(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q30/0201
(21)【出願番号】P 2022147944
(22)【出願日】2022-09-16
【審査請求日】2022-09-16
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522365270
【氏名又は名称】中光電智能雲服股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 建宏
(72)【発明者】
【氏名】楊 智凱
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-537005(JP,A)
【文献】特開2015-179352(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113535785(CN,A)
【文献】@gshirato,Uberはなぜ地図を六角形で埋めるのか,[online],Qiita,2018年07月13日,https://qiita.com/gshirato/items/d8cc928c4131f3292b14,[検索日 2023.08.04]
【文献】勝又 雅史,Google API Expertが解説する Google Maps APIプログラミングガイド,初版 ,株式会社インプレスジャパン,2011年12月01日,pp.278-288
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーに設置され、広告スロットの位置を推測する通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステムであって、
複数の通信データから複数の群衆描写データを取得する第一収集モジュールと、
複数のポイントオブインタレストデータを取得する第二収集モジュールと、
これら前記群衆描写データを保存するように前記第一収集モジュールに接続される第一データベースと、
これら前記ポイントオブインタレストデータを保存するように前記第二収集モジュールに接続される第二データベースと、
前記第一データベース及び前記第二データベースに接続されるプロセッサであって、ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用してこれら前記群衆描写データの精度を第一精度と定義し、これら前記ポイントオブインタレストデータの精度を第二精度と定義し、前記第一精度及び前記第二精度に基づいてこれら前記群衆描写データ及びこれら前記ポイントオブインタレストデータを統合し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測するプロセッサと、を備えていることを特徴とする通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項2】
これら前記群衆描写データは少なくとも1つの通信事業者から取得したこれら前記通信データ中から獲得することを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項3】
前記群衆描写データは性別と、年齢と、趣味の好みと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項4】
これら前記ポイントオブインタレストデータはポイントオブインタレスト収集アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して取得することを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項5】
これら前記ポイントオブインタレストデータの対象として特定の地域の公共施設を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項6】
これら前記群衆描写データの前記第一精度に対応する第一比較表は前記第一データベース中に保存されていることを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項7】
これら前記ポイントオブインタレストデータの前記第二精度に対応する第二比較表は前記第二データベース中に保存されていることを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項8】
前記第一精度及び前記第二精度は共に地図を正六角形の複数のセルで構成するハニカム状メッシュに分割し、且つ前記プロセッサが何れか1つの座標点に対し前記第一精度または前記第二精度にある前記座標点の指標値を算出することを特徴とする請求項1に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは前記第一精度のうちの1つの前記セルにある前記群衆描写データを検索する場合、前記第一精度の1層上の層の精度を更に推測し、前記セルの周囲にある6つの隣接するセルを前記セルに併合し、検索範囲を拡大することを特徴とする請求項8に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは前記第一精度または前記第二精度のうちの1つの前記セルにある前記群衆描写データまたは前記ポイントオブインタレストデータを検索すると、需要を満たす前記少なくとも1つのスロットの位置を検索できなかった場合、前記セルを基準点として周囲のこれら前記隣接するセルに向けて検索を行うことを特徴とする請求項9に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム。
【請求項11】
サーバーに設置されている通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法であって、
複数の通信データから複数の群衆描写データ及び複数のポイントオブインタレストデータを取得するステップと、
プロセッサがハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用してこれら前記群衆描写データの精度を第一精度と定義するステップと、
前記プロセッサが前記ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用してこれら前記ポイントオブインタレストデータの精度を第二精度と定義し、前記第一精度及び前記第二精度に基づいてこれら前記群衆描写データ及びこれら前記ポイントオブインタレストデータを統合するステップと、
前記プロセッサがこれら前記群衆描写データ及びこれら前記ポイントオブインタレストデータの統合データを検索し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測するステップと、を含むことを特徴とする通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法。
