(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-05
(45)【発行日】2023-10-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231006BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019100842
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【氏名又は名称】河野 元
(74)【代理人】
【識別番号】100217191
【氏名又は名称】林 信吾
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-058431(JP,A)
【文献】特開2019-017891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な第1始動口と、
第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入球可能性が高い第2状態とに変化可能な第2始動口と、
遊技球が入球可能な第3始動口と、
前記第1始動口又は前記第2始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定実行手段と、
前記第3始動口への入球に基づいて実行する第2当否判定を実行する第2当否判定実行手段と、
前記第2始動口への遊技球の入球頻度が所定頻度の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、
前記第1当否判定又は前記第2当否判定の結果が大当りとなった場合、特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えた遊技機であって、
前記第1始動口は第1遊技領域に設けられ、
前記第2始動口及び前記第3始動口は第2遊技領域に設けられ、
前記第1遊技状態において前記第1遊技領域に遊技球を発射して前記第1当否判定を主体として実行する第1遊技と、前記第2遊技状態において前記第2遊技領域に遊技球を発射して前記第1当否判定を主体として実行する第2遊技と、前記第1遊技状態において前記第2遊技領域に遊技球を発射して前記第2当否判定を主体として実行する第3遊技と、を有し、
前記第1遊技領域に遊技球を発射する前記第1遊技における前記第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、
前記第2遊技領域に遊技球を発射する前記第2遊技における前記第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、
前記第2遊技領域に遊技球を発射する前記第3遊技における前記第2当否判定の結果として、第3大当りと第4大当りとを有し、
前記第1遊技において、前記第1当否判定の結果が前記第1大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第1当否判定の結果が前記第2大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第2遊技において、前記第1当否判定の結果が前記第1大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第1当否判定の結果が前記第2大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第3遊技において、前記第2当否判定の結果が前記第3大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第2当否判定の結果が前記第4大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第2当否判定の結果として小当りを有し、前記小当りとなると所定量の遊技利益を獲得可能とされ、
前記第2当否判定は、前記第1当否判定よりも、前記小当りとなる可能性が高くされ、
前記第2遊技は、前記第1遊技よりも前記第1当否判定の実行頻度が高くされることで、遊技に使用する遊技媒体の減少速度が前記第1遊技よりも遅いものとされ、
前記第3遊技は、前記小当りによって遊技利益を獲得可能とすることで遊技媒体の減少速度が、前記第2遊技よりも遅い
ものとされ、
前記第1当否判定の結果としての大当りに、遊技利益の獲得が困難な大当りを有しておらず、
前記第2当否判定の結果としての大当りに、遊技利益の獲得が容易であって前記特別遊技終了後に再度前記第3遊技を設定する大当りと、前記第1当否判定及び前記第2当否判定における大当りのうちで獲得可能な遊技利益の量が最も少ない大当りであって前記特別遊技終了後に前記第3遊技を設定しない大当りと、を有する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口及び第2大入賞口を備え、第1始動口に遊技球が入球すると第1図柄を変動表示し、第2始動口に遊技球が入球すると第2図柄を変動表示するものがあった。そして、第1図柄又は第2図柄が大当り図柄で停止表示すると、第1大入賞口又は第2大入賞口の何れかだけを開状態とするか、若しくは、第1大入賞口及び第2大入賞口を所定順序で開状態とする大当り遊技を実行する遊技機があった(特許文献1)。
【0003】
また、特許文献1では、第2始動口を可変式の始動口とし、低ベース状態においては入球頻度を低くし、高ベース状態においては入球頻度を高めることで、低ベース状態では第1始動口を狙って遊技し、高ベース状態では第2始動口を狙って遊技するものがあった。また、大当り遊技や高ベース状態になると、遊技領域の右側領域を狙って遊技する所謂右打ち遊技を行う遊技機があった。このような遊技機では、低ベース状態では、左打ち遊技を行い、一旦有利状態になると、当該有利状態が終了するまで右打ち遊技で遊技を行うものとし、有利状態の遊技にメリハリをつけるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然しながら、特許文献1の遊技機では、遊技状態の移行態様が画一的で、趣向性の高い遊技性を提供するに至っていなかった。
【0006】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、従来の遊技機とは異なり、趣向性の高い遊技状態を提供すると共に、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高める遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入球可能性が高い第2状態とに変化可能な第2始動口と、
遊技球が入球可能な第3始動口と、
前記第1始動口又は前記第2始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定実行手段と、
前記第3始動口への入球に基づいて実行する第2当否判定を実行する第2当否判定実行手段と、
前記第2始動口への遊技球の入球頻度が所定頻度の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、
前記第1当否判定又は前記第2当否判定の結果が大当りとなった場合、特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えた遊技機であって
前記第1始動口は第1遊技領域に設けられ、
前記第2始動口及び前記第3始動口は第2遊技領域に設けられ、
前記第1遊技状態において前記第1遊技領域に遊技球を発射して前記第1当否判定を主体として実行する第1遊技と、前記第2遊技状態において前記第2遊技領域に遊技球を発射して前記第1当否判定を主体として実行する第2遊技と、前記第1遊技状態において前記第2遊技領域に遊技球を発射して前記第2当否判定を主体として実行する第3遊技と、を有し、
前記第1遊技領域に遊技球を発射する前記第1遊技における前記第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、
前記第2遊技領域に遊技球を発射する前記第2遊技における前記第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、
前記第2遊技領域に遊技球を発射する前記第3遊技における前記第2当否判定の結果として、第3大当りと第4大当りとを有し、
前記第1遊技において、前記第1当否判定の結果が前記第1大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第1当否判定の結果が前記第2大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第2遊技において、前記第1当否判定の結果が前記第1大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第1当否判定の結果が前記第2大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第3遊技において、前記第2当否判定の結果が前記第3大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第2当否判定の結果が前記第4大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第2当否判定の結果として小当りを有し、前記小当りとなると所定量の遊技利益を獲得可能とされ、
前記第2当否判定は、前記第1当否判定よりも、前記小当りとなる可能性が高くされ、
前記第2遊技は、前記第1遊技よりも前記第1当否判定の実行頻度が高くされることで、遊技に使用する遊技媒体の減少速度が前記第1遊技よりも遅いものとされ、
前記第3遊技は、前記小当りによって遊技利益を獲得可能とすることで遊技媒体の減少速度が、前記第2遊技よりも遅いものとされ、
前記第1当否判定の結果としての大当りに、遊技利益の獲得が困難な大当りを有しておらず、
前記第2当否判定の結果としての大当りに、遊技利益の獲得が容易であって前記特別遊技終了後に再度前記第3遊技を設定する大当りと、前記第1当否判定及び前記第2当否判定における大当りのうちで獲得可能な遊技利益の量が最も少ない大当りであって前記特別遊技終了後に前記第3遊技を設定しない大当りと、を有する
ことを特徴とするものである。
【0008】
このような遊技機によれば、第1遊技領域に第1当否判定を実行する第1始動口を配置し、第2遊技領域に第1当否判定を実行する(第1状態と第2状態とに変化する)可変式の第2始動口及び第2当否判定を実行する第3始動口を配置している。また、遊技状態として、第2始動口への遊技球の入球頻度が低い(所定頻度の)第1遊技状態と、第1遊技状態よりも第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を有している。
【0009】
これにより、遊技者は、遊技状態の変遷によって、遊技態様の異なる第1遊技、第2遊技、第3遊技を行い、多様な遊技状態の移行態様及び新規な遊技性によって遊技興趣を高めることが可能となる。尚、第1遊技状態においては、第2遊技領域に発射して第2始動口へ入球する入球頻度よりも、第1遊技領域に発射して第1始動口へ入球する入球頻度の方が高いものとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊技機によれば、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高める遊技機の提供を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当り判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄1待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特別図柄1変動中処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動中断処理のフローチャートである。
【
図29】特別図柄1確定処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄2待機処理のフローチャートである。
【
図32】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図33】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図34】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図35】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図36】特別図柄2変動中処理のフローチャートである。
【
図37】特
図2変動中断処理のフローチャートである。
【
図38】特別図柄2確定処理のフローチャートである。
【
図39】特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図40】大当り遊技開始処理のフローチャートである。
【
図41】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図42】特図動作ステータス設定処理1のフローチャートである。
【
図43】特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。
【
図44】特図動作ステータス設定処理2のフローチャートである。
【
図47】副制御メイン処理のフローチャートである。
【
図48】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図49】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図50】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図51】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図52】変動演出開始処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1乃至
図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されている。そして、外枠53は島設備に対して固定され、前面枠51及び本体枠52は、外枠に対して、上下の枠ヒンジ56、56を介して取り付けられている。また、前面枠51及び本体枠52は、上下方向の一側端側(
図1紙面左側)で軸支されており、一側端側を軸にして、外枠53に対して夫々開閉可能に構成されている。また、
図1及び
図2に示す閉状態から、前面枠51だけを開状態(開放する)こともできるし、前面枠51及び本体枠52の両方を開状態(開放する)こともできる。
【0014】
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。
【0015】
また、前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、スピーカ67及び画像表示装置(第2画像表示装置71、第3画像表示装置72)が設けられている。また、
図1に示すように、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72は、その表示画面71a、72aを遊技者が視認し易いように、前面枠51の前方(遊技者側)に向けて突出するように、且つ、外側方向に傾斜状に設置されている。また、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72は、後述する画像表示装置7と同様に、遊技の実行・非実行や、遊技の状況や、実行される遊技演出等に応じて、遊技演出(キャラクタや演出図柄等)や、デモ演出や、遊技に関する情報(獲得出玉情報、ラウンド数、連荘回数、遊技状態の残り期間、遊技モード、遊技演出の信頼度・説明等)や、遊技機の設定に関する情報(音量設定情報、輝度設定情報等)が表示される。また、第2画像表示装置71と、第3画像表示装置72とで、これらの情報のうち、異なる情報を表示する場合と、同じ情報を表示する場合とがある。また、画像表示装置7(第1画像表示装置)と、第2画像表示装置71と、第3画像表示装置72とで、これらの情報のうち、異なる情報を表示する場合と、同じ情報を表示する場合とがある。また、画像表示装置7(第1画像表示装置)と、第2画像表示装置71と、第3画像表示装置72とのうち、何れか2個で同じ情報を表示し、残り1個で異なる情報を表示する場合もある。尚、画像表示装置7、第2画像表示装置71および第3画像表示装置72のいずれか又は全部を指して単に「画像表示装置」ということもある。
【0016】
また、画像表示装置7は遊技盤2に形成される遊技領域3の内側領域に設けられており、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72は、遊技領域3の外側領域に設けられている。また、
図1に示すように、(非開放側端部に設けられる)第2画像表示装置71は、前面枠51に対して、第2画像表示装置用ヒンジ75(ヒンジ部)を介して取り付けられている。そのため、上下の第2画像表示装置用ヒンジ75を軸として、左右方向に回動可能となっている。より具体的には、
図1に示す状態(通常状態)から右方向に所定角度(45度程度)回動可能な構成とされている。これは、前面枠51や本体枠52を、上下の枠ヒンジ56、56を軸として開状態とした際に、前面枠51の前方に突出して設けられている第2画像表示装置71が、パチンコ遊技機1の枠ヒンジ56側(
図1紙面左側)に隣接して設けられているホール設備(球貸機、台間設備等)に衝突して破損してしまうのを防ぐための構成である。一方、(開放側端部に設けられる)第3画像表示装置72は、前面枠51に対して、固定して設けられ、回動不能となっている。
【0017】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することが可能となる。
【0018】
また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。尚、画像表示装置7は遊技盤2の裏面側から遊技盤2に対して取り付けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄」ともいう)が左右方向に並んで表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、演出図柄8L、8C、8Rは、遊技状態(低確低ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態)に応じて、当該遊技状態で遊技の主体として設定されている特別図柄(後述の第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示に同期して変動表示を行う。尚、演出図柄8Lのことを「左図柄」ともいい、演出図柄8Cのことを「中図柄」ともいい、演出図柄8Rのことを「右図柄」ともいう。
【0019】
図3に示す演出図柄表示領域7bの表示態様は、遊技状態が通常状態(後述する低確低ベース状態、状態A)にあるときの1場面を示すものである。詳しくは後述するが、この低確低ベース状態では、始動口(第2始動口21)への遊技球の入球頻度が高ベース状態(第1遊技状態)と比較して低く設定されていると共に、特別図柄の当否判定確率(第1特別図柄当否判定及び第2特別図柄当否判定)が低確率(「所定確率」ともいう)で、且つ、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも長く(2倍以上)設定されている(外れ変動は全て10分)。そのため、通常状態では、右遊技領域3B(第2遊技領域)に遊技球を発射して始動口(第2始動口21又は第3始動口26)に入球させて第2特別図柄を変動表示させるよりも、左遊技領域3A(第1遊技領域)に遊技球を発射して第1始動口20に入球させて第1特別図柄を変動表示させる遊技を行う方が、遊技者に有利とされている。すなわち、通常状態では、第1特別図柄(演出図柄)が主体となって変動表示する遊技状態といえる。このため、通常状態(状態A)では、演出図柄表示領域7b上の演出図柄8L、8C、8Rは、第1特別図柄と同期して変動表示及び停止表示を行う
ものとされている。
【0020】
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示(導出表示)される左、中、右の演出図柄の表示態様(停止表示態様)によって、後述(
図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(特別図柄当否判定の結果)を、遊技者が認識し易いように表示(報知)する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、及び、演出図柄のいずれか(又は全部)を指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。また、特別図柄当否判定を単に「当否判定」や「第1当否判定」ともいう。また、特別図柄当否判定を実行する制御部(主制御部80)を「当否判定実行手段」や「第1当否判定実行手段」ともいう。
【0021】
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当り(第1特定当り)となった場合には、「777」等の3桁同一の図柄(ゾロ目)(「大当り図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示する。また、小当り(第2特定当り)となった場合には、「135」等の予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの小当り専用図柄(「小当り図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示する。尚、小当りとなった際に、小当り専用図柄を停止表示する態様に変えて、小当り図柄と外れ図柄とで同じ態様の図柄を停止表示してもよい。また、小当りとして、複数の小当り(第1小当り、第2小当り等)を有する場合には、それらを区別可能に、異なる小当り図柄(第1小当り図柄、第2小当り図柄)を停止表示してもよいし、それらを区別困難なように、同じ(共通の)小当り図柄を停止表示してもよい。
【0022】
また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ図柄で演出図柄を停止表示する(「外れ図柄」ともいう)。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況(特別図柄当否判定の結果)を容易に把握することができる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄8を見て把握する。また、演出図柄の変動表示の実行態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様や、第1演出図柄表示部7bのみを用いて演出表示する態様や第1演出図柄表示部7bに加えて第2演出図柄表示部71a及び第3演出図柄表示部72aの一方又は両方を用いて演出表示する態様を有している。また、これに加えて、第2演出図柄表示部71a又は第3演出図柄表示部72aのみを用いて演出表示する態様を有していてもよい。
【0023】
また、画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に伴って実行される当り遊技演出(大当り遊技演出、小当り遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また、詳細は後述するが、遊技状態(状態A、状態B又は状態C)や、左遊技領域3Aに遊技球を発射して遊技を行う状態か、右遊技領域3Bに遊技球を発射して遊技を行う状態か等によって、演出図柄表示領域7b上の表示態様が異なる態様とされる。また、本実施例1のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を並行して(同時に)変動表示することが可能な遊技機であり、この様なタイプの遊技機を「同時変動機(並行変動機)」ともいう。
【0024】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。演出保留表示領域における第1演出保留9a又は第2演出保留9bの表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(
図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。尚、第1演出保留表示部の表示位置や第2演出保留表示部の表示位置は、遊技状態、遊技モード又は実行する遊技演出(リーチ演出等)によって変化する場合がある。また、第1演出保留表示部及び第2演出保留表示部のうち、何れか一方だけ(例えば、遊技状態によって主体となる特別図柄(演出図柄)に対応する演出保留表示部だけ)を表示するようにしてもよい。
【0025】
また、
図3に示すように、遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
【0026】
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。
図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し(所定の動作態様で動作し)、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、当該可動装飾部材14の大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は遊技興趣を高めると共に、当りへの期待感を高める。
【0027】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動開始条件)が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定、第1当否判定)が実行されると共に、第1特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に当否判定の結果に基づいて第1特別図柄が停止表示する。
【0028】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)の上方には、遊技球が通過可能(入球可能)なゲート28(普図始動口や通過口や入球口や特定始動口ともいう)が設けられている。ゲート28の上流側から入球した遊技球は、ゲート28を通過し、遊技領域3を下流方向に流下する。尚、このゲート28は、大当り遊技を開始するための開始ゲート29(役連ゲートや作動ゲートともいう)を兼用している。つまり、本ゲートは、ゲート28であり、開始ゲート29でもある。ゲート28に遊技球が入球(通過)すると、当該遊技球がゲートセンサ28aで検知され、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動条件)が成立すると、普通図柄当否判定(「普図当否判定」や「第3当否判定」ともいう)を実行すると共に、普通図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に普通図柄当否判定の結果に基づいて普通図柄が停止表示する。当り普通図柄が停止表示すると、可動部材23が動作(開動作)して第2始動口21が開状態となる。また、可動部材23を動作(開動作)させて第2始動口21を開状態とするか否かの普通図柄当否判定を実行する制御部(主制御部80)を「当否判定実行手段」や「第3当否判定実行手段」ともいう。尚、このゲートセンサ28aは、大当り遊技を開始するための開始ゲートセンサ29aを兼用している。つまり、本ゲートへの入球を検知するセンサは、ゲートセンサ28aであり、開始ゲートセンサ29aでもある。
【0029】
また、詳しくは後述するが、ゲート28(開始ゲート29)を通過した際に、開始ゲート29としての機能が発揮されるのは、大当り遊技を実行可能な条件が成立しているとき(「大当り実行可能状態」や「大当り待機状態」ともいう)だけである。そのため、当該条件(大当り待機状態)が成立していないときに、ゲート28(開始ゲート29)を遊技球が通過した場合には、普通図柄に関する制御処理がなされ、大当り開始処理は実行されない。また、当該条件が成立しているときに(大当り待機状態で)、開始ゲート29(ゲート28)を遊技球が通過した場合には、待機中の大当り遊技が開始し、所定の大入賞口(第1大入賞口30)が開状態(入球可能状態)となるラウンド遊技が開始する。
【0030】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、ゲート28(開始ゲート29)の下方(下流)の遊技領域には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉する。開閉部材32は、上面が略長方形状(長板状)の遊技球通路とされており、閉状態では、第1大入賞口30の入口を閉鎖すると共に、当該開閉部材32上面を遊技球が通過可能となっている。また、
図3に示すように、開閉部材32の上面は、上流側から下流側へ(紙面左から右へ)傾斜状に形成されている。これにより、開閉部材32が閉状態のとき、第1大入賞口30の入口部に流下してきた遊技球は、第1大入賞口30に入球することなく、開閉部材32の上面を通過して、遊技領域の下流方向に流下する。
【0031】
また、開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図5参照)により駆動され、開閉部材32が遊技盤3裏面方向に引っ込むことで、遊技球通路を形成していた開閉部材32の上面がなくなる。これにより、開閉部材32が開状態のとき、第1大入賞口30の入口部に流下してきた遊技球は、第1大入賞口30に入球することとなる。このように、第1大入賞口30の入口を開閉する開閉部材32は、出没式の開閉部材とされており、開状態(開放時)のときは流下してきた遊技球を円滑に第1大入賞口30内に入球させると共に、閉状態(閉鎖時)のときは流下してきた遊技球を、傾斜状の上面通路によって、任意の方向(後述する第2始動口21)に誘導することが可能となる。尚、第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31(第1可変入球口)は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0032】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、第1大入賞口30の下方(下流)の遊技領域には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第3始動口26を備える第2固定入賞装置25が設けられている。第3始動口26への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動開始条件)が成立すると第2特別図柄に係る当否判定(第2特別図柄当否判定、第2当否判定)が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に当否判定の結果に基づいて第2特別図柄が停止表示する。尚、第1大入賞口30の下方(下流)で遊技球通路が分岐しており(上段、下段)、第3始動口26が設けられる上段側遊技球通路と、第2始動口31及び第2大入賞口35が設けられる下段側遊技球通路と、が形成されている。また、
図3に示す通り、上段側遊技球通路に誘導された遊技球は、第3始動口26の近傍に設けられた遊技釘16に接触する等して第3始動口26に入球するか、第3始動口26に入球することなく下流に流下して、アウト口34に流入する。また、第3始動口26は常時入球可能な固定式の入賞装置(入球口)であるので、左打ち遊技で大当りとなって(所謂、初当り)、1回目の大当り遊技を右打ち遊技で実行した場合、当該大当り遊技中に遊技球を第3始動口26に入球させ(保留し)、当該大当り遊技終了直後から第2特別図柄の変動表示を実行することが可能となる。
