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7357628高圧下においてベントするクロージャおよび包装容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】高圧下においてベントするクロージャおよび包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 53/08 20060101AFI20230929BHJP
   B65D 41/18 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
B65D53/08
B65D41/18
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020544573
(86)(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018059244
(87)【国際公開番号】W WO2019094339
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】15/805,987
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517319813
【氏名又は名称】クロージャー・システムズ・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】CLOSURE SYSTEMS INTERNATIONAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(72)【発明者】
【氏名】シュルゼマン,タイラー,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バシユヤム,ナバニース
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-193214(JP,A)
【文献】特開2002-068264(JP,A)
【文献】特表2001-520968(JP,A)
【文献】独国実用新案第20210304(DE,U1)
【文献】英国特許出願公開第02013635(GB,A)
【文献】特開2005-170473(JP,A)
【文献】特開平10-203551(JP,A)
【文献】国際公開第2016/023938(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1497240(KR,B1)
【文献】特開2009-262969(JP,A)
【文献】特開2014-061918(JP,A)
【文献】特開2005-088977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 53/08
B65D 41/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー製の天壁部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の環状スカート部であって、対応付けられるコンテナの口部における外ねじ構造と嵌合するための内ねじ構造を備え、内面および外面を有する、環状スカート部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の連続的なシール栓であって、前記ポリマー製の環状スカート部の前記内面から離間している、シール栓と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部シール部材であって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置し、連続的である、天部シール部材と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部止めであって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置する、天部止めと、
を有するクロージャであって、ここで、
前記天部シール部材は、前記クロージャと前記コンテナとが大気内圧において、前記クロージャと前記コンテナとを緩めることなく、互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の天面、(b)前記コンテナの前記口部の内周もしくは内隅の天部、または(c)これらの組み合わせ、にまで達して接触し、
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが少なくとも約50psiの内圧のもとで、前記クロージャと前記コンテナとを緩めることなく、互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の前記天面、(b)前記コンテナの前記口部の前記内周および内隅の前記天部、ならびに(c)前記コンテナの前記口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように構成され、
前記天部シール部材は、前記連続的なシール栓と前記天部止めとの間に位置する、クロージャ。
【請求項2】
ポリマー製の天壁部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の環状スカート部であって、対応付けられるコンテナの口部における外ねじ構造と嵌合するための内ねじ構造を備え、内面および外面を有する、環状スカート部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の連続的なシール栓であって、前記ポ
