IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジュニパー ネットワークス, インコーポレーテッドの特許一覧

特許7387543光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機
<>
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図1
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図2
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図3A
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図3B
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図4
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図5
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図6
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図7
  • 特許-光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】光学的に補償された増幅器制御ループを有する光受信機
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/67 20130101AFI20231120BHJP
【FI】
H04B10/67
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020112614
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2021190976
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】16/887,312
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504472226
【氏名又は名称】ジュニパー ネットワークス, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Juniper Networks, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エス.・グッゾン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】セオドア・ジェイ.・シュミット
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0268981(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0131142(US,A1)
【文献】米国特許第09647753(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0062557(US,A1)
【文献】特開2018-182503(JP,A)
【文献】特開2017-005386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光受信機を使用して光を処理するための方法であって、
前記光受信機のフォトニック集積回路構造によって光を受けることと、ここで、前記フォトニック集積回路構造は、光検出器に結合された光増幅器を含み、
前記フォトニック集積回路構造における前記光増幅器を使用して前記光を光学的に増幅することによって、増幅光を発生することと、ここで、前記増幅光は、前記光増幅器の光利得に基づいて増幅され、
前記フォトニック集積回路構造における前記光検出器を使用して前記増幅光を検出することによって電気信号を生成することと、
前記光受信機の電気回路構造におけるトランスインピーダンス増幅器(TIA)を使用して増幅電気信号を生成することと、前記TIAは、前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の変動に基づいて前記TIAの電気利得を調整するために電気利得値を生成する利得コントローラを有し、前記電気利得値は、前記光受信機のハードウェアプロセッサによってデータインタフェースを通してアクセスされる前記電気回路構造のメモリに記憶され、
前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の前記変動により変化する前記メモリに記憶された前記TIAの前記電気利得に基づいて、前記光増幅器の前記光利得を連続的に調整することと
を備える方法。
【請求項2】
前記増幅電気信号は、前記フォトニック集積回路構造が受けた前記光の減少した光変調振幅(OMA)による減少した電気変調振幅を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TIAの前記電気利得値は、前記減少した電気変調振幅を補償するために増加される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光利得は、前記電気利得値が増加されることに応答して増加され、前記増加した光利得は、前記光検出器による検出の前に前記光を次第に増幅することによって、少なくとも部分的に、前記減少したOMAを補償する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記TIAは、ピーク検出器回路に出力し、減少した変調増幅は、前記増幅電気信号のより小さいピーク値として検出される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記光利得を連続的に調整することは、前記電気回路構造の前記メモリに記憶された更新された電気利得値を、前記データインタフェースを使用する前記ハードウェアプロセッサによって、周期的に検索することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ハードウェアプロセッサは、マイクロコントローラである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電気回路構造は、特定用途向け集積回路(ASIC)を備え、前記電気利得値を記憶する前記メモリは、前記ASICのレジスタである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
変化する前記TIAの前記電気利得に基づいて、前記光増幅器の前記光利得を調整するために、アナログ信号を、前記ハードウェアプロセッサによって、生成すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アナログ信号は、前記ハードウェアプロセッサおよび前記光増幅器に結合されたデジタル/アナログ変換器(DAC)を使用して生成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電気回路構造における前記TIAの入力ポートにおいて前記電気信号の入力信号強度を決定することと、
前記入力信号強度の変動を補償するように前記光増幅器の前記光利得を最初に調整することと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記入力信号強度は、減少によって変動し、前記光利得は、前記電気回路構造における前記TIAの前記入力ポートにおける前記入力信号強度の減少を補償するために前記光利得を増加させることによって調整される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光増幅器は、半導体光増幅器(SOA)であり、前記光検出器は、フォトダイオードである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記光受信機は、光トランシーバの一部であり、前記光トランシーバは、追加の光を発生する光送信機をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記光トランシーバは、光ネットワークから前記光を受け、前記光は、前記光ネットワークに接続されたリモート光送信機によって発生される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
光受信機であって、
光増幅器の光利得に基づいて光を光学的に増幅するための前記光増幅器を備えるフォトニック集積回路と、ここで、前記フォトニック集積回路は、前記光学的に増幅された光から電気信号を生成するための光検出器をさらに備え、
前記光検出器によって生成された前記電気信号を処理するための電回路構造と、ここで、前記電回路構造は、前記光検出器によって生成された前記電気信号から増幅電気信号を生成するトランスインピーダンス増幅器(TIA)を備え、前記TIAは、前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の変動に基づいて前記TIAの電気利得を調整するために電気利得値を生成する利得コントローラを有し、前記電気利得値は、前記電気回路構造のメモリに記憶され、
前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の前記変動により変化する前記メモリに記憶された前記TIAの前記電気利得に基づいて前記光増幅器の前記光利得を連続的に調整するためのハードウェアプロセッサと
を備える光受信機。
【請求項17】
前記ハードウェアプロセッサは、データインタフェースを使用して前記電回路構造の前記メモリから電気利得値を検索するように構成されたマイクロコントローラであり、
前記マイクロコントローラは、前記光受信機におけるデジタル/アナログ変換器(DAC)を使用して前記光増幅器の前記光利得を調整するためのアナログ信号を生成するようにさらに構成され、
前記増幅電気信号は、前記フォトニック集積回路が受けた前記光の減少した光変調振幅(OMA)による減少した電気変調振幅を示し、前記TIAの前記電気利得値は、前記減少した電気変調振幅を補償するために増加される、
請求項16に記載の光受信機。
【請求項18】
前記光利得は、前記電気利得値が増加されることに応答して増加され、前記増加した光利得は、前記光検出器による検出の前に前記光を次第に増幅することによって、少なくとも部分的に、前記減少したOMAを補償する、請求項17に記載の光受信機。
【請求項19】
前記TIAは、ピーク検出器回路に出力し、変調振幅の変化は、前記増幅電気信号の変化したピーク値として検出される、請求項16に記載の光受信機。
【請求項20】
前記光増幅器は、半導体光増幅器であり、前記光検出器は、フォトダイオードである、請求項16に記載の光受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は一般に、信号増幅に関し、より具体的には、光増幅器および電気増幅器を使用して信号を増幅することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]光受信機は、光ネットワーク上で送信機から光を受けることができる。受けた光は、(例えば、異なる送信機からの)異なる伝送電力、異なる経路損失、および他の理由を含む種々の理由で異なる光損失を示し得る。受信光信号は、その信号の特性を変更するために、増幅器回路に入力されることができる。しかしながら、様々な増幅器タイプの動作範囲とノイズ考慮との間には事実上のトレードオフが存在する。現在、低ノイズおよび線形性能の両方を示す優れた増幅器(例えば、トランスインピーダンス増幅器)設計を実装することは困難である。
【0003】
