(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-11
(45)【発行日】2023-10-19
(54)【発明の名称】貯蔵部を開封および密封するためのバイメタルアクチュエータを有するeベイパー装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/485 20200101AFI20231012BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20231012BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F40/10
(21)【出願番号】P 2020537865
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2018075669
(87)【国際公開番号】W WO2019057923
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-17
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】マッコ ジェイソン アンドリュー
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/193365(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/011419(WO,A1)
【文献】特開平07-167378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/485
A24F 40/10
A24F 40/40
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
eベイパー装置であって、
プレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部であって、前記プレベイパー製剤を出口から放出するように構成された出口を画定する貯蔵部と、
前記貯蔵部から放出された前記プレベイパー製剤を加熱して、ベイパーを発生するように構成されたヒーターと、
ベイピングが生じていない時に前記貯蔵部の前記出口を密封するように構成された、かつベイピングが生じている時に前記出口を密封解除するように構成され
たバイメタルアクチュエータであって、前記バイメタルアクチュエータへと電流が印加されると、前記バイメタルアクチュエータが前記貯蔵部の前記出口を密封解除するように構成される、
前記バイメタルアクチュエータと、
前記貯蔵部から放出された前記プレベイパー製剤と流体連通するように、かつ
前記ベイピング中に前記ヒーターと熱的接触するように配設された芯とを備え、前記バイメタルアクチュエータが、前記ベイピングが生じていない時に前記プレベイパー製剤が前記芯の中に連続的に引き出されないように前記貯蔵部の前記出口を密封するように構成された、eベイパー装置。
【請求項2】
前記バイメタルアクチュエータが、第一の温度の時に前記貯蔵部の前記出口を密封するように、デフォルトの第一の位置になるように構成された、かつより高い第二の温度の時に前記出口を密封解除するように、第二の位置に偏向するように構成された温度感受性構造である、請求項1に記載のeベイパー装置。
【請求項3】
前記バイメタルアクチュエータが、前記第一の温度が摂氏約60度以下である時に前記貯蔵部の前記出口を密封するように構成されている、請求項2に記載のeベイパー装置。
【請求項4】
前記バイメタルアクチュエータが、前記第二の温度が摂氏約100度以上である時に前記貯蔵部の前記出口を密封解除するように構成されている、請求項2に記載のeベイパー装置。
【請求項5】
前記バイメタルアクチュエータが、前記ベイピング中に前記ヒーターが起動されている時に、前記貯蔵部の前記出口を密封解除するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のeベイパー装置。
【請求項6】
前記バイメタルアクチュエータが、前記ヒーターからの廃熱に基づいて、前記貯蔵部の前記出口を密封解除するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のeベイパー装置。
【請求項7】
前記バイメタルアクチュエータが、前記貯蔵部を密封するために前記出口と嵌合するように構成された係合部分を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のeベイパー装置。
【請求項8】
前記バイメタルアクチュエータの前記係合部分が、円錐形状または円錐台形状を有する、請求項7に記載のeベイパー装置。
【請求項9】
前記バイメタルアクチュエータが、異なる熱膨張係数を有する材料を含む積層構造を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のeベイパー装置。
【請求項10】
前記バイメタルアクチュエータが、第二の層に結合された第一の層を含み、前記第一の層の熱膨張係数が前記第二の層の熱膨張係数よりも高く、前記第一の層が前記貯蔵部の前記出口に面している、請求項1~9のいずれか一項に記載のeベイパー装置。
【請求項11】
前記第一の層の前記熱膨張係数が、前記第二の層の熱膨張係数より少なくとも4×10
-6K
-1大きい、請求項10に記載のeベイパー装置。
【請求項12】
前記バイメタルアクチュエータの前記第一の層が銅を含む、請求項10または請求項11に記載のeベイパー装置。
【請求項13】
前記ヒーターおよび前記バイメタルアクチュエータに電流を供給するように構成された電源、をさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のeベイパー装置。
【請求項14】
前記電源が、前記ヒーターおよび前記バイメタルアクチュエータに前記電流を同時に供給するように構成された電池である、請求項13に記載のeベイパー装置。
【請求項15】
ベイピング中にヒーターと熱的接触する芯を有するeベイパー装置内のプレベイパー製剤の流れを制御する方法であって、
前記ベイピングが生じていない時に前記プレベイパー製剤が前記芯の中に連続的に引き出されないように、バイメタルアクチュエータを用いて貯蔵部の出口を密封することであって、前記貯蔵部が前記eベイパー装置内に配設され、かつ前記プレベイパー製剤を保持するように構成されている、密封することと、
前記芯が前記貯蔵部から放出された前記プレベイパー製剤と流体連通するように、ベイピングが開始された時に前記貯蔵部の前記出口を密封解除するために、前記バイメタルアクチュエータに電流を印加することと、をさらに含む、方法。
【請求項16】
