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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】収容ケース及び家具
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20231019BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B65D83/08 C
A47B13/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021168532
(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公開番号】P2023037547
(43)【公開日】2023-03-15
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2021143627
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521028693
【氏名又は名称】Y’sPLACE合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 由里子
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3085781(JP,U)
【文献】登録実用新案第3217558(JP,U)
【文献】特開2009-255973(JP,A)
【文献】特開2020-183261(JP,A)
【文献】特開2000-062867(JP,A)
【文献】国際公開第2011/017496(WO,A2)
【文献】実開昭60-126371(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47B 13/00
A47K 10/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時の姿勢において、複数の収容物を上部から出し入れ可能に収容する収容ケースであって、
前記使用時の姿勢において、
上方が開口し、前記収容物を上下方向に重ねて内部空間に収容可能な有底枠形状の収容部と、
前記開口を覆うように前記収容部に固定可能な蓋部と、
昇降台及び当該昇降台を上方に移動させるように付勢する付勢部材を含み、前記収容部の内部空間に配置されて前記収容物を上方に載置可能な昇降部と、を備え、
前記昇降台は、前記収容物の上方から見た投影形状より僅かに大きな形状で水平方向に広がる載置板と、当該載置板の少なくとも一方に対向する両縁それぞれから水平方向に突出する一対の突出部分と、を有し、
前記収容部は、前記載置板の前記両縁に対応する側の内壁の上部に配置されて、上方から見て前記載置板の前記両縁と重ならず且つ前記突出部分と重なり、前記昇降台が所定量以上に上方に移動しようとした場合に下側に潜り込ませた前記突出部分の上面と干渉させて前記昇降台の上方への移動を規制する一対のストッパーと、当該ストッパーの厚みと同等の厚みで前記一対のストッパーのそれぞれから前記内壁の下部まで延び、上方から見て前記載置板の前記両縁および前記突出部分と僅かな隙間を空けて重ならず、前記昇降台が水平方向に所定量以上に振れようとした場合に前記昇降台の側面と干渉させて前記昇降台の水平方向への移動を規制する一対のガイドと、を有する、
ことを特徴とする収容ケース。
【請求項2】
前記蓋部又は前記収容部の上部には、前記収容物の一部を取り出すための取出口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収容ケース。
【請求項3】
前記蓋部がヒンジを介して前記収容部に開閉可能かつ、留め具で閉状態を維持できるよう前記収容部に取り付けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の収容ケース。
【請求項4】
前記付勢部材は前記昇降台と前記収容部の底面との間に配置された圧縮ばねである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の収容ケース。
【請求項5】
前記収容物として、ティッシュボックスを収容するよう構成されたことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の収容ケース。
【請求項6】
前記付勢部材は、前記収容物を前記収容部に収容した状態で前記蓋部を開いた際、当該収容物の少なくとも一部が当該収容部から押し出されるように前記昇降台を付勢することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の収容ケース。
【請求項7】
前記付勢部材は、前記ティッシュボックスを前記収容部に収容した状態で前記蓋部を開いた際、当該ティッシュボックスのうちの最も上方に位置するティッシュボックスの一部又は全部だけが当該収容部から押し出されるように前記昇降台を付勢することを特徴とする請求項5に記載の収容ケース。
【請求項8】
収容ケースが組み込まれた家具であって、
前記収容ケースとして、請求項1~7のいずれか一項に記載の収容ケースが組み込まれていることを特徴とする家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容ケース及び家具に関する。さらに詳しくは、本発明は、使用時の姿勢において、複数の収容物を上部から出し入れ可能に収容する収容ケース、及びそのような収容ケースが組み込まれた家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばティッシュボックスといった収容物を外からは見えないように収容する収容ケースが多数開示されている(例えば、特許文献1)。また従来、複数の収容物を収容する収容ケースが開示されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
