(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】予測的な、キャッシュした、およびコスト効率の良いデータ伝送
(51)【国際特許分類】
H04W 28/24 20090101AFI20230922BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20230922BHJP
【FI】
H04W28/24
H04W28/06
(21)【出願番号】P 2021551519
(86)(22)【出願日】2020-02-17
(86)【国際出願番号】 EP2020054114
(87)【国際公開番号】W WO2020178014
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-28
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ツェラリウス, バスティアン
(72)【発明者】
【氏名】コンドルチ, マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】ローマル, トールステン
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティーノ, ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】スン, ワンルー
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0287730(US,A1)
【文献】国際公開第2014/071974(WO,A1)
【文献】特開2018-046544(JP,A)
【文献】国際公開第2013/007287(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介したアプリケーションサービスとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするために前記通信ネットワークによって実施される方法であって、
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能から、データ伝送についてのリクエストを受信すること(610)であって、前記リクエストが、(i)伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、(ii)次の1つまたは複数:
前記データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および
前記UEの軌道
を含む情報を含む、データ伝送についてのリクエストを受信すること(610)と、
前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得すること(620)と、
前記予測容量に基づいて、前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記リクエストが達成可能かどうかを判定すること(630)と、
前記アプリケーションサービスが達成不能であると判定した場合、前記データ伝送を実行するための対案を判定すること(634)であって、前記対案が、
前記リクエストが達成可能なさらなる時間間隔、および
前記リクエストが達成可能な、指示された前記データ量より少ないデータのさらなる量
の1つまたは複数を含む、前記データ伝送を実行するための対案を判定すること(634)と
前記判定の結果に基づいて前記リクエストへの応答を送信すること(640)であって、前記アプリケーションサービスが達成不能であると判定した場合、前記応答が、前記対案を含む、前記リクエストへの応答を送信すること(640)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数のサービス制約が、時間期限および空間限界の1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記軌道が、関連付けられた時間をそれぞれ伴う、複数の位置の中間地点を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記軌道が、時間期限に関連付けられた空間限界である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ネットワークリソースについての前記予測容量を取得すること(620)が、時間期限および/または空間限界に関連付けられた将来の時間間隔を含む複数のサブ間隔のそれぞれの間に必要なネットワークリソースを判定することを含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
特定のサブ間隔の間に必要な前記ネットワークリソースが、前記UEの前記軌道に基づいて判定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記予測容量を取得することが、前記判定したネットワークリソースに関連付けられた過去または現在のリソース利用情報に基づいて前記予測容量を計算することを含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記リクエストが達成可能かどうかを判定すること(630)が、前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記データ伝送を実行するのに必要な前記ネットワークリソースのための配信計画を計算すること(632)を含み、
前記方法が、前記リクエストが達成可能であると判定した場合、前記ネットワークリソースに前記配信計画を送信すること(650)をさらに含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記配信計画が、前記データ伝送のために使用されることになる、サービス品質(QoS)、プロフィール、優先度、1つまたは複数の予想時間ウィンドウ、前記1つまたは複数の時間ウィンドウ内の予想データトラフィック負荷の1つまたは複数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記応答が、前記1つまたは複数のサービス制約に従って、前記リクエストが達成可能であるという信頼度のレベルを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記リクエストが達成可能であると判定した場合、
前記応答が、前記リクエストが達成可能なことを示し、
前記方法が、
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能から、前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツサーバに関する情報を受信すること(660)と、
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能に、前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツキャッシュに関する情報を送信すること(670)と
をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記データ伝送中に、前記判定したネットワークリソースの容量を監視すること(680)と、
前記監視の結果に基づいて、前記コンテンツサーバを介して前記データ伝送の動作状態を制御すること(692)と
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記監視の結果に基づいて、前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記リクエストが達成可能かどうかを判定すること(694)をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記対案が、前記対案に関連付けられた信頼度のレベルをさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記リクエストが、前記1つまたは複数のサービス制約ではなく前記UEの前記軌道を含み、
前記予測容量が、前記UEの前記軌道に沿った前記データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースのために取得され、
前記リクエストが達成可能かどうかを判定すること(630)が、前記予測容量に基づいて、前記データ伝送が実行可能な時間間隔を判定すること(636)を含み、
前記応答が、前記判定した時間間隔を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能から、サービス制約としての前記判定した時間間隔を含むデータ伝送についてのさらなるリクエストを受信すること(642)をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記サービス制約に従って、前記リクエストが達成可能かどうかを判定すること(630)はまた、1つまたは複数のさらなるリクエストに関連付けられた1つまたは複数の進行中のデータ伝送についての情報に基づく、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、前記通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラによって実施される、および/または
前記リクエストが、前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能から受信され、前記応答が、前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能に送信される、
請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
通信ネットワークを介したアプリケーションサービスとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための方法であって、前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能における前記方法が、
データ伝送についてのリクエストを前記通信ネットワークに送信すること(710)であって、前記リクエストが、(i)伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、(ii)次の1つまたは複数:
前記データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および
前記UEの軌道
を含む情報を含む、前記通信ネットワークに送信すること(710)と、
前記リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を前記通信ネットワークから受信すること(720)であって、前記応答が、前記リクエストが達成不能であることを指示する場合、前記応答が、前記データ伝送を実行するための対案を含み、前記対案が、
前記リクエストが達成可能なさらなる時間間隔、および
前記リクエストが達成可能な、指示された前記データ量より少ないデータのさらなる量
の1つまたは複数を含む、前記通信ネットワークから受信すること(720)と
を含む、方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数のサービス制約が、時間期限および空間限界の1つまたは複数を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記軌道が、関連付けられた時間をそれぞれ伴う、複数の位置の中間地点を含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記軌道が、時間期限に関連付けられた空間限界を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記応答が、前記リクエストが達成可能なことを示す、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記応答が、前記1つまたは複数のサービス制約に従って、前記リクエストが達成可能であるという信頼度のレベルをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツサーバに関する情報を前記通信ネットワークに送信すること(740)と、
前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツキャッシュに関する情報を前記通信ネットワークから受信すること(750)と
をさらに含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記対案が、前記対案に関連付けられた信頼度のレベルをさらに含む、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記リクエストが、前記1つまたは複数のサービス制約ではなく前記UEの前記軌道を含み、
前記応答が、前記データ伝送を実行可能な判定した時間間隔を含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項28】
サービス制約としての前記判定した時間間隔を含むデータ伝送についてのさらなるリクエストを前記通信ネットワークに送信すること(730)をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能によって実施される、および/または
前記リクエストが、前記通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラに送信され、前記応答が、前記通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラから受信される、
請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
通信ネットワークにおいて使用するためのネットワークノードであって、前記通信ネットワークを介したアプリケーションサービスとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定され、
前記アプリケーションサービスと通信するように設定されたネットワークインターフェースコントローラと、
前記ネットワークインターフェースコントローラに動作可能に接続された処理回路と
を備え、
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能から、データ伝送についてのリクエストを受信することであって、前記リクエストが、(i)伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、(ii)次の1つまたは複数:
前記データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および
前記UEの軌道
を含む情報を含む、データ伝送についてのリクエストを受信することと、
前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得することと、
前記予測容量に基づいて、前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記リクエストが達成可能かどうかを判定することと、
前記アプリケーションサービスが達成不能であると判定した場合、前記データ伝送を実行するための対案を判定することであって、前記対案が、
前記リクエストが達成可能なさらなる時間間隔、および
前記リクエストが達成可能な、指示された前記データ量より少ないデータのさらなる量
の1つまたは複数を含む、前記データ伝送を実行するための対案を判定することと、
前記判定の結果に基づいて前記リクエストへの応答を送信することであって、前記アプリケーションサービスが達成不能であると判定した場合、前記応答が、前記対案を含む、前記リクエストへの応答を送信することと
を行うように設定される、ネットワークノード。
【請求項31】
前記1つまたは複数のサービス制約が、時間期限および空間限界の1つまたは複数を含む、請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項32】
前記軌道が、関連付けられた時間をそれぞれ伴う、複数の位置の中間地点を含む、請求項30または31に記載のネットワークノード。
【請求項33】
前記軌道が、時間期限に関連付けられた空間限界である、請求項32に記載のネットワークノード。
【請求項34】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、時間期限および/または空間限界に関連付けられた将来の時間間隔を含む複数のサブ間隔のそれぞれの間に必要なネットワークリソースを判定することによって、ネットワークリソースについての前記予測容量を取得するように設定される、請求項32または33に記載のネットワークノード。
【請求項35】
特定のサブ間隔の間に必要な前記ネットワークリソースが、前記UEの前記軌道に基づいて判定される、請求項34に記載のネットワークノード。
【請求項36】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、前記判定したネットワークリソースに関連付けられた過去または現在のリソース利用情報に基づいて前記予測容量を計算することによって、前記予測容量を取得するように設定される、請求項34または35に記載のネットワークノード。
【請求項37】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記データ伝送を実行するのに必要な前記ネットワークリソースのための配信計画を計算することによって、前記リクエストが達成可能かどうかを判定するように設定され、
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、前記リクエストが達成可能であると判定した場合、前記ネットワークリソースに配信計画を送信することを行うようにさらに設定される、
請求項30から36のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項38】
前記配信計画が、前記データ伝送のために使用されることになる、サービス品質(QoS)、プロフィール、優先度、1つまたは複数の予想時間ウィンドウ、前記1つまたは複数の時間ウィンドウ内の予想データトラフィック負荷の1つまたは複数を含む、請求項37に記載のネットワークノード。
【請求項39】
前記応答が、前記1つまたは複数のサービス制約に従って、前記リクエストが達成可能であるという信頼度のレベルを含む、請求項30から38のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項40】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、前記リクエストが達成可能であると判定した場合、
前記リクエストが達成可能なことを前記応答で示すことと、
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能から、前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツサーバに関する情報を受信することと、
前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能に、前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツキャッシュに関する情報を送信することと
を行うようにさらに設定される、請求項30から39のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項41】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、
前記データ伝送中に、前記判定したネットワークリソースの容量を監視することと、
前記監視の結果に基づいて、前記コンテンツサーバを介して前記データ伝送の動作状態を制御することと
を行うようにさらに設定される、請求項40に記載のネットワークノード。
【請求項42】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、前記監視の結果に基づいて、前記リクエストに含まれる前記情報に従って、前記リクエストが達成可能かどうかを判定するようにさらに設定される、請求項41に記載のネットワークノード。
【請求項43】
前記対案が、前記対案に関連付けられた信頼度のレベルをさらに含む、請求項30から42のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項44】
前記リクエストが、前記1つまたは複数のサービス制約ではなく前記UEの前記軌道を含み、
前記予測容量が、前記UEの前記軌道に沿った前記データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースのために取得され、
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、
前記予測容量に基づいて、前記データ伝送が実行可能な時間間隔を判定することによって、前記リクエストが達成可能かどうかを判定すること、および
前記判定した時間間隔を前記応答に含めること
を行うように設定される、請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項45】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、前記アプリケーションサービス、または前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能から、サービス制約としての前記判定した時間間隔を含むデータ伝送についてのさらなるリクエストを受信するようにさらに設定される、請求項44に記載のネットワークノード。
【請求項46】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、1つまたは複数のさらなるリクエストに関連付けられた1つまたは複数の進行中のデータ伝送についての情報に基づいて、前記サービス制約に従って、前記リクエストが達成可能かどうかを判定するようにさらに設定される、請求項30から45のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項47】
前記ネットワークノードが、前記通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラである、および/または
前記リクエストが、前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能から受信され、前記応答が、前記アプリケーションサービスに関連付けられた前記ネゴシエーション機能に送信される、
請求項30から46のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項48】
通信ネットワークで使用するためのネットワークノード(540)であって、前記通信ネットワークを介したアプリケーションサービス(560、570)とユーザ機器UE(510)との間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定され、請求項1から18に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように配置または設定される、ネットワークノード(540)。
【請求項49】
通信ネットワーク内のネットワークノードに関連付けられた処理回路によって実行されると、請求項1から18に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように前記ネットワークノードを設定するコンピュータ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項50】
