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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】磁気発生治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 2/02 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A61N2/02 M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021562174
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 KR2021012666
(87)【国際公開番号】W WO2022065800
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0123932
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521457273
【氏名又は名称】株式会社リーメド
【氏名又は名称原語表記】REMED CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】301-303ho, 187, Techno 2-ro, Yuseong-Gu, Daejeon 34025, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン セジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ギヨン
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-162204(JP,A)
【文献】特開2001-161830(JP,A)
【文献】特開平10-234870(JP,A)
【文献】特開平11-333003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の身体に印加される磁場を発生させる磁気発生コイルと、
前記磁気発生コイルを冷却させる流体を供給する送風装置と、
前記送風装置と前記磁気発生コイルとの間で前記流体をガイドするダクトと、
前記磁気発生コイルにより磁場が発生される領域上に結合可能に配置され、利用者の臀部が配置される形状を有する多機能クッションと、
を含み、
前記ダクトの流入側に設けられた送風装置は、前記ダクトの開放された端部に配置されて前記ダクトの内部に流体を供給し、
前記ダクトは、前記磁気発生コイルが配置される載置面を含み、
前記磁気発生コイルは、身体の一部が密着する密着面の下側に配置され、
前記載置面は、前記密着面と対向する前記ダクトの一部領域であって、前記ダクトに沿って供給された流体の移動経路内に前記磁気発生コイルが配置されるように前記磁気発生コイルを支持し、
前記多機能クッションは、利用者の会陰部に対応される領域に開口部を有する磁気発生治療装置。
【請求項2】
前記多機能クッションは、
利用者の左側の骨盤と右側の骨盤を支持する左側の骨盤支持部及び右側の骨盤支持部と、利用者の左大腿と右大腿を支持する左大腿支持部及び右大腿支持部を含む請求項1に記載の磁気発生治療装置。
【請求項3】
前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部は互いに連結され、
前記左大腿支持部は前記左側の骨盤支持部から、前記右大腿支持部は前記右側の骨盤支持部からそれぞれ延び、
前記開口部は、前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部間に形成される請求項2に記載の磁気発生治療装置。
【請求項4】
前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部は、前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部が延びる方向に前記開口部が開放されるように互いに離隔される請求項3に記載の磁気発生治療装置。
【請求項5】
前記開口部は、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部側に延び、
前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部は、前記開口部が形成された領域で少なくとも一部が互いに離隔される請求項4に記載の磁気発生治療装置。
【請求項6】
前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部は、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部側に対向する端部が互いに連結される請求項3に記載の磁気発生治療装置。
【請求項7】
前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部は互いに離隔され、
前記左大腿支持部は前記左側の骨盤支持部から、前記右大腿支持部は前記右側の骨盤支持部からそれぞれ延び、
前記開口部は、前記左側の骨盤支持部と前記右側の骨盤支持部と間及び前記左大腿支持部と前記右大腿支持部と間にそれぞれ形成され、
前記それぞれの開口部間で前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部を連結する連結部を含む請求項2に記載の磁気発生治療装置。
