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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】印刷制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230926BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20230926BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/12 335
G06F3/12 302
G06F3/12 378
B41J3/36 T
B41J29/38
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019122198
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021009497
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】加古 径吾
(72)【発明者】
【氏名】河合 潤也
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-090550(JP,A)
【文献】特開2011-037029(JP,A)
【文献】特開2000-141774(JP,A)
【文献】特開2005-231154(JP,A)
【文献】特開2016-146604(JP,A)
【文献】特開2003-001897(JP,A)
【文献】特開2016-190424(JP,A)
【文献】特開2013-049240(JP,A)
【文献】特開2009-039986(JP,A)
【文献】特開2010-017937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J3/36;3/46;29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープが収容されたテープカセットが装着される装着部に装着された前記テープカセットである対象カセットから搬送される前記テープにオブジェクトを印刷する印刷制御を実行可能な印刷制御装置において、
基材を含む前記テープである下側テープ、または前記下側テープのテープ厚み方向に重ねて貼り合わされる前記テープである上側テープによって作成されるラベルに関する情報であるラベル情報を第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された前記ラベル情報に基づいて、前記オブジェクトを囲むオブジェクト領域における第1方向の長さと、前記第1方向と直交する第2方向の長さとを特定する特定手段と、
前記テープカセットに関する情報であって、前記テープカセットに収容された前記上側テープの幅方向の長さである上側テープ幅を示す情報を含むカセット情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された前記ラベル情報と、前記第2取得手段によって取得された前記カセット情報とに基づいて、前記対象カセットが、前記下側テープが収容された前記テープカセットである下側テープ用カセットまたは前記上側テープが収容された前記テープカセットである上側テープ用カセットであるかを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記対象カセットが前記下側テープ用カセットであると判断された場合、前記下側テープへの前記オブジェクトに関する前記印刷制御を行う第1印刷制御手段と、
前記第1判断手段によって前記対象カセットが前記上側テープ用カセットであると判断された場合、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのうち、前記上側テープ幅以下となる長さの方向が幅方向に前記オブジェクトの配置方向を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された前記配置方向に基づき、前記上側テープへの前記オブジェクトに関する前記印刷制御を行う第2印刷制御手段と、
前記第1判断手段によって前記対象カセットが前記下側テープ用カセットおよび前記上側テープ用カセットのいずれでもないと判断された場合、前記対象カセットを交換すべき旨の報知を行う第1報知制御手段と、
を備える印刷制御装置。
【請求項2】
前記下側テープの外径を示す下側ラベル画像と、前記下側テープに印刷する下側イメージ画像と、前記オブジェクトを含む上側イメージ画像と、を編集可能に、表示部に重畳させて表示させる表示制御手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのいずれも前記上側テープ幅を超える長さの場合に、異なるテープ幅のテープを前記上側テープとすべき旨の報知を行う第2報知制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記第2報知制御手段は、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのいずれかが前記上側テープ幅以下の長さであるテープ幅のテープであって、前記印刷制御が行われた前記上側テープの前記上側テープ幅に基づく使用情報が記憶手段に記憶されるテープを示すことを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのどちらも、前記上側テープ幅以下となる場合は、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのうち長いほうを幅方向で前記オブジェクトの前記配置方向を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記第2取得手段は、前記下側テープの幅方向の長さである下側テープ幅を取得し、
前記設定手段は、前記下側テープのテープ幅より前記上側テープのテープ幅が大きい場合に、前記オブジェクトを90度回転させて配置する請求項1から5のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記上側テープは、前記オブジェクトが印刷される、透明または半透明な基材を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項8】
前記上側テープは、前記オブジェクトが印刷される、不透明な基材を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項9】
前記第1判断手段によって前記対象カセットが前記上側テープ用カセットであると判断された場合、前記上側テープ用カセットに印刷するための印刷可能条件の成否を判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段によって前記印刷可能条件が成立しないと判断された場合、前記対象カセットを、使用可能テープが収容された前記テープカセットに交換する旨を報知する第2報知制御手段と、
を備え、
前記使用可能テープは、前記印刷制御が行われた前記上側テープに基づく使用情報が記憶手段に記憶され、且つ前記印刷可能条件が成立する前記テープである
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項10】
テープが収容されたテープカセットが装着される装着部に装着された前記テープカセットである対象カセットから搬送される前記テープにオブジェクトを印刷する印刷制御を実行させる印刷制御プログラムにおいて、
基材を含む前記テープである下側テープ、または前記下側テープのテープ厚み方向に重ねて貼り合わされる前記テープである上側テープによって作成されるラベルに関する情報であるラベル情報を第一取得処理と、
前記第一取得処理によって取得された前記ラベル情報に基づいて、前記オブジェクトを囲むオブジェクト領域における第1方向の長さと、前記第1方向と直交する第2方向の長さとを特定する特定処理
前記テープカセットに関する情報であって、前記テープカセットに収容された前記上側テープの幅方向の長さである上側テープ幅を示す情報を含むカセット情報を取得する第2取得処理と
前記第一取得処理によって取得された前記ラベル情報と、前記第2取得処理によって取得された前記カセット情報とに基づいて、前記対象カセットが、前記下側テープが収容された前記テープカセットである下側テープ用カセットまたは前記上側テープが収容された前記テープカセットである上側テープ用カセットであるかを判断する第1判断処理と、
前記第1判断処理によって前記対象カセットが前記下側テープ用カセットであると判断された場合、前記下側テープへの前記オブジェクトに関する前記印刷制御を行う第1印刷制御処理と、
前記第1判断処理によって前記対象カセットが前記上側テープ用カセットであると判断された場合、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのうち、前記上側テープ幅以下となる長さの方向が幅方向に前記オブジェクトの配置方向を設定する設定処理
前記設定処理によって設定された前記配置方向に基づき、前記上側テープへの前記オブジェクトに関する前記印刷制御を行う第2印刷制御処理と、
前記第1判断処理によって前記対象カセットが前記下側テープ用カセットおよび前記上側テープ用カセットのいずれでもないと判断された場合、前記対象カセットを交換すべき旨の報知を行う第1報知制御処理とを、コンピュータに実行させる印刷制御プログラム。
【請求項11】
前記第1判断処理によって前記対象カセットが前記上側テープ用カセットであると判断された場合、前記上側テープ用カセットに印刷するための印刷可能条件の成否を判断する第2判断処理と、
前記第2判断処理によって前記印刷可能条件が成立しないと判断された場合、前記対象カセットを、使用可能テープが収容された前記テープカセットに交換する旨を報知する第2報知制御処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記使用可能テープは、前記印刷制御が行われた前記上側テープに基づく使用情報が記憶手段に記憶され、且つ前記印刷可能条件が成立する前記テープである
ことを特徴とする請求項10に記載の印刷制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のプリンタでは、下側テープと上側テープのそれぞれにオブジェクトの印刷が行われる。印刷された下側テープには、下側テープの長手方向に上側テープの長手方向が一致する状態で、印刷された上側テープが貼り合わされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-66826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記プリンタでは、上側テープに印刷されるオブジェクトの大きさに応じて、上側テープとして使用可能なテープの幅が限定される可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、下側テープに貼り合わされる上側テープとして使用可能なテープの幅が限定されることを抑制できる印刷制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される技術は、下側テープのテープ厚み方向に重ねて貼り合わされる上側テープにオブジェクトを印刷する印刷制御を実行可能な印刷制御装置において、前記オブジェクトを囲むオブジェクト領域における第1方向の長さと、第1方向と直交する第2方向の長さとを特定する特定手段と、前記上側テープの幅方向の長さである上側テープ幅を取得する取得手段と、前記第1方向の長さおよび前記第2方向の長さのうち、前記上側テープ幅以下となる長さの方向が幅方向に前記オブジェクトの配置方向を設定する設定手段と、前記配置方向に基づき、前記オブジェクトに関する前記印刷制御を行う印刷制御手段と、を備える。
