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特許7362830骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-06
(45)【発行日】2023-10-17
(54)【発明の名称】骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20231010BHJP
   B01J 37/30 20060101ALI20231010BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20231010BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20231010BHJP
   B01J 29/89 20060101ALI20231010BHJP
   B01J 37/00 20060101ALI20231010BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20231010BHJP
【FI】
C01B39/48
B01J37/30
B01J37/08
B01J37/02 101A
B01J29/89 Z
B01J37/00 D
C07B61/00 300
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022073803
(22)【出願日】2022-04-27
(62)【分割の表示】P 2019525944の分割
【原出願日】2017-12-20
(65)【公開番号】P2022115912
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】16205265.8
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】パルフレスク,アンドレイ-ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】リュッツェル,ハンス-ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ウール,ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】テレス,ジョアキム ヘンリケ
(72)【発明者】
【氏名】リーデル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ウルバンクツィク,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェゲルレ,ウルリケ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルツ,ニコライ トニオ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,クリスティアン
【審査官】浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512845(JP,A)
【文献】特表2016-506904(JP,A)
【文献】特表2015-506332(JP,A)
【文献】特表2017-530078(JP,A)
【文献】特表2006-525283(JP,A)
【文献】特表2016-535718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 37/00-39/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む、押出成形性組成物であって、
前記押出成形性組成物が、
(i)少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による前記水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)前記酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による前記水性懸濁液の前記液体相から分離すること
を含む、(i)で準備された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること
iii)(ii)による酸処理された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(ii)または(iii)から得られた前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること
を含む方法によって得ることができるかまたは得られた、押出成形性組成物。
【請求項2】
(i)で準備された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、11~20質量%の範囲の吸水能を有する、請求項1に記載の押出成形性組成物。
【請求項3】
(i)で準備された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の全質量に対して、元素チタンとして計算して、0.1~5質量%の範囲の量のチタンを含む、請求項1または2に記載の押出成形性組成物。
【請求項4】
前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、1~5マイクロメートルの範囲のDv10値、7~15マイクロメートルの範囲のDv50値、および20~40マイクロメートルの範囲のDv90値を特徴とする粒度分布を示す粒子を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項5】
前記水性液体相中に含まれる酸が、1種または複数の無機酸を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(ii.2)において、(ii.1)による前記水性懸濁液が50~175℃の範囲の前記懸濁液の温度に加熱され、前記温度に維持され、100~250℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で乾燥され、400~800℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中でか焼される、請求項1~5のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項7】
(iii)前記(ii)の工程に加えて、更に(ii)による酸処理された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項8】
(iv)による前記組成物中に含まれる前記混練薬剤が、1種または複数の親水性のポリマーを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項9】
(iv)による前記組成物に含まれる前記シリカ結合剤の前記前駆体が、シリカゲル、沈降シリカ、フュームドシリカおよびコロイダルシリカの1つまたは複数を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項10】
(iv)による前記組成物が、ポリアルキレンオキシドを含まない、請求項1から9のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項11】
(iv)による前記組成物の少なくとも99質量%が、前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、前記シリカ結合剤の前記前駆体、前記水および前記混練薬剤からなる、請求項1から10のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項12】
(iv)による前記組成物が、最高1,500Nの範囲の可塑性を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【請求項13】
骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水、および混練薬剤を含む、押出成形性組成物であって、
前記組成物は、ポリエチレンオキシドを含まず、
前記組成物の少なくとも99質量%が、前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、前記シリカ結合剤の前記前駆体、前記水、および前記混練薬剤からなり、
前記組成物が、最高1,500Nの範囲の可塑性を有する、押出成形性組成物。
【請求項14】
触媒活性物質として前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒前駆体または触媒の製造のための、請求項1から12または13のいずれか一項に記載の押出成形性組成物を使用する方法。
【請求項15】
骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤を含む成形物であって、
前記成形物が、
(i)少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による前記水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)前記酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による前記水性懸濁液の前記液体相から分離すること
を含む、(i)で準備された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること
iii)(ii)による酸処理された前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(ii)または(iii)から得られた前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること;
(v)(iv)による前記組成物を押出成形し、成形物を得ること;
(vi)ガス雰囲気中で前記成形物を乾燥すること;
(vii)ガス雰囲気中で乾燥された前記成形物をか焼すること;
を含む方法によって得ることができるかまたは得られた、成形物。
【請求項16】
骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤を含む成形物であって、前記成形物の少なくとも99質量%が、前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料および前記シリカ結合剤からなり、前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算される前記シリカ結合剤との質量比が7:3~9:1の範囲にあり、水に対して最大2.4の屈曲度パラメーターを有する成形物
【請求項17】
触媒活性物質として前記骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒前駆体または触媒として、請求項16に記載の成形物を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の吸水能を示す骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけることを含む、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法を対象とする。さらに、とりわけ、本発明は、押出成形性組成物、特に本発明の方法によって得ることができる押出成形性組成物、および成形物を製造するために前記押出成形性組成物を使用する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
ZnTiMWW触媒、すなわち亜鉛をさらに含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒は、プロペンのエポキシ化に優れた触媒として公知である。そのような触媒は、成形物が製造される押出成形工程などの成形段階を伴う合成プロセスで普通製造されており、上述のエポキシ化プロセスなどの工業規模プロセスで使用される触媒として好ましい。そのような触媒を製造する方法は、例えば、国際公開第2013/117536A1号に開示されている。この文書中で、押出成形にかける組成物を製造するために、この文書中で開示されるように製造されるZnTiMWWゼオライト材料が使用される場合、押出成形される組成物の追加の化合物としてのポリエチレンオキシドの使用は必要ではないことが開示されている。
【0003】
この開示を考慮して、本発明の発明者らは、国際公開第2013/117536A1号に開示されるように製造されないZnTiMWWゼオライト材料を使用した。驚いたことに、押出成形性組成物を得るためには、追加の押出成形助剤、例えばポリエチレンオキシドを用いなければならないことがわかった。しかしながら、例えば、ポリエチレンオキシドなどの追加で使用される化合物は、成形プロセス後、触媒成形物から、例えばか焼によって除去されなければならないので、押出成形性組成物の製造に使用される成分が少なければ少ないほど製造プロセスは有利である。さらに調査して、本発明の発明者らは、国際公開第2013/117536A1号に開示され、ZnTiMWWゼオライト材料を製造するために使用されているTiMWWゼオライト材料は、11質量%未満の吸水能を示すが、同じ使用について試験した他のTiMWWゼオライト材料は、少なくとも11質量%の吸水能を示すことを見いだした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/117536A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、少なくとも11質量%の吸水能を示す骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法であって、成形物の製造のために使用される押出成形性組成物は、可能な限り少ない成分を含む、方法を提供することを本発明の目的とした。驚いたことに、少なくとも11質量%の吸水能を示す骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、前記組成物の成分にする前に、適切に前処理される場合、そのような方法を提供することができることがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離すること
を含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)任意に、(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(ii)または(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること
を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の文脈で使用されるパラメーター「吸水能」は、本明細書において参照実施例1に詳細に記載されている水分の取り込み測定によって求められるように定義される。
【0008】
工程(i)
