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特許7354860情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20230926BHJP
   G06F 21/33 20130101ALI20230926BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230926BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G06F21/44
G06F21/33
H04N1/00 127Z
H04N1/00 Z
B41J29/42 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020015625
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021124776
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 真奈美
【審査官】局 成矢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/110277(WO,A1)
【文献】特開2007-323235(JP,A)
【文献】特開2019-215739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
G06F 21/33
H04N 1/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾状況を取得し、
前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾状況を用いて、前記連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に、許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、自装置上で許諾可能な場合は、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する処理を、前記対応を提示する処理として行う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記画面に対して同意が得られない場合は、実行不可能である旨を提示する処理を行う請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、情報取得に対して同意することで1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する場合は、前記対応を提示せずに、前記連携サービスを受け付ける請求項1~3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、自装置上で許諾不可能な場合は、代替えサービスを検索して提示する処理を、前記対応を提示する処理として行う請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記代替えサービスがない場合は、実行不可能である旨を提示する処理を行う請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、実行した連携サービスの各サービスの許諾状況を利用者毎に保持する外部システムが存在する場合、当該外部システムから前記許諾状況を取得する請求項1~6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記連携サービスに含まれる各サービスからの情報取得に対して同意する際、または同意後に、許諾内容を外部へ転送する処理を更に行う請求項1~7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載の情報処理装置と、
前記連携サービスに含まれるサービスを提供する提供装置と、
を含む情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータに、
複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾状況を取得し、
前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾状況を用いて、前記連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に、許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、指示書を解釈してサービス処理遂行のために必要な実行資源を予測し、実際に利用可能な実行資源を検出し、これらを比較しかつ比較結果から処理が可能か否かを判定し、処理可能なサービスであるときはそのまま指示書に従ってサービスを実行し、不可能であるときは処理の中断やユーザへの通知など、処理の継続が不可能であることに対する対応処理を実行する画像処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-293916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のサービスで構成された連携サービス中にサービスからの情報取得について許諾を得る必要があるサービスを含む場合、許諾を得ていないと連携サービスを最後まで実行できず、途中で停止してしまう場合があった。そこで、本発明は、複数のサービスで構成された連携サービス中に、サービスからの情報取得について許諾されていないサービスを含む場合、連携サービスを途中で停止することなく実行可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾状況を取得し、前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾状況を用いて、前記連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に、許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を行う。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記プロセッサは、自装置上で許諾可能な場合は、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する処理を、前記対応を提示する処理として行う。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記プロセッサは、前記画面に対して同意が得られない場合は、実行不可能である旨を提示する処理を行う。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、情報取得に対して同意することで1回実行した前記連携サービスを2回目以降に実行する場合は、前記対応を提示せずに、前記連携サービスを受け付ける。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、自装置上で許諾不可能な場合は、代替えサービスを検索して提示する処理を、前記対応を提示する処理として行う。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記プロセッサは、前記代替えサービスがない場合は、実行不可能である旨を提示する処理を行う。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、実行した連携サービスの各サービスの許諾状況を利用者毎に保持する外部システムが存在する場合、当該外部システムから前記許諾状況を取得する。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7の何れか1項に記載の発明において、前記プロセッサは、前記連携サービスに含まれる各サービスからの情報取得に対して同意する際、または同意後に、許諾内容を外部へ転送する処理を更に行う。