【0033】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、第1大入賞口30の下方(下流)の遊技領域には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」や「可変始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動開始条件)が成立すると第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に、第1特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に当否判定の結果に基づいて第1特別図柄が停止表示する。
【0034】
可変入賞装置22は、可動部材23(「開閉部材」ともいう)を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0035】
また、可動部材23は、開閉部材32と同様に、上面が略長方形状(長板状)の遊技球通路とされており、閉状態では、第2始動口21の入口を閉鎖すると共に、当該可動部材23上面を遊技球が通過可能となっている。また、
図3に示すように、可動部材23の上面は、上流側から下流側へ(紙面右から左へ)傾斜状に形成されている。これにより、可動部材23が閉状態のとき、第2始動口21の入口部に流下してきた遊技球は、第2始動口21に入球することなく、可動部材23の上面を通過して、遊技領域の下流方向に流下する。
【0036】
また、可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5参照)により駆動され、可動部材23が遊技盤3裏面方向(遊技盤面と垂直方向)に引っ込むことで、遊技球通路を形成していた可動部材23が第2始動口21の入口部からなくなる。これにより、可動部材23が開状態のとき、第2始動口21の入口部に流下してきた遊技球は、第2始動口21に入球することとなる。このように、第2始動口21の入口を開閉する可動部材23は、開閉部材32と同様の出没式の開閉部材とされており、開状態(開放時)のときは流下してきた遊技球を円滑に第2始動口21内に入球させると共に、閉状態(閉鎖時)のときは流下してきた遊技球を、傾斜状の上面通路によって、任意の方向(後述する第2大入賞口35)に誘導する。
【0037】
このように、右側領域(右遊技領域3B)に遊技球を発射して遊技を行う状態において、遊技球が第2始動口21に入球した場合には第1特別図柄当否判定が実行されて第1特別図柄が変動表示し、遊技球が第3始動口26に入球した場合には第2特別図柄当否判定が実行されて第2特別図柄が変動表示する。従って、右側領域(右遊技領域3B)に遊技球を発射して遊技を行う状態(右打ち遊技)において、第1特別図柄の変動表示を主体として遊技を行う遊技状態(状態B:低確高ベース状態、高確高ベース状態)と、第2特別図柄の変動表示を主体として遊技を行う遊技状態(状態C:高確低ベース状態)と、を有している。
【0038】
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、第2始動口21の下方(下流)の遊技領域には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉する。開閉部材37は、開閉部材32と同様に、上面が略長方形状(長板状)の遊技球通路とされており、閉状態では、第2大入賞口35の入口を閉鎖すると共に、当該開閉部材37上面を遊技球が通過可能となっている。また、
図3に示すように、開閉部材37の上面は、上流側から下流側へ(紙面右から左へ)傾斜状に形成されている。これにより、開閉部材37が閉状態のとき、第2大入賞口35の入口部に流下してきた遊技球は、第2大入賞口35に入球することなく、開閉部材37の上面を通過して、遊技領域の下流方向に流下する。
【0039】
また、開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図5参照)により駆動され、開閉部材37が遊技盤3裏面方向(遊技盤面と垂直方向)に引っ込むことで、遊技球通路を形成していた開閉部材37が第2大入賞口35の入口部からなくなる。これにより、開閉部材37が開状態のとき、第2大入賞口35の入口部に流下してきた遊技球は、第2大入賞口35に入球することとなる。このように、第2大入賞口35の入口を開閉する開閉部材37は、開閉部材32と同様の出没式の開閉部材とされており、開状態(開放時)のときは流下してきた遊技球を円滑に第2大入賞口35内に入球させると共に、閉状態(閉鎖時)のときは流下してきた遊技球を、傾斜状の上面通路によって、任意の方向(アウト口34)に誘導することが可能となる。尚、第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36(第2可変入球口)は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0040】
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の左側領域(左遊技領域3A)の下方の遊技領域には、複数(3個)の一般入球口27が設けられている。このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際の通常状態(低確低ベース状態、状態A)は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。すなわち、遊技開始時の通常状態は、左打ちによる第1始動口20への入球(第1特別図柄当否判定)を主体とした左打ち遊技となる。
【0041】
一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなると、大当り遊技、並びに、大当り遊技(特別遊技)終了後(低確高ベース状態、高確高ベース状態又は高確低ベース状態)は、右打ちにて、ゲート28、第1大入賞口30、第2始動口21、第3始動口26、又は、第2大入賞口35への入球を狙う遊技となる。具体的に、左打ち遊技で大当りとなると、まず、大当り待機状態となり、ゲート28への入球を狙う右打ち遊技となる。次に、大当り待機状態においてゲート28(開始ゲート29)に入球すると大当り遊技が開始し、主に第1大入賞口30への入球を狙う右打ち遊技となる。
【0042】
また、大当り遊技が終了し、大当り遊技終了後の遊技状態が低確高ベース状態又は高確高ベース状態(状態B)となると、主にゲート28(普図ゲート)及び第2始動口21への入球を狙う右打ち遊技となる。一方、大当り遊技が終了し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確低ベース状態(状態C)となると、第3始動口26及び第2大入賞口35への入球を狙う右打ち遊技となる。すなわち、低確高ベース状態及び高確高ベース状態(状態B)は、右打ちによって第2始動口21への入球(第1特別図柄当否判定)を主体とする右打ち遊技となり、高確低ベース状態(状態C)は、右打ちによって第3始動口26への入球(第2特別図柄当否判定)を主体とする右打ち遊技となる。これによって、同じ右打ち遊技であっても、遊技状態(状態B又は状態C)によって、主体となる始動口(特別図柄当否判定の対象)が異なることとなる。
【0043】
また、右遊技領域3B(第2遊技領域)において、ゲート28よりも上流側には、第2アウト口34bが設けられ、右遊技領域3Bのゲート28より下流の遊技領域に流入する遊技球の量を調整可能(減少可能)としている。すなわち、第2アウト口34bは、右遊技領域3Bに設置される全ての入球口よりも上流側に設置され、当該第2アウト口34bの近傍に設けた遊技釘によって、これら入球口の設置領域への遊技球の入球割合(進入割合)を調整可能としている。また、更に右遊技領域3B(第2遊技領域)において、第2始動口21の下流であって、小当り用の大入賞口である第2大入賞口35の上流に、第3アウト口34cを設けている。この第3アウト口34cによって、小当り発生時の第2大入賞口35側の遊技領域への遊技球の進入割合、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口35への入球割合を調整可能としている。第3アウト口34cの近傍に設けた遊技釘によって、第2大入賞口35への遊技球の入球割合(進入割合)を調整可能としている。
【0044】
そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入球口27に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」、「遊技利益」ともいう)が払い出される(付与される)。本実施例では、第1大入賞口30への入球に基づいて払い出される賞球の個数(遊技利益の量)を、第2大入賞口35への入球に基づいて払い出される賞球の個数(遊技利益の量)よりも多く設定している。具体的に、第1大入賞口30は、1個の入球に対して15個の賞球を払い出すものとしており、第2大入賞口35は、1個の入球に対して10個の賞球を払い出すものとしている。
【0045】
また、
図3及び
図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄(「特定識別情報」ともいう)を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0046】
また、主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄の変動状態(c1)、第2特別図柄の変動状態(c2)及び普通図柄の変動状態(c3)を示す変動状態表示器49が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
【0047】
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第3始動口26への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
【0048】
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示(導出表示)された特別図柄(停止図柄)によって、第1始動口20、第2始動口21又は第3始動口26への入球に基づく当否判定(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンで、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び/又は第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0049】
具体的に、
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、4R第1大当りとなった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、4R第2大当りとなった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し、残りを消灯することができる。また、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果(大当り、小当り、外れ)に応じて夫々異なる表示態様に定められている。また、特別図柄が停止表示される前(導出表示前)には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
【0050】
このように、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bは、夫々複数のLED(表示部)で構成され、第1特別図柄の変動表示中は、第1特別図柄表示器41aに対応する複数のLEDを所定順序で点灯(点滅)表示させ、変動時間が経過すると、第1特別図柄当否判定の結果に応じた第1特別図柄を、大当り種別(1種類であれば1態様)や小当り種別(1種類であれば1態様)や外れ種別(1種類であれば1態様)を示す表示態様で停止表示する。
【0051】
また、変動状態表示器49は、表示部c1(LEDc1)、表示部c2(LEDc2)及び表示部c3(LEDc3)を備えており、表示部c1によって第1特別図柄の変動状態を示し、表示部c2によって第2特別図柄の変動状態を示し、表示部c3によって普通図柄の変動状態を示している。具体的に、第1特別図柄の変動状態を示す表示部c1は、第1特別図柄表示器41aよりも少ない数のLED(表示部、表示器)である1個のLED(表示部)で構成されている。そして、第1特別図柄の変動表示中は、点滅表示し、第1特別図柄の変動時間が経過すると、第1特別図柄当否判定の結果に応じた表示態様で停止表示する。具体的に、外れの場合は消灯で停止表示し、大当りの場合は大当り種別を問わず全て赤色点灯で停止表示する。また、第1特別図柄の変動表示が中断(一時停止)する場合は、黄色点灯で停止表示する。
【0052】
従って、表示部c1は、第1特別図柄の変動表示中は点滅表示とされ、変動表示の中断中は黄色点灯表示とされ、大当り図柄の停止中は赤色点灯表示とされ、外れ図柄の停止中は消灯(非表示)とされる。これにより、変動状態表示器49の表示部c1を見ることで、第1特別図柄の変動状態(変動中、中断中、停止中、当否判定結果)を把握することが可能となる。また、変動状態表示器49は、第1特別図柄表示器41aよりも簡易な構成(表示器の数が少ない)としているため、大当り種別等を詳細に把握することは困難であるが、変動状態を容易に把握することが可能となる。また、変動状態表示器49(表示部c1)は、第2の第1特別図柄表示器41aとしての機能を果たしている。尚、「変動表示の中断」とは、同時に実行される他方の特別図柄(第2特別図柄)の当否判定の結果が大当りとなった場合等にされうる処理で、変動表示を一時的に中断し、解除条件が成立した後に、変動表示を再開する処理である。
【0053】
また、第2特別図柄の変動状態を示す表示部c2は、表示部c1と同様に、第2特別図柄表示器41bよりも少ない数のLED(表示部、表示器)である1個のLED(表示部)で構成されている。そして、第2特別図柄の変動表示中は、点滅表示し、第2特別図柄の変動時間が経過すると、第2特別図柄当否判定の結果に応じた表示態様で停止表示する。具体的に、外れの場合は消灯で停止表示し、大当りの場合は大当り種別を問わず全て赤色点灯で停止表示し、小当りの場合は小当り種別を問わず全て緑色点灯(小当り態様)で停止表示する。また、第2特別図柄の変動表示が中断(一時停止)する場合は、黄色点灯で停止表示する。
【0054】
従って、表示部c2は、第2特別図柄の変動表示中は点滅表示とされ、変動表示の中断中は黄色点灯表示とされ、大当り図柄の停止中は赤色点灯表示とされ、小当り図柄の停止中は緑色点灯表示とされ、外れ図柄の停止中は消灯(非表示)とされる。これにより、変動状態表示器49の表示部c2を見ることで、第2特別図柄の変動状態(変動中、中断中、停止中、当否判定結果)を把握することが可能となる。また、変動状態表示器49は、第2特別図柄表示器41bよりも簡易な構成(表示器の数が少ない)としているため、大当り種別等を詳細に把握することは困難であるが、変動状態を容易に把握することが可能となる。また、変動状態表示器49(表示部c2)は、第2の第2特別図柄表示器41bとしての機能を果たしている。
【0055】
尚、変動状態表示器49の表示部c1に表示される表示態様(図柄)を、「第1状態図柄」や「第1副図柄」ともいう。また、表示部c1の停止態様から第1特別図柄当否判定の結果を確認可能であるため、「第1確認図柄(単に「確認図柄」ともいう)」ともいう。また、表示部c2に表示される表示態様(図柄)を、「第2状態図柄」や「第2副図柄」ともいう。また、表示部c2の停止態様から第2特別図柄当否判定の結果を確認可能であるため、「第2確認図柄(単に「確認図柄」ともいう)」ともいう。また、第1状態図柄は、第1特別図柄の変動表示及び停止表示に対応して変動表示及び停止表示をし、第2状態図柄は、第2特別図柄の変動表示及び停止表示に対応して変動表示及び停止表示をする。従って、第1特別図柄の特別図柄当否判定の結果が外れの場合、第1状態図柄は、消灯(外れ態様)で停止表示し、大当りの場合は大当り種別を問わず全て赤色点灯(大当り態様)で停止表示する。第2特別図柄と第2状態図柄との関係も同様である。
【0056】
また、普通図柄の変動状態を示す表示部c3は、表示部c1と同様に、普通図柄表示器42よりも少ない数のLED(表示部、表示器)である1個のLED(表示部)で構成されている。そして、普通図柄の変動表示中は、点滅表示し、普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄当否判定の結果に応じた表示態様で停止表示する。具体的に、外れの場合は消灯で停止表示し、当りの場合は当り種別を問わず赤色点灯で停止表示する。また、普通図柄の変動表示が中断(一時停止)する場合は、黄色点灯で停止表示する。
【0057】
従って、表示部c3は、普通図柄の変動表示中は点滅表示とされ、変動表示の中断中は黄色点灯表示とされ、当り図柄の停止中は赤色点灯表示とされ、外れ図柄の停止中は消灯(非表示)とされる。これにより、変動状態表示器49の表示部c3を見ることで、普通図柄の変動状態(変動中、中断中、停止中、当否判定結果)を把握することが可能となる。また、変動状態表示器49は、普通図柄表示器42よりも簡易な構成(表示器の数が少ない)としているため、当り種別等を詳細に把握することは困難であるが、変動状態を容易に把握することが可能となる。
【0058】
尚、変動状態表示器49の表示部c3に表示される表示態様(図柄)を、「第1状態普通図柄」や「第1副普通図柄」ともいう。また、第1状態普通図柄は、普通図柄の変動表示及び停止表示に対応して変動表示及び停止表示をする。従って、普通図柄の当否判定の結果が外れの場合は消灯(外れ態様)で停止表示し、当りの場合は当り種別を問わず赤色点灯(当り態様)で停止表示する。
【0059】
本実施例では、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b)と変動状態表示器49とを設け、何れによっても特別図柄の変動状態を把握可能としているため、変動状態を詳細に把握可能な多数のLEDを有する特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b)の何れかのLEDが故障(破損、断線等)した場合でも、変動状態表示器49によっておよその変動状態を把握することが可能となる。また、普通図柄表示器42と変動状態表示器49についても同様である。また、本実施例では、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b)と変動状態表示器49とを何れも主制御部で表示制御する。
【0060】
ここで、特別図柄や演出図柄の停止表示態様(変動表示の表示結果)のうち、特別図柄当否判定の結果が当り(大当り又は小当り)の場合に対応する停止表示態様のことを「当り態様」、「特定態様」、「特定表示態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定態様」、「非特定表示態様」又は「非特定表示結果」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」ともいい、特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に対応する停止表示態様のことを「小当り態様」ともいう。さらに、画像表示装置、第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)及び特別図柄表示部41の何れか又は全部を指して「変動表示手段」や「識別情報表示手段」ともいう。
【0061】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21又は第3始動口26への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部80のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得した情報であれば第1特図保留(「第1取得情報」ともいう)として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第3始動口26への入球に基づいて取得した情報であれば第2特図保留(「第2取得情報」ともいう)として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0062】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21又は第3始動口26への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち、夫々の特別図柄の変動表示の実行中や、何れかの特別図柄当否判定に基づく特別遊技の実行中は、所定個数(夫々4個)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保(保留)することができるようになっている。
【0063】
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的に、第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0064】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過(ゲートセンサ28aでの検知)に基づいて行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技(「特定遊技」ともいう)が行われる。また、補助遊技(特定遊技)を実行する手段(主制御部)を補助遊技実行手段(特定遊技実行手段)ともいう。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0065】
具体的に、
図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また、判定結果が外れである場合には、「s□t■」というようにtのLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。普通図柄が停止表示する前には、予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行される。その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0066】
本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部80のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示が、その通過時にすぐ実行できない場合、すなわち、普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中は、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保(保留)することができる。
【0067】
この普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的に、普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯し、rのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0068】
次に、
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」や「メイン制御部」や「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「副制御部」や「サブ制御部」や「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、第3演出保留表示器103a、及び第4演出保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0069】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0070】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第3始動口センサ26a、ゲートセンサ28a(開始ゲートセンサ29a)、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
【0071】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。第3始動口センサ26aは、第3始動口26内に設けられて第3始動口26に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28a(開始ゲートセンサ29a)は、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0072】
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び、第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、変動状態表示器49、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81(主制御部80)によりなされる。
【0073】
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及び、カードユニット135が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1参照)が含まれる。尚、カードユニット135とは、パチンコ遊技機1の一端側(通常は
図1紙面左側)に隣接して設置され、遊技者が所定の球貸出操作を行うことで、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするものである。
【0074】
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚、遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御される。
【0075】
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向(一方向)通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。また、
図5に示すように、副制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
【0076】
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPU(VDP)に、画像表示装置7(第1画像表示装置)、第2画像表示装置71、第3画像表示装置72、演出表示器102、第3演出保留表示器103a、及び第4演出保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU(VDP)は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0077】
演出表示器102は、2個のLEDからなり、そのうち一方のLEDが第1特別図柄の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、他方のLEDが第2特別図柄の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、対応するLEDの点灯・消灯、又は色により、第1特別図柄又は第2特別図柄の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、第3演出保留表示器103a、及び第4演出保留表示器103bも同様に、夫々2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、第3演出保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、第4演出保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。
【0078】
キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の一部又は略全体に表示したり、可動装飾部材14を表示画面7a(演出図柄表示部)の前方に動作させて表示画面7a(演出図柄表示部)の一部又は略全体を被覆したりすることで、演出図柄8、第1演出保留表示部9c、又は、第2演出保留表示部9dの一部又は全部が視認できない状態になることがある。このような被覆状態となった際も、確実に演出図柄の変動表示及び停止表示、保留個数等を確認可能なように、補助的に、これら演出表示器102、第3演出保留表示器103a、及び、第4演出保留表示器103bを設けている。尚、演出表示器102、第3演出保留表示器103a、及び、第4演出保留表示器103bの表示態様は、可動装飾部材14の動作等によって視認が阻害されることなく、常に視認できる状態となっている。また、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0079】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、副制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0080】
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚、可動装飾部材14は、
図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミック(可動部材)のことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0081】
また、副制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(
図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチから副制御基板90に対して信号が出力される。
【0082】
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における特別図柄当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」を有している。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
【0083】
当りには複数の種別があり、特別図柄当否判定の結果(特定結果)によって、当該結果(特定結果)に対応する当り種別が実行される。すなわち、特別図柄当否判定の結果が、第1特定結果であるのか、第2特定結果であるのか、第3特定結果であるのか、若しくは他の特定結果であるのか等によって、異なる当り種別(大当り、小当り含む)となる。また、当り種別によって、実行される特別遊技も異なる場合があり、当該特別遊技によって獲得可能な遊技利益量が異なったり、特別遊技終了後の遊技状態が異なったりする。具体的に、