また、本発明の第一態様に係る印刷制御装置は、下側テープに貼り合わされる上側テープにオブジェクトを印刷する印刷制御を実行可能な印刷制御装置において、1以上のオブジェクトからなるイメージを示すイメージ情報を編集する編集手段と、編集手段によって編集されたイメージ情報が示すイメージを囲む矩形であるイメージ領域における下側テープの長手方向の長さであるイメージ領域長さと、イメージ領域における下側テープの幅方向の長さであるイメージ領域幅とを取得する第一取得手段と、下側テープの長手方向の長さである下側テープ長さと、下側テープの幅方向の長さである下側テープ幅とを取得する第二取得手段と、編集手段によって編集されたイメージ情報が示すイメージを構成する1以上のオブジェクトのうち一部または全部のオブジェクトである印刷オブジェクトを指定する指定手段と、指定手段によって指定された印刷オブジェクトを囲む矩形であるオブジェクト領域における下側テープの長手方向の長さであるオブジェクト領域長さと、オブジェクト領域における下側テープの幅方向の長さであるオブジェクト領域幅とを取得する第三取得手段と、上側テープの幅方向の長さである上側テープ幅を取得する第四取得手段と、前提条件が満たされ、且つ第一条件が満たされた場合、下側テープに配置された印刷オブジェクトに対して上側テープが配置される配置方向を、上側テープの長手方向を下側テープの長手方向と一致させた平行配置に設定する第一設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第二条件が満たされた場合、配置方向を、上側テープの長手方向を下側テープの幅方向と一致させた直交配置に設定する第二設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第三条件が満たされた場合、配置方向を平行配置に設定する第三設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第四条件が満たされた場合、配置方向を直交配置に設定する第四設定手段と、前提条件が満たされた場合において、少なくとも第一条件、第二条件、第三条件、および第四条件のいずれも満たされなかった場合、エラー報知を行う報知制御手段と、第一設定手段、第二設定手段、第三設定手段、および第四設定手段のいずれかによって設定された配置方向に基づき、印刷制御を行う印刷制御手段とを備え、前提条件は、イメージ領域長さ≦下側テープ長さ、且つイメージ領域幅≦下側テープ幅であることを含み、第一条件は、オブジェクト領域幅<上側テープ幅<オブジェクト領域長さであることを含み、第二条件は、オブジェクト領域幅≦オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅であることを含み、第三条件は、オブジェクト領域長さ<オブジェクト領域幅≦上側テープ幅であることを含み、第四条件は、オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅<オブジェクト領域幅であることを含むことを特徴とする。
【0007】
第一態様によれば、前提条件が満たされ、且つ第一条件~第四条件のいずれかが満たされると、配置方向が平行配置および直交配置のいずれかに設定される。よって、印刷制御装置は、下側テープに上側テープが貼り合わされた場合に、下側テープの範囲内にイメージ全体が配置されるように、イメージを上側テープに印刷できる。配置方向は、オブジェクト領域の大きさと上側テープ幅とに応じて平行配置および直交配置のいずれかに設定される。このため、上側テープは、仮に上側テープ幅よりもオブジェクト領域幅が大きいことによって平行配置では使用不可能な場合であっても、上側テープ幅よりもオブジェクト領域長さが小さいことによって直交配置で使用可能な場合がある。このように、印刷制御装置は、上側テープとして使用可能なテープの幅が限定されることを抑制できる。
【0008】
本発明の第二態様に係る印刷制御装置は、下側テープに貼り合わされる上側テープにオブジェクトを印刷する印刷制御を実行可能な印刷制御装置において、1以上のオブジェクトからなるイメージを示すイメージ情報を編集する編集手段と、編集手段によって編集されたイメージ情報が示すイメージを囲む矩形であるイメージ領域における下側テープの長手方向の長さであるイメージ領域長さと、イメージ領域における下側テープの幅方向の長さであるイメージ領域幅とを取得する第一取得手段と、下側テープの長手方向の長さである下側テープ長さと、下側テープの幅方向の長さである下側テープ幅とを取得する第二取得手段と、編集手段によって編集されたイメージ情報が示すイメージを構成する1以上のオブジェクトのうち一部または全部のオブジェクトである印刷オブジェクトを指定する指定手段と、指定手段によって指定された印刷オブジェクトを囲む矩形であるオブジェクト領域における下側テープの長手方向の長さであるオブジェクト領域長さと、オブジェクト領域における下側テープの幅方向の長さであるオブジェクト領域幅とを取得する第三取得手段と、上側テープの幅方向の長さである上側テープ幅を取得する第四取得手段と、前提条件が満たされ、且つ第一条件が満たされた場合、下側テープに配置された印刷オブジェクトに対して上側テープが配置される配置方向を、上側テープの長手方向を下側テープの長手方向と一致させた平行配置に設定し、且つ印刷制御が実行される上側テープの長手方向の長さである上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域長さに設定する第一設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第二条件が満たされた場合、配置方向を、上側テープの長手方向を下側テープの幅方向と一致させた直交配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域幅に設定する第二設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第三条件が満たされた場合、配置方向を平行配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域長さに設定する第三設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第四条件が満たされた場合、配置方向を直交配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域幅に設定する第四設定手段と、前提条件が満たされた場合において、少なくとも第一条件、第二条件、第三条件、および第四条件のいずれも満たされなかった場合、エラー報知を行う報知制御手段と、第一設定手段、第二設定手段、第三設定手段、および第四設定手段のいずれかによって設定された配置方向および上側テープ長さに基づき、印刷制御を行う印刷制御手段とを備え、前提条件は、イメージ領域長さ≦下側テープ長さ、且つイメージ領域幅≦下側テープ幅であることを含み、第一条件は、オブジェクト領域幅<上側テープ幅<オブジェクト領域長さであることを含み、第二条件は、オブジェクト領域幅≦オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅であることを含み、第三条件は、オブジェクト領域長さ<オブジェクト領域幅≦上側テープ幅であることを含み、第四条件は、オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅<オブジェクト領域幅であることを含むことを特徴とする。第二態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
【0009】
本発明の第三態様に係る印刷制御装置は、下側テープに貼り合わされる上側テープにオブジェクトを印刷する印刷制御を実行可能な印刷制御装置において、1以上のオブジェクトからなるイメージを示すイメージ情報を編集する編集手段と、編集手段によって編集されたイメージ情報が示すイメージを囲む矩形であるイメージ領域における下側テープの長手方向の長さであるイメージ領域長さと、イメージ領域における下側テープの幅方向の長さであるイメージ領域幅とを取得する第一取得手段と、下側テープの長手方向の長さである下側テープ長さと、下側テープの幅方向の長さである下側テープ幅とを取得する第二取得手段と、編集手段によって編集されたイメージ情報が示すイメージを構成する1以上のオブジェクトのうち一部または全部のオブジェクトである印刷オブジェクトを指定する指定手段と、指定手段によって指定された印刷オブジェクトを囲む矩形であるオブジェクト領域における下側テープの長手方向の長さであるオブジェクト領域長さと、オブジェクト領域における下側テープの幅方向の長さであるオブジェクト領域幅とを取得する第三取得手段と、上側テープの幅方向の長さである上側テープ幅を取得する第四取得手段と、前提条件が満たされ、且つ第一条件が満たされた場合、下側テープに配置された印刷オブジェクトに対して上側テープが配置される配置方向を、上側テープの長手方向を下側テープの長手方向と一致させた平行配置に設定し、且つ印刷制御が実行される上側テープの長手方向の長さである上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域長さに設定する第一設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第二条件が満たされた場合、配置方向を、上側テープの長手方向を下側テープの幅方向と一致させた直交配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域幅に設定する第二設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第三条件が満たされた場合、配置方向を平行配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域長さに設定する第三設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第四条件が満たされた場合、配置方向を直交配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域幅に設定する第四設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第五条件が満たされた場合、配置方向を平行配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域長さに設定する第五設定手段と、前提条件が満たされ、且つ第六条件が満たされた場合、配置方向を直交配置に設定し、且つ上側テープ長さを、第三取得手段によって取得されたオブジェクト領域幅に設定する第六設定手段と、前提条件が満たされた場合において、第一条件、第二条件、第三条件、第四条件、第五条件、および第六条件のいずれも満たされなかった場合、エラー報知を行う報知制御手段と、第一設定手段、第二設定手段、第三設定手段、第四設定手段、第五設定手段、および第六設定手段のいずれかによって設定された配置方向および上側テープ長さに基づき、印刷制御を行う印刷制御手段とを備え、前提条件は、イメージ領域長さ≦下側テープ長さ、且つイメージ領域幅≦下側テープ幅であることを含み、第一条件は、オブジェクト領域幅<上側テープ幅<オブジェクト領域長さ、且つ上側テープ幅≦下側テープ幅であることを含み、第二条件は、オブジェクト領域幅≦オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅≦下側テープ長さであることを含み、第三条件は、オブジェクト領域長さ<オブジェクト領域幅≦上側テープ幅≦下側テープ幅であることを含み、第四条件は、オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅<オブジェクト領域幅、且つ上側テープ幅≦下側テープ長さであることを含み、第五条件は、オブジェクト領域幅≦オブジェクト領域長さ≦上側テープ幅≦下側テープ幅、且つ下側テープ長さ<上側テープ幅であることを含み、第六条件は、オブジェクト領域長さ<オブジェクト領域幅≦上側テープ幅≦下側テープ長さ、且つ下側テープ幅<上側テープ幅であることを含むことを特徴とする。第三態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
