(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-16
(45)【発行日】2023-11-27
(54)【発明の名称】磁気玩具ブロック
(51)【国際特許分類】
A63H 33/10 20060101AFI20231117BHJP
A63H 33/08 20060101ALI20231117BHJP
【FI】
A63H33/10 D
A63H33/08 A
(21)【出願番号】P 2019545842
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2017077429
(87)【国際公開番号】W WO2018083001
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】102016000110762
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518226639
【氏名又は名称】ゲオマグワールド、ソシエテ、アノニム
【氏名又は名称原語表記】GEOMAGWORLD SA
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセンテリ,クラウディオ
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3007122(JP,U)
【文献】国際公開第2015/114044(WO,A1)
【文献】特開2010-076707(JP,A)
【文献】登録実用新案第3052774(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具集合体の組み立てに適した磁気玩具ブロックであって、第1のシェル部材(10A)および第2のシェル部材(10B)を有する中空体(10)を備え、第1のシェル部材(10A)および第2のシェル部材(10B)は、内面および磁気接触ゾーン(10’)を有する周壁を備えて構成され、磁気玩具ブロックはそれぞれのハウジング座部に複数の磁気要素(16)を備え、
両方のシェル部材(10A、10B)が同一に構成され、各シェル部材(10A、10B)が、2つのシェル部材(10A、10B)の結合方向と一致する基準軸に平行な方向に中空体(10)の内部で平行に延在する少なくとも1つの雌型接合要素(15A、15B)および少なくとも1つの雄型接合要素(14A、14B)を備え、
磁気玩具ブロックの組み立てられた状態において、シェル部材(10A、10B)の一方の各雄型接合要素(14A、14B)および各雌型接合要素(15A、15B)が、シェル部材(10A、10B)の他方の雌型接合要素(15A、15B)および雄型接合要素(14A、14B)にそれぞれ固定的に接続され、
第1および第2のシェル部材(10A、10B)の各雄型接合要素(14A、14B)および各対応する雌型接合要素(15A、15B)は、磁気玩具ブロックの組み立てられた状態で互いに圧入され、
第1および第2のシェル部材(10A、10B)の雌型接合要素(15A、15B)の少なくとも1つに磁気接続要素が収容され、磁気接続要素は、玩具集合体の隣接する磁気玩具ブロックを磁気的に接続するために、磁気玩具ブロックの周壁の内面に近接して雌型接合要素(15A、15B)の内側に配置され、
雌型接合部材(15A、15B)および雄型接合要素(14A、14B)は、磁気玩具ブロックの第1および第2のシェル部材(10A、10B)のそれぞれの周壁の内面から、磁気玩具ブロックの中空体(10)の内部に延在する磁気玩具ブロック。
【請求項2】
中空体(10)は、立方体、多面体、角柱、円筒形、球形、卵形から選択される幾何学的形状で構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項3】
磁気玩具ブロックは平坦な外面(11)を有する周壁を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項4】
中空体(10)が立方体の形状を有し、雄型および雌型接合要素(14A、14B;15A、15B)の基準軸が立方体の内側対角線と一致することを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項5】
雄型および雌型接合要素(14A、14B;15A、15B)が立方体の内部対角線に平行な方向に延在することを特徴とする請求項4に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項6】
