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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-02
(45)【発行日】2023-11-13
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/06 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
G05D16/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020020541
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021125180
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000142425
【氏名又は名称】アズビル金門株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(72)【発明者】
【氏名】小浜 孝光
(72)【発明者】
【氏名】板橋 光治
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-543186(JP,A)
【文献】特開2009-64458(JP,A)
【文献】特表2006-523892(JP,A)
【文献】特開2017-182718(JP,A)
【文献】米国特許第6167905(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/06
F16K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開口した第1ケースと、
一面が開口し、側面に取付け孔を有する第2ケースと、
孔及び支持部を有し、前記取付け孔に取付けられたプランジャガイドと、
ステムを有し、前記第1ケースの一面と前記第2ケースの一面とにより挟まれたダイヤフラムプレートアセンブリと、
側面に開口部を有し、一端に一次側配管が連結され、他端に二次側配管が連結される配管連結部と、
前記配管連結部の内部に設けられ、前記一次側配管側と前記二次側配管側との境目部分での流路を構成するオリフィスと、
前記孔に挿入されたプランジャと、
先端が前記ステムに挿入され、根元に前記プランジャの一端が連結されたカム部を有し、前記支持部に回動自在に連結されたレバーと、
前記開口部を介して前記プランジャの他端に接続され、前記オリフィスの一端に当接可能に対向されたプラグと
を備えた弁装置。
【請求項2】
前記プランジャガイドは、前記支持部が前記第2ケース側に位置するように前記取付け孔に取付けられた
ことを特徴とする請求項1記載の弁装置。
【請求項3】
前記プランジャガイドは、前記支持部が前記ダイヤフラムプレートアセンブリ側に位置するように前記取付け孔に取付けられた
ことを特徴とする請求項1記載の弁装置。
【請求項4】
前記プランジャガイドは、前記支持部に設けられた支点軸受け溝を有し、
前記レバーは、
前記支点軸受け溝に嵌め込まれた支点軸と、
前記支点軸を前記支点軸受け溝側に固定する頭部を有するピンとを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載の弁装置。
【請求項5】
前記プランジャガイドは、前記支持部に設けられたガイド側支点軸受け孔を有し、
前記レバーは、
レバー側支点軸受け孔と、
前記ガイド側支点軸受け孔を介して前記レバー側支点軸受け孔に挿入された支点軸とを有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レバーを用いてプラグの開閉を行う弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レバーを用いてプラグの開閉を行うレバー式の整圧器が知られている(例えば特許文献1~3参照)。整圧器は、一次側配管内の圧力(一次圧力)に対して二次側配管内の圧力(二次圧力)を減圧する機器であり、二次側配管内を流れる流体の流量の変化に関わらず二次圧力を一定に保つ機能を有している。
【0003】
