(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-01
(45)【発行日】2023-11-10
(54)【発明の名称】動力マウント機構
(51)【国際特許分類】
B63H 20/06 20060101AFI20231102BHJP
B63H 20/02 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B63H20/06 100
B63H20/02 100
(21)【出願番号】P 2021108720
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2023-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの公開者:株式会社フジムラ製作所 ウェブサイトの掲載アドレス: https://digital-structure.shop/shopdetail/000000000064/ ウェブサイトでの公開日:2021年6月1日 〔刊行物等〕 ウェブサイトの公開者:ハーツマリン ウェブサイトの掲載アドレス: https://heartsselect.shop-pro.jp/?pid=160339593 ウェブサイトでの公開日:2021年6月1日 〔刊行物等〕 ウェブサイトの公開者:有限会社プロショップオオツカ ウェブサイトの掲載アドレス: https://www.ks-webshop.com/category/select/pid/35169 ウェブサイトでの公開日:2021年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】518190949
【氏名又は名称】株式会社フジムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】内山 裕
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-127380(JP,A)
【文献】特開昭56-142794(JP,A)
【文献】特開昭56-47399(JP,A)
【文献】特開昭60-248493(JP,A)
【文献】特開昭62-221994(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0210455(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0255761(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 20/06
B63H 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボートの上面の端部に水平に設けられたベース部材に取り付けられ、該ボートを推進させる動力ユニットのシャフト部を保持可能とされ、該シャフト部を垂直状態から水平状態まで回動可能とする動力マウント機構であって、
前記ベース部材に取り付けられる第1フレーム体と、
上面に上部開口部を備え、該第1フレーム体の先端部に設けられた第1回動軸で回動可能に支持される第2フレーム体と、
該第1フレーム体と該第2フレーム体との間に配置され、平面視で前記上部開口部と重なる位置に中間開口部と、両側面にガイド孔と、を備え、前記第1回動軸よりも該第1フレーム体の中央側の位置に設けられた第2回動軸で回動可能に支持される第3フレーム体と、
平面視で前記中間開口部と重なる位置に設けられ、操作者の手の直接的な押圧によって該第3フレーム体の内部で自身を前記ガイド孔の方向に沿って移動可能とする押圧部と、両側面に前記ガイド孔に遊嵌するロックピンと、を備え、該押圧部の移動により、該ロックピンを前記第1フレーム体の後端部に設けられた凹部に係脱させる第4フレーム体と、
前記第2フレーム体の後端部と前記第3フレーム体の後端部に回動可能に支持され、前記シャフト部を保持するシャフト保持部材と、
を備え、
前記ボート上で前記シャフト部を脱着する際には、前記第3フレーム体が前記第2回動軸周りで180度回転し該第3フレーム体の底面が水平な状態に展開され、かつ、前記シャフト保持部材が90度回転されることを特徴とする動力マウント機構。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2フレーム体が回動した際に前記第3フレーム体が当接する前記第1フレーム体の前記先端部には、緩衝部材が設けられていることを特徴とする動力マウント機構。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1フレーム体、前記第2フレーム体、前記第3フレーム体、及び前記シャフト保持部材は、互いの回動部分において、樹脂製ワッシャを介して隣接していることを特徴とする動力マウント機構。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1フレーム体、前記第3フレーム体、及び前記第4フレーム体はステンレス材を主成分とし、
前記第2フレーム体及びシャフト保持部材は、アルミニウム材を主成分とし、
