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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-13
(45)【発行日】2023-11-21
(54)【発明の名称】撮像素子および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20231114BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20231114BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20231114BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20231114BHJP
【FI】
H04N25/70
H01L27/146 D
H01L21/90 B
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2021551414
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037287
(87)【国際公開番号】W WO2021066063
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2019180783
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小倉 大輝
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-093214(JP,A)
【文献】特開2019-067937(JP,A)
【文献】特開2013-051674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00-25/79
H01L 27/146
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、
前記第1基板に積層され、前記読出回路から出力された信号を処理する処理部が設けられる第2基板と、
前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第1接合部と、
前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第2接合部と、
前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第1基板よりも前記第1接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第1信号線と、
前記処理部と前記第2接合部とを電気的に接続する第2信号線と、
を備える撮像素子。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像素子において、
前記第1信号線は、前記第1接合部よりも前記第1基板に近い側で前記屈曲部が設けられない撮像素子。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮像素子において、
前記第1信号線は、前記第1基板から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以上離れて前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1信号線は、前記第1接合部から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以内の距離に前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板と前記第2基板の間に設けられる複数の配線層を備え、
前記屈曲部は、前記配線層に設けられる撮像素子。
【請求項6】
請求項に記載の撮像素子において、
少なくとも2層の前記配線層が、前記第1基板と前記屈曲部の間に設けられる撮像素子。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板に積層され、前記第1信号線および前記第1接合部が設けられる第1配線層を備え、
前記第1信号線は、前記第1配線層に設けられ、光が入射する方向において、前記第1基板よりも前記第1接合部に近い側で屈曲する前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項8】
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、
前記第1基板に積層され、前記読出回路から出力された信号を処理する処理部が設けられる第2基板と、
前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第1接合部と、
前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第2接合部と、
前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続する第1信号線と、
前記処理部と前記第2接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第2基板よりも前記第2接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第2信号線と、
を備える撮像素子。
【請求項9】
請求項8に記載の撮像素子において、
前記第2信号線は、前記第2接合部よりも前記第2基板に近い側で前記屈曲部が設けられない撮像素子。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の撮像素子において、
前記第2信号線は、前記第2基板から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以上離れて前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項11】
請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2信号線は、前記第2接合部から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以内の距離に前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項12】
請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板と前記第2基板の間に設けられる複数の配線層を備え、
前記屈曲部は、前記配線層に設けられる撮像素子。
【請求項13】
請求項12に記載の撮像素子において、
少なくとも2層の前記配線層が、前記第2基板と前記屈曲部の間に設けられる撮像素子。
【請求項14】
請求項8から10までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2基板に積層され、前記第2信号線および前記第2接合部が設けられる第2配線層を備え、
前記第2信号線は、前記第2配線層に設けられ、光が入射する方向において、前記第2基板よりも前記第2接合部に近い側で屈曲する前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2基板は、複数の前記処理部が第1方向に並んで設けられ、
