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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-25
(45)【発行日】2023-11-02
(54)【発明の名称】接合基板
(51)【国際特許分類】
   C04B 37/02 20060101AFI20231026BHJP
   C04B 35/587 20060101ALI20231026BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20231026BHJP
   H05K 3/38 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
C04B37/02 B
C04B35/587
H01L23/36 M
H05K3/38 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021562631
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(86)【国際出願番号】 JP2020044459
(87)【国際公開番号】W WO2021112029
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2019/047139
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134991
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 和樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148507
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 弘行
(72)【発明者】
【氏名】海老ヶ瀬 隆
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-236052(JP,A)
【文献】特開2007-242815(JP,A)
【文献】特表平08-501500(JP,A)
【文献】国際公開第2014/148534(WO,A1)
【文献】特表2018-506496(JP,A)
【文献】特開2003-101217(JP,A)
【文献】特開昭63-315578(JP,A)
【文献】特開昭62-088392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84,37/00-37/04
H01L 23/373
H05K 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大高さRzが10μm以下の平坦領域を有する主面と、前記主面に露出し前記平坦領域の平坦性より低い平坦性を前記主面の一部に付与する深さが10μm以上60μm以下の穴とを有する窒化ケイ素セラミックス基板と、
前記平坦領域上に配置される第1の部分と、前記穴を埋める第2の部分と、を備える銅板と、
前記平坦領域を被覆する第3の部分と、前記穴を埋める第4の部分と、を備え、前記銅板を前記主面に接合する接合層と、
を備え、
前記接合層は、チタン及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の活性金属を含み、
前記穴における前記第2の部分及び前記第4の部分の体積比を前記穴の断面の電子顕微鏡像における前記第2の部分及び前記第4の部分と前記穴との断面積比にて表すときに、前記第2の部分及び前記第4の部分は、前記穴の体積の80%以上を埋める、
ことを特徴とする接合基板。
【請求項2】
前記穴は、30μm以下の深さを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の接合基板。
【請求項3】
前記穴は、内面を有し、
前記第4の部分は、前記内面を被覆する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接合基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合基板及び接合基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ケイ素セラミックスは、高い熱伝導性及び高い絶縁性を有する。このため、銅板が接合層を介して窒化ケイ素セラミックス基板に接合された接合基板は、パワー半導体素子が実装される絶縁放熱基板として好適に用いられる。
【0003】
接合基板の絶縁破壊には、ふたつのモードが存在する。第1のモードは、窒化ケイ素セラミックス基板を構成する粒子の内部あるいは当該粒子同士の粒界の絶縁耐圧を超える電界が接合基板に印加されることにより、電界が集中する銅板の端部を起点として絶縁破壊が発生するモードである。第2のモードは、窒化ケイ素セラミックス基板のボイド等の欠陥を起点とする部分放電によりクラックが形成され、形成されたクラックが進展することにより、当該欠陥を起点として絶縁破壊が発生するモードである。
