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特許7382410高電圧リーク検出のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-08
(45)【発行日】2023-11-16
(54)【発明の名称】高電圧リーク検出のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/40 20060101AFI20231109BHJP
【FI】
G01M3/40 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021540133
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020026398
(87)【国際公開番号】W WO2020247053
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】16/434,546
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518272382
【氏名又は名称】パッケージング テクノロジーズ アンド インスペクション、エルエルシイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トレロアー、ロス
(72)【発明者】
【氏名】オサリバン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ、ハインツ
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-264190(JP,A)
【文献】特開昭53-010485(JP,A)
【文献】特表2008-510999(JP,A)
【文献】特開2004-108817(JP,A)
【文献】特開2003-194662(JP,A)
【文献】特表2013-515967(JP,A)
【文献】国際公開第2013/011329(WO,A2)
【文献】特表2005-505766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00- 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験インターフェースを有するリーク検出システムであって、
前記試験インターフェースが、
パッケージを保持する及び回転させるように構成された回転ホルダーと、
前記パッケージが高電圧リーク検出(HVLD)装置を使用して検査される前及び検査されている最中のうちの少なくとも一方において、前記パッケージに圧力を印加するようにプランジャーを作動させるように構成されたプランジャー装置であって、前記プランジャー装置は、前記パッケージのストッパーに圧力を印加するように構成され、前記ストッパーは、前記パッケージの中に適合し、前記パッケージの開口部をシールし、前記パッケージとともに回転するように構成され、また前記プランジャー装置は、前記パッケージと接触して前記パッケージとともに回転するように構成されたエンド・エフェクターを含む、プランジャー装置と、
前記試験インターフェースを動作させるように、及び前記試験インターフェースの動作を前記HVLD装置の動作と整合させるように構成されたコントローラーと
を有している、リーク検出システム。
【請求項2】
前記回転ホルダー及び前記プランジャー装置は、1つの一体的なピースである、請求項1に記載のリーク検出システム。
【請求項3】
前記プランジャーは、金属、金属合金、ポリマー、セラミック、複合材、又はそれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載のリーク検出システム。
【請求項4】
前記プランジャーは、導電性である、請求項1に記載のリーク検出システム。
【請求項5】
前記プランジャー装置は、前記プランジャーを作動させるためのリニア・アクチュエーターを有し、前記リニア・アクチュエーターは、空気圧式アクチュエーター、ソレノイド・アクチュエーター、又はリード・スクリューを有する、請求項1に記載のリーク検出システム。
【請求項6】
高電圧リーク検出(HVLD)検査のためのリーク試験インターフェースであって、
パッケージを保持する及び回転させるように構成された回転ホルダーと、