通信ネットワーク内のネットワークノードに関連付けられた処理回路によって実行されると、請求項1から18に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように前記ネットワークノードを設定するコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラ
ム。
【請求項51】
アプリケーションサービスにおいて、またはアプリケーションサービスと共に使用するための装置であって、通信ネットワークを介した前記アプリケーションサービスとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定され、
前記通信ネットワークに関連付けられたネットワークノードと通信するように設定されたネットワークインターフェースコントローラと、
前記ネットワークインターフェースコントローラに動作可能に接続された処理回路と
を備え、
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、
データ伝送についてのリクエストを前記通信ネットワークに送信することであって、前記リクエストが、(i)伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、(ii)次の1つまたは複数:
前記データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および
前記UEの軌道
の情報を含む、前記通信ネットワークに送信することと、
前記リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を前記通信ネットワークから受信することであって、前記応答が、前記リクエストが達成不能であることを指示する場合、前記応答が、前記データ伝送を実行するための対案を含み、前記対案が、
前記リクエストが達成可能なさらなる時間間隔、および
前記リクエストが達成可能な、指示された前記データ量より少ないデータのさらなる量
の1つまたは複数を含む、前記通信ネットワークから受信することと
を行うように設定される、装置。
【請求項52】
前記1つまたは複数のサービス制約が、時間期限および空間限界の1つまたは複数を含む、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記軌道が、関連付けられた時間をそれぞれ伴う、複数の位置の中間地点を含む、請求項51または52に記載の装置。
【請求項54】
前記軌道が、時間期限に関連付けられた空間限界を含む、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記応答が、前記リクエストが達成可能なことを示す、請求項51から54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記応答が、前記1つまたは複数のサービス制約に従って、前記リクエストが達成可能であるという信頼度のレベルをさらに含む、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、
前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツサーバに関する情報を前記通信ネットワークに送信することと、
前記データ伝送のために使用されることになるコンテンツキャッシュに関する情報を前記通信ネットワークから受信することと
を行うようにさらに設定される、請求項55または56に記載の装置。
【請求項58】
前記対案が、前記対案に関連付けられた信頼度のレベルをさらに含む、請求項51から54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記リクエストが、前記1つまたは複数のサービス制約ではなく前記UEの前記軌道を含み、
前記応答が、前記データ伝送を実行可能な判定した時間間隔を含む、
請求項51に記載の装置。
【請求項60】
前記ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路が、サービス制約としての前記判定した時間間隔を含むデータ伝送についてのさらなるリクエストを前記通信ネットワークに送信するようにさらに設定される、請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記装置が、前記アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能である、および/または
前記リクエストが、前記通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラに送信され、前記応答が、前記通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラから受信される、
請求項51から60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
アプリケーションサービス(560、570)において、またはアプリケーションサービス(560、570)と共に使用するための装置であって、通信ネットワークを介した前記アプリケーションサービス(560、570)とユーザ機器(UE)(510)との間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定され、請求項19から29に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように配置または設定される、装置。
【請求項63】
請求項51から62のいずれか一項に記載の前記装置と、
前記装置に動作可能に接続されたコンテンツサーバ(570)と
を備える、アプリケーションサービス(560、570)。
【請求項64】
アプリケーションサービスにおいて、またはアプリケーションサービスと共に使用するための装置に関連付けられた処理回路によって実行されると、請求項19から29に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように前記装置を設定するコンピュータ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項65】
アプリケーションサービスにおいて、またはアプリケーションサービスと共に使用するための装置に関連付けられた処理回路によって実行されると、請求項19から29に記載の方法のいずれかに対応する動作を実施するように前記装置を設定するコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、通信ネットワークの分野に関し、より詳細には、データ伝送が時間および/または位置制約を受けるシナリオにおいて、無線通信ネットワークでの将来のデータ伝送をスケジュールするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、本明細書において使用する用語はすべて、使用の文脈による異なる意味の明らかな付与および/または暗示のない限り、関連する技術分野における通常の意味に従って解釈されるものとする。別段の明示的な記述のない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップ等に対するすべての言及が、当該要素、装置、構成要素、手段、ステップ等の少なくとも1つの例に対する言及としてオープンに解釈されるものとする。本明細書に開示の如何なる方法および/または手順のステップも、あるステップが別のステップに後続もしくは先行するものとする明示的な記載ならびに/またはあるステップが別のステップに後続もしくは先行する必要がある旨の暗示のない限り、開示の厳密な順序で実行する必要はない。本明細書に開示の実施形態のいずれかの如何なる特徴も、必要に応じて、その他任意の実施形態に適用可能である。同様に、実施形態のいずれかの如何なる利点も、その他任意の実施形態に適用可能であり、その逆もまた同様である。本明細書の実施形態の他の目的、特徴、および利点についても、以下の説明から明らかとなるであろう。
【0003】
ロングタームエボリューション(LTE)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)内で開発され、最初はリリース8および9にて標準化された、いわゆる第4世代(4G)無線アクセス技術の総称であり、エボルブドUTRAN(E-UTRAN)としても知られている。LTEは、さまざまなライセンス周波数帯で対象となっており、エボルブドパケットコア(EPC)ネットワークを含むシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)と一般的に称する非無線態様の改良を伴う。LTEは、後続のリリースで進化し続けている。リリース11の特徴の1つは、エンハンスト物理ダウンリンク制御チャネル(ePDCCH)であり、制御チャネルリソースの容量を増加させ、空間再利用を改善すること、セル間干渉制御(ICIC)を改善すること、ならびに、アンテナビーム形成および/または制御チャネルの送信ダイバシティをサポートすることという目標がある。
【0004】
LTEおよびSAEを備えるネットワークの全般的な例示的なアーキテクチャを
図1に示す。E-UTRAN100は、eNB105、110、および115等の1つまたは複数のエボルブドノードB(eNB)、ならびに、UE120等の1つまたは複数のユーザ機器(UE)を備える。3GPP規格内で、「ユーザ機器」または「UE」としては、第3世代(「3G」)および第2世代(「2G」)3GPP無線アクセスネットワークが一般に知られているように、E-UTRANならびにUTRANおよび/またはGERANを含む3GPP規格準拠のネットワーク機器と通信可能な任意の無線通信デバイス(たとえば、スマートフォンまたはコンピューティングデバイス)を意味する。
【0005】
3GPPで指定される通り、E-UTRAN100は、無線ベアラ制御、無線アドミッション制御、無線モビリティ制御、スケジューリング、および、アップリンクとダウンリンクにおけるUEへのリソースの動的配分、ならびに、UEとの通信のセキュリティを含む、ネットワークにおけるすべての無線関連機能を担う。これらの機能は、eNB105、110、および115等のeNBに属する。E-UTRANにおけるeNBは、
図1に示すように、X1インターフェースを介して互いに通信する。また、eNBは、
図1にMME/S-GW134および138として一括して示した、特に、モビリティ管理エンティティ(MME)およびサービングゲートウェイ(SGW)へのS1インターフェースといった、EPC130へのE-UTRANインターフェースを担う。一般的に言えば、MME/S-GWは、UEの全般的な制御、および、UEと残りのEPCとの間のデータフローの両方をハンドリングする。より具体的には、MMEは、非アクセス層(NAS)プロトコルとして知られている、UEとEPCとの間のシグナリング(たとえば制御プレーン)プロトコルを処理する。S-GWは、UEとEPCとの間のすべてのインターネットプロトコル(IP)データパケット(たとえば、データまたはユーザプレーン)をハンドリングし、eNB105、110、および115等のeNB間をUEが移動するときのデータベアラのためのローカルモビリティアンカーとして機能する。
【0006】
また、EPC130は、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)131を含むことができ、HSS131は、ユーザおよび加入者関連情報を管理する。また、HSS131は、モビリティ管理におけるサポート機能、コールおよびセッション設定、ユーザ認証およびアクセス権限付与を提供可能である。HSS131の機能は、レガシーホームロケーションレジスタ(HLR)の機能、および認証センタ(AuC:Authentication Centre)の機能または動作に関連し得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、HSS131は、Udインターフェースを介して、(
図1にEPC-UDR135と表記した)統合データリポジトリ(UDR:unified data repository)と通信可能である。EPC-UDR135は、AuCアルゴリズムによってユーザ認証情報を暗号化した後、ユーザ認証情報を格納可能である。これらのアルゴリズムは、標準化されておらず(すなわち、ベンダ固有のものであり)、EPC-UDR135に格納した暗号化資格証明書が、HSS131のベンダ以外のいずれのベンダによってもアクセス不能である。
【0008】
3GPPにおいては、第5世代(5G)セルラー(たとえば、無線)ネットワークの新無線インターフェースに関する検討事項が最近になって完了している。3GPPは現在、NR(New Radio)と省略されることの多いこの新無線インターフェースの規格化を行っている。
図2は、次世代RAN(NG-RAN)299および5Gコア(5GC)298から成る5Gネットワークアーキテクチャの高レベル図である。NG-RAN299は、インターフェース202、252を介してそれぞれ接続されたgNB200、250等の、1つまたは複数のNGインターフェースを介して5GCに接続された一組のgNodeB(gNB)を含み得る。さらに、このgNBは、gNB200および250間のXnインターフェース240等、1つまたは複数のXnインターフェースを介して互いに接続可能である。UEに対するNRインターフェースに関して、gNBはそれぞれ、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、またはこれらの組合せをサポート可能である。
【0009】
NG-RAN299は、無線ネットワークレイヤ(RNL)およびトランスポートネットワークレイヤ(TNL)にレイヤ化されている。NG-RANアーキテクチャすなわちNG-RAN論理ノードおよびそれらの間のインターフェースは、RNLの一部として規定される。NG-RANインターフェース(NG、Xn、F1)のそれぞれについて、関連するTNLプロトコルおよび機能が定められている。TNLは、ユーザプレーントランスポートおよびシグナリングトランスポートのサービスを提供する。いくつかの例示的な設定において、各gNBは、3GPP TS 23.501に規定された「AMF領域」内のすべての5GCノードに接続されている。NG-RANインターフェースのTNL上のCPおよびUPデータに対するセキュリティ保護がサポートされている場合は、NDS/IP(3GPP TS 33.401)が適用されるものとする。
【0010】
図2に示す(および、TS 38.401およびTR 38.801に記載の)NG-RAN論理ノードは、中央(または、集中)ユニット(CUまたはgNB-CU)と、1つまたは複数の分散(または、脱集中)ユニット(DUまたはgNB-DU)とを具備する。たとえば、gNB200は、gNB-CU210と、gNB-DU220および230とを具備する。CU(たとえば、gNB-CU210)は、上位レイヤプロトコルをホスティングするとともに、DUの動作の制御等、さまざまなgNB機能を実行する論理ノードである。各DUは、下位レイヤプロトコルをホスティングするとともに、機能分割に応じてgNB機能のさまざまな部分集合を含み得る論理ノードである。このため、CUおよびDUはそれぞれ、処理回路、送受信回路(たとえば、通信用)、および電源回路等、それぞれの機能の実行に要するさまざまな回路を具備し得る。さらに、本明細書においては、用語「中央ユニット(central unit)」および「集中ユニット(centralized unit)」を区別なく使用しており、用語「分散ユニット(distributed unit)」および「脱集中ユニット(decentralized unit)」も同様である。
【0011】
gNB-CUは、
図2のインターフェース222および232等、各F1論理インターフェースを通じてgNB-DUに接続されている。gNB-CUおよび接続されたgNB-DUは、他のgNBおよび5GCに対してのみ、gNBとして見える。言い換えれば、F1インターフェースは、gNB-CUを越えては見られない。
【0012】
図3は、次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)399および5Gコア(5GC)398を含む例示的な5Gネットワークアーキテクチャの高レベル図を示す。図に示すように、NG-RAN399は、それぞれのXnインターフェースを介して互いに相互接続されたgNB310(たとえば310a、310b)およびng-eNB320(たとえば320a、320b)を含み得る。また、gNBおよびng-eNBは、NGインターフェースを介して5GC398に、より具体的には、それぞれのNG-Cインターフェースを介してAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能)330(たとえば、AMF330a、330b)に、ならびに、それぞれのNG-Uインターフェースを介してUPF(ユーザプレーン機能)340(たとえば、UPF340a、340b)に、接続される。
【0013】
gNB310のそれぞれは、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、またはその組合せを含む、NR無線インターフェースをサポート可能である。対照的に、ng-eNB320のそれぞれは、LTE無線インターフェースをサポートするが、(
図1に示すものなどの)従来のLTE eNBと異なり、NGインターフェースを介して5GCに接続される。
【0014】
異なる3GPPアーキテクチャオプション(たとえば、EPCに基づくまたは5GCに基づく)、ならびに異なる能力(たとえば、EPC NASおよび5GC NAS)を伴うUEに基づく展開は、1つのネットワーク(たとえばPLMN)内で同時に共存し得る。また、5GC NAS手順をサポート可能なUEが、ローミング時等、レガシーネットワークで動作するように、(たとえば、3GPP TS 24.301で規定されるような)EPC NAS手順をサポート可能であることが一般に仮定される。したがって、UEは、UEをサーブするコアネットワーク(CN)に応じて、EPC NASまたは5GC NAS手順を使用することになる。
【0015】
5Gネットワークの(たとえば、5GCの)別の変更は、従来のピアツーピアインターフェースおよびプロトコル(たとえば、LTE/EPCネットワークで見つかるもの)が、1人または複数のサービス利用者に1つまたは複数のサービスをネットワーク機能(NF)が提供する、いわゆるサービスベースアーキテクチャ(SBA)によって修正されることである。これは、たとえば、ハイパーテキスト転送プロトコル/リプレゼンテーショナルステートトランスファ(HTTP/REST)アプリケーションプログラミングインターフェース(API)によって行い得る。一般に、さまざまなサービスは、他のサービスに影響を及ぼすことなく、分離した手法で変更し修正可能な自己完結型機能である。
【0016】
さらに、サービスは、さまざまな「サービス動作」から成り、「サービス動作」は、全般的なサービス機能のより粒度の細かい分割である。サービスにアクセスするために、サービス名と対象のサービス動作の両方を示さなければならない。サービス利用者とプロデューサーとの間の対話としては、タイプ「リクエスト/応答」または「加入/通知」が可能である。5G SBAにおいて、ネットワークリポジトリ機能(NRF)によって、あらゆるネットワーク機能は、他のネットワーク機能によって提供されたサービスを発見でき、データストレージ機能(DSF)によって、あらゆるネットワーク機能は、そのコンテキストを格納することができる。
【0017】
上述の通り、5G SBAにおけるネットワーク機能(NF)の一部としてサービスを展開可能である。このSBAモデルは、NFのモジュラリティ、再利用(reusability)、および自己完結(self-containment)のような原理をさらに採用して、最新の仮想化およびソフトウェア技術を利用するための展開を可能にし得る。
図4は、制御プレーン(CP)内の、サービスベースインターフェース、およびさまざまな3GPPが規定したNFを伴う例示的な非ローミング5G基準アーキテクチャを示す。これらは、以下を含む。
・ Namfインターフェースを伴うアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、
・ Nsmfインターフェースを伴うセッション管理機能(SMF)、
・ Nupfインターフェースを伴うユーザプレーン機能(UPF)、
・ Npcfインターフェースを伴うポリシ制御機能(PCF)、
・ Nnefインターフェースを伴うネットワーク公開機能(NEF)、
・ Nnrfインターフェースを伴うネットワークリポジトリ機能(NRF)、
・ Nnssfインターフェースを伴うネットワークスライス選択機能(NSSF)、
・ Nausfインターフェースを伴う認証サーバ機能(AUSF)、
・ Nafインターフェースを伴うアプリケーション機能(AF)、
・ ネットワークデータ分析機能(NWDAF)(図示せず)、ならびに
・ Nudmインターフェースを伴う統合データ管理(UDM)。
【0018】
UDMは、上述のLTE/EPCネットワークにおけるHSSに類似している。UDMは、3GPP AKA認証資格証明書の生成、ユーザ識別ハンドリング、加入データに基づくアクセス権限付与、および他の加入者関連機能をサポートする。この機能を提供するために、UDMは、5GC統合データリポジトリ(UDR)に格納された(認証データを含む)加入データを使用する。UDMに加えて、UDRは、PCFによるポリシデータの格納および検索、ならびに、NEFによるアプリケーションデータの格納および検索をサポートする。
【0019】
5Gネットワークは、5G SBAを含み、道路輸送を含む高度道路交通システム(ITS)アプリケーションをサポートすることを意図する。互いとの(vehicle-to-vehicle、またはV2V)、インフラストラクチャ(V2I)との、および交通弱者との車両の通信により、利用者の安全および安心を向上させること、トラフィック管理を改善し、および/または輻輳を低減させること、ならびに、車両燃料消費および排出を低減させることが予想される。一括して、これらの通信モードは、共通して、vehicle-to-everything(V2X)と称する。V2XのITS関連ユースケースの大規模なセットが開発されてきており、これらのユースケースに基づいて、V2X通信要件が開発されてきた。
【0020】
サービスの提供は、ネットワークリソースの管理を必要とし、ネットワークリソースは、サービスが実行している間にサービスによって典型的にリクエストされる。それでも、いくつかのサービスの提供は、ネットワークリソースの進展管理および/またはスケジューリングによって最適化可能である。1つのこのようなサービスは、たとえば、データ送信を先に延ばせるように時間制約を緩めた、時間的制約のない低トラフィック優先度(たとえば、ソフトウェアアップデート)の非常に大きい(または「莫大な」)データ量の伝送に典型的に関連付けられたサービスである、(3GPP TS 23.503節6.1.2.4に記述された)「バックグラウンドデータ伝送」である。また、予めスケジュールされるこのようなバックグラウンドデータ伝送サービスは、上述の通り、「将来データ伝送」と称する。
【0021】
バックグラウンドデータ伝送サービスは、多くのモノのインターネット(IoT)ユースケースへの関心が高く、これらのユースケースでは、大規模の数のセンサが、その測定値を送信しなければならず、したがって、送信されることになる大量のデータを生成する。収集したIoTデータは時間的制約がないことが多く、これらの送信は、数時間、または数日間でも、さらに遅延可能である。
【0022】