【0004】
上述した第1のモードの絶縁破壊は、接合基板を製品として出荷する前に接合基板の耐電圧試験を行うことにより容易に発見することができる。このため、上述した第1のモードの絶縁破壊が発生する可能性のある接合基板を出荷してしまうことは、容易に回避することができる。
【0005】
窒化ケイ素セラミックス基板の欠陥は、基板の内部に孤立する欠陥と、基板の表面に露出する欠陥と、に分類することができる。
【0006】
基板の内部に孤立する欠陥は、窒化ケイ素セラミックス基板を製造する途上で、原料スラリーに異物が混入することや、原料スラリー中の原料粉末の分散不足により原料スラリー中に粗大凝集粒が残存すること等が原因となって、形成される。
【0007】
基板の表面に露出する欠陥は、窒化ケイ素セラミックス基板を製造する途上で作製される中間品の表面に異物が付着することや、中間品の焼結処理の間に該中間品の表面から助剤が揮発すること等が原因となって、形成される。
【0008】
これらの欠陥のうち、基板の内部に孤立する欠陥は、成形が行われる前に原料スラリーをろ過すること等により、容易に減らすことができる。それゆえ、第2のモードの絶縁破壊のうち、窒化ケイ素セラミックス基板の内部に孤立する欠陥を起点とする部分放電に起因した絶縁破壊が発生する可能性のある接合基板を製品として出荷してしまうことは、容易に回避することができる。
【0009】
しかしながら、出荷前の接合基板を対象として耐電圧試験を行ったとしても、窒化ケイ素セラミックス基板の表面に露出する欠陥を起点とする部分放電を発見することは容易ではない。出荷前の接合基板を対象として部分放電試験を行うことも考えられるが、部分放電により流れるpAオーダーの微小電流を計測することは容易ではなく、仮にそのような計測が原理的に可能な設備を有する場合でも、係る計測を行うためにはノイズ対策を行わなければならず、そのためには高価な設備を導入することが必要となる場合もある。それゆえ、出荷前の接合基板の全部に対し部分放電試験を行うことは、現実的でない。
【0010】
また、窒化ケイ素セラミックス基板の表面に露出する欠陥を、銅板が接合されていない窒化ケイ素セラミックス基板の画像検査を行うことより発見することも容易ではない。なぜならば、そのような欠陥は直径50μm、深さ20μm程度の大きさしか有していないため、発見のためには高価な設備を導入する必要があり、出荷する接合基板に用いる窒化ケイ素セラミックス基板の全部に対しそのような設備を用いて画像検査を行うことは、現実的でないからである。
【0011】
そもそも、上述のような原因にて生じる、窒化ケイ素セラミックス基板の表面に露出する欠陥は、容易に減らすことができない。
【0012】
以上のような理由から、第2のモードの絶縁破壊のうち、窒化ケイ素セラミックス基板の表面に露出する欠陥を起点とする部分放電に起因した絶縁破壊が発生する可能性のある接合基板を出荷してしまうことは、容易に回避することができない。
【0013】
特許文献1に記載された技術においては、窒化ケイ基板表裏にろう材パターンが印刷され、窒化ケイ基板表裏と銅板とが接合される(段落0029)。特許文献1に記載された技術においては、表面に極力、欠陥を導入しない方法にて、セラミックス基板の表面形態を制御することにより、部分放電特性が好ましいセラミックス基板が得られている(段落0038)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開2010-76948号公報
【発明の概要】
【0015】
上述したように、従来の接合基板の場合、窒化ケイ素セラミックス基板の表面に露出する欠陥を起点とする部分放電により絶縁破壊が発生する可能性のあるにもかかわらず製品として出荷してしまうことを、容易に回避することができない。この問題は、窒化ケイ素セラミックス基板が他のセラミックス基板に置き換えられた場合にも生じ得る。
【0016】
本発明は、この問題に鑑みてなされた。本発明が解決しようとする課題は、セラミックス基板の表面に露出する欠陥を起点とする部分放電により絶縁破壊が発生することが抑制された接合基板を提供することである。
【0017】
本発明の第1の態様は、接合基板に関する。
【0018】
接合基板は、窒化ケイ素セラミック基板、銅板及び接合層を備える。
【0019】
窒化ケイ素セラミック基板は、最大高さRzが10μm以下の平坦領域を有する主面を有する。セラミック基板は、主面に露出し平坦領域の平坦性より低い平坦性を主面の一部に付与する深さが10μm以上60μm以下の穴を有する。
【0020】
銅板は、平坦領域上に配置される第1の部分と、穴を埋める第2の部分と、を備える。
【0021】
接合層は、平坦領域を被覆する第3の部分と、穴を埋める第4の部分と、を備える。接合層は、銅板を主面に接合する。接合層は、チタン及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の活性金属を含む。穴における第2の部分及び第4の部分の体積比を穴の断面の電子顕微鏡像における第2の部分及び第4の部分と穴との断面積比にて表すときに、銅板の第2の部分及び接合層の第4の部分は、穴の体積の80%以上を埋める。