同様に、レバーを用いてプラグの開閉を行うレバー式の安全弁も知られている。安全弁は、一次圧力が上昇して規定圧力を超えた場合にプラグを開いて流体を一次側配管から二次側配管へと排出させ、一次圧力が規定圧力以下となった場合にプラグを閉じる機器である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4814295号
【文献】特許第4814296号
【文献】特許第4260839号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レバー式の整圧器が有する部品とレバー式の安全弁が有する部品はほぼ同一である。一方で、この整圧器と安全弁とでは、レバーの支点の位置が異なる。そのため、従来では、レバーの支点の位置を変えるための部材が別途必要となる。
【0006】
例えば図7に示すように、整圧器では、レバー1bの支点の位置が下側となっている。そのため、図7に示す整圧器では、下ケース2bに支持部201bが設けられ、この支持部201bにレバー1bが回動自在に連結されている。なお図7において、符号3bは上ケースを示している。
一方、例えば図8に示すように、安全弁では、レバー1bの支点の位置が上側となっている。そのため、図8に示す安全弁では、下ケース2bに設けられた支持部201bを用いることができず、専用部品4bが上側に取付けられ、この専用部品4bが有する支持部401bにレバー1bが回動自在に連結されている。このように、従来構成では、安全弁を構成する場合に、整圧器で用いた部品の他に、専用部品4bが別途必要となる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、専用部品を用いずに、共通の部品で整圧器及び安全弁を構成可能となる弁装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る弁装置は、一面が開口した第1ケースと、一面が開口し、側面に取付け孔を有する第2ケースと、孔及び支持部を有し、取付け孔に取付けられたプランジャガイドと、ステムを有し、第1ケースの一面と第2ケースの一面とにより挟まれたダイヤフラムプレートアセンブリと、側面に開口部を有し、一端に一次側配管が連結され、他端に二次側配管が連結される配管連結部と、配管連結部の内部に設けられ、一次側配管側と二次側配管側との境目部分での流路を構成するオリフィスと、孔に挿入されたプランジャと、先端がステムに挿入され、根元にプランジャの一端が連結されたカム部を有し、支持部に回動自在に連結されたレバーと、開口部を介してプランジャの他端に接続され、オリフィスの一端に当接可能に対向されたプラグとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、上記のように構成したので、専用部品を用いずに、共通の部品で整圧器及び安全弁を構成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る整圧器の構成例を示す断面図である。
図2】実施の形態1に係る整圧器の別の構成例を示す断面図である。
図3図3A図3Bは、実施の形態1におけるプランジャガイドの構成例を示す図(図1に示すA-A線断面図)である。
図4図4A図4Cは、従来のレバーの支点部の連結例を示す図(図7に示すC-C線断面図)である。
図5図5A図5Bは、実施の形態1におけるレバーの支点部の連結例を示す図(図1に示すB-B線断面図)である。
図6】実施の形態1に係る安全弁の構成例を示す断面図である。
図7】従来の整圧器の構成例を示す断面図である。
図8】従来の安全弁の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る整圧器(弁装置)の構成例を示す断面図である。
整圧器は、一次側配管(不図示)と二次側配管(不図示)との間に設けられ、一次側配管内の圧力(一次圧力)に対して二次側配管内の圧力(二次圧力)を減圧する機器である。この整圧器は、二次側配管を流れる流体の流量変化に関わらず二次圧力を一定に保つ機能を有している。この整圧器は、レバー式の整圧器である。また、流体としては、例えばガス又は水が挙げられる。
【0012】
整圧器は、図1に示すように、上ケース(第1ケース)1、下ケース(第2ケース)2、プランジャガイド3、スプリング4、圧力調整ねじ5、蓋部6、ダイヤフラムプレートアセンブリ7、配管連結部8、オリフィス9、レバー10、プランジャ11及びプラグ12を備えている。