各シェル部材(10A、10B)が立方体の頂点(13)に向かって収束する3つの隣接する壁(11)を備えることを特徴とする請求項4に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項7】
各雌型接合要素(15A、15B)はシェル部材のそれぞれの側壁(11)の中心点から延び、各雄型接合要素(14A、14B)は磁気玩具ブロックの同じシェル部材の隣接する側壁(11)間のそれぞれの縁部(12)の中心点から延びることを特徴とする請求項5に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項8】
雄型および雌型接合要素(14A、14B;15A、15B)は円形断面を有するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項9】
雄型および雌型接合要素(14A、14B;15A、15B)は多角形断面で構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項10】
雄型および雌型接合要素(14A、14B;15A、15B)は長手方向のリブおよびスロットを備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項11】
磁気接続用の磁気部材(16)が、磁気玩具ブロックの一方または両方のシェル部材(10A、10B)の雌型接合要素内に自由に移動可能な態様で収容されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項12】
磁気接続用の磁気部材(16)が、磁気玩具ブロックの一方または両方のシェル部材(10A、10B)の雌型接合要素(15A、15B)内に固定して収容されることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項13】
磁気接続用の磁気部材(16)は永久磁石または強磁性要素からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気玩具ブロック。
【請求項14】
玩具組立物用の磁気玩具ブロックの集合体であって、前記請求項のいずれかに記載の少なくとも1つの磁気玩具ブロックと、さらに、前記請求項のいずれかに記載の磁気玩具ブロックと同一または異なるように構成された複数の磁気玩具ブロックとを含む集合体。
【請求項15】
請求項1に記載の複数の磁気玩具ブロックを含む玩具集合体の組み立てに適した玩具ブロックのキットであって、磁気玩具ブロックは請求項1~13のいずれか一項に記載の磁気玩具ブロックと同一または異なるように構成されている玩具ブロックのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用玩具集合体の構成に適した磁気玩具ブロックに関し、並びに同様にまたは様々に構成された、各玩具ブロックの2つのシェル部材間の革新的な磁気接合システム、および集合体の同一または異なる形状の玩具ブロック間の接続、を備えた磁気玩具ブロックのキットまたは集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、玩具組成物用の多種多様な磁気玩具ブロックが存在し、本明細書では「ブロック」とも呼ばれる玩具ブロックは、立方体、球形、多面体または他の形状の物体で構成され、同じブロック間の強固な結合を可能にする磁石を備えている。したがって、各ブロックは、ブロックの周面の磁気接触ゾーンに1つ以上の磁気接続要素を備える。磁気接続要素は、永久磁石または強磁性要素からなることができ、それらは、各ブロックの本体の内側および/または外側の対応する台座に収容される。
【0003】
玩具集合体の構成のための磁気玩具ブロックは、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5に開示されている。
【0004】
特に、特許文献1には、面取りされた縁部を有する立方体ブロックが開示されており、この立方体ブロックは、2つの異なる形状のシェル部材を含む中空体からなり、この中空体の縁部は、異なる形状であり、雄雌接続システムを備えている。永久磁石は、立方体の2つの対向する面の対応する内部シートに固定される。柔らかい鉄のバンドが接続溝で立方体の他の面を囲んでいる。同様の解決策は、2つの異なる形状のシェル部材のために異なる型を必要とする点で、構成の観点からも、また組立の観点からも、自動化が困難な複雑な組立作業である。
【0005】
特許文献2もまた、玩具集合体の構成用の磁気玩具ブロックを示し、このブロックは、本体の内側または外側の対応する台座に永久磁石が設けられた立方体形状の本体を含む。この文書では、側面の台座に磁石を簡単に挿入できるようにするブロックの特定の構成は開示されていない。
