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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-10
(45)【発行日】2023-10-18
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20231011BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20231011BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q50/04
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019175082
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021051626
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [ウェブサイト] 令和1年7月12日掲載、 https://jpn.nec.com/manufacture/monozukuri/iot/solution/throughput.html
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】定蛇 市朗
(72)【発明者】
【氏名】大石 和人
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 雄木
(72)【発明者】
【氏名】松井 聡志
(72)【発明者】
【氏名】山田 美穂
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-134477(JP,A)
【文献】特表2007-515356(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079223(WO,A1)
【文献】特開2009-075906(JP,A)
【文献】特開2016-207059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する画面出力手段を有し、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている処理装置。
【請求項2】
前記在庫状態画面において、前記収容物は前記容器に収容されている請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記画面出力手段は、
前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対する前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の割合を識別可能に、前記オブジェクト、前記容器のイメージ及び前記収容物のイメージの中の少なくとも1つを表示した前記在庫状態画面を生成する請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記画面出力手段は、
前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対する前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の割合に応じた色で、前記オブジェクト、前記容器のイメージ及び前記収容物のイメージの中の少なくとも1つを表示した前記在庫状態画面を生成する請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記画面出力手段は、
複数の前記ポイント各々に対応した複数の前記オブジェクトに代えて、複数の前記ポイントに対応した1つの前記オブジェクトを表示した前記在庫状態画面を生成し、
複数の前記ポイントに対応した1つの前記オブジェクトには、複数の前記ポイント全体での前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対応した大きさの前記容器のイメージと、複数の前記ポイント全体での前記現在在庫量又は前記現在在庫金額に対応した大きさの前記収容物のイメージとが表示されている請求項1から4のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記オブジェクトには、前記ポイントにおける前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の経時変化を示すグラフが表示されている請求項1から5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記オブジェクトには、前記ポイントの詳細を示すテキストが表示されている請求項1から6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
前記画面出力手段は、
複数の前記オブジェクトを、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示した前記在庫状態画面を生成する請求項1から7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記画面出力手段は、
複数のグループ各々に対応した複数の枠を表示し、複数の前記枠各々の中に前記グループ各々に属する前記ポイントに対応した前記オブジェクトを表示した前記在庫状態画面を生成する請求項1から8のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項10】