バックグラウンドデータ伝送サービスは、(たとえば、オンボードカメラまたは他のセンサを介して)大量データを車両が収集し、厳格な時間制約なく、車両製造業者のクラウドにこのようなデータをアップロードする必要がある用途を含む、いくつかのV2Xシナリオへの関心が高い。他のV2Xシナリオにおいて、車両は、大量の情報(たとえばマップタイル)を、そのOEMクラウドから、またはマップ提供者から、受信可能である。大量の情報の双方向伝送を伴い得る他のシナリオは、自律運転を含む。これらのシナリオの多くにおいて、データ送受信は、長時間(たとえば、数日)遅延可能であるが、他のシナリオは、情報が時間的および/または地理的に無関係にならないように、数十分または数時間以内の情報配信を必要とし得る。たとえば、車両は、このエリアに近づく十分に前に、特定の地理領域のマップタイルおよび他の関係情報を受信するべきである。
【0023】
3GPP TS 23.503(v15.4.0)は、アドホックのポリシの作成を容易にして、このような送信の優先度を下げること(たとえば、「バックグラウンドデータ伝送」を容易にすること)、および、アドホックの課金ポリシを実施することを目的に、大量データの送信のために設計された、いくつかの手順を指定する。IoTシナリオについて、3GPPは、たとえば、AFが信頼できるかどうかに応じてPCFまたはNEFを介して、AFがアドホックの伝送ポリシをネットワークとネゴシエーションする「将来バックグラウンドデータ伝送のためのネゴシエーション」のための手順を紹介した。
【0024】
そうだとしても、これらの手順は、データ送信のパターンと、データを生成するセンサとの両方が非常に静的な、大規模センサネットワークからの測定レポート等のIoTタイプのシナリオ/用途を対象にしている。これらの制限は、センサが高度に移動式であり、データ送信パターンが大いに変化し得るV2Xシナリオに適用されない。したがって、ネゴシエーションしたポリシは、時間と共に、無効、無関係、および/または古くなり得る。潜在的にリネゴシエーション可能であるが、ポリシがネットワーク挙動を推進するため、ネットワークオペレータは、一般に、最低限、ネットワークポリシへの変更を遅らせることを好む。これは、将来データ伝送シナリオのためのポリシの動的設定の柔軟性を制限するため、V2Xユースケース等で見つかるような、より動的なシナリオについての、さまざまな問題、課題、欠点、および/または苦労を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0025】
したがって、本開示の例示的実施形態は、RAN、CN、およびクラウド構成要素を含む通信ネットワーク中のリソースをスケジュールする際の、これらおよび他の苦労に対処する。
【0026】
本開示の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための方法および/または手順を含む。例示的な方法および/または手順は、通信ネットワーク(たとえば、コアネットワークにおける機能)の一部であるか、これに関連付けられた、予測コントローラによって実施可能である。いくつかの実装形態において、本明細書で提示する予測コントローラの例示的な方法および/または手順は、通信ネットワーク、または通信ネットワークのコアネットワークの一部か、これに関連付けられた、ネットワーク機能(NF)またはネットワークノードの機能もしくは動作の一部が可能である。したがって、予測コントローラによって実施される方法、手順、ステップ、および/または動作への本明細書での言及は、この方法、手順、ステップ、および/または動作をNFまたはコアネットワークノードが実施することを含むことが了解されるものとする。
【0027】
例示的な方法および/または手順は、UEとの間のデータ伝送についてのリクエストをアプリケーションサービスから受信することを含み得る。リクエストは、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および/またはUEの軌道を含み得る。いくつかの実施形態において、リクエストは、アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能から受信可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のサービス制約は、時間期限および/または空間限界を含み得る。
【0028】
また、例示的な方法および/または手順は、リクエストに含まれる情報に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得することを含み得る。他の実施形態において、この動作は、時間期限に関連付けられた将来の時間間隔を含む複数のサブ間隔のそれぞれの間に必要なネットワークリソースを判定することを含み得る。いくつかの実施形態において、特定のサブ間隔の間に必要なネットワークリソースは、UEの軌道に基づいて判定可能である。
【0029】
いくつかの実施形態において、予測容量は、通信ネットワークにおける1つまたは複数の他のノードおよび/または機能(たとえば、判定したネットワークリソースに関連付けられたノードおよび/または機能)から予測容量を受信することによって取得可能である。他の実施形態において、予測コントローラは、判定したネットワークリソースに関連付けられた過去または現在のリソース利用情報に基づいて計算によって取得可能である。
【0030】
また、例示的な方法および/または手順は、予測容量に基づいて、リクエストに含まれる情報に従って、リクエストが達成可能かどうかを判定することを含み得る。いくつかの実施形態において、これらの動作は、リクエストに含まれる情報(たとえば、1つまたは複数のサービス制約、量、および/または軌道)に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースのための配信計画を計算することを含み得る。いくつかの実施形態において、リクエストが達成不能であると判定した場合、これらの動作はまた、データ伝送を実行するための対案を判定することを含み得る。
【0031】
また、例示的な方法および/または手順は、判定の結果に基づいてリクエストへの応答を送信することを含み得る。いくつかの実施形態において、応答は、アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能に送信可能である。いくつかの実施形態において、リクエストが達成可能であると判定した場合、応答は、リクエストが達成可能であるという指示、および、任意選択として、指示したサービス制約に従ってリクエストが達成可能であるという信頼度のレベルを含み得る。いくつかの実施形態において、サービスが達成不能であると判定した場合、応答は、データ伝送を実行するための対案を含み得る。
【0032】
本開示の他の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための他の方法および/または手順を含む。例示的な方法および/または手順は、アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能によって実施可能である。いくつかの実装形態において、「アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能」は、アプリケーションサービスとは別個が可能であり、他の実装形態において、本明細書で提示するネゴシエーション機能の例示的な方法および/または手順は、アプリケーションサービスの機能または動作の一部が可能である。したがって、ネゴシエーション機能によって実施される方法、手順、ステップ、および/または動作への本明細書における言及は、アプリケーションサービスが、これらの方法、手順、ステップ、および/もしくは動作を実施すること、または、アプリケーションサービスに関連付けられた別個のノードが、これらの方法、手順、ステップ、および/もしくは動作を実施することを含むことが了解されるものとする。
【0033】
例示的な方法および/または手順は、UEとの間のデータ伝送についてのリクエストを通信ネットワークに送信することを含み得る。リクエストは、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および/またはUEの軌道を含み得る。いくつかの実施形態において、リクエストは、通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラに送信可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のサービス制約は、時間期限および/または空間限界が可能である。
【0034】
また、例示的な方法および/または手順は、リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を受信することを含み得る。いくつかの実施形態において、応答は、予測コントローラから受信可能である。いくつかの実施形態において、応答は、リクエストが達成可能であること、および任意選択として、指示したサービス制約に従ってリクエストが達成可能であるという信頼度のレベルを指示可能である。
【0035】
いくつかの実施形態において、応答は、リクエストが達成不能であることを指示可能である。このような実施形態において、応答はまた、データ伝送を実行するための対案を含み得る。
【0036】
このように、本開示の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションとUEとの間のデータ伝送をネゴシエーションするための方法および/または手順を含む。例示的な方法および/または手順は、たとえば、通信ネットワーク、または通信ネットワークのコアネットワークの一部であるか、これに関連付けられた、予測コントローラ等のネットワークノードといった、通信ネットワークによって実施可能である。例示的な方法および/または手順は、アプリケーションサービス、またはアプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能から、データ伝送についてのリクエストを受信することであって、リクエストが、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、およびUEの軌道の1つまたは複数を含む、受信することと、リクエストに含まれる情報に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得することと、予測容量に基づいて、リクエストに含まれる情報に従って、リクエストが達成可能かどうかを判定することと、判定の結果に基づいてリクエストへの応答を送信することとを含む。
【0037】
本開示の他の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションとUEとの間のデータ伝送をネゴシエーションするための他の方法および/または手順を含む。例示的な方法および/または手順は、アプリケーションサービス、またはアプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能によって実施可能であり、データ伝送についてのリクエストを通信ネットワークに送信することであって、リクエストが、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、およびUEの軌道の1つまたは複数を含む、送信することと、リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を通信ネットワークから受信することとを含む。
【0038】
他の例示的実施形態は、例示的な方法および/または手順に対応する動作を実施するように設定された予測コントローラ、ネゴシエーション機能、または関連付けられたネットワークノードを含む。他の例示的実施形態は、このような予測コントローラ、ネゴシエーション機能、またはネットワークノードに関連付けられた処理回路によって実行されると、例示的な方法および/または手順に対応する動作を実施するように同じものを設定するコンピュータ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0039】
このように、本開示の他の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションまたはアプリケーションサービスとUEとの間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定された、予測コントローラ等のネットワークノード、または他のNFもしくはネットワークノードを含み、ネットワークノードは、アプリケーションサービスおよび通信ネットワークの少なくともコアネットワーク部分と通信するように設定されたネットワークインターフェースコントローラ、ならびに、ネットワークインターフェースコントローラに動作可能に接続された処理回路を含む。ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路は、アプリケーションサービス、またはアプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能から、データ伝送についてのリクエストを受信することであって、リクエストが、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、およびUEの軌道の1つまたは複数を含む、受信することと、リクエストに含まれる情報に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得することと、予測容量に基づいて、リクエストに含まれる情報に従って、リクエストが達成可能かどうかを判定することと、判定の結果に基づいてリクエストへの応答を送信することとを行うように設定される。
【0040】
本開示の他の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションまたはアプリケーションサービスとUEとの間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定された、予測コントローラ等のネットワークノード、または他のNFもしくはネットワークノードを含み、ネットワークノードは、データ伝送についてのリクエストをアプリケーションサービスから受信することであって、リクエストが、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、およびUEの軌道の1つまたは複数を含む、受信することと、リクエストに含まれる情報に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得することと、予測容量に基づいて、リクエストに含まれる情報に従って、リクエストが達成可能かどうかを判定することと、判定の結果に基づいてリクエストへの応答を送信することとを行うように配置または設定される。
【0041】
本開示の他の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションまたはアプリケーションサービスとUEとの間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定された、アプリケーションサービスの一部であるか、これに関連付けられたネゴシエーション機能等の装置を含み、装置は、通信ネットワークと通信するように設定されたネットワークインターフェースコントローラ(たとえば、通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラまたはネットワークノードもしくはNF)と、ネットワークインターフェースコントローラに動作可能に接続された処理回路とを備える。ネットワークインターフェースコントローラおよび処理回路は、データ伝送についてのリクエストを通信ネットワークに送信することであって、リクエストが、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、およびUEの軌道の1つまたは複数を含む、送信することと、リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を通信ネットワークから受信することとを行うように設定される。
【0042】
本開示の他の例示的実施形態は、通信ネットワークを介したアプリケーションまたはアプリケーションサービスとUEとの間のデータ伝送をネゴシエーションするように設定された、アプリケーションサービスの一部であるか、これに関連付けられたネゴシエーション機能等の装置を含み、装置は、データ伝送についてのリクエストを通信ネットワークに送信することであって、リクエストが、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、およびUEの軌道の1つまたは複数を含む、送信することと、リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を通信ネットワークから受信することとを行うように配置または設定される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】3GPPによって標準化されたような、Long-Term Evolution(LTE)エボルブドUTRAN(E-UTRAN)およびエボルブドパケットコア(EPC)ネットワークの例示的アーキテクチャの高レベルブロック図である。
【
図2】5Gネットワークアーキテクチャの2つの異なる高レベル図を示す図である。
【
図3】5Gネットワークアーキテクチャの2つの異なる高レベル図を示す図である。
【
図4】3GPP TS 23.501にさらに記述されたような、サービスベースインターフェースおよびさまざまなネットワーク機能(NF)を伴う例示的な非ローミング5G基準アーキテクチャを示す図である。
【
図5A】関与するネットワークノード、機能、および/またはエンティティを含む本開示の例示的な一実施形態を示す図、ならびに、関与するエンティティ間のシグナリングフローである。
【
図5B】関与するネットワークノード、機能、および/またはエンティティを含む本開示の例示的な一実施形態を示す図、ならびに、関与するエンティティ間のシグナリングフローである。
【
図6】本開示のさまざまな例示的実施形態による、通信ネットワークを介したアプリケーションとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための例示的な方法および/または手順を示す図である。
【
図7】本開示のさまざまな例示的実施形態による、通信ネットワークを介したアプリケーションとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための例示的な方法および/または手順を示す図である。
【
図8】本明細書に記載の種々の態様に係る、無線ネットワークの例示的な一実施形態を示す図である。
【
図9】本明細書に記載の種々の態様に係る、UEの例示的な一実施形態を示す図である。
【
図10】本明細書に記載のネットワークノードの種々の実施形態の実装に使用できる例示的な仮想化環境を示すブロック図である。
【
図11】本明細書に記載の一態様に係る、例示的な通信システムおよび/またはネットワークのブロック図である。
【
図12】本明細書に記載の一態様に係る、例示的な通信システムおよび/またはネットワークのブロック図である。
【
図13】本開示のさまざまな例示的実施形態による装置の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、添付の図面を参照することにより、上記で簡単に概説した例示的実施形態をより詳しく説明する。これらの説明は、当業者に主題を説明するための例として提供され、本明細書において説明する実施形態のみに主題の範囲を限定するものと解釈すべきではない。より具体的には、上述の利点によるさまざまな実施形態の動作を示す例を下記で提供する。
【0045】
簡単に前述した通り、3GPP TS 23.503(v15.4.0)は、アドホックのポリシの作成を容易にして、このような送信の優先度を下げること(たとえば、「バックグラウンドデータ伝送」を容易にすること)、および、アドホックの課金ポリシを実施することを目的に、大量データの送信のために設計された、いくつかの手順を指定する。そうだとしても、これらの手順は、データ送信のパターンと、データを生成するセンサとの両方が非常に静的な、大規模センサネットワークからの測定レポート等のIoTタイプのシナリオ/用途を対象にしている。これらの制限は、センサが高度に移動式であり、データ送信パターンが大いに変化し得るV2Xシナリオに適用されない。
【0046】
したがって、ネゴシエーションしたポリシは、時間と共に、無効、無関係、および/または古くなり得る。潜在的にリネゴシエーション可能であるが、ポリシがネットワーク挙動を推進するため、ネットワークオペレータは、一般に、最低限、ネットワークポリシへの変更を遅らせることを好む。これは、将来データ伝送シナリオのためのポリシの動的設定の柔軟性を制限するため、V2Xユースケース等で見つかるような、より動的なシナリオについての、さまざまな問題、課題、欠点、および/または苦労を引き起こし得る。これらの態様は、下記でより詳しく論じる。
【0047】
たとえば、バックグラウンドデータ伝送サービスのためのネゴシエーションは、UEのグループをターゲットにし、UEは、同じ所有者および/またはサービスプロバイダによって管理され、任意選択として、特定の地理領域内に位置付けられる。より具体的な例として、バックグラウンドデータ伝送サービスは、特定の時間ウィンドウ内で、および任意選択として、特定の地理領域内で、ソフトウェアアップデートを、すべてのトヨタ車に提供するように設定可能である。それでも、個別の(たとえば、UEごと、および/またはアプリケーションごとの)設定を要求するユースケースは、このように簡単にハンドリングされない。
【0048】
さらなる例として、将来バックグラウンドデータ伝送サービスは、データ伝送のための時間ウィンドウのネゴシエーションを許可する。そうだとしても、ネゴシエーションしたウィンドウは、ネットワークとAFとの間で同意すると静的になり、関連付けられたサービスおよび/またはUEのすべてのトラフィックに適用される。対照的に、一定のV2Xアプリケーションは、UEごとおよび/またはコンテンツタイプごとに柔軟に設定可能な時間ウィンドウを要求する。さらに、バックグラウンドデータ伝送のためにネゴシエーションしたポリシは、QoSプロフィール、UE/フロー優先度等、サービス配信戦略および/またはパラメータの選択および/または再設定を許可および/または容易化しない。一般に、前述の特徴のすべては、現在提供されているものより強い、ネットワーク構成要素(たとえば、RANノード)とネゴシエーションされたポリシとの統合を要求する。
【0049】
別の例として、将来バックグラウンドデータ伝送手順は、リクエストに地理領域をAFが含めることを可能にするが、UEの予想および/または計画の軌道は、ネットワークには利用できない。さらに、上述の通り、バックグラウンドデータ伝送が、UEのグループをターゲットにするため、個々のUEの動きは、考慮されることさえない。これは、データ送信の最適化、および最適な時間ウィンドウの選択を制限する恐れがある。その上、このような情報がないと、ネットワークは、データ伝送に関与するネットワークノードにおけるリソースの利用を最適化することができない。
【0050】
さらに別の例として、バックグラウンドデータ伝送についての所与の期限を守る際に、ネットワークの能力についてのフィードバックをAFに提供しない。一般に、サービスは、一定の期限内に一定のファイルサイズをネットワークが配信可能かどうかを認識していない。同様に、ネットワークは、(静的に設定されない限り)サービスによって伝送されることになるデータ量、およびその関連付けられた送信期限を認識していない。
【0051】
本開示の例示的実施形態は、単一のアプリケーションの大量データの送信を改善および/または最適化するためにアプリケーションサービスを有効化および/または容易化する技術によって、これらおよび他の問題、難題、および/または課題に対処する。このような実施形態は、データ伝送のための静的な時間ウィンドウおよび手順に依存する既存の手順に比べて、より柔軟かつ動的な手順を提供する。その上、このような実施形態は、このような改善および/または最適化のために、予想および/または予測されるネットワーク容量についての情報をアプリケーションサービスが活用することを有効化および/または容易化する。さらに、このような実施形態は、異なる時間ウィンドウ内に伝送すべき他のトラフィックをアプリケーションサービスが有しているとき、ネットワークポリシの更新を要求しない。