【0010】
本発明の第一態様または第二態様に係る印刷制御装置において、報知制御手段は、エラー報知において、第一条件、第二条件、第三条件、および第四条件の少なくともいずれかを満たす上側テープ幅に基づく使用可能情報を示してもよい。この場合、エラー報知が行われると、ユーザは、使用可能情報を把握できる。ユーザは、使用中の上側テープを使用可能情報に応じたテープ幅のテープに変更することで、印刷制御装置に印刷制御を実行させることができる。よって、印刷制御装置は、エラー報知において使用可能情報を示さないよりもユーザフレンドリである。
【0011】
本発明の第三態様に係る印刷制御装置において、報知制御手段は、エラー報知において、第一条件、第二条件、第三条件、第四条件、第五条件、および第六条件の少なくともいずれかを満たす上側テープ幅に基づく使用可能情報を示してもよい。よって、印刷制御装置は、エラー報知において使用可能情報を示さないよりもユーザフレンドリである。
【0012】
本発明の第一態様~第三態様に係る印刷制御装置は、印刷制御が行われた上側テープの上側テープ幅に基づく使用情報が記憶される記憶手段に記憶された使用情報に、使用可能情報があるか否かを判断する判断手段を備え、報知制御手段は、使用情報に使用可能情報があると判断手段によって判断された場合、エラー報知において、判断手段によって使用可能情報と判断された使用情報を示してもよい。この場合、ユーザは、使用情報に応じたテープ幅の中から使用可能情報に応じたテープ幅を選択できる。よって、印刷制御装置は、使用情報に応じたテープ幅の中に使用可能情報に応じたテープ幅があるにも関わらず、エラー報知において以前に使用されたことのないテープ幅に応じた情報を使用可能情報として示すよりもユーザフレンドリである。
【0013】
本発明の第一態様~第三態様に係る印刷制御装置において、上側テープは、印刷オブジェクトが印刷される、透明または半透明な基材を含んでもよい。この場合、印刷制御装置は、印刷された上側テープが下側テープに貼り合わされることで、上側テープが貼り合わされた部分の下側テープを、上側テープを透かして見ることができるいわゆる多色テープとして利用できる。
【0014】
本発明の第一態様~第三態様に係る印刷制御装置において、上側テープは、印刷オブジェクトが印刷される、不透明な基材を含んでもよい。この場合、印刷制御装置は、印刷された上側テープが下側テープに貼り合わされることで、下側テープのうち上側テープが貼り合わされた部分を隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】印刷システム1の斜視図である。
図2】印刷システム1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】編集画面271を示す図である。
図4】第一条件~第四条件を説明するための図である。
図5】第五条件および第六条件を説明するための図である。
図6】第一エラー条件~第五エラー条件を説明するための図である。
図7】メイン処理のフローチャートである。
図8】メイン処理のフローチャートである。
図9】メイン処理のフローチャートである。
図10】メイン処理のフローチャートである。
図11】メイン処理のフローチャートである。
図12】メイン処理のフローチャートである。
図13】メイン処理のフローチャートである。
図14】第三カセット交換表示272を示す図である。
図15】変形例における上側テープ長さL8の設定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第一実施形態に係る印刷システム1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0017】
図1を参照し、印刷システム1の概要について説明する。印刷システム1は、印刷制御装置20およびテーププリンタ10を備える。印刷制御装置20は、汎用のパーソナルコンピュータであり、ネットワーク100を介してテーププリンタ10と通信できる。テーププリンタ10は、印刷制御装置20による印刷制御に基づいて、オブジェクトをテープ40に印刷する印刷動作を行う。オブジェクトは、1または複数の文字、図形、記号等で構成される。
【0018】
図1を参照し、テーププリンタ10の概略構成について説明する。以下の説明では、図1の左上側、右下側、左下側、右上側、上側、下側を、それぞれ、テーププリンタ10およびテープカセット30の左側、右側、前側、後側、上側、下側とする。
【0019】
テーププリンタ10の上面には、入力部2が設けられる。入力部2は、ユーザの操作に応じて各種情報をテーププリンタ10に入力する。入力部2の後側には、表示部3が設けられる。表示部3は、各種情報を表示する。表示部3の後側には、カバー4が設けられる。カバー4は装着部5に対して開閉可能である。
【0020】
装着部5は、表示部3の後側に設けられる。装着部5には、テープカセット30が着脱可能に装着される。テープカセット30は、カセットケース31を備える。カセットケース31の内部には、テープ40およびインクリボン(図示略)が収容される。テープ40は、長尺状であり、基材、粘着層、剥離紙の順に積層されて構成される。基材のうち剥離紙とは反対側の面は、インクリボンが使用されてオブジェクトが印刷される印刷面である。カセットケース31の前面には、識別部32が設けられる。識別部32は、面部と凹部の組み合わせで構成され、インクリボンの色(つまり、テープ40に印刷されるオブジェクトの色)およびテープ40の幅方向の長さ(以下、「テープ幅」という。)に応じて異なるパターンで形成される。
【0021】
装着部5には、リボン巻取軸6、テープ駆動軸7、およびサーマルヘッド9(図2参照)が設けられる。リボン巻取軸6は、搬送モータ16(図2参照)の駆動により、使用済みのインクリボンを巻き取り、未使用のインクリボンを搬送する。テープ駆動軸7は、搬送モータ16(図2参照)の駆動により、テープ40を搬送する。サーマルヘッド9は、発熱することで、インクリボンを使用してテープ40にオブジェクトの印刷を行う。テープ駆動軸7の左側には、切断部8が設けられる。切断部8は、切断モータ17(図2参照)の駆動により、オブジェクトが印刷されたテープ40を切断する。これにより、ラベルが作成される。
【0022】
本実施形態では、テープ40は、下側テープ41と上側テープ42とに分類される(図4参照)。下側テープ41は、不透明な基材を有するいわゆるノーマルテープである。上側テープ42は、透明または半透明な基材を有するいわゆるクリアテープである。下側テープ41にオブジェクトが印刷され、切断されることによって作成されたラベルを、「下側ラベル」という(図示略)。上側テープ42にオブジェクトが印刷され、切断されることによって作成されたラベルを、「上側ラベル43」という(図4参照)。下側ラベルは土台となる。上側ラベル43は、下側ラベルの印刷面に貼り合わされる。例えばユーザは、下側ラベルの印刷面に上側ラベル43を貼り合わせることで、1枚のテープ40に複数色のオブジェクトが印刷されたように見えるいわゆる多色ラベルを作成できる。このように、印刷制御装置20は、複数のラベルを貼り合わせることで、1枚のラベルに複数色のオブジェクトを印刷する複雑な制御および構造を必要とすることなく、容易に多色ラベルを作成できる。
【0023】
図2を参照し、テーププリンタ10の電気的構成を説明する。テーププリンタ10はCPU11を備える。CPU11はテーププリンタ10を制御する。CPU11には、フラッシュメモリ12、ROM13、RAM14、通信部15、入力部2、表示部3、サーマルヘッド9、搬送モータ16、切断モータ17、および読取装置18が電気的に接続する。フラッシュメモリ12は、CPU11が実行するプログラム等を記憶する。ROM13は、各種プログラムの実行時にCPU11が必要な各種パラメータを記憶する。RAM14は、印刷制御装置20から受信した印刷制御情報等、種々の一時データを記憶する。通信部15は、ネットワーク100を介して印刷制御装置20と通信するためのコントローラである。読取装置18は、識別部32から後述のカセット情報を読み取るためのセンサである。
【0024】
印刷制御装置20の電気的構成を説明する。印刷制御装置20はCPU21を備える。CPU21は印刷制御装置20を制御する。CPU21には、フラッシュメモリ22、ROM23、RAM24、通信部25、入力部26、表示部27、およびドライブ装置28が電気的に接続する。フラッシュメモリ22は、CPU11が実行するプログラム、ラベルデータ等を記憶する。RAM24は、種々の一時データを記憶する。ROM23は、各種プログラムの実行時にCPU21が必要な各種情報(例えば、後述の前提条件、第一条件~第六条件を示す情報)を記憶する。通信部25は、ネットワーク100を介してテーププリンタ10と通信するためのコントローラである。入力部26は、ユーザの操作に応じて、各種情報を印刷制御装置20に入力する。表示部27は各種情報を表示する。ドライブ装置28は、記録媒体28Aに記憶された情報を読み出すことができる。記録媒体28Aは、半導体メモリ、光ディスク等である。CPU21は、記録媒体28Aに記憶されたメインプログラムをドライブ装置28によって読み出し、フラッシュメモリ22に記憶できる。
【0025】
図3を参照し、編集画面271を説明する。印刷制御装置20は、編集画面271において、1以上のオブジェクトからなるイメージを示すイメージ情報を編集できる。詳細には、印刷制御装置20は、編集画面271において、下側ラベルおよび上側ラベル43を作成するためのラベルデータを編集できる。イメージ情報は、ラベルデータに含まれる。編集画面271には、ラベルデータの編集結果に基づいて、テーププリンタ10によって作成される多色ラベルの印刷結果物が表示される。具体的には、編集画面271には、下側ラベル画像91と下側イメージ画像92と上側イメージ画像93とが表示される。
