(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 43/30 20200101AFI20231026BHJP
B62J 15/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B62J43/30
B62J15/00 C
(21)【出願番号】P 2021169136
(22)【出願日】2021-10-14
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三根 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】大庭 佑介
(72)【発明者】
【氏名】福井 敬翔
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-124971(JP,A)
【文献】特開2017-114343(JP,A)
【文献】特開平08-058656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状が異なる複数種類のバッテリー(100、120)を搭載可能な鞍乗り型車両において、
複数種類の前記バッテリー(100、120)のいずれか一つを取り付け可能な車両部品と、
前記バッテリー(100、120)の形状に応じて、いずれか一つが各前記バッテリー(100、120)を前記車両部品に固定する複数種類のバッテリー固定具(50、52)とを備え、
前記バッテリー固定具(50、52)は、ゴム性の材料からなる第1固定具(50)と、
ゴム性の材料とは異なる材料からなる第2固定具(52)とを有する
ことを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記バッテリー(100、120)は、第1バッテリー(100)と、第2バッテリー(120)とを有し、
前記第1固定具(50)は、前記第1バッテリー(100)を固定し、
前記第2固定具(52)は、前記第1固定具(50)よりも剛性が高く、前記第1固定具(50)が固定可能な前記第1バッテリー(100)よりも長手方向の長さ寸法が長い前記第2バッテリー(120)を固定する
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記車両部品には、前記第1固定具(50)が係合可能な係合部(66)が設けられ、
前記係合部(66)が設けられる箇所には、前記車両部品を貫通する穴が設けられない
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記車両部品には、前記第2固定具(52)が固定される固定部(68)が設けられ、
前記第2固定具(52)と前記固定部(68)とは、前記第1固定具(50)が係合可能な前記係合部(66)との係合方法とは異なる方法で互いに固定される
ことを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記車両部品は、リアフェンダー(27)であり、
前記バッテリー(100、120)は、前記リアフェンダー(27)の上面(78)に置かれており、
前記係合部(66)は、前記リアフェンダー(27)の上面に、前記リアフェンダー(27)と一体に形成される
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記リアフェンダー(27)の上に置かれた前記バッテリー(100、120)の側方には、リアフレーム(20)が設けられ、
前記バッテリーのプラス端子(102、122)と前記リアフレーム(20)との間には、プラス端子(102、122)と前記リアフレーム(20)とを隔てる絶縁部(89)が設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記車両部品には、前記バッテリー(100、120)が載置される一対の載置部(40、41)が車幅方向に沿って並べて設けられ、
一方の前記載置部(40)は、車幅方向から視て、前記係合部(66)に重なる位置に設けられ、
他方の前記載置部(41)は、車幅方向から視て、前記係合部(66)に重ならないように設けられる
ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッテリー収納部を備え、当該バッテリー収納部の底には、バッテリーを固定する高さの異なる複数種類の固定部材が選択的に取り付けられる鞍乗り型車両が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、形状が異なる複数の固定部材を作成する必要があり、当該固定部材を作成するために高いコストをかける必要があった。
本発明は、より低いコストでバッテリーを固定できる鞍乗り型車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