好ましくは、(i)で準備される骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、11~20質量%の範囲、より好ましくは11~19質量%の範囲、より好ましくは11.5~18質量%の範囲、より好ましくは12~16質量%の範囲の吸水能を有する。好ましい範囲は、例えば、12~14質量%、または13~15質量%、または14~16質量%である。
【0009】
(i)で準備される骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の化学組成に関して、ゼオライト骨格はアルミニウムを実質的に含まず、基本的にシリコン、酸素、チタンおよび水素からなることが好ましい。任意に、ゼオライト骨格は、ゼオライト材料が製造される特定の方法により存在し得るある量のホウ素を含んでいてもよい。好ましくは、(i)で準備される骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料のゼオライト骨格の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%は、Ti、Si、OおよびHからなる。より好ましくは、(i)で準備される骨格型MWWを有するゼオライト材料の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%は、Ti、Si、OおよびHからなる。
【0010】
好ましくは、(i)で準備される骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の全質量に対して元素チタンとして計算して0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~4質量%の範囲、より好ましくは1~3質量%の範囲の量のチタンを含む。好ましい範囲は、例えば、1~2質量%、1.5~2.5質量%、または2~3質量%である。
【0011】
好ましくは、(i)で準備される骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、か焼された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料である。
【0012】
好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、好ましくは、本明細書の参照実施例7に従って求めて1~5マイクロメートルの範囲、好ましくは2~4マイクロメートルの範囲、より好ましくは2~3マイクロメートルの範囲のDv10値、7~15マイクロメートルの範囲、好ましくは8~12マイクロメートルの範囲、より好ましくは8~11マイクロメートルの範囲のDv50値、および20~40マイクロメートルの範囲、好ましくは25~35マイクロメートルの範囲、より好ましくは26~32マイクロメートルの範囲のDv90値を特徴とする、特定の粒度分布を示す粒子を含み、好ましくはそのものからなる。
【0013】
工程(ii)
(ii)によると、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、酸処理にかけられる。
【0014】
好ましくは、(ii.1)で製造される水性懸濁液において、水性液体相と骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料との質量比は、10:1~30:1の範囲、好ましくは15:1~25:1の範囲、より好ましくは18:1~22:1の範囲にある。
【0015】
水性液体相中に含まれる酸は、好ましくは、1種または複数の無機酸、好ましくは、リン酸、硫酸、塩酸、および硝酸の1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものである。より好ましくは、酸は硫酸または硝酸を含む。より好ましくは、酸は硫酸または硝酸である。好ましくは、酸は、水性液体相中に含まれる水に少なくとも部分的に、より好ましくは完全に溶解される。
【0016】
一般に、(ii.1)による水性液体相は、水および酸に加えて、1種または複数の追加の適切な化合物を含むことが考えられる。好ましくは、液体相は、基本的に酸および水からなる。より好ましくは、(ii.1)による水性液体相の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%は水および酸からなる。
【0017】
本明細書の参照実施例2に記載されているように求めた(ii.1)による水性液体相のpHは、好ましくは0~5の範囲、より好ましくは0~3の範囲、より好ましくは0~4の範囲、より好ましくは0~2の範囲にある。
【0018】
一般に、(ii.1)で製造される水性懸濁液は、水に加えて、酸および骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、1種または複数の追加の適切な化合物を含むと考えられる。好ましくは、水性懸濁液は、基本的に水、酸および骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料からなる。より好ましくは、(ii.1)で製造される水性懸濁液の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%は、水性液体相および骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料からなる。
【0019】
(ii.2)に関して、好ましくは、(ii.1)による水性懸濁液は、50~175℃の範囲、より好ましくは70~125℃の範囲、より好ましくは90~105℃の範囲の懸濁液の温度に加熱される。好ましい範囲は、例えば、90~100、または95~105℃である。(ii.2)によると、水性懸濁液はすべての適切な期間の間上記に規定された好ましい範囲の温度または異なる温度に維持することができる。好ましくは、水性懸濁液は、0.1~24時間、より好ましくは0.3~6時間、より好ましくは0.5~1.5時間、前記温度に維持される。(ii.2)による加熱を、内因性圧力下閉鎖系中で、好ましくはオートクレーブ中で行うことは可能である。さらに、懸濁液を加熱し前記温度で懸濁液を維持することを、内因性圧力下閉鎖系中、好ましくはオートクレーブ中で行うことは可能である。懸濁液を前記温度で加熱するあいだ、および/または維持するあいだに、懸濁液を機械的に揺動し、好ましくは撹拌することは可能である。前記温度で懸濁液を維持した後に、懸濁液は、好ましくは、最高50℃の温度に、好ましくは例えば室温に冷却される。
【0020】
(ii.3)によると、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、懸濁液の液体相から適切に分離される。この固液分離に関して、考えられるすべての方法または2種以上の方法の組み合わせを用いることができる。好ましくは、(ii.3)において、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の分離は、濾過および遠心分離の1つまたは複数を含む。好ましくは、(ii.3)において、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の分離は、さらに、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の乾燥を含み、好ましくは、乾燥は、好ましくは100~250℃の範囲、より好ましくは110~200℃の範囲、より好ましくは120~160℃の範囲のガス雰囲気温度のガス雰囲気中で行われる。適切なすべてのガス雰囲気を使用することができ、好ましいガス雰囲気は窒素を含む。したがって、好ましいガス雰囲気は大気、希薄な大気または工業用窒素などの窒素である。濾過およびその後のフィルターケーキの乾燥の代わりに、水性懸濁液を急速乾燥にかけることが好ましいことがあり、急速乾燥前に水性懸濁液を希釈または濃縮することができる。好ましくは、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの、(ii.3)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、急速乾燥を使用する分離は、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥およびマイクロ波乾燥の1つまたは複数を含む。
【0021】
本発明によれば、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、好ましくは(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離後、より好ましくは乾燥後、適切にか焼されることは好ましい。好ましくは、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、400~800℃の範囲、好ましくは500~750℃の範囲、より好ましくは600~700℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中でか焼される。適切なすべてのガス雰囲気を使用することができ、好ましいガス雰囲気は窒素を含む。したがって、好ましいガス雰囲気は、大気、希薄な大気または工業用窒素などの窒素である。
【0022】
工程(iii)
(iii)によると、亜鉛は、任意に、(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に組み込まれる。したがって、本発明の第1の実施形態によれば、亜鉛は、(iv)の前に、(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に組み込まれない。本発明の第2の好ましい実施形態によれば、(iii)によると、亜鉛が(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に組み込まれることは好ましい。したがって、本発明は、好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること
を含む方法に関する。
【0023】
上記に論じられた2つの実施形態によれば、(iv)に従って使用される骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料という用語は、(iii)に従って亜鉛が組み込まれていない骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に関するか、または、(iii)に従って亜鉛が組み込まれた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に関する。
【0024】
(iii)による亜鉛の組み込みに関して、特別の制約は存在しない。好ましくは、亜鉛の組み込みは、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、含浸、より好ましくは湿式含浸を含む。好ましい湿式含浸に関して、さらに好ましくは、それは、
(iii.1)水および溶解された亜鉛塩を含む水性液体相、ならびに酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(iii.2)(iii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(iii.3)亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(iii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む。
【0025】
(iii.1)で製造された水性懸濁液において、水性液体相と、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料との質量比は、好ましくは40:1~1:1の範囲、より好ましくは35:1~5:1の範囲、より好ましくは15:1~6:1の範囲にある。
【0026】
適切な任意の亜鉛塩を用いることができる。好ましくは、亜鉛塩は酢酸亜鉛、好ましくは酢酸亜鉛二水和物を含む。より好ましくは、亜鉛塩は酢酸亜鉛、好ましくは酢酸亜鉛二水和物である。
【0027】
(iii.1)による水性懸濁液において、元素亜鉛として計算される溶解した亜鉛塩と、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料との質量比は、好ましくは0.01:1~0.2:1の範囲、より好ましくは0.02:1~0.1:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲にある。
【0028】
一般に、(iii.1)による水性液体相が、水および溶解された亜鉛塩に加えて、1種または複数の追加の化合物を含むことは考えられる。好ましくは、(iii.1)による水性液体相は、基本的に水および溶解された亜鉛塩からなる。より好ましくは、(iii.1)による水性液体相の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%は、水および溶解された亜鉛塩からなる。
【0029】
一般に、(iii.1)で製造される水性懸濁液が、水および溶解された亜鉛塩に加えて、1種または複数の追加の化合物を含むことは考えられる。好ましくは、(iii.1)で製造される水性懸濁液は、基本的に水および溶解された亜鉛塩からなる。より好ましくは、(iii.1)で製造される水性懸濁液の少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%は、水性液体相および酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料からなる。
【0030】
(iii.2)に関して、好ましくは(iii.1)による水性懸濁液が、65~135℃の範囲、より好ましくは75~125℃の範囲、より好ましくは85~115℃の範囲の懸濁液の温度に加熱される。好ましい範囲は、例えば85~95℃、または90~100℃、または95~105℃である。(iii.2)によると、その温度または異なる温度で上記に規定された好ましい範囲に、適切なあらゆる期間、水性懸濁液を維持することができる。好ましくは、水性懸濁液は0.2~10時間、より好ましくは0.5~8時間、より好ましくは1~6時間、前記温度に維持される。
【0031】
