可能であり、従って、多孔質構造は微粒子添加剤と繊維マトリクスとの間の相互作用を強化することが可能であり、それによって、繊維の機械的特性に対する微粒子添加剤の影響を低減することができる。
【0010】
〔用語および定義〕
本明細書における「間隔をおいて分布している」という用語は、繊維上に配された二つの隣接するスピンドルノット構造単位が繊維によって連結されていること、すなわち、二つの隣接するスピンドルノット構造単位の間に配置されているものが繊維本体部分であることを意味する。
【0011】
「繊維本体」という用語は、スピンドルノット構造単位間に配されている繊維の直線状の本体構造、言い換えれば、スピンドルノット構造単位によって離間される繊維の主要構成部分を指す。
【0012】
「スピンドルノット」という用語は、繊維本体から径方向外側に突出した紡錘状の構造を指す。スピンドルノットの径方向高さは繊維本体の直径よりも大きい。「紡錘状」という用語は、構造において、中央部が太く、両端部が細く鋭いことを意味する。
【0013】
具体的には、一例として、
図6に示すSEM(Scanning Electronic Microscopy:走査電子顕微鏡)写真および
図10に示す光学顕微鏡写真がこれらの構造および関連するパラメータを示している。スピンドルノット構造単位を「1」とし、繊維本体を「2」として示す。
【0014】
スピンドルノット構造単位の径方向高さ「a」は、単一のスピンドルノット構造単位について、繊維径方向に繊維軸から最も離れたその上端点とその下端点との間の垂直距離を指す。
【0015】
スピンドルノット構造単位の軸方向長さ「b」は、単一のスピンドルノット構造単位について、繊維軸方向に繊維本体から径方向外側に突出するスピンドルノットの開始点と終了点との間の距離を指す。典型的には、開始点および終了点は、繊維本体の直径から約5%分変化する位置として指定される。
【0016】
スピンドルノット構造単位の間隔「d」は、繊維軸方向における二つの隣接するスピンドルノット構造単位の隣接する終点(開始点または終了点)間の距離を指す。
【0017】
繊維本体の直径「c」は、繊維本体、すなわちスピンドルノット構造がない繊維部分の直径を指す。スピンドルノット構造単位を有する繊維については、同一の繊維上のスピンドルノットによって離間された繊維本体の複数の部分(通常、SEM写真では三つの部分が明瞭に見える)の直径の平均値を、繊維全体の本体の直径とする。
【0018】
繊維軸方向とは、繊維の縦方向(machine direction)を指し、繊維本体が長手方向に伸びる方向でもある。
【0019】
繊維径方向とは、繊維軸方向に垂直な方向、すなわち、繊維の縦方向(machine direction)に垂直な方向を指す。
【0020】
本明細書に記載される繊維本体および紡錘結節のサイズまたは微粒子の粒径は、特に明記しない限り、SEM方法によって決定される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
具体的には、本発明は、以下の技術的解決策を提供する。
【0022】
第1の態様では、本発明は、クモ糸状ポリマー繊維であって、上記ポリマー繊維は、マトリクスポリマーおよびその中に分散した微粒子添加剤を含み、上記微粒子は平均粒径が0.1~1000ミクロンであり、上記ポリマー繊維は、繊維本体および当該繊維本体上に間隔をおいて分布しているスピンドルノット構造単位からなるクモ糸状微細構造を有し、上記スピンドルノット構造単位は上記微粒子を含有し、上記スピンドルノット構造単位の径方向高さは上記繊維本体の直径よりも大きい、クモ糸状ポリマー繊維を提供する。
【0023】
好ましくは、スピンドルノット構造単位の径方向高さは、10~300ミクロン、好ましくは20~200ミクロン、より好ましくは30~150ミクロンであり、軸方向長さは、10~1000ミクロン、好ましくは20~700ミクロン、より好ましくは40~300ミクロン、さらにより好ましくは100~300ミクロンであり、間隔は、10~5000ミクロン、好ましくは50~3000ミクロン、より好ましくは100~1000ミクロンである。
【0024】
繊維本体の直径は、5~250ミクロン、好ましくは5~200ミクロン、より好ましくは10~150ミクロン、より好ましくは10~100ミクロン、さらにより好ましくは20~50ミクロンであってもよい。
【0025】
繊維のマトリクスポリマーは、当該技術分野で知られる様々な繊維形成ポリマーであってもよく、好ましくは湿式紡糸に適したポリマーであり、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ビスコース繊維、ナイロン、セルローススルホネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリイソフタルアミド(好ましくはポリ(m-フェニレンイソフタルアミド))、ポリ(p-フェニレンテレフタミド)、およびそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択され、好ましくは、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ビスコース繊維、ポリ(m-フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択され、より好ましくは、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、およびそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択され、さらにより好ましくは、ポリビニルアルコールであってもよい。ポリビニルアルコールの重合度は、好適には400~4000、好ましくは500~3000、より好ましくは1000~2500である。ポリビニルアルコールのアルコール分解の度合いは、好適には55%~99%、好ましくは88%~99%である。
【0026】
本発明に使用される微粒子は、平均粒径が0.1~1000ミクロン、好ましくは0.5~200ミクロン、より好ましくは10~100ミクロンである任意の好適なミクロンサイズの粒子であってもよい。微粒子は、固体微粒子(例えば、固体ガラス微小球)、多孔質微粒子、またはナノ粒子から形成された凝集体(例えば、噴霧乾燥粉末ゴム)であってもよい。
【0027】
本発明にかかるポリマー繊維は、繊維のマトリクスポリマーの重量に対して、1~50重量%の微粒子添加剤を含んでもよい。微粒子として多孔質微粒子を用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~50部、好ましくは3~40部、より好ましくは5~30部、より好ましくは5~25部、さらにより好ましくは5~20部、の多孔質微粒子。
【0028】
繊維マトリクスとしての成分a中の繊維のマトリクスポリマーと、添加剤としての成分b中の多孔質微粒子とが、スピンドルノット構造を形成する。
【0029】
多孔質微粒子の空隙率は、好ましくは10~80%、好ましくは20~60%、より好ましくは20~50%である。
【0030】
多孔質微粒子の細孔直径は、好ましくは0.1~200nm、より好ましくは0.5~150nm、さらにより好ましくは1~50nmである。
【0031】
多孔質微粒子は、球状多孔質微粒子および非球状多孔質微粒子を含む。
【0032】
球状多孔質微粒子の平均粒径は、好ましくは0.5~200μm、より好ましくは10~150μm、さらにより好ましくは20~100μmである。
【0033】
非球状多孔質微粒子の平均粒径は、篩い分け方法によって決定される場合、60~12500メッシュ、好ましくは80~1250メッシュ、より好ましくは80~600メッシュであってもよい。
【0034】
多孔質微粒子は、本明細書に記載されるパラメータを満たす様々な市販の多孔質微粒子であってもよく、または当該技術分野で知られた方法によって自作されてもよい。
【0035】
例えば、球状多孔質微粒子は、シリカ多孔質微小球、ポリスチレン多孔質微小球、炭酸カルシウム多孔質微小球、エポキシ樹脂多孔質微小球、ポリ乳酸多孔質微小球、フェノール樹脂多孔質微小球、キトサン多孔質微小球、炭素多孔質微小球、ヒドロキシアパタイト多孔質微小球、ゼラチン多孔質微小球、金属多孔質微小球、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、好ましくは、シリカ多孔質微小球、ポリスチレン多孔質微小球、炭酸カルシウム多孔質微小球、エポキシ樹脂多孔質微小球、ポリ乳酸多孔質微小球、フェノール樹脂多孔質微小球、キトサン多孔質微小球、炭素多孔質微小球、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、より好ましくは、シリカ多孔質微小球、ポリスチレン多孔質微小球、炭酸カルシウム多孔質微小球、炭素多孔質微小球、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0036】
微粒子として球状多孔質微粒子を用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~49部、好ましくは3~40部、より好ましくは5~30部、最も好ましくは5~25部、の球状多孔質微粒子。
【0037】
微粒子としてシリカ多孔質微小球を用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~45部、好ましくは3~40部、より好ましくは5~30部、さらにより好ましくは5~25部、のシリカ多孔質微小球。
【0038】
微粒子としてポリスチレン多孔質微小球を用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~46部、好ましくは3~40部、より好ましくは5~30部、最も好ましくは5~25部、のポリスチレン多孔質微小球。
【0039】
非球状多孔質微粒子は、例えば、分子篩、カラムクロマトグラフィ用シリカゲル、非球状ポリスチレン微粒子、非球状二酸化チタン多孔質微粒子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、好ましくは、分子篩、カラムクロマトグラフィ用シリカゲル、非球状ポリスチレン微粒子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、より好ましくは、カラムクロマトグラフィ用シリカゲル、非球状ポリスチレン微粒子、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。カラムクロマトグラフィ用シリカゲルの平均粒径は、篩い分け方法によって決定される場合、60~400メッシュ、好ましくは60~300メッシュ、より好ましくは80~300メッシュであってもよい。
【0040】
微粒子として非球状多孔質微粒子を用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~48部、好ましくは3~40部、より好ましくは5~30部、最も好ましくは5~25部、の非球状多孔質微粒子。
【0041】
微粒子としてカラムクロマトグラフィ用シリカゲルを用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~44部、好ましくは3~40部、より好ましくは5~30部、最も好ましくは5~25部、のカラムクロマトグラフィ用シリカゲル。
【0042】
微粒子として噴霧乾燥粉末ゴムを用いる場合、ポリマー繊維は、重量部単位で以下の成分を含むことが好ましい:
a.100部の繊維のマトリクスポリマー;
b.1~50部、好ましくは10~40部、より好ましくは10~30部、さらにより好ましくは20~30部、の噴霧乾燥粉末ゴム。
【0043】
繊維マトリクスとしての成分a中の繊維のマトリクスポリマーと、添加剤としての成分bとが、スピンドルノット構造を形成する。
【0044】
噴霧乾燥粉末ゴムの平均粒径は、好ましくは500nm~200μm、より好ましくは10μm~100μm、さらにより好ましくは20μm~50μmである。
【0045】