前記電流の前記印加が、前記バイメタルアクチュエータを前記出口から離れるように偏向させて前記貯蔵部を密封解除する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記貯蔵部の前記出口の前記密封が、前記ベイピングが停止した時から1分未満で生じる、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記貯蔵部の前記出口の前記密封が、前記ベイピング中に各吸煙後に生じる、請求項15、16または17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレベイパー製剤を含有する貯蔵部を有するeベイパー装置(電子ベイパー装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイパー装置は、陰圧が印加された時に装置の出口を通して引き出されるベイパーを発生する目的でプレベイパー製剤を気化するように構成された電気動力式の物品である。電子ベイパー装置は、eベイパー装置またはeベイピング装置とも呼ばれる場合がある。eベイパー装置は、プレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部と、プレベイパー製剤と流体連通して配設されている芯と、芯に熱的に近接して配設されている発熱体と、電気を発熱体に供給するように構成された電源とを含む。発熱体は、芯の周りにコイル状に複数回巻かれている比較的細いワイヤーの形態であっていてもよい。その結果、eベイパー装置の動作中に電流が発熱体に供給される時、陰圧が印加された時に装置の出口を通して引き出されるベイパーを生成するために、ワイヤーは抵抗加熱を受けて芯内のプレベイパー製剤を気化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、eベイパー装置が動作していない時、プレベイパー製剤が依然として貯蔵部から芯の中に引き出され続ける場合がある。結果として、芯はプレベイパー製剤で過飽和となる場合がある。結果として、発熱体がその後、長時間後のeベイパー装置の動作中に起動される時、発生したベイパーの質が影響を受ける場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
eベイパー装置は貯蔵部、ヒーター、およびバイメタルアクチュエータを含んでもよい。貯蔵部はプレベイパー製剤を保持するように構成されてもよい。貯蔵部は、プレベイパー製剤を出口から放出するように構成された出口を画定してもよい。ヒーターは、貯蔵部から放出されたプレベイパー製剤を加熱してベイパーを発生させるように構成されてもよい。バイメタルアクチュエータは、ベイピングが生じていない時に貯蔵部の出口を密封するように構成されてもよく、またベイピングが生じている時に出口を密封解除するように構成されている。
【0005】
バイメタルアクチュエータは、第一の温度の時に貯蔵部の出口を密封するように、デフォルトの第一の位置になるように構成された、かつより高い第二の温度の時に出口を密封解除するように、第二の位置に偏向するように構成された温度感受性構造である。
【0006】
バイメタルアクチュエータは、第一の温度が摂氏約60度以下である時に貯蔵部の出口を密封するように構成されてもよい。
【0007】
バイメタルアクチュエータは、第二の温度が摂氏約100度以上である時に貯蔵部の出口を密封解除するように構成されてもよい。
【0008】
バイメタルアクチュエータは、ヒーターがベイピング中に起動された時に貯蔵部の出口を密封解除するように構成されてもよい。
【0009】
バイメタルアクチュエータは、バイメタルアクチュエータに電流が印加されると貯蔵部の出口を密封解除するように構成されてもよい。
【0010】
バイメタルアクチュエータは、ヒーターからの廃熱に基づいて貯蔵部の出口を密封解除するように構成されてもよい。
【0011】
バイメタルアクチュエータは、貯蔵部を密封するために出口と嵌合するように構成された係合部分を有してもよい。
【0012】
バイメタルアクチュエータの係合部分は、円錐形状または円錐台形状を有してもよい。
【0013】
バイメタルアクチュエータは、異なる熱膨張係数を有する材料を含む積層構造を有する。
【0014】
バイメタルアクチュエータは、第二の層に結合された第一の層を含む。第一の層の熱膨張係数は、第二の層の熱膨張係数よりも大きい。第一の層は、貯蔵部の出口に面してもよい。
【0015】
第一の層の熱膨張係数は、第二の層の熱膨張係数より少なくとも4×10-6K-1大きくてもよい。
【0016】
バイメタルアクチュエータの第一層は、銅を含んでもよい。
【0017】
eベイパー装置は、貯蔵部から放出されたプレベイパー製剤と流体連通するように、かつベイピング中にヒーターと熱的接触するように配設された芯をさらに含んでもよい。バイメタルアクチュエータは、ベイピングが生じていない時にプレベイパー製剤が芯の中に連続的に引き出されないように、貯蔵部の出口を密封するように構成されている。
【0018】
eベイパー装置は、ヒーターおよびバイメタルアクチュエータに電流を供給するように構成された電源をさらに含んでもよい。
【0019】
電源は、ヒーターおよびバイメタルアクチュエータに電流を同時に供給するように構成された電池であってもよい。
【0020】
eベイパー装置内のプレベイパー製剤の流れを制御する方法は、バイメタルアクチュエータを用いて貯蔵部の出口を密封することを含んでもよい。貯蔵部は、eベイパー装置内に配設されていて、かつプレベイパー製剤を保持するように構成されている。方法はまた、ベイピングが開始された時に貯蔵部の出口を密封解除するために、バイメタルアクチュエータに電流を印加することを含んでもよい。
【0021】
電流の印加は、バイメタルアクチュエータを出口から離れるように偏向させて貯蔵部を密封解除する場合がある。
【0022】
貯蔵部の出口の密封は、ベイピングが停止した時から1分未満で生じる場合がある。
【0023】
貯蔵部の出口の密封は、ベイピング中に各吸煙の後に生じてもよい。
【0024】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の部分的な分解図である。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの断面図である。
【
図3】
図3は、
図2のカートリッジセクション内のバイメタルアクチュエータの拡大図である。
【
図4】
図4は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの中への導入のための開封/密封の配設の断面図である。
【
図5】
図5は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
【
図6】
図6は、
図5のカートリッジセクションの開封/密封の配設の端面図である。
【
図7】
図7は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの別の開封/密封の配設の端面図である。
【
図8】
図8は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの別の開封/密封の配設の端面図である。
【
図9】
図9は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクション断面図である。
【
図10】
図10は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
【
図11】
図11は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
【
図12】