形状が異なる複数種類のバッテリーを搭載可能な鞍乗り型車両において、複数種類の前記バッテリーのいずれか一つを取り付け可能な車両部品と、前記バッテリーの形状に応じて、いずれか一つが各前記バッテリーを前記車両部品に固定する複数種類のバッテリー固定具とを備え、前記バッテリー固定具は、ゴム性の材料からなる第1固定具と、ゴム製の材料とは異なる材料からなる第2固定具とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ゴム性の材料からなる第1固定具を用いることができるため、低いコストでバッテリーを固定できる。さらに、他方のバッテリー固定具をゴム性材料と異なる材料からなる第2固定具とすることで、誤組の可能性を下げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】バッテリー収納部付近のリアフェンダーを車両の前後方向に平行且つ車幅方向の略中央を通る平面で切断した縦断面図。
【
図3】バッテリー収納部付近のリアフェンダーを車両の前後方向に平行且つ車幅方向の略中央を通る平面で切断した縦断面図。
【
図4】バッテリー収納部付近のリアフェンダーを
図1のIII-III線で切断した縦断面図。
【
図5】バッテリー収納部を車両上方から見た平面図。
【
図6】バッテリー収納部を車両上方から見た斜視図。
【
図7】バッテリー収納部を車両上方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
【0010】
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
【0011】
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
【0013】
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
【0014】
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
【0015】
リアフェンダー27は、側面視では、リアフレーム20に沿って後上がりに傾斜して配置され、リアフレーム20の前端部から後端部まで延びる車両部品である。このリアフェンダー27は、リアフレーム20を車幅方向に跨ぐように設けられ、左右のリアフレーム20の間を塞ぐ。リアフェンダー27は、リアフレーム20に取り付けられる。
リアフェンダー27は、例えば樹脂成型によって一体に形成される。
【0016】
図2、及び
図3は、バッテリー収納部76付近のリアフェンダー27を鞍乗り型車両10の前後方向に平行且つ車幅方向の略中央を通る平面で切断した縦断面図である。
図4は、バッテリー収納部76付近のリアフェンダー27を
図1のIII-III線で切断した縦断面図である。
図2では、第1固定具50によって第1バッテリー100が固定されたバッテリー収納部76を示す。
図3では、第2固定具52によって第2バッテリー120が固定されたバッテリー収納部76を示す。なお、説明の便宜上、
図2では、第1バッテリー100を二点鎖線で示し、
図3では、第2バッテリー120を一点鎖線で示す。
図2から
図4に示すように、リアフェンダー27は、後輪15を上方から覆うフェンダー本体部75と、バッテリー収納部76とを一体に備える。
フェンダー本体部75は、後輪15に対向する底壁部61と、当該底壁部61の車幅方向における両端から上方に向かってそれぞれが起立する左側壁部63と、右側壁部65とを備え、全体として車幅方向に沿った断面視でU字状に形成される。
左側壁部63と右側壁部65とは、いずれもリアフレーム20の下方に設けられ、これらの左側壁部63と右側壁部65との上端は、いずれもリアフレーム20に接近する位置まで延びる。
【0017】
バッテリー収納部76は、形状が異なる複数種類のバッテリーを択一的に収納する収納部として機能する。このバッテリー収納部76は、リアフェンダー27の前端部の上面に設けられ、フェンダー本体部75の前方に位置する。バッテリー収納部76は、フェンダー本体部75の上面78において、フェンダー本体部75の前端77側に接近した位置に一体に設けられる。
【0018】
バッテリー収納部76は、上方に開放する箱状部79を、フェンダー本体部75の前端77側に位置する上面78に連続して備える。
箱状部79は、フェンダー本体部75の前端77よりも下方に位置する底壁部82と、底壁部82の前縁から上方に延びてフェンダー本体部75の前端77に接続される前壁部84と、底壁部82の左右の側縁からそれぞれ上方に立ち上がる左側壁86と、右側壁88と、を備える。
底壁部82は、底壁部61において、車幅方向から視て、平面が山型に屈曲されるように形成される。
図2、
図3に示すように、この底壁部82は、フェンダー本体部75の前方側に位置する平面である前方底壁部81と、フェンダー本体部75の後方側に位置する平面である後方底壁部83とを備える。前方底壁部81と後方底壁部83とでは、互いに異なる角度で傾斜する。具体的には、前方底壁部81は、後方底壁部83より起立した角度で傾斜する。さらに、後方底壁部83は、当該後方底壁部83に連続する底壁部61より起立した角度で傾斜する。