【0052】
さまざまな実施形態において、アプリケーションサービス(たとえば、アプリケーションまたはアプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能)は、コンテンツサーバと1つまたは複数のUEとの間で特定の量のデータを配信するように、ネットワークにリクエスト可能である。リクエスト、および配信されることになるデータ量と共に、アプリケーションサービスは、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数の制約を提供可能である。いくつかの実施形態において、アプリケーションサービスは、UEの計画および/または予想の軌道(たとえば、タイムスタンプを伴う位置の中間地点のリスト)を提供可能である。上述の通り、ネゴシエーション機能は、アプリケーションサービスとは別個の装置もしくはノードが可能であり、または、ネゴシエーション機能は、アプリケーションサービスの機能もしくは動作の一部が可能であり、別途指示されないか、文脈から明らかでない限り、用語「ネゴシエーション機能」および「アプリケーションサービス」は、本明細書において区別なく使用する。
【0053】
さまざまな実施形態において、制約は、時間期限および/または空間限界を含み得る。本明細書において使用される場合、「時間期限」は、(たとえば、期限の前にマップ更新を実行するといった、)データ伝送を実行および/もしくは完了することになる将来の時間間隔、またはその前にデータ伝送を実行および/もしくは完了することになる将来の時間と称し得る。本明細書において使用される場合、「空間限界」は、その前にデータ伝送を実行および/または完了することになる端末の地理位置(たとえば、車両/UE軌道の終端)と称し得る。そうだとしても、空間限界はまた、端末の地理位置に達するための、車両および/またはUEのスピードおよびルートによって決まるような、時間に関するものである。
【0054】
開示の技術では、データ伝送リクエストをネットワークが受け入れ、実行すること、または対案とともに拒絶/辞退可能である。この判定は、提供された時間および/または空間限界に従ってリクエストされた伝送を実施するのに、所与の軌道に沿った推定ネットワーク容量が十分であるかどうかを予測するために使用可能な、ネットワークステータスについての情報(たとえば、RAN負荷、ユーザプレーン(UP)負荷等)に基づいて行うことができる。
【0055】
リクエストを受け入れる場合、ネットワークは、UEとコンテンツサーバとの間で転送されたデータをキャッシュ可能であり、ネットワーク内のデータに送信プロフィール(たとえば、QoSプロフィール、フロー/UE優先度等)を適合させつつ、ネットワークでのトラフィックフローを後で形作ることができる。形作ることは、リクエストされた期限を達成しつつ、データ伝送の最もリソース効率の良い処置を容易にするために実施する。いくつかの実施形態において、形作ることは、(たとえば、レイヤ4において)確立したトランスポート層セッションを維持しつつ、インターネットプロトコル(IP)レイヤ(たとえば、レイヤ3)上で実施可能である。
【0056】
いくつかの実施形態において、ネットワークは、ベストエフォート未満の伝送に関連付けられた送信プロフィールを使用して、コスト、および/または他のネットワークトラフィックへのインパクトを低減させることができる。いくつかの実施形態において、ネットワークは、現在の設定に基づいて期限に間に合わせることができないとき、送信プロフィールを動的に適合させて、QoSプロフィールおよび/またはフロー/UE優先度を一時的に上げることができる。
【0057】
これらの例示的実施形態の利点は、同じエンティティによりすべてのサービスデータフローがハンドリングされることによる、改善された予測および負荷分散能力を含む。より広範囲に、これは、ネットワーク動作の全体効率を向上させることができる。さらに、このような実施形態は、これらの強化されたサービスに関連付けられたトラフィックが、ネットワーク内の他のトラフィックに無分別にインパクトを及ぼすことがないという知識に基づいて、顧客(たとえば、車両製造業者)に、強化されたサービス(たとえば、「期限内のファイル配信」)を、ネットワークオペレータが提供することを有効化および/または容易化可能である。
【0058】
本開示において、用語「ネットワーク」は、たとえば、セルラーネットワークとサイドリンク(アドホック)との通信といった、2つのノード間の通信インフラストラクチャを指すために全体的に使用される。
【0059】
本開示において、用語「サービス」は、アプリケーションを成功させるために、達成することが必要な一定の特定の配信要件でネットワークを介して伝送されることになる、1つまたは複数のアプリケーションに関連付けられた一組のデータを指すために全体的に使用される。サービスの例は、効率的な配信のために、より小さな塊にセグメント化されることもされないこともある、大量データ(たとえば、ソフトウェアアップデートまたはデータのアップロード)が可能である。他の具体例は、高精細度(HD)マップの配布、自律運転のための情報受信/送信、「ポイントクラウド」のためにキャプチャしたビデオおよび/またはイメージのクラウドソーシングを含む。
【0060】
サービスは、時間期限(たとえば、1時間以内に送信を完了させること)、または空間限界(たとえば、一定の地理領域に車両/UEが達する前に送信を完了させること)という、関連付けられた送信期限を有することができる。また、サービスは、車両/UEの予想/計画の軌道を提供可能である。
【0061】
本開示において、用語「構成要素」は、サービスの配信に必要な任意の構成要素を指すために全体的に使用される。構成要素の例は、RAN(たとえば、eNB、gNB、基地局(BS)等の、E-UTRAN、NG-RAN、またはその一部)、CN(たとえば、RANエンティティとCNエンティティとの間のリンクのすべてのタイプを含む、EPC、5GC、またはその一部)、および、計算、格納等の、関連リソースを伴うクラウドインフラストラクチャである。各構成要素は、「マネージャ」を有し、リソースの利用についての履歴情報を収集し、この構成要素(たとえば、RANマネージャ)に関連付けられたリソースの現在のおよび予測される将来の可用性についての情報を提供することができるエンティティを指すために全体的に使用される。
【0062】
図5は、
図5Aおよび
図5Bを含み、本開示のさまざまな例示的実施形態を示し、関与するネットワークノード、機能、および/またはエンティティ、ならびに、関与するエンティティ間のシグナリングフローを含む。より具体的には、
図5Aは、特定のアプリケーション(たとえば、マップアプリケーション)、特定のサービスプロバイダ(たとえば、車両製造業者)等に関連付けられたコンテンツサーバ570と通信する車両510(「UE510」とも称する)を示す。UE510は、無線アクセスネットワーク(RAN)520(たとえば、NG-RAN)および5Gコアネットワーク(5GC)530を介してコンテンツサーバ570と通信する。
【0063】
また、コンテンツキャッシュ550は、5GC530とコンテンツサーバ570との間に位置する。さらに、5GC530は、予測コントローラ540を介してネゴシエーション機能560と通信する。5GC530からコンテンツサーバ570への経路は、データ(またはユーザ)プレーンの一部が可能であり、一方で、5GC530からネゴシエーション機能560への経路は、制御プレーンの一部が可能である。いくつかの実施形態において、コンテンツキャッシュ550および予測コントローラ540は、5GC530の一部である、および/または5GC530に関連付けることができる。言い換えると、構成要素530~550は、(たとえば、ネットワークオペレータによって)一緒に所有、動作、および/または制御可能である。車両510、ネゴシエーション機能560、およびコンテンツサーバ570は、1つまたは複数のサードパーティ(すなわち、ネットワークオペレータ以外の当事者)によって所有可能である。上述の通り、予測コントローラ540は、通信ネットワーク内のネットワークノードが可能であり、または、本明細書において説明する予測コントローラの方法および/もしくは手順は、通信ネットワーク、もしくは通信ネットワークのコアネットワークの一部であるか、これに関連付けられた、ネットワークノードによって実行可能である。したがって、別途指示されるか、文脈から明らかでない限り、予測コントローラが実施する動作および/または機能への言及は、これらの動作および/または機能が、通信ネットワーク内の、またはこれに関連付けられたネットワークノードによって実施されることを含むことが了解されるものとする。
【0064】
さまざまな実施形態において、ネゴシエーション機能560は、サービスの一部として、UEとの間の大量データの配信を制御可能である。この機能は、サービスプロバイダ(たとえば、コンテンツサーバ570)と、UE510を含む1つまたは複数のサービス利用者との間のデータの配信をハンドリングするために、(たとえば、予測コントローラ540を介して)5GC530とネゴシエーション可能である。いくつかの実施形態において、ネゴシエーション機能560は、AFが可能である。5GCではなくLTE EPCである実施形態において、ネゴシエーション機能560は、ポリシおよび課金ルール機能(PCRF)またはサービス能力公開機能(SCEF)と対話するサービス能力サーバ/アプリケーションサーバ(SCS/AS)が可能である。
【0065】
さまざまな実施形態において、予測コントローラ540は、UE510等の、ネットワークによってサーブされるUEへの大きいデータ量の配信の最適化を実施可能である。予測コントローラ540は、一定の時間ウィンドウにわたる、および一定の地理領域における、予想ネットワーク容量についての情報(たとえば、無線リソースの予想可用性に基づいて伝送可能なバイトの予想量)を有する。たとえば、予測コントローラ540は、ネットワーク容量を計算することによって、または、別のネットワークエンティティもしくは機能によるこのような情報を受信することによって、このようなネットワーク容量を判定可能である。さらに、予測コントローラ540は、RAN520および5GC530の一部であるか、これに関連付けられた、他のネットワーク機能/ノードから、実際のまたは統計的測定情報(たとえば、RAN負荷、ユーザプレーン負荷等)を受信可能である。
【0066】
さまざまな実施形態において、予測コントローラ540は、PCF、NEF、NWDAF、AMFにおいて、または、ネゴシエーション機能560(たとえば、AF)が、直接的もしくは(たとえば、NEFを介した情報公開を通じて)間接的にアクセスするために権限付与される別のネットワーク機能において、実行可能である。また、予測コントローラ540は、ネットワークの管理システムの一部が可能である。より一般に、予測コントローラ540は、PCF、UFP、AMF、ならびに、動作およびメンテナンス(OAM)システムを含む、さまざまなネットワークノードおよび機能に動作可能に接続することができる。
【0067】
さまざまな実施形態において、コンテンツキャッシュ550は、コンテンツ配信を実施するために使用可能である。たとえば、コンテンツキャッシュ550は、コンテンツサーバ(たとえば、コンテンツサーバ570)からファイル(または、その一部)を受信し、ファイルをストレージにバッファし、その後、目標UEに配信可能である。また、コンテンツキャッシュ550は、UEからファイルを受信し、ファイルをストレージにバッファし、その後、関連する外部のエンドポイントに配信可能である。ファイル伝送のためのネットワークキャッシュとしてサーブすることに加えて、コンテンツキャッシュ550は、さまざまなキャッシュしたファイルおよび/または情報に関する配信ステータスについての、関連ネットワーク機能(たとえば、予測コントローラ540)への更新を提供可能である。たとえば、コンテンツキャッシュ550は、事前に規定した配信計画について、現在の配信の進展および/または逸脱の割合を指示可能である。いくつかの実施形態において、コンテンツキャッシュ550は、5GCにおけるUPFに接続可能である。
【0068】
図5は、5Gシステムに関する例示的実施形態を示すが、例証のためにすぎず、他の実施形態を、
図1になどに示したように、4Gシステムと共に使用可能である。さらに、簡単に前述した通り、コンテンツサーバから1つまたは複数のUEへのデータの配信と、UEから外部ポイントへの逆方向の配信との両方に、さまざまな実施形態を適用可能である。
【0069】
また、
図5Aは、本開示のさまざまな例示的実施形態による、関与するネットワークノード、機能、および/またはエンティティ間の例示的なシグナリングフローを示す。
図5Bは、
図5Aのシグナリングフローをより詳細に示す。この例示的なシグナリングフローは、
図5に示したネットワークを介した、移動しているUE510との間の大量データの配信をネゴシエーションするため、および、所与の実際の軌道に沿った、特定の期間中の(たとえば、時間期限より前の)データ伝送を最適化するための手順に関するものが可能である。シグナリングフローの動作に数値ラベルを付与しているが、このようなラベルは、例証のためであり、別途明確に述べない限り、番号順で発生するものとして動作を限定しない。シグナリングフローの以下の説明は、別途明確に述べない限り、(一括して
図5と称する)
図5Aと
図5Bとの両方に対して行う。
【0070】
動作501において、ネゴシエーション機能560は、ネットワークを介して、1つまたは複数のUEとの間で、指示したサイズのファイルを伝送するために、予測コントローラにリクエストを送信する。このリクエストは、「ファイル配信リクエスト」と称し得る。ネゴシエーション機能560は、時間期限および/または空間限界等の、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数の制約をリクエストに含める。いくつかの実施形態において、ネゴシエーション機能はまた、UEの計画および/または予想の軌道(たとえば、タイムスタンプを伴う中間地点のリスト)を含み得る。たとえば、ネゴシエーション機能560は、現在の時間の後1時間以内に、または、一定の地理領域にUEが達する前に、ファイル伝送が完了するはずであることを指示可能である。代替として、軌道の終端はまた、ファイル配信についての空間限界を指示するために使用可能である。
【0071】
動作502において、予測コントローラは、受信したリクエストが達成可能かどうかを計算する。この動作は、「評価」動作と称し得る。この動作において、予測コントローラ540は、異なる送信プロフィール(たとえば、異なるQoSプロフィール)についての所与の軌道に沿った予測容量を計算可能である。この計算は、RAN520および5GC530に関連付けられた他のノード、機能、および/またはエンティティから受信した、実際(たとえば、現在のリソース利用率)または統計(たとえば、過去のリソース利用率の平均および分散)に基づき得る(動作512)。代わりに、予測コントローラ540は、別のネットワーク機能から予測容量を取得可能である(動作511)。計算または取得した予測容量に基づいて、予測コントローラは、指示した軌道に沿って、ならびに、指示した時間および/または空間限界に従って、ファイルを配信可能かどうかについて判定可能である。予測コントローラ540がファイルをこのように配信可能であると判定すると、予測コントローラ540は、リクエストを受け入れる。
【0072】
動作503において、予測コントローラ540は、動作501において受信したリクエストに応答する。この応答は、「ファイル配信応答」と称し得る。リクエストを受け入れる場合、予測コントローラは、リクエストされた手法でネットワークによってファイル配信が実施可能であるという指示をネゴシエーション機能に提供する。いくつかの実施形態において、予測コントローラ540はまた、リクエストを満たすための正確さおよび/または信頼度のレベルの指示(たとえば、ファイル伝送は、信頼度の90%のレベルで期限までに完了可能である)を提供可能である。
【0073】
動作513において、予測コントローラはまた、たとえば、選択したQoSプロフィール、フローおよび/またはUE優先度、予想伝送時間ウィンドウ、ならびに、(たとえば、それぞれの時間ウィンドウ内の)軌道に沿った関連付けられたデータトラフィック負荷を含む、計算した配信計画によるファイル伝送に含まれるか関連付けられることになる、ネットワークノード、機能、および/またはエンティティを提供する。ファイル伝送「に関連付けられた」機能は、ネットワーク容量の計算を担う機能を含み得る。データを実際に配信する方法を助言することに加えて、動作501において受信したリクエストに関連付けられた配信計画はまた、(たとえば、将来のリクエストに関連付けられた)追加のファイル伝送についてのその後の計算への入力が可能である。
【0074】
その一方で、予測コントローラが、リクエストを受け入れ不能であると動作502において判定すると、予測コントローラは、リクエストを辞退したことを動作503において指示可能である。代わりに、予測コントローラ540は、リクエストされたファイルの配信についての対案を判定し、動作503においてネゴシエーション機能に対案を送信可能である。たとえば、対案は、代替の時間および/もしくは空間限界、ならびに/または、リクエストされた期限内に配信可能な(たとえば、リクエストと比べて)低減したデータ量を含み得る。
【0075】
動作503において対案を受信すると、ネゴシエーション機能は、このような情報を使用して、新しいリクエスト(たとえば、動作501’)において予測コントローラに配信可能な、ファイル伝送についての更新された要件を判定可能である。いくつかの実施形態において、更新された要件は、対案のパラメータを含み得る。たとえば、ファイル伝送についての代替の時間期限を予測コントローラが提供する場合、ネゴシエーション機能は、動作501’において新しいリクエストを送信可能であり、予測コントローラが指示するような更新された期限を示すが、伝送されることになるデータ量は修正されない。別の例では、対案の中で、低減したデータ量を予測コントローラが提供する場合、ネゴシエーション機能は、動作501’において新しいリクエストを送信することができ、関連付けられた期限を修正せずに、伝送されることになるバイトの更新した量を示す。
【0076】
他の実施形態において、動作501において、ネゴシエーション機能は、特定の量のデータ、および、特定のUE軌道に沿って伝送するためのリクエストを予測コントローラに提供するが、データ伝送についてのいずれかの期限を省略可能である。動作502において、予測コントローラは、信頼度の特定のレベル(たとえば、95%)でリクエストをネットワークが達成可能な期限を計算する。動作503において、予測コントローラは、ネゴシエーション機能に応答して、計算した期限(および任意選択として、信頼度のレベル)を通信する。たとえば、予測コントローラは、リクエストした量のデータをネットワークが配信するのに1時間かかることをネゴシエーション機能に知らせることができる。これが受け入れ可能な場合、ネゴシエーション機能は、予測コントローラから受信した期限を含む新しいリクエスト(たとえば、動作501’)を送信可能であり、予測コントローラは、この新しいリクエストを受け入れたという新しい応答(たとえば、動作502’)を送信可能である。
【0077】
動作504において、ネゴシエーション機能は、データを配信するべきコンテンツサーバについての情報(たとえば、URLおよび証明書)を予測コントローラに送信する。同様に、予測コントローラは、コンテンツサーバと目標UEとの間でデータがキャッシュされることになるコンテンツキャッシュについての情報(たとえば、URLおよび証明書)をネゴシエーション機能に送信する。この情報交換は、「エンドポイント情報交換」と称し得る。コンテンツサーバおよびコンテンツキャッシュは、次に、(動作514における)ネゴシエーション機能、および(動作515における)予測コントローラそれぞれによって、これらのそれぞれのピアのエンドポイントについてのこの情報で設定可能である。
【0078】
動作505において、コンテンツサーバとコンテンツキャッシュとの間のデータ配信が行われ、動作506において、コンテンツキャッシュ550と車両510との間のデータ配信が行われる。これは、図に505a~505dと表記した、いくつかの並行動作を伴う。これらは、より詳しく下記で説明する。
【0079】
動作505aにおいて、予測コントローラは、コンテンツキャッシュから受信した情報を使用して、配信の進展を観察する。たとえば、コンテンツキャッシュは、いくつかの事前に規定したまたはネゴシエーションした尺度に従って、成功裏に伝送したバイトの量をレポート可能である。これらの尺度は、(たとえば、X分ごと、伝送されたデータのY MBごと、もしくは伝送進展のZ%ごとといった)周期的なもの、または、(たとえば、一定の時間間隔におけるY MBを越える予想されるものと実際の配信が適合しない場合に)イベントトリガされたものであることが可能である。また、予測コントローラは、他のネットワーク機能から、関与するUEについての関係情報(たとえば、無線チャネル状態等)を受信可能である。また、予測コントローラは、他のネットワーク機能から、情報ネットワーク関連測定値(たとえば、RAN負荷、UP負荷等)を受信可能である。
【0080】
動作505bにおいて、動作505aにおいて受信した情報に基づいて、予測コントローラは、必要に応じて、および/または要望通りに、配信の動作状態(たとえば、開始/停止/休止/再開)を変更可能である。たとえば、予測コントローラは、妥当でないカバレッジのエリアをUEが横切る間、配信を休止し、妥当なカバレッジにUEが戻ると再開可能である。より具体的には、予測コントローラは、進行中の割込みまたは延期等によって、UEによるデータフローを形作るように、コンテンツキャッシュに指図(または「操縦」)可能である。
【0081】
動作505cにおいて、予測コントローラは、動作502についての上記の説明と同様の手法で、所与の軌道に沿った予測容量の計算または取得を続ける。更新した予測容量計算に基づいて、予測コントローラは、指示した軌道に沿って、ならびに、指示した時間および/または空間限界に従って、ファイルを配信可能かどうかについての更新した判定を行うことができる。
【0082】
動作505cにおいて行われたこれらの判定、および動作505aにおいて受信した情報に応答して、予測コントローラは、ポリシ、QoSプロフィール、および/またはフロー/UE優先度の変更をトリガして、軌道に沿った期限を満たすことを容易化可能である。たとえば、以前に計算したものより実際の配信が過度に逸脱している場合、UE/フローの優先度は、以前に同意した期限までにファイル伝送が完了可能なことを保証するために、一時的に上げることができる。予測コントローラは、UPF(または、5GC530の他のエンティティ)、RAN520のノード等の関与するユーザプレーンエンティティに接触することによって、このような変更をトリガ可能である。
【0083】
その一方で、以前に同意した配信計画をもはや達成不能なことを、予測コントローラが(たとえば、動作505a、505cにおいて受信した情報に基づいて)判定した場合、予測コントローラは、上述の、動作503におけるものと同様に、ネゴシエーション機能に知らせる。サービスは、伝送するのに必要なデータ量を低減させるために、車両に警告すること、および/またはデータ伝送の設定を変えること等の、この情報に基づくさまざまなアクションを行い得る。サービスのリネゴシエーションは、その後、上述の手法で行い得る。
【0084】
動作505dにおいて、ネゴシエーション機能(または、代わりに別の機能)は、車両の軌道を監視する。動作1において提供された情報に比べて、軌道が著しく変化した場合、ネゴシエーション機能は、更新したUE軌道、伝送されることになるデータ量、および関連付けられた期限を伴う新しいリクエスト(たとえば、動作501’)を送信する。いくつかの実施形態において、それでも、ネゴシエーション機能は、更新したUE軌道だけを含める必要があるように、以前のリクエストに関する新しいリクエストを送信可能である。
【0085】