[0003]以下の説明には、本開示の実施形態の実装の例として与えられる例示を有する図の説明が含まれる。図面は、限定としてではなく例として理解されるべきである。本明細書で使用される場合、1つまたは複数の「実施形態」への言及は、本発明の主題の少なくとも1つの実装形態に含まれる特定の特徴、構造、または特性を説明するものとして理解されるべきである。ゆえに、本明細書に出現する「一実施形態では」または「代替的な実施形態では」のような表現は、本発明の主題の様々な実施形態および実装形態を説明するものであり、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すものではない。しかしながら、それらはまた、必ずしも相互排他的ではない。任意の特定の要素または行為の説明を容易に識別するために、参照番号における一桁または複数桁の最上位桁は、その要素または行為が最初に紹介された図(「FIG.」)の番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】[0004]図1は、いくつかの例となる実施形態に係る、光信号を送信および受信するための光トランシーバを例示するブロック図である。
図2】[0005]図2は、いくつかの例となる実施形態に係る、光トランシーバの例となる機能構成要素を示す。
図3A】[0006]図3Aは、いくつかの例となる実施形態に係る、トランスインピーダンス増幅器(TIA)の閉ループ制御に対して平均電流を使用する例となる補償光受信機構造を示す。
図3B】[0007]図3Bは、いくつかの例となる実施形態に係る、例となる電流信号のグラフを示す。
図4】[0008]図4は、いくつかの例となる実施形態に係る、平均値フィードバックベースの制御を使用した光デバイスにおける光前置増幅(optical preamplification)のための方法のフロー図である。
図5】[0009]図5は、いくつかの例となる実施形態に係る、TIAの光変調振幅(OMA)ベースの閉ループ制御を使用する例となる補償受信機アーキテクチャを示す。
図6】[0010]図6は、いくつかの例となる実施形態に係る、OMAベースのフィードバック制御を使用した光デバイスにおける光前置増幅のための方法のフロー図である。
図7】[0011]図7は、本開示の実施形態に係る、1つまたは複数の光デバイスを含む光電気デバイス(opto-electrical device)(例えば、光トランシーバ)の例示である。
図8】[0012]図8は、いくつかの例となる実施形態に係る、閉ループ前置増幅を実施することをマシンに行わせる命令のセットがプロセッサによって実行され得るコンピュータシステムの形式のマシンの例となるアーキテクチャを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0013]以下で説明する実施形態のうちのいくつかまたはすべてを描写し得る図の説明を含むだけでなく、本明細書で提示される本発明の概念の他の潜在的な実施形態または実装形態を説明する特定の詳細および実装形態の説明が以下に続く。本開示の実施形態の概要が以下に提供され、その後に、図面を参照したより詳細な説明が続く。
【0006】
[0014]以下の説明では、説明の目的上、本発明の主題の様々な実施形態の理解を与えるために、数多くの具体的な詳細が示される。しかしながら、本発明の主題の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは当業者には明らかになるであろう。一般に、周知の命令インスタンス、構造、および技法は、必ずしも詳細に示されるわけではない。
【0007】
[0015]説明したように、特に、4値パルス振幅変調(PAM4)のような高次の変調フォーマットでは、低ノイズおよび良好な線形性能の両方を示す光受信機のための増幅器システムを設計するのは困難であり得る。光受信機の1つのタイプには、小さい入力電流を受け、次にこの電流を増幅して、出力信号電圧へと変換するTIAが含まれる。例えば、光信号は、入力ファイバ(例えば、光ネットワークからの信号)を介して受信されることができ、光検出器は、この光信号を対応する電流信号へと変換することができる。電流信号は、次に、この電流信号を対応する電圧信号出力に変換するためにトランスインピーダンス増幅器に入力されることができ、これは次に、受信機システムの他の回路またはモジュールによって処理されることができる。TIAのダイナミックレンジは、TIAが依然として所望のターゲット出力スイングを出力する(deliver)ことができる入力スイング電圧を特徴とし、ここで、スイングという用語は、電気データの1および0からのピーク・ツー・ピーク距離を表す。一般に、送信システムにおける光信号のOMAは、そのピーク・ツー・ピーク電力を特徴とすることができ、OMA=P1-P0、すなわち、アクティブ(例えば、バイナリ光信号における1)である間の光源の電力P1から、非アクティブ(例えば、バイナリ信号における0)であるときの光源の電力であるP0を差し引いたものである。ピーク・ツー・ピーク電力を平均化して信号の平均電力を得る(yield)ことができ、例えば、平均=OMA/(P1-P0)である。消光比は、より低い電力に対する受信機電力のデシベル比である。低周波数では、トランスインピーダンスZ_Tは、入力電流の変化あたりの出力電圧の変化である。Z_T=(Δv_output)/(Δi_input)。一貫して実行するためには、トランスインピーダンスは線形でなければならず、それによって、所与の入力信号に対する予測可能な出力電圧信号を可能にする。しかしながら、入力信号特性が(例えば、異なる送信機特性、異なる経路損失、異なる高周波数または低周波数により)変動する場合、非線形応答が所与のTIAによって示される。したがって、受信信号が変動するため、特に、線形性が信号品質に大きな影響を及ぼす変調フォーマットでは、低ノイズで良好な線形電圧を示す出力信号を一貫して生成しながら広ダイナミックレンジの入力信号に対処するTIAを実装するのは困難であり得る。
【0008】
[0016]一般に、PAM4では、処理される信号が4つ存在し、各々が、処理されて分離されなければならないため、TIAの線形性およびノイズが、特に重要である。PAM4は、オン/オフの概念(ハイ/ロー、1または0)を拡張し、オフ、1/3がオン、2/3がオン、完全にオン、という4つの個別のステップで光源の輝度を制御する。4レベル信号を使用することで、すべてのシグナリング期間で2ビットを送信することができる。例えば、PAM4の1つのフォーマット(例えば、「グレイコーディングされた」PAM4)では、ビット対「00」は、第1の(最も低い)レベルを選択し、「01」は、第2のレベルを選択し、「11」は、第3のレベルを選択し、「10」は、第4の(最も高い)レベルを選択し、他のフォーマット(例えば、「10」が第3のレベルを選択し、「11」が第4のレベルを選択する「バイナリコーディングされた」PAM4)も同様に符号化されることができる。シンボルあたり1つより多くのビットを符号化するその能力により、4-PAM(PAM4の別名でも知られる)は、より高次の変調フォーマットとして知られている。特に、例えば、NRZ(non-return to zero)信号と比べると、4-PAM信号は、所与のビットレートについて帯域幅の半分だけを占有し、これにより、より帯域幅効率の良いフォーマットになる。しかしながら、4-PAMフォーマットは、他の変調フォーマットより高い信号対ノイズ比を必要とする。4-PAM受信機は、4つのレベルを区別しなければならないため、ノイズの影響を受けやすく、これは、感度の大幅な低下を引き起こす。
【0009】
[0017]このため、閉ループ(フィードバック)駆動ループにおいて動的に維持される一貫した入力をTIAが受信することができるように、受信光信号が光検出器(例えば、高速フォトダイオード)によって検出される前にこの光信号を前置増幅するために半導体増幅器(SOA)を使用するTIA補償光受信機を実装することができる。このように、光信号がTIAによって電気的に増幅される前にSOAを使用して最初に事前光学的に(pre-optically)強化されるため、TIAに加えられた制約が緩和され、それによって、TIAは、TIAが既製のTIAチップおよび回路設計で利用可能なより実用的な範囲にわたって動作するため、低ノイズで一貫した線形応答を出力することができる。
【0010】
[0018]TIA平均直流(DC)ベースの制御ループ:いくつかの例となる実施形態では、光受信機は、光を受け、光検出器を使用してそれを小さい電流へと変換するフォトコミック集積回路(photocomic integrated circuit)を含む。次に、光検出器の小さい電流は、さらなる処理のために、フィルタリングし、データへと復調することによって、受けた電流を処理することを管理する受信機サブアセンブリASIC(例えば、ROSA)に入力されることができる。いくつかの例となる実施形態では、受信機サブアセンブリは、処理のためにフォトダイオードからの小さい電流をより大きい電圧信号に変換するために入力ポートにまたはその近くにTIAを含む。いくつかの例となる実施形態では、受信機サブアセンブリは、受信信号の強度を検出する(例えば、受信入力信号の平均強度、またはDC電流を検出する)ために、TIAの入力ポートに接続された受信信号強度インジケータ(RSSI)回路を含む。
【0011】
[0019]いくつかの例となる実施形態では、受信機サブアセンブリASICにおけるTIAの設計制約を緩和するために、光受信機は、そのような変化がTIAに関する性能問題を引き起こす前にTIAから見た入力電流を迅速に安定化させることができる光増幅閉制御ループにおいて、受けた光を光学的に前置増幅するために生成されるRSSI値を使用する。例えば、平均光電流が(例えば、損失、送信機問題により)減少すると、RSSI回路は、コントローラ回路(例えば、受信機サブアセンブリ上のASICメモリ、または光受信機の中央処理装置(CPU)のメモリ)によって記憶およびアクセスされる信号またはデータを生成するであろう。次に、コントローラ回路は、光検出器の前に置かれているSOAの光利得を生み出す(create)よう求める命令を生成するためにRSSI出力にアクセスする。このように、コントローラがRSSI値にしたがってSOAの光利得を連続的に更新することによって、SOAの閉ループ制御が達成され、TIAは、より狭く、よりノイズが少なく、そしてより線形の動作範囲内で実行することができる。
【0012】
[0020]TIA交流利得制御ループ:いくつかの例となる実施形態では、光受信機のTIAに対する閉ループSOA補償は、OMAベースの制御(例えば、交流(AC)またはピーク信号ベースの制御)を使用して実施される。一般に、送信システムにおける光信号のOMAは、そのピーク・ツー・ピーク電力を特徴とすることができ、OMA=P1-P0、すなわち、アクティブ(例えば、バイナリ光信号における1)である間の光源の電力P1から、非アクティブまたは「ロー」状態(例えば、バイナリ信号における0)であるときの光源であるP0を差し引いたものである。ピーク・ツー・ピーク電力を平均化して信号の平均電力を得ることができ、例えば、平均=OMA/(P1-P0)である。消光比は、より低い電力に対する受信機電力のデシベル比である。
【0013】
[0021]いくつかの例となる実施形態では、受信機サブアセンブリにおけるTIAは、ピーク検出器回路に出力し、ピーク検出器回路は、この信号を受信して、最高(トップピーク)または最低(ボトムピーク)あるいは最高から最低(トップピークからボトムピーク)値を検出し、これは次に、一定の出力スイングを維持するようにTIAの電気利得を連続的に調整する自動利得制御(AGC)回路を制御するために使用される。AGCは、TIAの利得を調整することができるが、AGCは、それほど変動するものではなく、受信機のフォトニック集積回路(PIC)によって受信される光信号における光損失の大きい変動(variance)を補正することはできない。
【0014】