【0026】
本発明によれば、窒化ケイ素セラミックス基板の主面に露出する深さが10μm以上60μm以下である穴の体積の80%以上が銅板の一部及び接合層の一部により埋められた、接合基板が得られる。係る接合基板においては、当該穴を起点とする部分放電が発生することが、抑制される。これにより、窒化ケイ素セラミックス基板の表面に露出する欠陥を起点とする部分放電により絶縁破壊が発生することが抑制された接合基板を、提供することができる。
【0027】
この発明の目的、特徴、局面及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】接合基板を模式的に示す断面図である。
図2】接合基板の一部を模式的に示す拡大断面図である。
図3】接合基板の製造の流れを示すフローチャートである。
図4】接合基板の製造の途上で得られる中間品を模式的に示す断面図である。
図5】接合基板の製造の途上で得られる中間品を模式的に示す断面図である。
図6】接合基板の製造の途上で得られる中間品を模式的に示す断面図である。
図7】接合基板と比較される接合基板の一部を模式的に示す拡大断面図である。
図8】接合基板の断面の電子顕微鏡(SEM)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
1 接合基板
図1は、本発明の実施の形態に係る接合基板1を模式的に示す断面図である。
【0030】
図1に示す接合基板1は、窒化ケイ素セラミックス基板11、銅板12及び接合層13を備える。窒化ケイ素セラミックス基板11が、窒化ケイ素セラミックス基板以外のセラミックス基板に置き換えられてもよい。接合基板1がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
【0031】
なお、図1および以降の図においては、図1における窒化ケイ素セラミックス基板11から銅板12へと向かう方向を、単に「上」と称し、その反対の方向を単に「下」と称することとする。それゆえ、図1の場合であれば、窒化ケイ素セラミックス基板11から図面視上方の銅板12へと向かう方向、および、窒化ケイ素セラミックス基板11から図面視下方の銅板12へと向かう方向のそれぞれが「上」に相当し、それぞれの逆方向が「下」に相当することになる。
【0032】
銅板12及び接合層13は、窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11s上に配置される。接合層13は、銅板12を窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11sに接合する。
【0033】
接合基板1は、どのように用いられてもよいが、例えばパワー半導体素子が実装される絶縁放熱基板として用いられる。
【0034】
2 接合構造
図2は、接合基板1の一部を模式的に示す拡大断面図である。
【0035】
窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11sは、図2に示すように、平坦領域11fを有する。平坦領域11fは、高い平坦性を有する領域であり、望ましくは10μm以下の最大高さRzを有する領域である。当該最大高さRzは、基準長さが0.8mmである場合の最大高さである。
【0036】
また、窒化ケイ素セラミックス基板11は、穴11hを有する。穴11hは、窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11sに露出し、平坦領域11fの平坦性より低い平坦性を窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11sの一部に付与する。したがって、穴11hは、平坦領域11fの最大高さRzより大きい深さを有する。穴11hは、窒化ケイ素セラミックス基板11を製造する途上で作製される中間品の主面に異物が付着することや、中間品の焼結処理の間に該中間品の主面から助剤が揮発すること等が原因となって、形成される。
【0037】
本実施の形態においては、窒化ケイ素セラミックス基板11の表面に露出する欠陥の典型例あるいは代表例として、穴11hを示している。そのため、図2においては穴11hの内面11iと主面11sの平坦領域11fとが曲面状に滑らかに連続する様子を示しているが、これはあくまで模式的な例示に過ぎない。例えば、内面11iの上端部と平坦領域11fとが穴11hの入口部分の少なくとも一部において角をなしている態様であってもよい。なお、銅板12が接合される前の窒化ケイ素セラミックス基板11においては内面11iの上端部と平坦領域11fとが角をなしていたものの、接合のためのホットプレスに伴い係る角部分に変形が生じる場合もある。
【0038】
また、一の主面上に存在する穴11hの個数およびサイズは、個々の窒化ケイ素セラミックス基板11によって様々である。
【0039】
銅板12は、窒化ケイ素セラミックス基板11の平坦領域11f上に配置される第1の部分121、及び穴11hを埋める第2の部分122を備える。第2の部分122は、第1の部分121から連続し、第1の部分121に電気的に接続される。