前記屈曲部は、前記第1方向に屈曲する撮像素子。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板は、前記処理部と異なる数の複数の前記光電変換部が設けられる撮像素子。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2基板は、前記光電変換部と電気的に接続されない前記処理部が設けられる撮像素子。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1信号線および前記第2信号線は、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を前記処理部に伝送する信号線である撮像素子。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記処理部は、前記光電変換部で生成された電荷に基づくアナログ信号をデジタル信号に変換する変換部である撮像素子。
【請求項20】
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、
前記第1基板に積層され、前記読出回路を制御する制御部が設けられる第2基板と、
前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第1接合部と、
前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第2接合部と、
前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第1基板よりも前記第1接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第1信号線と、
前記制御部と前記第2接合部とを電気的に接続する第2信号線と、
を備える撮像素子。
【請求項21】
請求項20に記載の撮像素子において、
前記第1信号線は、前記第1接合部よりも前記第1基板に近い側で前記屈曲部が設けられない撮像素子。
【請求項22】
請求項20または請求項21に記載の撮像素子において、
前記第1信号線は、前記第1基板から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以上離れて前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項23】
請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1信号線は、前記第1接合部から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以内の距離に前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項24】
請求項20から請求項23のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板と前記第2基板の間に設けられる複数の配線層を備え、
前記屈曲部は、前記配線層に設けられる撮像素子。
【請求項25】
請求項24に記載の撮像素子において、
少なくとも2層の前記配線層が、前記第1基板と前記屈曲部の間に設けられる撮像素子。
【請求項26】
請求項20から請求項23のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板に積層され、前記第1信号線および前記第1接合部が設けられる第1配線層を備え、
前記第1信号線は、前記第1配線層に設けられ、光が入射する方向において、前記第1基板よりも前記第1接合部に近い側で屈曲する前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項27】
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、
前記第1基板に積層され、前記読出回路を制御する制御部が設けられる第2基板と、
前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第1接合部と、
前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第2接合部と、
前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続する第1信号線と、
前記制御部と前記第2接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第2基板よりも前記第2接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第2信号線と、
を備える撮像素子。
【請求項28】
請求項27に記載の撮像素子において、
前記第2信号線は、前記第2接合部よりも前記第1基板に近い側で前記屈曲部が設けられない撮像素子。
【請求項29】
請求項27または請求項28に記載の撮像素子において、
前記第2信号線は、前記第2基板から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以上離れて前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項30】
請求項27から請求項29のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2信号線は、前記第2接合部から、前記第1基板と前記第2基板の間の距離の1/4以内の距離に前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項31】
請求項27から請求項30のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1基板と前記第2基板の間に設けられる複数の配線層を備え、
前記屈曲部は、前記配線層に設けられる撮像素子。
【請求項32】
請求項31に記載の撮像素子において、
少なくとも2層の前記配線層が、前記第2基板と前記屈曲部の間に設けられる撮像素子。
【請求項33】
請求項27から請求項30のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2基板に積層され、前記第2信号線および前記第2接合部が設けられる第2配線層を備え、
前記第2信号線は、前記第2配線層に設けられ、光が入射する方向において、前記第2基板よりも前記第2接合部に近い側で屈曲する前記屈曲部が設けられる撮像素子。
【請求項34】
請求項20から請求項33のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1信号線および前記第2信号線は、前記読出回路を制御するための信号を前記制御部から前記読出回路に伝送する信号線である撮像素子。
【請求項35】
請求項1から請求項34のいずれか一項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力された信号に基づいて画像データを生成する生成部とを備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画素アレイが形成された第1の半導体チップと、AD変換部やロジック回路が形成された第2の半導体チップとを積層した、積層型の撮像素子が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1の撮像素子においては、第1の半導体チップ中の画素のそれぞれと、第2の半導体チップ中のAD変換部のそれぞれとは導電ビアにより接続される。しかし、導電ビアにより他の配線のレイアウトの自由度が制限されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2018-182038号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、前記第1基板に積層され、前記読出回路から出力された信号を処理する処理部が設けられる第2基板と、前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第1接合部と、前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第2接合部と、前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第1基板よりも前記第1接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第1信号線と、前記処理部と前記第2接合部とを電気的に接続する第2信号線と、を備える。