【請求項8】
前記多機能クッションは、
前記磁気発生治療装置のフレーム上にクランプ結合又はベルクロ(登録商標)で結合される請求項1に記載の磁気発生治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気発生治療装置に関し、より詳細には、パルス磁場を発生させる座式の治療装置に結合可能に構成されたモジュール型の多機能クッションを含む磁気発生治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
尿失禁は、更年期女性のホルモンの変化による筋肉の弱化、妊娠や出産又は手術による神経の損傷などに伴われる骨盤底筋を支配する筋肉が固定されず、下方へ垂れる原因に起因する。また、前立腺肥大は、泌尿器に属する前立腺が次第に肥大化される症状であり、前立腺肥大症が激しくなれば、前立腺が尿道を圧迫し、膀胱と腎臓が損傷して、尿毒症のような致命的な合併症が発生し得る疾患である。
【0003】
このような尿失禁と前立腺肥大の物理的な治療方法には、骨盤運動、電磁気刺激のような非手術的治療と手術治療とに分けられる。通常、非手術的治療方法は、尿失禁治療期の形態に応じて挿入式と着座式に分けられる。
【0004】
一般に、着座式の治療装置は、コイルにパルス型の電流を印加して磁場を誘導し、発生された磁場による電流が人体組職内に誘導され、患部を刺激する方式で作動する。このような磁場治療装置は、本体から印加される電流により磁場を発生させるコイルを備え、コイルに数千A程度の電流を短い時間(50~300μs)に印加して、コイル周辺に所望の強度の磁場を発生させる。
【0005】
しかし、従来技術の着座式の装置の場合、利用者の臀部の広い領域に磁場を印加する形態で作動するので、臀部全般に対する刺激を行う場合が多く、会陰部側に磁極の強度が弱く、その効果が小さいという短所があった。
【0006】
非手術的尿失禁治療装置には、このような従来技術の問題点は今なお存在しており、これらに対する対策が求められる実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の磁気発生治療装置は発生された磁場が利用者の会陰部側に正確に印加されるように構成され、治療効果を高めることができる磁気発生治療装置を提示することにその目的がある。
【0008】
また、本発明の磁気発生治療装置は、利用者の身体条件に応じて個々人に適した多機能クッションを選択することができるように、多機能クッションをモジュール化した治療装置を提示することにその目的がある。
【0009】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションを脱着可能に構成して、使用の便宜性を高めた治療装置を提示することにその目的がある。
【0010】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、着座式の使用方式から脱し、身体の多様な部位に磁場を印加することができるようにすることによって、より拡張性のある磁気発生治療装置を提示することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した課題を解決するための本発明の一実施例による磁気発生治療装置は、利用者の身体に印加される磁場を発生させる磁気発生コイルと、前記磁気発生コイルを冷却させる流体を供給する送風装置と、前記送風装置と前記磁気発生コイルと間で前記流体をガイドするダクトと、前記磁気発生コイルにより磁場が発生される領域上に結合可能に配置され、利用者の臀部が配置される形状を有する多機能クッションと、を含む。
【0012】
また、本発明の磁気発生治療装置は、前記多機能クッションは、前記磁気発生コイルから発生された磁場が、前記利用者の身体に直接的に印加されるようにする開口部を含む。
【0013】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、前記多機能クッションは、利用者の左側の骨盤と右側の骨盤を支持する左側の骨盤支持部及び右側の骨盤支持部、利用者の左大腿と右大腿を支持する左大腿支持部及び右大腿支持部を含む。
【0014】
また、本発明の磁気発生治療装置は、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部は互いに連結され、前記左大腿支持部は前記左側の骨盤支持部から、前記右大腿支持部は前記右側の骨盤支持部からそれぞれ延び、前記開口部は、前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部間に形成される。
【0015】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部は、前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部が延びる方向に前記開口部が開放されるように互いに離隔される。
【0016】
また、本発明の磁気発生治療装置は、前記開口部は、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部側に延び、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部は、前記開口部が形成された領域で少なくとも一部が互いに離隔される。