特許文献1に開示されている収容ケース(贈答用ティッシュボックス収容箱)は、外蓋部と、中蓋部と、ティッシュボックス収容部とが一体的な形成されており、ティッシュボックス収容部の内部空間にティッシュボックスを収容することができる。
【0004】
特許文献2に開示されている収容ケース(ティッシュケース)は、下面開放の箱形状の上カバーと、上カバーの下に設けられた上面開放の箱形状の下カバーを備え、各カバーの内部空間内に複数のティッシュボックスを収容することができる。なお、特許文献2に開示されている収容ケース(ティッシュケース)は、各カバーにティッシュ取出口を有しており、各カバーに収容されたティッシュボックスからその内容物であるティッシュを取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3200630号公報
【文献】特開2018-177367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている収容ケースは、インテリア性を高めることができるが、一つの収容物しか収容できず、補充の頻度が多く大変であるという課題がある。また、この収容ケースは、使用中に補充の必要性が生じた際等、使用が必要なタイミングで補充のために別の場所まで新しい収容物を取りにいかなければならず面倒となる場面が増えてしまうという課題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示されている収納ケースは、複数の収容物を収容でき、補充の頻度を少なくすることができる。ただし、収容物を同時に使用することができるため、使用中に同時に使用しきってしまい、使用が必要なタイミングで補充のために別の場所まで新しい収容物を取りにいかなければならず面倒となる場面は想定される。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、収容物の補充の頻度を減らし、使用が必要なタイミングで補充のために別の場所まで新しい収容物を取りにいかなければならず面倒となる場面の発生リスクを減らすことが可能で収容物を補充しやすい収容ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1]上記課題を解決すべく、本発明に係る収容ケースは、使用時の姿勢において、複数の収容物を上部から出し入れ可能に収容する収容ケースであって、使用時の姿勢において、上方が開口し、収容物を上下方向に重ねて内部空間に収容可能な有底枠形状の収容部と、開口を覆うように収容部に固定可能な蓋部と、昇降台及び昇降台を上方に移動させるように付勢する付勢部材を含み、収容部の内部空間に配置されて収容物を上方に載置可能な昇降部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る収容ケースは、上方が開口し、収容物を上下方向に重ねて内部空間に収容可能な有底枠形状の収容部と、昇降台及び昇降台を上方に移動させるように付勢する付勢部材を含み、収容部の内部空間に配置されて収容物を上方に載置可能な昇降部とを備えている。すなわち、本発明に係る収容ケースでは、収容物が収容部内部に配置された昇降部において付勢部材により自然に上方に昇ってくるとともに、上方から下方に押し下げることが可能な昇降台上に収容されることになる。また、本発明に係る収容ケースでは、収容部の上方の開口から収容物を補充することになる。よって、本発明に係る収容ケースによれば、複数の収容物を収容可能であるため、収容物の補充の頻度を減らすことができる。また、本発明に係る収容ケースによれば、収容部の上方から収容物を押し込むように重ねて補充するため、容易に収容物を補充できる。
【0011】
なお、本発明に係る収容ケースでは、収容部の開口を覆い収容部に固定可能な蓋部を備えているため、蓋部を収容部に固定することにより、収容物が収容部から飛び出さずに収容される。よって、本発明に係る収容ケースによれば、外から見えないように収容物を収容可能であるため、インテリア性を高めることができる。
【0012】
その結果、本発明に係る収容ケースは、収容物の補充の頻度を減らし、使用が必要なタイミングで補充のために別の場所まで新しい収容物を取りにいかなければならず面倒となる場面の発生リスクを減らすことが可能で収容物を補充しやすい収容ケースとなる。
【0013】
[2]本発明に係る収容ケースにおいては、蓋部又は収容部の上部には、収容物の一部を取り出すための取出口が形成されていることが好ましい。
【0014】
このようにすることで、例えばティッシュペーパーのような内容物を収容しているティッシュボックスといった収容物を収容する場合、収容物の内容物を利用可能な収容ケースを構成できる。
【0015】
[3]本発明に係る収容ケースにおいては、蓋部がヒンジを介して収容部に開閉可能かつ、留め具で閉状態を維持できるよう収容部に取り付けられていることが好ましい。
【0016】
このようすることで、蓋部の開閉が容易になり、より収容物を補充しやすい収容ケースを構成できる。
【0017】
[4]本発明に係る収容ケースにおいては、付勢部材は昇降台と収容部の底面との間に配置された圧縮ばねであってもよい。
【0018】
圧縮ばねを用いることで、昇降台上方に移動させることが可能な昇降部を比較的平面サイズを小さくして構成できる。
【0019】
[5]本発明に係る収容ケースにおいては、収容物として、ティッシュボックスを収容するよう構成されていてもよい。
【0020】
ティッシュボックスは、内容物のティッシュペーパーが使用途中に切れてしまう場面が多く想定されるものであり本発明に係る収容ケースの対象収容物として適している。
【0021】
[6]本発明に係る収容ケースにおいては、付勢部材は、収容物を収容部に収容した状態で蓋部を開いた際、収容物の少なくとも一部が収容部から押し出されるように昇降台を付勢することが好ましい。