上記の説明は、特定の軌道を有する特定のUEに関するものであるが、予測コントローラは、それぞれのサービスリクエストに従って、多くのUEとの間のデータフローを同時に制御可能である。したがって、特定のリクエストされた、または進行中の配信についての判定を行うとき、予測コントローラは、他の進行中の配信についての情報を利用可能である。
【0086】
いくつかの実施形態において、UEおよびコンテンツサーバは、終端間で交換するデータを暗号化可能である。このような実施形態において、この終端間の暗号化は、UEとコンテンツキャッシュとの間の、および、コンテンツキャッシュとコンテンツサーバとの間の、ポイントツーポイントの暗号化と組み合わせ得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、動作501~503はまた、リクエストされたサービスについての課金情報の交換および/またはネゴシエーションを含み得る。
【0088】
図6は、本開示のさまざまな例示的実施形態による、通信ネットワークを介したアプリケーションとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための例示的な方法および/または手順を示す。
図6に示す例示的な方法および/または手順は、他の図を参照することにより本明細書において説明するように、通信ネットワークの一部であるか、これに関連付けられた、予測コントローラ(たとえば、コアネットワークにおけるネットワークノード、機能、またはNF)によって実施可能である。例示的な方法および/または手順は、特定の順序のブロックで
図6に示すが、この順序は例示的であり、ブロックに対応する動作は、異なる順序で実施可能であり、
図6に示すのとは異なる機能を有するブロックおよび/または動作に合成および/または分割可能である。さらに、
図6に示す例示的な方法および/または手順は、以上で説明した利益、利点、および/または問題へのソリューションを提供するために、協調して使用可能であるように、本明細書において開示する他の例示的な方法および/または手順に対する補完であることが可能である。任意選択のブロックおよび/または動作は、断続線で指示する。
【0089】
例示的な方法および/または手順は、ブロック610の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、UEとの間のデータ伝送についてのリクエストをアプリケーションサービスから受信可能である。リクエストは、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および/またはUEの軌道を含み得る。いくつかの実施形態において、リクエストは、アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能から受信可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のサービス制約は、たとえば、リクエストを達成することになる将来の時間間隔、または、その前にリクエストを達成することになる将来の時間といった、時間期限を含み得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のサービス制約は、その前にリクエストを達成することになるUEについての、たとえば端末の地理位置といった、空間限界を含み得る。いくつかの実施形態において、軌道は、関連付けられた時間をそれぞれ伴う、複数の位置の中間地点を含み得る。いくつかの実施形態において、軌道は、時間期限に関連付けられた空間限界を含み得る。
【0090】
また、例示的な方法および/または手順は、ブロック620の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、リクエストに含まれる情報に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについての予測容量を取得可能である。いくつかの実施形態において、ブロック620の動作は、サブブロック622の動作を含むことができ、ここで、予測コントローラは、時間期限に関連付けられた将来の時間間隔を含む複数のサブ間隔のそれぞれの間に必要なネットワークリソースを判定可能である。いくつかの実施形態において、特定のサブ間隔の間に必要なネットワークリソースは、UEの軌道に基づいて判定可能である。
【0091】
いくつかの実施形態において、予測コントローラは、通信ネットワークにおける1つまたは複数の他のノードおよび/または機能(たとえば、判定したネットワークリソースに関連付けられたノードおよび/または機能)から予測容量を受信することによって予測容量を取得可能である。他の実施形態において、ブロック620の動作は、サブブロック624の動作を含むことができ、ここで、予測コントローラは、判定したネットワークリソースに関連付けられた過去または現在のリソース利用情報に基づいて予測容量を計算可能である。たとえば、このようなリソース利用情報は、現在/実際のリソース利用率、または1つの期間にわたる使用量を表す統計情報を含み得る。
【0092】
また、例示的な方法および/または手順は、ブロック630の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、予測容量に基づいて、リクエストに含まれる情報に従って、リクエストが達成可能かどうかを判定可能である。いくつかの実施形態において、ブロック630の動作は、サブブロック632の動作を含むことができ、ここで、予測コントローラは、リクエストに含まれる情報(たとえば、1つまたは複数のサービス制約、量、および/または軌道)に従って、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースのための配信計画を計算可能である。さまざまな実施形態において、配信計画は、データ伝送のために使用されることになる、サービス品質(QoS)プロフィール、優先度、1つまたは複数の予想時間ウィンドウ、および、1つまたは複数の時間ウィンドウ内の予想データトラフィック負荷の1つまたは複数を含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、リクエストが達成不能であると判定した場合、ブロック630の動作はまた、サブブロック634の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、データ伝送を実行するための対案を判定可能である。さまざまな実施形態において、対案は、リクエストが達成可能なさらなる時間間隔、リクエストが達成可能な指示量より少ないデータのさらなる量、および対案に関連付けられた信頼度のレベルの1つまたは複数を含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、(たとえば、ブロック610において)受信したリクエストは、1つまたは複数のサービス制約ではなく、UEの軌道を含み得る。このような実施形態において、予測容量は、UEの軌道に沿ったデータ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースについて(たとえば、ブロック620において)取得可能である。このような実施形態において、ブロック630の動作はまた、サブブロック636の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、予測容量に基づいて、データ伝送が実行可能な時間間隔を判定可能である。
【0095】
また、例示的な方法および/または手順は、ブロック640の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、判定の結果に基づいてリクエストへの応答を送信可能である。いくつかの実施形態において、応答は、ネゴシエーション機能に送信可能である。いくつかの実施形態において、リクエストが達成可能であると判定した場合、応答は、リクエストが達成可能であるという指示を含み得る。いくつかの実施形態において、応答はまた、指示したサービス制約に従ってリクエストが達成可能であるという信頼度のレベルを含み得る。いくつかの実施形態において、サービスが達成不能であると判定した場合、応答は、(たとえば、サブブロック634において判定するような)データ伝送を実行するための対案を含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、リクエストが、1つまたは複数のサービス制約ではなくUEの軌道を含む場合、応答は、データ伝送が実行可能な(たとえば、サブブロック636において判定するような)時間間隔を含み得る。このような実施形態において、ブロック640の動作は、サブブロック642の動作を含むことができ、ここで、予測コントローラは、サービス制約としての判定した時間間隔を含むデータ伝送についてのさらなるリクエストをアプリケーションサービスから受信可能である。
【0097】
いくつかの実施形態において、例示的な方法および/または手順はまた、ブロック650の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、データ伝送を実行するのに必要なネットワークリソースに(たとえば、サブブロック632において計算した)配信計画を送信可能である。
【0098】
いくつかの実施形態において、リクエストが達成可能であると判定した場合、例示的な方法および/または手順はまた、ブロック660の動作を含むことができ、ここで、予測コントローラは、データ伝送のために使用されることになるコンテンツサーバに関する情報をアプリケーションサービスから受信可能である。また、このような実施形態は、ブロック670の動作を含むことができ、ここで、予測コントローラは、データ伝送のために使用されることになるコンテンツキャッシュに関する情報をアプリケーションサービスに送信可能である。アプリケーションサービスと交換される情報は、上述の通り、リソースロケータ(たとえば、URL)および/またはセキュリティ関連情報を含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、例示的な方法および/または手順はまた、ブロック680の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、データ伝送中に、判定したネットワークリソースの容量を監視可能である。リソースリクエストは、判定した構成要素リソースの識別、およびサービス制約に関する情報を含み得る。いくつかの実施形態において、特定の構成要素についてのリソースリクエストはまた、特定の構成要素についてのリクエストされたサービス情報の指示を含み得る。いくつかの実施形態において、リクエストされたサービス情報は、補助コスト機能、および予想サービス達成割合を含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、例示的な方法および/または手順はまた、ブロック690の動作を含むことができ、この場合、予測コントローラは、監視の結果に基づいて、1つまたは複数の動作を実施可能である。いくつかの実施形態において、これらの動作は、サブブロック692を含むことができ、ここで、予測コントローラは、コンテンツサーバを介してデータ伝送の動作状態を制御可能である。いくつかの実施形態において、これらの動作は、サブブロック694を含むことができ、ここで、予測コントローラは、たとえば、監視を介して取得した更新した容量情報を考慮して、リクエストに含まれる情報に従って、リクエストが達成可能かどうかを判定可能である。
【0101】
図7は、本開示のさまざまな例示的実施形態による、通信ネットワークを介したアプリケーションとユーザ機器(UE)との間のデータ伝送をネゴシエーションするための例示的な方法および/または手順を示す。
図7に示す例示的な方法および/または手順は、他の図を参照することにより本明細書において説明するように、アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能、またはアプリケーションサービス自体等の、装置で実施可能である。例示的な方法および/または手順は、特定の順序のブロックで
図7に示すが、この順序は例示的であり、ブロックに対応する動作は、異なる順序で実施可能であり、
図7に示すのとは異なる機能を有するブロックに合成および/または分割可能である。さらに、
図7に示す例示的な方法および/または手順は、以上で説明した利益、利点、および/または問題へのソリューションを提供するために、協調して使用可能であるように、本明細書において開示する他の例示的な方法および/または手順に対する補完であることが可能である。任意選択のブロックおよび/または動作は、断続線で指示する。
【0102】
例示的な方法および/または手順は、ブロック710の動作を含むことができ、ここで、ネゴシエーション機能は、UEとの間のデータ伝送についてのリクエストを通信ネットワークに送信可能である。リクエストは、伝送されることになるデータ量の指示、ならびに、データ伝送に関連付けられた1つまたは複数のサービス制約、および/またはUEの軌道を含み得る。いくつかの実施形態において、リクエストは、通信ネットワークに関連付けられた予測コントローラに送信可能である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のサービス制約は、時間期限および/または空間限界を含み得る。いくつかの実施形態において、軌道は、関連付けられた時間をそれぞれ伴う、複数の位置の中間地点を含み得る。いくつかの実施形態において、軌道は、時間期限に関連付けられた空間限界を含み得る。
【0103】
また、例示的な方法および/または手順は、ブロック720の動作を含むことができ、この場合、ネゴシエーション機能は、リクエストが達成可能かどうかを指示する応答を受信可能である。いくつかの実施形態において、応答は、予測コントローラから受信可能である。いくつかの実施形態において、応答は、リクエストが達成可能なことを指示可能である。いくつかの実施形態において、応答はまた、指示したサービス制約に従ってリクエストが達成可能であるという信頼度のレベルを含み得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、応答は、リクエストが達成不能であることを指示可能である。このような実施形態において、応答はまた、データ伝送を実行するための対案を含み得る。さまざまな実施形態において、対案は、リクエストが達成可能なさらなる時間間隔、リクエストが達成可能な指示量より少ないデータのさらなる量、および対案に関連付けられた信頼度のレベルの1つまたは複数を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、リクエストが、1つまたは複数のサービス制約ではなくUEの軌道を含む場合、応答は、データ伝送が実行可能な時間を含み得る。このような実施形態において、例示的な方法および/または手順はまた、ブロック730の動作を含むことができ、ここで、ネゴシエーション機能は、サービス制約としての判定した時間間隔を含むデータ伝送についてのさらなるリクエストを通信ネットワークに送信可能である。
【0106】
いくつかの実施形態において、リクエストが達成可能であると判定した場合、例示的な方法および/または手順はまた、ブロック740の動作を含むことができ、ここで、ネゴシエーション機能は、データ伝送のために使用されることになるコンテンツサーバに関する情報を通信ネットワークに送信可能である。また、このような実施形態は、ブロック750の動作を含むことができ、ここで、ネゴシエーション機能は、データ伝送のために使用されることになるコンテンツキャッシュに関する情報を通信ネットワークから受信可能である。通信ネットワークと交換される情報は、上述の通り、リソースロケータ(たとえば、URL)および/またはセキュリティ関連情報を含み得る。
【0107】
本明細書に記載の主題は、任意好適な構成要素を用いた任意適当な種類のシステムにおいて実装可能であるものの、本明細書に開示の実施形態は、
図8に示す例示的な無線ネットワーク等の無線ネットワークに関して説明する。簡素化のため、
図8の無線ネットワークは、ネットワーク806、ネットワークノード860および860b、ならびにWD810、810b、および810cしか示していない。実際のところ、無線ネットワークは、固定電話、サービスプロバイダ、またはその他任意のネットワークノードもしくはエンドデバイス等、無線デバイス間または無線デバイスと別の通信デバイスとの間の通信をサポートするのに適した任意の付加的な要素をさらに含み得る。図示の構成要素のうち、ネットワークノード860および無線デバイス(WD)810について、さらに詳しく説明する。無線ネットワークは、通信および他種のサービスを1つまたは複数の無線デバイスに提供することにより、無線ネットワークにより提供されるサービスまたは無線ネットワークを介して提供されるサービスの無線デバイスによるアクセスおよび/または使用を容易化可能である。
【0108】
無線ネットワークは、任意の種類の通信、遠隔通信、データ、セルラー、ならびに/または無線ネットワークもしくは他の同種のシステムの包含および/またはこれらとの連動が可能である。いくつかの実施形態において、無線ネットワークは、特定の規格または他種の所定のルールもしくは手順に従って動作するように設定可能である。したがって、無線ネットワークの特定の実施形態は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE)、ならびに/または他の好適な2G、3G、4G、もしくは5G規格等の通信規格、IEEE802.11規格等の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、ならびに/またはWorldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax)、Bluetooth、Z-Wave、および/もしくはZigBee規格等、その他任意適当な無線通信規格を実装し得る。
【0109】
ネットワーク806は、1つまたは複数のバックホールネットワーク、コアネットワーク、IPネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、パケットデータネットワーク、光ネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、およびデバイス間の通信を可能にする他のネットワークを備え得る。いくつかの実施形態または実装形態において、上述の予測コントローラ、または、上述の予測コントローラの機能および/もしくは動作は、ネットワーク806におけるネットワークノードが可能である。
【0110】
ネットワークノード860およびWD810は、以下により詳しく説明するさまざまな構成要素を備える。これらの構成要素は、無線ネットワークにおける無線接続の提供等、ネットワークノードおよび/または無線デバイスの機能を与えるために協働し得る。異なる実施形態において、無線ネットワークは、任意の数の有線もしくは無線ネットワーク、ネットワークノード、基地局、コントローラ、無線デバイス、中継局、ならびに/または有線もしくは無線接続のいずれかに関わらず、データおよび/もしくは信号の通信の容易化もしくは通信への関与が可能なその他任意の構成要素もしくはシステムを備え得る。
【0111】
本明細書において使用される場合、「ネットワークノード」は、無線デバイスならびに/または当該無線デバイスへの無線アクセスを有効化および/もしくは提供する無線ネットワーク中の他の機器との直接的もしくは間接的な通信ならびに/または無線ネットワーク中の他の機能(たとえば、管理)の実行の可能化、設定、構成、ならびに/または動作可能化のための機器を表す。ネットワークノードの例としては、アクセスポイント(AP)(たとえば、無線アクセスポイント)、基地局(BS)(たとえば、無線基地局、ノードB、エボルブドノードB(eNB)、およびNRノードB(gNB))が挙げられるが、これらに限定されない。基地局は、当該基地局が与えるカバレッジの量(または、言い方を変えれば、基地局の送信電力レベル)に基づいて分類可能であり、その場合は、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、またはマクロ基地局とも称し得る。基地局としては、中継を制御する中継ノードまたは中継ドナーノードが可能である。ネットワークノードには、場合によりリモート無線ヘッド(RRH)と称する集中型デジタルユニットおよび/またはリモートラジオユニット(RRU)等の分散型無線基地局の1つまたは複数(またはすべて)の部分も含み得る。このようなリモートラジオユニットは、アンテナ統合無線機としてアンテナと統合されていてもよいし、統合されていなくてもよい。分散型無線基地局の部分は、分散型アンテナシステム(DAS)において、ノードとも称し得る。
【0112】
ネットワークノードのさらに別の例としては、マルチスタンダード無線(MSR)BS等のMSR無線デバイス、無線ネットワークコントローラ(RNC)もしくは基地局コントローラ(BSC)等のネットワークコントローラ、基地トランシーバ局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、コアネットワークノード(たとえば、MSC、MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、測位ノード(たとえば、E-SMLC)、ならびに/またはMDTが挙げられる。別の例として、ネットワークノードとしては、以下により詳しく説明するような仮想ネットワークノードが可能である。ただし、より一般的には、無線デバイスに対する無線通信ネットワークへのアクセスの有効化および/もしくは提供または無線通信ネットワークにアクセスした無線デバイスへのサービスの提供の可能化、設定、構成、ならびに/または動作可能化のための任意好適なデバイス(または、デバイス群)をネットワークノードが表し得る。
【0113】
図8において、ネットワークノード860は、処理回路870、デバイス可読媒体880、インターフェース890、補助機器884、電源886、電力回路887、およびアンテナ862を具備する。
図8の例示的な無線ネットワークに示すネットワークノード860は、図示のハードウェア構成要素の組合せを含むデバイスを表し得るものの、他の実施形態には、構成要素の異なる組合せを有するネットワークノードを含み得る。本明細書に開示のタスク、特徴、機能、ならびに方法および/もしくは手順の実行に必要なハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意好適な組合せをネットワークノードが含むことが了解されるものとする。さらに、ネットワークノード860の各構成要素は、大きなボックス内に位置付けられた単一のボックスまたは複数のボックス内に入れ子とされた単一のボックスとして示しているが、ネットワークノードは、単一の図示構成要素を構成する複数の異なる物理的構成要素を含み得る(たとえば、デバイス可読媒体880は、複数の別個のハードドライブのほか、複数のRAMモジュールを備え得る)。
【0114】
同様に、ネットワークノード860は、それぞれがそれ自体の構成要素を有し得る複数の物理的に別個の構成要素(たとえば、ノードB構成要素およびRNC構成要素またはBTS構成要素およびBSC構成要素等)で構成可能である。ネットワークノード860が複数の別個の構成要素(たとえば、BTSおよびBSC構成要素)を備える特定のシナリオにおいては、これら別個の構成要素のうちの1つまたは複数を複数のネットワークノード間で共有可能である。たとえば、単一のRNCが複数のノードBを制御可能である。このようなシナリオにおいて、各一意のノードB・RNC対は、場合により単一の別個のネットワークノードと考えられる。いくつかの実施形態において、ネットワークノード860は、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするように設定可能である。このような実施形態においては、一部の構成要素を複製可能である(たとえば、異なるRATに対する別個のデバイス可読媒体880)とともに、一部の構成要素を再利用可能である(たとえば、RATにより同じアンテナ862を共有可能である)。また、ネットワークノード860は、たとえばGSM、WCDMA、LTE、NR、Wi-Fi、またはBluetooth無線技術等、当該ネットワークノード860に組み込まれたさまざまな無線技術に対して、複数組のさまざまな図示構成要素を含み得る。これらの無線技術は、ネットワークノード860内の同一もしくは異種チップもしくはチップセットならびに他の構成要素に組み込み可能である。