本発明において使用される噴霧乾燥粉末ゴムは、ゴムエマルジョンを照射架橋し、噴霧乾燥法により乾燥することで生成される。噴霧乾燥粉末ゴムの生成方法において、照射架橋に使用される高エネルギー放射線源は、コバルト線源、紫外線、および高エネルギー電子加速器から選択される少なくとも一つであってもよい。好ましくは、高エネルギー放射線源は、コバルト線源のように、0.1μm未満の波長を有する。さらに、通常、ゴムラテックスの照射架橋により得られるゴム粒子のゲル含有量が、60重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上となるような線量で照射すればよい。特に、照射線量は、0.1~30Mrad、好ましくは0.5~20Mradであってもよい。
【0046】
噴霧乾燥粉末ゴムとしては、当該技術分野で知られた種々の噴霧乾燥粉末ゴムを用いることができる。噴霧乾燥粉末ゴムは、市販のものであるか、または当業者に周知の種々の方法によって生成され得る。例えば、噴霧乾燥粉末ゴムは、2000年9月18日に本発明の出願人によって出願され、2001年6月7日に公開された国際特許出願WO01/40356A1号、および2001年6月15日に出願され、2001年12月27日に公開された国際特許出願WO01/98395A1号に開示された方法によって生成された完全加硫粉末ゴムであってもよい。また、完全加硫粉末ゴムの例としては、完全加硫粉末天然ゴム、完全加硫粉末スチレン-ブタジエンゴム、完全加硫粉末カルボキシル化スチレン-ブタジエンゴム、完全加硫粉末ニトリルブタジエンゴム、完全加硫粉末カルボキシル化ニトリルブタジエンゴム、完全加硫粉末ポリブタジエンゴム、完全加硫粉末シリコーンゴム、完全加硫粉末クロロプレンゴム、完全加硫粉末アクリレートゴム、完全加硫粉末スチレン-ブタジエン-ビニルピリジンゴム、完全加硫粉末イソプレンゴム、完全加硫粉末ブチルゴム、完全加硫粉末ポリスルフィドゴム、完全加硫粉末アクリレート-ブタジエンゴム、完全加硫粉末ポリウレタンゴム、完全加硫粉末フルオロゴム、および完全加硫粉末エチレン-酢酸ビニルゴム等のうちの少なくとも一つが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、完全加硫粉末スチレン-ブタジエンゴム、完全加硫粉末カルボキシル化スチレン-ブタジエンゴム、完全加硫粉末ニトリルブタジエンゴム、完全加硫粉末カルボキシル化ニトリルブタジエンゴム、完全加硫粉末アクリレートゴム、および完全加硫粉末エチレン-酢酸ビニルゴムのうちの少なくとも一つが挙げられる。完全加硫粉末ゴムのゲル含有量は、60重量%以上が好ましく、75重量%以上がより好ましく、80重量%以上が特に好ましい。
【0047】
さらに、噴霧乾燥粉末ゴムの照射架橋による生成の間、架橋助剤を使用してもよく、または使用しなくてもよい。架橋助剤は、単官能性架橋助剤、二官能性架橋助剤、三官能性架橋助剤、四官能性架橋助剤、および五官能性またはそれ以上の官能性架橋助剤からなる群から選択される任意の一つであってもよい。単官能性架橋助剤の例としては、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、およびグリシジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つが挙げられるが、これらに限定されない;二官能性架橋助剤の例としては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、およびジビニルベンゼンのうちの少なくとも一つが挙げられるが、これらに限定されない;三官能性架橋助剤の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよび/またはペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない;四官能性架橋助剤の例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよび/またはエトキシル化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない;五官能性またはそれ以上の官能性架橋助剤の例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられるが、これに限定されない。本明細書では、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。これらの架橋助剤は、照射下での架橋に有用である限り、任意の方法で組み合わせて使用することができる。さらに、架橋助剤は一般に、ラテックス中の乾燥ゴムの重量に対して、0.1~10重量%、好ましくは0.5~9重量%、より好ましくは0.7~7重量%の量で添加される。
【0048】
第2の態様において、本発明は、クモ糸状ポリマー繊維の生成方法を提供する。この方法は、湿式紡糸方法によって実施される。具体的には、当該方法は以下の工程を含む:
(1)上記の量の繊維のマトリクスポリマーおよび微粒子添加剤を溶媒中に分散させることで溶媒中に繊維のマトリクスポリマーを溶解させて溶液を形成し、微粒子を当該溶液中に均一に分散させ、これにより、均一な紡糸ドープを得る;この工程において、有利には、混合物を30~95℃、好ましくは50~95℃、より好ましくは70~95℃の温度で加熱し、同時に攪拌してもよい;
(2)使用されるポリマーおよび溶媒に応じて対応する凝固液を作成する;
(3)例えば、湿式紡糸機または蠕動ポンプを用いて紡糸ドープを凝固液に押し出すことで紡糸ドープによる紡糸を行い、凝固乾燥した後、一次繊維を収集する;
(4)必要に応じて、一次繊維を延伸して、スピンドルノット構造が間隔をおいて分布しているクモ糸状ポリマー繊維を得る;例えば、微粒子が多孔質微粒子である場合、工程(4)の延伸を行い;微粒子が噴霧乾燥粉末ゴムである場合、工程(4)の延伸を行わない。
【0049】
必要に応じて、上記工程の後、上記方法は以下の架橋工程(5)をさらに含む:工程(3)または(4)で得られた繊維を架橋溶液に浸漬し、水で洗浄して乾燥させた後、得られた生成物を収集する。架橋工程によって繊維の耐水性を変化させることができるが、繊維の基本的な物理的構造、すなわち、離間したスピンドルノット構造には影響を及ぼさず、従って、繊維の表面上の水滴の方向性移動に影響を及ぼさない。従って、架橋工程は、任意の工程に過ぎない。
【0050】
具体的には、工程(1)において、溶媒100重量部に対して、繊維のマトリクスポリマーの量は、5~50重量部、好ましくは10~40重量部、より好ましくは10~25重量部であってもよい。
【0051】
工程(1)において、溶媒は、使用されるポリマーに対応する任意の一般的に使用される湿式紡糸溶媒であって、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、水、硫酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミドおよび1,4-ジオキサンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0052】
工程(2)において、凝固液は、使用される繊維のマトリクスポリマーに対応する、一般的に使用される湿式紡糸凝固液であってもよい。混合工程では、機械的攪拌や超音波分散等のための設備等、任意の既存の液‐液混合機器を使用することができる。凝固液は、硫酸ナトリウム水溶液、メタノール、酢酸エチル、水、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することが可能であり、好ましくは、硫酸ナトリウム水溶液、メタノール、水、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択してもよく、好ましくは、硫酸ナトリウム水溶液の濃度は300~500g/L、好ましくは350~450g/Lである。紡糸ドープとしてポリビニルアルコールの水溶液を選択する場合には、硫酸ナトリウム水溶液、メタノールおよび酢酸エチルの少なくとも一つ(ここで、硫酸ナトリウム水溶液の濃度は300~500g/L、好ましくは350~450g/Lであってもよく、好ましくは、硫酸ナトリウム水溶液およびメタノールの少なくとも一つ、より好ましくは硫酸ナトリウム水溶液)を凝固液として選択することができる。紡糸ドープとして1,4-ジオキサン中のポリビニルアルコール溶液を選択する場合、メタノールおよび酢酸エチルの少なくとも一つ、またはメタノールおよび1,4-ジオキサンの二成分溶液を凝固液として選択することができる。メタノールおよび1,4-ジオキサンの二成分溶液において、1,4-ジオキサンは、メタノール100重量部に対して、0.1~50重量部、好ましくは5~40重量部、より好ましくは10~30重量部の量で使用することができる。
【0053】
純メタノールは、凝固能が高く、繊維が急速に凝固するため、その後の巻き取り工程で微細繊維を引っ張ること、およびスピンドルノット構造を形成するために繊維から突出させることには不利であり、従って、必要に応じて適量の1,4-ジオキサンを凝固液に添加することで、繊維の形成速度を低下させ、これにより、スピンドルノット構造の形成を容易にすることができる。
【0054】
紡糸ドープが紡糸に使用される場合、紡糸口金は、紡糸方法において通常使用される紡糸口金である。紡糸口金オリフィスの内側直径は、10~1000ミクロン、好ましくは50~500ミクロン、より好ましくは50~300ミクロンであってもよく、紡糸口金は任意の形状、好ましくは正方形、円形、三角形または五角形、より好ましくは円形、正方形または三角形、さらにより好ましくは円形であってもよい。
【0055】
工程(3)において、微粒子が多孔質微粒子である場合、巻き取り速度は、0.01~100m/分、好ましくは0.05~10m/分、より好ましくは0.1~1m/分であってもよく、微粒子が噴霧乾燥粉末ゴムである場合、巻き取り速度は、0.1~100m/分、好ましくは0.1~10m/分、より好ましくは0.2~1m/分であってもよい。
【0056】
工程(4)において、延伸温度は、繊維の使用されるマトリクスポリマーに対応する一般的に使用される延伸温度であってもよい。ポリビニルアルコールを繊維のマトリクスポリマーとして使用する場合、延伸温度は、100~220℃、好ましくは120~200℃、より好ましくは150~180℃であってもよい。
【0057】
工程(5)において、架橋溶液は、使用される繊維のマトリクスポリマーに対応する湿式紡糸用の一般的に使用される架橋溶液であってもよい。
【0058】
ポリビニルアルコールが繊維のマトリクスポリマーとして使用される場合、架橋溶液は、酸およびアルデヒド、および/または硫酸ナトリウムと水との溶液からなり得る。すなわち、架橋溶液は、酸とアルデヒドの水溶液であってもよく、硫酸ナトリウムを任意に添加してもよい。酸は、一般的な無機酸、好ましくは塩酸および硫酸の少なくとも一つ、より好ましくは硫酸であってもよく、アルデヒドは、好ましくはホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドの少なくとも一つである。特に、架橋溶液は、好ましくは硫酸、グルタルアルデヒド(および/またはホルムアルデヒド)および硫酸ナトリウムと水との水溶液であり、ここで、硫酸の濃度は、100~500g/L、好ましくは200~350g/Lであってもよく;グルタルアルデヒドの濃度は、1~80g/L、好ましくは30~60g/Lであってもよく;ホルムアルデヒドの濃度は、1~50g/L、好ましくは20~35g/Lであってもよく;硫酸ナトリウムの濃度は、0~350g/L、好ましくは50~200g/Lであってもよい。
【0059】
微粒子が多孔質微粒子である場合、ポリマーおよび多孔質微粒子添加剤は共紡糸され、多孔質微粒子はポリマー溶液中に分散され、ポリマー溶液は多孔質微粒子の内部に拡散し、紡糸ドープの微小流体は凝固液を通過して繊維を形成し、続いて繊維が延伸される間、溶媒は連続的に単離され、繊維は径方向に延伸され、従って、繊維本体の体積は大きく収縮するが、多孔質微粒子の体積は影響を受けない。従って、繊維は、多孔質微粒子が存在してスピンドルノット構造を形成する位置で微視的に突出し、多孔質微粒子の内部に入るポリマー溶液は凝固して、繊維内部の多孔質微粒子を結合可能なマイクロファイバー網状組織を形成し、それによって、多孔質微粒子と繊維マトリクスとの間の相互作用力を効果的に強化し、繊維の機械的特性に対する微粒子添加剤の影響を低減する。この方法は、既存の方法に多くの改良を加えることのない単純な方法であり、従って、工業化された生産が容易である。得られた人工繊維については、高湿度(例えば、80%を超える相対空気湿度)の場合、水蒸気が繊維の表面上で凝縮し、続いて小さな液滴がスピンドルノット構造部分に向かって結合し、急速に収束して大きな水滴を形成し、水の収集が容易になる。