【0022】
このようにすることで、補充の際に空箱になった収容物や入れ替えしたい収容物等を回収しやすい収容ケースを構成できる。
【0023】
[7]本発明に係る収容ケースにおいては、収容部は、上部に昇降台の上方への移動を規制するストッパーが形成されていることが好ましい。
【0024】
このようにすることで、補充の際に昇降台が収容部から飛び出さなく安定するため、収容物を補充しやすい収容ケースを構成できる。
【0025】
[8]本発明に係る収容ケースにおいては、ティッシュボックスを収容するよう構成されている場合には、付勢部材は、ティッシュボックスを収容部に収容した状態で蓋部を開いた際、ティッシュボックスのうちの最も上方に位置するティッシュボックスの一部又は全部だけが収容部から押し出されるように昇降台を付勢することが好ましい。
【0026】
このようにすることで、補充の際に空箱になったティッシュボックスや入れ替えしたいティッシュボックスを回収しやすい収納ケースを構成できる。
【0027】
[9]本発明に係る家具は、収容ケースが組み込まれた家具であって、当該収容ケースとして、上述の収容ケースが組み込まれていることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る家具によれば、上述の収容ケースが組み込まれていることで、上述の収容ケースと同様の効果を有するため、上述の収容ケースの特色を活かしたこれまでにない新たな付加価値を提供できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、収容物の補充の頻度を減らし、使用が必要なタイミングで補充のために別の場所まで新しい収容物を取りにいかなければならず面倒となる場面の発生リスクを減らすことが可能な収容ケース又は家具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態1に係る収容ケースの外観斜視図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3】実施形態1の収容ケースにおける蓋部の平面図である。
図4】実施形態1に係る収容ケースの使用方法を説明する模式図である。
図5】実施形態2に係る収容ケースの外観斜視図である。
図6図5のB-B断面図である。
図7図5のC-C断面図である。
図8】実施形態3に係る家具の正面図である。
図9】昇降部の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、図面を参照して本発明の一実施形態である収容ケース及び家具を説明する。なお、各図面は必ずしも実際の寸法を厳密に反映したものではない。また、本明細書では、一般的な使用状態である水平面に設置した姿勢の場合として「上方/下方」の方向性を用いて説明しているが、重力方向に対する厳密な上下方向を意味しているものではない。本発明における上方/下方の概念は、一般的な使用時の姿勢をとった場合に、相対的に上側の方/下側の方と区別されるものも含む。
【0032】
[実施形態1]
(1-1.実施形態1に係る収容ケース1の構成)
図1は、実施形態1に係る収容ケース1の外観斜視図である。図2は、図1のA-A断面図である。図3は、実施形態1の収容ケース1における蓋部20の平面図である。
【0033】
収容ケース1は、使用時の姿勢において、複数の収容物50を上方から出し入れ可能に収容する収容ケースである。具体的には収容ケース1は、収容物50としてのティッシュボックス50を上下方向に複数重ねて収容可能なケースである。収容ケース1は、図1に示すように、収容したティッシュボックス50の内の最も上方に収容されたティッシュボックス50内のティッシュペーパー50Pを、ティッシュボックス50を収容した状態で取り出すことが可能に構成されている。
【0034】
収容ケース1は、全体的には略直方体形状を有しており、図2に示すように、収容部10と、収容部10の上方に配置された蓋部20と、収容部10の内部空間に配置された昇降部30とを備えている。また、収容ケース1は、その他要素として、ヒンジ41と、留め具42と、キャスター部材43とを備えている。
【0035】
収容部10は、外観が略直方体形状で、使用時の姿勢において、上方が開口する有底枠形状を有する。収容部としては、金属製、プラスチック製、木製等、有底枠形状を形成できる材質を採用できるが、実施形態の収容部10は、板状の木材が貼り合わされて有底枠形状に形成されている。収容部10は、その枠形状内側の内部空間が収容最大個数のティッシュボックス50(本実施形態においては5箱のティッシュボックス50a~50e)と後述する昇降部30(昇降台32が押し込まれた形態)とが上下方向に重ねて収容可能なサイズとなるよう、枠のサイズが設定されている。また、収容部10は、その内部空間において収容物50がスムーズに上下方向に移動できるよう、枠のサイズが設定されている。より具体的には、収容部10は、内枠開口寸法がティッシュボックス50の取出口がある面の平面寸法よりある程度大きくなるよう設定されている。また、収容部10は、内枠の深さ寸法がティッシュボックス50を収容最大個数分重ね合わせた高さ寸法に昇降部30(昇降台32が押し込まれた形態)の高さ寸法を加えたトータル寸法よりある程度大きくなるよう設定されている。
【0036】
蓋部20は、収容部10の上方から見た平面サイズと同等の平面サイズの板である。蓋部は、金属製、プラスチック製、木製等、板形状を形成できる材質を採用できるが、実施形態の蓋部20は、板状の木材で形成されている。蓋部20は、収容部10の上方開口を覆い収容部10に固定可能に構成されている。蓋部20は、収容部10及び蓋部20を跨いで取り付けられた後述のヒンジ41を介し、収容部10に開閉自在に取り付けられている。また、蓋部20は、ヒンジ41と対向する側において、収容部10及び蓋部20を跨いで取り付けられた後述の留め具42によって閉状態を維持できるよう収容部10に固定可能に取り付けられている。蓋部20には、図3に示すように、中央部にティッシュボックス50の内容物であるティッシュペーパー50P(収容物50の一部)を取り出すための取出口21として取出穴21が形成されている。