【0013】
上ケース1は、下面(一面)が開口した箱状部材である。上ケース1には、上面(上記一面に対向する面)に、スプリング収納部101が設けられている。また、上ケース1には、上面に、外部(大気)に通じた通気口102が設けられている。
スプリング収納部101は、上面(端面)が開口した円筒状部材であり、スプリング4を収納する。スプリング収納部101には、内周面に、雌ねじが形成されている。
【0014】
下ケース2は、上面(一面)が開口した箱状部材である。下ケース2には、側面に、取付け孔201が設けられている。なお、取付け孔201の形状は、プランジャガイド3の向きを上下反対にしてもプランジャガイド3を取付け孔201に取付け可能な形状であればよく、例えば円状又は角状に構成されている(図3参照)。
【0015】
上ケース1の下面と下ケース2の上面は、ダイヤフラムプレートアセンブリ7を挟んで対向され、ボルト等の締結部材により接続されている。
【0016】
上ケース1及びダイヤフラムプレートアセンブリ7により構成された空間は、大気圧室13となる。大気圧室13には、通気口102を介して空気(大気)が流入出される。
下ケース2及びダイヤフラムプレートアセンブリ7により構成された空間は、圧力感知室14となる。圧力感知室14には、プランジャガイド3が有する後述する連通部302を介して二次側配管を流れる流体の一部が流入出される。
【0017】
プランジャガイド3は、下ケース2が有する取付け孔201に取付けられ、プランジャ11の移動をガイドする。このプランジャガイド3には、孔301及び連通部302(不図示)が設けられている。孔301は、後述する圧力感知室14側と配管連結部8が有する後述する開口部802側との間に設けられ、プランジャ11を挿入可能な孔である。連通部302は、圧力感知室14と開口部802とを連通するように設けられている。連通部302は、孔301とは別に構成されていてもよいし、孔301の径をプランジャ11の径に対して十分大きくすることで構成されていてもよい。また、プランジャガイド3には、一端(圧力感知室14側)に、支持部303が設けられている。支持部303には、レバー10の後述する支点部側を挿入可能とするレバー挿入溝304が設けられている(図5参照)。支持部303は、下側(下ケース2側)に位置している。
【0018】
プランジャガイド3は、図1に示すように、軸心周りへの位置がずれないようにピン等により位置決めが行われた上で、下ケース2と配管連結部8との間に挟み込まれて固定されてもよい。また、プランジャガイド3は、図2に示すように、下ケース2にボルト18等の締結部材により締結されることで固定されてもよい。
【0019】
また、プランジャガイド3は、図3に示すように、軸方向から見た形状が、例えば円状又は角状に構成されている。なお図3Bに示すプランジャガイド3では、八角状に構成されることで、下ケース2との間で四隅に連通部302が形成されている。
【0020】
スプリング4は、スプリング収納部101に収納されたばね部材であり、一端がダイヤフラムプレートアセンブリ7(後述するプレート16)の上面に当接され、他端が圧力調整ねじ5の下面に接続されている。このスプリング4は、プレート16を圧力感知室14側へと付勢する。
【0021】
圧力調整ねじ5は、外周面に雄ねじが形成され、スプリング収納部101が有する雌ねじに螺合された円盤状のねじ部材である。圧力調整ねじ5は、ユーザによりねじ締めされることで、スプリング収納部101内で圧力調整ねじ5の軸心方向に移動する。そして、ユーザは、圧力調整ねじ5を移動させることで、スプリング4による付勢力(整圧器の圧力)を調整可能である。
【0022】
蓋部6は、スプリング収納部101の端面に取付けられている。蓋部6は、外周面の一部に雄ねじが形成され、スプリング収納部101が有する雌ねじに螺合されている。
【0023】
ダイヤフラムプレートアセンブリ7は、ダイヤフラム15及びプレート16を有している。
ダイヤフラム15は、中空円盤状の弾性部材であり、外周部分が上ケース1及び下ケース2により挟み込まれて支持されている。ダイヤフラム15は、大気圧室13内のスプリング4による付勢力と圧力感知室14内の二次圧力との関係に応じて弾性変形する。
プレート16は、ダイヤフラム15の略中心の位置に設けられた円板状部材であり、ダイヤフラム15の上面に取付けられている。プレート16は、ダイヤフラム15の弾性変形に伴ってプレート16の軸心方向に移動する。また、プレート16は、略中心の位置にステム17を有している。