【0060】
微粒子が噴霧乾燥粉末ゴムである場合、ポリマーおよび粉末ゴムは共紡糸され、噴霧乾燥粉末ゴムがポリマー溶液中に分散される。水溶液を凝固液に通すことによって繊維を形成する間、溶媒が連続的に単離されるにつれて、繊維本体の体積は大幅に収縮するが、噴霧乾燥粉末ゴムの体積は影響を受けない。これにより、繊維が微視的に突出し、噴霧乾燥粉末ゴムが存在する部分にスピンドルノット構造を形成し、噴霧乾燥粉末ゴムが存在しない部分に繊維が自然に収縮して繊維本体を形成し、集水性を有するクモ糸状繊維が得られる。この方法は一回限りでの形成を可能にし、方法自体は単純であり、その結果、工業化された生産が容易である。得られた人工繊維は、高湿度(例えば、80%を超える相対空気湿度)下の液滴収集を可能にし、当該収集においては、繊維本体(高曲率半径)部からスピンドルノット構造(低曲率半径)部に水蒸気が凝縮・増大を経て結合し、突起部での水滴の収束を促進し、従って、水の収集が容易である。
【0061】
本発明は、以下の利点を有する:
(1)方法が簡単であり、機器を追加することなく従来の紡績機器を使用することで実現でき、また、方法が簡単で安定しており、連続大規模製造に適している;
(2)本発明で得られるようなスピンドルノット構造が間隔をおいて分布しているクモ糸状繊維は低コストであり、良好な安定性を示す;
(3)本発明で得られるスピンドルノット構造が間隔をおいて分布しているクモ糸状繊維は、島、沿岸砂漠、霧の多い山岳地帯等の地域における大気中の水分を集めるのに使用可能であり、また、空港、高速道路、灯台等の特定の場所の周りの濃い霧を一掃・消散させるために使用することができる;
(4)添加剤として多孔質材料を使用する場合、添加剤とマトリクス材料との間の界面相互作用が強化され、凝固中に形成されたマイクロファイバー網状組織が繊維の内部の多孔質微粒子添加剤に結合し、これにより繊維の機械的特性に対する添加剤の影響が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】実施例1で生成したシリカ多孔質微小球をベースとするクモ糸状ポリマー繊維の光学顕微鏡写真である。
【
図2】実施例B1で生成したクモ糸状ポリマー繊維の光学顕微鏡写真である。
【
図3】実施例B1で生成したクモ糸状ポリマー繊維のスピンドルノットのない部分の光学顕微鏡写真である。
【
図4】実施例B3で生成したクモ糸状ポリマー繊維の光学顕微鏡写真である。
【
図5】実施例A1で生成したクモ糸状ポリマー繊維の走査電子顕微鏡写真である。
【
図6】実施例A2で生成したクモ糸状ポリマー繊維の走査電子顕微鏡写真である。
【
図7】実施例A3で生成したクモ糸状ポリマー繊維の走査電子顕微鏡写真である。
【
図8】比較例A1で生成した純粋なポリビニルアルコール繊維の走査電子顕微鏡写真である。
【
図9】実施例A6で生成したクモ糸状ポリマー繊維の集水を示す光学写真である(写真の順序:左から右、上から下)。
【
図10】実施例C3で生成したポリスチレン多孔質微小球をベースとするクモ糸状ポリマー繊維の光学顕微鏡写真である。
【0063】
図1に示すように、繊維は、間隔をおいて分布しているスピンドルノット構造を有する。スピンドルノットにおける暗い部分は、より弱い光透過性を有する、すなわちシリカ微小球であり、スピンドルノットの形成は、微小球の影響下で起こる。
【0064】
図2および
図3は各々、実施例B1で生成した試料の写真である。
図2は、スピンドルノット構造部分の写真であり、
図3は、隣り合う二つのスピンドルノットの間の長い純粋な繊維部分の写真であり、従って、
図3にスピンドルノットは現れない。
図3に示すように、顕微鏡で観察してもこの繊維部の表面は平滑である。
【0065】
図2および
図4に示すように、非球状多孔質微粒子の存在により、スピンドルノット構造が形成される。スピンドルノット構造において、暗い部分はより弱い光透過性を有する添加剤であり、様々な非球状の不規則な形状を示す。
【0066】
図1、
図2および
図4はそれぞれ、スピンドルノット構造の大きさおよび分布を含む、多孔質微粒子の様々な量の場合において得られた繊維の微細構造を示す。多孔質微粒子の量が増加するにつれて、スピンドルノット構造の大きさが大きくなり、密度が高くなる。そのため、多孔質微粒子の大きさや量を調節することにより、構造の違う繊維を得ることができる。
【0067】
図5~7は、スピンドルノット構造(スピンドルノット)の大きさおよび分布を含む、様々な量の粉末ゴムのそれぞれの場合において得られた繊維の微細構造を示す。粉末ゴムの量が増加するにつれて、スピンドルノット構造の大きさが大きくなり、密度が高くなる。そのため、粉末ゴムの大きさや量を調節することにより、構造の違う繊維を得ることができる。
【0068】
図8は比較例であり、粉末ゴムを添加しない場合を示し、スピンドルノット構造が形成されていない。
【0069】
図9から分かるように、水蒸気の凝縮中に、最初に小さな水滴が繊維の表面上にランダムに形成される。スピンドルノット構造の存在により、スピンドルノット構造の周囲の繊維の曲率半径が変化するため、ラプラス圧力の違いにより、水滴がスピンドルノット構造に向かって移動し、大きな水ビーズの形成が促進され、これにより、比表面積および揮発度が低下する。他の場所に再び小さな水滴が形成された後、上記の状況が繰り返され、水ビーズの収束が加速される。このように、上記繊維は水蒸気収集に使用することができる。
【0070】
図10に示すように、繊維は、ポリスチレン微粒子が存在する位置でスピンドルノット構造を形成する。図中、暗い球状部分は弱い光透過性を有し、スピンドルノットの形成は微小球の影響下で起こる。
【実施例】
【0071】
以下、実施例を参照して本発明をさらに説明する。しかし、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
【0072】
実施例では、以下の機器および装置、測定方法、原料、および実験条件を使用する。
【0073】
(1)実験用の基本装置:押出装置はBaoding Shenchen Pump Industry Co., Ltd.製の蠕動ポンプ(型式:SPLab01)であり、熱延伸装置は、INSTRON 3366ユニバーサル試験機である。
【0074】
(2)実験データを決定するための器具および方法
光学顕微鏡写真(
図1~4、9および10)は、NIKON ECLIPSE IC100N POL型顕微鏡で撮影し、走査型電子顕微鏡写真(
図5~8)は、走査型電子顕微鏡(型式:日立S-4800)で撮影した。
【0075】
繊維表面上の水滴の方向性移動の進行を、ドイツのDataphysics Company製の接触角測定器(型式:SCA20)で観察した。
【0076】
繊維の引張特性は、ASTM D3379-1975("Standard Test Method for Tensile Strength and Young's Modulus for High-Modulus Single-Filament Materials")に従って、モノフィラメント方法を用いて試験した。破断点引張強度は、INSTRON 3366ユニバーサル材料試験機で測定した。
【0077】
繊維本体の直径、スピンドルノット構造単位の径方向高さ、軸方向長さ、間隔は、日立S-4800型走査型電子顕微鏡を用いてSEM方法で電子顕微鏡写真を撮影して測定した。
【0078】
球状微粒子(例えば、多孔質微小球、噴霧乾燥粉末ゴム、および固形ガラス球)の平均粒径は、日立S-4800型走査型電子顕微鏡を用いてSEM法により電子顕微鏡写真を撮影し、走査型電子顕微鏡で得られた試験結果を統計することで得た。特に、粒子を乾燥させ、均一に分散させてSEM試料を作製し、粒子の形態情報を有する鮮明なSEM写真を撮影した。複数のSEM写真(通常10枚)において、微粒子(通常、各写真において50個の微粒子を選択)の粒径情報をランダムに統計することにより、これらの選択された微粒子の粒径の数平均値を微粒子試料の平均粒径として算出した。
【0079】
空隙率および細孔直径は、米国のMicromeritics company製のASAP 2020 M+C全自動物理化学吸着分析器により、GB/T21650に従って測定した。
【0080】
非球形微粒子の平均粒径(メッシュ数)は、篩い分け法により測定した。つまり、篩の細孔直径の異なる一連の標準篩(ISO 3310-1:2000)を選び、細孔直径が小さい篩が下に、細孔直径が大きい篩が上になるように(底部篩を下に、篩蓋を上にして)、下から上へ順に積み重ねて振動篩い機に固定し、振動による篩い分けを行い、標準篩の各層で得られる粒子の質量に応じて、粒子の粒径分布および粒径を得ることができる。粒子は、篩い分けの前に焼成し、分散される。
【0081】
(3)実施例で使用した微粒子は、特に明記しない限り、使用前に炉内で乾燥させた。
【0082】
(4)実施例において、「高湿度」とは、80%の相対大気湿度を指す。
【0083】
〔実施例1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびシリカ多孔質微小球1.05gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集することによって、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得て試験を行い、試験結果を
図1に示した。得られた繊維に関して、繊維本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~70ミクロンの径方向高さおよび50~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~2000ミクロンであった。
【0084】
上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は342±22MPaであった。
【0085】
上記シリカ多孔質微小球を、以下の方法に従って生成した。固形分28%のシリコーンゴムラテックス(Beijing Borer New Material Technology Co., Ltd.、型式:302)1kgを容器に投入し、攪拌しながらイソオクチルアクリレート15gを滴下し、滴下終了後、攪拌を1時間継続し、2.5Mradの線量および50Gy/分の線量率でコバルト線源により照射した。照射したラテックスを、噴霧乾燥機により噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度を140℃~160℃、噴霧乾燥機の出口温度を60℃~70℃とした。乾燥したシリコーンゴム粉末を収集し、600℃で6時間(無酸素環境下で3時間、酸素環境下で3時間の順番で)焼成した後、篩にかけて、粒径20~50ミクロン、細孔直径20~100ナノメートル、空隙率20%~60%のシリカ多孔質微小球を得て、本実施例で使用した。
【0086】
〔実施例A1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム0.7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。空気中で十分に乾燥させた後、得られた繊維を収集して、クモ糸状ポリマー繊維を得て試験を行い、試験結果を
図5に示した。得られた繊維に関して、本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~3000ミクロンであった。繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は94±12MPaであった。
【0087】
上記のカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴムを、以下の方法に従って生成した。固形分50%のカルボキシル化スチレン-ブタジエンラテックス(Yanshan Petrochemical company製、製品名:XSBRL-54B1)1kgを容器に投入し、攪拌しながらアクリル酸イソオクチル15gを滴下し、滴下終了後、攪拌を1時間続け、次いで2.5Mradの線量および50Gy/分の線量率でコバルト線源により照射した。照射したラテックスを、噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度を140℃~160℃、噴霧乾燥機の出口温度を60℃~70℃とした。乾燥したカルボキシル化スチレン-ブタジエンゴム粉末を収集し、篩にかけて、30ミクロンの平均粒径を有するカルボキシル化スチレン-ブタジエンゴム粉末試料を得て、本実施例で使用した。