【0040】
接合層13は、平坦領域11fを被覆する第3の部分131、及び穴11hを埋める第4の部分132を備える。
【0041】
銅板12は、接合層13を介して窒化ケイ素セラミックス基板11に接合されてなる。接合層13は、活性金属を含むろう材層から生成し、材料成分としてろう材層に含まれていた活性金属を含む。
【0042】
接合層13に含まれる活性金属は、チタン及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の活性金属である。
【0043】
接合層13が活性金属以外の金属を含んでもよい。接合層13に含まれる活性金属以外の金属は、銀、銅、インジウム及びスズからなる群より選択される少なくとも1種の金属である。
【0044】
接合層13が、窒化ケイ素セラミックス基板11から供給された窒素及び/又はケイ素を含んでもよい。また、窒化ケイ素セラミックス基板11から供給された窒素及び/又はケイ素が活性金属と化合物を形成してもよい。
【0045】
また、接合層13が、銅板12から供給された銅を含んでもよい。
【0046】
以上のような構成を有する接合基板1においては、穴11hが銅板12の第2の部分122及び接合層13の第4の部分132にて埋められることで、穴11hが部分放電の起点となることが抑制されてなる。これにより、接合基板1においては、穴11hを起点とする部分放電によりクラックが形成されること、さらには、該クラックが進展することに起因した絶縁破壊(第2のモードの絶縁破壊)が発生することが、抑制されてなる。なお、以降の説明においては、穴11hを埋める、銅板12の第2の部分122及び接合層13の第4の部分132とを、穴埋め部と総称する。
【0047】
なお、接合基板1においては、穴11hを起点とするのではなく、穴11hを埋めている穴埋め部を起点とした絶縁破壊(第1のモードの絶縁破壊)が、発生する可能性もある。しかしながら、当該絶縁破壊は、接合基板1に対し耐電圧試験を行うことにより発見が可能であるので、接合基板1を出荷する前に接合基板1の耐電圧試験を行うことにより、当該絶縁破壊により耐電圧の要求仕様を満たさない接合基板1を出荷してしまうことは、回避することができる。それゆえ、本実施の形態においては、係るモードの絶縁破壊については、出荷前の耐電圧試験の実施を前提として、問題がないものとする。
【0048】
以上のように、本実施の形態に係る接合基板1においては、電界が印加された際に部分放電が生じて穴11hを起点とするクラックが形成され、該クラックが進展することによって絶縁破壊が生じる、という不良の発生が、抑制されてなる。また、穴埋め部を起点として絶縁破壊が発生することに起因する不良についても、少なくとも接合基板1が出荷される後に発生することは、回避することが可能とされてなる。
【0049】
より詳細には、穴11hが10μm以上の深さを有するにもかかわらず、穴11hが穴埋め部によって埋められなかった接合基板においては、穴11hを起点とするクラックが進展し、穴11hを起点として絶縁破壊が発生する可能性がある。それゆえ、穴11hが10μm以上の深さを有する場合は、係る絶縁破壊の発生を回避するべく、本実施の形態のように穴埋め部が穴11hを埋める構造が採用されるのが望ましい。
【0050】
ただし、穴11hは、望ましくは60μm以下の深さを有する。穴11hが60μmより深い深さを有する場合は、銅板12の第2の部分122が形成される際に、銅板12の上側主面に凹みが形成される可能性がある。また、穴11hが60μmより深い深さを有する場合は、銅板12が窒化ケイ素セラミックス基板11に接合される際に、窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成される可能性がある。
【0051】
11hは、さらに望ましくは30μm以下の深さを有する。穴11hが30μm以下の深さを有する場合、接合基板1の耐電圧が、穴11hを有しない窒化ケイ素セラミックス基板に銅板が接合された接合基板の耐電圧と、同等となる。
【0052】
なお、穴11hの深さが30μmよりも大きい場合、接合基板1の耐電圧は、穴11hを有しない窒化ケイ素セラミックス基板に銅板が接合された接合基板の耐電圧よりも低くなる。しかしながら、係る接合基板1の場合も、穴11hが穴埋め部によって埋められた構成を有することで、穴11hを起点とするクラックの進展により絶縁破壊が生じることに起因した不良の発生は、抑制される。
【0053】
図2の接合構造においては、穴埋め部が、穴11hの全体を埋めている。しかし、穴埋め部が穴11hの一部を埋めるにすぎない場合も、穴11hが部分放電の起点となることが十分に抑制される場合がある。係る場合、穴埋め部が穴11hの体積(容積)の80%以上を埋めるのが望ましく、穴11hの体積の90%以上を埋めるのがさらに望ましい。
【0054】
また、図2の接合構造においては、接合層13の第4の部分132が穴11hの内面11iを被覆し、係る接合層13の第4の部分132の上に、銅板12の第2の部分122が侵入することにより、穴11hの全体が埋められている。