[0022]いくつかの例となる実施形態では、光受信機は、光受信機のPICにおけるSOAの利得を増加させるために使用される、TIA入力信号電力の低下を示すインジケータとして、(受信機サブアセンブリにおけるTIAの利得を調整するために使用されている)AGC利得値を再利用する(repurpose)ことによって、TIAに入力されている電流を安定化させる。例えば、TIA出力電圧が変化すると、ピーク検出器は、この変化を検出し、それを、TIAの利得を調整するためにAGCが使用する新しいピーク値として記憶する。いくつかの例となる実施形態では、AGC調整値は、受信機サブアセンブリ(例えば、レジスタ)のメモリに記憶され、これは次に、AGC値を受信するためにデータインタフェースを使用してコントローラ(例えば、光受信機マイクロコントローラ)によってアクセスされる。AGC値にアクセスすると、次に、マイクロコントローラは、SOA利得が、TIA入力電流を安定化させ、さらに所与のTIAの動作範囲を緩和する自動閉フィードバック前置増幅ループとして機能するようにSOA利得を増減させるために利得を連続的に調整するための制御電流を発生する。 このように、AGCは、TIAに入力されている電流を示すインジケータとして機能する。例えば、入力電流が低下すると、スイングが変動し得、これは、入力電流の減少を補償するためにAGC値を増加させる。いくつかの例となる実施形態では、AGC値は、光受信機におけるマイクロコントローラによってアクセス可能であるかまたは他の方法で管理されるメモリに記憶される。いくつかの例となる実施形態では、マイクロコントローラは、AGC値を読み取り、TIAをさらに補償するためにSOAを使用して信号を前置増幅するために、このAGC値を使用することができる。このように、ピーク検出器によって測定され、AGC利得に反映される、暗示的なピーク・ツー・ピーク値は、SOAの利得のための光制御ループである。このアプローチは、異なるスイングの信号がRSSIによって検出されるものと同じ平均電流値を有し得るため、いくつかの光電気デバイス設計ではRSSI平均値より有利であり得る。すなわち、例えば、低い消光比の信号は、小さいピーク・ツー・ピーク電流を有し得、高い消光比の信号は、より大きいピーク・ツー・ピーク電流値を有し得る。しかしながら、強い信号および弱い信号は、平均値を検出しているRSSIモジュールによって検出されたものと同じRSSI値を有し得、各信号の実際の振幅が何であるかを示すインジケーションは存在しない。対照的に、監視するためにピーク・ツー・ピークモジュールを使用するとき、TIAの出力は、信号の実際のスイングを検出することができ、TIAの出力におけるスイングが変動すると、それは、TIAのIpp入力が変動していることを示す暗示的なインジケーションとして使用され、これは次に、以下でより詳細に説明するように、SOAベースの制御ループを使用して、到来するデータをより正確に前置増幅するために使用されることができる。OMA補償受信機の1つの追加の利点は、SOAが、TIAに入力されている信号を最適化するためにより正確に較正されることができることである。従来、光学的に事前増幅された受信機は、任意の受信データに対して最小の消光比(ER)レベルを想定し、この最小の想定ER(ERmin)を補償するようにバイアスが掛けられるようにSOAを設定する。しかしながら、いくつかの例となる実施形態にしたがって、(AGC利得読取りを通した)光受信機OMA感知能力を用いて、光受信機は、実際のOMA/ERを「知る」ので、ER>ERminの場合、SOA利得が、X(標準の固定バイアス値)より低いものに低減され、それによって、消費電力を節約することができる。
【0015】
[0023]図1は、いくつかの例となる実施形態に係る、光信号を送信および受信するための光トランシーバ100を例示するブロック図である。光トランシーバは、補償受信機が統合されることができる例となるシステムである。例示されるように、電気ハードウェアデバイス150のような電気デバイスからの電気データをインタフェース接続し、この電気データを光データに変換し、この光データを、光デバイス175(例えば、リモート光デバイスの外部送信機177、スイッチ、サーバ、等)のような1つまたは複数の光デバイスで送受信するために、光トランシーバ100は実装されることができる。説明の目的上、以下の説明では、電気ハードウェアデバイス150は、光スイッチネットワークにデータを送受信するプラグ着脱可能なデバイスとして、光トランシーバ100を「ホスト」するホストボードであり、ここでは、例えば、光デバイス175は、光スイッチネットワークの他の構成要素であってもよい。しかしながら、システム100が、他のタイプの電気デバイスおよび光デバイスをインタフェース接続するために実装され得ることは認識される。例えば、光トランシーバ100は、いくつかの例となる実施形態にしたがって、光からバイナリ電気データに変換された後にデータを処理するオンボード電気チップを相互接続するための光バスとして光ネットワーク(例えば、導波管、ファイバ)を使用するハイブリッド「マザーボード」上で単一チップとして実装され得る。
【0016】
[0024]いくつかの例となる実施形態では、ハードウェアデバイス150は、光トランシーバ100の電気インタフェースと結合するための、および、受信するための電気インタフェースを含む。光トランシーバ100は、通信システムまたはデバイス内でバックエンドモジュールとして動作するハードウェアデバイス150によって物理的に受容されており、それから取り外され得るリムーバルフロントエンドモジュールであり得る。光トランシーバ100およびハードウェアデバイス150は、例えば、波長分割多重(WDM)システムまたはPAM4システムのような光通信デバイスまたはシステム(例えば、ネットワークデバイス)の構成要素であり得る。例えば、PAM4システムは、複数のハードウェアデバイスホストボードのために確保される複数のスロットを含み得る。
【0017】
[0025]光トランシーバ100のデータ送信機105は、電気信号を受信することができ、これは次に、PIC110を介して光信号へと変換される。次に、PIC110は、PIC110とインタフェース接続するファイバまたは導波管のような光リンクを介して光信号を出力することができる。次に、出力された光データは、広域ネットワーク(WAN)、光スイッチネットワーク、埋込みシステムにおける光導波管ネットワーク、等のようなネットワークを介して、他の構成要素(例えば、スイッチ、エンドポイントサーバ、単一埋込みシステムの他の埋込みチップ)によって処理されることができる。
【0018】
[0026]受信機モードでは、光トランシーバ100は、光デバイス175への1つまたは複数の光リンクを介して高いデータレートの光信号を受信することができる。光信号は、電気ハードウェアデバイス150のような他のデバイスへの出力のためにデータをより低いデータレートに復調するといった、データ受信機115によるさらなる処理のために、光から電気信号へとPIC110によって変換される。光トランシーバ100によって使用される変調は、直交位相偏移変調(QPSK)、二位相偏移変調(BPSK)、偏波多重BPSK、M-ary直交振幅変調(M-QAM)、等であり得る。
【0019】
[0027]図2は、いくつかの例となる実施形態に係る、光トランシーバ100の例となる機能構成要素を示す。データ送信機105は、電気データを受信することおよび送信機(TX)コントローラ203に記憶されている命令を使用してPIC110の構成要素を制御することを管理する。TXコントローラ203の例には、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ユニット、汎用マイクロプロセッサ、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、それらの組合せ、または、実行用の制御命令を記憶するための付随のメモリを有する他の同等の集積またはディスクリート論理回路が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
[0028]いくつかの例となる実施形態では、データ送信機105は、外部ホストデバイスまたはホストボードのような外部デバイスから入力される電気データを受信する。送信機コントローラ203は、次に、PIC110の光変調器220(例えば、位相シフタ、電界吸収変調器(EAM)、マッハツェンダ干渉計(MZI)変調器)を制御するために変調器ドライバ205が使用する光変調データに電気データを変換する命令を実行することができる。変調器220は、レーザ215のような光源から光を受け、これは次に、受けた光を変調命令(例えば、バイナリ電気データをPAM4変調またはQPSK変調のシンボルデータに変換すること)にしたがって変調し、これは次に、出力光(例えば、光スイッチネットワークにわたって送信される出力光)としてPIC110から出力される。いくつかの例となる実施形態では、光変調器220の変調特性に影響を及し得る、環境温度またはデバイス温度を補償するために、送信機コントローラ203は、所望の動作範囲に変調器を動的に保つようにヒータ210を制御する。図2の例は、簡潔さのために様々な構成要素が含まれていない、送信機105の簡潔版を例示しているが、送信機105が、いくつかの例となる実施形態にしたがって、以下でさらに説明する追加の様々な構成要素を含むことができることは認識される。
【0021】
[0029]PIC110は、以下でさらに詳細に説明するように、受けた光の中の光子を検出し、その光をデータ受信機115による復調処理のために電子に変換するために、フォトダイオードおよび/または他の素子のような光学素子を使用することができる光検出器230によって検出される光入力光を(例えば、単一モードファイバから)受けることができる。
【0022】
[0030]いくつかの例となる実施形態では、PIC110は、設計、テスト、および製造段階中に加え、現地で(例えば、最終製品に統合された後に)トランシーバ100を分析および較正するために、出力光を、送信構成要素(例えば、データ送信機105および変調器220を備える送信機光サブアセンブリ(TOSA))から受信構成要素(例えば、データ受信機115、検出器230を備えるROSA)に直接向かわせる光ループバック経路225(例えば、統合導波管)を含む。
【0023】
[0031]ループバック経路225は、ビット誤り率(BER)特性評価(characterization)、受信電力特性評価、トランシーバに存在するフィルタ(例えば、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、等)の較正のようなテストを含むがこれらに限定されない、トランシーバ100のオンチップまたはモジュール内特性評価を可能にする。
【0024】
[0032]いくつかの例となる実施形態では、PIC110は、送信構成要素(例えば、変調器220)の出力を受信構成要素(例えば、検出器230)に向けるための制御信号を受信することができる光スイッチ222を含む。いくつかの例となる実施形態では、ループバック経路225スイッチング素子は、以下の光構成要素のうちのすべてまたはサブセットから構成され得る(がこれらに限定されない):SOA、熱光学スイッチ、p-i-nダイオードスイッチ、または1つまたは複数の多モード干渉(MMI)カプラおよびマッハツェンダ干渉計(MZI)からなるスイッチネットワーク。スイッチング素子の追加により、送信機からの光信号のルーティングを決定するための電気制御信号の付与(imposition)が可能になる。特定の制御条件について、スイッチは、送信機から受信機への光信号のルーティングをPIC(または、モジュール)内で可能にし得る。
【0025】