図12は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接接続されてもよく、それに直接連結されてもよく、またはそれを直接的に覆ってもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接接続される」、または「に直接連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0027】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、およびセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、構成要素、領域、層、およびセクションはこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記に考察される第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0028】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する通り、一つの要素または特徴と別の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。当然のことながら、空間的関係の用語は、図中に描写されている向きに加えて、使用時または動作時に装置の異なる向きを包含することが意図されている。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0029】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の限定を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。さらに当然のことながら、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、および構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しない。
【0030】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。
【0031】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0032】
図1は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の部分的な分解図である。
図1を参照すると、eベイパー装置は、カートリッジセクション100および電池セクション200を含む。カートリッジセクション100は、ねじ付き配設を介して電池セクション200に(機械的および電気的に)接続されてもよい。例えば、カートリッジセクション100は、電池セクション200の外ねじ付き部分に接続するように構成されている内ねじ付き部分を含む。マウスピースは、内ねじ付き部分からカートリッジセクション100の反対側の端に提供されている。しかし当然のことながら、例示的な実施形態は、ねじ付き配設に限定されない。別の例において、カートリッジセクション100は、バヨネット配設を介して電池セクション200に接続されてもよい。バヨネット配設は、2016年6月23日に出願された「E-VAPOR DEVICE INCLUDING AT LEAST ONE OF A BAYONET CONNECTOR AND A CONNECTOR WITH A KNURLED PATTERN FOR FORMING A WELDED JUNCTION」と題する米国特許出願第15/190,769号、代理人整理番号第24000-000217-US-01号(その開示は参照により、その全体が本明細書に組み込まれている)に記載の通りであってもよい。
【0033】
図2は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの断面図である。
図2を参照すると、カートリッジセクション100は、中に配置されたチムニー112を有するハウジング108を含む。チムニー112は、ハウジング108の中央長軸方向軸と同軸になるように、第一のガスケット106および第二のガスケット120によって位置付けられてもよい。貯蔵部110は、ハウジング108の内表面およびチムニー112の外表面によって画定された(かつ第一のガスケット106および第二のガスケット120によって境界付けられた)環状の空間である。貯蔵部110は、プレベイパー製剤を含有するように構成されている。プレベイパー製剤は、ベイパーへと変形されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然風味もしくは人工風味、またはグリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体を含むが、これらに限定されない、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤であってもよい。
【0034】
マウスピース102は、ハウジング108の下流端に(ベイパーの流れに対して)配置されていて、かつ口側端インサートとして構造化されている。マウスピース102は、チムニー112によって画定されたチャネル114と整列されている開口部104を画定する。eベイパー装置の動作中に、発生したベイパーは、チャンバー124からチャネル114を通り、マウスピース102に陰圧が印加された時に、開口部104の外に引き出される。開口部104は単一の開口部の形態で示されているが、当然のことながら、開口部104は複数の開口部の形態であってもよい。加えて、複数の開口部は外向きに角度を付けられてもよい。
【0035】
貯蔵部110用の開封/密封の配設は、バイメタルアクチュエータ126の形態であってもよい。さらに詳しくは、第二のガスケット120は、貯蔵部110内のプレベイパー製剤のための出口として開口部122を画定する。開口部122は、貯蔵部110からのプレベイパー製剤の流れが望ましくない時(例えば、eベイパー装置が動作していない時)に、バイメタルアクチュエータ126によって塞がれる。バイメタルアクチュエータ126は、開口部122と係合して貯蔵部110を密封するように構成されていて、また開口部122から係脱して貯蔵部110を開封してプレベイパー製剤を放出するように構成されている。バイメタルアクチュエータ126の近位端は、ハウジング108の内壁内に埋め込まれてもよい。
【0036】
チャンバー124は、第二のガスケット120の上流の(例えば、下方の)ハウジング108内に提供されている。ヒーター116および芯118はチャンバー124内に、かつ開口部122に近接して配設されている。特に、芯118は、貯蔵部110から放出されたプレベイパー製剤と流体連通するように、かつベイピング中にヒーター116と熱的接触するように配設されている。結果として、貯蔵部110がバイメタルアクチュエータ126によって開封される時に、プレベイパー製剤は開口部122を通して放出され、かつ芯118によってヒーター116に搬送される。ヒーター116は、プレベイパー製剤を加熱してベイパーを発生するように構成されている。さらに、バイメタルアクチュエータ126は、ベイピングが生じていない時にプレベイパー製剤が芯118の中に連続的に引き出されないように、貯蔵部110の出口を密封するように構成されている。