リマー製の環状スカート部の前記内面から離間している、シール栓と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部シール部材であって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置し、連続的である、天部シール部材と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部止めであって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置する、天部止めと、
を有するクロージャであって、ここで、
前記天部シール部材は、前記クロージャと前記コンテナとが大気内圧において、前記クロージャと前記コンテナとを緩めることなく、互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の天面、(b)前記コンテナの前記口部の内周もしくは内隅の天部、または(c)これらの組み合わせ、にまで達して接触し、
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが少なくとも約50psiの内圧のもとで、前記クロージャと前記コンテナとを緩めることなく、互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の前記天面、(b)前記コンテナの前記口部の前記内周および内隅の前記天部、ならびに(c)前記コンテナの前記口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように構成され、
前記天部シール部材は、前記天壁部から下方に向けて、かつ、前記ポリマー製の環状スカート部の方へと外側に向かって広がる、クロージャ。
【請求項3】
ポリマー製の不正開封明示要素をさらに備える、請求項1または2に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記クロージャはワンピースのクロージャである、請求項1または2に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが大気内圧のもとで互いに嵌合するとき、前記コンテナの前記口部の天面にまで達して接触する、請求項1または2に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが少なくとも約60psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の前記天面、(b)前記コンテナの前記口部の前記内周および内隅の前記天部、ならびに(c)前記コンテナの前記口部の前記外周および外隅の前記天部、から離間して上方に位置するように構成された、請求項1または2に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが少なくとも70psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の前記天面、(b)前記コンテナの前記口部の前記内周および内隅の前記天部、ならびに(c)前記コンテナの前記口部の前記外周および外隅の前記天部、から離間して上方に位置するように構成された、請求項1または2に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記天部シール部材と前記コンテナの前記口部との距離は、70psiにおいては約0.001から約0.015インチである、請求項1または2に記載のクロージャ。
【請求項9】
開口を規定する口部を有するコンテナであって、前記口部における外ねじ構造を備える、コンテナと、
前記開口を閉じるための、前記コンテナの前記口部に対する付属品として構成されるクロージャと、
を有する包装容器であって、前記クロージャは、
ポリマー製の天壁部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の環状スカート部であって、前記コ
ンテナの前記口部における前記外ねじ構造と嵌合するための内ねじ構造を備え、内面および外面を有する、環状スカート部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の連続的なシール栓であって、前記ポリマー製の環状スカート部の前記内面から離間している、シール栓と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部シール部材であって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置し、連続的である、天部シール部材と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部止めであって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置する、天部止めと、
を有しており、ここで、
前記天部シール部材は、前記クロージャと前記コンテナとが大気内圧において互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の天面、(b)前記コンテナの前記口部の内周もしくは内隅の天部、または(c)これらの組み合わせ、にまで達して接触し、
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが少なくとも約50psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の前記天面、(b)前記コンテナの前記口部の前記内周および内隅の前記天部、ならびに(c)前記コンテナの前記口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように構成され、