【0013】
請求項9に記載の情報処理システムは、請求項1~8の何れか1項に記載の情報処理装置と、前記連携サービスに含まれるサービスを提供する提供装置と、を含む。
【0014】
請求項10に記載の情報処理プログラムは、コンピュータに、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する許諾状況を取得し、前記連携サービスの実行前に、取得した前記許諾状況を用いて、前記連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に、許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の情報処理装置によれば、複数のサービスで構成された連携サービス中に、サービスからの情報取得について許諾されていないサービスを含む場合、連携サービスを途中で停止することなく実行可能な情報処理装置を提供できる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、複数のサービスで構成された連携サービス中に、サービスからの情報取得について許諾されていないサービスを含む場合であっても、連携サービスを途中で停止することなく実行することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、サービスからの情報取得に対して同意しないとサービスを利用できないことを利用者に報知することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、同じ連携サービスを実行する毎に、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する場合に比べて、操作を簡素化することが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、複数のサービスで構成された連携サービス中に、サービスからの情報取得について同意されていないサービスを含む場合であっても、連携サービスを途中で停止することなく実行可能となる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、代替えサービスもなく実行不可能であることを利用者に報知できる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、情報取得に対して同意済みのサービスを実行する毎に、情報取得に対する同意を設定する画面を提示する場合に比べて、操作を簡素化することが可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、自装置に許諾内容を常に提示する場合に比べて、許諾内容を確認し易くすることが可能となる。
【0023】
請求項9に記載の情報処理装置によれば、複数のサービスで構成された連携サービス中に、サービスからの情報取得について許諾されていないサービスを含む場合、連携サービスを途中で停止することなく実行可能な情報処理システムを提供できる。
【0024】
請求項10に記載の情報処理装置によれば、複数のサービスで構成された連携サービス中に、サービスからの情報取得について許諾されていないサービスを含む場合、連携サービスを途中で停止することなく実行可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る情報処理端末及びクラウドサーバの電気系の要部構成を示すブロック図である。
図4】サービスからの情報取得に同意していないと、サービスを利用できない場合を説明するための図である。
図5】連携サービスの実行前に、取得した許諾状況を用いて、連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に、許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理の一例を説明するための図である。
図6】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】許諾画面の一例を示す図である。
図8】連携サービスの受付が不可である旨を表す画面の一例を示す図である。
図9】許諾画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本実施形態の一例を詳細に説明する。本実施形態では、複数の画像形成装置、複数の情報処理端末、及び複数のクラウドサーバがネットワーク等の通信回線を介して各々接続された情報処理システムを一例として説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0027】
本実施形態に係る情報処理システム10は、図1に示すように、複数の画像形成装置12a、12b、・・・と、複数の情報処理端末14a、14b、・・・と、複数のクラウドサーバ16a、16b、・・・とを備えている。なお、画像形成装置12a、12b、・・・や、情報処理端末14a、14b・・・、クラウドサーバ16a、16b、・・・を区別して説明する必要がない場合は、符号末尾のアルファベットを省略して記載することがある。また、本実施形態では、複数の画像形成装置12a、12b 、・・・、情報処理端末14a、14b、・・・、及び複数のクラウドサーバ16a、16b、・・・を備える例を説明するが、画像形成装置12、情報処理端末14、及びクラウドサーバ16の少なくとも一方は1つでもよい。また、本実施形態では、画像形成装置12を情報処理装置の一例とした場合を説明する。
【0028】
各画像形成装置12、情報処理端末14、及びクラウドサーバ16は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、イントラネット等の通信回線18を介して各々接続されている。そして、画像形成装置12、情報処理端末14、及びクラウドサーバ16の各々は、通信回線18を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。
【0029】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態に係る画像形成装置12は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0031】
