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  • 特許-蝉捕獲具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】蝉捕獲具
(51)【国際特許分類】
   A01M 3/00 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
A01M3/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020112385
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011326
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-06-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520237720
【氏名又は名称】株式会社海空牧場
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】玉津 博克
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-177475(JP,U)
【文献】登録実用新案第3107494(JP,U)
【文献】登録実用新案第3143799(JP,U)
【文献】実開平04-129783(JP,U)
【文献】特開2007-175001(JP,A)
【文献】登録実用新案第3161919(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0128208(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第108432723(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 3/00 - 3/04
A01K 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部空間で蝉を捕獲するための捕獲部と、
棹部と、を備え、
前記捕獲部はラッパ状に形成され、その先端開口部はその基端部から外側に向かって大きく開いて設けられ、
前記捕獲部は、前記棹部の先端部に対し前記基端部で固定して連結し、
前記先端開口部は、前記捕獲部の軸心に対し傾斜して設けられて、その開口周縁部の縁が略楕円状に設けられるともに当該開口周縁部の一部において尖部が形成され、
前記棹部が把持され且つ前記先端開口部が上下方向の沿う壁面に接触した状態で、前記先端開口部の前記開口周縁部における前記尖部が前記捕獲部の軸心よりも上側に配置されるように設けられる、
蝉捕獲具。
【請求項2】
記棹部の軸心と前記捕獲部の軸心とは、前記棹部の本体部での軸心と前記捕獲部の本体部での軸心とによって挟まれる角度が鈍角になるように交差して設けられる、
請求項1に記載の蝉捕獲具。
【請求項3】
前記捕獲部は、蝉が止まる壁面に前記先端開口部で接触した際に、少なくとも前記先端開口部の周辺部が弾性変形可能に設けられる、
請求項1又は2に記載の蝉捕獲具。
【請求項4】
前記捕獲部の前記尖部と前記基端部との間には、前記捕獲部より硬い芯材がその軸心方向に沿って前記捕獲部と一体に配設される、
請求項3に記載の蝉捕獲具。
【請求項5】
前記捕獲部は、シリコン素材、紙素材、布素材又は網素材の少なくとも1つを含んで設けられる、
請求項3又は4に記載の蝉捕獲具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内部空間で蝉を捕獲するための捕獲部を備える蝉捕獲具に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木などに止まった蝉を捕獲する場合、棹部と、棹部の先端部にその基端部で連結する捕獲部と、を備える蝉捕獲具が一般的に用いられる。具体的には、一般的に知られる蝉捕獲具は、網袋部の開口部に略円環状の針金からなる網枠部が取り付けられ、かつその網枠部の一部分に棹部の先端部が連結して構成される。このような一般的な蝉捕獲具を用いる場合、例えば樹木の幹などに止まった蝉を捕らえようとすると、蝉捕獲具の網枠部と幹の表面との隙間から蝉が逃げる可能性あった。
【0003】
そこで、その隙間から蝉などの昆虫を逃がさずに確実に捕獲可能にするものとして、網袋部の網枠部を2つの横部材と2つの縦部材の先端同士が連結して矩形状に形成するものが知られる(例えば、特許文献1参照)。横部材には、弾性特性を有する軟質プラスチック素材を薄帯状かつ断面半月状に一体形成される帯状弾性材が使用される。この使用により、この捕獲具は、横部材が直線状の自立形状と網袋部の反対側に丸まった収縮形状との2形状を有する。
【0004】