該第2フレーム体及びシャフト保持部材は、幅方向において、前記第1フレーム体、第3フレーム体、及び第4フレーム体の外側に配置されることを特徴とする動力マウント機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力マウント機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湖などで釣りをする際に、自在に釣りスポットを変更移動するために、手軽な電動の船外機がレンタルボードに取り付けられて使用されている。船外機は、動力ユニット(エレキと称する)と、動力マウント機構(単にマウントと称する)と、を備える。船外機の取り付けは、まず、ボートの上面の端部に水平に設けられたベース部材に動力マウント機構を取り付ける。次に、その動力マウント機構に動力ユニットを取り付けることで行われる。動力マウント機構に動力ユニットを取り付ける際には、通常、動力マウント機構のロック状態を解除して、動力マウント機構を変形させて開いた状態として、ボート上で推進ユニットのシャフト部をほぼ水平状態にして取り付ける。取り付け後に、動力マウント機構をもとの形態に戻すことでシャフトを垂直状態にして、動力ユニットの下端にあるプロペラの付いた駆動部を水中に降ろし、その状態をロックする。この状態が、例えば特許文献1の
図1に示すような形態となる。なお、この動力マウント機構は、通常動力ユニットの付属品として同時に提供されるので、購入者は、別に動力マウント機構を購入する必要なく、すぐにレンタルボードでこのような船外機を使用することが可能となっている。
【0003】
しかしながら、このような船外機はほとんどがアメリカなどで生産される外国製品であり、正規の動力マウント機構(正規品)は大型である。このような正規品は、日本のように小さい湖で使用されるボートに対しては重くて大きすぎる状態といえる。このため、非特許文献1に示すように、日本の購入者は、この動力マウント機構を、船外機を販売するショップなどで短くカット(短くした動力マウント機構をショートマウントと称する)してもらい、日本のボートのサイズに合うように個別に小型に改修して使用している(改造品と称する)。
【0004】
なお、このような正規品を含めた動力マウント機構には、非特許文献1で示すような把手のついたワイヤが必ずついている。操作者(ユーザーまたは購入者)は、このワイヤを引くことで、動力ユニットの姿勢のロック状態を解除し、駆動部を水面から上げたり、水中に降ろしたりすることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】プロショップ・ケイズ,“ショートマウント”,投稿日:2016年1月25日 by ボートスタッフ,[令和3年6月23日検索],インターネット<URL=http://proshopks.sakura.ne.jp/boatblog/2016/01/post-429.html#:~:text=%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%BB,%E3%81%AA%E3%81%A9%E5%88%A9%E7%82%B9%E3%81%8C%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、日本では、非特許文献1に示すように、日本の使用事情に基づきユーザーの都合で、正規サイズの動力マウント機構(正規品)を強引にカットして軽量化と小型化を実現している。このため、改造品では機能低下や安全性に問題が生じるおそれが残っていた。
【0008】
同時に、上述したワイヤには、大きな負荷がかかる構成であり、相応の期間使用するとワイヤが切れてしまう可能性が高い。もし、ワイヤが切れてしまうと、上記したロック状態を解除できなくなるので、駆動部を水中から引き上げることができずに、動力ユニットを動力マウント機構から取り外すことができないこととなってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、従来の正規品よりも小型・軽量でありながら、ワイヤの有無に関わらず動力ユニットの姿勢のロック状態を制御可能で、安全性の高い動力マウント機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ボートの上面の端部に水平に設けられたベース部材に取り付けられ、該ボートを推進させる動力ユニットのシャフト部を保持可能とされ、該シャフト部を垂直状態から水平状態まで回動可能とする動力マウント機構であって、前記ベース部材に取り付けられる第1フレーム体と、上面に上部開口部を備え、該第1フレーム体の先端部に設けられた第1回動軸で回動可能に支持される第2フレーム体と、該第1フレーム体と該第2フレーム体との間に配置され、平面視で前記上部開口部と重なる位置に中間開口部と、両側面にガイド孔と、を備え、前記第1回動軸よりも該第1フレーム体の中央側の位置に設けられた第2回動軸で回動可能に支持される第3フレーム体と、平面視で前記中間開口部と重なる位置に設けられ、操作者の手の直接的な押圧によって該第3フレーム体の内部で自身を前記ガイド孔の方向に沿って移動可能とする押圧部と、両側面に前記ガイド孔に遊嵌するロックピンと、を備え、該押圧部の移動により、該ロックピンを前記第1フレーム体の後端部に設けられた凹部に係脱させる第4フレーム体と、前記第2フレーム体の後端部と前記第3フレーム体の後端部に回動可能に支持され、前記シャフト部を保持するシャフト保持部材と、を備え、前記ボート上で前記シャフト部を脱着する際には、前記第3フレーム体が前記第2回動軸周りで180度回転し該第3フレーム体の底面が水平な状態に展開され、かつ、前記シャフト保持部材が90度回転されることにより、前記課題を解決したものである。