前記パッケージがHVLD装置を使用して検査される前及び/又は検査されている最中に、前記パッケージのストッパーに圧力を印加するようにプランジャーを作動させるように構成されたプランジャー装置であって、前記ストッパーは、前記パッケージの中に適合し、前記パッケージの開口部をシールするように構成され、前記回転ホルダー及び前記プランジャー装置は、2つの別個のピースであり、前記回転ホルダーは、回転シャフトを有し、前記回転シャフトは、前記パッケージに接触して回転させるように構成された1つ又は複数のローラーに連結され、また前記プランジャー装置は、前記パッケージと接触して前記パッケージとともに回転するように構成されたエンド・エフェクターを有している、プランジャー装置と
を有する、リーク試験インターフェース。
【請求項7】
前記回転ホルダー及び前記プランジャー装置は、1つの一体的なピースであり、前記パッケージの遠位端部から前記パッケージを回転させるための回転メカニズムを有する、請求項6に記載のリーク試験インターフェース。
【請求項8】
前記プランジャーは、金属、金属合金、ポリマー、セラミック、複合材、又はそれらの任意の組み合わせを有する、請求項6に記載のリーク試験インターフェース。
【請求項9】
前記プランジャーは、導電性である、請求項6に記載のリーク試験インターフェース。
【請求項10】
前記プランジャー装置は、前記プランジャーを作動させるためのリニア・アクチュエーターを有し、前記リニア・アクチュエーターは、空気圧式アクチュエーター、ソレノイド・アクチュエーター、又はリード・スクリューを有する、請求項6に記載のリーク試験インターフェース。
【請求項11】
前記試験インターフェースを動作させて前記HVLD装置の動作と整合させるように構成されたコントローラーを有する、請求項6に記載のリーク試験インターフェース。
【請求項12】
高電圧リーク検出(HVLD)検査のための方法であって、
検査電極及び検出電極を有するスキャナーを使用してパッケージを検査するように構成されたHVLD装置を提供するステップと、
回転ホルダー及びプランジャー装置を有する試験インターフェースを提供するステップと、
前記試験インターフェースに前記パッケージを装着するステップであって、前記パッケージは、前記パッケージの中に適合して前記パッケージの開口部をシールするように構成されたストッパーを有している、ステップと、
前記回転ホルダーを使用して前記パッケージを回転させるステップと、
前記プランジャー装置を使用して、内向き方向に前記ストッパーに圧力を印加するステップと、
前記圧力が印加されたときに前記パッケージを回転させるステップと、
前記HVLD装置を使用して前記パッケージを検査するステップであって、前記ストッパーを検査するステップと、前記パッケージの残りの部分を検査するステップとを含む、前記パッケージを検査するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
前記パッケージを検査する前及び/又は検査している最中に前記圧力を印加するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
印加される前記圧力がない状態で前記パッケージを回転させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高電圧リーク検出のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧リーク検出(HVLD)は、漏出を検査するための新しく出現した技術のうちの1つである。HVLDは、非導電性のパッケージ又はコンテナの内側の導電性の物質に高電圧電位を印加することによって動作する。パッケージの内側の物質とHVLD電極との間に放電が検出されるときに、欠陥が識別される。たとえば、HVLD試験プロセスは、液体を含有するシールされたパッケージをスキャンする1セットの電極を含むことが可能である。1セットの電極の間に電流又は電圧が存在することは、パッケージ・クロージャーの破損を示しており、それは、亀裂、ピン・ホール、又はシール不完全の存在に起因する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
1つの実施例では、リーク検出システムは、試験インターフェースを含み、試験インターフェースは、パッケージを保持して回転させるように構成されている回転ホルダーを含む。試験インターフェースは、パッケージが高電圧リーク検出(HVLD)装置を使用して検査される前及び/又は間に、パッケージに圧力を印加するようにプランジャーを作動させるように構成されているプランジャー装置を含む。また、試験インターフェースは、試験インターフェースを動作させ、試験インターフェースの動作をHVLD装置の動作と協働させるように構成されているコントローラーを含む。
【0004】