【0037】
昇降部30は、収容部10の内部空間の底側に配置されて、ティッシュボックス50を上方に載置可能に構成されている。昇降部30は、収容部10の底面に接地する昇降ベース31と、昇降ベース31の上方で昇降ベース31と間隔を隔てて配置された昇降台32と、昇降ベース31と昇降台32との間に配置されて昇降台32を上方に移動させるように付勢する付勢部材33とを含み構成されている。
【0038】
昇降ベース31は、収容部10の底面に安定して配置される形状を有している。具体的には、昇降ベース31は、収容部10の底面サイズと同様の平面サイズを有する板部材として形成されている。昇降ベースは、金属製、プラスチック製、木製等、の材質を採用できるが、実施形態の昇降ベース31は、プラスチック製で形成されている。なお、昇降ベース31は、昇降部30における後述の昇降台32が収容部10の内部空間で安定するなら、特に板状でなくてもよく、又は無くてもよい。また、昇降ベース31は、収容部10の底面に載置されて重力で安定させるだけの構成であってもよく、ネジ等でしっかり収容部10の底面に固定される構成であってもよい。
【0039】
昇降台32は、収容部10の内部空間で上下方向に移動可能な台であり、直接的又は間接的にティッシュボックス50を下方から支持している。昇降台は、金属製、プラスチック製、木製等、の材質を採用できるが、実施形態の昇降台32は、プラスチック製で形成されている。また、昇降台は直接的又は間接的に収容物50を支持できれば任意の形状でよいが、実施形態の昇降台32は、載置板32aと載置板32aの縁から下方に延びる側板32bとを有している。載置板32aは、収容部10の開口寸法より一回り小さい平面寸法で形成されている。載置板32aは、昇降部30の最上面を構成しており、ティッシュボックス50を載置することができる。側板32bは、載置板32aの過大な傾きを防止できるよう、昇降台32が傾きすぎると収容部10の内面に当たる程度の長さ寸法で下方に延びていることが好ましい。また、側板32bは、後述の付勢部材33のへたり防止ができるよう、昇降ベース31と載置板32aとの間の最小隙間寸法に対応する長さ寸法で下方に延びていることが好ましい。
【0040】
付勢部材33は、圧縮ばね(コイルばね)であり、昇降台32と収容部10の底面との間に配置されている。付勢部材33は、下端が昇降ベース31に支持され、上端が昇降台32の載置板32aの下面を支持している。すなわち、圧縮された付勢部材33は、収容部10の底面に対し、昇降台32を押し上げようとする力を常に加え続けている。付勢部材33は、昇降台32の重量と昇降台32に載置されたティッシュボックス50の重量との和の大きさに対応して、撓み長さが変わる。すなわち、収容されるティッシュボックス50の個数が多くなればなるほど昇降台32が下降し、収容されるティッシュボックス50の個数が少なくなればなるほど昇降台32が上昇する。
【0041】
ここで、付勢部材33においては、収容物50を収容部10の上端より上方に持ち上げられればよいが、収容部10の内寸高さをH1、ティッシュボックス50の高さをH2、昇降部30の高さをH3、収容されたティッシュボックス50の個数をnとしたときに、蓋部20を開いた場合において、次の関係式が成り立つように仕様設定されることが特に好ましい。

(関係式)H1<H2×n+H3<H1+H2

すなわち、付勢部材33は、収容物50を収容部10に収容した状態で蓋部20を開いた際、収容物50の少なくとも一部が収容部10から押し出されるように昇降台32を付勢することが好ましい。特に収容物50がティッシュボックス50である場合には、付勢部材33は、ティッシュボックス50を収容部10に収容した状態で蓋部20を開いた際、ティッシュボックス50のうちの最も上方に位置するティッシュボックス50の一部又は全部だけが収容部10から押し出されるように昇降台32を付勢することが好ましい。
【0042】
ヒンジ41は、例えば平丁番であり、第1部材41a、第2部材41b、及び第1部材41aと第2部材41bとの回転軸41cを有し、第1部材41aと第2部材41bとが互いに回転自在な要素部品である。ヒンジ41は、第1部材41aが蓋部20に固定されており、第2部材41bが収容部10に固定されていることで、蓋部20を収容部10に対して回転自在に接続している。
【0043】
留め具42は、係合部材42aと係合相手部材42bとからなり、係合部材42aが変形することで係合部材42aと係合相手部材42bとの関係性を係合状態又は非係合状態に切り替え可能な要素部材である。留め具42は、収容部10に対し蓋部20が閉じた際に、係合部材42aが係合相手部材42bに引掛かるように、係合部材42aが蓋部20に、係合相手部材42bが収容部10に固定されている。
【0044】
キャスター部材43は、一般的なキャスター要素部品であり、収容部10の下方に固定されており、収容ケース1を側方へ移動させやすくしている。
【0045】
(1-2. 実施形態1に係る収容ケース1の使用方法)
図4は、実施形態1に係る収容ケース1の使用方法を説明する模式図である。図4(a)は、蓋部20が開かれた状態で、1箱のティッシュボックス50が昇降台32に載置された状態を示す。図4(b)は、蓋部20が開かれた状態で、最大収容数のティッシュボックス50が昇降台32に載置された状態を示す。図4(c)は、最大収容数のティッシュボックス50が昇降台32に載置されて蓋部が閉じられた状態を示す。図4(d)は、1箱のティッシュボックス50が昇降台32に載置されて蓋部が閉じられた状態を示す。以下に、図4を用いて収容ケース1の使用方法を説明する。
【0046】