【0026】
下側ラベル画像91は、下側ラベルの大きさ(外形)を示す。下側イメージ画像92は、下側テープ41に印刷されるイメージ(以下、「下側イメージ」という。)を示し、図3では1つのオブジェクトである斜線の「☆」を示す。上側イメージ画像93は、上側テープ42に印刷されるイメージ(以下、「上側イメージ」という。)を示し、図3では2つのオブジェクトである黒色の「● ▲」を示す。なお、下側イメージ「☆」の中の斜線は、下側イメージの色が上側イメージの色である黒色とは異なる色であることを示す。このように、印刷制御装置20は、編集画面271において、下側ラベル画像91に下側イメージ画像92と上側イメージ画像93の両方が重畳表示された状態で、ユーザによる入力部26の操作に応じて、ラベルデータを編集できる。
【0027】
ラベルデータの編集終了後、印刷制御装置20は、後述の前提条件が満たされ、且つ後述の第一条件~第六条件のいずれかが満たされた場合、編集されたラベルデータに応じた印刷制御情報をテーププリンタ10に送信する。テーププリンタ10は、印刷制御装置20から送信される印刷制御情報に基づいて印刷動作を実行することによって、ラベルを作成する。
【0028】
図3を参照し、前提条件を説明する。以下では、下側ラベルの長手方向の長さ、すなわち、印刷制御が実行される下側テープ41の長手方向の長さを、「下側テープ長さL3」という。下側ラベルの幅方向の長さ、すなわち、下側テープ41のテープ幅を、「下側テープ幅L4」という。
【0029】
上側イメージが下側テープ41に配置された場合において、上側イメージを囲む最小の矩形を、「イメージ領域71」といい、イメージ領域71における下側テープ41の長手方向の長さを、「イメージ領域長さL1」といい、イメージ領域71における下側テープ41の幅方向の長さを、「イメージ領域幅L2」という。詳細には、イメージ領域71は、下側テープ41の長手方向と平行の一対の線分と、下側テープ41の幅方向と平行の一対の線分とが、それぞれ、上側イメージにおける下側テープ41の幅方向の両端と、上側イメージにおける下側テープ41の長手方向の両端とを通るように構成される。つまり、イメージ領域71は、下側テープ41に対して斜めに傾いていない。
【0030】
ラベルデータの編集終了後、印刷制御装置20は、イメージ領域71に基づいて、前提条件が満たされているか否かを判断する。前提条件は、以下の2つの条件によって構成される。
イメージ領域長さL1≦下側テープ長さL3
イメージ領域幅L2≦下側テープ幅L4
【0031】
前提条件が満たされない場合、下側ラベルに上側ラベル43が貼り付けられると、下側ラベルから上側イメージがはみ出る。よって、この場合には、印刷制御装置20は印刷を行わない。詳細には、前提条件が満たされない場合、印刷制御装置20は、後述の上側イメージエラー表示(図示略)を表示部27に表示する。前提条件が満たされている場合、印刷制御装置20は、上側イメージを構成する1以上のオブジェクトのうち一部または全部のオブジェクト(以下、「印刷オブジェクト」という。)を指定する。
【0032】
図4および図5を参照し、第一条件~第六条件を説明する。以下、印刷オブジェクトとして「●」が指定されたとする。なお、図4では、以下の第一条件~第六条件を説明するため、前提条件が満たされていることを前提として、印刷オブジェクトの「●」の形状を適宜変更している(図6も同様)。図4では、左部において、下側テープ41に「●」のオブジェクトが実際に印刷されている状態を示しているのではなく、下側テープ41に「●」のオブジェクトが配置された場合を仮定した状態を示す(図6も同様)。
【0033】
以下では、印刷オブジェクト(図4では、「●」)が下側テープ41に配置された場合において、印刷オブジェクトを囲む最小の矩形を、「オブジェクト領域75」といい、オブジェクト領域75における下側テープ41の長手方向の長さを、「オブジェクト領域長さL5」といい、オブジェクト領域75における下側テープ41の幅方向の長さを、「オブジェクト領域幅L6」という。詳細には、オブジェクト領域75は、下側テープ41の長手方向と平行の一対の線分と、下側テープ41の幅方向と平行の一対の線分とが、それぞれ、印刷オブジェクトにおける下側テープ41の幅方向の両端と、印刷オブジェクトにおける下側テープ41の長手方向の両端とを通るように構成される。つまり、オブジェクト領域75は、下側テープ41に対して斜めに傾いていない。
【0034】
上側ラベルの長手方向の長さ、すなわち、印刷制御が実行される上側テープ42の長手方向の長さを、「上側テープ長さL8」という。上側ラベルの幅方向の長さ、すなわち、上側テープ42のテープ幅を、「上側テープ幅L7」という。下側テープ41に配置された印刷オブジェクトに対して上側テープ42が配置される方向を、「配置方向」という。上側テープ42の長手方向を下側テープ41の長手方向と一致させた配置方向を、「平行配置」という。上側テープ42の長手方向を下側テープ41の幅方向と一致させた配置方向を、「直交配置」という。
【0035】
印刷制御装置20は、オブジェクト領域75に基づいて、第一条件~第六条件のいずれかが満たされているか否かを判断する。第一条件~第六条件のいずれかが満たされている場合、印刷制御装置20は、配置方向を、平行配置および直交配置のいずれかに設定でき、且つ上側テープ長さL8を、オブジェクト領域長さL5およびオブジェクト領域幅L6のいずれかに設定できる。
【0036】
図4(A)に示すように、第一条件が満たされた場合、印刷制御装置20は、配置方向を平行配置に設定し、且つ上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5に設定する。第一条件は、以下の3つの条件によって構成される。
オブジェクト領域幅L6<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域長さL5
上側テープ幅L7≦下側テープ幅L4
【0037】
図4(B)に示すように、第二条件が満たされた場合、印刷制御装置20は、配置方向を直交配置に設定し、且つ上側テープ長さL8をオブジェクト領域幅L6に設定する。第二条件は、以下の4つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦オブジェクト領域長さL5
上側テープ幅L7≦下側テープ長さL3
【0038】
図4(C)に示すように、第三条件が満たされた場合、印刷制御装置20は、配置方向を平行配置に設定し、且つ上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5に設定する。第三条件は、以下の4つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域長さL5<オブジェクト領域幅L6
上側テープ幅L7≦下側テープ幅L4
【0039】
図4(D)に示すように、第四条件が満たされた場合、印刷制御装置20は、配置方向を直交配置に設定し、且つ上側テープ長さL8をオブジェクト領域幅L6に設定する。第四条件は、以下の3つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域幅L6
上側テープ幅L7≦下側テープ長さL3
【0040】
図5(E)に示すように、第五条件が満たされた場合、印刷制御装置20は、配置方向を平行配置に設定し、且つ上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5に設定する。第五条件は、以下の5つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦オブジェクト領域長さL5
下側テープ長さL3<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7≦下側テープ幅L4
【0041】
図5(F)に示すように、第六条件が満たされた場合、印刷制御装置20は、配置方向を直交配置に設定し、且つ上側テープ長さL8をオブジェクト領域幅L6に設定する。第六条件は、以下の5つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域長さL5<オブジェクト領域幅L6
下側テープ幅L4<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7≦下側テープ長さL3
【0042】
印刷制御装置20は、印刷オブジェクトと、設定した配置方向および上側テープ長さL8とを示す印刷制御情報を、ネットワーク100を介してテーププリンタ10に送信する。テーププリンタ10は、受信した印刷制御情報に基づいて、上側テープ42への印刷制御を行う。詳細には、テーププリンタ10は、搬送モータ16を制御して、設定された上側テープ長さL8分だけ上側テープ42を搬送しながら、サーマルヘッド9を制御して、設定された配置方向に応じて上側テープ42へ上側イメージを印刷する。テーププリンタ10は、切断モータ17を制御して、上側テープ42を切断する。これにより、上側イメージが配置方向に応じて印刷された、上側テープ長さL8の上側ラベル43が作成される。
【0043】
図6を参照し、第一エラー条件~第五エラー条件を説明する。図6(G)~図6(K)に示すように、第一条件~第六条件のいずれも満たされなかった場合、印刷制御装置20は、配置方向および上側テープ長さL8のいずれも設定することなく、エラーとなる。詳細には、第一条件~第六条件のいずれも満たされなかった場合、印刷制御装置20は、後述の第三カセット交換表示272(図14参照)を表示部27に表示する。なお、第一条件~第六条件のいずれも満たされなかった場合、以下の第一エラー条件~第五エラー条件のいずれかが満たされることとなる。
【0044】
第一エラー条件は、以下の3つ条件によって構成される。
オブジェクト領域幅L6<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域長さL5
下側テープ幅L4<上側テープ幅L7
図6(G)に示すように、第一エラー条件が満たされる場合、配置方向を平行配置にすることで、テーププリンタ10は、上側テープ42に印刷オブジェクト全体を印刷して上側ラベル43を作成できる。しかし、作成された上側ラベル43が下側ラベルに貼り付けられると、上側ラベル43が下側ラベルから幅方向にはみ出る。よって、この場合にはエラーとなる。
【0045】
第二エラー条件は、以下の5つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦オブジェクト領域長さL5
下側テープ長さL3<上側テープ幅L7
下側テープ幅L4<上側テープ幅L7
図6(H)に示すように、第二エラー条件が満たされる場合、配置方向を平行配置および直交配置にいずれにしても、テーププリンタ10は、上側テープ42に印刷オブジェクト全体を印刷して上側ラベル43を作成できる。しかし、作成された上側ラベル43が下側ラベルに貼り付けられると、上側ラベル43が下側ラベルから長手方向または幅方向にはみ出る。よって、この場合にはエラーとなる。
【0046】
第三エラー条件は、以下の5つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域長さL5<オブジェクト領域幅L6
下側テープ幅L4<上側テープ幅L7