【0055】
しかも、図2の接合構造においては、接合層13の第4の部分132が、穴11hの内面11iの全体を被覆している。しかし、接合層13の第4の部分132が穴11hの内面11iの一部を被覆するにすぎない場合であっても、銅板12の第2の部分122が接合層13の第4の部分132の上において穴11hの内部に侵入していてよい。係る場合、接合層13の第4の部分132は、穴11hの内面11iの面積の80%以上を被覆するのが望ましく、穴11hの内面11iの面積の90%以上を被覆するのがさらに望ましい。
【0056】
3 接合基板の製造方法
図3は、接合基板1の製造の流れを示すフローチャートである。図4図5及び図6は、接合基板1の製造の途上で得られる中間品を模式的に示す断面図である。
【0057】
接合基板1の製造においては、図3に示される工程S101からS105までが順次に実行される。
【0058】
工程S101においては、窒化ケイ素セラミックス基板11が準備される。準備される窒化ケイ素セラミックス基板11は、上述したように、主面11sを有し、主面11sに露出する穴11hを有する。
【0059】
工程S102においては、図4に示すように、窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11s上に、ろう材層13iが形成される。
【0060】
ろう材層13iが形成される際には、活性金属ろう材及び溶剤を含むペーストが調製される。ペーストがバインダ、分散剤、消泡剤等をさらに含んでもよい。続いて、調製されたペーストが窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11s上にスクリーン印刷され、窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11s上にスクリーン印刷膜が形成される。続いて、形成されたスクリーン印刷膜に含まれる溶剤が揮発させられる。これにより、スクリーン印刷膜が、ろう材層13iに変化する。ろう材層13iは、活性金属ろう材を含む。ろう材層13iがこの方法とは異なる方法により形成されてもよい。
【0061】
活性金属ろう材は、水素化活性金属粉末及び金属粉末を含む。水素化活性金属粉末は、チタン及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種の活性金属の水素化物を含む。金属粉末は、銀を含む。金属粉末が、銀以外の金属を含んでもよい。銀以外の金属は、銅、インジウム及びスズからなる群より選択される少なくとも1種の金属である。銅、インジウム及びスズからなる群より選択される少なくとも1種の金属と銀とが活性金属ろう材に含まれる場合は、活性金属ろう材の融点は銀の融点よりも低くなる。
【0062】
活性金属ろう材は、望ましくは40重量%以上80重量%以下の銀を含む。
【0063】
活性金属ろう材は、望ましくは0.1μm以上10μm以下の平均粒子径を有する粉末からなる。平均粒子径は、市販のレーザー回折式の粒度分布測定装置により粒度分布を測定し、測定した粒度分布からメジアン径D50を算出することにより得ることができる。このような小さい平均粒子径を有する粉末からなる活性金属ろう材をろう材層13iの形成に用いることにより、ろう材層13iを薄くすることができる。
【0064】
ろう材層13iは、望ましくは0.1μm以上10μm以下の厚みに、さらに望ましくは0.1μm以上5μm以下の厚みに、形成される。
【0065】
工程S103においては、図5に示すように、形成されたろう材層13i上に銅板12iが配置される。これにより、窒化ケイ素セラミックス基板11、銅板12i及びろう材層13iを備える中間品1iが得られる。
【0066】
工程S104においては、得られた中間品1iに対してホットプレスが行われる。ホットプレスが行われている間、ろう材層13iを構成する活性金属ろう材に含まれる活性金属が、窒化ケイ素セラミックス基板11に含まれる窒素と反応する。これにより、活性金属の窒化物が生成する。また、生成した活性金属の窒化物に活性金属ろう材の溶融物が濡れる。さらには、銅板12iに活性金属ろう材の溶融物が濡れる。その結果、活性金属ろう材の溶融物を構成する物質が窒化ケイ素セラミックス基板11及び銅板12iを構成する物質と化合して、図6に示すように、銅板12jと窒化ケイ素セラミックス基板11とを互いに接合する接合層13jが生成する。
【0067】
その際、生成した接合層13jの大部分は、平坦領域11f(図2参照)を被覆する第3の部分131となるが、ろう材層13iの一部はホットプレス処理の進行に伴い窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11sに露出する穴11hに侵入する。これにより、穴11hを埋める接合層13jの第4の部分132が形成される。さらに、その際には、軟化した銅板12iの一部が穴11hに侵入する。これにより、銅板12jには、平坦領域11f上に配置される第1の部分121に加えて、穴11hを埋める第2の部分122が形成される。以上により、窒化ケイ素セラミックス基板11、銅板12j、及び接合層13jを備える中間品1jが得られる。