これらの前方底壁部81と後方底壁部83とは、上方に突出するように形成された突部87で連結される。
【0019】
図5は、バッテリー収納部76を鞍乗り型車両10の上方から見た平面図である。
図5に示すように、本実施の形態では、左側壁86は、左側壁部63よりも車両中央側に位置する。
図4に示すように、当該左側壁86の上端には、車幅方向から視て、左側のリアフレーム20に車両中央側で重なる位置まで延びることで形成された絶縁部89が設けられる。
同様に、右側壁88は、右側壁部65よりも車両中央側に位置する。この右側壁88の上端は、右側壁部65の上端よりも下方となる位置まで延びる。
【0020】
図6は、バッテリー収納部76を鞍乗り型車両10の上方から見た斜視図である。
図6では、第1バッテリー100と、第2バッテリー120と、第1固定具50と、第2固定具52とを省略して示す。
図5、
図6に示すように、左側壁86と、右側壁88とは、いずれもリアフェンダー27の前後方向に沿って、前壁部84から、底壁部82の全体を通り、後方底壁部83よりも後方まで延びる。
【0021】
底壁部82には、リアフェンダー27の前後方向において、左側壁86と、右側壁88とのそれぞれに沿って延びる左側載置部40と、右側載置部41とが設けられる。これらの、左側載置部40と、右側載置部41とは、底壁部61の上面において、車幅方向に沿って互いに所定の間隔を空けて、並べて設けられる。左側載置部40と、右側載置部41とは、いずれも第1バッテリー100が載置される一対の載置部として機能する。
左側載置部40と、右側載置部41とは、いずれも底壁部82から右側壁88よりも低い位置まで上方に突出して形成される。
左側載置部40は、左側壁86よりも車両中央側に位置し、右側載置部41は、右側壁88よりも車両中央側に位置する。左側載置部40と、右側載置部41とは、平面視で前方底壁部81と、後方底壁部83とを挟み込むように設けられる。左側載置部40は、右側載置部41よりもフェンダー本体部75の後方側に延びる。
【0022】
左側載置部40と、右側載置部41との上面には、いずれも平坦面である左載置面42と、右載置面43とが設けられる。左載置面42と、右載置面43とは、車幅方向から視て、いずれも前方底壁部81と略同一の角度で傾斜する。
【0023】
図6に示すように、前壁部84の上端には、貫通孔である係合孔62が設けられる。また、フェンダー本体部75の前端77の後方に設けられた平面73において、この係合孔62よりも上方に位置する箇所には、鉤状に形成された前端側係止部64が設けられる。前端側係止部64は、フェンダー本体部75の前端77から上方に向かって突出して形成される。
図2、
図3に示すように、本実施の形態では、前端側係止部64は、先端が車両前方側に向かって曲折され、且つ下方に向かって開放される。
【0024】
底壁部61において、後方底壁部83の後端から所定の幅寸法で後方に離間した位置には、鉤状に形成された後端側係止部66が設けられる。この後端側係止部66は、底壁部61から上方に向かって突出して形成される。本実施の形態では、この後端側係止部66は、先端が車両後方側に向かって曲折され、且つ下方に向かって開放される。
【0025】
図5に示すように、左側載置部40のリアフェンダー27の後方側に位置する左側後端部44は、車幅方向から視て、後端側係止部66の先端に重なる位置まで延びる。これに対して、右側載置部41のリアフェンダー27の後方側に位置する右側後端部45は、左側後端部44よりもリアフェンダー27の前方側に配置される。換言すれば、右側後端部45は、車幅方向から視て、後端側係止部66の先端に重ならない位置まで延びる。
【0026】
底壁部61において、後端側係止部66から所定の幅寸法でさらに後方に離間した位置には、後端側固定部68が設けられる。この後端側固定部68は、後端側係止部66と同様に、底壁部61から上方に向かって突出して形成される。この後端側固定部68は、天面91が後端側係止部66よりも高い位置まで延びる高さ寸法を備えた中空の直方体状に形成される。後端側固定部68の天面91には、ねじ孔92が設けられる。また、右側壁部65に対向する後端側固定部68の側面には、当該側面の略全面が開口することで形成された開口部94が設けられる。
【0027】
図6に示すように、係合孔62と、前端側係止部64と、後端側係止部66と、後端側固定部68とは、車幅方向において、フェンダー本体部75の車幅方向における略中央にいずれも配置される。これによって、後端側係止部66と、後端側固定部68とは、左側壁86、及び右側壁部65から所定の幅寸法で離間して配置される。
さらに、後端側係止部66、及び後端側固定部68と、右側壁88との間に位置する底壁部61の上面は、平坦面となるように形成される。これによって、後端側係止部66、及び後端側固定部68と、右側壁88との間には、所定の大きさを有する平坦面Sが形成される。