一方、本実施形態に係る画像形成装置12は、利用者情報、設定パラメータ、及び連携サービスに関する各種情報等の各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、および操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施形態に係る画像形成装置12では、記憶部としてHDD26を適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0032】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部44による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続されたクラウドサーバ16等の他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(インタフェース)部36と、を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリI/F(インタフェース)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線I/F部36、及びファクシミリI/F部38がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0033】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部44及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線I/F部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0034】
続いて、本実施形態に係る情報処理端末14及びクラウドサーバ16の電気系の要部構成について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理端末14及びクラウドサーバ16の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、情報処理端末14及びクラウドサーバ16は基本的には一般的なコンピュータの構成とされているので、ここではクラウドサーバ16を代表して説明する。
【0035】
本実施形態に係るクラウドサーバ16は、図3に示すように、CPU16A、ROM16B、RAM16C、HDD16D、キーボード16E、ディスプレイ16F、及び通信回線I/F(インタフェース)部16Gを備えている。CPU16Aは、クラウドサーバ16の全体の動作を司る。ROM16Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM16Cは、CPU16Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD16Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。キーボード16Eは各種の情報を入力するために用いられる。ディスプレイ16Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線I/F部16Gは、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。以上のクラウドサーバ16の各部はシステムバス16Hにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施形態に係るクラウドサーバ16では、HDD16Dを記憶部として適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0036】
以上の構成により、本実施形態に係るクラウドサーバ16は、CPU16Aにより、ROM16B、RAM16C、及びHDD16Dに対するアクセス、キーボード16Eを介した各種データの取得、ディスプレイ16Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、クラウドサーバ16は、CPU16Aにより、通信回線I/F部16Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0037】
上述のように構成された情報処理システム10では、連携サービスが可能とされている。ここで、連携サービスとは、画像形成装置12及びクラウドサーバ16の各々が提供する複数の各種サービスを連携したものである。例えば、画像形成装置12が提供する画像形成サービス、クラウドサーバ16が提供する翻訳サービスや文字認識サービスなどを組み合わせた連携サービスが可能とされている。なお、情報処理端末14がサービスを更に提供してもよい。また、連携サービスは、本実施形態では、画像形成装置12のユーザインタフェース22により連携サービスに対する指示等の操作を行う場合を一例として説明するが、情報処理端末14にインストールされたアプリケーションを介して操作してもよい。或いは、図1の点線で示すように、無線基地局17を介して接続された携帯端末19にインストールされたアプリケーションを介して連携サービスを操作してもよい。
【0038】
ところで、連携サービスを構成する各サービスでは、利用状況の把握等のために、利用者の情報を収集する場合がある。利用者の情報を収集する場合、利用者の同意なく取得することは、プライバシーポリシーに反するため、利用者の同意を得てから情報を取得する必要がある。また、サービスの利用条件として情報取得の許諾が必須のサービスもあり、情報取得に同意していないと、サービスを利用できない。例えば、図4に示すように、画像形成装置12が提供する画像形成サービスは情報取得に同意済みであるが、クラウドサービスが提供する翻訳サービスは同意していない場合、翻訳サービスを利用できず、指示した連携サービスが途中で停止して終了してしまう。或いは、途中で停止して翻訳されずに出力されてしまう。
【0039】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム10では、複数のサービスで構成された予め定めた連携サービスに含まれる各サービスから、情報取得に対する同意の有無を表す許諾情報を取得する。そして、連携サービスの実行前に、取得した許諾状況を用いて、連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に、許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を行う。なお、当該処理は、本実施形態では、画像形成装置12のCPU20Aが行う例を一例として説明する。
【0040】
具体的には、図5に示すように、画像形成装置12に対して連携サービスを指示する場合、画像形成装置12が、実施に必要な許諾の状況確認を、各サービスを提供するクラウドサービスに対して行う。サービス実行に必要な許諾状況の回答を画像形成装置12が取得して、同意済みの場合は連携サービスを受け付けて実行する。一方、同意済みでなく、画像形成装置12で許諾可能である場合は、許諾画面を表示して同意を得てから連携サービスを受け付けて実行する。また、同意済みでなく、画像形成装置で許諾不可能な場合は、代替え手段を検索して提案し、代替え手段がない場合は受付不可の旨を表示する。