別の実施例では、高電圧リーク検出(HVLD)検査のためのリーク試験インターフェースは、パッケージを保持して回転させるように構成されている回転ホルダーを含む。試験インターフェースは、パッケージがHVLD装置を使用して検査される前及び/又は間に、パッケージのストッパーに圧力を印加するようにプランジャーを作動させるように構成されているプランジャー装置を含む。ストッパーは、パッケージの中にフィット(適合)し、パッケージの開口部をシールするように構成されている。
【0005】
別の実施例では、高電圧リーク検出(HVLD)検査のための方法は、検査電極及び検出電極を使用してパッケージを検査するように構成されているHVLD装置を提供するステップを含む。方法は、回転ホルダー及びプランジャー装置を含む試験インターフェースを提供するステップを含む。方法は、試験インターフェースの上にパッケージを装着するステップであって、パッケージは、ストッパーを含み、ストッパーは、パッケージの中にフィットし、パッケージの開口部をシールするように構成されている、ステップを含む。方法は、回転ホルダーを使用してパッケージを回転させるステップと、プランジャー装置を使用して、内向き方向にストッパーに圧力を印加するステップとを含む。また、方法は、HVLD装置を使用してパッケージを検査するステップを含む。
【0006】
この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するように、単にいくつかの例示的な実施例を要約する目的のためだけに提供されているに過ぎない。したがって、上述の実例は、決して、本開示の範囲又は要旨を狭めるように解釈されるべきではないということが認識されることとなる。他の実例、実施例、態様、及び利点は、添付の図面と併用される以下の詳細な説明から明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】プランジャー装置と、シリンジを保持する回転ホルダーとを含む例示的な試験インターフェースの斜視図である。
図2】プランジャー装置と、ニードル・シリンジを保持する回転ホルダーとを含む、図1の試験インターフェースの上面図である。
図3】1つの一体的なピースとして構築されたプランジャー装置及び回転ホルダーを含む例示的な試験インターフェースの斜視図である。
図4図3の試験インターフェースの上面図である。
図5】試験インターフェース及びHVLD装置を含むリーク検出システムのダイアグラムである。
図6図5のリーク検出システムを使用するHVLD検査のための例示的な方法を示す図である。
図7(a)】図5のリーク検出システムを使用してパッケージを検査する例示的なプロセスを図示する概略図である。
図7(b)】図5のリーク検出システムを使用してパッケージを検査する例示的なプロセスを図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、本出願に説明されている特定の実施例(それらは、単に、さまざまな態様の図示として意図されているに過ぎない)の観点から限定されない。当業者には明らかになることとなるように、多くの修正例及び変形例が、本発明の範囲を逸脱することなく作製され得る。本明細書で列挙されているものに加えて、本開示の範囲の中の機能的に同等の方法が、以下の説明から当業者に明らかになることとなる。そのような修正例及び変形例は、添付の特許請求の範囲の中に入ることが意図されている。本明細書で使用されている専門用語は、特定の実施例を説明する目的のためだけのものであり、限定することを意図していない。
【0009】
本開示は、たとえば、Packaging Technologies and Inspection,LLCによって製造されている高電圧漏出検出(HVLD)のためのシステム及び方法に関する。いくつかの実例において、システム及び/又は方法は、検出可能な欠陥サイズを低減させ、及び/又は、HVLD検出の信頼性を改善しようとする。検査電極間の電流又は電圧の存在は、パッケージ・クロージャーの破損を示している可能性があり、それは、亀裂、ピン・ホール、又はシール不完全の存在に起因する可能性がある。しかし、小さい又は部分的に充填された欠陥を検出することに関連付けられる課題が存在している。たとえば、欠陥は、あまりに小さ過ぎるか、又は、非導電性物質によって少なくとも部分的に充填され得、パッケージの中に含有されている液体が、小さいか又は少なくとも部分的に充填された欠陥を通る電流経路を確立することができないようになっている。結果として、欠陥が存在しているときでも、電流又は電圧が検出されず、不正確な又は信頼性の低い漏出検出につながる。
【0010】