本発明の第2の態様によると、撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、前記第1基板に積層され、前記読出回路から出力された信号を処理する処理部が設けられる第2基板と、前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第1接合部と、前記読出回路と前記処理部とを電気的に接続する第2接合部と、前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続する第1信号線と、前記処理部と前記第2接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第2基板よりも前記第2接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第2信号線と、を備える
本発明の第3の態様によると、撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、前記第1基板に積層され、前記読出回路を制御する制御部が設けられる第2基板と、前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第1接合部と、前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第2接合部と、前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第1基板よりも前記第1接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第1信号線と、前記制御部と前記第2接合部とを電気的に接続する第2信号線と、を備える。
本発明の第4の態様によると、撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路と、が設けられる第1基板と、前記第1基板に積層され、前記読出回路を制御する制御部が設けられる第2基板と、前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第1接合部と、前記読出回路と前記制御部とを電気的に接続する第2接合部と、前記読出回路と前記第1接合部とを電気的に接続する第1信号線と、前記制御部と前記第2接合部とを電気的に接続し、光が入射する方向において、前記第2基板よりも前記第2接合部に近い側で屈曲する屈曲部が設けられる第2信号線と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】第1実施形態の撮像装置の構成を模式的に示す断面図。
図2】第1実施形態の撮像素子を撮像面側から見た平面図。
図3】第1実施形態の撮像素子の一部分の断面図。
図4】第1実施形態の撮像素子の画素、および回路ユニットの構成を示す図。
図5】第2実施形態の撮像素子の一部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る撮像装置の一例であるカメラ1の構成例を示す図である。
図1に矢印で示したX方向、Y方向、およびZ方向は、その矢印の指し示す方向を+方向とする。X方向、Y方向、およびZ方向は、相互に直交する方向である。また、以降の各図に示したX方向、Y方向、およびZ方向も、図1に示したX方向、Y方向、およびZ方向と同一の方向である。
【0007】
カメラ1は、撮影光学系(結像光学系)2、撮像素子3、撮像制御部4、メモリ5、表示部6、及び操作部7を備える。撮影光学系2は、焦点調節レンズ(フォーカスレンズ)を含む複数のレンズ及び開口絞りを有し、撮像素子3に被写体像を結像する。なお、撮影光学系2は、カメラ1から着脱可能にしてもよい。
【0008】
撮像素子3は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等の撮像素子である。撮像素子3は、撮影光学系2を通過した光束を受光し、撮影光学系2により形成される被写体像を撮像する。撮像素子3には、光電変換部を有する複数の画素が二次元状(行方向及び列方向)に配置される。撮像素子3は、受光した光を光電変換して信号を生成し、生成した信号を撮像制御部4に出力する。
【0009】
メモリ5は、メモリカード等の記録媒体である。メモリ5には、画像データ、制御プログラム等が記録される。メモリ5へのデータの書き込み、及びメモリ5からのデータの読み出しは、撮像制御部4によって制御される。表示部6は、画像データに基づく画像、シャッター速度、絞り値等の撮影に関する情報、及びメニュー画面等を表示する。操作部7は、レリーズボタン、電源スイッチ、各種モードを切り替えるためのスイッチ等の各種設定スイッチ等を含み、それぞれの操作に基づく信号を撮像制御部4へ出力する。
【0010】
撮像制御部4は、CPU、FPGA、ASIC等のプロセッサ、及びROM、RAM等のメモリにより構成され、制御プログラムに基づきカメラ1の各部を制御する。撮像制御部4は、撮像素子3を制御する信号を撮像素子3に供給して、撮像素子3の動作を制御する。撮像制御部4は、静止画撮影を行う場合、動画撮影を行う場合、表示部6に被写体のスルー画像(ライブビュー画像)を表示する場合等に、撮像素子3に被写体像を撮像させて信号を出力させる。
【0011】
撮像制御部4は、撮像素子3から出力される信号に各種の画像処理を行って画像データを生成する。撮像制御部4は、画像データを生成する生成部4でもあり、撮像素子3から出力される信号に基づいて静止画像データ、動画像データを生成する。画像処理には、階調変換処理、色補間処理等の画像処理が含まれる。
【0012】
(撮像素子の第1実施形態)
次に、図2から図4を参照して、第1実施形態の撮像素子3の構成について説明する。
図2は、第1実施形態の撮像素子3を光の入射側(-Z側)から見た図である。撮像素子3は、X方向(水平方向)およびY方向(垂直方向)に配列される複数の画素10を有する画素10は、X方向およびY方向にそれぞれ1000個以上配列されても良い。
【0013】
複数の画素10が配列された領域(画素領域)の、-X方向の端部には水平制御部HCが設けられ、+Y方向の端部には垂直制御部VCが設けられる。水平制御部HCと垂直制御部VCを合わせて、素子制御部CUとも呼ぶ。
複数の画素10は、例えば、いわゆるベイヤー配列で配列される。また、いくつかの画素10は、いわゆる像面位相差式の焦点検出に用いる画素であっても良い。
【0014】
図3は、撮像素子3の画素領域の断面(XZ面)を示す図である。なお図3では、撮像素子3の画素領域の一部の断面のみを示す。撮像素子3は、第1基板20と第2基板30とが、Z方向に積層された撮像素子である。第1基板20および第2基板30は、例えば、シリコン等の半導体から成る。撮像素子3には、破線の枠で示した画素10が複数設けられる。画素10は、マイクロレンズ11、カラーフィルタ12、光電変換部13および読出回路14を有する。なお、1つの画素10が複数の光電変換部13、または複数の読出回路14を有してもよい。
【0015】
第1基板20には、光電変換部13と読出回路14とが設けられる。光電変換部13は、第1基板20に入射した光を光電変換して電荷を生成する。光電変換部13は、例えば、フォトダイオードにより構成される。読出回路14は、光電変換部13で生成された電荷に基づく画素信号を、後述する垂直配線に出力する。読出回路14の構成は後述する。