また、係合孔62と、前端側係止部64と、後端側係止部66と、後端側固定部68とは、鞍乗り型車両10の前後方向において、同一直線状に配置される。
【0028】
図7は、バッテリー収納部76を鞍乗り型車両10の上方から見た斜視図である。
図7では、第1バッテリー100と第2固定具52の一部とを省略して示す。
図2、
図3、
図7に示すように、バッテリー収納部76は、第1固定具50、または第2固定具52を備える。
【0029】
第1固定具50は、所定の形状を有する第1バッテリー100をリアフェンダー27に固定するバッテリー固定具として機能する。この第1固定具50は、ゴム性を有する材料を用いて、所定の長さ寸法を有する帯状に形成された、所謂ゴムバンド状の部材である。第1固定具50の両端には、環状の係止具54がいずれも設けられる。
第1固定具50は、前端側係止部64と後端側係止部66とに係合されることでバッテリー収納部76に取り付けられる。換言すれば、前端側係止部64と後端側係止部66とは、第1固定具50の係合部として機能する。
具体的には、第1固定具50は、これらの係止具54の一方が前端側係止部64に係止され、他方が後端側係止部66に係止されることでバッテリー収納部76に取り付けられる。
【0030】
第2固定具52は、第1バッテリー100とは形状が異なる第2バッテリー120をリアフェンダー27に固定するバッテリー固定具として機能する。この第2固定具52は、第1固定具50に用いられたゴム性を有する材料とは異なる材料を用いて形成された部材である。この第2固定具52には、例えば金属材や、樹脂材、あるいはセラミック材等のゴム性を有する材料よりも剛性の高い材料が用いられる。本実施の形態では、第2固定具52の材料には、板金が用いられる。
【0031】
図3に示すように、第2固定具52は、板金がU字状になるように、2か所で折り曲げられることで成形される。第2固定具52は、所定の長さ寸法を有する長尺部51と、当該長尺部51の両端から略直角に起立するようにそれぞれが形成される前端起立部53と、後端起立部55とを有する。前端起立部53は、後端起立部55よりも短い長さ寸法を有する。長尺部51は、後端起立部55よりも長い長さ寸法を有する。
【0032】
前端起立部53の先端には、係合片56が設けられる。係合片56は、第2固定具52の外方側に屈曲されて爪状に成形される。
後端起立部55の先端には、固定片58が設けられる。この固定片58は、係合片56と同様に、第2固定具52の外方側に屈曲されて成形される。この固定片58には、貫通孔である固定孔59が設けられる。
【0033】
第1固定具50は、係合孔62と後端側固定部68とに固定されることでバッテリー収納部76に取り付けられる。換言すれば、固定片58と後端側固定部68とは、第2固定具52の固定部として機能する。
具体的には、第2固定具52は、前端起立部53側において、係合片56が係合孔62に挿通されることでリアフェンダー27に係止される。
また、第2固定具52は、後端起立部55において、固定片58が後端側固定部68の天面91に載置された状態で、ねじ部材99が天面91のねじ孔92と、第2固定具52の固定孔59とに挿通される。そして、第2固定具52は、当該ねじ部材99によって、第2固定具52に設けられた螺合部材98に、固定片58と天面91とが共締めされることでリアフェンダー27に固定される。これによって、第2固定具52は、バッテリー収納部76に取り付けられる。
【0034】
次いで、バッテリー収納部76に収納されるバッテリーについて説明する。
図2、
図3、
図4に示すように、第1バッテリー100は、直方体のブロック状に形成され、当該第1バッテリー100の長手方向に位置する一方の端面101に、プラス端子部102及びマイナス端子部104を備える。プラス端子部102は、第1バッテリー100のプラス端子として機能し、マイナス端子部104は、第1バッテリー100のマイナス端子として機能する。
【0035】
鞍乗り型車両10に第1バッテリー100を搭載する場合、当該第1バッテリー100は、プラス端子部102及びマイナス端子部104が上方に露出するようにバッテリー収納部76に配置される。具体的には、第1バッテリー100の長手方向に位置する他方の端面103が前壁部84に当接する。また、当該端面103に連続する側面である第1バッテリー100の底面105の車幅方向に位置する両縁部が左載置面42と、右載置面43とに載置される。第1バッテリー100の底面105は、平面視で長方形状に形成され、長手方向が鞍乗り型車両10の前後方向に沿うようにバッテリー収納部76に配置される。
また、第1バッテリー100は、左側壁86と、右側壁88とによって、車幅方向における動きが規制される。
【0036】
プラス端子部102及びマイナス端子部104は、一方の端面101において、底面105の反対側に位置する第1バッテリー100の上面107に接近した位置にいずれも設けられる。また、これらのプラス端子部102及びマイナス端子部104は、一方の端面101において、車幅方向に横並びに配置される。詳細には、プラス端子部102は、車幅方向において、左側に接近した位置に配置され、マイナス端子部104は、車幅方向において、右側に接近した位置に配置される。