実例では、ゴム・ストッパーによってシールされた1ミリリットル(mL)プレフィルド・シリンジ(PFS)のショルダー部において、2ミクロン(pm)のレーザー・ドリル加工された欠陥を検出するために、HVLD検査が実施されるときに、PFSのショルダー部における欠陥は、正確に検出さない可能性がある。とりわけ、シリンジの内側にあるシリコンの層は、欠陥を凝固させている可能性があり、不正確な検出につながる。したがって、本明細書で説明されているシステム及び方法は、上に記載されている欠点を克服するように構成されている。本明細書で説明されているシステム及び方法は、HVLD検査の前及び/又は間に、パッケージ又はストッパーに圧力を印加するステップを含むことが可能である。内部圧力の上昇は、欠陥が存在している場合には、液体が欠陥を通って退出することを支援することが可能であり、したがって、HVLD検査の信頼性及び精度を改善する。
【0011】
図1は、本開示の実施例による、パッケージ12に圧力を印加するように構成されている例示的な試験インターフェース10の斜視図を示している。試験インターフェース10は、回転ホルダー14を含むことが可能であり、回転ホルダー14は、パッケージ12を保持して回転させるように構成されている。試験インターフェース10は、プランジャー装置16を含むことが可能であり、プランジャー装置16は、パッケージ12が高電圧リーク検出(HVLD)装置を使用して検査される前及び/又は間に、プランジャー18を作動させ、パッケージ12に接触し、パッケージ12に圧力を印加するように構成されている。いくつかの実例において、プランジャー18は、HVLD試験の直前に、パッケージ12に接触し、パッケージ12に圧力を印加する。
【0012】
パッケージ12は、任意の適切な形状を有することが可能であり、任意の適切な非導電性材料(たとえば、ポリマー、ガラス、セラミック、複合材など)から作製され、パッケージ12の中に液体20を含有することが可能である。図示されている実施例において、パッケージ12は、第1の遠位端部24及び第2の遠位端部26を有するシリンジ22であり、ストッパー28を含み、ストッパー28は、シリンジ22の中にフィットし、シリンジ22の開口部30をシールするように構成されている。ストッパー30は、任意の適切な非導電性材料から作製され得、また、シリンジ22の内側表面と緊密な締まり嵌めを形成し、開口部30をシールするために任意の適切な形状になっていることが可能である。たとえば、ストッパー30は、開口部30の直径と実質的に等しいか又はそれよりもわずかに大きい直径を有する円筒状の形状を有するゴム・ストッパーであることが可能である。ストッパー30は、開口部30との締まり嵌めを形成するために、開口部30の直径よりもわずかに大きい直径を有することが可能である。
【0013】
図示されている実施例において、回転ホルダー14は、シリンジ22を保持するように構成されているリテイナー32と、シリンジ22を回転させるように構成されている回転メカニズム33とを含む。回転メカニズム33は、1つ又は複数のシャフト34を含むことが可能であり、1つ又は複数のシャフト34は、モーターによって駆動されるドライバー・シャフト36に連結されている。また、回転メカニズム33は、1つ又は複数のローラー38を含むことが可能であり、1つ又は複数のローラー38は、1つ又は複数のシャフト34の少なくとも一部分を取り囲むように配設されている。シリンジ22が回転ホルダー14によって保持されているときには、シリンジ22は、リテイナー32及び1つ又は複数のシャフト34の上に載っている(たとえば、1つ又は複数のローラー38と接触している)。1つ又は複数のシャフト34の長手方向は、試験インターフェース10の長手方向又はスキャン方向40に対して実質的に平行である。
【0014】
いくつかの実施例において、リテイナー32は、第2の遠位端部26からシリンジ22を保持するための嵌合インターフェース42を含むことが可能である。嵌合インターフェース42は、シリンジ22の第2の遠位端部26に一致させられた形状を有し、第2の遠位端部26を受け入れ、長手方向40へのシリンジ22の任意の運動を制限することが可能である。たとえば、嵌合インターフェース42は、シリンジ22の第2の遠位端部26において半径方向の突出部を受け入れるための凹部又は溝部を含むことが可能であり、シリンジ22が回転ホルダー14によって保持されているときには、シリンジ22が第1の回転方向44又は第2の回転方向46に回転することができるが、長手方向40には移動することができないようになっている。いくつかの実施例において、嵌合インターフェース42は、任意の適切な材料から作製され得、又は、シリンジ22が回転するときに嵌合インターフェース42とシリンジ22との間の摩擦を低減させるためのコーティングを含むことが可能である。
【0015】