【0115】
処理回路870は、ネットワークノードが提供するものとして、本明細書に記載の任意の決定、計算、または類似動作(たとえば、特定の取得動作)を実行するように設定可能である。処理回路870が実行するこれらの動作には、たとえば処理回路870が取得した情報を他の情報に変換すること、ネットワークノードに格納された情報に対して取得情報もしくは変換情報を比較すること、ならびに/または取得情報もしくは変換情報に基づいて1つもしくは複数の動作を実行することにより取得情報を処理することと、前記処理の結果として決定を下すこととを含み得る。
【0116】
処理回路870は、単独またはデバイス可読媒体880等の他のネットワークノード860構成要素との協働でネットワークノード860の機能を与えるように動作可能なマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央演算処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、あるいはその他任意の好適なコンピューティングデバイス、リソース、またはハードウェア、ソフトウェア、および/もしくは符号化ロジックの組合せのうちの1つまたは複数の組合せを含み得る。たとえば、処理回路870は、デバイス可読媒体880または処理回路870内のメモリに格納された命令を実行し得る。このような機能は、本明細書に記載のさまざまな無線特徴、機能、または利益のいずれかを提供することを含み得る。いくつかの実施形態において、処理回路870は、システム・オン・チップ(SOC)を含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、処理回路870は、無線周波数(RF)トランシーバ回路872およびベースバンド処理回路874のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態において、無線周波数(RF)トランシーバ回路872およびベースバンド処理回路874は、別個のチップ(もしくは、チップセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニット等のユニット上とすることができる。代替実施形態においては、RFトランシーバ回路872およびベースバンド処理回路874の一部または全部を同じチップもしくはチップセット、ボード、またはユニット上とすることができる。
【0118】
特定の実施形態においては、デバイス可読媒体880または処理回路870内のメモリに格納された命令を実行する処理回路870により、ネットワークノード、基地局、eNB、またはこのような他のネットワークデバイスが与えるものとして本明細書に記載の機能の一部または全部が実行され得る。代替実施形態においては、別個または個別のデバイス可読媒体に格納された命令を配線接続された様態等で実行することなく、機能の一部または全部が処理回路870により提供され得る。これら実施形態のいずれにおいても、デバイス可読媒体に格納された命令を実行するか否かに関わらず、処理回路870は、上記機能を実行するように設定可能である。このような機能によりもたらされる利益は、処理回路870単独またはネットワークノード860の他の構成要素に限定されず、全体としてのネットワークノード860ならびに/または一般としてのエンドユーザおよび無線ネットワークにより享受される。
【0119】
デバイス可読媒体880には、任意の形態の揮発性または不揮発性コンピュータ可読メモリを含むことができ、永続記憶装置、固体メモリ、遠隔搭載メモリ、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、フラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)、もしくはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/または処理回路870により使用可能な情報、データ、および/もしくは命令を格納するその他任意の揮発性もしくは不揮発性の持続性デバイス可読および/もしくはコンピュータ実行可能メモリデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。デバイス可読媒体880は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、コード、テーブル等のうちの1つもしくは複数を含むアプリケーション、ならびに/または処理回路870による実行およびネットワークノード860による利用が可能な他の命令等、任意好適な命令、データ、または情報を格納し得る。デバイス可読媒体880は、処理回路870による任意の計算および/またはインターフェース890を介して受信される任意のデータの格納に使用可能である。いくつかの実施形態において、処理回路870およびデバイス可読媒体880は、統合が考えられる。
【0120】
インターフェース890は、ネットワークノード860、ネットワーク806、および/またはWD810間のシグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信において使用される。図示のように、インターフェース890は、たとえば有線接続を介したネットワーク806へのデータ送信およびネットワーク806からのデータ受信のためのポート/端子894を備える。また、インターフェース890は無線フロントエンド回路892を含むが、これは、アンテナ862に結合することも可能であるし、特定の実施形態においては、アンテナ862の一部とすることも可能である。無線フロントエンド回路892は、フィルタ898および増幅器896を備える。無線フロントエンド回路892は、アンテナ862および処理回路870に接続可能である。無線フロントエンド回路は、アンテナ862と処理回路870との間で伝達される信号を調節するように設定可能である。無線フロントエンド回路892は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送り出されるデジタルデータを受信可能である。無線フロントエンド回路892は、フィルタ898および/または増幅器896の組合せによって、適当なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号へとデジタルデータを変換可能である。その後、アンテナ862を介して、無線信号を送信可能である。同様に、データの受信時には、アンテナ862が無線信号を収集した後、無線フロントエンド回路892がこれをデジタルデータに変換可能である。デジタルデータは、処理回路870に受け渡し可能である。他の実施形態において、インターフェースは、異なる構成要素および/または異なる組合せの構成要素を備え得る。
【0121】
特定の代替実施形態においては、ネットワークノード860が別個の無線フロントエンド回路892を含んでいなくてもよく、代わりに、処理回路870が無線フロントエンド回路を含み、別個の無線フロントエンド回路892なしでアンテナ862に接続され得る。同様に、いくつかの実施形態においては、RFトランシーバ回路872の全部または一部がインターフェース890の一部と考えられる。さらに他の実施形態において、インターフェース890は、無線ユニット(図示せず)の一部として、1つもしくは複数のポートもしくは端子894、無線フロントエンド回路892、ならびにRFトランシーバ回路872を具備し得るとともに、デジタルユニット(図示せず)の一部であるベースバンド処理回路874と通信可能である。
【0122】
アンテナ862は、無線信号を送信および/または受信するように構成された1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含み得る。アンテナ862は、無線フロントエンド回路890に結合可能であるとともに、データおよび/または信号を無線で送信および受信可能な如何なる種類のアンテナも可能である。いくつかの実施形態において、アンテナ862は、たとえば2GHzと66GHzとの間の無線信号を送信/受信するように動作可能な1つまたは複数の無指向性セクタまたはパネルアンテナを備え得る。無指向性アンテナは、任意の方向に無線信号を送信/受信するのに使用され得る。セクタアンテナは、特定のエリア内の機器から無線信号を送信/受信するのに使用され得る。パネルアンテナとしては、比較的直線状に無線信号を送信/受信するのに使用される見通し線アンテナが可能である。場合により、2つ以上のアンテナの使用は、MIMOと称し得る。特定の実施形態において、アンテナ862は、ネットワークノード860から分離可能であるとともに、インターフェースまたはポートを通じてネットワークノード860に接続可能となり得る。
【0123】
アンテナ862、インターフェース890、および/または処理回路870は、ネットワークノードが実行するものとして、本明細書に記載の任意の受信動作および/または特定の取得動作を実行するように設定可能である。如何なる情報、データ、および/または信号も、無線デバイス、別のネットワークノード、および/またはその他任意のネットワーク機器から受信可能である。同様に、アンテナ862、インターフェース890、および/または処理回路870は、ネットワークノードが実行するものとして、本明細書に記載の任意の送信動作を実行するように設定可能である。如何なる情報、データ、および/または信号も、無線デバイス、別のネットワークノード、および/またはその他任意のネットワーク機器に送信可能である。
【0124】
電力回路887は、電力管理回路を備えることも可能であるし、電力管理回路に結合することも可能であり、本明細書に記載の機能を実行するための電力をネットワークノード860の構成要素に供給するように設定可能である。電力回路887は、電源886から電力を受電可能である。電源886および/または電力回路887は、ネットワークノード860のさまざまな構成要素に対して、各構成要素に適した形態で(たとえば、各構成要素に必要な電圧および電流レベルで)電力を提供するように設定可能である。電源886は、電力回路887および/またはネットワークノード860に含むことも可能であるし、電力回路887および/またはネットワークノード860の外部でも可能である。たとえば、ネットワークノード860は、電気ケーブル等の入力回路またはインターフェースを介して外部電源(たとえば、コンセント)に接続可能とすることにより、当該外部電源が電力を電力回路887に供給可能となる。別の例として、電源886は、電力回路887に接続または内蔵されたバッテリまたはバッテリパックの形態の電力源を備え得る。バッテリは、外部電源が故障した場合のバックアップ電力を提供可能である。光起電デバイス等の他種の電源も使用可能である。
【0125】
ネットワークノード860の代替実施形態は、本明細書に記載の任意の機能および/または本明細書に記載の主題のサポートに必要な任意の機能を含めて、ネットワークノードの機能の特定の態様の提供を担い得る、
図8に示した構成要素以外の付加的な構成要素を含み得る。たとえば、ネットワークノード860は、情報のネットワークノード860への入力を許可および/または容易化するとともに、情報のネットワークノード860からの出力を許可および/または容易化するユーザインターフェース機器を具備し得る。これにより、ユーザは、ネットワークノード860の診断、保守、修繕、および他の管理機能の実行が許可および/または容易化され得る。
【0126】
本明細書において、「無線デバイス(WD)」は、ネットワークノードおよび/または別の無線デバイスとの無線通信が可能な、設定された、構成された、ならびに/または動作可能なデバイスを指す。本明細書においては、別段の注記のない限り、WDという用語は、ユーザ機器(UE)と互換的に使用可能である。無線で通信することには、空中で情報を伝達するのに適した電磁波、電波、赤外線波、および/または他種の信号を使用して無線信号を送信および/または受信することを伴い得る。いくつかの実施形態において、WDは、直接的な人間の相互作用なく、情報を送信および/または受信するように設定可能である。たとえば、WDは、内部もしくは外部イベントによるトリガまたはネットワークからの要求を受けた場合に、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信するように設計可能である。WDの例としては、スマートフォン、移動式電話、携帯電話、ボイスオーバIP(VoIP)電話、無線ローカルループフォン、デスクトップコンピュータ、個人用デジタル補助装置(PDA)、無線カメラ、ゲームコンソールまたはデバイス、楽曲記憶装置、再生装置、ウェアラブル端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップ、ラップトップ埋込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、車載無線端末デバイス等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
WDは、たとえばサイドリンク通信、車両-車両間(V2V)、車両-インフラ間(V2I)、車両-任意間(V2X)のための3GPP規格を実装することによって、デバイス間(D2D)通信をサポート可能であり、この場合はD2D通信デバイスと称し得る。さらに別の特定例として、インターネット・オブ・シングス(IoT)のシナリオでは、WDが監視および/または測定を実行し、そのような監視および/または測定の結果を別のWDおよび/またはネットワークノードに送信するマシンまたは他のデバイスを表し得る。この場合、無線デバイスは、マシン-マシン間(M2M)デバイスであってもよく、3GPPの背景においてMTCデバイスと称し得る。1つの特定例として、WDとしては、3GPP狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)規格を実装したUEが可能である。このようなマシンまたはデバイスの特定例は、センサ、電力計等の計量デバイス、産業用機械類、または家庭用もしくは個人用電気器具(たとえば、冷蔵庫、テレビ等)、個人用ウェアラブル(たとえば、時計、フィットネストラッカ等)である。他のシナリオでは、動作ステータスまたは動作と関連付けられた他の機能を監視および/または報告し得る車両等の機器をWDが表し得る。上述のWDは、無線接続のエンドポイントを表していてもよく、この場合は無線端末と称し得る。さらに、上述のWDはモバイルも可能であり、この場合はモバイルデバイスまたはモバイル端末とも称し得る。
【0128】
図示のように、無線デバイス810は、アンテナ811、インターフェース814、処理回路820、デバイス可読媒体830、ユーザインターフェース機器832、補助機器834、電源836、および電力回路837を具備する。WD810は、少し挙げるだけでも、たとえばGSM、WCDMA、LTE、NR、Wi-Fi、WiMax、またはBluetooth無線技術等、当該WD810がサポートするさまざまな無線技術に対して、複数組の1つまたは複数の図示構成要素を含み得る。これらの無線技術は、WD810内の他の構成要素と同一または異種チップまたはチップセットに組み込み可能である。
【0129】
アンテナ811は、無線信号を送信および/または受信するように構成された1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含むことができ、インターフェース814に接続されている。特定の代替実施形態において、アンテナ811は、WD810から分離可能であるとともに、インターフェースまたはポートを通じてWD810に接続可能となり得る。アンテナ811、インターフェース814、および/または処理回路820は、WDが実行するものとして、本明細書に記載の任意の受信または送信動作を実行するように設定可能である。如何なる情報、データ、および/または信号も、ネットワークノードおよび/または別のWDから受信可能である。いくつかの実施形態においては、無線フロントエンド回路および/またはアンテナ811がインターフェースと考えられる。
【0130】
図示のように、インターフェース814は、無線フロントエンド回路812およびアンテナ811を備える。無線フロントエンド回路812は、1つもしくは複数のフィルタ818ならびに増幅器816を備える。無線フロントエンド回路814は、アンテナ811および処理回路820に接続され、アンテナ811と処理回路820との間で伝達される信号を調節するように設定可能である。無線フロントエンド回路812は、アンテナ811に結合することも可能であるし、アンテナ811の一部とすることも可能である。いくつかの実施形態においては、WD810が別個の無線フロントエンド回路812を含んでいなくてもよく、代わりに、処理回路820が無線フロントエンド回路を含み、アンテナ811に接続され得る。同様に、いくつかの実施形態においては、RFトランシーバ回路822の一部または全部がインターフェース814の一部と考えられる。無線フロントエンド回路812は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送り出されるデジタルデータを受信可能である。無線フロントエンド回路812は、フィルタ818および/または増幅器816の組合せによって、適当なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号へとデジタルデータを変換可能である。その後、アンテナ811を介して、無線信号を送信可能である。同様に、データの受信時には、アンテナ811が無線信号を収集した後、無線フロントエンド回路812がこれをデジタルデータに変換可能である。デジタルデータは、処理回路820に受け渡し可能である。他の実施形態において、インターフェースは、異なる構成要素および/または異なる組合せの構成要素を備え得る。
【0131】
処理回路820は、単独またはデバイス可読媒体830等の他のWD810構成要素との協働でWD810の機能を与えるように動作可能なマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央演算処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、あるいはその他任意の好適なコンピューティングデバイス、リソース、またはハードウェア、ソフトウェア、および/もしくは符号化ロジックの組合せのうちの1つまたは複数の組合せを含み得る。このような機能は、本明細書に記載のさまざまな無線特徴または利益のいずれかを提供することを含み得る。たとえば、処理回路820は、デバイス可読媒体830または処理回路820内のメモリに格納された命令を実行することによって、本明細書に開示の機能を提供可能である。
【0132】
図示のように、処理回路820は、RFトランシーバ回路822、ベースバンド処理回路824、およびアプリケーション処理回路826のうちの1つまたは複数を含む。他の実施形態において、処理回路は、異なる構成要素および/または異なる組合せの構成要素を備え得る。特定の実施形態において、WD810の処理回路820は、SOCを含み得る。いくつかの実施形態において、RFトランシーバ回路822、ベースバンド処理回路824、およびアプリケーション処理回路826は、別個のチップまたはチップセット上とすることができる。代替実施形態においては、ベースバンド処理回路824およびアプリケーション処理回路826の一部または全部を1つのチップまたはチップセットとして組合せ可能であり、RFトランシーバ回路822を別個のチップまたはチップセット上とすることができる。別の代替実施形態においては、RFトランシーバ回路822およびベースバンド処理回路824の一部または全部を同じチップまたはチップセット上とすることができ、アプリケーション処理回路826を別個のチップまたはチップセット上とすることができる。さらに他の代替実施形態においては、RFトランシーバ回路822、ベースバンド処理回路824、およびアプリケーション処理回路826の一部または全部を同じチップまたはチップセットに組み合わせることができる。いくつかの実施形態においては、RFトランシーバ回路822をインターフェース814の一部とすることもできる。RFトランシーバ回路822は、処理回路820に対するRF信号を調節可能である。
【0133】
特定の実施形態においては、デバイス可読媒体830(特定の実施形態においては、コンピュータ可読記憶媒体が可能)に格納された命令を実行する処理回路820により、WDが実行するものとして本明細書に記載の機能の一部または全部が提供され得る。代替実施形態においては、別個または個別のデバイス可読記憶媒体に格納された命令を配線接続された様態等で実行することなく、機能の一部または全部が処理回路820により提供され得る。これら特定の実施形態のいずれにおいても、デバイス可読媒体に格納された命令を実行するか否かに関わらず、処理回路820は、上記機能を実行するように設定可能である。このような機能によりもたらされる利益は、処理回路820単独またはWD810の他の構成要素に限定されず、全体としてのWD810ならびに/または一般としてのエンドユーザおよび無線ネットワークにより享受される。
【0134】
処理回路820は、WDが実行するものとして、本明細書に記載の任意の決定、計算、または類似動作(たとえば、特定の取得動作)を実行するように設定可能である。処理回路820が実行するこれらの動作には、たとえば処理回路820が取得した情報を他の情報に変換すること、WD810に格納された情報に対して取得情報もしくは変換情報を比較すること、ならびに/または取得情報もしくは変換情報に基づいて1つもしくは複数の動作を実行することにより取得情報を処理することと、前記処理の結果として決定を下すこととを含み得る。
【0135】
デバイス可読媒体830は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、コード、テーブル等のうちの1つもしくは複数を含むアプリケーション、ならびに/または処理回路820による実行が可能な他の命令を格納するように動作可能となり得る。デバイス可読媒体830としては、コンピュータメモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくはリードオンリーメモリ(ROM))、大容量記憶媒体(たとえば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(たとえば、コンパクトディスク(CD)もしくはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/または処理回路820により使用可能な情報、データ、および/もしくは命令を格納するその他任意の揮発性もしくは不揮発性の持続性デバイス可読および/もしくはコンピュータ実行可能メモリデバイスが挙げられる。いくつかの実施形態において、処理回路820およびデバイス可読媒体830は、統合が考えられる。
【0136】
ユーザインターフェース機器832は、人間のユーザによるWD810との相互作用を許可および/または容易化する構成要素を含み得る。このような相互作用としては、視覚、聴覚、触覚等、多くの形態が可能である。ユーザインターフェース機器832は、ユーザへの出力を生成するとともに、ユーザによるWD810への入力の提供を許可および/または容易化するように動作可能となり得る。相互作用の種類は、WD810に組み込まれたユーザインターフェース機器832の種類に応じて変化し得る。たとえば、WD810がスマートフォンの場合、相互作用は、タッチスクリーンを介したものとなり得る。WD810がスマートメータの場合、相互作用は、使用量(たとえば、使用したガロン数)を与えるスクリーンまたは(たとえば、煙が検出された場合の)警報を与えるスピーカを通じたものとなり得る。ユーザインターフェース機器832は、入力インターフェース、デバイス、および回路、ならびに出力インターフェース、デバイス、および回路を含み得る。ユーザインターフェース機器832は、情報のWD810への入力を許可および/または容易化するように設定可能であり、処理回路820に接続されて、処理回路820による入力情報の処理を許可および/または容易化する。ユーザインターフェース機器832は、たとえばマイク、近接センサ等のセンサ、キー/ボタン、タッチディスプレイ、1つもしくは複数のカメラ、USBポート、または他の入力回路を具備し得る。また、ユーザインターフェース機器832は、WD810からの情報の出力を許可および/または容易化するとともに、処理回路820によるWD810からの情報の出力を許可および/または容易化するように設定されている。ユーザインターフェース機器832は、たとえばスピーカ、ディスプレイ、振動回路、USBポート、ヘッドフォンインターフェース、または他の出力回路を具備し得る。ユーザインターフェース機器832の1つまたは複数の入力および出力インターフェース、デバイス、および回路を使用することにより、WD810は、エンドユーザおよび/または無線ネットワークと通信可能であるとともに、エンドユーザおよび/または無線ネットワークが本明細書に記載の機能から利益を享受することを許可および/または容易化し得る。