【0006】
特許文献3には、玩具集合体用の磁気玩具ブロックが開示されており、各磁気ブロックはまた2つの異なる形状の部品からなる立方体中空体を含み、この立方体のエッジに沿ってそれぞれのハウジング内に永久磁石が挿入されるか、または単に単一の面の内面に接着される。
【0007】
特許文献4はさらに、子供のための玩具の組成のための様々な形状の磁気玩具ブロックを示す。特に、自由に移動可能な磁石が収容された中空の本体を有する立方体形状のブロックを示し、他の点ではブロックの面に対して方向付け可能である。この場合も、接着剤を使用する場合を除いて、ブロックの特定の構造的形態、またはブロックを構成する異なる部分間の機械的接続システムは開示されていない。
【0008】
最後に、特許文献5は、請求項1の前文による最も近い先行技術とみなされる。
【0009】
これまでに提案された解決策は、したがって、異なる構成の部品によって形成された、少なくとも2つの比較的複雑で高価な型の使用を必要とする磁気玩具ブロックを提供する。ブロックを構成する各部品の組立作業の自動化は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第2.795.893号明細書
【文献】欧州特許第051576号公報
【文献】米国特許第6.024.626号明細書
【文献】欧州特許第2086660号公報
【文献】WO 2015/114044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主な目的は、玩具集合体を構成するための磁気玩具ブロックを提供することであり、このブロックは、組立部品のブロック間にオリジナルの機械的結合および磁気接続システムを備えた2つの別個の部品から構成され、各ブロックを構成する2つの部品が、型を非常に単純にするような方法で構成される。この方法によって、成形作業を安価かつ迅速に行うことができ、ブロックの組立作業の自動化が容易になる。
【0012】
本発明のさらなる目的は、上述したように、ブロックの1つまたは複数の面または周辺面が、他の、同様にまたは異なる構成のブロックの磁気固着ゾーンと選択的に接続するための1つまたは複数の磁気固着ゾーンを有することができ、磁気固着ゾーンの位置が、設計段階中に側面に設けられるか、またはブロックの組み立て中に選択および選択され得る磁気ブロックを提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、可動部品を含まない非常に単純化された成形キャビティを有する成形型を使用することが可能であり、その結果、成形サイクルの速度がより速く、金型のメンテナンス頻度も大幅に低減する方法によって、先に定義された玩具集合体の構成用の磁気ブロックを提供することである。
【0014】
最後に、さらなる目的は、本発明による玩具集合体を構成するための玩具ブロックのキットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、請求項15に記載の玩具の組成に適した磁気玩具ブロックのキットによる、請求項1に記載の玩具アセンブリの組成に適した磁気玩具ブロックによって、達成可能である。
【0016】
特に、本発明によれば、第1および第2のシェル部材を有する中空体を含む玩具用集合体の構成に適した磁気玩具ブロックが提供され、各シェル部材は、磁気接触ゾーンを有する周壁で構成され、前記ブロックは、前記接触ゾーンのそれぞれのハウジングシート内に複数の磁気接続要素を含み、
両方のシェル部材は同じように設定され、各シェル部材は、少なくとも1つの雄型接合要素と少なくとも1つの雌型接合要素とを含み、前記雄型接合要素及び雌型接合要素は、基準軸に平行な方向で中空体の内部に延在し、
第1及び第2の2つのシェル部材のうちの一方の雄型接合要素及び各雌型接合要素は、組立状態の前記ブロックにおいて、前記シェル部材のうちの他方の雄型接合要素のそれぞれに雌型接合要素に固定的に接続され、
前記第1および第2シェル部材のうちの少なくとも一方の前記雌型接合要素のうちの少なくとも一方に、磁気接続要素が収容されており、
前記磁気接触領域における前記ブロックの中空体の内部に、各周壁の内面から延在する雌型接合部材とを有することを特徴とする。
【0017】
磁気ブロックは、例えば、組立体の他の磁気ブロックの嵌合面または周面と接触するように様々に構成された平坦なまたは異なる形状の側面または周面を有する、立方体ブロック、球形、卵形、角柱形または多面体形状の様々な形状に構成することができる。
【0018】