前記画面出力手段は、
複数の前記枠を、前記サプライチェーンの中での前記グループの出現順を識別可能に表示した前記在庫状態画面を生成する請求項9に記載の処理装置。
【請求項11】
前記画面出力手段は、
前記グループ各々に属する前記ポイント全体での前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対する前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の割合を識別可能に、複数の前記枠各々を表示した前記在庫状態画面を生成する請求項9又は10に記載の処理装置。
【請求項12】
前記容器の底の径は、所定期間内に必要な量である必要量、又は前記必要量と単価の積に応じた値となっている請求項1から11のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項13】
前記容器の高さは基準日数に応じた値となっており、
前記基準日数と前記必要量の積が前記最適在庫量である請求項12に記載の処理装置。
【請求項14】
前記在庫状態画面において複数の前記容器のイメージが表示され、複数の前記容器のイメージの中には互いに大きさが異なる前記容器のイメージが存在し得る請求項1から13のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項15】
コンピュータが、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力し、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている処理方法。
【請求項16】
コンピュータを、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する画面出力手段として機能させ、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されているプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、製品の生産に用いる部品の在庫を管理する生産管理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-90595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サプライチェーンの中の複数のポイント各々で部品や商品等の在庫を管理することで、サプライチェーンの中で問題(過剰在庫、過少在庫等)が発生しているポイントを把握することが可能となる。しかし、管理している在庫状態の表示の仕方が適切でないと、発生している問題を見落とす等の不都合が発生し得る。本発明は、サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を適切な手法で表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する画面出力手段を有し、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている処理装置が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力し、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている処理方法が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する画面出力手段として機能させ、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されているプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を適切な手法で表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例である。
図2】本実施形態の処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図4】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図5】本実施形態の処理装置が生成する在庫状態画面の一例である。
図6】本実施形態の在庫状態画面に表示される情報を説明する図である。
図7】本実施形態の処理装置が生成する在庫状態画面の一例である。
図8】本実施形態の処理装置が生成する在庫状態画面の一例である。
図9】本実施形態の処理装置が生成する在庫状態画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態の処理装置は、サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を適切な手法で表示する在庫状態画面を生成し、出力する機能を有する。以下、詳細に説明する。
【0011】
図1に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理装置10は、画面出力部11と、記憶部12とを有する。なお、処理装置10は記憶部12を有さなくてもよい。この場合、処理装置10と通信可能に構成された外部装置が記憶部12を備える。
【0012】
処理装置10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0013】