【0024】
ステム17は、棒状部材であり、プレート16に当該プレート16の軸心方向を向いて取付けられている。ステム17には、先端(下ケース2に対向した端部)側に、孔1701が設けられている。孔1701は、ステム17の軸心方向とは垂直な方向に向かって貫通した孔である。孔1701は、断面形状が、上面及び下面が山型である形状とされている。ステム17は、プレート16の移動に伴ってステム17の軸心方向に移動する。
【0025】
配管連結部8は、両端面が開口した円筒状部材であり、一端に一次側配管が連結され、他端に二次側配管が連結される。また、配管連結部8には、内部に、オリフィス9を取付けるための取付部801が設けられている。また、配管連結部8には、取付部801より他端側の側面に、開口部802が設けられている。配管連結部8は、ボルト等の締結部材により下ケース2の側面に接続され、開口部802がプランジャガイド3が有する孔301及び連通部302に連通されている。
【0026】
オリフィス9は、両端面が開口した円筒状部材であり、取付部801に取付けられている。オリフィス9は、配管連結部8内において、一次側配管側と二次側配管側との境目部分での流路を構成する。
【0027】
レバー10は、頂点部分に突起部1001を有する板状部材である。突起部1001は、ステム17が有する孔1701に挿入されている。また、レバー10には、底辺部分の一端側に、支点部1002が設けられている。支点部1002は、プランジャガイド3が有する支持部303に回動自在に連結され、レバー10の回動支点となる。また、レバー10には、底辺部分の他端側に、カム部1003が設けられている。カム部1003は、プランジャ11の一端が接続され、レバー10の回動に伴ってプランジャ11を移動させる。レバー10は、支点部1002が下側(下ケース2側)に位置し、カム部1003が上側(ダイヤフラムプレートアセンブリ7側)に位置している。
【0028】
以下に、レバー10の支点部1002の連結方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4では従来の整圧器でのレバー1bの支点部101bの連結方法を示し、図5では実施の形態1に係る整圧器でのレバー10の支点部1002の連結方法を示している。
【0029】
従来の整圧器では、図4A及び図4Bに示すように、下ケース2bの支持部201bに支点軸受け溝202bが設けられ、レバー1bの支点部101bに、レバー1bとは垂直な方向に取付けられた支点軸102bが設けられている。そして、図4A及び図4Bに示す構成では、支点軸102bが支点軸受け溝202bに嵌め込まれることで、レバー1bが下ケース2bに回動自在に固定される。図4Bに示す構成では、更に、支持部201bの上方からピン103bが挿入され、ピン103bの頭部により支点軸102bが支点軸受け溝202b側に固定されることで、レバー1bが下ケース2bに回動自在に固定される。このように、図4A及び図4Bに示す構成では、下ケース2bに支持部201bが設けられている。そのため、この構成では、レバー1bを取外す場合には、上ケース3b(図7参照)側の分解が必要となる。
【0030】
また図4Cでは、下ケース2bの支持部201bに支点軸受け孔203bが設けられ、レバー1bの支点部101bに支点軸受け孔104b及び支点軸105bが設けられている。そして、図4Cに示す構成では、支点軸受け孔104bの位置が支点軸受け孔203bの位置に合わせられた後、支点軸105bが支点軸受け孔203bの外側から支点軸受け孔104b側に向かって挿入されることで、レバー1bが下ケース2bに回動自在に固定される。このように、図4Cに示す構成では、支点軸105bが下ケース2bの外部に設けられている。そのため、この構成では、支点軸105bを取外すと、レバー1bが脱落して下ケース2b内に取り残される可能性がある。また、レバー1bを取外せたとしても、組立ての際には上ケース3bを分解し、支点軸受け孔104b,203bの位置を合わせながら組立てを行う必要がある。更に、この構成では、支点軸105b周りが外気と導通するため、Oリング等によりシールする必要がある。
【0031】