(iii.3)によると、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、懸濁液の液体相から適切に分離される。この固液分離に関して、考えられるすべての方法または2種以上の方法の組み合わせを用いることができる。好ましくは、(iii.3)において、(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の分離には、濾過および遠心分離の1つまたは複数が含まれる。好ましくは、(iii.3)において、(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の分離には、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の乾燥をさらに含み、乾燥は、好ましくは100~300℃の範囲、より好ましくは150~275℃の範囲、より好ましくは200~250℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で好ましくは行われる。好ましいガス雰囲気が窒素を含む、適切なすべてのガス雰囲気を使用することができる。したがって、好ましいガス雰囲気は大気、希薄な大気または工業用窒素などの窒素である。濾過およびその後のフィルターケーキの乾燥の代わりに、水性懸濁液を急速乾燥にかけることが好ましい場合があり、その場合、急速乾燥の前に水性懸濁液を希釈または濃縮することができる。好ましくは、急速乾燥を使用する(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの、(iii.3)による亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の分離には、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥およびマイクロ波乾燥の1つまたは複数が含まれる。
【0032】
本発明によれば、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、好ましくは(iii.2)による水性懸濁液の液体相から分離した後、より好ましくは乾燥後、適切にか焼されることが好ましい。好ましくは、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、500~725℃の範囲、好ましくは600~700℃の範囲、より好ましくは625~675℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中でか焼される。好ましいガス雰囲気が窒素を含む、適切なすべてのガス雰囲気を使用することができる。したがって、好ましいガス雰囲気は大気、希薄な大気または工業用窒素などの窒素である。
【0033】
工程(iv)
(iv)によると、(ii)または(iii)、好ましくは(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含むが、ポリエチレンオキシドを含まない組成物が製造される。
【0034】
好ましくは、任意の適切な混練薬剤を用いることができる。好ましくは、(iv)による組成物中に含まれる混練薬剤は、1種または複数の親水性のポリマーを含み、好ましくはそのものであり、より好ましくは1種または複数の炭水化物を含み、より好ましくはそのものであり、より好ましくはセルロースおよびセルロース誘導体の1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものであり、より好ましくはセルロース、セルロースエーテルおよびセルロースエステルの1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものである。より好ましくは、(iv)による組成物中に含まれる混練薬剤は、セルロースエーテル、好ましくはセルロースアルキルエーテル、より好ましくはメチルセルロースを含み、好ましくはそのものである。より好ましくは、(iv)による組成物中に含まれる混練薬剤はメチルセルロースからなる。(iv)による組成物において、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と混練薬剤との質量比は、5:1~20:1の範囲、好ましくは8:1~18:1の範囲、より好ましくは9:1~16:1の範囲にある。
【0035】
シリカ結合剤の前駆体に関して、コロイダルシリカならびにいわゆる「ウェットプロセス」シリカおよびいわゆる「ドライプロセス」シリカの両方を使用することは一般に可能である。とりわけ好ましくは、このシリカは非晶質のシリカであり、シリカ粒子のサイズは例えば1~100nmの範囲、シリカ粒子の表面積は50~500m/gの範囲である。コロイダルシリカは、好ましくはアルカリおよび/またはアンモニア性溶液として、より好ましくはアンモニア性溶液として、とりわけ、例えばLudox(登録商標)、Syton(登録商標)、Nalco(登録商標)またはSnowtex(登録商標)として市販されている。「ウェットプロセス」シリカは、とりわけ、例えばHi-Sil(登録商標)、Ultrasil(登録商標)、Vulcasil(登録商標)、Santocel(登録商標)、ValronEstersil(登録商標)、Tokusil(登録商標)またはNipsil(登録商標)として市販されている。「ドライプロセス」シリカは、とりわけ例えば、Aerosil(登録商標)、Reolosil(登録商標)、Cab-O-Sil(登録商標)、Fransil(登録商標)またはArcSilica(登録商標)として市販されている。とりわけ、コロイダルシリカのアンモニア性溶液は本発明において好ましい。好ましくは本発明によると、(iv)による組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体は、シリカゲル、沈降シリカ、フュームドシリカおよびコロイダルシリカの1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものである。より好ましくは、(iv)による組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体はコロイダルシリカを含み、好ましくはそのものである。より好ましくは、(iv)による組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体はコロイダルシリカからなる。(iv)による組成物において、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤の前駆体との質量比は、好ましくは1:1~10:1の範囲、より好ましくは3:1~7:1の範囲、より好ましくは3.5:1~4.5:1の範囲にある。
【0036】
本発明によれば、(iv)による組成物は、約4,000,000の平均分子量MW(g/mol)を有するポリエチレンオキシドを含まず、好ましくは100,000~6,000,000の範囲の平均分子量MW(g/mol)を有するポリエチレンオキシドを含まず、より好ましくはポリエチレンオキシドを含まない。好ましくは、(iv)による組成物は、ポリアルキレンオキシドを含まず、より好ましくは、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない。したがって、本発明は、好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない組成物、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルを含まない組成物を製造することを含む方法に関する。
【0037】
好ましくは、(iv)による組成物の60~75質量%、より好ましくは63~72質量%、より好ましくは65~70質量%は水からなる。(iv)による組成物中に含まれる水の少なくとも一部は、アンモニア安定化水であってもよい。
【0038】
より好ましくは、(iv)による組成物の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%は、(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる。したがって、(iv)による組成物はポリエチレンオキシドを含まない。好ましくは、(iv)による組成物はポリアルキレンオキシドを含まず、より好ましくは、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない。したがって、本発明は、好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、好ましくはコロイダルシリカからなる、シリカ結合剤の前駆体、水、および好ましくはメチルセルロースからなる混練薬剤を含み、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない組成物、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルを含まない組成物を製造すること
を含む方法であって、(iv)による組成物の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%、より好ましくは少なくとも99.99質量%が、(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる方法に関する。
【0039】
好ましくは、(iv)による組成物、すなわち本発明による押出成形性組成物は、本明細書の参照実施例3に従って求めて最高1,500Nの可塑性を有する。より好ましくは、(iv)による組成物は400~1,250Nの範囲の可塑性を有する。より好ましくは、(iv)による組成物は450~1,000Nの範囲の可塑性を有する。
【0040】
(iv)による組成物がどのように製造されるかについて特別の制約は存在しない。好ましくは、組成物の製造は、好ましくは適切な順序で一緒に加えた組成物の個々の成分が均質の大きさを形成するまで機械的に揺動すること、好ましくは組成物を混練することを含む。
【0041】
工程(v)
好ましくは、工程(iv)の後、(iv)から得られた押出成形性組成物は、押出成形にかけられ、前記押出成形から、成形物が得られる。したがって好ましくは(iv)の後かつ(v)の前に、(iv)から得られた組成物は、その組成が変化しない。したがって、本発明はまた、
(v)(iv)による組成物を押出成形し、成形物を得ること
をさらに含む上記の方法に関する。
【0042】
したがって、本発明はまた、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む成形物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を、(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)任意に、(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(ii)または(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリアルキレンオキシドを含まない組成物を製造すること;
(v)(iv)による組成物を押出成形し、成形物を得ること
を含む方法に関する。
【0043】
好ましくは、本発明は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む成形物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、好ましくはコロイダルシリカからなる、シリカ結合剤の前駆体、水、および好ましくはメチルセルロースからなる混練薬剤を含み、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない組成物、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルを含まない組成物を製造すること;
(v)(iv)による組成物を押出成形し、成形物を得ること
を含む方法であって、(iv)による組成物の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%、より好ましくは少なくとも99.99質量%は、(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる方法に関する。
【0044】
(v)による押出成形に関して、特別の制約は存在しない。一般に、(iv)から得られた組成物を押出成形するあらゆる方法を用いることができる。本明細書において使用される用語「押出成形」は、基本的に一定の断面プロファイルを有する成形物が得られる方法に関連し、この場合、(iv)から得られた組成物は、所望の断面図を示す適切なダイ経由で適切に押される。使用される押出機から得られる成形物は、例えば適切な気流および/または適切なワイヤーなどの機械式裁断装置を使用して、それぞれ使用されるダイの下流で切断することができる。基本的に同一の長さを有する成形物を得ることが必要でない場合、押出機から得られる成形物は、ダイの下流でそれ自体の質量の下で切断ではなく破断し、異なる長さを有する成形物をもたらすこともまた可能である。成形物の断面は、例えば、円形、楕円、星形などであってもよい。好ましくは、本発明によれば、成形物は、直径が、好ましくは0.5~2.5mmの範囲、より好ましくは1~2mmの範囲にある円形断面を有する。
【0045】
好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料で構成される成形物は、好ましくは50~200℃の範囲、より好ましくは75~175℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で好ましくは行われる工程(vi)の乾燥にかけられる。好ましいガス雰囲気が窒素を含む、適切なすべてのガス雰囲気を使用することができる。したがって、好ましいガス雰囲気は大気、希薄な大気または工業用窒素などの窒素である。
【0046】
好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料で構成される好ましくは乾燥された成形物は、好ましくは400~700℃の範囲、より好ましくは450~650℃の範囲、より好ましくは500~600℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で好ましくは行われる工程(vii)のか焼にかけられる。好ましいガス雰囲気が窒素を含む、適切なすべてのガス雰囲気を使用することができる。したがって、好ましいガス雰囲気は大気、希薄な大気または工業用窒素などの窒素である。
【0047】
したがって、本発明は、好ましくは、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む成形物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離することを含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、好ましくはコロイダルシリカからなる、シリカ結合剤の前駆体、水、および好ましくはメチルセルロースからなる混練薬剤を含み、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない組成物、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルを含まない組成物を製造すること;
(v)(iv)による組成物を押出成形し、成形物を得ること;
(vi)50~200℃の範囲、好ましくは75~175℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で成形物を乾燥すること;
(vii)400~700℃の範囲、好ましくは450~650℃の範囲、より好ましくは500~600℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で乾燥された成形物をか焼すること