【0016】
マイクロレンズ11は、第1基板20の光の入射側(-Z方向側)に設けられる。マイクロレンズ11は、第1基板20に入射する光を光電変換部13に集光する。
カラーフィルタ12は、マイクロレンズ11と光電変換部13との間に設けられる。カラーフィルタ12は、各光電変換部13に特定の波長の光が入射するような分光特性を有する。カラーフィルタ12は、ベイヤー配列に規定される分光特性を有する。
【0017】
第2基板30には、破線の枠で示した回路ユニット15が複数設けられる。回路ユニット15は、読出回路14から出力された信号を処理する処理部16と、読出回路14を制御する制御部17とを有する。
【0018】
第1基板20の第2基板30側(+Z方向側)の面には、第1絶縁層22、パッド23、および配線24~29等を含む、第1配線層21が設けられる。一方、第2基板30の第1基板20側(-Z方向側)の面には、第2絶縁層32、パッド33、および配線34~39等を含む、第2配線層31が設けられる。
【0019】
配線24~29および配線34~39は、一般的な半導体集積回路を構成する配線と同様に、第1基板20または第2基板30上にリソグラフィー技術により、金属等の導体を形成したものである。従って、配線24~29および配線34~39は、第1基板20または第2基板30の表面に平行なXY面内方向に概ね平行に延びる配線26~29、37~39(以下「水平配線」とも呼ぶ)を含む。また、配線24~29および配線34~39は、第1基板20または第2基板30の表面に垂直なZ方向に概ね平行に延びる配線24、25、34(以下「垂直配線」とも呼ぶ)を含む。
【0020】
水平配線26~29、37~39は、それぞれ個々の配線層に形成される。水平配線26~29、37~39は、例えば、第1基板20または第2基板30の表面に形成した金属等の導体の層を、リソグラフィーによりパターンニングして形成されたものである。あるいは、水平配線26~29、37~39は、例えば、第1基板20または第2基板30の表面に形成した絶縁層に、リソグラフィーにより溝を形成し、その溝に金属等の導体を充填して形成されたものであっても良い。
【0021】
また、垂直配線24、25、34は、例えば、第1基板20または第2基板30上に形成された絶縁層の中に垂直方向(Z方向)に形成された、いわゆるVIAプラグである。垂直配線24、25、34は、いずれも、Z方向に延びる1つのVIAプラグであっても良い。あるいは、垂直配線24、25、34は、Z方向に延びる複数のVIAプラグが、XY面内の同一の位置において積層されたものであっても良い。
また、第1絶縁層22および第2絶縁層32は、複数の絶縁層が積層されて形成される絶縁層であっても良い。
【0022】
なお、図3に示した配線24~29および配線34~39はあくまでも例示であって、それらの総数は、図3に示した数に限定されない。水平配線および垂直配線の総数は、図3に示した数より多くても良い。
本実施形態においては、水平配線26~29がそれぞれ形成される個々の配線層、および垂直配線24、25が形成される第1絶縁層22を総称して第1配線層21と呼ぶ。同様に、水平配線37~39がそれぞれ形成される個々の配線層、および垂直配線34が形成される第2絶縁層32を総称して第2配線層31と呼ぶ。
【0023】
第1配線層21に含まれる第1絶縁層22と第2配線層31に含まれる第2絶縁層32とは、接合面(積層面)50において接合(積層)される。
第1基板20に設けられる読出回路14のそれぞれは、少なくとも1つ以上の垂直配線24が、直接または他の配線を介して電気的に接続される。垂直配線24の下端(+Z方向側の端部)は、第1配線層21内の水平配線26の一端に接続される。そして、水平配線26の他端は、垂直配線25の上端(-Z方向側の端部)に接続される。垂直配線25の下端(+Z方向側の端部)は、接続電極であるパッド23に接続される。
【0024】
パッド23およびパッド33は、接続電極であり、接合面50において接合されている。パッド33は、垂直配線34の上端(-Z方向側の端部)が接続される。垂直配線34の下端(+Z方向側の端部)は、例えば、第2基板30に設けられる処理部16の1つに直接、または他の配線を介して電気的に接続される。
パッド23およびパッド33は、第1基板20上に形成された第1配線層21内の配線24~29と第2基板30上に形成された第2配線層31内の配線34~39とを接合する接合部を構成する。
【0025】
本実施形態においては、上述の垂直配線24、水平配線26、垂直配線25、パッド23、パッド33、および垂直配線34を、総称して「第1接続部」とも呼ぶ。
また、第1接続部は、Z方向(垂直方向)に離れた、第1基板20に設けられた画素と第2基板30に設けられた回路ユニット15とを繋ぐ配線であり、Z方向に延びる配線である。第1接続部のうち水平配線26は、XY面内方向(水平方向)に延び、他の第1接続部に対して屈曲していることから、水平配線26を「屈曲部」とも呼ぶ。
【0026】
屈曲部26(水平配線26)が配置されるZ位置と同じ位置には、屈曲部26以外の他の水平配線26aが形成されていても良い。すなわち、同一の配線層の中にある多数の水平配線26、26aの中の一部を、屈曲部26として使用しても良い。
第1実施形態の撮像素子3においては、配線層21の中の、接合面50から-Z方向に2層目の水平配線26、26aの中に、屈曲部26を設けている。ただし、配線層21において、接合面50から-Z方向に1層目の水平配線29の中に、屈曲部26を設けても良い。屈曲部26は、接合面50に近い側であれば、配線層21の中の接合面50から-Z方向に3層目の以上の水平配線の中に設けても良い。
【0027】
上述の説明では、1つの第1接続部は、第1基板20に設けられるそれぞれの読出回路14と、各読出回路14に対応して第2基板30に設けられる処理部16とを電気的に接続するものとした。
しかし、第1接続部は、第1基板20に設けられるそれぞれの読出回路14と、各読出回路14に対応して第2基板30に設けられる制御部17とを電気的に接続する後述の各種の制御線(選択制御線SEL等)であっても良い。後述するように、各読出回路14に対応して複数の制御部17が設けられる場合には、制御部17の数に応じて複数の第1接続部を有していても良い。
【0028】
なお、図3に示した水平配線39は、例えば、第2基板30に設けられるそれぞれの制御部17に電源電圧、GND電圧、または制御信号を供給する配線である。図3では、例えば、水平配線39がそれぞれの制御部17に接続された例を示している。ただし、図3に示した水平配線39の他にも、それぞれの処理部16に電源電圧、GND電圧、または制御信号を供給し、あるいは処理部16からの出力信号が出力される水平配線を有していても良い。
【0029】
図4は、第1基板20に設けられる画素10に含まれる光電変換部13および読出回路14と、第2基板30に設けられる回路ユニット15に含まれる処理部16および制御部17(17a~17d)の構成を示す図である。第1実施形態の撮像素子3においても、画素10は、例えば、いわゆる4トランジスタ型のCMOS型撮像画素として構成されている。
【0030】
光電変換部13は、第1基板20に入射した光を光電変換して電荷を生成する。光電変換部13は、例えば、フォトダイオードにより構成される。
読出回路14は、光電変換部13で生成された電荷に基づく画素信号を読み出す。読出回路14は、転送部TXと、排出部TRと、フローティングディフュージョン(FD)FDと、増幅部TAと選択部TSを含む出力部OUとを有する。
【0031】
転送部TXは、光電変換部13で光電変換された電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。すなわち、転送部TXは、光電変換部13およびフローティングディフュージョンFDの間に電荷転送路を形成する転送トランジスタTXである。