【0088】
〔比較例A1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、試験を行った。試験結果を
図8に示した。
【0089】
〔実施例A2〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)1.4gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。この繊維を試験し、試験結果を
図6に示した。得られた繊維に関して、繊維本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~2200ミクロンであった。
【0090】
〔実施例A3〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)2.1gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。この繊維を試験し、試験結果を
図7に示した。得られた繊維に関して、繊維本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~1200ミクロンであった。上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は36±6MPaであった。
【0091】
〔実施例A4〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)0.7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に5分間入れ、水洗、乾燥、収集した後、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~3000ミクロンであった。
【0092】
〔実施例A5〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)1.4gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に5分間入れ、水洗、乾燥、収集した後、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~2200ミクロンであった。
【0093】
〔実施例A6〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)2.1gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に5分間入れ、水洗、乾燥、収集した後、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。繊維を試験し、試験結果を
図9に示した。得られた繊維に関して、繊維本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~1200ミクロンであった。
【0094】
〔実施例A7〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)10gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)1gを1,4-ジオキサン(DMSO)25g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は40ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は50~100ミクロンの径方向高さおよび70~250ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~2800ミクロンであった。
【0095】
〔実施例A8〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)10gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(生成方法は、篩い分け後の平均粒径が40ミクロンのカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム試料を選択した以外は、実施例A1と同じ)1gを1,4-ジオキサン(DMSO)40g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は34ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は45~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~3000ミクロンであった。
【0096】
〔実施例A9〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)10gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)1gを1,4-ジオキサン(DMSO)40g中に分散させ、攪拌し、70℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.40m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は40ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は45~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は60~3000ミクロンであった。
【0097】
〔実施例A10〕
ポリビニルアルコール(PVA CP1000、株式会社クラレより市販、重合度約400、アルコール分解の度合い約70%)10gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A8と同じ)1gを1,4-ジオキサン(DMSO)40g中に分散させ、攪拌し、60℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.30m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は40ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は45~100ミクロンの径方向高さおよび50~250ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は80~3500ミクロンであった。
【0098】
〔実施例A11〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム0.7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は60~130ミクロンの径方向高さおよび70~300ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は50~3000ミクロンであった。
【0099】
上記ブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴムを、以下の方法に従って生成した。固形分45%のニトリルブタジエンゴムラテックス(Lanzhou Petrochemical製)1kgを容器に投入し、攪拌しながらトリメチロールプロパントリアクリレート15gを滴下し、滴下終了後、攪拌を1時間続け、2.5Mradの線量および50Gy/分の線量率でコバルト線源により照射した。照射したラテックスを、噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度を140℃~160℃、噴霧乾燥機の出口温度を60℃~70℃とした。乾燥したブタジエンニトリルゴム粉末を収集し、篩にかけて、60ミクロンの平均粒径を有するブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム試料を得て、本実施例で使用した。
【0100】
〔実施例A12〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム(生成方法は、体積篩い分け後の平均粒径が15ミクロンのブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム試料を選択した以外は、実施例A11と同じ)0.7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.006ml/分であり、紡糸口金の型式は30G(円形、直径160ミクロン)であり、取り込み速度は0.6m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は15ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は20~50ミクロンの径方向高さおよび20~150ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は120~3700ミクロンであった。
【0101】
〔実施例A13〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム(生成方法は、体積篩い分け後の平均粒径が90ミクロンのブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム試料を選択した以外は、実施例A11と同じ)0.7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(円形、直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.15m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は50ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は80~150ミクロンの径方向高さおよび80~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は150~3200ミクロンであった。
【0102】
〔実施例A14〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)8gおよびブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム(生成方法は、体積篩い分け後の平均粒径が30ミクロンのブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム試料を選択した以外は、実施例A11と同じ)0.7gを水42g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(硫酸ナトリウム水溶液、420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は28ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は30~80ミクロンの径方向高さおよび30~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は60~2500ミクロンであった。
【0103】
〔実施例A15〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)8gおよびブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A12と同じ)0.7gを水42g中に分散させ、攪拌し、85℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(硫酸ナトリウム水溶液、420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.6m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は22ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は30~80ミクロンの径方向高さおよび30~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は120~4000ミクロンであった。