これに対し、実施の形態1に係る整圧器では、図5Aに示すように、プランジャガイド3の支持部303に支点軸受け溝305が設けられ、レバー10の支点部1002に、レバー10とは垂直な方向に取付けられた支点軸1004、及び、ピン1005が設けられている。そして、図5Aに示す構成では、レバー10の支点部1002側がレバー挿入溝304に挿入されて支点軸1004が支点軸受け溝305に嵌め込まれた後、支持部303の上方からピン1005が挿入され、ピン1005の頭部により支点軸1004が支点軸受け溝305側に固定されることで、レバー10がプランジャガイド3に回動自在に固定される。
また図5Bでは、プランジャガイド3の支持部303に支点軸受け孔(ガイド側支点軸受け孔)306が設けられ、レバー10の支点部1002に、支点軸受け孔(レバー側支点軸受け孔)1006、及び、支点軸1007が設けられている。そして、図5Bに示す構成では、レバー10の支点部1002側がレバー挿入溝304に挿入されて支点軸受け孔1006の位置が支点軸受け孔306の位置に合わせられた後、支点軸1007が支点軸受け孔306の外側から支点軸受け孔1006側に向かって挿入されることで、レバー10がプランジャガイド3に回動自在に固定される。
このように、図5A及び図5Bに示す構成では、レバー10がプランジャガイド3に固定されている。これにより、上ケース1を分解することなく、プランジャガイド3と一緒にレバー10を引抜くことが可能となり、組立ても可能である。更に、この構成では、支点軸1004,1007周りが外気と導通しないため、シールの必要がなく、外部漏洩の心配もない。
【0032】
レバー10は、ステム17が下方に移動することにより突起部1001が押下げられると、支点部1002を中心にして回動し、この回動に伴ってカム部1003によりプランジャ11を手前に引き寄せるように移動させる。一方、レバー10は、ステム17が上方に移動することにより突起部1001が押上げられると、支点部1002を中心にして回動し、この回動に伴ってカム部1003によりプランジャ11を奥に押し出すように移動させる。
【0033】
プランジャ11は、プランジャガイド3が有する孔301に挿入され、一端(圧力感知室14側の端部)がカム部1003に接続され、他端(配管連結部8側の端部)にプラグ12が接続されている。プランジャ11は、レバー10の回動に伴って孔301に沿ってプランジャ11の軸心方向に移動する。
【0034】
プラグ12は、プランジャ11の他端に接続された弁であり、オリフィス9の一端に当接可能に対向配置されている。すなわち、プラグ12は、プランジャ11の移動に伴って移動し、オリフィス9を開閉する。このプラグ12により、一次側配管と二次側配管との間の流路の開度が調整され、一次側配管から二次側配管への流体の流量が調整されて二次側配管内の二次圧力が調整される。
【0035】
一方、図6は実施の形態1に係る安全弁(弁装置)の構成例を示す断面図である。
安全弁は、一次側配管と二次側配管との間に設けられ、一次圧力が上昇して規定圧力を超えた場合にプラグ12を開いて流体を一次側配管から二次側配管へと排出させ、一次圧力が規定圧力以下となった場合にプラグ12を閉じる機器である。この安全弁は、レバー式の安全弁である。また、流体としては、例えばガス又は水が挙げられる。
【0036】
安全弁は、図6に示すように、上ケース(第1ケース)1、下ケース(第2ケース)2、プランジャガイド3、スプリング4、圧力調整ねじ5、蓋部6、ダイヤフラムプレートアセンブリ7、配管連結部8、オリフィス9、レバー10、プランジャ11及びプラグ12を備えている。
【0037】
図6に示す安全弁において、上ケース1、下ケース2、スプリング4、圧力調整ねじ5、蓋部6、ダイヤフラムプレートアセンブリ7、オリフィス9、プランジャ11及びプラグ12の構成及び配置関係は、図1に示す整圧器と同様である。
【0038】
また、図6に示す安全弁において、プランジャガイド3、配管連結部8及びレバー10の構成は、図1に示す整圧器と同様である。一方、図6に示す安全弁において、プランジャガイド3、配管連結部8及びレバー10の配置関係は、図1に示す整圧器とは異なる。
【0039】
具体的には、図6に示す安全弁では、プランジャガイド3が有する支持部303が、上側(ダイヤフラムプレートアセンブリ7側)に位置している。また、レバー10は、支点部1002が上側(ダイヤフラムプレートアセンブリ7側)に位置し、カム部1003が下側(下ケース2側)に位置している。すなわち、図6に示す安全弁が有するプランジャガイド3及びレバー10の向きは、図1に示す整圧器が有するプランジャガイド3及びレバー10の向きに対して上下が反対となっている。