また、網枠部に左右対称2か所に取付用支点が設けられ、その取付用支点に対し網取付部品から半円状に形成される外枠の先端取付部をリベッドで連結するものも知られる(例えば、特許文献2参照)。この取付用支点により、網枠部は上下自由に回動可能となり、あらゆる角度の壁面に密着して昆虫を捕獲することが可能となる。また、棹部の角度を壁面に近付けることで網袋部の開口部は自然に閉じ捕獲した昆虫が外部に逃げることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3215565号公報
【文献】特開2018-19674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、蝉捕獲具は特定の季節、蝉が発生する夏にのみに使用されるものであり季節性を有する商品である。そのため、その蝉捕獲具の多くがその季節が過ぎると使用されなくなり、管理状態によっては紛失したり劣化したりする。すなわち、捕獲性の向上とともにそのコスト削減が求められる。また、蝉捕獲具は蝉を捕獲する際、乱暴に使用される場合が多いため、耐久性も求められる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2の蝉捕獲具は、部品点数が多くコスト高になっていた。部品点数が多いので乱暴に扱われた場合、破損しやすくこの点においても改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、蝉の捕獲性を高めながら、部品点数を少なくして簡素な構造とすることができる蝉捕獲具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)
その内部空間で蝉を捕獲するための捕獲部を備え、
前記捕獲部はラッパ状に形成され、その先端開口部はその基端部から外側に向かって大きく開いて設けられ、
前記先端開口部は、前記捕獲部の軸心に対し傾斜して設けられる、
蝉捕獲具。
(2)
棹部を更に備え、
前記捕獲部は、前記棹部の先端部に前記基端部で連結し、
前記棹部の軸心と前記捕獲部の軸心とは交差して設けられ、
前記先端開口部は、前記捕獲部の軸心に対し前記棹部側に傾斜してその開口縁が略楕円状に設けられる、
(1)に記載の蝉捕獲具。
(3)
前記捕獲部は、蝉が止まる壁面に前記先端開口部で接触した際に、少なくとも前記先端開口部の周辺部が弾性変形可能に設けられる、
(1)又は(2)に記載の蝉捕獲具。
(4)
前記捕獲部の尖部と前記基端部との間には、前記捕獲部より硬い芯材がその軸心方向に沿って前記捕獲部と一体に配設される、
(3)に記載の蝉捕獲具。
(5)
前記捕獲部は、シリコン素材、紙素材、布素材又は網素材の少なくとも1つを含んで設けられる、
(3)又は(4)に記載の蝉捕獲具。
【0010】
上記(1)の構成によれば、捕獲部はラッパ状に形成され、その先端開口部はその基端部から外側に向かって大きく開いて設けられる。このため、使用者は樹木などに止まった蝉に気付かれずに捕獲部を近付けて、捕獲部で蝉をその背面から覆って容易に捕獲することができる。また、先端開口部は、捕獲部の軸心に対し傾斜して設けられる。このため、所定の角度の壁面に密着して捕獲部と壁面との間に隙間が発生しないようにして確実に蝉を捕獲することができる。また、部品点数を少なくして捕獲器本体を構成するので、簡素な構造とすることができ、製造コストを削減することができる。その結果、蝉捕獲具を使用者(需要者)に対し安価に提供することができる。
上記(2)の構成によれば、棹部の軸心と捕獲部の軸心とは交差して設けられ、先端開口部は、捕獲部の軸心に対し棹部側に傾斜してその開口縁が略楕円(だえん)状に設けられる。このため、高い場所に蝉が止まった場合でも、所定の角度の壁面により密着して捕獲部と壁面との間における隙間の発生を抑制して、捕獲時に蝉が逃げるのを防止することができる。また、先端開口部は略楕円状に形成されるので、蝉をその背面から覆う領域を増加させて捕獲性をより高めることができる。
上記(3)の構成によれば、捕獲部は、蝉が止まる壁面に先端開口部で接触した際に、少なくとも先端開口部の周辺部が弾性変形可能に設けられる。このため、樹木の表面などの壁面が例えば凹凸の多い複雑な形状である場合でも、壁面により確実に密着して捕獲部と壁面との間に隙間の発生を抑制して、捕獲時に蝉が逃げるのをより確かに防止することができる。
上記(4)の構成によれば、捕獲部の尖部と基端部との間には、捕獲部より硬い芯材がその軸心方向に沿って捕獲部と一体に配設される。このため、先端開口部の一部分が例えば紙素材、布素材又は網素材などによって弾性変形可能に設けられる場合であっても、捕獲部の形状を安定的に維持して捕獲性を損なうことはない。