【0104】
〔実施例A16〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)8gおよびカルボキシル化ブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム0.7gを水42g中に分散させ、攪拌し、90℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(硫酸ナトリウム水溶液、420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.06ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は24ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は30~80ミクロンの径方向高さおよび30~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は160~3200ミクロンであった。
【0105】
上記カルボキシル化ブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴムを、以下の方法に従って生成した。固形分45%のカルボキシル化ニトリルブタジエンラテックス(Lanzhou Petrochemical製、製品名:XNBRL)1kgを容器に投入し、攪拌しながらイソオクチルアクリレート13.5gを滴下し、滴下終了後、攪拌を1時間続け、2.5Mradの線量および50Gy/分の線量率でコバルト線源により照射した。照射したラテックスを噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度を140℃~160℃、噴霧乾燥機の出口温度を60℃~70℃とした。乾燥したカルボキシル化ニトリルブタジエンゴム粉末を収集し、篩にかけて、30ミクロンの平均粒径を有するカルボキシル化ブタジエンニトリル噴霧乾燥粉末ゴム試料を得て、本実施例で使用した。
【0106】
〔実施例A17〕
ポリアクリロニトリル(Sigma-Aldrich (Shanghai) Trading Co., Ltd.より市販、重量平均分子量150000)10gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A1と同じ)1gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40g中に分散させ、攪拌し、50℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF50重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は35ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~3100ミクロンであった。
【0107】
〔実施例A18〕
ポリ(p-フェニレンテレフタミド)(重量平均分子量60000)10gおよびカルボキシル化スチレン-ブタジエン噴霧乾燥粉末ゴム(実施例A8と同じ)1gを98%硫酸40g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は27G(円形、直径210ミクロン)であり、取り込み速度は1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は40~100ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は200~4500ミクロンであった。
【0108】
〔実施例A19〕
ポリウレタン(Shandong Dongchen Engineering Plastics Co., Ltd.より市販、製品名:WANTHANE(登録商標)WHT-8170)10gおよび噴霧乾燥粉末天然ゴム1gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)30g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF40重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は28G(円形、直径180ミクロン)であり、取り込み速度は1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノット構造単位は45~120ミクロンの径方向高さおよび50~220ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノット間の間隔は180~3600ミクロンであった。
【0109】
上記噴霧乾燥天然ゴム粉末を、以下の方法に従って生成した。固形分60%の天然ゴムラテックス(Beijing Latex Factory製)1kgを容器に投入し、攪拌しながらトリメチロールプロパントリアクリレート30gを滴下し、滴下終了後、攪拌を1時間続け、15Mradの線量および50Gy/分の線量率でコバルト線源により照射した。照射したラテックスを噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度を140℃~160℃、噴霧乾燥機の出口温度を60℃~70℃とした。乾燥した天然ゴム粉末を収集し、篩にかけて、50ミクロンの平均粒径を有する噴霧乾燥した天然ゴム粉末試料を得て、本実施例で使用した。
【0110】
〔実施例2〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)2.1gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、繊維本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~75ミクロンの径方向高さおよび50~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は60~1000ミクロンであった。上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は154±15MPaであった。
【0111】
〔実施例3〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)6gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)0.9gを1,4-ジオキサン(DMSO)44g中に分散させ、攪拌し、80℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの6倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは35~80ミクロンの径方向高さおよび50~450ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~2000ミクロンであった。
【0112】
〔実施例4〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)6gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)0.9gを1,4-ジオキサン(DMSO)44g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの12倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は15ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~70ミクロンの径方向高さおよび50~350ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~2000ミクロンであった。
【0113】
〔実施例5〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)1.05gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、70℃で4時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に180℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~70ミクロンの径方向高さおよび50~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~2000ミクロンであった。
【0114】
〔実施例6〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)8gおよびシリカ多孔質微小球(50ミクロン、Microspheres-nanospheresより市販、平均細孔直径:10nm、空隙率:20~40%)0.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、75℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは60~80ミクロンの径方向高さおよび80~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は110~3300ミクロンであった。
【0115】
〔実施例7〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)8gおよびシリカ多孔質微小球(75ミクロン、Microspheres-nanospheresより市販、平均細孔直径:10nm、空隙率:20~40%)0.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、75℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.04ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(円形、直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.05m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は50ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは80~100ミクロンの径方向高さおよび120~500ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は130~3000ミクロンであった。
【0116】
〔実施例8〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびシリカ多孔質微小球(50ミクロン、Microspheres-nanospheresより市販、平均細孔直径:10nm、空隙率:20~40%)1.05gを水43g中に分散させ、攪拌し、75℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して硫酸ナトリウム水溶液(420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの10倍に180℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は28ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは60~90ミクロンの径方向高さおよび120~460ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は130~3700ミクロンであった。
【0117】
〔実施例9〕