[0033]異なる制御条件について、同じスイッチング素子は、光信号が送信機から外部光リンクにルーティングされることを確実にし得る。いくつかの例となる実施形態では、PICは、受信構成要素(例えば、変調器220、スイッチ222)からループバック経路225上で光を受けるための制御信号を受信するさらなる光スイッチ227を含む。このように、光トランシーバ100は、トランシーバの送信経路と受信経路との間に光リンクを形成するためのモジュールへの外部光リンクを不要にし、それによって、外部結合較正動作、結合損失、外部のファイバ-スイッチ接続、等を除去する。さらに、トランシーバの個々の送信および受信セクションの較正および機能検証は、物理的な光接続がユニットの外部に作られることを必要とするソリューションに限定されない。さらに、トランシーバが「通常」動作モードに設定される必要があるとき、単に統合ループバック経路が無効にされ得るため、送信機と受信機との間の外部接続はいずれも切断される必要がない。
【0026】
[0034]図2の例は、簡潔さのために様々な構成要素が含まれていない、PIC110の簡略版を例示するが、PIC110が、光を送受するための追加の様々な構成要素(例えば、MZI、電界吸収効果変調(EAM)、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、フィルタ)を含むことができることは認識される。
【0027】
[0035]データ受信機115は、受信機(RX)コントローラ250において実行されるおよび/または記憶される命令を使用して受信機115の構成要素を制御することによって、PIC110から電気データを受信することおよび電気データを処理すること(例えば、増幅フィルタリングすること、復調すること)を管理する。RXコントローラ250の例には、DSPユニット、汎用マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、それらの組合せ、または、実行用の制御命令を記憶するための付随のメモリを有する他の同等の集積またはディスクリート論理回路が含まれるがこれらに限定されない。
【0028】
[0036]検出器230が発生する電気(例えば、電気信号、電流)は、TIA235によって、増幅された電気電圧に変換されることができ、これは次に、フィードフォーワードイコライザ(FFE)240によって処理される。FFEは、信号をフィルタリングおよび強化するために、1つまたは複数の遅延を実施して信号の遅延バージョンを作成し、組み合わせる。いくつかの例となる実施形態では、FFE240は、フィルタリングされた電気信号を、(例えば、1つまたは複数のアイダイアグラムを生成することによって)受信信号を分析するためにRXコントローラ250によって実装されることができる受信機アイスキャン分析器253に入力する。
【0029】
[0037]さらに、いくつかの例となる実施形態にしたがって、フィルタリングされた信号は、次に、データのタイミング/クロック特性を処理および復元する(例えば、クロック信号を抽出し、データ信号をリタイミングする)ために、クロックおよびデータ復元(CDR)モジュール255によって処理され、これは次に、さらに処理されるか、または(例えば、ハードウェアデバイス150のような外部デバイスによるさらなる処理のために)データとして出力される。
【0030】
[0038]図3Aは、いくつかの例となる実施形態に係る、TIAの閉ループ制御に対して平均電流を使用する例となる補償光受信機構造300を示す。図3の例では、PIC305は、データ受信機構成要素320(例えば、受信機115)とインタフェース接続する受信機300のフォトニック構成要素(例えば、PIC110)であり、これは、受信される電気データの電気処理、フィルタリング、および復調を処理するように構成される。いくつかの例となる実施形態では、PIC305およびデータ受信機320は、各々、図7を参照して以下でより詳細に説明するように、光ASICシステムに統合される構成要素であり得る。
【0031】
[0039]例示されるように、PIC305は、(例えば、ファイバから)光信号を受信し、これは次に、SOA310に入力される。光信号は、1つまたは複数の送信機(例えば、ループバックモードにおけるデータ送信機105、外部の送信機177)によってPAM4のようなマルチモードフォーマットで送られる光データを含むことができる。
【0032】
[0040]説明したように、受信信号強度は、異なる送信機強度および経路損失にしたがって変動し得る。いくつかの例となる実施形態では、光信号は、SOA310によって増幅され、次に、電流への変換のためにデータフォトダイオード315(例えば、高速フォトダイオード)に入力される。データフォトダイオード315は、光信号の光子を受け、それらを、変調データを示す電流に変換する光感知素子である。
【0033】
[0041]データフォトダイオード315が信号を小さい電流に変換した後、この電流は、データ受信機320のTIA325に入力される。いくつかの例となる実施形態によれば、TIA325は、次に、電流を増幅して、出力電圧に変換し、これは次に、FFE330によってさらに処理され、アイスキャンモジュール335によって分析され、クロックリカバリを経験し、CDR345によって出力される。
【0034】
[0042]さらに、いくつかの実施形態では、RSSIモジュール340(例えば、RSSI回路)は、TIA325の入力電気経路に接続される。RSSIモジュール340は、データ受信機320が受信する平均受信信号強度(例えば、DC電流)を測定する。例えば、図3Bは、光検出器315(図3A)によって生成され、データ受信機320(図3A)によって受信される例となる電流データ信号380のグラフ375を示し、ここでは、データ(0および1)が水平軸上に表示され、電流が垂直軸上に表示されている。図3Bに表示されているように、データ信号380は、ピーク・ツー・ピーク値385を示し、これは、TIA325(図3A)によってピーク・ツー・ピーク電圧信号に変換される。データ信号380はさらに、信号のピーク・ツー・ピークスイングの平均であるその平均強度値390に関して、検出されることができる。いくつかの例となる実施形態では、RSSI340(図3A)は、信号380を受信し、光受信機300(例えば、光トランシーバの受信機アセンブリ)によって受信される信号の平均強度を示すための平均強度値390を示すメモリ中のデータまたは信号を生成する。いくつかの例となる実施形態では、データ受信機320は、RSSI340を含まない。代わりに、平均入力電流値が、TIA325の入力に接続されているモニタフォトダイオード347(MPD)のような平均電流検出素子から生成され、これは次に、この平均値をデータで記憶し、電流値をマイクロコントローラ355のような制御ロジックに入力する。
【0035】
[0043]いくつかの例となる実施形態では、マイクロコントローラ355は、統合制御ロジック(例えば、ASIC)、または、受信機コントローラ250またはPICコントローラ215のようなプロセッサによって記憶および実行される命令であり得る。(例えば、RSSI340またはモニタフォトダイオード347から)平均入力電流強度を受信するか別の方法で特定すると、コントローラ355は、次に、TIA325における入力電流を安定化させるべく、閉フィードバックループにおいて信号を前置増幅するために、PIC305におけるSOA310の利得の量を増減させるための信号を生成する。例えば、(例えば、高い消光比により)TIA入力において入力電流が低下することに応答して、マイクロコントローラ355は、データフォトダイオード315によって変換される前に光信号をさらに増幅するために、シリコン光増幅器310のバイアス利得を増加させ、それによって、トランスインピーダンス増幅器325のノイズおよび線形応答要件を緩和する。追加的に、TIA入力においてER最小が満たされるいくつかのケースでは、マイクロコントローラ355は、SOA310の利得を最小レベルに減少させ、それによって、SOA利得を一定に固定する電力の浪費を回避する。
【0036】
[0044]図4は、いくつかの例となる実施形態に係る、平均値フィードバックベースの制御を使用した光デバイスにおける光前置増幅のための方法400のフロー図である。図4の例では、受信信号の受信信号強度値(例えば、平均電流値)は、上の図3で説明したように、トランスインピーダンス増幅器の動作パラメータを緩和するために、閉フィードバックループの一部として、受けた光を光学的に前置増幅するために使用される。
【0037】
[0045]動作405において、PIC305が受けた光は、PIC305に統合されているSOA310のような光増幅器を使用して増幅される。SOA310の光利得の量は、SOA310に供給される利得電流へと調整されることができる。いくつかの例となる実施形態では、マイクロコントローラ355は、SOA310によって生成される利得を変動させるために、電流デジタル/アナログ(DAC)変換器を使用する。
【0038】
[0046]動作410において、データフォトダイオード315(一種の光検出器)は、増幅光から電流を発生する。例えば、光学的に増幅された光は、この光を電気信号に変換するために、フォトダイオード315に(例えば、導波管を介して)光学的に入力される。例えば、光は、PAM4変調された光であり得、これは、PIC310が受け、SOA310によって増幅され、そして、データフォトダイオード315を使用してPAM4電気信号に変換される。PAM4電気信号は、次に、例えば、フィルタリング、復調、クロックリカバリの実行、およびPAM4電気信号に対する他の動作によって、データ受信機320電気構造によってさらに処理され得る。いくつかの例となる実施形態では、受信機320は、さらなる処理の前に電気信号の電圧を増幅するために、TIA325のようなトランスインピーダンス増幅器を備える。
【0039】
[0047]いくつかの例となる実施形態では、動作415において、TIAの入力の電流レベルは、SOA310の光制御ループにおける使用のために測定される。例えば、データ受信機320は、PAM4信号をDC電流レベルに平均化するために、モニタフォトダイオード347またはRSSIモジュール340を実装することができる。
【0040】
[0048]動作420において、マイクロコントローラ355のようなハードウェアプロセッサは、変化するDC電流レベルに基づいてSOA310の利得を調整する。例えば、DC電流レベルが(例えば、ERの増加により)低下すると、マイクロコントローラ355は、TIA入力における電流レベルの低下を補償するために、SOA310への光利得を増加する。マイクロコントローラ355は、(例えば、直接的な電気接触を介して、モニタフォトダイオード347を介して)TIA入力の電流レベルに直接アクセスするように構成されることができるか、またはTIA入力における平均電流を記録する信号またはデータ値にアクセスすること(例えば、RSSI340値を読み取ること)ができる。
【0041】
[0049]図5は、いくつかの例となる実施形態に係る、TIAの交流値(alternating value)(例えば、交流、スイング、ピーク・ツー・ピーク)ベースの閉ループ制御を使用する例となる補償受信機アーキテクチャ500を示す。説明したように、受信信号強度は、異なる送信機強度および経路損失にしたがって変動することができ、TIAに対する制約(例えば、ノイズ対線形性)を低減するようにSOA制御を最適化するのに十分に正確であり得る。このため、アーキテクチャ500が、TIAのOMA閉ループ制御を提供するために実装されることができる。図5の例では、PIC505は、データ受信機構成要素520(例えば、データ受信機115)とインタフェース接続する受信機アーキテクチャ500のフォトニック構成要素(例えば、PIC110)であり、これは、電気データの電気処理、フィルタリング、および復調を処理するように構成される。いくつかの例となる実施形態では、PIC505およびデータ受信機520は、各々、図7を参照して以下でより詳細に説明するように、光ASICシステムに統合される構成要素であり得る。
【0042】