を含む方法であって、(iv)による組成物の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%、より好ましくは少なくとも99.99質量%が(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる方法に関する。
【0048】
押出成形性組成物
本発明はまた、上記の方法、特に工程(i)から(iv)を含む方法によって得ることができるか、または得られる押出成形性組成物に関する。さらに、本発明は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、好ましくは、亜鉛、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤をさらに含み、ポリエチレンオキシドを含まない押出成形性組成物であって、組成物の少なくとも99質量%は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなり、組成物は、本明細書の参照実施例3に従って求めて最高1,500Nの可塑性を有する、押出成形性組成物に関する。好ましくは、押出成形性組成物は400~1,250Nの範囲、好ましくは450~1,000Nの範囲の可塑性を有する。シリカ結合剤の好ましい前駆体および好ましい混練薬剤に関して、それぞれの開示が、本明細書の以下の方法のセクションおよび実施形態のセクションにおいて言及される。
【0049】
したがって、本発明は、好ましくはシリカ源としてのコロイダルシリカ、混練薬剤としてのメチルセルロース、および好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む押出成形性組成物であって、押出成形性組成物において、好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と混練薬剤との質量比は、5:1~20:1の範囲、好ましくは8:1~18:1の範囲、より好ましくは9:1~16:1の範囲にあり、好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤の前駆体との質量比は、1:1~10:1の範囲、好ましくは3:1~7:1の範囲、より好ましくは3.5:1~4.5:1の範囲にあり、押出成形性組成物はポリアルキレンオキシドを含まず、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まず、より好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルを含まず、押出成形性組成物の60~75質量%、好ましくは63~72質量%、より好ましくは65~70質量%は水からなり、押出成形性組成物の少なくとも99.5質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%は、好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる、押出成形性組成物に関する。
【0050】
好ましくは、亜鉛を好ましくは含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料であり、前記酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は好ましくは本明細書の上記に開示される方法の工程(i)および(ii)、好ましくは(iii)を含む方法、好ましくはそのものからなる方法によって得ることができるか、または得られる。好ましい骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトに関して、それぞれの開示が本明細書の以下の方法セクションおよび実施形態セクションで言及される。
【0051】
成形物
またさらに、本発明は、上記の方法、好ましくは工程(i)から(v)を含む方法、より好ましくは工程(i)から(vi)を含む、より好ましくは工程(i)から(vii)を含む方法によって得ることができるか、または得られる成形物に関する。
【0052】
さらに、本発明は、好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤を含む成形物であって、成形物の少なくとも99質量%は、好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤からなり、好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤との質量比は、7:3~9:1の範囲にあり、前記成形物は、本明細書の参照実施例4に記載されるように求めて最高2.4の水に対する屈曲度パラメーターを有する、成形物に関する。好ましくは、成形物の少なくとも99.5質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤からなる。好ましくは、亜鉛を好ましくは含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤との質量比は、7.5:2.5~8.5:1.5の範囲、好ましくは7.75:2.25~8.25:1.75の範囲にある。好ましくは、水に対して屈曲度パラメーターは1~3の範囲にある。より好ましくは、水に対して屈曲度パラメーターは1~2.5の範囲にある。好ましくは、細孔容積は、本明細書の参照実施例5に従って求めて、0.8~1.2mL/gの範囲、好ましくは0.9~1.1mL/gの範囲にある。好ましい骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトに関して、それぞれの開示が、本明細書の以下の方法セクションおよび実施形態セクションにおいて言及される。
【0053】
したがって、本発明は、好ましくは、亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤を含む成形物であって、亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトは、亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトの全質量に対して、元素チタンとして計算される1~3質量%の範囲の量のチタンを含み、骨格型MWWを有するチタンゼオライトは、亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトの全質量に対して、元素亜鉛として計算される1~3質量%の範囲の量の亜鉛を含み、亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトの少なくとも99.5質量%は、Zn、Ti、Si、OおよびHからなり、成形物の少なくとも99.9質量%は亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤からなり、亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤との質量比は、7.75:2.25~8.25:1.75の範囲にあり、水に対する屈曲度パラメーターは1~2.5の範囲にあり、細孔容積は0.9~1.1mL/gの範囲にある、成形物に関する。
【0054】
本発明の成形物は、考えられるすべての使用、例えば、モレキュラーシーブ、触媒、触媒前駆体、触媒成分、吸着剤、吸収剤などとして用いることができる。好ましくは、成形物は、触媒活性物質として好ましくは亜鉛を含む骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒前駆体または触媒として使用される。より好ましくは、成形物はオレフィン、好ましくはプロペンのエポキシ化のための触媒として使用される。したがって、本発明は、また、エポキシ化触媒として本明細書の上記に記載される成形物の存在下で、オレフィンをエポキシ化条件にかけることを含む、オレフィンエポキシド、好ましくはプロペンオキシドを製造する方法に関する。
【0055】
本発明は、示したような従属事項および後述の参考文献から結果として得られる、以下の、実施形態の組および実施形態の組み合わせによってさらに説明される。特に、例えばある範囲の実施形態が、例えば「実施形態1~4のいずれか1つの方法」などの用語の文脈において言及される場合の各事例において、この範囲のすべての実施形態が、当業者にとって明示的に開示されるよう意図することは留意される。すなわち、この用語の言葉遣いは、「実施形態1、2、3および4のいずれか1つの方法」と同意語として当業者は理解するはずである。
【0056】
1. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む組成物、好ましくは押出成形性組成物を製造する方法であって、
(i)本明細書の参照実施例1に従って求めて少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備すること;
(ii)
(ii.1)水および酸を含む水性液体相、ならびに(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(ii.2)(ii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(ii.3)酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を(ii.2)による水性懸濁液の液体相から分離すること
を含む、(i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理にかけること;
(iii)任意に、(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(ii)または(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること
を含む方法。
【0057】
2. (i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、11~20質量%の範囲、好ましくは11.5~18の範囲、より好ましくは12~16質量%の範囲の吸水能を有する、実施形態1に記載の方法。
【0058】
3. (i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料のゼオライト骨格の少なくとも99質量%、好ましくは、少なくとも99.5質量%が、Ti、Si、OおよびHからなる、実施形態1または2に記載の方法。
【0059】
4. (i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の全質量に対して、元素チタンとして計算して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.5~4質量%の範囲、より好ましくは1~3質量%の範囲の量のチタンを含む、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0060】
5. (i)で準備された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、か焼された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料である、実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0061】
6. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、本明細書の参照実施例7に従って求めて、1~5マイクロメートルの範囲、好ましくは2~4マイクロメートルの範囲のDv10値、7~15マイクロメートルの範囲、好ましくは8~12マイクロメートルの範囲のDv50値、および20~40マイクロメートルの範囲、好ましくは25~35マイクロメートルの範囲のDv90値を特徴とする粒度分布を示す粒子を含む、好ましくはそのものからなる、実施形態1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0062】
7. (ii.1)で製造された水性懸濁液において、水性液体相と、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料との質量比が、10:1~30:1の範囲、好ましくは15:1~25:1の範囲、より好ましくは18:1~22:1の範囲にある、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0063】
8. 水性液体相中に含まれる酸が、1種または複数の無機酸、好ましくはリン酸、硫酸、塩酸および硝酸の1つまたは複数を含み、好ましくはそのものであり、より好ましくは、硫酸または硝酸を含む、好ましくはそのものである、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0064】
9. (ii.1)による水性液体相の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が水および酸からなる、実施形態1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0065】
10. (ii.1)による水性液体相が、本明細書の参照実施例2に記載されているように求めて、0~5の範囲、好ましくは0~3の範囲、より好ましくは0~2の範囲のpHを有する、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
11. (ii.1)で製造された水性懸濁液の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、水性液体相および骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料からなる、実施形態1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
12. (ii.2)において、(ii.1)による水性懸濁液が50~175℃の範囲、好ましくは70~125℃の範囲、より好ましくは90~105℃の範囲の前記懸濁液の温度に加熱される、実施形態1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
13. (ii.2)において、水性懸濁液が0.1~24時間、より好ましくは0.3~6時間、より好ましくは0.5~1.5時間前記温度に維持される、実施形態12に記載の方法。
【0069】
14. (ii.2)による加熱が、内因性圧力下閉鎖系中で、好ましくはオートクレーブ中で行われる、実施形態1から13のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
15. (ii.3)において、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、濾過および遠心分離の1つまたは複数を含む、実施形態1から14のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