好ましくは、立方体形状の磁気ブロックは、2つの同一に構成されたシェル部材からなり、このシェル部材において、雄および雌の接合要素は、立方体ブロックの中空体の対角線に平行に延びる。
【0019】
さらに、この優先立方体ブロックによれば、各シェル部材は、雄型接合要素および雌型接合要素に平行な基準軸に対応する中空体の内側対角軸上にある頂点に収束する3つの隣接する壁を備える。
【0020】
最後に、立方体形状ブロックの各シェル部材の各雌接合要素は、シェル部材の各側面の中心点から延びており、各雄接合要素は、ブロックの同じシェル部材の隣接する側壁間のエッジの中心点から延在する。この磁気玩具ブロックおよびキットのこれらの特徴およびさらなる特徴は、本発明による玩具集合体は、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】
図1のブロックを構成する2つの同一のシェル部材のうちの1つの斜視図である。
【
図3】
図1のブロック組立時の2つのシェル部材の分解斜視図を示す。
【
図4】組み立てられた状態の
図1のブロックの部分断面図である。条件
【
図5】本発明による磁気接続要素を収容するように構成された雄および雌の接合要素の拡大断面図である。
【
図8】
図6の八面体ブロックとは異なる2つのシェル部材のうちの1つの斜視図である。
【
図11】
図9の球ブロックと異なる解決策による二つのシェル部材のうちの一つの斜視図である。
【
図12】多数の前の図の磁気玩具ブロックを含む玩具組成物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1乃至
図5を参照して、本発明の磁気玩具ブロックの革新的な特徴を、上記図に示す立方体形状の磁気ブロック (以下、立方体ブロックとも称する) を参照して説明する。残りの
図6から
図11は、本発明による磁気ブロックの他の可能な形状を非限定的な例として示す。
【0023】
図1から
図5の例に示されるように、磁気ブロック10は、磁気的に非導電性の材料、例えば成形プラスチック、または他の材料の中空体、または所定の使用に適した材料の組み合わせを含む。磁気ブロック10は、同一種類又は異なる種類の他の磁気ブロックと接触する外周面を有する周壁を有する;特に、ブロック10は、概略的に示されるように、平坦な側壁11と、エッジ12と、隣接する側壁間の頂点13とを含む。ブロック10の壁は、ブロックが組み立てられた状態で磁石の磁力の損失を最小限に抑えるために、05から15mmの範囲の厚さを有することが好ましい。
【0024】
図2及び
図3において、ブロック10は、雄型接合要素14A及び雌型接合要素15Aを有する二つの同一形状のシェル部材10A、10Bと、それぞれ永久的な圧入接続又は不可逆的なタイプの接続を可能にするように構成された雄型接合要素14B及び雌型接合要素15Bとからなる。
【0025】
図1の場合、立方体ブロック10は、互いに90°に配向された共通の三つのエッジ12を有する三つの隣接する側壁11.1、11.2および11.3をそれぞれ備えた二つのシェル部材10A、10Bを備え、シェル部材の三つの壁は、同じシェル部材(10A、10B)の渦13上に収束している。
【0026】
両シェル部材10A,10Bの雄側接合素子14A,14B及び雌側接合素子15A,15Bは、ブロック10の中空体の内部において、両シェル部材の結合方向と一致する基準軸に平行な方向に延びている。;
図1乃至
図4の立方体ブロックの場合、二つのシェル部材10A、10Bのオスおよびメスの接合要素は、立方体ブロックの内側対角軸と一致する基準軸に平行に、二つの対向する頂点13の間に延びる。
【0027】
ブロックのシェル部材間には、任意の数の雄型接合要素および雌型接合要素を設けることができ、接合要素は、2つのシェル部材の組み立てられた状態において、それぞれが2つのシェル部材のうちの一方の雄型要素および各雌型要素は、軸方向に整列され、対応する雌型接合要素内に圧入されるかまたは永久的に他方のシェル部材の対応する雄型接合要素に接続され、ブロックの周壁の特定の磁気固着ゾーンに配置される。
【0028】
図1乃至
図4の立方体ブロックの場合、各シェル部材10A、10Bは、それぞれのエッジ12の中心点から突出する雄型接合要素14A、14Bと、シェル部材のそれぞれの壁11の中心点から突出する雌型接合要素15A、15Bとを備える。
【0029】
図2、
図3および
図4の場合、二つのシェル部材10A、10Bの各縁部12は、したがって、単一の雄型接合要素14A、14Bを含み、一方、二つのシェル部材10A、10Bの各壁部11は、単一の雌型接合要素15A、15Bを含む。それにもかかわらず、二つのシェル部材の雄型接合要素14及び雌型接合要素15の数及び位置は、各ブロックの幾何学的形状及び寸法に関して任意とすることができる。