下側テープ長さL3<上側テープ幅L7
図6(I)に示すように、第三エラー条件が満たされる場合、配置方向を平行配置および直交配置にいずれにしても、テーププリンタ10は、上側テープ42に印刷オブジェクト全体を印刷して上側ラベル43を作成できる。しかし、作成された上側ラベル43が貼り付けられると、上側ラベル43が下側ラベルから長手方向または幅方向にはみ出る。よって、この場合にはエラーとなる。
【0047】
第四エラー条件は、以下の3つの条件によって構成される。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域幅L6
下側テープ長さL3<上側テープ幅L7
図6(J)に示すように、第四エラー条件が満たされる場合、配置方向を直交配置にすることで、テーププリンタ10は、上側テープ42に印刷オブジェクト全体を印刷して上側ラベル43を作成できる。しかし、作成された上側ラベル43が下側ラベルに貼り付けられると、上側ラベル43が下側ラベルから長手方向にはみ出る。よって、この場合にはエラーとなる。
【0048】
第五エラー条件は、以下の2つの条件によって構成される。
上側テープ幅L7<オブジェクト領域長さL5
上側テープ幅L7<オブジェクト領域幅L6
図6(K)に示すように、第五エラー条件が満たされる場合、上側テープ42からオブジェクトがはみ出る。つまり、上側テープ42にオブジェクト全体が印刷されない。よって、この場合にはエラーとなる。
【0049】
図7図13を参照し、メイン処理を説明する。メイン処理を開始するための指示が入力部26を介して入力された場合、CPU21は、メインプログラムを実行することによってメイン処理を開始する。
【0050】
図7に示すように、CPU21は、ユーザによる入力部26の操作に応じて、ラベルデータを新規に作成するか否かを判断する(S11)。ユーザは、入力部26を操作することで、ラベルデータを新規に作成するか、および既存のラベルデータを編集するかのいずれかを選択する。既存のラベルデータを編集する場合には、ユーザは、入力部26を操作することで、1または複数ある既存のラベルデータから編集対象のラベルデータを選択する。ラベルデータが新規に作成される場合(S11:YES)、CPU21は、デフォルトのラベルデータをフラッシュメモリ22から取得する(S12)。CPU21は、取得したデフォルトのラベルデータをRAM24に記憶する。既存のラベルデータを編集する場合(S11:NO)、CPU21は、ユーザによって選択されたラベルデータを、フラッシュメモリ22から取得する(S13)。CPU21は、取得したラベルデータをRAM24に記憶する。
【0051】
ラベルデータは、下側イメージ情報、上側イメージ情報、下側イメージ色情報、上側イメージ色情報、下側テープ情報、イメージ領域情報、およびオブジェクト領域情報を含む。下側イメージ情報は、下側イメージの内容を示すイメージ情報であり、詳細には、下側イメージを構成する1または複数の各オブジェクトの形状と各オブジェクトの並びを示す。上側イメージ情報は、上側イメージの内容を示すイメージ情報であり、詳細には、上側イメージを構成する1または複数のオブジェクト(以下、「上側オブジェクト」という。)の形状と各上側オブジェクトの並びを示す。下側イメージ色情報は、下側イメージの色を示すイメージ情報である。上側イメージ色情報は、上側イメージの色を示すイメージ情報である。下側テープ情報は、下側テープ長さL3および下側テープ幅L4を示す。イメージ領域情報は、イメージ領域長さL1およびイメージ領域幅L2を示す。オブジェクト領域情報は、各上側オブジェクトに応じたオブジェクト領域長さL5およびオブジェクト領域幅L6を示す。
【0052】
CPU21は、編集処理を実行する(S14)。CPU21は、RAM24に記憶されているラベルデータに応じて、多色ラベルを作成するための編集画面271(図3参照)を表示部27に表示する。ユーザは、入力部26を操作することで、下側イメージの内容と色と各オブジェクトの大きさ、上側イメージの内容と色と各オブジェクトの大きさ、および下側テープ41の大きさを、編集画面271上で編集する。CPU21は、RAM24において、ユーザによる入力部26の操作に応じて、ラベルデータを編集する。
【0053】
ラベルデータの編集が終了した場合、ユーザは、入力部26を操作することで、テーププリンタ10による印刷動作を実行するための印刷指示を印刷制御装置20に入力する。CPU21は、ユーザによって入力された印刷指示を取得する(S15)。
【0054】
図8に示すように、CPU21は、カセット情報を取得する(S21)。詳細には、CPU21は、カセット情報を送信させるためのカセット情報送信指示を、ネットワーク100を介してテーププリンタ10に送信する。テーププリンタ10では、CPU11は、ネットワーク100を介してカセット情報送信指示を受信すると、読取装置18(図2参照)を介して識別部32(図1参照)からカセット情報を読み取る。CPU11は、読み取ったカセット情報を、ネットワーク100を介して印刷制御装置20に送信する。印刷制御装置20では、CPU21は、ネットワーク100を介してテーププリンタ10からカセット情報を取得する。CPU21は、取得したカセット情報をRAM24に記憶する。カセット情報は、テープカセット30のインクリボンの色およびテープ幅を示す。CPU21は、RAM24において、取得したカセット情報に応じたテープカセット30を対象カセットに指定する(S22)。
【0055】
CPU21は、S14(図7参照)で編集された上側イメージ色情報およびS21で取得されたカセット情報に基づいて、対象カセットが上側テープ用カセットであるか否かを判断する(S23)。上側テープ用カセットは、上側テープ42が収容されたテープカセット30である。対象カセットに応じたカセット情報が示すインクリボンの色が、上側イメージ色情報が示す上側イメージの色と異なる場合、CPU21は、対象カセットが上側テープ用カセットではないと判断する(S23:NO)。この場合、CPU21は、S14(図7参照)で編集された下側イメージ色情報、下側テープ情報、およびS21で取得されたカセット情報に基づいて、対象カセットが下側テープ用カセットであるか否かを判断する(S24)。下側テープ用カセットは、下側テープ41が収容されたテープカセット30である。
【0056】
対象カセットに応じたカセット情報が示すインクリボンの色が、下側イメージ色情報が示す下側イメージの色と異なる場合、対象カセットに応じたカセット情報が示すテープ幅が、下側テープ情報が示す下側テープ幅L4と異なる場合の少なくともいずれかの場合、CPU21は、対象カセットが下側テープ用カセットではないと判断する(S24:NO)。この場合、CPU21は、第一カセット交換表示(図示略)を表示部27に表示する(S25)。第一カセット交換表示は、「装着されているテープカセットは、上側テープ用カセットおよび下側テープ用カセットのいずれにも対応しておりません。新たなテープカセットに交換してください。」等を示す。第一カセット交換表示は、装着部5に装着されているテープカセット30が上側テープ用カセットおよび下側テープ用カセットのいずれにも対応していないことを示し、且つ装着部5に装着されているテープカセット30を新たなテープカセット30に交換することをユーザに促す。
【0057】
CPU21は処理をS21に戻す。ユーザは、第一カセット交換表示を確認した場合、装着部5に装着されているテープカセット30を新たなテープカセット30に交換する。S21において、CPU21は、交換されたテープカセット30に応じたカセット情報を取得する(S21)。CPU21は、交換されたテープカセット30に応じたカセット情報に基づいて、上述したS22以降の処理を行う。
【0058】
対象カセットに応じたカセット情報が示すインクリボンの色が、下側イメージ色情報が示す下側イメージの色と一致し、且つ対象カセットに応じたカセット情報が示すテープ幅が、下側テープ情報が示す下側テープ幅L4と一致した場合、CPU21は、対象カセットが下側テープ用カセットであると判断する(S24:YES)。この場合、CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0059】
対象カセットに応じたカセット情報が示すインクリボンの色が、上側イメージ色情報が示す上側イメージの色と一致した場合、CPU21は、対象カセットが上側テープ用カセットであると判断する(S23:YES)。この場合、CPU21は、上側イメージについて、前提条件が満たされているか否かを判断する(S32)。詳細には、CPU21は、RAM24を参照することで、S14(図7参照)で編集されたイメージ領域情報および下側テープ情報に基づいて、以下の2つの条件が満たされているか否かを判断する。
イメージ領域長さL1≦下側テープ長さL3
イメージ領域幅L2≦下側テープ幅L4
【0060】
前提条件が満たされていない場合(S32:NO)、CPU21は、上側イメージエラー表示(図示略)を表示部27に表示する(S33)。上側イメージエラー表示は、「上側テープに印刷するイメージが下側テープからはみ出ています。上側テープに印刷するイメージを編集してください。」等を示す。上側イメージエラー表示は、下側ラベルの長手方向および幅方向の範囲内に上側イメージが配置されるように上側イメージを再編集することをユーザに促す。よって、印刷制御装置20は、下側ラベルに上側ラベルを貼り合わせた場合に上側イメージが下側ラベルからはみ出ることを抑制できる。CPU21は処理をS14(図7参照)に戻す。
【0061】
前提条件が満たされている場合(S32:YES)、CPU21は、RAM24において、上側イメージ情報が示す上側オブジェクトの全部を指定する(S34)。図3の例では、上側オブジェクトである「●」と「▲」が印刷オブジェクトに指定される。CPU21は、S34で指定された上側オブジェクトのうちS35でまだ印刷オブジェクトに指定されていないオブジェクト(以下、「未判断の上側オブジェクト」という。)を、印刷オブジェクトに指定する(S35)。図3の例では、例えば上側オブジェクトの1つである「●」が印刷オブジェクトに指定される。
【0062】
図9に示すように、CPU21は、印刷オブジェクトについて、第一条件が満たされているか否かを判断する(S41)。詳細には、CPU21は、S14(図7参照)で編集されたオブジェクト領域情報、下側テープ情報、および対象カセットに応じたカセット情報に基づいて、以下の3つの条件が満たされているか否かを判断する。
オブジェクト領域幅L6<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域長さL5
上側テープ幅L7≦下側テープ幅L4
【0063】
図4(A)に示す例のように、第一条件が満たされている場合(S41:YES)、CPU21は、エラーフラグの状態に基づいて、エラー発生中か否かを判断する(S42)。エラーフラグは、RAM24に記憶され、エラー発生中か否かを示す。エラーフラグは、印刷オブジェクトのすべてについてエラーが発生した場合に「ON」となり、後述の第三カセット交換表示272(図13参照)が表示部27に表示された場合に「OFF」となる。エラーフラグは、メイン処理が開始された場合、初期状態として「OFF」となっている。
【0064】