図6に示すように当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「4R第2大当り」、「4R第3大当り」、「4R第4大当り」、「15R第5大当り」、「2R第6大当り」、及び「2R第7大当り」がある。「15R第1大当り」及び「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30)の開放回数(ラウンド数)が15回である。また、「4R第2大当り」、「4R第3大当り」、「4R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30)の開放回数(ラウンド数)が4回である。「2R第6大当り」及び「2R第7大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30)の開放回数(ラウンド数)が2回である。このように、大当りでは、全て第1大入賞口30を開放し、第2大入賞口35を開放しない。このことから、第1大入賞口30を「大当り用大入賞口(大当り用可変入球口)」ともいう。
【0084】
また、「15R第1大当り」、「4R第2大当り」、「4R第3大当り」、「15R第5大当り」、及び、「2R第6大当り」は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる(確変機能を作動させる)。従って、この5種類の大当りを「確変大当り(高確率大当り)」ともいう。この高確率状態(確変機能)は、次回の大当りが発生するまで継続する。また、「4R第4大当り」及び「2R第7大当り」は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の低確率状態に移行させる(確変機能を作動しない)。従って、この2種類の大当りを「低確大当り(低確率大当り、通常大当り)」ともいう。
【0085】
また、「15R第1大当り」、「4R第2大当り」及び「15R第5大当り」は、その大当り遊技の終了後に、第2特別図柄の変動時間を短時間に設定する「第2特別図柄時短機能」を作動させ、高ベース発生機能を作動させない。これにより、これらの大当り遊技終了後の遊技状態は、高確低ベース状態(状態C)となる。この高確低ベース状態は、次回の大当りが発生するまで継続する。尚、この高確低ベース状態においては、第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)を、低確低ベース状態や低確高ベース状態や高確高ベース状態と比較して、長時間に設定している。特に、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合の第1特別図柄の変動時間を長時間とする(
図9参照)。
【0086】
また、高確低ベース状態(状態C)の遊技性については、詳しくは後述するが、前述したように各種入球口を配置した右遊技領域3Bに右打ち遊技を行うことで、第3始動口26に入球させる。そして、第2特別図柄当否判定を行って、小当りを発生させ、前回の大当りと次回の大当りとの間の期間(大当り間)に遊技球を増加させることが可能な期間である。また、この大当り間の高確低ベース状態において小当りを頻発させることで、小当りによって短期間に多くの遊技球の獲得も期待できる。すなわち、遊技者にとって有利な期間であり、遊技興趣を高めることが可能な期間である。
【0087】
また、「4R第4大当り」及び「2R第7大当り」は、その大当り遊技の終了後に、「第1特別図柄時短機能」及び「高ベース発生機能」を作動させる。第1特別図柄時短機能の作動によって、第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)が、第1特別図柄時短機能の非作動時(低確低ベース状態、高確低ベース状態)よりも短時間に設定される。尚、第2特別図柄時短機能は作動させないため、第2特別図柄の変動時間は第1特別図柄の変動時間よりも長時間とされる。これにより、これらの大当り遊技終了後の遊技状態は、低確高ベース状態となる。「4R第4大当り」及び「2R第7大当り」の場合、低確高ベース状態は、次回の大当りが発生するか、若しくは、特別図柄の変動表示が100回実行されることに基づいて終了する。特別図柄の変動表示が100回実行されることに基づいて終了した場合には、遊技状態は、低確低ベース状態(通常状態)に設定される。また、詳しくは後述するが、低確高ベース状態では、前述したように各種入球口を配置した右遊技領域3Bに右打ち遊技を行うことで、第1特別図柄当否判定を行って、次の大当りの発生に期待して遊技を行う期間である。
【0088】
また、「4R第3大当り」及び「2R第6大当り」は、その大当り遊技の終了後に、「第1特別図柄時短機能」及び「高ベース発生機能」を作動させる。尚、第2特別図柄時短機能は作動させないため、第2特別図柄の変動時間は第1特別図柄の変動時間よりも長時間とされる。これにより、これらの大当り遊技終了後の遊技状態は、高確高ベース状態となる。「4R第3大当り」及び「2R第6大当り」の場合、「第1特別図柄時短機能」及び「高ベース発生機能」は、次回の大当りが発生するまで継続する。また前述した通り、「確変機能」は次回の大当りが発生するまで継続する。すなわち、「4R第3大当り」及び「2R第6大当り」の場合、大当り遊技終了後、次の大当りが発生するまで、高確高ベース状態(第1特別図柄時短状態)に設定される。
【0089】
高確高ベース状態は、低確高ベース状態と同様に、右遊技領域3Bに右打ち遊技を行うことで、第1特別図柄当否判定を行って、次の大当りの発生に期待して遊技を行う期間であり、高確低ベース状態は、前述した通り、右打ち遊技によって、第2特別図柄当否判定を実行しつつ、小当りを頻発させることで、小当りによって短期間に多くの遊技球の獲得も期待できる、遊技者にとって有利な期間である。尚、高確高ベース状態において獲得可能な遊技球よりも、高確低ベース状態において獲得可能な遊技球の方が多い。
【0090】
また、「4R第3大当り」に係る大当り遊技(4R第3大当り遊技)終了後の高確高ベース状態と、「4R第4大当り」に係る大当り遊技(4R第4大当り遊技)終了後の低確高ベース状態と、において、共通の遊技演出(第1遊技演出:背景や遊技モードやキャラクタ絵柄やリーチ演出等)を実行することで、遊技者に何れの遊技状態かを認識困難とする。
図9に示すように、これらの遊技状態を状態Bとして、共通の変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。これにより、両遊技状態を、遊技状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)を報知しない(認識困難とする)非報知状態とする。
【0091】
大当りの種別が「4R第3大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後も、高確高べース状態が継続し、「4R第4大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後に、遊技状態が低確低ベース状態(遊技者にとって不利な通常状態)となる。そのため、遊技者は、この非報知状態において、何れの遊技状態であったとしても、100回が経過した後も高確高ベース状態が継続することに期待して遊技し、遊技興趣を高める。尚、低確高ベース状態や高確高ベース状態、すなわち高ベース状態では、遊技者は、持ち球をあまり減らすことなく(持ち球の減少速度が低確低ベース状態よりも遅い状態で)遊技を行うことができる。
【0092】
また同様に、「2R第6大当り」に係る大当り遊技(2R第6大当り遊技)終了後の高確高ベース状態と、「2R第7大当り」に係る大当り遊技(2R第7大当り遊技)終了後の低確高ベース状態と、において、共通の遊技演出(第2遊技演出:背景や遊技モードやキャラクタ絵柄やリーチ演出等)を実行することで、遊技者に何れの遊技状態かを認識困難とする。
図9に示すように、これらの遊技状態を状態Bとして、共通の変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。これにより、両遊技状態を、遊技状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)を報知しない(認識困難とする)非報知状態とする。
【0093】
大当りの種別が「2R第6大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後も、高確高べース状態が継続し、「2R第7大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後に、遊技状態が低確低ベース状態(遊技者にとって不利な通常状態)となる。そのため、遊技者は、この非報知状態において、何れの遊技状態であったとしても、100回が経過した後も高確高ベース状態が継続することに期待して遊技し、遊技興趣を高める。
【0094】
また、第2特別図柄当否判定の結果として発生しうる小当りは、大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数が6回とされ、他の大当りと比較して、1回(及びトータル)の開放時間も短く設定されている。具体的に、0.3秒の6回開放で、合計1.8秒の開放を行う。そのため、大当り遊技(例えば、15R第1大当り遊技や4R第4大当り遊技等)と比較して、1回の小当り遊技で獲得可能な遊技球は少なく設定されている。しかしながら、大当り間の高確低ベース状態において、小当りを複数回(多数回)発生させることで、複数回の小当り遊技を実行し、より多くの遊技球を獲得可能となっている。また、小当りでは、全て第2大入賞口35を開放し、第1大入賞口30を開放しない。このことから、第2大入賞口35を「小当り用大入賞口(小当り用可変入球口)」ともいう。尚、小当り(小当り遊技)では、大当り(大当り遊技)と異なり、大入賞口の開放回数をラウンド数とは言わず、単に開放回数という。また、小当りの発生に基づいて、確変機能が作動することはなく、小当り発生時の遊技状態が高確率状態であれば、小当り遊技終了後も高確率状態とされ、小当り発生時の遊技状態が低確率状態であれば、小当り遊技終了後も低確率状態とされる。また同様に、第2特別図柄の時短機能及び高ベース発生機能についても、小当りの発生に基づいて作動しないものとしている。
【0095】
尚、第1特別図柄(特
図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが20%、4R第2大当りが10%、4R第3大当りが35%、4R第4大当りが35%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定における大当りは、15R第5大当りが50%、2R第6大当りが15%、2R第7大当りが35%となっている。すなわち、後述の第2特別図柄時短機能の作動により、変動頻度が向上した第3始動口26への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)により大当りとなった場合には、15R大当り(15R第5大当り)となって、短期間に多量の遊技球を獲得可能となる。このように、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第3始動口26に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる(多量の遊技球を獲得できる)可能性が高くなるように設定されている。また、遊技者は、15R第5大当りの発生と共に、小当りによって遊技球を増加可能な高確低ベース状態の発生に期待して遊技を行う。
【0096】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。尚、第1特別図柄当否判定の結果には小当りを有していない。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は0~629までの範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は、0~99までの範囲で値をとる。尚、第1始動口20、第2始動口21又は第3始動口26への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターン(変動態様)を決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄当否判定)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~240までの範囲で値をとる。
【0097】
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能(確変機能)、特別図柄及び普通図柄に対する変動時間短縮機能、及び、第2始動口21の開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」という。高確率状態(大当り確率:1/63)では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が低確率状態(大当り確率:1/315)よりも高くなっている。すなわち、低確率状態では低確率状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(
図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。尚、特別図柄当否判定の確率(大当り確率)として高確率又は低確率を設定する手段(主制御部)を「確率設定手段」という。
【0098】
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
【0099】
本実施例のパチンコ遊技機1では、第2特別図柄の変動時間の長短が遊技者の有利・不利に特に関係するため、
図6に示すように「第2特別図柄時短機能」として設定している。第2特別図柄時短機能が作動していない状態、すなわち、第1特別図柄当否判定を主体とする状態として、
図9に示す状態A(低確低ベース状態)及び状態B(低確高ベース状態、高確高ベース状態)を有している。状態A(低確低ベース状態)において、遊技者が右打ち遊技を行って第3始動口26に遊技球を入球させると、第2特別図柄当否判定が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示する。しかしながら、状態Aにおける第2特別図柄の変動時間は、非常に長い時間(外れ600秒、大当り110秒、小当り1000秒)に設定しているため、スムーズに遊技を進行できない(このような状態を「第1条件状態」ともいう)。尚、低ベース状態(第1遊技状態)であるため、第2始動口21への入球は不能又は困難な状態となっている。
【0100】
従って、状態Aにおいて右打ち遊技を行っても、遊技者が多量の遊技球を獲得することは困難となっている。そのため、状態Aでは、特別図柄の変動時間が適切な長さに設定される第1始動口20を狙って、左打ち遊技で遊技を進行することとなる。一方で、本実施例のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを、同時に(並行して)実行することが可能な遊技機であるので、状態Aのときに、誤って第2特別図柄を変動表示させた場合でも、当該第2特別図柄の変動表示が終了するのを待つことなく、第1始動口20に遊技球を入球させて、第1特別図柄を変動表示させることが可能となっている。
【0101】
一方、状態B(低確高ベース状態、高確高ベース状態)では、高ベース状態(第2遊技状態)で、且つ、第1特別図柄時短機能が作動しているため、右打ち遊技を行うことで、開状態となった第2始動口21及び第3始動口26の両方に入球可能となっている。状態Bは、状態Aと同様に、第2特別図柄時短機能は作動していない。そのため、第3始動口26に入球した場合には、第2特別図柄当否判定が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示するものの、第2特別図柄の変動時間は、非常に長い時間(外れ600秒、大当り110秒、小当り1000秒)に設定しているため、スムーズに遊技を進行できない。しかしながら、第2始動口21に入球した場合には、第1特別図柄当否判定が実行されると共に、第1特別図柄が変動表示する。また、第1特別図柄時短機能の作動により、第1特別図柄時短状態とされており、状態Aよりも高頻度で第1特別図柄当否判定が実行され、スムーズに遊技を進行することができる。
【0102】
また、第2特別図柄当否判定を主体とする状態として、
図9に示す状態C(高確低ベース状態)を有している。状態C(高確低ベース状態)では、第2特別図柄時短機能が作動しているため、右打ち遊技を行うことで、第3始動口26への入球を狙って遊技を行うことが可能となる。第3始動口26に入球した場合には、第2特別図柄当否判定が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示する。また、第2特別図柄時短機能の作動により、第2特別図柄時短状態とされており、状態A及び状態Bよりも高頻度で第2特別図柄当否判定が実行され、スムーズに遊技を進行することができる。これにより、第1特別図柄当否判定よりも有利な第2特別図柄当否判定を実行することが可能となる。
【0103】
尚、状態Cでは、第1始動口20や第2始動口21に入球した場合には、第1特別図柄当否判定が実行されると共に、第1特別図柄が変動表示するものの、第1特別図柄の変動時間は、非常に長い時間(外れ600秒、大当り110秒)に設定しているため、スムーズに遊技を進行できない。従って、状態Cにおいて、第1始動口20や第2始動口21に入球させてしまった場合や、第1特別図柄当否判定に係る保留記憶がある場合でも、第2特別図柄当否判定よりも不利な第1特別図柄当否判定が実行されてしまう可能性を極力低減することが可能となる。
【0104】
このように、状態Bと状態Cとは、何れも右打ち遊技を行う状態であるものの、状態Bでは状態Cと同様に、第1特別図柄当否判定を主体として行う遊技状態とされ、状態Cでは第2特別図柄当否判定を主体として行う遊技状態とされる。これにより、左打ち遊技を行う通常状態(低確低ベース状態、状態A)において大当りとなり、右打ち遊技に移行した後の、所謂連荘期間(右打ち状態)において、第1特別図柄当否判定を主体として行う遊技状態と第2特別図柄当否判定を主体として行う遊技状態との間で移行し、遊技性を多様化する。また、第1特別図柄当否判定を主体として行う遊技状態と第2特別図柄当否判定を主体として行う遊技状態とで、発生し得る大当り(大当り遊技)として異なる種別を有しているため、右打ち遊技継続中に、これら遊技状態の移行によって、異なる大当り(大当り遊技)を発生させる。これにより、遊技の飽きを防止し、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0105】
また、第2特別図柄時短機能が作動している場合、すなわち、
図9に示す状態Cのとき(このような状態を「第2条件状態」ともいう)、
図9に示すように、第2特別図柄の変動時間が短時間となるため、遊技者は、右打ち遊技を行うことで、左打ち遊技に比して持ち球を減らすことなく、円滑に遊技(第2特別図柄当否判定、第2特別図柄の変動遊技)を実行することが可能となる。また、本実施例では、第2特別図柄時短機能が作動している期間は、第1特別図柄時短機能を作動させていない(第1特別図柄の変動時間を通常状態よりも長時間にする)が、第1特別図柄時短機能を作動させてもよい。また、状態Bにおいては持ち球が維持又は微減で、状態Cにおいては増加するものとする。
【0106】
特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能(第1特別図柄時短機能又は第2特別図柄時短機能)とは同時に作動する。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、高ベース発生機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)において作動し、低ベース状態(低確低ベース状態、高確低ベース状態)において作動しない。よって、高ベース状態(状態B)では、普通図柄当否判定における当り確率は、低ベース状態よりも高くなっている(「普図高確率状態」ともいう)。すなわち、高ベース状態(状態B)では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が、低ベース状態(状態A、C)で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い状態B用の普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
【0107】
また、高ベース状態では、普通図柄の変動時間が低ベース状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は低ベース状態では3秒であるが、高ベース状態では1秒である(
図8(E)参照)。さらに、高ベース状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、低ベース状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。具体的に、低ベース状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.9秒の開放動作を3回(開放時間:2.7秒)行い、開放動作を行っている期間において第2始動口が開状態となる。また、高ベース状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が6.0秒の開放動作を1回(開放時間:6.0秒)行うものとされる。また、低ベース状態における開放動作間の閉鎖時間は0.1秒とされている。尚、本実施例では、低ベース状態のときと高ベース状態のときとで、開閉部材37の開放動作の回数を異ならせたが、開放動作の回数を同じにしてもよい。例えば、低ベース状態の開放動作を2.7秒の一回開放としたり、高ベース状態の開放動作を2.0秒の3回開放としたりしてもよい。また、高ベース状態の開放動作を1.0秒の6回開放とし、低ベース状態の開放回数よりも多くしてもよい。このような場合を、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動するともいう。
【0108】
高ベース状態では、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動することにより、これらの機能が作動していない低ベース状態に比して、第2始動口21が開放している期間が長くなり(単位時間当りの開放時間が長くなる)、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、第1特別図柄当否判定の実行頻度が高くなる。尚、前述した通り、高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0109】
また、同じ開放時間であれば、開放回数が少ない方が、遊技球が第2始動口21を通過する可能性を低減することが可能となる。本実施例では、高ベース状態における第2始動口21の開放態様を、6.0秒の1回開放とし、更に普通図柄の変動時間を極短時間(1秒)としている。尚、普通図柄の変動中は、第2始動口21が閉状態となるため、普通図柄の変動時間は、閉状態の第2始動口21の可動部材23の上面を、遊技球が流下し始めてから当該上面を通過してしまう前に、第2始動口21の可動部材23が開動作する程度の時間に設定する。閉状態の可動部材23の上面を流下中に、可動部材23が開状態となると、可動部材23の上面を流下中の遊技球は開状態となった第2始動口21に入球する。また、可動部材23の上面を流下中の遊技球が可動部材23の上面を通過してしまうのを防ぐため、可動部材23の上面(遊技球通路)を構成する素材を、その手前側の遊技球通路を構成する素材よりも、摩擦係数の高い素材としている(素材が異なる)。
【0110】
これにより、可動部材23の上面の遊技球流下速度を、その手前側の遊技球通路の遊技急流か速度よりも遅い速度としている。また、流下速度を低減する態様として、その他、傾斜角度を緩くしてもよいし、流下速度を低減する阻害部材(突起等)を設けてもよい。またこれにより、高ベース状態において、第2始動口21まで流下してきた遊技球が、第2始動口21に入球することなく(可動部材23の上面を流下して)、第2大入賞口35に流下する可能性をより低減している。すなわち、高ベース状態においては、小当りとなり第2大入賞口35が開状態(入球可能状態)となったとしても、流下してきた遊技球は第2始動口21に入球し、第2大入賞口35に入球するのが困難となっている。また、第2大入賞口35側に流下した遊技球が第2大入賞口35に入球するのを、第3アウト口34cによっても防ぐことができる。
【0111】
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」という。
【0112】
前述した通り、本実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が遊技者にとって有利であるので、遊技者は第1特別図柄を変動表示させることなく、第2特別図柄を変動表示させようとする可能性がある。すなわち、通常状態(低確低ベース状態)であっても、右打ち遊技を行おうとする可能性がある。しかしながら、前述したように、通常状態(低確低ベース状態)では、第2特別図柄の変動時間(平均変動時間)を、第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)と比べて極めて長期間に設定しているため、通常状態で第2特別図柄を変動表示させても(第3始動口26に入球させても)、多くの回数変動表示させることができず、遊技効率が非常に悪いものとなっている。すなわち、右打ち遊技により第2特別図柄を変動表示させるよりも、左打ち遊技によって第1特別図柄を変動表示させる方が、遊技者に有利となる。ここで、「第1特別図柄が遊技中でない状態(非遊技状態)」とは、第1特別図柄が変動表示中でなく(確定停止表示時間含む)且つ第1特別図柄の保留数が「0」であることをいう。また、「第2特別図柄が遊技中でない状態(非遊技状態)」とは、第2特別図柄が変動表示中でなく(確定停止表示時間含む)且つ第2特別図柄の保留数が「0」であることをいう。
【0113】
また、高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、第2始動口21が開状態となる頻度が向上すると共に、第1特別図柄時短機能により、第1特別図柄の変動時間が短時間となり、右打ち遊技による遊技効率がよくなる。このような場合には、左打ち遊技を行うよりも右打ち遊技を行って第1特別図柄当否判定を行った方が、有利に遊技を進行できる。また、高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。
【0114】
また、高確低ベース状態では、第2特別図柄時短機能により、第2特別図柄の変動時間が短時間となり、右打ち遊技による遊技効率がよくなる。このような場合には、右打ち遊技を行って遊技者にとって有利な第2特別図柄当否判定を行った方が、有利に遊技を進行できる。また、高確低ベース状態においては、第2始動口21への入球頻度は、低確低ベース状態(通常状態)と同様であり、第2始動口21への入球に基づいて実行される第1特別図柄の変動時間は(低確低ベース状態と比較して)長時間に変化している。また、高確低ベース状態では、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能が何れも作動していないため、第2始動口21への入球頻度が高ベース状態と比較して低い。そのため、第2始動口21への入球に基づく賞球は、高ベース状態ほど得ることができない。しかしながら、その代わりに、第2特別図柄当否判定によって、高い確率で発生する小当り(小当り確率:420/630)によって、大当り間に遊技球が減少することを防ぎ、むしろ小当りを頻発させる(複数回発生させる)ことによって、持ち球を増加させることも可能である。
【0115】
すなわち、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)においては、右打ち遊技によって、第2始動口21への入球を頻発させることで、第2始動口21への入球に対する賞球を獲得して、持ち球を大きく減らすことなく、第1特別図柄当否判定によって次の大当りの発生を狙う。尚、本実施例では、第2始動口21への入球に基づく賞球数が1個に設定されており、右打ちした遊技球が全て第2始動口21に入球したとしても、遊技球が増加することはない(維持となる)。また、本実施例では、右打ちした遊技球の約75~85%が第2始動口21に入球するような設定とされているため、他の入球口に入球しない限り、高ベース状態を長期間継続すると、若干ではあるが持ち球を減少する仕様となっている。また、第2アウト口34bの周辺の遊技釘を調整することで、第2始動口21への遊技球の入球率を調整することが可能となる。
【0116】
一方、高確低ベース状態においては、右打ち遊技によって、第3始動口26への入球に基づく第2特別図柄当否判定によって高頻度(420/630)で小当りを発生させて、高確低ベース状態中に小当り遊技での持ち球の増加を図ると共に、第1特別図柄当否判定よりも有利な第2特別図柄当否判定によって次の大当りの発生を狙う。尚、本実施例1のパチンコ遊技機では、高確低ベース状態においては、次の大当りが発生しない期間が長いほど(高確低ベース状態の期間が長く続くほど)、多数の小当り発生させる(小当り遊技を実行する)機会が多くなり、遊技者に有利となる。
【0117】
[盤面構成と遊技状態の説明]
また、
図3に示すように、右遊技領域3B(第2遊技領域)には、各種入球口が、遊技領域の上流側からゲート28(開始ゲート29)、第1大入賞口30、第2始動口21、第2第入賞口35の順に、最適な順序で配置されている。また、右遊技領域3Bの遊技球流下通路が
図3に示すように形成されているため、これらの各入賞口が閉状態のときは、右遊技領域3Bに発射した遊技球の90%程度は、ゲート28(開始ゲート29)を通過し、その後第1大入賞口30の開閉部材32上面を流下し、その後第2始動口21の可動部材23上面を流下し、その後第2第入賞口35の開閉部材37上面を流下し、アウト口34への流下する構成とされている。そして、その流下途中に開状態の入賞口がある場合には、当該入賞口に入球し、当該入賞口から遊技盤裏面に排出され、入球した遊技球は、それより下流の遊技領域にはいかない構成となっている。また、ゲート28側に流入しない残りの10%程度は、ゲート28の上流側に設けた第2アウト口34bに入球し、遊技機外に排出される。また、この第2アウト口34bの周辺の遊技釘の角度を調整することで、ゲート28側への遊技球の流入割合を調整することが可能である。
【0118】
ゲート28を最上流に配置したことで、開放した第2始動口21等によって、ゲート28に遊技球が到達するのが阻害されるといった事態の発生を防止することができる。また、普通図柄保留が「0」となって、待ち時間(普通図柄が変動しないといった状態)が発生してしまうのを極力防止できる。すなわち、右遊技領域の最上流にゲート28を配置したことで、他の入賞口の開放の有無に関係なく、右打ちしたほとんど全ての遊技球をゲート28に通過させることができる。また、ゲート28を通過した遊技球は、そのまま右遊技領域を下流側に流下するため、ゲート28の存在が他の入賞口への入球を阻害することもない。
【0119】
高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)において右打ち遊技を行うと、まず遊技球がゲート28を通過し、第2始動口21を開状態とするかどうかの判定が実行される。高ベース状態では、普通図柄の変動時間が短時間(1秒)に設定され、且つ、普通図柄当り確率もほぼ当りとなる高確率(239/240)に設定されているため、遊技球がゲートを通過した後すぐに(1秒後に)、可動部材23が動作して第2始動口21が開状態となる。すなわち、ゲート28を遊技球が通過して普通図柄当否判定が実行され、普通図柄が変動表示する場合、当該ゲートを通過した当該遊技球が第2始動口21の入口に到達する前に、第2始動口21は開状態となる。また、第2始動口21の開放時間も6.0秒の1回開放とされるため、右打ち遊技を継続する限り、第2始動口21は、1秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、その後6.0秒の1回開放を行う、1秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、その後6.0秒の1回開放を行う、というサイクルを繰り返すこととなる(1秒閉鎖→6.0秒開放→1秒閉鎖→約6.0秒開放→・・・)。