前記天部シール部材は、前記連続的なシール栓と前記天部止めとの間に位置する、包装容器。
【請求項10】
開口を規定する口部を有するコンテナであって、前記口部における外ねじ構造を備える、コンテナと、
前記開口を閉じるための、前記コンテナの前記口部に対する付属品として構成されるクロージャと、
を有する包装容器であって、前記クロージャは、
ポリマー製の天壁部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の環状スカート部であって、前記コンテナの前記口部における前記外ねじ構造と嵌合するための内ねじ構造を備え、内面および外面を有する、環状スカート部と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下するポリマー製の連続的なシール栓であって、前記ポリマー製の環状スカート部の前記内面から離間している、シール栓と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部シール部材であって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置し、連続的である、天部シール部材と、
前記ポリマー製の天壁部から垂下する天部止めであって、前記連続的なシール栓と前記環状スカート部との間に位置する、天部止めと、
を有しており、ここで、
前記天部シール部材は、前記クロージャと前記コンテナとが大気内圧において互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の天面、(b)前記コンテナの前記口部の内周もしくは内隅の天部、または(c)これらの組み合わせ、にまで達して接触し、
前記天部シール部材および前記天部止めは、前記クロージャと前記コンテナとが少なくとも約50psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)前記コンテナの前記口部の前記天面、(b)前記コンテナの前記口部の前記内周および内隅の前記天部、ならびに(c)前記コンテナの前記口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように構成され、
前記天部シール部材は、前記天壁部から下方に向けて、かつ、前記ポリマー製の環状スカート部の方へと外側に向かって広がる、包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2017年11月7日付け出願の米国特許出願第15/805,987号に基づく優先権を主張するものであり、この出願の開示内容を全て本願に援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、広く、包装容器(package)のポリマー製のクロージャ(closure)に関する。より詳細には、本発明は、高圧下においてベントする(vent)ポリマー製のクロージャまたは包装容器に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ワンピースのポリマー製のクロージャにおいて、主要または最強のシールは、コンテナの口部(finish)の外周(outer radius)の、外側(外面)かつ/または下方の部分と接触することにより行われる。この位置においてシールを行うことは、内圧を保持し、コンテナ中の製品を保存するうえで、非常に効果的である。このようなシールの1つの難点は、包装容器中の内圧が増大するにつれ、クロージャがドーム状に変形し始めることである。このドーム状変形により、シールの配置は径方向に内側へと(口部開口の中心線のほうに)引っ張られるため、口部の当該領域とクロージャとの接触圧がさらに増大する。
【0004】
包装容器中の内圧が高まれば、このことは、潜在的に望ましくない状況を招き得る。例えば、包装容器が汚染されており、包装容器の内容物が発酵し始めると、既存のクロージャは、蓄積したガスを安全に放出することを可能にするのではなく、むしろ、より強力になり圧力を高めさせる。圧力が閾値レベルにまで高まれば、コンテナは破裂するか、または口部から飛ぶ(release from)かも知れない。いずれも、望ましくない状況である。包装容器は、たとえ静的状態において機能していても、動的状態においては機能しなくなることがある。例えば包装容器が動的状態へ移される際(例えば開封)、クロージャはなお、高い内圧のせいで口部から飛び得る。これは望ましくないであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
潜在的に望ましくない状況を招き得る圧力が包装容器中で高まりゆくことを防止または抑制するうえで役立ちながらも、その一方でなお、ワンピースのクロージャにおいて強力な所望のシールを与えるクロージャを、提供することが望ましいであろう。
【0006】
概要