【請求項12】
これら前記群衆描写データは少なくとも1つの通信事業者から取得したこれら前記通信データ中から獲得し、これら前記ポイントオブインタレストデータはポイントオブインタレスト収集アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して取得することを特徴とする請求項11に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法。
【請求項13】
前記群衆描写データは性別と、年齢と、趣味の好みと、を含み、これら前記ポイントオブインタレストデータの対象として特定の地域の公共施設を含むことを特徴とする請求項11に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法。
【請求項14】
前記第一精度及び前記第二精度は共に地図を正六角形の複数のセルで組成するハニカム状メッシュに分割し、且つ前記プロセッサが何れか1つの座標点に対し第一精度または前記第二精度にある前記座標点の指標値を算出することを特徴とする請求項11に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法。
【請求項15】
前記プロセッサは前記第一精度のうちの前記セルにおける前記群衆描写データを検索する場合、前記第一精度の1層上の層の精度を更に推測し、前記セルの周囲にある6つの隣接するセルを前記セルに併合し、検索範囲を拡大することを特徴とする請求項14に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法。
【請求項16】
前記プロセッサは前記第一精度または前記第二精度のうちの前記セルにおける前記群衆描写データまたは前記ポイントオブインタレストデータを検索すると、需要を満たす前記少なくとも1つのスロットの位置を検索できなかった場合、前記セルを基準点として周囲のこれら前記隣接するセルに向けて検索を行うことを特徴とする請求項15に記載の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信技術に関し、より詳しくは、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広告代理店やメディア代理店は製品の購入確率を高めるため、ターゲットとする顧客に対し広告を正確に配信する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、精確なマーケティングを実現する鍵は、配信コンテンツを適合する属性の群衆に精確に接触させることである。一例を挙げると、公園付近に公共放送システムを設置し、例えば、運動好きの若者が多い、ペット連れの中高年が多い等の公園付近にいる群衆の描写が分かれば、群衆描写に基づいて公共放送システムに広告を配信することができる。群衆の違いに応じて配信する広告の属性も異なってくる。このため、広告を見る人の共感を得ることで、更なるビジネスチャンスを生みだすことが、現在広告効果を高めるために解決すべき主要な課題となっている。
【0004】
群衆描写データは一般的に通信データにより取得し、或いは通信事業者と協力し、指定地点の35*35m四方の範囲内で取得し、毎日どれくらいの性別、年齢、趣味の好みの群衆がいるかという描写を取得する。その一部の群衆描写は通信データにより取得する以外、データの分析及び統計技術により、大量のデータから正確な群衆描写情報を選出する。また、地点描写のポイントオブインタレスト(point of interest, POI)データの取得にも一定の困難さがある。例えば、周囲に何行の銀行、何校の学校、何ヵ所の公園等の施設があるかをどのように取得するかである。費用をかけて人力でポイントオブインタレストデータを収集する以外、最も有効的な方法は、Googleポイントオブインタレストアプリケーションプログラミングインターフェース(POI API)を使用して取得することである。従来技術では上述の2種類のデータを取得可能ではあるが、「群衆の描写」の通信データ及び「地点の描写」のポイントオブインタレストデータを統合して使用することは、従来技術では解決できない問題であった。通信データの精度はポイントを中心とした35*35m2の範囲であり、ポイントオブインタレストのグラフィックデータの収集でも同様の精度でデータを収集する場合、範囲が狭すぎた。このため、幾つのポイントオブインタレストのポイントがあるかを問えないばかりではなく、大金をはたいてデータをAPIに入力する必要があった。一例を挙げると、台湾の面積は36197000000m2であり、通信データが35*35=1225m2である場合、36197000000/1225=29533877となり、35*35(m)の精度でデータをGoogleポイントオブインタレストアプリケーションプログラミングインターフェースに入力することになる。よって、1つのタイプを入力するのに3千万回近く入力しなければならなかった。90個のタイプを入力するならば、Googleポイントオブインタレストアプリケーションプログラミングインターフェースに3千万回*90タイプ=27億回入力しなけらばならず、天文学的な回数と費用がかかった。また、これでも完全なポイントオブインタレストポイントを収集可能とは限らず、35*35(m)の精度では狭すぎ、Googleポイントオブインタレストアプリケーションプログラミングインターフェースの毎回の情報量も不完全であった。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その主目的は、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法を提供することにある。すなわち、ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズム(UBER’s hexagonal hierarchical spatial index, Uber H3)を利用して2種類の異なる精度のデータを統合し、従来の群衆描写の通信データ及び群衆描写のポイントオブインタレストデータを統合できないという問題を解決し、広告スロットの位置を更に需要に適合させる。
【0007】
また、本発明の他の目的は、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法を提供することである。すなわち、Uber H3ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用して検索範囲を1つのセルから隣接する6つのセルに拡大する。
【0008】