【0030】
前述したように、本発明の磁気玩具ブロックの特徴の1つは、2つのシェル部材10A、10Bを同じように構成することからなり、各シェル部材10A、10Bは、同じ数の雄型接合要素14A、14Bと雌型接合要素15A、15Bとを有し、これらは、ブロックの2つのシェル部材間の結合方向に向けられて、中空体の基準軸に対して同じように配置されかつ平行に整列される。これにより、一方のシェル部材の各雄型接合要素14Aを他方のシェル部材の対応する雌型接合要素に圧入することができ、ブロックの組み立て時に、雄型接合要素と雌型接合要素とが軸方向に整列した状態を維持することができる。
【0031】
最初に述べたように、公知のタイプの磁気ブロックは、ブロックの内側または外側の対応するハウジングシート内に配置された永久磁石または強磁性要素からなる1つ以上の磁気接続要素を含む。
【0032】
従って、この発明における磁気ブロックの更なる革新的な特徴は、雄型および雌型のカップリングシステムと組み合わせて、
図5に示されており、ここで、類似または同等の部品を示すために、前の図の同じ参照番号が使用されている。
【0033】
図5の詳細から示されるように、シェル部材10Bのメス連結要素15Bは、シェル部材10Aのオス連結要素14Aとの圧入を可能にすることに加えて、先行する連結機能と協働して、磁気連結要素16のためのハウジングシートを規定する第二の機能を実行し、任意の玩具アセンブリの隣接するブロックを磁気的に連結する。この場合も、磁気接続要素16は、壁の磁気接触ゾーン10’に関して適切に配向または配向可能な磁極NおよびSを有する永久磁石、またはブロック間の結合面であり得るか、または強磁性要素であり得る。
【0034】
磁気接続素子16は、
図8において16’で示されるように、雌型接合素子15B内に自由に移動又は回転可能に収容される。このようにして、二つの磁気玩具ブロックが互いに対向して持ち上げられると、アセンブリの構築中に、それぞれの磁石16は、ブロック10の磁石16のN極またはS極の一方を、磁石16の反対極性のS極またはN極に向かって、または他のブロック16の強磁性要素に向かって自動的に方向付けるように移動および回転することができる。
【0035】
あるいは、自由に移動可能な磁気接続要素と組み合わせて、例えば、シェル部材の雄型接合要素14Aを、シェル部材の他方の側壁の内面である雌型要素15Bの下端から短い空間まで延びるように構成して、予め雌型要素15Bにねじ込まれた磁石16または強磁性要素の動きを阻止することによって、磁気接続要素が移動または回転する可能性のない固定的な方法で配置することが可能である。
【0036】
雄型接合要素14A、14Bおよび雌型接合要素15A、15Bは、それらの圧入を許容するのに適したものであれば、どのように構成してもよい。図示の例では、雄型接合要素と雌型接合要素の両方が円形断面を有する。雄接合エレメントの外径は、ブロックの組み立て状態で雄型接合エレメント及び雌型接合エレメントを固定的に圧入するために、雌型接合エレメントの内径よりも僅かに大きい。それにもかかわらず、円形断面に代えて、雄型接合要素および雌型接合要素は、図示されている以外の任意の他の形状を有することができ、例えば、それらは、四角形の断面を有することができ、またはリブおよび/または長手方向スロットを有するように構成することができ、ただし、それらが、不可逆的な圧入またはそれらのわずかな干渉を伴う結合を可能にするのに適していることを条件とする。
【0037】
図1~5では、立方体の磁気ブロックが示されている。それにもかかわらず、本発明の一般的特徴は同じままであるが、磁気ブロックは、他の幾何学的形状を有することができ、例えば、多数の平らな壁、または他の形状の壁を有する多面体形状の中空体、または球形、卵形、円筒形、または角柱形であってもよい。ただし、それが、同じ数の雄型接合要素を有する2つの同一に構成されたシェル要素と、往復圧入されてもよく、玩具集合体のブロックの磁気接続要素を収容するために適している。
【0038】
いくつかの実施形態が、添付図面の
図6から
図11に示されており、その図では、前の図と同じ参照番号が、類似または同等の部分を示すために再度使用されている。
【0039】
特に、
図6および
図7は、それぞれ単独の雄型接合要素14A、14Bと、それぞれの側壁の内面から軸線方向に整列して内側に突出する単独の雌型接合要素15A、15Bとを備え、前述のように永久磁石16または強磁性要素を収容するように構成された、二つの同じ形状のシェル部材10A、10Bから成る中空体を有する磁気八面体形ブロックを示す。