図2は、処理装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。図2に示すように、処理装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、周辺回路4Aは有さなくてもよい。処理装置10は物理的及び/又は論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0014】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイス等を含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、タッチパネル、物理ボタン、カメラ等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0015】
図1に戻り、記憶部12は、原材料調達・生産管理・物流・販売等を含むサプライチェーンの中の少なくとも一部分に含まれる複数のポイント(以下、「在庫チェックポイント」という)各々に関する各種情報を記憶する。サプライチェーンの中のどのポイントを在庫チェックポイントにするかは設計的事項であり、ユーザは実情や管理したい内容等に合わせて任意に決定できる。
【0016】
例えば、購入したA材料がA倉庫に納入され、そこで保管される場合、A倉庫におけるA材料の在庫状態を1つの在庫チェックポイントとしてもよい。
【0017】
また、A倉庫で保管されているA材料の一部は、その後A工場に移動され、A工程のAラインでの利用目的でA工場内にて保管される場合、A工場におけるA材料の在庫状態を1つの在庫チェックポイントとしてもよい。
【0018】
また、A倉庫で保管されているA材料の他の一部は、その後B工場に移動され、B工程のBラインでの利用目的でB工場内にて保管される場合、B工場におけるA材料の在庫状態を1つの在庫チェックポイントとしてもよい。
【0019】
その他、完成したA商品の一部がB倉庫に納入され、そこで保管される場合、B倉庫におけるA商品の在庫状態を1つの在庫チェックポイントとしてもよい。
【0020】
また、B倉庫で保管されているA商品の一部は、A店舗に移動され、A店舗にて保管される場合、A店舗におけるA商品の在庫状態を1つの在庫チェックポイントとしてもよい。
【0021】
また、B倉庫で保管されているA商品の他の一部は、B店舗に移動され、B店舗にて保管される場合、B店舗におけるA商品の在庫状態を1つの在庫チェックポイントとしてもよい。
【0022】
なお、ここでの在庫チェックポイントの例はあくまで一例であり、これらに限定されない。
【0023】
図3に、記憶部12が記憶する情報の一例を示す。図示する例では、在庫チェックポイント識別情報と、在庫詳細と、必要量と、基準日数と、単価と、最適在庫量と、最適在庫金額とが互いに紐付けられている。なお、図示する例はあくまで一例であり、図示する例の一部項目を含まなくてもよいし、他の項目の情報を含んでもよい。
【0024】
「在庫チェックポイント識別情報」は、複数の在庫チェックポイントを互いに識別する情報である。例えば通番などで、複数の在庫チェックポイントは互いに識別される。
【0025】
「在庫詳細」は、在庫品の名称や、在庫品を保管している場所や、利用目的等を示す。
【0026】
「必要量」は、各在庫チェックポイントで管理されている在庫品を所定期間内に利用/出荷等する量である。本実施形態では所定期間を「1日」とするが、これに限定されない。また、図示する例では量の単位が「個」であるが、これに限定されず、重さ、長さ、体積等のその他の単位で表してもよい。必要量は、ユーザが設定し、登録する。
【0027】
「基準日数」は、ユーザが設定し、登録する。上記必要量と基準日数との積が、最適在庫量となる。
【0028】
「単価」は、在庫品の単価である。
【0029】
「最適在庫量」は、必要量と基準日数との積である。
【0030】
「最適在庫金額」は、単価と最適在庫量との積である。
【0031】
また、記憶部12は、複数の在庫チェックポイント各々の在庫状態を示す在庫情報を記憶することができる。図4に、記憶部12が記憶する在庫情報の一例を模式的に示す。図示する情報は、在庫チェックポイント識別情報「00001」で識別される在庫チェックポイントにおける在庫情報である。図示する例では、日付と、各日の在庫量と、在庫量と単価の積である在庫金額と、各日の入荷量と、各日の利用量/出荷量とが互いに紐付けられている。なお、図示する例はあくまで一例であり、図示する例の一部項目を含まなくてもよいし、他の項目の情報を含んでもよい。
【0032】
図1に戻り、画面出力部11は、サプライチェーンの中の複数の在庫チェックポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する。画面出力部11は、ディスプレイ、投影装置、メーラ、プリンター等のあらゆる出力装置を介して、在庫状態画面を出力することができる。以下、画面出力部11が生成する在庫状態画面の例を説明する。
【0033】
「第1の在庫状態画面」
図5に、第1の在庫状態画面の一例を示す。
【0034】
<第1の在庫状態画面の枠>
図示する在庫状態画面では、複数のグループ各々に対応した枠W1乃至W3が示されている。なお、図示する例では枠の数が3であるが、これに限定されない。各グループは、サプライチェーンの中の一部分に関する。図示する例の場合、枠W1は一般品を保管する外部倉庫に関し、枠W2は主力品を管理する加工工場及び組立工場に関し、枠W3は一般品を管理する加工工場及び組立工場に関する。
【0035】
在庫状態画面において、複数の枠W1乃至W3は、サプライチェーンの中での各グループの出現順を識別可能に表示されてもよい。図示する例では、複数の枠W1乃至W3を、出現順に左から順に並べて表示している。また、複数の枠を互いに線で繋ぐことで、出現順が識別可能になっている。