エラーフラグが「OFF」となっている場合、CPU21は、エラー発生中でないと判断する(S42:NO)。この場合、CPU21は、RAM24において、配置方向を平行配置に設定する(S43)。CPU21は、RAM24において、上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5に設定する(S44)。CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0065】
第一条件が満たされていない場合(S41:NO)、CPU21は、印刷オブジェクトについて、第二条件が満たされているか否かを判断する(S51)。詳細には、CPU21は、S14(図7参照)で編集されたオブジェクト領域情報、下側テープ情報、および対象カセットに応じたカセット情報に基づいて、以下の4つの条件が満たされているか否かを判断する。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦オブジェクト領域長さL5
上側テープ幅L7≦下側テープ長さL3
【0066】
図4(B)に示す例のように、第二条件が満たされている場合(S51:YES)、CPU21は、エラーフラグの状態に基づいて、エラー発生中か否かを判断する(S52)。エラーフラグが「OFF」となっている場合、CPU21は、エラー発生中でないと判断する(S52:NO)。この場合、CPU21は、RAM24において、配置方向を直交配置に設定する(S53)。CPU21は、RAM24において、上側テープ長さL8をオブジェクト領域幅L6に設定する(S54)。CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0067】
第二条件が満たされていない場合(S51:NO)、図10に示すように、CPU21は、印刷オブジェクトについて、第三条件が満たされているか否かを判断する(S61)。詳細には、CPU21は、S14(図7参照)で編集されたオブジェクト領域情報、下側テープ情報、および対象カセットに応じたカセット情報に基づいて、以下の4つの条件が満たされているか否かを判断する。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域長さL5<オブジェクト領域幅L6
上側テープ幅L7≦下側テープ幅L4
【0068】
図4(C)に示す例のように、第三条件が満たされている場合(S61:YES)、CPU21は、エラーフラグの状態に基づいて、エラー発生中か否かを判断する(S62)。エラーフラグが「OFF」となっている場合、CPU21は、エラー発生中でないと判断する(S62:NO)。この場合、CPU21は、RAM24において、配置方向を平行配置に設定する(S63)。CPU21は、RAM24において、上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5に設定する(S64)。CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0069】
第三条件が満たされていない場合(S61:NO)、CPU21は、印刷オブジェクトについて、第四条件が満たされているか否かを判断する(S71)。詳細には、CPU21は、S14(図7参照)で編集されたオブジェクト領域情報、下側テープ情報、および対象カセットに応じたカセット情報に基づいて、以下の3つの条件が満たされているか否かを判断する。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域幅L6
上側テープ幅L7≦下側テープ長さL3
【0070】
図4(D)に示す例のように、第四条件が満たされている場合(S71:YES)、CPU21は、エラーフラグの状態に基づいて、エラー発生中か否かを判断する(S72)。エラーフラグが「OFF」となっている場合、CPU21は、エラー発生中でないと判断する(S72:NO)。この場合、CPU21は、RAM24において、配置方向を直交配置に設定する(S73)。CPU21は、RAM24において、上側テープ長さL8をオブジェクト領域幅L6に設定する(S74)。CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0071】
第四条件が満たされていない場合(S71:NO)、図11に示すように、CPU21は、印刷オブジェクトについて、第五条件が満たされているか否かを判断する(S81)。詳細には、CPU21は、S14(図7参照)で編集されたオブジェクト領域情報、下側テープ情報、および対象カセットに応じたカセット情報に基づいて、以下の5つの条件が満たされているか否かを判断する。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦オブジェクト領域長さL5
下側テープ長さL3<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7≦下側テープ幅L4
【0072】
図5(E)に示す例のように、第五条件が満たされている場合(S81:YES)、CPU21は、エラーフラグの状態に基づいて、エラー発生中か否かを判断する(S82)。エラーフラグが「OFF」となっている場合、CPU21は、エラー発生中でないと判断する(S82:NO)。この場合、CPU21は、RAM24において、配置方向を平行配置に設定する(S83)。CPU21は、RAM24において、上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5に設定する(S84)。CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0073】
第五条件が満たされていない場合(S81:NO)、CPU21は、印刷オブジェクトについて、第六条件が満たされているか否かを判断する(S91)。詳細には、CPU21は、S14(図7参照)で編集されたオブジェクト領域情報、下側テープ情報、および対象カセットに応じたカセット情報に基づいて、以下の5つの条件が満たされているか否かを判断する。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域長さL5<オブジェクト領域幅L6
下側テープ幅L4<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7≦下側テープ長さL3
【0074】
図5(F)に示す例のように、第六条件が満たされている場合(S91:YES)、CPU21は、エラーフラグの状態に基づいて、エラー発生中か否かを判断する(S92)。エラーフラグが「OFF」となっている場合、CPU21は、エラー発生中でないと判断する(S92:NO)。この場合、CPU21は、RAM24において、配置方向を直交配置に設定する(S93)。CPU21は、RAM24において、上側テープ長さL8をオブジェクト領域幅L6に設定する(S94)。CPU21は、処理をS101(図13参照)に移行する。
【0075】
図13に示すように、S101では、CPU21は、テーププリンタ10による印刷動作を制御するための印刷制御情報を、ネットワーク100を介してテーププリンタ10に送信する(S101)。下側テープ41への印刷が行われる場合、印刷制御情報は、下側テープ長さL3を示す情報と下側イメージ情報とを含む。上側テープ42への印刷が行われる場合、印刷制御情報は、S43、S53(図9参照)、S63、S73(図10参照)、S83、またはS93(図11参照)で設定された配置方向を示す情報と、S44、S54(図9参照)、S64、S74(図10参照)、S84、またはS94(図11参照)で設定された上側テープ長さL8を示す情報と、印刷オブジェクトの形状を示す情報とを含む。テーププリンタ10では、CPU11は、ネットワーク100を介して印刷制御装置20から印刷制御情報を取得する。CPU11は、印刷制御情報に基づいて、印刷を実行する。図3の例では、例えば下側イメージである「☆」が印刷された下側ラベルが作成される。例えば上側オブジェクトの1つである「●」が印刷オブジェクトに指定されていれば、「●」が印刷された上側ラベルが作成される。
【0076】
CPU21は、RAM24を参照することで、対象カセットに応じたカセット情報を使用情報としてフラッシュメモリ22に記憶する(S102)。つまり、使用情報は、印刷に使用されたテープカセット30を示し、詳細には、インクリボンの色およびテープ幅を示す。CPU21は、RAM24を参照することで、S34(図8参照)で指定された上側オブジェクトの中に、未判断の上側オブジェクトがあるか否かを判断する(S103)。
【0077】
図3の例において、例えば上側オブジェクトの1つである「▲」がまだ印刷オブジェクトに指定されていない場合、未判断の上側オブジェクトがあるので(S103:YES)、CPU21は処理をS35(図8参照)に戻す。CPU21は、未判断の上側オブジェクト「▲」に基づいて、上述したS35以降の処理を行う。これにより、第一条件~第六条件のいずれかが満たされていれば、以降行われるS101の処理によって、テーププリンタ10において、上側オブジェクトの1つである「▲」が印刷された上側ラベルが作成される。このように、図3の例では、上側オブジェクトの1つである「●」が印刷された上側ラベルと、上側オブジェクトの1つである「▲」が印刷された上側ラベルの2つの上側ラベルと、下側イメージである「☆」が印刷された下側ラベルとが作成される。
【0078】
S34で指定されたすべての上側オブジェクトに基づいて、第一条件~第六条件のいずれかが満たされるか否かが判断された場合、未判断の上側オブジェクトがなくなる。未判断の上側オブジェクトがない場合(S103:NO)、CPU21は、RAM24を参照することで、S101で印刷制御情報として送信されていない下側イメージまたは上側オブジェクト(以下、総称して「未印刷のオブジェクト」という。)があるか否かを判断する(S104)。
【0079】
未印刷のオブジェクトがある場合(S104:YES)、CPU21は、第二カセット交換表示(図示略)を表示部27に表示する(S105)。第二カセット交換表示は、「装着されているテープカセットでの印刷が終了しました。新たなテープカセットに交換してください。」等を示す。第二カセット交換表示は、装着部5に装着されているテープカセット30を新たなテープカセット30に交換することをユーザに促す。
【0080】
CPU21は処理をS21(図7参照)に戻す。ユーザは、第二カセット交換表示を確認した場合、装着部5に装着されているテープカセット30を新たなテープカセット30に交換する。S21において、CPU21は、交換されたテープカセット30に応じたカセット情報を取得する(S21)。以降、CPU21は、交換されたテープカセット30に応じたカセット情報に基づいて、同様の処理を行う。
【0081】
未印刷のオブジェクトがない場合(S104:NO)、CPU21は、メイン処理を終了する。これにより、下側テープ41への下側イメージの印刷と、上側テープ42への上側オブジェクトの印刷とが終了する。ユーザは、作成された下側ラベルに上側ラベルを貼り合わせることで、多色ラベルを作成できる。
【0082】
図11に示すように、S91において、第六条件が満たされていない場合(S91:NO)、すなわち、図6(G)~図6(K)に示す例のように、第一条件~第六条件のいずれも満たされなかった場合、図12に示すように、RAM24を参照することで、未判断の上側オブジェクトがあるか否かを判断する(S111)。未判断の上側オブジェクトがある場合(S111:YES)、CPU21は処理をS35(図8参照)に戻す。CPU21は、未判断の上側オブジェクトに基づいて、上述したS35以降の処理を行う。