【0011】
本発明では、特に、第4フレーム体が、平面視で(上部開口部と重なる位置にある)中間開口部と重なる位置に設けられ、操作者の手の直接的な押圧によって第3フレーム体の内部で自身をガイド孔の方向に沿って移動可能とする押圧部と、両側面にガイド孔に遊嵌するロックピンと、を備え、押圧部の移動により、ロックピンを第1フレーム体の後端部に設けられた凹部に係脱させる構成である。即ち、ワイヤが存在しなくても、操作者の手の直接的な押圧によって押圧部を移動させることで、第1フレーム体と第3フレーム体のロック状態を制御することが可能となる。
【0012】
同時に、ボート上でシャフト部を脱着する際には、第3フレーム体が第2回動軸周りで180度回転し第3フレーム体の底面が水平な状態に展開され、かつ、シャフト保持部材が90度回転される構成である。すなわち、動力マウント機構が水平状態のベース部材に取り付けられていることから、ボート上で、動力ユニットを普通に配置した状態、即ち、動力ユニットのシャフト部を水平状態した状態のままから、動力ユニットを特に傾けることなく、動力ユニットを動力マウント機構に脱着することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来の正規品よりも小型・軽量でありながら、ワイヤの有無に関わらず動力ユニットの姿勢のロック状態を制御可能で、安全性の高い動力マウント機構を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る動力マウント機構を用いてボートに動力ユニットを取り付けた状態を示す模式図(斜視図(A)、側面図(B))
【
図2】
図1の動力マウント機構と動力ユニットとを示す斜視図(動力ユニットのシャフト部を水平状態にした図(A)、動力ユニットのシャフト部を垂直状態にした図(B))
【
図3】
図1の動力マウント機構が閉じてロックされた状態を示す模式図(斜視図(A)、側面透視図(B))
【
図4】
図1の動力マウント機構が閉じてロックされた状態を示す模式図(側面図(A)、上面図(B)、後面図(C)、正面図(D))
【
図5】
図1の動力マウント機構が開いた状態を示す模式図(斜視図(A)、側面透視図(B))
【
図6】
図1の動力マウント機構が開いた状態を示す模式図(側面図(A)、上面図(B)、後面図(C)、正面図(D))
【
図7】
図1の動力マウント機構が閉じた状態から開いた状態を示す側面図(第3フレーム体の回転角度が0度のときの図(A)、第3フレーム体の回転角度が約45度のときの図(B)、第3フレーム体の回転角度が約90度のときの図(C)、第3フレーム体の回転角度が約135度のときの図(D)、第3フレーム体の回転角度が180度のときの図(E))
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1~
図7を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、先端部とはX方向でマイナス側の端部をいい、後端部とはX方向でプラス側の端部をいうこととする。
【0016】
最初に、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)に基づいて、ボートBTに取り付けられた船外機について、概略説明する。
【0017】
ボートBTは、
図1(A)、(B)に示す如く、湖などで釣りの際に使用されるFRPなどの樹脂で作られたレンタルボートである(例えば、長さ12フィート(約3.6m))。手漕ぎボートしても使用できるが、本実施形態では、船外機がボートBTの船首に取り付けられ、ボートBTは電動で推進可能とされている。
【0018】
船外機は、
図1(A)、(B)に示す如く、動力ユニットDBU(エレキとも称する)と、動力マウント機構100(単にマウントとも称する)と、を備える(なお、図示しないが、ボートBTの内部には、動力ユニットDBUに電力を供給するバッテリーと、動力ユニットDBUに命令を出力する(足などを使う)入力装置が配置されている)。
【0019】
動力ユニットDBUは、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)に示す如く、駆動部PPと、シャフト部SPと、制御部CPと、を備える。駆動部PPは、モータ(減速機を含んでもよい)と、モータに取り付けられるプロペラと、を備える。シャフト部SPは、中空のロッドを備え、下端で駆動部PPを支持し、上端で制御部CPを支持する。シャフト部SPの内部には、制御信号等を制御部CPから駆動部PPへ伝達するための配線がなされている。制御部CPは、図示しない入力装置及びバッテリーに接続されており、入力装置からの指令に基づいて駆動部PPの駆動力と方向などを制御する。
【0020】