まずは、収容ケース1へのティッシュボックス50の収容方法を説明する。使用者は、図4(a)に示すように、収容ケース1を、留め具42を非係合状態にして蓋部20を開いた状態にする。そうすると、収容部10の開口付近に付勢部材33で押し上げられた昇降台32の上面が露出している状態となり、使用者は、昇降台32上にティッシュボックス50aを載置する。使用者は、収容ケース1に2箱目のティッシュボックス50bを収容したい場合には、ティッシュボックス50bをティッシュボックス50aの上面に載置する。そうすると、収容ケース1においては、昇降台32上のティッシュボックスの重量が増え、付勢部材33が撓み昇降台32が下がった状態になる。さらに使用者は、ティッシュボックス50を収容した場合には、同様にして、最大収容数までの範囲で、さらにティッシュボックス(50c~50e)を重ねて載置する。そうすると、収容ケース1においては、昇降台32上のティッシュボックスの重量に応じて、付勢部材33が撓み昇降台32が段々下がっていき、例えば、図4(b)に示すように、最上段のティッシュボックス50e以外のティッシュボックス50a~50dが収容部10の内部に収容された状態になる。さらに使用者は、図4(c)に示すように、蓋部20を閉じ、留め具42を係合状態にする。そうすると、収容ケース1においては、蓋部20で最上段のティッシュボックス50eが下方に押し込まれ、収容しようとするティッシュボックス50a~50e全てが、収容部10の内部に収容された状態になる。本実施形態の収容ケース1では、蓋部20に取出口21が形成されているため、使用者は、ティッシュボックス50を収容後、最上段のティッシュボックス50の内容物であるティッシュペーパー50P(収容物50の一部)を上方から取り出し使用できる。
【0047】
次に、収容されたティッシュボックス50の取り出し方法を説明する。使用者は、最上段のティッシュボックス50eが空になった場合等、ティッシュボックス50eを取り出したい場合、図4(b)に示すように、収容ケース1を、留め具42を非係合状態にして蓋部20を開いた状態にする。そうすると、収容ケース1においては、付勢部材33で押し上げられて昇降台32が上昇し、最上段のティッシュボックス50eが収容部10内から飛び出すため、使用者は飛び出したティッシュボックス50eを容易に取り出すことができる。使用者は、取り出し後補充しても良いし、収容されているティッシュボックスがまだ残っていれば、そのまま蓋部20を閉じて留め具42を係合状態にしてもよい。なお、実施形態の収容ケース1は、図4(d)に示すように、収容されているティッシュボックス50が最下段のティッシュボックス50aだけになっても、昇降台32の上昇によってティッシュボックス50aが蓋部20に押し付けられ、内容物であるティッシュペーパー50Pを上方から取り出し使用できる。また、実施形態の収容ケース1は、図4(a)に示すように、収容されているティッシュボックス50が最下段のティッシュボックス50aだけになっても、蓋部20を開けば最後のティッシュボックス50aまで収容部10内から飛び出すため、収容されているティッシュボックス50全てを容易に取り出すことができる。
【0048】
(1-3.実施形態に係る効果)
収容ケース1は、上方が開口し、収容物50を上下方向に重ねて内部空間に収容可能な有底枠形状の収容部10と、昇降台32及び昇降台32を上方に移動させるように付勢する付勢部材33を含み、収容部10の内部空間に配置されて収容物50を上方に載置可能な昇降部30とを備えている。すなわち、収容ケース1では、収容物50が収容部10内部に配置された昇降部30において付勢部材33により自然に上方に昇ってくるとともに、上方から下方に押し下げることが可能な昇降台32上に収容されることになる。また、収容ケース1では、収容部10の上方の開口から収容物50を補充することになる。よって、収容ケース1によれば、複数の収容物50を収容可能であるため、収容物50の補充の頻度を減らすことができる。また、収容ケース1によれば、収容部10の上方から収容物50を押し込むように重ねて補充するため、容易に収容物50を補充できる。
【0049】
なお、収容ケース1では、収容部10の開口を覆い収容部10に固定可能な蓋部20を備えているため、蓋部20を収容部10に固定することにより、収容物50が収容部10から飛び出さずに収容される。よって、収容ケース1によれば、外から見えないように収容物50を収容可能であるため、インテリア性を高めることができる。
【0050】
その結果、収容ケース1は、収容物50の補充の頻度を減らし、使用が必要なタイミングで補充のために別の場所まで新しい収容物50を取りにいかなければならず面倒となる場面の発生リスクを減らすことが可能で収容物50を補充しやすい収容ケースとなる。
【0051】
収容ケース1においては、蓋部20には、収容物50の一部を取り出すための取出口21が形成されている。これにより、収容物50(ティッシュボックス50)の内容物(ティッシュペーパー50P)を利用できる。
【0052】
収容ケース1においては、蓋部20がヒンジ41を介して収容部10に開閉可能かつ、留め具42で閉状態を維持できるよう収容部10に取り付けられている。これにより、蓋部20の開閉が容易になり、より容易に収容物50を補充できる。
【0053】
収容ケース1においては、付勢部材33は昇降台32と収容部10の底面との間に配置された圧縮ばね33を用いて構成されている。圧縮ばね33を用いることで、昇降台32上方に移動させることが可能な昇降部の平面サイズを小さくできる。
【0054】
収容ケース1においては、付勢部材33は、収容物50を収容部10に収容した状態で蓋部20を開いた際、収容物50の少なくとも一部が収容部10から押し出されるように昇降台32を付勢している。これにより、補充の際に空箱になった収容物50や入れ替えしたい収容物50等を回収しやすくできる。具体的には、付勢部材33は、ティッシュボックス50を収容部10に収容した状態で蓋部20を開いた際、ティッシュボックス50のうちの最も上方に位置するティッシュボックスの一部又は全部だけが収容部10から押し出されるように昇降台32を付勢している。これにより、補充の際に空箱になったティッシュボックス50や入れ替えしたいティッシュボックス50を回収しやすくできる。