【0040】
また、図6に示す安全弁では、配管連結部8の一端に二次側配管が連結され、他端に一次側配管が連結される。すなわち、図6に示す安全弁が有する配管連結部8の向きは、図1に示す整圧器が有する配管連結部8の向きに対して上下が反対となっている。
【0041】
そして、レバー10は、ステム17が下方に移動することにより突起部1001が押下げられると、支点部1002を中心にして回動し、この回動に伴ってカム部1003によりプランジャ11を奥に押し出すように移動させる。一方、レバー10は、ステム17が上方に移動することにより突起部1001が押上げられると、支点部1002を中心にして回動し、この回動に伴ってカム部1003によりプランジャ11を手前に引き寄せるように移動させる。
【0042】
従来の整圧器では、例えば図7に示すように、下ケース2bに支持部201bが設けられ、この支持部201bにレバー1bが回動自在に連結されている。そのため、整圧器の部品を用いて安全弁を構成する場合には、例えば図8に示すように、下ケース2bに設けられた支持部201bを用いることができず、専用部品4bを上側に取付け、この専用部品4bが有する支持部401bにレバー1bを回動自在に連結する必要がある。
これに対し、実施の形態1に係る弁装置では、支持部303は、下ケース2とは別体であるプランジャガイド3に設けられている。そのため、このプランジャガイド3及びレバー10の向きを変えることで、部品の変更、追加及び削除を行うことなく、共通の部品で整圧器と安全弁とを構成可能となる。具体的には、整圧器を構成する場合には支持部303を下側(下ケース2側)に向け、安全弁を構成する場合には支持部303を上側(ダイヤフラムプレートアセンブリ7側)に向ける。
【0043】
なお上記では、レバー式の弁装置としてレバー10及びピン状のプランジャ11を用いた構成を示した。しかしながら、これに限らず、その他のレバー式の弁装置を用いてもよく、例えばピン状のプランジャ11に変えてギアを有するプランジャを用いてもよい。
【0044】
以上のように、この実施の形態1によれば、弁装置は、一面が開口した上ケース1と、一面が開口し、側面に取付け孔201を有する下ケース2と、孔301及び支持部303を有し、取付け孔201に取付けられたプランジャガイド3と、ステム17を有し、上ケース1の一面と下ケース2の一面とにより挟まれたダイヤフラムプレートアセンブリ7と、側面に開口部802を有し、一端に一次側配管が連結され、他端に二次側配管が連結される配管連結部8と、配管連結部8の内部に設けられ、一次側配管側と二次側配管側との境目部分での流路を構成するオリフィス9と、孔301に挿入されたプランジャ11と、先端がステム17に挿入され、根元にプランジャ11の一端が連結されたカム部1003を有し、支持部303に回動自在に連結されたレバー10と、開口部802を介してプランジャ11の他端に接続され、オリフィス9の一端に当接可能に対向されたプラグ12とを備えた。これにより、実施の形態1に係る弁装置は、整圧器と安全弁とを共通の部品で構成可能となる。
【0045】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 上ケース(第1ケース)
2 下ケース(第2ケース)
3 プランジャガイド
4 スプリング
5 圧力調整ねじ
6 蓋部
7 ダイヤフラムプレートアセンブリ
8 配管連結部
9 オリフィス
10 レバー
11 プランジャ
12 プラグ
13 大気圧室
14 圧力感知室
15 ダイヤフラム
16 プレート
17 ステム
18 ボルト
101 スプリング収納部
102 通気口
201 取付け孔
301 孔
302 連通部
303 支持部
304 レバー挿入溝
305 支点軸受け溝
306 支点軸受け孔(ガイド側支点軸受け孔)
801 取付部
802 開口部
1001 突起部(力点部)
1002 支点部
1003 カム部
1004 支点軸
1005 ピン
1006 支点軸受け孔(レバー側支点軸受け孔)
1007 支点軸
1701 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8