16. 酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、さらに酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の乾燥を含む、実施形態15に記載の方法。
【0072】
17. 酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、100~250℃の範囲、好ましくは110~200℃の範囲、より好ましくは120~160℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で乾燥される、実施形態16に記載の方法。
【0073】
18. (ii.3)において、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥およびマイクロ波乾燥の1つまたは複数を含む、実施形態1から17のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
19. (ii.3)において、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(ii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、好ましくは乾燥され酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をか焼することをさらに含む、実施形態1から18のいずれか一項に記載の方法、好ましくは実施形態16から18のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
20. 酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、400~800℃の範囲、好ましくは500~750℃の範囲、好ましくは600~700℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中でか焼される、実施形態19に記載の方法。
【0076】
21. (iii)(ii)による酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込むこと;
(iv)(iii)から得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含み、ポリエチレンオキシドを含まない組成物を製造すること
を含む、実施形態1から20のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
22. (iii)において、亜鉛の組み込みが、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、含浸、好ましくは湿式含浸を含む、実施形態21に記載の方法。
【0078】
23. (iii)において、亜鉛の組み込みが、
(iii.1)水および溶解された亜鉛塩を含む水性液体相、ならびに酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む水性懸濁液を製造すること;
(iii.2)(iii.1)による水性懸濁液を加熱すること;
(iii.3)亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を、(iii.2)による水性懸濁液の液体相から分離すること
を含む、実施形態21または22に記載の方法。
【0079】
24. (iii.1)で製造された水性懸濁液において、水性液体相と、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料との質量比が、40:1~1:1の範囲、好ましくは35:1~5:1の範囲、より好ましくは15:1~6:1の範囲にある、実施形態23に記載の方法。
【0080】
25. 亜鉛塩が、酢酸亜鉛、好ましくは酢酸亜鉛二水和物を含み、好ましくはそのものである、実施形態23または24に記載の方法。
【0081】
26. (iii.1)による水性懸濁液において、元素亜鉛として計算される溶解された亜鉛塩と、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料との質量比が、0.01:1~0.2:1の範囲、好ましくは0.02:1~0.1:1の範囲、より好ましくは0.04:1~0.06:1の範囲にある、実施形態23から25のいずれか一項に記載の方法。
【0082】
27. (iii.1)による水性液体相の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が水および溶解された亜鉛塩からなる、実施形態23から26のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
28. (iii.1)で製造された水性懸濁液の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、水性液体相および酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料からなる、実施形態23から27のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
29. (iii.2)において、(iii.1)による水性懸濁液が、65~135℃の範囲、好ましくは75~125℃の範囲、より好ましくは85~115℃の範囲の前記懸濁液の温度に加熱される、実施形態23から28のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
30. (iii.2)において、水性懸濁液が0.2~10時間、好ましくは0.5~8時間、より好ましくは1~6時間、前記温度に維持される、実施形態29に記載の方法。
【0086】
31. (iii.3)において、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、濾過および遠心分離の1つまたは複数を含む、実施形態23から30のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
32. 亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の乾燥をさらに含む、実施形態31に記載の方法。
【0088】
33. 酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、100~300℃の範囲、好ましくは150~275℃の範囲、より好ましくは200~250℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中で乾燥される、実施形態32に記載の方法。
【0089】
34. (iii.3)において、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥およびマイクロ波乾燥の1つまたは複数を含む、実施形態23から30のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
35. (iii.3)において、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の、(iii.2)による水性懸濁液の液体相からの分離が、亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、好ましくは乾燥された亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料のか焼をさらに含む、実施形態23から34のいずれか一項に記載の方法、好ましくは実施形態32から34のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
36. 亜鉛を含む酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、500~725℃の範囲、好ましくは600~700℃の範囲、より好ましくは625~675℃の範囲のガス雰囲気の温度でガス雰囲気中でか焼される、実施形態35に記載の方法。
【0092】
37. (iv)による組成物中に含まれる混練薬剤が、1種または複数の親水性ポリマーを含み、好ましくはそのものであり、より好ましくは1種または複数の炭水化物を含み、より好ましくはそのものであり、より好ましくはセルロースおよびセルロース誘導体の1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものであり、より好ましくはセルロース、セルロースエーテルおよびセルロースエステルの1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものである、実施形態1から36のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
38. (iv)による組成物中に含まれる混練薬剤が、セルロースエーテル、好ましくはセルロースアルキルエーテル、より好ましくはメチルセルロースを含み、好ましくはそのものである、実施形態1から37のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
39. (iv)による組成物において、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と混練薬剤との質量比が、5:1~20:1の範囲、好ましくは8:1~18:1の範囲、より好ましくは9:1~16:1の範囲にある、実施形態1から38のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
40. (iv)による組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体が、シリカゲル、沈降シリカ、フュームドシリカおよびコロイダルシリカの1つまたは複数を含み、好ましくはそのものである、実施形態1から39のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
41. (iv)による組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体が、コロイダルシリカを含み、好ましくはそのものである、実施形態1から40のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
42. (iv)による組成物において、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤の前駆体との質量比が、1:1~10:1の範囲、好ましくは3:1~7:1の範囲、より好ましくは3.5:1~4.5:1の範囲にある、実施形態1から41のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
43. (iv)による組成物が、ポリアルキレンオキシドを含まず、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない、実施形態1から42のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
44. (iv)による組成物の60~75質量%、好ましくは63~72質量%、より好ましくは65~70質量%が水からなる、実施形態1から43のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
45. (iv)による組成物の少なくとも99質量%、好ましくは少なくとも99.5質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%が、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる、実施形態1から44のいずれか一項に記載の方法。
【0101】
46. (iv)による組成物が、本明細書の参照実施例3に従って求めて最高1,500Nの可塑性を有する、実施形態1から45のいずれか一項に記載の方法。
【0102】
47. (iv)による組成物が、400~1,250Nの範囲の可塑性を有する、実施形態1から46のいずれか一項に記載の方法。
【0103】
48. (iv)による組成物が、450~1,000Nの範囲の可塑性を有する、実施形態1から47のいずれか一項に記載の方法。
【0104】
49. (iv)による組成物の製造が組成物の混練を含む、実施形態1から47のいずれか一項に記載の方法。
【0105】
50. (v)(iv)による組成物を押出成形し、成形物を得ることをさらに含む、実施形態1から49のいずれか一項に記載の方法。
【0106】
51. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤を含む成形物を製造する、実施形態50に記載の方法。
【0107】
52. 押出成形から、ストランドの形態の成形物が得られる、実施形態50または51に記載の方法。
【0108】
53. ストランドが、0.5~2.5mmの範囲、好ましくは1~2mmの範囲の直径を有する、実施形態52に記載の方法。
【0109】
54. (vi)ガス雰囲気中で成形物を乾燥することをさらに含む、実施形態50から53のいずれか一項に記載の方法。
【0110】
55. 成形物が、50~200℃の範囲、好ましくは75~175℃の範囲、より好ましくは100~150℃の範囲のガス雰囲気の温度で乾燥される、実施形態54に記載の方法。
【0111】
56. (vii)ガス雰囲気中で好ましくは乾燥された成形物のか焼をさらに含む、実施形態50から55のいずれか一項に記載の方法、好ましくは実施形態54または55に記載の方法。
【0112】
57. 400~700℃の範囲、好ましくは450~650℃の範囲、より好ましくは500~600℃の範囲のガス雰囲気の温度で成形物がか焼される、実施形態56に記載の方法。
【0113】
58. 実施形態1から48のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるか、または得られる押出成形性組成物。
【0114】
59. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤を含む押出成形性組成物であって、組成物はポリエチレンオキシドを含まず、組成物の少なくとも99質量%は、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなり、本明細書の参照実施例3に従って求めて最大1,500Nの可塑性を有する組成物。
【0115】
60. 400~1,250Nの範囲、好ましくは450~1,000Nの範囲の可塑性を有する、実施形態59に記載の押出成形性組成物。
【0116】