【0037】
例示的な実施形態において、芯118は、放出されたプレベイパー製剤により近くなるように、端部(例えば、右端部)が開口部122に向かって延びるように構成されてもよい。加えて、芯118の長さは、過剰なプレベイパー製剤が(例えば、過度に長い芯が使用される場合に)芯118内に不必要に保持されることを回避するために、プレベイパー製剤を適切に受容し、かつ搬送するのに必要な程度に短縮されてもよい。例えば、開口部122から最も遠い、およびヒーター116によって包含されていない芯118の端部(例えば、左端部)は、過剰なプレベイパー製剤が芯118のそのセクション内に不必要に保持されるのを回避するために、短くされてもよい。
【0038】
電源は、ヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126のうちの一方または両方に電流を供給するように構成されている。例示的な実施形態において、電源は、ヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126に電流を同時に供給するように構成された(例えば、電池セクション200内の)電池であってもよい。
【0039】
バイメタルアクチュエータ126は、温度変化を機械的変位に変換するように構成されている。バイメタルアクチュエータ126における温度変化を生じさせる加熱は、間接的であってもよく、または直接的であってもよい。例えば、eベイパー装置は、ヒーター116が起動された時に、そこから発する熱がバイメタルアクチュエータ126の温度を間接的に上昇させ、それによってバイメタルアクチュエータ126を屈曲させて第二のガスケット120から離れるように偏向させてもよい。結果として、バイメタルアクチュエータ126は開口部122から係脱し、また貯蔵部110を開封してプレベイパー製剤を放出することになる。
【0040】
別の方法として、電気リードは、バイメタルアクチュエータ126(およびヒーター116)に直接接続されてもよい。こうした例において、eベイパー装置の動作中に、電流はバイメタルアクチュエータ126(およびヒーター116)に供給されることになる。供給された電流は、バイメタルアクチュエータ126の温度を上昇させ、それによってバイメタルアクチュエータ126を屈曲させて第二のガスケット120から離れるように偏向させることになる。結果として、バイメタルアクチュエータ126は開口部122から係脱し、また貯蔵部110を開封してプレベイパー製剤を放出することになる。
【0041】
例示的な実施形態において、バイメタルアクチュエータ126は、バイメタル細片として構造化されている。バイメタル細片は、異なる熱膨張係数を有する異なる金属の二つの別個の細片を含む。別個の細片は、リベット留め、ろう付け、または溶接によってこれらの長さに沿って一緒に結合されうる。異なる熱膨張係数に起因して、別個の細片は加熱された時に異なる量だけ膨張する。逆に、別個の細片は冷却された時に異なる量だけ収縮する。別個の細片は所与の温度変化に基づいて異なる量の膨張/収縮を有するため、バイメタル細片は加熱された時に一つの側に向かって屈曲し、また冷却された時に反対の側に向かって屈曲する。
【0042】
本明細書で考察の通り、かつ別途示されていない限り、熱膨張係数へのすべての言及は、温度変化の1度当たりの長さの割合の変化である線熱膨張係数と関連することが理解されるべきである。材料の線膨張については、熱膨張係数は以下の式1によって表現されてもよい。
α=(1/L)(ΔL/ΔT) (1)
【0043】
上記の式1において、αは材料の熱膨張係数であり、Lは材料の長さであり、ΔLは温度変化後の材料の長さの変化であり、ΔTは温度変化である。加えて、式1において圧力の効果は無視できると仮定される。
【0044】
材料に対する熱膨張係数がより高いことは、より低い熱膨張係数を有する材料と比較して、材料が加熱された時に、より大きい量の膨張を受け、また冷却された時に、より大きい量の収縮を受けることを意味する。結果として、バイメタル細片が加熱される時、より高い熱膨張係数を有する金属は湾曲の外側になることになる。逆に、バイメタル細片が冷却される時、より高い熱膨張係数を有する金属は湾曲の内側になることになる。
【0045】
一緒に結合されて、「L」として言及される長さと、(温度変化によって生じる屈曲からの)「s」として言及される横方向変位とを有するバイメタル細片を形成する同一の寸法を有する異なる金属の二つの別個の細片を、
図13に概略的に示す。
【0046】
バイメタル細片は、当初の基準温度にてたわみを有しないように構成されてもよく、また真っ直ぐ(例えば、上方の実線)と見なされてもよい。加えて、バイメタル細片は、温度変化後にたわみを呈する場合がある(例えば、上記の点線)。以下の式2は、温度変化後の、バイメタル細片の横方向変位と、バイメタル細片の熱膨張係数と、バイメタル細片の長さと、バイメタル細片によって経験される温度変化と、バイメタル細片の厚さとの間の関係を確立しうる。
s=αL2ΔT/t (2)
【0047】
上記の式2において、sは温度変化によって生じる屈曲からのバイメタル細片の横方向変位であり、αはバイメタル細片の熱膨張係数であり、Lはバイメタル細片の長さであり、ΔTはバイメタル細片によって経験される温度変化であり、tはバイメタル細片の厚さである。
【0048】
温度変化後のバイメタル細片(当初の基準温度にて、たわみを有しない)の曲率は、以下の式3によって表現されうる。
【0049】
上記の式3において、κは温度変化の後のバイメタル細片の曲率であり、E1はバイメタル細片の第一の材料のヤング率であり、t1はバイメタル細片の第一の材料の厚さであり、E2はバイメタル細片の第二の材料のヤング率であり、t2はバイメタル細片の第二の材料の厚さであり、εはミスフィット歪みである。ミスフィット歪み(ε)は、以下の式4によって算出される。
ε=(α1-α2)ΔT (4)
【0050】
上記の式4において、α1はバイメタル細片の第一の材料の熱膨張係数であり、α2はバイメタル細片の第二の材料の熱膨張係数であり、またΔTはバイメタル細片がたわみを有しない当初の基準温度に基づく温度変化である。
【0051】
要するに、
図2に戻って参照すると、eベイパー装置は、プレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部110を備えてもよい。貯蔵部110は、プレベイパー製剤を出口から放出するように構成された出口(例えば、開口部122)を画定してもよい。ヒーター116は、貯蔵部110から放出されたプレベイパー製剤を加熱して、ベイパーを発生するように構成されている。バイメタルアクチュエータ126は、ベイピングが生じていない時に貯蔵部110の出口(例えば、開口部122)を密封するように構成されていて、またベイピングが生じている時に出口を密封解除するように構成されている。
【0052】