【0036】
図示する例では、枠W1が枠W2よりも左側に位置し、これらが互いに線で繋がれている。これは、「外部倉庫で管理されている一般品(枠W1)」の少なくとも一部が、「加工工場及び組立工場に納入され、主力品として管理される(枠W2)」ことを示す。
【0037】
また、枠W1は枠W3よりも左側に位置する。そして、図示しないが、在庫状態画面をスクロールすると、枠W1と枠W3とを繋ぐ線が表示される。これは、「外部倉庫で管理されている一般品(枠W1)」の少なくとも一部が、「加工工場及び組立工場に納入され、一般品として管理される(枠W3)」ことを示す。
【0038】
枠W1乃至W3は、各グループに属する複数の在庫チェックポイント全体での最適在庫量又は最適在庫金額に対する現在在庫量又は現在在庫金額の割合を識別可能に表示されてもよい。例えば、枠W1乃至W3は、当該割合に応じた色で表示されもよいし、当該割合に応じた線種(実線、点線、破線、一点鎖線等)で表示されてもよいし、当該割合に応じた太さの線で表示されてもよいし、当該割合に応じた形状(四角、丸等)で表示されてもよい。
【0039】
例えば、「当該割合が小さすぎる場合(P1以下)」、「当該割合がやや小さい場合(P1より大P2以下)」、「当該割合が最適である場合(P2より大P3以下)」、「当該割合がやや大きい場合(P3より大P4以下)」、「当該割合が大きすぎる場合(P4より大)」の5段階に分け、各々に応じて線の色等を分けてもよい。
【0040】
<第1の在庫状態画面のオブジェクト>
枠W1乃至W3各々の中には、1つ又は複数のオブジェクトが表示されている。図示する例では、オブジェクトは略四角形となっているが、オブジェクトの形状はこれに限定されない。オブジェクトの中には、各種情報が表示される。
【0041】
枠W2に着目すると、13個のオブジェクト(M2乃至M8を付された7個のオブジェクトと、符号を付されていない6個のオブジェクト)が表示されている。13個のオブジェクトは、枠W2のグループに含まれる複数の在庫チェックポイント各々に対応している。
【0042】
13個のオブジェクトは、サプライチェーンの中での各在庫チェックポイントの出現順を識別可能に表示されてもよい。図示する例では、13個のオブジェクトを、出現順に左から順に並べて表示している。また、複数のオブジェクトを互いに線で繋ぐことで、出現順が識別可能になっている。
【0043】
図示する例によれば、オブジェクトM2乃至M4各々に対応する3つの在庫チェックポイントで管理されている3つの在庫品から、オブジェクトM5に対応する在庫チェックポイントで管理されている在庫品が製造され、それからオブジェクトM6に対応する在庫チェックポイントで管理されている在庫品が製造され、それからオブジェクトM7に対応する在庫チェックポイントで管理されている在庫品が製造され、それと他の在庫品とに基づきオブジェクトM8に対応する在庫チェックポイントで管理されている在庫品が製造されることが分かる。
【0044】
枠W2の中のオブジェクトには、各在庫チェックポイントにおける最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、各在庫チェックポイントにおける現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている。収容物は、図示するように容器に収容されていてもよいし、並べて表示されてもよい。
【0045】
図6を用いて、描画される容器の一例を示す。例えば、容器は、底の径が図3に示す「必要量」又は「必要量と単価の積」に応じた値となり、容器の高さが図3に示す「基準日数」に応じた値となる。このようにすれば、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器が描画される。
【0046】
同様に、図示しないが、収容物の底の径は、図3に示す「必要量」又は「必要量と単価の積」に応じた値となってもよい。そして、収容物の高さは、図4に示す現在の「在庫量」又は「在庫金額」を、「必要量」又は「必要量と単価の積」で割った値に応じた値となってもよい。
【0047】
オブジェクト、容器のイメージ及び収容物のイメージの中の少なくとも1つは、最適在庫量又は最適在庫金額に対する現在在庫量又は現在在庫金額の割合を識別可能に表示される。例えば、オブジェクト、容器のイメージ及び収容物のイメージの中の少なくとも1つは、当該割合に応じた色で表示されてもよい。図示する例では、「当該割合が小さすぎる場合(P1以下)」、「当該割合がやや小さい場合(P1より大P2以下)」、「当該割合が最適である場合(P2より大P3以下)」、「当該割合がやや大きい場合(P3より大P4以下)」、「当該割合が大きすぎる場合(P4より大)」の5段階に分け、収容物のイメージが当該割合に応じた色で表示されている。
【0048】
なお、色での識別はあくまで一例であり、当該割合に応じて色以外のその他の表示態様(形状、線の表示態様など)を異ならせてもよい。
【0049】
また、図示する例では、枠W2の中のオブジェクトには、複数の在庫チェックポイント各々の詳細を示すテキストが表示されている。例えば、在庫品の名称や、在庫品を保管している場所の名称等が表示される。
【0050】
次に、枠W1に着目すると、1個のオブジェクトM1が表示されている。枠W1のグループは、複数の在庫チェックポイントを含む。複数の在庫チェックポイントは、例えば、外部倉庫で保管されている複数の一般品各々に対応する。
【0051】