ドライバー・シャフト36は、モーターに連結することが可能であり、第1の回転方向44又は第2の回転方向46への1つ又は複数のシャフト34の回転を駆動するように構成されている。1つ又は複数のローラー38は、1つ又は複数のシャフト34とともに回転するように構成されており(たとえば、1つ又は複数のローラー38は、1つ又は複数のシャフト34に非回転式に連結されている)、シリンジ22に接触し、シリンジ22の回転を駆動する。ローラー38は、シャフト34に緊密に一致するリング又はOリングであることが可能である。ローラー38は、シリンジ22の回転を駆動するのに十分な摩擦を提供するために、任意の適切な材料(たとえば、ゴム及びポリマーなど)から作製され得る。そのうえ、1つ又は複数のローラー38及びシリンジ22は、反対側方向に回転するように構成されている。たとえば、第1の回転方向44に回転している1つ又は複数のシャフト34及び1つ又は複数のローラー38は、第2の回転方向46に回転するようにシリンジ22を駆動し、又は、その逆もまた同様である。
【0016】
プランジャー装置16は、プランジャー18及びアクチュエーター50を含むことが可能であり、アクチュエーター50は、プランジャー18を作動させ、パッケージ12(たとえば、シリンジ22)に圧力を印加するように構成されている。図示されている実施例において、プランジャー18は、シリンジ22に接触するように構成されている遠位端部52においてエンド・エフェクター60を含み、プランジャー18は、また、プランジング・ロッド54を含み、プランジング・ロッド54は、アクチュエーター50に連結され、シリンジ22に向けて及びシリンジ22から離れるようにエンド・エフェクター60を移動させる。プランジャー18は、アクチュエーター50に取り外し可能に連結され得る。プランジャー18は、導電性又は非導電性であることが可能であり、任意の適切な材料(たとえば、金属、金属合金、ポリマー、セラミック、複合材、又はそれらの任意の組み合わせなど)から作製され得る。プランジャー18の遠位端部52は、シリンジ22の第2の遠位端部26に接触して圧力を印加するのに適切な寸法を有している。たとえば、プランジャー18の遠位端部52は、シリンジ22の開口部30の内径よりも小さい直径又は代表長さを有することが可能である。プランジャー18の遠位端部52は、任意の適切な形状及び任意の適切な寸法を有することが可能である。たとえば、プランジャー18の遠位端部52は、適切な圧力又は力をパッケージ12に提供するために、任意の適切な形状及び寸法を有することが可能である。いくつかの実施例において、プランジャー18の遠位端部52は、約5ミリメートル(mm)から約7mm、約5.5mmから約6.5mm、約5.8mmから約6.2mm、約6.1mm、又は約6.0mmの直径又は代表長さを有することが可能である。
【0017】
アクチュエーター50は、パッケージ12に向けて第1の方向又は内向き方向56に移動するか、又は、パッケージ12から離れるように第2の方向又は引き抜き方向58に移動する、プランジャー18を作動させるためのリニア・アクチュエーターであることが可能である。アクチュエーター50は、それに限定されないが、空気圧式のアクチュエーター、ソレノイド・アクチュエーター、及びリード・スクリューを含む、任意の適切なタイプのアクチュエーターであることが可能である。
【0018】
いくつかの実施例において、プランジャー18は、遠位端部52においてエンド・エフェクター60を含むことが可能である。エンド・エフェクター60は、パッケージ12に接触してパッケージ12とともに回転するように構成され得る。たとえば、エンド・エフェクター60は、軸受62又は任意の他の適切なメカニズムを含むことが可能であり、それは、遠位端部52に回転不可能に連結されており、プランジング・ロッド54に回転可能に連結されている。エンド・エフェクター60がパッケージ12(たとえば、シリンジ22)と接触しているときには、エンド・エフェクター60(たとえば、遠位端部52及び軸受62)は、パッケージ12とともに回転する。他の実例では、遠位端部52は、パッケージ12とともに回転せず、たとえば、遠位端部は、回転可能な軸受62に接続されておらず、パッケージ12に圧力を印加した後に、及び、試験インターフェース10がパッケージ12を回転させ始める(又は、回転させ続ける)前に、パッケージ12から離れるように移動する。また、試験インターフェース10は、任意の適切な装着特徴66を含むことが可能であり、試験インターフェース10がHVLD装置(たとえば、光学的レール)に連結されるか又はインターフェース接続されることを可能にする。
【0019】