[0050]例示されるように、PIC505は、(例えば、単一モードファイバから)光信号を受信し、これは次に、SOA510に入力される。光信号は、1つまたは複数の送信機(例えば、ループバックモードにおけるデータ送信機105、外部の送信機177)から受信されるPAM4信号のようなマルチモードフォーマットの光データを含むことができる。いくつかの例となる実施形態では、光信号は、シリコン増幅器510によって増幅され、次に、電流への変換のためにデータフォトダイオード515に入力される。データフォトダイオード515は、光信号の光子を受け、それらを、変調データを示す電流に変換する光感知素子である。
【0043】
[0051]データフォトダイオード515が信号を電流に変換した後、この電流は、TIA525に入力される。いくつかの例となる実施形態によれば、TIA525は、次に、入力された電流信号を電圧に変換し、これは次に、FFE550によってさらに処理され、アイスキャンモジュール535によって分析され、クロックリカバリを経験し、CDR545によって出力される。
【0044】
[0052]さらに、いくつかの実施形態では、RSSIモジュール541(例えば、RSSI回路)は、TIA525の入力電気経路に接続される。RSSIモジュール541は、データ受信機520が受信する平均受信信号強度(例えば、DC電流)を測定する。いくつかの例となる実施形態では、データ受信機520は、RSSI541を含まないが、代わりに、平均入力電流値が、TIA525の入力に接続されているフォトダイオード542のような平均電流検出素子から生成され、これは次に、この平均値をデータで記憶し、電流値をマイクロコントローラ555のような制御ロジックに入力する。
【0045】
[0053]図5の例では、TIA525の出力は、ピーク検出器537および自動利得制御547を使用して自動的に調整される。特に、例えば、ピーク検出器537は、TIA525から出力電圧の信号(例えば、スイング、オン/オフ間の距離、トップピークおよびホールド回路を介した高いピーク値、ボトムピークおよびホールド回路を介した低いピーク値)のピークを測定するように構成された回路構造であることができる。TIA525に入力される電流が、例えば、光損失の増加または異なる送信機がより低い強度を送信することにより減少することで変動する場合、ピーク検出器537によって測定されるスイングは、より小さくなり、これは次に、(例えば、受信機コントローラ540、受信機コントローラ250によって)メモリ値として記憶されるか、または電気制御信号としてAGC547に入力される。AGC547は、TIA525を制御するための利得値を生成するように構成された異なるAGC回路であることができる。いくつかの例となる実施形態では、AGC547は、AGC547が、スイング出力を安定化させるためにTIA525の利得を自動的に増減させるようにTIA525にハードワイヤード接続される。いくつかの例となる実施形態では、AGC利得値は、受信機コントローラ540がTIA525の利得を修正するために使用する、メモリ(例えば、受信機コントローラ540のレジスタ)に書き込まれるデータ値である。そのため、547のAGC値は、OAMが減少するとAGC値が増加し、逆もまた同様であるため、OAMの変動の逆インジケータである。
【0046】
[0054]いくつかの例となる実施形態では、コントローラ555(例えば、PICコントローラ215)は、SOA510の利得を制御するためにAGC547からのAGC値を使用する。マイクロコントローラ555は、統合制御ロジック(回路)、あるいは受信機コントローラ250またはPICコントローラ215のようなプロセッサによって記憶および実行される命令であることができる。ピーク検出器537は、OMAおよびERが変動していることを示すインジケータとして使用されることができるが、ピーク検出器537の出力は、それが(例えば、AGC547を介して)AGCループ制御によって安定化されるため、大きくは変動しない。したがって、ピーク検出器537の値は、OMAおよびERが変動したとしても変動しないであろう。対照的に、AGC値は、AGC値が、出力スイングを安定化させるためにTIA利得が増減されることとなる量であるため、OMAおよびERが変動していることをより一貫して示すであろう。このため、いくつかの例となる実施形態では、コントローラ555は、AGC547によって生成される最新のAGC値にアクセスするためにレジスタ値にアクセスするように構成される。例えば、AGC547は、受信機コントローラ540のレジストリまたはメモリ内のAGC利得値を常に更新し得、マイクロコントローラは、コントローラ540のレジスタ内のAGC値にアクセスするためにデータインタフェースを使用し得る。例えば、コントローラは、AGC547によってレジスタに記憶されたAGC更新値を常に検索できるように、コントローラ540のレジスタを、コントローラ555の論理的にマッピングされたメモリ記憶装置とみなすように再構成されたQSPI(Queued Serial Peripheral Interface)インタフェースを使用することができる。
【0047】
[0055]最新のAGCデータを受信した後、マイクロコントローラ555は、次に、データフォトダイオード515を介した変換の前に受信信号を光学的に前置増幅するために、(例えば、電流デジタル/アナログ変換器、iDACを介して)SOA510の利得を変更する。例えば、(例えば、ERの増加により)TIA入力において入力電流が低下することに応答して、マイクロコントローラ555は、データフォトダイオード515によって変換される前に光信号をさらに増幅するために、SOA510のバイアス利得を増加させ、それによって、TIA525のノイズおよび線形応答要件を緩和する。追加的に、TIA入力においてER最小が満たされるいくつかのケースでは、コントローラ555は、SOA510の利得を最小レベルに減少させ、それによって、SOA利得を一定に固定する電力の浪費を回避する。
【0048】
[0056]いくつかの例となる実施形態では、TIA入力における平均電流値は、最初、SOA制御ループをブートストラップする(bootstrap)(例えば、方法400、図4)ために使用され、その後に、アーキテクチャ500が稼働し、実行した後に、SOA制御のためにAGC値に切り替えること(例えば、以下で説明する、方法600、図6)が続く。特に、いくつかの例となる実施形態にしたがって、最初に光信号を受信した時点では、AGC547は、(例えば、コントローラ555によるコントローラ540のレジスタまたはメモリアクセスを介して)前置増幅のためにSOA510を制御するのに使用されることができるAGC値を未だ生成していない。しかしながら、フォトダイオード515が光信号を電流に変換するとすぐに、RSSI540またはフォトダイオード515のような平均電流監視構成要素は、即座に入力電流を読み取ることができ、これは、TIA光補償ループをブートストラップすべく信号を最初に前置増幅するためにSOA510への利得を増減するのに使用されることができる。次に、いくつかの例となる実施形態によれば、AGC547がAGC値を(例えば、ピーク検出器537からの信号入力またはデータ読取りを介して)生成し始めた後、アーキテクチャは、SOA510の平均電流またはRSSIベースの制御からAGC値ベースの制御に切り替えることができ、これは、動的なOMAおよびERによる変化するスイング値をより正確に示すことができる。
【0049】
[0057]図5の例では、受信機520は、ピーク検出器を実装するが、いくつかの例となる実施形態では、ピーク検出器は省略され、他の回路がAGCにデータを提供することができる。例えば、いくつかの例となる実施形態では、TIAによって出力されるピークデータは、大きなヒステリシスを有するコンパレータによって検出されることができる。例えば、コンパレータの値が(そのヒステリシスにより)高く維持されると、AGCは、この高い値を読み取り、それをメモリ(例えば、540のレジスタ)に記憶することができる。
【0050】
[0058]追加的に、いくつかの例となる実施形態では、AGCが省略され、TIAの動作制約を緩和すべく、SOA利得を調整するためにピーク検出器がAGC値なしで使用され、
例えば、(例えば、損失により)入力スイングが変動すると、出力スイングが変動(例えば、減少)し得、これが、(例えば、より小さい出力スイングとして)TIAの出力においてピーク検出器回路によって検出されることができる。ピーク・ツー・ピーク値が減少していることをピーク検出器が決定することに応答して、AGCモジュールおよびAGC利得値を使用することなく変動を補償するためにSOAの利得を増加させることができる。
【0051】
[0059]図6は、いくつかの例となる実施形態に係る、平均値フィードバックベースの制御を使用した光デバイスにおける光前置増幅のための方法600のフロー図である。図6の例では、TIA利得コントローラ(例えば、AGC547)によって生成される利得値は、上の図5で説明したように、受信光信号の変動(例えば、OMAの変動)を光学的に補償するための動的フィードバックSOA調整として使用される。
【0052】
[0060]動作605において、PIC505が受けた光は、PIC505に統合されているSOA510のような光増幅器を使用して増幅される。SOA510の光利得の量は、SOA510に供給される利得電流へと調整されることができる。いくつかの例となる実施形態では、マイクロコントローラ555は、SOA510によって生成される利得を変動させるために、電流デジタル/アナログ変換器(iDAC)を使用する。
【0053】
[0061]動作610において、データフォトダイオード515(一種の光検出器)は、増幅光から電流を発生する。例えば、光学的に増幅された光は、この光を電気信号に変換するために、フォトダイオード515に(例えば、導波管を介して)光学的に入力される。例えば、光は、PAM4変調された光であり得、これは、PIC510が受け、SOA510によって増幅され、そして、データフォトダイオード515を使用してPAM4電気信号に変換される。PAM4電気信号は、次に、例えば、フィルタリング、復調、クロックリカバリの実行、およびPAM4電気信号に対する他の動作によって、データ受信機520電気構造によってさらに処理され得る。いくつかの例となる実施形態では、受信機520は、さらなる処理の前に電気信号の電圧を増幅するために、TIA525のようなトランスインピーダンス増幅器を備える。
【0054】
[0062]動作615において、TIA525は、小さい電流を有する電気信号(例えば、データフォトダイオード515によって生成されたPAM4電気信号)を、大きい電圧を有する増幅電気信号へと変換する。動作620において、TIA515によって生成される信号のスイングまたは交流値が測定される。例えば、動作620において、TIA515は、ピーク検出器537に出力し、これは、トップピーク(高い電力)とボトムピーク(最低電力)との差を生成する。ピーク・ツー・ピーク値は、安定化された信号のピーク・ツー・ピーク値にTIA525の利得を動的に調整するためにAGC547によって使用され得る。いくつかの例となる実施形態では、動作620において、交流値は、記憶装置(例えば、受信機コントローラ540のレジスタ)に書き込まれる絶えず変化するAGCデータ値である。
【0055】
[0063]動作620において、マイクロコントローラ555のようなハードウェアプロセッサは、TIA利得調整値に基づいてSOA510の光利得を調整する。例えば、マイクロコントローラ555は、データインタフェースを使用して受信機コントローラのレジスタにアクセスして、AGCを受信し、受けた光のOMAの変化を光学的に補償することができる閉および動的フィードバックループの一部として、変化するAGC値と同じ方向に(例えば、iDACを介して)SOA利得値を常に調整する。
【0056】