一実施形態において、クロージャは、ポリマー製の天壁部(top wall portion)、ポリマー製の環状スカート部(annular skirt portion)、ポリマー製の連続的なシール栓(plug seal)、天部シール部材(top sealing member)、および天部止め(top stop)を有する。ポリマー製の環状スカート部は、ポリマー製の天壁部から垂下する。環状スカート部は、対応付けられるコンテナの口部における外ねじ構造と嵌合(mating engagement)するための、内ねじ構造を備える。ポリマー製の環状スカート部は、内面と外面を有する。ポリマー製の連続的なシール栓は、ポリマー製の天壁部から垂下する。連続的なシール栓は、ポリマー製の環状スカート部の内面から離間している。天部シール部材は、ポリマー製の天壁部から垂下する。天部シール部材は、連続的なシール栓と環状スカート部との間に位置する。天部シール部材は連続的である。天部止めは、ポリマー製の天壁部から垂下する。天部止めは、連続的なシール栓と環状スカート部との間に位置する。天部シール部材は、クロージャとコンテナとが大気内圧において互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周(inner radius)もしくは内隅(inner corner)の天部、(c)コンテナ口部の外周(outer radius)もしくは外隅(outer corner)の天部、または(d)これらの任意の組み合わせ、にまで達して接触する。天部シール部材および天部止めは、クロージャとコンテナとが少なくとも約50psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周および内隅の天部、ならびに(c)コンテナ口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように適応される。
【0007】
一実施形態において、包装容器はコンテナとクロージャを有する。コンテナは、開口を規定する口部を有する。コンテナは、口部における外ねじ構造を備える。クロージャは、開口を閉じるための、コンテナの口部に対する付属品として構成される。クロージャは、ポリマー製の天壁部、ポリマー製の環状スカート部、ポリマー製の連続的なシール栓、天部シール部材、および天部止めを有する。ポリマー製の環状スカート部は、ポリマー製の天壁部から垂下する。環状スカート部は、コンテナの口部における外ねじ構造と嵌合するための、内ねじ構造を備える。ポリマー製の環状スカート部は、内面と外面を有する。ポリマー製の連続的なシール栓は、ポリマー製の天壁部から垂下する。連続的なシール栓は、ポリマー製の環状スカート部の内面から離間している。天部シール部材は、ポリマー製の天壁部から垂下する。天部シール部材は、連続的なシール栓と環状スカート部との間に位置する。天部シール部材は連続的である。天部止めは、ポリマー製の天壁部から垂下する。天部止めは、連続的なシール栓と環状スカート部との間に位置する。天部シール部材は、クロージャとコンテナとが大気内圧において互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周もしくは内隅の天部、(c)コンテナ口部の外周もしくは外隅の天部、または(d)これらの任意の組み合わせ、にまで達して接触する。天部シール部材および天部止めは、クロージャとコンテナとが少なくとも約50psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周および内隅の天部、ならびに(c)コンテナ口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように適応される。
【0008】
ある別の実施形態において、クロージャは、ポリマー製の天壁部、ポリマー製の環状スカート部、ポリマー製の連続的なシール栓、ポリマー製の不正開封明示要素(tamper-evident feature)、天部シール部材、および天部止めを有する。ポリマー製の環状スカート部は、ポリマー製の天壁部から垂下する。環状スカート部は、対応付けられるコンテナの口部における外ねじ構造と嵌合するための、内ねじ構造を備える。ポリマー製の環状スカート部は、内面と外面を有する。ポリマー製の連続的なシール栓は、ポリマー製の天壁部から垂下する。連続的なシール栓は、ポリマー製の環状スカート部の内面から離間している。ポリマー製の不正開封明示要素は、バンドである。不正開封明示要素は、壊れやすい接続部により、ポリマー製の環状スカート部から垂下しており、少なくとも部分的に分離可能に環状スカート部に接続されている。天部シール部材は、ポリマー製の天壁部から垂下する。天部シール部材は、連続的なシール栓と環状スカート部との間に位置する。天部シール部材は連続的である。天部シール部材は、天壁部から下方に向けて、かつ、ポリマー製の環状スカート部の方へと外側に向かって広がる。天部止めは、ポリマー製の天壁部から垂下する。天部止めは、連続的なシール栓と環状スカート部との間に位置する。天部止めは、天部シール部材とポリマー製の環状スカート部との間に位置する。天部シール部材は、クロージャとコンテナとが大気内圧において互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周もしくは内隅の天部、(c)コンテナ口部の外周もしくは外隅の天部、または(d)これらの任意の組み合わせ、にまで達して接触する。天部シール部材および天部止めは、クロージャとコンテナとが少なくとも約60psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周および内隅の天部、ならびに(c)コンテナ口部の外周および外隅の天部、から離間して上方に位置するように適応される。
【0009】
以上の概要は、本発明の各実施形態や、あらゆる態様を表すように意図されたものではない。本発明のさらなる特徴と利点は、以下に示す詳細な説明と図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面の簡単な説明
本発明の他の利点は、以下に続く詳細な説明を読み、以下の各図面を参照することにより、明らかになる。
【0011】
図1A図1Aは、先行技術による、より低い内圧における包装容器の部分的な断面図である。
図1B図1Bは、先行技術による、より高い内圧における包装容器の部分的な断面図である。