【0068】
中間品1iに対してホットプレスが行われる場合は、望ましくは、中間品1iが、真空中で、5MPa以上30MPa以下の最高面圧を有する面圧プロファイルにしたがって窒化ケイ素セラミックス基板11の厚さ方向に加圧されながら、800℃以上900℃以下の最高温度を有する温度プロファイルにしたがって加熱される。これにより、ろう材層13iの厚みが0.1μm以上10μm以下と薄い場合においても、銅板12iを窒化ケイ素セラミックス基板11に接合することができる。
【0069】
図7は、本実施の形態に係る接合基板1との比較のために示す、上述の面圧プロファイルに従う加圧に比して中間品1iに対する加圧が不十分な条件で作製された接合基板の一部を模式的に示す拡大断面図である。
【0070】
図7に示された接合基板は、穴11hの内面11iを被覆する態様にて穴11hを埋める第4の部分132が接合層13に形成されておらず、銅板12においても、穴11hを埋める第2の部分122が形成されていない点で、図2に示した本実施の形態に係る接合基板1と相違する。
【0071】
活性金属ろう材の溶融物は、銅板12iに対して良好な濡れ性を有する。このため、穴11h上に存在する活性金属ろう材の溶融物は、銅板12iに付着しやすい。また、中間品1iに対する加圧が不十分な場合、穴11hの周囲の平坦領域11fに存在する活性金属ろう材の溶融物の一部が穴11h内に入り込んだとしても、この入り込んだ溶融物は容易に周辺の平坦領域11fに引き戻され得る。ゆえに、中間品1iに対する加圧が不十分な場合、穴11hの近傍に存在する活性金属ろう材の溶融物は、穴11hに侵入しにくいという傾向がある。
【0072】
また、そもそも、ろう材粉末の空間充填率は50%から60%程度にすぎない。このため、仮に粉末状態の活性金属ろう材が穴11hに完全に充填されたとしても、ホットプレスにて係る活性金属ろう材が溶融状態とされる場合における中間品1iに対する加圧が不十分であるならば、穴11hはせいぜいその50%から60%程度が埋められるに留まってしまう。
【0073】
このような理由から、中間品1iに対する面圧が不十分なものに留まると、穴11hが接合層13および銅板12にて十分に埋められないままとなってしまう。例えば、穴11hの体積の80%未満が埋められるに留まってしまう。極端な場合には、活性金属ろう材が穴11hに入り込まないために銅板の入り込みも生じず、結果として図7に示すように穴11hがそのままボイド(空隙)Vとして残ってしまうこともあり得る。これらのことから、接合基板1の製造にあたっては、中間品1iが十分な面圧で加圧されて活性金属ろう材さらには銅板が穴11hに押し込まれる必要がある。
【0074】
中間品1iに対してホットプレスが行われる間に、ろう材層13iに含まれる銀、銅、インジウム及びスズの全部又は一部が窒化ケイ素セラミックス基板11及び/又は銅板12iに拡散させられてもよい。中間品1iに対してホットプレスが行われる間に、窒化ケイ素セラミックス基板11に含まれる窒素及び/又はケイ素がろう材層13iに拡散させられてもよい。銅板12iに含まれる銅がろう材層13iに拡散させられてもよい。
【0075】
工程S105においては、銅板12j及び接合層13jがパターニングされる。これにより、図1に示したような、窒化ケイ素セラミックス基板11の主面11sの一部が露出するように銅板12と接合層13とがパターニングされた接合基板1が得られる。
【0076】
4 最高面圧及び最高温度の影響
接合基板1を製造する過程で行うホットプレスにおいて採用する面圧プロファイルにおける最高面圧と、温度プロファイルにおける最高温度とが、穴11hの内部の状態に与える影響を評価するための、実験を行った。
【0077】
まず、上述した接合基板1の製造方法にしたがって、種々の接合基板1を製造した。窒化ケイ素セラミックス基板11に存在する穴11hの深さは10μm~60μmの範囲にあった。活性金属ろう材に含まれる水素化活性金属としては、水素化チタンを用いた。活性金属ろう材に含まれる活性金属以外の金属としては、銀を用いた。
【0078】
ホットプレスの条件は、表1に示すように、面圧プロファイルにおける最高面圧を1MPa、5Mpa、10MPa、20MPa、30MPa、および35MPaの6水準に違え、温度プロファイルにおける最高温度を750℃、800℃、900℃、および950℃の4水準に違えた。すなわち、表1に示したいずれかの最高面圧を有する面圧プロファイルにしたがって中間品1iを窒化ケイ素セラミックス基板11の厚さ方向に加圧しながら、表1に示されるいずれかの最高温度を有する温度プロファイルにしたがって中間品1iを加熱することにより、複数種類の接合基板1を製造した。
【0079】
製造した接合基板1の断面を電子顕微鏡(SEM)で観察してSEM画像を得た。そして、得られたSEM画像を参照して穴11hの内部の状態を確認した。穴11hの内部の状態の評価結果を、表1に示す。係る評価においては、当該SEM画像における穴埋め部と穴11hとの断面積比にて穴11hにおける穴埋め部の体積比(充填度)を表している。