フローティングディフュージョンFDは、転送部により光電変換部13で光電変換された電荷が転送される。フローティングディフュージョンFDは、転送部TXにより光電変換部13で光電変換された電荷を蓄積する。すなわち、フローティングディフュージョンFDは、電荷を蓄積する蓄積部である。
【0032】
排出部TRは、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷を排出することで、フローティングディフュージョンの電位を基準電位にリセットする。排出部TRは、フローティングディフュージョンの電位を基準電位にリセットするリセットトランジスタTRである。
【0033】
出力部OUは、フローティングディフュージョンFDの電荷により生成された画素信号を信号線SLに出力する。信号線SLは、第1接続部(23~26、33~34)の1つである。信号線SLは、画素信号を処理部16に出力するための配線である。出力部OUは、増幅部TAと選択部TSを有する。増幅部TAは、フローティングディフュージョンFDの電荷により画素信号を生成する増幅トランジスタTAである。選択部TSは、画素10と信号線SLの間の接続を制御する選択トランジスタTSである。選択部TSは、増幅部TAにより生成された画素信号を信号線SLに出力する。
【0034】
第1基板20に設けられた読出回路14の出力部OUから出力されるアナログ信号(画素信号)は、信号線SLを経由して、第2基板30に設けられた回路ユニット15の処理部16に伝達される。処理部16は、例えば、アナログデジタル変換回路ADCと電流源CSとを有する。アナログデジタル変換回路ADCは、読出回路14の選択トランジスタTSから出力されたアナログ信号(画素信号)を、デジタル信号に変換する。
上述した垂直配線24、25、34は、画素信号を画素10から読出部ADCに伝達するための信号線SLの少なくとも一部を含んでいる。
【0035】
回路ユニット15は、複数の制御部17(17a~15d)を有する。本実施形態では、選択制御部17a、電圧制御部17b、リセット制御部17c、および転送制御部17dを、総称して、または個々に「制御部17」とも呼ぶ。
選択制御部17aは、第1接続部(23~26、33~34)の1つである選択制御線SELを経由して、読出回路14の選択トランジスタTSのゲートと電気的に接続されている。すなわち、選択制御部17aは選択トランジスタTSを制御する。
【0036】
電圧制御部17bは、第1接続部(23~26、33~34)の1つである電源電圧線VDDを経由して、読出回路14または光電変換部13への電源電圧の供給を制御する。
リセット制御部17cは、第1接続部(23~26、33~34)の1つであるリセット制御線RSTを経由して、読出回路14のリセットトランジスタTRのゲートと電気的に接続されている。すなわち、リセット制御部17cはリセットトランジスタTRを制御する。
【0037】
転送制御部17dは、図3に示した第1接続部(23~26、33~34)の1つである転送制御線TRNを経由して、読出回路14の転送トランジスタTXのゲートと電気的に接続されている。すなわち、転送制御部17dは転送トランジスタTXを制御する。
【0038】
以下では、選択制御線SEL、リセット制御線RST、および転送制御線TRNを、総称して「制御線」とも呼ぶ。制御線は、制御部17から読出回路14に、各トランジスタを制御するための制御信号を送るための配線である。また、各トランジスタを制御するための制御信号は、制御部17から第1接続部(23~26、33~34)を経由して、水平配線27、28の少なくとも一部に伝達される。
【0039】
第1実施形態の撮像素子3は、画素10の数に応じた複数の処理部16を備えている。そのため撮像素子3は、画素10毎に画素信号を読み出すことができる。すなわち、撮像素子3は、複数の画素10により生成される画素信号を高速で読み出して処理することができる。第1実施形態の撮像素子3は、画素10の数に応じた複数の制御部17を備えている。そのため撮像素子3は、画素10毎に画素10を制御することができる。すなわち、撮像素子3は、画素毎に異なる露光時間を設定でき、画素信号を生成して出力することができる。
【0040】
撮像素子3の構成によっては、光電変換部13および読出回路14を有する画素10のX方向またはY方向における配置の周期と、処理部16および制御部17を有する回路ユニット15のX方向またはY方向における配置の周期とが異なる場合がある。換言すると、X方向またはY方向において隣り合う2つの画素10の間隔(画素ピッチ)と、X方向またはY方向において隣り合う2つの回路ユニット15の間隔(回路ピッチ)が異なる場合がある。これは、第2基板30には、回路ユニット15以外の回路を配置する必要があるためである。一方で、第1基板20には、規則正しく等間隔で画素10を配置する必要があるためである。第2基板30には、例えば、X方向またはY方向に並ぶ所定個の回路ユニット15毎に回路ユニット15を制御する制御回路15eを配置する必要があるためである。第2基板30に配置される回路は、制御回路15eに限られず、シフトレジスタや記憶部等の他の回路である場合もある。
【0041】
このため、回路ユニット15のX方向またはY方向の幅(回路ピッチ)を、画素10のX方向またはY方向の幅(画素ピッチ)よりも小さくする必要がある。これにより、画素10のX方向またはY方向における配置の周期と、回路ユニット15のX方向またはY方向における配置の周期とが異なる場合がある。
【0042】
この場合、複数の回路ユニット15の中のいくつかは、対応する画素10の直下(+Z方向)には配置することができず、画素10の直下からX方向またはY方向にずれた位置に配置されることになる。特に、複数の回路ユニット15の中のいくつかは、対応する画素10が有する読出回路14の直下(+Z方向)には配置することができず、読出回路14の直下からX方向またはY方向にずれた位置に配置されることになる。なお、画素10の直下に対応する回路ユニット15が配置できないという問題は、第1実施形態の撮像素子3が、画素10毎に回路ユニット15を配置する構成であるがゆえに生じる問題である。
【0043】
第1実施形態の撮像素子3は、画素10の配置の周期と、回路ユニット15の配置の周期の差により生じるX方向またはY方向における位置のずれを、第1接続部(23~26、33~34)における屈曲部26により調整している。これにより、第1実施形態の撮像素子3は、画素10の配置の周期と、回路ユニット15の配置の周期の差により生じる、画素10の直下に回路ユニット15が配置できないという問題を解決している。
【0044】
具体的には、図3に示したように、第1実施形態の撮像素子3は、それぞれの回路ユニット15から直上方向(-Z方向)に延びる垂直配線34に接続するパッド33を有する。パッド33は、回路ユニット15の略直上に配置される。従って、接合部(パッド23、33)のX方向またはY方向の配置の周期は、回路ユニット15の配置の周期に合うよう設定されている。そして、第1実施形態の撮像素子3は、画素10と接合部23とのX方向またはY方向の位置を調整して合致させるための屈曲部26を第1配線層21に配置している。これにより、X方向またはY方向における、画素10の配置の周期と回路ユニット15の配置の周期とが異なる場合であっても、画素10(読出回路14)と回路ユニット15とを、第1接続部(23~26、33~34)により電気的に接続することができる。換言すると、画素ピッチと回路ピッチとが異なる場合であっても、画素10(読出回路14)と回路ユニット15とを第1接続部(23~26、33~34)により電気的に接続することができる。
【0045】
屈曲部26の方向(屈曲の方向)は、例えば、画素10の配列の方向と同じX方向、またはY方向としても良い。