61. 押出成形性組成物中に含まれる混練薬剤が、1種または複数の親水性ポリマーを含み、好ましくはそのものであり、より好ましくは1種または複数の炭水化物を含み、より好ましくはそのものであり、より好ましくはセルロースおよびセルロース誘導体の1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものであり、より好ましくはセルロース、セルロースエーテルおよびセルロースエステルの1つまたは複数を含み、より好ましくはそのものである、実施形態59または60に記載の押出成形性組成物。
【0117】
62. 押出成形性組成物中に含まれる混練薬剤が、セルロースエーテル、好ましくはセルロースアルキルエーテル、より好ましくはメチルセルロースを含み、好ましくはそのものである、実施形態59から61のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0118】
63. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と混練薬剤との質量比が、5:1~20:1の範囲、好ましくは8:1~18:1の範囲、より好ましくは9:1~16:1の範囲にある、実施形態59から62のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0119】
64. 押出成形性組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体が、シリカゲル、沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカの1つまたは複数を含み、好ましくはそのものである、実施形態59から63のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0120】
65. 組成物中に含まれるシリカ結合剤の前駆体が、コロイダルシリカを含み、好ましくはそのものである、実施形態59から64のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0121】
66. (iv)による組成物において、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤の前駆体との質量比が、1:1~10:1の範囲、好ましくは3:1~7:1の範囲、より好ましくは3.5:1~4.5:1の範囲にある、実施形態59から65のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0122】
67. ポリアルキレンオキシドを含まず、好ましくはポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステルの1つまたは複数を含まない、実施形態59から66のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0123】
68. 押出成形性組成物の60~75質量%、好ましくは63~72質量%、より好ましくは65~70質量%が水からなる、実施形態59から67のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0124】
69. 押出成形性組成物の少なくとも99.5質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%が、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料、シリカ結合剤の前駆体、水および混練薬剤からなる、実施形態59から68のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0125】
70. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料が、好ましくは実施形態1から36のいずれか一項に記載の方法の工程(i)および(ii)、ならびに任意に(iii)によって得ることができるか、または得られる酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料である、実施形態59から69のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0126】
71. 押出成形性組成物中に含まれる骨格型MWWを有するチタンゼオライトが、元素チタンとして計算して、骨格型MWWを有するチタンゼオライトの全質量に対して0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲の量のチタンを含む、実施形態59から70のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0127】
72. 押出成形性組成物中に含まれる骨格型MWWを有するチタンゼオライトが、骨格型MWWを有するチタンゼオライトの全質量に対して元素亜鉛として計算して、0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲の量の亜鉛を含む、実施形態59から71のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0128】
73. 押出成形性組成物中に含まれる骨格型MWWを有するチタンゼオライトの少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%が、Zn、Ti、Si、OおよびHからなる、実施形態59から72のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0129】
74. 実施形態1から49のいずれかに記載の方法によって得ることができるか、または得られる、実施形態59から73のいずれか一項に記載の押出成形性組成物。
【0130】
75. 触媒活性物質として骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒前駆体または触媒の製造のための、実施形態58から74のいずれか一項に記載の押出成形性組成物を使用する方法であって、触媒が好ましくは、オレフィン、好ましくはプロペンのエポキシ化のための触媒である、使用する方法。
【0131】
76. 触媒活性物質として骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含み、好ましくは、オレフィン、好ましくはプロペンのエポキシ化のための触媒である、触媒前駆体または触媒を製造する方法であって、実施形態58から73のいずれか一項に記載の押出成形性組成物は出発材料として使用される方法。
【0132】
77. 実施形態50から57のいずれか一項に記載の、好ましくは実施形態54から57のいずれか一項に記載の、より好ましくは実施形態56または57に記載の方法によって得ることができるか、または得られる成形物。
【0133】
78. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤を含む成形物であって、成形物の少なくとも99質量%が、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤からなり、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤との質量比が7:3~9:1の範囲にあり、本明細書の参照実施例4に記載されているように求めて、水に対して最大2.4の屈曲度パラメーターを有する成形物。
【0134】
79. 成形物の少なくとも99.5質量%、好ましくは、少なくとも99.9質量%が骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料およびシリカ結合剤からなる、実施形態78に記載の成形物。
【0135】
80. 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と、SiOとして計算されるシリカ結合剤との質量比が、7.5:2.5~8.5:1.5の範囲、好ましくは7.75:2.25~8.25:1.75の範囲にある、実施形態78または79に記載の成形物。
【0136】
81. 1~3の範囲の水に対する屈曲度パラメーターを有する、実施形態78から80のいずれか一項に記載の成形物。
【0137】
82. 1~2.5の範囲の水に対する屈曲度パラメーターを有する、実施形態78から81のいずれか一項に記載の成形物。
【0138】
83. 本明細書の参照実施例5に従って求めて、0.8~1.2mL/gの範囲、好ましくは0.9~1.1mL/gの範囲の細孔容積を有する、実施形態78から82のいずれか一項に記載の成形物。
【0139】
84. 成形物中に含まれる骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトが、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトの全質量に対して、元素チタンとして計算して0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲の量のチタンを含む、実施形態78から83のいずれか一項に記載の成形物。
【0140】
85. 成形物中に含まれる骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトが、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトの全質量に対して、元素亜鉛として計算して0.1~5質量%の範囲、好ましくは1~3質量%の範囲の量の亜鉛を含む、実施形態78から84のいずれか一項に記載の成形物。
【0141】
86. 成形物中に含まれる骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライトの少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%が、Zn、Ti、Si、OおよびHからなる、実施形態78から85のいずれか一項に記載の成形物。
【0142】
87. 触媒活性物質として骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒前駆体または触媒として、実施形態77から86のいずれか一項に記載の成形物を使用する方法であって、触媒が好ましくは、オレフィン、好ましくはプロペンのエポキシ化のための触媒である、使用する方法。
【0143】
88. 触媒活性物質として骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を含む触媒を製造する方法であって、触媒が、好ましくはオレフィン、好ましくはプロペンのエポキシ化のための触媒であり、実施形態77から86のいずれか一項に記載の成形物が出発材料として使用される方法。
【0144】
89. オレフィンエポキシド、好ましくはプロペンオキシドを製造する方法であって、エポキシ化触媒として、実施形態77から86のいずれか一項に記載の成形物の存在下でオレフィンをエポキシ化条件にかけることを含む方法。
【0145】
90. オレフィンエポキシド、好ましくはプロペンオキシドを製造する方法であって、実施形態50から57のいずれか一項に記載の、好ましくは実施形態54から57のいずれかに記載の、より好ましくは実施形態56または57に記載の方法によるエポキシ化触媒を製造すること、および前記触媒の存在下でオレフィンをエポキシ化条件にかけることを含む方法。
【0146】
本発明は、以下の参照実施例、実施例および比較例によってさらに例証される。
【実施例
【0147】
[参照実施例1]
水分吸着能の測定
水分吸着/脱着等温線測定を、TA InstrumentsからのVTI SA機器でステップ等温線プログラムに従って行った。実験は、機器内部の微量天秤パンにのせた試料材料について行ったランまたは一連のランからなる。測定を開始する前に、試料の残留水分は、N流動下に100℃(5℃/分の傾斜加熱)に試料を加熱し6時間それを保持することにより除去した。乾燥プログラムの後、セル中の温度は25℃に低下し、測定の間、等温に維持した。微量天秤を較正し、乾燥試料の質量は平衡を保った(最大質量偏差0.01質量%)。試料による水分の取り込みを、乾燥試料に対する質量の増加として測定した。最初に、吸着曲線は、試料が曝露される相対湿度(RH)(セル内側の雰囲気中の水を質量%で表して)を増やし、平衡での試料による水分の取り込みを測定することによって測定した。RHは5%から85%まで10%のステップで上げ、各ステップで、システムは、平衡条件に到達し、取り込み質量を記録するまでRHを制御し、試料質量をモニターした。試料を85%RHに曝露した後、試料によって吸着された水の合計量が得られた。脱着測定の間には、RHを10%のステップで85%から5%まで低下させ、試料の質量変化(水分の取り込み)をモニターし、記録した。
【0148】
[参照実施例2]
pHの測定
pHは、pHを検知できるガラス電極を使用して求めた。
【0149】
[参照実施例3]
可塑性の測定
本発明の文脈において言及されるような可塑性は、卓上型試験機Z010/TN2S(供給業者Zwick、D-89079 Ulm、Germany)によって求められるようなものと理解されるはずである。この機械およびその運転の基本に関して、Zwick Technische Dokumentation, August-Nagel-Strasse 11 , D-89079 Ulm, Germany (1999)によるそれぞれの説明書ハンドブック”Betriebsanleitung der Material-Pruefmaschine”1.1版が言及される。Z010試験機は固定した水平なテーブルを備え、その卓上に26mmの内径および75mmの内高を有する円筒状小室を持つ鋼鉄製試験容器が置かれてあった。この容器に測定する組成物を充填し、容器に満たしたものが空気の噛み込みを含まないようにした。充填の高さは、円筒形小室の上縁の下、10mmとした。測定する組成物を含有する容器の円筒状小室の上に、垂直方向に自由に移動可能である、直径22.8mmの球状下端を有するプランジャーを心出しした。前記プランジャーを、最大10kNの試験荷重を有する試験機のロードセルに取り付けた。測定中に、プランジャーを鉛直下方へ動かし、それにより、試験容器中の組成物に突き刺した。試験条件下では、プランジャーは、1.0Nの予備的な力(Vorkraft)、100mm/分の予備的な力速度(Vorkraftgeschwindigkeit)および14mm/分のその後の試験速度(Pruefgeschwindigkeit)で動かした。測定された力がこの測定より先に測定した最大の力の70%未満の値に到達したとき、測定を停止した。実験は、測定結果を登録し評価するコンピュータによって制御した。測定した最大の力(F_max/N)は、本発明の文脈中で言及された可塑性に対応する。
【0150】
[参照実施例4]
屈曲度パラメーターの測定