ポリアクリロニトリル(Sigma-Aldrich (Shanghai) Trading Co., Ltd.より市販、重量平均分子量150000)10gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)1.5gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40g中に分散させ、攪拌し、60℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF50重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に95℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~80ミクロンの径方向高さおよび80~380ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~2600ミクロンであった。
【0118】
〔実施例10〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)0.35gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は24ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは37~70ミクロンの径方向高さおよび50~350ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は200~4000ミクロンであった。
【0119】
〔実施例11〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)2.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの6倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は24ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは45~90ミクロンの径方向高さおよび70~550ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~800ミクロンであった。
【0120】
〔実施例12〕
ポリウレタン(Shandong Dongchen Engineering Plastics Co., Ltd.より市販、製品名:WANTHANE(登録商標)WHT-8170)10gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)1.5gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)30g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF40重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に延伸して、クモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は26ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは35~77ミクロンの径方向高さおよび60~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は220~2600ミクロンであった。
【0121】
〔実施例B1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)1.05gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。この繊維を試験し、試験結果を
図2および
図3に示した。得られた繊維に関して、本体は26ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは55~120ミクロンの径方向高さおよび100~500ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は80~2000ミクロンであった。
【0122】
〔実施例B2〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)1.4gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは60~130ミクロンの径方向高さおよび90~500ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~1500ミクロンであった。上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は300±34MPaであった。
【0123】
〔実施例B3〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)2.1gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、70℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。この繊維を試験し、試験結果を
図4に示した。得られた繊維に関して、本体は26ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは60~120ミクロンの径方向高さおよび100~520ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~1000ミクロンであった。上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は185±20MPaであった。
【0124】
〔実施例B4〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)8gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:40~70Å、空隙率:40~60%)0.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、95℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの10倍に180℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は17ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは55~90ミクロンの径方向高さおよび80~350ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~2500ミクロンであった。
【0125】
〔実施例B5〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、300~400メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)1.05gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、75℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に180℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~80ミクロンの径方向高さおよび80~350ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~2500ミクロンであった。
【0126】
〔実施例B6〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、300~400メッシュ、細孔直径:40~70Å、空隙率:40~60%)1.75gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、85℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~80ミクロンの径方向高さおよび90~370ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~1500ミクロンであった。
【0127】
〔実施例B7〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)8gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、100~200メッシュ、細孔直径:80~100Å、空隙率:40~60%)0.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、90℃で4時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は52ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは80~180ミクロンの径方向高さおよび170~500ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は110~3000ミクロンであった。
【0128】
〔実施例B8〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)8gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、100~200メッシュ、細孔直径:80~100Å、空隙率:40~60%)1.6gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、90℃で4時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は53ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは80~185ミクロンの径方向高さおよび165~510ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は105~1800ミクロンであった。
【0129】
〔実施例B9〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)0.7gを水43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して硫酸ナトリウム水溶液(420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に165℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は30ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは60~120ミクロンの径方向高さおよび90~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は150~4000ミクロンであった。
【0130】
〔実施例B10〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、300~400メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)1.4gを水43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して硫酸ナトリウム水溶液(420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの6倍に165℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は18ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~80ミクロンの径方向高さおよび70~350ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は120~2500ミクロンであった。