動作時に、アクチュエーター50は、パッケージ12の第2の遠位端部26に接触するように、プランジャー18を作動させる。パッケージ12に働く圧力は、印加される力をパッケージ12とプランジャー18の間の接触面積で割ったものによって事前に決定される。印加される圧力は、パッケージ12(たとえば、シリンジ22)の内部圧力が上昇することを引き起こすことが可能である。たとえば、内向き方向56へのストッパー28に印加される圧力は、ストッパー28が圧縮することを引き起こすことが可能であり、及び/又は、パッケージ12の内側の流体20及び/又は空気がパッケージ12の内部表面に圧力(たとえば、外向きの圧力、剪断応力)を働かせることを引き起こすことが可能である。これらの内部圧力は、詰まった欠陥をクリアにし、及び/又は、液体20が欠陥を通って流れることを助けることが可能であり、それによって、HVLD検査の信頼性及び精度を改善し、非常に小さいサイズの欠陥でさえも検出され得る。
【0020】
いくつかの実施例において、図2に示されているように、パッケージ12は、ニードル・シリンジ70であることが可能であり、ニードル・シリンジ70は、バレル72、ニードル74、及びニードル・キャップ76を含む。図2は、試験インターフェース10によって保持されているニードル・シリンジ70の上面図を示している。図示されている実施例において、ニードル・シリンジ70は、1つ又は複数のシャフト34の上に載っている。バレル72は、リテイナー32によって保持されている。たとえば、バレル72の半径方向に突出する縁部は、嵌合インターフェース42(たとえば、凹部又は溝部)によって受け入れられており、ニードル・シリンジ70が、第1の回転方向44又は第2の回転方向46に回転することができるようになっているが、圧力がプランジャー18によってストッパー28に印加されているときでも、長手方向40には移動することができないようになっている。
【0021】
いくつかの実例において、回転ホルダー及びプランジャー装置は、1つの一体的なピース(one integral piece)として構築され得る。図3は、回転ホルダー14及びプランジャー装置16を1つの一体的なピースで有する試験インターフェース10によって保持されているパッケージ12(たとえば、ニードル・シリンジ70)の斜視図を示している。図示されている実施例において、ニードル・シリンジ70は、リテイナー32によって保持されており、回転メカニズム33によって連結/保持されている。回転メカニズム33は、スピナー80を含むことが可能であり、スピナー80は、ニードル・シリンジ70を保持して第1の回転方向44又は第2の回転方向46に回転させるように構成されている。リテイナー32は、非常に低いか又は実質的にゼロの摩擦でニードル・シリンジ70が容易に回転することを可能にするように構成され得る。スピナー80、リテイナー32、又はその両方は、ニードル・シリンジ70が長手方向40に移動することを抑制するように構成され得る。いくつかの実施例において、リテイナー32は、省略され得、スピナー80は、パッケージ12(たとえば、ニードル・シリンジ70)を保持して回転させるように構成されている。
【0022】
図4は、静止しているインターフェース10によって保持されているパッケージ(たとえば、ニードル・シリンジ70)の上面図を示しており、プランジャー18は、アクチュエーター50によって作動させられ、バレル72の内側に配設されているストッパー28に接触して圧力を印加する。プランジャー18の遠位端部52は、バレル72の内径よりも小さい直径又は代表長さを有している。遠位端部52は、バレル72の中へ挿入し、ストッパー28に圧力を印加する。
【0023】
試験インターフェース10は、任意の適切なHVLD装置と組み合わせて使用され、HVLD検査の信頼性及び精度を改善することを助けることが可能である。図5は、リーク検出システム90を示すダイアグラムであり、リーク検出システム90は、試験インターフェース10と、HVLD装置92と、試験インターフェース10及びHVLD装置92に動作可能に及び通信可能に連結されているコントローラー94とを含む。
【0024】
コントローラー94は、試験インターフェース10を動作させ、試験インターフェース10の動作をHVLD装置92の動作と協働させるように構成され得る。また、いくつかの実施例において、コントローラー94は、HVLD装置92を動作させるように構成され得る。コントローラー94は、任意の適切なプロセッサー(たとえば、マイクロプロセッサー、MOSFET、IGBTなど)及びメモリーを含むことが可能である。コントローラー94は、任意の適切なユーザー・インターフェース及び/又はディスプレイを含むことが可能であり、試験インターフェース10、HVLD装置92、又はその両方の動作を制御するための入力をユーザーがプログラム及び/又は提供することを可能にする。たとえば、コントローラー94は、ユーザーからインストラクションを受信することが可能であり、又は、特定の手順又は所定の手順に続いてパッケージ12を検査するように事前にプログラムされ得る。