【0083】
S34で指定されたすべての上側オブジェクトに基づいて、第一条件~第六条件のいずれも満たされないと判断された場合、未判断の上側オブジェクトがなくなる。未判断の上側オブジェクトがなくなった場合(S111:NO)、CPU21は、フラッシュメモリ22から使用情報を取得する(S112)。CPU21は、取得した使用情報をRAM24に記憶する。
【0084】
CPU21は、RAM24において、エラーフラグを「ON」にする(S113)。CPU21は、RAM24を参照することで、S112で取得された使用情報のうち後述のS115でまだ指定されていない使用情報(以下、「未判断の使用情報」という。)があるか否かを判断する(S114)。
【0085】
未判断の使用情報がある場合(S114:YES)、CPU21は、RAM24において、未判断の使用情報のいずれかに応じたテープカセット30を、対象カセットに指定する(S115)。CPU21は処理をS41(図9参照)に戻す。CPU21は、第一条件~第六条件の少なくともいずれかを満たす上側テープ幅L7に基づく情報(以下、「使用可能情報」という。)を特定するため、対象カセットに応じた使用情報に基づいて、S41、S51、S61、S71、S81、S91の判断を行う。つまり、CPU21は、装着部5に装着されているテープカセット30を、使用情報に応じたテープカセット30と仮定して、S41、S51、S61、S71、S81、S91の判断を行う。
【0086】
図9に示すように、S115で指定された対象カセットについて、第一条件が満たされる場合(S41:YES)、エラーフラグが「ON」となっているので、エラー発生中と判断される(S42)。CPU21は、対象カセットに応じた使用情報を使用可能情報としてRAM24に記憶する(S45)。CPU21は、処理をS114(図12参照)へ移行する。第二条件が満たされる場合(S51:YES)、エラーフラグが「ON」となっているので、エラー発生中と判断される(S52)。CPU21は、対象カセットに応じた使用情報を使用可能情報としてRAM24に記憶する(S55)。CPU21は、処理をS114(図12参照)へ移行する。
【0087】
図10に示すように、第三条件が満たされる場合(S61:YES)、エラーフラグが「ON」となっているので、エラー発生中と判断される(S62)。CPU21は、対象カセットに応じた使用情報を使用可能情報としてRAM24に記憶する(S65)。CPU21は、処理をS114(図12参照)へ移行する。第四条件が満たされる場合(S71:YES)、エラーフラグが「ON」となっているので、エラー発生中と判断される(S72)。CPU21は、対象カセットに応じた使用情報を使用可能情報としてRAM24に記憶する(S75)。CPU21は、処理をS114(図12参照)へ移行する。
【0088】
図11に示すように、第五条件が満たされる場合(S81:YES)、エラーフラグが「ON」となっているので、エラー発生中と判断される(S82)。CPU21は、対象カセットに応じた使用情報を使用可能情報としてRAM24に記憶する(S85)。CPU21は、処理をS114(図12参照)へ移行する。第六条件が満たされる場合(S91:YES)、エラーフラグが「ON」となっているので、エラー発生中と判断される(S92)。CPU21は、対象カセットに応じた使用情報を使用可能情報としてRAM24に記憶する(S95)。CPU21は、処理をS114(図12参照)へ移行する。
【0089】
図12に示すように、フラッシュメモリ22に記憶されているすべての使用情報に基づいて、S41、S51(図9参照)、S61、S71(図10参照)、S81、S91(図11参照)の判断が行われると、未判断の使用情報がなくなる(S114:NO)。この場合、CPU21は、第三カセット交換表示272(図14参照)を表示部27に表示する(S116)。図14に示すように、第三カセット交換表示272は、RAM24に記憶されている使用情報に応じたテープカセット30を、詳細には、テープ幅を、使用可能情報として示す。図14の例は、RAM24に記憶されている使用情報が、テープ幅8mmのテープカセット30およびテープ幅12mmのテープカセット30に対応している場合を示す。このように、第三カセット交換表示272は、装着部5に装着されているテープカセット30を、以前使用したことのあるテープ幅に応じたテープカセット30に交換することをユーザに促す。
【0090】
CPU21は、RAM24において、エラーフラグを「OFF」にする(S117)。CPU21は処理をS21(図7参照)に戻す。ユーザは、第三カセット交換表示272を確認した場合、装着部5に装着されているテープカセット30を新たなテープカセット30に交換する。S21において、CPU21は、交換されたテープカセット30に応じたカセット情報を取得する(S21)。以降、CPU21は、交換されたテープカセット30に応じたカセット情報に基づいて、同様の処理を行う。
【0091】
以上説明したように、前提条件が満たされ、且つ第一条件~第六条件のいずれかが満たされると、配置方向が平行配置および直交配置のいずれかに設定される。よって、印刷制御装置20は、下側ラベルに上側ラベル43が貼り合わされた場合に、下側ラベルの範囲内に上側イメージ全体が配置されるように、上側イメージを上側テープ42に印刷できる。配置方向は、オブジェクト領域75の大きさと上側テープ幅L7とに応じて平行配置および直交配置のいずれかに設定される。このため、上側テープ42は、仮に上側テープ幅L7よりもオブジェクト領域幅L6が大きいことによって平行配置では使用不可能な場合であっても、上側テープ幅L7よりもオブジェクト領域長さL5が小さいことによって直交配置で使用可能な場合がある。このように、印刷制御装置20は、上側テープ42として使用可能なテープ幅が限定されることを抑制できる。
【0092】
前提条件が満たされ、且つ第一条件~第六条件のいずれかが満たされると、配置方向が平行配置および直交配置のいずれかに設定され、さらに上側テープ長さL8がオブジェクト領域長さL5およびオブジェクト領域幅L6のいずれかが設定される。具体的には、配置方向が平行配置の場合、上側テープ長さL8にはオブジェクト領域長さL5が設定され、配置方向が直交配置の場合、上側テープ長さL8にはオブジェクト領域幅L6が設定される。このため、印刷制御装置20は、上側テープ長さL8をオブジェクト領域75の大きさに応じた長さにできる。よって、印刷制御装置20は、上側テープ長さL8が大きくなることを抑制することで、上側テープ42の使用量を抑制できる。
【0093】
下側ラベルに上側ラベル43が貼り合わされた場合に下側ラベルの範囲内に上側ラベル43が収まるように、第一条件~第六条件が構成されている。つまり、第一条件~第六条件のいずれかが満たされている場合、下側ラベルに上側ラベル43が貼り合わされた時に、上側ラベル43が下側ラベルからはみ出ることが抑制される。よって、印刷制御装置20は、多色ラベルの見栄えを向上できる。
【0094】
第三カセット交換表示272では、使用可能情報が示される。このため、第三カセット交換表示272が表示部27に表示されると、ユーザは、使用可能情報に応じたテープ幅を把握できる。ユーザは、使用中のテープ幅のテープカセット30を使用可能情報に応じたテープ幅のテープカセット30に変更することで、印刷制御装置20に印刷制御を実行させることができる。よって、印刷制御装置20は、第三カセット交換表示272において使用可能情報を示さないよりもユーザフレンドリである。
【0095】
第三カセット交換表示272では、使用情報が使用可能情報として示される。このため、ユーザは、使用情報に応じたテープ幅の中から使用可能情報に応じたテープ幅を選択できる。よって、印刷制御装置20は、使用情報に応じたテープ幅の中に使用可能情報に応じたテープ幅があるにも関わらず、第三カセット交換表示272において以前に使用されたことのないテープ幅に応じた情報を使用可能情報として示すよりもユーザフレンドリである。
【0096】
上側テープ42の基材は、透明または半透明である。このため、印刷制御装置20は、下側ラベルに上側ラベル43が貼り合わされることで、上側ラベル43が貼り合わされた部分の下側ラベルを、上側ラベル43を透かして見ることができるいわゆる多色テープとして利用できる。
【0097】
なお、上記実施形態において、図7のS14を実行するCPU21が、本発明の「編集手段」に相当する。図7のS12またはS13でラベルデータを取得し、S14でラベルデータを構成するイメージ領域情報を編集するCPU21が、本発明の「第一取得手段」に相当する。図7のS12またはS13でラベルデータを取得し、S14でラベルデータを構成する下側テープ情報を編集するCPU21が、本発明の「第二取得手段」に相当する。図8のS35を実行するCPU21が、本発明の「指定手段」に相当する。図9のS41、S51、図10のS61、S71、図11のS81、S91の判断を行う場合に、S35で指定された印刷オブジェクトに対応するオブジェクト領域情報を参照するCPU21が、本発明の「第三取得手段」に相当する。図8のS21を実行するCPU21が、本発明の「第四取得手段」に相当する。図9のS43およびS44を実行するCPU21が、本発明の「第一設定手段」に相当する。図9のS53およびS54を実行するCPU21が、本発明の「第二設定手段」に相当する。図10のS63およびS64を実行するCPU21が、本発明の「第三設定手段」に相当する。図10のS73およびS74を実行するCPU21が、本発明の「第四設定手段」に相当する。図11のS83およびS84を実行するCPU21が、本発明の「第五設定手段」に相当する。図11のS93およびS94を実行するCPU21が、本発明の「第六設定手段」に相当する。第三カセット交換表示272が、本発明の「エラー報知」に相当する。図12のS116を実行するCPU21が、本発明の「報知制御手段」に相当する。図13のS101を実行するCPU21が、本発明の「印刷制御手段」に相当する。フラッシュメモリ22が、本発明の「記憶手段」に相当する。図12のS115、図9のS41、S51、図10のS61、S71、図11のS81、S91を実行するCPU21が、本発明の「判断手段」に相当する。
【0098】
本発明は、上記実施形態から種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では上側テープ42としてクリアテープが採用されたが、ノーマルテープが採用されてもよい。この場合、ユーザは、下側ラベルに印刷されたオブジェクトの訂正を容易に行うことができる。詳細には、ユーザは、下側ラベルに印刷されたイメージのうち、訂正するオブジェクトの上に、訂正後のオブジェクトが印刷された上側ラベル43を貼り合わせればよい。この場合、イメージのうち一部のオブジェクトを訂正するため、イメージ全部を下側ラベルに再度印刷する必要がない。よって、印刷制御装置20は、テープ40の使用量を抑制できる。
【0099】
第一条件~第四条件は、それぞれ、変更可能であり、以下の第一条件~第四条件の場合には、第五条件および第六条件は省略されてもよい。つまり、この場合には、S81、S91の判断は省略されてもよい。
例えば、第一条件は、以下の2つの条件によって構成されてもよい。