画面出力部11は、枠W1内のオブジェクトの例のように、複数の在庫チェックポイント各々に対応した複数のオブジェクトに代えて、複数の在庫チェックポイントに対応した1つのオブジェクトを表示してもよい。複数の在庫チェックポイントに対応した1つのオブジェクトM1には、複数の在庫チェックポイント全体での最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、複数の在庫チェックポイント全体での現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示される。
【0052】
なお、オブジェクトM1においても同様に、収容物は容器に収容されていてもよい。また、オブジェクトM1、容器のイメージ及び収容物のイメージの中の少なくとも1つは、最適在庫量又は最適在庫金額に対する現在在庫量又は現在在庫金額の割合を識別可能に表示されてもよい。その実現手段は、枠W2内のオブジェクトの場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、オブジェクトM1には、複数の在庫チェックポイントの詳細を示すテキストが表示されてもよい。図示する例では、複数の在庫チェックポイントを総括した情報がテキストで表示されている。
【0053】
ユーザが、各グループを生成し、処理装置10に登録することができる。また、ユーザが、「各グループに属させる在庫チェックポイント」、「在庫状態画面における各グループに対応する枠の並び方」、「線での複数の枠の繋ぎ方」、「在庫状態画面における各オブジェクトの並び方」、「線での複数のオブジェクトの繋ぎ方」等を決定し、処理装置10に登録することができる。画面出力部11は、当該登録内容に基づき上述した特徴的な在庫状態画面を生成することができる。
【0054】
「第2の在庫状態画面」
図7に、第2の在庫状態画面の一例を示す。第2の在庫状態画面は、3つの表示エリア1乃至3を有する。表示エリア1には、上述した第1の在庫状態画面と同様の手法で、枠とオブジェクトが表示されている。そして、オブジェクトの中に「容器のイメージ」、「収容物のイメージ」、「テキスト」等の情報が表示されていない点で、第1の在庫状態画面と異なる。なお、オブジェクトは、各在庫チェックポイントにおける最適在庫量又は最適在庫金額に対する現在在庫量又は現在在庫金額の割合を識別可能な表示(例:色)となっている。
【0055】
表示エリア2及び3には、表示エリア1においてユーザが指定した1つのオブジェクトに対応する在庫チェックポイントの情報が表示される。表示エリア2には、指定された在庫チェックポイントの詳細情報、例えば図3図4に示す情報が表示される。表示エリア3には、指定された在庫チェックポイントにおける在庫状態の時系列変化を示すグラフが表示される。当該グラフでは、在庫量の時系列変化や、入荷量の時系列変化や、出荷量の時系列変化等が示される。また、当該グラフでは、最適在庫量の上限値及び下限値が示されてもよい。また、当該グラフでは、最適在庫量の上限値及び下限値に挟まれる領域が、他の領域と識別可能に表示されてもよい。
【0056】
「第3の在庫状態画面」
図8に、第3の在庫状態画面の一例を示す。第3の在庫状態画面は、第1の在庫状態画面と同様の手法で、枠とオブジェクトを表示している。そして、第3の在庫状態画面は、オブジェクトに表示されている情報が、第1の在庫状態画面と異なる。
【0057】
第3の在庫状態画面では、オブジェクトに、第2の在庫状態画面の表示エリア3に表示されていたグラフが表示されている。なお、各オブジェクトの表示エリアが十分に大きい場合、当該グラフに加えて、上述した容器及び収容物のイメージや、テキストを表示してもよい。
【0058】
「第4の在庫状態画面」
図9に、第4の在庫状態画面の一例を示す。第4の在庫状態画面は、ユーザが指定した検索条件に合致する在庫チェックポイント各々に対応したオブジェクトが一覧表示されている。なお、第4の在庫状態画面は、ユーザが予め選択した在庫チェックポイント各々に対応したオブジェクトが一覧表示されてもよい。オブジェクトには、上述したグラフ、容器及び収容物のイメージ、及び、テキストの中の少なくとも1つが表示される。
【0059】
以上、説明した本実施形態の処理装置10によれば、サプライチェーンの中の複数の在庫チェックポイント各々の在庫状態を適切な手法で表示することが可能となる。
【0060】
例えば、各在庫チェックポイントに対応し、各在庫チェックポイントの在庫状態を示すオブジェクトを、サプライチェーンの中の各在庫チェックポイントの出現順を識別可能に表示することができる。この場合、複数の在庫チェックポイント各々の在庫状態を確認できるとともに、各在庫チェックポイントがサプライチェーンの中でどの位置にあるのかを確認できる。結果、サプライチェーンの中のどの位置で、過剰在庫や過少在庫等の問題が発生しているかを把握できる。
【0061】
また、本実施形態の場合、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージにより、在庫状態を示すことができる。この場合、最適在庫量又は最適在庫金額に対する現在在庫量又は現在在庫金額の割合を直感的に把握することができる。
【0062】
また、本実施形態の場合、上記割合に応じて、オブジェクト、容器のイメージ及び収容物のイメージの中の少なくとも1つの表示態様を異ならせることができる。この場合、オブジェクト、容器のイメージ及び収容物のイメージの中の少なくとも1つの表示態様に基づき、過剰在庫や過少在庫等の問題を容易に把握できる。
【0063】
また、本実施形態の場合、例えば、倉庫単位、工場単位、製造ライン単位、製造工程単位、店舗単位等の任意の単位でグループ化し、グループ毎に分けて、複数の在庫チェックポイント各々に対応したオブジェクトを表示することができる。このため、多数のオブジェクトが画面表示された場合でも、グループ毎に分けて確認し、在庫状態を把握することができる。
【0064】