バイメタルアクチュエータ126は、貯蔵部110の出口を密封するように、第一の温度にある時に第一の位置にある(およびデフォルトの第一の位置になる/第一の位置に戻る)ように構成された温度感受性構造である。第一の位置にある時、バイメタルアクチュエータ126は、比較的真っ直ぐな形態(例えば、たわみなし)を有するように構成されている。結果として、バイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端は、貯蔵部110を閉鎖するように開口部122内に着座する。プレベイパー製剤が液体の形態である時に、バイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端および開口部122は、貯蔵部110を閉じるために気密密封を形成する必要はない。むしろ、密封の気密性は、プレベイパー製剤の表面張力に基づいて、外向きの流れを無くすのに適切であることのみを必要とする。バイメタルアクチュエータ126は、第一の温度が摂氏約60度以下である時に貯蔵部110の出口を密封するように構成されている。従って、周囲温度(例えば、摂氏25度)にて、バイメタルアクチュエータ126は比較的真っ直ぐであるように構成されていて、係合部分の先端は、貯蔵部110内のプレベイパー製剤を閉じ込めるように開口部122内に着座する。
【0053】
逆に、バイメタルアクチュエータ126は、貯蔵部110の出口を密封解除するように、より高い第二の温度にある時に第二の位置に偏向されるように構成されている。バイメタルアクチュエータ126は第二の位置にある時に、湾曲した形態(例えば、下向きのたわみ)を有するように構成されている。例えば、ハウジング108に固定されているバイメタルアクチュエータ126の近位端は固定されたままであってもよく、一方でバイメタルアクチュエータ126の細片部分は細片部分の材料の異なる熱膨張から屈曲を受け、これによってバイメタルアクチュエータ126の遠位端(係合部分を含む)の垂直変位を生じさせる。結果として、バイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端は、貯蔵部110を開封するように開口部122から離座した状態になる。
【0054】
例示的な実施形態において、バイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端は第二の位置にある時に、開口部122から完全に引き出されることなく、貯蔵部110からプレベイパー製剤を放出するのに適切な距離だけ開口部122から分離される。この例において、バイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端は貯蔵部110が開封される時に、開口部122によって依然として重ねられる(例えば、依然として部分的に開口部122の中に挿入される)。こうした構成は、バイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端と開口部122との不整合の発生を低減または防止することによって、貯蔵部110の再密封の一貫性を高めるのに役立つ場合がある。別の方法として、当然のことながら、eベイパー装置は、貯蔵部110が開封される時にバイメタルアクチュエータ126の係合部分の先端が開口部122から完全に引き出されるように構成されてもよい。バイメタルアクチュエータ126は、第二の温度が摂氏約100度以上である時に貯蔵部110の出口を密封解除するように構成されている。
【0055】
当然のことながら、バイメタルアクチュエータ126が受ける、第一の位置(例えば、真っ直ぐな状態)から第二の位置(例えば、湾曲した状態)への変化は、二進数ではない。むしろ、バイメタルアクチュエータ126の偏向は移行的な様態で生じ、またバイメタルアクチュエータ126の温度に比例する。例えば、バイメタルアクチュエータ126は、貯蔵部110からプレベイパー製剤を放出するために、係合部分の先端が開口部122から適切に分離された状態になるまで、温度の上昇とともに(例えば、摂氏約100度の温度にて)屈曲し始める。
【0056】
バイメタルアクチュエータ126は、ヒーター116がベイピング中に起動された時に貯蔵部110の出口を密封解除するように構成されている。密封解除のタイミングは、ヒーター116の起動の少し前、またはその起動と同時、または少し後であってもよい。このようにして、芯118内に既にある既存のプレベイパー製剤はヒーター116によって加熱されてベイパーを発生し、また貯蔵部110から放出された新しいプレベイパー製剤は、蒸気に変換された芯118内の量を補充する。
【0057】
eベイパー装置は、貯蔵部110を開封するためにバイメタルアクチュエータ126の直接加熱を生じさせるように構成されてもよい。例えば、バイメタルアクチュエータ126は、バイメタルアクチュエータ126への電流の印加に伴い、貯蔵部110の出口を密封解除するように構成されてもよい。例示的な実施形態において、電気リードは、バイメタルアクチュエータ126の細片部分の近位端に接続されていて、バイメタルアクチュエータ126の細片部分内の材料の抵抗加熱を生じさせるように、(起動信号に応答して)電流が供給されている。結果として、バイメタルアクチュエータ126は開口部122から離れるように偏向して貯蔵部110を開封する。
【0058】
別の方法として、eベイパー装置は、貯蔵部110を開封するためにバイメタルアクチュエータ126の間接的な加熱を生じさせるように構成されてもよい。例えば、バイメタルアクチュエータ126は、ヒーター116からの廃熱に基づいて貯蔵部110の出口を密封解除するように構成されてもよい。こうした例において、ヒーター116はヒーター116が起動した時に、芯118内のプレベイパー製剤を気化する。加えて、ヒーター116からの過剰な熱/廃熱はまた、バイメタルアクチュエータ126の温度を上昇させ、これによって、貯蔵部110を開封する偏向を生じさせて、気化した芯118の中の量を補充するためにより多くのプレベイパー製剤を放出する。
【0059】
ヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126は、ベイピングのために手動でまたは自動的に起動されてもよい。手動起動のために、eベイパー装置は、ヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126のうちの一方または両方に電流を供給する信号を送信するために押圧することができるボタンを含んでもよい。自動起動のために、eベイパー装置は、一つ以上の条件の充足を検出し、それに応じて、信号を送信してヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126のうちの一方または両方に電流を供給するするセンサーを含んでもよい。センサーによって検出された条件は、マウスピース102上の陰圧の印加(例えば、吸煙センサーを介した)、およびベイピングの意図を示すeベイパー装置のジェスチャーのうちの一方または両方を含んでもよい。ジェスチャー感知および制御は、2016年12月27日に出願された、「BODY GESTURE CONTROL SYSTEM FOR BUTTON-LESS VAPING」と題する米国特許出願第15/390,810号、代理人整理番号第24000-000299-US号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の通りであってもよい。
【0060】