【0120】
従って、高ベース状態で右打ち遊技を行うと、第2始動口21がほぼ開放した状態となり、右遊技領域3Bを流下する遊技球は、ほとんど(約70~80%)第2始動口21に入球することとなる。また、遊技球が第2始動口21に入球すると、第1特別図柄当否判定が実行される。第1特別図柄当否判定では、高確高ベース状態においては、1/63の確率で大当りとなり、小当りは発生せず、62/63の確率で外れとなる。
【0121】
まず、第1特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合、右遊技領域3Bを流下する遊技球は、ゲート28を通過した後、ほとんど(約70~80%)の遊技球は開状態となる第2始動口21に入球し、その他の遊技球は第2始動口21の手前で分岐する遊技球通路から下流に流下し、第2始動口21に流下することなく、第3始動口26に入球するか、アウト口34に流入する。これにより、第1特別図柄当否判定が連続的に(高頻度で)実行される。尚、第2始動口21に1個入球したことによって、1個の賞球が排出されるため、持ち球の減少速度を低減して第1特別図柄当否判定を実行し、次の大当りを狙うことが可能となる。また、第3始動口26に1個入球したことによっても、1個の賞球が排出される。
【0122】
次に、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、第2始動口21の上流側の第1大入賞口30が、
図6に示す大当り種別に応じた態様で開状態となる。また、第2始動口21の下流側に設けられた第2大入賞口35は、大当り遊技において開状態としない。これにより、大当り遊技か開始されると、右打ちに遊技よって流下する遊技球は、第2始動口21等の他の入賞口によって入球を阻害されることなく、円滑に第1大入賞口30に入球する。ここで、第2始動口21を第1大入賞口30よりも上流に配置した場合、大当り遊技中は低ベース状態に移行するものの、本実施例では、低ベース状態でも第2始動口21が開状態となりうる仕様としているため、大当り遊技中に右遊技領域を流下する遊技球が、第2始動口21に先に入球してしまい、第2始動口21に入球しなかった遊技球だけが第2大入賞口30に入球するといった事態が生じる。
【0123】
しかも、第2始動口21への入球に基づく賞球は1個とされているため、大当り遊技の実行時間が徒に長期間化するだけで、遊技者には何らのメリットもない。むしろ、遊技が冗長となり、円滑に進まず、遊技興趣を低下させる虞がある。そこで、本実施例のように、第1大入賞口30を、第2始動口21の上流側に配置することで、そのような事態を防止し、大当り遊技を円滑に進行することが可能となる。尚、大当り遊技中以外は第1大入賞口30が開放することはないため、大当り遊技中以外のときに、第1大入賞口30が第2始動口21への入球を阻害することもない。
【0124】
次に、高確低ベース状態について説明する。高確低ベース状態は、低ベース状態であるが、第2特別図柄の変動時間が短時間となるため、右打ちで遊技を進行するのが遊技者にとって有利となっている。高確低ベース状態において右打ち遊技を行うと、まず遊技球がゲート28を通過し、第2始動口21を開状態とするかどうかの判定(普通図柄当否判定)が実行される。低ベース状態(高確低ベース状態)では、普通図柄の変動時間が高ベース状態と比べて長時間(3秒)に設定され、且つ、普通図柄当り確率も高ベース状態と比較して低い確率(1/240)に設定されているため、遊技球がゲートを通過した後、少し時間をおいて(3秒後に)、当りとなれば可動部材23が動作して第2始動口21が開状態となる。当りとなる確率は1/240に設定されているので、ほぼ外れとなり、第2始動口21が開状態となる可能性は低い。尚、このような態様に変えて、低ベース状態における普通図柄当否判定で当りとなる確率を0/240とし、全て外れ結果となるようにしてもよい。このようにすれば、低ベース状態において第2始動口21が開状態となることはない。また、高ベース状態における当り確率は同様に、239/240とする。
【0125】
すなわち、高確低ベース状態では、第2始動口21が開状態となる確率は非常に低く設定されているため、第2始動口21入口まで流下してきた遊技球が、第2始動口21に入球する可能性は低く、可動部材23の上面を通過して第2大入賞口35入口まで到達する可能性が高く設定されている。尚、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなる可能性は、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)であっても、高確低ベース状態であっても変わらない。すなわち、小当り確率は遊技状態にかかわらず、変化しない(小当り確率:420/630)。また、第1特別図柄当否判定の結果には小当りを有しておらず、第2特別図柄当否判定の結果にだけ小当りを有している。
【0126】
開閉部材32の上面を通って第1大入賞口30の下流に流下する遊技球は、分岐部によって、第3始動口26側通路と、第2始動口21側通路とに分岐する。第3始動口26側通路に流入した遊技球が第3始動口26に入球すると、第2特別図柄当否判定が実行される。また、高確低ベース状態では、遊技球がゲート28を通過しても第2始動口21が開状態となる可能性は低いため、第2始動口21側通路に流入した遊技球は、ほぼ全てが、第2始動口21に入球することなく、第2始動口21の下流に設けられた第2大入賞口35及び第3アウト口34c側に流下する。
【0127】
また、第3始動口26に入球することに基づいて実行された第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなった場合、第2始動口21の下流側の第2大入賞口35が、
図6に示す小当り用の開閉態様で開状態となる。具体的には、0.3秒の開動作を6回実行する(開動作間の閉鎖時間は0.1秒、総開放時間1.8秒)。そして、第2始動口21側通路に流入した遊技球は、閉状態の第2始動口21の可動部材23の上面を通過して第2大入賞口35まで流下し、小当り遊技によって開状態となっている第2大入賞口35に入球する。
【0128】
第2大入賞口35への入球に基づく賞球は、1個の入球に対して10個の賞球とされているため、小当り遊技中に第2大入賞口35に入球させることで、高確低ベース状態中に持ち球を増加させることが可能となる。また、高確低ベース状態は、少なくとも、特別図柄当否判定によって次の大当りが発生するまで継続するため、高確低ベース状態が長期間継続するほど、遊技者は、持ち球を増加させることが可能となる。尚、高確高ベース状態では、第2特別図柄時短状態であると共に第1特別図柄の変動時間が長時間(第1特別図柄長時間状態)に設定されているため、第2特別図柄当否判定の実行頻度が第1特別図柄当否判定の実行頻度よりも高い。尚、本実施例では、1回の小当り遊技の発生により、平均して約20個の賞球(2個の入球)を獲得可能としている。この小当り遊技を次の大当りが発生するまでの期間に複数回(多数回)発生させることで、多量の遊技球を増加させる(例えば、10回で200個)ことも可能となる。またこれにより、右打ち遊技を継続する「連荘期間」の総獲得球として、大当り遊技の獲得球に加えて小当り遊技の獲得球を加算でき、より大量の遊技球を獲得可能となる。またこれにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0129】
また、ゲート28、大当り用(大当り専用)の第1大入賞口30及び第2始動口21よりも下流(これらのなかで最下流)に配置した第2大入賞口35は、小当り用(小当り専用)の大入賞口とされている。また、小当り用の大入賞口である第2大入賞口35を、第2始動口21よりも下流に配置することで、第2始動口21の開動作(開閉制御)によって、第2大入賞口35に到達する遊技球の数(割合)を制御可能としている。具体的には、第2始動口21の開閉制御(開状態となる時間、普通図柄の変動時間、普通図柄当否判定の当り確率)によって、小当り遊技が実行された場合に、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)よりも、高確低ベース状態の方が、第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性を高くしている。また、本実施例では、
図3に示すように、第2始動口21を(入球することなく)通過しない限り、第2大入賞口35へは到達しない流路を形成することで、第2始動口21の開閉制御による効果を、より効果的なものとしている。
【0130】
また、本実施例では、小当り遊技が発生し得る低確高ベース状態では、第2始動口21はほとんど開状態とならない構成としているため(全く開状態とならない構成としてもよい)、小当り遊技発生時の第2大入賞口35への入球率を、第2始動口21への入球によって調整するのは困難である。そこで、第2始動口21と第2大入賞口35との間に、第3アウト口34cを設け、この第3アウト口34cへの入球率を調整可能とすることで、第2大入賞口35への入球率を調整可能としている。
【0131】
またこれにより、同じ右打ち遊技であっても、第2始動口21に遊技球を入球させて持ち球をほぼ維持(微増又は微減を含む)しながら(又は、持ち球減少の速度を抑制しながら)、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(有利な大当り)となることに期待して遊技する状態(高ベース状態)と、第3始動口26に遊技球を入球させて小当り発生時に第2大入賞口35に入球させて持ち球を増加させながら、第2特別図柄当否判定の結果が大当り(有利な大当り)となることに期待して遊技する状態(高確低ベース状態)と、を有し、遊技性を多様化している。またこれにより、遊技興趣を高めることが可能となる。尚、遊技者にとっては、高ベース状態よりも、持ち球の増加を図ることが可能な高確低ベース状態の方が有利な遊技状態となる。また、右打ち遊技を継続しているなかで、高ベース状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)と、高確低ベース状態と、を移行し得るので、これによっても遊技性を多様化し、遊技興趣を高める。
【0132】
また、開始ゲート29は、ゲート28と兼用することで、右遊技領域3Bにおいて最上流に設けている。これにより、大当り待機状態となった場合に、第2始動口21等によって開始ゲート29への通過を阻害されることなく、任意のタイミングで遊技球を開始ゲート29に通過させ、大当り遊技を開始することが可能となる。尚、開始ゲート29及びゲート28は別個に設けてもよいが、その場合、開始ゲート29は、ゲート28より上流であっても下流であっても構わないが、第1大入賞口30、第2始動口21、第3始動口26、第2大入賞口35よりは上流に設けることを要する。
【0133】
また、右打ち遊技を行うべき状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。また、左打遊技を行うべき状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。具体的に、発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0134】
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1では、識別情報(特別図柄、演出図柄)の変動表示が行われるときの遊技状態を「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、「低確高ベース状態」及び「高確高ベース状態」の何れかに制御可能としているが、そのうち、低確低ベース状態のことを「通常遊技状態」ともいい、高確低ベース状態のことを「特定遊技状態」ともいう。
【0135】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図46に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
図10に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。また、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特
図1」や「第1特図」、第2特別図柄を「特
図2」や「第2特図」ということがある。
【0136】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0137】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4msec周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0138】
[割り込み処理]
次に、
図11を用いて割り込み処理(S105)について説明する。割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0139】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第3始動口センサ26a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(
図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、余剰球受皿62(「下皿」ともいう)の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0140】
次いで、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同様の処理である。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。これにより、各種乱数の取得値にランダム性を持たせている。
【0141】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特
図1動作処理(S207)、特
図2動作処理(S208)、保留球数処理(S209)、及び、電源断監視処理(S210)を実行する。その後、その他の各種処理(S211)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80(主制御部)のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは、主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0142】
[始動口センサ検知処理]
次に、
図12を用いて、始動口センサ検知処理(S204)について説明する。始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過したと判定した場合(S301でYES)、次いで、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定する(S302)。一方、S301、遊技球がゲート28を通過していないと判定した場合(S301でNO)、S305に進む。
【0143】
S302で、普通図柄保留球数が4以上であると判定した場合(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でないと判定した場合(S302でNO)、記憶されている普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行い、S305に進む。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報、普図取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0144】
S305では、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。S305で、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が入球していないと判定した場合(S305でNO)、S309に進む。一方、S305で、第1始動口20又は第2始動口21に遊技球が入球したと判定した場合(S305でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、S306で、特
図1保留球数が4個に達していると判定した場合(S306でYES)、S309に進む。S306で、特
図1保留球数が4個未満であると判定した場合(S306でNO)、記憶されている特
図1保留球数に1を加算し(S307)、特
図1関係乱数取得処理を行い(S308)、S309に進む。
【0145】
特
図1関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(
図7(A)に示す乱数の値)、それら取得乱数値(取得情報、特図取得情報)を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0146】
S309では、第3始動口26に遊技球が入球したか否か、即ち、第3始動口センサ26aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。S309で、第3始動口26に遊技球が入球していないと判定した場合(S309でNO)、処理を終える。一方、S309で、第3始動口26に遊技球が入球したと判定した場合(S309でYES)、次いで、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、S310で、特
図2保留球数が4個に達していると判定した場合(S310でYES)、処理を終える。S310で、特
図2保留球数が4個未満であると判定した場合(S310でNO)、記憶されている特
図2保留球数に「1」を加算し(S311)、特
図2関係乱数取得処理を行い(S312)、処理を終える。
【0147】
特
図2関係乱数取得処理(S312)では、特
図1関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、及び、変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(
図7(A)に示す乱数値)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0148】
[始動入球時処理]
次に、
図13を用いて、始動入球時処理(S205)について説明する。遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。
図13に示すように、始動入球時処理(S205)ではまず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特
図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特
図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特
図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
【0149】
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定(事前判定)し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定(事前判定)する。このS317による判定(事前判定)は、特
図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特
図2当否判定処理における当否判定に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
【0150】
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
【0151】
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(大当り情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報(大当り種別情報)、特別図柄当否判定用乱数値が小当り判定値と一致するか否かを示す情報(小当り情報)、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特
図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特
図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特
図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特
図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特
図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
【0152】
また、主制御部80から送信した特
図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、小当りに係る情報であるかどうか等を、サブ制御部90が識別できる。また、本実施例では、これに加えて、特
図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特
図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び、低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能としている。これにより、サブ制御部90は、受信した特
図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
【0153】
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報と、を含むコマンドデータを特
図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
【0154】
次いでS319では、前述の特
図2に係る処理と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特
図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S321の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特
図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特
図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特
図1当否判定処理における当否判定に先立って行うものである。
【0155】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401,S403,S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0156】
[普通図柄待機処理]
次に、
図15を用いて普通図柄待機処理(S402)について説明する。普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、S501で「0」であると判定した場合(S501でYES)、処理を終える。一方、S501で、「0」でないと判定した場合(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が高ベース状態(状態B)であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が低ベース状態(状態A、C)であれば、普通図柄の変動時間が3秒の普通図柄変動パターンを選択する。また、普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理を行い(S504)、次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始すると共に、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0157】
[普通図柄当否判定処理]
次に、
図16を用いて普通図柄当否判定処理(S502)について説明する。普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、状態BフラグがONか否か、すなわち、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)であるか否かを判定する(S602)。S602で、状態BフラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定された場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち状態B用のテーブル(当り判定値が「0」~「238」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。
【0158】
一方、S602で、状態BフラグがONでない、すなわち、低ベース状態であると判定された場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち状態A(状態C)用のテーブル(当り判定値が「0」~「119」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0159】
[普通図柄乱数シフト処理]
次に、
図17を用いて普通図柄乱数シフト処理(S504)について説明する。普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0160】
[普通図柄変動中処理]
次に、
図18を用いて普通図柄変動中処理(S404)について説明する。
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していないと判定した場合(S801でNO)処理を終える。一方、経過したと判定した場合(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットし(S802)、普図動作ステータスを「3」にセットし(S803)、次いで、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S804)、処理を終える。
【0161】
[普通図柄確定処理]
次に、
図19を用いて普通図柄確定処理(S406)について説明する。普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでないと判定した場合(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、処理を終える。一方、普図当りフラグがONであると判定した場合(S901でYES)、次いで、状態BフラグがONであるか否か、すなわち、高ベース状態か否かを判定する(S902)。S902で、状態BフラグがONであると判定した場合(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして状態B用(高ベース状態用)の開放パターンをセットし(S903)、S904に移行する。状態B用(高ベース状態用)の開放パターンとは、前述の通り、1.8秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0162】
これに対して、状態BフラグがONでないと判定した場合(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして状態A及び状態C用(低ベース状態用)の開放パターンをセットし(S906)、S904に移行する。状態A及び状態C用(低ベース状態用)の開放パターンとは、前述の通り、0.9秒の開放を3回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。S904では、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0163】
[普通電動役物処理]
次に、
図20を用いて普通電動役物処理(S407)について説明する。普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。普図当り終了フラグがONでないと判定した場合(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。S1002で、第2始動口が開放中でないと判定した場合(S1002でNO)、次いで、第2始動口21を開放させる時期に至ったか否かを判定し(S1003)、開放時期に至っていないと判定した場合(S1003でNO)、処理を終える。一方、S1003で、第2始動口の開放時期であると判定した場合(S1003でYES)、第2始動口を開放する制御を実行し(S1004)、処理を終える。また、S1002で、第2始動口21の開放中であると判定した場合(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖する時期かどうか(すなわち、第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したかどうか)を判定し(S1005)、第2始動口の閉鎖時期でないと判定した場合(S1005でNO)、処理を終える。S1005で、第2始動口の閉鎖時期であると判定した場合(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする処理を行い(S1006)、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、S1008の処理に移行する。
【0164】
S1008では、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。S1008で、開放カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方、S1008で、開放カウンタの値が「0」であると判定した場合(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行い(S1009)、普図当り終了フラグをセットし(S1010)、処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、状態B(高ベース状態)中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、状態A及び状態C(低ベース状態)中も第2始動口21の開放が3回なされると「0」になる。これに対してS1001で、普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにし(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットし(S1013)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図14)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0165】