【0137】
補助機器834は、WDが一般的に実行し得ないより具体的な機能を提供するように動作可能である。これには、さまざまな目的で測定を行う特殊センサ、有線通信等の付加的な種類の通信用のインターフェース等を含み得る。補助機器834の構成要素の具備および種類は、実施形態および/またはシナリオに応じて変化し得る。
【0138】
いくつかの実施形態において、電源836は、バッテリまたはバッテリパックの形態が可能である。外部電源(たとえば、コンセント)、光起電デバイス、または動力電池等の他種の電源も使用可能である。WD810は、本明細書に記載または指定の任意の機能の実行に電源836からの電力を必要とするWD810のさまざまな部分に対して、電源836から電力を送達する電力回路837をさらに備え得る。特定の実施形態において、電力回路837は、電力管理回路を備え得る。この追加または代替として、電力回路837は、外部電源から電力を受電するように動作可能となり得る。この場合、WD810は、電力ケーブル等の入力回路またはインターフェースを介して、外部電源(コンセント等)に接続可能となり得る。また、特定の実施形態において、電力回路837は、外部電源から電源836に電力を送達するように動作可能となり得る。これにより、たとえば電源836を充電可能である。電力回路837は、電源836からの電力に対して任意の変換または他の変更を実行することにより、WD810の各構成要素への供給に適したものとすることができる。
【0139】
図9は、本明細書に記載の種々の態様に係る、UEの例示的な一実施形態を示している。本明細書において、ユーザ機器すなわちUEは必ずしも、関連するデバイスを所有および/または操作する人間の意味でのユーザを含まなくてもよい。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売または人間のユーザによる操作を意図したデバイスを表し得るが、特定の人間ユーザと関連付けられていなくてもよいし、最初は関連付けられていなくてもよい(たとえば、スマートスプリンクラーコントローラ)。あるいは、UEは、エンドユーザへの販売またはエンドユーザによる操作を意図しないデバイスを表し得るが、ユーザの利益との関連付けも可能であるし、ユーザの利益のための動作も可能である(たとえば、スマート電力計)。UE900としては、NB-IoT UE、マシンタイプ通信(MTC)UE、および/またはエンハンストMTC(eMTC)UE等、第三世代携帯電話に関する標準仕様の策定を目指すプロジェクトが定めた標準規格のファイルフォーマット(3GPP:3rd Generation Partnership Project)により識別される任意のUEが可能である。
図9に示すように、UE900は、第三世代携帯電話に関する標準仕様の策定を目指すプロジェクト(3GPP)により公布された1つまたは複数の通信規格に従って通信するように設定されたWDの一例であり、たとえば、3GPPのGSM、UMTS、LTE、および/または5G規格である。前述の通り、WDおよびUEという用語は、区別なく使用可能である。したがって、
図9はUEであるが、本明細書に記載の構成要素は、WDにも等しく適用可能であり、その逆もまた同様である。
【0140】
図9において、UE900は、入出力インターフェース905、無線周波数(RF)インターフェース909、ネットワーク接続インターフェース911、ランダムアクセスメモリ(RAM)917、リードオンリーメモリ(ROM)919、および記憶媒体921等を含むメモリ915、通信サブシステム931、電源933、および/もしくはその他任意の構成要素、またはこれらの任意の組合せに対して動作可能に結合された処理回路901を具備する。記憶媒体921は、オペレーティングシステム923、アプリケーションプログラム925、およびデータ927を含む。他の実施形態において、記憶媒体921は、他の同種の情報を含み得る。特定のUEは、
図9に示す構成要素をすべて利用することも可能であるし、一部の構成要素のみを利用することも可能である。構成要素間の統合のレベルは、UEごとに異なり得る。さらに、特定のUEは、複数のプロセッサ、メモリ、トランシーバ、送信機、受信機等、1つの構成要素について複数の実例を含み得る。
【0141】
図9において、処理回路901は、コンピュータ命令およびデータを処理するように設定可能である。処理回路901は、(たとえば、離散ロジック、FPGA、ASIC等における)1つまたは複数のハードウェア実装ステートマシン、適当なファームウェアと併せたプログラマブルロジック、適当なソフトウェアと併せたマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)等の1つまたは複数の格納プログラム汎用プロセッサ、またはこれらの任意の組合せ等、マシン可読コンピュータプログラムとしてメモリに格納されたマシン命令を実行するように動作する任意のシーケンシャルステートマシンを実装するように設定可能である。たとえば、処理回路901は、2つの中央演算処理装置(CPU)を具備し得る。データとしては、コンピュータによる使用に適した形態の情報が可能である。
【0142】
図示の実施形態において、入出力インターフェース905は、入力装置、出力装置、または入出力装置に対する通信インターフェースを与えるように設定可能である。UE900は、入出力インターフェース905を介して出力装置を使用するように設定可能である。出力装置は、入力装置と同種のインターフェースポートを使用可能である。たとえば、UE900に対する入力および出力として、USBポートを使用可能である。出力装置としては、スピーカ、サウンドカード、ビデオカード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、別の出力装置、またはこれらの任意の組合せが可能である。UE900は、入出力インターフェース905を介した入力装置の使用によって、情報のUE900への取り込みを許可および/または容易化するように設定可能である。入力装置としては、タッチセンサ式またはプレゼンスセンサ式ディスプレイ、カメラ(たとえば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラ等)、マイク、センサ、マウス、トラックボール、方向パッド、トラックパッド、スクロールホイール、スマートカード等が挙げられる。プレゼンスセンサ式ディスプレイは、ユーザからの入力を検知する容量性または抵抗性のタッチセンサを具備し得る。センサとしては、たとえば加速度計、ジャイロスコープ、傾斜センサ、力センサ、磁力計、光学センサ、近接センサ、別の類似センサ、またはこれらの任意の組合せが可能である。たとえば、入力装置としては、加速度計、磁力計、デジタルカメラ、マイク、および光学センサが可能である。
【0143】
図9において、RFインターフェース909は、送信機、受信機、およびアンテナ等のRF構成要素に対する通信インターフェースを与えるように設定可能である。ネットワーク接続インターフェース911は、ネットワーク943aに対する通信インターフェースを与えるように設定可能である。ネットワーク943aは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、遠隔通信ネットワーク、別の類似ネットワーク、またはこれらの任意の組合せ等の有線および/または無線ネットワークを網羅し得る。たとえば、ネットワーク943aは、Wi-Fiネットワークを含み得る。ネットワーク接続インターフェース911は、Ethernet、TCP/IP、SONET、ATM等の1つまたは複数の通信プロトコルにより通信ネットワークを介して1つまたは複数の他のデバイスと通信するのに用いられる受信機および送信機インターフェースを含むように設定可能である。ネットワーク接続インターフェース911は、通信ネットワークリンク(たとえば、光学的リンク、電気的リンク等)に適した受信機および送信機の機能を実装可能である。送信機および受信機の機能は、回路構成要素、ソフトウェアまたはファームウェアを共有することも可能であるし、あるいは、別個に実装することも可能である。
【0144】
RAM917は、バス902を介した処理回路901との相互作用によって、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびデバイスドライバ等のソフトウェアプログラムの実行時に、データまたはコンピュータ命令を格納またはキャッシングするように設定可能である。ROM919は、コンピュータ命令またはデータを処理回路901に提供するように設定可能である。たとえば、ROM919は、基本入出力(I/O)、起動、不揮発性メモリに格納されたキーボードからのキーストロークの受け付け等の基本的なシステム機能に対する不変の低レベルシステムコードまたはデータを格納するように設定可能である。記憶媒体921は、RAM、ROM、プログラム可能リードオンリーメモリ(PROM)、消去・プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去・プログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)等のメモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、リムーバブルカートリッジ、またはフラッシュドライブを含むように設定可能である。一例として、記憶媒体921は、オペレーティングシステム923、ウェブブラウザアプリケーション、ウィジェットもしくはガジェットエンジン、または別のアプリケーション等のアプリケーションプログラム925、およびデータファイル927を含むように設定可能である。記憶媒体921は、UE900が使用するものとして、多様な種々のオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組合せのいずれかを格納し得る。
【0145】
記憶媒体921は、RAID(Redundant Array of Independent Disks)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、キードライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD-DVD)光ディスクドライブ、内部ハードディスクドライブ、ブルーレイ光ディスクドライブ、ホログラフィックデジタルデータストレージ(HDDS)光ディスクドライブ、外部DIMM(mini-Dual In-line Memory Module)、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、外部マイクロDIMM SDRAM、加入者識別モジュールまたはリムーバブルユーザ識別モジュール(SIM/RUIM)等のスマートカードメモリ、他のメモリ、またはこれらの任意の組合せ等、多くの物理的ドライブユニットを含むように設定可能である。記憶媒体921は、非持続性または持続性記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令、アプリケーションプログラム等へのUE900によるアクセス、データのオフロード、またはデータのアップロードを許可および/または容易化し得る。通信システムを利用するような製造品を記憶媒体921において実際に具現化可能であり、デバイス可読媒体を含み得る。
【0146】
図9において、処理回路901は、通信サブシステム931を用いてネットワーク943bと通信するように設定可能である。ネットワーク943aおよびネットワーク943bは、1つまたは複数の同一のネットワークとすることも可能であるし、1つまたは複数の異なるネットワークとすることも可能である。通信サブシステム931は、ネットワーク943bとの通信に用いられる1つまたは複数のトランシーバを含むように設定可能である。たとえば、通信サブシステム931は、IEEE 802.9、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、WiMax等の1つまたは複数の通信プロトコルに従って、無線アクセスネットワーク(RAN)の別のWD、UE、または基地局等、無線通信が可能な別のデバイスの1つまたは複数のリモートトランシーバとの通信に用いられる1つまたは複数のトランシーバを含むように設定可能である。各トランシーバは、RANリンクに適した送信機または受信機の機能(たとえば、周波数割り当て等)をそれぞれ実装する送信機933および/または受信機935を具備し得る。さらに、各トランシーバの送信機933および受信機935は、回路構成要素、ソフトウェアまたはファームウェアを共有することも可能であるし、あるいは、別個に実装することも可能である。
【0147】
図示の実施形態において、通信サブシステム931の通信機能には、データ通信、音声通信、マルチメディア通信、Bluetooth等の短距離通信、近距離通信、全地球測位システム(GPS)を用いた位置の決定等の位置ベースの通信、別の類似通信機能、またはこれらの任意の組み合を含み得る。たとえば、通信サブシステム931は、セルラー通信、Wi-Fi通信、Bluetooth通信、およびGPS通信を含み得る。ネットワーク943bは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、遠隔通信ネットワーク、別の類似ネットワーク、またはこれらの任意の組合せ等の有線および/または無線ネットワークを網羅し得る。たとえば、ネットワーク943bとしては、セルラーネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/または近距離通信ネットワークが可能である。電源913は、UE900の構成要素に対して交流(AC)または直流(DC)電力を与えるように設定可能である。
【0148】
本明細書に記載の特徴、利益、および/または機能は、UE900の構成要素のうちの1つで実装することも可能であるし、UE900の複数の構成要素全体で分配することも可能である。さらに、本明細書に記載の特徴、利益、および/または機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの如何なる組合せにおいても実装可能である。一例として、通信サブシステム931は、本明細書に記載の構成要素のいずれかを含むように設定可能である。さらに、処理回路901は、このような構成要素のいずれかとバス902を介して通信するように設定可能である。別の例においては、処理回路901により実行された場合に、本明細書に記載の対応する機能を実行するメモリに格納されたプログラム命令によって、このような構成要素のいずれかを表し得る。別の例において、このような構成要素のいずれかの機能は、処理回路901と通信サブシステム931とに分配可能である。別の例において、このような構成要素のいずれかの非演算集約的機能は、ソフトウェアまたはファームウェアにおいて実装可能であり、演算集約的機能は、ハードウェアにおいて実装可能である。
【0149】
図10は、いくつかの実施形態により実装される機能を仮想化し得る仮想化環境1000を示す模式ブロック図である。本文脈において、仮想化は、仮想化ハードウェアプラットフォーム、記憶装置、およびネットワークリソースを含み得る装置またはデバイスの仮想版を生成することを意味する。本明細書において使用される場合、仮想化は、ノード(たとえば、仮想化基地局または仮想化無線アクセスノード、仮想化予測コントローラ、予測コントローラの機能および/もしくは動作を実施する仮想化ネットワークノードもしくはNF、仮想化アプリケーションサービス、または仮想化ネゴシエーション機能)に、あるいは、デバイス(たとえば、UE、無線デバイス、もしくは他の任意のタイプの通信デバイス)またはその構成要素に適用可能であり、(たとえば、1つまたは複数のネットワークにおける1つまたは複数の物理的な処理ノード上で実行する1つまたは複数のアプリケーション、構成要素、機能、仮想マシンまたはコンテナを介して)、1つまたは複数の仮想構成要素として機能の少なくとも一部を実行する実装形態に関係がある。
【0150】
いくつかの実施形態においては、ハードウェアノード1030のうちの1つまたは複数がホスティングする1つまたは複数の仮想化環境1000において実装された1つまたは複数の仮想マシンにより実行される仮想コンポーネントとして、本明細書に記載の機能の一部または全部を実装可能である。さらに、仮想ノードが無線アクセスノードでないか、無線接続を必要としない実施形態(たとえば、コアネットワークノード、NF、アプリケーションサービスまたはネゴシエーション機能)において、ネットワークノードは、全面的に仮想化可能である。
【0151】
上記機能は、本明細書に開示の実施形態の一部の特徴、機能、および/または利益の一部を実現するように動作する1つまたは複数のアプリケーション1020(あるいは、ソフトウェアインスタンス、仮想電気器具、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能等と称し得る)によって実装可能である。アプリケーション1020は、処理回路1060およびメモリ1090を含むハードウェア1030を提供する仮想化環境1000において実行される。メモリ1090は、処理回路1060による実行によって、本明細書に開示の特徴、利益、および/または機能のうちの1つまたは複数を提供するようにアプリケーション1020が動作し得る命令1095を含む。
【0152】
仮想化環境1000は、一組の1つまたは複数のプロセッサまたは処理回路1060(民生(COTS)プロセッサ、専用特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタルもしくはアナログハードウェア構成要素もしくは専用プロセッサを含むその他任意の種類の処理回路が可能)を含む汎用または専用ネットワークハードウェアデバイス1030を備える。各ハードウェアデバイスは、メモリ1090-1(処理回路1060により実行される命令1095またはソフトウェアを一時的に格納する非永続メモリが可能)を備え得る。各ハードウェアデバイスは、物理的なネットワークインターフェース1080を含む1つまたは複数のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)1070(ネットワークインターフェースカードとしても知られる)を備え得る。また、各ハードウェアデバイスは、処理回路1060により実行されるソフトウェア1095または命令が格納された持続性永続マシン可読記憶媒体1090-2を含み得る。ソフトウェア1095としては、1つまたは複数の仮想化レイヤ1050(ハイパーバイザとも称する)をインスタンス化するソフトウェア、仮想マシン1040を実行するソフトウェア、ならびに本明細書に記載のいくつかの実施形態に関連して説明する機能、特徴、および/もしくは利益を実行可能にするソフトウェア等、任意の種類のソフトウェアが挙げられる。
【0153】
仮想マシン1040は、仮想プロセッサ、仮想メモリ、仮想ネットワークもしくはインターフェース、ならびに仮想ストレージを備え、対応する仮想化レイヤ1050またはハイパーバイザにより実行可能である。仮想マシン1040のうちの1つまたは複数においては、仮想電気器具1020のインスタンスの異なる実施形態を実装可能であり、また、異なる方法で実装可能である。
【0154】
動作時、処理回路1060は、ソフトウェア1095の実行によって、ハイパーバイザまたは仮想化レイヤ1050をインスタンス化するが、これは、仮想マシンモニタ(VMM)と称し得る場合もある。仮想化レイヤ1050は、仮想マシン1040に対する類似のネットワークハードウェアとして現れる仮想動作プラットフォームを提示し得る。
【0155】
図10に示すように、ハードウェア1030としては、一般または特定の構成要素を備えた独立型のネットワークノードが可能である。ハードウェア1030は、アンテナ10225を備えるとともに、仮想化によって一部の機能を実装可能である。あるいは、ハードウェア1030は、(たとえば、データセンタまたは加入者宅内機器(CPE)等における)大規模なハードウェア群の一部とすることも可能であって、多くのハードウェアノードが協働するとともに、とりわけアプリケーション1020のライフサイクル管理を監視するMANO(Management And Orchestration)10100によって管理される。
【0156】
いくつかの文脈において、ハードウェアの仮想化は、ネットワーク機能仮想化(NFV)と称する。NFVの使用によって、データセンタおよび加入者宅内機器に位置付け可能な業界標準の大容量サーバハードウェア、物理的スイッチ、および物理的ストレージに対して、ネットワーク機器の多くの種類を確立することができる。
【0157】
NFVの文脈において、仮想マシン1040としては、物理的な非仮想化マシン上で実行されているようにプログラムを実行する物理マシンのソフトウェア実施態様が可能である。仮想マシン1040および当該仮想マシンを実行するハードウェア1030の部分は、当該仮想マシン専用のハードウェアおよび/または当該仮想マシンが他の仮想マシン1040と共有するハードウェアである場合、別個の仮想ネットワーク要素(VNE)を構成する。
【0158】
さらに、NFVの文脈において、仮想ネットワーク機能(VNF)は、ハードウェアネットワークインフラ1030上の1つまたは複数の仮想マシン1040において動作する特定のネットワーク機能の処理を担うとともに、
図10のアプリケーション1020に対応する。
【0159】
いくつかの実施形態においては、それぞれが1つもしくは複数の送信機10220ならびに1つもしくは複数の受信機10210を具備する1つまたは複数の無線ユニット10200を1つまたは複数のアンテナ10225に結合可能である。無線ユニット10200は、1つまたは複数の適当なネットワークインターフェースを介してハードウェアノード1030と直接通信可能であり、仮想コンポーネントと組み合わせた使用によって、無線アクセスノードまたは基地局等の無線機能を仮想ノードに提供可能である。
【0160】
いくつかの実施形態においては、代替としてハードウェアノード1030と無線ユニット10200との間の通信に使用可能な制御システム10230の使用によって、一部のシグナリングを有効にすることができる。
【0161】
図11を参照して、一実施形態によれば、通信システムは、無線アクセスネットワーク等のアクセスネットワーク1111およびコアネットワーク1114を含む3GPP型のセルラーネットワーク等の遠隔通信ネットワーク1110を含む。アクセスネットワーク1111は、それぞれ対応するカバレッジエリア1113a、1113b、1113cを規定するNB、eNB、gNB、または他種の無線アクセスポイント等の複数の基地局1112a、1112b、1112cを備える。各基地局1112a、1112b、1112cは、有線または無線接続1115を介してコアネットワーク1114に接続可能である。カバレッジエリア1113cに位置付けられた第1のUE1191は、対応する基地局1112cに対する無線接続または対応する基地局1112cによるページングが行われるように設定可能である。カバレッジエリア1113aの第2のUE1192は、対応する基地局1112aに対して無線接続可能である。本例においては複数のUE1191、1192を示すが、開示の実施形態は、単一のUEのみがカバレッジエリア中に存在する状況または単一のUEのみがつながっている状況にも等しく適用可能である。