動力マウント機構100は、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)に示す如く、ボートBTの上面の端部に水平に設けられたベース部材BM(バウデッキとも称する)に取り付けられるマウント機構である。動力マウント機構100は、ボートBTを推進させる動力ユニットDBUのシャフト部SPを保持可能とされ、シャフト部SPを垂直状態から水平状態まで回動可能としている。具体的には、動力マウント機構100は、第1フレーム体102と、第2フレーム体110と、第3フレーム体120と、第4フレーム体130と、シャフト保持部材140(マウントアダプタ)と、を備える。第1フレーム体102は、ベース部材BMに取り付けられる。第2フレーム体110は、上面112に上部開口部112Aを備え、第1フレーム体102の先端部に設けられた第1回動軸SA1で回動可能に支持される(
図4(A)、(B))。第3フレーム体120は、第1フレーム体102と第2フレーム体110との間に配置され、平面視で上部開口部112Aと重なる位置に中間開口部126Aと、両側面124にガイド孔128と、を備える(
図4(A)、(B))。更に、第3フレーム体120は、第1回動軸SA1よりも第1フレーム体102の中央側の位置に設けられた第2回動軸SA2で回動可能に支持される(
図3(B))。第4フレーム体130は、平面視で中間開口部126Aと重なる位置に設けられ、操作者の手の直接的な押圧によって第3フレーム体120の内部で自身をガイド孔128の方向(X方向)に沿って移動可能とする押圧部138Aと、両側面134にガイド孔128に遊嵌するピンPN1(ロックピン)と、を備える(
図4(A)、(B)、(C))。第4フレーム体130は、押圧部138Aの移動により、ピンPN1を第1フレーム体102の後端部に設けられた凹部107に係脱させる。シャフト保持部材140は、第2フレーム体110の後端部と第3フレーム体120の後端部に回動可能に支持され、シャフト部SPを保持する構成とされている(
図3(A)、(B))。なお、本実施形態では、先端部とはX方向でマイナス側の端部をいい、後端部とはX方向でプラス側の端部をいうこととする。
【0021】
次に、動力マウント機構100の各構成要素について、詳細に説明する。
【0022】
前記第1フレーム体102は、
図2(A)、(B)に示す如く、ベース部材BMに取り付けられる部材であり、基本的に所定の形状とされたステンレス板を折り曲げることで構成されている。具体的には、第1フレーム体102は、
図3(A)、(B)に示す如く、底面103と、側面104と、折り返し部103A、105、106と、を備える。底面103は、外形が長方形であり、ベース部材BMに当接し、図示せぬボルトでベース部材BMに接続される(
図6(B))。なお、底面103には、軽量化等のために、各種形状の貫通孔(パンチング孔や開口部の形成、肉抜き、中空構造化などにより実現される)を設けている(なお、側面104等では、美的外観の観点からも各種形状の貫通孔が形成されている。更には、第2フレーム体110、第3フレーム体120、第4フレーム体130、及びシャフト保持部材140に適用されている)。側面104は、
図4(A)、(B)に示す如く、底面103の幅方向(Y方向)の両側に、底面103に直交するようにX方向に沿って設けられている。2つの側面(両側面)104は、互いに対称形状とされている。側面104には、先端部に第1回動軸SA1を支持する貫通孔と、第1回動軸SA1よりも第1フレーム体102の中央側であって、第1回動軸SA1よりも高い位置に来る第2回動軸SA2を支持する貫通孔と、が設けられている。また、側面104は、その中央部に開口部を備えている。なお、その開口部を構成していた板材は、側面104からX方向に沿って内側に折り曲げられ、折り返し部106とされている。折り返し部106は、第3フレーム体120の底面122に当接可能とされ、底面122からの荷重を支持可能にしている。更に、側面104は、その後端部に、X方向に移動するピンPN1(後述)を係脱可能とする凹部107を備える。なお、底面103の先端部には、
図3(B)に示す如く、Y方向に沿って180度折り返された折り返し部105が設けられている。折り返し部105は、第1回動軸SA1よりも先端側に位置しており、その上面には、平面状の緩衝部材DMが設けられている。緩衝部材DMは、例えば、ゴムなどの有機物でできた弾性部材である(なお、これに限らず、金属製の板ばねなどであってもよい)。これにより、第2フレーム体110が回転した際に第3フレーム体120がこの緩衝部材DMに当接することとなる。また、底面103の後端部には、Y方向に沿って90度折り返された折り返し部103Aが設けられている(
図5(A))。このように、第1フレーム体102の底面103と、側面104と、折り返し部103A、105、106は、所定の形状とされた1枚のステンレス板から折り返して一体構成されている。このため、ステンレス材を使用することと相まって、第1フレーム体102は、高い剛性を備え、極めて変形しにくい構成となっている(以下、第2フレーム体110、第3フレーム体120、および第4フレーム体130においても同様の効果を奏する)。
【0023】
前記第2フレーム体110は、
図3(A)、(B)に示す如く、第1フレーム体102の上側に取り付けられる部材であり、基本的に所定の形状とされたアルミニウム板を折り曲げることで構成されている。具体的に、第2フレーム体110は、