[特
図1動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特
図1動作処理(S207)を行う。この特
図1動作処理を
図21~
図29を用いて説明する。特
図1動作処理(S207)では、
図21に示すように、特別図柄表示部41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特
図1動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特
図1動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄1待機処理(S1102)を行い、「特
図1動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄1変動中処理(S1104)を行い、「特
図1動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄1確定処理(S1106)を行い、「特
図1動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特
図1動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、処理を終える。尚、特
図1動作ステータスは、初期設定では「1」である。また、第1特別図柄当否判定の結果として小当りを設定していないため、特
図1動作処理では特別電動役物処理2を実行しないが、第1特別図柄当否判定の結果として小当りを設定してもよい。この場合、「特
図1動作ステータス」が「5」のときに、小当り遊技としての特別電動役物処理2を実行する。
【0166】
[特別図柄1待機処理]
次に、
図22を用いて特別図柄1待機処理(S1102)について説明する。特別図柄1待機処理(S1102)ではまず、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。S1201で、特
図1保留球数が「0」である、すなわち、第1始動口20への入球に基づいて取得した乱数カウンタ値の記憶がないと判定した場合(S1201でYES)、次いで、特
図2が遊技中か否かを判定する(S1207)。そして、S1207で、特
図2が遊技中であると判定した場合(S1207でYES)、処理を終える。一方、S1207で、特
図2が遊技中でないと判定した場合(S1207でNO)、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1208)、待機画面中であると判定した場合(S1208でYES)、処理を終える。一方、S1208で、待機画面中でないと判定した場合(S1208でNO)、待機画面を表示するための待機画面設定処理を実行し(S1209)、処理を終える。
【0167】
また、S1201で、特
図1保留球数が「0」でない、すなわち、第1始動口20への入球に基づいて取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上あると判定した場合(S1201でNO)、後述する特
図1当否判定処理(S1203)、特
図1変動パターン選択処理(S1204)、特
図1乱数シフト処理(S1205)、特
図1変動開始処理(S1206)をこの順に行う。ここで「特
図2(第2特別図柄)が遊技中でない」とは、特
図2が変動表示中でなく(確定停止表示時間を含む)且つ特
図2保留球数が「0」であることを意味する。もちろん、特
図2に係る大当り遊技や小当り遊技も実行されていないことを意味する。
【0168】
[特
図1当否判定処理]
次に、
図23を用いて特
図1当否判定処理(S1203)について説明する。特
図1当否判定処理(S1203)ではまず、判定値として、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1601)。次いで、特
図2大当り変動フラグがONか否か、すなわち、第2特別図柄が大当りに係る変動表示を実行中であるか否かを判定する(S1602)。S1602で、特
図2大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1602でYES)、S1607の処理に移行する。
【0169】
すなわち、本実施例1のパチンコ遊技機1では、一方の特別図柄が大当りに係る変動表示を実行中の場合、他方の特別図柄の当否判定において、大当りかどうかの判定を行わず、小当り又は外れのいずれかとされる(すなわち、大当りと判定されることはない)。尚、第1特別図柄当否判定の結果として小当りを有していないので、第2特別図柄が大当りに係る変動表示を実行中の場合、その間に実行する第1特別図柄当否判定の結果は、全て外れとなる。S1602で、特
図2大当り変動フラグがONでない、すなわち第2特別図柄は大当りに係る変動表示を実行していないと判定した場合(S1602でNO)、次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1603)。S1603で、確変フラグがONでない、すなわち、低確率状態であると判定した場合(S1603でNO)、大当り判定テーブル(
図8(A))のうち通常状態用(低確率状態用)の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1604)。一方、確変フラグがONであると判定した場合(S1603でYES)、大当り判定テーブル(
図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1605)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「5」、「7」、「311」、「313」、「317」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0170】
S1606では、大当り判定(S1604、S1605)の結果が「大当り」かどうかを判定し(S1606)、大当りと判定された場合(S1606でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1608)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1609)、特
図1大当り変動フラグをONにし(S1610)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特
図1)の当否判定で大当りと判定した場合、15R第1大当り、4R第2大当り、4R第3大当り、及び、4R第4大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りと判定された場合は、15R第5大当り、2R第6大当り、及び、2R第7大当りのうち何れかが実行される(
図8(B))。一方、大当り判定(S1604、S1605)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1606でNO)、S1607の処理に移行する。S1607では、外れ図柄を決定し(S1607)、処理を終える。
【0171】
ここで、本実施例1では、大当り変動フラグとして、第1特別図柄が大当りに係る変動表示(大当り図柄が停止表示することとなる変動表示)を実行中であることを示す第1大当り変動フラグと、第2特別図柄が大当りに係る変動表示(大当り図柄が停止表示することとなる変動表示)を実行中であることを示す第2大当り変動フラグと、を有しており、主制御部80のRAMに設けられる大当り変動フラグ記憶手段に該当するフラグがセットされる。また、小当り変動フラグとして、第2特別図柄が小当りに係る変動表示(小当り図柄が停止表示することとなる変動表示)を実行中であることを示す第2小当り変動フラグと、を有しており、主制御部80のRAMに設けられる小当り変動フラグ記憶手段に該当するフラグがセットされる。そして、一方の特別図柄について、大当り変動フラグがセットされている場合(すなわち、大当りに係る変動表示中の場合)には、他方の特別図柄当否判定においては、大当りか否かを判定する処理を行わない。すなわち、両方の特別図柄が大当りに係る変動表示を並行して実行するような制御は行われない。これにより、遊技者に対して極短時間であまりに多量の遊技利益を付与するといった事態を防止し、射幸性を適度に抑制することが可能となる。
【0172】
[特
図1変動パターン選択処理]
特別図柄1待機処理(
図22)では、特
図1当否判定処理(S1203)に次いで、特
図1変動パターン選択処理を行う(S1204)。
図24及び
図25に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1204)ではまず、遊技状態が状態Aか否か(低確低ベース状態か否か)を判定する(S1701)。そして、S1701で、状態Aであると判定した場合(S1701でYES)、次いで、特
図1大当り変動フラグがONか否かを判定し(S1702)、特
図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1702でYES)、状態A大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態A且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1703)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、本実施例1では、状態A大当り用テーブルによって、変動時間の長さが異なる変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。
【0173】
一方、特
図1大当り変動フラグがONでないと判定した場合(S1702でNO)、次いで、保留球数(保留数)が1又は2の何れかであるかどうかを判定する(S1705)。S1705で、保留数が1又は2の何れかであると判定した場合(S1705でYES)、状態A第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態A且つ外れ且つ保留数1,2に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する。本実施例1では、変動パターンP4乃至P7が選択される。
【0174】
また、S1705で、保留数が1又は2の何れでもない、すなわち、保留数が3又は4の何れかであると判定した場合(S1705でNO)、状態A第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態A且つ外れ且つ保留数3,4に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する。これにより、第1特別図柄の保留球数が「3」又は「4」のときは、第1特別図柄の保留球数が「1」又は「2」のときと比較して、変動時間の短い変動パターンが選択される可能性が高くなっている。本実施例1では、変動パターンP8乃至P11が選択される。これにより、保留球数に応じた短縮変動の機能が働き、平均変動時間が短くなる。
【0175】
また、S1701で、遊技状態が状態A(低確低ベース状態)でないと判定した場合(S1701でNO)、次いで、遊技状態が状態B(低確高ベース状態、高確高ベース状態)かどうかを判定する(S1708)。S1708で、状態Bであると判定した場合(S1708)、次いで、特
図1大当り変動フラグがONか否かを判定し(S1709)、特
図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1709でYES)、状態B大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態B且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1710)。本実施例1では、変動パターンP15乃至P16が選択される。S1709で、特
図1大当り変動フラグがOFFであると判定した場合(S1709でNO)、状態B外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態B且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。本実施例1では、変動パターンP17乃至P19が選択される。
【0176】
また、S1708で、遊技状態が状態B(低確高ベース状態、高確高ベース状態)でない、すなわち、遊技状態が状態C(高確低ベース状態)であると判定した場合(S1708でNO)、次いで、特
図1大当り変動フラグがONか否かを判定し(S1712)、特
図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1712でYES)、状態C大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態C且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1710)。本実施例1では、変動パターンP23が選択される。S1712で、特
図1大当り変動フラグがOFFであると判定した場合(S1712でNO)、状態C外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち状態C且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。本実施例1では、変動パターンP24が選択される。
【0177】
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図24に示すその他の処理を実行し(S1704)、処理を終える。尚、その他の処理(S1704)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送られる。
【0178】
[特
図1乱数シフト処理]
次に、
図26を用いて特
図1乱数シフト処理(S1205)について説明する。特
図1乱数シフト処理(S1205)ではまず、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第1特図保留記憶部85aがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。特
図1乱数シフト処理(S1205)を実行した後は、
図22の特
図1変動開始処理(S1206)を実行する。特
図1変動開始処理(S1206)では、特
図1動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0179】
[特別図柄1変動中処理]
次に、
図27を用いて特別図柄1変動中処理(S1104)について説明する。
図27に示すように、特別図柄1変動中処理(S1104)ではまず、特
図1の変動時間(
図22のS1204で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。S1901で、特
図1の変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、特
図1変動中断処理を行い(S1914)、処理を終える。一方、S1901で、特
図1の変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、S1903に移行する。S1903では、特
図1変動停止コマンドをセットし(S1903)、S1904の処理に移行する。
【0180】
次に、S1904では、状態BフラグがONか否かを判定する(S1905)。S1904で、状態BフラグがONであると判定した場合(S1904でYES)、状態B(高ベース状態)中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする状態Bカウンタ(状態B変動カウンタ)の値を1減算し(S1905)、次いで、状態Bカウンタの値が「0」か否かを判定する(S1906)。S1906で、状態Bカウンタの値が「0」であると判定した場合(S1906でYES)、状態BフラグをOFFにし(S1907)、S1908の処理に進む。状態BフラグをOFFにすることで、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に移行する。具体的に、低確高ベース状態であれば低確低ベース状態(通常状態)に移行する。尚、高確高ベース状態であれば、状態Bカウンタには「10000」がセットされるため、変動毎にカウンタを減算しても実質的に状態Bカウンタの値が「0」になることはない。すなわち、高確高ベース状態は、次回の大当りが発生するまで維持される。
【0181】
S1908では、特
図1動作ステータスを「3」にセットし(S1908)、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1909)、処理を終える。
【0182】
[特
図1変動中断処理]
図27及び
図28に示すように、特
図1変動中断処理(S1902)は、特
図1の変動表示中に、特
図2に係る大当り遊技又は小当り遊技が実行された場合、変動表示中の特別図柄1の変動時間の計測を一時的に中断し、大当り遊技又は小当り遊技が終了すると、中断していた計測を再開する処理である。これにより、一方の特別図柄に係る大当り遊技又は小当り遊技の実行中は、他方の特別図柄に係る当否判定処理や変動表示を実行しないものとしている。
【0183】
図28を用いて特
図1変動中断処理(S1902)について説明する。特
図1変動中断処理(S1902)ではまず、特
図1中断フラグがONか否かを判定し(S2901)、特
図1中断フラグがONでないと判定した場合(S2901でNO)、次いで、特
図2大当りフラグがONであるか否か、すなわち、特
図2に係る大当り遊技が実行中であるか否かを判定する(S2902)。S2902で、特
図2大当りフラグがONでないと判定した場合(S2902でNO)、次いで、特
図2小当りフラグがONであるか否か、すなわち、特
図2に係る小当り遊技が実行中であるか否かを判定する(S2909)。S2909で、特
図2小当りフラグがONでない、すなわち、特
図2に係る大当り遊技も小当り遊技も実行されていないと判定した場合(S2909でNO)、処理を終了する。そして、特
図1の変動表示を継続する。一方、S2902で、特
図2大当りフラグがONであると判定した場合(S2902でYES)、及びS2909で特
図2小当りフラグがONであると判定した場合(S2909でYES)、特
図1中断フラグをONにし(S2903)、特
図1変動時間の計測を中断し(S2904)、処理を終える。これにより、特
図1の変動表示を一時的に中断することができる。
【0184】
また、S2901で、特
図1中断フラグがONである、すなわち、既に第1特別図柄の変動表示を中断中であると判定した場合(S2901でYES)、特
図2大当りフラグがONか否かを判定する(S2905)。S2905で、特
図2大当りフラグがONであると判定した場合(S2905でYES)、未だ特
図2に係る大当り遊技の実行中であると判断して、処理を終える。一方、S2905で特
図2大当りフラグがONでないと判定した場合(S2905でNO)、次いで、特
図2小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2906)。S2906で、特
図2小当りフラグがONであると判定した場合(S2906でYES)、未だ特
図2に係る小当り遊技の実行中であると判断して、処理を終える。一方、S2906で、特
図2小当りフラグがONでないと判定した場合(S2906でNO)、特
図2に係る大当り遊技又は小当り遊技が終了したと判断し、特
図1中断フラグをOFFにし(S2907)、特
図1変動時間の計測を再開し(S2908)、処理を終える。これにより、中断していた第1特別図柄の変動表示(変動時間の時間計測)を再開することができる。
【0185】
ここで、本実施例1では、中断フラグとして、第1特別図柄の変動表示が中断中であることを示す特
図1中断フラグ(「第1中断フラグ」ともいう)と、第2特別図柄の変動表示が中断中であることを示す特
図2中断フラグ(「第2中断フラグ」ともいう)と、を有しており、主制御部80のRAMに設けられる中断フラグ記憶手段に該当するフラグがセット(記憶)される。
【0186】
[特別図柄1確定処理]
次に、
図29を用いて特別図柄1確定処理(S1106)について説明する。
図29に示すように、特別図柄1確定処理(S1106)ではまず、特
図1大当り変動フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。特
図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S2001でYES)、第1特別図柄に係る大当り変動表示中であることを示す特
図1大当り変動フラグをOFFにし(S2002)、第1特別図柄に係る大当り遊技の実行を示す特
図1大当りフラグをONにし(S2003)、S2004の処理に移行する。これにより、特
図1において、大当りに係る変動表示を終了し(大当りを確定し)、大当り遊技に移行することを示すことができる。
【0187】
S2004では、大当り種別が15R大当りであるかどうかを判定し(S2004)、15R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2005)、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットし(S2006)、特
図1動作ステータスを「4」にセットし(S2007)、処理を終える。一方、S2004で、15R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、大当り種別は4R大当りであるので、ラウンドカウンタの値に「4」をセットし(S2008)、S2006に移行する。また、変動表示する特別図柄の停止タイミングで、停止コマンドを副制御基板90に送信する。副制御基板90は、この停止コマンドを受信することで、特別図柄の変動表示が終了したことを把握することが可能となる。尚、これにより、大当り待機状態となる。また、S2001で、特
図1大当り変動フラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しない、すなわち、外れに係る変動表示であるため、特
図1動作ステータスを「1」にセットし(S2009)、処理を終える。
【0188】
ここで、本実施例1では、大当りフラグとして、第1特別図柄に係る当否判定の結果が大当りとなり当該大当りに係る大当り遊技が実行中であることを示す特
図1大当りフラグ(「第1大当りフラグ」ともいう)と、第2特別図柄に係る当否判定の結果が大当りとなり当該大当りに係る大当り遊技が実行中であることを示す特
図2大当りフラグ(「第2大当りフラグ」ともいう)と、を有し、大当り遊技が実行される際には、主制御部80のRAMに設けられた大当りフラグ記憶手段に対応する大当りフラグがセット(記憶)される。また、小当りフラグとして、第2特別図柄に係る当否判定の結果が小当りとなり当該小当りに係る小当り遊技が実行中であることを示す特
図2小当りフラグ(「小当りフラグ」ともいう)を有し、小当り遊技が実行される際には、主制御部80のRAMに設けられた小当りフラグ記憶手段に対応する小当りフラグがセット(記憶)される。
【0189】
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと4R用ランプと15R用ランプとの3個のLEDで構成されており、大当り図柄が確定表示するタイミングで、対応するランプが点灯表示される。具体的には、4R第2大当りとなった場合、「2R△4R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。次に、
図30~
図39を用いて、特
図2動作処理(S211)等について説明するが、特
図2動作処理(S211)では、
図21~
図29に示した特
図1動作処理(S206)等と同様の流れで処理を行うため、以下簡略化して説明する。
【0190】
[特
図2動作処理]
図30に示すとおり、特
図2動作処理(S208)は、
図21に示す特
図1動作処理(S207)と同様の流れで処理を行う。
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特
図1動作処理(S207)に次いで特
図2動作処理(S208)を行う。本実施例1のパチンコ遊技機1は、これら特
図1動作処理と特
図2動作処理とにより、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して変動表示を実行可能としている。すなわち、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化と(「第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示と」、「第1特別図柄当否判定と第2特別図柄当否判定と」)が並行して実行可能とされている。また、本実施例1では、第2始動口への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)の方が、第1始動口への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)よりも、遊技者にとって利益の大きい(獲得可能な利益量が多い)大当りになりやすくなっている(
図8(B))。
【0191】
図30に示すように、特
図1動作処理(S207)と同様に、特別図柄表示部41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特
図2動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特
図2動作ステータス」が「1」である場合には(S1151でYES)、特別図柄2待機処理(S1152)を行い、「特
図2動作ステータス」が「2」である場合には(S1151でNO、S1153でYES)、特別図柄2変動中処理(S1154)を行い、「特
図2動作ステータス」が「3」である場合には(S1151、S1153で共にNO、S1155でYES)、特別図柄2確定処理(S1156)を行い、「特
図2動作ステータス」が「4」である場合には(S1151、S1153、S1155で共にNO、S1157でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特
図2動作ステータス」が「5」である場合には(S1151、S1153、S1155、S1157の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特
図2動作ステータスは、初期設定では「1」である。第2特別図柄当否判定の結果に小当りがあるため、特
図2動作処理では、特
図1動作処理にはない特別電動役物処理2(S1109)を有している。
【0192】
ここで、特別電動役物処理1(S1108)は、特
図1動作処理(S206)と特
図2動作処理(S211)とで共通の処理とされ、特別電動役物処理2(S1109)は、特
図2動作処理(S211)のみの処理とされる。これは、本実施例1のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能とするものの、第1特別図柄に係る大当り遊技と第2特別図柄に係る大当り遊技とは並行して実行不能(何れか一方のみを実行可能)としているからである。尚、本実施例では第1特別図柄当否判定の結果に小当りを有していないが、他の態様として、第1特別図柄当否判定の結果に小当りを有してもよい。この場合には、大当り遊技と同様に、第1特別図柄に係る小当り遊技と第2特別図柄に係る小当り遊技とも並行して実行不能(何れか一方のみを実行可能)とする。
【0193】
[特別図柄2待機処理]
図31に示す特別図柄2待機処理(S1152)は、
図22に示す特別図柄1待機処理(S1102)と同様の流れで処理を行うものであるので、説明を省略する。
【0194】
[特
図2当否判定処理]
図32に示す特
図2当否判定処理(S1253)は、
図23に示す特
図1当否判定処理(S1203)と同様の流れで処理を行うものである。但し、本処理は特別図柄2に関する処理であるので、S1301では、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出す。また、第2特別図柄当否判定の結果に小当りを有しているので、第2特別図柄当否判定の結果が大当りでないと判定した場合(S1304)、次いで、S1305で、第2特別図柄当否判定の結果が小当りどうかを判定する(S1305)。S1305で小当りであると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、特
図2小当り変動フラグをONにし(S1307)、処理を終える。その他の処理は、特
図1当否判定処理(S1203)と同様である。
【0195】
[特
図2変動パターン選択処理]
図33及び
図34に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1254)では、
図24及び
図25に示した特
図1変動パターン選択処理(S1204)と同様の流れで処理(S1401~S1420)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は第2特別図柄に関する処理であるので、
図9に示す変動パターンテーブルの第2特別図柄に該当する欄を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する。また、第2特別図柄当否判定の結果に小当りを有しているので、小当り変動フラグがONであると判定した場合、遊技状態に応じて小当り用テーブルから変動パターンを選択する。
【0196】
また、状態Cでは、第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)を主体として遊技を行う。そのため、状態Cでは、第1特別図柄の変動パターンよりも、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)の種類が多く、多様な時間の(多様な遊技演出を実行可能な)変動パターンを選択可能としている。また、第2特別図柄の変動時間よりも、第1特別図柄の変動時間が長くなるように構成し、第1特別図柄の変動効率を低下させている。一方、状態A及び状態Bでは、第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)を主体として遊技を行う。そのため、状態A及び状態Bでは、第1特別図柄の変動パターンの方が、第2特別図柄の変動パターンよりも変動パターン(変動時間)の種類が多く、多様な時間の(多様な遊技演出を実行可能な)変動パターンを選択可能としている。従って、状態A及び状態Bでは、第2特別図柄の変動パターンを簡易(種類が少ない)ものとしている。また、第1特別図柄の変動時間よりも、第2特別図柄の変動時間が長くなるように構成し、第2特別図柄の変動効率を低下させている。
【0197】
また、状態A及び状態Bは、第1特別図柄の変動表示を主体として遊技を行う遊技状態であるため、第2特別図柄の変動時間短縮機能は非作動とし、第2特別図柄の変動時間を長く設定している。具体的に、状態A及び状態Bにおいて、第2特別図柄当否判定が実行された場合、当該当否判定の結果が大当りとなったとき、第2特別図柄の変動表示時間は110秒に設定される(P12又はP20)。これは、状態Aにおいて、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときの第1特別図柄の変動表示時間として設定される最も長い変動時間よりも、短い変動時間に設定されている。また、状態Bにおいて、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときの第1特別図柄の変動表示時間として設定される最も長い変動時間よりも、短い変動時間に設定されている。