また、複数のグループはサプライチェーンでの出現順を識別可能に表示される。このため、サプライチェーンの中のどの位置で、過剰在庫や過少在庫等の問題が発生しているかを把握できる。
【0065】
また、本実施形態の場合、図8に示すように、複数のオブジェクト各々に、在庫量の時系列変化や、入荷量の時系列変化や、出荷量の時系列変化等を示すグラフを表示することができる。そして、当該グラフでは、最適在庫量の上限値及び下限値を示したり、当該上限値及び下限値に挟まれる領域が他の領域と識別可能に表示されたりする。このため、各在庫チェックポイントの時系列な変化や、各タイミングでの在庫量が最適な状態だったか否か等を容易に把握することができる。
【0066】
また、本実施形態の場合、図9に示すように、ユーザが検索した在庫チェックポイントや、ユーザが選択した在庫チェックポイントに対応したオブジェクトを一覧表示することができる。このため、ユーザは、自身が確認したい在庫チェックポイントの在庫状態を効率的に確認できる。
【0067】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
1. サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する画面出力手段を有し、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている処理装置。
2. 前記在庫状態画面において、前記収容物は前記容器に収容されている1に記載の処理装置。
3. 前記画面出力手段は、
前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対する前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の割合を識別可能に、前記オブジェクト、前記容器のイメージ及び前記収容物のイメージの中の少なくとも1つを表示した前記在庫状態画面を生成する1又は2に記載の処理装置。
4. 前記画面出力手段は、
前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対する前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の割合に応じた色で、前記オブジェクト、前記容器のイメージ及び前記収容物のイメージの中の少なくとも1つを表示した前記在庫状態画面を生成する3に記載の処理装置。
5. 前記画面出力手段は、
複数の前記ポイント各々に対応した複数の前記オブジェクトに代えて、複数の前記ポイントに対応した1つの前記オブジェクトを表示した前記在庫状態画面を生成し、
複数の前記ポイントに対応した1つの前記オブジェクトには、複数の前記ポイント全体での前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対応した大きさの前記容器のイメージと、複数の前記ポイント全体での前記現在在庫量又は前記現在在庫金額に対応した大きさの前記収容物のイメージとが表示されている1から4のいずれかに記載の処理装置。
6. 前記オブジェクトには、前記ポイントにおける前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の経時変化を示すグラフが表示されている1から5のいずれかに記載の処理装置。
7. 前記オブジェクトには、前記ポイントの詳細を示すテキストが表示されている1から6のいずれかに記載の処理装置。
8. 前記画面出力手段は、
複数の前記オブジェクトを、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示した前記在庫状態画面を生成する1から7のいずれかに記載の処理装置。
9. 前記画面出力手段は、
複数のグループ各々に対応した複数の枠を表示し、複数の前記枠各々の中に前記グループ各々に属する前記ポイントに対応した前記オブジェクトを表示した前記在庫状態画面を生成する1から8のいずれかに記載の処理装置。
10. 前記画面出力手段は、
複数の前記枠を、前記サプライチェーンの中での前記グループの出現順を識別可能に表示した前記在庫状態画面を生成する9に記載の処理装置。
11. 前記画面出力手段は、
前記グループ各々に属する前記ポイント全体での前記最適在庫量又は前記最適在庫金額に対する前記現在在庫量又は前記現在在庫金額の割合を識別可能に、複数の前記枠各々を表示した前記在庫状態画面を生成する9又は10に記載の処理装置。
12. コンピュータが、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力し、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されている処理方法。
13. コンピュータを、
サプライチェーンの中の複数のポイント各々の在庫状態を示す在庫状態画面を生成し、出力する画面出力手段として機能させ、
前記在庫状態画面において、複数の前記ポイント各々に対応した複数のオブジェクトが、前記サプライチェーンの中での前記ポイントの出現順を識別可能に表示されており、
前記オブジェクトには、最適在庫量又は最適在庫金額に対応した大きさの容器のイメージと、現在在庫量又は現在在庫金額に対応した大きさの収容物のイメージとが表示されているプログラム。
【0068】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
【0070】
4A 周辺回路
5A バス
10 処理装置
11 画面出力部
12 記憶部
M オブジェクト
W 枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9