図4(A)、(B)に示す如く、上面112と、側面114と、を備える。上面112は、特に、美的外観に印象を与える部材であり、大きな開口部を複数備える。そのうちの上部開口部112Aは、操作者の手がある程度入るような大きさに設けられながら、デザインの統一感を保っている。上面112は、X方向の断面が湾曲するようにされ、強い美的外観を生じるようにしながら、上面112の高い剛性の実現にも寄与している。なお、第2フレーム体110が最大に開いた状態となっても、
図5(B)に示す如く、上面112は、ベース部材BMに接触しないようにされている。側面114は、上面112の幅方向(Y方向)の両側であって、第1フレーム体102の側面104の外側に配置され、側面104と平行となるようにX方向に沿って設けられている。2つの側面114は、互いに対称形状とされている。側面114の先端部には第1回動軸SA1を支持する貫通孔と、側面114の後端部には第3回動軸SA3を支持する貫通孔と、が設けられている。つまり、第2フレーム体110は、第1フレーム体102の先端部に設けられた第1回動軸SA1で回動可能に支持されている構造である。第1回動軸SA1の部分では、
図4(D)に示す如く、樹脂製ワッシャPWを介して第1フレーム体102の側面104の外側に第2フレーム体110の側面114が隣接して配置されている。そして、第2フレーム体110の側面114の外側に、金属製ワッシャMWを介して、止め輪SRが配置され、第1回動軸SA1が取り付けられている。
【0024】
前記第3フレーム体120は、
図3(A)、(B)に示す如く、第1フレーム体102と第2フレーム体110との間に配置される部材であり、基本的に所定の形状とされたステンレス板を折り曲げることで構成されている。具体的に、第3フレーム体120は、
図4(B)、
図5(A)に示す如く、底面122と、側面124と、折り返し部126と、を備える。底面122は、外形が長方形であり、第1フレーム体102の折り返し部106(
図4(A))に支持可能とされている。なお、底面122には、第4フレーム体130をX方向に引っ張る2つのコイルばねCSを支持するための支持部122Aが設けられている。側面124は、底面122の幅方向(Y方向)の両側であって、第1フレーム体102の側面104の内側に配置され、側面104と平行となるようにX方向に沿って設けられている。2つの側面124は、互いに対称形状とされている。側面124の先端部には第2回動軸SA2を支持する貫通孔と、側面124の後端部には第4回動軸SA4を支持する貫通孔と、が設けられている。つまり、第3フレーム体120は、第1回動軸SA1よりも第1フレーム体102の中央側の位置に設けられた第2回動軸SA2で回動可能に支持される構成である。また、側面124の上端部には、
図7(B)に示す如く、凹部124Bが設けられている。この凹部124Bは、第3フレーム体120が反転した際に、第1回動軸SA1と衝突することを避けるために設けられている。そして、側面124には、第4回動軸SA4よりも中央側にガイド孔128が設けられている。さらに、側面124において、第4回動軸SA4と、ガイド孔128との間に、ピンPN2が設けられている。折り返し部126は、側面124からX方向に沿って内側に折り曲げられた部分である。折り返し部126は、第3フレーム体120の幅方向において、上面の端部のみを構成し、その他に上面を形成する部材を有しない。即ち、
図4(B)に示す如く、第3フレーム体120は、平面視で上部開口部112Aと重なる位置に中間開口部126Aを備える構成となっている。なお、第2回動軸SA2の部分では、
図6(C)に示す如く、樹脂製ワッシャPWを介して第3フレーム体120の側面124の外側に第1フレーム体102の側面104が隣接して配置されている。
【0025】
前記第4フレーム体130は、
図3(B)、
図5(B)に示す如く、第3フレーム体120の内部に配置される部材であり、基本的に所定の形状とされたステンレス板を折り曲げることで構成されている。具体的に、第4フレーム体130は、
図4(B)、(D)、
図5(B)、
図6(B)に示す如く、底面132と、側面134と、折り返し部136と、押圧部138Aと、ピンPN1と、を備える。底面132は、外形が略長方形であり、先端部には2つのコイルばねCSが取り付けられる連結部132Aが設けられている。底面132の中央部には、大きな開口部が設けられ(
図6(B))、その部分の板材が底面132からY方向に沿って垂直に折り曲げられて、押圧部138Aが形成されている。なお、底面132の後端部近傍に付された符号138Bは、従来の動力マウント機構と同様に、ロック機能を解除可能とするためのワイヤを取り付けるための補助孔である。側面134は、底面132の幅方向(Y方向)の両側であって、第3フレーム体120の側面124の内側に配置され、側面124と平行となるようにX方向に沿って設けられている。2つの側面134は、互いに対称形状とされている。側面134の後端部にはガイド孔128に遊嵌するピンPN1が設けられている。このため、ガイド孔128にピンPN1が係合することで、第4フレーム体130が、第3フレーム体120の内部で絶えず第3フレーム体120の先端側に引っ張られている状態となる。なお、ピンPN1の移動は押圧部138Aと一体で行われるが、本実施形態では、押圧部138Aが操作者の手先で適切な力で移動可能となるように、2つのコイルばねCSが使用されている。