米国特許第20070099299A1号の実験セクションに記載されているように、屈曲度パラメーターを求めた。特に、この効果に対するNMR分析は、Faculty for Physics and Geological Sciences of the University of LeipzigでFEGRIS NT NMR分光計(Stallmachら、NMR分光学年次報告、2007年第61巻、51-131ページ参照)を用いて125MHzのH共鳴周波数で25℃、1バールで行った。PFG NMR自己拡散分析のために使用したパルスプログラムは、米国特許第20070099299A1号の図1bに従ってパルス導入された磁場勾配を有する誘導スピンエコーであった。各試料に関して、スピンエコー減衰曲線を、磁場勾配の強度(gmax=10T/m)を段階的に上げることによって最大7つの異なる拡散時間(Δ/ms=7、10、12、25、50、75、100)で測定した。スピンエコー減衰曲線から、細孔水の自己拡散係数の時間依存性を、米国特許第20070099299A1号の式(5)および(6)によって求めた。屈曲度の計算:米国特許第20070099299A1号の式(7)を、このようにして求めた自己拡散係数D(Δ)から平均勾配シフト
【数1】
の時間依存性を計算するのに使用した。例として、米国特許第20070099299A1号の図2には、データが、上述の文献の代表的な触媒支持体について、遊離水の対応する結果と共に、両対数形でプロットされている。米国特許第20070099299A1号の図2は、各事例において、拡散時間Δの関数として、
【数2】
の直線フィッティングから最も適合する直線も示す。米国特許第20070099299A1号の式(7)によると、その傾きは、値
【化1】
と正確に一致する。ここで、
【化2】
は、拡散時間インターバルにわたって平均した自己拡散係数に相当する。米国特許第20070099299A1号の式(3)によれば、屈曲度は、次に、こうして測定された遊離溶媒(D)の平均自己拡散係数と、成形物における平均自己拡散係数の対応する値との比から得られる。
【0151】
[参照実施例5]
細孔容積の測定
細孔容積はDIN 66133に従ってHg侵入多孔度測定法によって求めた。
【0152】
[参照実施例6]
PO試験
PO試験において、本発明の成形物を触媒としてミニオートクレーブ中で試験し、プロペンの過酸化水素水溶液(30質量%)との反応によってプロピレンオキシドを得る。特に、本発明の成形物0.63gを、アセトニトリル79.2gおよびプロペン12.4gと一緒に室温で導入し、過酸化水素(水中30質量%)22.1gを鋼鉄製オートクレーブに導入した。40℃で4時間の反応時間の後、混合物を冷却し、減圧し、液体相をそのプロピレンオキシド含有率に関してガスクロマトグラフィーによって分析した。液体相のプロピレンオキシド含有率(質量%で)が、PO試験の結果である。
【0153】
[参照実施例7]
粒度分布
測定にかけるゼオライト材料1.0gを脱イオン水100g中で懸濁し、約10分撹拌した。粒度分布の測定は、Mastersizer S long bed、2.15版、シリーズNo.33544-325を使用して、液体相で実行した;供給業者:Malvern Instruments GmbH, Herrenberg, Germany、以下の機器パラメーターを使用した:
- 焦点幅:300RF mm
- ビーム長:10.00mm
- モジュール:MS17
- シャドーイング:16.9%
- 分散液モデル:3$$D
- 分析モデル:多分散
- 補正:無し
【0154】
本発明の文脈中で言及される用語「Dv10値」は、微細粉末の粒子の10体積%がより小さなサイズを有する平均粒度を記述する。同様に、本発明の文脈中で言及される用語「Dv50値」は、微細粉末の粒子の50体積%がより小さなサイズを有する平均粒度を記述し、本発明の文脈中で言及される用語「Dv90値」は、微細粉末の粒子の90体積%がより小さなサイズを有する平均粒度を記述する。
【0155】
[参照実施例8]
結晶化度
本出願の文脈において言及される、ゼオライト材料の結晶化度は、Bruker AXS GmbH, Karlsruheからの使用説明書DIF-FRAC.EVA3版、105ページ(2003年2月発行)に記載されている方法に従って求めた。それぞれのデータは、標準のBruker D8 Advance Diffractometer Series IIでLYNXEYE検出器2°~50°2シータを使用し、固定スリット、0.02°2シータのステップサイズおよび2.4s/ステップの走査速度を使用して収集した。バックグラウンド/非晶質含有率の評価のために使用したパラメーターは曲率=0および閾値=0.8であった。
【0156】
[参照実施例9]
少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の準備
(i)B-Ti-MWWの合成
合成混合物は以下の組成を有していた:1.0(SiO):0.04(TiO):0.67(B):1,4-ピペリジン:19HO。
【0157】
バッチ0:脱イオン水1,026gを最初にビーカーに導入し、次いで、ピペリジン365gを200rpmで撹拌しながら加え、混合物をpH13.2、約23℃で10分間撹拌した。その後、バッチを二等分した。
【0158】
バッチ1:脱イオン水-ピペリジン溶液695.5gを200rpmで撹拌しながらビーカーに装入し、ホウ酸248.4gを加え、撹拌は30分間継続し、次いで、フュームドシリカ(Cab-O-SIL(登録商標)5M)90gを約23℃で添加した。次いで、混合物はpH11.4、約23℃で1時間撹拌した。
バッチ2:最初に、脱イオン水-ピペリジン溶液695.5gを200rpmで撹拌しながら約23℃でビーカーに導入し、オルトチタン酸テトラブチル43.2gを加え、撹拌をさらに30分間継続し、次いでフュームドシリカ(Cab-O-SIL(登録商標)5M)90gを加えた。次いで、混合物はpH12.2、約23℃で1時間撹拌した。
バッチ3:バッチ1および2からの2つの懸濁液を、pH11.8、約23℃で1.5時間一緒に混合して合成混合物を得、次いで、結晶化を以下の条件下でオートクレーブ中で行った:
【0159】
1時間で130℃に加熱し、0-2.7バールの圧力、100rpmで24時間維持し、次いで、1時間で150℃に加熱し、2.7-4.9バールの圧力で100rpmで24時間維持し、次いで、1時間で170℃に加熱し、4.9-9.4バールの圧力、100rpmで120時間維持する。
【0160】
上記結晶化条件の後に、11.3のpHを有する、このようにして得られた懸濁液を水切りし吸引濾過器を通して濾過し(透明な濾液が得られた)、10リットルの脱イオン水を用いて洗浄した(濁った濾液が得られた)。次いで、濁った濾液を、10%の水性HNOでpH7に酸性化した。続いて、湿っている生成物(フィルターケーキ)を磁製皿に満たし、一晩乾燥し、次いで粉砕した。収量は192.8gであった。元素分析によれば、結果として得られた生成物では、以下の含有率、物質100g当たり、9.6gの炭素、0.85gのB、21.8gのSiおよび17.8gのTiが測定された。
【0161】
(ii)B-Ti-MWWのHNO処理
上記項目(i)に従って得られた乾燥し粉砕した物質を、HNO溶液(固体と液体との比1g:20ml)を用いて100℃で20時間洗浄した:10リットルのガラスフラスコに、項目(i)による、HNO溶液3600gおよびB-Ti-MWW180gを100℃で加え、続いて250rpmで撹拌しながら還流温度で20時間沸騰させた。このようにして得られた白色の懸濁液を濾過し、脱イオン水2x5リットルを用いて洗浄した。乾燥:10時間/120℃。か焼:530℃に2K/分で加熱し5時間維持。収量は143gであった。元素分析によれば、結果として得られた生成物は物質100g当たり以下の含有率が求められた:<0.1gの炭素(TOC)、0.27gのB、42gのSiおよび2gのTi。BET表面積は532m/gであると求められた。生成物の結晶化度は80%と測定され(参照実施例8)、XRD回折データから計算される平均結晶サイズは22nmと求められた。
【0162】
(iii)B-Ti-MWWのHNO処理
上記項目(ii)に従って得られた物質を、HNO溶液(固体と液体との比1g:20ml)を用いて100℃で20時間洗浄した:10リットルのガラスフラスコに、HNO溶液2,400g、および項目(ii)によるB-Ti-MWW120gを100℃で加え、続いて250rpmで撹拌しながら還流温度で20時間沸騰させた。白色の懸濁液を濾過し、脱イオン水7x1リットルを用いて洗浄した。乾燥:10時間/120℃。か焼:2K/分で530℃に加熱し5時間維持。収量は117gであった。元素分析によれば、結果として得られた生成物は物質100g当たり以下の含有率と判断された:<0.03gのB、44gのSiおよび1.8gのTi。BET比表面積は501m/gであると判断された。生成物の結晶化度は94%と測定され、XRD回折データから計算される平均結晶サイズは22nmと判断された。結果として得られた生成物のXRDから、得られたゼオライト材料がMWW骨格構造を有することを確認した。
【0163】
本明細書の参照実施例1によって判断される水分吸着能は、13.2質量%であった。
【0164】
[参照実施例10]
少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の準備
(i)B-Ti-MWWの合成
合成混合物は以下の組成を有していた:1.0(SiO):0.04(TiO):0.67(B):1,4-ピペリジン:19HO。
【0165】
バッチ0:先ず、脱イオン水1,026gをビーカーに導入し、ピペリジン365gを200rpmで撹拌しながら加え、混合物をpH13.2、約23℃で10分間撹拌した。その後、バッチを二等分した。
バッチ1:脱イオン水-ピペリジン溶液695.5gを200rpmで撹拌しながらビーカーに装入し、ホウ酸248.4gを加え、撹拌は30分間継続し、次いで、フュームドシリカ(Cab-O-SIL(登録商標)5M)90gを約23℃で添加した。次いで、混合物をpH11.4、約23℃でさらに1時間撹拌した。
バッチ2:先ず、脱イオン水-ピペリジン溶液695.5gを200rpmで撹拌しながら約23℃でビーカーに導入し、オルトチタン酸テトラブチル43.2gを加え、撹拌をさらに30分間継続し、次いでフュームドシリカ(Cab-O-SIL(登録商標)5M)90gを加えた。次いで、混合物はpH12.2、約23℃でさらに1時間撹拌した。
バッチ3:バッチ1および2からの2つの懸濁液を、pH11.8、約23℃で1.5時間一緒に混合して合成混合物を得、次いで、結晶化を以下の条件下でオートクレーブ中で行った:1時間で170℃に加熱し、0-9.4バールの圧力、120rpmで120時間維持する。上記結晶化条件の後に、11.3のpHを有する、このようにして得られた懸濁液を水切りし吸引濾過器を通して濾過し、10リットルの脱イオン水を用いて洗浄した。続いて、湿っている生成物(フィルターケーキ)を磁製皿に満たし、一晩乾燥し、次いで粉砕した。収量は194gであった。
【0166】
(ii)B-Ti-MWWのHNO処理
次いで、項目(i)による乾燥し粉砕した物質を、HNO溶液(固体と液体との比1g:20ml)を用いて100℃で20時間洗浄した:10リットルのガラスフラスコに、HNO水溶液3600gおよび項目(i)によるB-Ti-MWW180gを100℃で加え、続いて250rpmで撹拌しながら還流温度で20時間沸騰させた。このようにして得られた白色の懸濁液を濾過し、脱イオン水2x5リットルを用いて洗浄した。乾燥:10時間/120℃。か焼:530℃に2K/分で加熱し5時間維持。収量は146gであった。元素分析によれば、結果として得られた生成物は物質100g当たり以下の含有率と判断された:<0.1gの炭素(TOC)、0.25gのB、43gのSiおよび2.6gのTi。BET比表面積は514m/gであると判断された。生成物の結晶化度は79%と測定され、XRD回折データから計算される平均結晶サイズは22.5nmと判断された。結果として得られた生成物のXRDから、得られたゼオライト材料がMWW骨格構造を有することを確認した。
【0167】
本明細書の参照実施例1によって求めた水分吸着能は17.3質量%であった。
【0168】
[参照実施例11]
少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の準備
(i)B-Ti-MWWの合成
以下の組成:1.0B/2.0SiO/32.8HO/2.43ピペリジンを有する合成混合物を製造するために、脱イオン水およびホウ酸をビーカー中約23℃で一緒に混合し、これにアンモニウム安定化シリカゾルを約23℃でさらに混合しながら加えた。次いで、このようにして得られた混合物をオートクレーブに移し、次いでピペリジンをさらに混合しながら加えた。次いで、結晶化を、内因性圧力下に175℃で48時間にわたってオートクレーブ中で行った。次いで、すべての過剰ピペリジンをフラッシュしきった。次いで、結果として得られた生成物を固体として濾別し、脱イオン水を用いて洗浄し乾燥した。次いで、回転式のか焼を650℃で2時間行った。
【0169】
(ii)脱ホウ素化
次いで、このようにして得られたか焼した生成物のスラリーを、脱イオン水を用いて製造し、スラリーの固体含有率は6.25質量%であった。スラリーを90.5℃に加熱し、次いで、前記温度で10時間保持した。次いで、結果として得られた(脱ホウ素化)生成物を固体として濾別し、脱イオン水を用いて洗浄し、乾燥した。
【0170】
(iii)Tiの挿入
スラリーを、脱イオン水および上記項目(ii)の脱ホウ素化生成物を用いて製造し、それを23℃で混合した。次いで、前記スラリーはオートクレーブに移し、次いで、これにチタン酸テトラ-n-ブチル/ピペリジン混合物を加えた。このようにして得られた混合物の組成は以下の通りであった:0.035TiO/1.0SiO/17.0HO/1.0ピペリジン。次いで、結晶化を内因性圧力下に170℃で48時間にわたってオートクレーブ中で行った。次いで、すべての過剰ピペリジン/エタノールをフラッシュしきった。次いで、結果として得られた生成物を固体として濾別し、脱イオン水を用いて洗浄し乾燥した。
【0171】
(iv)酸処理
スラリーを、10%HNO(水)溶液(907.2gのHNO)中の項目(iii)による生成物/項目(iii)の453.6gの生成物から製造し、このようにして、固形分が5質量%のスラリーを作製した。スラリーを93.3℃に加熱し、次いで、前記温度で1時間保持した。次いで、結果として得られた生成物を固体として濾別し、脱イオン水を用いて洗浄し乾燥した。次いで、回転式のか焼を650℃で2時間行った。元素分析によれば、結果として得られたか焼した生成物は、物質100g当たり以下の含有率と判断された:2gの炭素(TOC)、42gのSiおよび1.6gのTi。BET比表面積は420m/gと判断された。生成物の結晶化度は82%と測定された。結果として得られた生成物のXRDから、得られたゼオライト材料がMWW骨格構造を有することを確認した。本明細書の参照実施例1によって求めた水分吸着能は、14.1質量%であった。
【0172】
[比較例1]
11質量%未満の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料から出発する押出成形性組成物および成形物の製造
a)国際公開第2013/117536A号の実施例5.1~5.3、特に5.1~5.3b)に記載されているように、骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を製造した。得られた骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料それぞれは、本明細書の参照実施例1に記載されているように求めて、9.3質量%の吸水能を有していた。
【0173】