【0017】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部は、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部側に対向する端部が互いに連結される。
【0018】
また、本発明の磁気発生治療装置は、前記左側の骨盤支持部及び前記右側の骨盤支持部は互いに離隔され、前記左大腿支持部は前記左側の骨盤支持部から、前記右大腿支持部は前記右側の骨盤支持部からそれぞれ延び、前記開口部は、前記左側の骨盤支持部と前記右側の骨盤支持部と間及び前記左大腿支持部と前記右大腿支持部と間にそれぞれ形成され、前記それぞれの開口部間で前記左大腿支持部及び前記右大腿支持部を連結する連結部を含む。
【0019】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、前記開口部は、利用者の会陰部に対応される領域に形成される。
【0020】
また、本発明の磁気発生治療装置は、前記多機能クッションは、前記磁気発生治療装置のフレーム上にクランプ結合又はベルクロ(登録商標)で結合される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションを介して利用者が正確な位置に座るように誘導して、コイルより発生された磁場が利用者の会陰部側に正確に印加されるようにした。
【0022】
また、本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションをモジュール型で構成することで、様々な利用者の多様な身体条件に応じて個々人に適した多機能クッションを選択することができるようにした。
【0023】
さらに、本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションを脱着可能に構成して、利用者の便宜に応じて多機能クッションを結合又は除去して使用することができる利点がある。
【0024】
また、本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションを利用者の腕、脚など臀部以外の身体部位に合うように形成して、着座式の使用方式から脱し、より拡張性のある治療装置として活用できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の磁気発生治療装置を示した断面図である。
図2】本発明による流入側の送風装置が配置される位置を概略的に示した概念図である。
図3】本発明による流出側の送風装置が配置される位置を概略的に示した概念図である。
図4】本発明の冷却構造を比較して説明するために示した断面図である。
図5図1のA領域を拡大して示した断面図である。
図6】本発明の磁気発生治療装置に多機能クッションが結合された状態を示した断面図である。
図7】本発明の磁気発生治療装置に結合可能なCタイプの多機能クッションを示した斜視図である。
図8】別の実施例による多機能クッションであり、Oタイプの多機能クッションを示した斜視図である。
図9】さらに別の実施例による多機能クッションであり、Hタイプの多機能クッションを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の利点、特徴及びそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後記されている実施例を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、それと異なる様々な形態で具現することができ、単に本実施例は、本発明の開示が完全なものなるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0027】
例えば、第1、第2等が多様な構成要素を説明するために使用されるが、これら構成要素は、これら用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用される。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよいことはもちろんである。
【0028】
以下の実施例で、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、又は構成要素が存在することを意味し、一つ以上の他の特徴又は構成要素が付加される可能性を事前に排除するものではない。
【0029】
図面では、説明の便宜のために構成要素がその大きさが誇張又は縮小される。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び形態は、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ず示されたものに限定されるものではない。
【0030】
明細書の全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を意味する。
【0031】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在することがあると理解しなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」又は「直接接続」されていると言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないと理解しなければならない。
【0032】