【0131】
〔実施例B11〕
ポリアクリロニトリル(Sigma-Aldrich (Shanghai) Trading Co., Ltd.より市販、重量平均分子量150000)10gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:40~70Å、空隙率:40~60%)1.5gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40g中に分散させ、攪拌し、50℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF80重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に95℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは55~100ミクロンの径方向高さおよび100~450ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~2500ミクロンであった。
【0132】
〔実施例B12〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)8gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、300~400メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)0.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、75℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの10倍に170℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は20ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは38~80ミクロンの径方向高さおよび100~300ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~3000ミクロンであった。
【0133】
〔実施例B13〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、200~300メッシュ、細孔直径:20~30Å、空隙率:40~60%)0.35gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは52~110ミクロンの径方向高さおよび80~430ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~3800ミクロンであった。
【0134】
〔実施例B14〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、300~400メッシュ、細孔直径:40~70Å、空隙率:40~60%)2.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは42~90ミクロンの径方向高さおよび80~630ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は80~900ミクロンであった。
【0135】
〔実施例B15〕
ポリウレタン(Shandong Dongchen Engineering Plastics Co., Ltd.より市販、製品名:WANTHANE(登録商標)WHT-8170)5gおよびカラムクロマトグラフィ用シリカゲル(Qingdao JIYIDA Silica Gel Reagent Co., Ltd.より市販、300~400メッシュ、細孔直径:40~70Å、空隙率:40~60%)1gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)15g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固溶液(水100重量部に対してDMF40重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.5m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に延伸して、集水性を有するクモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は24ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは38~79ミクロンの径方向高さおよび78~520ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は150~2300ミクロンであった。
【0136】
〔実施例C1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)6gおよび炭素多孔質微小球0.9gを1,4-ジオキサン(DMSO)44g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.012ml/分であり、紡糸口金の型式は30G(直径180ミクロン)であり、取り込み速度は0.3m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は15ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは20~40ミクロンの径方向高さおよび50~200ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は200~2500ミクロンであった。
【0137】
上記炭素多孔質微小球は、以下の方法に従って生成される。47%の固形分を有する105gの照射架橋スチレン-アクリルラテックス(Yanshan Petrochemical製)を容器に投入し、攪拌しながらピロール4.95gおよびポリビニルピロリドン(6g)水溶液72mlを添加した。滴下終了後、六水和塩化鉄(0.03g)水溶液48ml、p-トルエンスルホン酸(7.02g)水溶液240ml、過酸化水素(12.54g)水溶液360mlを徐々に加え、氷水浴中で48時間攪拌を続けた。混合物を噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。噴霧乾燥機の入口温度を140℃~160℃、噴霧乾燥機の出口温度を60℃~70℃とした。乾燥したポリピロール-スチレン-アクリル粉末ゴムを収集し、600℃で3時間炭化し、次いで、それを篩にかけて、粒径5~30ミクロン、細孔直径5~10Å、および空隙率30~40%を有する炭素多孔質微小球試料を得て、本実施例で使用した。
【0138】
〔実施例C2〕
ポリビニルアルコール(PVA 1788、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い88%)6gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)0.9gを1,4-ジオキサン(DMSO)44g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は30G(直径180ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの12倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は15ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは35~50ミクロンの径方向高さおよび50~300ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は200~2700ミクロンであった。
【0139】
〔実施例C3〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびポリスチレン多孔質微小球(Huizhi Biologyより市販、平均粒径60ミクロン、細孔直径20~50nm、および空隙率20~30%)1.05gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、70℃で4時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に180℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状繊維を得た。繊維を試験し、試験結果を
図10に示した。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは70~90ミクロンの径方向高さおよび110~480ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~2400ミクロンであった。
【0140】
〔実施例C4〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)8gおよびポリスチレン多孔質微小球(Huizhi Biologyより市販、平均粒径60ミクロン、細孔直径20~50nm、および空隙率20~30%)1.2gを1,4-ジオキサン(DMSO)42g中に分散させ、攪拌し、90℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は28ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは70~90ミクロンの径方向高さおよび100~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~3000ミクロンであった。
【0141】
〔実施例C5〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)8gおよびポリスチレン多孔質微小球(Huizhi Biologyより市販、平均粒径80ミクロン、細孔直径20~50nm、および空隙率20~30%)1.2gを水42g中に分散させ、攪拌し、90℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(硫酸ナトリウム水溶液、420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは90~140ミクロンの径方向高さおよび150~450ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~3000ミクロンであった。
【0142】
〔実施例E1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよび分子篩(Aladdinより市販、80~100メッシュ、細孔直径:5Å、空隙率:40~50%)0.7gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、85℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.08ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの6倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は80ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは140~210ミクロンの径方向高さおよび200~650ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~3000ミクロンであった。
【0143】
〔実施例C6〕