【0040】
図8は、例として、
図6の四面体のシェル部材、特にシェル部材10Bの可能な変形を示す。
図6および
図7の場合、1つの雄型接合要素および1つの雌型接合要素は、2つのシェル部材の対向する側壁にそれぞれ配置される。そうでなければ、
図8の場合、各シェル部材は、2つの対向する側壁上に2つの雄型接合要素14Bを備え、また、対向する側壁に2つの雌型接合素子15A,15Bを有する。したがって、2つのシェル部材の組み立て中に10A,10Bの2つのシェル部材のうちの1つの各々の雄型接合要素及び各々の雌型接合要素を、それぞれ他のシェル部材の対応する雄型接合要素に向けて整列させるために、接合要素に平行な基準軸に従って、一方のシェル部材を他方のシェル部材に対して回転させる必要がある。
【0041】
図9および
図10は、球形の中空体を有する、本発明による磁気ブロックを示す。ここでも、二つの半球状のシェル部材10A,10Bは、磁石16又は強磁性要素を収容するための雄型接合要素14A,14B及び雌型接合要素15A,15Bと同一に構成されており、組み立てられた状態のシェル部材の雄型接合要素及び雌型接合要素は、それぞれブロックの他のシェル部材である雌型接合要素に軸方向に整列され、圧入されている。
【0042】
図11は、半球状シェル部材10Aおよび10Bの可能な実施形態を示しており、ここで、2つの雄型接合素子14Bは、シェル部材の第1の直径方向に位置し、2つの雌型接合素子15Bは、シェル部材の第2の直径方向に位置し、前の直径方向と直交する。
【0043】
全ての場合において、雄型接合要素及び雌型接合要素の数及び位置は、図示されたものとは異なっていてもよく、組立時に、二つのシェル部材の同一の構成を、磁気接続要素16のハウジングと組み合わせて、ブロックの一方又は両方のシェル部材の一つ又はそれ以上の雌型接合要素内に選択的に配置することができるように常に維持している。
【0044】
図12は、最後に、動物を模倣するように磁気的に連結された、本発明による磁気玩具ブロックの組成物のためのキットの玩具集合体を示す。特に、
図12の構成は、動物の体を模倣した形状110、鼻を模倣した第一の球形ブロック210および尾を模倣した第二の球形ブロック210、ならびに耳を模倣するために二個の八面体のブロック310が配置される立方体の複数の玩具ブロックを含む。明らかに、異なる形状や種類の磁気ブロックを組み合わせたり組み合わせたりすることによって、どんな組成でも作ることができる。
【0045】
単一の磁気ブロックは、任意の種類の玩具アセンブリを構成する際の創造性およびブロックの使用を刺激するために、その外面に文字、数字、図形および/または異なる色の部品などの装飾要素を任意に設けることができる。
【0046】
全ての場合において、図示および説明したことから、従来の玩具ブロックと比較して、本発明による磁気玩具ブロックによって多くの経済的および生産的な利点が得られることは明らかである。実際、圧入用に構成され、永久磁石および/または強磁性要素、または同等の磁気接続要素を収容する雄および雌の接合要素を備えた2つの同一形状のシェル部材からなる本発明による磁気ブロックは、投資および生産の観点および組立時間の両方から、容易に自動化可能な方法で、より簡単かつ安価に製造することができる。
【0047】
実際、プラスチックを成形して得られるブロックの場合には、ブロックの2つのシェル部材の形状に対応して、同じタイプの1つ以上の成形キャビティで構成された唯一の型を使用することができる。これにより、金型の表面単位当たりに複数の成形キャビティを有する安価な金型の使用が可能となり、成形速度および生産性が向上する。単一の磁気ブロックの2つのシェル部材の同一の構成による鋳型の構造的な単純さは、最後に、組立作業の自動化を容易にする。
【0048】
本発明による雌型接合要素内部の磁石および/または強磁性要素の配置は、既知の従来技術と比較して際立ったかつ革新的な特徴であることに加えて、特に平面状の周壁を有する磁気玩具ブロック、特にキューブ型のマグネット式トイブロックに有利に使用することができる。本発明による解決策は、磁石および/または強磁性要素を各周壁の中心点に配置する利点を提供し、ブロックのシェル部材を組み立てるために別個の要素を使用することを回避し、別個の組立要素を使用することは、追加のコストを伴う、より複雑な時間のかかる組立作業を必要とする。
【0049】
また、本発明に係る磁気ブロックは、玩具集合体を構成する際に、玩具集合体を組み立てた状態で各玩具集合体を自動的に中央配置させることにより、遊び性を向上させる。