構成要素(elements)又は層の異なる構成要素又は層の「上(on)」と称されるものは、他の構成要素又は層の真上だけでなく、中間に他の層又は他の構成要素を介在した場合を全て含む。反面、構成要素が「直接上(directly on)」又は「真上」と称されるものは中間に他の構成要素又は層を介在しないことを意味する。
【0033】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「真下(beneath)」、「下部(lower)」「上(above)」、「上部(upper)」などは、示されるように、一つの構成要素又は他の構成要素との相関関係を容易に記述するために使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて使用時又は動作時素子の異なる他の方向を含む用語と理解すべきである。
【0034】
本発明の様残な実施例のそれぞれ特徴が部分的に又は全体的に互いに結合又は組み合わせ可能であり、当業者が十分に理解できるように技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施例が相互に対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で遺書に実施可能であってもよい。
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明の磁気発生治療装置について詳しく説明する。
図1は、本発明の磁気発生治療装置を示した断面図、図2は、本発明による流入側の送風装置が配置される位置を概略的に示した概念図、図3は、本発明による流出側の送風装置が配置される位置を概略的に示した概念図、図4は、本発明の冷却構造を比較して説明するために示した断面図、図5は、図1のA領域を拡大して示した断面図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の磁気発生治療装置100は、磁気発生コイル110、送風装置120、流体をガイドするダクト130、ハウジング140及び内部電子装置150を含む。ただ、前述した構成要素は、磁気発生治療装置100を実現するにおいて必須の要素ではなく、磁気発生治療装置100は、前記列挙した構成要素よりも多いか、又は少ない構成要素を有していてもよい。ここで、それぞれの構成要素は、別個のチップやモジュールや装置で構成されてもよく、一つの装置内に含まれていてもよい。
【0037】
磁気発生コイル110は、印加される電流を通してパルス磁場を生成する。磁気発生コイル110は、身体の一部が密着する密着面141の下側に配置される。
【0038】
送風装置120は、磁気発生コイル110を冷却させる流体を供給する。
【0039】
図1を参照すると、送風装置120は、磁気発生コイル110側に流体を供給する流入側の送風装置120a及び前記磁気発生コイル110を通過した流体を外部に排気する流出側の送風装置120bを含む。
【0040】
流入側の送風装置120aと流出側の送風装置120bは、磁気発生コイル110を基準に互いに対称する位置に配置されてもよい。
【0041】
流入側の送風装置120aは、外部から本発明の磁気発生治療装置100の内部に流体を供給する。このとき、流入側の送風装置120aは、ファン、ブロワー、コンプレッサー及びポンプの中から選ばれたものであってもよい。図2を参照すると、流入側の送風装置120aは、磁気発生コイル110の下側に配置される。流入側の送風装置120aは、流入側の送風装置120aからの流体の供給方向121と磁気発生コイル110の中心軸111とがなす角度θが垂直角度以下になるように配置される。
【0042】
流出側の送風装置120bは、磁気発生治療装置100の内部に流動する流体を外部に排気する。このとき、流入側の送風装置120aは、ファン、ブロワー、コンプレッサー及びポンプの中から選ばれたものであってもよい。図3を参照すると、流出側の送風装置120bは、磁気発生コイル110の下側に配置される。流出側の送風装置120bは、流出側の送風装置120bからの流体の供給方向121と磁気発生コイル110の中心軸111とがなす角度θが垂直角度以下になるように配置される。
【0043】
ここで、流体の供給方向121と磁気発生コイル110の中心軸111が成し遂げる角度θは0度超過90度未満の角度であることもあって、好ましくは10度以上60度以下の角度であってもよい。
【0044】
図4(a)及び(b)を参照して、流入側の送風装置120aからの流体の供給方向121が磁気発生コイル110の中心軸111と所定の角度をなす場合の利点を説明する。
【0045】
本発明の磁気発生治療装置100は、流入側の送風装置120a及び流出側の送風装置120bからの流体の供給方向121と磁気発生コイル110の中心軸111とがなす角度θを既設定された角度に設定することによって、送風装置120を磁気発生コイル110と同一平面状に配置しなくても、磁気発生コイル110の冷却効率を向上させることができる。
【0046】
図4(a)は、流入側の送風装置120aからの流体の供給方向121が磁気発生コイル110の中心軸111と90度の角度に配置された場合である。この場合、流入側の送風装置120aから供給された流体が、磁気発生コイル110側へ向かうことができずに、ダクト130の内周面により流入側の送風装置120aに戻ってくる場合が発生することがある。このような配置は、流入側の送風装置120aから供給された流体が磁気発生コイル110側に効果的に移動できなくなり、本発明の磁気発生治療装置100の冷却効率が低下される。反面、図4(b)は、流入側の送風装置120aからの流体の供給方向121が磁気発生コイル110の中心軸111と所定の角度をなすように配置された場合である。この場合、流入側の送風装置120aから供給された流体が磁気発生コイル110側に向かうことになるので、流入側の送風装置120aから供給された流体が磁気発生コイル110側に効果的に移動することができる利点がある。