【0080】
表1において穴11hの内部の状態の評価結果が「〇」(丸印)であるとは、以下の要件に全て該当することを示す:
・穴11hの内面11iの面積の80%以上が接合層13の第4の部分132により被覆されている;
・穴11hの体積の80%以上が穴埋め部により埋められている;かつ、
・窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成されていない。
【0081】
また、表1において穴11hの内部の状態が「〇*」(アスタリスク付き丸印)であるとは、以下の要件に全て該当することを示す:
・穴11hの内面11iの面積の80%以上が接合層13の第4の部分132により被覆されている;
・穴11hの体積の80%以上が穴埋め部により埋められている;かつ、
・窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成されている。
【0082】
表1において穴11hの内部の状態が「×」(バツ印)であることは、以下の要件に全て該当することを示す:
・穴11hの内面11iの面積の70%以下しか接合層13の第4の部分132により被覆されていない;かつ、
・穴11hの体積の70%以下しか穴埋め部により埋められていない。
【0083】
【表1】
【0084】
表1に示すように、最高面圧を5MPa以上30MPa以下とし最高温度を800℃以上900℃以下として製造した接合基板1においては、穴11hの内面11iの面積の80%以上が接合層13の第4の部分132により被覆されており、穴11hの体積の80%以上が穴埋め部により埋められており、窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成されていなかった。
【0085】
一方、最高面圧を5MPaより低くした接合基板、又は、最高温度を800℃より低くした接合基板1においては、穴11hの内面11iの面積の70%以下しか接合層13の第4の部分132により被覆されておらず、穴11hの体積の70%以下しか穴埋め部により埋められていなかった。
【0086】
また、最高面圧を30MPaより高くした接合基板、又は、最高温度を900℃より高くした接合基板1においては、穴11hの内面11iの面積の80%以上が接合層13の第4の部分132により被覆されており、穴11hの体積の80%以上が穴埋め部により埋められていたが、窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成されていた。最高温度を900℃より高くした接合基板1において窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成されるのは、ホットプレスが行われる際に銅板12iが過剰に軟らかくなって銅板12iが押し広げられ、その結果として窒化ケイ素セラミックス基板11にクラックが形成されることによる。
【0087】
これらの実験からは、接合基板1を製造する過程で行うホットプレスにおいて最高面圧を5MPa以上30MPa以下とし、最高温度を800℃以上900℃以下とすることにより、穴11hの内面11iの面積の80%以上を接合層13の第4の部分132により被覆することができ、穴11hの体積の80%以上を穴埋め部により埋めることができ、さらには、接合基板1におけるクラックの形成が防止できることが、理解される。
【0088】
の深さの影響
接合基板1における穴の深さが、絶縁破壊の発生の仕方に与える影響を評価するための、実験を行った。
【0089】
まず、上述した接合基板1の製造方法にしたがって接合基板1を製造した。窒化ケイ素セラミックス基板11としては、穴11hの最大深さtが表2に示す4つの区間t≦10μm、10μm<t≦20μm、20μm<t≦30μm、30μm<t≦60μmに該当するものをそれぞれに5枚ずつ用意した。活性金属ろう材に含まれる活性金属としては、チタンを用いた。活性金属ろう材に含まれる活性金属以外の金属としては、銀を用いた。
【0090】
ホットプレスの条件は、面圧プロファイルの最高面圧については表2に示した20MPa、1MPaという2水準に違え、温度プロファイルにおける最高温度は830℃とした。すなわち、穴11hの最大深さtが表2に示したいずれかの区間に属する窒化ケイ素セラミックス基板11を用いて中間品1iを作製し、表2に示したいずれかの最高面圧を有する面圧プロファイルにしたがって中間品1iを窒化ケイ素セラミックス基板11の厚さ方向に加圧しながら、最高温度が830℃である温度プロファイルにしたがって中間品1iを加熱することにより、複数種類の接合基板1を製造した。
【0091】
製造した接合基板1の断面をSEMで観察してSEM画像を得た。そして、得られたSEM画像を参照して穴11hの内部の状態を確認した。係る場合においても、当該SEM画像における穴埋め部と穴11hとの断面積比にて穴11hにおける穴埋め部の体積比(充填度)を表している。
【0092】
図8は、一例として示す、面圧プロファイルにおける最高面圧を20MPaとし、温度プロファイルにおける最高温度を830℃としてホットプレスを行うことにより製造された接合基板1の、断面のSEM画像である。図8からは、穴11hの体積のほぼ100%が穴埋め部により埋められていることが確認される。