b)次いで、国際公開第2013/117536A号の実施例5.3c)に記載されているように、この骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理した。
【0174】
c)次いで、得られた酸処理した骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料はそれぞれ、国際公開第2013/117536A号の実施例5.3d)およびe)に記載されているようにさらに加工した。
【0175】
d)得られたか焼した骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料それぞれから、国際公開第2013/117536A号の実施例5.4に記載されているように、亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を製造した。亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の全質量に対して、それぞれ、元素シリコンとして計算して42.5質量%のシリコン含有率、元素チタンとして計算して1.8質量%のチタン含有率、および元素亜鉛として計算して1.3質量%の亜鉛含有率を有していた。
【0176】
e)この亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をベースとして、押出成形性組成物を国際公開第2013/117536A号の実施例5.5に従って製造した。特に、それぞれの押出成形性組成物の製造に対して、ポリエチレンオキシドは用いなかった。押出成形性組成物の製造に使用したそれぞれの成分、およびこれらの成分を用いた質量比を、本明細書の以下の表1に要約した。押出成形性組成物が得られる、組成物の混練に関して、組成物はエッジミルで32r.p.m.(毎分回転数)の速度で45分の合計時間混合した。koller中の混練から得られた押出成形性組成物は、本明細書の参照実施例3に記載されているように判断して、1,550Nであった。
【0177】
f)このようにして得られた押出成形性組成物は、押出機を使用して押出成形した。前記押出機において、組成物は、65~80バールの範囲の絶対圧で1バッチ当たり15~20分間押出成形した。押出成形のあいだ、押出機中の組成物は、間接的に、例えば冷却水を使用して冷却することができる。押出機の電力消費は2.4Aであった。直径が約1.7mmの円筒状ストランドを作製することが可能なダイヘッドを用いた。ダイヘッド出口で、ストランドは、一定の長さに切断しなかった。このストランドを、乾燥室の大気中120℃の温度で16時間乾燥し、続いて、大気中で550℃の温度で回転炉中で1時間か焼した。その後、ストランドをふるいにかけた(メッシュサイズ1.5mm)。
【0178】
[比較例2]
PEOを使用しない、少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料から出発する組成物の製造
a)か焼した骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備した。このゼオライト材料は、注文番号RST-01で市販されているZheijang TWRD New Material Co. Ltd., Lugu Avenue 335, Shuige Industry Development Zone, Lishui, Zhejiangから得られた。このゼオライト材料は、本明細書の参照実施例1に記載されているように求めて14.1質量%の吸水能を有していた。さらに、ゼオライト材料は、ゼオライト材料の全質量に対して、それぞれ、元素シリコンとして計算して43質量%のシリコン含有率、元素チタンとして計算して1.9質量%のチタン含有率を特徴としていた。ゼオライト骨格はシリコン、チタン、酸素および水素からなっていた。さらに、ゼオライト材料は、DIN 66131に従って77Kで窒素吸着によって求めて、499m/gのBET比表面積および、本明細書上記の参照実施例8に記載されているように求めて77%の結晶化度を特徴としていた。本明細書上記の参照実施例7に記載されているように求めて、ゼオライト材料は、2.2~2.3マイクロメートルのDv10値、9~10.8マイクロメートルのDv50値および27.1~31.6マイクロメートルのDv90値を特徴とする粒度分布を有していた。
【0179】
b)この骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に亜鉛を組み込んだ。容器に、脱イオン水1,200kgおよび酢酸亜鉛二水和物7.34kgの溶液を30分以内に製造した。40r.p.m.で撹拌しながら、a)で準備した40kgの骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を懸濁した。1時間以内に、懸濁液は100℃の温度に加熱し、70r.p.m.の撹拌で還流下に2時間その温度に維持した。その後、その懸濁液は50℃未満の温度で冷却した。それぞれ冷却した亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を、吸引濾過器で濾過することによって懸濁液から分離し、窒素下で2.5バールの絶対圧で濾過した。次いで、フィルターケーキを脱イオン水で洗浄し、洗浄したフィルターケーキは、窒素流中室温で乾燥した。続いて、それを回転炉中大気下、650℃で2時間か焼した。亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の全質量に対して、それぞれ、元素シリコンとして計算して41質量%のシリコン含有率、元素チタンとして計算して2.5質量%のチタン含有率、および元素亜鉛として計算して1.7質量%の亜鉛含有率を有し、DIN 66131に従って77Kで窒素吸着によって求めて470m/gのBET比表面積、および、本明細書上記の参照実施例8に記載されているように求めて84%の結晶化度を有していた。
【0180】
c)この亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をベースとして、本明細書上記の比較例1e)に記載されているように、組成物を製造した。特に、それぞれの組成物の製造に関して、ポリエチレンオキシドは用いなかった。組成物の製造に使用したそれぞれの成分、およびこれらの成分を用いた質量比を、本明細書の以下の表1に要約した。組成物の混練に関して、本明細書上記の比較例1e)に記載されているのと同じように組成物をエッジミルで混合した。
【0181】
d)次いで、上記比較例1f)に記載されている押出成形条件を使用して、c)から得られたものを押出成形にかけることを試みた。しかし、組成物の可塑性が高いために組成物の押出成形は不可能であることがわかった。ストランドを得ることはできなかった。
【0182】
[比較例3]
PEOを使用する、少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料から出発する押出成形性組成物および成形物の製造
【0183】
a)上記の比較例2a)およびb)に記載されているのと同じように、亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を製造した。
【0184】
b)この亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をベースとして、本明細書上記の比較例1e)に記載されているように、組成物を製造した。しかしながら、上記の比較例2c)とは対照的に、PEO(ポリエチレンオキシド;KowaからのAlkox(登録商標)E-160)を、組成物の成分として追加で用いた。組成物の製造に使用したそれぞれの成分、およびこれらの成分を用いた質量比を、本明細書の以下の表1に要約した。組成物の混練に関して、組成物は、本明細書上記の比較例1e)に記載されているのと同じようにkoller中で混合した。
【0185】
c)このようにして得られた組成物は押出機を使用して押出成形した。前記押出機中で、組成物は、本明細書上記の比較例1f)に記載されているのと同じように押出成形した。得られたストランドは、本明細書上記の比較例1f)に記載されているのと同じように乾燥し、か焼した。その後、ストランドは、本明細書上記の比較例1f)に記載されているのと同じようにふるいにかけた。
【0186】
[実施例1]
PEOを使用しないで、少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料から出発する、押出成形性組成物および成形物の製造
【0187】
a)本明細書の参照実施例1に記載されているように求めて、14.2質量%の吸水能を有する、か焼された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を準備した。このゼオライト材料は、上記比較例2a)に従って準備した材料と同じ特性を基本的に有していた。特に、ゼオライト材料は、ゼオライト材料の全質量に対して、それぞれ、元素シリコンとして計算して42質量%のシリコン含有率、元素チタンとして計算して2.4質量%のチタン含有率を特徴としていた。ゼオライト骨格はシリコン、チタン、酸素および水素からなっていた。さらに、ゼオライト材料は、DIN 66131に従って77Kで窒素吸着によって求めて、568m/gのBET比表面積を特徴としていた。
【0188】
b)次いで、国際公開第2013/117536A号の実施例5.3c)に記載されているように、この骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を酸処理した。
【0189】
c)このゼオライト材料をベースとして、亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料を上記の比較例2b)に記載されているのと基本的に同じように製造した。亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料の全質量に対して、それぞれ、元素シリコンとして計算して42質量%のシリコン含有率、元素チタンとして計算して2.4質量%のチタン含有率、および元素亜鉛として計算して1.4質量%の亜鉛含有率を有していた。
【0190】
d)この亜鉛を含有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をベースとして、本明細書上記の比較例1e)に記載されているように組成物を製造した。特に、それぞれの組成物の製造のために、ポリエチレンオキシドは用いなかった。組成物の製造に使用したそれぞれの成分、および用いたこれらの成分の質量比を、本明細書の以下の表1に要約した。組成物の混練に関して、組成物は、本明細書上記の比較例1e)に記載されているのと同じようにkoller中で混合した。
【0191】
e)このようにして得られた押出成形性組成物は、押出機を使用して押出成形した。前記押出機において、組成物は、本明細書上記の比較例1f)に記載されているのと同じように押出成形した。得られたストランドは、本明細書上記の比較例1f)に記載されているのと同じように乾燥し、か焼した。その後、ストランドは、本明細書上記の比較例1f)に記載されているのと同じようにふるいにかけた。
【0192】
結果のまとめ
以下の表1において、上記の比較例および実施例に従って(押出成形性)組成物を製造するために使用した成分、およびそれぞれの質量比を示す。
【0193】
【表1】
【0194】
以下の表2において、吸水能および酸処理が形成された組成物の可塑性に対してどのような影響があるかを示す:
【0195】
【表2】
【0196】
比較例1によると、9.3質量%、したがって11質量%未満の吸水能を有する、出発材料として使用した骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料に関して、可塑剤としてのポリエチレンオキシドは組成物中に含まれていないが、非常に限定的な数のみの異なる成分を有し、特に、ポリエチレンオキシドを含まず、しかもそれぞれの組成物の押出成形を可能にする1,550Nの可塑性を有する組成物を製造することが可能であるとわかった。それにもかかわらず、1,550Nの可塑性は比較的高かった。14.1質量%、したがって少なくとも11質量%の吸水能を有するチタン含有ゼオライト材料から出発して、次に、比較例2に示すように、チタン含有ゼオライト材料の酸処理を行わなかった場合、特にポリエチレンオキシドを含まない、非常に限定的な数のみの異なる成分を含む有利な組成物は、それぞれ得られた組成物の可塑性が高すぎ、この組成物の押出成形は不可能であることがわかった。比較例3の示すところによると、押出成形することができる組成物の製造のために14.1質量%、したがって少なくとも11質量%の吸水能を有するチタン含有ゼオライト材料から出発することは、ポリエチレンオキシドが押出成形性組成物に追加の成分として加えられる場合、1,900Nから1,287Nに可塑性を下げ、そのままの条件下で可能である。しかしながら、特に、触媒または触媒前駆体としてのストランドなどのそれぞれ得られた成形物の最も好ましい使用という観点では、そのような付加的な成分を成形物から、普通か焼によって除去することが一般に必要である。
【0197】
驚いたことに、本発明の実施例1に示されるように、前記チタン含有ゼオライト材料を酸処理する場合、少なくとも11質量%、例えば14.2質量%の吸水能を有するチタン含有ゼオライト材料である出発材料の使用と、特にポリエチレンオキシドを含まない、非常に限定的な数のみの異なる成分を有する押出成形性組成物の製造とを組み合わせることが可能であることを見いだした。またさらに、それは、比較例1および比較例3の両方を実施例1と比較すると、少なくとも11質量%の吸水能を有するチタン含有ゼオライト材料の酸処理によって、490Nの断然最小の可塑性を有する押出成形性組成物をもたらすことが示される。最終的に得られた成形物の観点での本発明の結果を、表3に以下のように示す:
【0198】
【表3】
【0199】
一般に、特に成形物に関して、低い屈曲度パラメーターは、触媒または触媒前駆体として前記成形物を有利に用いることができるという良好な指標である。上記表3に示すように、(i)酸処理の前に少なくとも11質量%の吸水能を有する、酸処理された骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料と(ii)ポリエチレンオキシドを含まない押出成形性組成物の製造との組み合わせは、非常に低い屈曲度パラメーターを有する成形物をもたらす。特に、本発明の成形物の屈曲度パラメーターは、
- 骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料は、酸処理され、押出成形性組成物はポリエチレンオキシドを含まないが、11質量%未満の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をベースにして製造される成形物のそれぞれのパラメーターより低い;
- 押出成形性組成物の可塑性が組成物を押出成形性にするためにポリエチレンオキシドの添加によって調節された、少なくとも11質量%の吸水能を有する骨格型MWWを有するチタン含有ゼオライト材料をベースにして製造される成形物のそれぞれのパラメーターより低い。
【0200】
引用文献
米国特許第20070099299A1号
国際公開第2013/117536A1号