【0047】
さらに、流入側の送風装置120a及び流出側の送風装置120bからの流体の供給方向121と磁気発生コイル110の中心軸111とがなす角度θを既設定された角度に設定することによって、本発明の磁気発生治療装置100の全体的な体積を減らすことができる。図1に示されたように、送風装置120と磁気発生コイル110と間の領域のハウジング140に溝部を備え、利用者がグリップとして使用できるようにして使用の便宜性を向上させることもできる。また、流入側の送風装置120a及び流出側の送風装置120bからの流体の供給方向121と磁気発生コイル110の中心軸111とがなす角度θを既設定された角度に設定することによって、流入側の送風装置120aをファン、ブロワー、コンプレッサー及びポンプのいずれか一つを採用しても、底部にある埃などが流入される問題を予防することができる。
【0048】
図1を参照すると、ダクト130は、送風装置120と磁気発生コイル110と間で流体をガイドする。
【0049】
具体的に、ダクト130は、一端131aが流入側の送風装置120aに開放され、他端131bが流出側の送風装置120bに開放されるように形成される。ダクト130は、流入側の送風装置120aから流入された流体が磁気発生コイル110を介して流出側の送風装置120bから排気されるように流体をガイドする。
【0050】
ダクト130は、磁気発生コイル110が配置される領域の内部断面積が一端131a及び他端131bの断面積よりも小さく形成される。換言すれば、ダクト130は、載置面132が形成された領域における断面積が、一端131a及び他端131bの断面積よりも小さく形成される。内部断面積が小さくなった領域で流体の流速が速くなるので、ダクト130は、磁気発生コイル110が配置される領域で流体の流速が速くなる構造で形成される。
【0051】
ダクト130は、密着面141と対応される位置に磁気発生コイル110が配置される載置面132を備える。
【0052】
磁気発生コイル110載置面132上に配置され、ダクト130は、この位置に対応して磁気発生コイル110を支持する支持部133を含む。支持部133は、磁気発生コイル110がダクト130の内周面から一定間隔離隔されて位置するようにする。支持部133により離隔された空間を介して流入側の送風装置120aから供給された流体が流動する。
【0053】
支持部133はラバー(rubber)であってもよい。支持部133は、磁気発生コイル110が作動する過程で発生される振動を吸収する役割を果たす。
【0054】
図1及び図5を参照すると、ダクト130は、載置面132で磁気発生コイル110側に突出された突出部134を含む。突出部134は、流入側の送風装置120aと磁気発生コイル110と間に形成された載置面132の少なくとも一部領域に形成される。
【0055】
突出部134は、図5に図示されるように、流入側の送風装置120aから流入された流体が磁気発生コイル110の上部へ向かうようにガイドする。換言すれば、突出部134は、流入側の送風装置120aから流入された流体が磁気発生コイル110と密着面141と間に形成された領域へ向かうように流体をガイドする。突出部134は、磁気発生コイル110と密着面141と間の領域に供給される流量と流速を向上させることによって、利用者の身体部位が密着する部分の冷却効率を向上させることができる。
【0056】
本発明において、突出部134は、ダクト130の内周面の一部が曲げられたものを例示しているが、これに限定されなく、別途の部材がダクト130の内周面の一部に付着されるなどの様々な方式で形成されてもよい。
【0057】
図1を参照すると、ダクト130は、流入側の送風装置120aと磁気発生コイル110と間の少なくとも一部領域にホール135を含む。
【0058】
ホール135は、ダクト130に流入された流体の一部を貫通させる。ホール135を介して貫通した流体は、内部電子装置150を冷却することができる。ダクト130がホール135の構成を含むことによって、流入側の送風装置120aから流入された流体の一部は、磁気発生コイル110より発生された熱を冷却し、残りの一部は、内部電子装置150で発生された熱を冷却するのに使用することができる。このとき、ホール135はm供給された流体が磁気発生コイル110側で70%、内部電子装置150側で30%程度の割合で流動することができるように、ホールの直径と個数が決定される。
【0059】
ダクト130は、ホール135を含んで磁気発生コイル110と内部電子装置150とを同時に冷却することができ、これにより、本発明の磁気発生治療装置100は、内部電子装置150のための別途の冷却手段を備えず、コンパクトな構造で冷却効率を高めることができる。
【0060】
図1を参照すると、ダクト130は、流入側の送風装置120aと磁気発生コイル110と間の少なくとも一部の内周面が曲げられた屈曲部136を含む。
【0061】
本発明において、屈曲部136は、ダクト130の内周面の一部が曲げられたものとして例示しているが、これに限定されなく、エンボス形状で形成されてもよく、別途の部材がダクト130の内周面の一部に付着されるなどの様々な方式で形成されていてもよい。
【0062】