[0064]いくつかの例となる実施形態では、光補償回路制御ループは、平均DC値を使用して開始され(例えば、ブートストラップされ)、その後、より細かい制御のために(例えば、AGC値に基づいて)交流スイング値ベースの制御に切り替えることが続く。例えば、最初に光を受信すると、光受信機は、TIA入力において信号の平均値を決定するためにモニタフォトダイオードまたはRSSI値を使用することができる。後の時間に(例えば、数ミリ秒後に)、TIAのためのAGCコントローラは、TIAのための利得調整を生成し始め、これは、メモリに記憶される。いくつかの例となる実施形態によれば、利得調整が生成されると、光制御ループは、光事前適用(optical preapplication)およびOMA補償のより微細な制御のために、平均ベースから(例えば、AGC更新に基づく)スイングに切り替わる。
【0057】
[0065]図7は、本開示の実施形態に係る、1つまたは複数の光デバイスを含む光電気デバイス700(例えば、光トランシーバ)の例示である。この実施形態では、光電気デバイス700は、プリント基板(PCB)705、有機基板710、ASIC715、およびPIC720を含むと示される。この実施形態では、PIC720は、上で説明した1つまたは複数の光学構造(例えば、PIC110、PIC305、PIC505)を含み得る。
【0058】
[0066]いくつかの例となる実施形態では、PIC720は、シリコンオンインシュレータ(SOI)またはシリコン系(例えば、シリコン窒化物(SiN))デバイスを含むか、または、シリコン材料と非シリコン材料の両方から形成されるデバイスを備え得る。上記非シリコン材料(別名「異種材料」と称される)は、III-V材料、磁気光学材料、または結晶基板材料のうちの1つを備え得る。III-V半導体は、周期表のIII族およびV族に含まれている元素(例えば、InGaAsP(Indium Gallium Arsenide Phosphide)、GainAsN(Gallium Indium Arsenide Nitride))を有する。III-Vベースの材料のキャリア分散効果は、III-V半導体の電子速度がシリコンにおけるそれよりも格段に早いため、シリコン系材料の場合より著しく高いであろう。加えて、III-V材料は、電気励起(electrical pumping)からの光の効率的な作成を可能にする直接バンドギャップ(direct bandgap)を有する。ゆえに、III-V半導体材料は、光を発生することおよび光の屈折率を変調することの両方に対して、シリコンよりも向上した効率での光動作を可能にする。ゆえに、III-V半導体材料は、電気から光を発生するときおよび光を電気に変換し戻すときに向上した効率での光動作を可能にする。
【0059】
[0067]低い光損失および高い品質のシリコン酸化物は、ゆえに、以下で説明する異種光デバイスにおいて、III-V半導体の電気光学効率と組み合わせられる。本開示の実施形態では、上記異種デバイスは、デバイスの異種導波管とシリコンのみの導波管との間での低損失の異種光導波管遷移を利用する。
【0060】
[0068]磁気光学(MO)材料は、異種PICがMO効果に基づいて動作することを可能にする。そのようなデバイスは、ファラデー効果を利用し得、そこでは、電気信号に関連付けられた磁場が光ビームを変調し、高い帯域幅変調を提供し、光アイソレータをイネーブルにする光モードの電場を回転させる。上記MO材料は、例えば、鉄、コバルト、またはイットリウム鉄ガーネット(YIG)のような材料を備え得る。さらに、いくつかの例となる実施形態では、結晶基板材料は、高電気機械結合、線形電気光学係数、低伝送損失、および安定した物理化学的性質を有する異種PICを提供する。上記結晶基板素材は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)またはタンタル酸リチウム(LiTaO3)を備え得る。
【0061】
[0069]例示される例では、PIC720は、プリズム725を介してファイバ730で光を交換する。上記プリズムは、いくつかの例となる実施形態によれば、光モードを単一モード光ファイバに結合するために使用されるミスアライメント耐性デバイスである。他の例となる実施形態では、様々な光変調フォーマット(例えば、PAM4、4レーンを有するパラレルシングルモード(PSM4))について、プリズム725から光を受けるために複数のファイバが実装される。
【0062】
[0070]いくつかの例となる実施形態では、PIC720の光デバイスは、少なくとも部分的に、ASIC715に含まれる制御回路によって制御される。この実施形態では、ASIC715は、上で説明した1つまたは複数の光学構造(例えば、データ送信機105、データ受信機115、データ受信機320、PIC110の外部にあるPICコントローラ)を含み得る。ASIC715およびPIC720は両方とも、有機基板710を介してPICを通信的に結合するために使用される、銅柱714上に配設されて示されている。PCB705は、ボールグリッドアレー(BGA)相互接続716を介して有機基板710に結合され、この有機基板(ゆえに、ASIC715およびPIC720)を、示されないシステム700の他の構成要素(例えば、相互接続モジュール、電力供給源、等)に相互接続するために使用され得る。
【0063】
[0071]図8は、例となる実施形態に係る、本明細書で説明した方法のうちの任意の1つまたは複数を実行することをマシンに行わせるための命令のセットが実行され得るコンピュータシステムの形式のマシン800の図表示を例示する。特に、図8は、本明細書で説明した方法のうちの任意の1つまたは複数を実行することをマシン800に行わせるためのマシン読取可能な媒体838(例えば、メモリ)に記憶されている命令816(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリ、または他の実行可能なコード)が実行され得る、コンピュータシステムの例となる形式でマシン800の図表示を示す。命令816は、汎用のプログラミングされていないマシン800を、説明および例示された命令を説明した方法で実行するようにプログラミングされた特定のマシン800に変換する。代替的な実施形態では、マシン800は、スタンドアローンデバイスとして動作するか、または他のマシンに結合(例えば、ネットワーク接続)され得る。ネットワーク展開では、マシン800は、サーバ-クライアントネットワーク環境においてサーバマシンまたはクライアントマシンの資格で動作するか、ピア・ツー・ピア(または、分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして動作し得る。マシン800は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、セットトップボックス(STB)、PDA、エンターテイメントメディアシステム、セルラ電話、スマートフォン、モバイルデバイス、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、スマートホームデバイス(例えば、スマートアプリアンス)、他のスマートデバイス、ウェブアプリアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、またはマシン800がとる動作を特定する命令816を連続してまたは他の方法で実行することができる任意のマシンを備え得るがこれらに限定されない。さらに、単一のマシン800だけが例示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で説明した方法のうちの任意の1つまたは複数を実行するために命令816を個々にまたは共同で実行するマシン800の集合体を含むとみなされるものとする。
【0064】
[0072]マシン800は、例えば、バス802を介して互いに通信するように構成され得る、プロセッサ810、メモリ830、およびI/O構成要素850を含み得る。例となる実施形態では、プロセッサ88(例えば、CPU、RISC(Reduced Instruction Set Computing )プロセッサ、CISC(Complex Instruction Set Computing)プロセッサ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ASIC、無線周波数集積回路(RFIC)、別のプロセッサ、またはそれらの任意の適切な組合せ)は、例えば、命令816を実行し得るプロセッサ812およびプロセッサ814を含み得る。「プロセッサ」という用語は、命令を同時に実行し得る2つ以上の独立したプロセッサ(「コア」と呼ばれることがある)を備え得るマルチコアプロセッサを含むことが意図される。図8は複数のプロセッサ810を示すが、マシン800は、単一のコアを有する単一のプロセッサを、複数のコアを有する単一のプロセッサ(例えば、マルチコアプロセッサ)を、単一のコアを有する複数のプロセッサを、複数のコアを有する複数のプロセッサを、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0065】
[0073]メモリ830は、メインメモリ832、静的メモリ834、および記憶ユニット836を含み得、それらはすべて、例えば、バス802を介してプロセッサ810にアクセス可能である。メインメモリ830、静的メモリ834、および記憶ユニット836は、本明細書で説明した方法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具現化する命令816を記憶する。命令816はまた、マシン800によるそれらの実行中、メインメモリ832内に、静的メモリ834内に、記憶ユニット836内に、プロセッサ810のうちの少なくとも1つ内に(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内に)、または、それらの任意の適切な組合せ内に、完全にまたは部分的に存在し得る。
【0066】
[0074]I/O構成要素850は、入力を受信し、出力を提供し、出力を生成し、情報を送信し、情報を交換し、測定値を取り込む、等のための幅広い種類の構成要素を含み得る。特定のマシンに含まれている特定のI/O構成要素850は、マシンのタイプに依存するであろう。例えば、モバイル電話のようなポータブルマシンは、タッチ入力デバイスまたは他のそのような入力メカニズムを含んでいる可能性が高く、ヘッドレスサーバマシンは、そのようなタッチ入力デバイスを含んでいない可能性が高い。I/O構成要素850が、図8に示されていない多くの他の構成要素を含み得ることは認識されるであろう。I/O構成要素850は、単に以下の説明を簡潔にするために機能性にしたがってグループ化されるが、このグループ化は決して限定ではない。様々な例となる実施形態では、I/O構成要素850は、出力構成要素852および入力構成要素854を含み得る。出力構成要素852は、視覚構成要素(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、またはブラウン管(CRT)のようなディスプレイ)、聴覚構成要素(例えば、スピーカ)、触覚構成要素(例えば、振動モータ、抵抗メカニズム)、他の信号生成器、等を含み得る。入力構成要素854は、英数字入力構成要素(例えば、キーボード、英数字入力を受けるように構成されたタッチスクリーン、フォト光キーボード、または他の英数字入力構成要素)、ポイントベースの入力構成要素(例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサ、または別の指針計器)、触覚入力構成要素(例えば、物理ボタン、タッチジェスチャまたはタッチのロケーションおよび/または力を提供するタッチスクリーン、あるいは他の触覚入力構成要素)、オーディオ入力構成要素(例えば、マイクロフォン)、等を含み得る。
【0067】