2つのコイルばねCSを使用することで、1つのコイルばねCSを使用する場合に比べて、1つのコイルばねCSの力を弱めることでコイルばねCSのばね力の経時的な変化を少なくすることができる。同時に、第3フレーム体120内での第4フレーム体130の蛇行や振動を防止でき、釣りをする際に邪魔になる音の発生を防止することも可能である。なお、ピンPN1は、第3フレーム体120の側面124から突出する長さとされ、第1フレーム体102の凹部107に係脱する構成とされている。つまり、第4フレーム体130は、押圧部138Aの移動により、ピンPN1を第1フレーム体102の後端部に設けられた凹部107に係脱させる機能を有する。折り返し部136は、側面134からX方向に沿って内側に折り曲げられた部分である。折り返し部136は、第4フレーム体130の幅方向において、上面の端部のみを構成し、その他に上面を形成する部材を有しない。即ち、
図4(B)に示す如く、押圧部138Aは、平面視で中間開口部126Aと重なる位置に設けられ、操作者の手の直接的な押圧によって第3フレーム体120の内部で自身をガイド孔128の方向に沿って移動可能とする構成となっている。
【0026】
前記シャフト保持部材140は、
図3(B)に示す如く、動力ユニットDBUのシャフト部SPを保持する部材であり、主成分としてアルミニウム材を用いて射出成形することで構成されている。具体的に、シャフト保持部材140は、
図5(A)、(B)に示す如く、回動側部材142と、シャフト取付部材144と、ハンドル146と、を備える。回動側部材142は、第2フレーム体110の後端部と第3フレーム体120の後端部に回動可能に支持される取付部142Aを備える。取付部142Aにある端部142ABの上端部には、第3回動軸SA3を支持する貫通孔が設けられている。第3回動軸SA3の部分では、
図6(D)に示す如く、樹脂製ワッシャPWを介して取付部142Aの外側に第2フレーム体110の側面114が隣接して配置されている。そして、第2フレーム体110の側面114の外側に、金属製ワッシャMWを介して、止め輪SRが配置され、第3回動軸SA3が取り付けられている。また、取付部142Aの第4回動軸SA4の部分では、
図5(B)に示す如く、樹脂製ワッシャPWを介して第3フレーム体120の側面124の外側に取付部142Aが隣接して配置されている。なお、端部142ABの下端部には、切り欠き部142AAが設けられている。ピンPN2に切り欠き部142AAが当接する状態でシャフト部SPの方向が垂直となる。また、回動側部材142は、シャフト部SPの断面形状である円形のうちの約半分の部分に均一に当接するような内側面142Bを備えている。なお、ハンドル146のロッド部146Bの先端部には雄ねじが形成されており、回動側部材142の対応する部分には、ロッド部146Bの雄ねじに対応する雌ねじが設けられている。なお、取付部142Aのうちの端部142ABの部分は、第2フレーム体110の側面114の内側に入り込む構成となるので、段差が設けられ外形が小さくされている。
【0027】
シャフト取付部材144は、
図3(B)に示す如く、シャフト部SPをシャフト保持部材140に押圧する部材である。シャフト取付部材144は、回動側部材142と同様に、シャフト部SPの断面形状である円形のうちの約半分の部分に均一に当接するような内側面144Aを備えている。シャフト取付部材144は、回動軸144Bを中心に回動側部材142に対して回動可能とされ、開いた状態でシャフト部SPを配置し、ハンドル146により閉じた状態を保ち、シャフト部SPを保持することができる。なお、ハンドル146は、把手部146Aと、ロッド部146Bと、を備える。把手部146Aは、直接的に操作者の手で握られる部分であり、ロッド部146Bがシャフト取付部材144に回転可能に支持されている。把手部146Aを回転させることで、ロッド部146Bが回転し、ロッド部146Bが回動側部材142の雌ねじ部分に螺合することで、シャフト部SPが固定される。
【0028】
なお、動力ユニットDBUのシャフト部SPの直径は、メーカや機種により異なる場合が多い。このため、本実施形態では、シャフト部SPの直径に応じた半円筒状のカラーを複数用意し、保持するシャフト部SPと内側面142B、144Aとの間にそのカラーを配置することで、シャフト部SPの直径の異なる複数の動力ユニットDBUに対応可能である。
【0029】
次に、ロックして閉じた状態からシャフト部SPの脱着を可能とする開いた状態までの動力マウント機構100の各要素の姿勢を、主に
図7(A)~(E)を用いて説明する。
【0030】
まず、
図7(A)に示す動力マウント機構100がロックされた状態では、シャフト部SPを垂直に保つことが可能とされている。このときには、第3フレーム体120は、水平状態(回転角0度)とされており、第3フレーム体120でX方向のみの移動だけに規制されたピンPN1が第1フレーム体102の凹部107に嵌合している状態である。そして、第1フレーム体102の折り返し部106に第3フレーム体120の底面122が接触可能とされている。更には、シャフト保持部材140の切り欠き部142AAが第3フレーム体120に設けられたピンPN2によって、シャフト保持部材140の移動を直接的に規制している。このため、