【0041】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る情報処理システム10の具体的な処理について説明する。詳細には、情報処理システム10の画像形成装置12において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる具体的な処理例について説明する。図6は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、連携サービスの実行操作が行われた場合に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、例えば、予め定めた利用者認証が行われて、連携サービスの実行操作がユーザインタフェース22を介して行われた場合に開始する。利用者認証としては、例えば、カードによる認証等の一般的な認証が適用される。
【0042】
ステップ100では、CPU20Aが、連携サービスの各サービスの許諾状況を確認してステップ102へ移行する。すなわち、認証された利用者による各サービスからの情報取得に対する許諾状況を各サービスに対して確認する。なお、認証システム等の外部の他のサーバが過去に実行した連携サービスの各サービスの許諾状況を保存する場合には、認証システム等の他のサーバから許諾状況を取得してもよい。
【0043】
ステップ102では、CPU20Aが、各サービスからの情報取得に対して同意済みであるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ104へ移行し、肯定された場合にはステップ114へ移行する。なお、ステップ102の判定は、2回目の連携サービスの実行であるか否かを判定してもよい。或いは、他の連携サービスに含むサービスで構成された連携サービスであるか否かを判定してもよい。
【0044】
ステップ104では、CPU20Aが、画像形成装置12で許諾が可能であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ116へ移行する。
【0045】
ステップ106では、CPU20Aが、代替えサービスを検索してステップ108へ移行する。例えば、サービスからの情報取得に対する同意がなくても利用可能なサービスを検索する。
【0046】
ステップ108では、CPU20Aが、代替えサービスがあるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ110へ移行し、否定された場合にはステップ120へ移行する。
【0047】
ステップ110では、CPU20Aが、代替えサービスを提案してステップ112へ移行する。例えば、代替えサービスに変更するか否かの画面を表示する。
【0048】
ステップ112では、CPU20Aが、代替えサービスへの変更に対して同意されたか否かを判定する。該判定は、例えば、代替えサービスに変更する操作が行われたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ114へ移行する。一方、否定された場合にはステップ120へ移行する。
【0049】
ステップ114では、CPU20Aが、連携サービスを受け付けて一連の処理を終了する。例えば、2回目以降の連携サービスのように全てのサービスからの情報取得に対して同意されている場合には、情報取得に対する許諾画面を表示して同意を確認することなく、連携サービスを受け付けて実行する。また、同意されていなくても代替えサービスに変更された場合には代替えサービスに変更されて連携サービスを受け付けて実行する。
【0050】
一方、ステップ116では、CPU20Aが、許諾画面を表示してステップ118へ移行する。例えば、図7に示すような許諾画面を表示して、情報取得に対する同意を求める。
【0051】
ステップ118では、CPU20Aが、サービスからの情報取得に対して同意されたか否かを判定する。該判定は、表示した許諾画面に対して同意する操作が行われたか否かを判定する。該判定が、肯定された場合には上述のステップ114へ移行し、否定された場合にはステップ120へ移行する。
【0052】
ステップ120では、CPU20Aが、連携サービスの受付不可を表示して一連の処理を終了する。例えば、図8に示すような連携サービスの受付が不可である旨を表す画面を表示する。
【0053】
ところで、図7に示すような許諾画面を表示した場合、許諾内容の文字数が多いと、画像形成装置12のユーザインタフェース22では詳細な内容を表示しきれなかったり、見難かったりする。そこで、許諾内容の詳細については、利用者が携帯する携帯端末等の他の端末で確認するために、図9に示す許諾画面のように、許諾内容リンクを表す2次元バーコードを表示してもよい。この場合、リンクアドレスを表す2次元バーコードを携帯端末19で撮影することにより、詳細内容を利用者が携帯する携帯端末19に表示される。或いは、予め登録された利用者の連絡先等に電子メールで詳細内容を転送して、同意後に確認可能としてもよい。この場合には、例えば、図9に示す許諾画面ように、「許諾内容転送」を操作することで、例えば、認証時に予め登録したメールアドレスに詳細な許諾内容を転送してもよい。或いは、メールアドレス等の情報を入力させて転送してもよい。
【0054】
なお、上記の実施形態では、画像形成装置12が、連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を行う例を説明したが、これに限るものではない。例えば、クラウドサーバ16やプリントサーバ等の他のサーバが、連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を行ってもよい。或いは、利用者が携帯する携帯端末19が、連携サービスに許諾されていないと実行不可能な許諾されていないサービスが含まれる場合に許諾されていないサービスに対する対応を提示する処理を行ってよい。
【0055】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0056】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0057】
また、上記の実施形態に係る画像形成装置12で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成装置12で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0058】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において一部の処理を省略するなどして種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
10 情報処理システム
12 画像形成装置
14 情報処理端末
16 クラウドサーバ
20A CPU
22 ユーザインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9