[0075]さらなる例となる実施形態では、豊富な他の構成要素の中でもとりわけ、I/O構成要素850は、バイオメトリック構成要素856、モーション構成要素858、環境構成要素860、または位置決定構成要素862を含み得る。例えば、バイオメトリック構成要素856は、表現(例えば、手ぶり、顔の表情、声の表現、身ぶり、またはアイトラッキング)を検出し、生体信号(例えば、血圧、心拍、体温、汗、または脳波)を測定し、人物を識別する(例えば、音声識別、網膜識別、顔識別、指紋識別、または脳波図ベースの識別)、等を行う構成要素を含み得る。モーション構成要素858は、加速度センサ構成要素(例えば、加速度計)、重力センサ構成要素、回転センサ構成要素(例えば、ジャイロスコープ)、等を含み得る。環境構成要素860は、例えば、照明センサ構成要素(例えば、フォトメータ)、温度センサ構成要素(例えば、周囲の温度を検出する1つまたは複数の温度計)、湿度センサ構成要素、圧力センサ構成要素(例えば、気圧計)、音響センサ構成要素(例えば、バックグラウンドノイズを検出する1つまたは複数のマイクロフォン)、近接センサ構成要素(例えば、近くの物体を検出する赤外線センサ)、ガスセンサ(例えば、安全のために有害ガスの濃度を検出する、または、大気における汚染物質を測定するガス検出センサ)、または周囲の物理的な環境に対応するインジケーション、測定値、または信号を提供し得る他の構成要素を含み得る。位置決定構成要素862は、ロケーションセンサ構成要素(例えば、GPS受信機構成要素)、高度センサ構成要素(例えば、高度が導出され得る空気圧を検出する高度計または気圧計)、方位センサ構成要素(例えば、磁気計)、等を含み得る。
【0068】
[0076]通信は、幅広い種類の技術を使用して実施され得る。I/O構成要素850は、それぞれ、結合882および結合872を介してマシン800をネットワーク880またはデバイス870に結合するように動作可能な通信構成要素864を含み得る。例えば、通信構成要素864は、ネットワークインタフェース構成要素またはネットワーク880とインタフェース接続するための別の適切なデバイスを含み得る。さらなる例では、通信構成要素864は、ワイヤード通信構成要素、ワイヤレス通信構成要素、セルラ通信構成要素、近接場通信(NFC)構成要素、ブルートゥース(登録商標)構成要素(例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy)、Wi-Fi構成要素、および他の様式を介して通信を提供するための他の通信構成要素を含み得る。デバイス870は、別のマシンまたは幅広い種類の周辺デバイス(例えば、USBを介して結合される周辺デバイス)のうちの任意のものであり得る。
【0069】
[0077]さらに、通信構成要素864は、識別子を検出するか、識別子を検出するように動作可能な構成要素を含み得る。例えば、通信構成要素864は、無線周波数識別(RFID)タグリーダ構成要素、NFCスマートタグ検出構成要素、光リーダ構成要素(例えば、UPC(Universal Product Code)バーコードのような一次元バーコード、QR(Quick Response)コードのような多次元バーコード、Aztecコード、Data Matrix、Dataglyph、MaxiCode、PDF417、Ultra Code、UCC RSS-2Dバーコード、および他の光学コードを検出するための光センサ)または音響検出構成要素(例えば、タグ付けされたオーディオ信号を識別するためのマイクロフォン)を含み得る。加えて、インターネットプロトコル(IP)ジオロケーションによるロケーション、Wi-Fi信号三角測量によるロケーション、特定のロケーションを示し得るNFCビーコン信号の検出によるロケーション、等のような様々な情報が、通信構成要素864を介して導出され得る。
【0070】
[0078]様々なメモリ(すなわち、830、832、834、および/またはプロセッサ810のメモリ)および/または記憶ユニット836は、本明細書で説明した方法論または機能のうちの任意の1つまたは複数を具現化するかまたはそれらによって利用されるデータ構造(例えば、ソフトウェア)および命令の1つまたは複数のセットを記憶し得る。これらの命令(例えば、命令816)は、プロセッサ88によって実行されると、開示された実施形態を実施するために様々な動作を引き起こす。
【0071】
[0079]本明細書で使用される場合、「マシン記憶媒体」、「デバイス記憶媒体」、および「コンピュータ記憶媒体」という用語は、同じものを意味し、本開示では交換して使用され得る。これらの用語は、実行可能な命令および/またはデータを記憶する単一のまたは複数の記憶デバイスおよび/または媒体(例えば、集中型または分散型データベースおよび/または関連するキャッシュおよびサーバ)を指す。これらの用語は、したがって、プロセッサの外部にあるまたはそれに内蔵のメモリを含む、ソリッドステートメモリならびに光および磁気媒体を含むがこれらに限定されないとみなされるものとする。マシン記憶媒体、コンピュータ記憶媒体、および/またはデバイス記憶媒体の特定の例には、例として半導体メモリデバイス、例えば、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM(登録商標))、FPGA、およびフラッシュデバイスメモリを含む不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバルディスクのような磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクが含まれる。「マシン記憶媒体」、「デバイス記憶媒体」、および「コンピュータ記憶媒体」という用語は、厳密には、キャリア波、変調データ信号、および他のそのような媒体を除外し、それらのうちの少なくともいくかは、以下で説明する「信号媒体」という用語によってカバーされる。
【0072】
[0080][0079]いつかの例となる実施形態では、ネットワーク880の1つまたは複数の部分は、アドホックネットワーク、イントラネット、エクストラネット、VPN、LAN、WLAN、WAN、WWAN、インターネット、インターネットの一部、PSTNの一部、POTS(plain old telephone service)ネットワーク、セルラ電話ネットワーク、ワイヤレスネットワーク、Wi-Fiネットワーク、別のタイプのネットワーク、または2つ以上のそのようなネットワークの組合せであり得る。例えば,ネットワーク880またはネットワーク880の一部は、ワイヤレスまたはセルラネットワークを含み得、結合882は、符号分割多元接続(CDMA)接続、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))接続、または別のタイプのセルラまたはワイヤレス結合であり得る。この例では、結合882は、シングルキャリア無線技術(1xRTT)、発展型データ最適化(EVDO技術)、汎用パケット無線サービス(GPRS)技術、GSMエボリューションのための強化データレート(EDGE)技術、3Gを含む第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))、第4世代ワイヤレス(4G)ネットワーク、ユニバーサルモバイル電気通信システム(UMTS)、高速パケットアクセス(HSPA)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))規格、様々な規格設定団体によって定義された他のもの、他の長距離プロトコル、または他のデータ転送技術のような様々なタイプのデータ転送技術のうちの任意のものを実施し得る。
【0073】
[0081]命令816は、ネットワークインタフェースデバイス(例えば、通信構成要素864に含まれているネットワークインタフェース構成要素)を介して送信媒体を使用して、および、いくつかの周知の転送プロトコルのうちの任意のもの(例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP))を利用して、ネットワーク880上で送信または受信され得る。同様に、命令816は、デバイス870への結合872(例えば、ピア・ツー・ピア結合)を介して送信媒体を使用して送信または受信され得る。「送信媒体」および「信号媒体」という用語は、同じものを意味し、本開示では交換して使用され得る。「送信媒体」および「信号媒体」という用語は、マシン800による実行のために、命令816を記憶、符号化、および搬送することができ、かつ、デジタルまたはアナログ通信信号またはそのようなソフトウェアの通信を容易にする他の無形媒体を含む任意の無形媒体を含むとみなされるものとする。ゆえに、「送信媒体」および「信号媒体」という用語は、変調データ信号、キャリア波、等の任意の形式を含むとみなされるものとする。「変調データ信号」という用語は、その特性のうちの1つまたは複数が信号内の情報を符号化するための方法で設定または変更されている信号を意味する。
【0074】
[0082]「マシン読取可能な媒体」、「コンピュータ読取可能な媒体」、および「デバイス読取可能な媒体」は、同じものを意味し、本開示では交換して使用され得る。これらの用語は、マシン記憶媒体および送信媒体の両方を含むように定義される。ゆえに、これらの用語は、記憶デバイス/媒体およびキャリア波/変調データ信号の両方を含む。
【0075】
[0083]下記は、例となる実施形態である。
【0076】
[0084]実施例1。
光受信機を使用して光を処理するための方法であって、この方法は、光受信機のフォトニック集積回路構造によって光を受けることと、ここで、フォトニック集積回路構造は、光検出器に結合された光増幅器を含み、フォトニック集積回路構造における光増幅器を使用して光を光学的に増幅することによって、増幅光を発生することと、ここで、増幅光は、光増幅器の光利得に基づいて増幅され、フォトニック集積回路構造における光検出器を使用して増幅光を検出することによって電気信号を生成することと、光受信機の電気回路構造におけるトランスインピーダンス増幅器(TIA)を使用して増幅電気信号を生成することと、TIAは、TIAによって生成された増幅電気信号の変動に基づいてTIAの電気利得を更新する利得コントローラを有し、TIAによって生成された増幅電気信号の変動により変化するTIAの電気利得に基づいて、光増幅器の光利得を連続的に調整することとを備える。
【0077】
[0085]実施例2。TIAの電気利得を調整するために、電気利得値を、TIAの利得コントローラによって、生成することをさらに備える、実施例1に記載の方法。
【0078】
[0086]実施例3。増幅電気信号は、フォトニック集積回路構造が受けた光の減少した光変調振幅(OMA)による減少した電気変調振幅を示す、実施例1または2に記載の方法。
【0079】
[0087]実施例4。TIAの電気利得値は、減少した電気変調振幅を補償するために増加される、実施例1-3のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0080】
[0088]実施例5。光利得は、電気利得値が増加されることに応答して増加され、増加した光利得は、光検出器による検出の前に光を次第に増幅することによって、少なくとも部分的に、減少したOMAを補償する、実施例1-4のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0081】
[0089]実施例6。TIAは、ピーク検出器回路に出力し、減少した変調増幅は、増幅電気信号のより小さいピーク値として検出される、実施例1-5のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0082】
[0090]実施例7。電気利得値は、電気回路構造におけるメモリに記憶され、光受信機は、電気回路構造の外部にあるハードウェアプロセッサをさらに備え、ハードウェアプロセッサは、電気利得値を記憶するメモリへのデータインタフェースを有する、実施例1-6のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0083】
[0091]実施例8。データインタフェースを使用してメモリに記憶された電気利得値を、ハードウェアプロセッサによって、アクセスすることをさらに備える、実施例1-7のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0084】