【0162】
遠隔通信ネットワーク1110は、それ自体がホストコンピュータ1130に接続されているが、これは、独立型サーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/もしくはソフトウェアにおける具現化またはサーバファームにおける処理リソースとしての具現化が可能である。ホストコンピュータ1130は、サービスプロバイダによる所有もしくは制御またはサービスプロバイダによる運用もしくはサービスプロバイダの代わりの運用が可能である。サービスプロバイダは、本明細書において説明するアプリケーションサービスのプロバイダが可能であるため、ホストコンピュータ1130は、アプリケーションサービスおよび/またはネゴシエーション機能であるか、これを実行可能である。遠隔通信ネットワーク1110とホストコンピュータ1130との間の接続1121および1122は、コアネットワーク1114からホストコンピュータ1130までの直接的な延伸または任意選択としての中間ネットワーク1120を介した延伸が可能である。中間ネットワーク1120としては、パブリック、プライベート、またはホステッドネットワークのうちの1つまたはこれらのうちの2つ以上の組合せが可能である。中間ネットワーク1120が存在する場合は、バックボーンネットワークまたはインターネットが可能である。特に、中間ネットワーク1120は、2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含み得る。
【0163】
図11の通信システムは全体として、たとえば、本明細書において説明する技術に従ってネゴシエーションされるデータ伝送のために、接続されたUE1191、1192、およびホストコンピュータ1130の間の接続を有効化する。この接続は、オーバー・ザ・トップ(OTT)接続1150として説明可能である。ホストコンピュータ1130および接続UE1191、1192は、アクセスネットワーク1111、コアネットワーク1114、任意の中間ネットワーク1120、および中間段階として考え得る別のインフラ(図示せず)を用いることにより、OTT接続1150を介してデータおよび/またはシグナリングを伝達するように設定されている。OTT接続1150は、それが通過する参加通信デバイスがアップリンクおよびダウンリンク通信のルーティングを認識しない意味において、透明と考えられる。たとえば、基地局1112は、接続UE1191に転送(たとえば、ハンドオーバ)されるホストコンピュータ1130からのデータを伴う入力ダウンリンク通信の過去のルーティングについて、通知されなくてもよいし、その必要がなくてもよい。同様に、基地局1112は、UE1191からホストコンピュータ1130に向かう出力アップリンク通信の未来のルーティングを認識する必要がない。
【0164】
以下、
図12を参照して、各前項に記載のUE、基地局、およびホストコンピュータの一実施形態に係る例示的な実施態様を説明する。通信システム1200において、ホストコンピュータ1210は、上述の通り、アプリケーションサービスおよび/またはネゴシエーション機能であるか、これを実行可能であり、通信システム1200の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップし、維持するように設定された通信インターフェース1216を含むハードウェア1215を備える。ホストコンピュータ1210は、記憶および/または処理機能を有し得る処理回路1218をさらに備える。特に、処理回路1218は、命令を実行するように構成された1つまたは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る。ホストコンピュータ1210は、当該ホストコンピュータ1210に格納されるか、または、当該ホストコンピュータ1210によりアクセス可能かつ処理回路1218により実行可能なソフトウェア1211をさらに備える。ソフトウェア1211は、ホストアプリケーション1212を含む。ホストアプリケーション1212は、UE1230およびホストコンピュータ1210で終端するOTT接続1250を介してつながるUE1230等のリモートユーザにサービスを提供するように動作可能となり得る。リモートユーザにサービスを提供する際、ホストアプリケーション1212は、OTT接続1250を使用して送信され、本明細書において説明する技術に従ってネゴシエーションされた、ユーザデータを提供可能である。
【0165】
また、通信システム1200は、遠隔通信システムに設けられ、ホストコンピュータ1210およびUE1230との通信を可能にするハードウェア1225を備えた基地局1220を含み得る。ハードウェア1225は、通信システム1200の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線通信をセットアップおよび維持する通信インターフェース1226のほか、基地局1220がサーブするカバレッジエリア(
図12に示さず)に位置付けられたUE1230との少なくとも無線の接続1270をセットアップおよび維持する無線インターフェース1227を具備し得る。通信インターフェース1226は、ホストコンピュータ1210への接続1260を容易化するように設定可能である。接続1260は、直接も可能であるし、遠隔通信システムのコアネットワーク(
図12に示さず)および/または遠隔通信システムの外側の1つまたは複数の中間ネットワークを通過することも可能である。また、図示の実施形態において、基地局1220のハードウェア1225は、命令を実行するように構成された1つまたは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る処理回路1228を含み得る。基地局1220は、内部に格納されたソフトウェア1221または外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア1621をさらに有する。
【0166】
また、通信システム1200は、すでに言及したUE1230を含み得る。そのハードウェア1235は、UE1230が現在位置付けられているカバレッジエリアにサーブする基地局との無線接続1270をセットアップおよび維持するように設定された無線インターフェース1237を含み得る。また、UE1230のハードウェア1235は、命令を実行するように構成された1つまたは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示せず)を備え得る処理回路1238を含み得る。UE1230は、当該UE1230に格納されるか、または、当該UE1230によりアクセス可能かつ処理回路1238により実行可能なソフトウェア1231をさらに備える。ソフトウェア1231は、クライアントアプリケーション1232を含む。クライアントアプリケーション1232は、ホストコンピュータ1210の補助により、UE1230を介して人間または人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能となり得る。ホストコンピュータ1210においては、UE1230および当該ホストコンピュータ1210で終端するOTT接続1250を介して、実行ホストアプリケーション1212が実行クライアントアプリケーション1232と通信可能である。ユーザへのサービスの提供において、クライアントアプリケーション1232は、ホストアプリケーション1212からリクエストデータを受信し、このリクエストデータに応答してユーザデータを提供することができる。OTT接続1250は、リクエストデータおよびユーザデータの両者を伝送可能である。クライアントアプリケーション1232は、ユーザとの相互作用により、提供するユーザデータを生成することができる。
【0167】
なお、
図12に示すホストコンピュータ1210、基地局1220、およびUE1230はそれぞれ、
図11のホストコンピュータ1130、基地局1112a、1112b、1112cのうちの1つ、およびUE1191、1192の一方と類似または同一のものが可能である。すなわち、これらのエンティティの内部作用は、
図12に示す通りが可能である一方、これとは無関係に、周囲のネットワークトポロジは、
図11のものが可能である。
【0168】
図12においては、如何なる中間段階デバイスおよびこれらのデバイスを介したメッセージの厳密なルーティングも明示的に参照することなく、基地局1220を介したホストコンピュータ1210とUE1230との間の通信を示すため、OTT接続1250を抽象的に描画している。ネットワークインフラがルーティングを決定可能であるが、これは、UE1230もしくはサービスプロバイダが運用するホストコンピュータ1210、またはその両者から見えないように設定可能である。OTT接続1250がアクティブである間に、ネットワークインフラは、(たとえば、ネットワークの負荷分散の考慮または再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決定をさらに行うことができる。
【0169】
UE1230と基地局1220との間の無線接続1270は、本開示全体に記載の実施形態の教示内容に従う。種々の実施形態のうちの1つまたは複数により、OTT接続1250によってUE1230に提供されるOTTサービスの性能が向上するが、無線接続1270はその最新部分を構成する。より厳密に、本明細書に開示の例示的な実施形態によれば、5Gネットワークの外部のOTTデータアプリケーションまたはサービス等、ユーザ機器(UE)と別のエンティティとの間のデータセッションと関連付けられたデータフロー(それぞれの対応する無線ベアラを含む)のエンド・ツー・エンドサービス品質(QoS)をモニタリングするネットワークの柔軟性が向上し得る。これらの利点および他の利点によって、5G/NRソリューションの時宜を得た設計、実装、および展開が容易化され得る。さらに、このような実施形態によって、データセッションQoSの柔軟かつ時宜を得た制御が容易化され、5G/NRに想定されるとともにOTTサービスの成長にとって重要な容量、スループット、レイテンシ等が改善され得る。
【0170】
1つまたは複数の実施形態により改善されるデータレート、レイテンシ、および他のネットワーク運用態様のモニタリングを目的として、測定手順を提供可能である。さらには、測定結果の変動に応じて、ホストコンピュータ1210とUE1230との間のOTT接続1250を再設定する任意選択としてのネットワーク機能が存在し得る。OTT接続1250を再設定する測定手順および/またはネットワーク機能は、ホストコンピュータ1210のソフトウェア1211およびハードウェア1215もしくはUE1230のソフトウェア1231およびハードウェア1235、またはその両者において実装可能である。実施形態においては、OTT接続1250が通過する通信デバイス中または通信デバイスとの関連でセンサ(図示せず)を展開可能である。センサは、上記例示のモニタリング量の値またはソフトウェア1211、1231がモニタリング量を演算もしくは推定可能な他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与し得る。OTT接続1250の再設定には、メッセージフォーマット、再送信設定、好ましいルーティング等を含み得る。この再設定は、基地局1220に影響を及ぼす必要がなく、基地局1220が把握も感知もできない。このような手順および機能は、当技術分野において既知かつ実行可能である。特定の実施形態においては、ホストコンピュータ1210のスループット、伝搬時間、レイテンシ等の測定を容易化する独占的なUEシグナリングを測定に伴い得る。測定は、伝搬時間、エラー等をモニタリングしつつ、OTT接続1250を用いることにより、特に空のメッセージすなわち「ダミー」メッセージとしてソフトウェア1211および1231がメッセージを送信するように実装可能である。
【0171】
図13は、本開示のさまざまな例示的実施形態による装置の実施形態のブロック図である。装置1300は、本明細書において説明するような予測コントローラ、予測コントローラの機能および/または動作を実行するNF等のネットワークノード、アプリケーションサービスに関連付けられたネゴシエーション機能、またはアプリケーションサービスの形をしているか、その一部が可能である。装置1300は、たとえば、
図5、
図6、および
図7における例示的な方法のいずれかといった、本明細書において説明する例示的な方法および処理のいくつかまたはすべての部分を行うように動作可能であるか、配置または設定可能である。
【0172】
装置1300は、仮想装置が可能であり、処理回路1310を備えることができ、処理回路1310は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、ならびに、他のデジタルハードウェアを含むことができ、他のデジタルハードウェアは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタルロジック等を含み得る。処理回路1310は、
図8における処理回路820、870、または
図10における処理回路1060のいずれかと同様に実行可能である。処理回路1310は、メモリ1320に格納されたプログラムコードを実行するように設定可能であり、メモリ1320は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光ストレージデバイス等のメモリの1つまたはいくつかのタイプを含み得る。メモリ1320に格納されたプログラムコードは、たとえば、
図5、
図6、および
図7における例示的な方法のいずれかといった、本明細書において説明する技術の1つまたは複数を実行するためのプログラム命令を含み得る。
図13に示していないが、装置1300はまた、たとえば、
図10を参照することにより上述したような、1つまたは複数のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)を含み得る。
【0173】
本明細書において説明する通り、デバイスおよび/または装置は、半導体チップ、チップセット、または、このようなチップもしくはチップセットを備える(ハードウェア)モジュールによって表し得るが、デバイスまたは装置の機能が、ハードウェアが実行するのではなく、プロセッサ上で実行するためまたは動くための実行可能なソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム製品等のソフトウェアモジュールとして実行される可能性を除外しない。さらに、デバイスまたは装置の機能は、ハードウェアおよびソフトウェアの任意の組合せで実行可能である。また、デバイスまたは装置は、互いに機能的に協働していても、独立していても、複数のデバイスおよび/または装置のアセンブリとみなし得る。その上、デバイスおよび装置は、デバイスまたは装置の機能が保たれる限り、システムの全体にわたって分散させて実行可能である。このような、および同様の原理は、当業者が知っているものとみなされる。
【0174】
本明細書で使用する用語「ネットワークノード」は、基地局(BS)、無線基地局、ベーストランシーバ基地局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gノードB(gNB)、エボルブドノードB(eNBまたはeNodeB)、ノードB、MSR BS等のマルチスタンダード無線機(MSR)無線ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、中継ノード、ドナーノード制御中継器、無線アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、リモートラジオユニット(RRU)リモート無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(たとえば、モバイル管理エンティティ(MME)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、協調ノード、位置決めノード、MDTノード等)、外部ノード(たとえば、サードパーティのノード、現在のネットワークの外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)におけるノード、スペクトルアクセスシステム(SAS)ノード、エレメント管理システム(EMS)等のいずれかをさらに備え得る無線ネットワーク内のネットワークノードのいずれかの種類が可能である。また、ネットワークノードは、テスト機器を備え得る。
【0175】
本明細書において使用される場合、「無線アクセスノード」(または「無線ネットワークノード」)は、信号を無線で送受信するように動作する無線アクセスネットワーク(RAN)内の任意のノードが可能である。無線アクセスノードのいくつかの例は、基地局(たとえば、3GPP第5世代(5G)NRネットワークにおける新無線(NR)基地局(gNB)、または3GPP LTEネットワークにおけるeNB)、高出力またはマクロ基地局、低出力基地局(たとえば、マイクロ基地局、ピコ基地局、ホームeNB等)、中継ノード、アクセスポイント(AP)、無線AP、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、マルチスタンダードBS(たとえば、MSR BS)、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、ベーストランシーバ基地局(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、ネットワークコントローラ、NodeB(NB)等を含むがこれらに限定されない。また、このような用語は、gNB-CUおよび/またはgNB-DU等の、ノードの構成要素に言及するために使用可能である。
【0176】
本明細書において使用される場合、用語「無線ノード」は、無線デバイス(WD)または無線ネットワークノードと称し得る。
【0177】
本明細書において使用される場合、「コアネットワークノード」は、コアネットワーク内のノードのいずれかのタイプが可能である。コアネットワークノードのいくつかの例は、たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、サービス能力公開機能(SCEF)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、ユーザプレーン機能(UPF)、ホーム加入者サーバ(HSS)等を含む。
【0178】
本明細書において使用される場合、「ネットワークノード」は、セルラー通信ネットワーク/システム等の、無線通信システムの無線アクセスネットワーク(たとえば、「無線ネットワークノード」もしくは「無線アクセスノード」)、またはコアネットワーク(たとえば、「コアネットワークノード」)の一部である任意のノードである。
【0179】
いくつかの実施形態において、非限定的な用語「無線デバイス」(WD)または「ユーザ機器」(UE)は、区別なく使用する。本明細書におけるWDは、無線デバイス(WD)等の、無線信号でネットワークノードまたは別のWDと通信可能な無線デバイスの任意のタイプが可能である。また、WDは、無線通信デバイス、ターゲットデバイス、device-to-device(D2D)WD、マシン型WDまたはマシンツーマシン通信(M2M)の能力があるWD、低コストおよび/または低複雑性WD、WDを装備したセンサ、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ組込み装備(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、カスタマ構内設備(CPE)、モノのインターネット(IoT)デバイス、狭帯域IoT(NB-IOT)デバイス、V2X UE等が可能である。
【0180】
本明細書において使用される場合、「チャネル」は、論理的なトランスポートまたは物理チャネルが可能である。チャネルは、1つまたは複数のキャリア、具体的には複数のサブキャリア上に備え得る、および/または配置し得る。制御シグナリング/制御情報を搬送する、および/または搬送するためのチャネルは、具体的には、チャネルが物理層チャネルの場合、および/またはチャネルが制御プレーン情報を搬送する場合、制御チャネルとみなし得る。同様に、データシグナリング/ユーザ情報を搬送する、および/または搬送するためのチャネルは、具体的には、チャネルが物理層チャネルの、および/またはチャネルがユーザプレーン情報を搬送する場合、データチャネル(たとえば、PDSCH)とみなし得る。チャネルは、特定の通信方向に対して、または2つの相補的な通信方向(たとえば、ULとDL、もしくは2方向のサイドリンク)に対して、規定することができ、この場合、各方向に対して1つずつ、2つの構成要素チャネルを有するとみなし得る。
【0181】
さらに、用語「セル」を本明細書で使用するが、(特に、5G NRについて)セルの代わりにビームを使用し得るため、本明細書において説明する概念は、セルとビーム両方に等しく適用されることを理解されたい。
【0182】
たとえば3GPP LTEおよび/または新無線(NR)等の1つの特定の無線システムからの用語を本開示で使用し得るが、これは、前述のシステムだけに本開示の範囲を限定するものとみなすべきでないことに留意されたい。広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMAX)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、および汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)を限定することなく含む他の無線システムも、本明細書において説明する概念、原理、および/または実施形態の活用から恩恵を受け得る。
【0183】
無線デバイスまたはネットワークノードによって実施されるような、本明細書において説明する機能は、複数の無線デバイスおよび/またはネットワークノードにわたって分散可能なことにさらに留意されたい。言い換えれば、本明細書において説明するネットワークノードおよび無線デバイスの機能は、単一の物理デバイスによる実施に限定されず、実際に、いくつかの物理デバイスの間に分散可能であると想定する。
【0184】
別途規定されない限り、本明細書において使用する(技術的および科学的な用語を含む)すべての用語は、本開示が属する当業者による一般的な理解と同じ意味を有する。本明細書において使用する用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致する意味を有するものと解釈するべきであり、本明細書でそのように明確に規定されない限り、理想化した、または過度に正式の意味で解釈しないことがさらに理解されよう。
【0185】
さらに、本明細書、図面、およびその例示的実施形態を含む本開示において使用する一定の用語は、たとえばデータおよび情報を含むがこれらに限定されない一定の事例において同意語として使用可能である。互いに同義になり得るこれらの単語および/または他の単語は、本明細書において同意語として使用可能であり、このような単語を同意語として使用しないことを意図し得る事例があり得ることを理解されたい。さらに、従来技術の知識が上記で本明細書に参照により明示的に組み込まれない範囲について、全体として本明細書に明示的に組み込まれる。参照するすべての公報は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0186】
前述は、本開示の原理を示すにすぎない。説明する実施形態へのさまざまな変更形態および代替形態が、本明細書における教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書において明示的に示すことも、説明することもないが、本開示の原理を具体化し、したがって、本開示の精神および範囲内になり得る、非常に多くのシステム、配置、および手順を当業者が考案可能であることを認識するであろう。さまざまな例示的実施形態は、当業者が理解する通り、互いに一緒に、および、互いに区別なく使用可能である。