【0055】
収容ケース1においては、収容部10は、下方に固定されたキャスター部材43を有していている。これにより、より移動させやすくできる。
【0056】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る収容ケース101の外観斜視図である。図6は、図5のB-B断面図である。図7図5のC-C断面図である。
【0057】
収容ケース101は、使用時の姿勢において、複数の収容物150の一部を上部から出し入れ可能に収容する収容ケースである。具体的には収容ケース101は、収容物150としてのキッチンペーパー150を上下方向に複数重ねて収容可能なケースである。収容ケース101は、図5に示すように、収容したキッチンペーパー150の内の最も上方に収容されたキッチンペーパー150の一部を取り出すことが可能に構成されている。
【0058】
収容ケース101は、基本的には実施形態1の収容ケース1と同様の構成を有するが、収容部及び蓋部の形態、並びに脚の形態が実施形態1の収容ケース1の場合と異なる。すなわち、図6及び図7に示すように、実施形態1の収容ケース1においては収容物の取出口が蓋部20に形成された取出穴21であるのに対し、収容ケース101ではそうではない点、実施形態1の収容ケース1においては収容部10及び昇降台32に収容部10から昇降台32が飛び出すことを防止する機構が形成されていなかったのに対し収容ケース101ではそうではない点、及び、実施形態1の収容ケース1においては脚の形態がキャスター部材43であったのに対し収容ケース101ではそうではない点が異なる。以下では、実施形態1と同様の構成については図面上に実施形態1と同じ符号付して説明を省略する。
【0059】
収容ケース101は、図5に示すように、収容部110と、収容部110の上方に配置された蓋部120と、収容部110の内部空間に配置された昇降部130とを備えている。また、収容ケース1は、その他要素として、ヒンジ(不図示)と、留め具(不図示)と、脚143とを備えている。
【0060】
収容部110は、基本的には実施形態1の収容部10と同様、上方が開口する有底枠形状を有し、その枠形状内側の内部空間が収容最大個数の収容物150(複数のキッチンペーパー150)と後述する昇降部130(昇降台132が押し込まれた形態)とが上下方向に重ねて収容可能なサイズとなるよう、枠のサイズが設定されている。また、収容部110は、その内部空間において収容物150がスムーズに上下方向に移動できるよう、枠のサイズが設定されている。さらに、収容部110は、外枠を構成する板材の開口側の端面において、一部凹んだ取出溝111が形成されている。これにより、収容ケース101においては、後述の蓋部120が閉じた場合であっても側面の上部に収容物150の一部を取り出すことが可能な取出溝111と蓋部120とによる取出口を有している。また、収容部110は、図6及び図7に示すように、外枠を構成する板材の一方に対向する内壁面に、ストッパー112とガイド113とが固定されている。ストッパー112は、内壁面上部に固定された水平方向に細長く延びる板材である。ガイド113は、内壁面中央部に固定されたストッパー112から下向きに延びる板材である。これにより、収容部110の内壁面には、ストッパー112とガイド113とによってT字状の凸平面が形成されている。
【0061】
蓋部120は、基本的には実施形態1の蓋部20と同様、収容部110の上方から見た平面サイズと同等の平面サイズの板である。蓋部120は、収容部110及び蓋部120の長手縁部に取り付けられたヒンジ(不図示)を介し、収容部110に開閉自在に取り付けられている。また、蓋部120は、ヒンジと対向する側において、収容部110及び蓋部120を跨いで取り付けられた留め具(不図示)によって閉状態を維持できるよう取り付けられている。
【0062】
昇降部130は、基本的には実施形態1の昇降部30と同様、収容部110の内部空間の底側に配置されて、キッチンペーパー150を上方に載置可能に構成されている。昇降部130は、収容部10の底面に接地する昇降ベース31と、昇降ベース31の上方で昇降ベース31と間隔を隔てて配置された昇降台132と、昇降ベース31と昇降台132との間に配置されて昇降台32を上方に移動させるように付勢する付勢部材33とを含み構成されている。
【0063】
昇降台132は、基本的には実施形態1の昇降台32と同様、収容部110の内部空間で上下方向に移動可能な台であり、直接的又は間接的にキッチンペーパー150を下方から支持している。昇降台132は、水平方向に広がる載置板132aと載置板132aの収容部110のストッパー112と対応する側の縁から水平方向に突出する複数の突出部分132bとを有している。載置板132aは、収容部110の開口寸法より一回り小さい平面寸法で形成されている。載置板132aは、昇降部130の最上面を構成しており、キッチンペーパー150を載置することができる。突出部分132bは、組み込まれた際、収容部110のストッパー112と平面視において重なり、ストッパー112の下方に潜り込んでいる。これにより、昇降台132は、所定の高さまで上昇すると突出部分132bとストッパー112とが干渉し、それ以上上昇移動できず、収容部110から飛び出さないように構成されている。なお、内容物150であるキッチンペーパー150は、ガイド113に沿って上昇し、ストッパー112とは干渉しないため、収容部110の開口から飛び出すことが可能である。
【0064】
脚143は、収容部110の下面に固定され、収容部110を接地面から浮かして支持している。脚部143は、収容部110の四つ角付近に4本配置されている。脚部は、特に伸縮可能でなくてもよいが、実施形態の脚部143は、上下方向に伸縮自在であり、蓋部120の上面高さを変更することができる。