図7(A)に示す動力マウント機構100がロックされた状態では、極めて大きな力を受けても、変形・破損することなく、動力マウント機構100は安定した形態を保つことが可能である。
【0031】
次に、ロック状態を解除して、
図7(B)に示す如く、第3フレーム体120を傾斜(回転角約45度)させる。このとき、第3フレーム体120の長さは、第2フレーム体110の長さに比べて短いものの、第1回動軸SA1と第2回動軸SA2とでは位置が異なる。このため、シャフト保持部材140は、第3フレーム体120に対して第3フレーム体120の回転方向とは反対側に若干回転するものの、第3フレーム体120の回転角に近い角度で回転する。
【0032】
しかしながら、このあと、
図7(B)~(D)に示す如く、第3フレーム体120をどんどん傾斜させていくと、第3フレーム体120の長さに対する第2フレーム体110の長さの差が顕著に出てくる。このため、シャフト保持部材140は、第3フレーム体120に対して第3フレーム体120の回転方向とは反対側への回転量が増大していく。つまり、第3フレーム体120の回転角の変化に比べて、第3フレーム体120の回転方向へのシャフト保持部材140の回転角の変化の割合はどんどん減少していく。
【0033】
そして、
図7(E)に示す如く、最終的には第3フレーム体120は第2回動軸SA2を中心に180度回転(反転)し、同時にシャフト保持部材140が第3フレーム体120に対して第3フレーム体120の回転方向とは反対側へ90度回転した状態となる。つまり、ボートBT上でシャフト部SPを脱着する際には、第3フレーム体120が第2回動軸SA2周りで180度回転し第3フレーム体120の底面122が水平な状態に展開され、かつ、シャフト保持部材140が(第3フレーム体120に対して第3フレーム体120の回転方向とは反対側へ)90度回転された状態となる。このとき、第3フレーム体120は、第1フレーム体102の折り返し部105に配置した緩衝部材DM(
図4(B))に当接し、かつ、第3フレーム体120の側面124が取付部142Aの内側と当接すること(
図6(D)の破線の丸部分)となる。このため、
図7(E)に示す動力マウント機構100が変形した状態(開いた状態)は、相応に安定して保たれることとなる。
【0034】
このように、本実施形態では、特に、第4フレーム体130が平面視で(上部開口部112Aと重なる位置にある)中間開口部126Aと重なる位置に設けられ、操作者の手の直接的な押圧によって第3フレーム体120の内部で自身をガイド孔128の方向に沿って移動可能とする押圧部138Aと、両側面134にガイド孔128に遊嵌するピンPN1と、を備える構成である。そして、第4フレーム体130は、押圧部138Aの移動により、ピンPN1を第1フレーム体102の後端部に設けられた凹部107に係脱させる。即ち、ワイヤが存在しなくても、操作者の手の直接的な押圧によって押圧部138Aを移動させることで、第1フレーム体102と第3フレーム体120のロック状態を制御することが可能である。
【0035】
なお、従来技術では、動力マウント機構を小型化するために、例えば、本実施形態で記載するところの第1フレーム体、第2フレーム体の長さなどを短くして、第1回動軸SA1などの位置を変更している。つまり、従来の正規品であれば、動力ユニットDBUのシャフト部SPを脱着する際には、本実施形態で記載するところの第3フレーム体が第2回動軸SA2周りで180度回転するはずが、改造品ではそれが不可能な状態となっていた(例えば、シャフト保持部材の回転角度は別にして、改造品において第3フレーム体の回転角度は
図7(D)程度までであった)。
【0036】
それに対して、本実施形態では、ボートBT上でシャフト部SPを脱着する際には、第3フレーム体120が第2回動軸SA2周りで180度回転し第3フレーム体120の底面122が水平な状態に展開され、かつ、シャフト保持部材140が90度回転される構成である。すなわち、動力マウント機構100が水平状態のベース部材BMに取り付けられていることから、ボートBT上で、動力ユニットDBUを普通に配置した状態、即ち、動力ユニットDBUのシャフト部SPを水平状態した状態のままから、動力ユニットDBUを特に傾けることなく、動力ユニットDBUを動力マウント機構100に脱着することが可能である。つまり、動力ユニットDBUを動力マウント機構100に迅速に装着することが可能である。
【0037】
また、従来技術では、正規品はサイズが大きく、大重量であったことから、軽量化をはかるためにもすべてアルミニウム材から構成されていた。しかしながら、改造品ではこれを無理やり短くしてしまっていることで剛性が足りず、正規品よりも変形や破損が生じやすい。
【0038】
これに対して、本実施形態では、動力マウント機構100において、特に負荷がかかる部材をアルミニウム材よりも剛性が高いステンレス材で成形している。つまり、本実施形態では、第1フレーム体102、第3フレーム体120、及び第4フレーム体130はステンレス材を主成分とし、第2フレーム体110体及びシャフト保持部材140は、アルミニウム材を主成分としている。このため、正規品よりも小型で結果的に軽量としながら、変形・破損のしにくい動力マウント機構100を実現すること可能である。なお、これに限らず、動力マウント機構に、どのような材料を用いてもよい。例えば、動力マウント機構に金属だけでなく、一部に強化プラスチックなどを用いてもよい。