上記(5)の構成によれば、捕獲部は、シリコン素材、紙素材、布素材又は網素材の少なくとも1つを含んで設けられる。このため、蝉捕獲具を安価かつ簡便に製造することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、捕獲部はラッパ状に形成され、その先端開口部はその基端部から外側に向かって大きく開いて設けられる。このため、使用者は樹木などに止まった蝉に気付かれずに捕獲部を近付けて、捕獲部で蝉をその背面から覆って容易に捕獲することができる。また、先端開口部は、捕獲部の軸心に対し傾斜して設けられる。このため、所定の角度の壁面に密着して捕獲部と壁面との間に隙間が発生しないようにして確実に蝉を捕獲することができる。また、部品点数を少なくして捕獲器本体を構成するので、簡素な構造とすることができ、製造コストを削減することができる。その結果、蝉捕獲具を使用者(需要者)に対し安価に提供することができる。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る蝉捕獲具の構成を説明する側面図である。
図2図2は、図1に示す捕獲部の構成を説明するA矢視図である。
図3図3は、図1に示す捕獲部の構成を説明するB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る蝉捕獲具10に関する実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。また、各図面は符号の向きに合わせて視るものとする。
【0015】
図1図3を参照して、本発明に係る実施形態の蝉捕獲具10の構成について説明する。図1は、実施形態に係る蝉捕獲具10の構成を説明する側面図である。図2は、図1に示す捕獲部12の構成を説明するA矢視図(捕獲部12の背面図)である。図3は、図1に示す捕獲部12の構成を説明するB矢視図(捕獲部12の正面図)である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の蝉捕獲具10は、樹木の幹の表面などの壁面Wに止める蝉Sを捕獲するために用いられる。蝉捕獲具10は、略丸棒状の棹部11と、棹部11の先端部にその基端部16で連結する捕獲部12と、を含んで構成される。捕獲部12は、その内部空間で蝉Sを捕獲する。
【0017】
棹部11は、その基端部16で使用者によってグリップ(把持)されることで、その先端部に固定される捕獲部12が使用者の所望の位置に移動操作される。棹部11は、竹部材、木部材又は樹脂材、或いはこれら複合体によって所定の弾性及び耐久性を有して設けられる。また、棹部11の先端部と捕獲部12との連結手段は、互いに合成樹脂である場合には溶着による一体成形などが例示され、そのほか、互いに異なる材質の場合には針金、糸又は結束バンドなどを用いる結束などが例示される。棹部11と捕獲部12との接続については、棹部11と捕獲部12とが強固に連結されればよく、本実施形態で開示された連結手段に限定されず、広く一般に知られたものも含め種々の連結手段が適宜採用可能である。
なお、棹部11の基端部には樹脂発泡剤などが塗布されて滑り止めが配設されてもよい。この場合、捕獲部12に対する使用者の移動操作性を向上することが可能である。
【0018】
図1図3に示すように、捕獲部12は、ラッパ状、換言すれば円錐(えんすい)状に形成されており、その先端開口部14は棹部11の先端から外側に向かって大きく開いて設けられる。先端開口部14は、捕獲部12の軸心C2に対して傾斜して設けられる。また、棹部11の軸心C1と捕獲部12の軸心C2とは交差して設けられており、具体的には、図1に示すように棹部11の軸心C1が上下方向に沿って延在する場合、捕獲部12の先端開口部14がその上下方向に対し側方を向いて配置される。その結果、捕獲部12はその全体が垂れて棹部11に固定される。
【0019】
そして、先端開口部14は、捕獲部12の軸心C2に対し棹部11側に傾斜してその開口縁が略楕円(だえん)状に設けられる。つまり、先端開口部14の周縁によって規定される仮想面Pは、捕獲部12の軸心C2に対して垂直ではなく斜めに交差する(図1参照)。
なお、本実施形態では先端開口部14の周縁は直線状に形成されるが、これに限定されない。例えば、周縁は、蝉捕獲具10の側方視で連続する三角形状又は波形状など種々の形状に形成されてもよい。
【0020】
また、捕獲部12は複数の素材(材料部材)から構成される。捕獲部12の基端部16は所定の弾性を有する合成樹脂素材から設けられる。この合成樹脂素材からなる基端部16は例えば射出成形により略円錐状に形成される。その一方、捕獲部12の先端部13はシリコン素材、紙素材、布素材又は網素材の軟素材からなり、その基端部16よりも弾性が低く設定される。この設定により、捕獲部12は、蝉Sが止まる壁面W(樹木の幹の表面など)に先端開口部14で接触した際に、少なくとも先端開口部14の周辺部が弾性変形可能に設けられる。この弾性変形により、蝉捕獲具10は、その捕獲部12の先端部13で壁面Wにより確実に密着して捕獲部12と壁面Wとの間に隙間の発生を抑制して、捕獲時に蝉Sが逃げるのを防止する。
【0021】