ダクト130が屈曲部136の構成を含むことによって、ファンやブロワーを使用するとき、発生する騒音を低減することができる。流入側の送風装置120aから流入された流体が、ダクト130が屈曲部136に当接する場合、そうではない領域に当接するより騒音が低減され得る。
【0063】
一方、図1を参照すると、密着面141は、下面に磁気発生コイル110側に突出された支持部142を含む。ここで、密着面141は、ハウジング140の一部であってもよく、ダクト130の一部として形成されてもよい。
【0064】
支持部142は、磁気発生コイル110が密着面141から一定間隔離隔されて位置するようにする。支持部142により離隔された空間を介して流入側の送風装置120aから供給された流体が流動する。支持部142は、載置面132に形成された支持部133のようにラバーであってもよい。支持部142は、磁気発生コイル110が作動する過程で発生される振動を吸収する役割を果たす。
【0065】
一方、本発明の磁気発生治療装置100は、図7図9に示された多機能クッション160、170、180を含む。
【0066】
図6は、本発明の磁気発生治療装置に多機能クッションが結合された状態を示した断面図、図7は、本発明の磁気発生治療装置に結合可能なCタイプの多機能クッションを示した斜視図、図8は、別の実施例による多機能クッションであり、Oタイプの多機能クッションを図示した斜視図、図9は、さらに別の実施例による多機能クッションであり、Hタイプの多機能クッションを示した斜視図である。
【0067】
図6を参照すると、多機能クッション160は、利用者が本発明の磁気発生治療装置100の正確な位置に座るように誘導して、磁気発生コイル110より発生された磁場が利用者の会陰部側に正確に印加できるようにする。
【0068】
多機能クッション160は、磁気発生コイル110により磁場が発生される領域、例えば、密着面141上に結合可能に配置され得る。ここで、多機能クッション160は、磁気発生治療装置100のフレーム上にクランプ結合又はベルクロ(登録商標)で結合することができる。
【0069】
多機能クッション160は、利用者の臀部が配置される形状を有する。利用者の臀部が配置される形状は、様々な実施例で構成され得る。
【0070】
まず、Cタイプの多機能クッションである図7(a)~(c)を参照すると、多機能クッション160は、開口部161を含む。開口部161は、利用者の会陰部に対応される領域に形成される。開口部161は、磁気発生コイル110から発生された磁場が利用者の身体に直接的に印加されるように、密着面141と利用者の会陰部側に開放される。
【0071】
多機能クッション160は、利用者の左側の骨盤と右側の骨盤を支持する左側の骨盤支持部162L及び右側の骨盤支持部162Rを含む。また、多機能クッション160は、利用者の左大腿と右大腿を支持する左大腿支持部163L及び右大腿支持部163Rを含む。
【0072】
Cタイプの多機能クッション160の左側の骨盤支持部162L及び右側の骨盤支持部162Rは、互いに連結される。また、左大腿支持部163Lは、左側の骨盤支持部162Lから、右大腿支持部163Rは右側の骨盤支持部162Rからそれぞれ延びる。
【0073】
一方、利用者の骨盤を支持する左側の骨盤支持部162L、右側の骨盤支持部162Rと利用者の大腿部を支持する左大腿支持部163L、右大腿支持部163Rは、図7に示された点線‘D’によりにより概念的に、その領域が区分され得るが、物理的に区分された領域を意味するものではない。
【0074】
図7(a)に示された多機能クッション160は、開口部161が左大腿支持部163L及び右大腿支持部163Rの間に形成される。このとき、左大腿支持部163L及び右大腿支持部163Rは、左大腿支持部163L及び右大腿支持部163Rが延びる方向に開口部161が開放されるように互いに離隔される。
【0075】
図7(a)に示された多機能クッション160は、開口部161が左大腿支持部163L及び右大腿支持部163Rの端部から点線Dで定義された領域まで形成される。
【0076】
また、図7(b)又は(c)に示された多機能クッション160は、開口部161が図7(a)に示された多機能クッション160に比べて、左側の骨盤支持部162L及び右側の骨盤支持部162R側にさらに延びて形成され、左側の骨盤支持部162L及び右側の骨盤支持部162Rは、開口部161が形成された領域で少なくとも一部が互いに離隔され形成される。
【0077】
図7(b)又は(c)に示された多機能クッション160は、開口部161が左大腿支持部163L及び右大腿支持部163Rの端部から点線Dで定義された領域を超えて、左側の骨盤支持部162L及び右側の骨盤支持部162Rの領域中の一部まで延び形成され得る。
【0078】
図7(a)~(c)に示された多機能クッション160は、すべてCタイプのクッションで、全体的な形態は類似するか、開口部161が形成された深さにおいて差がある。開口部161が形成された形態に応じて、利用者が多機能クッション160上に座る位置や姿勢が変わる。したがって、利用者の身体条件に応じて又は利用者が磁場を印加しようとする位置に応じて、図7(a)~(c)に示された多機能クッション160のいずれか一つを選択して使用することができる。
【0079】