eベイパー装置はまた、手動起動および自動起動の組み合わせを利用するように構成されてもよい。例えば、eベイパー装置は、ベイピングの準備においてヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126のうちの一方または両方を予熱するために電流を供給するように、第一の信号を送信するために手動で押圧することができるボタンを含んでもよい(予熱は、プレベイパー製剤を気化しない、または貯蔵部110を開封しないことになる)。加えて、必要条件が満たされると、センサー(例えば、吸煙センサー)は、ヒーター116およびバイメタルアクチュエータ126のうちの一方または両方に電流を供給してプレベイパー製剤を気化し、かつ貯蔵部110を開封するために、第二の信号を送信することができる。
【0061】
図3は、
図2のカートリッジセクション内のバイメタルアクチュエータの拡大図である。
図3を参照すると、バイメタルアクチュエータ126は、細片部分と、細片部分の遠位端にある係合部分132とを有する。バイメタルアクチュエータ126の細片部分の長さは、ハウジング108の半径より大きくてもよい。バイメタルアクチュエータ126の係合部分132は、一時的な密封を形成するように、貯蔵部110の出口と嵌合するように構成されている。
【0062】
バイメタルアクチュエータ126の細片部分は、異なる熱膨張係数を有する材料を含む積層構造を有する。バイメタルアクチュエータ126の細片部分の積層構造は、第二の層130に結合された第一の層128を含んでもよい。第一の層128は、バイメタルアクチュエータ126がカートリッジセクション100内に配設されている時に貯蔵部110の出口(例えば、開口部122)に面することになる。第一の層128の厚さおよび第二の層130の厚さは、細片部分の近位端から遠位端まで比較的均一であってもよい。第一の層128の熱膨張係数は、第二の層130の熱膨張係数よりも大きい。例示的な実施形態において、第一の層128の熱膨張係数は、第二の層130の熱膨張係数より少なくとも4×10-6K-1大きい。例えば、バイメタルアクチュエータ126の第一の層128は、銅またはその合金(例えば、真鍮)で形成されてもよい。加えて、第二の層130は鋼で形成されてもよい。
【0063】
係合部分132は、先端が開口部122内に着座している時に貯蔵部110の密封を高める弾性材料で形成されてもよい。係合部分132の材料が、プレベイパー製剤と非反応性である(そのため、有害な相互作用が生じない)ことも有益である。例えば、係合部分132は、シリコーン、ポリエチレン(例えば、HDPE、HMWPE)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されてもよいが、例示的な実施形態はこれらに限定されない。
【0064】
バイメタルアクチュエータ126の細片部分の遠位端は、係合部分132を受容し、かつ保持するように構成された穴を含んでもよい。こうした例において、係合部分132のネックは穴内にあってもよく、一方でヘッドおよび先端部は、滑り嵌め配設を形成するように細片部分の反対側にあってもよい。バイメタルアクチュエータの係合部分132の先端は、円錐形状または円錐台形状を有してもよい。開口部122はまた、係合部分132の先端のテーパー状の表面に対応するように(貯蔵部110からのプレベイパー製剤の流れに対して)外向きに広がる角度を有する側壁を有してもよい。こうした例において、開口部122と係合部分132の間の接触面積が増大することになり、これによって貯蔵部110の密封が高められる。
【0065】
図4は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの中への導入のための開封/密封の配設の断面図である。
図4を参照すると、開封/密封の配設は、インサート134の内側側壁内に包埋されたバイメタルアクチュエータ136を有するインサート134の形態であってもよい。インサート134は環状形状を有してもよく、またバイメタルアクチュエータ136は、バイメタルアクチュエータ126に関連して記載された通りであってもよい。
図4における開封/密封の配設は、
図2のカートリッジセクション100のバイメタルアクチュエータ126の代わりに使用されてもよい。
【0066】
図4の開封/密封の配設は、インサートモールドまたはオーバーモールドによって形成されてもよい。例えば、製造プロセスは、バイメタルアクチュエータ136の近位端を(インサート134を形成するための)モールドの中に導入し、その後材料をモールドの中に射出することを含んでもよい。バイメタルアクチュエータ136の近位端は、射出された材料と接する表面積を増大させるためにフランジの形態(またはその他の横方向に突出する構成)であってもよく、これによってバイメタルアクチュエータ136をインサート134内でよりしっかりと固定することが可能になる。インサート134の射出された材料が固化すると、配設をモールドから取り外すことができる。インサート134を形成するための材料は、溶融され、モールドの中へと押し出される熱可塑性樹脂(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など)のペレットであってもよい。
【0067】
インサート134は、ハウジング108の内表面と比較的密接に対応するサイズおよび形状を有する。結果として、カートリッジセクション100の組み立て中に、開封/密封の配設は、第二のガスケット120に隣接するように、およびバイメタルアクチュエータ136の係合部分が開口部122内に着座されるように、ハウジング108の中に挿入されることができる。比較的密接な嵌合に起因して、インサート134の外表面およびハウジング108の内表面は、開封/密封の配設の適正な位置付けを維持するのに適切な摩擦嵌めの配設を形成してもよい。
【0068】
図5は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
図5を参照すると、カートリッジセクション100は、開封/密封の配設がディスク138およびフランジ140を含むことを除き、
図2に関連して記載した通りでありうる。フランジ140は、ディスク138を第二のガスケット120に対して支持し、かつ位置付けるように構成されている。フランジ140は、チムニー112に(例えば、スナップ嵌めの配設を介して)接続するように構成されてもよい。別の方法として、フランジ140は、チムニー112の一体的に形成された部分であってもよい。ディスク138は、第一の方向に回転して貯蔵部110を開封するように構成されていて、また反対向きの第二の方向に回転して貯蔵部110を閉じるように構成されている。
【0069】
図6は、
図5のカートリッジセクションの開封/密封の配設の端面図である。
図6を参照すると、バイメタルアクチュエータ144はディスク138に取り付けられていて、貯蔵部110を開閉するのに必要である適切な回転を実施する。バイメタルアクチュエータ144の積層構造は、バイメタルアクチュエータ126の積層構造に関連して記載した通りであってもよい。バイメタルアクチュエータ144は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇がバイメタルアクチュエータ144の内向きの屈曲を生じさせ、また結果としてディスク138の時計回りの回転を生じさせるような向きにされる。時計回りの回転の結果として、ディスク138のオリフィス142は、開口部122と整列し(または少なくとも重なり)、貯蔵部110を開封し、プレベイパー製剤を放出する。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、バイメタルアクチュエータ144を真っすぐにし、その結果ディスク138が反時計回りに回転してその元の位置に戻る(例えば、