プラス端子部102には、電線110が接続され、マイナス端子部104には、電線112が接続される。電線112は、前方に延びて、例えば車体フレーム11に接続される。
【0037】
上述の通り、第1バッテリー100は、箱状部79に嵌め込まれることで位置決めされる。
ここで、前方底壁部81は、前壁部84側において、後方底壁部83、及び底壁部61より起立した角度で傾斜する。これによって、箱状部79に嵌め込まれ第1バッテリー100は、底壁部61側において、底面105が後方底壁部83から離間する。これによって、第1バッテリー100は、端面101側がリアフェンダー27の上面78から上方に向かうように配置され、端面103側が下方に下がるように配置される。すなわち、第1バッテリー100は、上下方向に所定の角度を有した状態でリアフェンダー27に配置される。
これによって、リアフェンダー27後方における空間の上方に他の部品をより多く載せることができる。また、リアフェンダー27の前後方向において、より小さい空間に第1バッテリー100を載置することができ、バッテリー収納部76の省スペース化を図ることが可能である。
【0038】
箱状部79に嵌め込まれ状態において、第1バッテリー100は、第1固定具50が第1バッテリー100の上面107に沿って架け渡されることでバッテリー収納部76に固定される。詳述すると、第1固定具50は、プラス端子部102とマイナス端子部104との間を前後に通り、上面107を押圧して第1バッテリー100を底壁部82側に押さえ付ける。これによって、第1バッテリー100は、バッテリー収納部76に保持される。
【0039】
上述の通り、第1固定具50は、ゴム性を有する材料で形成される。このため、鞍乗り型車両10では、第1バッテリー100に限らず、当該第1バッテリー100と略同一の形状を有する他のバッテリーであっても第1固定具50を用いてバッテリー収納部76に固定することが可能である。
【0040】
鞍乗り型車両10では、
図3に示すように、第1バッテリー100とは形状の異なる第2バッテリー120を搭載することが可能である。この第2バッテリー120は、長手方向における長さ寸法が第1バッテリー100よりも長く形成される。
鞍乗り型車両10に第2バッテリー120を搭載する場合、当該第2バッテリー120は、第1バッテリー100と同様に、第2バッテリー120の長手方向に位置する端面123が前壁部84に当接するようにバッテリー収納部76に配置される。この状態の第2バッテリー120において、端面123に連続する側面である第2バッテリー120の底面125の車幅方向に位置する両縁部が左載置面42と、右載置面43とに載置される。また、第2バッテリー120は、左側壁86と、右側壁88とによって、車幅方向における動きが規制される。
【0041】
この状態において、第2バッテリー120は、第2固定具52が第2バッテリー120に沿って架け渡されることでバッテリー収納部76に固定される。詳述すると、第2固定具52は、前端起立部53が端面123に当接し、長尺部51が底面125の反対側に位置する第2バッテリー120の上面127に当接し、後端起立部55がプラス端子部122とマイナス端子部124との間を前後に通りつつ端面121に当接する。そして、第2固定具52は、上面127を押圧して第1バッテリー100を底壁部82側に押さえ付ける。これによって、第2バッテリー120は、バッテリー収納部76に保持される。
【0042】
このように、鞍乗り型車両10では、搭載されるバッテリーのサイズに応じて、複数種類のバッテリー固定具のうちのいずれか一つを用いることで、形状が異なる複数種類のバッテリーのうちのいずれか一つをリアフェンダー27に固定することができる。
これによって、より小さいサイズの第1バッテリー100を固定する場合には、ゴム性を有する第1固定具50で固定されるため、第1バッテリー100を固定するバッテリー固定具のコストを低減させることができる。加えて、鞍乗り型車両10では、第1バッテリー100をより省スペースで固定できる。
また、より大きいサイズの第2バッテリー120を固定する場合には、より剛性の高い第2固定具52で固定するため、より確実に第2バッテリー120をバッテリー収納部76に固定することができる。
【0043】
なお、鞍乗り型車両10では、第2バッテリー120に限らず、当該第2バッテリー120と略同一の形状を有する他のバッテリーであっても第2固定具52を用いてバッテリー収納部76に固定することが可能である。
また、第2固定具52の前端起立部53や、長尺部51、後端起立部55の少なくともいずれか一つには、第2バッテリー120に当接する当接面に、ゴム材やスポンジ材等の弾性を有する部材が設けられてもよい。このような部材は、第2固定具52と第2バッテリー120との緩衝部として機能する。このため、このような緩衝部を備える第2固定具52は、第2バッテリー120や、当該第2バッテリー120と略同一の形状を有する他のバッテリーを、バッテリー収納部76により確実に固定することが可能である。