あるいは、屈曲部26は、XY面内の一方向に延びる第1部分と、XY面内のその一方向と交差する方向に延びる第1部分とを含むものであっても良い。すなわち、屈曲部26は、それ自体の中にXY面内において屈曲する部分を含むものであっても良い。
【0046】
ところで、第1基板20の近傍には、例えば読出回路14を制御するための水平配線27-29等が多く存在する。また、第2基板30の近傍には、例えば処理部16または制御部17を制御するための水平配線37-39等が多く存在する。
このため、第1基板20の近傍に屈曲部26を形成すると、読出回路14を制御するための水平配線27、28のレイアウトに障害が生じてしまう。具体的には、水平配線27、28の配線レイアウトの自由度が屈曲部26により制限されてしまう。また、水平配線27、28の配線の集積度が屈曲部26により低下してしまう。
【0047】
第2基板30の近傍に屈曲部26を形成すると、処理部16または制御部17を制御するための水平配線38、39のレイアウトに障害が生じてしまう。具体的には、水平配線38、39の配線レイアウトの自由度が制限されてしまう。また、水平配線38、39の配線の集積度が屈曲部26により低下してしまう。
【0048】
第1配線層21に含まれる水平配線26~29は、画素10を制御するための配線、画素10にGND電圧を供給するGND線、および画素10に電源電圧を供給する電源線を含む。画素10を制御するための配線は、例えば、画素10に含まれる転送トランジスタTX、リセットトランジスタTR、選択トランジスタTSをそれぞれ制御する配線である。このうち、転送トランジスタTX、またはリセットトランジスタTRを制御する配線は、画素10毎に、または所定の数の画素10を含む画素ブロック毎に設けられていても良い。
【0049】
これらのトランジスタを制御する配線(以降「第1制御線」とも呼ぶ)は、転送トランジスタTX、リセットトランジスタTR、選択トランジスタTSを制御するために、第1配線層21において第1基板20に近い位置(第1基板側、-Z方向側)に設けられる。すなわち、第1基板20の近くに配置されている水平配線27、28は、多くの第1制御線を含むことになる。
【0050】
GND線および電源線は、複数の画素10または複数の画素ブロックに共通して設けられる。そのため、GND線および電源線は、第1配線層21において第1制御線よりも第1基板20から遠い位置(第2基板側、+Z方向側)に設けられる。換言すると、GND線および電源線は、接合面50に近い位置に設けられる。また上述したように、画素10の近傍、すなわち第1基板20の近傍には、第1制御線が多く配置される。そのため、GND線および電源線は、第1配線層21において第1制御線よりも第1基板20から遠い位置に設けられる。すなわち、第1配線層21の第1基板20の遠くに配置されている水平配線29は、多くのGND線および電源線を含む。
【0051】
第2配線層31に含まれる水平配線37~39は、処理部16または制御部17を制御するための配線、処理部16または制御部17にGND電圧を供給するGND線、および処理部16または制御部17に電源電圧を供給する電源線を含む。処理部16または制御部17を制御するための配線は、例えば、処理部16または制御部17に含まれるトランジスタ等の各種のスイッチング素子をそれぞれ制御する配線である。
【0052】
これらのトランジスタを制御する配線(以降「第2制御線」とも呼ぶ)は、各種のスイッチング素子を制御するために、第2配線層31において第2基板30に近い位置(第2基板側、+Z方向側)に設けられる。すなわち、第2基板30の近くに配置されている水平配線38、39は、多くの第2制御線を含む。
【0053】
GND線および電源線は、複数の処理部16または複数の制御部17に共通して設けられる。そのため、GND線および電源線は、第2配線層31において第2制御線よりも第2基板30から遠い位置(第1基板側、-Z方向側)に設けられる。換言すると、GND線および電源線は、接合面50に近い位置に設けられる。また上述したように、処理部16または制御部17の近傍、すなわち第2基板30の近傍には、第2制御線が多く配置されている。そのため、GND線および電源線は、第2配線層31において第2制御線よりも第2基板30から遠い位置に設けられる。すなわち、第2配線層31の第2基板30の遠くに配置されている水平配線37は、多くのGND線および電源線を含む。
【0054】
制御線は、各トランジスタおよびスイッチング素子を制御するために高周波の制御信号を伝達する。そのため、制御線は、屈曲部26を含む信号線SLに対するノイズ源となり得る。また逆に、信号線SLの屈曲部26が制御線に対するノイズ源となり得る。
【0055】
これを避けるために、第1実施形態の撮像素子3は、第1基板20の近傍および第2基板30の近傍以外の部分に、屈曲部26を設けている。換言すれば、第1実施形態の撮像素子3は、接合面50の近傍に屈曲部26を設けている。この構成により、第1実施形態の撮像素子3は、屈曲部26を含む第1接続部(23~26、33~34)により、他の配線27、28、37、38の配線レイアウトの自由度が制限されず、最適なレイアウトで水平配線27、28、37、38を配線することができる。これにより、配線27、28、37、38の集積度の低下を防止できる。
【0056】
また、第1実施形態の撮像素子3は、第1基板20の近傍に配置されている第1制御線(水平配線27、28)、および第2基板30の近傍に配置されている第2制御線(水平配線38、39)から離れた位置に屈曲部26を設けている。換言すれば、第1実施形態の撮像素子3は、接合部の近傍に屈曲部26を設けている。この構成により、第1実施形態の撮像素子3は、これらの制御線からの屈曲部26へのノイズの影響を抑えることができる。逆に、これらの屈曲部26からの制御線へのノイズの影響も抑えることができる。
【0057】
また、第1実施形態の撮像素子3は、GND線および電源線に近い位置に屈曲部26を設けている。GND線および電源線は、基本的には一定の電圧が印加されているため、屈曲部26を含む信号線SLへのノイズの影響が小さい。また、GND線および電源線は、信号線SLの屈曲部26からのノイズの影響を受けにくい。この構成により、第1実施形態の撮像素子3は、屈曲部26へのノイズの影響を最小限にできる。さらに、屈曲部26からのノイズの影響も最小限にできる。
【0058】
なお、撮像素子3は、第1基板20の近傍および第2基板30の近傍に屈曲部26を設けず、第1基板20および第2基板30から、ある程度離れた位置に設けても良い。
例えば、撮像素子3は、第1基板20および第2基板30のそれぞれから、第1基板20および第2基板30の間の距離の1/4以上離れて、屈曲部26を設けても良い。これにより、読出回路14を制御するための水平配線27、28、処理部16または制御部17等を制御するための水平配線37、38の配線レイアウトの自由度が制限されない。したがって、最適なレイアウトで水平配線27、28、37、38を配線することができる。
【0059】
なお、撮像素子3は、第1基板20と屈曲部26との間、および第2基板30と屈曲部26との間に、少なくとも2層の配線層(水平配線27、28、または水平配線37、38)を設けても良い。これにより、読出回路14を制御するための水平配線27、28、処理部16または制御部17等を制御するための水平配線37、38の配線レイアウトの自由度が制限されない。したがって、最適なレイアウトで水平配線27、28、37、38を配線することができる。
【0060】
なお、第1実施形態の第1接続部(23~26、33~34)は、第1配線層21に設けられる第1配線部(24~26)と、第2配線層31に設けられる第2配線部(34)と、第1配線部と第2配線部とを接合する接合部であるパッド23、33とを有する。屈曲部26は、接合部であるパッド23、33の近傍に設けられる。換言すれば、屈曲部26は、第1基板20および第2基板30よりも、接合部であるパッド23、33に近い側に設けられる。