【0025】
HVLD装置92は、パッケージ12に対してリーク検査を実施するための任意の適切なリーク検出回路又は装置であることが可能である。図示されている実施例において、HVLD装置92は、スキャナー95(たとえば、E-Scan TM)を含むことが可能であり、スキャナー95は、検査電極96及び検出電極98を含み、パッケージ12を検査する。検査電極96及び検出電極98は、パッケージ12の両側の近くに位置決めされ、及び/又は、パッケージ12の両側の近くに接触し、(たとえば、図1図4において長手方向又はスキャン方向40に)パッケージ12を横切ってスキャンし、パッケージ12を検査するように構成されている。
【0026】
図6は、リーク検出システム90を使用してパッケージを検査するための方法100を示している。本明細書で議論されているステップは、コントローラー94によって制御及び実行され得る。方法100は、検査電極及び検出電極を含むスキャナーを使用してパッケージを検査するように構成されているHVLD装置を提供するステップ102を含むことが可能である。たとえば、ステップ102は、HVLD装置92を提供するステップを含むことが可能であり、HVLD装置92は、検査電極96及び検出電極98を含むスキャナー95を含むことが可能である。
【0027】
方法100は、試験インターフェース(たとえば、試験インターフェース10)を提供するステップ104を含むことが可能であり、また、試験インターフェースの上にパッケージ(たとえば、パッケージ12)を装着するステップ106を含むことが可能である。試験インターフェース10は、HVLD装置92の付近に配向/位置決めされ、検査を可能にすることができ、又は、装着特徴66を使用してHVLD装置92に連結され得る。
【0028】
方法100は、試験インターフェース10の上にパッケージを装着するステップ106を含むことが可能である。いくつかの実施例において、ステップ106は、回転ホルダー14のリテイナー32及び1つ又は複数のシャフト34の上にパッケージ12(たとえば、シリンジ22、ニードル・シリンジ70)を装着するステップを含むことが可能である。いくつかの実施例において、ステップ106は、回転ホルダー14のスピナー80及び/又はリテイナー32の上にパッケージ12(たとえば、シリンジ22、ニードル・シリンジ70)を装着するステップを含むことが可能である。パッケージ12は、ストッパー(たとえば、ストッパー28)を含むことが可能であり、ストッパーは、パッケージ12の中にフィットし、パッケージ12をシールするように構成されている。パッケージ12は、液体(たとえば、液体20)によって事前に充填されている。
【0029】
方法100は、第1の回転方向44又は第2の回転方向46に、任意の適切な速度で、回転ホルダー14を使用してパッケージ12を回転させるステップ108を含むことが可能である。
【0030】
方法100は、試験の前及び/又は間にパッケージ12に圧力を印加するステップ110を含むことが可能である。たとえば、ステップ110は、長手方向40に移動するようにプランジャー18を作動させ、パッケージ12に(たとえば、ストッパー28に)接触して圧力を印加することを含むことが可能である。印加される圧力は、ストッパー28のサイズ、パッケージ12のサイズ、ストッパー28とパッケージ12の内側表面との間のフィッティング及び/又は摩擦、ストッパー28の機械的特性、パッケージ12の機械的特性、プランジャー18の寸法又はサイズ、プランジャー18とストッパー28との間の接触面積、又はそれらの組み合わせに基づく所定の値であることが可能である。いくつかの実施例において、圧力は、第1の閾値よりも大きくなっており、ストッパー28及び/又はパッケージ12の内側の液体若しくは空気を十分に圧縮することが可能である。圧力は、パッケージ12の変形又は破壊を引き起こす可能性のある第2の閾値よりも下方にあることが可能である。いくつかの実施例において、圧力は、ストッパー28の変位を引き起こす可能性のある第3の閾値を下回っていることが可能である。いくつかの実施例において、パッケージ12又はストッパー28に印加される力は、約15ニュートン(N)又は約187.5キロパスカル(kPa)である。いくつかの実施例において、十分な力が、ストッパー28に印加され、ストッパー28の1リブ以下の移動を維持する。
【0031】