[0092]実施例9。ハードウェアプロセッサは、マイクロコントローラである、実施例1-8のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0085】
[0093]実施例10。電気回路構造は、特定用途向け集積回路(ASIC)を備え、電気利得値を記憶するメモリは、ASICのレジスタである、実施例1-9のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0086】
[0094]実施例11。変化するTIAの電気利得に基づいて、光増幅器の光利得を調整するために、アナログ信号を、ハードウェアプロセッサによって、生成することをさらに備える、実施例1-10のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0087】
[0095]実施例12。アナログ信号は、ハードウェアプロセッサおよび光増幅器に結合されたデジタル/アナログ変換器(DAC)を使用して生成される、実施例1-11のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0088】
[0096]実施例13。TIAは、入力として電気信号を受信し、電気信号の電圧を増幅することによって増幅電気信号を生成する、実施例1-12のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0089】
[0097]実施例14。光検出器は、光を電気信号に変換するフォトダイオードである、実施例1-13のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0090】
[0098]実施例15。光増幅器は、半導体光増幅器(SOA)である、実施例1-14のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0091】
[0099]実施例16。光受信機は、光トランシーバの一部であり、光トランシーバは、追加の光を発生する光送信機をさらに備える、実施例1-15のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0092】
[00100]実施例17。光トランシーバは、光ネットワークから光を受け、光は、光ネットワークに接続されたリモート光送信機によって発生される、実施例1-16のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0093】
[00101]実施例18。電気回路構造におけるTIAの入力ポートにおいて電気信号の入力信号強度を決定することと、入力信号強度の変動を補償するように光増幅器の光利得を最初に調整することとをさらに備える、実施例1-17のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0094】
[00102]実施例19。入力信号強度は減少し、光利得は、電気回路構造におけるTIAの入力ポートにおける入力信号強度の減少を補償するために光利得を増加させることによって調整される、実施例1-18のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0095】
[00103]実施例20。光受信機であって、この光受信機は、光増幅器の光利得に基づいて光を光学的に増幅するための光増幅器を備えるフォトニック集積回路と、ここで、フォトニック集積回路は、光学的に増幅された光から電気信号を生成するための光検出器をさらに備え、光検出器によって生成された電気信号を処理するための電子回路構造と、ここで、電子回路構造は、光検出器によって生成された電気信号から増幅電気信号を生成するトランスインピーダンス増幅器(TIA)を備え、TIAは、TIAによって生成された増幅電気信号の変動に基づいてTIAの電気利得を調整する利得コントローラを有し、TIAによって生成された増幅電気信号の変動により変化するTIAの電気利得に基づいて光増幅器の光利得を連続的に調整するためのハードウェアプロセッサとを備える。
【0096】
[00104]実施例21。ハードウェアプロセッサは、データインタフェースを使用して電子回路構造のメモリから電気利得値を検索するように構成されたマイクロコントローラであり、マイクロコントローラは、光受信機におけるデジタル/アナログ(DAC)を使用して光増幅器の光利得を調整するためのアナログ信号を生成するようにさらに構成され、増幅電気信号は、フォトニック集積回路構造が受けた光の減少した光変調振幅(OMA)による減少した電気変調振幅を示し、TIAの電気利得値は、減少した電気変調振幅を補償するために増加される、実施例20に記載の光受信機。
【0097】
[00105]実施例20。光利得は、電気利得値が増加されることに応答して増加され、増加した光利得は、光検出器による検出の前に光を次第に増幅することによって、少なくとも部分的に、減少したOMAを補償する、実施例18または19に記載の光受信機。
【0098】
[00106]前述の詳細な説明では、本発明の主題の方法および装置は、それの特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、本発明の主題のより広い精神および範囲から逸脱することなく、様々な改良および変更がそれらに対してなされ得ることは明らかであろう。それに応じて、本明細書および図は、限定的な意味ではなく、実例的な意味で考慮されるべきである。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
光受信機を使用して光を処理するための方法であって、
前記光受信機のフォトニック集積回路構造によって光を受けることと、ここで、前記フォトニック集積回路構造は、光検出器に結合された光増幅器を含み、
前記フォトニック集積回路構造における前記光増幅器を使用して前記光を光学的に増幅することによって、増幅光を発生することと、ここで、前記増幅光は、前記光増幅器の光利得に基づいて増幅され、
前記フォトニック集積回路構造における前記光検出器を使用して前記増幅光を検出することによって電気信号を生成することと、
前記光受信機の電気回路構造におけるトランスインピーダンス増幅器(TIA)を使用して増幅電気信号を生成することと、前記TIAは、前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の変動に基づいて前記TIAの電気利得を更新する利得コントローラを有し、
前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の前記変動により変化する前記TIAの前記電気利得に基づいて、前記光増幅器の前記光利得を連続的に調整することと
を備える方法。
[C2]
TIAの前記電気利得を調整するために、電気利得値を、前記TIAの前記利得コントローラによって、生成すること
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C3]
前記増幅電気信号は、前記フォトニック集積回路構造が受けた前記光の減少した光変調振幅(OMA)による減少した電気変調振幅を示す、C2に記載の方法。
[C4]
前記TIAの前記電気利得値は、前記減少した電気変調振幅を補償するために増加される、C3に記載の方法。
[C5]
前記光利得は、前記電気利得値が増加されることに応答して増加され、前記増加した光利得は、前記光検出器による検出の前に前記光を次第に増幅することによって、少なくとも部分的に、前記減少したOMAを補償する、C4に記載の方法。
[C6]
前記TIAは、ピーク検出器回路に出力し、減少した変調増幅は、前記増幅電気信号のより小さいピーク値として検出される、C3に記載の方法。
[C7]
前記電気利得値は、前記電気回路構造におけるメモリに記憶され、前記光受信機は、前記電気回路構造の外部にあるハードウェアプロセッサをさらに備え、前記ハードウェアプロセッサは、前記電気利得値を記憶する前記メモリへのデータインタフェースを有する、C2に記載の方法。
[C8]
前記データインタフェースを使用して前記メモリに記憶された前記電気利得値を、前記ハードウェアプロセッサによって、アクセスすることをさらに備える、C7に記載の方法。
[C9]
前記ハードウェアプロセッサは、マイクロコントローラである、C8に記載の方法。
[C10]
前記電気回路構造は、特定用途向け集積回路(ASIC)を備え、前記電気利得値を記憶する前記メモリは、前記ASICのレジスタである、C8に記載の方法。
[C11]
変化する前記TIAの前記電気利得に基づいて、前記光増幅器の前記光利得を調整するために、アナログ信号を、前記ハードウェアプロセッサによって、生成すること
をさらに備える、C7に記載の方法。
[C12]
前記アナログ信号は、前記ハードウェアプロセッサおよび前記光増幅器に結合されたデジタル/アナログ変換器(DAC)を使用して生成される、C11に記載の方法。
[C13]
前記電気回路構造における前記TIAの入力ポートにおいて前記電気信号の入力信号強度を決定することと、
前記入力信号強度の変動を補償するように前記光増幅器の前記光利得を最初に調整することと
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C14]
前記入力信号強度は、減少によって変動し、前記光利得は、前記電気回路構造における前記TIAの前記入力ポートにおける前記入力信号強度の減少を補償するために前記光利得を増加させることによって調整される、C13に記載の方法。
[C15]
前記光増幅器は、半導体光増幅器(SOA)であり、前記光検出器は、フォトダイオードである、C1に記載の方法。
[C16]
前記光受信機は、光トランシーバの一部であり、前記光トランシーバは、追加の光を発生する光送信機をさらに備える、C1に記載の方法。
[C17]
前記光トランシーバは、光ネットワークから前記光を受け、前記光は、前記光ネットワークに接続されたリモート光送信機によって発生される、C16に記載の方法。
[C18]
光受信機であって、
光増幅器の光利得に基づいて光を光学的に増幅するための前記光増幅器を備えるフォトニック集積回路と、ここで、前記フォトニック集積回路は、前記光学的に増幅された光から電気信号を生成するための光検出器をさらに備え、
前記光検出器によって生成された前記電気信号を処理するための電子回路構造と、ここで、前記電子回路構造は、前記光検出器によって生成された前記電気信号から増幅電気信号を生成するトランスインピーダンス増幅器(TIA)を備え、前記TIAは、前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の変動に基づいて前記TIAの電気利得を調整する利得コントローラを有し、
前記TIAによって生成された前記増幅電気信号の前記変動により変化する前記TIAの前記電気利得に基づいて前記光増幅器の前記光利得を連続的に調整するためのハードウェアプロセッサと
を備える光受信機。
[C19]
前記ハードウェアプロセッサは、データインタフェースを使用して前記電子回路構造のメモリから電気利得値を検索するように構成されたマイクロコントローラであり、
前記マイクロコントローラは、前記光受信機におけるデジタル/アナログ変換器(DAC)を使用して前記光増幅器の前記光利得を調整するためのアナログ信号を生成するようにさらに構成され、
前記増幅電気信号は、前記フォトニック集積回路が受けた前記光の減少した光変調振幅(OMA)による減少した電気変調振幅を示し、前記TIAの前記電気利得値は、前記減少した電気変調振幅を補償するために増加される、
C18に記載の光受信機。
[C20]
前記光利得は、前記電気利得値が増加されることに応答して増加され、前記増加した光利得は、前記光検出器による検出の前に前記光を次第に増幅することによって、少なくとも部分的に、前記減少したOMAを補償する、C19に記載の光受信機。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8