また、本発明のさらなる他の目的は、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法を提供することである。すなわち、Uber H3ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用してセルの周囲の指標値を取得し、周囲の地域を高速に検索し、且つ近隣のポイントであることを保証し、検索速度を速める。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施態様によれば、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステムが提供される。前記通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステムはサーバーに設置され、且つ広告スロットの位置を推測する通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステムであって、複数の通信データから複数の群衆描写データを取得する第一収集モジュールと、複数のポイントオブインタレストデータを取得する第二収集モジュールと、群衆描写データを保存するように第一収集モジュールに接続される第一データベースと、ポイントオブインタレストデータを保存するように第二収集モジュールに接続される第二データベースと、第一データベース及び第二データベースに接続されるプロセッサであって、ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用して群衆描写データの精度を第一精度と定義し、ポイントオブインタレストデータの精度を第二精度と定義し、第一精度及び第二精度に基づいて群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータを統合し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測するプロセッサと、を備えている。
【0010】
本発明の一態様によれば、群衆描写データは少なくとも1つの通信事業者から取得した通信データ中から獲得し、群衆描写データとして性別と、年齢と、趣味の好みと、を含む。
【0011】
本発明の一態様によれば、ポイントオブインタレストデータはポイントオブインタレスト収集アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して取得し、ポイントオブインタレストデータの対象として特定の地域の公共施設を含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、群描写データの第一精度に対応する第一比較表は第一データベース中に保存されている。
【0013】
本発明の一態様によれば、ポイントオブインタレストデータの第二精度に対応する第二比較表は第二データベース中に保存されている。
【0014】
本発明の一態様によれば、第一精度及び第二精度は共に地図を正六角形の複数のセルで構成するハニカム状メッシュに分割し、且つプロセッサが何れか1つの座標点に対し第一精度または第二精度にある座標点の指標値を算出する。
【0015】
本発明の一態様によれば、プロセッサは前記第一精度のうちの1つのセルにある群衆描写データを検索する場合、第一精度の1層上の層の精度を更に推測し、セルの周囲にある6つの隣接するセルをセルに併合し、検索範囲を拡大する。
【0016】
本発明の一態様によれば、プロセッサは第一精度または第二精度のうちの1つのセルにある群衆描写データまたはポイントオブインタレストデータを検索すると、需要を満たすスロットの位置を検索できなかった場合、セルを基準点として周囲の隣接するセルに向けて検索を行う。
【0017】
本発明の別の態様によれば、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法がさらに提供される。前記通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法はサーバーに設置され、以下のステップを含む。複数の通信データから複数の群衆描写データ及び複数のポイントオブインタレストデータを取得するステップ。プロセッサがハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用して群衆描写データの精度を第一精度と定義するステップ。プロセッサがハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用してポイントオブインタレストデータの精度を第二精度と定義し、第一精度及び第二精度に基づいて群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータを統合するステップ。プロセッサが群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータの統合データを検索し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測するステップ。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施例に係る通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法を示すフローチャートである。
【
図3】Uber H3ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを示す概略図である。
【
図4】本発明によるUber H3ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを使用して群衆描写データとポイントオブインタレストデータを統合する概略図である。
【
図5】本発明の隣接するセルを見つけるようにUber H3ハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを使用する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例の添付図面を併せ、本発明の実施例の技術手段について明快且つ完全に説明する。当然ながら、説明する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではない。本発明の実施例によると、本技術分野に習熟する者が何ら進歩的な働きをすることなく獲得した全ての他の実施例は本発明の保護範囲に含まれる。
【0021】
本明細書及び添付する特許請求の範囲において使用する「備える」及び「含む」という用語は、説明する特徴、全体、ステップ、操作、元素、及び/または部材の存在を指すが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、元素、部材、及び/またはその集合の存在や添加も排除しない点に留意すべきである。