方法100は、HVLD装置92を使用してパッケージ12を検査するステップ112を含むことが可能である。図7(a)及び図7(b)は、ステップ112の例示的なプロセスを図示する概略図を示している。たとえば、ステップ112は、パッケージ12の両側においてパッケージ12の近くに又はパッケージ12に接触するように、検査電極96及び検出電極98を移動させること、並びに、パッケージ12の所望の検査部分を横切って、検査電極96及び検出電極98を移動させることを含むことが可能である(たとえば、図7(a)及び図7(b)を参照)。検査電極96及び検出電極98は、長手方向又はスキャン方向40に移動することが可能である。検査電極96及び検出電極98は、実質的に同じ速度で一緒に移動することが可能であり、又は、異なる速度で移動することが可能である。所望の検査部分は、ストッパー28及び/又はパッケージ12の任意の他の部分を含むことが可能である。
【0032】
いくつかの実施例において、ステップ112は、ストッパー28を検査すること(たとえば、図7(a)を参照)、及び、パッケージ12の残りの部分を検査すること(たとえば、図7(b)を参照)を含むことが可能である。ストッパー28を検査することは、ストッパー28の近くに又はストッパー28に接触するようにプランジャー18の導電性のエンド・エフェクター60を移動させること、エンド・エフェクター60の近くに又はエンド・エフェクター60に接触するように検査電極96を移動させること、パッケージ12の近くに又はパッケージ12に接触するように検出電極98を移動させること、及び、ストッパー28が検査電極96と検出電極98との間にあるときにHVLD測定を行うことを含むことが可能である(たとえば、図7(a)を参照)。パッケージ12の残りの部分を検査することは、検出電極98の反対側において、パッケージ12の近くに又はパッケージ12に接触するように検査電極96を移動させること、並びに、HVLD測定を行いながら(たとえば、第2の遠位端部26から第1の遠位端部24へ)パッケージ12を横切って実質的に同じ速度で検査電極96及び検出電極98を移動させることを含むことが可能である(たとえば、図7(b)を参照)。いくつかの実施例において、プランジャー18(たとえば、エンド・エフェクター60)は、パッケージ12を検査する前に、ストッパー28から離れるように移動又は後退させられ得る。
【0033】
いくつかの実施例において、パッケージに圧力を印加するステップ(ステップ110)は、パッケージを検査するステップ(ステップ112)の前及び/又は間に起こることが可能である。いくつかの実施例において、方法100は、圧力がパッケージに印加されているときに(ステップ110)、パッケージを回転させるステップ(ステップ108)を含むことが可能である。たとえば、プランジャー装置16は、軸受62を備えたエンド・エフェクター60を含むことが可能であり、パッケージとの接触を維持しながら、エンド・エフェクター60がパッケージ12(たとえば、ストッパー28)とともに回転することを可能にする。いくつかの実施例において、方法100は、印加される圧力がない状態で、パッケージを回転させるステップ(ステップ108)を含むことが可能である(たとえば、ステップ108及びステップ110は、同時に起こらない)。
【0034】
非限定的な実例において、方法100は、説明されている順序で、以下のステップを含むことが可能である。
(a) パッケージ12を回転させるステップ、
(b) パッケージ12の回転を停止させ、ストッパー28に接触するように導電性のプランジャー18(たとえば、エンド・エフェクター60)を移動させ、パッケージ12に接触するように検出電極98を移動させ、プランジャー18に接触するように検査電極96を移動させ、ストッパー28が検査電極96と検出電極98との間にあるときにHVLD測定を行うステップ(たとえば、図7(a)を参照)、
(c) パッケージ12から離れるようにプランジャー18を後退させながらパッケージ12を回転させ、検出電極98の正反対側においてパッケージ12に接触するように検査電極96を移動させるステップ、
(d) パッケージ12が回転している間に第2の遠位端部26から第1の遠位端部24へ実質的に同じ速度で検査電極96及び検出電極98を移動させ、HVLD測定を行うステップ(たとえば、図7(b)を参照)、並びに、
(e) パッケージ12の回転を停止させ、検査電極96及び検出電極98を後退させるステップ。
【0035】
当業者は、本明細書で開示されているこの及び他のプロセス及び方法に関して、プロセス及び方法において実施される機能は、異なる順序で実装され得るということを認識することとなる。そのうえ、概説されたステップ及び動作は、単に実例として提供されているに過ぎず、ステップ及び動作のうちのいくつかは、随意的なものであり、より少ないステップ及び動作に組み合わせられ、又は、開示されている実施例の本質を損なうことなく、追加的なステップ及び動作に拡張され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】