ポリアクリロニトリル(Sigma-Aldrich (Shanghai) Trading Co., Ltd.より市販、重量平均分子量150000)10gおよびポリスチレン多孔質微小球(Huizhi Biologyより市販、平均粒径60ミクロン、細孔直径20~50nm、空隙率20~30%)1.5gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40g中に分散させ、攪拌し、60℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF50重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に95℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは70~95ミクロンの径方向高さおよび120~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は100~2800ミクロンであった。
【0144】
〔実施例C7〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)2.8gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、試験用のクモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは41~76ミクロンの径方向高さおよび80~510ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~1100ミクロンであった。
【0145】
〔実施例C8〕
ポリウレタン(Shandong Dongchen Engineering Plastics Co., Ltd.より市販、製品名:WANTHANE(登録商標)WHT-8170)10gおよびシリカ多孔質微小球(実施例1と同じ)1.5gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)30g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF40重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は26ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは35~77ミクロンの径方向高さおよび60~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は220~2600ミクロンであった。
【0146】
〔実施例D1〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)1.05gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は23ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~60ミクロンの径方向高さおよび70~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~2600ミクロンであった。上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は316±16MPaであった。
【0147】
〔実施例D2〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)2.1gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は25ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは35~60ミクロンの径方向高さおよび80~430ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は60~1300ミクロンであった。
【0148】
〔実施例D3〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)6gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)0.9gを1,4-ジオキサン(DMSO)44g中に分散させ、攪拌し、80℃で3時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの8倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は22ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは33~55ミクロンの径方向高さおよび70~450ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は70~2600ミクロンであった。
【0149】
〔実施例D4〕
ポリビニルアルコール(PVA 2499、Aladdin、重合度2400、アルコール分解の度合い99%)6gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)0.9gを1,4-ジオキサン(DMSO)44g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は16ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは40~70ミクロンの径方向高さおよび90~350ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~2400ミクロンであった。
【0150】
〔実施例D5〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびポリスチレン多孔質微小球(Huizhi Biologyより市販、平均粒径60ミクロン、細孔直径20~50nm、および空隙率:20~30%)0.7gを水43g中に分散させ、攪拌し、75℃で4時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。45℃で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して硫酸ナトリウム水溶液(420g/L)中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの8倍に180℃で熱延伸した後、架橋溶液(98%濃硫酸11.48g、硫酸ナトリウム3.5g、50%グルタルアルデヒド水溶液4.16gを、50mlの一定量の水溶液に配合)に10分間入れた。水洗、乾燥、収集した後、クモ糸状ポリマー繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は29ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは70~90ミクロンの径方向高さおよび100~400ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は140~2900ミクロンであった。
【0151】
〔実施例D6〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)0.35gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介してメタノール中に押し出した。実際の押出速度は0.02ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.1m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に180℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は24ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは34~60ミクロンの径方向高さおよび70~300ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は180~4100ミクロンであった。
【0152】
〔実施例D7〕
ポリウレタン(Shandong Dongchen Engineering Plastics Co., Ltd.より市販、製品名:WANTHANE(登録商標)WHT-8170)10gおよびポリスチレン多孔質微小球(IPE-PST30、National Engineering Research Center for Biotechnologyより市販、平均粒径30ミクロン、細孔直径20~120nm、および空隙率20~50%)1gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)30g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF40重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.4m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。これを元の長さの10倍に延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は27ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは35~80ミクロンの径方向高さおよび60~300ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は170~3200ミクロンであった。
【0153】
〔実施例E2〕
ポリアクリロニトリル(Sigma-Aldrich (Shanghai) Trading Co., Ltd.より市販、重量平均分子量150000)10gおよび分子篩(Aladdinより市販、80~100メッシュ、細孔直径:5Å、空隙率:40~50%)1gをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)40g中に分散させ、攪拌し、50℃で5時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(水100重量部に対してDMF80重量部を含む、水とDMFの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.05ml/分であり、紡糸口金の型式は22G(直径410ミクロン)であり、取り込み速度は0.2m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。十分に乾燥させて収集した後、一次繊維を得た。それを元の長さの5倍に95℃で熱延伸して、クモ糸状繊維を得た。得られた繊維に関して、本体は60ミクロンの直径を有し、スピンドルノットは150~200ミクロンの径方向高さおよび200~630ミクロンの軸方向長さを有し、スピンドルノットの間隔は90~3500ミクロンであった。
【0154】
〔実施例F〕
ポリビニルアルコール(PVA 1799、Aladdin、重合度1700、アルコール分解の度合い99%)7gおよびガラス微小球(Suzhou Huanixi Chemical Co., Ltd.より市販、非多孔質固形ガラス微小球、15~30ミクロン)1.4gを1,4-ジオキサン(DMSO)43g中に分散させ、攪拌し、80℃で2時間加熱して、均一な紡糸ドープを得た。室温で、上記紡糸ドープを、紡糸用蠕動ポンプを介して凝固液(メタノール100重量部に対してDMSO20重量部を含む、メタノールとDMSOの混合溶液)中に押し出した。実際の押出速度は0.01ml/分であり、紡糸口金の型式は25G(円形、直径260ミクロン)であり、取り込み速度は0.42m/分であり、繊維は少なくとも5分間、凝固液中にあった。得られた繊維を空気中で十分に乾燥させた後、収集して、クモ糸状ポリマー繊維を得た。上記繊維の機械的特性を試験したところ、破断点引張強度は54±10MPaであった。
【0155】
接触角測定器で観察および測定をしたところ、本発明に係る実施例で得られたクモ糸状ポリマー繊維は全て、高湿度下において、最初に小さな液滴が繊維表面上にランダムに形成され、その後、スピンドルノット構造の周囲から中心突起部に向かって液滴が一方向に移動し、大きな液滴が形成された。一方、比較例A1に従って生成された純粋なポリビニルアルコール繊維に関しては、高湿度下において、最初に小さな液滴が繊維表面上にランダムに形成されたが、その後、液滴は一方向へは移動しなかった。