【0065】
このように構成された収容ケース101の使用方法は、基本的に実施形態1の収容ケース1と同様である。また、このように構成された収容ケース101によれば、基本的には実施形態1の収容ケース1と同様の構成を有しているため、実施形態1の収容ケース1と同様の効果を奏する。さらに、収容ケース101によれば、収容部110は、上部に昇降台132の上方への移動を規制するストッパー112が形成されており、補充の際に昇降台132が収容部110から飛び出さなく安定するため、収容物150を補充しやすい。また、収容ケース101によれば、脚143が上下方向に伸縮自在であるため、収容物150の取出口111を使用者のより好みに応じた高さに調整できる。
【0066】
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係る家具3の正面図である。
【0067】
家具3は、テーブルであり、水平方向に広がる天板3と、天板3から天板3を所定の高さに支持するために下方に延びる複数の家具脚4とを備えている。また、家具3は、収容ケース201を備えている。天板3には、以下に説明する収容ケース201の収容部210の口元開口より一回り大きい開口穴が形成されている。
【0068】
収容ケース201は、ティッシュボックスを多数(例えば5箱)収容可能なものであり、基本的には実施形態1の収容ケース1と同様の構成を有し、収容部210及び蓋部220を備えるが、蓋部の取り付け、及び脚の形態が実施形態1の収容ケース1の場合と異なる。すなわち、実施形態1の収容ケース1においては脚としてキャスター部材43を備えており、収容部10がキャスター部材43を介し接地面に設置されているのに対し、収容ケース201では脚を備えておらず収容部210が天板3に固定されていることで天板3と家具脚4を介し接地面に設置されている点、及び、実施形態1の収容ケース1においては蓋部20が収容部10に開閉自在に固定されていたのに対し、収容ケース201では蓋部220が天板3に回転自在に固定されている点が異なる。収容ケース201の基本構成は実施形態1の収容ケース1と同様であるため、以下では、収容ケース201における収容部210及び蓋部220の固定構造についてのみ説明し、その他の説明を省略する。
【0069】
収容部210は、有底枠形状の形態の開口が天板3の開口穴の内側に位置するよう、天板3の下面に固定されている。
【0070】
蓋部220は、ヒンジを介して天板3に対し開閉自在に固定されている。蓋部220は、閉じた際に天板3の開口穴に嵌まり込み、天板3の表面と同一平面を形成している。すなわち、蓋部220は、閉じた際に収容部210の開口を覆うことができる。蓋部220は、例えばマグネットを介し、閉じた状態である程度の力で天板3に密着可能に構成されている。
【0071】
このように構成された家具2における収容ケース201の使用方法は、基本的に実施形態1の収容ケース1と同様である。また、このように構成された家具2によれば、基本的には実施形態1の収容ケース1と同様の構成の収容ケース201を有しているため、実施形態1の収容ケース1と同様の効果を奏する。家具2によれば、収容ケース201を備えているため、収容ケース201の特色を活かした新たな付加価値を提供できる。
【0072】
[その他の形態]
以上、本発明を上記の実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0073】
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数、形状、位置、大きさ、材質等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0074】
(2)上記した実施形態1においては、収容物50がティッシュボックスであり、実施形態2においては収容物150がキッチンペーパーであるものと説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、箱に入っていないティッシュペーパー、包装用ラップフィルム、ウェットティッシュ、マスクボックス、衛生用タオル、おむつ、菓子箱等であってもよい。特に上部に取出口が形成されている小箱が適している。
【0075】
(3)上記した実施形態1においては、蓋部20が収容部10に対してヒンジ41を介して固定されているものとして説明したが、本発明は、蓋部が収容部の開口を覆って固定できればよく、これに限定されるものではない。例えば、蓋部が複数の留め具で収容部に固定されるものであってもよい。また、例えば、収容部に水平溝が形成され、蓋部がその水平溝に嵌りながらスライド可能に構成されていることで収容部の開口を覆って固定されるものであってもよい。また、例えば、蓋部が所定の高さ(一例として収容物1つ分の高さ)だけ、収容部に対し持ち上げること可能であり、持ち上げた際に上がってきた収容物を水平方向にスライドさせて排出でき、そのまま蓋部を下げて固定できるよう構成されたものであってもよい。
【0076】
(4)上記した実施形態1においては、ティッシュボックスを収容する収容ケース1の収容部10には実施形態2のキッチンペーパーを収容する収容ケース101におけるストッパー112やガイド113に相当するものが形成されていないものと説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ティッシュボックスを収容する収容ケースの収容部にストッパーやガイドが形成されていてもよい。なお、ストッパーやガイドについては、昇降台が収容部から飛び出さなければよく、実施形態2のような板により構成されていなくてもよい。例えば、ストッパーやガイドが、ロック爪機構、ボールプランジャー、マグネット等を用い、収容部の上部において昇降台の上昇を停止可能に形成されたものであってもよい。
【0077】
(5)上記した実施形態1においては、収容部10が一体化した有底枠形状のものであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、底板が分離可能な構成であってもよい。