【0044】
上述の通り、第1固定具50と、第2固定具52とは、互いに異なる材料で形成される。これに加えて、第1固定具50は、係止具54の他方が後端側係止部66に係止されることで、バッテリー収納部76に固定される。これに対して、第2固定具52は、固定片58が後端側固定部68にねじ止めされることで、バッテリー収納部76に固定される。このように、第1固定具50と、第2固定具52とは、互いに異なる固定方法で固定される。このため、作業者が鞍乗り型車両10に第1バッテリー100、または第2バッテリー120を搭載するときに、これらの第1固定具50と、第2固定具52とが取り違えられることが抑制される。
【0045】
図4に示すように、第1バッテリー100のプラス端子部102と、リアフレーム20との間には、絶縁部89が配置される。これによって、プラス端子部102から電線110が脱落した場合であっても、絶縁部89によって、当該プラス端子部102がリアフレーム20から隔てられるため、短絡が生じることが抑制される。
加えて、この絶縁部89は、左側壁86、及びリアフェンダー27に一体に設けられる。これによって、鞍乗り型車両10では、部品点数の増加を抑制しつつ、短絡の発生を抑制することが可能である。
なお、これに限らず、リアフェンダー27とは別体となる部材をリアフェンダー27に設けることで電線110を絶縁させてもよい。
【0046】
ここで、リアフェンダー27の成形について説明する。
上述の通り、後端側係止部66と、後端側固定部68とは、射出成型等によって、リアフェンダー27に一体に形成される。
後端側係止部66と、後端側固定部68とを形成する場合には、底壁部61の上面に治具を載置し、樹脂材を射出して成形する。
後端側係止部66と、後端側固定部68とが成形されると、上記の治具がリアフェンダー27から取り外される。
【0047】
本実施の形態では、後端側係止部66は、先端が車両後方側に向かって曲折され、且つ下方に向かって開放される。さらに、左側壁86の上端は、右側壁部65の上端よりも下方となる位置まで延びる。
上述の通り、右側後端部45は、車幅方向から視て、後端側係止部66の先端に重ならない位置まで延びる。このため、底壁部61の上面において、後端側係止部66と、右側壁88との間には、いかなる構造物も設けられない平坦面Sが形成される。
【0048】
これによって、リアフェンダー27の成形時には、後端側係止部66を成形するための治具を、右側壁88側に移動させることで、上記の治具をリアフェンダー27から容易に取り外すことができる。
【0049】
なお、左側載置部40のリアフェンダー27の後方側に位置する左側後端部44は、車幅方向から視て、後端側係止部66の先端に重なる位置まで延びる。これによって、左載置面42と、底面105とがより大きい面積で当接し、バッテリー収納部76は、より確実に第1バッテリー100、または第2バッテリー120を保持することが可能である。
【0050】
また、後端側固定部68には、右側壁88側に開口する開口部94が設けられる。これによって、リアフェンダー27の成形時には、後端側固定部68を成形するための治具を右側壁88側に移動させることで、上記の治具をリアフェンダー27から容易に取り外すことが可能である。すなわち、後端側固定部68を成形するための治具は、後端側係止部66を成形するための治具と同一方向に移動させることで当該治具をリアフェンダー27から容易に取り外すことができる。このため、後端側固定部68と後端側係止部66とは、一つの治具を用いて形成することが可能である。
【0051】
また、リアフェンダー27の成形において、作業者は、底壁部61、すなわちリアフェンダー27の上面側のみで上記の治具を移動させることで、リアフェンダー27から当該治具を離脱させることが可能である。これによって、後端側係止部66と、後端側固定部68との成形時には、底壁部61に貫通孔を設けることなく上記治具を取り外すことができる。
このため、例えば第1バッテリー100からバッテリー液等が漏れ出した場合であっても、リアフェンダー27から当該バッテリー液が漏出することが抑制される。
【0052】
また、リアフェンダー27の成形時には、左側壁86が設けられ、これが短絡防止のための絶縁部89として当該リアフェンダー27と一体に成形される。これによって、リアフェンダー27では、部品点数の増加を抑制しつつ、短絡の発生を抑制する構造を形成することが可能である。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態によれば、鞍乗り型車両10は、車両部品であるリアフェンダー27に置かれる第1バッテリー100、または第2バッテリー120と、リアフェンダー27に第1バッテリー100、または第2バッテリー120を固定するバッテリー固定具とを備える。そして、バッテリー固定具は、ゴム性の材料からなる第1固定具50と、第1固定具50とは異なる材料からなる第2固定具52とを有する。