図6に示す通り)。反時計回りの回転の結果として、ディスク138内のオリフィス142は、もはや開口部122と整列しなくなり(または重ならなくなり)、これによって貯蔵部110を閉じる。
【0070】
一つのバイメタルアクチュエータ144のみが
図6に示されているが、当然のことながら、ディスク138の回転を容易にするための追加的な機械的力を提供するために、第二のバイメタルアクチュエータが利用されてもよい。例えば、第二のバイメタルアクチュエータは、バイメタルアクチュエータ144と平行になるように、チャネル114のもう一方の側でディスク138に取り付けられてもよい。こうした例において、第二のバイメタルアクチュエータは、温度変化に応答して同一の方向に屈曲させるように、バイメタルアクチュエータ144と同一の向きを有することになる。
【0071】
図7は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの別の開封/密封の配設の端面図である。
図7を参照すると、一対のバイメタルアクチュエータ146が、側面変位を受けるよう設計されたプレート148に固定されている。デフォルトとして、プレート148は、貯蔵部110を閉じるために開口部122を覆うように構成されている。ベイピング中に、プレート148は、プレベイパー製剤を放出するために開口部122を露出するように構成されている。プレート148は、プレート148の遠位縁と重なるガイド150と係合している。非限定的な実施形態において、(バイメタルアクチュエータ146に隣接する)プレート148の近位側面は平坦であってもよく、一方で遠位側面は湾曲していてもよい(例えば、凸状表面)。こうした例において、プレート148と接するガイド150の表面も、プレート148の遠位側面に対応するように湾曲していてもよい(例えば、凹状表面)。
【0072】
一対のバイメタルアクチュエータ146の各々の積層構造は、バイメタルアクチュエータ126の積層構造に関連して記載した通りであってもよい。一対のバイメタルアクチュエータ146は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇が、一対のバイメタルアクチュエータ146を屈曲させ、結果としてプレート148を一方の側へと(例えば、紙面の下部に向かって)移行/スライドさせるような向きにされる。結果として、プレート148内のオリフィス152は、開口部122と整列し(または少なくとも重なり)、貯蔵部110を開封し、プレベイパー製剤を放出する。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、一対のバイメタルアクチュエータ146を真っすぐにし、その結果プレート148が移行/スライドしてその元の位置に戻る(例えば、
図7に示す通り)。結果として、プレート148内のオリフィス152は、もはや開口部122と整列しなくなり(または重ならなくなり)、これによって貯蔵部110を閉じる。
【0073】
図8は、例示的な実施形態によるeベイパー装置のカートリッジセクションの別の開封/密封の配設の端面図である。
図8を参照すると、一対のバイメタルアクチュエータ154が、(チャネル114の中心に対して)半径方向変位を受けるよう設計されたプレート158に固定されている。デフォルトとして、プレート158は、貯蔵部110を閉じるために開口部122を覆うように構成されている。ベイピング中、プレート158は、プレベイパー製剤を放出するために開口部122を露出するように構成されている。プレート158は、プレート158の側縁と重なる一対のガイド156と係合している。非限定的な実施形態において、(バイメタルアクチュエータ154に隣接する)プレート158の近位側面は平坦であってもよく、一方で遠位側面はハウジング108の内壁に対応するように湾曲していてもよい(例えば、凸状表面)。
【0074】
一対のバイメタルアクチュエータ154の各々の積層構造は、一対のバイメタルアクチュエータ154の各々が、周囲温度にて湾曲した形態を有する(例えば、より高い熱膨張係数を有する材料の層を湾曲の内側に有する)ことを除き、バイメタルアクチュエータ126の積層構造に関連して記載した通りであってもよい。一対のバイメタルアクチュエータ154は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇が、一対のバイメタルアクチュエータ154を真っすぐにし、結果としてプレート158を押してハウジング108の内壁に向かって移行/スライドさせるような向きにされる。結果として、プレート158内のオリフィス160は、開口部122と整列し(または少なくとも重なり)、貯蔵部110を開封し、プレベイパー製剤を放出する。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、一対のバイメタルアクチュエータ154を屈曲させ、結果としてプレート158を引っ張って移行/スライドして、その元の位置に戻る(例えば、
図8に示す通り)。結果として、プレート158内のオリフィス160は、もはや開口部122と整列しなくなり(または重ならなくなり)、これによって貯蔵部110を閉じる。
【0075】
図9は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
図9を参照すると、一対のバイメタルアクチュエータ162は、開口部122と係脱/再係合するために軸方向の変位を受けるように設計された係合構造に接続されている。係合構造は、以前に考察した係合部分132に関連して(または類似して)記載した通りであってもよい(例えば、
図3に示す通り)。デフォルトとして、係合構造は、貯蔵部110を閉じるために開口部122と係合するように構成されている。ベイピング中に、係合構造は、プレベイパー製剤を放出するために開口部122から係脱するように構成されている。
【0076】
一対のバイメタルアクチュエータ162の各々の積層構造は、一対のバイメタルアクチュエータ162の各々が、周囲温度にて湾曲した形態を有する(例えば、より高い熱膨張係数を有する材料の層を湾曲の内側に有する)ことを除き、バイメタルアクチュエータ126の積層構造に関連して記載した通りであってもよい。一対のバイメタルアクチュエータ162は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇が、一対のバイメタルアクチュエータ162を真っすぐにし、結果として係合構造を開口部122の外に引き出し、これによって貯蔵部110を開封し、プレベイパー製剤を放出するような向きにされる。当然のことながら、係合構造は、プレベイパー製剤を放出するために開口部122から完全に離座する必要はない。例えば、係合構造の先端の一部分が依然として開口部122内にあっても、貯蔵部110は(プレベイパー製剤の表面張力に基づいて)適切に開封される場合がある。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、一対のバイメタルアクチュエータ162を屈曲させ、結果として係合構造を開口部122の中に挿入して戻し、これによって貯蔵部110を閉じる/密封する。上述の通り、密封の気密性は、プレベイパー製剤の表面張力に基づいて、外向きの流れを無くすのに適切であることのみを必要とする。