【0022】
また、本発明の明細書において使用する用語は特定の実施例を説明する目的のために用いるのみであり、本発明を制限しない点に留意すべきである。本発明の明細書及び添付する特許請求の範囲において使用するように、前後の文中で他の状況を明確に指していない限り、単数形式の「1」、「1つ」及び「前記」は複数の形式も含む。
【0023】
また、本発明の明細書及び添付する特許請求の範囲において使用する「及び/または」という用語は、関連する項の1つまたは複数のあらゆる組み合わせ及び全ての可能な組み合わせを指し、且つこれらの組み合わせを含む点に留意すべきである。
【0024】
本発明は、通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法が提供される。
図1は本発明に係る通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステムを示すブロック図である。本発明の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム10はサーバー12に設置されている。この通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム10は、第一収集モジュール13と、第二収集モジュール14と、第一データベース15と、第二データベース16と、プロセッサ18と、を含んで構成される。第一収集モジュール13は通信事業者20のホストコンピューターに信号が接続され、通信事業者20の顧客の性別、年齢、趣味の好み(例えば、携帯電話を使用してどのようなタイプのウェブページを閲覧しているか)、移動の足跡等の群衆描写データを含む前記通信事業者20の通信データを取得する。第一収集モジュール13は第一データベース15に接続され、収集した群衆描写データは第一データベース15に保存される。第二収集モジュール14はインターネットサービスプロバイダー22のホストコンピューターに信号が接続され、インターネットサービスプロバイダー22は例えばGoogle POI アプリケーションプログラミングインターフェースであり、銀行、学校、公園等の公共施設(即ち、ポイントオブインタレスト)の位置を含む地点描写の情報を取得する。第二収集モジュール14は第二データベース16に接続され、収集したポイントオブインタレストデータは第二データベース16に保存される。プロセッサ18は第一データベース15及び第二データベース16に接続されている。プロセッサ18はハニカム六角形空間インデックスアルゴリズム(UBER’s hexagonal hierarchical spatial index, Uber H3)を利用して群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータの精度を定義し、群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータを統合する。
【0025】
図2を併せて参照し、
図2は本発明に係る通信データに基づいて広告スロットの位置を推測する方法を示すフローチャートである。ステップS10において、複数の通信データから複数の群衆描写データ及び複数のポイントオブインタレストデータを取得する。ステップS12において、プロセッサ18はハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用して群衆描写データの精度を定義し、群衆描写データをハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムの第一精度に対応させる。第一精度及び第二精度が対応する面積の広さは異なる。次いで、ステップS14において、プロセッサ18はポイントオブインタレストデータの精度を定義し、ポイントオブインタレストデータをハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムの第二精度に対応させ、且つ第一精度及び第二精度に基づいて群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータを統合する。最後に、ステップS16において、群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータを統合した後、プロセッサ18はデータを統合するようにキーワードを検索し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測する。
【0026】
本発明において使用するハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムはUber H3アルゴリズムであり、このアルゴリズムは地球の空間を識別可能なセルに分割し、緯度と経度をH3が六角形のメッシュインデックスにエンコードし、
図3に示す如く、複数のセル30でハニカム状のメッシュを構成する。目標点(lat, lon)があるセル30を例にすると、このセル30の周囲は6つの隣接するセル30により包囲され、これら7つのセル30が更に大きい1つの六角形を構成する(
図4参照)。全世界の各地点のH3指標値は統一されており、且つ16段階(Level)に分けられ、各段階は異なる精度をそれぞれ示し、段階0を最大直径(辺の長さは1107712m)とし、段階15を最小直径(辺の長さは0.5m)とし、直径が小さくなるほど精度が高くなり、よって、段階15の精度が最高となる。指標値は上及び下に向けて推測し、例えば、段階10の六角形がカバーする面積は段階11の7倍 (1884*7=13188)となる。セル30の指標値(cell id)は相互に推測し、仮に段階11の指標値が8b4ba010e0a1fffである場合、H3アルゴリズムにより段階10の指標値を8a4ba010e0a7fffと推測する。よって、Uber H3アルゴリズムは本来異なる2種類の精度のデータを同じ精度のデータとして相互に推測すると共に混合して使用する。
【0027】
上述のUber H3の原理に基づいて、
図4に示す如く、プロセッサ18が群衆描写データの精度をハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムの第一精度32に対応させ、且つポイントオブインタレストデータの精度をハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムの第二精度34に対応させ、2種類の異なる精度のポイントオブインタレストデータ及び群衆描写データを統合する。通信データの精度が35m