【0198】
状態A及びBにおいて、第2特別図柄当否判定は主体となる当否判定でないが、あまりに長い変動時間を設定したのでは、当該大当りに係る大当り遊技を当否判定を行った遊技者自身が実行することなく、遊技を終えてしまう可能性がある。そこで、当否判定が行われた結果、大当りとなった場合には、いたずらに長時間の変動時間を設定するのではなく、主体となる第1特別図柄に設定される変動時間(最長のもの)よりも短い変動時間を設定する。これにより、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、遊技者が待機し得る変動時間を設定し、せっかく獲得した大当りによる利益を獲得できないといった不利益を遊技者に負わせない。また、大当りは発生する可能性が低く、得られる利益が大きいため、このような制御としている。
【0199】
また、状態A及びBにおいて、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなった場合、第2特別図柄の変動時間は、1000秒に設定される(P13又はP21)。これは、状態Aにおいて主体となる第1特別図柄に設定され得る最も長い変動時間よりも、更に長い変動時間に設定されている。また、状態Bにおいて主体となる第1特別図柄に設定され得る最も長い変動時間よりも、更に長い変動時間に設定されている。状態A及びBにおける主体でない第2特別図柄の変動表示時間のうち、第2特別図柄の当否判定結果が小当りとなった場合を、大当り及び外れとなったときよりも、長い変動表示時間に設定する。
【0200】
状態A及びBは、当否判定の結果に小当りを有していない第1特別図柄当否判定を主体としているため、第2特別図柄当否判定の実行によって小当りが頻発することは望ましくない。また、小当りが頻発しうる状況を有していると、悪意のある遊技者が、第1特別図柄当否判定を主体とする遊技状態であるにも関わらず、第2特別図柄当否判定を実行させ、小当りによって遊技利益を得てしまう虞がある。例えば、左打ち遊技を行うべき遊技状態で、右打ち遊技を行う等して、不適切な遊技によって不当に遊技利益を得てしまう虞がある。このような事態を防止するため、状態A及びBにおいては、主体でない第2特別図柄当否判定の結果が小当りの場合には、変動時間を長時間(最も長い時間)に設定することで、小当り(小当り遊技)が頻発することを防止している。また、1回の小当り遊技によって獲得可能な遊技利益はそれほど多くないため、小当りを発生させた遊技者に多くの損害を与えることもない。
【0201】
また、状態A及びBにおいて、第2特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合、第2特別図柄の変動時間は、600秒に設定される(P14又はP22)。これは、状態Aにおいて主体となる第1特別図柄に設定され得る最も長い変動時間よりも、更に長い変動時間に設定されている。また、状態Bにおいて主体となる第1特別図柄に設定され得る最も長い変動時間よりも、更に長い変動時間に設定されている。また、状態A及びBにおける主体でない第2特別図柄の変動表示時間を、第2特別図柄の当否判定結果が小当りとなった場合よりも短く、大当りとなったときよりも、長い変動表示時間に設定する。第2特別図柄当否判定の結果が外れのときに、第2特別図柄の変動時間を長い時間に設定することで、第2特別図柄の変動効率を低下させ、左打ち遊技を行うべき遊技状態で、右打ち遊技を行う等の不適切な遊技を遊技者が行うことを防止する。尚、他の態様として、大当りと外れとを同じ変動時間としてもよい(例えば、何れも110秒としてもよいし、何れも600秒としてもよい)。
【0202】
この特
図2変動パターン選択処理(S1254)において、変動パターンの選択を行った後は、その他の処理(S1404)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送られる。
【0203】
[特
図2乱数シフト処理]
図35に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1255)ではまず、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。特
図2乱数シフト処理(S1255)を実行した後は、
図31の特
図2変動開始処理(S1256)を実行する。特
図2変動開始処理(S1256)では、特
図2動作ステータスを「2」にセットすると共に、特
図2変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0204】
[特別図柄2変動中処理]
図36に示す特別図柄2変動中処理(S1154)は、
図27に示す特別図柄1変動中処理(S1104)と同様の流れで処理(S1951~S1959)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。
【0205】
[特
図2変動中断処理]
図37に示す特
図2変動中断処理(S1952)は、
図28に示す特
図1変動中断処理(S1902)と同様の流れで処理(S2951~S2959)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。
【0206】
[特別図柄2確定処理]
図38に示す特別図柄2確定処理(S1156)は、
図29に示す特別図柄1確定処理(S1106)と同様の流れで処理(S2051~S2067)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、特別図柄2確定処理(S1156)は、特
図2に関する処理であるので、特別図柄1確定処理(S1106)とは、大当り種別(ラウンドカウンタ設定処理)や、特
図2小当り変動フラグがONであると判定した場合の処理が異なっているが、
図38に示す通りである。
【0207】
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
次に、
図39を用いて、特別電動役物処理1(S1108)について説明する。特別電動役物処理1(S1108)ではまず、後述する大当り遊技開始処理を実行し(S2101)、S2102の処理に移行する。S2102では、大当り開始フラグがONかどうかを判定し(S2102)、大当り開始フラグがONでないと判定した場合(S2102でNO)、処理を終える。一方、S2102で、大当り開始フラグがONであると判定した場合(S2102でYES)、次いで、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。ここで、大当り開始フラグは、大当り待機状態で、遊技者が任意のタイミングで遊技球を右遊技領域3Bに発射し、開始ゲート29に遊技球を通過させた場合に、ONとなるフラグである。特別図柄が大当り図柄で確定停止表示して大当りとなった後に、遊技球を開始ゲートに通過させることで、大当り開始フラグをONにし、大当り遊技が進行する(ラウンド遊技が開始する)。ここで、大当りとなった後に、開始ゲート29に遊技球を通過させない場合、遊技機は大当りを実行可能な大当り待機状態のまま維持される。この間に、遊技者は席を離れ、トイレやドリンクや電話等の休憩をとることが可能となる。そして、休憩終了後に、遊技者の任意のタイミングで遊技球を発射し、開始ゲート29に遊技球を通過させることで、大当り遊技を進行することが可能となる。また、大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
【0208】
S2103で、大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、次いで、大入賞口(第1大入賞口30)が開放中か否かを判定し(S2104)、開放中でないと判定した場合(S2104でNO)、大入賞口(第1大入賞口30)を開放する時期(ラウンド開始時期)かどうか、すなわち、開始ゲート29を通過させて1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったかを判定する(S2105)。S2105で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2105でNO)、処理を終える。一方、S2105で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2105でYES)、ラウンド開始コマンドをセットし(S2106)、大入賞口開放処理を行い(S2107)、処理を終える。これにより、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させる。
【0209】
S2104で、大入賞口(第1大入賞口30)の開放中であると判定した場合(S2104でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数(10個)に達していないと判定した場合(S2111でNO)、次いで、大入賞口(第1大入賞口30)を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち、大入賞口を開放してから予め定められた開放時間(
図6参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口の開放時間が経過していないと判定した場合(S2112でNO)、処理を終える。
【0210】
これに対して、S2111で、規定入球個数(10個)に達したと判定した場合(S2111でYES)、又は、大入賞口の開放時間が経過したと判定した場合(S2112でYES)、すなわち、2つのラウンド終了条件のうちの何れかが成立したと判定した場合、大入賞口(第1大入賞口30)を閉鎖する処理を行う(S2113)。次いで、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2115)。S2115で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定された場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
【0211】
一方、S2115で、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットし(S2116)、大当りのエンディング期間を開始し(S2117)、大当り終了フラグをONにし(S2118)、処理を終える。また、S2105で、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、最終ラウンドが終了しているので、次いで、大当りのエンディング期間が経過したか否かを判定する(S2119)。S2119で、予め定めたエンディング時間が経過していないと判定した場合(S2119でNO)、処理を終える。一方、S2119で、エンディング期間が経過したと判定した場合(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2120)、後述の遊技状態設定処理を行い(S2121)、大当りフラグをOFFにし(S2122)、大当り開始フラグをOFFにし(S2123)、後述の特図動作ステータス設定処理1を行い(S2124)、処理を終える。
【0212】
[大当り遊技開始処理]
次に、
図40を用いて、大当り遊技開始処理(S2101)について説明する。大当り遊技開始処理(S2101)ではまず、大当り開始フラグがONか否かを判定し(S2151)、大当り開始フラグがONでない、すなわち、未だ大当り待機状態において開始ゲート29を通過させていないと判定した場合(S2151でNO)、次いで、確変フラグがONか否かを判定し(S2152)、確変フラグがONであると判定した場合(S2152でYES)、確変フラグをOFFとし(S2102)、S2154の処理に移行する。S2154では、状態BフラグがONか否かを判定し(S2103)、状態BフラグがONである判定した場合(2154でYES)、状態BフラグをOFFとし(S2104)、S2156の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態、且つ、低ベース状態に制御するため、大当り遊技(ラウンド遊技)の開始前に、確変フラグ及び状態BフラグをOFFにする。
【0213】
また、S2152で確変フラグがONでないと判定した場合(S2152でNO)、確変フラグをOFFにすることなく、S2154の処理に移行する。また、S2154で状態BフラグがONでないと判定した場合(S2154でNO)、状態BフラグをOFFにすることなく、S2156の処理に移行する。S2156では、開始ゲートを遊技球が通過したか否かを判定し(S2156)、開始ゲートを通過したと判定した場合(S2156でYES)、大当り遊技を開始する(ラウンド遊技を開する)ための大当り開始フラグをONにし(S2157)、処理を終える。一方、S2156で、開始ゲートを通過していないと判定した場合(S2156でNO)、処理を終える。これにより、遊技機を大当り待機状態のまま継続する。また、S2151で、大当り開始フラグがONであると判定した、すなわち、既に大当り遊技を開始していると判定した場合(S2151)、処理を終える。これにより、遊技者は任意のタイミングで大当り遊技を開始する(進行させる)ことが可能となる。
【0214】
[遊技状態設定処理]
次に、
図41を用いて、遊技状態設定処理(S2121)について説明する。遊技状態設定処理(S2121)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、15R第1大当り、4R第2大当り、4R第3大当り、15R第5大当り、4R第6大当りの5種類を確変大当りとしており、S2201では、大当り遊技がこれら5種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにし(S2202)、次いで、終了した大当り遊技が4R第3大当り又は4R第6大当りの何れかであるかを判定する(S2203)。
【0215】
S2203で、終了した大当り遊技が4R第3大当り又は4R第6大当りの何れかであると判定した場合(S2203でYES)、状態BフラグをONにし(S2204)、状態Bカウンタに「10000」をセットし(S2205)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後に最長10000回の高ベース状態が設定され、高確高ベース状態となる。遊技店の一日の営業時間内において、特別図柄の変動表示を10000回実行することはできない、そのため、状態Bカウンタに「10000」をセットすることで、実質的に、次回の大当りが発生するまで高ベース状態(状態B)を継続することを意味する。尚、状態Bに「10000」回等の回数を設定する性y後に変えて、次回大当り発生まで高ベース状態(状態)を維持する制御としてもよい。
【0216】
一方、S2203で、終了した大当り遊技が4R第3大当り又は4R第6大当りの何れでもないと判定した場合(S2203でNO)、すなわち、終了した大当り遊技が15R第1大当り、4R第2大当り、又は15R第5大当りの何れかであると判定した場合(S2203でNO)、状態BフラグをOFFのまま、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が高確低ベース状態となる。
【0217】
S2201で、終了したのが確変大当りでない、すなわち、低確大当り(低確率大当り、通常大当り)であると判定した場合(S2201でNO)、状態BフラグをONにし(S2206)、状態Bカウンタに「100」をセットし(S2207)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後に100回の高ベース状態が設定され、低確高ベース状態となる。
【0218】
[特図動作ステータス設定処理1]
次に、
図42を用いて、特図動作ステータス設定処理1(S2124)について説明する。特図動作ステータス設定処理1(S2124)ではまず、特
図1大当りフラグがONか否かを判定し(S3001)、特
図1大当りフラグがONである、すなわち、今回発生した大当り遊技は特別図柄1に係るものであると判定した場合(S3001でYES)、特
図1大当りフラグをOFFにし(S3002)、特
図1動作ステータスを「1」にセットし(S3003)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特
図1動作処理として再び特別図柄1待機処理が実行されることになる。一方、S3001で、特
図1大当りフラグがONでない、すなわち、特
図2大当りフラグがONである、すなわち、今回発生した大当り遊技は特別図柄2に係るものであると判定した場合(S3001でNO)、特
図2大当りフラグをOFFにし(S3004)、特
図2動作ステータスを「1」にセットし(S3005)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特
図2動作処理として再び特別図柄2待機処理が実行される。
【0219】
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
次に、
図43を用いて、特別電動役物処理2(S1109)について説明する。特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において大入賞装置(第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2301でNO)、大入賞口(第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2302)。S2302で、大入賞口が開放中でないと判定した場合(S2302でNO)、大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる時期に至ったか否か、すなわち、小当りのオープニング時間が経過して1回目の開放動作を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放動作を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。尚、小当り遊技については、開始ゲートの通過にかかわらず、小当り図柄の確定停止表示後、所定時間経過後に小当り遊技(開放動作)が開始する。つまり、遊技者は大当り遊技の開始時期は開始ゲートによって任意に決定できるが、小当りの開始時期については任意に決定することはできない。
【0220】
S2303で、大入賞口の開放時期でないと判定した場合(S2303でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2303で、大入賞口の開放時期であると判定した場合(S2303でYES)、小当りの開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35の開放処理を行い(S2304)、処理を終える。S2302で、大入賞口(第2大入賞口35)の開放中であると判定した場合(S2302でYES)、6回の開放動作中における大入賞口への入球個数、すなわち、6回の開放動作において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。S2306で、規定入球個数(10個)に達していないと判定した場合(S2306でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、S2307で、大入賞口の開放時間が経過していないと判定した場合(S2307でNO)、処理を終える。
【0221】
これに対して、6回の開放動作中における大入賞口への入球個数が規定入球個数(10個)に達したと判定した場合(S2306でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、大入賞口の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖し(S2308)、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2310)。S2310で、小当り用開放カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放動作を開始するため、そのまま処理を終える。
【0222】
一方、S2310で、小当り用開放カウンタの値が「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットし(S2311)、小当りのエンディング期間を開始し(S2312)、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、大入賞口の開放が6回なされると「0」になる。
【0223】
また、S2301で、小当り終了フラグがONであると判定した場合(S2301でYES)、6回の開放動作が終了している(若しくは、規定数の遊技球が入球している)ので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2315でNO)、処理を終える。一方、S2315で、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにし(S2316)、特図動作ステータス設定処理2を行い(S2317)、処理を終える。高確低ベース状態において、小当り遊技を発生させることで、持ち球を増やしながら次の大当りを狙うことが可能となり、遊技興趣を高める。尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや状態BフラグをONからOFFに切り変えたり、OFFからONに切替えたりすることはない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態(確率状態、ベース状態)を変化させない。
【0224】
[特図動作ステータス設定処理2]
次に、
図44を用いて、特図動作ステータス設定処理2(S2317)について説明する。特図動作ステータス設定処理2(S2317)ではまず、特
図1小当りフラグがONか否かを判定し(S3101)、特
図1小当りフラグがONである、すなわち、今回発生した小当り遊技は特別図柄1に係るものであると判定した場合(S3101でYES)、特
図1小当りフラグをOFFにし(S3102)、特
図1動作ステータスを「1」にセットし(S3103)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特
図1動作処理として再び特別図柄1待機処理が実行される。尚、本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果に小当りを有していないため、特
図1小当りフラグがONになることはない。一方、特
図1小当りフラグがONでない、すなわち、特
図2小当りフラグがONである、すなわち、今回発生した小当り遊技は特別図柄2に係るものであると判定した場合(S3101でNO)、特
図2小当りフラグをOFFにし(S3104)、特
図2動作ステータスを「1」にセットし(S3105)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特
図2動作処理として再び特別図柄2待機処理が実行される。
【0225】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特
図2動作処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。
図45に示すように、保留球数処理(S209)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットし(S2502)、処理を終える。
【0226】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。
図46に示すように、電源断監視処理(S210)ではまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がないと判定した場合(S2601でNO)、処理を終える。一方、S2601で、電源断信号の入力があると判定した場合(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶し(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(
図11)に戻ることなくループ処理(無限ループ)を行う。
【0227】
以上詳細に説明したように、本実施例1のパチンコ遊技機1は前述した特徴的な構成を備えることで、従来のパチンコ遊技機にはない特有の効果、乃至、従来のパチンコ遊技機に比して顕著な効果を奏する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄(「第1情報」ともいう)又は第2特別図柄(「第2情報」ともいう)が大当り図柄(「特定の表示態様」ともいう)で停止表示すること)に基づいて、高確率状態が発生し(特典が付与され)、予め定められた所定の条件が成立すると高確率状態(特典)が終了するものとされる。
【0228】
この高確率状態(特典)を付与する処理(遊技状態設定処理(S2121))を「特典付与手段」ということもできる。尚、第1特別図柄と演出図柄8とが連動(同期)して、第2特別図柄と演出図柄8とが連動(同期)して、変動表示及び停止表示し、同じ当否判定結果を示すので、「特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が大当り図柄で停止表示すること」を、「演出図柄が当り演出図柄(特定の表示態様)で停止表示すること」と置き換えることができる。
【0229】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図47~
図52に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、副制御基板90のROMから
図47に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0230】
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0231】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0232】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7(第1画像表示装置)、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72の各表示画面上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
【0233】
[受信割り込み処理]
次に、
図48を用いて、受信割り込み処理(S4008)について説明する。受信割り込み処理(S4008)ではまず、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0234】
[2msタイマ割り込み処理]
次に、
図49を用いて、2msタイマ割り込み処理(S4009)について説明する。2msタイマ割り込み処理(S4009)では、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0235】
[10msタイマ割り込み処理]
次に、
図50を用いて、10msタイマ割り込み処理(S4010)について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
【0236】
[受信コマンド解析処理]
次に、
図51を用いて、受信コマンド解析処理(S4302)について説明する。受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4403の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、演出保留情報記憶処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4402)は、S4401で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特
図1の保留球数「4」に対応する特
図1始動入球コマンドである場合、その特
図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特
図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特
図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
【0237】
次に、S4403では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理(S4404)を行って、S4405の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。S4405では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4405)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4405でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4405で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4405でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0238】
続いて、S4407では、主制御基板80から当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。ここで、当り遊技関連コマンドとは、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド、ラウンド遊技での第1大入賞口30への入球に基づき送信される第1大入賞口入球コマンド、小当り遊技での第2大入賞口への入球に基づき送信される第2大入賞口入球コマンド等が該当する。S4407では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4407でNO)、S4409の処理に移行し、受信していれば(S4407でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技演出、小当り遊技演出)の実行に係る処理を行う(S4408)。
【0239】
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、受信したコマンドが大入賞口入球コマンド(第1大入賞口入球コマンド、第2大入賞口入球コマンド)であれば、当該コマンドに基づき特定される大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への入球に応じた入球演出を指定する入球演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした当り遊技に係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出、入球演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。最後にS4409の処理を行い、本処理を終える。S4409では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4409)。
【0240】
[変動演出開始処理]