これによって、鞍乗り型車両10では、搭載されるバッテリーのサイズに応じて、対応する第1固定具50、または第2固定具52を用いて第1バッテリー100、または第2バッテリー120を固定することができる。
このため、より小さいサイズの第1バッテリー100を固定する場合には、ゴム性を有する第1固定具50で固定され、第1バッテリー100を固定するバッテリー固定具の作成コストを低減させることができる。さらに、鞍乗り型車両10では、他方のバッテリー固定具をゴム性材料と異なる材料からなる第2固定具52とすることで、誤組の可能性を下げることもできる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、第2固定具52は、第1固定具50が固定可能な第1バッテリー100よりも長手方向の長さ寸法が長い第2バッテリー120を固定する。
これによって、より大きいサイズの第2バッテリー120を固定する場合には、より剛性の高い第2固定具52で固定するため、より確実に第2バッテリー120を固定することができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、リアフェンダー27には、第1固定具50を係合可能な後端側係止部66が設けられ、後端側係止部66が設けられる箇所には、リアフェンダー27を貫通する穴が設けられない。
これによって、例えば第2バッテリー120からバッテリー液等が漏れ出した場合であっても、リアフェンダー27から当該バッテリー液が漏出することが抑制される。
【0056】
また、本実施の形態によれば、第1固定具50と、第2固定具52とは、互いに異なる固定方法で固定される。
これによって、作業者が鞍乗り型車両10に第1バッテリー100、または第2バッテリー120を搭載するときに、これらの第1固定具50と、第2固定具52とを取り違えることが抑制される。
【0057】
また、本実施の形態によれば、第1バッテリー100、または第2バッテリー120は、リアフェンダー27の上面に置かれる。そして、係合孔62と、前端側係止部64と、後端側係止部66と、後端側固定部68とは、リアフェンダー27の上面に、リアフェンダーと一体成型されて形成される。
これによって、係合孔62と、前端側係止部64と、後端側係止部66と、後端側固定部68とをコストを抑えて形成することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、リアフェンダー27の上に置かれた第1バッテリー100、または第2バッテリー120の側方には、リアフレーム20が設けられる。第1バッテリー100のプラス端子部102、または第2バッテリー120のプラス端子部122とリアフレーム20との間には、プラス端子部102、122とリアフレーム20とを隔てる絶縁部89が設けられる。
これによって、プラス端子部102から電線110が脱落した場合であっても、絶縁部89によって、当該プラス端子部102がリアフレーム20から隔てられる。このため、鞍乗り型車両10では、短絡が生じることが抑制される。
【0059】
また、本実施の形態によれば、リアフェンダー27には、第1バッテリー100、または第2バッテリー120が載置される一対の載置部である左側載置部40と、右側載置部41とが車幅方向に沿って並べて設けられる。そして、左側載置部40は、車幅方向から視て、後端側係止部66に重なる位置に設けられ、右側載置部41は、車幅方向から視て、後端側係止部66に重ならない位置に設けられる。
これによって、リアフェンダー27の成形時には、当該治具を、右側壁88側に位置する右側壁部65側に移動させることで、上記の治具をリアフェンダー27から容易に取り外すことができる。
【0060】
上述した実施の形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0061】
上述した実施の形態では、第1バッテリー100、または第2バッテリー120が取り付けられる車両部品をリアフェンダー27とした。しかしながら、これに限らず、第1バッテリー100、または第2バッテリー120が取り付けられる車両部品は、鞍乗り型車両10が有する他の車両部品であってもよい。
【0062】
例えば、第1バッテリー100、または第2バッテリー120は、第1固定具50、または第2固定具52を用いて、ラゲッジボックスの内部に取り付けられてもよい。
また例えば、第1バッテリー100、または第2バッテリー120は、第1固定具50、または第2固定具52を用いて、車体フレーム11の所定箇所に設けられた電装品収納ボックスの内部に取り付けられてもよい。
また例えば、第1バッテリー100、または第2バッテリー120は、第1固定具50、または第2固定具52を用いて、バッテリー固定用ブラケットを介して車体フレーム11に取り付けられてもよい。