2であるため、適合する段階11(半径約25m)のH3指標値に対応させるのが最も好ましい。よって、第一精度32は段階11とする。また最も重要なポイントオブインタレストデータの精度は段階8(半径約460m)を第二精度34とし、これによりGoogleポイントオブインタレストアプリケーションプログラミングインターフェースの呼び出し回数も大幅に低下する。台湾の面積は36197000000m
2であるため、各H3の段階8の六角形の面積は646367m
2とし、36197000000/646367=56000回となる。換言すれば、90個の分類を満杯になるまで全て収集するには56000*90=5040000回しか必要なく、回数が先行技術に記載の27億回から、H3アルゴリズムを使用した後には500万回まで減少しながらも、収集したポイントオブインタレストデータの品質は下がらない。このため、2種類の異なる精度のデータを混合して使用する問題を解決する。プロセッサ18は何れか1つの座標点に対し第一精度32または第二精度34にある座標点の指標値を算出し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測する。このほか、本発明はH3アルゴリズムを応用してポイントオブインタレストアプリケーションプログラミングインターフェースの呼び出し回数を更に節約する。
【0028】
本実施例の発明は、第一データベース15は群衆描写データを保存する以外、群衆描写データは第一精度32に対応する第一比較表152も第一データベース15に保存する。同様に、第二データベース16はポイントオブインタレストデータを保存する以外、第二精度34に対応する第二比較表162も第二データベース16に保存する。第一比較表152は群衆描写のデータポイント、指標値及び第一精度等の欄を含む。第二比較表162はポイントオブインタレストデータのポイント、指標値及び第二精度等の欄を含む。
【0029】
また、H3アルゴリズムの指標値は小さい段階の指標値から大きい段階の指標値まで推測し、これによりインデックスのオーバーレイ機能を実行する。プロセッサ18は第一精度32のうちの1つのセル30において群衆描写データを検索する場合、第一精度32の1層上の層の精度を更に推測し、この方法によりセル30の周囲にある6つの隣接するセルをセル30に併合し、検索範囲を拡大する。例えば、仮に現在段階8を使用してこの通信データを定義している場合、当然ながら1層上の段階7まで行くと直径が更に大きくなり、更に広い範囲を取得し、周囲の6つの段階8のセルデータを併合し、更に広い範囲のデータインデックスとする。
図5を例にすると、仮に1つのセンターセル36で1軒のコンビニエンスストアしか見つからなかった場合、数量が不足しているため1層上の段階に行き、周囲の6つの隣接するセルも併入し、更に大きなアッパーセル38とし、目標点(lat, lon)に近い更に多くのコンビニエンスストアを検索可能にする。
【0030】
同様に、H3アルゴリズムに基づいて周囲のインデックスの特性を知ることができ、センターセル36の指標値が分かれば、その周囲にある6つのセルの指標値も知ることができる。よって、プロセッサ18が第一精度32または第二精度34のうちの1つのセル30において群衆描写データまたはポイントオブインタレストデータを検索すると、需要を満たすスロットの位置が検索できなかった場合、セル30を基準点として周囲の隣接するセルに向けて検索を行う。この方法により検索したデータが近隣のポイントであることを保証し、ポイントオブインタレスト間の直線距離を自分で計算する必要がなくなり、先行技術の各ポイントオブインタレストを全てスキャンするという欠点を更に回避する。この方法によりデータのインデックスを加速し、検索速度が大きく向上する。
【0031】
本実施例の発明は、スロット装置がAndroid TV Box、デジタルサイネージ、バス停やコンビニエンスストアの表示スクリーン、エレベーター内のスクリーン等であり、指定時間に指定の広告を配信可能である。本発明はUber H3アルゴリズムにより群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータの精度を統合した後、求められる広告スロットの位置を高速に検索する。例えば、求められるスロットの位置が、このポイントでは映画好きの若年男性が多く、且つショッピングエリア付近であり、百貨店があるポイントである場合、この条件を本発明が提供する通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法に適用する。
【0032】
以上を総合すると、本発明の通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法は、異なる精度の群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータをUber H3アルゴリズムのインデックス結果により統合して使用し、データ購入及び収集にかかる回数を効果的に節約する。また、地球上の1つのポイントの地理的座標(lat、lon)を確認するのみで、段階1~段階15におけるその座標の全ての指標値を知ることができ、これによって各種データ間を統合して検索し、各種段階のデータを取り出して混合して使用可能となる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0034】
10 通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム
12 サーバー
13 第一収集モジュール
14 第二収集モジュール
15 第一データベース
152 第一比較表
16 第二データベース
162 第二比較表
18 プロセッサ
20 通信事業者
22 インターネットサービスプロバイダー
30 セル
32 第一精度
34 第二精度
36 センターセル
38 アッパーセル
【要約】
【課題】通信データに基づいて広告スロットの位置を推測するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】複数の通信データから複数の群衆描写データ及び複数のポイントオブインタレストデータを取得する。プロセッサはハニカム六角形空間インデックスアルゴリズムを利用して群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータの精度を第一精度及び第二精度とそれぞれ定義する。第一精度及び第二精度に基づいて群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータを統合する。プロセッサは群衆描写データ及びポイントオブインタレストデータの統合データを検索し、群衆描写及びポイントオブインタレストに同時に適合する少なくとも1つのスロットの位置を推測する。本発明のシステム及び方法により、異なる精度のデータを高速に統合する。
【選択図】
図1