【0093】
結果として、表2に示すように、最高面圧が20MPaである場合は、穴11hの体積の80%~100%が穴埋め部により埋められていた。また、最高面圧が1MPaである場合は、穴11hの体積の50%~75%が穴埋め部により埋められていた。
【0094】
以下においては、最高面圧を20MPaとすることで得られた、穴11hの体積の80%~100%が埋まっている接合基板1を、高埋度基板と称し、最高面圧を1MPaとすることで得られた、穴11hの体積の50%~75%が埋まっている接合基板1を、低埋度基板と称することとする。
【0095】
さらに、製造した接合基板1に対し耐電圧試験を行って、絶縁破壊に対する接合基板1の耐電圧を測定した。耐電圧は0.5kVステップ、10分キープで昇圧して評価した。測定した接合基板1の耐電圧を表2に示す。なお、表2においては、穴11hの最大深さtを4つの区間に区分したときの、それぞれの区間に属する接合基板1の耐電圧の平均値を示している。
【0096】
また、製造した接合基板1に対し部分放電試験を行って、接合基板1の部分放電電圧を測定した。より具体的には、0.5kV/secで昇圧して、接合基板1の放電電荷量が10pCに到達したときの放電電圧を、部分放電電圧として求めた。部分放電電圧は、総研電気株式会社製の部分放電試験システムにより測定した。測定した接合基板1の部分放電電圧を表2に示す。
【0097】
なお、部分放電電圧の測定値が7kV以上と非常に大きい場合は、接合基板1においては事実上、部分放電は発生しないと評価できる。これに対し、接合基板1の部分放電電圧の測定値が7kV未満である場合は、接合基板1において部分放電が発生する可能性があると評価できる。
【0098】
【表2】
【0099】
表2に示すように、高埋度基板の場合、耐電圧は、穴11hの最大深さtが30μm以下であるものについては8kVであり、穴11hの最大深さtが30μmより大きいものについては5kVであった。すなわち、高埋度基板については、穴11hの最大深さtが30μmより大きい場合に耐電圧が低下する傾向が現れることが確認された。
【0100】
これに対し、高埋度基板の部分放電電圧は、穴11hの最大深さtが30μm以下であるか否かにかかわらず、7kVであった。すなわち、いずれの高埋度基板についても、部分放電は発生しないと評価された。
【0101】
一方、低埋度基板の場合、耐電圧は、穴11hの最大深さが30μm以下であるものについては8kVであり、穴11hの最大深さが30μmより大きいものについては7kVであった。すなわち、低埋度基板については、穴11hの最大深さtが30μmより大きい場合に耐電圧が低下する傾向が現れることが確認された。
【0102】
また、係る低埋度基板の部分放電電圧は、穴11hの最大深さtに応じて異なる値となった。具体的には、最大深さtが10μm以下であるときには7kVであり、最大深さtが10μm超で20μm以下であるときには5kVであり、最大深さtが20μm超で30μm以下であるときには4kVであり、最大深さtが30μm超であるときには3kVであった。すなわち、低埋度基板については、穴11hの最大深さが10μmより大きい場合に部分放電が発生する可能性があると評価された。
【0103】
なお、最大深さtが30μmより大きい低埋度基板については、最大深さtが同程度の高埋度基板よりも耐電圧より高くなったが、部分放電電圧は、高埋度基板よりも低くなった。
【0104】
以上の結果からは、まず、穴11hの最大深さtがいずれも10μm以下である高埋度基板と低埋度基板との間には、耐圧性能の点で差異がなく、ともに十分耐電圧を有し、かつ、部分放電の発生もないといえる。一方、最大深さtが10μm超60μm以下である高埋度基板と低埋度基板の場合、低埋度基板においては部分放電が発生する可能性があるものの、高埋度基板については部分放電の発生はないといえる。ゆえに、接合基板が、穴の最大深さが10μm以上60μm以下であって、穴の体積の80%以上が穴埋め部にて埋められてなる高埋度基板である場合、穴を起点とした部分放電が生じることはなく、それゆえ、製品として出荷するに先立って部分放電試験を行う必要はないといえる。換言すれば、部分放電試験に比して実施の容易な耐電圧試験を行い、これをクリアしさえすれば、製品として出荷できるといえる。
【0105】
特に、穴の最大深さが30μm以下である場合には、耐電圧のより高い接合基板が実現される。
【0106】
なお、接合基板が、穴の体積の80%未満しか穴埋め部によって埋められていない低埋度基板である場合は、製品として出荷する前に耐電圧試験に加えて部分放電試験を行い、これらをともにクリアしない限りは、製品として出荷することができない。仮に、耐電圧試験のみを行い、部分放電試験を行わない場合は、穴を起点とした部分放電が生じる可能性のある接合基板を出荷してしまうことを、抑制することができない。
【0107】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8