【0077】
図10は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
図10を参照すると、バイメタルアクチュエータ166は、開口部164と係合して貯蔵部110を(周囲温度にて)密封し、また開口部164から係脱してプレベイパー製剤を(高温にて)放出するように構成されている。特に、バイメタルアクチュエータ166は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇が開口部164から離れる偏向を引き起こし、これによって開口部164を密封解除して貯蔵部110を開封し、プレベイパー製剤を放出するような向きにされる。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、バイメタルアクチュエータ166を真っすぐにし、結果としてその元の位置に戻して開口部164を密封し、貯蔵部110を閉じる。
【0078】
カートリッジセクション100内の異なる位置付けのほかに、バイメタルアクチュエータ166は、バイメタルアクチュエータ126に関連して記載した通りであってもよい。加えて、バイメタルアクチュエータ166は、カートリッジセクション100内に受容されるように調整されたインサートの形態であってもよい。さらに、
図10におけるカートリッジセクション100は、第二のガスケット120の省略を除き、実質的に
図2に関連して記載した通りであってもよい。特に、
図10におけるチムニー112は、チャネル114と、ヒーター116によってベイパーが発生されるチャンバーとの両方を画定する単一の拡張構造であってもよい。
【0079】
図11は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
図11を参照すると、バイメタルアクチュエータ168は、ベイパー発生チャンバーの内表面に沿って円周方向の変位を受けるよう設計されたプレートに固定されている。デフォルトとして、プレートは、貯蔵部110を閉じるために開口部164を覆うように構成されている。ベイピング中に、プレートは、プレベイパー製剤を放出するために開口部164を露出するように構成されている。プレートは、プレートの側縁と重なる一対のガイドと係合している。ベイパー発生チャンバーの内側の円筒形の側壁に対応するような輪郭であることのほかに、
図11のプレートおよびガイドは実質的に、
図8のプレート158およびガイド156に関連して記載した通りであってもよい。
【0080】
バイメタルアクチュエータ168の積層構造は、バイメタルアクチュエータ168が、周囲温度にて湾曲した形態を有する(例えば、より高い熱膨張係数を有する材料の層を湾曲の内側上にする)ことを除き、バイメタルアクチュエータ126の積層構造に関連して記載した通りであってもよい。加えて、バイメタルアクチュエータ168は、ベイパー発生チャンバーの内側の円筒形の側壁に接触するように位置付けられてもよい。バイメタルアクチュエータ168は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇がバイメタルアクチュエータ168を真っすぐにし、結果としてプレートを押す(例えば、紙面から外向きに押す)ような向きにされる。結果として、プレート内のオリフィスは、開口部164と整列し(または少なくとも重なり)、貯蔵部110を開封し、プレベイパー製剤を放出する。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、バイメタルアクチュエータ168を屈曲させ、結果としてプレートを引っ張って移行/スライドして、その元の位置に戻る。結果として、プレート内のオリフィスは、もはや開口部164と整列しなくなり(または重ならなくなり)、これによって貯蔵部110を閉じる。
【0081】
図12は、例示的な実施形態によるeベイパー装置の別のカートリッジセクションの断面図である。
図12を参照すると、バイメタルアクチュエータ170(または一対)は、ベイパー発生チャンバーの内表面に沿って軸方向の変位を受けるよう設計されたプレートに固定されている。デフォルトとして、プレートは、貯蔵部110を閉じるために開口部164を覆うように構成されている。ベイピング中に、プレートは、プレベイパー製剤を放出するために開口部164を露出するように構成されている。プレートは、プレートの側縁と重なる一対のガイドと係合している。ベイパー発生チャンバーの内側の円筒形の側壁に対応するような輪郭であることのほかに、
図12のプレートおよびガイドは実質的に、
図8のプレート158およびガイド156に関連して記載した通りであってもよい。
【0082】
バイメタルアクチュエータ170の積層構造は、バイメタルアクチュエータ170が、周囲温度にて湾曲した形態を有する(例えば、より高い熱膨張係数を有する材料の層を湾曲の内側上にする)ことを除き、バイメタルアクチュエータ126の積層構造に関連して記載した通りであってもよい。バイメタルアクチュエータ170は、(eベイパー装置の起動からの)温度上昇がバイメタルアクチュエータ170を真っすぐにし、結果としてプレートを下向きに押すような向きにされる。結果として、開口部164は、貯蔵部110を開封するために、かつプレベイパー製剤を放出するために(少なくとも部分的に)覆われないことになる。逆に、その後の(ベイピングが終了した時の)温度低下は、バイメタルアクチュエータ170をその元の湾曲した形態に戻し、結果としてプレートを上向きに引っ張って戻して、開口部164を覆い、これによって貯蔵部110を閉じる(例えば、
図8と類似する様態で)。
【0083】
eベイパー装置内のプレベイパー製剤の流れを制御する方法は、バイメタルアクチュエータを用いて貯蔵部の出口を密封することを含んでもよく、貯蔵部はeベイパー装置内に配設されていて、かつプレベイパー製剤を保持するように構成されている。方法はまた、ベイピングが開始された時に貯蔵部の出口を密封解除するために、バイメタルアクチュエータに電流を印加することを含んでもよい。
【0084】
例示的な実施形態において、電流の印加は、バイメタルアクチュエータを出口から離れるように偏向させて貯蔵部を密封解除する。貯蔵部の出口の密封は、ベイピングが停止した時から1分未満で生じる場合がある。別の例において、貯蔵部の出口の密封は、ベイピング中に各吸煙の後に生じる場合がある。
【0085】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることが理解されるべきである。こうした変形は、本開示の趣旨および範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者に明らかであろうすべてのこうした修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。