【0039】
なお、通常、ボートBTは、木陰などがない水上で使用される。即ち、動力マウント機構100を使用する環境温度は大きく変動する。アルミニウム材は線膨張係数がステンレス材の線膨張係数よりも大きいため、アルミニウム材は、ステンレス材よりも温度変化に伴う伸縮量が大きい。本実施形態では、アルミニウム材を主成分とする第2フレーム体110及びシャフト保持部材140が、幅方向(Y方向)において、ステンレス材を主成分とする第1フレーム体102、第3フレーム体120、及び第4フレーム体130の外側に配置される。このため、常温よりも気温が下がった場合の第2フレーム体110及びシャフト保持部材140のサイズ変化を主に考慮して動力マウント機構の設計を行えばよいので、使用温度領域が広くても確実に動作可能な動力マウント機構100を容易に実現することが可能である。なお、これに限らず、複数の材質を用いても、必ずしも材料種別によって配置場所を分けなくてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、第2フレーム体110が回動した際に第3フレーム体120が当接する第1フレーム体102の先端部には、ゴムなどの緩衝部材DMが設けられている。このため、脱着を行うたびに生じる第1フレーム体102と第3フレーム体120との衝突の衝撃を緩和することができる。即ち、騒音の発生、部材間のガタの増大、破損・変形の発生、表面の塗料の剥離・変質による美観の低下などを防止することができる。なお、これに限らず、緩衝部材DMは、金属の板ばねなどであってもよい。勿論、緩衝部材DMがなくてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、第1フレーム体102、第2フレーム体110、第3フレーム体120、及びシャフト保持部材140は、互いの回動部分、つまり第1回動軸SA1から第4回動軸SA4において、樹脂製ワッシャPWを介して隣接している。このため、外部からかかる振動により、互いの回動部分の衝突により生じてしまう騒音を防止でき、快適に釣りを楽しむことができる。なお、これに限らず、そもそも樹脂製ワッシャPWを使用しなくてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、第1フレーム体102、第2フレーム体110、第3フレーム体120、及びシャフト保持部材140は、互いの回動部分、つまり第1回動軸SA1から第4回動軸SA4において、ボルトとナットとを使用せずに、止め輪SRを使用している。このため、第1フレーム体102、第2フレーム体110、第3フレーム体120、及びシャフト保持部材140を繰り返し動作させても、部材間の隙間は変化しないので、ボルトとナットを使用した際に出てくる緩みによるガタの増大を防止することが可能である。なお、これに限らず、つまり第1回動軸SA1から第4回動軸SA4において、ボルトとナットとを用いるような構成であってもよい。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、従来の正規品よりも小型・軽量でありながら、ワイヤの有無に関わらず動力ユニットの姿勢のロック状態を制御可能で、安全性の高い動力マウント機構100を提供することが可能である。
【0044】
本発明について上記実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
【0045】
例えば、上記実施形態では、ボートBTは、レンタルボートとされ、船外機は釣りのために使用されることとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、船外機は釣りのためでなくてもよいし、レンタルボートに対して使用されなくてもよい。また、ボートBTも、
図1(A)、(B)で示す形でなくてもよいし、船外機が取り付けられる場所も船首でなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、特に、小型のボートに後付けされる動力ユニットを保持する動力マウント機構に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
100…動力マウント機構
102…第1フレーム体
103、122、132…底面
103A、105、106、126、136…折り返し部
104、114、124、134…側面
107、124B…凹部
110…第2フレーム体
112…上面
112A…上部開口部
120…第3フレーム体
122A…支持部
126A…中間開口部
128…ガイド孔
130…第4フレーム体
132A…連結部
138A…押圧部
138B…補助孔
140…シャフト保持部材
142…回動側部材
142A…取付部
142AA…切り欠き部
142AB…端部
142B、144A…内側面
144…シャフト取付部材
144B…回動軸
146…ハンドル
146A…把手部
146B…ロッド部
BM…ベース部材
BT…ボート
CP…制御部
CS…コイルばね
DBU…動力ユニット
DM…緩衝部材
MW…金属製ワッシャ
PN1、PN2…ピン
PP…駆動部
PW…樹脂製ワッシャ
SA1…第1回動軸
SA2…第2回動軸
SA3…第3回動軸
SA4…第4回動軸
SP…シャフト部
SR…止め輪