【0061】
(撮像素子の第2実施形態)
次に、図5を参照して、第2実施形態の撮像素子3aの構成について説明する。第2実施形態の撮像素子3aは、その構成の大部分が上述の第1実施形態の撮像素子3と共通している。以下では、共通する構成には同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
【0062】
図5は、第2実施形態の撮像素子3aの画素10部分の断面(XZ面)を示す図であり、上述の図3と同様の図である。第2実施形態の撮像素子3aは、読出回路14と処理部16または制御部17との電気的な接続が、垂直配線24、パッド23、パッド33、垂直配線35、水平配線36、および垂直配線34により行われる点において、第1実施形態の撮像素子3と異なる。
【0063】
本実施形態においては、上述の垂直配線24、パッド23、パッド33、垂直配線35、水平配線36、および垂直配線34を、総称して「第2接続部」とも呼ぶ。また、上述の第1接続部と第2接続部とを総称して、または個々に「接続部」とも呼ぶ。
【0064】
第2実施形態の撮像素子3aにおいては、第2接続部(23~24、33~36)は、第1配線層21に設けられる第1部(24)と、第2配線層31に設けられる第2部(34~36)と、第1部と第2部とを接合する接合部であるパッド23、33を有する。
そして、第2実施形態の撮像素子3aにおいては、屈曲部である水平配線36は、接合部であるパッド23、33よりも、第2基板30に近い第2部に配置される。
【0065】
具体的には、図5に示したように、第2実施形態の撮像素子3aは、それぞれの画素10の読出回路14から直下方向(+Z方向)に延びる垂直配線24に接続するパッド23を有する。パッド23は、画素10(読出回路14)の略直下に配置される。従って、接合部(パッド23、33)のX方向またはY方向の配置の周期は、画素10の読出回路14の配置の周期に合うように設定されている。そして、第2実施形態の撮像素子3aは、接合部33と回路ユニット15とのX方向またはY方向の位置を調整して合致させるための屈曲部26を第2配線層31に配置している。これにより、X方向またはY方向における、画素10の配置の周期と回路ユニット15の配置の周期とが異なる場合であっても、読出回路14と回路ユニット15とを、第1接続部(23~26、33~34)により電気的に接続することができる。
これにより、画素10の配置の周期と、回路ユニット15のX方向またはY方向における配置の周期が異なる場合であっても、画素10(読出回路14)と回路ユニット15とを、第1接続部(23~26、33~34)により電気的に接続することができる。換言すると、画素ピッチと回路ピッチとが異なる場合であっても、画素10(読出回路14)と回路ユニット15とを第1接続部(23~26、33~34)により電気的に接続することができる。
【0066】
画素10のX方向またはY方向の配置の周期は、撮像素子3aの撮像面(-Z側のXY面)内において概ね均一である。従って、第2実施形態の撮像素子3aは、接合部(パッド23、33)を、X方向またはY方向において概ね均等の間隔で配置することになる。換言すると、接合部(パッド23、33)は、接合面50において概ね均一に配置される。そのため、接合部が読出回路14や回路ユニット15に与える電気的な影響を撮像面内方向(XY方向)で概ね均一化することができ、撮像面内におけるノイズのムラを抑えることができる。
【0067】
なお、第2実施形態においても、水平配線27、28、37~39等の構成や用途は、上述の第1実施形態と同様である。第2実施形態においても、屈曲部(水平配線36)の構成や用途は、上述の第1実施形態の屈曲部(水平配線26)と同様である。第2実施形態においても、Z方向における、第1基板20および第2基板30と、屈曲部(水平配線36)との位置関係は、上述の第1実施形態の屈曲部(水平配線26)と同様である。第2実施形態においても、Z方向における、水平配線27、28、37~39と、屈曲部(水平配線36)との位置関係は、上述の第1実施形態の屈曲部(水平配線26)と同様である。第2実施形態においても、Z方向における、接合部であるパッド23、33と屈曲部との位置関係は、上述の第1実施形態と同様である。また、屈曲部が配置されるZ位置と同じ位置には、屈曲部以外の他の水平配線36aが形成されていても良い点も、上述の第1実施形態と同様である。
【0068】
また、第2実施形態においても、垂直配線24の上端は、直接または他の配線を介して、第1基板20に設けられている読出回路14に電気的に接続される。そして、垂直配線34の下端は、第2基板30に設けられている処理部16または制御部17に直接、または他の配線を介して電気的に接続される。
【0069】
以上の第1実施形態の撮像素子3または第2実施形態の撮像素子3aは、屈曲部26、36は、接合部であるパッド23、33の近傍の第1部または第2部に設けられる。これにより、読出回路14、処理部16または制御部17等を制御するための配線のレイアウトへの影響を低減できる。
また、屈曲部26、36を接合部であるパッド23、33から、第1基板20と第2基板30の間の距離の1/4以内の距離に設けても良い。これにより、読出回路14、処理部16または制御部17等を制御するための配線のレイアウトへの影響を低減できる。
【0070】
なお、パッド23、33は、XY面における面積が垂直配線24、25、34の面積よりも大きな電極を言う。ただし、第1基板20と第2基板30とを高い位置精度で積層可能な場合には、接合部を大面積化する必要は無い。この場合には、XY面における面積が、垂直配線24、25、34の面積と同程度の電極を接合部として使用しても良い。
【0071】
以上の各実施形態の撮像素子3、3aにおいては、第1基板20に配置される光電変換部13および読出回路14のそれぞれに、第2基板30の処理部16または制御部17と接続する接続部(23~26、33~36)が設けられているものとした。
しかし、接続部(23~26、33~36)の数は、読出回路14の数よりも少なくても良い。例えば、図2に示した撮像素子3の撮像面において、それぞれ破線で囲まれたブロックBC内に配置される複数の画素10(図2では、例えば4×4個)に対して、1つの接続部(23~26、33~36)が配置されていても良い。換言すると、1つの接続部(23~26、33~36)は、ブロックBC内に配置される複数の画素10で共有される。また、ブロックBC内に配置される複数の画素10に対して、1つの回路ユニット15が配置されていても良い。換言すると、1つの回路ユニット15は、ブロックBC内に配置される複数の画素10で共有される。
【0072】
この場合、1つのブロックBC内の複数の画素10が有する複数の光電変換部13が生成した信号(画素信号)は、1つの接続部(23~26、33~36)を経由して、順次第2基板30の処理部16に出力される。また、第2基板30の制御部17a~17dからの制御信号も、1つの接続部(23~26、33~36)を経由して、第1基板20の1つのブロックBC内に含まれる複数の読出回路14に順次または同時に出力される。
【0073】
なお、複数の画素10を有するブロックBCに対して1つの接続部および回路ユニット15(処理部16、制御部17)が設けられた構成の撮像素子3、3aにおいても、各ブロックBCの直下に対応する回路ユニット15が配置できないという問題は生じる。しかし、上述したように第1実施形態の撮像素子3においては配線層21に屈曲部26を設けたことにより、第2実施形態の撮像素子3aにおいては配線層31に屈曲部36を設けたことにより、この問題を解決している。
【0074】
また、第2実施形態の撮像素子3aにおいても、上述した第1実施形態の撮像素子3と同様に、基板20の近傍および基板30の近傍には、各種のトランジスタまたはスイッチング素子を制御するための高周波の制御信号が伝送される制御線が多く配置されている。従って、第2実施形態の撮像素子3aにおいても、第1基板20の近傍および第2基板30の近傍以外の部分に屈曲部36を設けることにより、制御線から屈曲部36へのノイズの影響、および屈曲部36から制御線へのノイズの影響を低減している。