例えば、前立腺の位置に治療効果を得ようとする利用者は、図7(c)に示された多機能クッション160を選択することができる。図7(c)に示された多機能クッション160は、相対的に開口部161が後方に偏って形成されたものであるので、利用者は、図7(c)のような多機能クッション160に座る場合、本発明の磁気発生治療装置100の中心から後に下がって座る姿勢をとることができる。この場合、会陰部の前方に位置した前立腺が磁気発生コイル110の中心付近に近づくことができ、これにより、利用者は、治療の効果を得ようとする前立腺に磁場がより集中的に印加されるように、本発明の磁気発生治療装置100を使用することができる。
【0080】
しかし、前述形態は例示であるので、必ずしもこれに限定されなく、利用者の臀部の形状、座る姿勢のような身体条件に応じて、個々人に適した多機能クッションを選択できることはもちろんである。
【0081】
Oタイプの多機能クッションである図8を参照すると、多機能クッション170は、開口部171を含む。開口部171は、利用者の会陰部に対応される領域に形成される。開口部171は、磁気発生コイル110から発生された磁場が利用者の身体に直接的に印加されるように、密着面141と利用者の会陰部側に開放される。
【0082】
多機能クッション170は、利用者の左側の骨盤と右側の骨盤を支持する左側の骨盤支持部172L及び右側の骨盤支持部172Rを含む。また、多機能クッション170は、利用者の左大腿と右大腿を支持する左大腿支持部173L及び右大腿支持部173Rを含む。
【0083】
Oタイプの多機能クッション170の左側の骨盤支持部172L及び右側の骨盤支持部172Rは、互いに連結される。また、左大腿支持部173Lは、左側の骨盤支持部172Lから、右大腿支持部173Rは、右側の骨盤支持部172Rからそれぞれ延びる。
【0084】
開口部171は、左大腿支持部173L及び右大腿支持部173Rの間に形成される。このとき、左大腿支持部173L及び右大腿支持部173Rは図7に示されたCタイプの多機能クッション160とは違って、左側の骨盤支持部172L及び右側の骨盤支持部172R側に対向する端部が互いに連結されてO形状で形成される。
【0085】
Oタイプの多機能クッション170は、Cタイプの多機能クッション160の変形例である。したがって、図面に示されていないが、Cタイプの多機能クッション160の開口部161の形態が、図7(a)~(c)のように変形されるように、Oタイプの多機能クッション170の開口部171の形態が変わる。利用者は、身体条件に応じて又は磁場を印加しようとする位置に応じて様々な形状の開口部171を有する多機能クッション170のいずれか一つを選択するできることはもちろんである。
【0086】
Hタイプの多機能クッションである図9を参照すると、多機能クッション180は、開口部181a、181bを含む。開口部181a、181bは、利用者の会陰部に対応される領域に形成される。開口部181a、181bは、磁気発生コイル110から発生された磁場が利用者の身体に直接的に印加されるように、密着面141と利用者の会陰部側に開放される。
【0087】
多機能クッション180は、利用者の左側の骨盤と右側の骨盤を支持する左側の骨盤支持部182L及び右側の骨盤支持部182Rを含む。また、多機能クッション180は、利用者の左大腿と右大腿を支持する左大腿支持部183L及び右大腿支持部183Rを含む。
【0088】
Hタイプの多機能クッション180の左側の骨盤支持部182L及び右側の骨盤支持部182Rは、前述したCタイプの多機能クッション160及びOタイプの多機能クッション170とは違って、互いに離隔される。左大腿支持部183Lは、左側の骨盤支持部182Lから、右大腿支持部183Rは、右側の骨盤支持部182Rからそれぞれ延びる。
【0089】
開口部181a、181bは、左側の骨盤支持部182Lと右側の骨盤支持部182Rと間、左大腿支持部183Lと右大腿支持部183Rと間にそれぞれ形成される。このとき、多機能クッション180は、それぞれの開口部181a、181bの間で左大腿支持部183L及び右大腿支持部183Rを連結する連結部184を含む、H形状で形成される。
【0090】
一方、本発明の磁気発生治療装置100は図7図9に示された形態とは違って、多機能クッションを利用者の腕、脚など臀部以外の身体部位に合うように構成することができる。この場合、本発明の磁気発生治療装置100は、着座式の使用方式から脱し、より拡張性のある治療装置として活用することができる。
【0091】
本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションを通じて利用者が正確な位置に座るように誘導して、コイルより発生された磁場が利用者の会陰部側に正確に印加されるようにする。また、本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションをモジュール型で構成することによって、様々な利用者の多様な身体条件に応じて個々人に適した多機能クッションを選択することができるようにする。また、本発明の磁気発生治療装置は、多機能クッションを脱着可能に構成して、利用者の便宜に応じて多機能クッションを結合するか、又は除去して使用できる利点がある。
【0092】
以上、添付図面を参照して、本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者は、本発明のその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、別の具体的な形態で実施され得ることを理解できる。したがって、前述した実施例は、すべての面で例示的であり、限定的ではないことを理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9