図2A図2Aは、本発明の一実施形態による、クロージャの斜視上面図である。
図2B図2Bは、概ね直線2B-2Bに沿って取られた、図2Aのクロージャの断面図である。
図2C図2Cは、図2Aのクロージャの底面断面図である。
図2D図2Dは、図2Bに示した領域2Dの、拡大図である。
図3A図3Aは、発明の一実施形態による、コンテナに螺合された図2Bのクロージャの断面図である。
図3B図3Bは、図3Aに示した領域3Bの、拡大図である。
図3C図3Cは、図3Aに示した領域3Cの、拡大図である。
図3D図3Dは、図3Aに示した領域3Dの、拡大図である。
図3E図3Eは、図3Aに示した領域3Eの、拡大図である。
図4A図4Aは、大気内圧における、図3Aによる包装容器の部分的な断面図である。
図4B図4Bは、より高い内圧における、図3Aによる包装容器の部分的な断面図である。
図4C図4Cは、図4Bに示した領域4Cの、拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明は様々な変更形態や代替形態による影響を被り得るが、その具体的な実施形態を、以上の図面に例示し、本明細書において詳細に説明する。但し、開示される特定の形態に発明を限定するつもりはなく、反対に、その趣旨は、添付の請求項により規定されるような発明の意図と範囲に当てはまる全ての変更物、均等物、および代替物を網羅することにあると、理解されたい。
【0013】
詳細な説明
図2A図2Cは、本発明の一実施形態による、ポリマー製のクロージャ10を例示している。クロージャは、製品を収容するコンテナまたはボトルに取り付けるように構成される。製品は、典型的には液体製品だが、また固体製品であってもよいし、液体製品と固体製品の組み合わせであってもよい。図2A図2Cにおけるポリマー製のクロージャ10は、ワンピースのクロージャアセンブリであり、概ね円筒形である。
【0014】
図2A図2Cをなお参照しつつ、ポリマー製のクロージャ10は、ポリマー製の天壁部12、ポリマー製の天壁部12から垂下するポリマー製の環状スカート部14、ポリマー製の連続的なシール栓16、天部シール部材18、および天部止め20を有する。図2A図2Cにおける天壁部12は、本実施形態において一切の開口を有せず、クロージャの天部全体に亘って広がる。
【0015】
図2A図2Cおよび図3Aにおけるポリマー製の環状スカート部14は、内ねじ構造30を備える。ポリマー製の環状スカート部14は、外面14aおよび内面14bを有する。内ねじ構造30は、コンテナ首部の、対応する外ねじ構造と嵌合するように構成される。クロージャの内ねじ構造は、連続的または非連続的なねじ山のセグメントを有することができ、単一または複数のリードまたはねじ山を有し得る。従って、異なるねじ構造をクロージャに使用し得ることが考えられる。内ねじ構造の非限定的な一例は、螺旋ねじ構造である。
【0016】
ポリマー製の連続的なシール栓16は、図2Bおよび図3Aに示すように、ポリマー製の天壁部12から垂下する。連続的なシール栓16は、コンテナの口部と協働して、以下に図3Aとともに説明されるシールを形成する。連続的なシール栓16は、より低い内圧において、コンテナ口部と物理的な気密シールを形成するように適応される。これは、高温充填(hot-fill)処理が実施される際の軽微な真空を含み得る。これはまた、大気内圧(1バールまたは14.7psi)をも含み得る。図2Bにおける連続的なシール栓16は、ポリマー製の環状スカート部14から離間しており、環状スカート部14と直接には接続していない。環状スカート部14から分離されることにより、ポリマー製の環状スカート部14の外面14aに対するどのような衝撃も、コンテナの口部に伝達されるリスクが少なくなるであろう。伝達されれば、連続的なシール栓16と口部とのシールが潜在的に阻害されるかも知れず、このような阻害により、製品の保全性(product integrity)が損なわれ得る。
【0017】
図2B図2Cを再び参照しつつ、天部シール部材18は、図2Cにおいて連続的なものとして示されており、概ね円環の形態を取る。天部シール部材18は、連続的なシール栓16およびポリマー製の環状スカート部14から離間しており、その間に位置する。従って、天部シール部材18は、ポリマー製の環状スカート部14に接触するようには径方向に広がっていない。環状スカート部14から分離された天部シール部材18を有することにより、環状スカート部14の外面14aに衝撃が加わった場合に、天部シール部材18により形成されるシールを阻害するリスクが減少する。このことは、製品の保全性の損失を招き得る潜在的なシール上の問題を、低減または排除するうえで役立つ。
【0018】
天部シール部材18は、ポリマー製の天壁部12から垂下する。天部シール部材18は、クロージャとコンテナとが大気内圧(1バールまたは14.7psi)のもとで互いに嵌合するとき、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周もしくは内隅の天部、(c)コンテナ口部の外周もしくは外隅の天部、または(d)これらの任意の組み合わせ、にまで達して接触する。
【0019】
コンテナ口部の天面に接触中の天部シール部材は、例えば図3Eに示される。具体的には、図3Eは、コンテナ108の口部の天面120aに接触中の天部シール部材18を表している。コンテナ108の口部は、内周120bおよび外周120cを有する。図3Eに示した内周120bと外周120cの代わりに、コンテナ口部は内隅と外隅を有してもよい。天面および側面は、内隅および外隅を形成するにあたり、互いに概ね垂直であり得る。ある別の実施形態において、内隅および外隅は面取り(chamfered)されていてもよい。天部シール部材は、コンテナ口部の、内周/内隅の天面および/または外周/外隅の天面に接触し得ることが考えられる。しかし、天部シール部材は決して、コンテナ口部の外面118aまたは内面118bと接触することにより、外横シール(outer side seal)や内横シール(inner side seal)を形成したりはしない。