【0078】
(6)上記した実施形態1においては、昇降部30が上下方向にストロークの長い付勢部材33と一の昇降ベース31と一の昇降台32と、すなわち一段の昇降ユニットで形成されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、昇降部は、上下方向にストロークの短い付勢部材と一の昇降ベースと一の昇降台とを昇降ユニットとして、これを多段に重ねて構成されたものであってもよい。
【0079】
(7)上記した実施形態においては、収容ケースには、特に取手が構成されていなかったが、持ち運びや引き寄せに便利なように、収容部の側面に取手の穴を形成してもよいし、収容部の側面に取手部材を取り付けてもよい。また、蓋部の上面に取手部材を取り付けても良い。
【0080】
(8)上記した実施形態においては、特に収容物の収容状況を確認できるようにすることについて説明をしていないが、例えば、収容部の側面にのぞき窓を形成し、収容状況を確認できるようにしてもよい。
【0081】
(9)上記した実施形態1においては、昇降部30は、付勢部材33として圧縮ばねを採用した構成であるものとして説明したが、昇降部は昇降台を有し昇降台が常に上方に移動させるよう付勢されれば本発明はこれに限定されるものではない。例えば、次のような変形も可能である。
【0082】
図9は、昇降部の変形例を示す模式図である。図9(a)には、第1の変形例である吊り下げタイプの昇降部330の模式図を示す。図9(b)には、第2の変形例であるクロスジャッキタイプの昇降部430の模式図を示す。図9の(c)は、第3の変形例であるラックギヤタイプの昇降部530の模式図を示す。
【0083】
第1の変形例である昇降部330は、図9(a)に示すように、昇降台332と付勢部材333としての引っ張りばね333とで構成されたいわゆる吊り下げタイプの昇降部である。昇降台332は、一端が収容部10の上端部と接続する引っ張りばね333の他端に支持されている。これにより、昇降台332は、上面に収容物50が載置されると、引っ張りばね333が伸びて下降する。その際、昇降台332には、引っ張りばね333が縮もうとする力によって、常に上方へ移動させようとする力が加わっている。
【0084】
第2の変形例である昇降部430は、図9(b)に示すように、昇降ベース431、昇降台432、一対の細長部材がクロス状に互いに中心を支点として回転可能に接続された形態で、各細長部材の端部それぞれが昇降ベース431と昇降台432とに連結されたクロス部材434、クロス部材434の細長部材間を橋渡しするように接続された付勢部材433としての引っ張りばね433で構成されたいわゆるクロスジャッキタイプの昇降部である。昇降台432は、上面に収容物50が載置されると、引っ張りばね433が伸びるとともに、クロス部材434の高さ寸法が小さくなるよう細長部材が互いに回転することで下降する。その際、昇降台432には、クロス部材434を介した引っ張りばね433が縮もうとする力によって、常にクロス部材434を介して上方へ移動させようとする力が加わっている。
【0085】
第3の変形例である収容部510は、図9(c)に示すように、壁部材511の内壁にラックギヤ512が形成されている。また、第3の変形例である昇降部530は、昇降台532と収容部510のラックギヤ512と噛み合うギヤ列534と、一端が昇降台532に引っ掛けられ他端がギヤ列534内のギヤにひっかけられたゼンマイばね533とを有している。これにより、昇降台532は、上面に収容物50が載置されると、ゼンマイばね533が巻かれるようにギヤ列534の各ギヤが回転し、下降する。その際、昇降台532には、ゼンマイばね533が開こうとする力によって、常に上方へ移動させようとする力が加わっている。
【0086】
(10)上記した実施形態3の家具2においては、蓋部220を開くことにより収容部210の開口を露出するよう構成されているが、本発明の家具は、収容ケースにおける収容部の開口を覆ったり露出させたりすることが可能であれば、これに限定されるものではない。例えば、天板と蓋部とを一体化させ、天板に対しヒンジを介して収容部を固定し、天板に対して収容部を上部一辺に沿った軸で回転可能にすることで、収容部の開口を覆ったり露出させたりできるよう構成されたものであってもよい。また、例えば、天板と蓋部とを一体化させ、天板に対し収容部をスライド引出可能にすることで、収容部の開口を覆ったり露出させたりできるよう構成されたものであってもよい。
【0087】
(11)上記した実施形態3においては、家具2はテーブルであるものとして説明したが、上述の収容ケースが組み込まれることで新たな付加価値をもった家具を構成できれば、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ベッドに上述の収容ケースが組み込まれた家具であってもよい。また、例えば、鏡台に上述の収容ケースが組み込まれた家具であってもよい。また、例えば、棚に上述の収容ケースが組み込まれた家具であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1,101,201…収容ケース、2…家具(テーブル)、10,110,210,510…収容部、20,120,220…蓋部、21…取出口(取出穴)、30,130,330,430,530…昇降部、31,431…昇降ベース、32,132,332,432,532…昇降台、33…付勢部材(圧縮ばね)、41…ヒンジ、42…留め具、43…キャスター部材、50…収容物(ティッシュボックス)、111…取出口(取出溝)、112…ストッパー、143…脚部材、150…収容物(キッチンペーパー)、333,433…付勢部材(引っ張りばね)、533…付勢部材(ゼンマイばね)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9