【0075】
第2実施形態の撮像素子3aにおいては、配線層31の中の、接合面50から+Z方向に2層目の水平配線36、36aの中に、屈曲部36を設けている。ただし、配線層31において、接合面50から+Z方向に1層目の水平配線40の中に、屈曲部36を設けても良い。屈曲部36は、接合面50に近い側であれば、配線層31の中の接合面50から+Z方向に3層目の以上の水平配線の中に設けても良い。
【0076】
第1実施形態の撮像素子3および第2実施形態の撮像素子3aは、いずれも第1基板20と第2基板30とが積層されて形成されている、いわゆる積層センサである。これにより、第1基板20の近傍、および第2基板30の近傍には、それぞれの基板に形成されたトランジスタ等を制御するための制御線が多数形成されている。これらの制御線からノイズの影響を抑え、かつ配置の自由度を確保するために、第1基板20および第2基板30の近傍以外に屈曲部26、36を設けることは、積層センサならではの配置である。換言すると、第1基板20および第2基板30接合部(パッド23、33)の付近に屈曲部26、36を設けることは、積層センサならではの配置である。
【0077】
なお、上述の各実施形態の撮像素子3、3aにおいては、各読出回路14に接続される接続部(23~26、33~36)の長さは、それに含まれる屈曲部26、36の長さによって異なる。従って、各接続部(23~26、33~36)のインピーダンスが、屈曲部26、36の長さによって異なる場合がある。各接続部(23~26、33~36)のインピーダンスが変化すると、インピーダンスの変化に伴う縞筋ノイズが、撮像素子3、3aから得られる画像に生じる恐れがある。
【0078】
この縞筋ノイズを避けるために、各接続部のインピーダンスが概ね等しくなるよう、各接続部(23~26、33~36)の配線の太さ(線幅)を、屈曲部26、36の長さに基づいて変化させ、てもよい。また、各接続部(23~26、33~36)のインピーダンスの変動が小さくなるよう、屈曲部26、36として使用する配線層に電気抵抗の小さな導体を採用してもよい。
【0079】
あるいは、各接続部のインピーダンスが概ね等しくなるよう、他の接続部に比べて屈曲部26、36が短くなる接続部は、電気抵抗を生じる部材を有してもよい。 あるいは、この縞筋ノイズを避けるために、各接続部(23~26、33~36)に接続される電流源CSの特性を、各接続部に含まれる屈曲部26、36の長さによって変化させてもよい。変化させる電流源CSの特性とは、例えば、供給する電流の量である。
【0080】
(1)以上の各実施形態の撮像素子3、3aは、第1の観点からは、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部13と、光電変換部13で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路14と、が設けられる第1基板20と、第1基板20に積層され、読出回路14から出力された信号を処理する処理部16が設けられる第2基板30と、第1基板20および第2基板30の近傍以外で屈曲する屈曲部26、36が設けられ、読出回路14と処理部16とを電気的に接続する接続部(23~26、33~36)と、を備えている。
このような構成としたので、光電変換部13または読出回路14と、それに対応する処理部16とのX方向またはY方向の配置の周期が異なっていても、両者を接続部(23~26、33~36)により電気的接続できる。
【0081】
また、各種の配線が集中する第1基板20および第2基板30の近傍を避けて屈曲部26、36を配置するため、他の配線のレイアウトに悪影響を及ぼすことなく、屈曲部26、36を配置することができる。これにより、各種の配線におけるインピーダンスの増大を防ぐことができる。
【0082】
(2)以上の各実施形態の撮像素子3、3aは、第2の観点からは、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部13と、光電変換部13で生成された電荷に基づく信号を出力する読出回路14と、が設けられる第1基板20と、第1基板20に積層され、読出回路14を制御する制御部17が設けられる第2基板30と、第1基板20および第2基板30の近傍以外で屈曲する屈曲部26、36を有し、読出回路14と制御部17とを電気的に接続する接続部(23~26、33~36)と、を備えている。
このような構成としたので、光電変換部13または読出回路14と、それに対応する制御部17とのX方向またはY方向の配置の周期が異なっていても、両者を接続部(23~26、33~36)により電気的接続できる。
また、各種の配線が集中する第1基板20および第2基板30の近傍を避けて屈曲部26、36を配置するため、他の配線のレイアウトに悪影響を及ぼすことなく、屈曲部26、36を配置することができる。これにより、各種の配線におけるインピーダンスの増大を防ぐことができる。
【0083】
(3)さらに、接続部(23~26、33~36)は、第1基板20の近傍および第2基板30の近傍で、屈曲部26、36が設けられない構成とすることで、各種の配線のレイアウトの自由度を一層増大させ、各種の配線のインピーダンスの増大を一層抑制することができる。
(4)さらに、屈曲部26、36は、第1基板20および第2基板30から、第1基板20と第2基板30の間の距離の1/4以上離れて設けられる構成とすることで、各種の配線のレイアウトの自由度を一層増大させ、各種の配線のインピーダンスの増大を一層抑制することができる。
【0084】
(5)さらに、第1基板20と第2基板30の間に設けられる複数の配線層26~28、36~38を備え、屈曲部26、36は、配線層に設けられる構成とすることで、配線層および屈曲部の製造コストを低減することができる。
(6)さらに、少なくとも2層の配線層27、28、37、38が、第1基板20と屈曲部26、36、および第2基板30と屈曲部26、36、の間にそれぞれ設けられる構成とすることで、配線層27、28、37、38を用いて、第1基板20上および第2基板30上に形成される電気回路の配線を行うことができる。
【0085】
上記では、種々の実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、各実施形態および変形例は、それぞれ単独で適用してもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0086】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特願2019-180783号(2019年9月30日出願)
【符号の説明】
【0087】
1:撮像装置、2:撮像レンズ、3:撮像素子、4:撮像制御部(生成部)、5:レンズ移動部、BC:画素ブロック、HC:水平制御部、VC:垂直制御部、CU:素子制御部、10:画素、20:第1基板、30:第2基板、11:マイクロレンズ、12:カラーフィルタ、13:光電変換部、14:読出回路、15:回路ユニット、16:処理部、17:制御部、17a:選択制御部、17b:電圧制御部、17c:リセット制御部、17d:転送制御部、21:第1層、22:第1絶縁層、24~29:配線、31:第2層、32:第2絶縁層、34~40:配線、23,33:パッド、50:接合面、TX:転送部(転送トランジスタ)、TR:排出部(リセットトランジスタ)、TA:増幅部(増幅トランジスタ)、TS:選択部(選択トランジスタ)、FD:フローティングディフュージョン(FD)、TRN:転送制御線、RST:リセット制御線、VDD:電源電圧線、SEL:選択制御線、SL:出力信号線、ADC:読出部、CS:電流源
図1
図2
図3
図4
図5