【0020】
天部シール部材18は、ある特定の圧力が生じるまでは、コンテナ口部と物理的な気密シールを形成し得る。ゆえに天部シール部材18は、包装容器の内容物を保全するうえで十分に強力であるが、より重要なことには、包装容器中の内圧が高まるにつれて、より強力になりはしない。より低い内圧において、天部シール部材18は、包装容器がユーザーによって開封された後で再び閉じられる際のシールとして、特に良好に機能する。
【0021】
天部シール部材18は一般に、40psiよりも低い包装容器内圧において、約2,500psiよりも高いコンテナ口部とのシール接触圧を有する。天部シール部材18は、より典型的には、25psiよりも低い包装容器内圧において、約3,000psiよりも高いコンテナ口部とのシール接触圧を有する。天部シール部材とコンテナとの適切なシールを維持するためには、シール接触圧は、クロージャの設計および材料に依存するある特定の閾値を上回ることが必要である。
【0022】
クロージャとコンテナとが、一実施形態において少なくとも約50psiの内圧のもとで、またはある別の実施形態において少なくとも約60psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、天部シール部材18は、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周または内隅の天部、および(c)コンテナ口部の外周または外隅の天部、から離間して上方に位置する。
【0023】
クロージャとコンテナとが、一実施形態において少なくとも約70psiの内圧のもとで、またはさらに別のある実施形態において少なくとも約80psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、天部シール部材18は、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周または内隅の天部、および(c)コンテナ口部の外周または外隅の天部、から離間して上方に位置する。
【0024】
ある別の実施形態において、クロージャとコンテナとが少なくとも約90psiの内圧のもとで互いに嵌合するとき、天部シール部材18は、(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周または内隅の天部、および(c)コンテナ口部の外周または外隅の天部、から離間して上方に位置する。
【0025】
図4Aは、軽微な真空または大気内圧などの、より低い内圧における包装容器100の部分的な断面図を表す。図4Bは、70psiなどの、より高い内圧における包装容器100の部分的な断面図を表す。
【0026】
天部シール部材18と、コンテナ口部の天面120aとの距離は、図4Cに距離D1として示されている。距離D1は、さらに高い内圧が包装容器中に醸成されてゆくことのないような、十分な距離である必要がある。距離D1は一般に、50psiにおいては約0.0005から約0.001インチである。距離D1は一般に、70psiにおいては約0.001から約0.0015インチである。
【0027】
天部シール部材18は、図2Bにおいて、ポリマー製の天壁部12から下方に向けて、かつポリマー製の環状スカート部14の方へと外側に向かって広がるように示されている。天部シール部材は、変形の無い状態において(すなわち天部シール部材が圧力のもとでコンテナ口部に接触してはいないとき)、ポリマー製の天壁部から下方に向けて、かつポリマー製の環状スカート部から遠ざかるように内側に向かって広がってもよいことが考えられる。このような実施形態において、天部シール部材は典型的には、下向きかつ外向きに広がる天部シール部材よりも長く圧力を保持するであろう。天部シール部材はまた、ポリマー製の天壁部12から概ね垂直に下向きに広がってもよいことが考えられる。これらの設計は、特定の所望のリリース圧(release pressures)を有する特定のアプリケーションに合わせて調整される(tailored)ことが可能である。
【0028】
一実施形態において図2Dに示すように、コンテナ口部に接触していないとき(変形の無い状態)、天部シール部材は、ポリマー製の天壁部12から下方に向けて、かつ約40度から約75度の角度βで外側に向かって広がる。より具体的には、コンテナ口部に接触していないとき、天部シール部材は、ポリマー製の天壁部12から下方に向けて、かつ約50度から約60度の角度βで外側に向かって広がる。変形した(すなわちコンテナ口部に接触している)状態においては、角度βは一般に、約15度乃至約30度に低減される。
【0029】
圧力が包装容器の内部で高まりゆくとき、連続的なシール栓16がコンテナとシールしないので、天部シール部材18は有利である。このような圧力において、クロージャとコンテナとが互いに嵌合するとき、天部シール部材18は、最初のうちは(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周もしくは内隅の天部、(c)コンテナ口部の外周もしくは外隅の天部、または(d)これらの任意の組み合わせにおいてコンテナとシールする。内圧が増大するにつれて、ドーム状変形は、天部シール部材18が(a)コンテナ口部の天面、(b)コンテナ口部の内周または内隅の天部、および(c)コンテナ口部の外周または外隅の天部と接触し続けられる能力を上回るであろう。この時点で、天部シール部材18はコンテナの口部から離間して上方に位置し、もはやシールを形成しない。