次に、
図52を用いて、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4404)について説明する。変動演出開始処理(S4404)ではまず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様(予告演出の有無を含む)、停止表示する演出図柄等を決定する。
【0241】
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターン指定コマンドには、
図9に示す変動パターン情報(P1乃至P33)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(
図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特
図1に係るものなのか特
図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
【0242】
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
【0243】
ここで演出モードとは、画像表示装置7を主とする演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードC,Dは高確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードEは低確高ベース状態に制御されているときと高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA~Dの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確低ベース状態であるのかを把握することが可能となる。一方、演出モードがEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態であるのか、高確高ベース状態であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードEは、遊技状態非報知モードといえる。
【0244】
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行うものであって、サブ制御部90が主体となって制御する変動演出のパターン(変動演出パターン、演出図柄遊技演出)を決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示を省略)及び予告演出決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブル、及び、予告演出決定テーブルをセットする。すなわち、複数の変動演出パターン決定テーブル、及び、複数の予告演出決定テーブルを備えており、それらから遊技状態(演出モード)等に基づいて、所定の変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(
図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
【0245】
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数、及び、S4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、主に演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄(同じ演出図柄)で停止表示(仮停止表示)され、残り1個が変動表示(スクロール表示)を続けている状態で、当該残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄(3個の同じ演出図柄)で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。この際、演出図柄の変動表示に伴って所定のキャラクタを用いて遊技演出を実行し、演出図柄が大当り態様で停止表示されるかどうかを、当該所定のキャラクタが所定の目的を達成するかどうかの演出で示すことも可能である。このような遊技演出(後述するリーチ演出やキャラクタ演出)を、ストーリー演出(特定遊技演出)や目的演出(特定遊技演出)ということもできる。これにより、遊技者の大当りへの期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0246】
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる
【0247】
また、S4506では、変動演出パターン(演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出を決定する。また、この実行される予告演出を含めて演出図柄遊技演出ともいう。この予告演出は、実行中の演出図柄遊技演出の結果が大当り態様で停止表示する可能性を、演出図柄が停止表示(確定停止表示)する前(演出図柄の変動表示中)に示す演出(事前報知演出)である。S4506では、S4501において取得した予告演出決定用乱数およびS4504においてセットした予告演出決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン及び決定された変動演出パターンに適合した予告演出を選択し、これを設定する(S4506)。
【0248】
そして、S4507で、S4505及びS4506において設定した変動演出パターン及び予告演出に基づいて、演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドを副制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
【0249】
[演出図柄遊技演出の概要]
次に、本実施例の演出図柄遊技演出(変動演出)の概要について説明する。前述したように、S4505で設定された変動演出パターン等に基づく演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドが副制御基板90から画像制御基板100に送信されると、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄8の変動表示が開始される。この演出図柄8の変動表示の開始から終了(停止)までの一連の演出として、演出図柄遊技演出(変動演出)が構成される。
【0250】
演出図柄8の変動表示は、原則、「1」→「2」→「3」・・・→「7」→「8」→「9」の順(昇順)で図柄を縦方向にスクロール表示(縦スクロール)し、「9」まで到達したら再度「1」に戻って縦スクロールを繰り返すことにより行われる。こうした演出図柄8の変動表示の態様は、前述の変動演出パターン決定テーブルに格納される変動演出パターンによって定められる。このため、変動表示の態様については、縦スクロールの他にも、例えば、横方向のスクロール表示(横スクロール)や、図柄(数字)がスクロールせずにその場で順次切り替わる切替表示等、種々の態様を変動演出パターンとして設けることが可能である。また、「1」~「9」の図柄が降順で変動表示する態様を設けることも可能である。さらに、演出モードや遊技状態によって変動表示の態様を設定することも可能である。
【0251】
また、演出図柄8の変動表示は、特別図柄の変動パターンにより定まる変動時間にしたがって行われ、変動時間の経過に伴って変動表示を停止するが、本実施例では、変動表示を停止する際の態様として複数の停止態様(停止パターン)を有している。具体的に、主な停止態様として、(1)演出図柄8L(左図柄)、8C(中図柄)、8R(右図柄)の各図柄の停止順序(「停止順」ともいう)が「左図柄→中図柄→右図柄」とされる停止態様(「第1停止態様」ともいう)と、(2)各図柄の停止順が「左図柄→右図柄→中図柄」とされる停止態様(「第2停止態様」ともいう)と、(3)各図柄のすべての停止時期(停止タイミング)が略同じ(「同時停止」ともいう)とされる停止態様(「第3停止態様」ともいう)と、(4)左図柄と右図柄の停止時期が略同じでその後に中図柄が停止するものとされる停止態様(「第4停止態様」ともいう)と、を有している。これら停止態様(停止パターン)は、演出図柄遊技演出の実行態様に含まれるものであり、S4505にて選択(設定)される変動演出パターンによって、何れの停止態様で変動表示を停止するのかが決まるものとなっている。つまり、本実施例では、変動演出パターンの選択・決定(設定)が、停止態様(停止パターン)の選択・決定(設定)を兼ねている。但し、変動演出パターンの選択・決定(設定)と停止態様(停止パターン)の選択・決定(設定)を分けて処理することも可能である。尚、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
【0252】
第1乃至第4停止態様のうち、第1停止態様(左図柄→中図柄→右図柄)は、主に演出モードC(状態C)のときに、第2特別図柄当否判定の結果が「小当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示が行われる場合の当該変動表示の停止に際して実行可能な停止態様である。
【0253】
第2停止態様(左図柄→右図柄→中図柄)は、主に(1)演出モードA、B(状態A)のときに、第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」又は「大当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示が行われる場合、(2)演出モードE(状態B)のときに、第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」又は「大当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示がリーチ有りの変動態様(「リーチ変動」ともいう)又はリーチ無しの変動態様(「ノーマル変動」ともいう)で行われる場合、及び(3)演出モードC(状態C)のときに、第2特別図柄当否判定の結果が「外れ」又は「大当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示がリーチ変動又はノーマル変動で行われる場合の、当該変動表示の停止に際して実行可能な停止態様である。
【0254】
第3停止態様(全図柄同時停止)は、主に(1)演出モードA、B(状態A)のときに、特図保留球数に応じた短縮変動の機能が働く状況下(変動開始時の特
図1保留球数が「3」又は「4」)で第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」となり、かつ、これに基づいて演出図柄8の変動表示がノーマル変動で行われる場合、(2)演出モードE(状態B)のときに、第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて演出図柄8の変動表示がノーマル変動で行われる場合、及び(3)演出モードC(状態C)のときに、第2特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて演出図柄8の変動表示がノーマル変動で行われる場合の、当該変動表示の停止に際して実行可能な停止態様である。
【0255】
第4停止態様(左・右図柄同時停止→中図柄)は、主に演出モードC(状態C)のときに、第2特別図柄当否判定の結果が「外れ」又は「大当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示がリーチ変動で行われる場合、及び(2)演出モードE(状態B)のときに、第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」又は「大当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示がリーチ変動で行われる場合の、当該変動表示の停止に際して実行可能な停止態様である。
【0256】
このように演出図柄8の変動表示を停止する際の停止態様を、演出モード(遊技状態)や特別図柄当否判定の結果に基づく変動表示の態様、結果(停止表示態様)に応じて複数設けることで、停止態様を遊技の状況に応じて異ならせて多様にすることが可能となる。また、遊技者にとっては、演出図柄8の変動表示が停止する際の停止態様に注目して、その後に表示(導出表示)される演出図柄8の表示態様(停止表示態様)を推測することが可能となり、その停止態様を通じて、実行され得る特別遊技の種類やその実行有無、可能性等を推測することも可能となる。これにより、変動表示が停止する際の停止態様に遊技者を注目させて、その後の特別遊技に対する期待感を煽ることが可能となる。
【0257】
尚、上記第1乃至第4停止態様の他にも、例えば、演出図柄8を構成する3つの図柄の停止順が「右図柄→左図柄→中図柄」とされる停止態様(第5停止態様)や、左図柄と中図柄の停止時期が略同じでその後に右図柄が停止するものとされる停止態様(第6停止態様)等、種々の停止態様を設けることが可能であり、各停止態様が実行される条件も本実施例に限定されるものではなく、様々に定めることが可能である。
【0258】
また、本実施例では、演出図柄8を構成する「1」~「9」の図柄を色別に分類できるように彩色を施しており、その色により図柄の種類(図柄種)を定めている。この図柄種は遊技状態(演出モード)に対応するものとなっている。具体的に、状態A(演出モードA、B)では、奇数図柄のうち「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう)、これ以外の奇数図柄である「1」、「3」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう)とし、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう)としている。一方、状態B、C(演出モードC、D、E)では、奇数図柄のうち「3」、「5」、「7」を赤図柄、これ以外の奇数図柄である「1」、「9」を緑図柄とし、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青図柄としている。
【0259】
尚、本実施例で示す図柄と色の対応関係はあくまでも一例であり、これ以外の対応関係を採ることが可能であり、色の種類も本実施例に限定されるものではなく、他の色を用いることが可能である。また、本実施例では色により図柄種(赤図柄、緑図柄、青図柄)を定めているが、色以外の要素によっても定めることが可能である。例えば、演出図柄にキャラクタが付されている場合のキャラクタの種類や、数字を表した演出図柄(数字図柄)の他に所定の文字を表した演出図柄(文字図柄)を有する場合の数字図柄と文字図柄によって、図柄種を定めてもよく、さらには、単に奇数図柄と偶数図柄によって図柄種を定めもよい。
【0260】
演出図柄8の変動表示が行われ、前述した停止態様にしたがって変動表示を停止したときに表示(導出表示)される演出図柄8(8L、8C、8R)の図柄組合せ(停止表示態様)により、当該変動表示の結果が報知される。本実施例では、基本的な図柄組合せ(停止表示態様)として、3つの演出図柄8L、8C、8Rがすべて異なる図柄(数字)となる「完全バラケ目」(「124」等)と、演出図柄8L(左図柄)と演出図柄8R(右図柄)とが同じ図柄(数字)であり残りの演出図柄8C(中図柄)が他と異なる図柄(数字)である「リーチバラケ目」(「343」等)を、当り遊技の実行契機とならない外れ態様(非特定態様)としている。一方、3つの演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一となる「ゾロ目」(「777」等)を、4R以上の大当り遊技(
図6参照)の実行契機となる大当り態様(特定態様)としている。
【0261】
このような基本的な図柄組合せを前提に、本実施例では、バラケ目のうち「リーチバラケ目」を、2Rの大当り遊技(
図6参照)の実行契機となる2R大当り態様にも兼用している。これは、2Rの大当り遊技は、4R以上の大当り遊技(4R大当り遊技、15R大当り遊技)に比べて遊技者が獲得できる賞球の個数(獲得賞球数)が少ないことや、状態C(高確低ベース状態)に比して小当り遊技での賞球獲得(持ち球増加)が困難となる状態B(高ベース状態)の設定契機となる特別遊技であること、すなわち、遊技者にとっての有利度合(利益量)が相対的に低い特別遊技であること等の理由によるものである。また、バラケ目のうち「完全バラケ目」を、状態B(高ベース状態)での小当り遊技(第2特別図柄)の実行契機となる小当り態様にも兼用している。これは、前述したように、状態Bでは、ほとんどの期間、第2始動口21が開状態となっているため、第2始動口21の下流側に位置する小当り用大入賞口(第2大入賞口35)への入球は困難となり、小当りによる利益を得られる可能性が極めて低い(限りなくゼロに近い)からである(実質的に外れと同等)。さらに、バラケ目のうち後述する「特定のバラケ目」を、状態C(高確低ベース状態)での小当り遊技(第2特別図柄の小当り)の実行契機となる小当り態様としている。ここで、小当り態様(特定のバラケ目)のことを「第1表示態様」ともいい、大当り態様(ゾロ目)のことを「第2表示態様」ともいい、外れ態様(完全バラケ目、リーチバラケ目)のうちリーチバラケ目のことを「第3表示態様」ともいい、外れ態様(完全バラケ目、リーチバラケ目)のうち完全バラケ目のことを「第4表示態様」ともいう。
【0262】
尚、状態A(低確低ベース状態)は、左打ち遊技を行うのが基本とされる遊技状態であるため、主として第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われるのであり、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われることは稀であることから、このような状況下で第2特別図柄当否判定が行われた場合には、これに対応する演出図柄8の変動表示を画像表示装置7の表示画面7a上で行うことはなく、演出表示器102による変動表示(及び停止表示)だけを行うものとしている。同様に、状態B(高ベース状態)は、右打ち遊技を行うのが基本とされる遊技状態であり、主として第2始動口21への入球に基づく第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われるのであり、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われることは稀であることから、このような状況下で第2特別図柄当否判定が行われた場合には、これに対応する演出図柄8の変動表示を画像表示装置7の表示画面7a上で行うことはなく、演出表示器102による変動表示(及び停止表示)だけを行うものとしている。
【0263】
同様に、状態C(高確低ベース状態)は、右打ち遊技を行うのが基本とされる遊技状態であるため、主として第3始動口26への入球に基づく第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われるのであり、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われることは稀であることから、このような状況下で第1特別図柄当否判定が行われた場合には、これに対応する演出図柄8の変動表示を画像表示装置7の表示画面7a上で行うことはなく、演出表示器102による変動表示(及び停止表示)だけを行うものとしている。
【0264】
但し、現在の遊技状態(左打ち遊技、右打ち遊技)に反する特別図柄当否判定が行われて「大当り」の判定結果が得られた場合(例えば、状態Cにて第1特別図柄当否判定が行われて大当りとなった場合)、画像表示装置7、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72のうち一又は二以上の表示装置にて、その大当りの発生を示唆する演出表示を行う。これにより、現在の遊技状態(主たる特別図柄の変動表示)に対応する演出図柄8の演出表示(変動演出)が表示画面7a上で主として行われるなか、主たる特別図柄の変動表示と並行して行われる特別図柄の変動表示の結果が大当りである旨を遊技者に知らしめることが可能となる。また、そうした大当りの発生の示唆を行うことで、大当りの発生に遊技者が気付くことなく遊技を止める等して利益獲得の機会を逸してしまうといった事態を回避することが可能となる。
【0265】
[他の態様]
また、前述した実施例1では、大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態に設定されると、当該高確高ベース状態は次回の大当りが発生するまで継続する仕様となっている。このような大当り種別に変えて、又はこのような大当り種別に加えて、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に設定された場合、当該高確高ベース状態において、予め定められた回数(50又は100)の特別図柄の変動表示が終了するまで大当りにならなかったときは、遊技状態が高確低ベース状態に変化する大当り種別を設けてもよい。このような大当り種別を設けることで、大当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態となり、当該高ベース状態において予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されると、大当り種別によって、その後の遊技状態が、低確低ベース状態に移行する場合と、高確高ベース状態を継続する場合と、高確低ベース状態に移行する場合と、を有する。
【0266】
これにより、遊技状態の変化態様(移行態様)を多様化し、遊技性を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。また、大当り遊技終了後から予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるまでの高ベース状態において、共通の遊技演出を実行することで、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行された後に、何れの遊技状態に移行するかを遊技者に認識困難とすることができる。これにより、高ベース状態における遊技者の遊技興趣を高め、有利な状態への期待感を高める。またこれにより、大当り遊技終了後の遊技状態が、高確低ベース状態でなく、高ベース状態であったとしても、その後、予め定められた変動回数の後に、高確低ベース状態に変化することに期待して遊技を行うことが可能となる。またこれにより、遊技興趣を長期間維持することが可能となる。
【0267】
また、本実施例1では、第1の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41b)と第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)を何れも主制御部で表示制御するものとした。このような態様に変えて、第1の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b)を主制御部で表示制御し、第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)を副制御部等の他の制御部で表示制御するようにしてもよい。これにより、一方の制御部の表示制御に不具合が生じた場合でも、他方の制御の表示制御が適正であれば、正しい遊技情報を報知することが可能となる。また、第1の特別図柄表示器と第2の特別図柄表示器とを、何れも同じ表示部(主表示器40)に設けるものとする。これにより、主制御部で制御する第1の特別図柄表示器と、副制御部で制御する第2の特別図柄表示器とを近傍に設け、両者の表示内容の一致性を確認でき、表示制御に不具合がないかを容易に確認することが可能となる。
【0268】
また同様に、本実施例1では、第1の普通図柄表示器(普通図柄表示器42)と第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)を何れも主制御部で表示制御するものとした。このような態様に変えて、第1の普通図柄表示器(普通図柄表示器42)を主制御部で表示制御し、第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)を副制御部等の他の制御部で表示制御するようにしてもよい。これにより、前述した特別図柄表示器と同様の効果を奏する。
【0269】
また、第2の特別図柄表示器及び第2の普通図柄表示器に加えて、図示しない第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器、第2の普図保留表示器を設けてもよい。この際、第1の特図保留表示器(第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b)、第2の普図保留表示器(普図保留表示器42)を主制御部で表示制御し、第2の特図保留表示器(第1特図保留表示器、第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器を副制御部等の他の制御部で制御するようにしてもよい。また、これら、第1の特図保留表示器(第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b)、第1の普図保留表示器(普図保留表示器42)、第2の特図保留表示器(第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器を、同じ主表示器40に設けることができる。これにより、両者の一覧性を高め、表示内容の一致性を容易に確認でき、表示制御に不具合がないか等を容易に確認することが可能となる。
【0270】
また、第1の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41b)、第1の普通図柄表示器(普通図柄表示器42)、第1の特図保留表示器(第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b)、第1の普図保留表示器(普図保留表示器42)、第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)、第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)、第2の特図保留表示器(第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器を、全て同じ主表示器40に設けてもよい。これにより、これら表示部の一覧性を高め、主制御部による表示制御及び副制御による表示制御に不具合がないかを容易に確認することが可能となる。また、主表示器40は、遊技領域3の外側(外方)に設けることができる。また、遊技領域3の外側(外方)の遊技盤2に設けることができる。
【0271】
また、遊技中又は遊技機の稼働中(電源ON中)に、何らかの理由で電源断(電断処理)があった場合、再度電力が供給されると、主制御部によって表示制御される第1の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41b)、第1の普通図柄表示器(普通図柄表示器42)、第1の特図保留表示器(第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b)、第1の普図保留表示器(普図保留表示器42)が先に表示(表示制御)を実行し(再開し、復帰し)、副制御部によって表示制御される第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)、第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)、第2の特図保留表示器(第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器が後に表示(表示制御)を実行(再開、復帰)する。
【0272】
しかしながら、副制御部によって表示制御される第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)、第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)、第2の特図保留表示器(第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器は、同じく副制御部によって表示制御される画像表示装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71、又は/及び、第3画像表示装置72)より、先に表示(表示制御)を実行(再開、復帰)する。これは、主表示器が夫々単一のLEDを点灯・消灯・点滅させる簡易な表示制御である一方、画像表示装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71、又は/及び、第3画像表示装置72)は液晶表示部で構成され主表示器よりも複雑な表示制御を有するからである。
【0273】
これにより、同じ副制御部で制御される特別図柄当否判定結果や変動状態を示す表示部であっても、電源再投入後(電力復帰後)に、いち早く表示を復帰する第1の副表示部と、その後に遅れて表示を復帰する第2の副表示部と、を有する。そして、夫々の役割によって、最適な遊技制御を実行することが可能となる。尚、第1の副表示部は、副制御部によって表示制御される第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)、第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)、第2の特図保留表示器(第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器が該当し、簡単な表示制御で、変動状態等を簡易に把握可能であると共に、電源再投入後の速やかな復帰を行うことが可能となっている。また、第2の副表示部は、同じく副制御部によって表示制御される画像表示装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71、又は/及び、第3画像表示装置72)が該当し、複雑な表示制御で、様々な遊技情報や遊技演出(リーチ演出、予告演出、ストーリー演出等)を表示し、多様な遊技演出によって趣向性の向上を図ることが可能となっている。
【0274】
また、更に他の態様で、遊技中又は遊技機の稼働中(電源ON中)に、何らかの理由で電源断(電断処理)があった場合、再度電力が供給されると、副制御部によって表示制御される第2の特別図柄表示器(変動状態表示器49のc1及びc2)、第2の普通図柄表示器(変動状態表示器49のc3)、第2の特図保留表示器(第2の第1特図保留表示器、第2の第2特図保留表示器)、第2の普図保留表示器が先に表示(表示制御)を実行(再開、復帰)し、主制御部によって表示制御される第1の特別図柄表示器(第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41b)、第1の普通図柄表示器(普通図柄表示器42)、第1の特図保留表示器(第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b)、第1の普図保留表示器(普図保留表示器42)が後に表示(表示制御)を実行(再開、復帰)し、副制御部によって表示制御される画像表示装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71、又は/及び、第3画像表示装置72)が更にその後に表示(表示制御)を実行(再開、復帰)するものとしてもよい。
【0275】