【0063】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0064】
(構成1)形状が異なる複数種類のバッテリーを搭載可能な鞍乗り型車両において、複数種類の前記バッテリーのいずれか一つを取り付け可能な車両部品と、前記バッテリーの形状に応じて、いずれか一つが各前記バッテリーを前記車両部品に固定する複数種類のバッテリー固定具とを備え、前記バッテリー固定具は、ゴム性の材料からなる第1固定具と、前記第1固定具とは異なる材料からなる第2固定具とを有することを特徴とする鞍乗り型車両。
この構成によれば、鞍乗り型車両では、搭載されるバッテリーのサイズに応じて、第1固定具、または第2固定具という複数種類のバッテリー固定具のいずれか一つを用いることで、複数種類のバッテリーをいずれも固定することができる。このため、鞍乗り型車両では、一方のバッテリー固定具にゴム性の材料からなる第1固定具を用いることができ、低いコストでバッテリーを固定できる。さらに、鞍乗り型車両では、他方のバッテリー固定具をゴム性材料と異なる材料からなる第2固定具とすることで、誤組の可能性を下げることもできる。
【0065】
(構成2)前記バッテリーは、第1バッテリーと、第2バッテリーとを有し、前記第1固定具は、第1バッテリーを固定し、前記第2固定具は、前記第1固定具よりも剛性が高く、前記第1固定具が固定可能な第1バッテリーよりも長手方向の長さ寸法が長い第2バッテリーを固定することを特徴とする構成1に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、より大きいサイズのバッテリーを固定する場合には、より剛性の高い第2固定具で固定する。このため、鞍乗り型車両では、より確実にバッテリーを固定することができる。
【0066】
(構成3)前記車両部品には、前記第1固定具が係止可能な係止部が設けられ、前記係止部が設けられる箇所には、前記車両部品を貫通する穴が設けられないことを特徴とする構成1または構成2に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、第2固定具で固定されるバッテリーからバッテリー液等が漏れ出した場合であっても、車両部品から当該バッテリー液が漏出することが抑制される。
【0067】
(構成4)前記車両部品には、前記第2固定具が固定される固定部が設けられ、前記第2固定具と前記固定部とは、前記第1固定具と前記係合部との係合方法とは異なる方法で互いに固定されることを特徴とする構成3に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、作業者が鞍乗り型車両にバッテリーを搭載するときに、これらの第1固定具と、第2固定具とを取り違えることが抑制される。
【0068】
(構成5)前記車両部品は、リアフェンダーであり、前記バッテリーは、前記リアフェンダーの上面に置かれており、バッテリー固定部は、バッテリーの前後方向に位置し、前記係止部は、前記リアフェンダーの上面に、前記リアフェンダーと一体成型されて形成されることを特徴とする構成3または構成4に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、係止部をより低いコストで形成することができる。
【0069】
(構成6)前記リアフェンダーの上に置かれた前記バッテリーの側方には、リアフレームが設けられ、前記バッテリーのプラス端子と前記リアフレームとの間には、プラス端子と前記リアフレームとを隔てる絶縁部材が設けられることを特徴とする構成5に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、絶縁部によって、プラス端子がリアフレームから隔てられる。このため、鞍乗り型車両では、短絡が生じることが抑制される。
【0070】
(構成7)前記車両部品には、前記バッテリーが載置される一対の載置部が車幅方向に沿って並べて設けられ、一方の前記載置部は、車幅方向から視て、前記係合部に重なる位置に設けられ、他方の前記載置部は、車幅方向から視て、前記係合部に重ならないように設けられることを特徴とする構成3から構成6のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、リアフェンダーの成形時には、当該治具をリアフレーム側に移動させることで、上記の治具をリアフェンダーから容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0071】
10 鞍乗り型車両
20 リアフレーム
27 リアフェンダー
40 左側載置部(載置部)
41 右側載置部(載置部)
50 第1固定具(バッテリー固定具)
52 第2固定具(バッテリー固定具)
61 底壁部(上面)
66 後端側係止部(係合部)
68 後端側固定部(固定部)
75 フェンダー本体部
76 バッテリー収納部
78 上面
79 箱状部
89 絶縁部
100 第1バッテリー(バッテリー)
120 第2バッテリー(バッテリー)