オブジェクト領域幅L6<上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域長さL5
第二条件は、以下の3つの条件によって構成されてもよい。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦オブジェクト領域長さL5
第三条件は、以下の3つの条件によって構成されてもよい。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域幅L6≦上側テープ幅L7
オブジェクト領域長さL5<オブジェクト領域幅L6
第四条件は、以下の2つの条件によって構成されてもよい。
オブジェクト領域長さL5≦上側テープ幅L7
上側テープ幅L7<オブジェクト領域幅L6
変形例の第一条件~第四条件の場合、印刷制御装置20は、上側テープ42として使用可能なテープ幅が限定されることをさらに抑制できる。
【0100】
上記変形例の第一条件~第四条件では、第一条件~第四条件のいずれも満たされなかった場合に第三カセット交換表示272が表示部27に表示されてもよく、使用可能情報は、第一条件~第四条件の少なくともいずれかを満たす上側テープ幅L7に基づく情報であってもよい。この場合、第三カセット交換表示272が表示部27に表示されると、ユーザは、使用可能情報に応じたテープ幅を把握できる。よって、印刷制御装置20は、上記実施形態と同様に、第三カセット交換表示272において使用可能情報を示さないよりもユーザフレンドリである。
【0101】
上記実施形態では、上側テープ長さL8は、平行配置の場合にはオブジェクト領域長さL5に設定され、直交配置の場合にはオブジェクト領域幅L6に設定される。これに対し、上側テープ長さL8は、平行配置の場合にはオブジェクト領域長さL5以外に設定されてもよいし、直交配置の場合にはオブジェクト領域幅L6以外に設定されてもよい。例えば、上側テープ長さL8は、平行配置の場合にはオブジェクト領域長さL5以上の長さの中からユーザによって選択された長さが設定されてもよいし、直交配置の場合にはオブジェクト領域幅L6以上の長さの中からユーザによって選択された長さが設定されてもよい。この場合、印刷制御装置20は、ユーザが所望する上側テープ長さL8の上側ラベル43を作成できる。
【0102】
図15に示すように、例えば第三条件が満たされ、配置方向が平行配置に設定される場合、CPU21は、上側テープ長さL8を、オブジェクト領域長さL5と下側テープ41の長手方向の一端と印刷オブジェクトにおける下側テープ41の長手方向の一端側の端との間の長さL9との和に設定してもよい。CPU21は、長さL9に相当する余白L10が、印刷オブジェクトにおける下側テープ41の長手方向の一端側に設けられるよう制御する情報を、印刷制御情報に付加してもよい。この場合、ユーザは、下側ラベルの長手方向の一端と上側ラベル43の長手方向の一端を合わせて貼り合わせることで、上側オブジェクトを下側ラベルの所望の位置に容易に配置できる。なお、CPU21は、上側テープ長さL8を、オブジェクト領域長さL5と下側テープ41の長手方向の他端と印刷オブジェクトにおける下側テープ41の長手方向の他端側の端との間の長さとの和に設定してもよい。例えば第二条件が満たされ、配置方向が直交配置に設定される場合、CPU21は、上側テープ長さL8を、オブジェクト領域幅L6と下側テープ41の幅方向の一端または他端と印刷オブジェクトにおける下側テープ41の長手方向の一端側の端または他端側の端との間の長さとの和に設定してもよい。
【0103】
上記実施形態では、第三カセット交換表示272において、RAM24に記憶されている使用情報に応じて、テープ幅が表示される。これに対し、第三カセット交換表示272では、RAM24に記憶されている使用情報に応じて、例えばテープカセット30の型番等が表示されてもよい。この場合、使用情報に型番情報が含まれていてもよいし、使用情報に応じて型番が定められたテーブルがROM23に記憶されていてもよい。
【0104】
第三カセット交換表示272では、使用情報としてフラッシュメモリ22に記憶されていないテープ幅が示されてもよい。この場合、表示候補となる複数のテープ幅がROM23に記憶され、S115では、ROM23が参照されることで、複数のテープ幅の中から未判断のテープ幅に応じたテープカセット30が対象カセットに設定されてもよい。第三カセット交換表示272では、単にテープカセット30の交換を促す表示のみが行われてもよい。
【0105】
第三カセット交換表示272に代えて、または第三カセット交換表示272に加え、音声、LED発光等によってエラー報知が行われてもよい。例えば、印刷制御装置20がスピーカを備える場合には、エラー音のみがスピーカから出力されてもよい。第一カセット交換表示、第二カセット交換表示、および上側イメージエラー表示も、第三カセット交換表示272と同様に、その報知態様は上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、CPU21は、第一カセット交換表示、第二カセット交換表示、第三カセット交換表示272、および上側イメージエラー表示を表示部27に表示する。これに対し、CPU21は、各表示を行うための表示指示を、テーププリンタ10に送信してもよい。テーププリンタ10は、表示指示を受信した場合、表示指示に応じた表示を表示部3に表示してもよい。
【0106】
上記実施形態では、エラーが発生した場合、S115において、使用情報に応じたテープカセット30が対象カセットに設定され、使用情報に基づいて、S41、S51、S61、S71、S81、S91の判断が行われることで、使用情報の中に使用可能情報があるか否かが判断される。これに対し、ROM23に予め複数のテープ幅が記憶され、エラーが発生した場合、ROM23に記憶されているテープ幅に基づいて、第一条件~第六条件のいずれかが満たされるか否かが判断されてもよい。第一条件~第六条件が満たされると判断されたテープ幅が、使用情報に応じたテープ幅に含まれているか否かが判断されてもよい。第三カセット交換表示272では、使用情報に応じたテープ幅に含まれていると判断されたテープ幅が使用可能情報として示されてもよい。
【0107】
上記実施形態では、CPU21は、カセット情報をテーププリンタ10から受信することで、上側テープ幅L7を取得する。これに対し、ユーザは、入力部26を操作することで、上側テープ幅L7を印刷制御装置20に入力してもよい。つまり、CPU21は、入力部26を介し、ユーザによって入力された上側テープ幅L7を取得してもよい。テーププリンタ10では、CPU11は、読取装置18を介して識別部32からカセット情報を読み取る。これに対し、テープカセット30は、カセット情報が記憶された記憶部(例えばRFタグ)を備え、CPU11は、読取装置18を介して記憶部からカセット情報を読み取ってもよい。ユーザは、入力部2を操作することで、カセット情報をテーププリンタ10に入力してもよい。つまり、CPU11は、入力部2を介し、ユーザによって入力されたカセット情報を取得してもよい。このように、CPU21がカセット情報(つまり、少なくとも上側テープ幅L7を示す情報)を取得する方法は、いずれの方法にも限定されない。
【0108】
上記実施形態では、イメージ領域71は、上側イメージを囲む最小の矩形である。これに対し、イメージ領域71は、上側イメージを囲む最小の矩形よりも大きくてもよい。つまり、上側イメージにおける下側テープ41の幅方向および長手方向の少なくとも一方に、余白が設けられてもよい。この場合、イメージ領域71は、上側イメージを囲む最小の矩形よりも、余白分、大きくなる。同様に、オブジェクト領域75は、印刷オブジェクトを囲む最小の矩形よりも大きくてもよい。つまり、印刷オブジェクトにおける下側テープ41の幅方向および長手方向の少なくとも一方に余白が設けられてもよい。この場合、オブジェクト領域75は、印刷オブジェクトを囲む最小の矩形よりも、余白分、大きくなる。
【0109】
上記実施形態において、例えばS23、S24でカセット情報に応じたテープカセット30が上側テープ用カセットまたは下側テープ用カセットであるか否かが判断される場合、テープ40の色も考慮されてもよい。この場合、カセット情報は、テープ40の色を示す情報をさらに含んでいればよく、ラベルデータは、下側テープ41の色および上側テープ42の色を示す情報をさらに含んでいればよい。この場合、S34では、テープ40の色に対応する上側オブジェクトが指定されてもよい。
【0110】
メイン処理の一部または全部は、テーププリンタ10において、実行されてもよい。つまり、CPU11が、メイン処理の一部または全部を実行してもよい。例えば、配置方向を平行配置および直交配置のいずれに設定するかの判断、および上側テープ長さL8をオブジェクト領域長さL5およびオブジェクト領域幅L6のいずれに設定するかの判断(S41、S51、S61、S71、S81、S91)は、CPU11によって実行されてもよい。
【0111】
上記実施形態では、例えば使用情報は、印刷制御装置20のフラッシュメモリ22に記憶される。これに対し、使用情報は、テーププリンタ10のフラッシュメモリ12に記憶されてもよい。この場合、S112では、例えばCPU21は、使用情報を取得するための使用情報取得指示を、ネットワーク100を介してテーププリンタ10に送信してもよい。テーププリンタ10では、CPU11は、印刷制御装置20から使用情報取得指示を受信した場合、使用情報をフラッシュメモリ12から取得し、取得した使用情報を、ネットワーク100を介して印刷制御装置20に送信してもよい。これにより、印刷制御装置20では、CPU21は、ネットワーク100を介してテーププリンタ10から使用情報を取得してもよい。
【0112】
上記実施形態では、印刷制御装置20は、テーププリンタ10とネットワーク100を介して接続される。これに対し、印刷制御装置20は、ケーブル等を介してテーププリンタ10と接続されてもよい。
【0113】
編集画面271の表示内容は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、編集画面271に下側ラベル画像91および下側イメージ画像92が表示されるが、表示されなくてもよい。つまり、編集画面271には、少なくとも上側イメージ画像93が表示されていればよい。
【0114】
CPU21の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。非一時的な記憶媒体は、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。プログラムは、例えば、ネットワーク100に接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、フラッシュメモリ22に記憶されてもよい。この場合、プログラムは、サーバに備えられたハードディスクドライブ等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。なお、上述した変形例は、矛盾が生じない限り、互いに組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0115】
20 印刷制御装置
21 CPU
22 フラッシュメモリ
23 ROM
24 RAM
41 下側テープ
42 上側テープ
71 イメージ領域
75 オブジェクト領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15