前述した実施例では、演出図柄表示部に表示される演出図柄8L、8C、8Rを、遊技状態に応じて、当該遊技状態で遊技の主体として設定されている特別図柄(後述の第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示に同期して変動表示するものとした。すなわち、演出図柄表示部に1の演出図柄(3桁)を表示し、遊技状態に応じて第1特別図柄及び第2特別図柄の一方に同期させることで、第1特別図柄に同期している場合と、第2特別図柄に同期している場合と、を有している。このような態様に変えて、第1演出図柄と第2演出図柄とを表示し、第1演出図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に同期させ、第2演出図柄を第2特別図柄の変動表示に同期させて変動表示を行うものとしてもよい。また、第1演出図柄及び第2演出図柄の両方を表示する場合には、遊技状態で遊技の主体として設定されている特別図柄(一方の特別図柄)に対応する演出図柄を大きく表示し(主体として表示し)、遊技の主体とされない特別図柄(他方の特別図柄)に対応する演出図柄を小さく表示してもよい。具体的には、1/5以下の表示面積とされている。また、常時、第1演出図柄及び第2演出図柄の両方を表示するのではなく、遊技状態や遊技状況に応じて、第1演出図柄及び第2演出図柄の両方を表示する場合と、第1演出図柄及び第2演出図柄の一方(主体となる図柄)を表示する場合とがあってもよい。
【0276】
また、前述の遊技機の構成に対して、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な「可変入球口」と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な「特別遊技実行手段」と、を備えるものとすることができる。また、「第2始動口」を、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口としてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の遊技状態(第1の遊技状態)と、当該遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い遊技状態(第2の遊技状態)とに設定する「遊技状態設定手段」とを備えるものとすることができる。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
【0277】
また、前述した実施例では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。また、本実施例では、第1特図保留及び第2特図保留が同時変動可能な制御処理となっているが、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図2優先の制御処理や、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
【0278】
また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用される。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。また、特典としては、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態を発生することが挙げられる。また、第1始動口と第2始動口とを有し、第2始動口への入球頻度を高める高ベース状態を発生するものとすることができる。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用することができる。
【0279】
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
【0280】
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。
図11、
図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。あるいは、特図保留記憶部に記憶した取得情報について事前判定するのではなく、始動入球に基づいて取得された取得情報について事前判定するものとしてもよい。つまり、取得情報を特図保留記憶部に記憶する前に事前判定するようにしてもよい。この場合、特図保留記憶部と別に、事前判定の対象となる取得情報を記憶する領域を設ける必要はなく、また、特図保留記憶部に記憶した取得情報を事前判定のために読み出す必要もない。
【0281】
また、前述の実施例では、遊技盤側(遊技領域の内側)にメイン液晶(主表示装置)として1つの画像表示装置7(盤側表示手段)を設け、遊技機枠側(遊技領域の外側)にサブ液晶(副表示装置)として2つの画像表示装置71、72(枠側表示手段)を設けるものとしていたが、サブ液晶(副表示装置)を遊技盤2の側に設けてもよい。この場合、前述の実施例で示した2つのサブ液晶(第2画像表示装置71、第3画像表示装置72)に代えて、盤側表示手段として2つのサブ液晶をメイン液晶(第1画像表示装置7)の左右に設けたり、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72のうち一方(左サブ液晶または右サブ液晶)に代えて遊技盤側に一のサブ液晶を設けたりすることができる。あるいは、前述の実施例で示した2つのサブ液晶(第2画像表示装置71、第3画像表示装置72)を備えつつ、さらに遊技盤側に1又は2以上のサブ液晶を設けることも可能である。これによっても、複数の画像表示装置によるインパクトのある種々の演出表示が可能となる。
【0282】
また、前述の実施例では、遊技盤側(遊技領域の内側)に設けられる表示装置(第1画像表示装置7)および遊技機枠側(遊技領域の外側)に設けられる表示装置(第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72)を、すべて液晶表示装置(液晶表示器)からなる画像表示装置としていたが、表示装置の種類は液晶に限られるものではなく、例えば、ドラム表示器やドット表示器、7セグ表示器等を用いることも可能である。さらに、主表示装置と副表示装置からなる複数の表示装置には、種類が異なるものを混在させてもよい。具体的に、例えば、前述の実施例で示した第1乃至第3画像表示装置のうち、第1画像表示装置7をドラム表示器又は7セグ表示器とし、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72を実施例と同様に液晶表示器としてもよい。あるいは、第1画像表示装置7を実施例と同様に液晶表示器とし、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72の一方又は両方をドット表示器としてもよい。これにより、表示方式が異なる複数の表示装置による多彩な演出表示が可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0283】
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
【0284】
(参考発明1)
従来の遊技機において、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口及び第2大入賞口を備え、第1始動口に遊技球が入球すると第1図柄を変動表示し、第2始動口に遊技球が入球すると第2図柄を変動表示するものがあった。そして、第1図柄又は第2図柄が大当り図柄で停止表示すると、第1大入賞口又は第2大入賞口の何れかだけを開状態とするか、若しくは、第1大入賞口及び第2大入賞口を所定順序で開状態とする大当り遊技を実行する遊技機があった(特開2017-055811)。
【0285】
また、従来の遊技機では、第2始動口を可変式の始動口とし、低ベース状態においては入球頻度を低くし、高ベース状態においては入球頻度を高めることで、低ベース状態では第1始動口を狙って遊技し、高ベース状態では第2始動口を狙って遊技するものがあった。また、大当り遊技や高ベース状態になると、遊技領域の右側領域を狙って遊技する所謂右打ち遊技を行う遊技機があった。このような遊技機では、低ベース状態では、左打ち遊技を行い、一旦有利状態になると、当該有利状態が終了するまで右打ち遊技で遊技を行うものとし、有利状態の遊技にメリハリをつけるものであった。然しながら、従来の遊技機では、遊技状態の移行態様が画一的で、趣向性の高い遊技性を提供するに至っていなかった。
【0286】
本参考発明1は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、従来の遊技機とは異なり、趣向性の高い遊技状態を提供すると共に、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高める遊技機を提供するものである。
【0287】
参考発明1-1の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と、
第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入球可能性が高い第2状態とに変化可能な第2始動口と、
遊技球が入球可能な第3始動口と、
前記第1始動口又は前記第2始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定実行手段と、
前記第3始動口への入球に基づいて実行する第2当否判定を実行する第2当否判定実行手段と、
前記第2始動口への遊技球の入球頻度が所定頻度の第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、
前記第1当否判定又は前記第2当否判定の結果が大当り(第1特定結果)となった場合、特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えた遊技機であって
前記第1始動口は第1遊技領域に設けられ、
前記第2始動口及び前記第3始動口は第2遊技領域に設けられ、
前記第1遊技状態において前記第1遊技領域に遊技球を発射して前記第1当否判定を主体として実行する第1遊技(低確低ベース状態)と、前記第2遊技状態において前記第2遊技領域に遊技球を発射して前記第1当否判定を主体として実行する第2遊技(低確高ベース状態)と、前記第1遊技状態において前記第2遊技領域に遊技球を発射して前記第2当否判定を主体として実行する第3遊技(高確低ベース状態)と、を有する
ことを特徴とするものである。
【0288】
このような遊技機によれば、第1遊技領域に第1当否判定を実行する第1始動口を配置し、第2遊技領域に第1当否判定を実行する(第1状態と第2状態とに変化する)可変式の第2始動口及び第2当否判定を実行する第3始動口を配置している。また、遊技状態として、第2始動口への遊技球の入球頻度が低い(所定頻度の)第1遊技状態と、第1遊技状態よりも第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態と、を有している。そして、第1遊技状態において第1遊技領域の第1始動口を狙って発射して第1当否判定を主体として実行する第1遊技と、第2遊技状態において第2遊技領域の第2始動口を狙って発射して第1当否判定を主体として実行する第1遊技と、第1遊技状態において第2遊技領域の第3始動口を狙って発射して第2当否判定を主体として実行する第1遊技と、を有する。
【0289】
これにより、遊技者は、遊技状態の変遷によって、遊技態様の異なる第1遊技、第2遊技、第3遊技を行い、多様な遊技状態の移行態様及び新規な遊技性によって遊技興趣を高めることが可能となる。尚、第1遊技状態においては、第2遊技領域に発射して第2始動口へ入球する入球頻度よりも、第1遊技領域に発射して第1始動口へ入球する入球頻度の方が高いものとしてもよい。
【0290】
また、参考発明1-2の遊技機は、参考発明1-1の遊技機において、
前記第1遊技領域に遊技球を発射する前記第1遊技における前記第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、
前記第2遊技領域に遊技球を発射する前記第2遊技における前記第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、
前記第2遊技領域に遊技球を発射する前記第3遊技における前記第2当否判定の結果として、第3大当りと第4大当りとを有し、
前記第1遊技において、前記第1当否判定の結果が前記第1大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第1当否判定の結果が前記第2大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第2遊技において、前記第1当否判定の結果が前記第1大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第1当否判定の結果が前記第2大当りとなると前記第3遊技を実行可能とし、
前記第3遊技において、前記第2当否判定の結果が前記第3大当りとなると前記第2遊技を実行可能とし、前記第2当否判定の結果が前記第4大当りとなると前記第3遊技を実行可能とする
ことを特徴とするものである。
【0291】
このような遊技機によれば、第1遊技領域に遊技球を発射する第1遊技における第1当否判定の結果、及び、第2遊技領域に遊技球を発射する第2遊技における第1当否判定の結果として、第1大当りと第2大当りとを有し、第2遊技領域に遊技球を発射する第3遊技における第2当否判定の結果として、第3大当りと第4大当りとを有する。そして、遊技開始後の第1遊技において、第1当否判定の結果が第1大当りになると第2遊技を実行可能とし、第2大当りになると第3遊技を実行可能とする。また、第2遊技となった場合、第2遊技における第1当否判定の結果が第1大当りになると第2遊技を実行可能とし、第2大当りになると第3遊技を実行可能とする。また、第3遊技となった場合、第3遊技における第2当否判定の結果が第3大当りになると第2遊技を実行可能とし、第4大当りになると第3遊技を実行可能とする。
【0292】
これにより、遊技開始後の第1遊技により、第1大当り、第2大当りの何れとなった場合でも、その後の遊技を第2遊技領域へ遊技球を発射することで遊技する。また、第2遊技領域へ発射する遊技を行いながら、第2遊技を行う場合であっても第3遊技を行う場合であっても、第1当否判定を行う遊技(第2遊技)と、第2当否判定を行う遊技(第3遊技)との間で、遊技態様(遊技状態)を移行しながら遊技を行うことを可能とする。またこれにより、多様な遊技状態の移行態様及び新規な遊技性によって遊技興趣を高めることが可能となる。
【0293】
また、参考発明1-3の遊技機は、参考発明1-2の遊技機において、
前記第2遊技において、前記第1当否判定が特定回数実行されることに基づいて、前記第2遊技状態が前記第1遊技状態となり、前記第1遊技に移行することを特徴とするものである。
【0294】
このような遊技機によれば、第2遊技において、第1当否判定が特定回数実行されると、第2遊技状態が前記第1遊技状態となり、第1遊技に移行するものとする。これにより、特定回数の当否判定の実行により、第2遊技から第1遊技に移行することとなる。また、同じ第1当否判定を実行する遊技において、第2遊技領域への発射遊技から第1遊技領域への発射遊技に移行することとなる。またこれにより、多様な遊技状態の移行態様及び新規な遊技性によって遊技興趣を高めることが可能となる。
【0295】
尚、第3遊技は第2当否判定が特定回数実行された場合でも第3遊技を継続するものとしてもよい。また、第3遊技は、第2当否判定の結果が大当りとなるまで第3遊技を継続するものとしてもよい。
【0296】
また、参考発明1-4の遊技機は、参考発明1-1乃至参考発明1-3の遊技機において、
前記第2当否判定の結果として小当り(第2特定結果)を有し、前記小当りとなると所定量の遊技利益を獲得可能とされ、
前記第2当否判定は、前記第1当否判定よりも、前記小当りとなる可能性が高くされ、
前記第2遊技は、前記第1遊技よりも前記第1当否判定の実行頻度が高くされることで、遊技に使用する遊技媒体の減少速度が前記第1遊技よりも遅いものとされ、
前記第3遊技は、前記小当りによって遊技利益を獲得可能とすることで遊技媒体の減少速度が、前記第2遊技よりも遅い
ことを特徴とするものである。
【0297】
このような遊技機によれば、第2当否判定の結果として所定量の遊技利益を獲得可能な小当りを有しており、第2当否判定の方が第1当否判定よりも高い確率で小当りとなるものとされる。すなわち、第1遊技及び第2遊技よりも、第3遊技の方が高い確率で小当りとなる。また、第2遊技状態である第2遊技は、第1遊技状態である第1遊技よりも、第1当否判定の実行頻度が高いものとされる。そして、第2遊技は、第1遊技よりも遊技に使用する遊技媒体の減少速度が遅く、第3遊技は、第2遊技よりも遊技に使用する遊技媒体の減少速度が遅い。これにより、第3遊技は第2遊技よりも有利な遊技であり、第2遊技は第1遊技よりも有利な遊技とされる。またこれにより、有利度の異なる多様な遊技状態の間で移行態様を多様化し、新規な遊技性によって遊技興趣を高めることが可能となる。尚、第2当否判定の結果として小当りを有し、第1当否判定の結果として小当りを有しないものとしてもよい。
【0298】
また、第2遊技状態において第2遊技領域に遊技球を発射して第1当否判定を主体として実行する第4遊技(高確高ベース状態)を有してもよい。また、第4遊技は、次回の大当りが発生するまで継続するものとしてもよい。また、第4遊技は、第1遊技よりも第1当否判定の実行頻度が高くされることで、第1遊技よりも遊技媒体の減少速度が遅いものとされ、第3遊技は、小当りによって遊技利益を獲得可能とすることで、遊技媒体の減少速度が第2遊技及び第4遊技よりも遅いものとしてもよい。また、第2遊技及び第4遊技は何れも第2遊技状態であることから遊技媒体の減少速度は略同じであるものとしてもよい。
【0299】
また、第1遊技において、第1当否判定の結果が第1大当り(実施例1の4R第4大当りに相当)となると第2遊技を実行可能とし、第1当否判定の結果が第2大当り(実施例1の15R第1大当り及び4R第2大当りに相当)となると第3遊技を実行可能とし、第1当否判定の結果が第5大当り(実施例1の4R第3大当りに相当)となると第4遊技を実行可能とし、
第2遊技において、第1当否判定の結果が第1大当り(実施例1の4R第4大当りに相当)となると第2遊技を実行可能とし、第1当否判定の結果が第2大当り(実施例1の15R第1大当り及び4R第2大当りに相当)となると第3遊技を実行可能とし、第1当否判定の結果が第5大当り(実施例1の4R第3大当りに相当)となると第4遊技を実行可能とし、
第3遊技において、第2当否判定の結果が第3大当り(実施例1の2R第7大当りに相当)となると第2遊技を実行可能とし、第2当否判定の結果が第4大当り(実施例1の15R第5大当りに相当)となると第3遊技を実行可能とし、第2当否判定の結果が第6大当り(実施例1の2R第6大当りに相当)となると第4遊技を実行可能とし、
第4遊技において、第1当否判定の結果が第1大当り(実施例1の4R第4大当りに相当)となると第2遊技を実行可能とし、第1当否判定の結果が第2大当り(実施例1の15R第1大当り及び4R第2大当りに相当)となると第3遊技を実行可能とし、第1当否判定の結果が第5大当り(実施例1の4R第3大当りに相当)となると第4遊技を実行可能としてもよい。
【0300】
尚、「遊技に使用する遊技媒体の減少速度」とは、単位時間(例えば1分)又は単位発射数(例えば100発)における使用した遊技媒体(発射した遊技球)から、同期間に付与される遊技媒体(払い出された賞球)を減算した数を、遊技媒体(遊技球)の減少数として計算する。第1遊技、第2遊技、第3遊技、第4遊技において、所定期間遊技を行った場合に、遊技者が保有する遊技媒体(遊技球、持ち球)の減少速度は、減少速度が速い順に、第1遊技>第2遊技(第4遊技)>第3遊技となる。尚、第3遊技は、遊技を継続すればするほど小当りによって持ち球を増加させることが可能であるため、減少速度はマイナスであるともいえる。すなわち、第1遊技、2遊技、第4遊技は持ち球を減少させながら遊技する状態であるが、第3遊技は持ち球を増加させながら遊技する状態である。
【0301】
また、第1当否判定の結果が大当りとなる場合における当該大当り種別(第1大当り種別)は、第2当否判定の結果が大当りとなる場合における当該大当り種別(第2大当り種別)よりも種類が多いものとしてもよい。また、第2当否判定の結果として発生する第3遊技(高確低ベース状態)として、賞球を獲得するのが困難な大当り遊技を経て第3遊技となる場合と、賞球を獲得するのが容易な大当り遊技を経て第3遊技となる場合と、を有するものとする。また、第1当否判定の結果として発生する第3遊技(高確低ベース状態)として、賞球を獲得するのが困難な大当り遊技を経る第3遊技となる場合を有さず、賞球を獲得するのが容易な大当り遊技を経て第3遊技となる場合のみ有するものとしてもよい。
【0302】
また、第2当否判定における小当りの発生確率を、高確率における大当りとなる確率よりも高い確率とし、第2当否判定における小当りの発生可能性を高めることができる。更に好適には、第2当否判定における小当りの発生確率を1/2以上とするのが望ましい。また、第1当否判定と第2当否判定とで、高確率状態への突入確率(確率変動機能の作動確率)は同じ確率とする。一方で、第1当否判定と第2当否判定とで、状態C(高確低ベース状態)への突入確率を異なるものとしてもよく、第2当否判定の状態C(高確低ベース状態)への突入確率を第1当否判定よりも高くしてもよい。これにより、第2当否判定を行う第3遊技を実行し得る第2遊技領域への発射遊技への遊技者の期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0303】
また、第2当否判定において、状態C(高確低ベース状態)に突入しない大当りとなった場合、当該大当りは、第2当否判定における大当り(大当り遊技)のうちで、獲得可能な賞球数が最も少ない大当り(大当り遊技)である。また、当該大当りは、第1当否判定及び第2当否判定における大当り(大当り遊技)のうちで、獲得可能な賞球数が最も少ない大当り(大当り遊技)である。
【0304】
本参考発明1の遊技機によれば、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高める遊技機の提供を図ることが可能となる。
【0305】
(参考発明2)
従来の遊技機において、始動口への遊技球の入球に基づいて当否判定を行い、当該当否判定の結果に基づいて図柄を変動表示するものがあった。このような遊技機では、当否判定の結果が大当りであると、当該図柄を大当り図柄で停止表示し、当否判定の結果が外れであると、当該図柄を外れ図柄で停止表示するものがあった。また、図柄として、特別図柄と演出図柄との複数の図柄を有する遊技機があった(特開2008-370)。
【0306】
また、従来の遊技機の特別図柄及び演出図柄は、何れも当否判定の結果に基づいて変動表示及び停止表示するものである。また、特別図柄は、変動表示後にリーチ変動等の遊技演出を行うことなく停止表示することで当否判定の結果を示し、演出図柄は、変動表示後にリーチ変動等の遊技演出を行って停止表示することで当否判定の結果を示すものであった。このように複数の図柄を有することで、夫々の図柄の目的に応じた表示制御を可能としていた。
【0307】
然しながら、特許文献1の遊技機では、複数の図柄の表示態様や表示位置等の関係で、両図柄の一致性等を確認するのが容易ではなかった。本参考発明2は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、複数の図柄の表示態様によって、複数の図柄の確認を容易にし、公正な遊技機を提供するものである。
【0308】
参考発明2-1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
前記当否判定の結果に基づいて第1識別情報(特別図柄)を変動表示する第1識別情報表示部(第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b)と、
前記当否判定の結果に基づいて第2識別情報(演出図柄)を変動表示する第2識別情報表示部(演出図柄表示部7b)と、
前記当否判定の結果に基づいて第3識別情報(状態図柄、確認図柄)を変動表示する第3識別情報表示部(変動状態表示器49)と、
前記第2識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出(リーチ演出等)を表示可能な遊技演出表示部(演出図柄表示部7b、第1表示画面7a)と、
前記当否判定の結果が特定結果となった場合、特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えた遊技機であって、
前記第1識別情報表示部及び前記第3識別情報表示部を有する第1表示部(主表示器40)と、
前記第2識別情報表示部及び前記遊技演出表示部を有する第2表示部(画像表示装置7、表示画面7a)と、を備える
ことを特徴とするものである。
【0309】
このような遊技機によれば、第1識別情報(特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄)を変動表示する第1識別情報表示部と、第2識別情報(演出図柄)を変動表示する第2識別情報表示部と、第3識別情報(状態図柄、確認図柄)を変動表示する第3識別情報表示部と、第2識別情報の変動表示に伴って実行される遊技演出を表示可能な遊技演出表示部と、を有している。また、第1識別情報表示部及び前記第3識別情報表示部を有して構成される第1表示部と、第2識別情報表示部及び遊技演出表示部を有して構成される第2表示部と、を備えている。
【0310】
これにより、第2表示部を確認することで当否判定の結果を示す第2識別情報及び遊技演出を確認することを可能とすると共に、第1表示部を確認することで当否判定の結果に基づいて変動表示する第1識別情報及び第3識別情報を確認することができる。
【0311】
また、参考発明2-2の遊技機は、参考発明2-1の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技領域を有し、前記遊技領域に遊技球を流下させて遊技を行う遊技機であって、
前記第1表示部は前記遊技領域の内方に設けられ、前記第2表示部は前記遊技領域の外方に設けられることを特徴とするものである。
【0312】
このような遊技機によれば、第1識別情報表示部及び前記第3識別情報表示部を有して構成される第1表示部を遊技領域の外方(外側)に配置し、第2識別情報表示部及び遊技演出表示部を有して構成される第2表示部を遊技領域の内方(内側)に配置する。これにより、リーチ演出等の遊技演出及び当否判定の結果を示す第2識別情報を表示する第2表示部を、遊技領域内に設けることで、遊技球の流下を確認しながら、第2表示部の表示態様の確認を可能とする。また、第1識別情報及び第3識別情報を確認可能な第1表示部は、第2表示部と切り離して遊技領域の外方に配置することで、遊技演出等に惑わされることなく、第1識別情報及び第3識別情報の表示態様を確実に把握することが可能となる。
【0313】
第1表示部は遊技領域の外側(遊技領域を区画するレール部材よりも外側の領域)に配置し、第2表示部は遊技領域の内側(遊技領域を区画するレール部材よりも内側の領域)に配置するものとしてもよい。
【0314】
また、参考発明2-3の遊技機は、参考発明2-2の遊技機において、
前記第1表示部はLEDで構成され、第2表示部は液晶で構成され、
前記第2表示部は前記第1表示部よりも大型であることを特徴とするものである。
【0315】
このような遊技機によれば、第1表示部をLEDで構成し、第2表示部を液晶で構成し、第2表示部を第1表示部よりも大型の表示部とする。これにより、第1表示部の表示態様をシンプルなものとして第1識別情報及び第3識別情報の表示態様を確実に把握することを可能とすると共に、第2表示部を第1表示部より大型で且つ液晶で構成することによって、多様で多彩な遊技演出の実行を可能とし、遊技興趣を高める。
【0316】
また、参考発明2-4の遊技機は、参考発明2-3の遊技機において、
前記当否判定実行手段を有する主制御部と、
前記主制御部からの制御信号を受信して制御を行う副制御部と、を有し、
前記第1表示部を構成する前記第1識別情報表示部は主制御部で表示制御し、前記第1表示部を構成する前記第3識別情報表示部及び前記第2表示部は副制御部で表示制御することを特徴とするものである。
【0317】
このような遊技機によれば、主制御部と、主制御部からの制御信号を受信して制御を行う副制御部とを有する。そして、第1表示部のうち第1識別情報表示部は主制御部で表示制御し、第3識別情報表示部は副制御部で表示制御する。また、遊技演出及び第2識別情報を表示する第2表示部は副制御部で表示制御する。すなわち、第1表示部には、主制御部で表示制御する第1識別情報と、副制御部で表示制御する第3識別情報と、を表示している。これにより、第1表示部を確認することで、主制御部及び副制御部で制御する識別情報(第1識別情報及び第3識別情報)の表示態様を何れも確認することを可能とする。またこれにより、主制御部及び副制御部で制御する識別情報の一致性を容易に確認することが可能となる。
【0318】
主制御部は、特別図柄の表示制御や当否判定に関する制御やセンサの検知に関する遊技や賞球の排出に関する制御や可変入球口の開閉に関する制御を実行する制御部であり、遊技を司る制御部である。また、副制御部は、主制御部からの制御信号を受信して所定の制御を行う制御部であり、可動部材の動作制御や演出表示部の表示制御遊等の遊技演出に関する制御を行う主制御部の従たる制御部である。
【0319】
また、参考発明2-5の遊技機は、参考発明2-4の遊技機において、
所定の遊技情報を記憶可能な遊技情報記憶手段と、
電力供給を行う電力供給手段(電源基板109)と、
電源電圧の低下を検知することに基づいて、前記遊技情報記憶手段に記憶される遊技情報を、電力供給の停止後も所定期間記憶保持可能な記憶保持手段と、
前記電力供給手段が電力供給を開始した際に、前記記憶保持手段が記憶保持した遊技情報に基づいて、電源電圧の低下を検知したときの遊技情報を復旧する遊技情報復旧手段と、を備え、
前記遊技情報復旧手段が遊技情報を復旧する場合において、前記第3識別情報表示部の方が前記第2表示部より早く復旧し、表示制御を実行可能となることを特徴とするものである。
【0320】
このような遊技機によれば、電力供給を開始した際に、記憶保持手段が記憶保持した遊技情報に基づいて、電源電圧の低下を検知したときの遊技情報を復旧する遊技情報復旧手段を備える。そして、遊技情報を復旧する場合、第1表示部が有する第3識別情報表示部の方が、前記第2表示部よりも早く復旧して、表示制御を実行可能とする。第2表示部は遊技演出を多様化するため液晶で構成しており、多彩な表示制御を行うため、遊技情報の復旧作業に一定の時間を要する。一方、LEDで簡素に構成する第1表示部(第3識別情報表示部)は、シンプルな表示制御を行うため、遊技情報の復旧作業に長い時間を要しない。
【0321】
これにより、同じ副制御部で制御する表示部であっても、第3識別情報表示部を第2表示部に先んじて復旧させ、一早く表示制御を実行可能とする。またこれにより、電力供給開始後、主制御部の復帰に合わせてすぐに遊技が開始可能となるものの、液晶で構成される第2表示部は復旧に時間を要する(遊技開始後も未だ復旧していない)場合がある。このような状況でも、一早く普及し表示制御を開始可能とした第3識別情報表示部を確認することで、副制御部で表示制御する表示内容を確認することが可能となる。
【0322】
本参考発明2の遊技機によれば、複数の図柄の表示態様によって、複数の図柄の確認を容易にし、公正な遊技機の提供を図ることが可能となる。
【0323】
尚、前述した参考発明1乃至参考発明2の2以上の任意の発明を組合せてもよい。
【符号の説明】
【0324】
1 パチンコ遊技機、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、26 第3始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、90 副制御基板(副制御部)、100 画像制御基板(画像制御部)、103a 第3演出保留表示器、103b 第4演出保留表示器。