また、捕獲部12において、合成樹脂素材からなる基端部16と紙素材などからなる先端部13との接合は、その端縁部同士が重畳された上で、例えば溶着、接着又は縫着などにより実現される。この接合により、捕獲部12は、複数の素材から円錐状(ラッパ状)に一体に成形される。また、捕獲部12の尖部15と基端部16との間、すなわち捕獲部12の背面には、捕獲部12の本体より硬い芯材Mがその軸心方向に沿って捕獲部12と一体に配設される。また、その芯材Mはその基端部で棹部11の先端部に一体に連結する。その芯材Mにおいて捕獲部12の基端部16からその軸心C2の外側に露出する部分は、捕獲部12の紙素材などからなる先端部分に対し埋め込み、接着又は縫着などによって取り付けられる。この芯材Mの取付により、先端部分はその芯材Mによってその形状が安定して支持される。
なお、捕獲部12の先端部13がシリコン素材からなる場合、捕獲部12の基端部16と一体成形して設けられてよい。この場合、製造コストをより一層削減することが可能となる。また、芯材Mと棹部11との連結手段は、針金、糸又は結束バンドなどを用いる結束などが例示される。
【0022】
図1に示すように、このように構成される蝉捕獲具10を用いて蝉Sを捕獲する際、使用者はその棹部11をその基端部で把持する。そして、使用者は、壁面W(樹木の幹の表面など)に止まった蝉Sを発見すると、その背後に対し捕獲部12をその先端開口部14を向けた状態で移動操作して近付ける。その後、使用者は、捕獲部12を近付けても蝉Sは飛び立とうとしないことを確認した上で、捕獲部12を一気(瞬間的)に移動操作して蝉Sに捕獲部12を被せて捕獲部12の内部に閉じ込めて捕獲を完了する。
【0023】
以上説明したように本実施形態によれば、捕獲部12はラッパ状に形成され、その先端開口部14はその基端部16から外側に向かって大きく開いて設けられる。このため、使用者は樹木などに止まった蝉Sに気付かれずに捕獲部12を、棹部11を用いて近付けて、捕獲部12で蝉Sをその背面から覆って容易に捕獲することができる。また、先端開口部14は、捕獲部12の軸心C2に対し傾斜して設けられる。このため、所定の角度の壁面Wに密着して捕獲部12と壁面Wとの間に隙間が発生しないようにして確実に蝉Sを捕獲することができる。また、部品点数を少なくして捕獲器本体を構成するので、簡素な構造とすることができ、製造コストを削減することができる。その結果、蝉捕獲具10を使用者(需要者)に対し安価に提供することができる。
【0024】
また本実施形態によれば、棹部11の軸心C1と捕獲部12の軸心C2とは交差して設けられ、先端開口部14は、捕獲部12の軸心C2に対し棹部11側に傾斜してその開口縁が略楕円(だえん)状に設けられる。このため、高い場所に蝉Sが止まった場合でも、所定の角度の壁面Wにより密着して捕獲部12と壁面Wとの間における隙間の発生を抑制して、捕獲時に蝉Sが逃げるのを防止することができる。また、先端開口部14は略楕円状に形成されるので、蝉Sをその背面から覆う領域を増加させて捕獲性をより高めることができる。
【0025】
また本実施形態によれば、捕獲部12は、蝉Sが止まる壁面Wに先端開口部14で接触した際に、少なくとも先端開口部14の周辺部が弾性変形可能に設けられる。このため、樹木の表面などの壁面Wが例えば凹凸の多い複雑な形状である場合でも、壁面Wにより確実に密着して捕獲部12と壁面Wとの間に隙間の発生を抑制して、捕獲時に蝉Sが逃げるのをより確かに防止することができる。
【0026】
また本実施形態によれば、捕獲部12の尖部15と基端部16との間には、捕獲部12より硬い芯材Mがその軸心方向に沿って捕獲部12と一体に配設される。このため、先端開口部14の一部分が例えば紙素材、布素材又は網素材などによって弾性変形可能に設けられる場合であっても、捕獲部12の形状を安定的に維持して捕獲性を損なうことはない。
【0027】
また本実施形態によれば、捕獲部12は、シリコン素材、紙素材、布素材又は網素材の少なくとも1つを含んで設けられる。このため、蝉捕獲具10を安価かつ簡便に製造することができる。
【0028】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
上記実施形態では捕獲部12は複数の素材から構成されるが、これに限定されない。捕獲部12は、例えば、シリコン素材、紙素材、布素材又は網素材の何れか1つの素材から一体に構成されてもよい。
また、捕獲部12の内面は緑系に配色されてもよい。この場合、蝉Sの背後に捕獲部12をその先端開口部14を向けて移動操作して近付けたとしても、その接近を蝉Sが気付くのを遅らせることができる。
また、捕獲部12の先端開口部14の周縁部をその周方向に亘って多数の切れ込みを入れて、先端開口部14の周辺部を弾性変形可能に設けてもよい。
【符号の説明】
【0029】
10 :蝉捕獲具
11 :棹部
12 :捕獲部
13 :先端部
14 :先端開口部
15 :尖部
16 :基端部
M :芯材
C1 :軸心
C2 :軸心
P :仮想面
S :蝉
W :壁面
図1
図2
図3