【0030】
ゆえに天部シール部材18は、包装容器の内容物を保全するうえで十分に強力であるが、より重要なことには、一般に、包装容器中の内圧が高まるにつれて、より強力になりはしない。包装容器のある特定の内圧が達成されるやいなや、天部シール部材18は接触を失い、ベントする。これにより、ユーザーにとって安全な製品体験が創出される。
【0031】
天部シール部材18の柔軟性により、天部シール部材18はある範囲の適応角度に亘って機能することが可能となり、望ましくは、ドーム状変形が最初に起きるとき、天部シール部材18が当初はコンテナ口部と接触し続けることが、可能とされる。
【0032】
変形の無い状態における、図3Cの天部シール部材18の厚さW1は、一般に約20から約60ミリインチ(mils)であり、より具体的には、約30から約50ミリインチである。変形の無い状態における、図3Cの天部シール部材18の長さL1は、一般に約15から約45ミリインチであり、より具体的には、約20から約35ミリインチである。
【0033】
天部止め20は、コンテナ口部とクロージャが互いに螺合されつつあるときに、明確な停止(positive stop)を与えるために役立つ。ゆえに天部止めは、クロージャが口部へと螺合されつつあるときに、コンテナ口部を位置決めするために役立つ。これは、コンテナ口部を適切に位置決めすることにより、高い取り外しトルク(removal torque)およびその他の潜在的な蓋締めの不具合(capping defects)を回避するために役立つ。従って天部止めは、望ましい取り外しトルクを得るために役立つ。天部止め20はまた、天部シール部材18が変形することを防止または抑制するためにも役立つ。変形を抑制することにより、天部シール部材18は、より迅速に元の形状に回復することができる。このことは、より高い内圧が生じた場合に、より迅速にベントすることにつながるだろう。天部止め20は、図2Cに示すように、典型的には連続的である。ある別の実施形態において、天部止めは非連続的であってもよいことが考えられる。
【0034】
図3Bにおける天部止め20の厚さW2は、一般に約15から約60ミリインチであり、より具体的には、約25から約50ミリインチである。図3Bにおける天部止め20の長さL2は、一般に約10から約30ミリインチであり、より具体的には、約10から約25ミリインチである。
【0035】
図2Aに示すクロージャ10は、環状スカート部14上に形成された、複数のナーリング(knurls)36を有する。複数のナーリング36は、コンテナからクロージャを開閉する際に、ユーザーがクロージャを掴むことを支援する。複数のナーリング36はまた、クロージャ自体に対してさらなる強度とサポートを与える。使用される場合、ナーリングの数量と形状は、図2Aに描かれたものとは異なっていてもよいことが考えられる。
【0036】
一実施形態における本発明のクロージャは、一般に、図2Bに示すような約0.4から約1インチの全高Hを有する。クロージャの全高Hは、典型的には約0.4から約0.6インチであり、より具体的には、約0.5インチから約0.55インチである。
【0037】
クロージャはまた、ポリマー製の不正開封明示要素をも備え得る。例えばクロージャ10は、その底部(すなわちポリマー製の天壁部12の反対側の終端)に位置するポリマー製の不正開封明示バンド50(図2Bおよび図3A)を備える。不正開封明示バンド50は、壊れやすい接続部52により、ポリマー製の環状スカート部14から垂下しており、少なくとも部分的に分離可能に環状スカート部14に接続されている。不正開封明示バンド50は、コンテナと協働して、コンテナの内容物がアクセスされたかも知れないことをユーザーに示す。より具体的には、不正開封明示バンド50は、ユーザーがコンテナへのアクセスを得るために包装容器を開封し始めると、ポリマー製の環状スカート部14から分離するように設計されている。
【0038】
ポリマー製の不正開封明示バンドは、一実施形態において、橋状成形(molded-in-bridges)によって形成され得る。橋状成形は、典型的には、鋳型中の特徴部を用いて形成される。ある別の実施形態において、ポリマー製の不正開封明示バンドは、刻み線(scoring or scored lines)、切り欠き(notches)、破線(leaders)、またはその他の脆弱な線を用いて形成されてもよい。
【0039】
不正開封明示バンド50は、図2Bにおいて逆さまの向きになっている。これは、クロージャが鋳型から取り除かれるときの通常の向きであり、クロージャ成形設備(closure-forming tooling)からクロージャをより簡単に取り出すことを可能にする。不正開封明示バンドは、後程、逆さまの向きから機能可能な向きへと折り込まれる。このことを、以下に図3Aに関して示し、説明する。
【0040】
天壁部12と、環状スカート部14と、連続的なシール栓16と、天部シール部材18と、天部止め20とを含むクロージャ10は、ポリマー材料製である。クロージャ10は典型的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、またはこれらのブレンドを含む。クロージャは他のポリマー材料製であってもよいことが考えられる。不正開封明示バンド50は、存在すれば、典型的にはクロージャの他の部分と同じ材料製である。
【0041】
クロージャは、典型的には、射出成形または圧縮成形などのプロセスにより形成される。クロージャを形成する際、他のプロセスを使用してもよいことが考えられる。
【0042】
クロージャ10を含む本発明のクロージャは、コンテナ108とともに使用されて、図3Aの包装容器100を形成し得る。コンテナ108の一部が図3Aに示されており、開口を規定する首部または口部102を有する。コンテナ108の首部102は、外ねじ構造104を備える。コンテナ108の外ねじ構造104は、クロージャ10の対応する内ねじ構造30と係合することにより、包装容器100をシールする。コンテナの外ねじ構造は、連続的または非連続的なねじ山のセグメントを有することができ、単一または複数のねじ山を有し得る。従って、異なるねじ構造をコンテナに使用し得ることが考えられる。コンテナの外ねじ構造の非限定的な一例は、螺旋ねじ構造である。
【0043】
コンテナ108は、典型的にはポリマー材料製である。ポリマー製のコンテナを形成するにあたって用いられる材料の非限定的な一例は、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、またはこれらのブレンドである。コンテナは、他のポリマー材料製であってもよいことが考えられる。コンテナはまた、ガラス製でもよいことが考えられる。コンテナ108は、カプセル化された酸素バリアレイヤまたは酸素バリア材料を内蔵してもよい。
【0044】
コンテナ108を開封して内部の製品にアクセスするためには、クロージャ10をコンテナ108に対して回転させることにより、クロージャ10を緩める(unthreaded)。図3Aにおいて、不正開封明示バンド50は機能可能な向きにある。クロージャを緩めるにつれて、コンテナ表面はクロージャから自然に分離する。クロージャを緩めた後、クロージャ10をコンテナから取り除くことにより、ユーザーはコンテナへのアクセスを得ることができる。本プロセスの間に、不正開封明示バンド50は、クロージャ10の他の部分から分離される。不正開封明示バンド50は定位置に保持され、壊れやすい接続部52によって不正開封明示バンドがクロージャの他の部分から分離されることを可能にする。不正開封明示バンド50は、望ましくはコンテナとともに残る。しかし、不正開封明示バンドは、別個のステップにおいてコンテナから取り除かれてもよいことが考えられる。
【0045】
本発明におけるポリマー製のクロージャは、低温および高温アプリケーションの両方において望ましい。本発明におけるポリマー製のクロージャは、周囲温度充填(ambient fill)または低温充填(cold fill)などの、低温アプリケーションにおいて使用され得る。これらのアプリケーションは、水、スポーツドリンク、乳製品などの無菌アプリケーション、および炭酸入り清涼飲料などの被加圧製品(pressurized products)を含む。他の低温アプリケーションを、本発明のプロセスにより形成されるポリマー製のクロージャとともに使用してもよいことが考えられる。
【0046】
本発明におけるポリマー製のクロージャは、高温充填および低温殺菌(pasteurizations)などの、高温アプリケーションに晒されてもよい。高温充填アプリケーションは、一般に約185°Fの温度で行われる。低温殺菌を伴う高温充填は、一般に約205°Fの温度で行われる。本発明におけるポリマー製のクロージャは、他の高温アプリケーションにおいても使用され得ることが考えられる。
【0047】
実施例
発明のクロージャおよび対照用のクロージャを作成し、テストを行った。発明のクロージャ1は、図2A図2Cに示すクロージャ10と実質的に同様なものであった。発明のクロージャ1は、高密度ポリエチレン(HDPE)製の33mmワンピース構成であった。
【0048】
対照用のクロージャ1を、先行技術の図1A図1Bにおいて、クロージャ300として示す。対照用のクロージャ1は、高密度ポリエチレン(HDPE)製の33mmワンピース構成であった。図1A図1Bのクロージャ300は、ポリマー製の天壁部312、ポリマー製の天壁部312から垂下するポリマー製の環状スカート部314、ポリマー製の連続的なシール栓316、天部止め320、および側部シール部材(side sealing member)324を有する。
【0049】
各構成(発明のクロージャ1および対照用のクロージャ1)につき、計12サンプルずつをテストした。発明のクロージャ1および対照用のクロージャ1のサンプルの各々を、コンテナまたはボトルと組み合わせてテストした。各コンテナは同一のものであり、PET製で、約32液量オンスの水を有していた。コンテナは、33mmの、二条ねじ(double lead)高温充填の口部を有していた。クロージャの各々を、それぞれのコンテナの口部へと螺合し、閉止位置にした。包装容器を、周囲温度で約24時間に亘り調整した。その後、口部およびクロージャを、包装容器の他の部分から切り離した。切り離された口部およびクロージャを、異なる圧力のもとで、水没させた固定器具/テスト装置に配置した。具体的には、それぞれのクロージャを閉止位置にてコンテナに螺合した後に、12サンプルずつの各クロージャを2つの圧力条件、すなわち1.5バールおよび6.9バール(1バールは14.5psiに相等)のもとでテストした。テスト条件および結果を、以下の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
上記の表1に示すように、発明のクロージャ1および対照用のクロージャ1の両方が、包装容器の内圧1.5バール(22psi)のもとでは漏れを生じなかった。包装容器の内圧が6.9バール(100psi)に増大されると、発明のクロージャ1は、全てのテストにおいて漏出した。発明のクロージャ1のサンプルにおける漏出は、表1に示すように、3.1から4.5バール(45psiから65psi)までの様々な圧力において始まった。対照用のクロージャ1のサンプルは、包装容器の内圧が6.9バール(100psi)に至るまで増大されても、漏れを生じなかった。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C